運動部活動の地域移行に関する検討会議(第3回) 議事録

1.日時

令和4年1月26日(水曜日)13時30分~16時30分

2.議題

  1. (1)地域におけるスポーツ環境の整備充実方策について
  2. (2)地域におけるスポーツ指導者の質・量の確保方策について
  3. (3)地域におけるスポーツ施設の確保方策について

3.議事録

【友添座長】  
定刻になりましたので、ただいまから第3回運動部活動の地域移行に関する検討会議を開催いたします。皆様には、大変お忙しい中、本日は御出席をいただきありがとうございます。
本日の会議につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止を踏まえまして、報道関係者を含む傍聴の方は、ユーチューブによるオンライン配信を御覧いただく形になります。
委員の出欠でございますが、事前に御希望いただきました、内田座長代理、石川委員、遠藤委員、大川委員、金沢委員、末冨委員、西委員、吉田委員、渡邊委員の9名におかれましては、ウェブ会議形式での御参加をいただいております。
冒頭、初めに、私のほうから本検討会議の今後の進め方について説明させていただきたいと思います。
これまでに開催いたしました2回の会議においては、いわゆる総論の部分を中心に委員の皆様に御議論いただいてきたわけでありますけれども、今回より具体的な各課題に対する解決方策などの各論の議論に入ってまいるということでございます。
ありがたいことに、本検討会議については、多数の自治体や関係者の皆様から御注目をいただいているところでありますが、その際、多くの自治体から事務局に対しまして令和5年度からの段階的な移行の実施に向けて検討会議の結論をできるだけ早く出してほしいという御意見、御要望、また、地域の実情に応じて参考とする事例を選択できるよう、様々な先進事例を教えてほしいというような御要望が多数寄せられていると、報告を受けております。
こういったことを踏まえまして、今回からは1回当たりの会議の時間を1時間延ばしつつ、各回で三つの議題を扱うことで、各検討課題についてしっかりと議論を行いながらも、会議の開催期間を圧縮したいと考えております。そのようにして、提言を取りまとめる時期を、当初お話しをしておりました7月頃から前倒しをしまして、5月頃に提言を取りまとめることができればと考えております。
この方向で、皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 
御異議がないということで、ありがとうございます。
また、各回の検討会議の進め方については、委員の皆様から様々な先進的な実践例を紹介していただきながら、そうした事例を踏まえた議論を展開する形で進めてまいりたいと考えております。
なお、前回会議において時間の関係から委員の皆様全員から御発言いただけなかったことを踏まえて、皆様からの御発言時間については、お一人1回当たり3分以内とさせていただければと思っています。学会はいつもこの形式でして、3分ということで考えております。2分を経過したタイミングでベルを1回、3分を経過したタイミングでベルを2回鳴らさせていただきますので、どうか円滑な会議運営に御理解、御協力をいただきますようにお願い申し上げます。
また、今回、オンラインで参加される委員の皆様も多いことから、マイクを口元に近づけていただいて、御発言の際はゆっくり、はっきり御発言いただきますようお願いいたします。
本日の議題は、次第にありますとおり、1、地域におけるスポーツ環境の整備充実の方策について、2、地域におけるスポーツ指導者の質・量の確保方策について、3、地域におけるスポーツ施設の確保方策について。つまり、スポーツ環境、スポーツ指導者、スポーツ施設の三つとなっております。
議事に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いいたします。

【事務局】  
それでは資料の確認をさせていただきます。
本日の議事に関係する資料といたしまして、資料1から3をお配りしております。資料1から3につきましては、座長から御提出いただいた資料となっております。そこに、議題ごとに委員の皆様から御提出いただいた事例を事務局においてお配りさせていただいております。
それに加えまして、参考資料1として、それぞれの議題に関して基礎データや現状が分かる資料などを事務局においてまとめております。
次に、参考資料2として、前回の第2回会議で議論した検討項目に関して、委員の皆様から追加の御意見をいただいたものを事務局でまとめたものをお配りしております。
また、松村委員から、本日、資料の提供がございましたので、そちらも追加で配付しております。
以上が本日の配付資料です。不備などがございましたら事務局までお声かけをお願いいたします。

