地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議(第4回) 議事録

1.日時

令和7年5月16日(金曜日)10時00分~11時00分

2.場所

文部科学省 第二講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)※ハイブリッド会議

3.議題

  1. 最終とりまとめ(案)に関する議論
  2. その他

4.出席者

委員

小路座長,北山座長代理,友添座長代理,青海委員,石津谷委員,市川委員,伊藤委員,上村委員,太田(敬)委員,太田(勇)委員,金﨑委員,河合委員,木村委員,栗山委員,貞広委員,佐藤委員,須黒委員,富所委員,長岐委員,野口委員,長谷川委員,原委員,益子委員,水鳥委員,森岡委員,諸橋委員,柳沢委員,渡邊委員
 

文部科学省

武部文部科学副大臣,金城文部科学大臣政務官,室伏スポーツ庁長官,合田文化庁次長,松坂文部科学戦略官,大杉スポーツ総括官,大川地域スポーツ課長,圓入参事官(芸術文化担当),今村障害者スポーツ振興室長,大野地域スポーツ課課長補佐,勝見参事官(地域振興担当)付参事官補佐他
 

5.議事録

【小路座長】  おはようございます。それでは定刻になりましたので,ただいまから,第4回目の「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」を開催させていただきます。
 本日引き続き座長を務めさせていただきます小路と申します,よろしくお願いいたします。皆様本日は大変御多忙の中御出席をいただきまして,改めまして御礼を申し上げます。
 本日の会議は従来通り,冒頭よりYouTubeにてライブ配信をしておりますので,皆様御承知おきいただければと思います。また本日は武部副大臣,また,金城政務官に御出席をいただいてます。よろしくお願いいたします。
 それではまず事務局から,委員の出席状況と配付資料の確認をお願いいたします。
 
【大野地域スポーツ課課長補佐】  事務局でございます。本日は28名の委員の皆様に御出席をいただいております。
 御出欠につきましてはお手元の座席表に記載の通りでございますが,この会場で御参加の委員の他,オンラインで御参加をいただいている委員もおられます。
 配布資料につきましては,議事次第の4番のところに一覧を記載しておりますので,御確認をいただければと思います。資料につきましては,事前に委員の皆様にメールでお送りするとともに,文部科学省のホームページにも掲載をしております。以上です。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは本日の審議事項に入ります。
 本日の議題は,次第にございます通り,「最終とりまとめ(案)に関する議論」となっております。先月の会議で皆様よりいただきました御意見を踏まえ,事務局と相談をいたしまして,最終とりまとめ(案)ということで取りまとめをおこないました。お手元の資料の1-1が概要,また資料の1-2が本体になります。
 こちらにつきましては,事前に皆様に御確認をいただいておりまして,皆様のほうから特段の内容に対しての御意見は無いと,いうことでございましたので,この形で案から最終とりまとめと,していきたいと思います。
 これについて皆様からの御了承をいただければと思いますが,よろしいでしょうか。 

※委員了承
 
 はい,ありがとうございました。異議なしということで皆様から御了承をいただきました。
 それでは早速ですが,ただいま御了承いただきました,最終とりまとめにつきまして,私のほうから武部副大臣にお渡しをさせていただきたいと思います。
 
 副大臣ありがとうございました。それでは武部副大臣から一言御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
【武部文部科学副大臣】  ただいま小路座長から,「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」の最終とりまとめをいただきました。
 昨年8月に会議を設置して以来,実行会議およびスポーツ・文化,それぞれのワーキンググループにおいて,大変精力的な御議論を賜りました。改革の理念から,今後の改革の進め方,個別課題への対応に至るまで,非常に充実した最終とりまとめをおまとめいただきましたことに深く感謝を申し上げます。
 この部活動改革を通じ,急速な少子化が進む中でも,生徒のスポーツ・文化芸術の活動機会を確保・充実し,生徒の豊かな学びや成長を促進するとともに,スポーツ・文化芸術全体の発展や地域活性化に繋げていくことが重要です。文部科学省として,今回のとりまとめをしっかりと受け止め,部活動改革の全国的な実施に向け,新たな制度の具体化を進めるなど,改革の推進に全力で取り組んでまいります。
 本日は,本実行会議の最後の回となりますところ,これまでの委員の皆様の御尽力に改めて感謝を申し上げますとともに,今後とも部活動改革についてお力添えをいただきますようお願いを申し上げまして,私からの御挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。
 
【小路座長】  武部副大臣ありがとうございました。副大臣は公務のご関係で,ここで御退室をされます。副大臣どうも,お忙しいところありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 
【武部文部科学副大臣】  どうもありがとうございました。
 
