地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議(第3回) 議事録

1.日時

令和7年4月17日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 第二講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)※ハイブリッド会議

3.議題

  1. 最終とりまとめ(素案)に関する議論
  2. その他

4.出席者

委員

小路座長,北山座長代理,友添座長代理,青海委員,石津谷委員,市川委員,伊藤委員,上村委員,太田(敬)委員,太田(勇)委員,金﨑委員,河合委員,木村委員,栗山委員,貞広委員,佐藤委員,須黒委員,富所委員,野口委員,原委員,益子委員,水鳥委員,諸橋委員,森岡委員,柳沢委員,渡邊委員

文部科学省

金城文部科学大臣政務官,室伏スポーツ庁長官,合田文化庁次長,松坂文部科学戦略官,大杉スポーツ総括官,大川地域スポーツ課長,圓入参事官(芸術文化担当),今村障害者スポーツ振興室長,大野地域スポーツ課課長補佐,勝見参事官(地域振興担当)付参事官補佐他
 

5.議事録

【小路座長】  それでは定刻になりましたので,改めまして座長の小路と申します。本日も座長を務めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 ただいまから第3回の地域スポーツ,文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議を開催いたします。皆様本日は改めまして御多忙の中御出席をいただき誠にありがとうございます。
 本日の会議は,前回同様,冒頭よりYouTubeにてライブ配信をしておりますので,皆様御了解いただければと思います。また本日は後ほど,金城泰邦文部科学大臣政務官に御出席をいただいて御挨拶をいただくということを予定しております。
 それでは時間も限られております。まず事務局から委員の出席状況と配付資料の確認についてお願いいたします。
 
【大野補佐】  はい,事務局でございます。本日は26名の委員の皆様に御出席をいただいております。
 委員の御出欠につきましてはお手元の座席表に記載の通りでございますが,会場で御出席の委員の他,オンラインで御参加をいただいている委員もおられるという状況でございます。
 配布資料につきましては,お手元の議事次第の下のところ,4番のところに一覧を記載しておりますので,御確認をいただければと思います。資料につきましては事前に委員の皆様にメールでお送りするとともに,文部科学省のホームページにも掲載をしているところでございます。
 以上です。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。
 それでは本日の議事に入る前に,新年度の御異動に伴いまして今回新たに会議に御参加された方に,簡単に一言御挨拶をいただければと存じます。まず新潟県の教育長の太田勇二委員よろしくお願いいたします。あわせまして秋田県の大館市教育長の長岐公二委員におかれても,4月から新たに御参加をいただいておりますが,本日は御欠席と伺っております。
 それでは引き続き本日の審議事項に入りたいと思います。本日の議題は次第に記載の通りでございます。最終とりまとめ素案に関する議論となっております。
 地域スポーツクラブ活動ワーキンググループ,それから地域文化芸術活動ワーキンググループでは,本年の年明け以降,個別課題への対応ということで,各論部分の論議を大変熱心にいただいてまいりました。昨年12月に取りまとめました中間とりまとめに,この各論部分の追記,あるいは関係団体への書面ヒアリングにていただいた御意見を反映させていただきまして,本日論議いただきます最終とりまとめの素案としてまとめることができました。ワーキンググループの友添さん,それから北山さんに改めて御礼を申し上げます,ありがとうございます。
 まずそれぞれのワーキンググループの議論の概要を簡単に御報告いただいた後,事務局より最終とりまとめ素案についての説明をいただきたいと思います。それではまず地域スポーツクラブ活動ワーキンググループの主査をしていただいている友添座長代理よりお願いをいたします。
 
【友添座長代理】  ありがとうございます。友添でございます。
 それでは地域スポーツクラブ活動ワーキンググループでの議論の経過を御報告させていただきます。ワーキンググループでは中間とりまとめ後,2月と3月にそれぞれ一度ずつ会議を開催いたしました。関係団体へのヒアリングの結果も踏まえながら,改革の理念や地域クラブ活動のあり方を始めとした総論について,さらに議論を深めてまいりました。
 また,各論についても,具体的な方策の議論を進めてまいりました。ワーキンググループにおける議論の状況ですが,総論に関しては,例えば主だったものを御紹介しますと,部活動改革はジュニア世代のスポーツのあり方を変えていく良い機会であって,スポーツは楽しむものであるということを発信し,それを全ての子供たちが享受できるような改革に繋げていくことが重要であるという御議論をいただいております。
 また,活動の質を担保するなどの観点から,地方公共団体において,地域クラブ活動の認定作業を行うことが重要であるとの御指摘もいただいております。加えて,地域展開に繋がる前段階の取組としまして,部活動指導員に関する支援も引き続き重要で,かつ必要であるといった御議論をいただいているところです。
  他方,受益者負担の水準につきましては,自治体ごとに,差が出ないようにするために,早めに国で示してはいかがかといった御提案,御指摘もいただいております。改革を進めるにあたっては,この改革が,これからの子供たちのスポーツ,文化芸術活動関係を一層充実させることに繋がるという,こういった意義をしっかりと見せていくことが非常に重要なのではないかという議論もございました。
  また各論に関しましては8項目の課題,それぞれにつきましてスポーツ庁で現在実施をしております実証事業の取り組み事例,こういったものも参考としながら,具体的な方策について議論を行ってまいりました。その中では,例えば地域クラブ活動の運営団体と実施主体の役割を改めて明確にする必要があるのではないかということ,また,指導者への研修では保護者との関係の作り方や,中学校世代の心理的な特徴や発達上の特性などの内容,あるいは発達障害などを含めた多様な生徒への理解についても,具体的に研修で取り上げることが重要であるとの御議論をいただいております。他方,生徒の安全確保の観点から,例えば公認スポーツ指導者などの資格を持ってない方が問題を起こしたときにも,相談対応ができる仕組みを作っておくことが必要であるとの御指摘もいただいております。
  さらに,大会のあり方に関しては,地域クラブ活動が中体連の大会に,より円滑に参加できるようにする必要があること,楽しくプレイしたり,交流したりすることを第一義にした大会を開催するというアプローチも必要ではないかといった議論もありました。
  こういった御意見御議論を受けながら,ワーキンググループにおいては最終とりまとめの素案をまとめているところでもあります。本日はこれに基づきまして,多様な視点から御議論をいただければと思っております。
 私の方からは以上です。
 
【小路座長】  ありがとうございました。それでは続きまして,地域文化芸術活動ワーキンググループ主査の北山座長代理より御報告お願いいたします。
 
【北山座長代理】  はい。地域文化芸術活動ワーキンググループでございます。参考資料の3-2を御覧いただければと思いますが,私どもの地域文化芸術活動ワーキンググループでも,昨年12月の中間とりまとめの後に,2月と3月に1回ずつ会議を開催し,関係団体へのヒアリングの結果を踏まえつつ,改革の理念や,地域クラブ活動のあり方を始めとした総論について,さらに議論を深めるとともに,各論であるところの個別課題への対応等について具体的な方策の議論を進めてまいりました。
  ワーキンググループの議論について,総論に関して申し上げますと,まず全体を通して生徒を中心に考えるという理念の示し方が高く評価されていた一方で,その理念を実現するための予算を,基礎自治体だけが負うのでは,持続可能ではないのではないかという懸念もありましたが,公的負担については国,都道府県,市区町村が支え合うことが重要であるということが明記されたことで,これから改革を進めようという自治体において,とても大きな後押しになるのではないかという評価がなされました。
  加えて,学校と地域を二項対立として捉えるのではなく,学校も含めた地域,というところに大きな意味があり,これまでの部活動の教育的意義を継承,発展する必要性についても示していただきたいという意見がありました。本改革は地域の実情に応じて進めていくということが重要であり,文化的歴史的背景や地理的条件も踏まえ,地域の連携においては都道府県等自治体の枠を超えた連携も必要であるということはいうまでもありません。
  次期改革を見据えたとき,スポーツ,文化芸術活動そのものが社会教育へともう一歩大きくシフトして,それぞれの自治体や地域における生涯学習社会の構築に向けて取り組むといった方向性が今後さらに必要になってくるのではないか,というような議論がありました。
  また各論に関しましては,8項目の課題それぞれについて文化庁で実施している実証事業の取り組み事例等も参考にしながら,具体的な方策について様々な議論がなされました。それらの中には,改革を進めるにあたって,地域全体のスポーツ,文化芸術活動をコーディネートしていくための人材が必要であり,特に文化芸術活動においては,地域ごとにどういう特色があり,どういう課題があるのかという視点を持った人材が必要となってくるのではないかということや,指導者の資格認定については,指導者研修の内容や指導者としてどのような資質能力や素養が必要なのかを示す必要があるということ,子供たちの安全に関する共通した内容等,領域に応じた専門的な内容に加え,文化芸術系については,地域の特性や風土等も押さえる必要があるというようなことが議論されました。
  また,活動場所に関しましては,学校施設の優先的使用が必須であることや,地域教育施設につきましても,今まで学校部活動であれば比較的柔軟に対応できていたものが,地域クラブ活動になったことで,それに制約が生じるというようなことがないようにしていただきたいということ,そして改革の理念につきましては,最終的には基礎自治体が保護者や指導者に説明するにしても,それを自治体だけに任せるのではなく,国がしっかりと周知,広報を徹底してほしいといった要望がありました。
  以上のような議論を受け,ワーキンググループにおいて最終とりまとめ素案を提示いたしました。本日はこれに基づいて多様な視点から御議論いただければというふうに思います。
 以上でございます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。お二方,大変御苦労いただきまして,改めて御礼申し上げます。それでは続きまして事務局より最終とりまとめ素案の概要について御説明をお願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,ありがとうございます。皆様お手元の資料1-1,1-2を御確認いただければと思います。まず総論につきましては資料1-2本体の方を使いながらどこが変わったかを御説明し,各論については,資料1-1の4ページ目を使用しますので御確認ください。
  まず総論でございます。全体を見渡して大きく変更ということはございません。追加した点をざっと申し上げます。まず総論の理念でございます,3ページ下から二つ目の丸,子供たちが継続的にスポーツ,文化芸術に親しむという中で,心身の健康,心の醸成等々図る中で,健康で活力に満ちた生活を送るということは将来の医療や介護,それから健康寿命の延伸等,さらには経済までということで,大きな社会課題の解決に繋がる旨,理念として更に示させていただいております。
  それから4ページ目,上から1つ目の丸です。2段落目ですが中学校3年生で引退してしまうということがないように,継続的に運動習慣が繋がっていくように,社会総ぐるみで親しむ環境をつくるという旨を,1段落追加しております。
  それからおめくりいただきまして,5ページ目の下の最後の丸でございます。前回の中間とりまとめでは,この地域クラブ活動の定義,要件,認定方法は,国が示すというところまでお示ししておりましたが,ワーキングでの議論でもございまして,誰が決めるのか,すなわち地方公共団体においてその認定を行うという仕組みをしっかり示しましょうということでこの旨をここに追記してございます。
  それから飛びまして,12ページ目でございます。12ページ目,括弧4の上から4つ目の丸でございます。ここは先ほど友添主査からも御指摘ございましたが,地域展開をしていく前段階として部活動指導員の配置をするという取り組みも出てきている中,こうした取り組みに対する支援というのも一定の範囲で行っていく必要がある旨,追記をしてございます。
  また,このページの最後,注釈20でございますけれども,受益者負担のあり方についての水準については,自治体間でばらつきが大きく出ないようにということで,国において金額の目安等を示すことを検討する必要がある旨,追記をしてございます。
 続きまして14ページ目でございます。5ぽつ,学習指導要領における取り扱いということで,さらに議論を深めるということを中間とりまとめの時に申しておりました。丸3つ目からになりますが,指導体制については,地域展開が原則となる休日だけでなくですね,地域連携を含めて,取組が進められる平日においても,地域クラブの指導者,または部活動指導員の指導の体制をしっかり普及させることが重要だと。
 これを踏まえて,次期改訂においては,こうした地域クラブ活動の定着を前提とした記載,それから一部中山間地域等で展開が困難な場合等におかれては,学校部活動に関しても,教員の負担軽減が一定程度図れるような記載をすることが必要だということが,記載をされています。これにつきましては,さらにスポーツ庁および文化庁において更なる検討,具体化の上,中央教育審議会に報告するという旨のプロセスも示させていただいております。
  続きまして16ページ以降が各論でございますが,この本体を見ると膨大でございますので,資料1-1の4ページ目を御覧いただければと思います。ここにはそれぞれの各論のテーマごとに整理をさせていただいています。8つの点,1つ目は地域クラブ活動を担う運営団体,それから実施主体の体制整備,2つ目に指導者の質の保障,それから量の確保のあり方,3番目に活動場所の確保,4番目に場所までの移動の確保,5つ目に大会やコンクールの運営のあり方,6つ目に生徒保護者等の関係者への理解の促進,7ぽつ目に生徒の安全の確保のための整備体制,これは指導者も含めて,保険加入や,もしくは不慮の事故等があった場合の責任の明確化等も含めて記載をしてございます。
8番目に障害のある生徒への活動機会の確保,この8つに分けまして,それぞれのテーマごとに大事なポイントをここに整理をさせていただいております。今回のこの議論におきましては,この各論が大きく追加されているという状況でございます。説明は以上とさせていただきます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それではただいま説明いただいたこの最終とりまとめ素案の概略につきまして皆様から意見を頂戴をしたいというふうに思います。御意見をいただく際には挙手をいただいて,名前もおっしゃっていただいて,オンライン出席の方につきましては,挙手ボタン押していただければ,私の方から指名をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 それでは今の両主査の御説明とそれから事務局の説明した資料の中身また説明につきまして,皆様から御意見がありましたらお願いをしたいと思いますけどいかがでしょうか?遠慮なくどうぞ。
 
