令和6年9月18日(水曜日)15時00分~17時00分
AP日本橋(東京都中央区日本橋3―6―2 日本橋フロント6階)※ハイブリッド会議
友添主査,金﨑主査代理,池田委員,石川委員,石塚委員,稲垣委員,浦野委員,影山委員,金沢委員,駒崎委員,酒井委員,中山委員,星川委員,松尾委員,三上委員,山本委員,渡邉委員
大杉スポーツ総括官,大川地域スポーツ課長,鴨志田地域スポーツ課課長補佐,小野障害者スポーツ振興室室長補佐,古市参事官(地域振興担当)付参事官補佐,他
大原基彰 掛川市教育委員会 指導主事
細川敏明 北見市教育委員会 主幹
【友添主査】 それでは,定刻が参りましたので,ただいまから第2回の地域スポーツクラブ活動ワーキンググループを開催いたします。
今日は,御多忙の中,御出席をいただきましてありがとうございます。本日の会議の傍聴につきましては,冒頭よりユーチューブでライブ配信をしています。この点どうぞ御了承いただければと思います。
それではまず,事務局のほうから委員の出席状況と配付資料の確認をお願いいたします。
【鴨志田補佐】 本日のワーキングにつきましては,18名の委員に御出席いただいております。本日御出席の委員につきましては,お手元の座席表を御覧いただければと存じます。
また,会場にいらっしゃる委員に加えまして,オンラインで3名の委員に出席をしていただいております。なお,新宮領委員,渡邊優子主査代理につきましては御欠席という状況でございます。
また,本日は静岡県掛川市教育委員会教育政策課指導主事の大原様,また北海道北見市教育委員会学校教育部主幹の細川様に御出席をいただいております。ありがとうございます。後ほど両市の部活動改革の取組状況につきまして御発表をいただくことになっておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
なお,配付資料につきましては議事次第に記載のとおりでございます。事前にメールでお送りするとともに,現在文部科学省のホームページのほうにも掲載しております。
事務局からは以上でございます。
【友添主査】 ありがとうございました。
ここで,稲垣委員,中山委員には,今回が初めての御出席ですので,よろしければ簡単に自己紹介いただければと思います。
それでは,稲垣委員よりよろしくお願いいたします。
【稲垣委員】 前回は欠席しまして申し訳ありませんでした。稲垣と申します。私は,10月付で筑波大学のほうで教員職になりますが,もともと研究員としても筑波大学にずっといまして,私の立場としましては,スポーツ庁さんのほうから日本型のマルチスポーツ環境の構築に向けたプロジェクトを筑波大学が請け負っております。その関係で,今まさに海外におきまして,ジュニア期においてどういった政策であったりスポーツ環境をつくっているのかというところを研究させていただいていますので,そういった観点から何か情報提供できればというふうに思っております。
また,部活動改革につきましては,イマチャレというプラットフォームであったり,実際につくば市のほうで部活動改革の統括コーディネーターもさせていただいておりますので,研究の分野であったり現場も含めた,そういった情報を御提供できればというふうに思っています。よろしくお願いいたします。
【友添主査】 ありがとうございます。
続きまして,中山委員,お願いします。
【中山委員】 徳島県教育委員会特別支援教育課で課長をしております中山と申します。前回の第1回のときには所用で欠席をさせていただき,大変申し訳ございませんでした。私のほうは,特別支援学校におけるスポーツ等の取組について情報提供できればと考えております。 どうぞよろしくお願いいたします。
【友添主査】 ありがとうございました。
それでは,本日の審議事項に入りたいと思います。本日の議題ですが,次第にございますとおり,自治体からのヒアリングと論点に関する議論となっております。
まずは,掛川市,北見市の部活動改革の取組状況を順にお伺いしまして,その後まとめて質疑応答の時間を設けたいと思います。その後,論点に関する議論という形で進めさせていただければと思います。
それでは,早速ですが,掛川市の取組状況につきまして,大原様より御発表をお願いいたします。
【掛川市大原指導主事】 よろしくお願いします。掛川市教育委員会教育政策課教育政策係指導主事の大原基彰です。これから「かけがわ地域クラブという新たな未来へ」として,掛川市の考えやかけがわ地域クラブの進め方について御説明いたします。
掛川市では,これまでどおりの部活動を続けていくことが困難になることが明らかであったことから,令和3年度から部活動に関する研究委員会や検討委員会を開催し,これからの部活動の在り方について検討や調査研究を重ねてきました。
その結果,掛川市では部活動という学校教育の一環として実施されていた活動を生涯学習の一環として行われる地域全体のスポーツ文化芸術活動へと広げる部活動の地域展開を推進することにしました。このスライドが掛川市が考える部活動の地域展開のイメージとなります。
掛川市内9中学校あります。部活動数は,運動系で81部活,文化系で16部活あります。しかし,近年は少子化の影響により,団体種目においては1中学校でチームをつくることができず,他の中学校と合同チームをつくり大会などに出場する学校が増えてきています。この赤色の12部活動がこの秋から単独での活動が難しいチームとなります。
現在の掛川市内の児童生徒数は,1学年約1,000人ですが,全校生徒が100人程度の中学校から600人以上の中学校まで,学校による差が大きいです。以前全校生徒が100人程度の栄川中学校に入学する予定の小学3年生から6年生に取ったアンケートでは,半数近くの児童が中学校で取り組みたい種目は部活動にはないと答えています。
今後,生徒数が少ない郊外の中学校ほど,少子化の影響により生徒数の減り方が大きくなることが予想されています。そのため,部活動の選択においても学校間による差がますます大きくなることが分かっています。
競技団体役員や地域指導者との話合いでは,技術指導はできるけれども,部活動で行ってきた生徒指導を求められても困るなという地域指導者からの不安の声がとても多いです。また,学校現場では,競技経験や指導経験がない顧問も多いですから,専門的な指導を求められても困るよという声も多いです。そのため,2つの指導をつなげる顧問と指導者の交流会,もしくは研修会等を通して指導の仕方を学べる体制づくりが必要になるかなと思っています。
しかし,地域では中堅や若手の指導者不足が深刻です。そのため,先延ばしにしていくほど,お互いの強みやよさを合わせることが困難になっていきます。部活動の廃止がいつになるのかはっきりしていない場合は,お互いに当事者意識を持つことができずに難しくなっていくかなと思うのですけれども,掛川市では令和8年夏というゴールを決めているため,顧問も地域指導者も真剣に話を進めているところです。
昨年度小学生に取ったアンケート結果になります。取り組みたい種目のバドミントン,料理,プログラミングは,部活動にはありません。活動希望日数は週2日以下が多いですが,部活動は週4日ほどです。このような子供たちの多種多様なニーズに対応することは,今の部活動では難しいと思います。
このような理由により,掛川市では,現在の部活動を地域の指導者や団体にただ委ねるだけの部活動の地域移行では,少子高齢化や子供のニーズの多様化,学校の働き方改革などにより,続けていくことは難しいと考えました。また,この現状のまま何もしなければ,部活動は自然消滅し,子供たちの活動する居場所すらなくなってしまうことから,早期に部活動の地域展開を進めることにしました。
現在新しい地域のスポーツ・文化芸術クラブの構築に向けた市内の様々な団体と連携を進めています。ただ部活動の受け皿を探すのではなく,従来の部活動種目も大切にしつつも,新たなスポーツ・文化芸術活動の地域展開を強力に推進しています。このスライドが掛川市がイメージする部活動の地域展開,かけがわ地域クラブという組織になります。
掛川市スポーツ協会はその中核になります。掛川市スポーツ協会は,大きな総合型スポーツクラブを運営し,複数の指定管理の社会体育施設を有し,地域の競技団体が加盟し,スポーツ少年団の本部を設けるなど,まさに地域スポーツのハブとも言える事業規模と組織を持つ団体です。部活動の地域展開を進めていく上で掛川市の重要なパートナーとなっています。
この春には,サッカー部のない南部エリアにサッカークラブを創設し,6月下旬にクラブ支部予選にも出場しました。惜しくも県大会出場とはなりませんでしたが,生徒,保護者,指導者,そしてスポーツ協会にとってもよい経験となりました。初めてのチームクラブ運営や大会出場など,実際に運営することで多くの成果や結果が分かりました。また,掛川市では昨年度よりプロチームの広報経験者をアドバイザーに迎え,クラブ,企業,家庭,三方よしの企業制度の構築を進めており,6月の大会では地元企業から提供を受けたユニホームで出場することができています。
現在教育委員会にある地域クラブサポートセンターでは,クラブ創設相談や広報活動支援,研修機会提供などのサポートを行っています。そして,市が認めたクラブは公認地域クラブとして活動しているところです。
公認の流れについてですが,まず,クラブの代表者から相談があります。その後面接となりますけれども,既に活動しているクラブの場合は活動の様子を見学しに行きます。その際に公認の条件に該当するかを確認します。営利目的のところですけれども,持続可能なクラブ体制として,持続可能な会費や指導者謝金の設定を助言しています。また,指導体制としましては,複数の指導者で対応できるクラブであることを確認しています。
公認後の支援は様々です。例えば学校施設の利用を希望するクラブがいた場合は,活動する学校との調整を行います。また,保護者から指導についての不満の声があった場合は,会場での活動内容を確認し,指導者に助言を行います。その際,コーチディベロッパーという派遣型の研修をクラブ指導者に行う場合もあります。
最近あった事例としましては,将棋クラブ,38番目のクラブになるのですけれども,突然代表者が来られまして,クラブに入ってしまったと。入ってしまってよかったですねという話をしたのですけれども,どうやら部活を辞めて入ってしまったことを代表者はすごく心配をしてしまいまして,辞めてもよかったのかなという相談を受けたことがあります。私としては,生徒が望んでいるならば,それは生徒の自由ですから,辞めることも大丈夫ですよという話をしました。生徒にとっては,もともと将棋をやりたくて中学校に入学したけれども, 将棋部がなかったものですから,運動部に入ったようでして,そしてこのかけがわ地域クラブで将棋部ができたので,それを知って,そこに入りたいという思いがあったようです。
特別な支援を必要とする児童生徒や不登校の児童生徒もクラブで活動しています。指導者からは,児童生徒の活動について相談を受けることもあります。昨年度の指導者研修では,市内で活動中のスクールカウンセラーを講師として子供理解研修を実施しました。今後も指導者のニーズに応えられる研修内容にしていく予定です。
現在39の公認地域クラブが活動しています。掛川市の部活動は,現在運動系が10種目,文化系が4種目ですけれども,公認地域クラブですが,現在運動系が14種目,文化系が13種目あります。この地域展開により,今後も種目数は増えていく予定です。
ただ,保護者の一番の悩みはやはりクラブへの移動,送迎の問題です。昨年度の保護者アンケート,今9月もアンケートを取っているのですけれども,やはり同じように送迎できるかが心配ですというところが多いです。そのため,平日の夜に移動する必要がないように,例えば平日の放課後に活動することができるクラブについても増やしていく予定です。掛川市の部活動の地域展開では,部活動にはなかった農業や地域活動など多種多様なクラブについても,市民総ぐるみで地域につくることを勧めております。一つ一つの個性あふれるクラブの存在が様々な子供たちの居場所づくりにつながると考えています。
また,昨年度新たなスポーツの形としてマルチスポーツ活動の研究を行いました。これまでの部活動やクラブ活動のように限られた種目を行うのではなく,いろいろなスポーツを楽しむことができることを目的にしています。大会出場や他人と競い合うのではなく,自分自身で目標を決め,活動することになります。少子化や指導者の事情もあり,平日の夕方に学校単位でスポーツ活動を実施することは困難ですが,この状況を逆に利用し,放課後の学校施設を地域団体等に開放することで新たなスポーツの価値を創出していきたいと考えています。 この考えは,実はスポーツインストラクターや総合型地域スポーツクラブの指導者,理学療法士などであれば派遣可能ではないかという掛川市スポーツ協会の担当者のアイデアから実現した研究になります。
