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大学における教育内容等の改革状況について(平成27年度)

文部科学省では、平成27年度の大学における教育内容等の改革状況について調査を行い、この度、その結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。

1.調査目的

大学における教育内容・方法の改善等の実施状況について定期的な調査を実施し、国民への情報提供に努め、各大学のより積極的な教育内容等の改善に関する取組を促す。

2.調査方法等

•調査対象:国公私立779大学(短期大学、平成27年度に学生の募集を停止した大学を除く。)
•調査方法:文部科学省ホームページに調査票・回答票等を掲載し、全大学に回答依頼の文書を発出。各大学の記入後に回答票を回収、集計。
•回答率:99%(769大学が回答))

3.調査結果

1 概要

<特に進展が見られた事項の例>

(1)継続的な進展が見られた事項
各大学において継続的な取組がなされ、大きな進展が認められる事項は以下のとおりである。

・学部段階において、カリキュラム編成上の取組として、シラバスの作成にあたり、内容を担当教員以外が検討・修正する機会を設定している大学数
… 平成24年:391大学(53%)→ 平成27年:597大学(80%)
・学部段階において、初年次教育(※1)でプレゼンテーションやディスカッション等の口頭発表の技法を身に付けるためのプログラムを実施している大学数
… 平成23年:512大学(70%)→ 平成27年:614大学(82%)
・学部段階において、シラバスで準備学修に関する具体的な指示を記載している大学数
… 平成24年:410大学(55%)→ 平成27年:585大学(78%)
・学部段階において、GPA制度(※2)を導入している大学数
… 平成23年:453大学(62%)→ 平成27年:634大学(85%)
・学部段階において、学生の学修時間や学修行動の把握を行っている大学数
… 平成23年:269大学(37%)→ 平成27年:604大学(81%)
(2)近年進展が見られた事項
近年各大学によって取り組まれるようになり、全国的にはまだ普及していないが、進展を認められる事項は以下のとおりである。

・学部段階において、カリキュラム編成上の取組としてナンバリング(※3)を実施している大学数
… 平成24年:125大学(17%)→ 平成27年:265大学(36%)
・学部段階において、履修系統図(カリキュラムマップ、カリキュラムチャート)(※4)を活用している大学数
… 平成24年:353大学(48%)→ 平成27年:471大学(63%)
・FD(※5)としてアクティブ・ラーニング(※6)を推進するためのワークショップまたは授業検討会を行っている大学数
… 平成25年:205大学(27%)→ 平成年27:320大学(42%)

<今後の課題と考えられる事項の例>
1. 三つの方針に基づいた大学教育の質の向上のための各種取組

 大学において育成すべき力を学生が確実に身に付けるためには、三つの方針(卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針)に基づいて個々の授業科目等を越えた大学教育全体としてのカリキュラム・マネジメントを確立し、教育課程の体系化・構造化を行い、学生等へわかりやすく示すこと、学修成果に関する情報の把握・測定を通じた教育内容の質向上に向けた取組を行うことが重要である。
この点について、学部段階において、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)は約99%、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)は約99%、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)は約100%と、ほとんどの大学で定められており、平成29年度から三つの方針の一体的な策定・公表が各大学に義務付けられている。
他方で、例えば、
・大学全体で定める人材養成目的や学位授与方針等とカリキュラムの整合性を考慮している大学は約78%
・全学的な教育目標等とカリキュラムの整合性を検証する全学的な委員会を設置している大学は約38%
・シラバスに人材養成の目的もしくは学位授与の方針と当該授業科目の関連を記載している大学は約32%
・学位水準の向上に資する、日本学術会議が作成している分野別の教育課程編成上の参照基準を活用している大学は約12%
にとどまっており、策定・公表した三つの方針に基づき教育の質を向上させる具体的な取組は全体的な広がりを見せておらず未だ十分とは言えない。今後、三つの方針に基づく教育の実質化に向けた取組の更なる進展が必要である。
 また、学修成果に関する情報の把握・測定を通じた教育内容の質向上に向けた取組として、GPA制度等を活用した厳格な成績評価が考えられるが、学部段階においてGPA制度等を導入している大学は約85%と継続的な進展が見られるものの、GPAに応じた履修上限単位数の設定を行っている大学は約28%、GPA制度を進級判定の基準に活用している大学は約9%にとどまっており、導入したGPAの厳格な運用について、各大学における取組が進展することが期待される。

2. 教職員の質の向上

 大学教育の質の向上のためには、教員の職能開発(FD)が重要であり、大学設置基準において、各大学における実施が定められている。
この点について、教員のFDへの参加率は依然として低い状況(教員全員が参加した大学は約13%、4分の3以上の教員が参加した大学は約43%)となっている。また、FDの具体的な取組として、教員相互の授業参観を実施した大学は約56%、アクティブ・ラーニングを推進するためのワークショップまたは授業検討会を実施した大学は約42%と近年進展を示しているものの全国的に普及しているとは言えない。
また、大学教育の質向上に向けて、教員の教育活動の正当な評価のための工夫が必要であると考えられるが、教員の教育面における業績評価や顕彰を行っている大学は約69%と進展を示しているものの、ティーチング・ポートフォリオ(※7)を導入している大学は約24%にとどまっており、教職員向けの研修の促進とともに更なる導入・活用が望まれる。


(※1) 初年次教育
  高等学校から大学への円滑な移行を図り、大学での学問的・社会的な諸条件を成功させるべく、主として大学新入生を対象に作られた総合的教育プログラム。高等学校までに習得しておくべき基礎学力の補完を目的とする補習教育とは異なり、新入生に最初に提供されることが強く意識されたもの。

(※2) GPA制度
授業科目ごとの成績評価を、例えば5段階(A、B、C、D、E)で評価し、それぞれに対して、4、3、2、1、0のように数値(グレード・ポイント:GP)を付与し、この単位あたりの平均(グレード・ポイント・アベレージ:GPA)を出して、その一定水準を卒業等の要件とする制度。

(※3) ナンバリング
カリキュラムの体系性を示す為に、各授業科目に意味づけされた番号を付与すること。

(※4) 履修系統図(カリキュラムマップ、カリキュラムチャート)
ここでは、学生に身に付けさせる知識・能力との対応関係等を示した科目区分の下に授業科目を構成し、科目区分間、授業科目間の関係性や履修順序(配当年次)等を示すことにより、授業科目の体系的な履修を促すことを目的とした図を指す。

(※5) FD
ファカルティ・ディベロップメント(大学の教育の内容及び方法の改善を図るための教員の組織的な研修等)の略。

(※6) 能動的学修(アクティブ・ラーニング)
教員の一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法を指す。発見学修、問題解決学修、体験学修、調査学修等が含まれ、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効な方法とされている。

(※7) ティーチング・ポートフォリオ
大学等の教員が自分の授業や指導において投じた教育努力の少なくとも一部を、目に見える形で自分及び第三者に伝えるために効率的・効果的に記録に残そうとする「教育業績ファイル」、もしくはそれを作成するにおいての技術や概念及び、場合によっては運動を意味するもの。ティーチング・ポートフォリオの導入により、1将来の授業の向上と改善、2証拠の提示による教育活動の正当な評価、3優れた熱心な指導の共有等の効果が認められる。

お問合せ先

高等教育局大学振興課大学改革推進室

電話番号:03-5253-4111(内線:3334)

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(高等教育局大学振興課大学改革推進室 )

-- 登録:平成29年11月 --