部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進等に関する調査研究協力者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

令和7年6月30日(月曜日)15時00分から17時00分

2.場所

文部科学省 東館5階第3会議室(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 座長、座長代理の選任等について
  2. 会議の運営等について
  3. 検討事項・スケジュールについて
  4. 地域クラブ活動の要件、認定方法等について

4.出席者

委員

友添座長,北山座長代理,石川委員,金﨑委員,金谷委員,木村委員,日下部委員,新宮領委員,野口委員,松尾委員,渡邊委員

文部科学省

大川地域スポーツ課長,圓入参事官(芸術文化担当),堀内参事官(芸術文化担当)付学校芸術教育室長,大野地域スポーツ課課長補佐,竹河地域スポーツ課課長補佐,奈雲参事官(芸術文化担当)付参事官補佐 他

5. 議事要旨

(1) 座長,座長代理の選任等について
委員の互選により,友添委員が座長,北山委員が座長代理として選任された。

(2) 会議の運営等について
事務局から資料2に基づき,「部活動地域展開・地域クラブ活動の推進等に関する調査研究協力者会議運営規則(案)」について説明を行い,案のとおり決定された。また,座長より,議事のうち,「(4)地域クラブ活動の要件、認定方法等について」は,運営規則の1.ただし書(2)ア.,イ.及びウ.に該当することから,非公開とする旨の説明があった。
 
(ここから会議公開)
(3) 検討事項・スケジュールについて
【友添座長】ただ今,座長を拝命しました友添でございます。本調査研究協力者会議の発足に当たりまして,最初に一言御挨拶をさせていただければと思います。御承知のように,先月,部活動の改革に関する実行会議の最終とりまとめが出されました。この最終とりまとめは,今後の地域展開の羅針盤になるものだと考えております。その中で,今後の方向性として,地域クラブ活動の定義・要件,認定方法の具体的な内容,そして受益者負担と公的負担との費用負担の在り方,現行のガイドラインの見直し,このガイドラインはこれから審議される学習指導要領の記載の在り方とも関連してくるかと思っておりますが,こういった重要な事項があげられているところでもあります。
本会議は,今後の地域クラブ活動を地域で一層展開していく上で直ちに必要になるものが中心的な課題ばかりだと思っています。そして,今後の地域展開をうまく進めていく上で極めて重要なものばかりだと思います。運営団体や実施主体として地域展開に日々携わっていらっしゃる方々,行政の側から地域展開を推進されている担当者の皆様,学校の先生方,また保護者の皆様も大きな関心を寄せていただく事柄ばかりだと思います。幸い,これまでの実証事業では重要な成果が出てきております。これらを参照しながら,この会議で,不退転の決意で進めてまいりたいと思っています。どうぞ御協力のほど宜しくお願いいたします。
 
【友添座長】
これから議事に入りますが,先ほど決定しました運営規則に基づきまして,議題(3)であります検討事項・スケジュールについては会議を公開し,議題(4)地域クラブ活動の要件,認定方法等については,実証事業等において収集した地方公共団体やスポーツ団体の検討段階の資料や内部資料等を含めて,個別の事例等に関する率直な意見交換を行う必要があるために,運営規則に基づきまして,会議を非公開とさせていただきます。YouTubeのライブ配信で傍聴いただいている皆様は,(3)の議題終了時までの傍聴とさせていただきます。また,報道関係者の皆様方におかれましては,(3)の議題が終わりましたら,事務局の係員の指示に従って御退席いただきますようにお願いいたします。
それでは,本日は第一回目の会議ですので,各委員から簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。私の左側にいらっしゃいます石川委員から時計回りの順で渡邊委員まで自己紹介をしていただいた後,オンラインで御参加の日下部委員,松尾委員,最後に北山座長代理にお願いできればと思います。それでは石川委員の方から宜しくお願いいたします。
 
【石川委員】
皆さんこんにちは。新潟県長岡市教育委員会学校教育課部活動地域移行室の石川と申します。当市では,この9月から一斉に全市内の文化・スポーツ地域クラブへのスタートを切るという前段階です、どうぞ宜しくお願いいたします。
 
【金﨑委員】
 みなさんこんにちは。長崎県長与町教育長の金﨑と申します。長与町では,令和5年の4月より,全ての休日の運動部活動を地域展開いたしました。今年は3年目を迎えております。皆さん,どうぞ宜しくお願いいたします。
 
