地域スポーツクラブ活動ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

令和7年2月17日(月曜日)13時00分~15時00分

2.場所

TKPガーデンシティPREMIUM東京駅日本橋(東京都中央区日本橋3―11―1 HSBCビルディング7階)※ハイブリッド会議

3.議題

  1. 関係団体への書面ヒアリングの結果報告等
  2. 各論(個別課題への対応等)に関する議論
  3. その他

4.出席者

委員

友添主査,金﨑主査代理,渡邊主査代理,池田委員,石川委員,石塚委員,磯貝委員,稲垣委員,浦野委員,影山委員,金沢委員,酒井委員,新宮領委員,中山委員,星川委員,松尾委員,三上委員,山本委員,渡邉委員

文部科学省

室伏スポーツ庁長官,寺門スポーツ庁次長,大杉スポーツ総括官,松坂文部科学戦略官,大川地域スポーツ課長,鴨志田地域スポーツ課課長補佐,小野障害者スポーツ振興室室長補佐,古市参事官(地域振興担当)付参事官補佐,他
 

5.議事録

【友添主査】  それでは,定刻になりましたので,ただいまから第5回地域スポーツクラブ活動ワーキンググループを開催したいと思います。  
 皆様,今日は御多忙の中,御出席をいただきまして,誠にありがとうございます。本日の会議の傍聴につきましても冒頭からユーチューブでライブ配信をしておりますので,この点御承知おきいただければと思います。
 それではまず,事務局から委員の出席状況と配付資料の確認をお願いします。

【鴨志田補佐】  本日の会議につきましては,全部で19名の先生方に御出席をいただいております。本日御出席の委員につきましては,お手元の座席表を御覧いただければと存じます。
 また,会場にいらっしゃる委員に加えて,オンラインで中山委員に御出席いただいております。なお,駒崎委員につきましては御欠席でございます。  
 配付資料につきましては,議事次第に記載のとおりであり、事前にメールでお送りさせていただいております。また,文科省ホームページにも掲載をしております。
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございました。
 それでは,本日の審議事項に入ります。
 本日1つ目の議題は,次第にございますとおり,関係団体への書面ヒアリングの結果報告等となっております。昨年12月に取りまとめました中間とりまとめを基に,関係団体より最終とりまとめに向けた御意見を頂戴しているところです。  
 まずは,事務局よりヒアリング結果の概要につきまして御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【鴨志田補佐】  ありがとうございます。  
 それでは,お手元の資料の1―1を御覧いただければと存じます。こちらは,関係団体への書面ヒアリングの全体の概要を記載したものでございまして,昨年12月18日から今年の1月31日の期間に実施したものでございます。3ポツ,ヒアリング対象団体を御覧になっていただくと,関係する団体といたしまして,計25団体について御意見をいただいたという形でございます。  
 資料の1―2は各団体の意見概要を記載させていただいたものです。各団体からいただいた意見そのものにつきましては参考資料2のほうを適宜御覧いただければと存じます。  
 それでは続いて,資料1―2,ヒアリングにおける意見概要について説明をさせていただければと存じます。全体として,総論,各論それぞれ,このワーキンググループの最終取りまとめに向けて様々意見をいただいたところでございますが,意見として多かったところについて中心的に説明をさせていただければと存じます。  
まず,1ページ目,総論の1ポツのところでございます。「改革の理念及び基本的な考え方等」のところですが,こちらは主に改革の理念について関係団体のほうから多くの意見をいただいたところです。特に,1つ目の丸につきましては,生徒を中心に考えた部活動改革であることや,学校の働き方改革の推進を図ること等を示した点については評価するというところであったりとか, 2つ目の丸にございますように,今後さらにスポーツ庁,文化庁としてこの改革を主導して,自治体,関係団体への強いリーダーシップで改革を実行していただきたいというところで,主にこの改革の理念につきましては,それぞれ肯定的な御意見をいただくとともに,実行に移すときに今後さらに取組が必要なのではと,そういう形での御意見が非常に多かったという状況でございます。
 次に,3ページ目の,(2)の「地域クラブ活動の在り方」についてでございます。こちらも中間とりまとめのほうでは,新しい価値の創出というところで,初めてこの有識者会議の中で価値の例を示したところでございますが,そういった内容につきまして,例えば1つ目の丸,2行目以下でございます,地域クラブ活動へ継承発展させつつ,新たな価値を創出することが重要であるという考えには賛成であるという意見であったりとか, 4つ目の丸,多種多様なスポーツ,文化芸術活動を体験できる機会の場となることでよりよい部活動改革につながると考える,さらに下から2つ目の丸,一番下の丸,こういったあたりに,運動が苦手な子たち,また学校になじめない子,また障害のある子供や外国籍の子供,こういった子たちに対しても,地域クラブ活動が多様な活動の場所として参加することの必要があるとか,そういった意見をいただいているというところです。  
 続きまして,4ページ目を御覧ください。下半分ほどに書いております「地域クラブ活動の定義・要件及び認定」というところです。こちらも中間とりまとめのほうで,これから国として,定義や要件,認定方法,こういうものを検討していくという形で示されたところですが,その意見の中では,2つ目の丸のように,定義や要件は非常に重要なので,国として早急に示してほしいであったりとか,3つ目の丸にございますように,定義や要件を検討する際に,地域の実情に合わせて地域クラブ活動が設立,活動しやすいものにすること,こういった形で意見をいただいておりました。  
 続きまして,6ページ目です。(4)の「改革を進めるに当たっての基本的な考え方」というところで,こちらは6ページ目から7ページ目にかけて数多く意見をいただいたところですが,中間とりまとめの中では,受益者負担や公的負担のバランス等の費用負担の在り方の検討であったりとか,国,都道府県,市区町村,行政主体が支えながら適切に支援を行うこととされており,こういったことについて大変ありがたいという1つ目の丸のような意見であったりとか,こういう役割分担について明確にしてほしい,また国としてしっかり財政支援をしてほしい,そういった形で多くの意見をいただいております。  
 また,そういった全体的な話に限らず,例えば7ページ目,上から3つ目の丸ですが,しっかりと支援という中で,進まない地域においてはコーディネーターを派遣するなどの支援を期待するというところで,全体の支援に限らず,こういう個別のコーディネーターの派遣への支援など,こういった御意見をいただきました。  
 9ページ目以降が特にこの中間とりまとめでの「今後の改革の方向性」ということで,新しい改革期間であったりとか進め方,費用負担の在り方を定めたところでございます。特に10ページ目の(2)「改革の進め方」のところで,今回の中間とりまとめにおいては,改革の進め方として,休日は原則全ての部活動において地域展開を目指すという形で提言をいただいたところですが,そのことについて(2)のマル1「休日における取組方針」というところで,国のリーダーシップの下,各地方公共団体の実情を踏まえて休日の地域展開を強力に進めることを示されるべきであると,また,地域の実情を踏まえて地域連携というところも取り組んでいただきたいと,そういった形で様々な観点から御意見をいただきました。この「改革の進め方等」につきましては,9ページ目から10ページ,11,12とかなり多くの意見をいただいているという状況ですので,ほかの意見につきましては適宜御参照いただければと思います。
 最後に,16ページ目の5ポツ,学習指導要領における取扱い」というところについても今回多くの意見をいただいておりました。例えば1つ目の丸,2行目以下のところ,地域クラブ活動と学校との連携が大切,これは中間とりまとめの中で整理された文言ですが,次期学習指導要領の改訂に当たってはこの趣旨に沿った記載が望まれるという意見であったりとか,2つ目,3つ目の丸のように,働き方改革の観点も踏まえつつ,学校部活動と地域クラブ活動を区別するということも求められている,そういった意見もあったという状況でございます。  
 さらに,17ページ,区別するという書き方と同様の意見でございますけれども,上から4つ目の丸のように,学習指導要領における学校部活動の教育的意義や位置づけに関する記載については,地域クラブ活動と明確に区分できるような記載となるように十分に検討いただきたい,こういった形で学習指導要領の部分についても様々意見をいただいているという状況でございました。  
 18ページ目から残りの28ページ目までにつきましては,主に本日の会議の議題2に関係する各論のところでいただいた意見でございます。こちらについては,後半の議論に関連するものですので,後半の議論の中で適宜御参照いただきながら御検討いただければというふうに思います。  
 事務局からは,以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございました。  
 ただいま御説明をいただきました書面ヒアリングの結果につきまして,委員の皆様方から御意見をいただきたいと思います。  
 なお,各団体より御提出をいただきました御意見については,参考資料2としてお配りをしております。こちらも適宜御参照いただきながらお考えをお聞かせいただければと思います。いかがでしょうか。  
どの点からでも結構です。御意見,御感想をお聞かせいただければと思います。  
 大きく分けると,学校部活動と地域クラブ活動をしっかり切り離すべきだという御意見と地域連携も認めていく,選択肢の一つとして残すべきという御意見もございました。
多分,この会議でも議論になってきたところが反映されているところかと思うのですが,いかがでしょうか。この点だけではなくて,ほかの点でも結構です。  
 石川委員,お願いします。

【石川委員】  よろしくお願いします。  
 部活動指導員について,先般,アドバイザー業務で鳥取市の現状をお聞きしました。17校,4,500名ぐらいの規模で,文化も合わせて108名の部活動指導員が配置されています。地域移行の手前として,部活動指導員の方々を中心とした地域連携から進めていき,その後に地域移行という形を取っていくのが一番得策ではないかなと思えるような自治体もありました。ただ,部活動指導員の配置を単なる教師の代わりということから,行く行く地域展開につながる前段階という捉えでやっていくことが必要ではないかと思います。その中で,各地の現場の部活動指導員の声として,先生がいるから,安心して自分はできるという声がたくさんありました。何か問題が起きたときに,顧問だけではなく,管理職も先生も対応していただける,その安心感から部活動指導員がやれるという声もあります。今後地域クラブになっていく場合,全ての責任を自分が負うのではないかという,そういったことを含めて不安に思っていらっしゃるので,地域クラブの認定制度というものも含めて,いろんな方々が地域クラブの指導者になりやすい環境,その前段階として地域連携,そこに部活動指導員にさらなる補充といいますか,支援していくということが大変大事ではないかなと感じました。
 以上意見です。

【友添主査】  ありがとうございました。  
 部活動指導員は,学校教育法施行規則の78条の2で規定された非常勤公務員ですので,地域移行した段階で部活動指導員がそのまま地域クラブの指導に当たれるのかというと,なかなか法的には難しい部分があるように思います。
例えば地域クラブ活動指導員とでも呼ぶ新たなポストを準備しなければいけないのかなと個人的には思うのですが,この辺りについて事務局から御説明いただけますか。

