キャリア教育

「高等学校普通科におけるキャリア教育の実践に関する調査研究」委託要綱・公募要領・審査基準

○委託要綱

平成25年4月26日
初等中等教育局長決定

 

1.趣旨

 産業構造や就業構造の変化、子ども・若者の変化等、社会全体を通じた構造的問題を背景に、学校から社会・職業への移行が円滑に行われず、若者の社会的・職業的自立に課題が生じており、キャリア教育の重要性が高まっている。
 平成23年1月の中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」では、高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の推進方策について、「高等学校の段階においては、自らの将来のキャリア形成を自ら考えさせ、選択させることが重要」との基本的な考え方を示すとともに、各学校がキャリア教育に取り組む必要性を指摘している。
 その上で、キャリア教育の観点を踏まえた学習を確実に行えるよう、総合的な学習の時間等を効果的に活用していくことが望まれるとし、また、高等学校の教育課程に、「産業社会と人間」又はそれに類する教科・科目等のような中核となる時間を明確に位置付けることについて更に検討が必要であるとしている。
 そこで、文部科学省では、今後の高等学校普通科におけるキャリア教育の中核となる時間に関して検討を行うための実証的資料を得るため、普通科を設置する高等学校を研究指定校に指定し、総合的な学習の時間等の活用によるキャリア教育の実践について調査研究を委託する。

2.調査研究の委託内容

 今後の高等学校普通科におけるキャリア教育の中核となる時間の設定に関して参考となる資料を得るため、高等学校普通科における総合的な学習の時間等を活用したキャリア教育の実践についての調査研究を実施する。

3.調査研究の委託先

 文部科学省は、研究指定校となる高等学校の管理機関(国立学校にあっては当該学校を設置する国立大学法人、公立学校にあっては当該学校を所管する教育委員会、私立学校にあっては当該学校を設置する学校法人をいう。以下同じ。)に対して調査研究の実施を委託する。

4.調査研究の実施方法

 調査研究の実施方法は別紙のとおりとする。

5.委託期間

 調査研究の実施期間は、原則として委託を受けた日から当該年度の末日までとする。

6.委託手続

(1) 委託を受けようとする管理機関は、消費税の納税義務者であるか確認できる書類を添えて、実施計画書(様式4)を文部科学省に提出すること。
(2) 文部科学省は、審査委員会を設置して管理機関から提出された実施計画書の内容を審査し、適切であると認めた場合、当該管理機関に対し事業を委託する。なお、審査委員会は、必要に応じて、当該管理機関に対し、調査研究の推進に関わる指導助言を行うことができる。

7.委託費

(1) 文部科学省は、予算の範囲内で当該事業の実施に必要な経費(諸謝金、旅費、借損料、印刷製本費(報告普及費)、消耗品費、図書購入費、会議費、通信運搬費、雑役務費、保険料、消費税相当額)を委託費として支出する。委託費はその額の確定後、教育委員会等の請求により支払うものとする。ただし、管理機関が特別な理由により、事業の完了前に必要な経費の支払いを受けようとし、文部科学省が必要と認める場合には、委託契約額の全部又は一部を概算払いするものとする。
(2) 契約締結及び支払いを行う場合には、国の契約締結及び支払いに関する規定の趣旨に従い、経費の効率的な使用に努めること。
(3) 委託費の収入及び支出に当たっては、他の経費と区分して帳簿を整え、領収書等関係書類を整理し、経理の状況を明らかにしておくものとし、事業を実施した翌年度から5年間保存する。
(4) 会議を開催した場合には、会議費等経理の支出証拠として議事録(出席者名簿等を記入したもの)を保存すること。
(5) 調査研究の実施過程において、実施計画について変更する必要があるときは、速やかに文部科学省に報告し、その指示を受けるものとする。但し、経費の内訳の変更による経費区分間の流用で、経費区分間で増減する額が委託費の総額の20%を超えない場合はこの限りではない。
(6) 文部科学省は、委託を受けた管理機関が本委託要綱若しくは委託契約書に違反したとき、契約の締結に当たり不正な申立をしたとき、調査研究の実施に当たり不正又は不当な行為をしたとき、又は、調査研究を遂行することが困難であると認めたときは契約の全部又は一部を解除し、かつ既に支払った委託費の全部又は一部を返還させることができるものとする。