放課後のマルチスポーツですけれども,例えば左側のサッカークラブに加入しているAさん,また演劇クラブに加入しているBさんにとっては,この水曜日の活動は基礎体力向上が目的になってきます。また,右側のEさん,様々な種目を楽しみたいEさんにとっては,いろいろなスポーツとの出会いが目的になります。今年度は,規模の異なる中学校も含めて,市内9中学校で継続研究を行う予定です。今月実施している児童生徒のアンケートがあるのですけれども,希望者が多ければ,早ければ令和7年度にマルチスポーツとして活動する予定です。
掛川市の生涯学習は,市民一人一人が生涯学習で自分を高め,このまちで活躍し,さらにこのまちをよくする担い手にもなるということです。かけがわ地域クラブに参加する子供たちが将来かけがわ地域クラブの指導者になり,活躍することを期待しています。そのような未来では,市民総ぐるみでスポーツ・文化芸術活動が掛川市内に展開されているはずです。これが掛川市の思い描く地域展開,かけがわ地域クラブの未来です。
御清聴ありがとうございました。
【友添主査】 ありがとうございました。先導的なモデルケースを歩まれていることを非常に強く感じています。
それでは,北見市のほうから御発表いただきたいと思います。
北見市の取組状況につきましては,細川様よりよろしくお願いいたします。
【北見市細川主幹】 改めまして,北見市教育委員会部活動地域移行担当主幹の細川と申します。よろしくお願いします。本日は,別紙で参考資料5ということで本市の資料も御用意させていただきましたので,併せて御覧いただければと思います。
初めに,北見市ですけれども,北見市は北海道の道東,オホーツク管内に位置しまして,平成18年の合併により,北海道で一番広い面積を有するまちとなりまして,オホーツクの中核都市となりました。人口は約11万人で,最近ではカーリングのまちとしても知られております。本日は,北見市の取組について発表させていただきたいと思います。
本日の説明内容ですが,北見市が進める部活動の地域移行の経過から地域クラブ活動に対する支援などについて御説明いたします。
初めに,これまでの経過ですが,本市では令和4年度から部活動の地域移行に向けて取り組んでおり,協議会となるプロジェクトチームを設置して検討協議を進めてきました。また,アドバイザー派遣支援事業を活用した講演会の実施や中体連専門委員会,関係団体との意見交換を行い,地域移行に関わる打合せ会議を実施してきました。
令和4年度の計画では,北見市が目指す部活動の地域移行のポイントは,全ての部活動を地域に移行するのではなく,一部の部活動はそのまま学校主体の部活動として残すことも考えられるというものでした。競技人口の多い個人競技の運動部や文化系の吹奏楽部などは,道具の移動など生徒の負担を考慮し,学校で活動したほうがよいと判断した場合には,地域移行する必要はないという考え方でした。
次に,平日も含め,部活動の運営主体を可能な限り学校単位から地域単位へ移行するという考え方です。地域移行を土日に限定すると,平日は教員,土日の指導や試合は地域の指導者ということになり,指導方法の違いなどから生徒の混乱を招き,生徒との関係がうまくいかないことを懸念したためです。この平日を含めた地域移行については,現在も同じ考え方で進めております。
次に,部活動を地域移行した場合の活動形態についてですが,3つの形態に分けられると想定して計画を進めてきました。1つ目は,市内の中学校を4つの地区に分け,各地区内でクラブをつくるという4地区方式です。この方式を想定した種目は,軟式野球,サッカー,男女 バスケットボール,女子バレーボールでした。もちろん種目によっては,指導体制や活動場所の課題もあり,設置できるクラブ数も異なるため,あくまで一つの例として提案をしてきたものです。
2つ目の形態,男子バレーボールやソフトボールのように,チームスポーツではありますが,競技人口が少ない種目は,市内に1つのクラブをつくり,どこの中学校の生徒でも参加ができるという方式です。
3つ目の形態は,少年団活動を拡大した形でクラブをつくる形です。既に少年団活動をベースとして活動している競技もあるため,可能な競技から地域クラブ活動へ移行するという考え方です。これらが令和4年度に計画をした内容です。
令和5年度からは,担当主幹とコーディネーターを配置し,体制を強化して,地域移行に向けた具体的な準備を進めてきました。主に児童生徒,保護者,小中学校の教職員に向けたリーフレットの配布やアンケート調査による実態把握などに取り組みました。また,国の実証事業を活用した部活動体験会を実施し,小中学生を対象に3種目の体験会を行いました。アンケート結果や実証事業などを踏まえて,令和6年3月に本市の方針を策定し,取組を進めています。
こちらは昨年度実施しました部活動体験会の様子です。サッカーは,参加した小中学生全員が経験者であり,中学生になってもサッカーを続けたいという子供たちが多くいました。
バドミントンは,未経験者も多くいましたが,指導者による配慮もあり,交流しながらバドミントンを楽しんでいました。これらの体験会の実施は,翌年度からの拠点校部活動の開設に向けて,大変貴重な取組となりました。
こちらは文化になりますが,北見合唱連盟の協力の下,合唱のワークショップと発表会を行い,発表会前にはパネルディスカッションを実施しました。部活動の地域移行の目的と可能性などについて,学校の現場や保護者など,それぞれの立場で議論をしました。
令和6年度からは,学校部活動では拠点校部活動を開始するとともに,地域クラブ活動では市内のスポーツ・文化団体などを認定する北見市地域クラブ活動認定制度を開始しました。また,部活動の地域移行に向けた北見市モデルを作成し,関係する各団体などへ説明会も実施しました。8月には,地域のスポーツ指導者等を対象にした指導者研修会も実施し,今後スポーツ・文化体験会の実施や中学生向けのスポーツ・文化活動サポートガイドの作成を予定しています。
こちらは,部活動の地域移行に関する説明会とスポーツ指導者研修会の様子です。
こちらは,北見市の児童生徒数の今後の推計のグラフです。市内の生徒数は,今後一,二年は微増微減となっていますが,令和12年度に向けて減少していく見込みです。
別紙の参考資料3ページ目の北見市内各中学校部活動部員数一覧表にも示していますが,サッカー,軟式野球,男女バレーボールでは単独でのチーム編成ができず,15の部活動で合同チームを組み,練習や試合に取り組んでいる状況です。地域移行した部活動も含めて,3年間で13の部活動が廃部となっています。自分の通う学校に参加したい部活動がなく,年々子供たちの選択肢の幅も狭くなってきているという状況です。
続きまして,当初の計画の見直しの経緯等を御説明します。令和4年度の計画では,市内を4地区に分けて,それぞれの地区でクラブチームをつくるという予定でした。また,競技によっては学校に残す部活動もあるという考え方で進めてきました。しかし,その後学校や関係団体からの聞き取りなどにより,種目によって競技人口が異なることや,受け皿となる団体によって準備や地域移行に対する認識に差があるため,4種目を同じように地区分けすることは困難であることが分かりました。
また,学校との協議により,残す部活動と移行する部活動が混在すると,学校現場や生徒,保護者の中で混乱が生じるのではという懸念等も出てきました。そこで,プロジェクトチームを中心に当初の計画を柔軟に見直し,学校に部活動に残すのではなく,令和8年度を目標に地域クラブ活動へ移行するという計画に変更することとしました。
具体的には,運営主体の環境が整った種目や既存の少年団を拡大した形で地域クラブ活動への移行を進めることとしました。一方で,学校では令和8年度,短時間エンジョイ型活動を開始することとしました。こうした見直しを踏まえ,北見市立学校における部活動の地域移行に関する方針を策定いたしました。
ここからは,部活動の地域移行に向けた北見市モデルについて御説明します。北見市モデルの別紙資料も御用意しておりますので,そちらと併せて御覧ください。休日を含む活動や大会,コンクール等への参加を希望する生徒は,地域での多様なスポーツ・文化芸術活動に参加し,大会等への参加を希望しない生徒は学校における短時間エンジョイ型活動に参加するなど,生徒のニーズに応じた活動の場にしたいと考えています。
北見市モデルのイメージとして,生徒の活動内容を図に示しました。マル1,中体連大会やコンクール等への参加を目指し,より専門的な活動を希望する生徒やそれ以外の地域でのスポーツ・文化活動を希望する生徒は,地域で行われる多種多様な活動に参加します。マル 2,学校で行われる放課後短時間での活動を希望する生徒は,短時間エンジョイ型活動に参加します。マル3,生徒の選択は自由なので,どちらの活動にも参加しないというパターンが考えられます。
各種大会やコンクール等への参加を目指し,専門的な活動を希望する生徒は各地域クラブでの活動となります。令和6年度から新たに北見市地域クラブ活動認定制度を設け,市として地域クラブを支援するほか,国の実証事業を活用したスポーツ・文化体験会等を実施し,小 中学生に多様なスポーツや文化活動を体験してもらう機会を広げていきたいと考えています。
これまでの部活動は,大会やコンクール等への参加を目的とするなど休日も含めた活動でしたが,これからの学校での活動は地域クラブ活動に参加しない平日限定の活動を希望する生徒を対象とした短時間エンジョイ型活動として時間等を縮小し,教職員の負担を軽減しつつ,生徒のニーズに応じた活動の場にしたいと考えています。活動は放課後1時間程度の短時間で,教職員の勤務時間内とし,各学校で実施します。また,活動の内容,実施回数等は,各学校の実情に合わせて決めることとします。
今後の予定ですが,可能な種目,活動から地域クラブ化を図り,運営主体を地域単位へと移行していきます。令和8年度の途中から学校での短時間エンジョイ型活動が始まりますが,それまでは拠点校部活動なども行いながら地域移行に向けた取組を進めます。
令和6年度から北見市地域クラブ活動認定制度を設け,申請された各団体を地域クラブ活動として認定しています。認定されると,就学援助世帯へのクラブ活動費の援助対象になるとともに,部活動と同様,各種大会,コンクール等の参加補助の対象になります。また,市の ホームページに認定団体を掲載し,活動内容などを広く紹介しています。これまでサッカーやバドミントンなど8競技10団体を北見市地域クラブ活動として認定しています。
市内には多くのスポーツ・文化団体があり,活動していますが,中学生が参加できる団体の一覧をサポートガイドとして作成し,周知していきます。掲載する活動については,中学校で行われている部活動の種類に限らず,幅広く様々なジャンルの活動を紹介し,中学生の活動の幅を広げていきたいと考えています。
次に,スポーツ・文化体験会についてですが,市内の各団体に実証事業に参加していただきます。令和6年度は,各種目3回程度の体験会を実施します。現在参加団体を調整していますが,スポーツ・文化団体は合わせて10団体を予定しています。スポーツでは,ラグビー, カーリングなど学校の部活動にない種目やペタンクなどの軽スポーツの体験会も行います。令和7年度は,部活動に関係する種目を対象にモデルクラブ活動に取り組むなど,地域クラブ活動の運営主体となる団体の準備も進めていきます。
最後に,北見市が目指す部活動の地域移行について御説明をします。本市では,プロジェクトチームを中心に計画の見直しも含めて協議,検討し,各団体への説明や情報発信等に努め,合意形成を進めてきました。昨年度は,先進地の視察研修も行い,様々な取組を参考に議論も重ねてきましたが,自治体によって実態も異なることから,独自の北見市モデルを作成し,取り組むこととしました。部活動の地域移行を,地域におけるスポーツ・文化芸術活動の充実と学校における部活動の改革と押さえ,子供たちが生涯にわたってスポーツ・文化芸術 活動に親しむことができるよう活動機会の環境整備を進めていきます。そのためには,学校,地域,家庭の連携と理解,協力が必要であり,丁寧な説明を行いながら合意形成を図っていきたいと考えています。