【鴨志田補佐】  今,友添主査おっしゃったとおり,部活動指導員はまさに学校の中で部活動を先生の代わりに担う方,顧問にもなれる方という形なのですけれども,新しい役職の名称ということに限らず,部活動指導員の方が地域クラブ活動の指導員として職を兼ねるということもできますので,そういった形で少しずつ地域連携から地域展開につなげていく,特に同じ人が携わることによって指導の一貫性の部分も担保できるかなと思いますので,そういったやり方,やりようも一つの進め方かなという認識でおります。

【友添主査】  ありがとうございました。ただ,子供たちにとっては、指導者は変わらないほうがいいということは重要かと思います。  
 ほかに御意見ございますでしょうか。  
 浦野委員,どうぞ。

【浦野委員】  今の石川委員の後半の部分,責任の所在というところにについて少し触れたいと思います。今,岐阜県においても移行が進むに当たって,移行ありきというふうに捉えているクラブや市町村も中にはあって,運営団体,実施主体というものの 明確化ということが本当に必要かなと。また,安心安全という観点で,例えば学校の部活動がどうやってできてきたかということを考えてみれば,学校長の責任の下,練習計画がなされ,活動したら実績が報告され,大会に出場する場合も校長の許可が要ると。その中で,部活動の規約というものがあり,その中には細部にわたって,会計処理であるとか,そういうところまで全て書いてある。そういうことからいくと,学校の中で部活動指導員が指導することの安心安全だけではなくて,そのクラブ自体が運営していくために必要なことというものが,それこそまさに学校教育活動の移行,継承という部分になると思うのです。そういう中で,承認制などが必要になってくるのではないかなと,今進めている中で非常に感じています。

【友添主査】  ありがとうございます。  
地域のいわば地域スポーツクラブ活動については,学校と連携をということで進めていくわけでありますけれども,連携の中身を具体化していく必要があるのではないかという御意見を伺ったわけですが,連携の具体的なやり方,例えば生徒さんに関する情報を共有するとか,この辺りについては実はあまり議論してきていないので,少し詰めていかなければいけない課題でもあるかなとお伺いしたところであります。
 ほかにいかがでしょうか。
 はい,どうぞ。

【稲垣委員】  稲垣です。  
 今の浦野委員のお話に少しかぶせるような形になりますが,まさに責任をどこが担うのかというところで,今までの議論ですと,今まで学校が責任を負っていた,学校長が責任を負っていたものを地域に移していくという話だと思うのですけれども,その地域というのがどこなのか,誰なのか。今地域のクラブの方々が立ち上げてくださったりとか,一般社団法人であったりとか,そういうようなところを責任母体にしていくというような,一般的にはそういった認識が多いのかなと思うのですが,先ほどの責任だったり,そういったガバナンスを考えたときに,自治体がもっと前に出て,自治体がしっかりガバナンスを取って管理監督していくというほうが,学校からの移行という意味でもスムーズですし,そういった安心感という意味でも,やはり自治体の責任は非常に大きいのかなと思っています。というのも最近,まさにこれもスポーツ庁さんの委託事業の中で,筑波大学のほうでいろいろ海外を視察させていただいていまして,やはり海外ですと,自治体がその管理監督をちゃんとした財政,予算を取ってやっているという意味では,この日本における地域展開において,しっかり行政として各地方自治体が担っていくというようなところも強く発信していく必要があるのかなというのが1つ感じているところです。  
 学習指導要領のところにつきましては,本当に現場の先生方が非常に気にしている部分かと思いますので,どう記載されるのかというところになりますが,先ほどの責任の問題も含めまして,望まない教員が強制されることがない環境をつくるというのが非常に重要かなと思っています。今の学習指導要領でも,文言としては,強制されないような形にはなっているかと思うのですけれども,実態としては,年度初めにやってくださいというふうな,ノーとは言えないようなお願いをされているというようなところ,その辺りの望まない教員がやらなくてもいい,それは指導だけではなくて,まさに責任の校長権限も含めまして,そういうようなところの学習指導要領の文言も重要になってくるのかなと思っております。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 個人的には,前者の問題で言えば,地域クラブが法人格を持っていく必要が出てくるでしょうし,あるいはその運営団体も法人格を持って,法的な形で明確な責任母体であることを示していく必要がある。それから,御意見書を見てみると,国のリーダーシップ,それから自治体のリーダーシップを強く訴えているということ,この辺りは極めて大事なことだろうと思っています。  
 あと,いわゆる公認団体とする場合の用件や条件を厳しくしていく必要もあるだろうなという御意見もありますが,幾つか工夫をしていかなければいけないことがあるかと思っています。ただ,これをとりまとめの前文の中に含めていくかどうかというのは,少し細かいところについてはまた別の冊子体などで記載するという考え方もあるのではないかなと考えながら伺っていました。  
 松尾委員,どうぞ。

【松尾委員】  ありがとうございます。  
 総論についての少し新しい視点として2つほど気になっていることがございます。1つは,5ページ目にもありますが,「クラブ」と「チーム」という言葉をどのように区分けしながら広げていくかというところは、きちんとしておいたほうがいいのかなと思います。運動部活動もクラブだと言いながら何となくチーム化しており,チームというのが特定の目標の達成のためにつくられる集団であるのに対して,クラブというのは共通の趣味や興味を持った人々の集まりであるというちょっと緩やかな関係を持つわけですが,チームが極めて成果主義的な,あるいは業績主義的な性格を持つのに対して,クラブというのは,所属主義というか,そこにいることで居場所があり,生活の拠点になる,サードプレースみたいな言葉もありますが,そういった意味では今回,クラブが地域で展開されることによって地域の居場所になったり教育力を持つというところももう少し打ち出しながらやっていってもいいのではないかという気がいたしました。  
 2点目については,昨日実は山形県の鶴岡市さんにお伺いしてお話をさせていただいたところなのですが,スポーツ少年団が非常に活発でいらっしゃって,十一,二万ぐらいの都市なのですが,99のスポーツ少年団があって,特徴は,中学生が所属をしている団が30団体を超えて,3割を超えていたりとか,スポーツ少年団自体にも,大体七,八パーセントの登録率なのですけれども,32パーセントの子供たちがスポーツ少年団に入っているのです。そう考えてきたときに,我々はどちらかというと運動部活動を地域に移行するのだ,展開するのだと考えているのですが,本当の対象は,小学校の5年生,6年生。この人たちがすぐ中学生になるものですから,学校の部活動を受け入れなければいけないということではなくて,今やっている活動をそのまま中学校に,中学生になってもそのスポーツ少年団へ入ってきたり,あるいは新たに入れてくださったりというふうにすると,構えが随分変わってきます。新たに何かしなければいけないというのではなくて,そのまま活動していけばいいのだというようなメッセージも踏まえてやっていただけるととてもいいのではないかなと思います。また,小学校年代の人たちや保護者に対して,何かアプローチというか,いろいろアンケートなどもされておられますが,もっと小学生の子たちがそのまま地域で活動できるのだよというメッセージなども発信できるような仕組み,仕掛けみたいなものも入れていくことで,よりスムーズな地域移行,地域展開というのができるのではないかなと思った次第です。  
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 2点目は非常に大事なところかと思います。クラブは結社を意味していて,みんなが対等の関係をつくっていくという,同好の士が集まるということが原義だと理解していますが,チームワークではなくてクラブワークを学ぶということが原点で,そのためには小学生を中学校に入る前からクラブワーカーとして仲間化していくということがとても大事だろうと思っています。  
 あと,今お話を聞いていますと,地域スポーツクラブ指導の手引みたいなものがやはり必要になってくるのではないか。もちろん地域の最適解は当該の地域にあるわけですが,やはり基本的な最大公約数をしっかり,クラブの定義や要件,先ほど来の責任の在り方も含めて,そういう手引みたいなものが必要なのかなと感じるところです。  
 ほかに御意見ありますでしょうか。  
 新宮領委員,どうぞ。

【新宮領委員】  日本中体連の新宮領と申します。先ほど部活動指導員のお話があったのですが,新しいニーズが出てまいりましたので,情報を共有させていただきたいと思いまして,発言させていただきます。  
 先ほどお話があったように,その学校の準公務員として部活動指導員が配置されておりますが,今それぞれの都道府県の様子を見ていると,かなり複数校の合同部活,そしてさらには拠点校の部活動が行われています。複数校合同部活については,スポーツ庁さんのほうもかなり文言として出ている一方,拠点校部活動というのはあまり出ていないのですが,拠点校部活動は,特に北海道あたりになりますと,A,B,C,D,Eの5つの学校で,Aの学校がサッカー部をやりますよ,Bの学校が軟式野球部です,Cの学校はというようなことで,それぞれを部活動の拠点にして,そこにみんなが集まってきてやると,こういうような状態が今進んでおります。  
 その中で,この部活動指導員の立場について新たな展開を要求されております。1つの学校に配置されている部活動指導員がA,B,Cの3つの学校で組まれている合同部活動をみることができるのか,できないのか,3つの学校に責任の所在を持たせることができるのか,あるいは拠点校のA,B,C,D,Eの部活動指導員1名で5つの学校の拠点校の代表者としてやることは可能なのかどうなのか。働き方改革からしますと,やるべき方向にはあるとは思うのですが,5つの学校の責任者として,1人の外部の部活動指導員が果たしてその責任を全部負うことができるのかどうか,この辺のことが非常に悩ましく,今大きな問題となっておりまして,さらには合同複数校と拠点校部活動の合体というのも要望されてきております。それだけ少子化が進んでいるということが言えると思うのですが,様々な部活動がなくならないようにということで,合同部活動や拠点校部活動をやっていきながら,さらにもっと進んで合同部活動と拠点校部活動を一緒に組まないとできないという状況が発生していて,部活動指導員の責任の所在というのは今後議論されるべきであろうと考えています。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 小中高を束ねて,中学校の部活動指導員が小学生と,それから高校生を指導している例も実は出てきているということで,自分は中学校の任用なので中学生しか見ないというわけには現場ではいかないので,様々なパターンが生まれてきています。そういう中で,この制度をどのようにうまく運用していくのかというのは工夫していく必要があるのかなと思います。  
 ほかにいかがでしょうか。  
 稲垣委員,どうぞ。