8.報告書等

(1) 委託を受け、調査研究を行った管理機関は収支金額を確定のうえ、調査研究が完了した日から10日を経過した日又は当該事業年度末日のいずれか早い日までに詳細に記載した委託事業完了報告書(様式5-1)、研究結果報告書(様式5-2)、研究内容の要約(様式5-3)、収支決算書(様式5-4)、支出を証明できる領収書等の写し及び収支簿(原本証明をしたもの)を文部科学省に提出すること。
(2) 成果物や資料がある場合には、併せて提出すること。

9.委託費の額の確定

(1) 文部科学省は、上記8.により提出された委託事業完了報告書及び収支決算書についてその内容を審査及び必要に応じて現地検査を行い、その内容が適正であると認めたときは、委託費の額を確定し、管理機関に対して通知するものとする。
(2) (1)の確定額は、調査研究に要した決算額と委託契約額のいずれか低い額とする。

10.その他

(1) 文部科学省は、管理機関による調査研究の実施が事業の趣旨に反すると認められるときは、必要な是正処置を講ずるよう求めることができる。
(2) 文部科学省は、必要があると認めたときは、調査研究の実施状況、委託費の使途、その他必要な事項について報告を求め、又は実地調査を行うことができる。
(3) この要綱に定めのない事項で調査研究の実施に必要な事項は、初等中等教育局委託事業事務処理要領による。

 

(委託要綱別紙)

調査研究の実施方法

1.研究指定校の指定

 文部科学省は、管理機関(国立学校にあっては当該学校を設置する国立大学法人、公立学校にあっては当該学校を所管する教育委員会、私立学校にあっては当該学校を設置する学校法人をいう。以下同じ。)から提出された実施計画書(様式4)の内容を確認し、適切であると認めた場合には、当該研究を行おうとする高等学校を研究指定校に指定する。

2.指定及び委託の期間

 研究指定校としての指定の期間は、原則として3年とする。(調査研究の委託期間は、各年度ごとに、委託を受けた日から当該年度の末日までとする。)

3.研究指定校の運営

(1) 管理機関は、研究指定校における調査研究の実施に関し、専門的見地から指導、助言、評価に当たる運営指導委員会を設けるものとする。運営指導委員会は、学校教育に専門的知識を有する者、学識経験者、関係行政機関の職員等によって組織する。
(2) 都道府県教育委員会は、市区町村立高等学校が研究指定校となる場合に、管理機関である市区町村教育委員会に対し、研究指定校における調査研究の実施に関し必要な指導助言を行うことができる。
(3) 文部科学省は、委託事業の実施に当たり、委託先の求めに応じて指導・助言を行うとともに、その効果的な運営を図るために協力する。また、研究指定校における調査研究の実施状況につき、実地に調査することができる。

4.研究指定校における調査研究の実施方法

(1) 研究指定校においては、今後の高等学校普通科におけるキャリア教育の中核となる時間の設定に関して参考となる資料が得られるよう、総合的な学習の時間等を活用し、高等学校普通科におけるキャリア教育の中核となる時間に関する実践的な調査研究を行う。
(2) 研究指定校は、調査研究に当たって、同校の状況や課題に応じたキャリア教育における研究主題を設定し、当該主題に基づいた具体的な目標設定、実施計画の作成を行った上で、調査研究を行う。
 その際、例えば、調査研究の第1年次はキャリア教育の中核となる時間の内容や実施方法に関する検討等の実践に向けた準備を行い、調査研究の第2年次以降に実際にキャリア教育の中核となる時間の実践を行うなど、3年間の指定期間を通した計画を作成の上、当該年度ごとの実施計画を作成する。
 また、平成23年1月の中央教育審議会で指摘されている、次のような観点を踏まえた学習を行えるよう配慮する(第3章「後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育」-3.「高等学校におけるキャリア教育・職業教育の充実」-(1)2「高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の推進方策」参照)。
 ・社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度を育成すること。
 ・キャリアを積み上げていく上で必要な知識等を、教科・科目等を通じて理解させること。
 ・卒業生・地域の職業人等とのインタビューや対話、就業体験活動等の体験的な学習の機会を、計画的・体系的なキャリア教育の一環として十分に提供し、これらの啓発的な経験を通して、進路を研究し、自己の適性の理解、将来設計の具体化を図らせること。
 ・これらの学習を通して、生徒が自らの価値観、とりわけ勤労観・職業観を形成・確立できるようにすること。
(3) 調査研究の成果については、例えば、年度ごとの調査研究の開始時及び終了時におけるアンケート調査の結果の活用等により、客観的・定量的な計測が可能な指標を設定した指標に基づく評価や、生徒の言動の観察の結果や生徒の作文などに注目した定性的な評価により、可能な限り具体的な評価を行う。