【太田(敬)委員】  日本PTA全国協議会の太田といいます。
 一番最後に御説明いただいた資料の各論個別課題の対応のところ,5の大会やコンクールの運営のあり方の3つ目の黒ぽつの大会運営および引率体制整備の中の,この保護者等の参画促進というのは具体的にどういうことがイメージされているのかということと,大会運営の外部委託等というのは,こちらはどういう大会をどういう団体に外部委託されるということなのか,ちょっと教えてください。
 
【小路座長】  お願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  まず保護者等の参画促進というところにつきましては,本体にも,記載を具体にはしてございますけれども,大会運営は,今まで学校を中心に行ってきたときには,御承知のように中体連,中学校体育連盟が中心になって,体育の先生がまさに担ってきたというところでございます。ただ,この大会を,クラブチームが実際に運営をしだしたときに,参加するだけで手伝わないとすると,誰も運営者がいないと,いうような状況にもなっていくことになります。こうした中でこの記載につきましては,まずはクラブチームの運営団体の関係者が,中体連の皆様,教師も兼職兼業で入っていただくということも十分に想定されておりますので,連携をしながら,一緒になって大会を運営していく。その際に,一部既に声がありますけれども,保護者の方々も,例えば大会の運営のいろいろな作業でお手伝いいただくとかいったような参画を期待をしていると,いうところでございます。大会運営の外部委託,ここは予算等にもよると思いますけれども,警備等何かを任せるといったところができるのであれば,そうした運営もしながら新しい大会運営のあり方ということを考えていかなければいけない,こういうことを示させていただいております。

【小路座長】  太田委員よろしいでしょうか。はい。ありがとうございました。
 それでは他に御意見等御質問も含めてございますでしょうか。はい,どうぞ,富所さん。
 
【富所委員】  読売新聞の富所です。14ページの5にある「学習指導要領における扱い」の冒頭には,「地域クラブ活動は学校外の活動ではあるものの教育的意義を有する」と書いてあります。そして,「活動の実施にあたっては,地域クラブと学校の連携が大切である」と,こういう切り分けになっています。現状を見る限り,休日については着実に地域クラブ活動への移行が進んでいるものの,平日についてはなかなかそうもいってない,という整理になっていると思います。そうすると,当面は,部活動と,この地域クラブ活動というのがしばらく並走する形になり,最終的には全ての部活動がなくなって,地域クラブ活動に集約されると,そしてそれは「学校外の活動」ということで最終的に整理されると。こういう理解でよろしいのでしょうか?
 
【小路座長】  お願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。今委員から御指摘いただいた点,2つ目の丸にも記載させていただいていますが,当面,平日を中心に部活が存在することもあるということで,学習指導要領の扱いにつきましては,まさに今まで学校が担ってきた部活動というものを引き継いでも,ちゃんとその意義は継承,発展させるということで,関連性をしっかり明記しましょうとは前回までにも御議論いただいて書いていたと思います。
  こうした中で,今,休日の部活動の地域展開を中心に進めているという中でございます。この改革のところに書いてありますが,平日についても更なる実証を重ねる必要があるというところを記載をしておるところでございますけれども,その点踏まえて今回の6年間の中で,どういうやり方がいいのかというのはしっかり示していくということになるかなと考えております。
 
【富所委員】  つまり最終的には,14ページにあるように,全て「学校外の活動」になると,こういうふうに読めるのですが,その理解でよろしいですか?
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。究極的にはそういう形を目指していくという中で,実際の現場のフィジビリティ,実際に休日も中山間地域ですとか,離島ですとか,難しいところ,さらには平日についてはまた休日とは違う特性を踏まえてどういう形があるのか,しっかり考えながら検討していくということだと思っております。
 
【小路座長】  はい,長官どうぞ。
 
【室伏スポーツ庁長官】  ちょっと補足させていただきます。この6ページの3の2つ目のぽつにありますけど,学校と地域を二項対立で捉えるのではないとあります。これは学習指導要領の話もございますけれども,学校だけではなく,スポーツ,文化の話のみならず,やはり広く地域で多様な人材のもと,いろんな人材指導者がいますので,そういう環境のもと子供たちを育てていくということに関してはスポーツであろうと何であろうと一緒だと思うのですが,特に,スポーツ,芸術が率先してこういった形を作っていく。ですので,地域移行といいますと,もう学校関係ないんだ,ということではなく,あくまでも学校と地域が展開していく,発展させていくということで,その段階において,土日からやりやすいところは土日から,いずれ平日も順次やっていこうということになっております。濃淡がありますけども,学校と地域,二項対立ということではなく,地域で取り組んでいこうということですので,おそらく学習指導要領にもそのような形になるのではないかなとは思います。
 
【小路座長】  富所委員よろしいでしょうか?
 
【富所委員】  はい,ありがとうございます。
 
【小路座長】  はい。それでは他にございますでしょうか。はい,どうぞ
 
【佐藤委員】  静岡県掛川市教育委員会の佐藤です。資料1-1の3ページ目のところになりますが,私どものところは既に平日も含めて地域展開を既に進めています。
 ここへ来て,地域とどのような連携をするのか,学校は中学校だけではございませんので,高等学校や特別支援学校とも連携をしながらということで,生涯にわたってスポーツ,文化活動に親しむ環境を整えようということで,現在推進しております。そういった中で4の地方公共団体における推進体制の整備のところで,大学の後,高校が入るかなと。実際には高等学校も子供の数が減ってきて部活動が成り立たなくなってきている現状があろうかと思います。中学校ほどではないかもしれませんが。地域に高等学校または特別支援学校等があれば,連携して取り組もうというところであります。高校を入れてないのは混乱するから入れてないのかなとは思ったのですが,でも実際のところは,高校生も中学生や小学生と一緒に活動して,進めているクラブもありますので,そういう意味では入れていただいた方がいいかと思います。特に特別支援学校の関係ですと,先ほどの4ページの8番のところの,「障害のある生徒の活動機会の確保」というところで,私どももそこのところに重点を置いて,ボッチャやモルックなど,そういった種目を,特別支援学校の高等部や中等部の生徒さんたちも一緒に活動できるような取り組みをしようとしていますが,なかなか理解が進まないというところもございまして,そういった意味でも,大学,高等学校または特別支援学校等もですね,入れていただいた方が将来的にはいいのかなということを一つ感じました。
 それともう1点よろしいですか。学習指導要領に関わるところになりますが,上から4つ目のところになるわけですけれども,私も全国教育長会など様々な会合に出る中で,各自治体の実情は異なっているかと思いますが,なかなか進まない理由として指導者の確保だとか,交通の便とかそういったところがよく言われます。「地域展開が困難な場合等」というのがございますが,中核都市以上のところでも,何かしら理由があってできませんっていうところが出てくる可能性があるかなと私は感じていまして,先ほど課長もおっしゃってましたけれども,「中山間地や離島」などと,しっかり入れた方がよいかと思います。と。聞くところ東京都内の中でも進んでいるところとそうでないところが色々な理由をつけておっしゃってるところがあると伺っています。そういう意味で,本当に困ってるのは,今言った離島中山間地だと思いますので,明確に付記して,進めた方がいいのかなということを感じました。
 
【小路座長】  事務局の方,お話がございましたらお願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。最初にいただきました,高校と特別支援教育学校につきましてはちょっと検討させていただければというふうに思います。それから,2つ目の点は,資料1-1であれば2枚目の3ぽつ1番上の欄,改革の進め方というところの米印2つ目に記載してありますが,特殊な事情によりということで,様々な地域の状況がありますので,中山間地域,それから離島を例示としつつ,これはちょっと聞いてみなければならないことも多々あると思いますので,特殊な事情ということで整理をさせていただいていると認識をしております。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。それでは他にございますでしょうか。どうぞ。
 
