スポーツを観る機会の確保及びスポーツ放映に関する検討会(第1回) 議事録

1.日時

2026年5月20日(水曜日)13時00分~14時30分

2.場所

文部科学省東館3階2特別会議室

3.議題

  1. 事務局説明
  2. スポーツ団体からの意見聴取
  3. 自由討議

4.出席者

委員

内山委員、岡部委員、髙橋委員、田嶋委員、米谷委員

文部科学省

浅野次長、籾井審議官、吉屋参事官(民間スポーツ担当)

総務省

豊嶋情報流通行政局長、佐伯同局放送政策課長

5.議事録

(1)事務局説明
・スポーツを観る機会及びスポーツ放映をめぐる現状事務局より、資料2及び資料3に基づき、本検討会の趣旨及び現状(放映権スキーム、スポーツ団体の収益構造、スポーツを観る媒体の年代差、放映権高騰の状況、放映権料と日本コンソーシアムの状況、オンライン配信事業者のグローバル化の動き等)について説明を行った。

(2)スポーツ団体からの意見聴取
公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)
―JOCからは以下の発言があった。
・放映権を持つIOC(国際オリンピック委員会)は、オリンピック憲章の中で、様々なメディアによる広範囲な取材・中継を保証し、世界中の多くの人々による視聴を保証するため、必要な措置を取るとして、各国・地域で放送権者と契約している。
・現在、日本国内においては、NHKと民放各社から成るジャパンコンソーシアムがIOCと契約し、各局の番組の枠の中でオリンピックを放送している。
・ビデオリサーチによる調査によると、テレビでオリンピックを観たとする推計到達人数は合計9,774万人となる(資料4)。
・JOCが2月末に行った独自調査でも、男女別、年代別においても、地上波などのテレビ番組を選択する層が一番多かったという回答が得られている。
・ミラノ大会では、女子フィギュアスケートのフリープログラムの番組平均視聴人数が最も多く、平日の早朝にもかかわらず、1,300万人以上が中継を視聴した。
・以前に比べてスポーツのテレビ放送が少なくなっている現状や、放送の少ない競技にとっては、オリンピックの期間中に全競技が放送されることが重要である。現在の地上波、衛星波、TVer
などによる放送状況は、スポーツの価値を伝える上でも、競技普及を推進していく上でも、非常に大きな役割を果たしていると考えられる。
・近年高騰が続く放映権料は、活動を支える重要な原資という側面もあり、バランスをどう取るかという非常に難しい課題とも認識しているが、全ての視聴者に公平にスポーツが届けられる放送環境が整備されることは、非常に望ましいのではないか。
・年間スケジュールを組んでいる百何十試合あるスポーツと、一方、アルペンスキーのような3か月で40試合しかないようなスポーツとでは、事情が大きく異なるのではないか。
・無料で観ることができ、触れる機会があったことで、自身がプロになっていくプロセスの最初の入り口が得られたと考えられる。
・国際放映権を管理するようになり、NF(中央競技団体)・IF(国際競技連盟)とともに国際大会を日本で招致・誘致しようとした際には、海外ライツに対する放映義務と、国民やより多くの県民にも視聴いただきたいという大義があった。そのため、3つに分割して海外56か国に放映し、国内はライツ等の関係もあったがNHKに制作を依頼して国際振興を図った経験がある。
・特に、ジオブロックをかけて開催県の県民のみに配信し、そこをローカルメディアに制作を分岐させることで、県民の視聴率を得て会場に足を運んでいただいた経験がある。
・メジャーではないスポーツやマイナースポーツ、とりわけオリンピックにまつわる種目については、偶発的または国民の権利として、映像として観られる知識や感性によってそのスポーツを選択する多様性が生まれていたのではないか。
・NFのような組織でスポーツを繁栄させていく際には、大会を継続的に開催し、NFの財源として確保していく上で、放映権が一つの鍵になることは確かである。