5.実績の報告及び活用

(1) 管理機関は、研究指定校における調査研究の実績を、委託要綱8.に基づき、毎年度文部科学省に報告するものとする。
(2) (1)により報告された実績については、文部科学省においてその集録を編集し、一部または全部を修正・翻案し、文部科学省刊行物をはじめとした書籍、インターネット及びその他の媒体により公表することができるものとする。
(3) 研究指定校においては、地域や学校の実態に応じて、研究発表会、公開授業、研修会等の開催、インターネットによる情報提供などの取組を実施することにより、本事業の実績が他校における研究に資するよう、積極的な情報提供を行うものとする。

○公募要領

平成25年4月26日
初等中等教育局長決定

1.事業名

 高等学校普通科におけるキャリア教育の実践に関する調査研究

2.趣旨

 産業構造や就業構造の変化、子ども・若者の変化等、社会全体を通じた構造的問題を背景に、学校から社会・職業への移行が円滑に行われず、若者の社会的・職業的自立に課題が生じており、キャリア教育の重要性が高まっている。
 平成23年1月の中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」では、高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の推進方策について、「高等学校の段階においては、自らの将来のキャリア形成を自ら考えさせ、選択させることが重要」との基本的な考え方を示すとともに、各学校がキャリア教育に取り組む必要性を指摘している。
 その上で、キャリア教育の観点を踏まえた学習を確実に行えるよう、総合的な学習の時間等を効果的に活用していくことが望まれるとし、また、高等学校の教育課程に、「産業社会と人間」又はそれに類する教科・科目等のような中核となる時間を明確に位置付けることについて更に検討が必要であるとしている。
 そこで、文部科学省では、今後の高等学校普通科におけるキャリア教育の中核となる時間に関して検討を行うための実証的資料を得るため、普通科を設置する高等学校を研究指定校に指定し、総合的な学習の時間等の活用によるキャリア教育の実践について調査研究を委託する。

3.調査研究の委託先

 文部科学省は、研究指定校となる高等学校の管理機関(国立学校にあっては当該学校を設置する国立大学法人、公立学校にあっては当該学校を所管する教育委員会、私立学校にあっては当該学校を設置する学校法人をいう。以下同じ。)に対して調査研究の実施を委託する。

4.企画競争に参加する者に必要な資格に関する事項

(1) 予算決算及び会計令第70条の規定に該当しない者であること。なお、未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約の締結のために必要な同意を得ている者は、同条中、特別の理由がある場合に該当する。
(2) 支出負担行為担当官文部科学省初等中等教育局長から取引停止の措置を受けている期間中の者でないこと。

5.事業規模(委託経費)