【稲垣委員】  部活動指導員のところで,学校が任用とか責任を持っているということになると,複数校に行ったときにそういった課題が出てくると思いますので,まさに先ほどと重なるのですけれども,やはり行政として部活動指導員を任用していくのかというところを明確にしていく必要があるのかなと思います。あとは待遇のところでして,いろいろ地域での活動をしていたときに,指導者の謝金をどうするのかという議題が出てくると思うのですが,そういったときに,部活動指導員にどれだけお支払いされているのかというところが基準になってきたりするので,待遇の面でも,予算としてもう少し部活動指導員の謝金を上げていくであったりとか,そのような議論もあっていいのかなと思っています。  
 もう一つ,平日の部活動は今後も多少なりともやはり残っていく,移行期については残って地域活動と混在していくという話になると思うのですが,部活動自体の活動の在り方,本当に心身の健康のためになっているのかであったりとか,活動が今週5などになっていますが,それで本当にいいのかであったりとか,部活動以外の多様な経験を促すといった文言だったりとか,今の部活動自体を改善して,しかも地域活動に準じた形にしていけるような文言なども次回の指導要領に入れていくというような検討もなされていいのかなと考えております。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 いかがでしょうか。ほかに御意見賜りたいと思います。  
 酒井委員,どうぞ。

【酒井委員】  酒井です。今の議論の前提で少し気になっているのが,外部の指導員ありきで話が行われていますが,個人的な所感として,外部の指導員を必要な要員数を調達するというのは,非常に難易度が高いことだと思っておりまして,ただ,この地域への移行,展開というのは,どこかで線を引いて一斉にスタートしなければいけないということを考えると,指導員がそろったからスタートするということになると,恐らくスタートラインがどんどん遅れていくと思いますので,考え方の一つとして,現在は教職員の方がほぼボランティアに近い形でされていると思うのですけれども,先に教職員の方の兼業兼職というのを制度化して,学校の教職員の方でこの部活動の地域への移行,展開というのを一旦スタートさせた上で,その中で外部指導員が調達できたところについては,そのクラブ,学校が順次交代していくというような形で,一度一斉にスタートするということがまず大事なのかなと思っております。

【友添主査】  ありがとうございます。
 現実的には,もう令和6年度終了時点で土日については,概ね3割をややこえるぐらいの自治体が,土日の地域移行を進めています。外部指導員というのは,各学校が雇用するという形でやって,今お話に出ているのは非常勤公務員ということで,給料を出して公務員と同等の形で運用している制度ですが,現実の中ではもう地域の中で指導に当たられている方たちがいて,実はその人たちは必ずしも退職教員ばかりではない人たちなのだと理解しています。  
 金﨑主査代理,この点どうでしょうか。

【金﨑主査代理】  失礼します。長崎県長与町の事例ということになりますが,長与町の場合は退職教員ではない人が,いわゆる無償のボランティアとして外部指導員というのを行っておりました。その方々にお話をして,今回,スポーツクラブのほうで受け皿になり,そこが責任を取るようなことをしますので,同じような形で指導員として残っていただけませんかということで集まっていただきました。  
 実際に教職員は,今2割程度が兼職兼業で実際に行っておりまして,それでも十分回っていくかなというところです。さらに,若い方々が少しずつ入ってきていただいていて,やはりこれを展開し,少しずつ,少しずつ理解が進んでいくと,協力者が増えていくというのが今の長与町の現状でございます。昨日,実は長与だけというのはちょっとまずいなと思って,原宿外苑中学校に視察に行かせていただいたのですが,そこでも同じようなことが起きていたなと思います。つまり,都会でも地方でも,実質としては変わらないような状況が生まれているということですので,あまり深く考えずに単純化して,まずは地域展開をできるところから進めていくということが重要なのではないかなと感想として持っております。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。これは各論と非常に重なってくる部分がありますので,次の議題に移って,また議論を展開していきたいと思います。  
 続いて,各論(個別課題の対応等)に関する議論に移っていきたいと思います。議論に先立ちまして,まずは事務局から御説明をお願いいたします。

【鴨志田補佐】  資料の2―1を御覧いただければと存じます。こちら昨年12月18日に取りまとめいただいた中間とりまとめの中で,各論という形で1から8の8つの観点について目次として書かせていただいております。  
 本日は,こちらについて御議論をということで考えておりますが,その議論に差し当たって,資料2―2のほうをご覧いただければと思います。資料2―2につきましては,それぞれ各論の1から8までについて基本的な考え方,また取組の方向性というのを記載しております。こういった個々の記載はどこから来ているのかというところで,例えば3ページ目でございますけれども,運営団体・実施主体の体制整備及び適切な運営の確保に関するこれまでの実証事業の取組事例ということで,それぞれの各論には,各自治体や,関係団体の取組を整理させていただきました。こういった取組事例から見てとれる考え方,また今後こういった取組が地域に広がっていくという観点で,取組の方向性をそれぞれ整理させていただきました。
 それでは,1ページ目の各論1のほうから簡単にポイントを説明させていただければと思います。1ページ目にお戻りいただきまして,各論1,運営団体と実施主体の話につきましては,基本的な考え方でございますように,1つ目の丸,下2行でございます,学校を含めた地域全体で生徒の望ましい成長を保障していくために,こういう運営団体,実施主体においても学校との連携が必要という中間とりまとめの総論部分に書かせていただいたところをこちらにも追記をしているというところでございます。
 加えて,取組の方向性の中で1つ目の丸,地域全体での連携体制の整備であったりとか,2つ目の丸,運営に係るサポート体制の整備など,運営を担う人材の確保・育成, 2ページ目でございますが,生徒のニーズや意見等が反映される仕組みづくり,さらに次の丸,安全・安心な活動機会の提供,次,組織体制の財政基盤の整備,最後にICT活用に関する運営業務の効率化,それぞれの項目に関連する取組を黒ポツベースで,それぞれ事例から見てとれる中身を整理させていただいております。
 5ページ目,各論2の指導者等の質の保障・量の確保でございます。こちらにつきましては,基本的な考え方,2つ目の丸でございまして,現状でも各地方公共団体におかれましては,人材バンクの設置,また指導者育成研修会の開催,各種関係団体と連携した人材確保の取組が進められておりますが,やはりまだまだ指導者の質と量の確保,こういったところには苦慮しているという現状がございますので,さらに取組を推進する必要があるというところを考え方に記載をさせていただいております。
 その中で,取組の方法性といたしまして,1つ目の丸,多様な人材の発掘・マッチング・配置などに加えて, 6ページ目でございますが,適切な資質・能力の保障,人材育成,加えて平日と休日の一貫指導,さらにICTの効果的活用と,こういう項目にぶら下がる取組をそれぞれ整理をしております。  
 次に,9ページ目です。各論3の部分,活動場所の確保というところでございます。まず,(1)基本的な考え方のところですが,2つ目の丸,今後地域展開がますます進むことによって,多様な活動が地域クラブ活動として広がる,こういったことに対応していくためには,やはり学校施設のさらなる利活用を促進していく必要があるのではないかというところを記載しております。その中で,取組の方向性として生徒の活動場所等の確保,また活動場所の管理運営の効率化,最後に学校施設そのものの管理運営の効率化,こういった観点で方向性を整理させていただいております。  
 続きまして,各論4のところ,11ページ目を御覧いただければと存じます。移動手段の確保というところで,基本的な考え方の中で2つ目の丸ですが,活動場所の確保と一体的に,やはり移動手段というのも考えていく必要があるのではないかというところに加えて,交通手段,移動手段の確保においては,教育委員会やスポーツ部局だけではなくて,それぞれの地方公共団体等における交通関連部局と連携の下,推進していくことが必要ではないかということを記載しております。その中で,取組の方向性として,既存の送迎車両の活用であったりとか,2つ目の丸でございますように地域公共交通との連携,こういった形で取組の方向性を大きく2つに分けさせていただいているという状況でございます。  
 続きまして,13ページ目,各論5の大会やコンクールの運営の在り方というところでございます。(1)基本的な考え方の,1つ目の丸でございますように中体連の大会におきましては,全国大会レベルでは地域クラブも参加できるような形で規定の整備をこれまでしてきていただいたというところですが,全国大会以外の大会においては,競技によって参加にいろいろ制限があるという状況もございます。こういった中体連主催の大会以外にも,様々な競技団体,自治体,そういった大会等の主催者において,より生徒の参加の幅が広がるような改革を進める必要があるのではないかというところを整理しております。  
 そういった考え方の中で,(2)の取組の方向性でが,1つ目の丸,生徒の大会等の参加機会の確保,また2つ目の丸といたしまして大会に参加する生徒への支援,さらに大会への引率,また最後に全国大会をはじめとする大会等の在り方の見直し,こういった4つの方向性でそれぞれ整理をさせていただきました。  
 次に,16ページ目, 6の生徒・保護者等の関係者の理解促進というところでございます。基本的な考え方でポイントになるのは2つ目の丸でございますけれども,2行目以下のところで,生徒が自らのニーズに合った地域クラブ活動に参加できるように学校と連携してきめ細かな情報提供を行うことが重要といったことも,考え方の中に整理をしております。その中で,取組の方向性として,国における取組であったりとか,地方公共団体における取組というところで,先ほど松尾先生から御指摘いただいた点も,この2つ目のポツのような形で盛り込ませていただいております。  
 続きまして,18ページ目を御覧いただければと思います。7,生徒の安全確保のための体制整備というところで,基本的な考え方といたしましては,事前の対策として事故や暴力,暴言等の不適切行為の防止を徹底するということであったりとか,先ほど来御指摘いただいている,トラブルが起きた後のために,事前に責任の所在を明確化しておくということであったりとか,適切に保険の加入を促すと,そういったことを記載させていただいております。取組の方向性につきましても,そういった不適切行為の防止,責任の所在の明確化,保険への加入,こういった3点の中でそれぞれ取組を整理させていただいております。  
 最後,20ページ目ですが,各論8の部分,障害のある生徒の活動機会の確保というところで,(1)基本的な考え方の1つ目の丸,下から2行目にございますように,これまで各論1から7まで今説明申し上げた部分につきましては,障害のある生徒も活動に参加するということを想定して,それぞれの取組を進めることが重要であるということ。ただ一方で,障害の特性に応じた配慮や工夫も必要な中で,障害者スポーツセンターであったりとか特別支援学校,そういった様々な団体,関係者と連携しながら取組を展開していくというところを記載させていただいております。その中で,取組の方向性として大きく3つ,関係者の参画であったりとか新たなスポーツ機会の提供,またこの2つに該当しないその他の留意事項という大きく3つの観点で方向性を整理させていただいております。  
 以上,各論におけるそれぞれの取組の方向性について御説明申し上げさせていただきました。