【友添座長】  
ありがとうございます。
それでは、早速議題1、地域におけるスポーツ環境の整備充実方策についてに移ります。
資料1は、今お話がありましたように、私が内田座長代理と御相談の上、事務局の御協力の下、作成をした資料であります。
流れとしましては、まず事務局より資料1について御説明をいただいて、続けて、各委員より順番に資料に記載してあります事例につきまして、各3分程度で御説明いただきたいと思います。その後、各委員の皆様からの質疑、御意見等を頂戴できればと思います。
それではまず、事務局より御説明をお願いいたします。

【事務局】  
資料1番、「地域におけるスポーツ環境の整備充実方策について」と題する資料です。
各委員には事前にお送りしておりますので、内容を簡単に御説明いたします。
まず1番、地域スポーツ団体等の整備充実方策として、課題として地域スポーツに係る組織・団体の整備充実の必要があること。また、行政、各団体、学校等で十分な情報共有や連携ができていないことが掲げられております。
対応策としまして、地域の実情が異なりますので、様々なスポーツ団体、多様な実施主体を想定して、それらの整備充実を進める必要があるのではないのか。また、各市町村の地域スポーツ担当部局や様々な団体が緊密に連携していく必要があるのではないのか。
続きまして、スポーツ庁の地域運動部活動推進事業で先進的に取り組んでいただいております地域がありますので、そうした事例を踏まえて効果的な方法を示すことが望ましいのではないか、また、各地域によって実情が異なるために様々な方法を示していくことが必要ではないのかということです。
次のページですが、2番、地域のスポーツ組織・団体等への支援の在り方です。地域のスポーツ組織・団体が安定的、継続的に運営できるようにしていく必要がある。また、こうした団体の整備充実を進めるとともに、中学生の会費が高額なものとならないようにする必要があること。また、国による支援として、いわゆるtotoによる助成がありますが、これは運動部活動の地域移行に向けた取組が助成対象となっているわけではありません。また、総合型地域スポーツクラブ以外の組織や団体への支援の枠組みが十分でないという課題を掲げております。
対応策として、国や地方自治体から支援が必要ではないのか。そして、このtoto助成について、中学生向けの活動を実施する組織・団体等にも支援できるようにすることが必要ではないのか。また、これらの公的な支援だけではなくて地元の企業などによる様々な支援もあり得るのではないのか。この支援の在り方については、地域の実情に応じて様々なやり方が想定されますので、効果的な方法を示すことが望ましいのではないのかというものです。
参考資料1を御覧いただければと思いますが、関係するところを触れさせていただきます。
2ページは、地域におけるスポーツ団体等の数を集計したものです。合計で18万クラブがあり、棒グラフのほうはクラブの数、そして、緑色の折れ線が部活動の数です。人口が多い都道府県ほど当然多い状況ですが、人口に比して多くの団体がある県もあります。
続きまして、8ページですが、人口10万人当たりのスポーツ団体等の数について、それぞれの都道府県がどういう状況にあるのかということですが、赤線が平均値ですけれども、都市部では団体の絶対数は多いですが、人口比で捉えますとむしろ地方部のほうが多い状況が見て取れると思います。
次のページ、9ページ以降が、スポーツ庁で行っております実践事業を行っていただいている自治体での取組状況です。
続きまして、13ページですが、先ほど申し上げたtoto、スポーツ振興くじの概要の資料となっております。
私からは以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございました。
それでは、続けて事例紹介として、まず、西委員から奈良県生駒市における事例について御説明をお願いします。西委員、よろしくお願いします。

