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専門的・技術的な質問の詳細と回答(屋内運動場関係)

1.屋内運動場等の耐震性能診断基準に関する質問

(付-4)

No.付4-1

質問

「屋内運動場等の耐震性能診断基準(平成18年版)」に関する質疑です。

1.54ページの4.1.1(2)ア)略算法にて、Fesiの項目で「ただし、通常の屋内運動場ではFesi=1.0としてよい」とあります。ここでいう「通常」とはどの様な建物をイメージしているのか。

2.屋根面直下層の偏心率が規定値を超えるような場合でも、Fesi=1.0としていいのでしょうか?また、2階建ての2階は偏心率OK、1階はNGの場合はどうなるのでしょうか?

3.P60ギャラリー位置荷重の軒位置への置換方法として、4.3.2の方法を用いた場合、Ai=1.0としてよろしいでしょうか?

回答

1.鉄骨造の屋根を持った屋内運動場をいいます。ダイヤモンドトラスの屋根を含めても良いと思います。下部の構造は基準2頁図-2のものを想定しております。

2.鉄骨の屋根はRC造の床と比べて面内剛性がかなり小さく、もともと偏心率の規定には馴染みません。それで偏心率は1.0としています。どのような建物なのかはっきりしませんが、もし2階床がありRC造であれば偏心率は考慮すべきでしょう。

3.もともとこの屋内運動場は1層の建物ですからAi=1.0とすべきです。

No.16

質問

屋根面の説明図

鉛直構面は桁のフレームにより十分な耐震性能がありますが、その構面まで屋根荷重を伝達できません(屋根ブレースの耐力不足のため)。そこで、ゾーニングをすると、たとえば、柱C1が負担すべき荷重は、(A×100%)+(Bの一部)+(C/2の一部)となります(一部と書いたのは、屋根ブレースの伝達能力に依存するため)。ただし、柱C1の耐震性能は階高の高い細長い柱なので、評価は極めて低い結果となることは当然です(Is値0.3以下等)。しかし、この評価が本来の建物の耐震性能評価になることに疑問があるので、次のような評価方法を提示します。
屋根面架構の検討は「屋内運動場等の耐震性能診断基準」(54ページ)に示される方法に従う。外力は、精算方、略算法による水平震度により求める。つまり、この数値が制限値であり、たとえば略算における水平震度Knは、いわばIsoに対応すると評価できる。
したがって、ここで、Kn=0.55だとすると、F値が1.3の場合、Iso=0.7となり、鉛直の耐震性能と同様に評価できると考えられます。

回答

質問いただいた耐震診断方法の評価につきましては、まずは判定委員会に従ってください。また、公立学校施設の補助制度要件については、診断方法が判定委委員会において適切(本件であれば、「屋内運動場等の耐震性能診断基準」と同等である。)と認められることとしております。

No.付4-2

質問

重層体育館(1~4階はRC造、屋根はS造、1~2階は管理棟、3~4階は体育館)で平面形状は整形です。2層吹き抜けとなっている体育館の屋根は鉄骨造+ALC版で、妻面の耐震壁(WS、F=1.0)と、桁行の独立柱(CB、F=3.2)により支えられています。

1. 屋体基準付録4.1.1(2)水平震度ア)略算法 にて示されている式kn=Iso×Fesi×Ai/ Fiにて、Fiは最上層(屋根面直下層)の靭性指標とされています。妻面のRC耐震壁のF=1.0にてknを算出するということでしょうか。本基準では屋根面架構が構造物全体がメカニズムに至るまで降伏しないようにすることを基本としながらも、全体架構がメカニズムに至るよりもブレースの降伏が先行することをブレースの靭性を確保することで許容されているようです。この場合に下部構造のF値を使用して、屋根面の荷重を算出する理由をご教授願います。

2. 上記のknにより求めた屋根面に作用する水平力Pjから独立柱や独立柱に取り付くキャットウォーク(梁+スラブで両妻壁間に渡り配置されている)の耐力を差し引き可能ですか。この場合、柱等は強度寄与係数を考慮すべきでしょうか。

3. 「4.1屋根面の検討」にて、地震力によって架構間に生じる力が屋根面架構で伝達可能であれば耐震性能は架構全体で評価してよい、と記述されています。妻壁の耐力が非常に高い場合は、妻壁のせん断破壊により層が崩壊にいたる前にブレースが降伏する場合も考えられます。そのような場合にはゾーニングにより妻面の耐震壁を切り分けて、ブレースの耐力にて算出される耐震性能を算出する必要がありますでしょうか。算出する必要がある場合は、質疑1のF=1.0(屋根面荷重を算出したときのF値)にかかわらず、ブレースを保有耐力接合した場合はブレース材のF値を2.2としF=1.0以上のF値にて層のIs値を集計しても差しつかえないでしょうか。

回答

1. 「Fiは最上層(屋根面直下層)の靭性指標とされています。妻面のRC耐震壁のF=1.0にてknを算出するということでしょうか」について、55ページ1行目にありますように、ここでは屋根面における応力伝達を検討する上での必要保有水平耐力に対応する層せん断力係数を(Iso/Fi)×Fesi×Aiで略算的に評価しています。桁行方向、梁間方向それぞれについて、最上層の靱性指標を用いて算定してください。(層の靱性指標がF=1.0であれば、1.0です)
「全体架構がメカニズムに至るよりもブレースの降伏が先行することをブレースの靭性を確保することで許容されているようです。この場合に下部構造のF値を使用して、屋根面の荷重を算出する理由をご教授願います。」について、ここで検討していることは、必要保有水平耐力に対応する応力を屋根面が伝達できるかということです。ブレースが骨組より先に降伏することを許容しているのは、必要保有水平耐力を上回る応力レベルの話です。

