学校の取組例

青森県六ケ所村立第二中学校

 

GIGAスクール環境と1人1台端末を活用した

生涯にわたって能動的に学び続ける力の育成

 
【中等教育資料 令和6年9月号記事】(文責:校長 谷口実)
 青森県六ヶ所村立第二中学校は「自ら学ぶ生徒 心豊かな生徒 健全な生徒」を教育目標に掲げ、将来、多様で変化の激しい社会を生き抜く力を育成するため、日々の教育活動に取り組んでいる。(令和6年9月2日掲載)
 
-クラウド活用の場面
-授業でクラウドを活用していくための取組


   令和5年度、リーディングDXスクールの指定を受け、クラウドを活用し子供自身が学習過程を自己決定できる授業の実践を行ってきた。互いを高め合いながら能動的に学んで行くためには、授業実践の積み重ねや改善が必要であると考え、令和6年度の校内研究のテーマを「生涯にわたって能動的に学び続ける力の育成」とし、取り組んでいる。
 授業では、子供が課題と向き合い、自分自身の学習の見通しを立て、学び方を自分で選択する。そして学習の過程で白紙共有、他者参照、途中参照、協働といった、他者とのかかわりを通して学びを深め、最終的に学んだ内容やどのように学んだかなどを振り返り、自分自身の学びの変化をとらえている。振り返りは、単元末や振り返りが必要な場面で設定している。こうした一連の流れを繰り返し行う中で、子供は能動的に学ぶ姿勢や、何事にも粘り強く取り組む姿勢を身に付けつつあると感じる。

 

クラウド活用の場面

 教科や教材等に応じてホワイトボードソフトやプレゼンテーションソフト、チャット機能といったソフトを用途によって使い分けているが、自分の考えを他者の考えと比べることができるよう共有のためのシート等を使用している。子供は自分のタイミングで他者を参照し、自分の考えの参考にしたり、考えを深めたり、考えを変更したりするとともに、状況に応じて仲間を見つけ、協働する場面も見られる。教師も共有のシートを見ながら、必要に応じて支援を行っている。
 
 
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自分の考えが決まった子供から付箋に入力していく様子が
情報ボードに映し出される。
 
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情報ボードと同じ画面が端末でも見ることができるので、
他者参照、途中参照しながら自分の考えを決めていくことができる。
 
 

授業でクラウドを活用していくための取組

  子供が使用する学習支援ソフト上には教科や学年、学級、生徒委員会、そして体育祭や文化祭といった学校行事ごとにグループを作成している。生徒総会やオリエンテーションなどではプレゼンをしたり、学校行事や委員会活動では資料提示やアンケートの配信と集計、連絡のやりとりを行ったりするなど、子供はその時々で必要なソフトを選択し、日常的にクラウドを活用している。小学校から端末を使い続けているため、子供はその操作に長けており、日常生活の随所に学校生活や学校行事を円滑に進めるための工夫と実践が見られ、時にその使い方の巧みさに驚かされることもある。教師もまた、職員会議や分掌会議などのグループを作成し、資料の共有や職員間の連絡を、チャット機能を用いて行ったり、今年度からは学校や組織を超えて相互にやり取りができるグループの運用を開始したりするなど、校務の効率化につながるクラウドの活用に慣れてきており、それが授業でのICTのスムーズな活用につながっている。
 
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学習支援ソフトには様々なグループが設定されていて、必要に応じて入っていく。
 
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プレゼンテーション資料を作成し、生徒朝会で端末を使って発表している。
 
 
GIGA StuDX推進チームより
 授業の流れの中では、学習はじめの白紙状態の共有から始まり、学習を深めていく中での他者の参照や他者との意見交換、そして最後の振り返りまで一連の学習サイクルが確立され、このサイクルの繰り返しによって学びを積み重ね、学び方の定着が図られています。また、特別活動の場面において、子供が端末とクラウド環境を自主的・積極的に使用している様子がうかがえます。様々な場面で端末とクラウドを活用することで、子供も教師もスムーズに操作・活用できる状態が実現されています。

(監修:GIGA StuDX推進チーム)