令和6年12月10日(火曜日)15時00分~17時00分
文部科学省 第二講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)※ハイブリッド会議
小路座長,北山座長代理,青海委員,石津谷委員,市川委員,上村委員,太田委員,大村委員,金﨑委員,河合委員,木村委員,栗山委員,貞広委員,佐藤委員,佐野委員,須黒委員,高橋委員,富所委員,野口委員,長谷川委員,水鳥委員,森岡委員,諸橋委員,柳沢委員,渡邊委員
金城文部科学大臣政務官,室伏スポーツ庁長官,寺門スポーツ庁次長,中原文部科学戦略官,日向大臣官房審議官(初等中等教育局担当),大杉スポーツ総括官,大川地域スポーツ課長,圓入参事官(芸術文化担当),今村障害者スポーツ振興室長,鴨志田地域スポーツ課課長補佐 他
【小路座長】 皆さん,こんにちは。それでは,定刻になりましたので,ただいまから第2回目の地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議を開催いたします。私は,本実行会議の座長を仰せつかっております小路と申します。よろしくお願いいたします。
改めて本日は,大変皆様お忙しい中,御出席をいただきまして誠にありがとうございます。あわせて,各ワーキンググループの4回にわたる討議を私も拝見させていただきました。大変有意義な討議をいただきまして,改めて御礼を申し上げます。
本日の会議は,前回と同様に,冒頭よりユーチューブにてライブ配信をしておりますので,御承知おきいただきますようお願いいたします。また,本日は金城泰邦文部科学大臣政務官に御出席をいただいております。冒頭,金城政務官より御挨拶をいただければというふうに思います。
よろしくお願いいたします。
【金城政務官】 本日は御多忙の中,実行会議に御出席いただきましたこと,厚く御礼申し上げます。8月の会議立ち上げ以来,本会議及びワーキンググループの委員の皆様におかれましては,令和8年度以降の部活動改革の方向性等について精力的に御議論をいただいてまいりました。スポーツと文化芸術それぞれのワーキンググループでの4回にわたる議論を経て,中間とりまとめ(案)が取りまとめられております。本日は,それに基づき,改革の理念や地域クラブ活動の在り方,今後の改革の進め方等について御議論をいただければと思います。
現在,令和5年度から令和7年度を改革推進期間と位置づけ,取組を進めていただいておりますが,令和8年度以降も改革の歩みを止めず,地域の実情に応じて,より一層の改革を進めていくことが必要であります。また,この改革を機に,中学生のみならず子供や大人,高齢者,障害のある方を含め,全ての人々のスポーツ,文化芸術活動の充実につなげていくという視点も重要でございます。スポーツ基本法,文化芸術基本法において,地方スポーツ推進計画,地方文化芸術推進基本計画の策定が努力義務とされていることも踏まえながら,各地域におきましてスポーツ,文化芸術に関する施策を総合的に推進する中で,部活動改革も計画的に進められることを期待しております。
本日も忌憚のない御意見をいただけますと幸いでございます。よろしくお願い申し上げます。
【小路座長】 金城政務官,どうもありがとうございました。
それではまず,事務局から委員の出席状況と配付資料の確認をお願いいたします。
【大川地域スポーツ課長】 本日は,25名の委員に御出席をいただいております。本日の委員の御出席につきましては,お手元の座席表を御覧になっていただければと思います。
また,配付資料につきましては,議事次第に記載のとおりでございまして,こちらについては事前にメールでお送りするとともに,文科省のホームページにも掲載をしております。
なお,本日御欠席でございます伊藤委員からは,中間とりまとめ(案)に関する御意見といたしまして資料を頂いております。こちらについては,参考資料4として本日お配りしておりますので,御参照いただければと思います。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,本日も17時までということで,審議事項に入りたいと思います。
本日1つ目の議題は,次第にございますとおり,中間とりまとめ(案)に関する議論ということになっております。これまで地域スポーツクラブ活動ワーキンググループ,また地域文化芸術活動ワーキンググループ,それぞれ4回ずつ開催をいたしまして,中間とりまとめ(案)に向けた議論を大変有意義に重ねていただきました。
中間とりまとめ(案)では,総論に関して大きく5点,私のほうから申し上げますと,1点目は改革の理念及び基本的な考え方,そして2点目は改革推進期間の成果と課題,そして3点目は今後の改革の方向性,そして4点目は地方公共団体における体制の整備,最後に5点目は学習指導要領における取扱い,こういったことについて整理をいただきました。
まず,それぞれのワーキンググループでの議論の概要を簡単に御報告いただいた後,事務局より中間とりまとめ(案)について御説明をいただきたいというふうに思います。
それでは,早速ですが,まず地域スポーツクラブ活動ワーキンググループの主査代理である金﨑委員より御説明をお願いいたします。
【金﨑委員】 皆さん,こんにちは。本日は,主査の友添委員が御欠席でございますので,地域スポーツクラブ活動ワーキンググループ主査代理の金﨑が代わって報告をさせていただきます。
まず,地域スポーツクラブ活動ワーキンググループでは,今後の改革の理念について整理を行いました。急激な少子化が進む中でも生徒たちが継続してスポーツに親しむ機会を確保充実していくために,生徒を中心に考え,その生徒が希望する活動を主体的に選択できる環境を整備していくことや,学校だけがスポーツをする場であるという考えを改め,広く地域において豊かで幅広い活動機会を保障するために,地域全体で関係者が連携することの重要性を踏まえ,議論を進めてまいりました。
具体的な議論といたしましては,改革の理念を実現するためには,生徒たちの活動の場である地域クラブ活動において,これまで部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させつつも,地域クラブならではの特性を生かした新たな価値を創出することや,スポーツの役割や意義を踏まえた豊かで幅広い活動機会を保障するため,地域クラブ活動の定義や要件に加え,その認定方法等を国として示すことの必要性についての議論がございました。
また,改革の理念につきまして関係者で共通認識を持つためには,これまでの「地域移行」という表現では,学校で行ってきた部活動を単に地域にスライドするものとして受け止められることもあるという御意見もございまして,学校内で運営されてきた活動を広く地域に開き,地域全体でその活動を支え,活動自体もより豊かで幅広い活動を可能とすることを目指すために,「地域展開」という名称に変更することについての議論がございました。
さらに,理念を踏まえた改革の進め方につきましても,令和5年度から改革推進期間におきまして地方公共団体の創意工夫により取組が進んでいる状況を踏まえ,休日と平日の取組方針やこれらの取組を計画的に進めるための次期改革期間に加え,取組が継続的に進むように,受益者負担や,国,都道府県,市区町村が支え合う公的負担のバランスなど,費用負担の在り方についても議論をしてまいりました。
このほか,学習指導要領における取扱いや改革を進めるための各論の事項については引き続き検討を深めていく必要がございますが,いずれにしろ将来にわたり生徒のスポーツ機会の確保・充実のために,現在の改革推進期間における取組について,歩みを止めず,改革を前に進めるためにワーキングで議論をしてきたところでございます。実行会議におきましても,様々な観点から御議論いただきたいと思います。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは続きまして,地域文化芸術活動ワーキンググループ主査の北山座長代理より御報告をお願いいたします。
【北山座長代理】 失礼いたします。地域文化芸術活動ワーキンググループでは,今後の改革の理念につきまして,急激な少子化に対応して,子供たちの文化芸術活動の機会を将来にわたって確保していく必要があること,そしてこれまでのような学校部活動の形ではなくなっても文化芸術を体験する機会が持続されるよう,地域と一体となって取り組んでいくことが重要であるということ,また「地域移行」という文言の表現につきましては,地域全体で部活動を支えていくという改革の理念に沿った表現に変える必要があること等の意見がありました。この部活動改革に当たりましては,当事者である生徒を中心に考える必要があるという認識を共有したところでございます。
様々な意見交換の中では,各地の実証事業等の成果として,これまでの学校部活動ではあまり行われていなかった,例えば弦楽合奏ですとか将棋等の新たな活動が生まれたことや,それぞれの地域ならではの活動も今後可能になるのではないかという意見もありました。それぞれの地域において,こうした多様な文化芸術活動が充実することで,世代を超えた文化芸術の楽しみに広がることに加えまして,地域が持つよさや地域の魅力の再発見にもつながるといった議論がありました。
今後の改革の進め方については,各地域の実情を踏まえる必要があるということにも留意しつつ,休日,平日の進め方や次期改革期間の在り方などについて議論を行ってきたところです。文化芸術活動に関しましては,指導者の質,量の確保や活動場所の環境整備など数多くの問題がありますが,今後のそれぞれの個別の課題につきましては,さらにこれから議論を深めてまいりたいというふうに思っております。
地域文化芸術活動ワーキンググループからの報告は以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございます。
先ほど申し上げましたように,それぞれ4回にわたりまして大変熱心に討議をいただきまして,改めて御礼を申し上げます。
それでは続きまして,事務局より中間とりまとめ(案)の概要について御説明をお願いします。
【大川地域スポーツ課長】 ありがとうございます。事務局の地域スポーツ課長の大川でございます。本日はお忙しい中,お集まりいただきましてありがとうございます。
お手元の資料1―1を御覧いただきながら御説明をさせていただければと考えております。
中間とりまとめ(案)につきましては大きく5つの項目に分けております。改革の具体を検討するに当たり,初めに改革の理念や基本的な考え方について整理をしているところでございます。
1ページ目を御覧ください。改革の主たる目的としては,急激な少子化が進む中において,将来にわたって生徒が継続的にスポーツ,文化芸術活動に親しむ機会を確保・充実していくこと,これが主目的であり,現行のガイドラインでも記載があるところですが,改めて中間とりまとめ(案)においても記載するとともに,これを実現するためには,これまで学校単位の部活動として行われてきた生徒の自主的,主体的な参加によるスポーツ・文化芸術活動を地域全体で関係者が連携して支え,豊かで幅広い活動機会を保障するという発想にしていくことが重要であるということを記載しております。
また,スポーツ基本法や文化芸術基本法にも記載されておりますスポーツや文化芸術の役割や意義は,生涯にわたってスポーツや文化芸術と豊かに関わるために必要な資質能力を育てるという広い意味での教育上の意義を含むものであり,地域クラブ活動において尊重する必要についても改革の理念の中に整理しております。
なお,これらの取組は生徒を中心に考えて進めるべき改革ですが,この改革を実現するための手法を考える際には,教師の負担軽減や良質な指導などを実現するということについても考慮すべきということを記載しております。
次に,これらの改革の理念を踏まえた地域クラブ活動の在り方について,(2)でございますけれども,生徒を中心に考え,豊かで幅広い活動が実現されるよう,これまで部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させつつ,新たな価値を創出することが重要であり,中間とりまとめ(案)では,地域クラブにおいて実現が期待されている新たな価値をかぎ括弧で例示してございます。
また,地域クラブ活動は各地域で様々な実践が積み上げられ,多様な形があり得るものですが,民間クラブチーム等との区別や質の担保等の観点から,国として地域クラブ活動の定義や要件、認定主体,認定方法などを示していく必要があると述べられています。