【西委員】
失礼します。奈良県生駒市スポーツ振興課の西でございます。
それでは、生駒市の取組等を説明いたします。
今回は、これから事業を進められる皆様の参考となるよう、市として取り組んできた事例を紹介いたします。資料を基にご説明いたします。時間の関係上、主なものを紹介いたします。
まず、地域の状況としまして、多くの自治体の課題や対策などですが、財政状況の悪化に伴う経費の削減、誰もがスポーツに触れられる機会を増やすため、障害者のスポーツ活動を推進すること、学校部活動の地域移行やコミュニティスクールにつきましては、多くの自治体で何をどう進めたらいいのか、どこに相談したらいいのかといったレベルではないかと感じております。
そこで、これらの課題を鑑みた上で、地域スポーツをさらに充実させるには、弱体化する自治体のスポーツ事業を公益的な組織に移行しなければならないと感じております。その具体例としまして、自治体のスポーツ事業が縮小しても住民のスポーツ環境を維持継続させるため、総合型地域スポーツクラブやスポーツ施設指定管理者を中心としたスポーツ推進が必要と考えております。
地域スポーツ団体、特に新規参入と思われている総合型クラブの育成支援として財政支援以外でできることとして、自治体職員が営業マンとして自治会や学校等にクラブの存在意義や活動内容の周知啓発を行っております。
最後に、行政と関係団体、主に総合型クラブとの連携を進めるために行っておりますのが、クラブとはウィン・ウィンの関係を目指しましてスポーツ推進事業を公共工事と同様の考え方で事務手数料等を含めました業務として発注をしております。それから、お互いを正しく理解し、仲間意識を持って接する姿勢が必要だと感じております。生駒市では、自治体と総合型クラブは敵ではなく、地域スポーツ推進の最強タッグのパートナーと考えております。
最後に、ちょっと精神論になりますが、関係者の方々と遠慮なくコミュニケーションを図ること、無駄話の中にこそ新たなひらめきがあると思っていますので、ふだんから何げないことも接するようにして、忙しくても対話をするように心がけております。
なお、生駒市は、障害者のスポーツ活動支援と総合型地域スポーツクラブの育成支援を市のスポーツ推進計画で重要施策と位置づけております。地域の状況でもお話ししました障害者のスポーツ活動支援は、まだまだ福祉の域を脱していないと感じておりますが、まずはスポーツ施設に来ていただくために体育館や温水プールの開放を実施して、市内の生活支援センターなどの方々に御意見を聴きながら、障害者や障害児の方々にも使ってもらいやすい用具などを用意して、まずはスポーツを楽しんでいただく、スポーツを始めるきっかけとさせていただいております。
最後に一つだけお伝えできればと思います。この運動部活動の地域移行を進めるに当たりましては、各都道府県の教育委員会の協力をいただきながら、各自治体の学校部活動の所管をしている学校教育部局と地域スポーツを所管している社会教育、社会体育部局がこの仕組みをきちんと理解した上でしっかりと連携しなければ、子供たちにとってよりよい方向に進んではいかないと考えております。私ども社会体育、地域スポーツ部局も今まで以上に総合型クラブや民間スポーツクラブ、大学や高校など地域のスポーツ関係者との連携強化を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
少し長くなり申し訳ありません。以上です。よろしくお願いします。

【友添座長】  
ありがとうございました。委員の皆さん、事前にペーパーを共有しておりますので、オンラインの特性上、早くしゃべると聞き取りづらくなりますので、ゆっくりで結構ですので、しっかりお話をいただければと思います。
それでは、次、石川委員から新潟県長岡市の事例の御紹介をお願いいたします。