【小路座長】  それでは続きまして事務局より,最終とりまとめに付属する参考資料,また今後の主な予定等について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,失礼いたします。お手元の資料1-3および資料2を御確認ください。ちょっと後ろの方になりますが,よろしいでしょうか。
 皆様,今まで御議論いただき,とりまとめまで本当にありがとうございました。このまとめを踏まえまして,まず資料1-3でございますが,今後,我々としても具体的な作業といいますか,制度設計に移っていかなければならないという段取りに入ってまいります。そうした中で,各地方公共団体ですとか,関係の団体の皆様に参考となるように,この最終とりまとめの別添資料としまして,今まで御議論いただいた要素について,本当に動いてるんだ,ということを見える化する形で,今までの実証事業で行われてきた,それから独自の活動として行われてきた礎を整理させていただいております。
 例えば,人材の確保が大切だという中で,人材の発掘・マッチング・配置,特に人材バンク等々御議論もありましたが,バンクを作った上でマッチングさせることが一番大事ですので,実際,自治体の皆様なり関係団体がどうしているか,例えば12ページや13ページにそういった事例をお示ししております。
 それから,休日・平日と,一貫的な指導が大切だというようなお話もございました。例えば20ページにそうした事例を入れさせていただいたり,それからICTの効果的な活用,これは21ページから,スマートロックを含め,事例をお示しをしております。それから場所の確保については学校を活用していくべきという御意見も盛り込ませていただいておりますが,23ページ以降,個別の具体的な例をお示ししております。それから移動について,既存の送迎車両の有効活用ということで,31ページ以降,具体的な地域交通との連携を含めて具体的な動きをお示しをしております。
 さらには,大会参加機会の確保について,よく議論になります県またぎへの対応ということで,全国の中体連に加えて,都道府県,それからブロックごとの動きというものが大切になってまいります。動いてるところの事例をわかりやすく示しながら,全体を動かしていきたいと考えております。さらには,その他,引率の在り方,周知広報の在り方,さらには責任の所在の明確化,どのように明確化しているかなど,53ページ等々に個別具体に見える化を図る形で事例集を作成しておりますので,この会議のまとめの参考資料として添付してまいりたいと考えておるところでございます。
 続きまして,資料2を御確認いただければと思います。今後の制度を実施に向けた検討状況,今後の予定を御説明させていただければと考えております。現在,5月上旬から6月上旬にかけまして,この実行会議の議論の動向も踏まえながら,全自治体を対象に,部活動改革の今後の取組の方針と状況について,調査を実施しております。6月頭を目途に集計をし,その後整理をするという形で,作業を進め,実際の自治体の動きを促していくという取組を進めております。
 それから,次の段になりますが7月から8月ごろで日程は調整中でございますが,本会議でまとめていただいた内容を,しっかりと皆様に周知するフォーラムを開催したいと思っております。産業界,行政それから学術,大学等の様々な分野の方々と連携したフォーラムを開催することについて,今検討を進めております。その後,これは例年のことになりますが,8月末には予算の要求をしなければなりませんので,それに向けた準備,また,それに合わせてこの実行会議の最終とりまとめに盛り込んでいただきましたが,地域クラブ活動の定義や要件についても,夏ごろまでには事務局としても整理をし,令和8年度からのスタートに間に合うように,しっかりと準備をしていきたいと思っております。さらには冬頃に向けて,今回のとりまとめを踏まえて,現行のガイドラインの改定も進めてまいりたい。このようなスケジュールで今後お示しをしていきたいと,いうふうに思います。
 これから,まさに,具体的に,現場がしっかりと形を作っていくという段階になってまいりますので,そうしたところにおきましても,皆様の,また逐次なる御尽力,御協力をいただければと思います。今後のスケジュールをあわせまして,説明は以上になります。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。スポーツ庁・文化庁の皆さんには,室伏長官も含めまして,まだまだこれから,たくさんやることがありますので,よろしくお願いいたします。
 
【小路座長】  それでは続きまして,実は今日のメインイベントでございまして,今日御出席の委員の皆様より,まだまだ言い足りないということもたくさんおありになるのではないかなと思いまして,それぞれのお立場で,言い足りなかったこと,また改革への意気込みなどを含めましてですね,最後に1人一言ずつお言葉をいただければと思います。御対面で御出席の皆様には,上村委員から,反時計回りで石津谷委員までお話をいただきまして,そしてその次にオンラインで参加の青海委員から五十音順で御発言をいただいて,最後,水鳥委員まで御発言が終わりましたら,北山座長代理また友添座長代理の方でお話を頂戴できればと思います。2分ぐらいを目途にですね,先ほど申し上げた,何でも結構でございます,今回の有識者会議に関わることに関して皆さんの思いを語っていただければと思います。
 それでは,上村委員よろしくお願いいたします。
 
【上村委員】  はい,2分の時間をいただきましてありがとうございます。香川県東かがわ市でございます。今回,オンライン会議でずっと出席してたのですが,初めて対面で参りました,よろしくお願いいたします。
 子供たちおよびその指導者,そういう学校それぞれの矢面に立っている地方自治体としましては,本当に力強い最終とりまとめをいただきまして本当にありがとうございます。その中でも私達として一番力を押していきたいところが2つあります。
 やはりお金の話。このとりまとめの中で「国・都道府県・市区町村が支え合いながら適切な支援を」というところをとりまとめていただいております。実際に,保護者の皆さんにどれだけ負担をいただくのかで,指導者の方々にどのような,どれぐらいの謝金を払っていくのかというのが,多分各地域によって,その物価であったりとかお金の多寡というのが結構違うのではないかなという懸念もあります。その中で,またこの夏に向けてその議論をされるということをお伺いしておりますので,ここはしっかり議論していただきたいと思っております。
 あともう1点が,子供たちの大会参加についてです。この地域クラブ活動,この活動の中でどれだけこう認定というのが,もちろん自治体としても進めてはいきますけども,その中でしっかり中体連,およびそれに類似したような大きい大会に子供たちが参加していけるのか,このクラブだから参加機会が失われるということは絶対にあってはならないことだと思っておりますので,その点についても,引き続きの御議論,御検討をお願いしたいと思ってます。以上です。
 
【太田(敬)委員】  日本PTA全国協議会の太田といいます。PTAの代表として来ておりますけれども,私自身もこの当事者であり,スポーツ指導者であるということで,立場を超えていろいろな発言をさせていただきましたけれども,やはりこれから,何度も申し上げてきましたけれども,このことを心配する保護者の声というのは多く入ってきておりますので,丁寧な説明を引き続きお願いしたい,ということと,保護者も傍観者ではいけませんので,このことをこれから現場で形づくっていく当事者として,積極的に関わり続けていきながら,部活動改革という名前ですけれども,私はこれは大きなスポーツそのものをどう改革していくかという,大きな理念のもとに進められることだと思いますので,スポーツというものを私達にとってどうあるべきかという観点から,保護者としてもしっかりとこれからみんなと一緒になって関わっていきたいというふうに思います。以上です。
 
【太田(勇)委員】  4月から委員を務めさせていただいております,新潟県教育長の太田でございます。まずもって様々な課題がある中で,このようにとりまとめをいただいたということで,皆様に敬意を表させていただきたいと思います。
 今,県内の各地でもいろんな団体が取組を進めております。地域の皆様が主体となって動く活動,これに対して行政はどう関わるかということは,スポーツに限らず,様々な場面であると思うのですが,そういったときに,行政の役割というのは,あくまで側面支援に徹する,動きやすいように側面を支援する。その中にはもちろん,公費負担をどうするかという課題もありますけれども,それ以上に,やはり彼らが,皆様がやれることを後押しする。そういうことかなと思っておりまして,引き続き,活動が活発に展開するように取組を進めていきたいと思っております。ありがとうございます。
 
