3.政策評価の結果の政策への反映状況

3.規制に関する評価結果の政策への反映状況

著作権等管理事業法施行規則の一部を改正する省令

ナンバー 規制名 主管課
(関係課)
評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
1 著作権等の管理業務を行う承認TLO等に対する著作権等管理事業法に基づく規制 文化庁長官官房著作権課(研究振興局研究環境・産業連携課)
1  必要性
   大手株式会社の技術移転事業参入や承認TLO等による特定大学技術移転事業以外の事業の多様化等、今後様々な形態の技術移転機関が現れることをが予想されることをかんがみ、一任型により行われるプログラム著作物等に係る著作権等の管理業務を著作権等管理事業に該当することとし、著作権等管理事業法に基づく管理事業者に対する各種の義務を課すことにより、著作権又は著作隣接権の管理を委託する者を保護するとともに、著作物等の利用の円滑化を図る必要がある。
2  規制の便益と費用
   便益・費用を総合的に勘案し、文化庁長官への登録を要することとすることが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現行制度の維持(非規制手段)があるが、現行制度を維持する場合には、登録のための遵守コストは発生しない一方、登録制を取ることにより社会的便益が得られる。登録の際の行政コストと社会コストは大きくなく、現行制度の維持の場合とそれほど差異がないと考えられることから、登録による遵守コストと社会的便益を比較考量し、文化庁長官への登録を要することが合理的である。
 当該規制を実施するための省令の改正を行うこととした。