【森岡委員】  日本スポーツ協会の森岡です。まず初めにこれまでの実行会議,この会議やワーキンググループでの意見が反映され,地域展開の方向性を示せた内容になっていると思っています。今後は,我々統括団体あるいは各地域において具体的な取組を進めることになりますが,私の方から本日5点,簡潔に申し上げます。
 1点目は,受益者負担の金額。12ページに,先ほど説明をいただきましたが,子供のスポーツ活動の機会を確保するためには,多大な負担とならないような金額の目安を示すことは大変重要だと思っています。例えば,指導者の謝金,あるいは保険,あるいはクラブに移行することにより発生する経費も見込んだ持続可能な経費,あるいは金額が必要だと考えております。
 2点目は,運営団体,先ほど友添主査からも冒頭御説明いただきましたが,運営団体と実施主体の役割を明確にしていただきたい。本体16ページにも記載ありますが,その中に,役割を具体的に示していただき,地方公共団体と学校との役割分担をした上で,連携する必要があると考えます。その次の17ページにも記載ありますが,我々JSPO日本スポーツ協会の方では,本年4月から総合型クラブの認証制度をスタートしております。
登録クラブのうち,一定水準を満たした地域展開タイプの認証を受けたクラブは,運営団体としての体制を整えたクラブとなります。国としてぜひとも登録,認証制度を受けた総合型クラブの積極的な御活用を促していただければと,これはお願いです。
 3点目は,21ページに記載があります。これも昔から言われていることですが指導者の質の保障と量の確保ということで,現在皆さんのどの地域でも,全国的に指導者不足と言われております。各自治体が独自に資格を認定する傾向も見受けられますが,今後,県またぎの問題,あるいは広域的な活動や大会参加,ということも視野に入れるならば,指導者の資質にはばらつきが生じて,その格差が広がることが懸念されると考えております。今後,国が示していただいた「モデルコアカリキュラム」のような,全国で統一した公共性の高いカリキュラムをもとにした資格,例えば,口はばったいですが我々のところの「公認スポーツ指導者」などの資格との互換性を検討する必要があると考えております。
 4点目は,31ページ。大会の参加機会の確保についてです。これも,友添主査からもありましたが,中体連主催の大会への地域クラブの参加促進の取組が進んでおりますが,先ほども言いましたが,県またぎの問題やあるいは地域やブロックによって参加条件が異なるということも伺っております。スポーツ活動の単位が学校からクラブに展開する中,参加できない子供たちが出ないよう都道府県レベルだけに任せるのではなくて,国あるいは中体連が一定の方向性を示すことが必要だと考えております。
 最後に5点目,38ページですが,記載にある暴力,暴言のハラスメントの防止についてです。これに関しては指導者はもちろんのこと,生徒間,あるいは保護者のハラスメントに対する認識も含めて関わる者全てが正しい知識を持ち,撲滅に努めることが必要だと考えております。
 少し長くなりましたが以上で。
 
【小路座長】  ありがとうございました。それでは5点御指摘をいただきましたけど事務局の方からお願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,失礼します。まずは費用負担の話でございますけども,今回注釈でお示しさせていただいておりますが,我々政府の方でいろいろな調査を踏まえながら,それから自治体の皆様の声も踏まえながら,検討していくということを考えております。それから2点目,運営団体,実施主体の意味合いですね。注釈28で入れさせていただいたように,運営団体は,まさに管理部門と指導部門的にですね,一体として団体でやってることもあれば,別々に分けてやってらっしゃる場合もあると思います。このところをカテゴライズして混乱するよりはですね,誰が主体的にこの活動をしているのかというところでして,後の各論の組織のところでも書かせていただいてますが,一番大切なところは機能的に運営されるかという点と,責任がどこにあるかという所在を明確化するというところがポイントになると思います。概念的には注釈28のように整理をさせていただいておりますが,実態としてはそれに紐づく大事なところを見据えて検討していただくのかなというふうに考えております。
 それから登録認証制度ですとか指導者の制度につきましては,今までも連携をしてきておりますが,政府としてもJSPOの皆様とも連携をし,しっかりやっていくということを考えております。それから,大会については,まさにこれから大きなテーマになってくると思います。先ほど友添主査からの御指摘もありました,楽しんでやっていく大会というのもあるだろう,そういう意味では,今までの既存の中体連がやってる全中をどうしていくのかとかですね,どういう参加基準にしていくかとか,全国大会をどれくらい設けていくべきかとか,これ以外に競技団体がやっている全国大会があったりという中で,令和9年からは中体連の皆さんも見直しを図り,大会運営のあり方を変えていくという中で,決まり巾着で決めるというよりは皆様の意見,それから多分ブロックごとでもこういうふうにやっていったらいいんじゃないか,リーグ制がいいんじゃないかとか,トーナメントばっかりやって毎日毎日毎週毎週試合やってるというのがいいのかどうか,この辺りも含めて,もっと議論が現場レベルで必要かなと思っております。今の段階で国がこうしていきますというよりは,国はしっかりと関係者と意見疎通をしながら,適正な運営をしていくということが大切なんじゃなかろうかというふうに考えております。ハラスメントにつきましては御指摘の通りでございますので,我々の方でもしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
 
【小路座長】  よろしいでしょうか。
 
【森岡委員】  指導者の質の保証の点はいかがでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  今現状におきましては,都道府県,それから市町村,さらには大学の皆さんも一部関与しながら,それぞれごとの研修ですとか講習ですとかをやっておられ,それからJSPOさんの方で登録制度をしていただいているというところ,これをまさに各自治体で活用しながらやっておられます。地方公共団体で地域クラブ活動を認定しますというところがございましたが,それに向けて,政府も要件等を定めるという中で,こうした質の確保のあり方について,一定のやり方をしていくべきだということをしっかり検討して盛り込んでいくことを今のとこは念頭に置いておりますので,引き続きの御協力をよろしくお願いできればと思います。
 
【小路座長】  森岡委員よろしいでしょうか?はい。それでは原委員どうぞ
 
【原委員】  2,3御質問させてください。まずさっきの流れで,指導者の質的確保という項目なんですけども,JSPOさんを中心にですね,しっかりとしたカリキュラムがあろうかと思うんですけれども,私どもも,大学と民間で立ち上げた一般社団法人アスリートキャリアセンターという財団が学校教育と現場指導を絡めたですね,指導者カリキュラムというのを体系的に整備をし,地方自治体と連携をして地域の民間の指導者の方,指導者候補の方にですね,教育活動させてもらっております。具体的にはもう4,5,6の自治体と提携させて現在進めているところでございます。
 一方でやはり民間で立ち上げたものですからこれは果たして国のお墨付きがついてるのか否かというようなことをおっしゃられてちょっと提携までいかないというケースもございます。ですから一定のですね,水準基準を設けていただいた教育カリキュラムにつきましてはですね,JSPOさんまではいきませんけども,一定の認定競技団体と認定教育カリキュラムというような認定をいただければですね,より全国に広がってくるのかなというふうに思っている次第でございます。ぜひ御検討いただければと思います。
 2点目がですね資料1-2のページ4のところにですね,中学生3年を境にですね,引退しその後の運動習慣がなくならないようにするためにどうするかということだと思うんですけども,スポーツ,文化活動を行うことが心身ともに成長に寄与する良いことだということを前提にお話をさせていただきますとですね,今現在は中学校のクラブ活動は,ある意味半強制的にですね全員が参加するように指導されてるんではないか。それは先ほど言いましたように,心身ともに成長に寄与するからという大前提があろうかと思うんですけども,この地域スポーツ移行されるとですね,そもそもスポーツをしなくなる傾向になってくる可能性も出てくるのかなというふうに思うんですね。
 そこの歯止めを国としてどう捉えているのかっていうような点,そしてもう一つはスポーツはやはり流れで活動する。流れというのは自分の成長が高校,大学,そして実業団と成長していく過程を自分自身で見ていきたい。また上位団体により魅力のある大会があるから継続しよう,というような流れでですね,スポーツを続けるという傾向が一定数あるんではないかなと思うんですね。例えば私の専門は駅伝でございますので,男子の方は箱根駅伝というものがありますから,競技者の減少が最低限に抑えられている。一方で女子駅伝につきましてはですね,中学生まではやってるけども高校大学と競技を続ける人がかなり減っている。例えば高知県で言えばもう2チームしかなく予選会を開けないというような実情があるわけなんですね。そういう意味合いで,上位団体のような流れの中で活動していくということなので,例えば経済特区というような意味合いと同じような感じでスポーツ特区というような形でですね,例えばメジャーなスポーツであれば箱根駅伝あるいは甲子園,あるいはマイナー競技団体におきましても,1つスポーツ特区に任命認定してですね,シンボル的なものを作っていく。例えば箱根駅伝だったら公道走りますんでですね,いろんな毎年毎年許可をですね,得ながら進めていかなきゃいけないんですけども特区というような国のお墨付きがつけばですね,そういった,ある意味煩わしい許可がですね,ない中で,ある意味未来永劫続けることができる。結果として流れの中でですね,競技人口が減らないスポーツが行えるというようなものが何か出てくるのかなというふうに思っております。
 最後にもう1つが,概要4-3の活動場所の確保ということなんですけども,やはり私も58歳でありますけども,若かりし頃は地域の小学校中学校を自由に使えて,遊び場,あるいはスポーツの場が確保されてたわけなんですけども,現段階,特に都内におきましてはですね,学校の土日開放あるいは放課後開放というのがないのが実態ではないかなと思っております。
 これをどう今後使えるように仕向けていくのか,いやいやもうそれはもう駄目なんだ,これ流れ的にはどっちなのかなという,逆に質問でございます。以上よろしくお願いしたいと思います。
 
【小路座長】  はい,3点ありがとうございました。事務局の方からお話ございますでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,1点目の点につきましてはまた,ちょっと具体な話だと思いますので,教えていただきながら検討したいと思います。
 2点目,おっしゃる通りで,生徒保護者の理解というところに記載をさせていただいているのですが,35ページですかね。いろんなストーリーが,ここは大事かなと思っております。学校で部活動を放課後やる,この手軽さというのが,まさに子供たちが半強制的にやってたと言われるようなときもあるぐらい,みんなが参加してきた。それはなぜかというと学校教育活動の中で,授業終わった後にそのままそこが使えるから,その時にやりたい活動があって参加するという流れの中で,ある種の居場所として息づいてきたところもあると思います。こうした中で今回,その実施主体を変えて地域クラブ活動になっていた時に,御指摘のようなスポーツ離れですとか,文化芸術活動離れということが生じないように,しっかりとその学校の中で,これこそ連携だと思うんですが,これからの部活動は地域クラブ活動こうなっていくんですよ。それから,こういう体験ができるんですよ,っていうトライアルも含めてですね,オリエンテーションとして学校の中でやってもらうというのが一つ大切だということで,ここに記載があると認識をしております。それからもう一つは,どういうふうな活動ができるのかということを,しっかりとお伝えをするという場,これは学校とも連携しながら,まさに教育委員会とも連携しながら伝えていくということは一つ大切かと思います。
 それから大会に紐づいた競技の継続性,これはいろんなパターンが考えられるので,まさに箱根駅伝とかというと,トップアスリートになると思います。その層の子たちはそういうところで目指す。でも,走るのを楽しむ子たちは,多分市民マラソンであるとか,10キロマラソンから始まるものであるとか,こういったところから入ってくるかなと思いますのでもう少しここは丁寧に,競技団体と一緒になって考え,主体的に各者が考えてあり方を検討する必要があるんじゃないかなと思います。私が聞いてる範囲での情報で申し上げれば,いわゆるそのトップで頑張りたいというだけじゃなくて楽しみたいという子も一定数いるという話も聞いておりますので,こうしたことを踏まえたあり方というのを考えていく必要があるかと思います。
それから場所でございます。場所については,3番目で,26ページに記載をしておりますが,活動としては学校が主体とする活動ではないですが,部活動でやってきた場所っていうのが,地域移行すれば空きますので,それは積極的に学校の施設を使ってやっていく。多分,文化の方はさらにその傾向が強いと思いますけれども,有効活用,さらにはここにありますように使用料の減免等の促進というものも,しっかり自治体の方で考えていただければというふうに考えておるところでございます。
 
