キャリア教育推進地域指定事業 平成17年度中間報告書

別紙様式
都道府県・指定都市教育委員会名 山形県
推進地域名 山形県白鷹町

1.研究テーマと設定理由について

(1)研究テーマについて

「『郷土を愛し、志高く・誇り薫る白鷹人』の育成に向け、小中高及び地域が連携したキャリア教育の実践研究」
-関わり合う体験活動をとおし、自己有用感を育み、自己実現に向けた課題克服力の育成-

(2)設定の理由

 白鷹町では、郷土を愛し故郷を誇る町民を育成するため、関わり合いを通して『いつくしみ、共に生きる』心を培う、白鷹町『いろりばたの教育』を推進している。この教育では、家庭・地域・学校がそれぞれの責任を自覚し役割を遂行すること、いろいろな場で人と人とが関わり合う活動を行うことを重視している。このことは、キャリア教育で求める姿とも合致している。
 そこで、上記の研究テーマを設定した。

(3)研究の重点について

  1. 小・中・高の授業参観を積極的に実施し、将来高度で専門的な知識・技能を習得できるように、基礎・基本が確実に身に付く授業を実践・公開し合う。
  2. 社会生活を営むために必要とされる力を育むことを目標に、児童生徒の各発達段階における「望む姿」を想定し、その実現に向け学校・家庭・地域それぞれが果たすべき役割や連携を明確にして、意図的な関わり合いを通した実践を積み上げる。
  3. 総合的な学習の時間や特別活動に加え、教科学習等でも地域人材の積極活用を進めるとともに、地域の方々が授業に参画できるような組織作りを進める。
  4. 小・中・高に応じた職業・職場体験及びインターンシップの場を開拓するとともに、中・高においては連続5日間程度の体験を通し、キャリア育成につながるプログラムを開発する。
  5. 具体的評価項目及び規準を定め評価・改善に努めるとともに常に地域に公開し、協働の視点に立った「白鷹人づくり」を進める。

2.事業の年間計画について

第2年次・17年度 〔新たに実践し修正を加える年〕
1 キャリア教育実践協議会の開催
2 教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間においてつける力を明確にした教育の実践(関わり合いをとおし、自己有用感が持てる授業づくり)
3 外部人材の活用を図るとともに、地域の方々とともに創る授業の取組
4 保・小・中・高の授業実践交流会の実施
5 職場見学や、職場体験等の計画的実施(中・高生は5日間)
6 先進校(地域)視察研修
7 キャリア講演会
8 アンケート及び評価の実施から改善実施
第3年次・18年度 〔さらに実践し取組みを定着させる年〕
1 キャリア教育実践協議会の開催
2 教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間においてつける力を明確にした教育の実践(関わり合いをとおし、自己有用感が持てる授業づくり)
3 外部人材の積極活用を図るとともに、児童生徒が地域の方々共に参画できる組織活動の構築(授業、公民館活動等)
4 保・小・中・高の授業実践交流会の実施
5 職場見学や、職場体験等の計画的実施(中・高生は5日間程度)
6 先進校(地域)視察
7 キャリア講演会
8 研究発表会の実施(小・中・高 1校ずつの公開研究会を含む)
9 アンケート及び評価の実施から改善実施

3.事業の活動内容及び成果と課題について

(1)キャリア教育実践協議会の位置付けと果たした役割及び成果と課題

1.実践協議会の構成メンバーについて(平成18年3月現在)