 一研究指定校あたり、100万円を上限とする。

6.事業計画書の提出方法等

(1) 提出様式
 申請書(様式1)、同意書(様式2)、誓約書(様式3)、実施計画書(様式4)を提出すること。
 様式は全てA4縦判横書きとし、正確を期すため、パソコン、ワードプロセッサー等の判読しやすいもので作成すること。
(2) 提出部数
 正本を1部提出すること。なお、提出書類は返却しない。
(3) 提出方法
 書類の提出は、以下の2通りに限る。直接持参及びファクシミリによる提出は不可とする。なお、以下の2通りの方法の組合せによる提出は可とする。
 a.電子メール
  ・上記(1)の書類をWord、一太郎又はPDFファイルにてメールにファイルを添付の上、送信すること。
  ・メールの件名は「高等学校普通科におけるキャリア教育の実践に関する調査研究(機関名)実施計画書提出」とすること。
  ・ファイルを含めメールの容量が5MBを超える場合は、メールを分割し、件名に通し番号を付して送信すること。
  ・メール送信上の事故(未達等)について、当方は一切の責任を負わない。
  ・メール受領後、申請者に対してメールにより受領確認を送信する。送信後、1日を過ぎても受領確認メールが届かない場合は、電話にて以下(4)b「郵送先及び本件担当」まで照会すること。
 b.郵送等(郵便、宅配便等)
  ・簡易書留、宅急便等、送達記録の残る方法で送付すること。
  ・郵送中の事故については、当方は一切の責任を負わない。
(4) 提出先
 a.電子メール
  jidou@mext.go.jp(@を小文字にする)
 b.郵送先及び本件担当
  〒100-8959 
  東京都千代田区霞が関三丁目2-2
  文部科学省初等中等教育局児童生徒課指導調査係(宛)
  TEL:03-6734-3297
(5) 提出締切
 平成25年5月31日(金曜日)
 ・電子メールは当日の送信記録があるもの
 ・郵送等の場合、当日18時必着
(6) その他
 事業実施計画書等の作成費用については、選定結果にかかわらず企画提案者の負担とする。

7.選定方法等

(1) 選定方法
 審査委員会において書類選考を実施する。
(2) 審査基準
 別途定める審査基準のとおり。
(3) 選定結果の通知
 選定終了後、30日以内にすべての提案者に選定結果を通知する。

8.誓約書の提出等

(1) 本企画競争に参加を希望する者(学校法人のみ)は、企画提案書の提出時に、暴力団等に該当しない旨の誓約書(様式3)を提出しなければならない。
(2) 前項の誓約書を提出せず、又は虚偽の誓約をし、若しくは誓約書に反することとなったときは、当該者の企画提案書を無効とするものとする。
(3) 前2項は、地方公共団体、国立大学法人には適用しない。

9.スケジュール(予定)

公募開始 : 平成25年4月26日(金曜日)
公募締切 : 平成25年5月31日(金曜日)
選定 : 平成25年6月中旬頃
契約締結 : 平成25年6月下旬頃
契約期間 : 契約締結日から平成26年3月31日まで 

10.契約締結

 選定の結果、契約予定者と提出書類を元に契約条件を調整するものとする。なお、契約金額については、事業実施計画書の内容を勘案して決定するものとするので、企画提案者の提示する金額とは必ずしも一致するものではない。また、契約条件等が合致しない場合には、契約締結を行わない場合がある。

11.その他

(1) その他、事業に係る事項については、委託要綱等によるものとする。
(2) また、事業実施に当たっては、契約書を遵守すること。


 

事業審査基準

1 採択案件の決定方法

  提案された企画について、審査委員会により「4.審査の観点」に基づいた総合的な審査を行い、事業の予算の範囲内で、採択案件を決定する。

2 審査方法

  実施計画書(様式4)等に基づき、文部科学省に設置された審査委員会において書類選考を実施する。また、必要に応じて審査期間中に事業実施計画の詳細に関する追加資料の提出を求めることがある。

3 適正な学校教育の確保

(1) 当該学校と政治的、宗教的活動との関係については教育基本法等の規定に十分配慮して審査する。
(2) 教育の方法などにおいても、学校教育として関係法令及び社会通念に照らし適切なものであること。

4 審査の観点

(1) 計画の実現性・有効性等
 a 明確な目標設定があり、それに対応した実施計画となっていること。
 b 研究指定校の指定期間中に、一定の成果を出すことが見込まれる計画となっていること。
 c 地域や学校の特色や生徒の実態に即した取組であり、かつ他の学校に有意な参考事例となり得るものであること。
 d 具体的な評価・検証方法により、本事業の効果の測定を行うこととしていること。
(2) キャリア教育の中核となる時間を中心として、教育課程の全体で、「児童の社会的・職業的自立に向け、必要となる能力や態度」を育むものであること。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課指導調査係

-- 登録:平成25年08月 --