【金﨑委員】  失礼します。長崎県長与町の教育長の金﨑と申します。まず,とりまとめについて非常に素晴らしい内容になったな,と思っております。座長そして事務局の皆様に感謝申し上げたいと思います。
 「はじめに」の中に主目的がしっかりと書かれているということはとてもいいなと思いますし,あたかも教職員の働き方改革が優先第1の目的かのようなことも,世の中に少し,そういう議論もあるようですが,そこの誤解を避けることができるのではないかなと思います。さらに,文の中に,「本改革に携わる関係者の前向きな姿勢が,子供たちはもとより,社会全体に大きなプラスの影響を及ぼす。」という記載がありますが,非常に強く同感をしたいと思います。素晴らしい一文だなというふうに私は感想を持ちました。総論・各論も網羅されていて,非常に良い内容だと思います。
 そして「おわりに」の中に,改革の本質が書かれてありまして,この表現も非常に素晴らしいなと思いました。先ほど上村委員からもありましたけども,国として地域クラブ活動の定義・要件等の認定の方法の仕組み,並びに公的負担等について6ページ,13ページに記載がありますけども,このことにつきましても,先ほど資料の2の方で御説明がありましたので,このことが速やかに実行されるということを,御期待を申し上げたいと思います。どうもお疲れ様でした,ありがとうございました。
 
【河合委員】  ありがとうございます。日本パラスポーツ協会の河合でございます。今回のとりまとめにつきまして,本当に事務局含めて,皆様方の御意見ありがとうございました。大変素晴らしいものになったと私も感じております。
 で,毎回私が参加する度にお話させていただいたわけですけれども,やはり中学生含めて,常に全ての地域に障害のある子供たちがいるという前提を書き込んでいただいたことが改めて大切であったと思っておりますし,今後はそのことを常に関わる全ての人たちが意識をしながら,制度作りやルール作りをさらに進めていくことがとても重要かと考えております。
 日本パラスポーツ協会といたしましても,パラスポーツ指導員の活用や,都道府県障害者スポーツ協会,パラスポーツ協会との連携を地方自治体の皆様にもしていただきながら,より良いこの改革,そして誰1人取り残すことなく,このスポーツや文化芸術活動等にも取り組めるように,我々としても可能な支援を引き続きしていければと思っております。
 またフォーラムもこれからしながらということですので,ぜひそういう登壇の中にも,パラスポーツの関係者や障害のある当事者なども入っていただきながら,そういった視点が,抜け落ちることなく,全国の皆さんに届くように御配慮いただければと思います。ありがとうございました。
 
【佐藤委員】  静岡県掛川市の教育長の佐藤でございます。実行委員の皆様それから事務局の皆様本当にお疲れ様でございました。これからが本格的な稼働ということで,よろしくお願いしたいと思います。
 私どものところは,皆さん御承知の通りですけれども,休日だけでなく平日も含めて地域展開を進めております。今後,平日も含めて地域展開が進んでくるのではないかと期待をしているわけですが,最後に,そういった今後のことも踏まえて,私から2点お願いをして,この会議の私の役目を終えたいと思っております。
 1点目は,それこそ先ほど言いましたように,平日も含めて地域展開が進むという自治体が今後増えてくる中で,そういった自治体に対して,平日も進めていくという支援策,それから課題等の検証スキームを,できる限り早く示していただきたいということが1点目です。
 2点目は,今回のまとめの中で,部活動の主体を強調するように,「学校部活動」という言葉が多く用いられております。学校は御承知の通り中学校だけではございません。小学校,中学校,高校,大学,また特別支援学校等々ございますので,そういった校種に関係なく,部活動改革の狙いに沿って,学校と地域が連携した地域展開が進むように,全国の自治体や関係する諸団体に,国としてしっかり働きかけをしていただきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。以上です。
 
【須黒委員】  ありがとうございます。この度はとりまとめをいただきまして誠にありがとうございました。そして参加させていただきありがとうございました。
 先日,アントレプレナーシップ教育というパネルディスカッションのモデレーターをしたのですけれども,各方面で活躍されている方が参加されまして,そのときに出てきたのが,今後,学生さんに与えたら良い機会と,自分たちがやってきてよかったと思った機会で挙げられたのが,部活動でした。
 やっぱり,親だったり先生から一方的に与えられるのではなくて,自発的に考えて行動した余白ですとか,みんなで一丸となって目標に取り組んだその経験が,社会人としてのベースになったというお話をされていたのがとても印象的でした。こうした部活動本来が持っている良さというのが,今後地域に展開されて移行されていっても続くことを願っておりますし,この前小路座長がおっしゃっていたように,学歴だけではなくて,様々な経験を持った若い力が今後の日本を輝かせていってくれるといいなと思っております。私も報道に携わる身として,そして保護者の一員として,周りに伝えていく,積極的に関わっていくという姿勢は大事にしていきたいなと思っております。ありがとうございました。
 
【富所委員】  読売新聞社の富所です。座長をはじめ委員の皆さん,スポーツ庁・文化庁の皆さん,大変お世話になりました。ありがとうございました。
 日本のスポーツ・文化活動をですね,例えば小学校からずっと野球に打ち込んできました,というような,1つのスポーツに継続的に取り組むのが美しいというか,そのような価値観があると思います。しかし,世界を見渡せば,野球やってきた人が,プロバスケットボールの選手になったり,アメリカンフットボールやっていた人が,プロゴルファーになったりと,子供の頃から多様なスポーツに取り組んでいるケースが見受けられます。1つのスポーツに打ち込むのは,それはそれで素晴らしいことですが,もっと他の機会もあっていいと思っておりまして,部活動の地域展開によって,例えば平日は野球やっている人が,土日は剣道をやってみようとか,そうしたきっかけになるといいと思います。それによって新しい気づきもあると思います。場合によっては,平日は野球,土日は吹奏楽というようなスタイルもあっていいと思います。
 今回の地域展開が,子供たちがスポーツ・文化に幅広く親しむ機会になってくれたらいいなと願っております。私からは以上です。
 