次に,(3)に移りますが,現行のガイドラインを踏まえ使用している「地域移行」という表現について,学校部活動を単に地域にスライドさせて行うという受け止めになる可能性や,これまで述べてきた改革の理念や地域クラブ活動の在り方を示すには必ずしも十分ではなく,従来学校内の人的,物的資源によって運営されてきた活動を広く地域に開き,地域全体で支え,より豊かで幅広い活動を可能にするということを目指していく意図を込めて,「地域移行」から「地域展開」という名称に変更することが示されております。
次に,(4)でございますけれども,次の改革を進めるに当たって基本的な考え方については,中間とりまとめ(案)に記載がございます内容の中でも特に重要な事項について整理をしているものとなります。
次に,2ページ目に参ります。今後の具体的な進め方を議論するに当たり,これまでの改革における成果や課題について整理をしております。具体的な数値や事例については,お手元の資料1―3の資料集に記載をしておりますが,令和5年度から来年度までの改革推進期間における国の実証事業等を通じ,休日の地域展開について着実に改革が進んでいるとともに,地方公共団体の皆様の創意工夫により多様な事例を積み上げてきていただいている状況でございます。
一方で,課題といたしましては,改革途上にある地方公共団体の方々も多く,当該地域における将来的な中学生世代の人口動向,それから部活動の現状等を踏まえながら,引き続き改革を進めていくことが必要である旨,示されております。
次に,3つ目の項目といたしまして,今後の改革の方向性について整理がされております。基本的な考え方としては,国の取組方針を踏まえながら,地方公共団体が具体的な改革を進めるに当たっては,幅広い関係者の理解と協力の下,平日,休日を通した活動を包括的に企画・調整し,多様な選択肢の中から地域の実情等に合った望ましい在り方を見出し,改革の方針を決定することが重要とされています。
その上で,国としては,まず休日については,全国的に休日の地域展開が着実に進んでいることを踏まえ,また改革途上にある地方公共団体におかれても計画的に取組を進めることができるようになりますよう,原則として,全ての部活動において地域展開を達成することを目指すことが考えられるとされています。
一方で,中山間地域や離島をはじめ特殊な事情により地域展開に困難を伴う場合等も想定されることから,将来的な方向性や計画等の検討を進めるとともに,当面,部活動の地域連携として,部活動指導員の配置等を適切に実施することも考えられることも併せて示されています。
また,平日につきましては,休日と比較しますと,全体として取組の進捗が緩やかな状況であるため,まずは国において地方公共団体が実現可能な活動の在り方や課題への対応策の検証等を行うとともに,地方公共団体においては,平日,休日を通した活動を包括的に企画・調整しつつ,地域の実情等に応じた取組を進めることが示されております。
次に,次期改革期間についてですが,地方公共団体の取組状況により,期間の長さについて捉え方が様々であるため,地方公共団体が中長期的な見通しと短期的な目標の双方を持ちつつ改革に取り組むことができるよう,次期改革期間は,前期3年間,令和8年度から令和10年度,後期3年間,令和11年度から13年度の計6年として設定することが示されました。また,地方公共団体が着実に改革に取り組むためにも,前期終了後に中間評価をし,振り返りを入れることや,前期の間に確実に地域展開等に着手することの必要性についても示されております。
次に,3段目の費用負担の在り方の考え方ですが,安定的,継続的に取組が進むようにするためには,今後,受益者負担と公的負担とのバランス等の費用負担の在り方等を検討すること,その際,公的負担については,国,都道府県,市区町村で支え合うことや新たな財源を確保していくことについても示されております。加えて,家庭の経済格差が生徒の体験格差につながることのないよう,経済的に困窮する世帯の生徒への支援についても,その必要性が示されているところでございます。
3ページ目に参ります。4ポツですが,地方公共団体における推進体制の整備として,現在取組が進んでいる地方公共団体における体制として見られる専門部局の設置,これはスポーツ部局と教育委員会とが分かれて設置されている場合に連携がいまいち進んでいないという実態を解消するためにも有効というふうに聞いておりますが,そういった専門部署の設置や総括コーディネーターの配置,これは自治体と運営団体,それから指導者の間に場所,人,時間,いろいろな調整が必要になってまいります。こうしたことを調整する総括コーディネーターの配置などに加え,都道府県におけるリーダーシップ,これは域内の市区町村が一斉に部活動改革に着手できるようなリーダーシップや複数の市区町村による広域連携の取組も踏まえながら,地方公共団体において適切な推進体制等の整備をすることの重要性について示されております。
5つ目,学習指導要領における取扱いですが,地域クラブ活動は,学校外の活動ではあるものの,教育的意義を有する活動であり,生徒が継続的にスポーツ,文化芸術活動に親しむ機会を確保し,学校を含めた地域全体で生徒の望ましい成長を保障するもの,またその活動に当たっては地域クラブと学校との連携が大切であるという考え方が整理されております。また,部活動と地域クラブ活動に関する記載の在り方については,引き続き最終とりまとめまでに議論を深めることとしており,これらの結果を今後,中央教育審議会に報告していく予定です。
なお,学習指導要領における記載内容の説明や解釈についてまとめられている学習指導要領解説というものが別途ございます。中間とりまとめ(案)における次期学習指導要領上での取扱い,今申し上げたこの5ポツとは別の話ですが,参考資料3―1,参考資料3―2にございますように,令和4年12月に策定した現行のガイドライン等を踏まえた記載に合わせるために,あくまで今の学習指導要領の解説の見直し作業を事務的に進めているところでございます。この中間とりまとめ(案)における5ポツの次期学習指導要領の議論とは異なるものの,関連性があるものとして,その状況についてお手元に資料を配らせていただいております。
最後に,これら総論に係る5つの項目のほか,この3ページ目にございますように,中間とりまとめ後,ワーキンググループにおいては8つの観点からの議論を進めていく予定としております。
以上が概要の説明になります。
【小路座長】 ありがとうございました。
それではここで,金城政務官は公務の都合上,御退席されます。ありがとうございました。
【小路座長】 それでは引き続きまして,ただいま事務局より説明いただきました中間とりまとめ(案)につきまして,各項目に沿って委員の皆様より御意見をいただきたいというふうに思います。
5項目プラス各論がありますけれども,大体80分,1時間10分程度全体時間を取りまして,御意見を頂戴していきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
まず,大村委員におかれましては公務のため途中で御退席をされると伺っておりますので,先立って大村委員のほうから御意見をいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
【大村委員】 全国知事会文教・スポーツ常任委員会委員長の大村秀章です。私から中間とりまとめ(案)につきまして一言申し上げます。
急激な少子化が進む中,子供たちが将来にわたって継続的にスポーツや文化芸術活動に親しむ機会を確保していくためには,部活動を地域クラブ活動へ移行していく部活動改革を進める必要があります。それにより,子供たちのニーズに応じた多種多様な体験や様々な世代との交流など,新たな価値も創出されるものです。2023年度から改革推進期間がスタートし,市町村による取組が着実に進んでいるところでありますが,他方で改革途上にある市町村もございます。
私ども愛知県では,学校や地域クラブと指導希望者とをマッチングする人材バンクを2024年5月に開設いたしました。そして,半年がたちまして,10月末までに市町村の募集が267人であることに対しまして,610人の指導希望者の登録がありまして,面接などを行いまして,指導者の確保に今取り組んでいるところであります。一方で,市町村からは,指導者の謝金,専門部署や総括コーディネーターの設置などの財源の確保に苦労といいますか,苦慮しておりまして,これが大きな課題であるというふうに聞いているところでございます。これは多分全国的にどこもみんなそうだと思いますけれども,そういうことでございます。今回そうした中で平日の部活動を含めました2031年度までの次期改革期間が示されましたが,改革をいたずらに急がせることなく,市町村の皆さんが安心して地域の実情などに合った取組を継続的かつ着実に進められるよう,国におきましてもしっかりと支援をしていただくことが重要と考えます。
さらに,学校の部活動を地域クラブ活動へ展開するに当たりましては,ある程度といいますか,一定の受益者負担も必要だということを国民の皆様にしっかりと周知をして,理解をいただくということが必要だと思います。受益者負担と公的負担の適切なバランスにつきまして,国におきまして十分に検討をしていただきたいというふうに考えます。部活動改革に係る課題は全国共通のものでありまして,国の責任において継続的な財政措置を講じることをぜひともお願いをさせていただきます。そういう意見が知事会の中でもたくさんありましたので,私から代表して意見を申し上げさせていただきました。ありがとうございます。
【小路座長】 ありがとうございました。財源について,また地域の実情を踏まえて国民理解を得ると。大変貴重な意見をいただきました。どうもありがとうございました。
それでは続きまして,順序立てて皆さんの御意見を伺っていきたいと思います。
まず,1の改革の理念及び基本的な考え方と,そして2の改革推進期間の成果と課題,この2つについて委員の皆様より御意見をいただければと。大体20分程度時間をかけていきたいというふうに思いますので,よろしくお願いいたします。
また,御意見をいただく際には,出席者の方はお手元の名札を縦に置いていただければと思いますし,オンラインで御出席されている方については挙手ボタンを押していただければというふうに思います。
では,1と2について皆さんのほうから御意見を頂戴できればと思いますので,よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
どうぞ,森岡委員。
【森岡委員】 日本スポーツ協会の森岡です。よろしくお願いします。
私からは2点ございます。資料1の2の2ページ目の(2)の地域クラブ活動の在り方の中の,次のページの,上から2つ目のところに,地域クラブ活動の定義,要件についてということでありますが,地域クラブ活動の定義や要件を国として示すことは,活動の質を担保するということから必要であると考えております。各地域におきまして,関係者間で地域クラブ活動がどういうものなのかという共通認識を図り,その他のクラブチーム等の活動と区別するということにより,支援の対象の基準ともなり得ると考えております。
一方,定義や要件を定めるに当たっては,地域クラブが本来持つよさが損なわれたり,地域クラブの関係者が活動から離れたり,やめてしまうというようなことがないような配慮が必要だと思いますし,第2期スポーツ基本計画で記載されましたJSPOの総合型クラブの登録認証制度の内容,さらに独自の認定制度として運用している自治体の事例も研究をして,具体的な仕組みを検討していくべきではないかと考えております。
もう一点,指導者の資格について,これは3ページ,5ページ,12ページと網羅されていますが,指導者には適切な資質,能力を備えることが求められていると書いております。この考え方には,基本的には全く賛同したいと思っております。
一方,現在の表現には何を持って適切な資質,能力を備えるかの基準が明確ではない,これは難しい面もあると考えます。芸術の分野の指導者の資格の在り方については,我々把握できておりませんが,スポーツについては,JSPOでは2019年に文部科学省と共同で開発しました「モデル・コア・カリキュラム」に基づく公認スポーツ指導者の養成を行っており,現在約28万人の公認指導者が存在しております。JSPOの加盟団体からも,運動部活動改革の対応には何らかの資格を持つ指導者が必要ではないかという声が現場から上がっております。