最後になります。部活動の地域移行に関しましては様々な御意見もあり,実際全員が同じ方向を向いて進むことは容易ではありません。しかし,子供たちの未来の活動のために,今できることに取り組み,前に進んでいきたいと考えております。
本日は,御清聴誠にありがとうございました。
【友添主査】 ありがとうございました。
随分御苦労をされながら行政主導で北見市モデルという発展型が生まれてきた様子がよく分かりましたし,非常に示唆的な実践かと思いました。
それでは,ただいま御発表いただきました掛川市及び北見市の取組につきまして,まとめて20分程度,皆様に質疑応答のお時間を取りたいと思います。御発言される際には,挙手をいただくか,オンラインで御参加の皆様には挙手ボタンを押していただければと思います。 発言に先立ちまして,掛川市さんへ,あるいは北見市さんへ,あるいは両者へと御指示をいただいて御質問,御意見等賜れればと思います。いかがでしょうか。
松尾委員,どうぞ。
【松尾委員】 松尾でございます。大変貴重な御示唆をいただきましてありがとうございました。大変勉強になりました。特に学校運動部活動が地域に移行する,そうすると学校教育をどういうふうな形で展開すればいいのか。正課と正課外があって,正課外のところ,部活動が領域が大きいから,それでいってしまったときにどうするのだという話が一方では出てくるなというふうにずっと考えていたわけですけれども,本日の掛川市さんのマルチスポーツ活動,それから北見市さんの短時間エンジョイ型,非常にこれは皆さん方のいろんな地域での 参考になるような事例ではないかなというふうに思ったところでございます。大変勉強になりました。いろんな意味においてですね。
そこで1つ,前回の最後のまとめのところで友添主査からもおっしゃっていただいたのですけれども,私も同意見なのですけれども,やっぱり青少年期のスポーツにおいては,教育というのでしょうか,この側面というのは非常に大事にしていく必要があるのではないかなというふうに私も考えるところでございます。そのときに,掛川市さんのほうでは生涯学習であるというような位置づけの中できちんとそういう教育という意味合いをお持ちであるということはよく分かりました。これは,後ほどまた触れていただければと思いますけれども,北 見市さんのほうでもそういうふうな考え方であるという理解でよろしかったでしょうか。
そうなってきたときに,実を言うと,こうやっていろんな形で受け皿だとか,新しい創設していただいたクラブに,それを認定を与えてやっていくというやり方は非常に正しいやり方だと思うのですけれども,ある意味で,例えばスポーツ少年団がもともとやっていた活動の理念もある。それで,いろんなところの理念があって,そこにおける全体の活動の質の担保というのはどういうふうな形でやっていけば,それが子供たちの思いを実現できるだろうかというふうに思うわけですけれども,その辺りについての御示唆をいただければありがたいというふうに思います。お願いします。
【友添主査】 よろしいでしょうか。
お願いします。
【掛川市大原指導主事】 ありがとうございます。私たちは,令和8年8月には部活動が廃止になり,かけがわ地域クラブという組織体になりますけれども,そのときにはかけがわ地域クラブ連絡協議会という,その統括するような代表者会というふうなものを設置する予定になっております。今は,設立連絡協議会ということで運営はしているのですけれども,各種目の代表者等が参加する会合です。なので,私たちは今言われたように,各クラブが暴走してしまうような,そういうところは懸念していますので,横のつながりや縦のつながりをしっかりと持とうということで,かけがわ地域クラブに加盟していただいている団体におきましては,そのガバナンスがしっかり効くように関わりを持って,これからもやっていくつもりではあります。
以上です。
【友添主査】 北見市のほう,お願いします。
【北見市細川主幹】 ありがとうございます。少年団活動の理念や教育と意味合い,質の担保という御質問だったかと思いますが,本市でも同じように北海道教育委員会が定めた部活動の在り方に関する方針に沿って本市でも部活動の在り方に関する方針を定めておりまして, 地域クラブ活動に認定の条件といたしましては,その部活動の在り方を遵守しているという点で,活動時間や休養日をしっかり取るということ,また過度な練習量や指導にならないことをしっかり指導者に伝えるということと,また指導者に対しての研修の機会も設けていきたいというふうに考えておりまして,本年も実施しておりますが,今後も指導者の研修会等を実施して,指導の在り方を指導者の皆様に研修する機会を設けていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
【友添主査】 よろしいですか。また後でよろしくお願いします。
【松尾委員】 ありがとうございます。
【友添主査】 クラブの認証の基準やレベルが非常に大事になってくると思うのですが,端的に,具体的にはどのような認証のレベルがあるのでしょうか。両市にお尋ねします。
【掛川市大原指導主事】 公認地域クラブの条件ですけれども,まずもって中学生が活動できる活動であるですとか,営利目的にならないように,ただ営利目的にならないから,ボランティアにしてくださいというわけではないので,持続可能なクラブ体制であるかというところ,指導者においても,よくある父母会の延長でやられるような,お子さんが引退したらクラブは潰れるような,そうではなくて複数体制でやっていただけるようなところですとか,最低限担保するところはもちろんあるのですけれども,あまりハードルを上げてしまうと誰も足を踏み入れられなくなってしまいますので,そこは一緒に伴走しながらやれているところですので,先ほどの将棋クラブの例もありましたけれども,もともとあったクラブさんを公認してやっていくというものもあります。または,バドミントンのように何もなかったところからやっていこうということで立ち上げるクラブもありますけれども,掛川市においてはそんなにハードルは高くないと思っているところです。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
【北見市細川主幹】 続きまして,北見市ですけれども,本市でも同じように,こちら別紙の資料5の4ページ,5ページ目に認定要項を添付させていただいておりますが,先ほど申し上げたとおり部活動の在り方に関する方針に沿った活動ということで,そんなに認定は厳しくないものですから,申請書と活動計画とその少年団の規約等を添付していただきまして,面談によるヒアリングを行って認定するというような形で,認定されますと教育委員会からも支援がありますという制度になっております。
【友添主査】 ありがとうございます。
ほかに御質問,御意見ございますでしょうか。
稲垣委員,どうぞ。
【稲垣委員】 御発表ありがとうございます。大変勉強になりました。
北見市さんに御質問させていただきたいなというふうに思っております。全国の自治体で,この部活改革を推進するに当たって,まず行政内にこの改革を進める専門の担当者,そしてできれば担当部署があるということが非常に重要なキーポイントだなというふうには感じておりますので,まさに北見市さんが令和5年度ですか,部門の専門部署を新設されたということを御記入いただいたのですが,ぜひその詳細といいますか,まず行政内のどこに位置づくのか,教育委員会なのか,市長部局なのかというところ,あとは人材,どの程度その部署にいらっしゃって,またその新設に当たってどういう財源を市として確保できているのかというところをぜひ可能な限り教えていただければと思いました。
【友添主査】 人材,位置づけ,財源ですね。
【北見市細川主幹】 私どもは,令和4年度からこの部活動地域移行に取り組んでおりまして,それまでは学校教育部の指導室の主幹が担当しておりました。ただ,学校の現場の先生なものですから,3年間で異動になってしまいまして,たまたまその異動の年ということがありまして,では後任をどうしましょうかという話になりまして,私がそれを引き継ぐことになったのですが,私もともと社会教育のほうを担当しておりまして,学校教育は初めての経験なのですが,部署につきましては学校教育部に入っております。予算としては,学校教育課の予算にありまして,職員としては私がそこを専属でやっているのと,コーディネーターが1人いるだけということで,ほぼ2人で今やっているという状況なのですが,当然2人ではできませんので,学校教育部,社会教育部で連携を図りながら,先ほど申し上げたプロジェクトチームを立ち上げまして,教育委員会の職員とスポーツ協会や文化連盟,またPTA連合会の役員,あと学校,校長会や教頭会の担当者なども含めまして行っていますが,予算につきましては国の財源なども活用させていただきながら,文部科学省さんの実証事業なども活用させていただいて,コーディネーターなども配置しているという状況になっております。
【友添主査】 よろしいですか。
【稲垣委員】 ありがとうございます。まさに今改革進めているところの学校教育課が主導している自治体さんが多いかと思うのですけれども,まさに先ほどの松尾先生の話にもありましたが,社会教育だったり生涯学習課がどこまで連携できるのかというところが非常にキーポイントだなというふうに思っておりまして,もともとそういったところにいらっしゃったからこそ,そういった連携ができているのかなというふうに非常にヒントをいただきました。ありがとうございました。
【友添主査】 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
池田委員,どうぞ。
【池田委員】 大変貴重な説明ありがとうございました。
地域に移管,地域クラブ活動化していくということは,お考えのとおり全くそのとおりだと思うのですけれども,実際のところ実施主体、指導者の数の確保が全国的にも課題になっています。両市ともすばらしい取り組みの現状と思いますが,これで完結というところを目指したときに,足らないものとかいうのはどの辺におありな感じでしょうか。完結させるための課題ということでも結構なのですが。
【友添主査】 今一番大きな課題と考えられていることですね。いかがでしょうか。
【掛川市大原指導主事】 掛川市です。掛川市も指導者が足りてはいません。先ほど話もさせていただいたのですけれども,地域指導者の方は技術指導はできるのです。なので,話をするときに,その指導はする方はいらっしゃるのですけれども,メイン指導者といいますか, 今までどうしても部活動というところの考えが抜け切れないので,学校でやっている生徒指導とかがやれる指導者はいないよというような認識をされます。なので,そこがすごく不安がられていまして,やはり中学生を教えた方も少ないものですから,そういう指導者,中学生とかに生徒指導をやれる地域指導者というとなかなか難しいのかなと思っています。だからこそ中学校の教員,教員は逆に専門的な指導をできる方が多くありませんので,そこをすり合わせていく,掛川市は令和7年度に向けてクラブと部活のすり合わせを行うつもりなのです けれども,そこを令和8年8月で一気にぱたんと切り替わるわけではないのかなと思っていますので,そこをすり合わせながら,徐々に,徐々に地域のほうへと流せていくのかなと思っているところです。
【北見市細川主幹】 北見市ですが,やはり指導者の数というのは足りないというのが現状であります。課題としてはやはり指導者,あとは活動場所の確保,あとは子供たちの移動手段ということで,北見市大変広い市域で,東西110キロ,端から端までございます。そういっ た中で合併したまちでもありますので,子供たちの移動手段どうするのだということで,保護者からの声もございますが,やはり地域クラブ活動,学校を離れた自主的な活動になりますので,基本的には市からスクールバスを出すというのはなかなか今厳しい状況で,そういった課題もあります。
あと,指導者としましては,基本地域の様々活動をされている方とか,競技経験者を活用するほか,教職員においても希望される方は兼職兼業の申請をいただきまして携わってもらいたいなと思っています。あとは,活動場所につきましては,令和8年度以降,学校の部活動がエンジョイ型になりまして,放課後17時以降は体育館なりグラウンドが空きますので,そこを引き続き地域クラブとして使ってもらいたいということで,そうすれば使用料などもかかりませんので,極力学校施設を使っていきたいというふうに考えています。
