学校の取組例

岩手県立黒沢尻北高等学校

デジタル学習基盤を活用した

探究での協働的な学び、そして教科へ

【中等教育資料 令和8年6月号記事】 文責:前校長 金濱千明
(令和8年6月17日掲載)

はじめに

本校では「総合的な探究の時間」をベースにして1人1台端末の利活用が図られた。全ての教師が関わる探究活動において協働的な活動場面での端末利用を促すことで、多くの生徒がクラウドツールに接し課題を進めた。また、そこに関わる教師が自分の教科の授業への利用イメージをもつことで教科活動への波及も図られてきた。

第2学年「総合的な探究の時間」『きたかみ世界塾』という名で課題研究に取り組んでいる。

第2学年「総合的な探究の時間」『きたかみ世界塾』という名で課題研究に取り組んでいる。

協働的な学びの事例

●探究活動における合意形成やまとめ
探究活動ではクラスの枠組みを超えてグループが構成されているため、週1時間の活動だけでは意見共有や作業時間の十分な確保が困難である。そこでクラウドツールを活用しグループ内のコミュニケーションを促し、活動の進捗を図っている。また、探究内容のまとめとしてのプレゼンテーション資料の作成もクラウド上で作業を進め、本番の発表会に向けて、修正を繰り返しながら発表準備を進めた。

【探究活動】データサイエンス講座。演習における課題配信・集約はクラウド上で実施。

【探究活動】データサイエンス講座。演習における課題配信・集約はクラウド上で実施。

【探究活動】遠隔地へのオンライン取材にも端末は利用されている。

【探究活動】遠隔地へのオンライン取材にも端末は利用されている。
●教科の学習活動への波及
探究活動の指導に全教師が関わる経験を通して、クラウドツールを活用した活動手法は教科の学習活動にも波及するようになった。授業における意見集約や振り返り活動等の場面で一斉に入力して共有することで利便性の向上と時間の短縮が図られた。その他に、教科における課題の提示、回収や小テストの実施など学習内容定着のための事後学習ツールとしても活用している。

【授業/英語科】グループごとにクラウドを利用して英語プレゼンテーション資料を作成している。

【授業/英語科】グループごとにクラウドを利用して英語プレゼンテーション資料を作成している。

【授業/公民科】ホワイトボードアプリを用いた意見の集約・共有。
https://www.mext.go.jp/StuDXStyle/20250724-mxt_kyoiku01-000015438_8.pdf

【授業/公民科】ホワイトボードアプリを用いた意見の集約・共有。
●その他の活動への展開
クラウドツールの利便性は普段から使っている教師や生徒が最も感じており、そこからアイデアが生まれ、その活用の範囲は学習活動の範囲を超えて広がりを見せている。例えば、ある部活動では連絡ツールとしての利用に加えて、活動目標や試合後の振り返りを共有するためのツールとして利用するなどにより、ミーティングの時間を短くし、効率的な活動に一役買っている。他に、文化部における視点共有や創作活動のトレーニングなど多岐にわたる試みが行われている。

「やってみよう」のキッカケづくり

1人1台端末利用における最大の変化は「一斉提示により共通課題に取り組む」形式から「共通課題に対して生徒が個別に取り組む」形式への構造転換である。その変化に対応して1人1台端末の利用を進めるには、その有用性を知る知識・経験が大切である。実際、本校では毎年配置される初任者が研修で知り得た授業アイデアを早速実践しており、それが起点となって広がりを見せている。また、本校が担当する岩手県高教研進学部会において令和6年度に、文部科学省の学校DX戦略アドバイザーを講師に招いての研修会を実施した。近隣の学校での実践事例が増えてくることでさらに活用が進み、授業アイデアの例が身近になることを期待するものである。

【研修会】学校DX戦略アドバイザー・柴田功氏による実践講座。岩手県高教研進学部会として実施。

【研修会】学校DX戦略アドバイザー・柴田功氏による実践講座。岩手県高教研進学部会として実施。
(監修:GIGA StuDX推進チーム)