氏名 所属・職名 備考
齋藤 賢二 置賜教育事務所長 県関係
小野 庄士 高校教育課長 県関係
真木 吉雄 義務教育課長 県関係
長谷川 俊夫 白鷹町商工会会長 産業界関係者
江口 俊雄 白鷹町商工会工業部会長 産業界関係者
清野 國夫 白鷹町商工会商業サービス部会長 産業界関係者
紺野 清一 山形おきたま農業協同組合白鷹地区代表支店長 産業界関係者
加藤 義弘 白鷹町教育委員会教育長 町関係者
金田 春雄 白鷹町産業振興課長 町関係者
菊地 豊宗 白鷹町地区公民館代表 町関係者
井澤 徳雄 白鷹町青少年育成町民会議会長 町関係者
竹田 寛治 白鷹町小学校長会長 実践協力校関係
齋藤 和男 白鷹町中学校長会長 実践協力校関係
遠藤 啓司 県立荒砥高等学校長 実践協力校関係
渡部 直敏 白鷹町立西中学校PTA会長 PTA関係者
笹原 俊一 白鷹町立東中学校PTA会長 PTA関係者
遠藤 重夫 県立荒砥高等学校PTA会長 PTA関係者
鈴木 慈 県教育庁高校教育課指導主事 事務局
大谷 敦司 県教育庁義務教育課指導主事 事務局
迎田 浩昭 置賜教育事務所指導主事 事務局
新野 吉彦 白鷹町教育委員会教育次長 事務局
衣袋 慶三 白鷹町教育委員会指導主事 事務局

【組織関係図】

組織関係図

*各研究部は、部長1名(校長)、部員数(校長、教頭、他必要に応じて各学校代表を含む)で構成する。

2.実践協議会における活動の内容について

(会議開催日毎の議論の内容については、主なものを具体的に記述してください。)
【第1回キャリア教育実践協議会】(8月)
○平成17年度実践の概要について
○各小・中学校及び高等学校の今年度の取組計画
○1学期の取組の概況
【第2回キャリア教育実践協議会】(2月)
○平成17年度実践の概要について
○4研究部の活動の成果と反省(担当校長から報告)について
○来年度に向けて

3.実践協議会の活動の成果と課題について

〔成果〕

○ 実践協議会では、学校でのキャリア教育に係る活動のみならず、地域・家庭で育てたい勤労観・職業観の育成についてそれぞれの立場から話していただいた。
○ 第1回キャリア教育実践協議会では、7月実施の中学校職場体験について話し合い、取組の方向性を次のように明確にすることができた。

  • 職場体験を通して、どんな生徒・子どもにしたいのか、めざす生徒像を明確に持つことが大切である。そして、職場での生徒の様子や発達段階に応じた体験できる仕事などを計画していくことが大切である。学校・職場の両方で「何の体験をするのか、させるのか。どういうことを期待するのか。」を具体的に示していくことが必要である。
  • 体験後に、家庭で生徒と保護者が話し合いをもつことが大切である。
  • 職場で体験し、お礼状等を作成するなかで、勤労観や働いている方への感謝・畏敬の念など生徒自身に新たな「気付き」があることが大切である。
  • 小・中・高の連携をどうしていくか。小・中・高での受け止め方が違うはずである。また、2年の職場体験につながる1年のキャリア教育のあり方についても考えることが大切である。

○ 第2回キャリア教育実践協議会では、職場体験のまとめのあり方(発表会や文集作成)や評価のあり方について次の点から明確にすることができた。

  • 職場体験中の「気付き」をどうふくらませて日常の学びにつなげていくか。生徒同士がお互いの「気付き」を共有することが大切である。
  • 小・中・高のキャリア教育をつなぐことの大切さ。
  • 関わり合うことの大切さやコミュニケーション力の育成が重要である。
〔課題〕

○ 実践協議会の委員の方に、職場体験の生徒の姿を見ていただく機会は多かった。しかし、日常の授業やキャリア・アドバイザーの様子、地域で活動している場面を参観してもらう機会がなかった。(委員の方がキャリア・アドバイザーとして授業を行っている場合は別であるが)

4.実践協議会の活動の課題に対する取組方針について

○ 年2回の実践協議会で取組状況(計画、活動の成果・課題、来年度の方向性)を中心に話っていただいた。来年度は、研究発表会に参加していただけるよう案内を差し上げ、授業の様子、生徒の活動の様子を参観してもらう計画を立てたい。