あと,一番大きなところでいいますと,やっぱり保護者との合意形成ということで,やはり保護者の方たち,今まであった部活動を継続してほしいという声も多々ございます。そういったところで情報発信をしていきながら,熱意を持って説明をしていきたいというふうに思っているところです。
以上でございます。
【友添主査】 ありがとうございました。
影山委員,どうぞ。
【影山委員】 掛川市の大原さんにお聞きしたいと思います。
端的にお伺いします。200名からの指導者を確保していらっしゃるということで,それから中学校の先生方には実技の能力がない方が多いという中で,教えたい学校の先生,北見市さんのほうでは兼職兼業というお話が出ましたけれども,この中にどのぐらい教えたい先生方の数というのはいらっしゃったのですか。その辺の議論もあったら教えていただけませんか。
【掛川市大原指導主事】 掛川市におきましても,兼職兼業でやりたいよという教職員の方がいらっしゃいます。春に取ったアンケートですけれども,市内の600人以上,管理職や事務の方とか,育産休の方とか全て含めてアンケートを出しまして,これは昨年度からもずっと 継続アンケートを出しています。今年は,より具体的に活動日数やある程度のクラブの実施体制や諸謝金とかも含めながら出しました。そうすると,大体20人程度しか手が挙がらなかったと。やはり具体になればなるほど,ちょっと構えてしまっているなというところがあります。
実はクリックしてくれた方は,ウェブアンケートだったので,もう少しいたのですけれども,やはり教育委員会の指導主事から連絡があると,今回の指導者会議に参加するのはちょっと待たせてもらっていいですかみたいな,一歩引かれた方も多いです。実際に手元に来ていただいたのは20名弱ぐらいです。第2回の指導者会議のときには,逆に顧問の先生から顧問の先生伝いに連絡があって来たよという方もいらっしゃいますし,協会から声がかかってきたよという方もいらっしゃいます。ただ,私たち掛川市におきましては,顧問の先生は部活動を転々とするものですから,やっぱり種目に根づいていない方が多いのだろうなということで,その種目のときには,あの先生いないのとか,もうあの先生,今違う種目行っていますとかという話をよくするのですけれども,そうするとあの先生よかったのになという,まだもう少しバスケにとかとよく言われるのですけれども,それで根づかなかったのだろうなというところがあります。
ただ,今すり合わせの時期をこれから令和7年度に持つのですけれども,やはり先生たちもやりたい方はいらっしゃいますし,令和8年8月から一気に手を引くという考えを持たれている方ではない方もたくさん,ボランティアでもいいよと言ってくださっている方もいらっしゃいますので,そういう方を大切にしながら理解を,安心を持っていただければもっと手は挙がってくるのかなと思うのですけれども,そのような状態になっています。
【影山委員】 ありがとうございます。
【友添主査】 ありがとうございます。最後お一人。
星川委員,どうぞ。
【星川委員】 貴重な御意見,ありがとうございます。
ちょっと視点を変えてなのですけれども,今大人のいろんなお話がありましたが,実際子供の声,実際環境が変わる,いいことも悪いこともあるような,変わると思うのですけれども,皆さんがやられていて,子供の声がどういうふうに,いいことなのか,悪いことなのか, もし数値とかがあれば示していただけるとありがたいですし,多分道半ばだとは思うのですけれども,もしさらにこういうことをしたらいいことが起こるのではないかなみたいな,その子供の感触を皆様の視点でお聞かせ願えたらと思います。お願いします。
【友添主査】 まずは掛川市の方は如何でしょうか。
【掛川市大原指導主事】 子供の声というと,アンケート結果によるものが多いのかなと思うのですけれども,先ほども示させていただきましたとおりバドミントンは非常に多かったです。掛川市,1学年1,000人ぐらいいるのですけれども,100人ぐらいの生徒がバドミントン やりたいよと手を挙げていたのですけれども,蓋開けてみて,部活動がまだあるものの,バドミントンはクラブしかないものですから,数十人しか結局残らなかったです。水泳についてもそうでした。逆に,同じようなネット系といいますか,卓球やテニス部が予想以上に多く 部活に加入したという経緯がありますので,子供の声としては,自分が本来やりたかった種目はなかったけれども,学校にある部活動において,人間関係で入っている子たちが非常に多いのかなというところがあります。今まさに9月,中学生と小学生にアンケートを取っている最中ですので,その結果はまた新しく出るのかなと思うのですけれども,子供にとってはより多くの活動を自分が決めてやりたいと思っているのだろうなと。誰かに決めてやってもらいたいと思っていないといいますか,あとは子供たち,昨年度のアンケートで週4日ぐらい やりたいという熱い子たちもいたのですけれども,いつやりたいという追い調査をしましたら,ほとんどが平日でした。土日はそんなにやりたいと思っていなかったなということは掛川市のアンケートで分かったところです。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
【北見市細川主幹】 北見市でも昨年児童生徒,保護者にアンケートを取りました。そういった中で一番多かった回答としては,子供たちの地域クラブ活動へ期待としては,楽しく活動できることというのがもう圧倒的に多いという,次いで希望する種目や活動を続けることというのがありまして,それ以外で言うと強いチームで活動できることとか,専門的な指導が受けられることというのが同じぐらいの割合でありました。
ただ,その倍ぐらいが楽しく活動できることということで,やはりこれからはいろんな種目を楽しく友達とやりたいというのが意見として多いのかなというふうに思っておりましたので,エンジョイ型ということにつなげてきた形ではあります。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
後半の議論もありますので,質疑応答はここで一度区切りたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは,論点に関する議論に移りたいと思っていますが,議論に先立ちまして,まずは事務局の大川課長から,本実行会議,ワーキンググループで議論をしていく上での中核になっていくような部活動改革の理念につきまして,再度確認のために簡単に御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
【大川課長】 失礼いたします。掛川市様,それから北見市様,今日は貴重なプレゼンありがとうございました。
中にも端々出ていたと思いますが,今改革推進期間ということで,いろんな取組を各地方公共団体でやっていただいております。ただ,その中で理念が合っているかどうか,同じ共通認識で動いているかというのは非常に大事だということで,改めてここで確認をしたいと思っています。 お手元の資料2を御覧いただければと思うのですが,本日の両市のプレゼンにもございましたが,やはりこの急激な少子化,あと5年すると中学生は300万人を切ってくると。2029年からもう300万人切ってしまうという状況の中で,やはり1学校という単位で,なかなか部活動が成り立ち得ない状況が生じてくる。こうした中でも,子供たちが将来にわたって継続的にスポーツ・文化芸術等に親しむ環境をつくっていく,確保していくというのが一番の目的であろうと。要は体験格差を生まないということが非常に大事ではないかというふうに思います。
そうした中で,部活動を学校から完全に地域に切り出してしまうというわけではなくて,学校で行われてきた部活動を学校も含めて地域全体で支えていくというところ,これが生徒の豊かな活動機会を保障するという考え方ではなかろうかというふうに考えております。
そういうことを前提にしますと,やはり今日の御発表でもございましたけれども,市区町村の皆様が幅広い関係者と連携協力しながら,理解をいただきながら,平日,休日を通した活動を包括的に企画調整し,多様な選択肢をつくり出しながら,地域の実情に合わせて,望ましい体制づくり,在り方,機会の提供というものを行っていくことが重要であろうかというふうに考えている次第でございます。一度ここを確認した上で,具体な議論に入れればというふうに思っております。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございました。
それでは,論点の議論に移りたいと思います。第1回のワーキンググループでは,参考資料3にございますように,様々な論点につきまして御意見をいただいたところですが,今後このワーキンググループとして,今日と,それから次回の第3回の会議で,実行会議の中間まとめにつながるような議論をしていきたいと思っています。
資料3は本ワーキンググループの主な検討事項を整理したもので,Ⅰの中間取りまとめまでに検討する事項として,大きく5点整理をさせていただいております。前回の会議では,5番目の学習指導要領における部活動と地域クラブ活動の位置づけについては御意見を頂戴したところですので,今日はその他の項目につきまして御意見をいただければと思っております。
また,Ⅱの最後,最終取りまとめまでに検討する事項につきましては,既に御意見をいただいている項目もありますが,詳細の検討は中間まとめ以降に検討を今後進めてまいりたいと思っています。なお,参考資料1には前回配付の主な論点,たたき台と参考資料2には現行のガイドラインの抜粋版がございます。こちらも適宜御参照いただきながら,本日の検討事項につきましてお考えをお聞かせいただければと思っております。
資料3をもう一度御覧いただければと思いますが,1,2,3,4の4つにつきまして御意見を頂戴できればと思っています。部活動改革の理念と,それから2番目の地方公共団体における部活動改革推進体制の整備,それから3番目の部活動改革の方向性,4番目の次期の改革期間の在り方,この4題について御意見をいただこうと思っております。両片括弧が2,3のところにありますが,ここに関しましても分けて御意見をと考えています。
それでは,最初の部活動改革の理念等について御意見を賜りたいと思います。少し問題意識についてお話をさせていただこうと思います。過日の第1回実行会議でも私自身お話をさせていただいたところなのですが,地域移行という名称は学校と地域を対立的に捉えるイメージがあるように今は考えるところでもあります。また,地域移行という名称は,部活を地域に出したらそれでおしまいというニュアンスも含んでいるのではないかというところも感じています。学校は,地域の中に存在するわけですので,地域クラブは学校と地続きであるということ,地域クラブでは一層学校と地域の連携が必要で,この名称は部活動改革の理念に少しそぐわなくなってきているのではないかと感じています。このような観点も踏まえて,地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革の理念を示す名称について御意見をいただければと思います。
先ほど来御発表いただいております掛川市では,地域展開という名称を御使用になられています。この点についてまずは御意見を頂戴できればと思っています。やはり地域移行が大事ではないかという御意見もあってもしかるべきだろうと思いますし,地域包摂というのも前回実行会議の中で提案を少し入れたこともあるのですが,掛川市さん,地域展開という名称をお取りなのですけれども,何か理由はございますでしょうか。
【掛川市大原指導主事】 掛川市におきましては,掛川市設立連絡協議会という協議会を昨年度から開催しているのですけれども,今年度の第1回の会合も開かれたのですけれども,第1回までは長沼先生が委員長として携わっていただきましたので,長沼先生も地域展開という ところの言葉を使われていらっしゃったと思います。
掛川市におきましては,やはり先ほど言われたように移行というところが,ただ委ねるだけのイメージが強かったものですから,地域と共に展開していくという,学校も地域も家庭も含めて市民総ぐるみで全てのものを共に考えて推進していくという考えの下,地域展開という名称がぴったりだなというところで,それを掛川市のほうでははっきりと区別をして,移行ではなく展開であるということでずっと使わせていただいているところであります。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
