学校名:岡山県岡山市立岡輝中学校,清輝小学校,岡南小学校
実践研究の内容 | 成果(○)と課題(●) | |
学校と地域との連携 | ・「シニアスクール」の立ち上げ,NPO法人化 | ○シニアスクールの実践が軌道に乗り,2年間で計65人の方が課程を修了した。高齢者が学ぶ姿勢や,高齢者と小中学生とのふれあいが,子どもたち,高齢者,教職員にとって素晴らしい効果があった。 ○NPO法人化により,継続した運営体制に移行できた。 ●担任や講師等スタッフの確保や必要経費の支援等,今後の継続については課題がある。 ●シニアスクールを卒業した生徒がどのように地域にかかわるか,その方法等について検討が必要である。 |
・「児童・生徒支援ネットワーク会議」の開催 | ○児童虐待や長期の不登校など学校だけでは対応が困難なケースについて,3年間で約20回会議を開いた。 ○会議を通して,地域民生委員会など地域団体との連携等が深まるとともに,各組織の意識も高まってきた。 ●情報の管理や会議後のフォロー体制(サポートチーム)にかかわる人材の確保が課題である。 |
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・コミュニティ誌「ちくたく」を利用した家庭への効果的な啓発活動 | ○地域情報誌「ちくたく」を計4回発行した。保護者や地域の方の評判も高い。来年度も継続して発行する。 ●「ちくたく」の内容の充実を図り,全戸配布の効果等を検証し,今後の内容に反映したい。 ●「ちくたく」にコミュニティファンドの考え方を取り入れ,地域の商店や企業とも連携を図りたい。 |
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・地域サロンの設置 | ○「みどりの林檎」等の行事において,地域の方が子育てや教育について議論する場として設置したところ多くの参加があり,楽しく議論できた。 ●学校の空き教室等での常設を検討したが,実現には至っていない。 |
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・コミュニティファンドの研究 | ○「価値の循環を通した活動資金づくり」「地域の企業や商店との連携」を目指して研究した。 ●導入について研究を深めたが,実践には至っていない。 |
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学校の裁量権の拡大に関する取り組み | ・「地域学校協議会」の設置と学校運営への参画 | ○3年間で計37回開催し,各学校園の実態の的確な把握や,経営方針・事業内容について十分に議論できた。 ○シニアスクールを始めとして,地域ニーズを反映した様々な取組を企画・検討・実践することができた。 ○「地域学校協議会」の活動への評価方法が構築され,その評価を学校運営に反映するシステムを構築した。 ●地域への発信や協力体制を効率よく行うために,組織の改編を行う必要があり,平成17年度実施する。 ●子どもに寄り添った視点からの提案が出にくい状況となったため,会の運営等に改善が必要である。 |
・人事の要望や公募についての検討 | ○7校園の教職員人事について,地域学校協議会の要望書を岡山市教育委員会及び保健福祉局に提出した。 ●コミュニティサポーターの採用を含め公募等について検討したが,実施に至らなかった。 ●人事に関することへのかかわりは難しい。突出した人事配置は他の学校園の理解を得にくい。 |
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・小中兼務教員の配置と活用 | ○平成15年度より小・中兼務教員が配置され,授業研究等の交流が始まった。 ●小中兼務教員の活用について,年間計画の中で積極的に位置付ける等により有効活用を図る必要がある。 |
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・学校予算に係る研究,予算運用に係る学校園間連携 | ○学校配当予算について地域学校協議会で検討できた。 ○事務職連携を通して,予算の有効な立て方の研修や効率的な運用が中学校区で動き始めた。 ●予算に対してどのようにかかわるかは難しい。まず,学校予算について詳しく知ることが必要である。 |
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・教育課程の検討,学校園間の連携 | ○保・幼・小・中の相互参観を実施し,お互いの特性や課題について検討・評価できた。 ○算数・数学科で教材研究や授業研究を行うなど,小中の教科連携も進んだ。 ●本学区の最大の課題である基礎学力の定着について,更に研究が必要である。 ●総合的な学習の時間など,教科・領域全体から見ると連携はまだ不十分である。 |
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その他の取組み | ・コミュニティサポーターの配置と活動の充実 | ○小学校に「学力支援サポーター」を配置し,別室登校の児童等,支援を必要とする子どもへの学習支援を進めた。その結果教室へ復帰したり,不登校傾向がなくなったりするケースがあった。 ○保育園・幼稚園に「保育サポーター」を配置し,保育支援や保護者の相談相手としてのかかわりを行った。 ●研究指定終了後,ボランティアへの移行等,予算がない中での支援体制づくりが課題である。 |
・「岡輝版子育て法」の活用による一貫教育の研究 | ○生活習慣及び学習習慣の確立に向けて,子育てについてまとめた冊子を作成・改訂して全戸に配布できた。 ○岡輝学区の「学習4原則」は6校園の共通の取組により効果が見られた。保護者への周知も進んだ。 ●冊子を活用した取組の成果と課題を検証し,更なる普及を目指すとともに,小中の連携をより一層深める。 |
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・特別支援教育に係る学校園の体制の確立 | ○関係機関を含めた軽度発達障害等に関する研修会等を通して,特別支援にかかわる学校園の体制,学校園間の連携が確立しつつある。 | |
・学校園の施設整備への支援体制づくり | ○保・幼のフェンス撤去(岡南保・幼),ビオトープづくり(岡南小),校庭の芝生化(清輝小)を通して,地域の人的パワーの結集ができた。 | |
・コミュニティスクールへの移行 | ○本研究が岡山市の進める「地域協働学校づくり事業」のモデルとなった。 ●体制づくりはできつつあるが,人事・予算面を含めて継続への努力と知恵が必要である。 |
-- 登録:平成23年11月 --