【中等教育資料 令和8年7月号記事】 文責:校長 入江義幸
(令和8年7月8日掲載)
教職員専用のポータルサイト。デジタル化された各種データへここからアクセスしている。
職員室のモニターで予定を共有。表計算ソフト等で一元管理し、校務の効率化を推進している。
生成AIで自作した理科のシミュレーションアプリ。目に見えない事象を可視化し、認知負荷を下げている。
1人1台端末を活用した「協働的な学び」の様子。互いの考えを可視化して共有し、理解を深めている。
教師自作の英語スピーキングアプリを活用。生徒が意欲的に英会話の練習に取り組んでいる。
1人1台端末だからこそできる美術の授業実践。描いた一つの模様を連続表示させ、表現を深める。
(令和8年7月8日掲載)
教育活動の拠点としてクラウドを活用し、日々の校務改善と授業改善を進めている事例である。生成AIや学習用ツールを効果的に組み合わせ、生徒が主体的に学ぶ姿勢を育んでいる。
あらゆる活動の拠点となるクラウド活用
本校では、「自ら課題を見つけ、情報を活用し、考えを表現する生徒の育成」を研究主題に掲げ、令和6年度からリーディングDXスクール等の指定を受けながら実践を重ねてきた。その基盤となっているのが、クラウドを活用した学校生活をより便利でスマートにする取組である。
学級や授業だけでなく、部活動、生徒会執行部など、あらゆる活動の拠点をクラウド上に構築している。教職員・生徒間の情報共有にはWebサイト作成ソフトで構築したポータルサイトやコミュニケーションツールを活用し、各種生徒情報や記録、アンケート結果などの集約には、表計算ソフトやアンケート機能で一元管理することで校務の効率化を推進している。これにより、教員が授業改善や生徒と向き合う時間を生み出すことができつつある。


汎用的ツールとAIを組み合わせた授業改善
授業においては、1人1台端末とクラウド環境、さらに生成AIを効果的に組み合わせることで、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実を図っている。理科では、目に見えない事象への認知負荷を下げるため、生成AIで自作したシミュレーションアプリを活用し、生徒が自ら学び方を選択して課題を探究する。数学でも同様に自作アプリを活用し、学び合い活動では学習支援ソフトで考えを可視化・共有している。


授業の最後にはアンケート機能や表計算ソフトで振り返りを記入し、全員で共有している。英語ではスピーキングアプリを自作し、意欲的に英会話を進める生徒が増えてきている。こうした実践の結果、「振り返り」に「疑問」や「気付き」、「実践意欲」の出現頻度が有意に上昇するなど、生徒の変容が見えてきている。

自学自習を支える環境づくり
授業外の学びを支援する仕組みとしても、クラウドを有効活用している。理科・数学・英語・美術科のポータルサイトでは、解説動画やシミュレーションに加えて生成AIによる相談ができるように設定し、生徒が自身のペースで疑問やつまずきを解消できる環境を整えた。また、朝の学習時間にはAIドリルを活用し、まとめや暗記対策には生成AIを活用するなど、学習向上を日常的に支援している。

今後に向けて
クラウドの日常的な活用により、生徒は時間や場所にとらわれず、主体的に学びを深めることができるようになってきている。校務DXによる教員の負担軽減が、こうした新たな授業デザインを支えている。今後も、汎用的なツールと最先端のテクノロジーを柔軟に組み合わせながら、生徒一人一人の可能性を引き出す教育実践を追求していきたい。
(監修:GIGA StuDX推進チーム)