【小路座長】  原委員,どうぞ。
 
【原委員】  地域移行しても,授業が終わったらもう出て行けっていうわけではなくてそのままグラウンド,あるいは文化活動だったら音楽教室,そういったものを一定の時間をキープしながら,活動がその場所でできるというような考え方でよろしいですかね。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。ここはですね,まさに教育委員会であり地方公共団体の皆様の対応がまずは必要で,利用にあたっての規則が,具体的にあると思います。今回提言に入れていただいていますように,いわゆるどんなとこでもっていう話ではなくて,今回部活動から地域クラブ活動に変わったとこは認定をしましょうという話になってますので,そこがターゲティングされてますので,そこについては,対応をしっかりと自治体の方で取っていただいて,使えたり,減免されたりという規定を設けていただくということの上で,そういったことが可能になるというふうに考えております。
 
【原委員】  はい,ありがとうございました。
 
【小路座長】  よろしいでしょうか。はい。それでは関連する関係で,友添座長代理から御発言があるということですのでお願いいたします。太田さんちょっとお待ちください。
 
【友添座長代理】  ありがとうございます。ちょっと今,原委員のお話に関して補足になるのですが,実は地域スポーツクラブ活動ワーキンググループで議論をする中で,子供のスポーツに対する価値意識が非常に多様であるということで,競技志向のお子さんから,他方競技志向よりも交流を目的にしたり,楽しみ志向を強く持っている生徒も少なからずいることを受け,素案では地域スポーツクラブは多様な形でという,書き方をしています。現実的には例えばNFが,あるいはプロのJリーグだとかBリーグだとかこういうところが地域スポーツクラブを地域に作っていく,参入してくるということも当然考えられるでしょうし,むしろ,そういう形でいくと,多様という中身というのは文字通り様々な目的や志向をもったクラブを指していて,そういったクラブもあっていいということだと思います。今後,地域スポーツクラブ創設の手引きみたいなものを作って,こういったクラブのさまざまな形をお示ししていってはという議論もありました。現状では,新しい地域クラブをどう作っていいのかわからないとか,自分たちのやってる実践が本当にこれに該当するのかどうかよくわからないという方々も多くいらっしゃるので,そういう手引きを作ることで,地域で競技志向の生徒をちゃんと受け入れていくような,あるいは障害のあるお子さんをインクルーシブな形で受け入れていくような,次の段階としては,そういったものをお示していかなければいけないだろうと思っています。
 以上です。
 
【小路座長】
ありがとうございました。それでは新潟県の教育長の太田勇二委員,オンラインが繋がったようでございます。
 
【太田(勇)委員】
ありがとうございます。先ほど申し訳ありませんでした。4月から新潟県の教育長を務めております太田でございます。よろしくお願いいたします。
先ほどの議論で,学校外の活動と,それから部活動の関係性,それから費用負担の課題が議論されいてたと思うのですけれども,そもそも地域クラブ活動自体を,教育的意義を有する活動ということで位置づけるのであれば,例えば,受益者負担という概念がどうなのかなということを思っております。誰もが平等にスポーツ,文化芸術活動に参加できるのかどうかというところに,受益者負担の概念が入ることによって,そこが担保できるかというのは少し危惧をしております。もちろん所得の低い層,世帯に,セーフティネットをはったり,という技術的なものはあるとは思うのですけども,今後,費用負担のあり方を検討整理していただく中で,こういった視点もですね,加味して慎重に議論いただければなというふうに思っております。
 以上でございます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。
 先ほどの受益者負担に関連してのお話ですけども,事務局の方からございますでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,ありがとうございます。御指摘の点,非常に丁寧に議論をし,さらに緻密に検証しなければならないと思っておりますが,現状,我々が把握している調査においても,一定程度の額を受益者すなわち保護者,が負担をしているという現状がございます。
 そうした中で,今後,地域展開をしていく上でどれくらいの負担が妥当であるか,これは整理をしてお示しをしていきたいというふうに考えております。経済格差が機会の格差にならないようにという点は踏まえながら対応するということだと思っております。
 
【太田(勇)委員】  ありがとうございます。
 
【小路座長】  太田委員よろしいございますでしょうか。はい,ありがとうございます。
 それではどうぞ,渡邊委員。
 
【渡邊委員】  はい。5ページ地域クラブの活動のあり方という,5ページの一番下の丸になります。説明でもございましたが,これからいろんな活動が増えていく中で,地域クラブとの区別,または質の担保の観点から,国として地域クラブ活動の定義,要件,認定方法等を示した上で,地方公共団体において認定を行う仕組みを構築していく必要があるとあります。国が示すまでそれを待っている都道府県も,もしかしたら,あるのかなというのが気になっているのと,さらにですね,既に先行している自治体としては,もう既に市町村で地域クラブの定義化を行い,そして公認クラブの公表というところもやっていると,当市もそうなんです,もう既にやっている事例がございますので,そういった実例,実践,事例等も提供しながら,ちょっとスピード感を持ってやっていかないと,混乱するのかなというのが一つあります。
 それからちょっと言葉の使い方なんですけど,障害のある生徒の活動機会の確保で,放課後デイサービスとなっていますが,正式名称は放課後等デイサービスではないかなと思いますので,お願いします。
 
【小路座長】  2点についてお願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  1点目については,まさにおっしゃる通りで,この会議が終わり次第,我々も可及的速やかに検討に入りたいというふうに考えております。まさに着手を待ってらっしゃるところもあるかもしれませんので,急ぎたいというふうには考えています。表記の点については担当に確認して整理させていただきます。
 
【渡邊委員】はい,ありがとうございました。
 
【小路座長】  よろしいでしょうか?はい。それでは諸橋委員ですかね。お願いいたします。
 
【諸橋委員】  おまとめありがとうございます。1点だけ,先ほど原委員の方からもあったんですけれども,この6番の各論の部分,保護者との関係の理解促進という部分ですね。先ほど体験会などをやるということで,今後も,学校とはずっと連携した形で,離島などは連携せざるを得ない状況もありますし,連携した形でやっていくのですが,やはりそうなったとき,学校の先生方の理解というか,地域地域において,学校の先生にお願いすることってまだまだたくさんあると思っております。やはり学校からの親御さんたちへの情報発信力だったり,説得力だったりという部分においては,いくら地域スポーツクラブのクオリティが上がったとしても,なかなかその新しい情報に対して意欲的にという部分が難しい可能性があります。そうなったときに,今,働き方改革で,学校でチラシを配れないところがたくさん出てきてます。ただし,それは,先生たちの働き方改革の中身の問題だと思うんですけれども,関係者からのヒアリングにも書いてありますけれども,子供たちのために,この改革が行われているということを前提として,その働き方改革のあり方も改めてこの移行期においては見直す必要があるのかなと思ってます。ついては,今やっていただいてないことも,学校側に要請してお願いすることをしていかないと,なかなか地域と学校のギャップを埋めていくのは難しいかと思っていますので,ぜひ御検討ください。
 
【小路座長】  はい,事務局の方いかがでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,貴重な御指摘ありがとうございます。まさにおっしゃる通りで,先駆的に取り組まれている自治体の皆様の方が多分,その感触を御理解というか,体感されてると思いますけども,まさにどういうふうにやっていくか。これは右脳の世界,今まで親世代がやってきてないことを子供たちの場で環境を変えることになるので,どうなるのかみんながわからない状況になっています。ですので,忍耐力を持ってといいますか,私はいろいろお話を聞いて石の上にも3年ですねっていう話をよくするのですが,やっぱり1クールなり2クール理解されないと,どういうやり方をしていくかっていうのは本当に伝わらない。こういう中で,やっぱり学校の皆様にはそんなに大きな負担をかけて新しいことをしてくれというよりは,学校活動の説明会というのは常にあるわけで,そういう中でしっかりと伝えていただく。初中局とも連携しながらやっていますけれども,初中局の働き方改革は,いかにその必要な業務に集中できるように見直していくかということですので,やるべきことはしっかりやっていただかなければいけないということだと思っております。そうした中で学校ともしっかり連携しながら,定着化を図っていくということを進めていきたいというふうに考えております。
 
【小路座長】  よろしいでしょうか?それでは金﨑委員。
 
【金﨑委員】  はい。ありがとうございます。各論の7なのですが,事故や暴力暴言等の不適切行為の防止というのがございますが,ここで想定されている暴力暴言というのが大人から子供へというような方向性なのかなというふうに思っているのですが,実はいじめということも,この中に想定としてあった方がいいかなと思いますので,ここに一言文言を書き加えていただくといいのではないかというふうに思います。
 以上でございます。
 
【小路座長】  文言の方は。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。皆様の御理解をいただければ,検討させていただきたいというふうに考えております。
 
【小路座長】  よろしいでしょうか?はい。それでは須黒委員どうぞ。
 
 
【須黒委員】  須黒清華です。この度はおまとめいただきまして誠にありがとうございました。先ほど諸橋委員からもあったのですけれども,各論の6番の関係者の理解促進というところで,例えばなんですけれども,保護者の視点から言いますと,自分の地域とかで活動ができるとか部活で関われるような,運動ですとか,音楽の活動が一覧で見られるようなものがあったらとてもありがたいなと思いました。というのもやっぱり,学校の部活動というのは今までは一覧になっていたので,もしかしたら駅伝をやりたいとか,野球をやりたいって入ってくる生徒もいれば,この学校ってこれが強いんだ,柔道が強いんだとか,あの音楽をやっている先輩を見て,あ,かっこいいからやってみよう,みたいな,その触れ合う機会を与えるっていうのも学校の役割の一つだったのではないかなと思うので,自分からもちろん調べていくという生徒も一定数いるとは思うんですけれども,調べなくても,例えば部活動改革のポータルサイトのようなところで,自分の地域をポチっと押すと,自分の周りで体験できる部活動だったりとか,こういう音楽活動に参加できるよというのが一覧で見られるようになっていると,参加できる機会というのも増えていくのではないかなと思いました。既にやられている地域などもあるかもしれないのですが,全国的にそれができるようになると,とてもいいのではないかなと思いました。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございます。何かお話ございますでしょうか。
 