私の問題意識とかなり重なるところもあるかと思うのですけれども,ほかに御意見ございますでしょうか。
金﨑委員はどのようにお考えになられますか。
【金﨑主査代理】 ありがとうございます。
言葉は非常に重要だというふうに思います。先ほどからおっしゃられていますように地域移行というのは,何か学校が地域に投げて,それでおしまいになっているような,そんなイメージがあることは,否定はできないと思っています。おっしゃられるように地域展開なのか,何か地域に全部抱き込まれるようなイメージになるのかなというふうに思います。
部活動という言葉そのものがまた違ってきて,スポーツ・文化活動とかというふうに名前も変えていくと,少しはイメージも変わっていくかもしれないなというふうにも思っていますが,今どういう言葉がいいかと言われますと,それに当たるような言葉がぴんと私の中には浮かんできません。申し訳ないです。
【友添主査】 ありがとうございます。
石塚委員,どうでしょうか。
【石塚委員】 ありがとうございます。スポーツデータバンクの石塚でございます。
今まさしく地域連携や地域移行,地域展開なんていう言葉があって,私も確かにどんな言葉が地域の皆さんになじむのかなとか,イメージが湧くのかなと非常に考えながらいたのですけれども,私もよく地域でお話を聞くときに,その手法を取った先にある,ここで書いてある地域クラブ活動,この地域クラブというものの定義とか,また何を示しているのかという意味合い,地域クラブというものはこういう活動のことを指しているというところの意味合いについて皆さんが共通認識を持てていくと,さらにそれを達成するための名称というものも,またイメージつきやすいのかなと感じました。
また,まさしく世の中には既にある地域クラブとか,クラブチームとか,すごく類似する名称が非常に多くあるなと思ったときに,この先,部活動の地域連携や地域移行,地域展開を考えたときの,その先にある地域クラブというものが何を指していて,どういう活動のものなのかということについて皆さんに共通の理解が得られると,非常に中身が濃くなってくるような,そんなイメージがより増すのかなというのを思ったところです。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますでしょうか。
金沢委員,日本スポーツ協会では認証を総合型地域スポーツクラブに出して,特に学校連携型のクラブについては認証基準を設けられていると思うのです。これ前回も少しお話をお伺いしましたけれども,日本スポーツ協会,JSPOの中での学校連携型の認証基準,地域クラブとして認証する基準というのはどういうものでしょうか。これはあくまでも総合型地域スポーツクラブについてであるのですけれども。
【金沢委員】 日本スポーツ協会の金沢です。
その部活動・学校連携タイプの認証基準については,現在,詳細な部分について検討中の段階です。
【友添主査】 認証の基準と,言わば地域クラブとは何かということと,それが固まってきて名称,つまり中身とラベルが一致しないと駄目なのですね。だから,ラベルだけ変えても中身が違うと,やはり問題があるし,逆のパターンももちろんあるわけですけれども,これについて松尾委員はどのようにお考えでしょうか。
【松尾委員】 ありがとうございます。松尾でございます。
やっぱりこれは学校と地域を分断するものではなくて,包摂しながら一緒になってつくっていくという理念を明確にしていったほうがいいだろうというふうに思います。要するに,地域と学校が総合的,あるいは統合的に捉えた取組であることという意味において,名称が連携というところなのか,もしかするともう一歩進めて一緒になって,よく学校の運営において地域学校協働本部みたいな形で進めてまいっておりまして,そういった意味では地域と学校が協働して,ある種の子供のスポーツを支えていくというような,明確な言葉ではありませんけれども,そういうことを表すような言葉にしていってはどうかなという印象もございます。
以上でございます。
【友添主査】 ありがとうございます。
一時期は,地域融合という言葉も出た記憶もあるのです。最終的に,端的に今これからやろうとすることを表すネーミングとしては,地域移行のほうが具体的でイメージがぶれないだろうということだったかと思っています。
駒崎委員,どうでしょうか。学校現場から御覧になっていて,実際のところ地域との連携を考えたときにどのようにお考えになられますか。
【駒崎委員】 学校は,恐らく地域の学びの拠点になる形になると思いますので,切り離すことは間違いなくできないと思います。
部活動だけではなくて,学び全般の中で地域の拠点になっていくという考え方でいくと,部活動の指導者が技術的な指導だけであってもいいのかなと最近感じています。学びの中でいろいろ地域の方が入っていただいて,その中でどう接するのだというのは子供がしっかり分かってくれば,そんなに生徒指導が必要なくなってくると思います。いろんな面で,コミュニティ・スクール,地域学校協働というところでかなり動いておりますので,とにかく学校を地域に開くという感覚で,部活動もそういう中の一つとして捉えていくと,学校は動きやすいのかなという感じはしています。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
歴史的には1970年代あたり,川崎などを中心に地域と学校との連携,融合の試み,今でもずっと継続して成功しながら続いているわけですが,そのいわゆる地域クラブバージョンが多分今から私たちの目指していく方向のサンプルになるのではないかな,モデルになるのではないかなと感じるところです。
渡邉委員,どうでしょう。教育長としてのお立場ということで,実践をされていく中で,新しい形の名前など,お考えがあればお話しいただければありがたいのですけれども。
【渡邉(秀二)委員】 佐久穂町の教育長,渡邉秀二と申します。
今お話を伺っていて,本当にうなずけるところがたくさんあります。私は長野県である委員もやっているのですけれども,その会議のときに,部活動ってつくのはどうなのと,部活動の地域移行ということは,部活動そのものを地域でやればいいのだねと,どうしても受け取ってしまいますねという話は出ていました。もっと言うと,新しい地域スポーツ文化をこれから,そこを核にして耕していくのだということになると,やはり名称は難しいなということを実感として思っています。
それから,長野県は全ての学校がコミュニティ・スクールですので,今のような切り口で保護者に説明していくのはありかなということも教えていただきました。ありがとうございます。
【友添主査】 ありがとうございます。
ほかに御意見等ございましたらいかがでしょうか。
池田委員,どうぞ。
【池田委員】 すみません。1つ確認なのですけれども,現存のガイドラインだと2つの形がありましたよね,学校に残して地域と連携するというものと,それから地域に主体を移すもの,この2つの総称をどうするかという議論ですか。
【友添主査】 もう少し丁寧に御説明をすべきだったと反省していますけれども,地域連携というのは拠点校方式だとか,あるいは学校の中で地域のいわゆる部活動指導員の人に来ていただいて過渡的にやる形,将来的には地域移行の形に進んでいく,できるだけ早く進めるところは進むというものです。
今御提案しているのは,地域連携ではなくて,後者の地域移行の新しいネーミングです。先ほど申し上げたように中身が成熟してくると,地域連携ももちろん地域に移行していくわけですから,これは地域の新しい言葉で包含できるだろうということだと理解しています。
【池田委員】 先ほど友添先生のお言葉にもあったとおり,学校も地域の一部だということである以上,それから目指す方向が今おっしゃられたことであれば,地域クラブ活動に単語を一本化していくということも一つの方策としてあるのではないかと。やっぱり学校や部活という言葉を残すこと自体が,あまり変わった感じがしないですし,それこそ主体が替わるだけねという誤解を招きやすいということかと思うので,個人的な意見ですけれども,地域クラブ活動という言葉に一本化するという方策もあると感じました。
【友添主査】 ありがとうございます。御意見賜りました。
ほかにはいかがでしょうか。稲垣委員,どうぞ。
【稲垣委員】 少し議論を後退させてしまうのかもしれませんが,私,理念としては,学校というものがまさに全国,地域にある学び,またはコミュニティーのハブであるということには大賛成しております。一方で,こういった活動,部活動など,今まで学校が担っていたものを,地域も融合して学校で展開していくということになったときに,その主体者は誰かというところは,やはりよく考えなければいけないのかなと。というのも,部活動改革の背景としては先生方の負担があり,それを何とかしなければいけないというところを考えていかなければいけない中で,学校を中心に展開していくというふうになったときに,結局先生方がその運営をしていくのかと捉えられかねないというところは少し懸念をしている。なので,学校が場所としての地域の学びのハブになるということには大賛成。一方で,主体者が教員ではないといいますか,望まない教員がそこに関わらないというところは,やはりしっかりメッセージとして打ち出していく必要あるのかなと感じています。
【友添主査】 大事な御提案ありがとうございます。
検討会議の言わば最終的な結論は,その辺りだったかと思います。日本の公共体育スポーツ施設のほとんどは学校ですので,現実には学校でやるのだけれども,ではそのやる主体は誰だといったときには,やはり地域にというところが今共通の了解事項だといように思っています。この辺りについても,これからもこの会議の中でも検討していければと思います。
大川課長。
【大川課長】 すみません。的確な御指摘ありがとうございます。
今,令和5年から令和7年でやっている実証事業,これも重点地域などいろいろメニューを組んでいますけれども,都道府県や市区町村の皆様に中心となって,コーディネートをしていただいているというのが今の実証事業の在り方でございます。これを踏まえながら検討していくということかなと思っております。
【友添主査】 ありがとうございます。この辺りも含めて,まだ議論を重ねていかなければいけないところかと思っています。
それでは,次のテーマに移らせていただこうと思います。2番目ですが,地方公共団体における部活動改革推進体制の整備をどう進めていくのかということについて御意見をいただければと思います。
最初の(1)番ですが,地方公共団体における体制の整備ということで,北見市のただいまの御発表では,自治体としての推進体制についてお話をお伺いしました。市長部局と教育委員会部局との連携,あるいは部活動改革を進めていく専門部署など,自治体の体制の整備や その在り方,今後の方向性について,ここでもう一度確認をさせていただこうと思っています。この点についても御意見をいただければと思っています。
また,(2)番の「地域クラブ活動」を実施する体制の整備ということで,掛川市の御発表では,行政ではなく掛川市スポーツ協会が中心となって,地域クラブの運営,実施を行っておられますが,地域クラブ活動に携わる運営団体,実施主体が安定的,継続的に運営できるようにするための体制の在り方はどういうようなものかということについても御意見をお伺いできればと思っております。
例えば,1つは首長部局と教育委員会との連携はどういうような形で行われていったらいいのか,あるいはまた専門部署ができるのであれば設置をしたほうがいいのか,よくないのか。他方で,掛川市の実践にもありましたが,スポーツ協会が主体になった,実施主体でもあり運営団体でもあるわけですけれども,こういうような形でやっていくときに,どういうことに配慮事項が必要なのかということです。こういうことについて御意見いただければと思います。
松尾委員,いかがでしょうか。
【松尾委員】 ありがとうございます。
これは非常に重要なポイントだというふうに思います。先ほど稲垣委員からもありましたように,これは誰が責任を取るのかというところが,非常に重要なところになっていって,その責任を取るときに,例えば教育関連部局,あるいは首長部局であったとしても,これは1か所だけでは絶対にできないので,まずどういう形で連携を組めばいいのかということを,連携の組み方も含めて様々に,また,今回出されるであろうロードマップにしても内容にしても,きっちりとそれを示していく必要があるだろうと思います。そのときに,責任の主体があっても,コーディネートも含めて,小さな改革ではないので,専属の部署が中心になって,あるいは担当者の方がきっちりいらっしゃって動かしていくということの体制がないと,なかなか厳しいだろうというふうに思います。
