コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

平成19年度コミュニティ・スクール推進フォーラム事例発表(三重県津市立朝陽中学校)

学校名 津市立朝陽中学校
所在地 三重県津市河芸町上野2010
電話番号 059-245-0064

1 学校の概要

 平成18年1月1日市町村合併により津市となる。校区は、住宅団地を抱える千里ヶ丘小学校区、旧街道の名残の見られる上野小学校区、漁村の面影を残している豊津小学校区、田園地帯の黒田小学校区の4小学校区からなる。校区全体に都市化が進み、地域社会も変貌しつつある。平成19年度の生徒数は500名、16学級の学校である。千里ヶ丘小学校区では団地の造成中であり、今後生徒数の増加が見込まれる。

2 なぜ「学校運営協議会」制度を導入したのか。

 旧河芸町では、長年にわたり町学校教育振興会の組織のもと、幼稚園・小学校・中学校が連携して、町内園児・児童生徒の教育活動の推進、教職員の研修充実等の事業に取り組み、地域に根ざした学習活動を展開してきた。
 平成18年1月、10市町村が合併して、「新」津市が誕生し、一体化をめざしていくことが明らかになった。そのようななかで、町学校教育振興会の組織がなくなり、今後、河芸町の地域性や幼小中の連携などがうすれていくのではないかという危惧があった。また、「旧津市」では、構造改革特別区域(小中一貫教育)などの新しい取り組みも始められていた。
 そこで、平成17年5月に朝陽中学校区教育推進協議会を立ち上げ、これまでの町教育委員会の教育施策と町学校教育振興会の諸事業を精査し、地域に根ざした特色ある幼小中一貫した教育活動を進めようと考えた。また、文部科学省のコミュニティ・スクール推進事業の指定をうけ研究を進めてきた。
 本校では、これまで、「特色ある学校づくり」「地域に信頼される学校づくり」を目指して、職場体験学習、地域ボランティア活動、体験講座などの教育活動を通して地域との連携を深めてきた。また、保護者や地域住民の学校行事への参加や地区懇談会の開催、学校通信、学年通信等を通して保護者の学校教育に対する理解を深める取り組みを行ってきた。多くの協力的な保護者に支えながら、生徒たちは明るく落ち着いた学校生活を送っている。
 今、落ち着いた状況だからこそ、本校の良さを更に伸ばす取り組みが可能であり、また小学校との連携においても、本校が中心的な役割を果たす必要があると考えた。そのための、組織の必要性を感じた。

3 自校のコミュニティ・スクールの特色

 朝陽中学校の学校運営協議会ではあるものの、中学校区内の幼小中連携を意識した組織である。以前から校区内の小学校と連携し、生徒指導、国際理解教育、人権教育、小中連絡会、新入生説明会、小中学校教員による交流授業等を進めている。これらの幼小中連携を本校が中心となって進めていくために、学校運営協議会の委員に、幼稚園長代表1名、小学校長代表1名、小学校教員代表1名が含まれている。
 「学校運営協議会」制度を取り入れるものの、まったく新しいものを立ち上げる、創り上げるものではなく、今まで取り組んできたことを見直すこと、保護者・地域が学校運営を支援する観点を大切にし、本校の特色をいかした「学校運営協議会」にしていく。

学校運営協議会の組織

朝陽中学校運営協議会(15名)
 地域代表(3名:自治会代表・青少年育成会会長・民生児童委員協議会会長)
 学識経験者(4名)
 保護者代表(4名 OBも)
 幼稚園長代表(1名)
 小学校長代表(1名)
 小学校教員代表(1名)
 中学校長(1名)

○学校運営方針の承認
○学校運営、教育活動に対する意見
○活動等の情報を保護者や地域に発信
○教育委員会への意見
○外部評価(教育活動の点検、評価)と公表

朝陽中学校運営協議会

4 過去の課題と克服方法

 平成19年6月8日に委員の任命式と第1回学校運営協議会を開催したところである。
 保護者、地域とも学校に対して協力的ではあるが、積極的にかかわるという意識には至っていない。学校運営協議会の部会で、本校の諸活動に多くの保護者や地域の人々に参画してもらえるような工夫をしていきたい。

5 コミュニティ・スクールによる成果と携わっているものとしての実感(手応え)

 本年度6月に第1回学校運営協議会を開催したところで、成果は今後の活動に委ねられている。
 津市教育委員会より、小中連携事業推進のための予算措置や非常勤講師配置など本校学校運営協議会の設置に対する配慮を感じる。
 第1回の学校運営協議会のなかで、地域代表の委員からは、地域での生徒への積極的なかかわり、保護者代表の委員からは、生徒たちのいきいきとした姿と教職員の平素の取り組みに対する感謝と今後の活動への協力など、各委員から学校運営について前向きな意見をいただいた。 

6 今後に向けて

 第1回学校運営協議会では、学校運営の基本方針の説明と承認が行われた。委員からは、学校が動き出しているこの時期では遅いのではないかという意見が出された。今後は、学校自己評価を評価する外部評価委員会的な役割も担いつつ、早い時期に次年度の学校運営方針策定のもととなる意見をいただき、4月の早い段階で承認を受けるという段取りで進めていきたい。
 年間5回の学校運営協議会の開催を考えているが、効果的に協議会を運営するためにも、委員長との事前打ち合わせを毎回持つ必要がある。
 教育活動を支援していくために、部会を位置づけていくこと、また、今あるPTA組織等とリンクさせていくことが必要である。
 事務局をどうしていくか。事務局の負担はかなり大きくなりそうである。また、部会等の活動資金をどうしていくか。

-- 登録:平成23年11月 --