3.政策評価の結果の政策への反映状況

1.実績評価結果の政策への反映状況

施策目標2−1 確かな学力の育成   【主管課】   初等中等教育局教育課程課
【関係課】 初等中等教育局初等中等教育企画課・財務課・児童生徒課・児童教育課・特別支援教育課・国際教育課・教科書課・教職員課・参事官、生涯学習政策局参事官

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成17年度以降の取組)
基礎・基本を徹底し、自ら学び自ら考える力などまで含めた「確かな学力」を身に付けさせる。 学習指導要領の目標・内容に照らした児童生徒の学習状況の改善を図り、知識・技能はもとより、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力等まで含めた「確かな学力」を育成する。 ・教育課程実施状況調査の結果
・生徒の学習到達度調査(PISA)の結果
・国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果
 我が国の子どもたちの現状については、昨年末に公表された国際的な学力調査の結果、我が国の児童生徒の成績は全体としては国際的にみて上位にあるものの、読解力が大幅に低下するなどの低下傾向が見られ、子どもの生活習慣や学習習慣が必ずしも十分身についていないことなどから、一定の成果が上がっているが、一部については想定どおり達成できなかった。
 調査で明らかになった指導上の改善点を踏まえ、学習意欲、学習習慣等を児童生徒に身に付けさせることが重要である。
 また、児童生徒の学習到達度・理解度の把握検証と教育指導の改善充実を図るため、全国的な学力調査の実施を検討する必要がある。
 さらに、国際的な学力調査等で課題となっている読解力の向上のために、「読解力向上のためのプログラム」の策定を検討する。
 「学力向上アクションプラン」として、1個に応じた指導の充実、2学力の質の向上、3個性・能力の伸長、4英語力・国語力の向上を柱とした施策を総合的に展開しているところであり、平成17年度も、引き続きその充実を図った。
 また、全国的な学力調査の実施のため、平成18年度予算案において、事前の体制整備等について必要な予算を形状した。
 さらに、平成17年12月に「読解力向上のためのプログラム」を策定した。

 全国的な学力調査係る事務体制の強化を図るための室長補佐1名、学力調査企画係長1名、学力調査企画係員1名を措置。(18年度)
少人数指導・習熟度別指導の実施など、個に応じた指導の充実を図る。 ・習熟度別指導を実施している学校の割合
・国からの加配定数を活用して少人数指導等を実施している学校数
 個に応じた指導の充実に資する施策の成果として、平成16年度には全国の約7〜8割の小学校・中学校において習熟度別学習が取り入れられるに至っており、概ね順調に進捗していると判断するが、児童生徒一人一人の習熟の程度等に応じたきめ細かな指導を一層充実する観点から、今後、更なる指導方法や指導体制の工夫・改善を進める必要がある。
 また、引き続き、第7次教職員定数改善計画を着実に推進することが必要である。
 「学力向上アクションプラン」として、1個に応じた指導の充実、2学力の質の向上、3個性・能力の伸長、4英語力・国語力の向上を柱とした施策を総合的に展開しているところであり、平成17年度も、引き続きその充実を図った。
 また、引き続き、第7次教職員定数改善計画を着実に実施したところであり、計画を完成させたところである。
教員一人あたりの児童生徒数の欧米並の水準(小学校:18.6人、中学校14.6人)への改善を進める。 ・教員一人あたりの児童生徒数  基礎学力の向上ときめ細かな指導を目指し、平成13年度から平成17年度までの5ヵ年計画で、第7次公立義務諸学校教職員定数改善計画を実施しているところである。平成17年度までに教員一人あたりの児童生徒数の欧米並の水準(小学校:18.6人、中学校14.6人)への改善を進めるという設定目標に対し、改善計画4年目として改善の進捗が見られるが、目標達成に向けて計画を完成させる必要がある。計画4年目としては小学校の目標を達成しているため一定の成果が上がっていると認識しているが、中学校についてはさらなる改善が必要なため、想定どおり達成できなかったと判断。引き続き第7次公立義務諸学校教職員定数改善計画を着実に推進することが必要である。  確かな学力の向上ときめ細かな指導を目指す観点から、引き続き、第7次教職員定数改善計画を着実に実施したところであり、計画を完成させたところである。