(2)推進地域における活動の具体的な内容及び成果と課題

1.小・中・高等学校を通じた組織的・系統的なキャリア教育を行うための指導方法、指導内容の開発について

○ 学校研究のテーマを「基礎・基本を確実に定着させるための授業研究」等と設定し、授業研究を重ね評価をし合うとともに、小・中・高で授業を公開し授業改善に努め、その成果と課題についてまとめた。今年度は、「関わり合い」の視点から研究を深めている学校も多い。
○ 日常の授業でキャリアの育成を促すため、我が校におけるキャリア教育の視点からも「学校研究」に明示し、授業実践を積み上げることができた。
○ レディネステストを用いた基礎・基本の定着(算数・数学)
「レディネステスト推進構想」に基づき、授業改善に係る「レディネステスト」を作成し、4月、8月に小・中学校で実施した。学習意欲の喚起、学び合う活動、関わり合う活動を仕組む上で役立てることができた。
○ 白鷹町学校教育研究所広報部と連携し、所報でそのレディネステストの活用事例を紹介した。
○ 白鷹町学校教育研究所研修部と連携し、各学校におけるキャリア教育に係る授業実践、各学校の学校研究のまとめを収集し、冊子にまとめた。(資料「白鷹町のキャリア教育」を添付)
○ 白鷹町学校教育研究所広報部と連携し、所報で「基礎・基本の確実な定着を図る授業の実践」を紹介した。
○ 昨年度整備した特別活動領域の年間計画をもとに、各学校の実践状況を調査したり、小・中の接続・連携の面から具体化できるものはないか検討した。

2.キャリア・アドバイザーの確保及びその活用の在り方について

○ 今年度の活用の例(各学校の実践例から)

時期 人材活用のねらい 人材 児童生徒の反応など
7月 夢を与える講演「バレーボールと私」 17歳で全日本入りし、けが・事故に遭いながらカムバックした体験を通して生き方を学ぶ。 バレーボール選手 物事を前向きに考え、打ち込むことの大切さを学んだ。一つに打ち込むんでいる人の強さを学んだ。
春~秋 地区を支える産業の一つである「米作り」を体験し、農業の大切さと、自己の生き方を考える。 地元の農家
(田植えから脱穀まで)
実際に米作りをしてみて、大変さや大切さがわかった。農業を通した生き方を学んだ。
10月 自分がなりたい職業を考えて看板をつくる。 地元の看板店 看板店に弟子入りしたい。看板をつくるには、色や文字など工夫する必要がある。
11月 児童のアンケートをもとに聞きたい職業に分かれて仕事の様子を聞く。 消防士・菓子業者・酪農家・保育士・療法士 仕事の内容だけでなく、社会人としての厳しさ、マナーなどについて学んだ。
1月 繭細工を教えてもらいながら、本業のかたわら趣味やボランティア活動を通して豊かな生き方を学ぶ。 地元の方 地元の産業である養蚕・繭を活かした活動から行き方を学ぶことができた。

○ 今まで学校の授業で活躍していただいた方や新たに活用した人材をもとに学校毎に活用リストを作成した。また、関連施設からの推薦を受けた人材のリストも作成した。
《リストの内容》
 氏名・住所電話番号・指導していただける内容(テーマ)・関連する能力・対象・教科・領域・実施年度・推薦機関
○ 児童・生徒及び保護者を対象にキャリア教育講演会を行った。
 夢や将来への希望を抱かせるキャリア・アドバイザー:冒険家・スポーツ選手など。
○ 道徳、学級活動、総合学習の時間にキャリア・アドバイザーとしてお願いして実技指導や就いている仕事の紹介をしていただいた。
 キャリア・アドバイザー:企業経営者、農業経営者、看板店、医師、大工など。
○ 保護者や地域へ広がり、様々な分野で活躍している人にキャリア・アドバイザーとして講演や授業をしていただいた。実技や経験に基づいた話をしていただいた。特に、環境に配慮した循環型農業など意味深い創意工夫の見られる経営について触れることができ、付けたい力に結びつくものを講演・講話や授業から感じ取ることができた。
○ 未知が有知に変わる驚きや感心などを児童の反応(真剣な眼・笑顔・挙手・感想・夢の再確認の言葉など)から伺うことができた。
○ 各校からの情報を交換して、付けたい力やねらいに即した講演・講話・実技等をお願いしていきたい。キャリア・アドバイザーのリストを活かし、各学校における、キャリア・アドバイザーを活用した実践を積み上げていきたい。
○ 担任とキャリア・アドバイザーとの打ち合わせの時間を充分にとって授業を進めていきたい。
○ 「付けたい力」がついたか確認するため、児童・生徒の感想を必ず書かせるとともに、写真や資料などを計画的に収集し分析していきたい。