【大川地域スポーツ課長】  今回,地域展開したときに,情報を一元的に持つのは地方公共団体になると思いますので,教育委員会であったり首長部局の皆様であったり,連携しながらそういったサイトが作れるようにしていくということは非常に重要だと思います。ちょっと具体なので,ここに記載するかどうかはまた御相談しますけれども,政府の方では配慮しながら対応していきたいというふうに思います。
 
【須黒委員】  はい,ありがとうございます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございます。それでは河合委員,どうぞ。
 
【河合委員】  ありがとうございます。日本パラスポーツ協会の河合です。
 この度のおまとめ本当にありがとうございました。部会等でも議論いただいた中で,障害のある子供たちについては大前提として分け隔てなくするんだということをまず記載いただいたことに,心からお礼を申し上げたいなと思っております。その上でなのですが,最近私も地方自治体の関係者の方とお話をした際にですね,部活動の地域展開に向けた,都道府県や市町村レベルでの会議等にも,障害者スポーツ,パラスポーツの関係者がいるけれども,なかなかこの大前提に書いてあるというこの中間まとめ等を読みながらも,各論の議論をする中で,なかなかやっぱりそれを皆さんが認識しながら進めていただけなくてすごく困っているんだという声もございます。こういった行政文書で書く際に,そこに書いてあるものを反映しながら,次の各論もという思うのが当たり前と思っている,ここにいらっしゃる皆さんはそうなんですけれども,あるいはここにいらっしゃる自治体の教育長さんや首長さんの皆さんはそういうふうに言って,支持をいただいてるのは承知してるんですけれども,そこにやはり入れていない自治体であるとか,そういうところまで伝えて届けてそれらがしっかりと反映されての,この我々の理念が伝わったという部分かなと思いますので,記載の更なる充実が良いのか,伝え方として,本当に,より明確にこの部分をお伝えいただくようなことをしていただくなど,伝え方なのか,書き込み方ののかもう一度,これまでもワーキング等でも意見をしてきましたけれども,工夫するよう御検討いただければ幸いかなと思います。
 以上です。
 
【小路座長】  はい。この辺についてはいかがでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  今御指摘いただいた点,担当課ともちょっと確認はしますが,個別の課題というのが,このまとめレベルなのか,もうちょっと現場レベルなのか,精査しなければいけないと思いますので,ちょっと確認した上で,おまとめいただきましたあとにはですね,地方公共団体の皆様には,当然のことながら,関係団体含めてしっかりと周知をして,こうした方向で進めるということを徹底したいと思っておりますので,その辺りの伝達はしっかりしていきたいというふうに思います。
 
【小路座長】  一応,この最終とりまとめ素案ということでありますけども,この方向性として,特に再論議をするというような御指摘御意見ではないというふうに承ればよろしいでしょうか?はい。座長代理お2人から何かございますか。特にないですか。
 それでは他にございますでしょうか?はい木村委員どうぞ。
 
 
【木村委員】  私自身ワーキンググループの中に入って様々な議論をさせていただいたところでございますが,非常に多岐にわたり盛り込まれて,非常にわかりやすい最終とりまとめになり,感謝申し上げる次第です。まだまだ改革を進めてない自治体も多い中で,第一歩を踏み出す大きなきっかけになってくれるんじゃないかなというように思っております。それから私ども基礎自治体の立場として,先ほどから保護者理解ということは,やはり一番大きなところでございますが,今回,スポーツ庁の室伏長官の約7分間の動画を保護者や指導者に見ていただきました。非常にわかりやすく好評で,これをぜひ各自治体にもPRしていただければありがたいかなというふうに思っておりますし,それから今回最終とりまとめの,「はじめに」はまだ空欄になっているわけですが,国の本気度をしっかりと示す,そういった内容にしていただければありがたいかなと思ってる次第です。
 それからですね,やはり保護者理解を進める上で,先ほどから出てまいりましたが,保護者負担の問題でございます。「金額の目安等を示すことを検討」というようになってるんですが,私ども自治体としては,公的負担と受益者負担の割合がどの程度なのか,その後に金額の目安が出てくると思いますので,全体としてどれくらいの割合が保護者負担なのかが非常に気になるわけでございます。ぜひ保護者負担軽減の観点を踏まえた,適切な負担割合比率を示していただくことで,各自治体の理解も進みやすいと思いますし,部活動改革が円滑に今後行われるというように思っている次第でございます。
 以上です。
 
【小路座長】  受益者負担については先ほどから出てますけど,補足でございますでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。御指摘の点,とても大切な点だと思っております。今後,予算のプロセスもございますし,様々な局面があると思いますので,しっかり検討していきたいというふうに考えています。今の段階でちょっとまだ,具体に申し上げるスケジュールではなくて申し訳ございません。
 
【小路座長】  あくまでも先ほども事務局の方から説明ありましたように,所得格差,地域格差によって不平等にならないように,ということが理念の柱の一つでもあろうかなというふうに思いますので,それを踏まえて負担については詳細を御検討いただくと思いますので,そのように御理解をいただければというふうに思います。
 
【木村委員】  ありがとうございます。
 
【小路座長】  それでは益子委員どうぞ。
 
【益子委員】  JSPO日本スポーツ少年団の益子直美です。
 素晴らしいとりまとめの資料,本当にありがとうございます。私自身は子供の現場,スポーツの現場からハラスメント,暴言暴力をなくす活動をずっとやってきていますので,この資料の中にたくさんハラスメント撲滅という言葉が入り,非常に嬉しく思っています。日本スポーツ少年団でも勝利至上主義を否定し,子供たちがスポーツを心から楽しむことができる機会を提供することを示しています。また,知らない方もいらっしゃるかもしれませんが,私が主催する「監督が怒ってはいけない大会」という,小学生のスポーツの大会を開催して,この3月で10年間が終わりました。なかなか活動が進まず,怒る指導者さんも多く,たくさんの子供たちがスポーツから離れていってしまっている現場を見てきています。本当にコツコツとメンバー3人でやってきまして,非常に広めるのは難しいなと実感していたのですが,10年目にして昨年の夏,小学生のバレーボールの全国大会で,第1回目から参加してくれているチームが,全国初出場初優勝をするという,そんな嬉しい出来事がありました。その監督さんからは,優勝した後にすぐメッセージが来て,「怒らなくても勝てました」というメッセージが来ました。ですので,コツコツやってきた甲斐があったな,と思っています。ただ,ただ本当に時間のかかる作業だなと。まだこれからも,もう少しやっていかないといけないなと思っていますが,昨日のJSPOの理事会で,相談窓口に寄せられた相談件数が,過去最高の536件でした。もちろん,この指導はおかしいというのが,一般的に理解されてきて相談しているということがあるとは思いますが,私としては,こうやって個人でコツコツやってきて時間がかかっていたので,こうした大きな改革のときに,さらにたくさんの方たちに知っていただく機会になるなと思っています。先ほど木村委員もおっしゃっていましたが,最初の「はじめに」というところの空欄ですが,まず,スポーツ,文化芸術活動が,子供たちにとって楽しいもので,持続可能になるような,前向きな言葉がすごく載るといいなと考えます。そして中学生世代だけではなくて,たくさんの大人の方たちにも広まるような,アプローチできるような,そういう改革になってほしいと思っています。
 以上です。
 
【小路座長】  はい,貴重な御意見ありがとうございました。事務局の方から何かございますでしょうか。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい。素晴らしい取組をされて素晴らしいなと思いました。こうした取組が,このまとめを機会に広がっていくことを,我々も積極的に進めていきたいというふうに考えております。
 
【小路座長】  この辺はアスリートの金メダリストである長官と,それから監督で,偉業を成し遂げている原委員に一言ありましたらお話を頂戴できればありがたいなと。長官いかがですか。
 
【室伏スポーツ庁長官】  はい,ありがとうございます。原監督の前に失礼します。原監督もあれですよね,勝ってる人だけを褒めてるわけではなくて,負けても褒めてたりとかですね,勝っても怒ってというと言い方があれですけども。勝利至上主義の話もあります。それは,よく私こういう説明をします。1番の子と,2番の子3番の子がいて,2番の方が一番嬉しい,嬉しくて喜んでるという写真があります。それを1番の人はなんで私が1番なのに,こいつは2番なのに喜んでるんだみたいな嫉妬をしているような写真があります。何が言いたいかと言いますと,我々の勝利とか,勝ちたいとか,取り組んでいることは,自分の心の中の満足感,自己肯定感にやっぱりあるもので,決して順位だけで作るものではなくて,1番であろうと何番であろうと,やはりそこに全力で尽くしたというところを,指導者が認めていくことをしなければ,勝てば何でもいいみたいな話になってしまいますので。勝つこともいいと思いますけども,素晴らしい指導者もたくさん今出てきてますので,こういった地域展開をしていくときに,おそらく良い展開ができてくるんではないかと思います。益子さんのこれまでの活動,本当におめでとうございます。ありがとうございます。
 
【小路座長】  原委員どうぞ。
 
【原委員】  長官の後に大変恐縮でございまして,一言お話させていただきますと,都のですねスポーツ委員会の中でも,この楽しむという議論が出るわけなんですけども,一歩間違えるとですね,何か仲良しレクリエーションに,愉快に漫才を見て楽しいというのに置き換わる可能性があるんですね。そこで楽しむというのは,多岐にわたるそれぞれの多様性の中の目標に応じて楽しむ。ある人はトップを目指す過程の中で勝ち上がる,この楽しみもあるし,競技そのものを楽しむこともあるし,仲間と楽しむということもあるので,楽しむという言葉がですね,ちょっと違う意味に捉えられないようにここは注意をしていただきたいというのが一つでございまして。もう一つは,道徳的な,あるいは命に関わるようなやらかしたことには,それはビシッと厳しくですね,しつける,ある意味しかり飛ばす,という道徳感の欠如の若者に対しては厳しくやっていくっていうのは,これはぜひ僕はやってほしいと。そこも楽しく,いいよいいよ大丈夫だよ,というのは違うというところでですね,ちゃんと整備をしていかなければいけないことだと思います。ただ,特に,アタックナンバー1世代で我々は生きてますので,バレーボールの世界でもう地獄のようなトレーニングが多分,あろうかと思います。その意味合いで多分取り組まれてることだと思いますので長年の御努力に敬意を表します。おめでとうございます。
 