学校教育への社会人等の活用(平成16年度までに約5万人を全国の学校に導入等)を推進する。 ・学校教育への社会人等の活用状況  特別非常勤講師制度や緊急地域雇用創出特別交付金(厚生労働省所管)などを活用した「学校いきいきプラン」を着実に実施した。
 平成16年度における緊急地域雇用創出特別交付金等の活用による教員補助者と特別非常勤講師による活用状況は、約56,000人(一部推計値)と目標を達成する見込みであり、想定どおり達成と判断。
 平成16年度における緊急地域雇用創出特別交付金等の活用による教員補助者と特別非常勤講師による活用状況は、約55,000人であり、目標の約5万人を達成。緊急地域雇用創出特別交付金は、平成16年度をもって終了したことから、その成果を踏まえ、各自治体において引き続き学校教育への社会人の活用を推進する。
英語教育の改善の目標や方向性を明らかにし、その実現のために国として取り組むべき施策を盛り込んだ「英語が使える日本人」の育成のための行動計画を策定し、計画に基づいた施策を実施することにより、平成19年度末までに「英語が使える日本人」を育成する体制を確立する。    「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」(平成15年3月策定)に基づき、関係施策を着実に実施中であり、平成16年度においては、スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールを85件指定し、英語教育に関する実践的な研究が推進され、全英語教員を対象とした研修も実施されており、概ね順調に進捗していると判断。引き続き、英語教員の指導力向上及び指導体制の充実など英語教育の改善に向けて着実に関係施策を推進していく必要がある。  平成17年度においては、スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールを100件(101校)を指定
 小学校英語活動地域サポート事業を新たに実施
 平成14年度から、中学校・高等学校の全英語教員を対象として、5カ年かけて研修を実施中
 英語指導力開発ワークショップ事業を新たに実施など、平成19年度に向けて関係施策を着実に実施中である。
学校での朝読書等の読書活動を充実するとともに、平成14年度からの5年間で、学校図書館の蔵書について、新たに4千万冊を整備する。 ・公立小学校・中学校図書館の蔵書数
・公立小学校・中学校全体で全校一斉読書活動を実施している学校の割合
 読書活動については、全校一斉の読書活動を実施している公立小学校・中学校全体の割合が、前年度比で約4ポイント増の約84パーセントとなるなど、概ねその取組は順調に進捗しているものの、公立小学校・中学校の学校図書については、図書購入の財源が一般財源であることから、各地方公共団体の財政事情などにより十分に図書購入費が措置されていないところもあったこと等により、前年度と比べ約470万冊の増加にとどまっている。以上のことから、一定の成果は上がっているが、一部については想定どおり達成できなかったと判断。
 引き続き、読書活動を着実に推進するとともに、学校図書館図書の計画的な整備について、各都道府県教育委員会に対し指導を行う必要がある。
 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を踏まえ、引き続き子どもの読書活動の推進を図った。また、学校図書館図書の計画的な整備を図るよう、引き続き各都道府県教育委員会に対し、通知を発出するとともに各種会議等において指導を行った。
 なお、平成18年度予算案において、学校図書館の機能の充実・強化を図ることを目的に、学校図書館支援センターの在り方について調査研究を行う「学校図書館支援センター推進事業」を実施するための所要の予算を計上した。
幼稚園への就園を推進するため、公私立幼稚園の格差を是正すべく、私立幼稚園における減免単価の引き上げ及び第2子以降の減免率の引き下げを推進する。 ・幼稚園就園奨励費補助金制度における減免単価の改定率
・幼稚園就園奨励費補助金制度における第2子以降の負担率
 減免単価の引き上げ率については、平成13年度から1パーセント以上の引き上げを行っている。また、第2子以降の減免率の引き下げについては、第2子は0.6、第3子以降は0.2を達成しており、概ね順調に進捗している状況にあると判断しているが、引き続き制度の充実に努める必要がある。  平成17年度においては、減免単価を前年度から約1パーセント引き上げ、保護者負担の軽減を図っており、引き続き制度の充実を推進していく。

施策目標2−2 豊かな心の育成と児童生徒の問題行動等への適切な対応   【主管課】   初等中等教育局児童生徒課
【関係課】 初等中等教育局教育課程課・幼児教育課・特別支援教育課