我々,既に国民スポーツ大会の監督にはJSPOの公認スポーツ指導者資格の保有を義務付けておりまして,2030年度から日常的な指導の場においても指導者の資格の義務づけへの協力をNF,あるいは都道府県スポーツ協会,あるいは総合型クラブ,スポーツ少年団にも求めているところです。スポーツ分野においては,子供たちの前に立つ指導者は,適切な資質,能力を備えることはもとより,指導者の資格を持つことを義務づけられるような文言の加筆が必要であると考えております。御検討のほどよろしくお願いします。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。2点の御意見を頂戴しまして,皆様のほうから,今,森岡委員がおっしゃられた2点に関連して,何か補足なり追加なり御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では,お願いします。
【富所委員】 読売新聞の富所です。このたびは,報告をまとめていただきまして,ワーキングの皆様,それから事務局の皆様にまずは感謝を申し上げたいと思っております。
大きな方向性や理念は,このとおりだと思いながら読ませていただきました。要素も過不足なく入っていると思います。その中で,少し気になった点が2つほどあるので,それについて申し上げたいと思います。
まず,1の(3)の地域移行から地域展開という点です。これは部活動を地域と学校で連携して支えていこうという趣旨だと思いますので,そう考えると,この表現のほうが適切なのかなと思いました。その一方で,連携という言葉は使い勝手がいいのですが,責任の所在が不明確になり,少々言葉が悪いかもしれませんが,地域と学校で責任の押し付け合いになるようなことがあってはいけないと思うのです。現場の運用に当たっては,地域によっていろいろ実情はあると思いますが,平日と休日で,地域と学校がどのような責任分担で部活動を運営していくのかというところは,きちんと明確にしておかないと,後々問題や事故が起こったときに,いや,みんな知りませんという感じになりかねないと思います。
その関連で言うと,この問題はそもそも,スポーツ,文化活動を幅広く支えて行こうという趣旨の一方で,「教員の働き方改革」とも密接に結びついていると理解しています。「地域展開」という言葉にしたために,教員が地域との連携のために奔走しなければならず,逆に仕事が増えてしまうというようなことがないようにしなければいけないと思いました。
それから,あともう一点は,2の2ポツのところに「国の実証事業等を通じて」と書かれている部分です。私も前回の会議で好事例を全国で共有するのは大事だということを申し上げましたが,この手の施策をやる場合,先進事例をみんなで共有することは,大事ですし,いつも参考になるなと思うのですが,問題なのは,それができない地域です。人材がいないとか,お金がないとか,理由が色々とあるわけです。各地のいいところを参考にすることも大切ですが,できないところをどうやって支えていくのか。なぜそれができないのかをしっかり分析して,必要な支援を行っていくことが重要だと考えます。最終的に不利益を被ってしまうのは子供たちなのでその辺りの配慮も必要だと思いました。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。3点,大変貴重な御意見と承っておきたいと思います。
かなり手をお挙げになっている方がいらっしゃいますので,続いて御発言をいただきたいと思います。
オンラインで挙手の上村委員,お願いいたします。
【上村委員】 失礼します。東かがわ市長の上村です。よろしくお願いします。今回,中間とりまとめの作業,本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
当市から,まず,地域移行が地域展開になるというのは,非常にこれは大きい転換点かなと思っています。東かがわ市としては,現場の実情も踏まえて,これに大きく賛成したいところです。と申しますのは,やはり学校から地域にそのままスライドするのではなくて,学校も含めて展開するというところです。といいますのも,学校の先生の働き方改革というところはもちろん一義的にあることは重々承知しつつ,ワーキンググループの中でも意見が出たように資料でも拝見いたしましたが,この競技を生徒に教えたいから俺は先生になっている人も相応数いらっしゃるのです。この地域移行という言葉を使っている中で,実際当市の学校に所属しています先生方からも,移行するのだったら私たちってもう用ないの,やれないのという声も実際ありましたので,学校も含めて地域に展開していくのだという文脈も含めた地域展開という言葉,東かがわ市としても納得もできますし,全面的に賛成したいと思っております。
2点目の期間についてなのですけれども,当市は比較的早く進められているのかなと思いつつ,そうでもない自治体も,もちろん香川県内含めてありますので,そこに合わせて全国的に進めていくために,今回の実行期間を新設していくというところは理解するところであります。ただ,我々として一番危惧するのが,当市も全域過疎指定を受けているようなまちでございますので,これから逆行すると一番きついなというのはあります。今まで進めてきているので,このままずっと行きましょうというのは,方針としてもう示されているところだと思いますし,ここからの方向変換があるとちょっときついなというのはあります。
あともう一つ,先ほど大村知事からもございましたけれども,改革推進が終わって実行になったときに,予算が減るというのが一番きついです。国の事業でもありますし,もちろん基礎自治体も動いていく事業ではありますけれども,ここの中でやっぱり国,県,市,そして保護者の皆さん,ここで費用負担がどうあるべきかというところは引き続きの議論になると思いますし,ここで,いやいや,部活動やっているのは基礎自治体なのだから,それは市と保護者でやってよって言われると,一気に立ち行かなくなります。なので,この改革全体がやはり国の協力なくしてできないですし,そこを最後都道府県レベルでも全体見ていただきたいですし,そこに伴って市区町村が動いていくというスタイルはあるかと思いましたので,この期間が延びることによって,ちょっと予算がなというのだけはこらえてほしいな(困ってしまう)というのがあります。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは引き続きまして,河合委員,お願いいたします。
【河合委員】 ありがとうございます。今回の取りまとめ,本当にありがとうございました。
まず理念のところに,やっぱり障害のある子供たちのところをしっかりと前提にしていただいたというのは,とても大きな一歩かなというふうに思っております。それを踏まえた上でになりますけれども,先ほど森岡委員からもありましたように,地域スポーツクラブのところの要件になりますが,この際に,やはりここでも障害のある子供たちがいるのを前提に,あるいは,残念ながらまだそういった障害のある子供たちの民間のスポーツクラブとか,そういうところも含めると,どうやって教えていいか分からないとか,施設的にどうなのかとかという点で,受け入れが拒否されたりという事例とか話がよくあるわけです。この部活動を地域展開していく中で,そういう事例をつくることがないようにしたいというのが私としてすごく思うところです。やはり日本に住む全ての子供たちにそういった機会を,スポーツ,もちろん文化芸術活動含めて,障害のある子供たちも受け入れることが当たり前であるというような,ちょっと表現はどう書くかは御相談かと思うのですが,そこは明確にしていただきたいなというふうに思っています。ただ,受け入れることがオプション的な捉え方にならないということが重要だと思って,大前提が当然一緒にやることを含めてこれが展開されていくということを,ぜひ指導者や組織を運営する方々にそれを理解いただくように進めたいと思っておりますので,その部分を御理解いただきたいと思っております。
2点目なのですけれども,それを踏まえた上で,今回の文化芸術活動の側のほうに,残念ながらなかなかあまり障害のある方々,子供たちの部分が記載がちょっと少なかったというか,ほぼなかったようにお見受けしております。ちょっと全部を詳細に読んだわけではないのですけれども,やはり障害のある特性を生かして様々な制作,創作活動で物すごい成果を上げている障害のある方々もいらっしゃるわけですので,子供たちの段階からこういう活動にも積極的に参画できるように,そういった個性,特性を生かせるような指導をしていただきながら環境整備をするということも,行政的な部分で障害者の福祉の中に文化活動等が入っていて,厚生労働省さんが管轄というところの中で,文化庁さんとしてどこまでそれを意識できているかというところはちょっと分からないのですが,やはり学齢期のお子さんたちの文化芸術活動というのは,まさに文部科学省さんの教育というところ,義務教育に関わるところになりますので,それを踏まえた記載を積極的にしていかないと,ここはいけないのではないかなと思っておりますことをお伝えします。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは続きまして,高橋委員,お願いいたします。
【高橋委員】 ありがとうございます。大館市の高橋です。
今回の中間取りまとめにつきましては,各地域の進度の差異や実態に広く配慮した上で,さらなる進展を促すという包摂的な案であると高く評価しております。ただ,1点懸念していることがございまして,それは2の改革推進期間の成果と課題のポツですが,これまでの改革の歩みを止めず,より一層の改革を進めていくことが必要。これについては,まさに異論はございませんが,実態として地域移行になって2年目,この段階においてもなお部活動の維持とか部活動への回帰というスタンスの自治体も散見される状態でございまして,それは明らかに昭和,平成への逆行であり,もしそれが許容されるならば,この改革全体が空中分解するとともに,収拾できない混乱を引き起こすことになりかねないので,ぜひ国は揺るぎなく改革を進展していただきたいと考えております。よろしくお願いします。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,会場の佐野委員,どうぞ。
【佐野委員】 新潟県の教育長の佐野でございます。このたび中間とりまとめということで,ワーキングの皆様方,そして事務局の方々に多大に御尽力をいただいたことに感謝申し上げております。
その上で,3点ほど申し上げたいと思います。まず1点目は,改革の理念のところですけれども,この改革の理念につきましては,まさに少子化の中で今後のスポーツ環境を生徒中心に考えて,それを大きな目的としていこうという,その方向性は全面的に賛成するものであります。新潟県の教育委員会でも,そうしたスタンスでこの2年ほど,各市町村の教育委員会と一緒になってやってまいりましたが,なかなか今に至っても,地域の保護者,あるいは地域住民の方々から,そういった趣旨が十分理解されていない面もあります。それは,ここでは手法を考える際ということで御指摘をいただいている教師の負担軽減というのが最初に全面に出たということが,なかなかそれが払拭できない状況が続いているということがありますので,ぜひこの中間とりまとめ,そしてこれからの6年間を示す方針を示されるときに,改めてそういった趣旨のところを強く国のほうからもアピールをしていただきたいというふうに思うのが1点であります。
それから,先ほど来出ております地域移行から地域展開という考え方。地域展開という言葉については,今後,幅広く地域と一緒になって支えていこうと,そこの趣旨は読み取れるのですけれども,ここの地域展開の「展開」の意味を少し整理していただいたほうがいいかなと思っています。というのは,文字どおり読むと,学校での部活動を前提として地域が支えるというような読み方もできなくはないなと。分かっている方は,皆さんもうお分かりなのでいいのですけれども,まだまだ部活動の地域移行,地域展開の趣旨というものが十分に浸透していない学校もありますので,そういったところが,これはやっぱり学校での部活動が中心となって,そこに地域の方々が支えてくれると,そういう趣旨なのだろと言われると非常に苦しいので,そこは展開の意味を少しかみ砕いてお示しいただけるとありがたいなというのが2点目です。