3.職場体験活動推進のためのシステムづくりについて

○ 小・中・高校の連携をはかるため、年間2回の職場体験推進部会で共通理解と実践発表を行った。(各学校から推進委員が参加)
○ 昨年度まで行ってきた中学校での職場体験(1~2日)、高校での職場体験・インターンシップ(3日)の実践をもとに今年度の計画を行った。5日間の職場体験なので、前年度から町内の事業所に受け入れが可能かどうかの調査(計3回)を行った。その際、キャリア教育の趣旨や職場体験のねらいを説明した文書を同封し理解を図った。体験終了後は、職場体験の生徒の様子、協力いただいた企業・事業所名をポスターで紹介した。
 また、受け入れ企業へのお礼の挨拶状とともにポスターと職場体験後の生徒のアンケート結果を受け入れ企業に送付した。
○ 今までにない5日間の職場体験学習なので、事故等に備えるために必要な事項について検討し、保険に加入した。

4.推進地域における活動の成果と課題について

〔成果〕

○ 2回の実践協議会の開催、職場体験の職場開拓、キャリア・アドバイザーによる授業により、キャリア教育を地域全体で推進することが確認できた。
 また、昨年度、各小・中学校及び高等学校の敷地に、「キャリア教育推進地域指定」の看板(文字と児童生徒の活動場面の写真)を立てた。これによって、児童生徒、職員、地域の方への啓発、意識化を図ることができた。
○ 地域全体で子どもを育てることの大切さ、大人と子どものお互いの顔が見える中で育てることの大事さを改めて確認できた。
○ 東北公益文化大学國眼眞理子教授を講師に招きキャリア教育講演会を開催し、多くの地域の方・保護者の方に多数参加いただいた。「家庭教育とキャリア教育」という演題で、キャリア教育の概要と家庭教育のあり方をわかりやすく話していただいた。
○ 町校長会、町教頭会、職員研修会の折に、キャリア教育に関する研修を計画的に行い、キャリア教育への理解や各校の情報交換をした。

〔課題〕

○ キャリア教育に関する様々な取組をどう小・中・高でつなげていくのか。校種間の接続・連携のあり方を考えていく必要がある。
○ 指定3年間のまとめや指定終了後のキャリア教育推進をどう進めていくのか検討する。

5.推進地域における活動課題に対する取組方針について

○ 来年度に3年間の子どもや地域・保護者の職業観や勤労観の変容を捉え活動を評価する。
○ 指定終了後の「白鷹町のキャリア教育」について、組織や予算のおおよそを来年度中に計画していく。今までの体制や組織を生かしながら、活動できるようにしていく。

6.都道府県・指定都市教育委員会の地域・学校に対する支援内容について

○ キャリア教育実践協議会の開催。
○ 県教育委員会・置賜教育事務所から、キャリア教育に係る情報の提供。
○ 置賜教育事務所の指導主事を学校単位のキャリア研修会等の講師として活用した。

7.キャリア教育実践プロジェクト(キャリア・スタート・ウィーク推進地域)との連携について(本年度、両事業を推進地域において実施した場合、特に支援体制について)