2. 4.1.2にありますように、水平力が伝達可能な部材については、適宜モデル化して水平力の伝達を考慮していただいて結構です。独立柱についても、水平力に対する抵抗が期待できる場合には、各構面の水平耐力としてください。モデル化の是非については、判定委員会で判断してもらってください。

3. 質問1で回答しましたが、必要保有水平耐力に対応する応力を屋根面が伝達できるかということが問題です。

No.付4-3

質問

「屋内運動場等の耐震性能診断基準(平成18年版)第2刷」の13ページの靱性指標F値についての質問で,下記文章とグラフは13ページ内に記載してあるものです。各靱性指標F値を求める方法の詳細な説明と,グラフの○1と○2と○3に具体的な数字を入れたグラフの式を教えて下さい。

13ページの図

13ページの図

(3) 異なるじん性指標からなる節点(ないし要素)が並列して混在した場合の架構としてのじん性指標の評価法には、いくつかの考え方があるが、ここでは設計上の不具合、施工不良等の、構造要素が極めて脆性的な破壊を生じると判断される場合を除き、単純に保有水平耐力に対する寄与率を重みとして、節点を代表するじん性指標を重み付き平均した値で全体のじん性指標として代表させることとした。安全側の評価方法として、最小の節点を代表するじん性指標を選ぶ方法、保有耐力寄与率を重みとして乗じた節点を代表するじん性指標の自乗和の平方根とする方法、などがある。これらの方法は、本基準の単純重み付き平均に比べて、架構のじん性指標を小さく評価する傾向がある。しかしながら、節点を代表するじん性指標・保有耐力寄与率の組合せを考慮せずに適用すると、明らかに不合理な結果となる場合があるので、本基準では単純な重み付き平均値を採用することとした。

回答

基礎的な数学の式であり、耐震診断のために特別な計算をしている訳ではありません。各節点を代表するじん性指標をFi、各節点の耐力の保有水平耐力に対する寄与率をCiとおいたとき、各計算法による架構としてのじん性指標は

○1 単純重み付き平均

ΣCi・Fi         (1)

○2 自乗和平方根

自乗平方根の式        2

○3 最小値

min(Fi)        (3)

で表されます。

具体的な計算ですが、図1に示す柱脚がピンとなった門型フレームを例に説明します。左側の節点をA、右側の節点をBとし、節点Aの耐力がMA、じん性指標がFA、節点Bの耐力がMB、じん性指標がFBであるとします。このモデルの場合、節点Aの耐力の保有水平耐力に対する寄与率はCA=MA/(MA+MB)、節点Bの耐力の保有水平耐力に対する寄与率はCB=MB/(MA+MB)=1.0-CAです。
FA=4、FB=1.3として、CAと式(1)~(3)により計算した各計算法による架構としてのじん性指標の関係が図2、FA=2.2、FB=1.3として、CBと式(1)~(3)により計算した各計算法による架構としてのじん性指標の関係が図3になります。

図1 計算例に用いたモデル

図1 計算例に用いたモデル

図2 計算例(FA=4.0、FB=1.3)

図2 計算例(FA=4.0、FB=1.3)

図3 計算例(FA=2.2、FB=1.3)

図3 計算例(FA=2.2、FB=1.3)

 

No.付4-4

質問 

「屋内運動場等の耐震性能診断基準」(平成18年版)56ページの下段屋根面荷重伝達モデルのΣbQu1-2について。1-2間屋根ブレース水平耐力の和とありますが、この時のブレースの断面は例えば直径16のブレースをした時は、63ページの基準強度Fy=258、Fu=400を使用するのですか。この時、断面積は8×8×πで201なので、1-2間ブレース3カ所の場合、ΣbQu1-2=201×258×3/1000=155.57kNとするのか、ΣbQu1-2=201×400×3/1000=241.2kNとするのか、教えてください。この場合、cosθを乗じて求めるのか、別の方法で算出するのかも教えてください。

回答

屋根ブレースも筋かいですので、接合部を含む個材の耐力は「3.3筋かいの耐力」によって計算します。このとき部材の引張耐力の計算にはNyを、接合部の耐力の計算にはFuを用います。なおNyについては、8ページ(2)材料強度に書かれていますように、JIS規格材である400N/mm2級の鋼材であれば材料の基準強度に1.1倍をしてFy=258N/mm2とすることができますが、JIS規格材でなければ1.1倍することはできません。また、ΣbQu1-2は、38ページに基づき計算した個材の耐力の合計(ブレースが保有耐力接合されていて、使用鋼材が断面積201mm2であるJIS規格材の400N/mm2級であればΣbQu1-2=201×258×3/1000=155.57kN)にcosθを乗じて求めます。

No.付4-5

質問

「屋内運動場等の耐震性能診断基準(平成18年度版)第2刷」の重量を軒位置へ変換する方法について、W1の重量とする範囲は図1と図2のどちらでしょうか。

図1床のみ、図2床その他

回答

図2が正しいモデル化です。ギャラリー位置荷重とは、ギャラリーの重量のことではなく、ギャラリーの位置を中間層とした場合の中間層の重量のことです。地震力が作用する質量を集約するモデル化ですので、床だけでなく、壁なども含める必要があります。

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課防災推進室

(大臣官房文教施設企画部施設企画課防災推進室)

-- 登録:平成22年10月 --