【金谷委員】
皆さんこんにちは。日本スポーツ協会地域スポーツ推進部で総合型クラブの育成担当部長をしております金谷と申します。私どもは,この4月から,総合型クラブの認証制度をスタートさせまして,部活動の地域展開タイプということで,今申請されているクラブからの書類を精査しながら,10月頃に第1回目の認証ということで進めております。部活動のこの改革にもスポーツ界一丸となって支援できればと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。
 
【木村委員】
富山県朝日町教育長の木村でございます。宜しくお願いいたします。朝日町教育委員会では,国に先駆けて休日,そして平日とともに6年間かけまして今日まで歩んでまいりました。地域クラブの指導者として地域の高齢者を含めて,地域で子供を育てるという観点のもと,今取り組んでいるところでございます。宜しくお願いいたします。
 
【新宮領委員】
公益財団法人日本中学校体育連盟専務理事の新宮領と申します。どうぞ宜しくお願いをいたします。全国大会の方につきましては,地域クラブの参加が,今年で3年目ということでございます。まだまだ課題が多く,クリアしていかなければならない,ということが多々ございます。本会議におかれましても,一つ一つクリアできる。また,中体連の方にも本当にすばらしい展開ができるなというふうに思っておりますので,どうぞ宜しくお願いを申し上げます。
 
【野口委員】
全国中学校文化連盟理事長の野口と申します。宜しくお願いいたします。私たちはこの8月の全国中学生の総合文化祭に向けて今準備をしているところです。今回初めて NPO法人の方と一緒にコラボして,大会をやろうということで,色々準備をしております。部活動の地域への移行に伴って子供たちの文化的な活動を守っていきたいということで頑張っております。今後とも宜しくお願いいたします。
 
【渡邊委員】
皆さんこんにちは。新潟県の渡邊といいます。私は,3月の31日まで,総合型地域スポーツクラブNPO法人希楽々で部活動改革に取り組んでまいりました。そして,村上市は今年度をもって運動部の休日,平日とも全て廃止となるということで来年度に向けて体制整備をするために,4月1日から市の教育委員会学校教育課に勤務しておりまして,今取組をしているところです。どうぞ宜しくお願いいたします。
 
【日下部委員】
みなさんこんにちは。岐阜県教育委員会体育健康課長の日下部でございます。本日は第1回目の会議ということで,そちらへ出向いて,本当は皆様方と顔を合わせてお話をさせていただきたいと思っておりましたが,明日から県議会が始まるということで,議会対応に追われておりまして,オンラインでの参加ということで御容赦ください。岐阜県では,地域展開を進めてまいりまして,昨年度末で69.3パーセントが完了ということで,令和7年度中に100パーセントを目標に今頑張っているところでございます。色々と御助言,御指導をいただきながら,展開の方を進めてまいりたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。
 
【松尾委員】
皆さんこんにちは。立教大学の松尾と申します。どうぞ宜しくお願い申し上げます。本日は,業務の関係で,オンラインでの参加となり,申し訳ございませんが,宜しくお願いします。私は先ほどお話ありました実行会議の下の,地域スポーツクラブ活動ワーキンググループの方で関わらせていただきましたけれども,今,子供たちのこれからの運動やスポーツ,文化の場を本当に考えていかなければいけない時期にあると思います。その中にあって,この会議はとっても重要な会議になるということを思っております。その中で関わらせていただくこと,光栄に思いますし,しっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
【北山座長代理】
NPO法人しずおか音楽文化支援協議会の北山です。私も友添座長と同じく部活動改革の実行会議から引き続き,こちらで委員を務めさせていただくことになりました。このところ,ようやく部活動改革の理念が社会に定着しつつありますが,今回の会議の主な課題であるこの費用負担の在り方や地域クラブの認定要件等につきましては,国の姿勢をより具体的に表明するものとして,社会に大きな影響を与えることになりますので,さらに慎重に協議していきたいと思っております。どうぞ宜しくお願いします。
 
【友添座長】
ありがとうございました。今お話がありましたように,非常に重要なテーマについて,今回は検討し,議論し,成案を作っていく必要があると思っています。是非忌憚のない御意見をいただければと思います。それでは議題に入っていきたいと思います。設置要綱に記載をしていますとおり,この協力者会議は,実行会議の最終とりまとめを踏まえて,今後の具体的な方策等を検討することを目的として設置をしたものであります。まず,事務局から本協力者会議における検討事項とスケジュールについて御説明をお願いいたします。
 
