校務DXを推進する自治体の取組例
東京都渋谷区教育委員会・渋谷区立千駄谷小学校・渋谷区立広尾中学校
先生でなければできないことに集中できる環境づくり
更新日 令和7年4月25日
自治体基本情報

小学校:18校 中学校:8校 幼稚園:4園 ※公立
渋谷区公式ホームページ https://www.city.shibuya.tokyo.jp/
渋谷区立千駄谷小学校ホームページ https://shibuya.schoolweb.ne.jp/1310245
渋谷区立広尾中学校ホームページ https://shibuya.schoolweb.ne.jp/1320118
令和6年度「『GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト』に基づく自己点検のフォローアップの実施結果(確定値)について」における主な結果
平均得点 683.5
教職員と児童生徒の連絡等のデジタル化
問1 児童生徒の欠席・遅刻・早退連絡について、クラウドサービスを用い、PC・モバイル端末等から受け付け、学校内で集計していますか。
―完全にデジタル化している 100%
問2 業務時間外の保護者からの問い合わせや連絡事項について、クラウドサービスを用い、PC・モバイル端末等から受け付ける体制を整えていますか。
―整えている 100%
学校内の連絡のデジタル化
問18 教職員間の情報共有や連絡にクラウドサービスを取り入れていますか。
―整えている 100%
問22 校内研修について、オンデマンド視聴を取り入れていますか。
―取り入れている 100%
問23 授業研究会や校内研修等での協議にクラウドサービスを用いていますか。
―取り入れている 100%
学校での校務DXを支える教育委員会の取組
―教育委員会の取組の内容
①教職員の研修にオンデマンド配信を積極的に導入し、「だれでも」、「いつでも」、「どこでも」を可能に。
②学校内の連絡・情報共有をクラウド上の情報共有プラットフォームで一本化。
③保護者向け情報発信システムを導入し、学校と保護者の双方向性コミュニケーションに対応。
―取組後の教育委員会・学校等の業務実施方法の変化
【取組前】
・対面研修が中心で、日程や時間の調整が必要になるなど、研修参加への制約が多かった。・電話や連絡帳による欠席連絡に、時間と労力を割いていた。
【取組後】
・クラウド上の情報共有プラットフォームの導入により、時間と場所の制約から解放され、多様な研修機会の創出につながった。
・非常勤講師など、研修時間の設定によって参加することが難しかった立場の教員も、研修に参加して学ぶことが可能になった。
・欠席連絡を始めとした家庭からの連絡が、電話回線の混雑する時間帯(登校時間等)であっても、電話のやりとりも含めシステムの閲覧での状況把握が加わったことにより、スムーズにやりとりすることが可能になった。
【働き方への影響】
◎全ての職員に研修機会の創出につながり、教員の学びの多様性と柔軟性が向上
◎情報共有による、事務負担が軽減と教材研究等の時間の確保
◎クラウド活用によって子供を介さず保護者とのコミュニケーションをとることが容易になり、教職員の業務負担が軽減。さらに、子供の登校時間に集中した電話連絡対応が、時間が分散されたことによって子供と向き合う時間を確保。
担当者の声(校務DX推進担当者インタビューから)
多様な研修機会の創出
渋谷区教育委員会:研修のデジタル化を進めることで、教員の学びの多様性と柔軟性を向上させています。これまで、外部講師を学校に招いて行う研修では、日程調整や時間確保が大きな課題でした。しかし、現在は動画コンテンツを活用し、時間や場所に縛られない研修が可能となっています。これにより、教員一人一人の学びのスタイルに応じた研修機会が提供することができるようになりました。また、学校でも校内研修で研究授業を録画し、クラウドで共有することにより、教室を空けて研究授業を参観することが難しい場合でも全ての教員が授業を参観できる環境が整いました。これまで時間的・物理的な制約で参加できなかった教員にも研修の機会が提供されています。