公益財団法人日本サッカー協会(JFA)
―JFAからは以下の発言があった。
・海外での試合は直接観に来られる方が少ないため、テレビや通信などを通じて観ていただくことが多くなっている。
・海外で行う試合であっても、誰もが無料で観られ、無料でアクセスできる環境をいかにつくっていくかが大変重要であり、コミュニケーション部をはじめ様々な形で事業を推進している。
・サッカー界では、1978年以来ずっと地上波で放送されており、今回のWCは放送事業者と通信(DAZN)の両方で放映・通信されることになっている。
・地上波やBSでスタートしたものが、CSや現在ではOTTという形に変化してきている。いつでもどこでも好きな時間に好きな形で観られるようになり、若い世代では携帯電話での視聴や、通勤・通学途中に観る環境が整ってきている。
・サッカー協会としては、今回や前回のようにテレビや地上波とともにOTTでもアクセスできる形になり、双方の様々な形でサッカーが通信・放送される環境が一番必要ではないか。

一般社団法人 日本野球機構(NPB)
―NPBからは以下の発言があった。
・野球界として「野球協約」というものがあり、その目的には、「野球をこの国の文化的公共財とする」という節がある。この哲学を放送や試合運営においても、常に心のどこかにおいて行っている。
・資料3の1ページ目の図に関しては、一番左にある「主催者等」に放映権料が支払われて終わりではない。その収益から、主催者がチームに分配したり選手に還元されたり、ひいては野球の振興、施設の改修などであったり、国民にも一部流れていったりという「主催者等」から先のお金の流れやエコシステムを頭においておくことが非常に重要である。


(3)自由討議
―自由討議では、以下の発言があった。
・この案件はトレードオフが多く、単純な線形計画法では解なしとなりそうなため、様々な形の無理をしないと妥協点が見いだせないのではないか。
・多くの国民に観ていただきたいという思いと、選手育成のための目先の現金という点が大きなトレードオフになっており、放送側の事情としても高騰化に対して対処できなくなりつつある。
・一つのイベントに対して数百億単位のお金を出すのは限界にきており、無い袖は振れない状態となっているため、解決策を観つけづらい状況にある。
・高騰化、独占、選手育成といったトレードオフをどう解決していくかが本委員会の課題であり、国内リーグではなく国際大会の放映権の決め方について、純粋な交渉マターなのか、あるいはオークション型のような価格のつり上げが行われているのかが論点になるのではないか。
・経済合理性だけの問題で進めるべきではなく、電波は国民のものであるという観点からも、ユニバーサル・アクセス権は非常に重要になるのではないか。
・スポーツ団体の立場からすると、イギリスのユニバーサル・アクセス権の対象は少なく、制度があればどの種目でも放送してもらえるというのは大間違いである。しかるべき組織で対象としてふさわしいかどうかを含めて議論していく必要がある。
・子供たちが観られない状況は、将来のスポーツの発展にも大きく影響するものであること。
日本の報道では制度を導入すれば誰もが観られると単純化されがちだが、各国の制度のアプローチは様々であり、日本に導入する必要があるのか、導入するなら日本にフィットした形を探していく必要がある。
・放映権契約において、有料・無料の放映時間などの条件のほか、字幕や音声解説の追加など、視聴覚障害者にも配慮したユニバーサル・アクセスに関する条件が一般的に盛り込まれるケースがあるのかどうか、確認が必要ではないか。
・本問題は世間の関心は高いものの実態があまり知られていないため、まずは探索的に情報を集め、何が問題で何を解かなければいけないのかを情報収集しながら議論していかなければ進まないのではないか。
・テレビでスポーツを観たい視聴者でも年齢により見方が異なり、若い世代は配信、50代以上はテレビを中心としている傾向があること。
・放映権収入はスポーツ界の普及や育成、環境整備に回るため非常に重要である一方で、観られないことによる普及への障害も存在すること。
・高騰する放映権をビジネス的にどう解決するのかについて情報を集めて分析しなければならず、それらの組み合わせの中に解決策が見えてくるのではないか。

―その他
地上波とオンライン配信、独占配信と年齢層ごとに異なる観戦機会、放映権料とスポンサー収入、視聴者数とスポンサーの露出、国際競技団体との交渉と国際大会運営人材、各国法令と放映権交渉、ユニバーサル・アクセス制度、等についての発言があった。

お問合せ先

スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当)

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(スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当))