【友添主査】  ありがとうございました。  
 それでは,次に各論の部分について委員の皆様より御意見を頂戴できればと思います。それぞれ8つの課題があるわけですけれども,分割しながら議論を展開していければと思います。  
 一番最初ですが,1番目の地域クラブ活動を担う運営団体・実施主体の体制の整備と2番目の指導者の質の保障・量の確保について御意見,御感想いただければと思います。いかがでしょうか。  
 金沢委員,どうぞ。

【金沢委員】  日本スポーツ協会の金沢です。  
 まずは,各論1の地域クラブについてです。1ページ目の下から2つ目,地域クラブ活動の創設・運営の手順や留意事項をまとめたガイドブックの作成とありますが,皆様御承知のとおり,運営団体・実施主体の数はまだまだ十分でない中で,地域クラブ活動の創設・運営の手順,こういったものをまとめたガイドブックが作成されるというのは,これから取り組もうという方々にとっては非常に役立つものだと思いますので,ぜひこれは進めていただければと思います。その際に,私どもJSPOでは,平成20年度に総合型クラブの創設ガイドブックを作成しておりますが,このたびこれを改訂いたしまして,この3月にホームページに公開する予定でおります。またそういったものも参考にしていただければと思います。  
 あわせて,私どものほうで部活動の地域展開に取り組む団体に向け,取組のステップが分かる動画をホームページで公開しておりますので,こういったものも,これからクラブを立ち上げようという方々の参考になろうかと思いますので,ぜひ併せて御活用いただければと思います。  
 もう一点,指導者の部分ですけれども,これはぜひお願いなのですが,7ページ,参考ということで基本は実証事業の中で得られた取組事例を記載されているのかもしれません。しかし,私ども日本スポーツ協会でも加盟団体,中央競技団体と協同して,これまで60年にわたって指導者育成を行い,既に約29万人の指導者がいるというところですので,ぜひともこの参考のところに,私どもと加盟団体,中央競技団体が協同して取り組んできた公認スポーツ指導者の育成についても言及いただけないかなと思います。まだまだ知られていないところもありますので,ぜひそういった情報を全国隅々まで広げて,御活用いただけるような形にと思っております。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。活用すべきものがあれば,それも参照していければ,非常にいいことかと思います。  
 ほかに御意見ございますか。  
 渡邊主査代理,どうぞ。

【渡邊主査代理】  まず,1番の運営団体・実施主体というところなのですが,地域クラブ活動自体の定義化も必要なのですが,実はこの運営団体と実施主体の捉え方が自治体によって様々です。例えば地域クラブ活動の総括管理をするものが運営団体,そして実際に指導を担う団体が実施主体というふうに考えているのですが,この捉え方が自治体によって様々なために,例えば運営団体がいないので,行政の管理下に実施主体があるという形であったり,運営団体がないまま行っている場合もあるようです。要はお願いする側,要請側も,そして受ける側も,その役割がすごく明確ではないなと感じました。先ほど責任という問題もありましたが,万が一何かあったときどこが責任を取るのだろうかというところが分からないまま活動しているとなると,とても大変なことだなと思ったのです。運営団体とは何なのか,実施主体とは何なのかというのをいま一度明確にする必要があり,それは皆さん全国で統一したものではないかなと私は思っています。  
 この4月から総合型クラブも登録認証制度の認証制度がスタートします。部活動の地域展開タイプということで,この条件が運営団体であることとなっておりますので,その運営団体の役割,実施主体の役割というものをもう少し明確にしたほうがいいかなと思いました。  
 私たちは総合型クラブですが,村上市では総合型クラブが運営団体と認められておりますし,実施主体としてはスポーツ少年団の指導者というふうにしっかりと明確化されています。ちなみに,村上市は令和7年度をもって平日,休日も含めて運動部活動が全て廃止となる予定です。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。
 地域移行の検討会議の中では,運営団体,実施主体の概念は明示して示したのですが,どうもそれがあまりうまく蓄積されていないような感じになってきていると。実施主体と運営団体を兼ねているところもあったりして,現実の中ではよく理解されていないところも散見されるようになってきて,責任の問題が出てくると,ここは厄介な話になるだろうなと個人的にも感じています。  
 ほかに御意見ありますでしょうか。  
 池田委員,どうぞ。

【池田委員】  大学スポーツ協会でございます。  
 指導者の量と質の確保のところで,やはり大学生というのが課題になっているわけでございますが,私どもとして幾つか課題を想定して取組をスタートしておりまして,まずはやはり大学の幹部層が本件に関して理解を深め,取り組むスタンスを持つということが大事かと思います。昨年末に,64大学参加していただいて,大学代表者懇談会を開催し,大杉総括官にも御登壇いただいて,本件の概要とこれからの方向性ということについて周知をしていただきました。ありがとうございます。  
 それから,あともう一つ,スポーツ庁からの受託事業としまして,現在,感動する大学スポーツ総合支援事業というのがあり,そのうちの一つのパートで,大学生指導員の育成というモデルをどうつくるのかということを実証検証しております。6大学ほど取り組んでおりまして,ちょうど明後日にその成果報告会が開催されますので,ぜひお時間あれば御観覧いただければと思っております。  
 そういった取組の課題として出てきておりますのが,うまく進むパターンと進まないパターンがあり,その違いは,まず派遣するに当たっては当然事前に研修をする,知識を与えることが必要ですし,どこに派遣をするのかといったマッチングの問題などもあるわけです。やはり推進主体がはっきりしている,どういう指導者像を望むのかということがはっきりしている際には研修メニューはつくれます。大学独自でつくる場合もあれば,実施主体と連携してつくっている場合もある。これは明確に,大学生に何を求めているのかがはっきりしている場合がうまく進むという例もありますし,人材バンクをつくられている自治体も結構出てきており,それがあるところがマッチングが進みやすいことは事実であります。ただ,今回モデル事業という展開で,短期集中型で実施しているところもありますから,この地域展開というのは永続的に進む,継続するものですので,派遣の持続性を,学生に続けてやってもらうのかという点をどう解決していくのかが今後の課題であると認識しております。

【友添主査】  ありがとうございます。
 幾つかの代表的な事例が生まれつつあるかと思っています。例えば福岡大学などが典型的にアスリート人材の活用をやり始めているように思います。大学がこれをインターンシップ化したり単位化したりすることが必要で,あるいは企業の側が採用のときに,こういう経験を積んだ人たちに優先的にメリットを加えていくというようなことが,社会的に皆さんが共有できるようになるまで,やっぱり頑張っていかなければいけないだろうなと感じるところです。  
 ほかに御意見。  
 はい,どうぞ。

【山本委員】  バスケットボール協会の山本です。よろしくお願いします。  
 6ページの指導者のところです。適切な資質・能力の保障,人材育成の項で,例えば上から5つ目の黒ポツのところで参加者の安全確保や見守りに重点を置いた研修というような記載があるのですが,私ジュニア世代の育成に携わっているので,バスケットボールではそういう話をしているのですけれども,保護者との関係づくりに関する研修というのは,指導者にとっては非常に重要だと思っています。  
 2つ目が,中学校世代に特化した内容の研修会の開催も非常に重要。指導者一般的な知識に関する研修だけではなくて,ジュニア世代の特徴として,いろいろなことを勉強しなければいけない世代です。指導者養成をする上で,このジュニア世代に関わる指導者に対しては,特別な履修科目が必要だとおっしゃった方もいらっしゃるぐらいです。特別科目が必要だということを指導者の方に知っていただく意味でも,この黒ポツのところにそういった文言が入るほうが見えやすくていいのかなと思いました。  
 最後ですが,障害を持つ生徒さんに対するところは8番で出てくるわけですが,指導者の養成に対して,体の障害を持つ方,また知的障害を持つ方,そのほかに加えてグレーな方というか,発達障害の方というか,そういった子供さんが結構増えているというのは,実際我々クラブチームの活動とか,Bユースチームの活動においても,そのような報告がなされていて,そういったことに対してちょっとした知識を持つだけでも,その子供さんが落ち着いたりするというようなことがあるやに聞いております。ですので,そういったことに関する知識の研修というところ,以上の3点については加えたらどうかなという意見でございます。  
 以上です。

【友添主査】  貴重なご提案ありがとうございます。  
 ほかにいかがでしょうか。  
 では,先に。

【金﨑主査代理】  今の山本委員の意見に加えてのお話なのですが,1ページ目の安心・安全な機会の提供の中に,活動中の生徒同士のトラブルや事故等の対応云々というので明確化とあり,これは非常に大切なことなのですが,ここに加えて,保護者への対応というのが実は非常に重要なところになってくるので,そういったことも書き加えていただくといいのかなと思っております。  
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 ほかによろしいですか。  
 松尾委員,どうぞ。

【松尾委員】  ありがとうございます。2点でございます。  
 指導者に関してのことですけれども,マッチングのことについてです。1980年以降,バンク制度,随分用立てて指導者を何とか把握して,それを活用するのだという動きがずっと来たわけですが,実質上はそれがうまく機能したかと言われると,なかなか,指導者の確保という意味ではできたけれども,活用という意味では一歩進んでこなかったのではないかなという部分が反省点としてあろうかと思うのです。そこで出てくるのがマッチングなのですが,このマッチングのバンクはつくられるところは多いけれども,マッチングについてはどうすればいいのか,どのような形だったらマッチングがうまくいくのかというところが,皆さんあまりイメージをなされにくいのではないかなと思いますので,実証事業では,いわゆるコーディネーターの方が入られて面接をしたり云々とありますが,その進め方をクリアにしながら,マッチングがスムーズにいくような仕組みはぜひ進めていただけるとありがたいなと思いました。  
 もう一つは,よく先ほどから運動が不得意だとか,運動と少し縁遠いとか,特に中学生だと,女子の中学生が運動機会が少ないという非常に大きな問題があろうかと思いますけれども,ではどこに指導者を派遣して,要請するかというと,競技団体の,それもそもそも競技種目はあるようなところからの派遣ですとか,そういう方にお声かけをなさることが実質上は多いのではないかなと思われます。そういった意味では,いわゆるアーバンスポーツですとか,スポーツレクリエーションですとか,あるいは健康運動をやっておられるような人たちもしっかりとこの範囲に入れていただいて,苦手な子たちが,あるいは女子の中学生さんたち,男子もそうですけれども,関わりやすいような,そのような広がりはしっかりと明示していきながら進められたほうがいいのではないかなと思った次第です。  
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございます。
 結構難しい問題が多く出てきます,具体的なスポーツ指導の現場では。特に激しいトレーニングを続けている女性選手は,「エネルギー不足」や「無月経」,「骨粗鬆症」のリスクがあり,いわゆる女性アスリートの三主徴の問題なども知らないでいると非常に大きな事故につながったり,あるいは身体的に大きな障害につながったりする場合があるわけです。
 ほかに御意見。はい,どうぞ。