【小路座長】  ありがとうございました。ちょっと私もお二方のようにトップを極めた人間じゃないのですが,経営者,経済人の人間なのですが,やっぱりスポーツ,文化芸術を通じましてですね,一時的,画一的な教えというふうにならないで,やっぱり,個を磨き育むというような地域展開の活動になっていくことが望ましいのではないのかなというふうに思うのが一つと。それからやはり益子さんも血を吐くような御努力をされてこられたと思いますけど,ある程度やっぱり苦労っていうのは中学生であろうとも,人間を成長させるために,通らなくてはいけない道なので,文化芸術を楽しむとともに一定の苦労を乗り越えるような場面で指導していく,ということもあろうかなというふうに思います。それから,単に教えるだけではなくて,中学生を中心に,やっぱり自らが探究心を持って自ら学びの道を探していく,受身ではなくて自ら,ということが必要になってくるかなと。
 そんなところを,ちょっとお二方なり,益子さんのお話を聞いて感じました。ありがとうございます。どうぞ。
 
【益子委員】  すみません。今日はたくさんの方がいらっしゃるので,せっかくなのでちょっと補足させていただきたいのですが,「監督が怒ってはいけない大会」では,何でもかんでも怒っては駄目ではなく,しっかり線引きをしています。ルールマナーを守れなかったとき,取り組む態度,姿勢が悪かったとき,いじめや悪口を言ったとき,命に関わる事故に繋がりそうなときというのは,しっかり大人の指導者の皆さんに介入してくださいね,と伝えています。怒ってはいけないのは試合中のミスというところで,線引きをしています。やはり楽しむというところはすごく難しく,ずっと議論をしていて,私達の大会も10年経っていますが,やっぱりこれはちょっと違うよねということをどんどんどんどんアップデートして変えてきています。補足だけさせていただきました。
  
【小路座長】  ありがとうございました。それではこの素案そのものについてでも結構ですし,また今,御指摘の御意見をいただいたように,これに関連したことでも,せっかくの機会で御意見を共有するということも必要かと思いますので,何かありましたら。
 オンラインで柳沢委員から挙手が出ておりますので,柳沢さんお願いいたします。
 
【柳沢委員】  はい。全国スポーツ推進委員連合の柳沢でございます。地域全体での連携体制について,2点ほどお聞きしたいのですが,連携体制を作るということで多様な団体の名称等が挙がっています。具体的にどう動いていいのかというような質問がたくさん出てくるような気がします。進行中の取り組み事例を見てくださいでいいのか,あるいはこんな取り組み方をして欲しいとか,誰にリーダーシップを取ってほしいとか,そのような方針はあるのでしょうか。それともう一つは,コーディネーターという言葉が出てくるんですが,スポーツ推進委員への期待の中でも連携調整とかコーディネーターの役割が強調されています。地域展開で使われているコーディネーターという役割の中身がどういうものなのか,その違いがよくわからないなということと,コーディネーターの資質をどのように考えて,その次の課題にあがっている人材養成の中でどのように育成していくのかという見通しがあれば御示唆ください。コーディネーターの役割あるいは具体的な人材像,そして,期待される資質,養成の仕方等について何か議論がありましたら教え下さい。よろしくお願いします。
 
【小路座長】  それでは事務局の方からよろしいでしょうか。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,ありがとうございます。まず最初に連携の御指摘がございました。どこがスタートでというのは多分それぞれのケースがあって,例えば学校サイドから部活を地域移行する,そしたら教育委員会に話が入ってどうするか,もしくは自治体首長部局であり教育委員会での音頭の中で,みんな集まれということもあると思います。まさに今現状としては,ほぼ全ての自治体において,そうした協議会の中でのまず議論もあれば,そこから派生する個々の団体同士の議論というのもあると思います。着手にかかればですね,まず関係者のお話し合いがなければ,物事が動きませんので,自然発生的には起きてくるかなというふうに考えております。それからコーディネーターの役割について御指摘いただきました。まさに行政,学校,関係団体を繋ぐコーディネーターという意味においては,この人たちじゃなければ駄目という資格要件はございませんが,スポーツ協会の皆様ですごくそういう関係団体との関係性が深くコミュニケートするツテを持ってらっしゃる方,もしくは退職校長で学校と競技団体,それから教育委員会を繋げるような方,こうした方々がどういうふうにそれぞれ場所をコーディネートするのか,指導者をコーディネートするのか,運営団体をどこにしようか,運営団体と実施主体をいかに繋ぐか,これ本当にキーパーソンになってると思います。まさに先駆的に取り組んでいらっしゃる自治体の皆様が何とかして見つけ出されて確保されていると思いますけれども,こうした様々な方々が想定されますが,ざっくり申し上げれば,今申し上げたような要素をしっかりと繋げる方というのがコーディネーターの大きな役割かと思います。御知見は友添主査が一番よく御存知かと思いますけれども,もし御指摘があればお願いいたします。
 
【友添座長代理】  ありがとうございます。今,大川課長の御説明の通りで,もう少し具体的に言うと,基礎自治体,これは多分佐藤委員先生が一番よく御存知だと思うのですが,基礎自治体の中で3つぐらいの中学校区を束ねていくコーディネーターの人たちがいて,その上に県に1人の総括コーディネーターという,コーディネーターを束ねる総括のコーディネーターを置くという形で,これは多分JSPOのクラブマネージャー,クラマネと言われている人たちが兼務したり,あるいは今大川課長がお話になられている,教育委員会それから現場の中学校や地域,こういったところと連携をとらなければいけないので,地域にも精通され御退職になられた校長先生がされている場合もあるかと思います。また,専門業者の方が総括コーディネーターをされている県もあるというのが現状です。
 以上です。
 
【小路座長】  ありがとうございました。それでは柳沢委員よろしいでしょうか?
 
【柳沢委員】  はい,ありがとうございました。
 
【小路座長】  はい,どうぞ。
 
【太田(敬)委員】  日本PTAの太田です。PTAの代表として来ておりますが,私も日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者の資格を持つ,地域のスポーツ指導者の1人としてなんですけれども,これから私達のような存在がそういう,いろんな大会に指導者として公式的に参加できるようになるという取組が進んでいくと思うのですけども,概要の4ページの5のところです,大会に参加する生徒への支援,交通費宿泊費の支援という文言があるんですけども,私達のような地域のスポーツ指導者の交通費というのが,どこからどう出るのだろうかということです。もう既に中体連とかに,クラブの指導者が出れば参加できるようになっているのですけども,例えばブロック大会とか全国大会に選手が行った場合に,選手はいろんな支援があるのかもしれないのですが,指導者の旅費等の支援というのが,文言の中でどこにもちょっと検討するみたいな言葉が私は見つけきれなかったので,できればそういう,地域スポーツ指導者の大会参加の際の旅費の支援とか,そういうところも検討材料として,文言に追加していただけると大変ありがたいなというふうに思います。
 
【小路座長】  それでは事務局の方いかがでしょうか。
 
【大川地域スポーツ課長】  運営団体の皆様が,その全国大会,例えば全国大会に出場する際に,引率なり連れていくときの費用負担等については,まずは,この地域移行,地域展開全体に関わる経費のあり方,先ほど申し上げた受益者負担,それから公的負担の中でどうできるのかは,さらに整理をしなければいけないというふうに考えております。地方公共団体の方で,負担ができるのかどうか等々,実例も踏まえながら検証しなければいけないかなというふうに思います。
 
【小路座長】  御意見を踏まえて,今後具体的に検討するということでさせていただければと思います。よろしいでしょうか?はい金﨑委員どうぞ。
 
【金﨑委員】  はい,ありがとうございます。今の件ですけども,本町の事例の一つとして御紹介いたしますが,大会につきましても中体連が主催する大会につきましては,地域スポーツ活動,地域クラブが出場した場合には教育委員会の方で全てをバックアップするというふうなことを行っております。また,NFだとかあるいはですね,各競技団体が行うものについては,それぞれのですね,活動の中で支出をしていくというふうなことでやってますので,住み分けをしていくとそういう形も出来上がるかなというふうに思っております。また今後の各自治体の課題になるかもしれません。
 以上でございます。
 
【小路座長】  ありがとうございます。では他にございますでしょうか?石津谷さん,どうぞ。
 
【石津谷委員】  全日本吹奏楽連盟理事長をしております石津谷と申します。私,地域移行に関して,令和4年の会議も出ておりました。そのときの会議から,重要なポイントとして3つ,お金,それと人,それと場所,この3つがないと,この移行はうまくいきませんよっていう話を令和4年からずっとしてました。今回この会議で各論を見させていただいて,2番のところで,大学生の活用促進とか,希望する教職員の兼職兼業をという言葉がまず出てまいりました。これに関しましては,人を何とか確保するという意味において,非常に勇気づけられる文言で,これすごくありがたいなと思っております。それと,施設のことも,前々からだいぶ言っていたんですが,3番のところで,学校施設等の有効活用,自治体が協力すると書いていただけたので,これも非常にありがたい。音楽をやる身として心より感謝申し上げます。最後のお金でございます。先ほどから受益者負担等のお話が出ていると思いますが,とにかく音楽関係はやたらお金がかかる。楽器一つ買うにしても,今はもう物価高の中で楽器の価格が以前に比べて1.5倍ぐらいになったりとか,メンテナンス,維持費にかかるお金,楽譜の購入代とか,人件費以外の面でかなりお金がかかります。先ほどからなるべく負担が不平等や不公平にならないようにというお話を伺ってるので,多分,国の方でもだいぶ考えてくださるんじゃないかなという期待が膨らんできたんですが,実は世界の水準で見てみますと,日本の文化行政に関わる予算は非常に少ないです。欧米と比べてももう全然少ないですし,なんと日本の文化予算はお隣韓国の文化予算の3分の1しかないというお話をこの前聞きました。厳しい中ですが,せっかくこうやって改革が始まっていますので,何とか予算の獲得をお願いしたいと思います。特に音楽だけを優遇しろなんていう気は毛頭ありませんが,そのあたりを御配慮して頂き,音楽活動への予算の措置とか,財務省さんにもっと言っていただくとか,ぜひ国の方で先頭になってやっていただけると,音楽の地域展開も,スムーズにとはいかないとしても,だいぶ前に進んでいくのかなというように自分なりに考えておりますので,何卒よろしくお願いしたいと思います。
 
【小路座長】  事務局の方でございますでしょうか?
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,御指摘ありがとうございました。お金につきましては先ほど申し上げました通りでございますが,地方公共団体の皆様,これからお金だけではなくて,まさにまずはやる気が大事だと思いますので,現場が動くぞというときには,我々はしっかりと支えていくというのが役割だと思いますので,このおまとめいただいた方向を踏まえて,具体的に地方公共団体の皆様であり関係の皆様がどういうふうに動いていくかということをちゃんと整理をしながら,さらに予算について検討していきたいというふうに考えております。
 
