学校の取組例
鹿児島県垂水市立垂水中央中学校
GIGAスクール環境と1人1台端末を活用した
「ICTを活用した指導法の工夫」から、「学習者主体の授業づくり」へ
【中等教育資料 令和6年8月号記事】(文責:校長 永田真一)
鹿児島県垂水市立垂水中央中学校では、GIGAスクール構想に基づき1人1台端末を導入し、端末の標準仕様に含まれる汎用的なソフトウェアとクラウド環境を活用した授業改善と校務の情報化・効率化を進めてきた。生徒も教職員も誰一人取り残さない「GIGAスクールのまち垂水」を目指す、垂水市唯一の中学校として、令和5年度までの「ICTを活用した指導法のエ夫」、令和6年度の「学習者主体の授業づくり」を目指した取組を紹介する。(令和6年8月1日掲載)
-ICTを活用した指導の工夫鹿児島県垂水市立垂水中央中学校では、GIGAスクール構想に基づき1人1台端末を導入し、端末の標準仕様に含まれる汎用的なソフトウェアとクラウド環境を活用した授業改善と校務の情報化・効率化を進めてきた。生徒も教職員も誰一人取り残さない「GIGAスクールのまち垂水」を目指す、垂水市唯一の中学校として、令和5年度までの「ICTを活用した指導法のエ夫」、令和6年度の「学習者主体の授業づくり」を目指した取組を紹介する。(令和6年8月1日掲載)
-更なる校務のDXを目指して
ICTを活用した指導の工夫
授業改善の取組として、令和4年度までは、ICT機器を様々な授業で活用し、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指してきた。令和5年度は、アナログとデジタルのベストミックスの視点で実践した。例えば、3年生の特別活動では、端末でアンケートを行い、その場で集計結果を基に生徒同士で話合い、考えを深め合うことができた。
校務改善の取組としては、令和3年度から、職員会議・職員研修・各種委員会などの資料をクラウド上に作成・保管し、教職員は資料の閲覧、チャット機能や共同編集機能を活用した意見交換、資料の修正等を行っている。加えて、生徒・教職員・保護者対象のアンケート、生活の記録、生徒手帳、教育課程など、印刷していたものをデジタル化するなど、校務の情報化・効率化による改善を進めてきた。こうした成果を教職員が実感することが端末やクラウド環境の普段使いにつながり、各種のアプリがもつそれぞれのよさを生かして、授業や校務の改善が更に進んでいった。

生徒は、職業選択において大切にしたい価値を自由に並び替え回答する。
すぐに集計された結果を基に生徒の話合い活動を深めていく。
すぐに集計された結果を基に生徒の話合い活動を深めていく。

職員会議・研修等の資料は全てデジタル化し、クラウド上で管理する。
教職員は閲覧やスタイラスペンでの書き込みができる。
教職員は閲覧やスタイラスペンでの書き込みができる。
更なる校務のDXを目指して
令和5年度からは、複数の教科において、定期テストや授業中の確認テストにCBT※を導入した。授業中の確認テストでは、生徒は正答・誤答をすぐに確認でき、教師にとっては印刷や採点にかかる時間削減、解答傾向の即時データ化といった利点があった。一方で、選択式ではない解答や文章記述が必要な問題の正答の作り方の難しさ、また普段の授業においても、授業時間の確保のために、システム更新による起動時の遅延への対応が必要になるなど、課題も明らかになった。CBTに対応したテスト問題の作成や、生成Alを活用した記述式問題の採点など、研修会で示される事例に学びながら改善を進めることで、更に多くの教科での活用が見込まれる。ICT機器を活用する中で明らかになる課題と、それに対する新たな取り組みが、よりよい活用のための好循環を生んでいる。
現在は、生徒の学びの実態を踏まえ、反転学習や自由進度学習を取り入れながら、ICT機器の活用を基盤とした、主体的に学び、考えを深め、議論する生徒の育成を目指して、学習者主体の授業づくりや実践を学校全体で共有している。
※ Computer Based Testing:コンピュータを用いて実施するテスト
現在は、生徒の学びの実態を踏まえ、反転学習や自由進度学習を取り入れながら、ICT機器の活用を基盤とした、主体的に学び、考えを深め、議論する生徒の育成を目指して、学習者主体の授業づくりや実践を学校全体で共有している。
※ Computer Based Testing:コンピュータを用いて実施するテスト

11月に実施した3年生の社会科では、試験の一部をCBTで行った。
生徒の端末や操作でのトラブルもなく、今後、拡大が見込まれる。
生徒の端末や操作でのトラブルもなく、今後、拡大が見込まれる。

数学科では、数字や数学で用いる記号の一部を使用して解答できる
アンケートフォームでCBT方式によるテストを実施した。
アンケートフォームでCBT方式によるテストを実施した。
GIGA StuDX推進チームより クラウドを校務の様々な場で用いてきた経験から、その利便性を教師が認識し、授業のあり方の変化やより効果的な端末の活用につなげられている好事例です。CBTの活用や反転学習の実施など、取組はより進んだものとなってきています。子供の学びや教職員の日頃の業務にまで端末の活用の幅を広げられているのは、同校が試行錯誤を繰り返してきた結果であり、今後の取組の進展が期待されます。 |
(監修:GIGA StuDX推進チーム)