コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究成果発表会資料 千葉県習志野市立秋津小学校

学校名 千葉県習志野市立秋津小学校
所在地 千葉県習志野市秋津3-1-1
電話番号 047-451-8111

1 実践研究のテーマ

「学校の自主性・自律性をめざす学校運営システム及び教育実践システムの構築」

2 研究の推進体制

(1)運営会議(12名):年4回開催

[構成]
◎研究全体講師(運営委員長) ◎千葉県教育委員会
◎習志野市教育委員会 ◎地域代表 ◎学校代表

[役割]
○研究の基本的な考え方・方向性等について、地域学校協議会及び校内研究推進委員会への指導・助言
(2)地域学校協議会(20名) *詳細は次項にて
(3)校内研究推進委員会(10名)

[構成]
   ◎校長 ◎教頭 ◎教務主任 ◎研究主任 ◎研究副主任 ◎学年代表

[役割]   
○教育課程における研究推進事業の計画立案・実施・評価
(研究授業、研究発表会・研究紀要作成 等)
○運営会議及び地域学校協議会への提案・要望・協力要請 等

3 実践の成果と課題

(1)学校と地域との連携について

1.保護者や地域住民の参加による協議組織の活用について

名称:「地域学校協議会」 (平成14年度に設置)

[構成]
◎地域関係(秋津コミュニティ、まちづくり会議、社会福祉協議会、学校支援ボランティア等の各代表及び公募委員3名 等)
◎PTA代表 ◎小学校(幼稚園)教職員代表 計20名

[選任方法]
*校長が地域の関係機関や団体の長に依頼
*地域全体を対象に公募(公募委員3名)

[役割]
○学校運営の基本方針(教育目標・教育方針 等)について承認
○学校と地域協働の推進事業の計画立案・承認・実行・評価 等
 (教育課程・教育活動支援参加・学校評価 等)
○学校運営・教育活動についての提言

[開催回数・主な協議内容] 年間10回開催(4月と3月を除く第3木曜日)
a.地域学校協議会の組織や機能の充実 
b.学校経営基本方針・教育活動全体構想について
c.地域及び学校のニーズの把握と実現化
d.柔軟なカリキュラムの編成
e.学校評価実施システムの改善
f.情報公開の工夫

[協議結果の学校運営・教育活動への反映状況等]
a.地域学校協議会運営要項の作成・改善 「サロンあきつ」の開設
b.学社融合による教育活動推進システムの構築(学校支援ボランティアシステム)
 委員の公募、学校支援ボランティアの公募実施
c.「クリーン&グリーン作戦」(学校周辺のごみ拾いや植物栽培)の活動開始
d.新設教科の人間だいすき「ふれあい科」の実施、学社融合による授業の充実
 「秋津まつり」全校登校日にしての参加と協力について
e.学校評価及び地域学校協議会内部評価の実施について
 (内容項目・方法・結果の考察・公表について)
f.地域主体による定期的な広報紙「地域のかぜ学校のかぜ」の発行・紙面の改善
 秋津地区全戸への配布及び回覧システムの構築

2.地域人材の活用について

 学社融合による教育活動の開発実践を図るため、学校支援ボランティアや地域の高齢者、公民館で活動しているサークルによる教育活動推進システムを構築した。
 【学習支援システム】【遊び支援システム】【環境支援システム】【安全支援システム】の4部門で構成している。これらの活動は、子どもと保護者や地域住民とが目標を共有し、活動の協働化を図ることができ、学校教育・生涯学習ともに充実・活性化しつつあり、より一層地域の風がいきかう学校となってきている。

(2)学校の裁量権の拡大に関する取組について(人事,予算,教育課程,その他)

1.校長の意向を尊重した教職員人事
a.一般教職員の公募
 平成15年度末、習志野市内小中学校全教職員に習志野市教育委員会教育長と本校校長との連名で文書を配布し、公募を実施した。その結果、2名の希望者があり、現在本校に勤務している。引き続き本年度も、公募を実施する予定である。
b.非常勤講師の配置(1名)
【国際化推進コーディネーター】 英語活動を充実させるために、ALT・担当教員・担任・ボランティアとの連絡・調整をするとともに、より効果的な活動のための補助を行っている。
c.非常勤職員の配置(3名)
【学社融合推進コーディネーター】(1名) 学校と地域との連携・融合(学社融合)による教育活動を迅速適切にするために必要な連絡調整を行っている。
【環境支援コーディネーター】(1名) 学校職員と相談しながら学校の校舎内外全般に渡り、児童が安全で充実した学校生活を送ることができるように施設や樹木等の環境整備を行うとともに、保護者・地域との連絡調整を行っている。
【IT推進コーディネーター】(1名) 学校ホームページの定期的な更新を行い、学校からの情報発信に貢献している。また、教職員や児童のコンピュータ操作技術の向上の補助を行っている。

2.柔軟な教育課程の編成
a.新教科“人間だいすき「ふれあい科」”の研究開発 (授業時数35時間)
【特質】“人間だいすき「ふれあい科」”は、「人間」そのものに対象をしぼって、直接いろいろな「人」と出会い・ふれあう体験活動を累積することにより、人間理解を深めるとともに、自己を肯定し、たくましく生きる力を育んでいく。
【目標】いろいろな人とかかわり、ふれあうことによって、自分や他人の良さに「気づく力」や、人間を信頼し、自分から進んで「人とかかわる力」「生きる力」を育てる。
b.地域行事を学校行事に組み入れた教育課程
 秋津小学校を拠点にして、地域の祭りが毎年行われている。昨年度から地域の多くの人とふれあい共に学ぶ場として全校登校日にし、全校あげて参加することにした。共学・共育・共生のまたとない機会である。

ねらい

  1. .郷土愛を育む。
  2. 地域行事への積極的な参加、地域の一員としての自覚・姿勢。
  3. 異年齢児童との交流、他の公共施設等とのふれあい・親睦。

(3)その他の取組について

  1. 総合型地域スポーツクラブ(NBS=習志野ベイサイドスポーツクラブ)への参加
  2. 地域行事への児童の積極的な参加(ウォークラリー、ワンデイキャンプ、敬老会等)
  3. 公民館事業への児童の参加(生涯学習フェスティバル等)

4 今後の計画

(1)地域運営学校(コミュニティ・スクール)ヘの移行に向けた活動の推進
○地域のニーズによっては、学校運営協議会設置について検討する。
 保護者や地域住民の参画による地域学校協議会を中核とした3年間の実践研究の実績に基づいて学校運営協議会の設置に向けて創造的に取り組んでいく。
○地域運営学校・学校運営協議会についての研究を深める。

(2)学校と地域の新しい関係づくりの推進―地域に根ざした教育経営の創造
○地域学校協議会の存続・発展的継承(名称の検討)
○学校と地域の学びの共同体としての学校づくりを目指し、学社融合による教育活動の更なる開発及び実践の充実を図る。
○秋津地域教育経営計画(仮称「秋津プラン」)の作成を目指す。

(3)人間だいすき「ふれあい科」から人間だいすき「ふれあいタイム」への移行
○研究開発の指定終了後は、教科としての扱いはできなくなる。しかし内容的には生活科における「人とのかかわり」、総合的な学習の時間の「健康・福祉分野」の活動として取り組む事が可能である。そこで、「人間だいすき『ふれあいタイム』」として秋津の地域の特色を活かした教育課程を編成して実践を継続していく。

-- 登録:平成23年11月 --