それを最終的には,では教育委員会,いやいや,首長部局というようにはなかなかこちらでは言い切れないところがありますので,地方自治体の状況をしっかりと踏まえた上で,それに見合った形でこちらでいろんな提案をしながら,そこで選んでいただいたりとか,そういうことをしながら形としてモデル化できるような,選択できるような仕組みというのはやっぱり非常に重要なことになろうかというふうに思います。
以上です。
【友添主査】 貴重な御意見ありがとうございます。
長岡市は,日本でも一番早かったのではないですか。石川委員はその専門部署のヘッドをされていますけれども,実際やはり専門部署は必要なのでしょうか。あるいは,今御自身がやられてみて,どういう御感想をお持ちなのでしょうか。
【石川委員】 今友添さんからお話しいただいたように,恐らく最初につくったのではないかなと思うのですが,つくる前提となったのが,学校教育課とスポーツ振興課とスポーツ協会の3つに籍を置いた併任の職員がまずいたということが,動き出しとしてやりやすいということが分かりました。ただ,その先政策として進めていく分に関していうと,やはりそれぞれの部局の,いわゆるトップが承認していかなければいけない。そうなってくると非常に時間がかかってきたり,ようやく積み上げたものがほかの部局の考え方でまた戻らなければいけないというふうなこともあったので,最初から3つの部,当市でいいますと学校教育課,スポーツ振興課,文化振興課が一つの部となって,それぞれのところから併任職員が入る中で,これでないとなかなか,いわゆる統一した方向,全てをまとめた方向性を出すのは難しかったかなと思っています。
実際そのようなことで方針が決まっても,またそれぞれ併任職員が自分の部署に持ち帰って説明する中では,やっぱり課題が出てきますが,ないよりは間違いなく専門部署があるということは非常に大きなことだというふうに現状感じていますし,実際様々な,議員さんだったりもこの問題よく理解されていくに従って,これほど大きな問題であれば,やはりそういった部署がなければ解決は難しいという御理解も最近いただくようになっているというのが実感です。
【友添主査】 ありがとうございます。
いかがでしょうか,ほかに御意見賜ればありがたいのですが。
金﨑委員,どうぞ。
【金﨑主査代理】 長与町の金﨑です。
今お話がありましたように,部署をやっぱりつくったほうがいいというふうに思います。それは,ハードについては学校施設を使うということで学校教育課とか教育委員会,スポーツの様々な人をどう集めるかというのは,スポーツの部署がそこはたけているところかなと思います。最後に,お金がどうあっても足りないところも出てきます。では,どこが予算を組むかということも出てくるので,それを縦割りの中でやるというのはなかなか厳しいところがあるというふうに思いますので,部署をつくったほうがやりやすいのではないかというふうに考えます。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
浦野委員,どうぞお願いします。
【浦野委員】 失礼します。岐阜県の浦野と申します。
岐阜県が取り組んできたことしかちょっとお伝えできませんが,岐阜県教育委員会には部活動改革係というものがあり,今4名配置しております。その4名が集中して業務に携われると,そして岐阜の42市町村に対して指導,助言等をスピーディーに行うことができるということです。知事部局においては,地域スポーツ課というものがありますが,そこには体育の教員が3名配置されております。さらに県のスポーツ協会に2名,地域スポーツ課というところに体育の教員が2名。我々,今教育委員会がイニシアチブを取ってこの移行を進めておりますが,そういう流れの中でやっぱり学校を知っている人間が地域の部局にいるということで非常に流れが速いということ,そして指導者の養成,育成というところにも非常に岐阜県の強みがあるなというふうには思いますので,それを今まねしてというか,続いて大きな市が教員と市長部局の人間を融合した係をつくっているという現状にあります。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。なかなかこれ,ないよりはあったほうがいいのだけれども,財源をどうしていくのかとか,あるいは議会との関係の中で,実際にそういう必要性をどう説明していけるのかということ,あるいは保護者にも説明をしていく必要があるし,そういった幾つか超えていかなければいけない,あるいはたまたま今の時期だけその部署ができて,もうこれが落ち着いたら解散というパターンも行政的にはよくあるパターンでありますけれども,これではなかなか意味がないわけであって,様々な問題がありますけれども,いかがでしょうか。この問題についてほかに考えておられることはありますでしょうか。
山本委員,どうぞ。
【山本委員】 バスケットボール協会,山本です。
私たちの事例で,ちょっと置き換えてみて考えてみたのですけれども,私たちはユース育成を担って,私はそういう部署を担当して,新しい事業を全都道府県でやってくださいということを言いました。そのときには,やっぱり担当者を置かなければいけないと。今おっしゃったように持続的にやるためには,やっぱりそれが簡単に消えないようにするということで,正式に都道府県協会内でしっかり認証していただくような部門をつくるということです。部局を置いて,ちゃんと人を任命し,そしてお金をつけていくと。何をするかということは,動き出すまではやはり中央から,こういうふうにやるべきだというのをいっぱい出していく。他方,それを受け取る人がいないのが実情だったり,お金がつかなかったりするというところですが,実際に動いている人がいるところ,やっているところはどんどん動いていっているわけでありますので,私は皆さんのおっしゃっているところが,全くそのとおりだなと思って聞いておりました。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
どうでしょう,いわゆる運営団体と実施主体の問題で,これを具体的にうまく回していくような方策,あるいはここでもって課題を超えていくような方法,そういうアイデアがあればお示しをいただければありがたいのですけれども。
掛川市さんは市のスポーツ協会が中核で動いておられておりすばらしい実践なのだけれども,市区町村レベルのスポーツ協会の人材がかなり充実していないとなかなかできないと思うのです。掛川市の場合は,もともとスポーツ協会と行政とは非常に近い関係にあって,そして人的にも交流があったりしたのか,そういうことがもしあればお話をいただければありがたいのですけれども。
【掛川市大川指導主事】 掛川市スポーツ協会との関わりは,教育委員会というよりも,市長部局のほうの文化スポーツ振興課のほうでの関わりのほうが強いかなとは思っています。ただ,やはり部活動の地域展開においては,どちらかというと教育委員会とスポーツ協会のほうがつながりが強くなってしまっていて,スポーツ協会としましても,教育委員会とよく話をするのだけれども,そちらの文化スポーツ振興課のほうとまだちょっと詰め切れていない部分があるというところで,私たちとしてもやはり部活動というところから,スタートは教育 委員会からになってしまったので,ちょっとこの連携のほうはまだ上手にいっていないなというところ,これからもっと詰めて関係を密にしていかなければいけないなというところは思っています。
スポーツ協会におきましても,掛川市は恵まれているかなと思っておりますけれども,ただ先ほどのお話にあったとおり,掛川市スポーツ協会もチームスポーツをまだやったことがなかったものですから,サッカーにおきましてもかなりハードルが高かったです。今まで施設の中で行っていたクラブ活動だったものを外のほうに行って今後展開していくわけですから,それが三十何クラブできるということで,スポーツ協会としても,一歩踏み出すためには,行政的な支援がないとできないなというところは感じているのかなと思います。
【友添主査】 ありがとうございます。
スポーツ協会の強みは,いわゆる競技団体とのネットワークが十分にあるということ,それからスポーツ少年団が傘下団体であるということを含めて言うと,軌道に乗っていくと実施主体,運営団体としては好都合で,うまくネットワークができていくようにも思います。
さて,時間の関係もありますので,次のテーマに移らせていただきたいと思います。資料3の3番目を御覧ください。部活動改革の方向性ということで,ここも平日と休日という2つのタイプがありますけれども,一括してお話をお伺いできればというふうに思います。
まずは,休日における取組方針ということで,私自身の問題意識を少しお話させていただきたいと思います。現行のガイドラインでは,休日と平日を含めて地域移行が困難な場合には,当面,学校部活動を地域連携で進めることとされているところです。そして,3年間の改革推進期間の今ちょうど2年目ですが,この期間において休日の段階的な地域連携,地域移行を進めることが示されているところです。
休日については,先日のワーキンググループで示されたデータを見てもお分かりのように,部活動の地域連携,あるいは地域クラブ活動への移行に取り組む地方公共団体が着実に増加しているところでもあります。両市の御発表の中にもありましたけれども,今後,急速に少子化が進展していく中で,学校を含む地域においてスポーツ機会を確保していくためには,休日についてどのような取組方針が示される必要があるのだろうかということです。この取組方針は今まで国が示してきたわけでありますけれども,さらに国から取組方針が示されるべきなのか,あるいは都道府県がそれを示していったほうがいいのか,あるいは基礎自治体の中で各自でやったほうがいいのか,こういう様々な御意見がありますけれども,これについて御意見をお伺いできればと思っています。どういう形でこの取組方針が示されれば,休日の 取組が一層進展するとお考えでしょうかということがお尋ねの趣旨です。
また,休日については,地域連携,地域移行の達成という目標を前提としながら,当該地域における関係者間の合意形成や条件整備のため,地域連携や地域クラブ活動への移行の際にさらに時間を有する場合の配慮,これについても御議論いただければと思っています。現状 では,地域の実情等に応じて可能な限り早期の実現を目指すということになっています。私の言葉で言いますと,地域の最適解は地域にしかないというふうに思っています。
2つ目として,平日における改革の在り方についての御議論もいただきたいと思います。現行ガイドラインでは,平日の環境整備については,できるところから取り組むことが示されていますが,平日のみを対象とした取組については,改革推進期間における地域移行に関する実証事業の対象としていません。全国的に取組は進んでいないために,地方公共団体が地域の実情によって平日の部活改革に取り組む場合に,それを推進する方策がありましたら御提案をいただきたいと思っています。いかがでしょうか。
大川課長。
【大川課長】 1点補足をさせていただければと思います。
私もここに着任して,最初から休日の部活動,平日の部活動と2つに分かれた部活動があるような議論がなされていて,私は部活動はもともと1つだろうと,それがどうしてぶつ切れの議論がなされているのかなと疑問を感じてきました。地域クラブを活用した受け皿を各地方公共団体につくっていこうという流れでつくりやすかったのが休日であった。要は平日であろうと休日であろうと部活動を今までやってきた,それをどういうふうに自治体で受け止めていくかというふうに考えたときに,まずは休日に皆さんが集まりやすい,そしてその場をつくりやすい,生徒たちも集まりやすい,そういう中で休日を中心に来て,平日についてはまさにこれから御議論いただきますけれども,どうしようかということなのではないかなと考えているところです。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございました。
平日と休日を併せて一体的に議論していくこと,ここが大事かなと思ったので,ここは区分せずにお話をいただければと思います。
いかがでしょうか。
松尾委員。