【小路座長】  以上でよろしいですか。はい。お金の話はかなり出てると思うのですが,この有識者会議で共有できたらと思うのは,当然,受益者負担の負担額をどうするかというのは非常に大事なことだと思うんですね。この負担額の割合をどうするかということと併せて,やっぱり今回の趣旨というのは不平等にならないと,所得格差,地域格差によって不平等にならないということを優先して考えるということがあるのではないのかなというふうに思ってますので,それぞれの格差によって受益が不平等にならないということを委員の皆さんに御理解をいただければありがたいなというふうに思います。ちょっと補足として申し上げておきたいと思います。
 
【小路座長】  それではオンラインの上村さんどうぞ。
 
【上村委員】  はい,よろしくお願いします。お世話になっております。私から意見というかお礼が3点と,あと質問を2点させてください。
 まず1点目が,基本的な考え方の8ページの一番上のところですけれども,受益者負担でその全国的なあり方をどうするかというところで,国そして都道府県,そして市区町村というところまで明記いただいてるところ。前回ここもお話したところではあるんですけども,しっかり国民の皆さんにも支えていただくというところをちゃんと明記いただいてありがたいと思いました。
 2点目,各論の指導者のところで先ほどもお話出てましたけども,希望する教職員の方々のとこです。前回の会議の中でも,「私は中学生にこのスポーツ,この文化を教えたいから先生になったんだ」という先生方もいらっしゃるので,その方々を働き方改革の名のもとに外してしまうのもな,というところが当市の中でも非常にありましたし,もっと言うと,うちの町だと先生方の御協力なくして指導者の確保ができないぐらいですから,その点も明記いただいてありがたかったです。
 あともう1点が,交通手段のところです。当市もスクールバスを活用して,合同部活動の要素も非常に大きく兼ねているところもございますので,この点についても国としても考えていただける,フォローいただけるというところが,非常にありがたく思っております。
 その中で,ちょっと2点お伺いしたいのですが,1点目が,最初に申しました受益者負担のところで,国の金額の目安を出していただける,これは非常にありがたいと思いつつ,これは今後議論していきますという点なんですけども,今日の段階で具体的にこうですとまではいけないことは重々承知しつつ,どういう点が議論の論点になっていきますか,というところをお伺いしたいのですが。と申しますのも例えば,うちのような全域過疎指定を受けているような町で野球をするのと,東京のど真ん中で野球をするので,絶対コストが違うじゃないですか。そこを保護者の受益者負担を一律にすることが平等なのか。はたまた東京はコストが高いから,保護者負担はこれぐらいですよねってなることもまた一つの平等だと思うんです。多分その平等のあり方っていうところが今後議論になるのかなとも思いつつ,他にまた論点があるようなら教えていただきたいです。あともう1点が,自治体で今後やっていくであろうクラブ活動認定について,これはもう自治体である程度考えていかないといけないところもありつつ,国としてもある程度のラインは示していただけるという形で今回は記載いただいてます。ここも国としてどれぐらいのラインを決めようとしてるのか。例えば資料内あるところで言うと,収支の会計とか,保険とかにちゃんと加入しているところも本当に最低限の最低限ぐらいまでは書いていただけてるんですけど,例えば体制であったりとか,練習や試合の引率の安全性の確保みたいなところをどこまで国としてラインを決めて,そこからプラスアルファ各自治体で判断してくださいっていう形になってると思うんですけども。もちろんそれもこれからの議論だと思いつつも今の段階では大体このぐらいかなとか,こういうところが結構問題,課題になりそうだなというところがあったら教えていただきたいと思います。
 以上です。
 
【小路座長】  はい,お願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,ありがとうございます。市長御指摘いただいたように,受益者負担についてでございますけれども,各自治体の個々の状況があり,それから種目によっても負担額が変わるという実態もありますので,そうしたところも踏まえつつ,一方で一つのメルクマールとなるのは,現状どれくらい負担しているのか,というのが一つの基準にはなるかなと思っております。その中で,今おっしゃっていただいたような地域性であるとか,あとは種目別であるとか,要素をどうするのか,ここはちょっと具体はこれから検討していきたいというふうに考えております。
 それから,認定のあり方ですが,今回地域クラブ活動を認定するという書き方をしていただいております。運営団体がどうであるかとは,そこに紐づいてくるところかなと思っておりますので,ちょっとこの辺も論点整理をしながら,今後,詳細を詰めたいと思っております。運営団体のあり方としては,まさに今回のまとめでいただいてます16ページ以降の1ぽつ,括弧1からのクラブ運営の体制の確保,運営の確保というところがありますが,これを全て網羅するのかという点はさておき,こうした方向性でまずは考えるというのは一つの基準にはなるかなと思います。
 
【上村委員】  ありがとうございます。
 
【小路座長】  よろしいでしょうか?はい,ありがとうございました。それでは他に。時間も迫ってまいりましたので。それでは栗山さんの方からどうぞ。
 
【栗山委員】  弁護士の栗山と申します。まずはおとりまとめありがとうございました。
 こちら拝見しまして,1つ目として,前回も私の方で発言をさせていただいたところではございますけれども,最終とりまとめ案の38ページの,生徒の安全確保のための体制整備という項目の中で,事故等や不適切行為が発生した場合の責任の所在のを明確化していくんだ,という点を記載いただくことは,大変重要なのかなというふうに思っております。例えば,学校という場所で行う地域クラブ活動において,指導員の方の指示で野球やサッカーをやってたところに雷が落ちてきました,といった事故は今後も十分想定されると思います。そういった場合に,どこが責任主体となるのかというところを明確化していくことが必要と考えます。最終的にはこれらは,関係ステークホルダーできちんと契約を締結する等して規律していくものと思っております。
 2つ目として,先ほどから御議論あるお金のお話ということで,最終とりまとめ案の12ページの費用負担の在り方についてです。ここに書かれているように,公的負担については国,都道府県,市区町村で支え合うことや,受益者負担の水準につき国が目安を示すことは必要なことと思っております。その前提として,そもそも今回,部活動の地域展開にどれだけお金がかかるのか,そもそも全体としてどれくらいかかるのかが何らか見えるとよいと思います。例えば,部活動指導員の配置に関して支援を行っていく必要がある旨の記載がありますが,具体的に全体として支援にどれくらいの費用がかかるのか,すなわち,指導員が何人必要で,最低賃金がいくらで,週何回やるとなれば少なくとも部活動の指導員の配置だけでこのくらいの費用がかかるよ,と,いうようなことが,前提の数字としてあって。その中で例えばその負担割合だとか,部活動か音楽活動かでどう分けていくかって話があると思います。議論の前提として全体としてお金がどれくらい必要なのかという点はいかがでしょうか。先ほどの大川様のお話では受益者負担に関してスポーツ庁でも調査をしているといったお話もあったかと思いますが,現状を今どのように捉えられているのかにつき教えていただければと思っています。
 私からは以上です。
 
【小路座長】  お願いいたします。
 
【大川地域スポーツ課長】  はい,ありがとうございます。総額の件につきましては,まさにこのおとりまとめいただいた内容を踏まえて,自治体において,どういうふうに取り組んでいくかという検討が始まっていくと思っております。今既に着手していただいている自治体の皆様の状況も踏まえながら,我々としてはこれからちょっといろいろ調べてですね,そういった現状を把握していかなきゃいけないと思います。今ここでいくらですということを,申し上げる段階というよりは,まさにこの方向性を作っていただいた上で,これに従って,自治体の皆様に取り組んでいただく中でどうかという積算をしっかりしていきたいというふうに考えているところでございます。はい。
 
【小路座長】  栗山さんよろしいですか。
 
【栗山委員】  はい,ありがとうございます。そういったところも見えたときに,新たな財源の確保が,どれだけ重要なのかも決まってくるのかと思っておりますので,お金の話は,今後進む上では非常に重要なのかなというふうに思ってます。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。では佐藤委員どうぞ。
 
【佐藤委員】  はい,皆さんのいろんなお話を聞いていて,今お金の話も出たわけですけれども,それこそアメリカの影響でこの日本の経済がどうなるかわからないような状況の中で,物価の高騰とかということを考えると,受益者負担のところも本当にかなり抑えてということで,私どもの地域展開クラブの設立を進めているわけなんですけれども,そういった中で,前回の中間まとめで出てきたところで,地域展開の実現を目指すということになっているわけですが,期間が長くなった訳じゃないですか。その中で,「目指す」ということなんですが,国の方として「実現する」というところまでいかないのか。要するに,指導員とか関わってる関係団体者の方からですね,経済の話しましたけど不安になってくる,今後どうなるのかなっていうような声も聞こえてきています。お金の問題もそうなんですけれども,例えば,今私どもが進めていく中で少し課題になっているところとして,部活動指導員の問題がございます。今,部活動とクラブと,両方が存在するわけですけれども,先生方の働き方改革のために,土日に部活動指導員を配置して,今おこなってくださっている方がいるわけですが,今後,来年の8月で私どものところでは部活を完全に廃止して,完全に地域展開に切り替えていくわけなんですが,そこで勤めていた部活動指導員に,優秀な方もたくさんいらして,それならクラブの指導者として,また運営者として働いていただきたいなと思うときに,そこのところが半分ぐらい割れてしまうんですね。部活動指導員だったらやるけれどもクラブを立ち上げて,または公認クラブの中で指導者として活動するのはというと,避けてしまうような方も現れてきています。ですから学習指導要領の中で,上から3つのぽつのところで,地域クラブの指導者または部活動指導員の指導による体制を普及させていく,ということを位置付けるとするならば,部活動指導員の1時間1,600円の財源確保だけではなくて,今後,部活動指導員からクラブの指導員として活動する方々への支援も,国の方でも御検討いただきたいなと。地域展開を進めるほど,指導者確保という意味では問題が出てくるかなというところで,今,意見として,また考えていただきたいということで申し上げました。よろしくお願いします。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。事務局の方でございますでしょうか。
 
【大川地域スポーツ課長】  ありがとうございます。今いただきました御指摘,ハードルが,部活動指導員からクラブの指導員にならないハードルが,お金ということで今お話いただいたんだと思うんですけれども,その辺りも含めてしっかりと検討していきたいというふうに思います。
 
【小路座長】  はい,ありがとうございました。
 それではかなり時間も迫ってまいりまして,オンラインの水鳥さん,それから青海委員お2人の方にお話をいただいて,御発言については今日は一旦締めたいと思います。まず水鳥委員の方からどうぞ。
 
