実践例15
そろそろ年度末。次年度の通級担当に、何を、どうやって引き継げばいいんだろう?
(1) 対応する際のポイント
○個別の教育支援計画、個別の指導計画を引継ぎましょう。
- 事前に伝えるべきことを整理し、子供の様子がイメージできるように伝えましょう。
- 書面の引継ぎだけでなく、指導の様子(映像を含む)を見てもらうことも考えられます。
○通級指導教室の経営計画についても引き継ぎましょう。
- 通級担当の1 週間のスケジュール、年間のスケジュール、教室の環境についても、次年度の参考になります。
○時間を取って、引き継ぎましょう。
- 校内委員会や校務分掌引継ぎの中で、確実に引き継ぎを行いましょう。
【新通級担当に、直接、引継ぎができない場合】
管理職や特別支援教育コーディネーターに相談し、必ず、複数の教師に引き継ぐようにしましょう。その際には、引継ぎシートの作成も考えられます。
(2) 具体的な実践例
【概要】
- 通級指導を担当していましたが、人事異動に伴い、次年度の通級指導は、同校の別の教師が引き継ぐことになりました。
- 校内委員会の際に、出席している教師に対して、通級指導で担当していた子供たちについて、状況を共有するとともに、次年度の通級担当には、別途、時間を作ってもらい、通級指導について、より詳細な引継ぎを行いました。
- 次年度の通級担当に対する、より詳細な引継ぎは、通級指導教室で行い、教室環境を見てもらいました。対象の子供の特徴に触れながら、教材を示して、具体的な指導内容についても、引継ぎを行いました。
- 年度末が近づいてきました。現在は通級担当をしていますが、次年度は異動となり、同校の他の教師が引き継ぐことになりました。
- 3月下旬に行う校内委員会の際に、通級指導で担当していた子供について、個別の教育支援計画、個別の指導計画を示し、子供の願い、保護者の願い、通級指導でできるようになったこと、上手くいった指導、子供が苦戦していること、などを共有しました。
- 特に、それぞれの子供に欠かせない支援や、事前に面談や連絡ノートを通して、保護者と確認しておいた次年度に引き継いでほしい事項、引き続き、あるいは新たに取り組んでほしい活動について、説明しました。
- 次年度の通級担当には、別途、時間を取って、引継ぎを通級指導教室で行いました。掲示物や教室のレイアウト、教室で音が響かないようにする工夫などの環境への配慮について、実際に見てもらいました。担当していた子供の特徴や指導で工夫した点について、実際に使用した教材を示しながら、引き継ぎました。担当していた子供の特徴や指導で工夫した点について、実際に使用した教材を示しながら、引き継ぎました。
子供の作品や連絡ノートの写し等も共有しました。 - 通級担当の1 週間のスケジュール、保護者面談やケース会議等の年間スケジュールを示し、1年間の動きのイメージをもってもらいました。加えて、スクールカウンセラーや外部の専門家を活用する際の手順などについても、伝えました。
※ 他校通級や巡回による指導の場合は、他校との調整が必要になります。管理職や特別支援教育コーディネーター等を通じて、日程調整等を行いましょう。
〇 通級指導教室はレイアウトや用具など、通常の学級とは異なることが多いです。パーテーションを使用したり、子供に合わせてアレンジしましょう。




〇 手順を視覚的に示すなど、掲示物にも工夫があります。


〇 子供の在籍学級も含めて、環境に配慮した工夫も考えられます。(テニスボールで机や椅子の音を軽減する工夫の例)