【松尾委員】 ありがとうございます。
まず最初に,今回は国がこうあるべきだというのを出したほうがいいのかという話がありましたけれども,私は出したほうがいいと思います。やっぱり都道府県であっても基礎自治体の市町村であっても,どういうふうにしてやっていけばいいのといったときに,そこから提案しようとしたときに,どこからそれは言っているのだと,いやいや,国がこう言っているからという。国のためにやるわけではないのですけれども,それを逆に言うと活用されて,うちでもやらなければならないという,何かそういうような取り組み方の,戦略的といいましょうか,そういう部分もやっぱりおありだと思いますので,国がこうあるべきだということは明確に示しながら。実際に実施されるのは市区町村の基礎自治体のほうが多いわけですので,都道府県の動きが非常にある意味では難しいというか,どう関わればいいのかというところが難しいので,そういうところにもこうやってほしいということを明確に打ち出したような形でよいのではないかというのが1点です。
そして,もう一つが平日と休日についてなのですけれども,私もこれは今までは指導者の確保ですとか,アクセスの問題が難しいから,まずは休日をとやってきたわけですので,これは分けないでやっぱり平日と休日は一緒にやるべき。また,この前の東京都の会議でも,高校ではまだまだうちは関係ないみたいなイメージがおありでしたが,そうではなく,高校もきっちりとやっていくのだということを明確に示しながら進めるということが,統一感があってよいのではないかと思いました。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。国の取組指針を示す必要があるという御提案だと思いました。
中山委員いらっしゃいますでしょうか。特別支援学校のお子さんを含めて,特支の場合の部活の状況を踏まえて,休日,平日の取扱いで特に必要な観点等ございましたら,ぜひ御提案いただければと思います。いかがでしょうか。
【中山委員】 徳島県の中山でございます。
障害のある子供たち,特別支援学校の子供たちのというところでお話をいただいたわけですが,現在,徳島県における特別支援学校の部活動につきましては,休日はどの学校も実施をしていない状況でございます。平日には各学校のほうでスポーツまたは文化活動の部活動を持っている学校がございます。これを今後進めていく場合に気になるなと私個人が思っておりますのは,やはり障害のある子供たちに対する理解のある指導者や支援者の確保がなされない状況のまま地域に移行した場合に,その中でうまく集団にとけ込めず,活動したかったのだけれども,もう活動のほうに足が向かないといいますか,参加がしづらくなるという状況も生まれてきてしまうのではないかなと思っています。
当初の事例の御紹介の中にあったと思うのですが,地域移行を無理にしなくても,現行の特別支援学校の中でうまく回っているような活動があるのであれば,それは生かしていく方向が残されてもいいのではないかなと思っています。ただ,その活動場所を特別支援学校に据えながら,指導者,支援者を外部の方から御協力いただくといいますか,移行していくような形が取れれば,障害のある子供たちのスポーツ活動も保障できるのではないかなと考えております。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。特に障害者スポーツの指導者の問題というのは非常に大きな問題です。
三上委員,いかがでしょうか。パラスポーツ協会のほうからも含めて御提案いただければと思います。
【三上委員】 ありがとうございます。パラスポーツ協会,三上でございます。
今中山委員からお話あったように,障害のある子供たちのスポーツ活動は,まだ学校に限定をされている状況かなと思っています。これが将来的に,希望する障害のあるお子さんが地域クラブに行って,障害のないお子さんと一緒になって楽しむ機会が増えていけば理想かなというふうには思っています。ただ,中山委員がおっしゃるように,理解のある指導者がいないと置いてきぼりになってしまう可能性もあるので,社会的な幅の中で障害のある人もない人も一緒になって楽しくスポーツ,運動しようではないかという,そういう社会をつくっていく,これを共生社会と呼ぶのでしょうが,そういうものをつくるための一つのチャンスとして,この部活動が地域クラブに移っていくというところにあるのではないでしょうか。地域だからこそできる、障害のあるなし関係のない子供たちの活動ということで,一歩進んでいく議論ができればいいなと考えています。ありがとうございます。
【友添主査】 ありがとうございます。全くそのとおりかと思います。体育,スポーツ系の大学,学部の中で障害者スポーツ論だとか障害者スポーツ教育学などを課している大学はほとんどないのが現実なのです。これは教育職員免許法の中の指定科目の中で障害者スポーツという科目が必修でもないし,あるいは選択科目でもないという現実が大きく影響している部分もなきにしもあらずかなと。この機会に,制度的な側面も含めて、特に地域でもってどのようなお子さんや生徒さんも受け入れていくという開かれたクラブをつくっていく大きなチャンスだと思っているのですけれども,これを活用していくことを含めて共生社会を実現していくというのが今回の地域移行の大きな眼目でもあるということをもう一度確認をしておきたいと思っています。ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。
影山委員,どうぞ。
【影山委員】 サッカー協会,影山です。ありがとうございます。
よくこの地域移行の話をいろんなところで議論しているときに,いや,それサッカーの話だけではないから,サッカーだけの話をしないでスポーツ全体,文化のことも話してくれと言われるのですけれども,それを承知で話させていただきます。
我々リーグ戦をしていて,週末休日は試合をしてもらいたい,そのために平日はトレーニングをして,勝っても負けてもトレーニングをして週末は試合をする。それぞれのレベルに合った形でトレーニングをしてもらえればいいので,もしかしたら平日はゼロ回かもしれないけれども,週末のゲームだけはやりたいという子供がたくさんいるのです。勝っても負けても面白かったねといって帰っていってもらえる。そういったそれぞれのニーズに合った活動の在り方というものは,先ほど友添主査がおっしゃられたように,最適解は地域であるというのは僕は大賛成です。やはり都会と,それから地方の在り方というのは全く違って,その土地に合った子供たちのサッカー,スポーツの楽しみ方というのをつくり出すしかないのかなというふうに思っています。
それから,これはそもそも論の質問になってしまうのですけれども,この部活動の地域移行といいますか,地域との連携というところに対して,我々NFとして活躍できるのはどんなところなのだろうというのを今改めて考えています。指導者を増加すること,それからゲーム環境の在り方,それ以外にもっともっと子供たちのためにやりたいと思っている方々が多いのです。ですので,競技団体として,こんなことをやっていただきたいということがあれば,我々もっともっと活動を頑張ってやりますので,ぜひおっしゃっていただければと思います。
以上です。
【友添主査】 ありがとうございます。
最後の質問に対して,事務局のほうからお答えいただけますでしょうか。初心者の指導の教本をホームページで公開してほしいということは以前もやってきまして,サッカー協会は一番最初にやっていただいたこともありましたし,あるいは指導者の養成に関して初心者や中 学生の指導を含めて,指導段階ごとのいわゆるスキルアップもやっていただきたいということで,NFにお願いをしたということもあったかと思うのですけれども。
大川課長のほう,よろしければ。
【大川課長】 ありがとうございます。今友添主査に大分お答えいただきましたけれども,やはり現場で足りないという声が大きいのは指導者です。その指導者も地域によって求められていることが違うので,まず専門的技術は持っていらっしゃる,その上でどこまで教える必要があるかというところについては,その自治体,クラブとよく連携をして,意見交換をしてここまでやる,競技力を高めるのか,楽しむのか,体を動かす程度なのかとかいろいろあると思うのですけれども,いずれにせよ,人材の宝庫であることは確かですので,そういった面での御協力というのは大変ありがたいと思います。
また,ガイドラインにも少し書いてありますけれども,大会の在り方につきましてもどういった頻度でやったらいいのか,どれぐらいでやるのかというのは,子供たちを支点にして,求められている状況に応じて子供たちの活躍の場をつくっていただくということが非常に大事だと思っております。この辺りは,単にNFだけではなくて,中体連もありますので,その辺との連携というところもありますけれども,全体としてどういう回数で,どういう形でやっていくのか,この辺もしっかり連携し,意思疎通を図りながらやっていくということになるかなと思います。
その他,例えば安全面への配慮ですと,トレーナーに,どういったことを強化したら強くなるよとか指導いただく,また,栄養学などもあると思うのですが,挙げたら切りがないほど様々御協力いただきたいことが出てくるのではないかなと思います。ですので,まさに今回 今おっしゃっていただいたように,協力していただけるという,まずは意思表示をいただくだけでも,各地方公共団体にしても我々にしてもありがたいことだなと思います。個別になりますと切りがないので,また追って御相談させていただければというふうに思います。
ありがとうございます。
【友添主査】 今課長のお話のあった中で一番印象に残るのは人材の宝庫だと思うのです。そういう意味でいうと,非常に大きな戦力だろうというふうに思っています。
どうでしょう,ほかに御意見いただければ。
渡邉委員,どうぞ。
【渡邉委員】 よろしくお願いします。
今日ずっと話し合ってきている中で,大事だなというお話をいただきました。その地域のスポーツ資源によって体制やできることも違うだろうし,私たちの長野県の隅っこの南佐久郡が掛川市さんと同じようなスポーツ環境が提供できるかといったら,そのスポーツ資源がないので,やっぱり厳しいと思うのです。だから,地域クラブ移行というのは,その地域に合った地域クラブ移行というか,その地域ならではの地域クラブ移行とか,そういうことになってくるのかなと思いました。
それで,私たちも休日からやり始めているのですけれども,というのは先ほどありましたように,生徒や指導者が集まりやすいからです。平日の試行ということで,学校間は遠いのですけれども,今年は平日も実際にやってみました。5回やってみたのですが,町村等のバスを使って遠い中学校からバスが1便出て,生徒を拾いながら会場の中学校へ行って,練習後は,帰りはそのバスで帰ってくるという移動方法です。生徒の感想として,何回かやっているうちに,他校の生徒と一緒にスポーツできることが本当に楽しいと,これがまさに子供の声だと思うのです。ですから,そんなことをやりながら平日の可能性も探っていきたいなと思っているのですが,それについてもその地域ならではのやり方があるのかなと思いました。
今日おいでになっている岐阜県の先生方は昨日私のところにお見えになって,全く同じような話ししたのですけれども,100自治体があれば100のやり方あるよねと,今日もいろんな例をいただいてヒントになる部分いっぱいあったので,いろんなところで困っている自治体に提示できるといいのかなということを思いました。
【友添主査】 ありがとうございます。貴重な御提案だと思います。
平日の情報共有を進めていかなければいけないと思うのです。平日でも好実践が生まれてきていますので,平日の好実践集みたいなものができれば情報共有のためにつくられていってしかるべきと思います。休日はもちろんありますし,休日は実証事業の対象ですので,これについては成果が出てきていますけれども,平日についてはそれをやってこなかったということ。可能であれば,実証事業的な形での支援が国から行われていかないと,なかなか基礎自治体の中だけで埋没していても情報が入ってこないですし,今,渡邉委員がおっしゃったように,様々なレベルでの交流をしていくような機会の提供をやっていく必要もありますし,これからやっていかなければならない支援は数多くあるのではないかなと思います。
ほかに御意見ありますでしょうか。
石川委員。