【磯貝委員】  日本陸連陸上連盟の磯貝と申します。よろしくお願いします。  
 陸上においてもクラブの運営,設立に関して,学校で指導していた指導者が主体となってクラブを立ち上げるということが多くあります。指導者側,または地域側においてクラブを立ち上げる際に,今お話に出ていたような運営団体における手引きやガイドラインがあるというのは非常に助かるのではないかと思います。  
 また,指導者という点では,先ほどスポーツ協会さんもお話しされたように,スポーツ協会及び我々競技団体の責任として,安全安心な活動が担保できるよう,指導者を育てること,また今お話が出た,女性に関することや,バスケットボール協会さんがお話しされた育成期というところ,それらの知識も含めて,公認スポーツ指導者資格制度の中で指導者養成を行っていますので,ぜひ各団体,自治体の皆さんにもそれらを周知していただき,活用していただければと思います。我々は責任を持って指導者を養成していく立場にあると思っています。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 次のテーマに移っていきたいと思います。もちろん次のテーマに移っても,元へ戻っても結構ですので,次は3番目の活動場所の確保,そして活動場所への移動手段の確保,5つ目の大会やコンクールの運営の在り方,場所や移動の手段の確保と大会運営の在り方,この3つについて御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。  
 影山委員,どうぞ。

【影山委員】  日本サッカー協会,影山です。よろしくお願いいたします。  
 大会の在り方というところと,1番目の総論でいう地域クラブの在り方というところ,両方に関わるかと思うのですけれども,例えばサッカーやスポーツをやりたい子供たちがやれなくなってしまわないようにするというのが今回の部活動地域展開の大本にある話だと思っています。そういったものをなくすために,誰でも,やりたいと思っている人,いつでも安心してアクセスできるような,そんな在り方をサッカー界では模索していこうという話をしていて,競技性を求める子供たちだけではなく,これ日本スポーツ界において欠落している部分だと思うのですけれども,ファンスポーツやプレーすることが楽しいから行くのですという部分に対して,サッカー界もこれまでの反省からアプローチしなければいけないと思っています。  
 そのときに,仮称なのですが,ゆるゆるリーグというものを今考えておりまして,人数や場所や,それからサイズ,審判の在り方など,そこに関してはもうプレーすることを第一義として,やれる形でとにかくやっていこうよと。リーグ戦を展開するに当たっても,ホーム・アンド・アウェイで何試合をやらなければいけない,そういうものも一旦なくして,その代わり昇降格はなくします,もうファンスポーツに特化しましょうというような大会の在り方。  
 それから,こうなると1つ目の地域クラブの在り方というところにも関係してくるのですが,今,1つのクラブでも競技力を求める子供たち,楽しむだけでいいの,どっちがいいのという。1つの学年というかカテゴリーでも,2つの在り方を認めるクラブがサッカーでは増えてきています。ですので,クラブの在り方というところで,何もないとカオスになってしまいますけれども,ある程度いろんなクラブとしての在り方というものを認めていただけると,どんな形でもプレーすることをまず優先としますよというようなやり方に迫っていけると思っております。大会の在り方,それからクラブとは何ぞやという部分に関して,あまり細かくされないほうがいいのかなということを意見として話させていただきました。よろしくお願いいたします。

【友添主査】  ありがとうございました。
 意見書だったか,課題のほうだったか,ちょっと記憶がはっきりしないのですが,楽しさ志向ばっかりで競技志向を今回の地域クラブは育てないのかという御意見があったかと思うのです。少し誤解があって,今我々がやろうとしている地域クラブ活動というのは基本的には楽しさを重視していくということを中核にやっていく。ただし,競技を志向していく子供たちにとっては,各NFがまた地域クラブをつくって,そこでもって引き上げていくという区分けをしてきたはずなのです。  
 現状では少なくないNFがクラブに対して様子見のところが多くなってくるというのは。これはまずいわけで,むしろ同時にスタートを切って一緒にやっていかないと,結局子供たちに偏ったメッセージが伝わっていくということは避けていかなければいけないなと思っているところです。  
 ほかに御意見ございますでしょうか。  
 渡邊主査代理。

【渡邊主査代理】  大会の在り方ということで,今いろいろなところにお邪魔したときに,やっぱり中体連の大会に出れるか出れないかというのが地域移行を足止めしている一つの要因になっているかなと感じるのです。中体連の大会も,地域クラブでも,生徒が参加できるようになっているはずなのですが,年々種目によっては細則がどんどん厳しくなっていって,少子化で,これから広域連携をしていくのに,複数校のクラブチームは出れないと言っている種目も実はあります。自治体からは,地域クラブとして公認されているにもかかわらず,逆に中体連では認定されない。またはその逆で,自治体からは認定されていないクラブも中体連では認定されているという現状もあります。  
 私は,やっぱり中体連の大会が全てではないのですが,ある程度そこの整合性を取っていかないと混乱するのかなと思いました。ただ,さっき言った競技団体の種目によっては,もう中体連に代わる大会を検討しているところもございますので,全国大会で勝つことも大事,目指すことも大事,またローカル大会のリーグ戦で勝つことも大事,両方大事だと思いますので,今後やっぱり中体連の大会に出れるか出れないかというのが足止めをするのはちょっと違うのではないかなと思いましたので,ある程度整合性を取っていただきたいなと思いました。

【友添主査】  新宮領委員,何かございますか。
 多分地方の中体連と本部のほうとのまた認識のずれはあるのかなというところも若干感じたことがあるのですけれども,何かありましたら。

【新宮領委員】  ありがとうございます。
 もちろん中央と地域との違いも少しはあるかもしれませんが,今おっしゃっていただいたのは多分陸上の話とバスケットボールの話だけに限ると思います。ほかは一切ございません。ただ,私ども定款を変えていなくて,やはりもともと中学校の学校教育に資する団体から始まっている団体なものですから,中学校教育という部分に関してこだわって今もうずっとおりまして,それに対して,地域クラブについて決して排除しているわけでは毛頭ございませんで,とにかくできる限りの範囲で参加していただこうというような積極的な取組でこれまでもやってきたという事実でございます,令和5年度,令和6年度と。  
 ただし,その中で,地域に開くことによって様々な諸問題が起きてしまっている。特に一番大きなのは,大人サイドの忌まわしい取組の仕方です。子供たちを集めることによって,その学校で一生懸命部活動をやってきた子供たちが分断されるというようないろんなことが起きてしまっていて,この陸上のリレー競技,そして駅伝競技,そしてバスケットボールについては,一番中学生では加盟登録の生徒数が多い競技でございます。人気のある競技なので,そういったところからこの陸上とバスケットボールについては,申し訳ないのですけれども,競技の特性として,また平等性や公平性を担保するために,大人のそういう見識のない取組を阻止するためにさせていただいているということを御理解いただけると助かるなと思っておるところです。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。  
 ほかに御意見。  
 はい,石川委員,どうぞ。

【石川委員】  すみません,今ほどの件に関連してになるのですけれども,恐らく令和8年度以降,休日の地域クラブと平日の部活動が併存する地域がかなり出てくると思っております。まず,何よりも子供たちの大会参加の機会の確保というのは絶対大事だと思っているのですけれども,当市でも今年の9月から全市内の学校,全ての運動部を一斉に地域クラブとするわけですが,これは現状の中体連の学校部活動を対象とした学区制を基本として,教育委員会,校長会,中体連とで合同規定等の出場規定を厳守した地域クラブ,こういったものを今作成しております。  
 このような状況の中で行政が関わっていく中で,今後やはり地域クラブから大会参加するという方針を示すということも一つの方向ではないかなと考えております。当市では,実はもう全ての大会について,中体連の大会を含めて,地域クラブで出るということを昨年4月に保護者にも通知をしています。学校によって,どちらで出てもいい,部活で出たいところは出ますみたいな形になると,せっかく行政が一緒になってつくった地域クラブが,一部の学校がそこから抜け出てしまうことによって,出れない子供たちが出てしまうといったことの懸念もあって,どちらかに統一したほうがいい。ゆくゆくは平日も含めた部活動から地域クラブという流れがある中では,ある程度地域クラブから参加する方向を示したほうが子供や親の混乱もないだろうと考えているところです。  
 そんな中で,いわゆる民間の街クラブと同等の地域クラブという扱いになると,どうしても行政も一生懸命制度設計をする中で,なかなかやっても出れない可能性があるというところもございますので,今後示される認定制度,それから現行の部活動を対象とした中体連の出場規定等の条件を満たしていて,さらに指導者に対して自治体等が独自に研修制度を設けているような地域クラブに関してはいわゆる一線を引く形で検討いただけると,それぞれ自治体としては教育的意義を継承したいわゆる勝利至上主義にならない地域クラブの創設というものを目指しておりますので,そういった後押しにもなると思っています。  
 そうでないと,先生方も専門資格というところ,同等の資格取得が必要ではないかというふうなお声も聞いたり,逆に先生方の中でも資格を持っていないから,部活動であれば出れたけれども,地域クラブ化する自治体では出れないという心配もあったりするので,やはり地域クラブといっても,今後国が示す認定条件,あるいは中体連と一緒になってつくったいわゆる合同部活動,拠点校部活動と同じ意味合いのものについてはちょっと違う考え方をしていただけると,いい形で地域クラブ化が進むのではないかと考えております。

【友添主査】  ありがとうございます。
 貴重な御意見だと思います。これから地域クラブが進行していくと,恐らく全国地域クラブスポーツ大会という中学生年代齢の大会がどこかで形成されていく必要が出てくるだろうと思っていますし,またそういう全国組織も必要になってくる時期がもう目の前だろうと思っているところです。もちろん全中,中体連,これも共存しながらやっていくということもありだと思っていて,そういう意味でいうと,子供たちにとっては選択肢が多いほうが楽しいし,いいわけです。今ちょうど組織あるいは制度の変革期にあるということで,様々なところでいろんな問題が生まれてくる時期でもあるので,私たちはそれを1つずつ克服しながら次へ向かっていく必要があるのかなと感じたところです。  
 どうでしょう。移動の問題などでも,渡邉教育長さんのところでは先進的にやられていますが,何か御披露いただければと思います。