【渡邊委員】  はい,総合型クラブ全国協議会の渡邊といいます。まずは実行会議では大変お世話になりました,ありがとうございました。総合型クラブとして運営する側として,ちょっと御意見を述べさせていただきます。
 まず,この推進期間5年度から,そして7年度までにおいて,公的支援をいただきながら地域クラブの取組ができたというのは本当にありがたいと思っております。今度8年度以降の支援体制について,例えば,私新潟県村上市なのですが,今年度をもって休日も平日も運動部活動が全てなくなります。これが終わりではなくて,実は始まりだというふうに思っています。8年度以降の支援についても,進捗状況によって支援の在り方も異なるのかなと思いますので,進捗状況に応じた支援,これをぜひまた継続していただければありがたいと思っています。
 また,総合型クラブが運営団体を担ってやっているというところがまだ大変少ないです。調査をすると,やりたい,やってみたいというクラブも実際あります。ぜひ自治体の中で対話の中に総合型クラブを入れていただいて,ぜひ運営団体を担っていけたらいいかなと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 
【柳沢委員】  全国スポーツ推進委員連合の柳沢でございます。日本のスポーツと文化システムの改革に関わる,非常に大きなとりまとめをどうもありがとうございました。
 全国連合としましては,スポーツ推進委員,旧体育指導委員ですけれども,多くの推進委員の方々がこの改革に積極的に関わっていただけるよう支援していきたいと思います。現在,全国連合では48,000人ぐらいの推進委員が地域で活動しています。中には退職教員など,非常に経験豊かなコーディネーターとしての資質を持った方もたくさんいらっしゃいますので,ぜひそういった方々を,活用という言い方はおかしいですけども,協力していただく形で,協議会等に早めに取り込んでいただいて,より良い部活改革,あるいは地域作りを含めて,活躍していただきたいと思います。
 今後とも引き続き,推進委員連合をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
【森岡委員】  日本スポーツ協会の森岡です。まず,事務局の方々には,ここまでとりまとめていただきまして本当にありがとうございました。私から2点申し上げたいと思います。
 1点目は,我々日本スポーツ協会としましては,今後,運動部活動の地域展開が進展することにより,これまでにはなかった,受益者負担が生じるということになり,経済的な理由からスポーツができなくなる子供たちが出てくるのではないかということを思っています。
 報道にもありましたが,給特法の改正案の中に,運動部活動の地域展開のところの財政支援を,ということが明記される予定だということも見受けました。今後,受益者負担と公的負担のバランスを十分に考慮するということと,仮に万が一,公的負担がなくなったとしても,保護者負担のみにならず,民間等から資金の導入などによって,運動部活動の地域展開が持続する仕組みを構築することが重要だと考えてます。
 2点目は,我々日本スポーツ協会では現在日本オリンピック委員会,日本パラスポーツ協会さんと,スポーツ統括3団体が連携をいたしまして,スポーツ指導者に関する公的な仕組みの枠組みについて検討を進めています。現在,仮称ですが,「公認スポーツ指導者顕彰」,いわゆるチャーターの検討を行っており,その中で公共性・公益性を備えたスポーツ指導者の在り方と,統括団体の責務を議論しております。21ページにも記載をしていただいておりますが,学び続ける環境をどのように確保していくか,指導者に対する適切な処遇の確保が挙げられております。こうしたことについても検討していくこととしております。
 今後,この3団体に共通した「モデル・コア・カリキュラム」の在り方,あるいはその自己点検や評価方法についても議論を行っていくこととしており,その中で,運動部活動の地域展開にも対応した優れた資質を有する指導者の育成を目指していくこととしております。私からは以上です。
 
【諸橋委員】  一般財団法人UNITED SPORTS FOUNDATION代表理事の諸橋でございます。私自身4年間,この部活動改革に携わってきました。長かったような,あっという間だったような,4年前議論をスタートしたときには,様々なことを話されましたが,かなり進んだ状況にきたなと思っております。その中でこのような最終とりまとめ,本当に皆様に感謝申し上げます,ありがとうございます。
 私からは1点,財源確保,これからどうやって資金を確保していくのかという部分についてです。渡邊委員がおっしゃられたように,コーディネーターの人材育成は,財源確保と同時にこれからがスタートだと思っております。時代に合った質の向上を図るために,決して効率的なマネジメントに終わらないよう,革新的なアイディアを常に出せるような人材を作っていくことで,5年後10年後,子供たちにとって,その時代に見合った教え方,コーチングの在り方を,そしてスポーツ・文化を取り込んでいくことを考える必要があります。そのためにはぜひ,毎年とは言いませんが今後とも定期的なヒアリング,それから新しいスポーツ・文化の在り方を議論できればなと思っております。ありがとうございました。
 
【益子委員】  日本スポーツ少年団本部長の益子直美です。まず,とりまとめに御尽力いただきました皆様,本当にありがとうございました。
 これまでの会議を通じて,私からは子供たちにスポーツ・文化芸術活動が有する価値,意義,役割を適切に伝えること,そして,その価値などを損なわない,指導者や保護者といった大人たちの存在の重要性をお伝えさせていただきました。
 そして今回の案で,この点が「はじめに」,そしてあと「おわりに」まで一貫して記載されたことが,大変意義深いものと感じております,ありがとうございました。また,前回お伝えの通り,この改革期は多くの方たちを巻き込み,社会全体として大きな動きとするチャンスだと思っています。豊かな人生を子供たちが歩むことができるように,何をなすべきか,日本スポーツ少年団組織としても,また,個人の活動としても取り組んでまいります。本当にありがとうございました。
 
【野口委員】  はい,全国中学校文化連盟理事長の野口でございます。委員の皆様と御一緒に,この場でいろいろ学ばせていただきまして感謝しています。今回このような形で最終とりまとめができましたこと,本当に大きな成果だなと思っています。感謝いたします。
 いよいよここからが具体的に,いろんな動きを実証していく期間になるのかなと思っています。少子化の現状を考えますと,本当に待ったなしの状況を感じます。まずはできるところから,具体的に進んでいかなければと思います。私達中学校文化連盟ではですね,この8月に第25回全国中学校総合文化祭を開催いたします。今回初めての試みといたしまして,NPO法人の皆様と我々全国中学校文化連盟が共催をして,新しい形の大会を開催する予定でございます。どうぞ御承知おきいただいて,また応援していただければ,と思います。ありがとうございました。
 
【木村委員】  はい。富山県朝日町教育長の木村でございます。私は文化芸術ワーキンググループでも様々な議論をさせていただいたところですが,この最終とりまとめにも多くの事柄を盛り込んでいただき,大変感謝申し上げる次第でございます。
 「地域の子供は地域で育てる」という言葉がございます。「はじめに」の中で書かれていますように,新たなステージの中で,地域の特色を生かしながら,より魅力的な学びの機会を子供たちに提供できる絶好のチャンスになると感じておるところでございます。また,これから改革を進めようとする自治体にとりましても,大きな後押しになると思っております。
 この最終とりまとめが,実効性のある取組となりますよう,先ほど説明がございましたが,国などの予算確保とともに,関係者はもとより,全国へのより一層の周知広報をよろしくお願いいたします。以上でございます。
 