放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令及び法律施行規則の一部を改正する省令

ナンバー 規制名 主管課
(関係課)
評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
2 医療分野における規制の合理化 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室
1  必要性
   放射性同位元素の規制対象下限値の変更(国際原子力機関(IAEA)等が定めた国際標準に準拠するものへの変更)に伴う規制の合理化等を行うために改正した放射線障害防止法を施行するに当たって、同法の適用対象から、医薬品の原料又は材料(薬事法の製造所に存するもの)等を除外する必要がある。
2  規制の便益と費用
   便益・費用を総合的に勘案すれば、便益が明らかに優位であり、また、新たに生じる費用も必要最小限のものであると考えられることから、医療分野における規制の合理化をすることが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現行制度の維持が考えられるが、本制度改正は一定の便益が期待される一方、費用面では少なくとも現行より上昇することがない。一方、現行制度が維持された場合、費用面では変わらないが、制度改正による便益が得られないこととなる。そのため、医療分野における規制の合理化をすることは妥当である。
 当該規制を実施するための政省令の改正を行うこととした。
3 放射性同位元素等の移動使用対象と使用目的の追加 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室
1  必要性
   放射性同位元素の規制対象下限値の変更(国際原子力機関(IAEA)等が定めた国際標準に準拠するものへの変更)に伴う規制の合理化等を行うために改正した放射線障害防止法を施行するに当たって、放射性同位元素等の使用の場所の変更の都度、許可を要さず、届出で足りることとする放射性同位元素等の範囲、使用目的を拡大する必要がある。
2  規制の便益と費用
   便益・費用を総合的に勘案すれば、便益が明らかに優位であり、また、新たに生じる費用も必要最小限のものであると考えられることから、放射性同位元素等の移動使用対象と使用目的の追加をすることが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現行制度の維持が考えられるが、現行制度を維持する場合には遵守コストが発生しない一方、今回改正案のとおり移動使用の対象を拡大して、同時に安全のための措置を講じる場合には、非破壊検査等の事業の効率化や安全性の向上という便益が期待できる。それに伴うコストも、現在移動使用に使われている機器については当分の間は、より簡便な措置を講じれば良いこととされており、実質的に現行制度の維持の場合と、それほど差異がないものと考えられる。そのため、移動使用の対象の拡大と安全のための措置を同時に講じることは妥当である。
 当該規制を実施するための政省令の改正を行うこととした。
4 特定設計認証制度の対象となる放射性同位元素装備機器の指定 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室
1  必要性
   放射性同位元素の規制対象下限値の変更(国際原子力機関(IAEA)等が定めた国際標準に準拠するものへの変更)に伴う規制の合理化等を行うために改正した放射線障害防止法を施行するに当たって、特定設計認証を受けることができる機器として、煙感知器等を指定する必要がある。
2  規制の便益と費用
   便益・費用を総合的に勘案すれば、便益が明らかに優位であり、また、新たに生じる費用も必要最小限のものであると考えられることから、特定設計認証制度の対象となる放射性同位元素装備機器の指定することが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
   特定設計認証制度の代替手段としては、今回放射線障害防止法施行令において放射性同位元素装備機器の指定を行わないことにより、昨年6月に交付された放射線障害防止法一部改正法によって取り入れられた特定設計認証制度の規定を実質的に空文化させ、新たに規制対象となる機器についても、現行の規制を全て適用させ他の放射性同位元素装備機器と同様の法的義務を課す手段があり得る。(そもそもそうした選択肢は、昨年6月の法律改正の趣旨に反するため選択し得ない。)その場合、個々の使用者は届出等の行政手続きを行い、使用に際しては帳簿を作成しなければならない等の利便性が低下するばかりでなく、放射線障害防止法を遵守するために必要な知見を得る必要が生じるため、大きな負担を要することとなり、社会的混乱を招くおそれがあるという点で問題がある。
 特定設計認証制度は、放射線利用の安全性を損なうことなく、同時に個々の使用者の利便性を損なわないで、従来どおり放射性同位元素装備機器を使用できるようにするため導入された制度である。
 今回の放射線障害防止法施行令の改正において、当該制度の趣旨を貫徹して、放射性同位元素装備機器の指定を行うことで、適切に特定設計認証制度の運用が行われていくものであり、その便益は非常に大きいものである。以上から当該制度を適切に履行するため具体的機器の使用をすることが妥当である。
 当該規制を実施するための政省令の改正を行うこととした。
5 施設検査、定期検査の対象の見直し等 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室
1  必要性
   放射性同位元素の規制対象下限値の変更(国際原子力機関(IAEA)等が定めた国際標準に準拠するものへの変更)に伴う規制の合理化等を行うために改正した放射線障害防止法を施行するに当たって、施設検査、定期検査の対象の見直し等をする必要がある。
2  規制の便益と費用
   便益・費用を総合的に勘案すれば、便益が明らかに優位であり、また、新たに生じる費用も必要最小限のものであると考えられることから、施設検査、定期検査の対象の見直し等をすることが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現行制度の維持があるが、この場合、国際的な最新の科学的知見に基づいて、機器等の危険性に相応した検査対象の設定がなされていないこととなり、数量の小さな機器のみを多数使用している者が検査対象となるなど個々の事業者によっては不当に厳しい規制が課され無駄なコストを強いることとなるおそれがある。
 一方、検査対象を見直した場合、新たに検査対象となる事業者はコストが発生するが、このコストは使用している放射性同位元素の潜在的危険性に応じた安全性の確保のための必要的コストであると考えられる。以上から、検査の対象を見直さないで、現行制度のままとすることにより、得られる便益は無く、現状の規制の合理性の確保の観点から見直しを行うことが必要である。
 また、検査対象を見直すことで、比較的危険性の高い事業所が検査の対象となることから、放射線利用の安全性が向上し、事故等による周辺住民への影響等の潜在的コストとしての社会的コストが低減することからも、検査対象の見直しをすることは妥当である。
 当該規制を実施するための政省令の改正を行うこととした。
6 定期確認の期間 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室
1  必要性
  放射性同位元素の規制対象下限値の変更(国際原子力機関(IAEA)等が定めた国際標準に準拠するものへの変更)に伴う規制の合理化等を行うために改正した放射線障害防止法を施行するに当たって、定期確認の期間を定める必要がある。
2  規制の便益と費用
  便益・費用を総合的に勘案すれば、便益が明らかに優位であり、また、新たに生じる費用も必要最小限のものであると考えられることから、定期確認の期間を定めることが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
  代替手段としては、より長期に期間を設定することが考えられるが、昨今の放射線利用に係る事故の事例では、施設自体の健全性(ハード面)に起因したものよりも、ずさんな管理など取扱い(ソフト面)の安全性に起因したものが増加しており、このことからより頻繁に個々の事業者の取扱いについて、その遵守状況を確認することが必要と考えられる。他方、個々の事業者に対して定期検査(ハード面)が実施されている現状から、これと同時に定期検査が行えるよう期間を設定することにより、定期確認のためのコストがおさえられ、より少ないコストで効果的に安全性の確保が図られると考えられるため、定期検査と同じ期間とすることが妥当である。
 当該規制を実施するための政省令の改正を行うこととした。
7 定期講習の対象及び期間 科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室
1  必要性
   放射性同位元素の規制対象下限値の変更(国際原子力機関(IAEA)等が定めた国際標準に準拠するものへの変更)に伴う規制の合理化等を行うために改正した放射線障害防止法を施行するに当たって、定定期講習の対象及び期間を定める必要がある。
2  規制の便益と費用
   便益・費用を総合的に勘案すれば、便益が明らかに優位であり、また、新たに生じる費用も必要最小限のものであると考えられることから、定期講習の対象及び期間を定めることが合理的である。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現状のように放射線取扱主任者の資質の維持・向上については、各放射線取扱主任者の自発的な研鑽に委ねることで、特段制度化しないという方法が考えられるが、放射線取扱主任者は放射性同位元素等の取扱いの管理・監督を行う指導的な立場の者であり、この者の資質は、放射線利用の安全性の向上・低下に多大な影響を及ぼすため、これは個人の自発的な研鑽のみに委ねる性格のものではなく、制度として位置づけることにより、放射線利用の安全性を確保し、社会リスクの軽減を図るべきものであると考えられる。
 受講期間について異なる設定とする代替案については次のとおり考える。より長期に設定した場合、期間が空きすぎることにより、事業者及び放射線取扱主任者の意識の向上についての効果が小さいと考えれれる。また、より短期に設定した場合、事故や法令の適用に関して多数の事業者に参考となる新たな事例の蓄積が少なく、結果として同内容の講義を続けて受講することになりかねない。これらに鑑み、今回の改正内容の期間とした。
 定期講習制度の新設により事業者は放射線取扱主任者を講習に参加させるための新たなコストが発生するが、講習の対象となる放射線取扱主任者は実際に放射性同位元素を取扱う事業者にのみ限定しており、かつその期間は、必要最低限となるよう設定されていることから、社会全体の放射線利用の安全性の向上という便益と比較して、これらは安全確保のための必要的コストであると考えられることから、当該制度を導入することは妥当である。
 当該規制を実施するための政省令の改正を行うこととした。