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成17年度以降の取組)
他人を思いやる心、生命や人権を尊重する心、自然や美しいものに感動する心、正義観や公正さを重んじる心、勤労観、職業観など、子どもたちに豊かな人間性と社会性を育むための教育を実現するとともに、児童生徒の問題行動等への適切な対応を図る。 幼稚園から高等学校までの全ての学校種において、体験活動をいかした道徳教育や地域人材の積極的活用など特色ある充実した道徳教育を実施する。 ・児童生徒の心に響く道徳教育推進事業の指定校数
・道徳の時間の年間実施時数
 「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業」の指定校数は減少しているものの、小学校・中学校の道徳の時間はともに増加していることから、概ね順調に進捗していると判断。引き続き、学校や教育委員会の創意工夫を生かした道徳教育、体験活動を生かした道徳教育や、地域人材の積極的活用等による特色ある道徳教育に取り組む必要がある。  平成17年度も引き続き、全小学生・中学生に「心のノート」を配付するとともに、「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業」等を都道府県教育委員会との連携、協力の下に実施した。
 また、平成18年度予算案において、新たに、学校の道徳教育を中核に、地域の様々な団体や機関、有志などの積極的な支援の下で、子どもたちの豊かな心を育てるため、「豊かな心を育てる地域推進事業」を実施するための所要の予算を計上した。
全国の小学校・中学校・高等学校における7日間以上のまとまった体験活動や、人権感覚を身につける教育を推進する。 ・学校において体験活動を実施している平均日数
・人権教育総合推進地域、人権教育研究指定校の指定数
 各都道府県に「体験活動推進地域・推進校」を指定し、他校のモデルとなる体験活動に取り組むとともに、都市部や農山漁村や自然が豊かな地域に出かけ、異なる環境における豊かな体験活動を促進するため、「地域間交流推進校」を指定した。また、長期にわたる集団宿泊等の共同体験等を行う「長期宿泊体験推進校」を指定した。さらに、全国6ブロックで開催するブロック交流会の発表校の事例をまとめた事例集を教育委員会に配付したところである。これらの取組などにより小学校・高等学校においては既に年7日間以上の体験活動を実施しており、概ね順調に進捗しているものと判断
 また、人権教育については、「人権教育開発事業」等を実施するとともに、平成16年度に「人権教育の指導方法等の在り方について」の一次とりまとめを教育委員会に配付し、各地域における人権教育の推進を図ったことなどから、概ね順調に進捗しているものと判断。
 児童生徒の社会性や豊かな人間性を育む観点から、体験活動及び人権教育について、引き続き、学校における取組の充実を図る必要がある。
 平成17年度において、子ども達の対人関係能力、社会性、規範意識、基本的生活習慣や、自分の大切さとともに他の人の大切さを認められる人権感覚を十分に身につけさせるために、他校のモデルとなる体験活動を実施する学校や人権教育を推進する学校の指定や、「人権教育の指導方法等の在り方について[第二次とりまとめ]」のとりまとめ等を実施。
 平成18年度においても、豊かな体験活動推進事業において、「体験活動推進地域・推進校」を引き続き実施し、「地域間交流推進校」及び「長期宿泊体験推進校」を拡充するとともに、人権教育開発事業等を引き続き実施する。

 「心に発達課題を抱える子ども」への支援体制の強化を図るための専門官1名を措置。(18年度)
児童生徒が望ましい勤労観、職業観を身に付け、個々の能力・適性に応じて主体的に進路を選択することができるよう、職場体験やインターンシップ(就業体験)の取組等を通じて、キャリア教育の推進を図る。 ・職場体験の実施状況(公立中学校)
・インターンシップの実施状況(公立全日制高等学校)
 公立中学校における職場体験の実施状況については、平成16年度において89.7パーセント(前年度比1ポイント増)が実施、公立全日制高等学校におけるインターンシップ(就業体験)については、16年度において59.7パーセント(前年度比7.5ポイント増)が実施していることなどから、概ね順調に進捗しているものと判断。
 引き続き、職場体験やインターンシップ(就業体験)の充実等を通じて、児童生徒の勤労観、職業観を育成するキャリア教育の更なる推進を図る必要がある。
 小学校・中学校・高等学校を通じた組織的・系統的なキャリア教育を行うための指導方法・内容等を研究内容とした「キャリア教育推進地域指定事業」やキャリア教育推進フォーラムの開催などを内容とする「新キャリア教育プラン推進事業」を引き続き実施。