【石津谷委員】  全日本吹奏楽連盟の石津谷でございます。まずはじめに,座長さんはじめ,事務局の皆様方,委員の先生方本当にありがとうございました。この会議で地域展開の取組ということで,まず活動を学校から切り離さないということで,活動場所の確保ができるようになった。また,兼職兼業者の位置づけもできたことによって,指導者の確保という点でも非常に評価できるものになったと,私自身は思っております。そこで最後に2点お願いをしたいなと思っております。
 1つ目は皆さんおっしゃっていることと同じなのですが,前回の会議でもお願いいたしましたが,改革への予算獲得はくれぐれも文部科学省を中心になってやっていただきたいなと思ってます。日本のスポーツを含む文化芸術関連予算は,欧米先進国から見てあまりにも少ない。スポーツや文化芸術というのは,国威高揚にも非常に不可欠であると思ってます。戦後80年間の中で,部活動は子供たちの人格形成に大いに貢献してきたと思っております。その根本的なシステムを大きく変換することになるわけですので,国は絶対に自治体任せにするのではなく,最後まで国が主導して,今後もこの改革に取り組んでいただければありがたいと思っております。
 2つ目は,ちょっと視点は変わるかもしれませんが,この改革を推進していくために,国はもっと学校現場の状況をしっかり把握していただければありがたいなと思っております。今回の部活動改革だけでは,学校現場の多忙化解消の一因にしかならず,これで終わりではないと思ってます。特に,今話題になっている給特法を改正したところで,これは,根本原因の解決にはならないと思っています。先生方の精神的な開放,ゆとりの確保,そういうことがあってこそ,それが今回の改革の原動力になって,成功に近づいていくのではないかなと思っております。この点何卒よろしくお願いしたいと思います。
 吹奏楽連盟としましても,今後,改革に真摯に取り組み,子供たちが楽しんで音楽に親しめる環境を作る,そういうような組織になっていきたいなと思ってますので,今後ともよろしくお願いいたします。今回は本当ありがとうございました。
 
【小路座長】  それではオンラインの青海委員からお願いいたします。
 
【青海委員】  全日本中学校長会の青海でございます。全日本中学校校長会の定期総会の会場から参加させていただいております。
 学校部活動の地域展開は,急激な少子化が進む中においても,将来にわたって,放課後や休日の生徒の心の居場所,そして,継続的にスポーツや文化芸術活動に親しむ機会を確保する,保障することが主たる目的だと考えています。今後は学校の働き方改革の実装とともに,学校部活動の教育的意義を失うことなく,地域や学校の実情に応じた多様な選択肢を認め,実施主体を学校から地域へ移し,地域全体で関係者が連携して支えることが重要だと思います。ありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは引き続き市川委員よろしくお願いいたします。
 
【市川委員】  全国特別支援学校校長会の市川でございます。今回の最終とりまとめで,障害の有無に関わらず,全ての生徒が希望する活動を主体的に選択できる環境の整備を進めていくという,障害のある生徒の参加を前提にした内容は,極めて重要だと思っております。今後,多様な地域の関係者の参画と新たなスポーツ・文化芸術活動の機会の提供という方向も大変素晴らしいと思います。障害のある生徒の地域でのスポーツ・文化芸術活動への参加はまだまだ不十分であるという現状でございます。今後の取組の推進に大きく期待するところです。
 また今回のとりまとめは,中学校中学部を中心にしたものですが,特別支援学校の場合は,中学部高等部が同じ学校に設置されている学校も多く,また,中学部高等部で合同に部活動をしている学校も多いです。このため,今後,高等学校および高等部の改革も速やかに議論していただき,方向性を示していただくことが重要だと思っております。どうもありがとうございました。以上です。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは伊藤委員,お願いいたします。
 
【伊藤委員】  皆様方の御尽力により,お取りまとめいただきましたことに感謝申し上げます。
 全国926町村あります。5万人以上の町もあれば,1000人未満が36あり,地域展開には財源と指導者の確保が大変だと思っております。やはり究極は財源であります。公的負担と受益者負担とのバランスの検討につきましては,今日まで部活動による経費は,ほとんど公費で負担してきた経緯を踏まえていただきますとともに,持続可能な部活動となりますよう,財政支援等を改めて申し添えたいと思います。
 我々町村は,今回のとりまとめを受け,地域の実情に応じてしっかりと進めてまいりたいと思いますので,今後ともお力添えを賜りますよう,どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは貞広委員,お願いいたします。
 
【貞広委員】  はい,ありがとうございます。千葉大学の貞広と申します。まず細やかに,目配りの利いたバランスのとれたとりまとめをしていただきました。座長,委員の皆様と,事務局の皆様に改めてお礼を申し上げます,ありがとうございました。
 部活動の地域展開は公教育の要たる先生方のウェルビーイングを確保し,持続可能な質の高い教育を実現するために必須であると言えます。この実現があってこそ,先生方の時間外在校等時間を縮減しつつ,子供の豊かな育ちを確保することが可能になると考えます。ただ,今までの当たり前を変えることの難しさも十分理解できます。特に安定性・継続性を重視する教育分野では,こうした傾向がおのずと強くなります。そして,例えば,国がやってくれないからとか,県がやってくれないから,市町村で何でできないんだ,というような相互に言い訳をするような状況が生じやすいとも言えます。
 ただし,だからこそ,できない,できっこない,変えられるわけがないという思考から脱し,各地域で,主体的にその地域の最適解を探り,実装していただきたいと強く考えます。その意味で,本日お示しいただきました資料1-3は,各自治体でイメージを膨らませ,具体的な手立てを考える大変有効な資料となると考えます。
 またその際,保護者の方々はじめ,理解・納得性の調達,ここにも難しさがあると思います。この点については資料にはありませんけれども,国からの方向性の積極的な発信だけではなく,それぞれの自治体でも相互に政策参照がなされ,グッドプラクティスが拡張していくことを期待しております。
 以上でございます,ありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは栗山委員お願いいたします。
 
