学校の取組例

滋賀県立彦根東高等学校

デジタル学習基盤を活用した

対話が導く学びの深化

【中等教育資料 令和8年8月号記事】 文責:教頭 松林基之
(令和8年8月12日掲載)

課題研究での活用

本校のGlobal Scienceコースでは、グループによる課題研究に取り組んでいる。1人1台端末を単なる「検索ツール」にとどめず、思考を深める「対話の場」として積極的に活用している。端末を用いて論文検索等を行い、収集した情報をクラウド上で共有することで、協働的かつ対話的な検討を行っている。また、実験やアンケートのデータ整理においてもクラウド上での共同作業を基本とし、班員全員が常にデータを共有・分析できる体制を整えている。

実験やアンケートのデータ整理も、班員全員が常に共有・分析できる体制を整えている。

実験やアンケートのデータ整理も、班員全員が常に共有・分析できる体制を整えている。
さらに、研究発表の資料作成においても共同編集を基本とし、クラウドのコメント機能を活用して教員と生徒が随時フィードバックを行っている。これにより、時間や場所にとらわれず推敲を重ねる学習文化が醸成されつつある。こうした取組を通して対話を促進し、研究の質の向上と生徒の主体性の更なる伸長を図っている。

資料作成もクラウドのコメント機能を活用するなど、常に対話を重ねる学習文化が醸成されつつある。

資料作成もクラウドのコメント機能を活用するなど、常に対話を重ねる学習文化が醸成されつつある。

教科融合授業

STEAM教育の一環として、教科融合授業を実施し、1人1台端末の活用場面を意図的に設定している。
例えば、「プラスチックの過去・現在・未来」をテーマとした授業では、プラスチックの利便性やマイクロプラスチックがもたらす環境への影響等について学習した後、「現在の生活」「プラスチックを強制的に排除した生活」「実現度を考慮した生活」の3つの視点について検討を行った。その際、「経済成長」「環境保全」「健康維持」「現代世代の充足」「将来世代の充足」という5つの観点から5段階評価を行い、その結果をレーダーチャートとして可視化する活動を実施した。

教科融合授業の様子。指定された項目を評価し、その結果をレーダーチャートにして可視化。

教科融合授業の様子。指定された項目を評価し、その結果をレーダーチャートにして可視化。
本校で教材開発した教科融合授業においては、ロイロノートを活用した意見交換や投票、資料配付も行っている。多様な情報を扱うこれらの授業において、限られた時間内で学習を効果的に進める上でも、1人1台端末は不可欠なものとなっている。

ロイロノートを活用し、多様な情報を限られた時間内で共有し、学習を効果的に進めている。

ロイロノートを活用し、多様な情報を限られた時間内で共有し、学習を効果的に進めている。

AIの活用

令和7年度、文部科学省の「AIの活用による英語教育強化事業」の指定を受け、AIを活用したスピーキング指導に取り組んだ。日常的な活動として、授業中の音読ではAI アプリを導入し、発音スコアを即時に可視化することで、個々の課題に応じた練習を可能としている。

日常的な活動として、音読ではAIアプリを導入し、個々の課題に応じた練習を行っている。

日常的な活動として、音読ではAIアプリを導入し、個々の課題に応じた練習を行っている。
秋の公開授業では、AIの音声対話機能を活用し、20 世紀の出来事を題材に英語での対話を通じた情報収集を行い、その内容を他者に伝える活動を展開した。生徒はAI に聞き返しながら対話を繰り返し、AIから得た情報を自らの言葉で他者に伝えようとする主体的な姿勢が多く見られた。

AI音声対話機能を活用して、AIから得た情報を自らの言葉で伝えようとする主体的な姿が多く見られた。

AI音声対話機能を活用して、AIから得た情報を自らの言葉で伝えようとする主体的な姿が多く見られた。
今後は、AIの活用を多様な学習場面の選択肢の一つとして位置付け、活用の在り方を引き続き模索していきたい。
(監修:GIGA StuDX推進チーム)