千駄谷小学校:講師と学校との間で研修日時を調整する必要がなくなったことが、研修のデジタル化による最大の変化です。勤務時間が短い教員でも研修に参加しやすくなり、時間的制約が学びの障壁とならなくなりました。
広尾中学校:オンデマンド形式の研修により、出張の時間を気にすることなく、空いた時間に学ぶことができるようになりました。特に、都教育委員会や教職員支援機構などが主催した研修が動画で視聴できるようになったことで、学びの機会が大幅に拡大しました。
(文責:GIGA StuDX推進チーム)
千駄谷小学校:講師と学校との間で研修日時を調整する必要がなくなったことが、研修のデジタル化による最大の変化です。勤務時間が短い教員でも研修に参加しやすくなり、時間的制約が学びの障壁とならなくなりました。
広尾中学校:オンデマンド形式の研修により、出張の時間を気にすることなく、空いた時間に学ぶことができるようになりました。特に、都教育委員会や教職員支援機構などが主催した研修が動画で視聴できるようになったことで、学びの機会が大幅に拡大しました。
時間と場所を選ばない
渋谷区教育委員会:校務のデジタル化を進め、1台の端末で校務と学習指導のすべてを完結できる環境を整備しました。さらに、クラウドによる情報共有では、管理職が関与する仕組みと、教員用と児童生徒用のWi-Fiの分離によって、ヒューマンエラーの発生リスクが低減しています。万が一エラーが発生しても迅速に対応できる体制が整っており、安全性と利便性の両立を図っています。こうした取組により、時間と場所にとらわれない働き方が可能となり、教員の業務効率化と働き方改革が着実に進んでいます。これにより、教員は学校に限らず、自宅や任意の場所で校務を行うことが可能となり、柔軟な働き方を実現しています。
千駄谷小学校:1台のパソコンで全ての業務が完結する快適さが、複数端末を使い分ける際に生じる情報管理のリスクを軽減できていると感じています。
広尾中学校:職員室や校長室の環境がそのまま自宅で再現できるので、様々な働き方に対応できています。
千駄谷小学校:1台のパソコンで全ての業務が完結する快適さが、複数端末を使い分ける際に生じる情報管理のリスクを軽減できていると感じています。
広尾中学校:職員室や校長室の環境がそのまま自宅で再現できるので、様々な働き方に対応できています。
教員と保護者のコミュニケーションの変化が、教育現場を変える
渋谷区教育委員会:令和2年度に保護者向けの情報発信システムを導入し、従来の電話や紙の連絡帳に依存していたコミュニケーションを、クラウドサービスを活用した双方向のコミュニケーションへと転換しました。このシステムにより、学校と保護者の連絡は24時間可能な体制が整備され、迅速かつ確実な情報共有が実現しています。勤務時間外の問い合わせには、翌日以降に対応することとしています。導入時は、システムへの登録作業などで学校側に一定の負担がありましたが、現在では新入生の追加作業のみとなり、各校の実情に合わせた運用ルールのもとで定着しています。保護者からも「連絡の見落としがなくなり安心できる」との声が寄せられています。教育現場におけるコミュニケーションスタイルの変化は、教職員と保護者の連携をより強固なものとし、児童生徒の学びを支える環境の向上にも寄与しています。
千駄谷小学校:これまで、欠席した児童生徒への連絡は、電話や他の児童を介した連絡帳の受け渡しで行っており、連絡帳を介したやりとりにおいては、担任が給食時間中などの隙間時間を見つけ、連絡事項等を記入し、それをまた他の児童を介して返却していました。それが児童を介さずに担任と保護者が直接やり取りできるようになったことで、連絡の確実性と効率性が格段に向上し、他の児童を介しての連絡帳の返却が不要になったことにより、放課後の時間を使用できるなど、余裕を持って処理できるようになりました。