【栗山委員】  弁護士をしております栗山と申します。この度の最終とりまとめにつきまして,座長をはじめ,委員の皆様,スポーツ庁の皆様,大変御尽力いただき,感謝申し上げます。
 最終とりまとめの冒頭の「はじめに」と,末尾の「おわりに」が加えられて,委員の皆様の思いが込められているものになっており,大変素晴らしいものではないかと思っております。「おわりに」に書かれているところではございますけれども,肝心なのがまさにこれから関係ステークホルダーみんなが当事者意識を持って,このとりまとめに書かれていることを,この理念をどう実践していくか,ということかと思っております。自分もその1人として,引き続き部活動の地域展開に貢献できればと思っております。その中で,ここに関わる生徒の安心安全ということが,万が一にも脅かされてはならないと思っておりますので,事件事故,不適切な行為が行われる前までに,きちんとした枠組みを設けていくことが肝心であると思っております。
 資料1-3にあるように,既に各地域で様々なお取組が進んでいるということですけれども,よりこれを推進していくということが大切ではないかなと思います。そのためにも,地域クラブ活動を担う運営団体・実施主体等の組織体制,また予算の確保,財政基盤の整備といったことが今後重要になってくるのかなと思っております。私からは以上となります。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは,長岐委員お願いいたします。
 
【長岐委員】  はい秋田県大館市の長岐でございます。本市では昨年度,今後の地域展開に向けたロードマップを具体的に策定しまして,今取り組んでいるところです。これまでの取組の中で,強く痛感しているのは,今回の最終とりまとめの総論,改革の理念でも謳っていますけれども,地域全体で関係者が連携し,子供の活動機会を保障する発想,この本とりまとめの根幹をなす理念と言っていいと思うのですが,これを地域社会全体で共有して,その機運を高める必要性です。
 この改革にあたっては,指導者をどこから,経費をどこからという課題が必ずつきまといます。人口減少著しい秋田県の一地方都市の大館市では極めて深刻です。改革のスタート期にあたる今,子供たちの地域活動というものに対する支援が有意義な社会貢献であるという意識,これが各個人に浸透すること,それと同時に,各企業や会社がそういった活動に寛容的・協力的であるということ,この2つが最も必要なことだと思っております。
 このとりまとめも今後,広くアナウンスされていくと思いますので,本市で策定した推進計画と併せて,市民の意識付けに生かす方策を考えながら取り組んでまいりたいと考えております。今回はありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは長谷川委員お願いいたします。
 
【長谷川委員】  最終とりまとめ本当にありがとうございました。私も4年ぐらい関わらせていただきまして,最初はどういうふうになるのかと思っておりましたけれども,どうにか素晴らしいとりまとめができたことを感謝申し上げます。
 これからのことなのですけども,それぞれの委員からの御意見,本当に素晴らしいもので,これからの実施について,とても希望が持てるのではないかと,もっともっと良いということではなく,これから本当に始まるということで,それぞれの委員の方々のお力添えで,素晴らしいスポーツ・文化の活動が広がっていくことを本当に期待して,私達も全日本合唱連盟といたしましては,いただいた環境それから状況の中,音楽文化のために,特に特記して合唱音楽のために,最大限の尽力を尽くしていきたいと思っております。
 もう既に指導者のためのセミナーというのを6月1日に設けております。それだけではなく,近い将来,組織運営マネジメントを含む,それから教材の策定などをこれから合唱連盟としては作って,子供たちの小中高大,また一般のシルバーの方々たちのための音楽文化のために最大限寄与していきたいと思っておりますので,また御協力よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは原委員お願いいたします。
 
【原委員】  はい,おはようございます。11時から授業がありますので,手短にお話をさせてください。取りまとめいただきました座長含めて関係者の皆様,どうもありがとうございました,お疲れ様でした。
 人間の価値観はですね,教育界はもとより産業界におかれましても,いわゆる認知能力,記憶暗記型の善し悪しで評価される傾向がこれまで長く続いてきたのではないかなというふうに感じております。ただ,インターネットの普及や,昨年から始まったChatGPTのオープン化に伴って,もう簡単に資料作り,提案資料作り等々ができるもう時代になったわけなんですね。認知能力の高さを否定するわけじではありませんけども,そこが評価軸の柱ではなくなる時代が来るのではないか,もうすぐ来る時代になっておると感じております。
 要は非認知能力,人とのコミュニケーションであったり,あるいは突破する力だったり,あるいは挫折感から這い上がる力だったり,あるいは課題達成型に向けての取組だったり,そういったものがやっぱりこれからの教育界・産業界に求められてくるのだと思うんですね。そういった能力を出す非常に良いものが,この課外活動だというふうに私は認識しております。ただその非認知能力を向上させようとする教育の,指導者がどれだけいるのか,持てるのか,知識があるのかという課題が出てくるわけなんですよね。昭和のメソッドの上意下達の一方的な指導では,そういった非認知能力の向上はできないと思うんです。その指導者の育成というものが,同時に行われることが,この地域展開がさらに発展するものではないかなと思います。
 そのうち,指導者育成はJSPOさんのカリキュラムを中心に行われるんでしょうけれども,私ども教育機関も民間として,例えばこうした,「新しい部活のつくり方」というような教科書を作って,今現在5市町村とタイアップして展開しております。今年の目標としては10市町村以上の地域と市町村とタイアップして,まずは指導者をしっかりと育てようというような形で進めております。
 行政からも,スポーツ庁からも,私どもやってる民間の指導者カリキュラムが,しっかりと公的なものだというふうな認定がいただければ,より指導者の確保が,加速していくものではないかなと思っております。以上でございます。
 さらなる発展に期待してます。微力ながらお手伝いさせてください。ありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは水鳥委員,お願いいたします。
 
