地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方に関する検討会議(第1回)議事要旨

1.日時

令和4年5月25日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省16階16F3会議室 及び オンライン

3.議題

  1. 地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方に関する検討会議の設置及び運営について
  2. 地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方に関する検討会議の進め方について
  3. 地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方について

4.出席者

委員

岩渕健輔委員、片寄正樹委員、久木留毅委員、久保潤二郎委員、鈴木岳委員、
竹内章委員、角田正史委員、鶴英樹委員、土肥美智子委員、平野裕一座長、
増田和伯委員、馬渕博行委員、三井利仁委員、森岡裕策委員

文部科学省

室伏スポーツ庁長官、串田スポーツ庁次長、星野スポーツ庁審議官、
南野競技スポーツ課長、筒井競技スポーツ課課長補佐

5. 議事要旨

(1)地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方に関する検討会議の設置及び運営について

 事務局から、資料1に基づき、本検討会議の設置及び運営について説明があった。

(2)地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方に関する検討会議の進め方について

 事務局から、資料2、3に基づき、本検討会議の進め方について説明があった。

(3)地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方について

 事務局から、資料4、5に基づき、検討事項に係る主な論点及び地域におけるスポーツ医・科学支援の取組状況について説明、久木留委員から、資料6に基づき、ハイパフォーマンススポーツセンターの取組について説明があった。また、栃木県及び高知県に対し、資料7、8に基づき、取組事例のヒアリングを実施したのち、以下の意見が挙げられた。
 

・県内でのスポーツ医・科学支援に留まらず、より広域なネットワークを構築するには、関係機関間のコミュニケーションや情報の集約が非常に大切。

・国立スポーツ科学センター(JISS)と地域の関係機関をどのように連携させるか、そのための仕組みづくりをどうしていくかが一つの論点。
 また、スポーツ医・科学支援には、公的専門資格保有者でない人たちの介入による事故の発生といったマイナスの面もあることから、アスリートの安全確保や支援内容の個別の特性も考慮しつつ、スポーツ医・科学支援の在り方を検討する必要がある。


・スポーツ基本計画の中でもうたわれているように、ハイパフォーマンススポーツに関する知見の社会への還元は大きなテーマであり、その中でハイパフォーマンススポーツセンターのJISSの知見を地域にどう還元していくか、その仕組みについて議論が必要。
 
また、連携という言葉が数多く出ているが、連携の中身をどうするかが課題。各地域の支援対象について、地域ごとの背景や環境も含めてどうなっているのかをもう少し掘り下げた中で、議論することが必要。

・地域でスポーツ医・科学支援の活動を担う保健体育の教員や、保健体育の教員を退職された方々との連携が重要。例えば、JISS支援パッケージが大学の保健体育科指導者を養成するカリキュラムの中に入れば、地域のスポーツ医・科学センターに質を担保することもできる。ハイパフォーマンスと言いながらも、従来からある保健体育の指導者養成とどう連携していくかという観点が重要。

・研究、測定、そして現場のアスリートサポートにおいて、うまくいっているところは「連携」がきちんとなされていると感じる。連携には様々な形があるが、この部分を掘り下げてより具体的に検討を進めていくことが重要。また、こうした取組を事業として進めていくためには、その事業をマネジメントする人材が必要。

・地方競技団体の活動においては、行政からの補助金が大きな資金源となるが、マーケティングを強化し自己収入を増やすことが重要。
 
また、地方競技団体の人材を確保するためには、スタッフの給与の保証についても検討する必要がある。

・地域の指導者にスポーツ医・科学に関する知見を提供することで、スポーツ医・科学が地方にもより浸透していくのではないか。
 
また、現在地域のスポーツ医・科学センターで行っている事業を維持していくためには、地域が担うスポーツ医・科学支援の在り方をどのように県民に周知するのかが非常に重要で、国体とは別に継続性のある目的を持つ必要がある。特にパラスポーツに関しては、国体候補選手と障害者スポーツ大会候補選手の比率や施設の利用実績にはかなり差がある。障害者スポーツ大会とパラリンピック競技の違いなども関係しているのかもしれないが、令和5年度に向け、パラスポーツの振興にも取り組んでいきたい。

・自身の所属する施設では、予算と人材の確保が課題。時代とともにスポーツ医・科学支援の質的な向上、量的な拡大が迫られており、今後測定機器の更新も迎える中、さらなる充実を図るためには、国との連携や役割分担、支援等が必要。

・トップアスリートの競技力向上には、ジュニアの時期が非常に重要。その上で地域におけるスポーツ医・科学支援は大事な要素である。既存の知見をうまく活用し、地域でもできることを地域のス方々に理解してもらうことが必要。
 
また、スポーツ医・科学支援に関する情報を発信する側として、発信の仕方が分からない、あるいは発信しても使われないという声もある。我々がやってくださいと言ってやっている支援は本当に現場が必要としているものなのか、もしも本当に現場が必要とすれば、向こうから情報を取りに来てくれるのではないか、と一歩を引いて考え、現場が真に必要とする支援を検討すべきである。
 
地域におけるスポーツドクターの確保等の困難さについては、ボランティアベースが問題だということはあるが、例えば問診票を少し工夫することで、色々な選手たちに統一した知識の提供、あるいは選手の問題を吸い上げることもお金をかけずにできるのではないか、というようなアイデアも常に考えなければならない。
 
パラスポーツと高齢者のスポーツは共通点が多い。自立・生活の質・共生という3点がパラスポーツにはあるが、これはまさに高齢化社会にも必要なことである。スポーツ医学をトップアスリートあるいは競技スポーツに対してだけではなく、一般の方々の健康維持も含めて展開していければ、より地域に根づく支援ができるのではないか。

・体力測定等におけるJISSと全国9機関との連携については、測定機器の違いやデータの共有方法等の課題があるが、国との連携によりその点が解消され、地方でもナショナルチームの選手がトレーニングできるようになれば理想的ではないか。一方、地域のスポーツ医・科学センターでは、ジュニア選手を含め、JISSを利用する一歩手前の日本代表候補選手を対象とすることもある。国との連携を強く図り、役割分担をしながら進めていくのが理想。

・自身の所属する施設では、競技力向上の支援、健康・体力維持増進の支援、競技性の高いパラスポーツの支援、加えて研究活動に取り組んでいるが、それぞれの取組の主管課が教育委員会、知事部局と異なることが課題。

・パラ選手のスポーツ医・科学支援においては、移動手段が問題となり、JISSに行くことが難しい。特にジュニア選手は親が移動させる必要もあり、地域で測定等の支援を受けられることや日常のトレーニングを行えることが望ましい。
 
また、パラ選手の発掘・育成・強化について、以前は全国の障害者スポーツセンターを中心に行われていたが、現在は一般競技団体で選手を引き込むことがマンパワー的にも難しく、障害者スポーツセンターが使えていない。障害者スポーツセンターには、障害への理解がある体育大学出身の職員がおり、強化についての知識も有しているため、今後活用が望まれる。

・人材や財源をどのように確保するかが重要。人材については、自らの機関で優れた人材を確保できなくても、他の機関と連携することにより、同じような効果が現われるのではないか。

・地域のサポートについては、これまで様々な取組がなされてきており、画一的ではなく多様なスタイルが求められている。その中で、大学は強い運動部をサポートするスタイルであるが、運動部からのこういうサポートしてほしいという能動的な働きかけも重要。