 中学生が5日間以上の職場体験を行う「キャリア・スタート・ウィーク」を実施するとともに、地域の協力体制を構築する「キャリア教育実践プロジェクト」を引き続き実施。
全国の公立中学校において、全ての生徒が専門的な教育相談を受けることができる体制を整備する。 ・公立中学校におけるスクールカウンセラーの配置校数  平成16年度においては平成16年度配置計画による予定校数8,500校の配置が為されており、概ね順調に進捗しているものと判断。
 しかしながら、近年では災害や犯罪の被害児童生徒への心のケアという、新たな課題もあることから、より一層の取組が必要である。
 平成17年度においては、スクールカウンセラー配置校の拡充に資するため、交付要綱の改正により規制緩和を図った。
 不登校や問題行動等については依然として憂慮すべき状態であり、また近年は、災害や犯罪の被害児童生徒への心のケアという課題もあるため、いままでの調査研究結果を踏まえ、引き続き、学校における教育相談体制の充実を図る。
 「心に発達課題を抱える子ども」への支援体制の強化を図るための専門官1名を措置。(18年度)
小学校における教育相談体制の充実を図り、不登校などの未然防止や早期発見・早期対応、学校運営の課題や児童虐待への対応等について研究し、その成果の普及を図る。    各都道府県に「子どもと親の相談員」を配置し、他校のモデルとなる教育相談体制の充実に取り組むこととした。平成16年度予算では「子どもと親の相談員」を940校に配置することとしていたが、969校に配置がなされ、概ね順調に進捗しているものと判断。
 しかしながら、毎年実施している問題行動調査において小学生による暴力行為が増加していることからも、より一層の取組が必要である。
 近年、小学校における暴力行為が増加していることから、小学校における生徒指導体制の充実と警察等関係機関との連携強化のため、平成17年度においては「生徒指導推進協力員」を配置し、小学校における生徒指導体制の充実・強化を図った。
 平成18年度以降においても、「子どもと親の相談員」の配置を引き続き実施するとともに、「生徒指導推進協力員」の配置を拡充することで、小学校における生徒指導体制や教育相談体制の充実を図る。
 「心に発達課題を抱える子ども」への支援体制の強化を図るための専門官1名を措置。(18年度)
不登校対策に関する中核的機能(スクーリング・サポート・センター)を充実し、学校・家庭・関係機関が連携した地域ぐるみのサポートシステムを整備する。 ・教育支援センター等の学校外の機関で相談、指導、治療を受けた不登校児童生徒数  昨年度から引き続き、スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業を実施し、学校・家庭・関係機関が連携した地域ぐるみのサポートネットワークの整備について調査研究を行うとともに、協議会等を開催し、研究成果の情報提供を行った。その結果、学校外の機関で相談、指導、治療を受けた不登校児童生徒数の割合が、不登校児童生徒数全体の35.6パーセントで、前年度を上回り、地域における不登校児童生徒への相談・支援体制の充実が図られたことから、概ね順調に進捗しているものと判断。しかしながら、教育支援センターを含めた関係機関で何らかの指導・治療を受けた児童生徒は全体の3分の1に満たない。そのため関係機関で適切なケアを受けていない残りの児童生徒への支援を今後強化する必要がある。  平成17年度においても、引き続き、スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業を実施し、学校・家庭・関係機関が連携した地域ぐるみのサポートネットワークの整備について調査研究を行うとともに、協議会等を開催し、研究成果の情報提供を行った。
 また、現在関係機関で指導・治療を受けていない児童生徒に対する支援を強化し、より一層の達成水準の向上を図るため、既存のスクーリング・サポート・ネットワーク整備事業で指定地域に訪問指導員を配置し、訪問指導の在り方についての調査研究を充実させる。
 「心に発達課題を抱える子ども」への支援体制の強化を図るための専門官1名を措置。(18年度)
学校・教育委員会・関係機関からなるサポートチームの組織化など、地域における支援システムづくりについて研究し、その成果の普及を図る。 ・サポートチーム結成件数対象人数  各都道府県ごとに4ヶ所の地域を指定して、関係機関からなるサポートチームの組織化等、地域における支援システムづくりについて調査研究を実施するとともに、情報提供を行った。平成16年度の全国におけるサポートチーム結成件数は922件、対象人数は2,263人とそれぞれ前年を上回り、サポートチームの取組を普及させることができたことから概ね順調に進捗しているものと判断。しかしながら、いじめや暴力行為、少年非行など、児童生徒の問題行動が依然として憂慮すべき状況にある中、問題行動への対応だけでなく、未然防止にも取り組んでいく必要がある。  平成17年度においては、事業の一層効果的な実施に役立てるため、新たにブロックごとに協議会を開催した。