【渡邉委員】  長野県南佐久郡の渡邉です。よろしくお願いします。  
 お話がありました4番の活動場所への移動手段の確保なのですけれども,これについては,本当に保護者からの訴えがあります。そのことに触れながらお話しさせていただきます。令和4年度に実証事業を受け,最初に,郡内の小中学生,それから保護者にアンケートを取った中で,保護者にとって一番心配なことは送迎でした。時間的な余裕もない,金銭的にも厳しい,こういう意見がありました。それで,何とかしてこの課題をクリアしたいなということで,幸い中学校と公民館等の社会教育施設がJR小海線というローカル線の駅のそばにあったので,これは使えるなということで,まず会場を駅に近いところに決めました。  
 それから,練習の時間も,休日3時間あるのですけれども,小海線のダイヤに合わせて開始時間を設定しました。また,ある場所は小海線の両方向から生徒が通ってくるので,ダイヤの関係で開始時間の設定が結構難しいのですけれども,この時間が一番いいだろうというところに設定しました。  
 実績なのですが,180人いる中で約80人が利用しています。保護者の申請に対して,全体で35万円の補助を出しました,今年またアンケートを取ったのですが,やはり送迎が心配だという意見が多くありました。現在、小海線を利用している生徒で一番遠い生徒は山梨県の清里駅から1時間かけて通ってきてくれるのですけれども,やっぱりやりたいスポーツのためには1時間かけても来てくれるのだなということを思いました。何とかして保護者や生徒の願いをかなえていって,円滑な地域展開ができるようにしていきたいなと思っています。  
 それから,最初のところで発言できなかったのですが,地域連携にせよ地域展開にせよ,各自治体なり運営団体なりが自主的に考えていけるように,こうあるべきではなくて,進んでいく中で理想に近づけていくという,そういうスタンスが大事なのかなと思います。ありがとうございました。

【友添主査】  貴重な情報提供ありがとうございます。  
 ほかにいかがでしょうか。  
 石塚委員,どうぞ。

【石塚委員】  ありがとうございます。石塚でございます。  
私は,9ページの活動場所の確保について少しコメントさせていただければと思います。取組の方向性の白丸1つ目にありますけれども,今皆様のほうからお話伺っていて,活動場所はやっぱりアクセスがよく,そして様々なニーズに応えるという観点からいくと,ここに記載されている施設以外にも,例えば大学の施設を有効活用する,こんなことも今年度の沖縄県内の実証事業でも事例がございまして,学校施設に足を運んでいただくという地域の連携の在り方の一つにもなっているのかなと思いました。  
 また,ここに書いている民間事業者等の活用の部分ですが,まさしく民間事業者も地域クラブ活動の支援の在り方として,自社で持っているスポーツ施設ですとか,会議室を開放することによって活動場所の幅を広げるという選択肢もあるのかなと思いますし,例えば都市部に限定されるかもしれませんが,商業施設と隣接しているようなスポーツ施設もあったりすると思います。そういうところをうまく活用すると,保護者の皆さんの送迎の間の時間の活用の仕方ですとか,そういった新しい家族の時間などもうまく活用できるのかなというのは思ったところです。  
 活動場所の管理方法の効率化なのですが,さきに議論ありました2ページの一番下のICT活用による運営業務の効率化,ここでは指導者の勤怠管理ですとか出欠席の状況の管理というものがあると思うのですが,9ページ目の活動場所の管理,予約システムと連動して,どの場所で,どの指導者がいつ指導して,誰が参加したのだ,まさしくこの一元の管理というのが必要なのではないかなと思っています。場所の部分での管理と運営業務の効率化というのはかなり密接に連携していると思いますので,こういったところがぶつ切りにならないように一定の一元管理の体制というのを築いていくことが必要になってくるかなと思いました。  
 さらに,この学校施設の管理運営のところですが,こういったものを実現していくためには,指定管理者制度の導入というのは,やはりさらに推進していく必要があるのかなと思っています。なかなかまだ事例がない中ではあると思うのですが,地域クラブの展開という意味では,こういった学校施設の管理の在り方とか,管理主体者の見直しというものもさらに推進していくことによって,例えばこのような一連の体制が整うことによって,学校単位でやる活動ではなくて地域単位でやる活動として,スポーツ・文化活動の拠点が増えるという観点になると思いますので,こういったまちづくりの一環として,中学生年代だけではなく,保護者も含めた地域住民一体となった活動が実現できる体制になるのかなと感じているところです。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。
 多分まだまだ掘り起こしていない場所や活動の仕方もあるし,あるいはアプリについても,今重点地域で,政策課題として開発をしているところも,渦中でもあるのですが,そういうものが出来上がってくると共有ができるわけですから,多分これからどんどん前に進んでいけるだろうと思っています。  
 ほかに御意見どうぞ。

【磯貝委員】    以前のワーキングでも少し触れたのですが,日々の活動,指導者や練習場所といったところと,大会の運営や在り方については,一緒に考えていく必要があると思います。競技レベルに関係なく,楽しむための大会であっても競い合う大会であっても同様に,特に陸上の場合は1つの大会に100人,200人の審判等が必要になります。今までは学校の教員が引率をし,審判をしてくださるというような形で成り立っており,今後地域クラブへの移行で,その形が変わってくることから,大会自体が成り立たないような事態が起こらないように,大会の在り方,運営の在り方も変えながら,簡略化やシステム化なども取り入れて行っていくことも考えているところです。  
 そのような中で,陸上では,2027年度から中学生以下が所属する団体(学校を除く)においては団体登録の際に,有資格指導者と審判資格保有者が所属していることを必須条件とします。既にアナウンスを行い, 2027年度から徹底していきたいと思っています。それは日々の活動,そして子供たちが目標にする大会の開催・運営を確保していきたいというところにあります。  
 もう一つ,大会に関して,この全体の総論,各論の中に含めるのか,もしくは競技団体ごとに示していくのか,ですが,先ほどお話に出た中体連の大会(全中),そして高校(インターハイ)も含めて,夏休みの大会開催であり,陸上のような屋外競技にとっては,この激しい暑熱状況が選手,審判,関係者の健康や命の危険にまで及ぶのではなかろうか,大きな懸念,課題をもっています。大会のシステム,大会の期間,大会のやり方を示すことは日々の活動にも大きく影響することで,大会,そして日々の活動における暑熱対策を考えた安全管理については,今,外してはならないところかと思い,安全の確保としてどこかに加えるのがよいのではないかと思います。
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。
 気候変動を受けて,やっぱり非常に大きい問題が出てきているということでもあると思います。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 星川委員,お願いします。

【星川委員】  ソフトバンクの星川と申します。企業代表として来ていると思っております。
 ICTを活用したスポーツ教育ということで,資料をお持ちしましたので,ご覧いただければと思います。いろいろなところで部活動をテーマにした取組をしていますので,御紹介と,企業ならではの所感や課題のようなものをお話できればと思っています。  我々は,予習,復習に先生が付きっきりでなくてもできるツールとして,動画で見れるサービスと,また,なかなか指導者が行きたくても行けないようなところに遠隔で指導ができるというサービスを提供しておりまして,いろいろなところで今活用されています。
 特に最近注目されているのは,お手本が動画にあって,自分も撮ってもらって,さらにお手本と比較をすると,自分自身で何か違うかということで,違いを主体的に気づくことができるツールです。先生が指導をしなくても子供たちが主体的に学べる利点があります。  
 現在、このようなサービスは多くの種目で展開されておりまして,「マルチスポーツ」と書いてありますけれども,いろいろなスポーツの初めの取っかかりに活用いただいております。例えばサッカーをしている子供が,スポーツ大会や学校の大会でバレーボールを習いたいなというときにこれを使って学べましたというようなこともあって,ICTが多くのスポーツ教育に活用できるのだなと思っております。
 事例を何個かお持ちしております。まず,こちらは,すごく強豪で,熱心な指導の方なのですけれども,指導を変えたい,子供たちがどうも今までと違うということに気づいて,何かデジタルを使ってみようということで,新しい練習法を使った例でうまくいきましたというようなところです。  
 この事例では,Bリーグさんといろいろ課題の取組をしております。本島内なのですが,かなり過疎な地域で,周りに練習相手もいない先生が4年前にバスケットボールをやったことがないのに指導者になりまして,困ったものだという声を聞いてやった活動になります。これは,先ほど言った遠隔の指導で,子供たちに動画を送ってもらったものにアドバイスをしたり,アドバイスだけではなく,予習,復習ができるようなICTのものがあるので,それで学んでもらっています。何かデジタルだと縁遠くて,そういうことが成り立たないのではないかと思うのですが,全然そのようなことはなく,子供たちは完全にデジタルネイティブですので,ラインのようなメッセージがあたかもその場にいるようになりますし,その動画を見て,自分たちで言われるわけでもなく,学び始めるということがありました。ここは過去に,4年間試合で勝てなかったのが勝てたということ,さらに,子供たちが主体的に学ぶ態度に変容したことを校長先生がすごく喜んでおられました。
 また,こちらは離島での取り組みです。長崎県,有人離島が一番多い県で,なかなか距離的に問題があるところ。なので,やはり長崎の方は,大人の方もすごく課題意識が高いと思いました。プロスポーツのチームの方も,先ほどあった遠隔で,プロスポーツで何かできないか,もっと言えばチームを盛り上げられないかということで,プロの現役選手がリモートで教えるのです。わざわざ行くと支障が出ますけれども,遠隔で空いている時間にアドバイスができますので,それによって選手たちがより地元に愛される,そういうような関係がつくれると。子供たちは,やっぱり地元の選手を応援したい,このようなこともICTであれば新しい機会として提供できるのではないかなと。部活の新しい形として,このようなことの発展性としてもあり得るのではないかと思っております。
 最後です。今ありましたいろいろな指導者の確保については,大学も重要な役割を果たしています。大阪体育大学さんのほうで,学生が部活の指導に当たっております。そこでICTを使ってみませんかということで今熱心にやっています。実は週末も発表会がありまして,意見を聞いたところ,子供たちが主体性になるということもありましたけれども,学生たちは,このようなものがあると単純に技術を教えるというよりは,もっと違う視点から子供たちを教えたいなと。例えばやる気を出させる方法は何だろうとか,何か指導観が変わったというところが私としてはすごい新しい発見でした。これは全般を通して言えることなのですが,今ちょうど変革をしようとするときにICTというのは便利なツールではあるのですけれども,何か新しい価値観を生むいいきっかけになるのだ,絶対なるのだと思っております。このようなものを積極的に使っていくことがいいかと思います。
 また,今日聞いてみて,例えば指導者が登録するのですけれども,指導者は安全面など覚えることが大事だなと思います。でも,登録して指導したときに,では安全面の仕方どうしよう,何か学ばなければということであれば,今オンラインで学ぶことって当たり前なので,先ほどもありましたオンラインでもう学んでしまえばいいということなので,戸惑うようなところはどんどんデジタルで支援,サポートすることによって前に進んでいくのだなと思っております。
 ただ,特に学校の場合ですといろいろな課題があると思っていて,特に今,平日は学校,休日は地域でと,このまたぎをどうするのだと,デジタルツールにおいてもこのまたぎということに対してまだ整備がされていないので,躊躇するケースはかなり多いと思います。また,学校もGIGAスクールというものがありますので,すごく進んでいるとは思いますが,まだまだ活用が限定されているので,ここはどんどん活用しましょうという方針さえあればできると思います。あとは通信業者の責任もあるかもしれませんが,もっと体育館に電波が届くようになれば,先ほどありましたようにリモートで施設を管理したりすることがどんどん広がると思います。