それから3点目,これもちょっとワーディング的なことで申し訳ないのですけれども,改革推進期間の成果と課題のところにあります「完了」という言葉,既に休日の地域展開を完了している地方公共団体や7年度または8年度までの完了を目指している地方公共団体も存在しているという書き方がありますけれども,実は私どもも3年間で全て完了させるという目標設定をしているのは事実なのですけれども,最近やはり考えてみると,なかなかいろんなことでやればやるほど課題というのは出てくるので,そういうことを全体として捉えると,この完了というのはなかなか言いにくいなと思っているのです。何とか前に進んでいこうということでやっているわけですので,完了という言葉を使うなら,完了というのはどの程度までいったら完了というふうに考えるのかと。我々としては,推進計画とか協議会の設置は全ての市町村教育委員会がつくりましたということで,その点では完了と言えるわけですけれども,本質的に,では地域のほうに完全に移行,展開できているかというと,まだまだこれからのところもあります。部活動ごとの数から見た指導者の確保の割合で見ると,まだ全体として県の中で3割ぐらいなので,まだまだこれから指導者の確保についても努力していかなければなりませんし,先ほど来お話に出ている負担の問題とかも非常にばらつきがありますので,今後,国の方々との方針も踏まえて整理していかなければ駄目な課題だと思っていますので,この辺の「完了」の使い方を少し御検討いただけるとありがたいなと思いました。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは最後に,青海委員のほうから御発言お願いいたします。
【青海委員】 ワーキングの皆様,どうもありがとうございました。それから,大川スポーツ課長様,御丁寧な説明ありがとうございました。
私もまだ部活動の顧問やっていますけれども,全日中の青海です。現場で,少子化により従前と同様の運営体制では維持することが難しくなったことから,1つは「将来にわたっての持続可能性」という目的と,それから休日とか時間外など,教師の献身的な勤務によって支えられた長時間勤務の要因になっているという「学校における働き方改革」という目的,この両面から改革を進める必要があると思っています。教師の長時間勤務を改善することにより,教員が生徒と向き合う時間,それから授業改善とか授業準備の時間が生み出される,また増える,これは生徒のためであることは言うまでもありません。
改革の理念のところですけれども,「教師の負担軽減」というよりも,「学校における働き方改革の推進」の表現のほうがよいのではないかと思います。長時間勤務の要因ではありますけれども,負担だと思っていない教員も一定数います。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。
では,石津谷委員,すみません,最後にお願いいたします。
【石津谷委員】 全日本吹奏楽連盟理事長の石津谷でございます。文化部の面からお話しさせていただきます。
今回の部活動改革における理念や基本的な考え方については賛同しております。私は,令和4年の地域移行会議に参加しておりましたので,そこから見ますと大分具体的に,踏み込んだ内容になってきているという印象を持っておりますので,この全体的な中間とりまとめはすごくいいと思っています。
その中で,例えば,改革推進期間の成果と課題なのですが,国の実証事業を通じて,地方公共団体による取組が着実に進捗等と書いてありますが,そのとおりだと思います。しかし,国の実証事業において全てが成功例であったとは言えない部分もあると思うのです。実証事業の中から得られた問題点とか課題というものもあると思うのです。それを検証しないで,実証事業をやったらうまくいくのだみたいな,それだけではなかなか現実,現場ではうまく事は進まないこともあると思っています。例えば,改革途上にある地方公共団体が多いと書いてあります。ですから,そこに国の実証事業等から得られた問題点,課題を検証していくことで,これまでの改革の歩みを止めず,より一層の改革を進めていくことが必要であるみたいな,そういう問題点や課題から次のステップに移るという文言がないと,ただ理想ばかりが書いてあって進んでいるみたいになってしまう。ここでそういう文言を入れていただけたほうが,より現実的になっていくのかなと思います。
実際問題として,実証をやっているときはうまくいったけれども,それが一区切りついてから,その先うまくいっていないとか,そういう事例を私自身も吹奏楽の中でよく聞いております。ぜひそういう文言から次へのステップを踏み出すのだという流れになるといいのかなと思って御発言させていただきました。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,ただいまの御意見踏まえまして,私も最後にちょっと意見言わせていただきたいと思いますので。
では引き続きまして,3,4,5と,3の部分の地域展開についてもかなり御意見をいただいているので,3の今後の改革の方向性,既にかなり御意見をいただいています。それと4の地方公共団体における体制整備についてということと,最後の5の学習指導要領における取扱い,これすみません,まとめて御意見をいただければというふうに思いますので,多分かなり出ておられると思いますけれども,ありましたらお願いいたします。
佐藤さん。
【佐藤委員】 非常に大事なことだなと思いますので,私から少し発言させていただきたいと思うのですが,先ほど来地域展開のお話がございましたが,掛川市では令和4年から,地域移行ではなくて地域展開ということで進めてまいりました。その中で,先ほど,佐野委員さんや他の委員さんからも,少し御意見があったわけですが,どこが主体になるかといったときに,この地域展開だけでいったときに,我々も危惧したのは,また学校がどちらかというと主体となって地域に展開していくような流れになってしまうのではないかということを各種団体の方々からも御意見いただいて,必ずゴールを決めて展開をしていきましょうということで,部活動から切り離していくというのが最初の考えでございました。つまり,私どものところは令和8年の8月でもって部活動を廃止して,完全に地域へ移行していく,地域展開をさらに進めていく中で本来の理念にありますスポーツ,文化芸術活動に親しむ機会をさらに広げていくことを目指しております。,学校社会という狭いところで今まで部活動というのは進められてきたわけですが,そこからの改革のための地域展開であるということで,学校から徐々に切り離していくというのが非常に大事であるということで進めてきました。そういう意味で,この地域展開の言葉,文言の取扱い,先ほど来,学校と地域が連携と言ったのですが,では学校は地域に対してどういう連携をしていくのかというのを具体的に我々の方は示しております。例えば体育館,グラウンド等の使用を積極的に地域へ開放していくとか,または教員の働き方改革,先ほどありましたけれども,兼職,兼業を積極的に進めております。私どものところは部活動をやりたいという教員が数パーセントです。兼職,兼業もやりたいというのも,本当に数パーセントです。そのような状況なので,本当に地域の方々のお力を借りて,子供たちの文化,スポーツ活動をしっかり推進していかなければいけない,そういう思いで地域展開,部活動のゴール,どこから完全に移行するかというゴールを決めた地域展開というように申し上げていますので,その辺りも国でもう一度しっかり考えて示した方がよろしいのではないかなと思いました。
【小路座長】 今の佐藤委員の御指摘,理解の共有というか,共通理解をするのに非常に重要な御指摘ではないのかなと思うのです。地域移行から地域展開という考え方,単に言葉を換えたのではなくて,考え方を採用していくということになって,今の御指摘だと学校が主体となってしまう危惧があると。学校の部活動から離していくという御意見かと思いますけれども,この御意見に対して事務局のほうはどんなお考えがございますでしょうか。
【室伏スポーツ庁長官】 ありがとうございます。私のほうから,もうまさにおっしゃるとおりで,改革の歩みを止めないということはそういうことでございますし,濃淡はあるとは思うのですが,先進的に取り組まれているところは今スムーズにいっていると思います。この間のワーキンググループでもお話ししましたが,日本は,スポーツがどうしても学校教育の上に成り立ってしまっている歴史があります。これはこれでいいことであるのですが,スポーツは教育だけではなくて,人の生き方だったりとか,その後の人生にも関わることで,中学校2年や3年だけの話をしているわけではなく,スポーツをあまり教育の上だけにのるような状況ではなくて,もっと開放していくということを申し上げています。ですので,スポーツを学校からも開放していき,より魅力的な,そして専門的な方の指導ももちろん必要だと思うのですけれども,レクリエーション的ないろんな経験をするという,そういう濃淡も含めて,誰もが本格的にやるというわけではないと思うのですけれども,いろんな文化活動も含めて,地域で受け皿になっていくには,やはり首長さんのお力も大変重要になってくる,やるぞと思っていただいて,我々も,国としても支援させていただきますけれども,ぜひ学校から開放するというか,そこに閉じ込めるのではなく,スポーツの魅力はもっとほかにいろんな面でもありますので,ぜひそういうマインドに変えていくことが大切かなと。スポーツ庁も,来年で10年になりますが,文部科学省内にはございますけれども,体育局からスポーツ庁ができたというのも大変意味があることだと思いますし,早くこういう改革が進められるように一つ一つ,丁寧に説明させていただきながら進めていきたいと思っています。
【小路座長】 ありがとうございます。
学校から切り離すという理解なのか,移行期間の令和13年度を終えたときに,学校も含めて幅広く地域に展開していくということなのか,この辺は移行と展開でかなり理解の仕方は違うと思うのです。移行というのは,ちょっと言葉尻を捉えると,AからBに完全に移して,Aの地点がなくなってBの地点に行きますよというのが移行で,展開というのは,AとBと,新たにBという地点もAに含めて幅広く進めていきますよということになるのですけれども,この辺はどう理解していったらよろしいでしょうか。将来的に学校での部活動も存在しますよと,こういう理解でよろしいでしょうか。
【大川地域スポーツ課長】 今御議論いただいています地域展開につきましては,今の部活動を地域へ展開していく,先ほどいろいろ委員からおっしゃっていただきましたけれども,学校でやってきた部活動を地域という場で行っていく,すなわち主体は学校から地域へという形での整理を考えているところでございます。先ほど長官からも申し上げたような整理かと思っております。
【小路座長】 学校から地域ということは,学校の部活動がなくなりますよという端的な理解なのでしょうか。
【大川地域スポーツ課長】 将来的にはそういうことになるということを想定しながら今議論をしております。
【小路座長】 分かりました。その辺はよろしいでしょうか。
石津谷さん。
【石津谷委員】 今の御発言に対する意見なのですが,スポーツと文化芸術活動というのは,一緒にしたくてもできないものなのです。例えば今みたいに,学校から将来的には全部出ていってもらうよということになったら,音楽活動は存在しなくなってしまいます。というのは,やはり音楽活動はグラウンド一つあればできるとか,そういうものではなくて,合奏するにはそういう部屋が必要,パート練習があり,個人練習もある。そのような状況の中で,文化活動というのは,例えば楽器の置き場所一つとっても,これ外に置けないわけですので,学校の力を借りるしかないわけです。合奏場として公民館を使えばいいとなっても、今の学校の音楽系の部活動が全部地域に出たら,はたして活動できる公民館が世の中にどれだけあるのだと。これなかなか難しい問題で,やっぱり完全に切るという言い方はちょっと私としては納得できないというか。地域の展開と言う以上は,その地域と協力する,それで活動することは全然問題ありません。ただ,そういう物理的な問題まで全部なしとなると,なかなか苦しいのですね,文化部の立場からすると。そこは,スポーツの先生方にも御理解していただければなと思っております。
【小路座長】 長官,どうぞ。
【室伏スポーツ庁長官】 ありがとうございます。ちょっと細かい話になってしまうかもしれませんけれども,今のお話よく分かります。音楽の授業で使われているような楽器やそういった部屋も含めて,外の指導者が来たり,当然学校の施設を使って,それを外に開放するという話もございましたので,楽器も音楽の授業で使われたものを貸し出したりとか,地域として使うという考えもあり,全くできないということはないような気もするのですけれども,その辺りちょっと教えていただきたいなと思います。学校を地域に開放し,指導者は外から来て,主体者が地域でやるという。物理的に学校のグラウンドを使ったりするケースも,体育館を使うケースもありますので,それとの違いなんかを教えていただけるとありがたいと思います。