 また、いじめや暴力行為、少年非行など、児童生徒の問題行動等が依然として憂慮すべき状況にある中、問題行動への対応だけでなく、未然防止の取組を進めていくため、非行防止教室の在り方について実践的な調査研究を行う。
 「心に発達課題を抱える子ども」への支援体制の強化を図るための専門官1名を措置。(18年度)
障害のある子ども一人一人のニーズに応じてきめ細かな支援を行うために乳幼児期から学校卒業後まで一貫して計画的に教育を行うとともに、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害、自閉症などについて教育的支援を行うなど教育に特別のニーズのある子どもについて適切に対応する。 ・小学校・中学校における校内委員会設置率
・小学校・中学校のおける特別支援教育コーディネーター指名率
・小学校・中学校及び盲学校・聾学校・養護学校における個別の教育支援計画の策定状況
 小学校・中学校における校内委員会の設置率や特別支援教育コーディネータの指名率が前年度に比べて大幅に上昇しており、想定した以上に達成と判断。また、小学校・中学校及び盲学校・聾学校・養護学校における個別の教育支援計画の策定状況については、概ね順調に進捗しているものと判断される。
 なお、個別の教育支援計画の策定については、一貫した支援体制の整備を進めるため、さらに推進する必要がある。また、各地域の多様なリソースを活用し、より一層充実した支援を行うことも必要である。
 平成17年度においては、LD・ADHD・高機能自閉症等を含めた障害のある児童生徒等に対する支援体制の整備を図るため「特別支援教育体制推進事業」を全都道府県に委嘱し、校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名、個別の教育支援計画の策定を推進。なお、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した支援体制の整備を図るため、事業の対象を幼稚園及び高等学校に拡大して実施。
 また平成18年度においては、各地域の多様なリソースを活用するため、これまでの事業内容に加え、ボランティア等の地域人材を活用した支援体制の在り方について、優良事例を収集し、その普及を図る。

施策目標2−3 信頼される学校づくり   【主管課】   初等中等教育局初等中等教育企画課
【関係課】 初等中等教育局教職員課・参事官、大臣官房文教施設企画部施設助成課

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成17年度以降の取組)
保護者や地域住民に信頼される学校づくりを進めるため、地域に開かれた学校づくりや教員の資質向上を進めるとともに、特色ある学校づくりをすすめ、学校施設の耐震化を推進する。 全公立学校において自己評価を実施し、その結果を公表する。 ・自己評価の状況実施率公表率  学校評価を実施した公立学校は当初想定した水準に達しているものの、結果の公表はあまり進捗が見られていない状況であり、一定の成果が上がっているが、一部については達成できていないと判断。各学校における実施内容のばらつきや、評価結果の公表が進んでいないなどの課題がある。
 また、学校評価の実施と結果の公表に関する大綱的なガイドラインの策定を行う必要がある。
 ・公立学校の自己評価の実施率:96.5パーセント
 ・公立学校の自己評価の公表率:42.8パーセント
(平成16年度)
 「骨太の方針2005」及び「中央教育審議会答申」を踏まえ、平成17年度中に学校評価のガイドラインを策定予定。
 また、平成18年度予算案において、「義務教育の質の保証に資する学校評価システムの構築事業」を行うために、約5億8千万円を計上し、学校評価のガイドラインに基づく評価実践研究や学校の第三者評価に関する実践研究等を行う予定。さらに平成18年度より初等中等教育局に学校評価室を新たに設置し、室長他4名を措置。
 これらにより学校評価における課題を解消し、教育の水準向上と質の保証を図っていく予定。
