コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究成果発表会資料 新宮市立光洋中学校

学校名 新宮市立光洋中学校
所在地 和歌山県新宮市三輪崎1199-2
電話番号 0735-31-7034

1.実践研究のテーマ

「学校の自立・学社融合をめざす学校運営システム・教育実践システムの構築」

(基本テーマ)
(1)学校は地域のために何ができるか
(2)地域は学校のために何ができるか

2.研究の推進体制

1.運営会議(教育委員会・学識経験者・新宮市学校協議会の代表)
2.光洋中学校 学校協議会(教職員6名・保護者6名・地域6名)
3.研究部(班に分かれて研究する)
4.その他(PTA・新宮市教育委員会・和歌山県教育委員会)

3.実践の成果と課題

(1)学校と地域との連携について

1.保護者や地域住民の参加による協議組織の活用について

○学校協議会の構成
16年度は、教員6名(校長推薦・一部公募)、保護者6名(PTA会長推薦)、地域代表6名(4地域の区長が推薦)で組織し、他に広報担当1名・小学校教頭1名・教育委員会2名がオブザーバーで参加している。
○協議会の役割
 信頼される学校づくりのために、設置し、その目的は
 (1)地域・保護者の参加により、地域性を生かし、地域ニーズに応える
 (2)保護者・地域との連携をより密にし、協力して教育にあたる
○開催回数及び協議内容
毎月、定例会をもち、学校の取組みに対して意見を述べ、運営にも協力。
協議内容:
(1)学校行事の援助(文化祭・体育祭)
(2)学校運営の評価(年度末に記述式の評価)
(3)学校の教育環境整備(パソコンラック寄贈)
(4)地域の文化振興運動(教育講演会・観劇・ふれあい講座等)
(5)活動基金確保の活動(Tシャツ・自動販売機等)
(6)学校経営への意見(挨拶運動・ボランティア活動等)
(7)独自の広報・ホームページ開設
(8)地域と学校の交流活動の推進(交流綱引大会)
(9)会の予算・年間計画
(10)地域の情報及び連絡(学校との連携)
(11)地域への広報
○協議結果の学校運営・教育活動への反映状況
学校協議会で決定したことは、実際に教育に反映している。
また、議案も、学校及び役員が事務局を通して提出している。

2.地域人材 の活用について

○地域の方々の授業への協力
a.英会話の授業補助(15名)
b.コンピューターの授業補助(10名)
c.地域芸能文化の授業応援(日本舞踊・茶道・着付け・三味線・鯨踊り等)(40名)
d.数学の授業補助(2名)
○その他のボランティア
a.図書館の運営に協力してくれている図書ヘルパー(30名)
b.学校の補習及び清掃(15名)
c.行事の時の受け付けボランティア(ふれあい講座受講生中20名)

3.その他(学校から地域にしていること)

○生徒が地域に対して行っている活動
a.地域清掃活動(ボランティア・カードの発行)
 各生徒が一人一人、ボランティア・カードを持ち活動。
 (1)三輪崎海岸清掃(三輪崎区と共同)
 (2)佐野川土手清掃(佐野区と共同)
 (3)孔島鈴島清掃(新宮市と共同)
 (4)三輪崎区クリーン作戦(三輪崎区と共同)
 (5)佐野駅・三輪崎駅の早朝清掃(本校独自で毎月第三木曜日に実施、生徒会主催)
b.生徒会の募金運動(校門前で早朝活動)
 (1)テリー・フォックス・ラン募金の協力
 (2)新潟中越地震の募金運動
c.夏休みに地域の障害児施設でのボランティア活動
○学校及び協議会が地域に対して行っている活動
 (1)図書館の開放「ふれあい文庫」
  平日9時から4時半まで、土曜日は午前中、開館。運営は、ボランティアによる「ふれあい文庫」運営委員会(現在、約30名)。新聞は販売店から寄贈。図書はデジタル化。市立図書館より500冊借りて貸出。ボランティア募集は新宮社会福祉センターが協力。
 (2)カルチャー講座の開設「ふれあい講座」
  学校協議会が、地域の方々に、無料で講座を開設。写真・英会話(初級・中級)・地理歴史の4講座と、夏休みのコンピューター関連の4講座を開講。現在の受講生数は120名。
 (3)施設の開放
  a. 体育館(空手・フットサル・剣道・バレーボール等の団体)
  b. 音楽室(地域のコーラスグループ)
  c. パソコン室(パソコン講座)
  d. 別棟教室「ふれあいルーム」(地域の方々の会合や催し物)

(4)地域の行事への参加と共催(スタンプラリー等)

(2)学校の裁量権の拡大に関する取組みについて

○人事
 民間校長
 公募の教員2名(周辺の3県に公募)
 研究加配2名・市から加配1名
○予算
 市から学校協議会に年80万円の活動資金
 協議会独自の基金活動
○教育課程
 地域学を週1時間設定
 選択の時間と総合学習の時間で、英語とコンピューターの授業を導入

(3)その他の取組み

1.学校の説明責任

A.情報の提供
(1)週刊で学校便りの発行(毎週1・2回発行)(保護者向け)
(2)月刊で広報「光洋」の発行(保護者・地域住民向け)
(3)ホームページ・学校協議会の広報発行等

B.学校紹介や学校運営に関して
(1)学校要覧の作成・配布
(2)教育計画(簡略版)を全保護者に配布
(3)学校行事等のビデオを制作し、終業式に保護者に公開
(4)「家庭教育の手引き」「夏休みの学習の手引き」を全保護者に配布
(5)学校の取組みの説明会開催

C.外部評価
(1)7月に、保護者・生徒に対して学校生活全般に関してのアンケート実施
(2)9月と12月に、生徒に対して、学習意識調査を実施。特に2回目の調査では、学力診断テストとの相関性も分析する。
(3)保護者に対して学校運営評価(校長の通知票)を実施
(4)学校協議会のメンバーにも、学校運営評価を記述式で実施
(5)校区の全世帯に対して、各町内会の協力を得て、回覧板を使い、学校アンケートを実施。1800世帯以上のアンケートを回収した。(約所帯の半数)

2.その他

(1)2学期制の導入(新宮市の2学期制モデル校指定)
(2)少人数授業・TT・ボランティア補助授業・補習
(3)保護者と担任の面談の回数を増やす。又通知票の工夫
(4)近隣の高校とのクラブ活動の合同練習
(5)読書運動の展開(「児童文学を読む会」を設立)
(6)データ・ベースを使用した学習記録の活用(事務・教務の仕事の簡略化)
(7)各教室と職員室の連絡設備を新設(不審者対策)
(8)交流校(国内2校・海外3校)交流施設(幼稚園・介護施設・養護学校等)

4.今後の計画

1.地域運営学校へのスムーズな移行
2.確かな学力への更なる研究(目標設定・評価・授業充実・資格試験活用)
3.地域の更なる参画とルール作り

-- 登録:平成23年11月 --