【石津谷委員】 ちょっとすみません,室伏長官のおっしゃっていることは文化活動というのは,結局外でもできるだろうという御発想でしょうか。いわゆる学校を出てもできるという御発想でしょうか。
【室伏スポーツ庁長官】 学校の中に楽器がありますよね。そこに外部から指導者が来られます。その楽器も貸し出す。音楽の授業で使っているようなものであって,貸し出して,主体は外の方がやる。行う場所は,ロケーションは学校になりますけれども,それも地域でということだと思うのですけれども,それは地域ではないのですか。
【石津谷委員】 地域とは言えると思います。
【室伏スポーツ庁長官】 なので,スポーツもやる場所について,地域によっては学校のほうがグラウンドがあったり,体育館が充実している。ただし,それを行う実施主体者が学校ではなくて,外部の指導者だったりとかというところになるというところも含まれていると思いますので。
【石津谷委員】 はい,それは理解しています。ただ,やはり施設とか,そういうものというのが,なかなかたくさん使ったりとか,音楽室もそうですし,それぞれの一般の教室もそうですし,いろんなところをお借りしなくてはいけないというところで,学校のそういう理解がその音楽活動の地域化には必要だという意味で言ったのですけれども。
【小路座長】 非常に重要な点で,多分この意見を共有するだけで時間かかってしまうと思うのですけれども,ちょっと私も意見あるのですけれども,須黒さん,どうぞ。
【須黒委員】 すみません,今のお話の続きでというか,私は今,実際子供がいるので,これから親として子供を部活動に入れる側としてちょっとお話をさせていただきますと,やはり移行の期間というのはどうなるのだろうと。本当に今これから通わせようとしている学校で,部活動がなくなってしまうというふうに言われるとやっぱり不安になってしまうと思うので,特に移行の期間というのは,もちろん自治体によっても進み具合も違うと思いますので,その辺りというのはやはりちゃんと決めていただいて,定義や目標,ゴールというのを決めていただいた上で,しっかりとそれを保護者だったり生徒にも伝えていくというのが必要なのではないかなと思いました。
ちょっと部活ではないのですけれども,例えば子供を水泳に通わせようとしても,私の地域では行けるところがないのです。待っても待っても,何か月たっても連絡が来ないような状況なのがありまして,やっぱり子供に何かを習わせたいときに,その場がないというのは親にとってはとても不安なことです。なので,国が目指す方向,それから実際選択肢が増えるのだよ,地域でもっと子供たちを育てようという意識があるのだよということをちゃんと伝えていただければもっと理解も深まるのではないかと思います。ちょっとずれてしまうのですけれども,頂いた資料の中で,スポーツ・文化芸術活動だけではなくて,それを通じたまちづくりという文言があったと思うのですけれども,やはりコミュニケーションが希薄になっている今の時代においては,もっと企業だったりとか,地域のコミュニティを生かして,いろいろなところに協力をしてもらいながら,みんなでまちで子供を育てていこうという意識があるのだよというのをちゃんと伝えていく,何かそういうところを丁寧に伝えていただけるというのが,まずこれから親として参加する側としては必要なのではないかなと思っております。
【小路座長】 ありがとうございます。
佐藤委員,どうぞ。
【佐藤委員】 先ほどの吹奏楽の話ですけれども,学校教育の場合,先ほど私は,学校と地域の連携の話をさせてもらいましたが,そこで細かく何をどういうふうに連携するのかといったときに,学校は施設を開放するということです。私ども吹奏楽は積極的に推進したいという思いでおりまして,9つの中学校の中で吹奏楽がない学校とある学校があるわけなのですが,それを市内で皆さんがやれるような学校で,3つの拠点をつくって,全て学校施設を開放していく予定です。平日,それから休日もやれるように,そこの学校施設も使い勝手が良いように施設を少し改修しながら活動するわけです。そもそも学校施設を開放するというのは,私どもは受益者負担を前提としておりますので,施設をどこかで借りるとなると,またそれが保護者の負担になってしまいます。そういう意味で学校施設を開放しながら,吹奏楽もいろんなパート練習ができるように,普通教室も開放するところまで検討しています。
それと,子供たちや親御さんですか,希望を聞いていくと,やはり木管,金管,いろんな楽器がある中で,それぞれ専門の指導者に指導されたいという思いがあるのです。学校の先生,また地域クラブの先生だと,何か専門はありますが,全てを指導するというのは大変なのでそういうところでお金を使いたいというような,御意見がございましたので,学校施設を開放して,少しでも受益者負担を減らしながら,いろいろなニーズ,吹奏楽をやられる子供さんや保護者のニーズに応えられるように今進めておりますので,できないことはないはずだと私は思っています。
【小路座長】 それでは,市川委員,どうぞ。
【市川委員】 全国特別支援学校長会の市川でございます。
学校を預かる校長の立場とすれば,国がどういう方向に行くのかというのははっきりしていただきたい中で,やはり働き方改革という視点から考えると,部活動とか芸術活動というのも,部活動ですね,主に,学校の役割から地域の役割に変えていく方向へ進んでいくのだということの道筋をはっきりしていただけるということはありがたいなと思っております。先生の成り手も今非常に少なくなっておりますので,学校自体の力が弱くなってしまうというと少し言い過ぎですが,なかなか学校もいろんなことが担えない状態になってきている今,やはり整理をしていただきたいなと思っています。
それと,少し話が離れるのですが,とはいっても,すぐにはできないだろうなと思っています。先ほど委員からお話がありましたが,障害のある生徒さんが地域で文化活動,芸術活動,スポーツ活動をしていただくことをどんどんこれから進めていっていただきたいなと思っていると思いますが,なかなかまだまだ受け入れ先がないのが実際です。そうなりますと,まだ,私どもが所属している特別支援学校において,やはり学校がスポーツ活動や文化活動の中心を担っていくというか,それを支えていく中心にならざるを得ない部分があります。ですから,少しずつ時間をかけながら,地域の受け入れ体制が整った後に,いつかは学校から切り離して,地域のほうが担っていただくという方向なのだということをはっきりしていただけると,私とすれば分かりやすいと思います。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございます。
では,金﨑委員,どうぞ。
【金﨑委員】 部活動がこの後なくなるというような大川課長のお話からこの話が進んだかと思うのですけれども,これから20年,30年先の長崎県あるいは長与町だと,先ほどの一丁目一番地の理念の少子化の進行というのもまさに止まらない状況でございます。これをそのままにしておくと,各学校でやりたいスポーツや文化活動がやれない。もちろん吹奏楽も人が集まらないというふうな状況がございますので,やはり将来的に30年,40年たったときには部活動どうかというと,このまま残るということはまず考えられない状況かなというふうに思います。日本全国多くのところがそうではないかというふうに思っています。
その中で,地域で集まってやれるような環境を今のうちにつくっておくということが必要で,長与町では,例えば,休日は全て,学校は教育委員会が管理をしておりまして,それを地域のスポーツ活動にいわゆる無償で貸与するというふうな状況をつくっております。学校の施設についても,考え方によってはそういうこともできますので,あとは自治体のほうでどう考えて展開していくか。つまりこういう物理的なものを貸し出すということが,地域展開というふうな考え方の中に包含されるというふうにしたほうがいいのかなというふうに思っています。そうすると,ここに出ている内容で,このことは全部整理ができていくのではないかなというふうには考えたところでございます。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。
では,上村委員,お願いいたします。
【上村委員】 失礼します。先ほどの議論を伺っていて,学校から切り離す議論って,多分地域の実情にもよりますし,今議論がごっちゃになっているので,何を切り離すかの定義がごっちゃになっているのだと思います。例えば場所をどうするのか議論も,学校内ではないとできないところあると思いますし,学校外でもできるところもあると思います。また,人を,学校の先生をどう切り離すかというのも,部活を教えたくない先生もいれば,その地域の学校の先生が部活動を持つのではなくて,地域クラブ活動の指導者として,副業,兼業の範囲内で,そこで教えたいという人もいると思うので,そういうことを含めると,学校から切り離すという表現ではなくて,やっぱり地域展開という言葉って一番ちょうどいいのだろうなと思っています。
その中で,この改革の方向性,3番の議論に戻るべきだと思うのですけれども,費用負担の在り方,次期改革期間,改革の進め方等々,基本この方向でいいのだろうなと思っています。多分今までも議論に出ているような費用負担の在り方というところが一番本当に議論になるのだと思います。例えばうちのまちですと,中学校が3つしかありません。ただ,3つしかないので,どこか1つに部活動をまとめざるを得ないのですけれども,そこで一番必要になるのは交通の手段です。ワーキンググループの最後の各論のところで移動手段の確保もご議論いただけるのでありがたいのですけれども,実際うちが地域クラブ活動に完全に移行したときの必要予算を試算すると,3分の1がこの移動です。バスもそうですし,何より今の時代なので,人件費がすごくかかります。同じ人件費でいうと,もう3分の1が指導者の報酬です。もちろん,これ学校の先生もそうですし,一般の市民の方もそう。場合によっては市外からも来ていただく必要があるとは思うのですけれども,ここに対する費用負担がものすごくでかくなってくるなというのをすごく感じます。
なので,先ほどからも議論が出ておりますけれども,長官からも国も責任持って対応していくというお話いただきましたが,国,都道府県,市区町村,そして保護者,ここのバランスというのをどこまで持っていけるかというのが,多分これから一番大きな議論になるのではないかなと思っています。ただ,とはいえ,東かがわ市で野球をするのと,どこか東京の23区の中で吹奏楽をするのを,同じ金額というのもなかなか難しいと思います。例えば保護者負担は全体にその競技や種目にかかる予算の3分の1にするとか,多分そういう基準を示していったほうが,ここの費用負担の在り方,個人もそうですし,保護者もそうですし,国,県,市の費用の負担の在り方というのも議論しやすいのかなと思いました。
もう一つ申しますと,さっきの切り離す議論にもつながりますけれども,4番の推進体制の整備のところで,当市は統括コーディネーターを置いています。このコーディネーターが学校へも行き,教育関係の団体へも行き,いろんなところに行って,時間の調整,種目の調整等々もやっていますので,これを教育委員会の中に置けるかどうか,その人が学校の現場も分かりながら,今までの部活,これからの部活動を理解しながら,また地域の方々ともちゃんとコミュニケーションが取れていく,という人選がちゃんとできるかどうかというところが非常に大きいのかなと思っています。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,諸橋委員,お願いします。
【諸橋委員】 こちらのまとめのことと,今皆さん議論されたことに付け加えて御意見させていただきます。