広尾中学校:現在では、欠席連絡の大部分がこのシステムで処理されており、連絡の内容によっては電話対応も併用し、二重の安心を提供しています。そして、学校からの緊急時の連絡手段としても信頼性が高まっています。
千駄谷小学校:これまで、欠席した児童生徒への連絡は、電話や他の児童を介した連絡帳の受け渡しで行っており、連絡帳を介したやりとりにおいては、担任が給食時間中などの隙間時間を見つけ、連絡事項等を記入し、それをまた他の児童を介して返却していました。それが児童を介さずに担任と保護者が直接やり取りできるようになったことで、連絡の確実性と効率性が格段に向上し、他の児童を介しての連絡帳の返却が不要になったことにより、放課後の時間を使用できるなど、余裕を持って処理できるようになりました。
広尾中学校:現在では、欠席連絡の大部分がこのシステムで処理されており、連絡の内容によっては電話対応も併用し、二重の安心を提供しています。そして、学校からの緊急時の連絡手段としても信頼性が高まっています。
今、挑戦していること
渋谷区教育委員会:現在行っている校務DXの取組は学校から高い評価をいただいています。しかし、これを「完成」とするのではなく、「教育DXに係る当面のKPI(重要業績評価指標)」をもとに、常に進化し続ける姿勢を大切にしています。現在、具体的な課題として掲げているのは「文書のデジタル化」です。現状では紙ベースの決裁システムが主流ですが、これをデジタルに完全移行する計画を進めています。校務支援システムとID連携し、標準仕様のツールを活用した新たな決裁システムの導入により、文書事務の完全デジタル化を目指し、さらなる業務効率化と迅速な意思決定の実現を目指しています。
さらに、教員の学びの環境整備も重要な課題と位置づけています。デジタル技術を活用して、eラーニングの充実や柔軟に活用できる研修教材の開発を進め、先生方にとって個別最適な研修環境の実現を目指しています。これらの取組の背景には、「先生でなければできないことに集中できる環境づくり」という明確な理念があります。デジタル技術は単なる効率化ツールではなく、教育の質を高めるための重要な手段として位置づけています。
教育委員会はこれからも学校と一緒に考えながら、柔軟かつ戦略的な校務DXの推進に努め、教職員と児童生徒がより良い教育環境で学び、成長できる環境づくりを進めていきます。
千駄谷小学校:ペーパーレス化のさらなる推進」を次の目標に掲げ、学校内の完全なペーパーレス化を目指しています。オンライン会議の活用と併せて、移動時間の削減などの働き方改革にも意欲的に取り組んでいます。
広尾中学校:クラウドを活用したより教員が使いやすく便利な環境づくりと、デジタルサイネージの活用によるさらなる情報共有の効率化です。情報セキュリティと情報共有のバランスを保ちながら、教職員間の円滑な連携を目指しています。
さらに、教員の学びの環境整備も重要な課題と位置づけています。デジタル技術を活用して、eラーニングの充実や柔軟に活用できる研修教材の開発を進め、先生方にとって個別最適な研修環境の実現を目指しています。これらの取組の背景には、「先生でなければできないことに集中できる環境づくり」という明確な理念があります。デジタル技術は単なる効率化ツールではなく、教育の質を高めるための重要な手段として位置づけています。
教育委員会はこれからも学校と一緒に考えながら、柔軟かつ戦略的な校務DXの推進に努め、教職員と児童生徒がより良い教育環境で学び、成長できる環境づくりを進めていきます。
千駄谷小学校:ペーパーレス化のさらなる推進」を次の目標に掲げ、学校内の完全なペーパーレス化を目指しています。オンライン会議の活用と併せて、移動時間の削減などの働き方改革にも意欲的に取り組んでいます。
広尾中学校:クラウドを活用したより教員が使いやすく便利な環境づくりと、デジタルサイネージの活用によるさらなる情報共有の効率化です。情報セキュリティと情報共有のバランスを保ちながら、教職員間の円滑な連携を目指しています。
(文責:GIGA StuDX推進チーム)