【竹河地域スポーツ課課長補佐】
ありがとうございます。スポーツ庁の竹河でございます。委員の皆様,資料3を御覧いただけますでしょうか。資料3に,本調査研究協力者会議における検討事項スケジュールについて(案)ということでまとめております。
1.の検討事項につきましては,設置要綱に記載してありますとおり,以下の事項について検討を行うこととなっております。(1)地域クラブ活動の要件及び認定方法について,(2)地域クラブ活動に係る費用負担の在り方について,(3)学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン,令和4年12月にスポーツ庁,文化庁が策定したものの見直しについて,(4)その他となっております。
2.のスケジュール(予定)でございます。本日 6月30日の月曜日に第1回会議を 15時から17時まで開催し,先ほど座長,座長代理の選任,会議の運営方法等について決定をいただきました。今,会議における検討事項・スケジュールについて説明をさせていただいている状況でございます。議題4.として,地域クラブ活動の要件,認定方法等について,第1回では御議論をいただきたいと考えております。
次の段に行きまして,7月,8月で合計3回ほど,大変お忙しいところ恐縮ですが,会議を開催させていただきまして,地域クラブ活動の要件,認定方法等について,地域クラブ活動に係る費用負担の在り方について御議論をいただければと考えております。
その後,9月以降になりますけれども,総合的なガイドラインの見直しなどについて御議論をいただきたいと考えております。以上でございます。
 
【友添座長】
 ありがとうございます。ただいまの御説明につきまして,何か御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
それでは議題(4)の地域クラブ活動の要件,認定方法等の議論に進みたいと思います。議題(4)につきましては,運営規則に基づいて会議を非公開とさせていただきますのでYouTube配信は終了させていただきたいと思います。
また,報道関係者の皆様には,事務局の係員の指示に従いまして,御退席をお願いいたします。
(ここまで会議公開)
 

(4) 地域クラブ活動の要件、認定方法等について
事務局から資料4に基づき,「地域クラブ活動の要件,認定方法等」について説明を行い,意見交換を行った。各委員からの主な意見等は以下のとおり。

 ・団体の運営や会計等に関するコンプライアンスの観点や持続可能性を高める観点から,法人格を持つ団体を増やしていくことが重要。

 ・営利等を目的とする民間のクラブチーム等との区別は必要だが,一方で,地域クラブ活動を担う多くの団体を確保していく必要があることも踏まえ,
  民間のクラブチームが営利を目的としない部門を設けて地域クラブ活動を担う可能性も含めて検討していくことが必要。

 ・強化目的で広域から選手を集めているクラブや勝利至上主義のクラブは認定の対象外とすることを明確にすることが必要。

 ・現状では,地方自治体が認定しているクラブと中学校体育連盟が認めているクラブが,必ずしも一致していないことが課題。

 ・要件を満たして認定された地域クラブ活動については,中学校体育連盟主催の大会にスムーズに参加できることが望ましい。

 ・認定の要件に加えて,認定を受けることのメリットも明確にすることが重要。

 ・大会への参加資格の観点もあるが,地方自治体と地域クラブ活動との関係や地方自治体による財政的支援の対象とする観点から,認定の要件の検討を進めることが重要。

 ・地方自治体の立場からは,認定事務等の円滑な実施に配慮する観点は重要。

 ・スポーツと文化芸術を一体的に考えるのであれば,多様な活動実態も踏まえ,高い基準になり過ぎないようにすることが重要。

 ・認定が円滑に受けられるように地方自治体が支援していくという視点が必要。

 ・地域クラブ活動の実施主体を認定するのであれば,実施主体の管理やガバナンスの確保などのために,法人格を持つ運営団体を活用することも検討していくことが重要。

 ・地方自治体が自ら設立して運営する地域クラブ活動については,認定したと見做す仕組みが必要。

 ・スポーツでは指導者資格が複雑な状況となっており,文化芸術では各団体における指導者の位置づけが異なるため,指導者に関する要件を一義的に指導者資格と定めることは困難で,
  ある程度幅を設けていくことが必要。

 ・保険への加入は,要件に盛り込むことが必要。

(5)閉会
閉会に当たり,友添座長から,第2回会議は,第1回に引き続き,地域クラブ活動の要件,認定方法等について議論するため,今回と同様の理由により,運営規則に基づき,非公開で開催する旨の説明があった。