【水鳥委員】  はい,水鳥です。よろしくお願いいたします。まずあの,長期にわたって委員の皆様をはじめスポーツ庁の皆様,大変なとりまとめ,大変お疲れ様でした。非常に素晴らしい多岐に渡る内容をうまくまとめられているのかなと個人的には感じておりますし,わかりやすい事例などもしっかり示していらっしゃいますので,これがしっかりと地域に展開されていくことを非常に期待をしているところであります。
 今回の部活動改革の中で,様々な活動に参加できる可能性は非常に広がっていくのかなと思っている一方で,反対に運動離れが進んでしまう懸念というのも,まだまだあるのかなと思っております。先日,たまたま室伏長官とも少し意見交換をしたのですけども,例えばイメージが湧きやすい動画の作成や配信などで,こうしたプラスの変化っていうのをしっかりと訴求していくということがこれから必要なのかなと思っております。
 また,学校,地域クラブなどとの連携はもちろんですし,先ほど委員の皆様からもありました,アドミニストレーターの育成であるとか,より理想に近づけられるようなこれからの取組というのが,とても重要だと思っております。その中でも特にやはり原さんのお話にもありましたけども,指導者の育成という部分を,指導者が参加しやすいとか,参加したいと思う在り方をしっかり継続的にこれからも検討していく必要があるのかなと思っております。
 そのためには当然予算ということが非常に重要にもなってきますので,こうした部分は,スポーツ庁の皆様にも引き続き,御尽力いただきたいなと重ねてお願いしたいなと思っております。また,やはり地域の状況に合わせた,あるいはその意向に合わせた柔軟な在り方というのも必要だと思いますし,ある意味,部活動の中にあった良さみたいな,そういったものを地域の特化する何か取組として表現したりとか,あるいはいずれ競技にアクセスできるような繋がりっていうのを,例えば競技団体だったりとか,民間クラブとの連携も含め,今後も検討していけるといいのかなと思っております。以上となります。ありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。あと大村委員が委員としていらっしゃいますけど,本日は欠席でございますんで,大村委員を除きまして皆さんから一言御挨拶をいただきました。
 大変また参考になるお話をいただきまして御礼申し上げます。それでは北山さんと友添さんの方からお願いいたします。
 
【北山座長代理】  北山でございます。皆様これまでの熱心な御議論ありがとうございました。文化芸術ワーキンググループの委員を代表いたしまして御礼申し上げます。
 私からは,文化部活動の地域移行を進めるNPO法人を運営している立場から,本会議を締めくくるにあたりまして,この「最終とりまとめ」にも記載されてはおりますが,この部活動改革を成功に導く重要なポイントとして,次のことを強調させていただきます。
 まず1つ目は,これを契機として,広い意味での地域作りを進めるために,全国の自治体におかれましては,この改革を教育委員会だけでなく,首長部局等で総合的な政策課題として取り組んでいただきたいと思っております。
 あわせて,2つ目になりますが,各自治体はこれから地域の運営団体あるいは実施団体となる民間団体に対して,活動の持続性の確保のためにも,法人格の取得の支援をしていただきたいと思っております。
 そして3つ目ですが,最後に,何よりも,国と地方公共団体におかれましては部活動の地域展開を推進するにあたり,十分な財政措置を講じていただきますようお願いいたします。私からは以上です。ありがとうございます。
 
【友添座長代理】  座長代理の友添でございます。委員の皆様方には大変なお力添えをいただきましてありがとうございました。
 実は私達は世界に先例のない改革をやろうとしているわけで,特にスポーツで言えば,例えばドイツ型でもないし,アメリカ型でもない新しい改革をやろうとしているところだと思っています。つまり先行するモデルもないですし,正解も分かりません。だからこそ,非常にいま生みの苦しみを味わっているのだと思います。
 振り返りますと,実行会議のワーキングでは6回議論を重ねてきました。非常に白熱する時もあったり,あるいは当初の「運動部活動の地域移行に関する検討会議」からいうと,地域移行で必ずしも委員全員が一本化しているわけではありませんでした。ただわが国の明治20年代に部活が学校の中にできて,お雇い外国人教師たちが,日本人の生徒にスポーツを教えてから学校とスポーツの極めて親密な関係ができあがりました。令和の今,もうスポーツを学校から開放する時期ではないのかというふうに個人的には思ってきましたし,現在はスポーツの本質的な価値に根ざした日本型のスポーツ教育システムが作られていく大きなマイルストーンだという時代認識を持ってやってきたつもりです。
 そういう意味で言うと,後代の人たちが21世紀のこの時期に,文科省をはじめ,スポーツ庁が日本のスポーツ教育のシステムを大きく変えたということを書いてくれる人たちが出てくる可能性があるのではないか,あるいはまた,スポーツの先進諸国から日本に地域スポーツクラブ活動の在り方を視察に来る時期がやがて訪れるのではないかと期待を持っています。
 ただそのためには,私達がこの改革を成功に導かなければならないという覚悟もいりますし,またそれ以上に,一層各所で努力を重ねなければならないと思っています。部活改革に自分自身のエフォートであなり重きを置いてきたわけですけれども,会議では小路座長からお導きをいただいたり,あるいは北山座長代理からもお力添えをいただいたりしながら,良い最終とりまとめができたと思っています。ありがとうございました。
 また,折々室伏長官とは意見交換をさせていただいたいり,あるいはさまざまなお話をさせていただく中で,ずいぶん改革への後押しをいただいたと個人的に思っています。ワーキンググループの中の議論で,ときには迷ったりしたときにも,長官から背中を押していただき前に進めることができたかなと思っています。
 まだまだ課題は山積みだと思っています。ようやく部活改革の中間地点に来たのかなと思うところでもあります。今後は全国中学生地域スポーツクラブ連合,もしくは日本中学校地域スポーツクラブ連盟のような組織が立ち上げられていかなければならないだろうし,その中核が中体連になるのか,あるいは新しい組織がなるのか,今森岡委員いらっしゃいますが,JSPOがそれをやっていくのか,これはまだまだ未来にわたることでわからないことですけれども,とりあえず最終とりまとめという羅針盤ができたわけで,これからの方向はこの羅針盤に則って課題を一つ一つクリアをしていく,そしてクリアをする中で,おのずと道が開けていくのではないかなと思っているところです。
 委員の皆さんには大変お世話になりました。どうもありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは室伏長官からお願いいたします。
 