【石川委員】 ありがとうございます。いわゆる基礎自治体の中でこの平日,休日の問題というのはかなり深刻に考えているところです。平日の地域移行も一緒に考えたいというふうに思ったのですが,やはり平日の放課後の時間帯というのはなかなか指導者がそろわない,そうなってくると夜間に活動が移る,屋外の活動はナイターの料金もかかってくる。そういった実態があったり,今,週4日できるものが恐らく1日か2日になる。この中で全国大会,全中大会もある中では,やはり子供のことを考えると,なかなか平日の移行というのは,これ5番の学習指導要領の記載とも大いに関係してくるところがあるのですけれども,多くの自治体は学習指導要領の扱いはどうなのかで平日を一気に進めようという決断をしようかしまいかというお話をよくお聞きするところですが,一方,学校の中では先生方も部活動に代わる何をやっていけば学校がまとまれるのだろうかと。今当市では,平日の部活動がなくなったときに学校は何を基にまとめをつくっていけばいいのかという議論を同時に進めていかないと,単純に平日も部活動の地域移行するというだけでなくて,学校としての役割を違う形でどう やるか,これについての議論を始めていく必要があるだろうというふうに考えているところであります。
もう一点が,大会への参加の方法というのがやはり地域クラブ,平日部活動の両方がある中で,どちらで行くかを明確にしないと,平日の部活動があるということで部活で出ますという形になると,保護者が部活動に対する思いが保護者も多いので,当市では全て,令和7年の9月以降は,運動部,文化部含めて全て地域クラブに移行しますと,一斉に移行しますという形にしているのですが,全ての大会,コンクールは地域クラブで出ますと,これは保護者に説明をさせていただいています。そうでないと,地域クラブと平日の部活動の指導者間の問題もありますけれども,大会はどっちで出るのだということがはっきりしないことで,移行をどう進めていくかという大きなポイントと,保護者,子供たちもどう選択していくかというのが,両方が混在していくと,ここは非常に課題になるなというふうに考えております。 そこまで進めるに当たって,令和8年度以降はそういった地域クラブが全国で多く出たときに,現状の中体連の規制の中では出れないチームが数多く出てしまうので,ここはもう一回中体連の皆さんとも一緒になって議論を進めないと,地域クラブはいっぱいできたけれども, 大会に出れない,こうなってくるとまた衰退していくのではないかなという懸念を持っているというのが現状自治体で考えているところでございます。
【友添主査】 ありがとうございます。
今石川委員がおっしゃった,課題をできるだけ少なくするということも含めて,休日からスタートしたということだったかと思うのです。ありがとうございました。貴重な現場からの御意見をいただいたと思います。
それでは,最後のテーマについてお諮りしたいと思います。
次期の改革期間の在り方というところです。現行のガイドラインでは,改革推進期間3年間をお示ししており,地方公共団体ではこの期間も踏まえながら休日の部活動改革を進めてきたところでもあります。国として引き続き改革期間を設定する必要性について御意見をいただければと思います。実際のところよく検証していくと,地方公共団体では改革を実行し,その取組が定着するためには,現行の改革推進期間の3年間というのは短いのではないかというお声が非常に多くあります。これを超える一定の期間が必要なのではないかという御意見もあります。こういったことも踏まえながら,これからさらに改革を進めていく上で,地方公共団体への支援の仕組みについても含めて,この期間を考えていかなければいけないというふうにも思っているところでございます。
期間について,まずは御意見をいただけますでしょうか。
金﨑委員,どうぞ。
【金﨑主査代理】 長与町の金﨑です。
現在,改革推進期間という期間の命名で段階的にというふうに進んでいますが,先ほど国が旗を振るかどうかというお話がありましたけれども,国が旗を振っていただくと地方としては非常にやりやすいなと思っています。その点で今の改革推進期間という設定はよかったなと思っています。
さらに,改革集中期間を改革推進期間というふうにしたところもありますので,3年,3年で切っていただくと大変ありがたいなというふうに思いまして,次の3年を例えば改革を徹底する期間というふうにして,休日の例えば部活動は廃止して地域クラブに移行するとか,いろんな地域クラブ等の活動があると思うのですけれども,地域クラブとは何ぞやという定義をはっきりするというふうな期間をそこに持っていったらどうかなというふうに思っています。
さらに,次の3年を改革を終了する期間として,基本的に平日はありますけれども,今移行という言葉がいいかどうかというのは別にしまして,そういうふうに移行していくというふうなこと。ただし,中山間部とか離島とか,そういったところで全く受け皿がないというようなところについては,先ほど御提案がありましたけれども,エンジョイ型とかマルチ型とか,そういった形で部活動を残して,子供たちにスポーツの活動を残していくというふうな。一例ですけれども,そのような3期で,あと2期ずつを3年,3年でしていただくと大変ありがたいなというふうに思っています。
【友添主査】 ありがとうございます。合わせて6年という御提案として引き取ってよろしいですか。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。支援も含めて御提案あれば。
松尾委員,どうでしょう。
【松尾委員】
ありがとうございます。私は,やっぱりホップ・ステップ・ジャンプではないのですけれども,どこまでこれを支援すればいいのかということがポイントだと思います。それは,やっぱり各自治体さんが持続可能な形で自走できるというところまでちゃんと支援すると,ここが大事なところだというふうに思います。そういった意味では,今金﨑委員もおっしゃってくださいましたけれども,ホップ・ステップ・ジャンプを最初から5年間にすると,ちょっとばかり一,二年は様子見てもいいかみたいな話になってもよろしくないかと思いますので,3年,3年,3年ということでもよろしいのではないかと思います。ついては,もしかすると第1次,第2次,第3次みたいな形で,これが続くぞというぐらいのところでお示しするやり方もあるのかなというふうに思った次第です。
そのときに,この前も発言させてもらいましたけれども,単年度で実証事業などは行われますが,地方自治体さんからすると2年続けてほしいというふうなこともあるだろうと思うので,助成については2年継続みたいな形で,ただし期間としては3年でいきますからというような,そういう流れでもよいかなと思った次第でございます。
以上でございます。
【友添主査】 ありがとうございます。助成については2年,単年度ではなかなか厳しいという声であります。
よろしいでしょうか。5年という案お持ちの方いらっしゃいますか。例えば3年やってみて,この改革推進をやって,いわば発展期間,改革を発展させる期間,そして最後の完成する期間,最後は2年なのか1年なのかの違いだけですけれども,5年という。
3年という形で当初決めた経緯ですけれども,行政の方が異動しない3年間の間にやり切ること,それから中学生が入ってきたら卒業するまでにある程度の形を見せてあげないと,その代の子たちにとっては何やっているのだというふうに終わってしまうことは避けたいということでした。ただ,今から思うとちょっと短かったなというのも,いろんな検証をしていくと感じるところでもあります。
山本委員,どうぞ。
【山本委員】 質問なのですが,今連携と移行が並存していると思うのですけれども,連携がそのうち移行に至るという方向性を目指していると,連携はいつまでというのがこの辺に引っかかってくるのではないかなと思うのですが,いかがですか。
【友添主査】 現行のガイドラインでは,いわゆるできるだけ速やかにということなのです。期限は設けておりません。島嶼部や過疎地域など,あるいは基礎自治体によって様々な事情があるので,一括して年限を区切るのはなかなか難しいという議論があったかと思います。 ここのところは,一括してこの期限までにというのはなかなか厳しいだろうと思います。
事務局いかがですか。地域連携について速やかに移行しなさいという期限を設定するのはいかがかということですけれども。
【大川課長】 御質問ありがとうございます。まさに今いろんなことを含めて実証しておる状況で,全国の主体となっていただく市区町村,自治体の皆さんの意見を聞かなければいけないと思います。先ほど金﨑委員からもありましたけれども,地域のクラブという受け皿がない地域もございます。こういうところはどうするのだという議論は絶対出てきますので,そこは丁寧に聞きながら,どういう対応があり得るか,考えていきたいと思います。子供たちにスポーツであり,文化であり,その触れる機会をなくさないということが一番大事であると思っています。
【友添主査】 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
【山本委員】 私も最初の理念の話で思っていたことなのですけれども,形ではなくて,最初この話が始まったときに,レベルやニーズに応じた新しいスポーツ環境の創出だということを言い出したのはすばらしいことだなと思って,もしくはやらない,今までを変えてとか, 今日の掛川市の発表もすばらしいなと。レクリエーションの志向のところもちゃんと押さえているし,競技志向のところもちゃんと押さえていると。こういうやり方もすごく見やすくて分かりやすいなというふうなのが見えたのです。こういうことをやるのがこの趣旨だというふうに,私は今の課長さんのお話もそう思いました。それを実現するということが私の今の質問の趣旨であったということです。
【友添主査】 ありがとうございます。
ほかに,最後の1人になります。
石塚委員,どうぞ。
【石塚委員】 ありがとうございます。私も先を見据えて方向性を示すのは大賛成です。先ほどあったように3年とその先3年,というのもこの3年の改革推進期間があったときに,その先どうなるのだという声がよく地域で聞こえました。そういう意味では,次の3年とその先の 3年,こういうステップがあるよということを,具体のところが示されないまでも,そのステップでやっていくということの方向性はすごく大事だなというふうに改めて感じております。
今改革推進期間2か年目で,今日お越しいただいた先進事例の皆さんのように先を走っている自治体さんとまだまだこれから,例えば昨年度は339の市区町村が実証事業をやって,今年510からさらにちょっと増えるという話もありましたが,そういう意味では残りの自治体さんがなぜできないのかという観点も踏まえて,より推進していくところは課題が多岐にわたってくると思うので,その具体的な支援をつくるということと,まだこれから動き出すところに関しては,初動のところのサポートをもう少し明確にやってくる,そういった支援メニューの明確化というのも必要かなというのを感じております。
以上です。
【友添主査】 御意見ありがとうございます。貴重な御意見かと思います。
申し訳ないのですけれども,閉会の時間がついにきてしまいました。今日いただいた御意見については,今後の議論の中で取りまとめをしながら内容を整理していただいて,議論の中に挙げていきたいと思っています。
本日の議題は以上でございます。まだ議論し切れなかったところは,次回以降も含めて御議論いただければと思っています。
次回のワーキンググループでは,今日までの議論を含めて中間取りまとめに向けた議論をしていきたいと考えております。
次回以降の日程等について事務局から,鴨志田補佐,お願いします。
【鴨志田補佐】 本日は,各論点につきまして御議論いただきましてありがとうございます。
次回,第3回の地域スポーツクラブ活動ワーキンググループにつきましては,10月23日水曜日の10時からの開催を予定しております。また開催の詳細につきましては,各先生方についてメールで御連絡させていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
また,本日限られた時間の中での御議論ということで,発言できなかった,し切れなかった部分につきましては,事務局宛てに御連絡をいただければと存じます。
事務局からは以上でございます。
【友添主査】 ありがとうございました。
それでは,名残惜しいのですけれども,本日の議事を終了させていただこうと思います。どうもありがとうございました。