【水鳥委員】  はい,皆さんこんにちは。オンラインから失礼いたします。
 慶応義塾大学の水鳥です。私の方は今,研究活動としてICTを活用した,運動機会の効果的な授業作りであるとか,機会作りに,取り組んでおります。今回,この格差是正であるとか,平等な機会提供という意味では,一部,離島であるとか中山間部などにおいてICTの活用をするということは有効だというふうに考えております。実際に,23ページにデジタル技術を活用した遠隔指導というものが記載されておりますので,そうした部分が入ったのは非常に良かったかなというふうに思っております。一方で,実際に学校での授業で今デジタル教材を活用したときに,多くの課題はあると思っておりまして,例えば,体育館にWi-Fiがないために,実際にそういった活動ができないというようなことも起こっているので,そうした格差是正のための必要な環境整備というのは,もっと推進をしていく必要があるだろうというふうに考えております。
 また,とりまとめの7番の生徒の安全確保のための体制整備ということで,そうした遠隔的な指導ということになってくると,やはりその責任の所在だったりとか,怪我が起こったときにどうするか,あるいはそうならないためのガイドラインみたいなものもしっかりと整備をする必要があるのかなというふうに思っております。ここにもその責任の所在の明確化ということで記載があるのでそうした遠隔であるとか,ICTを活用したものに関しても,そういった部分も配慮していく必要があるのかなというふうに思いましたので,そういった部分も御検討いただければと思いました。
 以上です。ありがとうございました
 
【小路座長】  はい,ありがとうございます。それでは青海委員,お願いいたします。
 
【青海委員】  はい,ワーキングの皆様,とりまとめをしていただいた事務局の皆様ありがとうございました。全日中の青海でございます。毎日,部活動の様子を見ていて改めて感じることですけども,中学校の部活動から将来のアスリートが生まれるっていうことも稀にありますが,ほとんどの生徒はそうではありません。できないことができるようになりたいとか,今より上手になりたいという思いはありますが,スポーツや芸術の専門家を目指しているわけではありません。放課後,活動場所へ行き,自分の居場所,ほっとする,とかですね,気分転換,好きなスポーツや共通の趣味を楽しむ,そういう場になっています。
 そして日々の活動の中から人間関係を学んでいるのだと思います。これからもこのことについては大切にしていきたいし,してほしいと思います。
 さて,私からは2点です。地域展開を進めるにあたり,保護者等に正しい理解を促すための努力はどこの学校でも,やるべきですし,やれることだと思っております。そこで「学校から部活動をなくす」とか,「全てを地域クラブに移行する」などという,短いワード,安易な表現や言葉は生徒や保護者,それから改革を進めている自治体関係者の誤解を招いたり,疑問を抱かせたり不安にさせるということがあるのではないかと思います。ですから,私ども関係者は気をつけて発言することが大事だと思います。部活動の方向性は,「少子化が進む中で,生徒がスポーツ,文化活動の機会を確保するという目標に向けて,英知を結集して,地域の実態等に合った望ましいあり方を見出し,方針を決めて進めていきます。」と丁寧に伝えていく必要があるんだと思います。
もう1つは,部活動にかかわりを望む教員の活用についてですけれども,中学校の3年間,生徒の成長には目を見張るものがあります。
 心身ともに大きな変化を遂げる,だんだんと自我に目覚めて1人の人間として大きな変化を遂げる過渡期です。部活動の中でも,技術指導とは別に,様々な生徒個人,生徒相互のトラブルや課題に直面します。そんな生徒と毎日生活している教職員は,生徒指導や特別支援教育,生徒との関わり方については専門家の集団で。部活動への関わりを希望する教職員については,兼職兼業等により積極的に活用すべきだと思っています。
最後に,日本中体連の方でも,お話がいくつかありましたけども,地域スポーツクラブの参加促進,それから,県またぎの件とか,今後全中をどうするか,これを統合していくか,縮小していくか,などなどについては丁寧に話し合っています。それだけはお伝えしておこうと思います。
 以上です。ありがとうございました。
 
【小路座長】 はい,ありがとうございました。それでは多くの方から御意見御指摘を頂戴しまして,今日の御意見御指摘を踏まえまして,次回最終とりまとめ案を作成をいたしまして,来月を予定している第4回目の実行会議で,再度皆様に御確認をいただきたいというふうに思います。
 ちょっと私も2,3ちょっと考え方を申し上げたいと思いますけど,これは皆さんにお願い,私自身もそうですけれども,今一度ですね今日の各論と,それから改革の理念の括弧1の基本的な考え方等を踏まえて,これと各論との整合性がしっかりとれてるかどうかという視点でもう一度見ていただければありがたいなと。私も事前に拝見して自分の意見は申し述べさせていただいてますけども,そういったことを見ていただければと思います。それから,やはり教職員の皆さんたち,中学生中心にということがスタートになるんですけども,教職員の皆さんたちの働き方改革にやっぱり資するものにならなければいけないし,それから受益者負担も含めまして,やっぱり様々な格差によって生徒の受益差が拡大をしないと,完璧にいつになるということはなかなか難しいと思いますけども,格差が縮小していくという方向になっていくようになってるかどうかということでございますね。
 それから3点目は,これは多分に私見的な要素が強いんですけど,私,企業経営なり産業界,経済界の仕事をしてるのですけど,企業経営なり産業界から見ますと,日本ってまだ学歴社会的な風土というか要素が非常に強いなと。企業もですね,採用するときに単にその単位を取りました,どこどこ大学ですということではなくてですね,学修歴,学生時代に何をこの人は身につけてきたのかと,その学修歴っていうのは,単に初等中等高等教育の学校の勉強だけではなくてですね,今回のようなスポーツ,文化芸術こういった地域活動で,生徒さんたちが身につけるものって非常に多いと思うんですね。そういったものも含めて,学歴社会から学修歴社会に産業界はしていかなければいけないんじゃないかなと,これは強く思っている。これは非常に私見的な,個人的な考え方なんですけど,そういったものの一環に,この今回の有識者会議の議論あるいはまとめがですね,なっていくといいなというふうに思います。
 それから,次に,地域の主体性と。画一,一律的な地域展開活動になってしまっては元も子もないし,本末転倒になるんだと。やっぱり地域の主体性を生かしてその主体性を尊重してあげるということが,文科省なりスポーツ庁としても,非常にこれはわかってると思いますけど,重要だというふうに思いますんで,地域の主体性を生み出す,あるいはそれを尊重するというような形で具体的に進めていくことが必要かなというふうに思います。
 それから当然,地域への展開ということになりますので,産業界なり民間企業なりといった人たちに,多く参画をしてもらわなければいけないのではないのかなと。今企業はまだまだジョブ型の人事制度というのは,まだ早々多くなってなくて,メンバーシップという昔の人事制度で,55歳定年というのがまだ残っております。人生100年時代ですね,55歳で定年してまだまだやれる,いろんなことをやりたい,あるいは子供たちを教えたいっていうのは民間企業のビジネスマンに非常に多いです。ある県は県立の中高一貫校を作りまして,その校長先生を民間から募集してきてると。私もその県に行って,教育長と民間から来た校長先生にお話を伺ってきましたけど,その民間のある方は,広告会社のデザイナーの類の仕事をしている非常にクリエイティブな仕事をしている方が校長先生になっていまして,当然その自分の経験からですね,授業も部活動も,新たなデザインをしているというところで,大変人気がありました。教育長にもいろいろお話を伺ってきまして,そういった民間の人材が入っていかなければ成り立たないというふうに思いますので,そういった民間産業界にどう告知をしていくかということも今後の問題ですけれども,しっかりやっていただいて,多くの産業界の人間がですね,こういった地域展開に参画をするということができるようにしていければいいなと思います。
 それから先ほど人,物,金,場所というお話がありましたけど,何よりそれも大事でありますし,安心安全ということが最優先であって,やっぱり地域展開をスタートするにあたって,安全と安心さがどうなってるのかっていうことを気にされる,これは本人も中学生も御父兄もいらっしゃるのじゃないかなということで,安心安全には限界はないというふうに思いますので,可能な限り考えられる安心安全を,常にブラッシュアップして,担保していくということが必要かなと思います。
最後に,多くの方御存知かと思いますけど,2040年問題というのが日本では今たくさん本になって出ておりますし,端的に申し上げますと,2040年,15年後ですけども,1700ある市区町村の49パーセントが消滅すると。消滅可能性都市と。可能性ですが49パーセントの市区町村が消滅していってしまいますと,部活動も何もあったものではなくなるので,そういう問題と今回の地域展開がうまく整合していけるように,もちろん政治も産業界もですね,消滅可能性というものを無きようにしていきたいと思いますけど,少子高齢化の急激な人口減少の中,当然子供さんたちも人数的に減っていきますので,そうなると,消滅可能性都市が1700市区町村のうち49%パーセントというのはあながち非現実的ではない,現実的な問題でありまして,そういったところを見ながら地域展開をどうしていくのかということを考えていくことが必要なのかなというふうに思っております。
 また私見も含めてなのですが,次回,今日出た大変貴重な意見を,さらにブラッシュアップして,よく見させていただいて,最終まとめ案を出させていただきますので,また皆さんの方から御意見をいただければというふうに思います。その最終まとめの案につきましては事務局と相談の上,また友添さん,それから北山さんと私の方で議論をして案を出させていただきたいと思いますので,そのときもまた次回5月ですね,遠慮なく皆さんの方からいろいろ御意見頂戴できればというふうに思います。
 それでは以上でございまして,事務局より今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
 
【大野地域スポーツ課課長補佐】  はい,お手元の資料2を御覧いただきたいと思います。今,座長からお話がございました通り,今日の議論を反映した形で最終とりまとめの案を作成させていただきまして,5月に予定している次回の実行会議で改めて御議論いただければと思っております。
 また実行会議でとりまとめをいただきました後ですね,国としてしっかり丁寧に周知広報等を行いながら,国としての政策に反映をさせまして,最終的には,令和7年冬ごろにガイドラインを改定しまして,令和8年度以降,次期改革期間の取組に繋げていければというふうに思っております。
 以上です。
 
【小路座長】  それでは大変お待たせをいたしました。最後に,金城政務官より御挨拶を賜ればと思いますのでよろしくお願いします。
 
【金城政務官】  皆様こんにちは。文科政務官をしております金城と申します。途中から参加させていただきましたけども,本日は専門の先生方,また部活動現場に携わっている先生方,多くの皆様から示唆に富んだ非常に活発な御議論をしていただき,心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。文科省としましても,今,改革推進期間の最終年度に入ったということで,国会でも様々,この部活動に関する議論も増えておりまして,関心が高まっている状況でございます。今年度の予算の中でこの部活動の改革に関する予算につきましては実証事業を始めとした改革を進めるための経費などを,昨年より増額をして予算を確保しているところでございます。各先生方におかれましても今日様々な御意見御要望も出ましたので,令和8年度以降の計画の方針につきましても,こういった議論がしっかりと反映されるよう文科省としても努力してまいりたいと思っております。本日は誠にありがとうございました。
 
【小路座長】  ありがとうございました。金城政務官に改めて予算獲得についてお力をいただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
 それでは本日の議事を終了させていただきます。大変お忙しいところ活発な御意見,御議論いただきましてありがとうございました。次回はまた御都合をつけまして,ぜひ多くの方が御参加いただけるようによろしくお願いいたします。