○ キャリア教育推進組織の職場体験研究部が中心となり実践プロジェクトの職場体験5日間を計画・反省を行った。(職場体験の事前指導・5日間の職場体験・事後指導についての詳細は各中学校による。)
○ キャリア教育実践プロジェクトによる5日間の職場体験実施校(2中学校)

中学校名 対象学年年・生徒数 期日 職場体験を受け入れた総事業所数
西中学校 2学年・73名 7月4日(月曜日)~8日(金曜日) 27事業所
東中学校 2学年・124名 7月11日(月曜日)~15日(金曜日) 36事業所

○ 職場体験の様子を協力・啓発研究部で広報パンフレットを作成し、町内に配付した。

8.関係機関・他府省事業等との連携について

○ 特にありません。

(3)各実践協力校における活動の具体的な内容及び成果と課題

1.(2)1.を踏まえた各実践協力校における活動の具体的な内容

○ 夢と希望の実現に向けて、教科の基礎・基本を確実に身に付けさせるための少人数指導やコース別学習、TT指導、複式指導等の実践が見られた。
○ 学校研究にキャリア教育の視点を盛り込み、実践を積んできた。実践例1:西中学校 学校研究(特に人間関係形成能力・意思決定能力の育成と関わる)
《テーマ》
 「自信を持って表現し、夢や目標に挑戦し続ける生徒」が育つ学習指導
 -自ら意欲を持って学習に取り組む指導過程の工夫を通して-
《研究の仮説》
それぞれのよさを生かした「関わり合う」場を設定しいていけば、個々の学習意欲が高まりより良く伸びる学習活動が成立し、めざす生徒像に近づくことができるのではないか。
○ キャリア・アドバイザーによる授業や体験学習
○ キャリア育成に結びつく道徳や特別活動の実践
実践例1(小学校):第4学年 学級活動 「係活動をふり返ろう」
《ねらい》
毎日の係活動をふり返り、お互いのがんばりを認め合うことをとおして、みんなのためにはたらくことの大切さに気づかせる。
実践例2(中学校):第2学年 学級活動 「中学校卒業後の学びの道を知ろう」
《ねらい》
実際に仕事をされている方々に中学校卒業後の道筋について調査し、それを発表し合うことによって、自分の進路について主体的に考えていこうとする意識を高める。
○ キャリア教育実践プロジェクトによる5日間の職場体験実施校(2中学校)
 詳しくは、前述。
○ 家庭の協力を得ながら進める「家族への手伝い」「家庭における親子(家族)での実践」などPTA活動として取り組んでいる。より意識化を図り成果が上がるように短冊に各学年のテーマと個人テーマを手書きして各家庭で掲示し、親子で確認しながら進めている学校もある。
《テーマ》
1年:かぞくであいさつ、ちいきであいさつ
2年:いつでも どこでも 気持ちのよいあいさつ
3年:身の回りのことは自分でやろう
4年:親子でいい汗かこう
 ・親子でスポーツしよう ・いっしょに働こう
5年:ぼくもわたしも家族の一員、自分のできることをつづけよう
6年:親子で会話
 ・話をしよう 話を聞こう

2.各実践協力校における活動の成果と課題

〔成果〕

○ 白鷹町におけるキャリア教育推進の全体構想をもとに、各学校の経営計画にキャリア教育の全体構想を位置づけている。目標・めざす子ども像・育てたい力・取組の重点を明確にしている。
○ キャリア教育の視点から、教育課程や教育活動を見直すことができた。教科・領域・諸活動との関連を明確にし、諸教育活動とキャリア教育のねらいを直結することの大切さを教職員で確認できた。
○ キャリア教育に取り組むまであまり注目してこなかった児童・生徒の将来への夢や希望に対する「気付き」が多かった。
○ 学校の教育活動に保護者や地域もテストティーチャーとして参画し、児童生徒の指導にあたること自体が、キャリア教育の理解と協力につながり、学校地域が一体となった取組ができた。
○ 学級懇談会でお手伝い等話題にして話し合ったり、家庭とともに行うキャリア教育の活動を通して理解を図ったりできた。

