2 経費管理体制等に関するチェック機能の強化

(1) 補助金の管理責任者の報告

  (通知の内容)
   交付申請の際に、研究機関としての経費管理責任者及び補助事業ごとの経費管理担当者を報告させることにより、会計処理責任の所在を明確化する。

 
(趣旨)
1.   補助金の機関管理を徹底する上では、各補助事業に係る管理責任者及び経費管理担当者を明確にする必要がある。

2.   このため、交付申請時における管理責任者(補助金の管理の責任を有する部課長)及び経費管理担当者(各部局で科研費の管理を担当する係長等)の記載欄を設けるなどして報告を求める予定。

3.   具体的な交付申請書の様式については、交付内定時に示す予定。

 
(研究機関使用ルール)
【経費管理担当者の報告】
4-3  研究機関としての経費管理責任者及び交付内定を受けた補助事業ごとの経費管理担当者を選任し、交付申請書の提出時に文部科学省に報告すること。

(2) 研究者によるルールの遵守

  (通知の内容)
   採択された研究者から、補助金の交付申請時に、補助条件等のルールを遵守し、不正行為を行わない旨を誓約させる。

 
(趣旨)
1.   補助金の適正な使用を確保するためには、機関管理の徹底とともに、研究費の交付を受ける研究者自身が、補助金は国民の貴重な税金を財源としており、不正使用は許されないという強い意識を持つ必要がある。

2.   文部科学省では、これまで、注意喚起や不正使用に対する応募制限等の対策を講じるとともに、機関においても説明会、内部監査等を義務付けているが、一部の研究者には、未だ、不正行為に対する認識不足があると思われる。

3.   このため、交付申請書の作成時に、各研究者に補助条件を遵守し不正行為等を行わない旨の誓約文書への署名を求め、補助金を適正に使用する意志を確認することとする。

4.   研究機関においては、交付申請書の取りまとめにあたり、研究者一人一人から「誓約文書」を徴収するとともに保管することを義務付けることとする。

5.   「誓約文書」は、交付申請書の様式として交付内定時に示す予定。

 
(研究機関使用ルール)
【誓約文書の徴収及び保管】
4-4  交付内定を受けた補助事業について、交付申請を行う際には、各研究代表者が作成する誓約文書(補助条件等を遵守し、不正行為を行わない旨の確認書)を必ず徴収するとともに、当該文書を機関において保管しておくこと。

(3) 補助金応募手続きにおける機関管理状況報告の組入れ

  (通知の内容)
   補助金への応募は、所属機関が研究者個人の応募書類を一括して提出することとしているが、次年度から、併せて、所属機関における経費管理・監査等の実施状況報告書を副申させ、機関の経費管理状況等を検証する。
 
 平成20年度公募要領において改正し、平成19年度応募分に係る実施状況については、別途各研究機関に提出を依頼する。

 
(趣旨)
1.   機関の管理状況等の確認については、実績報告時に、収支決算報告書、研修会・説明会及び内部監査の実施報告書の提出を義務づけている。

2.   これに加え、平成20年度の科学研究費補助金の公募より、応募時に各機関の管理体制に関する報告書の提出を義務付ける予定。

3.   応募者の研究計画調書と並行して、所属機関の経費管理・監査等の実施体制・状況を把握し、その内容を検証・確認することにより、適正な管理を確保することとしている。

 
(研究機関使用ルール)
【経費管理・監査の実施体制等の報告】
4-2  各年度の応募の際に、機関における経費管理・監査の実施体制・実施状況等に関する報告書を文部科学省に提出すること。

(4) 研究機関に対する実地検査の実施

  (通知の内容)
   文部科学省及び日本学術振興会において、補助金の交付を受けている研究機関の経費管理状況に関する実地検査を実施する。

 
(趣旨)
  平成19年度から、文部科学省、日本学術振興会としても、研究機関における補助金の管理状況を確認するため、一部機関に対する実地検査を無作為により実施することとするので、協力いただきたい。

 
(研究機関使用ルール)
【文部科学省が行う実地検査への協力】
4-8  文部科学省が行う補助金の経理管理・監査の実施状況に関する実地検査に対して積極的に協力すること。

(5) 研究機関に対するペナルティーの実施等

  (通知の内容)
   研究機関における経費管理体制が十分でない場合には、その改善を指導する。さらに、経費管理体制の改善への対応が適切でない場合や経費管理体制の不備により悪質な不正使用事案が発生した場合には、研究機関に対する間接経費の減額査定等のペナルティを実施する。

 
(趣旨)
1.   研究機関における補助金の管理体制については、
 
1 応募時における管理状況の報告義務付け
2 実地検査の実施
3 実績報告
  等により状況を把握し、必要に応じ、各機関における適正な管理に向けた改善を指導することとしている。

2.   この指導に対し、研究機関において改善に向けた取組が全くなされないなど、経費管理の責任を十分に果たすことができない状態が継続する場合やそのような状態で悪質な補助金の不正使用が行われた場合には、研究機関に対して、間接経費の減額などのペナルティを課すことを想定している。

 
(研究機関使用ルール)
【不適正な管理・監査に対する間接経費の返還等】
4-9  補助金の不正使用に対し、文部科学省が、機関の経理管理・監査の実施体制・実施状況等が不適正と判断した場合は、その指示に従って、間接経費の返還等を行うこと。

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-- 登録:平成21年以前 --