最終的にこの完了というのは確かにないのだと思います。というのは,新たな価値を創出していくという部分において,教育だけではなく,音楽を楽しむ,スポーツを楽しむという部分になってきたときに,文科省やスポーツ庁,文化庁だけではない中で,発展させていかないと,なかなかそこの部分までいかないのではないでしょうか。そうした中で,心配なのは人材だと感じております。もちろん国が進めていくべきことだとは思いますが,,民間や地方に発展させていく上で,誰がどこまで責任を取るのかというのが非常に難しい問題だと思っています。ただ,とはいえ,その実証をしながら,そういう方向に必ず進めていくべきであり,そうなったときに,それが子供たちにツケが回らないように,お互いが歩み寄りながら,皆さんが手を放さないような状態にするために,ステップ・バイ・ステップで行っていく必要があります。人材に関して,もちろん資金的な部分はそうですが,人材育成というものをかなりの思いでやっていかないといけないと感じております。特にコーディネーターと言っていても,ビジネス感覚も入ってこないと,資金調達が難しく,助成金や国の負担だけでは難しいのではないでしょうか。新しい価値をつくる,財源をつくる,そういったものを生み出していくことも国としてサポートしていかないと,実際のところ地域や,人口の少ないところによっては具体的なアクションにつながらないのではないかと思います。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございます。
それでは,渡邊委員,どうぞ。
【渡邊委員】 改革の進め方ということで,将来的には地域展開をとにかく目指していくのだというところがあると思うのです。私たち先行している身としては,やっぱり地域移行というワードでとても苦労した点があって,部活動から脱却をして,新しい形をつくるという意味では,この地域展開という言葉で取り組みやすくなるのかなと思いました。ただ,地域連携というワードもここに出てきております。部活動指導員の配置だったり,または合同部活動,これはあくまでも地域展開に至るプロセスとして,過程としてそれがあるということで,それが最終ゴールではないと思いますし,子供の数が減ってきたときに,それも持続可能ではないなと,そんなふうに思います。
ここで中山間地域や離島という特別な事情ということで記載がありますが,たまたま当市に隣接する離島がございまして,人口300人,小学校1つ,中学校1つ,小中学生それぞれ十数名,卓球部のみというところがこれからの形を考えていくというところで,教育長のお話を聞くことができましたが,これから大人と一緒の卓球クラブだろうなというふうにおっしゃられたのです。やっぱりこれが究極の形なのだろうなと私は思ったのです。そう考えると,厳しい離島や中山間地であればあるほど,やっぱり新しい形を考えていかなければいけないのではないのかなと,そんなふうに思ったので,その地域連携と地域展開,この言葉の使い分けをしっかりしていかないと,目指すものは地域展開ですよというところをちょっと共通として皆さんで考えていかなければいけないかなと思いました。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございます。
それでは,太田委員,どうぞ。
【太田委員】 日本PTA全国協議会,太田と申します。
全国の保護者,教職員を代表しまして,まずはこの費用負担の面につきましては,またこれが目指す姿というのは丁寧に御説明いただいて,進めていただきたいということと,実は私,仕事が総合型地域スポーツクラブの運営をしておりまして,この部活の地域移行につきましても取り組んでいる当事者の一人でございます。ずっと今議論を聞いていて,週末のトレーニング,練習を部活と切り離していく,そしてやがては平日もそうなっていく,その中で必要な経費を保護者にも負担していただいてというところなのですけれども,私がちょっと気になっているのは,スポーツというのはトレーニングだけではなくて,試合を伴うものがほとんどです。県大会,九州大会,全国大会とあるのですけれども,今のこの部活動という仕組みの中では,かなりそちらの費用負担というのが保護者に優しい仕組みになっております。私も子供がインターハイ,国体とか,アンダー18とか,そういう大会にいっぱい連れていっていただいたのですけれども,これだけのお金でいいのと。それはもう公的なお金もですし,学校によっては保護者から部活動何とか基金みたいなのを集めているところもあれば,PTA会計から全国大会に行く選手にはこれだけ費用負担しましょうという仕組みもあるところもあって,そういうところのこれからの大会に選手が出るときのお金,また指導者がついていくには,今,週末2時間,3時間という話ですけれども,2日間,3日間ついていったときの帯同にかかるお金とか,そういったところって議論はされているのかなというところをちょっと教えていただければと思います。
【小路座長】 それでは,一通り皆さんの御意見を伺います。
富所さん。
【富所委員】 すみません,2度目なので,簡潔に申し上げたいと思います。
先ほどから議論になっている学校と地域のどちらが主体で取り組むのかというところなのですけれども,個人的には,学校が主体的に取り組む地域も,それから地域のクラブなどが主体的に取り組む地域も,どちらもあっていいのではないかなと思っています。改革の進度も多分地域によってばらばらでしょう。ですが結局のところ, 5にある学習指導要領の取扱いをどうするのかというところが定まってこないと,大きな方向性が決まらないと思います。書き方にもよるかもしれませんが指導要領に部活動は「学校教育」だと記載することになれば,最終的に学校は部活動から離れられないことになると思うのです。
ですので,土日と平日というまず切り分けをどうするのか,それから土曜日は完全に地域に移行するのでもいいと思うのですけれども,平日はどうするのかというところとか,この辺りやはりちょっとテクニカルな部分も含めて丁寧に議論しないと,地域によって受け止めが異なるということになりかねないと思っております。
【小路座長】 ありがとうございました。
では,木村委員,どうぞ。
【木村委員】 基礎自治体の立場でちょっと発言させていただきたいと思います。保護者の立場でもございますが,令和8年度からスタートするというふうな新たな部活動改革にするときは,今の5年生がスタートになるわけでございます。そうすると,来年の今ではもう遅い。このような保護者負担なりがありますよとか公的な支援がありますよという情報発信が保護者段階まで行っていないのです。この議論がほとんど知られていないというのが実態であります。なので,私は国のほうでしっかりと全国に,これからこのようになっていくのだという改革の理念と,それからこれからの在り方というものを発信していただくとともに,保護者も負担しなければいけないのだという前提が理解されないと,うまく進まないのではないかと思います。財政支援もしっかり国のほうで今取り組んでいただくような記載にもなっており,大変ありがたいと思いますが,やっぱり最終的には保護者とか地域の理解がないとこれは進まないと思っていますので,ぜひよろしくお願いしたいと思います。
あともう一点,学校現場では慢性的な教員不足のほかに,不登校とかいじめとか,多様化する教育課題が出現しております。新たな学びを進めるため,学校教育の質の向上が今大変求められているところでございますが,こうした部活動改革は学校教育の質の向上をもたらすのだというところの記載などもあったら非常に理解が深まるのではないかなというふうに考えておりますので,よろしくお願いいたします。
【小路座長】 ありがとうございました。
では,柳沢委員,お願いいたします。
【柳沢委員】 全国スポーツ推進委員連合の柳沢です。中間とりまとめ,御苦労さまでした。とりまとめを読みまして1点感じたことと,推進委員連合の立場からお願いをしたいことをお伝えしたいと思います。
今回までのとりまとめで,地域展開の背景はよく分かりますけれども,地域クラブの定義が曖昧であるなと感じました。例えば,記載の中に民間クラブチーム等との区別や質の担保とありますが,民間クラブチームと区別する観点はどこにあるのか,地域クラブの質をどう考えるかというように,地域クラブの定義が不明確だと,部活動をなくすのか,切り離すのか,学校が関わるのか否か,関わるとすればどういう関わり方をするのかということが見えてこないと思います。また,なぜ受益者負担という考え方を持ち込まなければいけないのかということも説明できないと思うのです。ですから,地域クラブというのはどういうクラブなのかを明確に定義して,地域クラブや地域展開が目指す方向性を, 学習指導要領との関連も含めて書き込んでほしいというのが一番感じた点です。
また,全国連合でも大分県での全国スポーツ推進委員研究協議会時の都道府県会長会で意見交換をしました。議論の感じとしましては,まだはっきり全容が分からないので戸惑っているという感じです。しかしながら,スポーツ基本法に載せられている全国で4万8,000人の指導者の連合で,スポーツ基本法ではスポーツ推進の連絡調整の役割が期待されていることから,総合型地域スポーツクラブ育成のときもそうだったのですけれども,今回も関わらなければならないなという意識は非常に高いと感じています。
ただ,スポーツ推進委員の現場を見ると,時間的な余裕がないとか成り手が少ないという問題があったり,指導者あるいは連絡調整役としての専門性をどう担保するかといった問題があります。推進委員の皆さんがスポーツ資格を持っているわけではありませんし,専業を持ちながら,空き時間で住民のお手伝いをしている人たちなので,4万8,000人全推進委員が地域展開に関われるわけではなくて,ある一定の熱意のある資質の高い人たちを中心に,市町村協議会として関わっていくという形になろうかと思います。
そのような中で,国にお願いしたいのは,スポーツ推進委員に対する制度的な支援,報酬の問題もありますし,研修の支援などもあるかと思いますが,そういった支援を検討してほしいと思います。もう一点は,地域展開に限らず, 推進委員の活動の活性化には都道府県の役割が非常に大きいと思います。都道府県が積極的に関わっている県と,推進委員は市町村の任命であるから県は関わらないというスタンスを取る県と温度差があり,推進委員の活動に市町村で違いが出ているように思います。市町村における推進委員の活動に対する都道府県の支援ついて国からの指導やお声掛けをお願いしたいと常に思っています。
また,前回も発言しましたが,地域展開の早い段階で推進委員を始めとする関係者を,ステークホルダーを巻き込んで欲しいと思います。総合型クラブ育成のときもそうでしたが,総合型クラブ育成後に運営委員を頼まれてもなかなか入っていけないのです。ですから,地域クラブの定義や方向性を示しながら,最初から関係者を巻き込んで議論をするような場をつくってほしいと思っています。
以上ですが,よろしくお願いします。
【小路座長】 ありがとうございます。
それでは,栗山委員,お願いいたします。
【栗山委員】 中間とりまとめ,御苦労さまでございました。充実したものになってきているというふうに認識をしております。
私からは,先ほども御議論ありましたけれども,地域展開のお話として,学校から開放するというようなお話しがありましたけれども,開放した結果,かなり地域の多くの関係者,ステークホルダーが関わってくるということになると思いますが,スポーツの現場では,スポーツの事故や事件,不祥事といったものが起きたときに,関係者多数になった結果,責任の所在とか主体が曖昧になってしまうのではないのかなというふうには思っております。これは,学校だけではなく自治体が絡みますし,地域のクラブ,またそこから業務委託という形での指導員だとか指導者,また施設を提供する学校,そういった関係者が関わります。そうした中で何か事件,事故が起きたときに,部活動や文化芸術活動を頑張っている生徒の皆さんの安心安全が守られないということはあってはならないということだと思いますし,仮に被害が発生してしまったとしても,きちんと被害回復が受けられるような,そういった体制や制度の設計が必要ではないかと思っております。関係者間でどういう契約関係にあるのかというところも含めて,ぐるぐる押しつけ合って,結果その生徒さんの被害が回復できない,または安心安全が確保できないということになれば,そもそも部活動のままでよかったではないかというお話しにもなりかねないという点が今後の検討課題ではないかと思っております。
この点は,中間とりまとめ案の「Ⅱ各論(ローマ数字2各論)」 に書いていただいている7番目の「生徒の安全確保のための体制整備」にあたる部分と思っておりますけれども,関係者の責任の所在をできるだけ明らかにしていく仕組みもそうですし,それだけでは実際に全ての問題を解決できないと思いますので,保険の制度をどうするかというようなところも大切であると思います。学校の管理下での事故に関しては,災害共済給付制度やスポーツ安全保険というものがあるということは認識をしておりますけれども,文化芸術活動も含めて,事件,事故があったときにきちんと保険でカバーできるような体制になっているのか,その保険を誰が付保する義務があって,その費用負担はどうするのだというようなところというのもきちんと検討していかなくてはいけないのではないかなと思っております。