全公立学校の6割に学校評議員を設置する。 ・学校評議員を設置している公立学校の割合  公立学校の学校評議員の設置率:72.0パーセント(平成16年7月1日現在)であり、設置率は達成目標に達しており、想定した以上に達成と判断。また、学校評議員以外の制度を含め、より広い形で地域の声を学校運営に反映させる仕組みの導入を促進する。  平成16年9月より、保護者や地域住民が公立学校運営に参画する学校運営協議会制度を導入し、また、平成17年度よりその活用を推進するための調査研究事業を実施。
全都道府県・指定都市教育委員会における教員評価システムの改善を目指す。 ・新たな教員評価システムを導入している都道府県・指定都市教育委員会の数  平成15年度より「教員の評価に関する調査研究」を全都道府県・指定都市教育委員会に委嘱した結果、17年度中に55教育委員会が新たな評価システムを試行又は実施予定となっていることから、概ね順調に進捗している。  教員一人一人の能力や実績等が適正に評価され、それが配置や研修、給与等の処遇に適切に結びつけられる評価システムを実現するため、引き続き各都道府県・指定都市教育委員会を指導するとともに、平成18年度においても、新たな教員評価システムの導入・改善に係る取組も対象に含めた「学校の組織運営に関する調査研究」事業を引き続き実施する。
教員の実践的指導力の向上を図る一環として、概ね全ての教員がコンピュータを使った指導を実施できるようにする。 ・コンピュータを使って指導ができる教員の割合  コンピュータを使って指導できる教員の割合については、平成16年度末現在、68.0パーセントとなっており、進捗にやや遅れが見られると判断。今後は授業実践のノウハウの提供等の観点からの取組を一層推進する必要がある。  引き続き、e-教員プロジェクトを実施するとともに、ITを活用した授業実践事例を紹介するWebサイトの充実・普及を推進。
教員の資質向上に関しては、教員の養成・採用・研修段階を通じた教育委員会と大学との連携推進が重要であることから、各都道府県・指定都市教育委員会の8割が、教員研修の改善を目的とした大学との連携の取組を行うことを目指すとともに、中核市においてもこれらの取組が促進されることを目指す。 ・大学での教員研修(現職教育)の改善を目的とした大学との連携の取組を行っている都道府県・指定都市教育委員会の割合  平成16年度の調査においては、大学での教員研修(現職研修)段階における連携の取組を行っている教育委員会は、全体の62パーセントであり、達成目標の達成に向け、概ね順調に進捗していると判断。
 また、学校現場や保護者、地域社会のニーズを反映した教員を養成していくためには、教員研修の改善を目的とした教育委員会と大学との連携を一層推進していくとともに、昨今さらに教員養成段階においても大学と教育委員会との連携を推進していくことが求められているため、今後は、教員養成、研修の双方において教育委員会と大学との連携を促していく必要がある。
 引き続き、教員の資質向上連絡協議会等において、教育委員会と大学との連携・協力等を促進していく。
 また、大学の教員養成の改善・充実を図っていくため、今後の教員養成・免許制度の在り方について、中央教育審議会における審議を踏まえ、引き続き、教員養成・研修の改革に関する総合的調査研究等を行う。
(平成18年度予算案:163百万円)
公立小中学校施設の耐震補強や改築事業について国庫補助を行うこと等により、地方公共団体の計画的な取組みを支援し、公立小中学校施設の耐震化を重点的に推進する。 ・公立小学校・中学校における耐震化率  公立小中学校施設の耐震化を推進するため、耐震補強等を行う際に必要な経費の補助を実施。なお、平成17年4月時点の耐震化率は51.8パーセントであり、その進捗率については2.7パーセントにとどまっている。これは、例年と比較して同程度であり、耐震診断実施率の進捗率や、児童生徒等の安全を守るとともに災害時に地域住民の避難場所となる公立小中学校施設の耐震化の必要性等を勘案し、進捗にやや遅れが見られると判断。耐震補強等を行う際に必要な経費の補助を行うための予算の拡充に努める等、公立小中学校施設の耐震化対策を推進する必要がある。  地方公共団体が、その策定する公立学校施設の耐震診断実施計画に基づき、耐震診断が着実に実施されるよう要請。(平成17年度)
 地方公共団体の関係者、設計実務者を対象とした講習会を引き続き実施。(平成17、18年度)
 学校施設の耐震化推進計画策定支援事業等を引き続き実施(平成17、18年度)
 公立学校施設整備費のうち耐震化関連分として平成17年度予算においては、前年度比18億円増の1,173億円(うち文部科学省計上分1,088億円)を計上。また、平成17年度補正予算においては、緊急に耐震化対策を講じる必要のある施設について耐震補強等を実施するため、277億円を計上している。なお、平成18年度予算案においては、1,137億円(うち文部科学省計上分1,039億円)を計上するとともに、地方の裁量を高め、効率的な執行に資するため、改築や補強、大規模改造等、耐震関連事業を中心に、一部交付金化(「安全・安心な学校づくり交付金」)を図ることとしている。