【友添主査】  ありがとうございました。
 学校の中に部活があったということで,民業を圧迫してきたということを指摘する研究者も実はいて,地域にスポーツが開放されることによって,むしろこういう様々な捉えが出てきて,これがやっぱりスポーツ界,あるいは中学生のスポーツ教育のいわば財産になっていく可能性が非常に高いと思っています。そういう意味で言うと,こういう試みが様々なところで出てきて,よりブラッシュアップされていくことが非常に大事な時期だろうと思っています。
 稲垣委員,挙手いただいたのに申し訳ありませんが,次と絡めてもしお話しいただけたらと思います。次,6番目と7番目と8番目,最後の3つに移りたいと思います。
 6番目,生徒・保護者等の関係者の理解の促進,7番目の生徒の安全確保のための体制整備,8番目,障害のある生徒の活動機会の確保ということで,まずは御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
 金沢委員,どうぞ。

【金沢委員】  日本スポーツ協会の金沢です。
 18ページ,不適切な行為の防止のところです。この不適切な指導の防止については,私どもも指導者については以前から取り組んでおりましたが,今年度は指導者のみならず,やはり保護者に意識を変えていただく必要もあるだろうということで,保護者を対象にしたセミナー,研修会等を行っております。これは,日本スポーツ協会だけではなくて,中体連,高体連,それから統括の日本オリンピック委員会,日本パラスポーツ協会,そしてUNIVASなど,スポーツ関係団体が一体となって「NO!スポハラ」活動を実施しております。これをスポーツ関係団体のみならず,行政にもぜひ広めて,一緒になって取り組んでいただければと思っております。
 もう一点,取組の方向性の中段,トレーナーとございますが,トレーナーにつきましてはスポーツ活動中の外傷・障害の予防のみならず,コンディションニング調整や安全管理,そしてけがをしたとき等に医師に引き継ぐまでの救急対応,こういった役割が求められております。地域でトレーナーの方々が活動するのであれば,このような知識・技能をしっかりと学んだ方々に対応いただく必要があると思います。 また,皆様も御承知のとおり,トップアスリートはトレーナー,栄養士,ドクターとか,サポート体制はしっかりとしておりますけれども,実はこの一番大切な成長期にある中学生は,なかなかそういったサポートを受けられない状況にあると思います。そういった意味から,成長期の子供たちの健康,そしてその先の人生においての健康ということも考えると,やはり競技のスキルを教える方だけではなくて,けがをせずに安全・安心にスポーツ活動を続けていくことができるようサポートしてくれるトレーナーの方々にも今後は,現場で活躍していただく,その体制を検討していく必要があるのではないかなと思っております。  
 以上です。

【友添主査】  ありがとうございました。
 理解促進でも結構ですし,障害のある生徒さんの活動機会の確保についても結構です。御意見いただければと思います。
 松尾委員,どうぞ。

【松尾委員】  ありがとうございます。松尾でございます。
 先ほどの大会の在り方とも関連しながら少しだけお話ししようと思います。総合型地域スポーツクラブを,大きく3,000を超えるクラブをつくった後も,何か足りないなと思うところがあるとすれば,試しの場がやっぱり少なかったのではないかなという。特に中学校年代の子供たちは試しをしたい。それが競技に勝たなければいけないとかではなくて自己表現したりとか,そういうような試しの場というものをどうつくればいいのだろうということで,やっとそういった意味では,中体連さんにあまり御負担かけ過ぎてはいけないと思うのです。それ以外のところでいくと,エージ制を導入してみたりとか,コンペティションからコンテスト系にしてみたり,あるいはトーナメントからリーグ戦にしてみたりという,大会の在り方自体を本気になって考えられる,今いい時期だと思われますので,そういうのを進めていくべきだろうと思います。同時に,この大会はあまり意味がないのだよねみたいに言われてしまうと,子供たちはやっぱりやる気を失ってしまいますので,きちっとそういう様々な,県レベルであり,地域レベルでの大会についてもきちっと評価を,地位をきちっと確保していただけるような方向も非常に重要だと思います。
 関連して言うと,小学生が今度中学生になっていきますから,その辺の環境も,中学生大会だけではなくて小学生も参加できるように必ずしておいていただいたり,そこに体験会というのでしょうか,そういうものもセットされていると,子供たちは次はこうなるのだとか,こういう大会があるのだという,ジュニアユース期のそれこそ日本スポーツ協会さんもジャパンゲームズという形で全体をつなげたいという思いをお持ちでありますけれども,そういう何か小学生も参加できる。一方では,障害のある子供たち,持たされているといいましょうか,障害を持たされている子供たちは何か別に大会が必要だとかという,そういうことではなくて,必ずそういう大会には部門としてセットしていただいて,みんながお互い楽しめるような環境をつくっていくということで,多様な特に障害のある子供さんたちに対してのサポートも同時にできるという,非常に実はこの辺が総合的にできるところなのではないかなと思った次第です。
 もう一点だけ付け加えていいですか。もう一つは,保護者の方々の信頼をいかに勝ち取るかというところが非常に今大きな議論になっておりますが,富山県で,子供たちの全ての体力とか,学力もそうですけれども,情報をデータとして一元管理をされているところがあります。部活動の地域移行においても,そのデータの中で全体で関連づけながら,関連づけるという意味は情報を全部出してという意味ではなくて,今日はここでこの方がこういう活動をします,そしてそれについては活動内容はこんな活動ですというのを全部出されると,そうすると保護者の方は,今までは部活動何をやっているかよく分からなかったけれども,今回は全部示されるので,こんな活動をやってくださっているのだと,だったら安心だというような,もしかすると情報によってすごく安心感を持っていただけるような場面もつくり得るのではないかなと思われますので,そういう工夫がこれから必要なのではないかなと思った次第です。
 以上でございます。ありがとうございます。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 実はオリンピック教育のときに感じたのですけれども,生徒対象というよりも保護者対象にしたり,地域の方に門戸を開くと,そういう方のほうが大勢来られることがあるのです。地域移行についての講演とか,あるいはシンポジウムも保護者とか市民の方も自由に参加できるようにしたほうが絶対いいと思うし,むしろアドバイザーの私たちも保護者会に行って現状について例えばお話をさせていただく機会なんかをつくっていくことも必要で,多分もうちょっとやれることで幾つかあるのだろうなと思うところも多くあります。そういう意味で言うと,まだまだ私たちが気づいていないことや,あるいはこれからやらなければいけないことというのは幾つかあって,そういうことを少しずつ克服していくことがやっぱり大事かなと思いながら今お伺いしていました。
 ほかにいかがでしょうか。  
 池田委員,どうぞ。

【池田委員】  16ページのところで,今の保護者の方の御理解の促進という点ですが,大学の実証事業の中では,実は大学生があまり評判よくないという事例もあったのは事実です。まだまだ保護者の方が今までの顧問の先生の代わりに大学生が来たのでと誤認されてしまうというようなケースがあったということもあるので,今までの体制とどう違うのかということとか,そもそも大学生といっても学生ですから,どういう役割を担うべきなのかとか,そういう辺りをしっかり定義づけしていくことが大事であり,それに基づいて広報も必要だということです。
 それから,広報に関していいますと,16ページは対象が保護者等になっているのですけれども,この等のところも結構大事だなと思っています。例えば指導者が足らないとか,推進主体がまだ決まっていないとかの課題があり,地域の中で子供のために進めていこうという事業に対して,一肌脱いでいただける企業とか,一肌脱いでいただける大人の方とか,まだまだ結構いらっしゃると思うのです。そういった方々に向けてこの取組自体の広報というのをもうちょっと強力に進めていく必要性があるのではないかなという感じはいたしました。

【友添主査】  ありがとうございます。  
 ほかに御意見ございますでしょうか。  
 三上委員,どうぞ。

【三上委員】  日本パラスポーツ協会の三上でございます。
 まず,この8番のところ,障害のある生徒の活動機会の確保ということで1項目設けていただきました。本当にありがとうございます。ただ,この項目があるがために,この地域スポーツクラブ活動を進めていく全国の地方公共団体とか関係団体の皆様が,障害のない生徒とある生徒を分けて考えていけばいいのではないのというイメージを持たれると,私たちの方向性とは違うのかなと考えています。もちろん分けて活動したほうがいい場面も当然あるのですけれども,前提としては運動,スポーツの活動の目的とか方向性,勝ちたいというチームもあれば,楽しくやろうよというチームもある,そのような目的,方向性が同じであれば,その集団に生徒が希望すれば障害のあるなし,外国籍とか関係なくみんなでできる場をつくっていくというのが,今のこの地域スポーツクラブ活動の議論の一つではないかと考えています。最終的な報告書がまとめられるときにはそのような内容記載していただければ,大きい前提としてミックスで,みんなでやろうよという形をつくっていければいいのかなと考えています。とはいえ指導者の方々にとっては,障害ってよく分からないねというところもあろうかと思っています。20ページの下から2行目に記載の障害者対応指導ツールというのを今スポーツ庁さんでつくっていただいております。障害のない子供たちを指導している指導者に対して,障害というのはこういうものだよというのをまずは分かりやすく知ってもらおうというツールをつくっていただいていますので,そういうものをきっかけに障害のある子供たちも一緒に活動する社会に持っていければ,今回の議論がよいものになっていくのかなと考えていますので,そういう前提の中で進めていただければと考えています。よろしくお願いいたします。  
 以上です。

【友添主査】  貴重な御意見ありがとうございます。
 ほかに。
 浦野委員,どうぞ。

【浦野委員】  意見というよりも紹介になってしまうかもしれませんが,障害のある生徒の活動機会の確保という点なのですが,岐阜県においては特別支援学校の高等部で,軽度知的障害の生徒さんでサッカー部で頑張っているのですけれども,そのサッカー部が地域のクラブチームと今練習をやっていまして,先日その学校へ行って顧問の先生と話した際に,ゆくゆくはそのクラブへ移行していきたいという話を聞きました。県としては,その経過を見ながら支援できるようにいきたいなと考えていることが1つです。  
 2つ目は,やっぱり障害のあるお子さんに対しての指導という点で,障害の重さであったり種類であったりという観点から,やはり指導者の確保というのは非常に大事だと考えます。知事部局なのですけれども,今年度から障害者スポーツ,パラスポーツの指導者を確保するという研修会を始めました。そういう中で教育委員会は,学校に対して先生方を募って,まずは指導者を確保していくことが広がりを,または移行ということへつながっていくのではないかなと考えています。