また,生徒,利用者側のほうから安心安全が守られない場合に何か通報できるような窓口,そういったものが必要なのかどうか,既に地方自治体やスポーツの統括団体でもいろんな窓口を持っていらっしゃると思いますので,それらの利活用というようなところも検討しなければならないのではないかと思っております。
また、先ほども御議論ありましたが,地域クラブの運営体制につき,どういった団体を認定するのかというお話があった中で,やはりきちんとした組織のガバナンス体制があることがライセンスの条件となるのかどうかといった御議論も必要かと思いますし,現場の指導者の質という意味では,森岡委員からお話しありましたけれども,既存の指導者制度を活用していくのか,活用するとしたときに既存の枠組みでいいのか,それとも新しいカテゴリーのようなものを設けて認定制度を広めていくのか,何らかそういったところも全体として見ていく中で,スポーツや文化芸術活動を行う生徒さんの安心安全が守られるのではないかとは思っておりますので,これらの点を今後の最終取りまとめにあたって十分御検討いただく必要があるのかなと思っております。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,長谷川委員,どうぞ。
【長谷川委員】 大変意義深い議論が続いた中で,賛同させていただく部分が多かったです。私ども全日本合唱連盟では,教育現場を預かっているわけではなく,教育現場から来た生徒さんたちのコンクールなどを私たちは主催しているものですから,細かい教育現場のことはちょっとフォローできていないということも確かでございますが,地域移行になった場合のこの方々たちをどういう受け皿で受けるのかということを今一生懸命検討して,規約を改定したりいろいろしております。地域展開になっていったときを想定していろいろな活動を少しずつですが,積み重ねております。
また,指導者に関しては,質の向上という意味から,全日本合唱連盟としては指導者セミナーというのを開催したいというふうに考えておりますし,それから,またその人材バンクの整理をしていくということも重要ではないかというふうに考えています。それが私たちの今のスタンスでございます。
1つはっきりしていただきたいというのは,地域クラブ活動は義務教育ではなくて社会教育なのですということをはっきりさせていただきたいということと,義務教育に関してのグランドデザインというものをもう少し明確化して皆さんに伝わるといいのかなって,何か私はもう頭の中が爆発しそうに,大変いろいろなことが起こっているので,もう少し単純に分かりやすいように,木村委員がおっしゃったように,皆さんに浸透するようなグランドデザインをもう少しシンプルで分かりやすくお伝えしていただけるといいのかなというふうに思っています。
以上です。
【小路座長】 ありがとうございます。
それでは,時間も迫ってまいりましたので,初めての御発言の方お二人で一応今回締めたいと思います。
まず,貞広委員のほうからお願いいたします。オンラインです。
【貞広委員】 恐れ入ります。千葉大学の貞広と申します。遅参して大変失礼いたしました。また,ちょっとどこの議論をされているのか不案内でございまして,戻ってしまっての意見となりましたら申し訳ありません。2点申し上げたいと思います。
1点目でございますけれども,概要の3ポツ,今後の改革の方向性のところについてでございます。次期の改革期間が3年プラス3年という形になり,間に中間評価を挟むということでございまして,前の3年というのは休日の部活動を地域展開していくということで,かなり行程が明らかになっていますけれども,後ろの3年間の行程というのは必ずしも明確なものが共有できているというわけではありません。そういう意味では,この中間評価,3プラス3の間にある中間評価が非常に重要であるというふうに考えております。この中間評価に関して1つお願い的な意見でございますけれども,ぜひここの中間評価のところで教員の方々の勤務実態についてしっかり検証していただきたいというところです。時間外在校等時間がどこまで減ったのか,どこの学校で減ったのか,どこの地域や学校ではなぜ減らないのかということをしっかりと検証した上で,後半の改革期間の3年間に向けての手だてを講じていただきたいというところが1点でございます。
2点目の意見は,先ほども御意見出ていましたけれども,5ポツの学習指導要領における取扱いの部分です。実際これを見ますと,両にらみの感じで明確にどっちの方向性に行くのでしょうかというふうに見えるかもしれませんけれども,個人的には今はこうしたバランスの書き込みしかできないのではないかというふうに考えております。と申し上げますのは,こちらの部会で部活動の観点からしっかりと議論していただくということもありますけれども,学習指導要領は言うまでもなく学校教育の教育課程全般に関わる物事を指し示すものでございます。部活動に限らず,子供たちのカリキュラム全体を総括的に見た観点からの議論というのが必要になるものでございまして,今後ちょっと私分かっておりませんけれども,恐らく改訂に向けて諮問等がなされていく段取りになっていくと思われますけれども,そうした諮問の前の段階から想定しますと,このようなバランスで書いていただくというのが現時点での到達点なのかなというふうに考えているところです。
以上でございます。発言の機会ありがとうございました。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,水鳥委員,お願いいたします。
【水鳥委員】 遅れての参加で申し訳ございません。ちょっと話の流れと異なる部分もあるかと思うのですけれども,2点発言をさせていただければと思っております。
1点目なのですけれども,現在スポーツ庁さんとの実験事業の中で,デジタルを活用した学校現場での体育の授業の取組を始めております。この案の中の1の4にも対面とデジタルを最適に組み合わせるなど,最適な手段を考えるということで,学校現場でもどういった形がデジタルを活用して,より精度が高まっていくかということがようやく3年かけて積み上がってきているところもありますので,地域の中でもやはり指導者不足であるとか質の担保というところに一定学校現場でも寄与できるのではないかというところが出てきていますけれども,地域においてもそういった実験の教室や練習みたいなものをいち早く取り入れられるような,そういった取組をしていけるとよいのではないかというふうに考えております。
もう一点なのですけれども,私日本体操協会であったりとか,日本オリンピック委員会にもおりまして,そこでは学校での部活動がそうした競技スポーツであるとか人材育成,あるいは地域の盛り上げに寄与してきた部分を感じております。今回は,その地域展開によってそういった部分,より多くの人がスポーツに親しめるという部分は非常に賛同できるところはあるのですけれども,そういった競技の中で育つ人材であるとか,あるいは地域の盛り上がりみたいなところで一定の地域の特色という意味では,そういった競技に対して少し力を入れるような,そういった特色をしながら,その地域ごとの展開というのも考えてもいいのかなと,そういったところで競技者であるとか,より専門的に取り組みたいという子供たちも育っていくと非常にバランスがいいのかなというふうなことは思っておりました。
ドイツの友人のお話を聞いたときに,地域で特に取り組んでいるドイツなんかは,やはり財源の課題でなかなか環境を更新していくことが難しいということの悩みがあって,日本に視察を来られたりしたことがありましたけれども,そういった財源のところ,先ほども議論になっていましたけれども,そういったところの一定確保をしながら,安全かつ楽しめる環境をいかに整備していくかということは非常に重要な課題かなと思っております。
以上になります。ありがとうございました。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,最後に佐藤委員と青海委員,お二人の御意見を伺って,意見については締めたいと思います。簡潔にお願いいたします。佐藤委員から。
【佐藤委員】 お願いします。先ほど来いろいろな視点でお話があった中で,私の発言で少し補足をしたいと思います。先ほど,渡邊委員さんから,最終的には新しい形とか,子供と大人が一緒に活動するというようなお話がございましたけれども,私どもの地域展開はそれを目指しています。先ほど部活動の終わりというのは示しましたが,そこからが実は本当の展開になっていきます。スポーツ,文化活動に親しむことができるような,そういう環境を整えていくということで,ここから市長部局の,文化・スポーツ振興課と連携しながら展開していくというのが私どものゴールですので,完了はないです。子供のニーズもそれぞれ変わっていきます。地域によっても変わりますし,年代によっても変わりますし,オリンピックで何かすごく目立った種目があるとそこでまた変わったりします。ですから子供たちや,大人のニーズに合わせてということを考えています。確認したいのは,学習指導要領にも関連しますけれども,目指すは国民のウェルビーイングですよね。ならば,先ほど社会教育という話もございましたけれども,もう少し大きな視点で生涯学習とか,そういう視点でもって地域展開を考えていく必要があるのかなという思いでお話を聞かせてもらいました。
あと,もう一点すみません。学習指導要領のところのことですが,これだけ部活動とクラブが混在しているという状況の中で,なかなか文言の取扱いは非常に厳しいだろうとは思っておりますが,ただ前回の令和4年の議論,提言の中では,たしか学習指導要領の部活動の規定のところは削除するというような話が出ていたので,私ども学校教育に関わる者としては非常に大きな期待をしました。これでいろんな展開が広がるという思いであったわけですので,ぜひとも前回の検討,協議の内容を尊重しながら,この改革をさらに進めていただければと思っています。
【小路座長】
では,石津谷さん。
【石津谷委員】 それでは,最後に,できればのお願いでございます。これは総論に関することです。総論をざっと読んでみますと,国だとか,国の責任とか,そういう国の役割に対する主語がちょっと少ないかなという印象を持っていました。全体的なものでいくと,例えば国が責任を持って具現化,具体化するために予算編成を目指すとか,国が具現化のための学校施設や公共施設の利用を推し進めるとか,国が責任を持って指導者要請の援助を行うとか,そういう言葉が入っていると非常に我々サイドは動きやすいかなという気持ちを持ったのです。今のまま行くと,どっちかというと自治体任せみたいな感じを,私はこの総論を見て思っていたものですから。もう少し国が実行するための責任みたいなものが書かれているといいかなと思いましたので。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。大変たくさん意見いただきました。
【河合委員】 座長,すみません。私から,河合からも最後よろしいですか。
【小路座長】 はい。
【河合委員】 すみません。先ほど私のほうももう少し,最後のほうまで全部含んでの議論ではないと認識していたので,申し上げなかったのですけれども,経済格差の貧困家庭等への支援という記載がある中で,やはり障害があることでこういった地域展開されていった先で移動だとか,そういったところの部分は合理的配慮としてみなしながら,自治体を含めて支援をいただくなどがないと,この義務教育段階の子供たちのスポーツや文化活動というのを支えることはできないかなと思いますので,この辺りも明記いただきたいという点です。
もう一点は,都道府県ごとの競技団体というものがほぼございません,パラスポーツについては。そういった中で指導者というものも非常に確保が難しいという現状がございます。先日お話少しお伺いした中で,アメリカのテニス協会等は車椅子やブラインドテニスも含めて,普通のテニスの指導者全てにそういったことを共通化しているということも聞いております。そういった中で考えたときに,やはり改めて学校の体育の教員や,あるいは音楽や美術の先生の資格の際にもこの部分も含めて伝えていただきながら,指導者の,学校の先生が兼業,副業するというのも含めてになるかと思いますが,まちスポーツさんと我々も連携しながら,一部つけ加えて障害のある方々のことも少し学んだよではなくて,大前提として,先ほどインクルーシブなカリキュラムであるべきだと思っておりますので,この辺りもぜひこういったスポーツ庁,文化庁とでつくっていくまとめの中にしっかり記載いただきながら後押しをいただければと思います。