 政府広報番組等を利用し、テレビなどを通じて耐震性の重要性や緊急性を訴えた。
 学校施設の安全対策に関する事務体制の強化を図るための企画調整係長1名を措置。(18年度)
生徒や保護者が実質的に中高一貫教育校を選択することが可能となるよう、通学範囲の身近なところに数多く設置されることを目標に整備を促進する。 ・各都道府県等で設置されている中高一貫教育校の学校数  平成16年度現在、全国で44都道府県に153校の中高一貫教育校が設置されており、概ね順調に進捗していると判断。  引き続き中高一貫教育校の設置促進を図るために必要な取組を推進していく。

施策目標2−4 快適で豊かな文教施設・設備の整備   【主管課】   大臣官房文教施設企画部施設企画課
【関係課】 大臣官房文教施設企画部施設助成課、初等中等教育局参事官

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成17年度以降の取組)
児童生徒が安心して学習でき、教育内容・方法の多様化や社会のニーズに対応した文教施設・設備の整備を図る。 公立小中学校施設の耐震補強や改築事業について国庫補助を行うこと等により、地方公共団体の計画的な取組みを支援し、公立小中学校施設の耐震化を重点的に推進する。 ・公立小学校・中学校における耐震化率  公立小中学校施設の耐震化を推進するため、耐震補強等を行う際に必要な経費の補助を実施。なお、平成17年4月時点の耐震化率は51.8パーセントであり、その進捗率については2.7パーセントにとどまっている。これは、例年と比較して同程度であり、耐震診断実施率の進捗率や、児童生徒等の安全を守るとともに災害時に地域住民の避難場所となる公立小中学校施設の耐震化の必要性等を勘案し、進捗にやや遅れが見られると判断。耐震補強等を行う際に必要な経費の補助を行うための予算の拡充に努める等、公立小中学校施設の耐震化対策を推進する必要がある。  地方公共団体が、その策定する公立学校施設の耐震診断実施計画に基づき、耐震診断が着実に実施されるよう要請。(平成17年度)
 地方公共団体の関係者、設計実務者を対象とした講習会を引き続き実施。(平成17、18年度)
 学校施設の耐震化推進計画策定支援事業等を引き続き実施(平成17、18年度)
 公立学校施設整備費のうち耐震化関連分として平成17年度予算においては、前年度比18億円増の1,173億円(うち文部科学省計上分1,088億円)を計上。また、平成17年度補正予算においては、緊急に耐震化対策を講じる必要のある施設について耐震補強等を実施するため、277億円を計上している。なお、平成18年度予算案においては、1,137億円(うち文部科学省計上分1,039億円)を計上するとともに、地方の裁量を高め、効率的な執行に資するため、改築や補強、大規模改造等、耐震関連事業を中心に、一部交付金化(「安全・安心な学校づくり交付金」)を図ることとしている。
 政府広報番組等を利用し、テレビなどを通じて耐震性の重要性や緊急性を訴えた。
 学校施設の安全対策に関する事務体制の強化を図るための企画調整係長1名を措置。(18年度)
児童生徒5.4人に1台の教育用コンピュータを整備する。 ・公立学校における教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数  平成16年度末現在、公立学校における教育用コンピュータの整備は8.1人に1台の割合、高速インターネット接続率は81.7パーセントとなっていることから、概ね順調に進捗していると判断するが、更なるIT環境整備の推進が必要。  引き続き、コンピュータの整備及び高速インターネットの接続環境の整備を推進。(コンピュータ整備及びインターネット接続に係る経費については地方交付税により措置)
概ねすべての公立学校が高速インターネットに常時接続できるよう推進を図る。 ・公立学校における高速インターネットの接続率
5年間で環境を考慮した学校施設(エコスクール)を200校以上整備する。 ・公立学校におけるエコスクールの事業実績  平成16年度には、環境を考慮した学校施設(エコスクール)のパイロット・モデル事業に98校を認定し、当該年度までに当初想定していた目標を大幅に上回っており、想定した以上に達成と判断。  引き続き、環境を考慮した学校施設(エコスクール)のパイロット・モデル事業を実施することにより、エコスクールの整備を推進。(17、18年度)
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