学校教育法施行規則の一部を改正する省令

ナンバー 規制名 主管課
(関係課)
評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
8 高等学校における学校外の学修等の認定可能単位数拡大 初等中等教育局初等中等教育企画課
1  必要性
   高等学校等の生徒が行う他の高等学校や大学等における学校外の学修について単位認定ができる単位数の上限を緩和することにより、生徒の選択の幅を拡大し、多様化する生徒の興味・関心、能力・適正、進路等にきめ細かく対応できる学校づくりの推進に資するものである。
 本件に関しては、現在、構造改革特別区域における特定事業(804「高等学校等における学校外学修の認定可能単位数拡大事業」)において、上限を20単位から36単位に拡大しているが、「特区において講じられた規制の特例措置の評価及び政府の対応方針(平成16年9月10日)」において、本特定事業について平成16年度中に全国化を措置することとされている。
2  規制の便益と費用
   今回の規制の緩和は、高等学校における学校外の学修等の単位認定数を拡大することにより、高等学校長の裁量の幅の拡大を図るものであり、便益・費用を総合的に勘案した結果、高等学校における学校外の学修等の単位認定数を拡大することは適当であると考えられる。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現行制度の維持(高等学校における学校外学修等における単位認定数の維持)があるが、生徒の多様化等に対応した、よりきめ細かな教育を行うためには、多様な学修の成果を評価できる仕組みの拡大を図ることが有効である。
 当該規制を実施するための省令の改正を行うこととした。
9 高等学校卒業程度認定試験合格科目の単位認定の対象の拡大 初等中等教育局初等中等教育企画課
1  必要性
   生徒の能力・適正・興味・関心等の多様化の実態を踏まえ、生徒に目標を与えて意欲を喚起することや学校生活にうまく適応できない生徒への対応が課題となっている。現在、定時制・通信制においては、勤労青年の負担軽減を図る観点から大学入学資格検定の受検及び合格科目の単位認定が認められているが、全日制においても高等学校卒業程度認定試験の合格科目の単位認定を可能とすることにより、これらの課題解決に資するものである。
 なお、本件については、中央教育審議会答申において、全日制高等学校においても高等学校卒業程度認定試験の活用及び合格科目の単位認定を可能とすべき旨の提言がされている。
2  規制の便益と費用
   今回の規制の緩和は、高等学校卒業程度認定試験の合格科目を単位認定できる対象を拡大することにより、高等学校長の権限の拡大、弾力化を図るものであり、便益・費用を総合的に勘案した結果、適当であると考えられる。
3  想定できる代替手段との比較考量
   代替手段としては、現行制度の維持があるが、生徒の多様化等に対応した、よりきめ細かな教育を行うためには、多様な学修の成果を評価できる仕組みの拡大を図ることが有効である。
 当該規制を実施するための省令の改正を行うこととした。
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