すみません,失礼します。
【小路座長】 ありがとうございました。大変たくさん御意見をいただきましたけれども,基本的には今日の事務局の中間まとめ案についての全体の内容については,そんなに大きく異論があるという御意見ではないのではないかなというふうに思ったのが1点と,それから私の提案から移行と展開について理解の仕方を共有したいということから,大変たくさんの御意見をいただきました。
今日ご意見を伺っていまして,今日この時点で将来的に部活動を学校から切り離すということを明確に確定をするという必要性はまだないのではないのかなというふうに感じました。というのは,学校教育,社会教育,家庭教育,大きく3つの分野がありまして,切り離すとなると学校教育の中の部活動が全くなくなってしまうと,これが果たして私も含めた今日のこのメンバーだけで決めてしまっていいのかどうかということもあるのではないのかなというふうに思いますし,それからこの中で完全に切り離すというたしか文言はないですよね。特に改革の進め方という3のところです。ここに休日については全ての部活動において地域展開の達成を目指すと,これは先生の負担をなくすということで,様々な学校の先生方の御意見を総称しているし,それから平日については公共団体において地域の実情等に応じた取組を進めるというふうになっておりますので,こういったことを踏まえてみたりすると,さっき申し上げた結論を出す必要はないのではないかなということと,それからやっぱり学校とか地域の二分論で,二者択一で結論を出すという問題でもないのではないのかなというふうに感じるところもあります。
それからもう一つは,今回の地域展開ということについては,そもそも論として地域格差をなくしていこうとか,それから身体的な障害の有無によっての格差をなくしていこうとか,それから一方では,例えばカーリングなんか私もこの前行ってきたのですけれども,カーリングなんか絶対学校ではできなくて,様々な中学生がオリンピック選手に習ったのです。学校ではできないようなところをやっぱり地域で積極的に展開していくというようなこともそもそも論としてあるのではないのかなと,あるいは所得格差の問題もそうですし,いずれにしても格差をなくしていくために地域展開を図っていこうということなので,しかも今回の期間は令和13年度でしたっけ,最終期間が,後期の期間が。ということは,これから6年,7年ぐらいかけて試行期間でやっていこうという期間的な問題もありますので,もし御賛同いただければ,ここの中間まとめにも学校から切り離すということはないので,それについてはもう少し状況を見つつ,また場合によっては文科大臣の意見も聞くということも必要なのかもしれない,それほど大きいことではないのかなというふうに思っておりまして,大臣の方の意見も政務官の意見も伺って方向性を決めていけばいいのではないのかなと,方向性というか,決めていけばいいのではないのかなということなので,学校から切り離すということについては引き続き論議をして,中間まとめで記載はしないということで御賛同いただきたいなと思うのですけれども,すみません,強制的な意見で。よろしいでしょうか。佐藤さんもよろしいでしょうか。
【佐藤委員】 納得はしておりません。
【小路座長】 そうですか。すみません。もちろんそれは全く今後議論をしないということではありませんので,今日この場で決めるということは少し延長させていただければということでございますので,もちろん佐藤さんのおっしゃるような先生の負担,それから学校の負担ということもありますし,それから読売新聞の富所さんおっしゃったように,責任の所在というのが,例えば主体はプロの指導員であっても,施設を学校で借りましたと。施設によって人命に関わる事故があった場合,責任の所在って,その指導員なのか施設の提供者なのか,この辺もやっぱり明確にしていかないといけないと思うのです。今回中学校が主体で,また高校に展開ということも書いてありますし,親御さんにとっては大変大きな問題だと思いますし,この辺の責任の所在というのも今日たくさん御意見が出ましたけれども,明確に決めていかなければいけないと,そんなことも感じましたので,先ほど申し上げたところについては,今後引き続き議論ということにさせていただければと思います。
3,4,5も含めて皆さんから御意見はいただいたので。
長官,どうぞ。
【室伏スポーツ庁長官】 小路座長,ありがとうございます。文科省を代表してお話しさせていただきます。
混乱がないように,やはり改革は進めていく方向で我々は考えたいというふうに思っていまして,ただ濃淡がある,いろんな事情があることは加味しながら,これはやはり進めていくと。最終的な形としては学校というところが,例えばハブになることはあると思います。案内をする。例えばですけれども,こういうクラブの活動がありますよという窓口は置いていいと思いますけれども,学校で行うということは,先ほどの長崎の例もありますけれども,自然消滅していくのを待つのかという危機的なところから始まっていますので,今頑張っている方,全国でおられます。その方々のことを思いますと,我々はやはり十分に練りながら,丁寧な説明も私自らさせていただきながら,御理解いただきながら進めることが大切だと思います。学校が消えるという言い方をすると,そうではなくて,学校がハブになるということは,学校が終わったあと家に帰るのかクラブに行くのか,クラブ行く場合はこういうオプションがあるので,どうぞ行ってくださいとか,そういうハブにはなると思うのですけれども,消えて消滅するということではなく,そういうイメージで。さらにそのまま放っておくと消滅してしまう危機があるという方々の意見も尊重したいというふうに思っております。
【小路座長】 承知しました。あくまでも自然の流れに任すということではなくて,積極的,主体的に地域展開への改革を進めていくということで理解をすればよろしいのではないかなと。
【室伏スポーツ庁長官】 ありがとうございます。先にやはり,何か起こってからではなくて,いい環境をできるだけ今のうちにつくっておいてあげると,未来の子供たちに。そして,学校を卒業すると引退みたいな,私41歳で引退しましたけれども,中学生で引退なんてあり得ないと思うのですけれども,学校とともにではなくて,生涯にわたってウェルビーイングも含めて親しんでいただけるように,ぜひ企業の御協力もお願いしたいというふうに思います。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは,すみません,定時になってしまいましたが,あとちょっとお時間をいただきまして,では大川さんどうぞ。
【大川地域スポーツ課長】 失礼します。様々な議論ありがとうございます。
1点だけ事務局として整理をしたいと思います。先ほど石津谷委員からもちょっと御指摘もありましたが,学校から切り離す,切り離さないというよりは,今回の改革の目的は部活動をしてやってきた主体者を変えていくということなのだと思います。なので,学校,校務でやった活動を地域へ移していく,これを進めていくということで,その際に指導をしたい先生もおられるし,学校の施設をしっかり使うということもあるし,さっきおっしゃったように楽器は学校にしかないという御指摘もあると思うのですけれども,そういったところはしっかり共有しながら,ただ実施の主体者を変えていく,これが改革のポイントだというふうに思っております。なので,切り離すというと何もかも学校はノータッチみたいになったりとか,部活がなくなってしまって,そういう活動の場はもうなくなってしまうのだみたいなメッセージにはならないように配慮をしたいと事務局としては考えております。
あともう一点,保険の関係も御指摘いただきましたけれども,保険の関係はまさに地域で支えるということで,いろんなケース・バイ・ケースで誰が責任を負うのかって多分分かれてくると思いますけれども,そこは後半のほうでまさに御指摘いただきましたように,各論のところでしっかり整理をさせていただければなと思っておりますので,その辺も不安なく伝わるような議論を後半できればというふうに思っております。
すみません,途中で入りました。
【小路座長】 ありがとうございました。あくまでも地域の実情を踏まえて,主体的に地域展開を移行ではなくて進めていくということは,みんな多分共有させていただいているというふうに思いますので,そういう理解で進めさせていただければと思います。
では,本日の議論,たくさんいい意見を頂戴しましたので,いい意見というか,大変有効な意見をいただきましたので,事務局と相談の上,中間とりまとめを決定をしていきたいと思いますけれども,このとりまとめ案につきましては,当然今日たくさんの有意義な意見を頂戴しましたので,それを可能な限り生かすということで,私座長のほうに御一任をいただければというふうに思いますけれども,よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【小路座長】 ありがとうございます。
中間とりまとめ決定後は,文部科学省のホームページに公表するとともに,予定が合えば中間とりまとめにつきましては文部科学省側に手交していきたいというふうに考えております。中間とりまとめ公表後には,最終とりまとめに向けて関係団体にもヒアリングを行っていくと,こんな予定でございます。
では,今後のスケジュール等々について事務局のほうから御説明をお願いいたします。
【大川地域スポーツ課長】 失礼いたします。お手元の資料2を御覧いただければと思います。今日,机上のほうに配付しているほうの資料でございます。本日,12月10日に御議論いただいた後,今ほど座長の一任ということで御了解いただきましたので,中間とりまとめを取りまとめ次第公表というプロセスになります。その後,最終とりまとめに向けて関係団体へのヒアリングを書面で行う予定でございます。年明けからまたワーキングのほうを動かさせていただいて,スポーツ,文化芸術,それぞれのワーキングを数回開催した後,来年の春頃,再度実行会議を開催させていただいて最終とりまとめというスケジュールで進めさせていただければと考えております。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございます。
それでは,そのスケジュールにのっとって進めさせていただければと思います。
では,最後にその他の議題といたしまして,令和6年度の補正予算の状況について概略,3分程度になりますけれども,御説明をお願いいたします。
【大川地域スポーツ課長】 立て続けにすみません。資料3を御覧ください。部活動の地域連携や地域スポーツクラブ・文化クラブ活動移行に向けた環境の一体的な整備ということで,補正予算を要求し、獲得いたしました。ちょっとまだ前回この議論の前の予算要求でござ
いましたので,まだ移行という言葉を使っております。今回の補正予算におきましては,来年度から実施する予定の実証に係る費用,それから重点地域,都道府県です。面的に政策課題に対応していただく関係経費を前倒しで準備させていただくという形で29億円ほど獲得をさせていただいております。早急に部活動の改革を進める必要性があるということで,この額の予算要求をさせていただき獲得させていただいたというところでございます。関係省庁とも連携しながら,しっかり政府として対応していきたいというふうに考えておりますので,この場を借りまして報告させていただきます。
【小路座長】 皆さんを代表して御苦労さまでございました。ありがとうございました。
それでは,本日の議題は以上になりまして,次回以降の日程等,何か補足で事務局のほうからございますでしょうか。
【鴨志田補佐】 次回以降の開催につきましては,先ほど申し上げたスケジュール感でございますように,年明けのワーキンググループの開催後にこの実行会議を開催させていただければと思っております。追って日程調整のほうはさせていただければと思います。
以上でございます。
【小路座長】 ありがとうございました。
それでは大変有意義な意見をたくさん頂戴したというふうに思いますので,それを生かすようにということで中間とりまとめをしていきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
では,全て本日の議題は終了いたしましたので,終了といたします。
本日はどうもありがとうございました。お疲れさまでございました。