〔課題〕

○ キャリア教育がねらう4つの能力が身についた児童・生徒の姿を具体的に描く必要がある。
○ 調査アンケートをもとに、実態に即したねらいをもたせた教育活動の設定が大切である。学年が進むにつれて、児童・生徒の考え方も変容してくる。

3.各実践協力校における活動課題に対する取組方針について

○ 調査アンケートをもとに、児童・生徒の変容を的確に捉え、改善の方向性を示しながら活動することを再確認したい。
○ キャリア教育がねらう4つの能力が身についた児童・生徒の姿を実態とあわせて具体的により明確にしていく。

4.各実践協力校における児童生徒の勤労観、職業観に対する意識の変容等について

○ アンケート調査による実態把握をもとに、方向性と活動内容を策定した。また、児童の変容を継続調査によって把握し、活動の改善を図った。
実践例:キャリアアンケート
 ・詳しくは添付資料(ポスター)を参照。
実践例:蚕桑小学校
 ・5年生へのアンケート調査による実態把握を行う。
 ・傾向をもとに取り組みを担任が中心になり検討する。
 ・翌年度6年生になった時に、再度同様のアンケート調査を行い、1年後の変容を把握し、活動の改善を行う。
実践例:各中学校における5日間の職場体験
 ・詳しくは添付資料(アンケート調査)を参照。

4.全体的な研究の総括と展望

○ キャリア教育に係る様々な取組により、キャリア教育に対する学校・家庭・地域の関心が高まってきた。来年度は、児童生徒及び保護者の職業観・勤労観に対する意識の変容等の調査をふくめたキャリア教育推進地域指定3年間のまとめのあり方を充分考慮して取り組んでいくことが大切である。
○ 児童生徒の授業の様子や児童生徒の姿を通して職業観・勤労観が身についたのか検証確認をしていく必要がある。そのため、来年度は学校研究発表会を検討している。
○ 次のような推進構想を来年度も掲げ、取り組んでいく予定である。

平成17年度推進構想

5.その他特記事項

○ 特記事項ありません。

実践協力校の状況

学校名 教員数 児童・生徒数 所在地 備考
白鷹町立蚕桑小学校 11人 205人 白鷹町大字横田尻3584-1
白鷹町立鮎貝小学校 12人 198人 白鷹町大字鮎貝5215
白鷹町立荒砥小学校 21人 312人 白鷹町大字荒砥乙540-1
白鷹町立鷹山小学校 9人 45人 白鷹町大字滝野3116-7
白鷹町立中山小学校 7人 13人 白鷹町大字中山2760
白鷹町立東根小学校 13人 177人 白鷹町大字畔藤5031
白鷹町立西中学校 21人 224人 白鷹町大字鮎貝108
白鷹町立東中学校 25人 338人 白鷹町大字荒砥乙1158
山形県立荒砥高等学校 24人 195人 白鷹町大字荒砥甲367

キャリア教育推進地域指定事業の都道府県・指定都市の教育委員会担当者

氏名 勤務先・職名 連絡先(電話、FAX、電子メールアドレス等) 備考
大谷 敦司 義務教育課・指導主事 電話 023-630-2867
Fax 023-630-2857
E-Mail oyaa@pref.yamagata.jp
鈴木 慈 高校教育課・指導主事 電話 023-630-2787
Fax 023-630-2774
E-Mail suzukime@pref.yamagata.jp

6.その他

添付資料(別添)
○ 平成17年度 白鷹町のキャリア教育(冊子)
○ 各中学校の職場体験に係る資料
○ 協力啓発部作成の職場体験ポスター
○ キャリア教育・職場体験に係る写真

-- 登録:平成21年以前 --