【室伏スポーツ庁長官】  はい。小路座長ありがとうございます。昨年8月以降ですね,会議を重ねて参りまして,こうした幅広い有識者の先生方,大変ご指導いただきまして,今日に至ります。
 これは大変重要な改革のまずスタート地点にあると認識しております。ピンチをチャンスにということで,人口減,10年で60万人,子供たち,20年経ちますと100万人近く減るということがもうわかっています。この人口減は必ず当たります。これをしっかり前もって取り組んでいかなければ,これまで素晴らしいその部活動のイメージもあると思うんですけれども,これはもう成長の限界ラインにきているということで,継続が困難になっていくことはわかっているという。
 この中で,そのままにしておくのかということではなく,むしろこれを,ピンチをチャンスにしていき,日本の教育もそうですし,スポーツそのものを変えていく,これは中学生の議論だけではなくやっていく必要がある。競技スポーツの発展にも当然結びつくと思いますし,国民の健康増進,さらには地域のコミュニティですね,中学生だけの話ではないです。こういったコミュニティの形成にも大変重要な役割を,スポーツ・文化あると思います。これを大いに発展していき,さらには学校ではない,河合委員おられますけれども,パラスポーツがどれだけ新しいこのスポーツの可能性を見出してくれたか,ボッチャをやる人だったり,この間,IPCの会長が来られて,日本ではボッチャやパラスポーツの普及はすごいんだということはありましたけども,こういった誰もが親しむ環境にスポーツ・文化あると思います。これはあくまでもスタート地点で,この大きな改革をしていくお力添えを引き続きいただきまして,ぜひ改革を進めていき,子供たちの豊かな環境を作っていきたいと思いますのでお願いいたします。
 最後に,私事なのですけども,私はエリートだと皆さん思っておられて,それでエリートが話しているんで,わかるわけないという方が幾分いるように聞いたのですけど,私は公立の中学校を出てます。部活動もやってました。全中行けませんでした。それは幅広いスポーツをやる方がいいってことだったりもあったんですけど,その後やはり伸びていきましたので,そういう人は結構多いです。
 ですので私はちゃんと現場もわかって話をしているつもりですし,誤解がないようにちょっとそこだけは申しあげたいと思いますけれども,まさか金メダル取るなんてことは,全くそんなことは中学生の時も,思いもしてません。スポーツ自体はほとんど真面目にやってませんでしたので。ですけど,高校ぐらいから,やはり少しずつ真剣にやり,それでも,まさかこんなオリンピック出るなんてことは誰も予想してなかった。おそらく今後伸びていく子もたくさんいると思いますので,いろんなチャンスを与える,スポーツ・文化含めて,将来を担う子供たちを育てる大事なチャンスだという認識で我々大人も取り組んでいきたいと思います。
 小路座長,本当に素晴らしくおまとめいただきまして感謝申し上げます。そして委員の皆様ありがとうございます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。過分なお言葉をいただきまして。本日実行会議の最終回となりますので,今,室伏長官から説得力ある経験論をお話しいただきまして,その後に私がというのは非常に話しづらいのですけど,一応座長として私からもちょっとお話を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず本日の実行会議,またスポーツ・文化芸術ワーキンググループが,友添さん北山さんのお力を中心にいただきまして16回にわたり,大変熱い議論をいただきました。改めて委員の皆様には御礼を申し上げたいと思います。私,議事進行等で至らなかった点もあったかと思いますが,本日皆様のおかげで,武部副大臣へ手交することができましたし,また金城政務官にも今日お越しいただくことができまして,改めて御礼を申し上げたいと思います。
 私第1回の実行会議のときに,子供たちの主体性を生かした改革,また子供たちを真ん中に置いた議論にしたいと,自分の思いを勝手ながら申し述べさせていただきました。今回のとりまとめの最終報告の中に,子供とか生徒を主語とした文言が,皆様お気づきかと思いますけど,大変数多く記載していただきました。生徒さん子供さんたちが継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保・充実すると,こういった改革の主目的を見失わずに議論いただいた成果ではないのかなと考えております。
 この最終とりまとめをもって,今後各地方自治体で改革が進められることと思いますが,大事なことはやはり「おわりに」に記載がある通り,いかにこの実践に繋げていくかと,いうことだと思います。当たり前のことなのですけど。特に今回,部活動の改革という「改革」という言葉を使っておりますけども,この改革は掲げただけではその改革にはなりません。やっぱり実践,実現をしてこの改革の中身を進めるということで,初めて改革になるのではないのかなと,改めて思います。
 また一方で途中,地域のお話もたくさん出ましたけど,実情によって望ましい在り方が異なるということも現実だと思いますし,国や都道府県の支援がなければ,実践に繋げられないと,こういった多くの市町村があることも事実だと思います。そういった際にこの最終報告書が各地域の取組事例集として,実践の羅針盤みたいなものになっていければいいのではないかなと思います。
 改めて私は皆さんの御意見を拝聴いたしまして,やはりこういった文化芸術活動に関しては,改めて生徒子供たちの多様なこの主体性を引き出すということ,またその異なった主体性を尊重してあげると,こういったことが非常に重要じゃないかなと改めて感じた次第でございます。昨今日本の若者たちの自己肯定感がOECDの中でも大変低いと,こういったデータがよく出ておりまして,この自己肯定感というのは,場合によっては自信のなさに繋がったり,内向き思考に繋がっていくというふうに思いまして,やっぱり異なった主体性を引き出して尊重してあげるということが,この自己肯定感を高めていくと,いうことにも若者に繋がるんではないのかなというふうに改めて感じた次第でございます。
 最後に今回の会議を通じまして,私あるドイツ文学者の語った,良い言葉を思い出しまして,それをちょっと申し上げておきたいと思いますけども,「教育とは」ってちょっと堅い言葉で始まるのですけど,「教育とは小さな完成された器の人間を作るんではなくて,未完成でも大きな器の人間を作るというのが教育だ。」というふうに語った言葉を昔本で読みまして,ずっと心に残っておりまして,今回会議に出させていただいて,改めてこのスポーツとか芸術文化の部活動を通じて,大きな器の人間になる子供さんたちができていくということが非常に重要かなと思ったところでございます。
 最後に,室伏長官はじめスポーツ庁・文化庁のスタッフの皆さん,大変お力をいただきまして,座長としてはそんなに貢献はしてないのですけど,素晴らしいまとめができたと私も改めて感じた次第です。それと,友添座長代理それから北山座長代と大変お力をいただきましてありがとうございました。今日ご参加の委員の皆さん,私も含めてですけども,折に触れて,今回のまとめを語っていただいたり,それから何か実践できれば,プロのスポーツをやってきた方たちもたくさんいらっしゃいますので,何らかの形での実践の一端を担っていただければと,大変ありがたく存じます。私からは以上でございます。長い間,どうもありがとうございました。
 それでは本実行会議はこれにて散会といたします。委員の皆様にはこれまで活発な御議論をいただきまして,改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。