【友添主査】  ありがとうございました。
 全体を通して言い残したこととか,これを言いたいというのがありましたら。
 稲垣委員,先ほど挙手いただいた件、いかがでしょうか。

【稲垣委員】  ありがとうございます。
 大会のところで,まさに子供たちにとって大会がどうなるかという,これは保護者への理解も含めて非常に大きな議題かなと思っておりまして,活動機会を確保するというのもあるのですけれども,その反面として,やはり過熱化を抑えていくというような観点も必要かなと思っております。今後,いろんな大会が乱立していって,中体連もあって,クラブの大会もあって,各競技団体の大会もあって,市の大会,県の大会みたいなことも考えられるなというようなところ。なので,どこかでガバナンスといいますか,また海外の事例で申し訳ないのですけれども,ニュージーランドなんかですとスポーツ庁さんとJSPOさんの機能を合わせたような組織が全てのNF,競技団体を一堂に会してこういうようなことをやっていきましょうみたいなことをまさに来月行われます。JFAさんも夏はやはり安全のためにやらないみたいなことも協会としては宣言されていますけれども,日本全体のスポーツの発展を考えたときにある程度一括してこういう指針で行きましょうみたいなことをぜひ競技団体を超えて,省庁を超えて,行政と一緒になって示していただけると現場としては非常にありがたいなと思っています。

【友添主査】  ありがとうございました。
 オンライン参加の中山委員,失礼しました。よろしいでしょうか。お願いいたします。

【中山委員】  御指名ありがとうございます。徳島県教育委員会の中山でございます。
 私も20ページの障害のある生徒の活動機会の確保のところについてのお話になるのですが,基本的な考え方のところにも書いていただけていますように,障害がある生徒も活動に参加することを想定していてということで,常にそういった意識を持っていただくというのはすごく大事なことかなと思っています。共生社会を目指していく一歩としても,この辺の意識は大変大事だと思っておりますし,会の前半のほうにもありましたが,通常の学級の中にいわゆる発達障害をお持ちのお子さんたちもいます。どうしても見えにくい障害ということで理解されにくいところもあるのですが,本当にちょっとした支援ですとか少しの配慮によって力を発揮する子供たちもたくさんおりますので,そういった子供たちが安心して参加できるような環境づくりですとか,保護者の方にとっても安心して参加させることができるようなクラブ活動みたいなところにつながっていくように,ここに書いていただいているようなことを通してできればいいなと感じているところです。
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございました。
 すみません。時間のほうがちょうど来たようです。それぞれのお立場から貴重な御意見をいただきありがとうございました。事務局のほうで本日いただきました内容も踏まえて,最終とりまとめに向けて作業を進めていただきたいと思います。
 それでは,事務局から3点お願いしたいと思います。1点目は,書面ヒアリングで御意見のありました検討のプロセスについて,また今後のスケジュール並びに令和7年度の政府予算案についてまとめて御説明をお願いいたします。

【鴨志田補佐】  それでは,まず1点目でございますけれども,資料1―2の最後のほうに記載させていただきました。書面ヒアリングでその他の意見というところで幾つかあったところについての対応でございますけれども,現行のガイドライン策定におきましては,今回と同じように有識者会議での議論を踏まえましてガイドラインを作成したという経緯がございます。現行のガイドラインもガイドラインの策定時に意見募集,パブリックコメントをさせていただいたというような手続を踏ませていただいており,今回も様々な人から意見を聴取する必要があるという意見いただいたところでございますので,今般も有識者会議の議論のとりまとめがなされた以降のガイドラインの改定のタイミングで,前回と同様にパブリックコメントのような形でより多くの方たちの意見を聞くという機会を設定できればなと思っております。
 続きまして,今後のスケジュールにつきましては,お手元の資料の3を御覧になっていただければと思います。こちら本日令和7年2月17日というところで,先ほどもヒアリングの結果報告に関する意見,また各論に関する意見をいただいてありがとうございます。この2月17日の本日の議論を踏まえまして,翌3月の第6回のワーキングにおきましてはとりまとめの素案に関する議論,また文化のワーキングのほうも含めてですけれども,両ワーキングで議論の結果として,今後令和7年春頃に実行会議,親会議を2回ほど開催させていただいて,最終とりまとめという流れで進めさせていただければと考えています。
 最後,予算案関連ですが,資料4を御覧になっていただければと思います。こちら右方に令和7年度予算額(案)ということで37億円と掲載させていただいています。具体的な事業内容は下のところを御覧になっていただければと思いますけれども,左側,オレンジのところは地域移行に関する実証事業でございます。数字が2段に分かれているところがございますけれども,1段目,16億円(12億円)という形のところが令和7年度の予算案が16億円,また今年度の予算額が12億円ということで,現在国会で御審議いただいているところでございますけれども,昨年度の予算に比べて4億円増の経費を計上しているという状況でございます。下の29億円というのは,昨年末の臨時国会においてお認めいただいた補正予算の額でございまして,今般の予算案がお認めいただければ計45億円という数字の中でスポーツ,文化の地域移行の実証事業を来年度進めていくという形でございます。
 一方,右側の緑のところにつきましては部活動指導員の配置支援ということで,これは人数的には増えているのですけれども,額としては18億円ということで,ほぼ同額というところでございます。億円以下の四捨五入の関係で同じ金額に見えてしまいますが,若干増額しております。  
 最後,3ポツのところで,地域における新たなスポーツ環境の構築というところで,この中で公立中学校の施設整備,改修であったりとか,デジタル動画による運動部活動,地域クラブ活動のサポート体制の整備,こういったところについて支援をさせていただく予定であるというところでございますので,簡単に御紹介をさせていただきました。
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございます。
 予算案を見ると,文科省,スポーツ庁が地域移行にかける本気度がやっぱりよく分かるように思います。不退転の決意がここに示されているのかなと感じているところです。
 今日の議論は以上でございます。本日いただきました御意見を踏まえて3月に,次回第6回のワーキンググループを開催して,最終とりまとめの素案を御議論いただきたいと考えています。
 最後になりましたけれども,議論全体を通して長官のほうから一言お願いいたします。よろしくお願いします。

【室伏長官】  皆さん,御苦労さまです。ありがとうございます。今友添先生からありましたように,我々は決意を持ってしっかり取り組んでいきたいと,予算も含めて思っております。
 皆さんのお話を伺いまして,これまでの現状の部活動ではできなかったことを,これを機によりよい環境にしていこうというところかと思います。そういった意味で地域に開放していこうということですが,そもそも成長期にある子供たち,中学生に適切なスポーツをさせていたか,選択の余地があったのか,いろんなマルチスポーツの取組も今やっていただいていますけれども,どのスポーツが向いているかも分からずにやっているとか,あと大半がレクリエーション的なスポーツ,楽しんでやるスポーツということです。つけ足して言いますと,トップアスリートも楽しんでやっています。各国のオリンピックに派遣する目標として書いてあるのがメダルとか優勝するとかだけでは足りません。最近ウィンウエルとかウエルビーイングとか,それがあっての勝利だということからも,トップアスリートも変わってきていて,こういう観点もなく競技志向だけ進んでしまうということは大変大きな問題だと思います。指定管理と実施の主体の運営もありましたけれども,指導者が毎回必要なのか,管理者がいて見守りで,今日はこういった条件でやるので,好きなようにやりなさいと,ちゃんと安全は確保してやりますというようにやって自由にさせるものってあっていいですし,スポーツというとすぐ競技志向のものになってしまいますが,やはり楽しいことがスポーツであって,ここでスポーツ嫌いにしてしまっては本当によくないことだと思います。
 また,保護者のところもありますが,安全安心は大事なことで,気候変動にも対応するということだったり,女性のスポーツ,新しいサイエンスのそういった知見も持ちながら参加していただけるようにしていく。外で部活ができない,外でスポーツができない,トップアスリートも悩んでいるところですけれども,そういった新しいサイエンスを入れて安全にやっていくことも大事なのですが,一方で最新の研究ですとリスクを伴う運動は大事だということを言われています。スポーツはリスクを伴うものが多いです。スポーツにおけるリスクを理解し,その機会が子供の発育,発達だったりとか精神的なものを充足させていくことにつながっていくことはむしろ大事なことで,こういったことも理解していただきながら,そういった暑さ対策だったりとか命に危険があるようなことというのはよくないですけれども,子供たちが安全によい意味で体を動かしていっていただき,精神的,肉体的にも発達していくということが大切かと思います。
 そして,障害者スポーツのところでも言っていただきました。我々も手引を今、障害者スポーツ室と一緒に用意して準備しています。我々は,障害の有無にかかわらず一緒に取り組んでいるということを忘れずに取り組もうとしています。障害の種別はいろいろありますが,精神的な疾患や発達障害,そういったこともそこには書いてありまして,ぜひ指導者の方はこういったところを読んでいただき,ちょっと知っておくだけで,これは個性だと思っていただいて,別に健常であろうと誰であろうと教えられる指導者を,これはJSPOの指導者の養成のところにも参加していただいて御理解いただいておりますけれども,こういった形で進めていきたいと思います。
 地域移行については,不退転の決意で取り組まさせていただきますけれども,この時代に合った,そしてその先を見据えた,子供たちが,自分で選べる,選択できる,この辺は情報格差がないようにということもあるかと思いますけれども,学校と地域が連携し,自分がどういうスポーツをしたいのだ,どういうことをしたいのだということがすぐ分かるような形で丁寧に我々も進めていきたいと思いますし,皆さんにもまたお力添えいただきたいと思っております。

【友添主査】  今聞きほれていて,納得することばかりでした。ありがとうございました。
 それでは,事務局のほうから最後連絡事項等ありましたらよろしくお願いします。

【鴨志田補佐】  それでは,次回,第6回のワーキングにつきましては,詳細についてまた改めて先生方に御連絡させていただこうと思います。
 また,本日時間の関係で御意見十分に発言できなかったというところにつきましては,事務局宛てに御連絡いただければと思います。
 資料につきましても大部となっておりますので,そのまま机上に置いていただければ事務局で回収いたします。また,次回の会議ではそれをお配りさせていただこうと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【友添主査】  ありがとうございました。  
 それでは,今日はこれで散会したいと思います。どうもありがとうございました。