【石川委員】  
長岡市の石川です。よろしくお願いいたします。
当市では、この部活動の地域移行のこういった通知の前から、いわゆる部活動ガイドラインが平成30年に出たことを受けまして、もう少し活動したい、あるいはさせたいという保護者、教えたいという教員がいるという要望を受けまして、今回の取組以前からこのような中学生のスポーツ活動推進事業というものを計画しておりました。こちらのほうは、今回の会議の内容と合致しているものがあるということで、受益者負担の形で学校現場と競技団体を中心とした運営主体を設け、教育委員会のほうで全体を総括しながらも、運営を競技団体に委ねると。学校教員も競技団体の中に入っていただいた中で手挙げ方式で希望する生徒に集まってもらって実験的に行ったというものでございます。
市の概要からしますと、中学生が総数で7,000弱いる中で、今回の参加者というのは、現状、部活動がまだ行われている状態から考えますと、まずはモデルとして運営するには妥当な数ぐらいだったんじゃないかなと思っておりますが、来年度よりさらに種目を3種目追加して、できる限り部活動で扱っている種目については競技団体の競技団体の協力を得られるように、原則として連携を図っているところであります。
併せて指導者の数を増やしたいということもありましたので、地元企業の中にもいわゆる部活動と同じような種目を扱っているクラブチームですとか、そういったものがありますので、その企業のクラブで活動している人を何とか指導者に派遣いただけないかということで1社ではありますが、企業と相談してソフトテニス、バドミントン、この2種目についてそこの企業のクラブから指導者を派遣してもらうという二つの方式、手挙げ方式と派遣型ということで行いました。派遣型のほうは、部活動への指導者の派遣ということですので、生徒の自己負担はなしということで行ったということであります。
なお、つい先週、参加者のアンケートをまとめたところでありますが、受益者負担の考え方についてですけれども、答えていただいた数は少ないんですが、参加総数の生徒の約4割の生徒、そして、35%の保護者からの回答しか得られていませんが、平均するとおおむね1回当たり500円程度になるんですが、それについては8割の保護者が妥当という考え方でありましたので、ちょっと高いと答える方もおられますが、やはり1回500円から1,000円弱の中であれば、比較的今回は妥当と答えていただいたなと思っています。
最後になりますが、1年目を終えて、申込みをグーグルフォーム等々のいわゆるICTで全て行うことで、競技団体の事務的な軽減ができた。そして、一番評価の高かった柔道においては、練習の様子を保護者へ動画配信することで、やはり活動に費用を払った分のいわゆる費用対効果といいますでしょうか、その辺が保護者にも理解を得られたので、非常に保護者の満足度も高い評価を得ておりました。
二そして、問題の共有が図れたということが、今回の事例を行うに当たって大変スポーツ庁のこの部活動の地域移行の検討を進める上でも有益であったと考えております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、大川委員のほうから岐阜県の事例の御紹介をお願いいたします。

【大川委員】  
岐阜県の大川でございます。私のほうから岐阜県の個別の事例について2件、いずれも岐阜県内の総合型地域スポーツクラブでの事例について報告させていただきます。
まず一つ目は、羽島市の竹鼻中学校と総合型のはしまなごみスポーツクラブとの事例でございます。こちらの中学校が主導する地域移行の例として紹介させていただきます。
羽島市でございますけれども、岐阜県南部に位置する都市で、竹鼻中学校はその中心部に立地する学校、生徒数560人、学級数17、運動部は12の部活動がございます。
資料にも記載しておりますけれども、中学校内で問題意識の高まりから令和元年度に部活動改善委員会を設置して検討を開始されておりまして、令和2年度は市スポーツ協会、市教育委員会、スポーツクラブ、部活動育成会とのクラブ化推進会議の発足、令和3年度から休日の活動を完全にクラブにて実施されております。特徴は、学校が主導しながらも関係団体ですとか保護者が危機感を共有して進められていることかと思っております。
指導者不足解決のために、早くから市スポーツ協会の協力を得たり、あるいは近隣の大学、聖徳学園の教育学部から体育専攻の4年生の学生をサポートスタッフとして派遣してもらったりと工夫をされております。また、従来の社会人コーチのクラブの登録ですとか、教員の兼職兼業による登録も行われております。
様々な地域の会合の機を捉えて、地域部活動の在り方について説明をされたり、市とクラブとの共催による指導者研修会の開催、保護者、生徒、指導者を対象とした活動ハンドブックの配布など、関係団体との意識を共有する様々な取組をされております。
課題としては、やはり指導者への謝金、資金面での課題というのが挙げられております。
次に、事例の2でございますけれども、中津川市立付知中学校とつけちスポーツクラブの事例でございます。これは、中学校のPTAが中心となって受皿となる総合クラブを立ち上げられた例でございます。
中津川市は、岐阜県東部の市でございまして、付知地区は市の中心部から車で40分ほどの山あいにございます。付知中学校は、生徒数138人、学級数7の中学校で、現在八つの部活動がありまして、全ての種目で休日のクラブ活動が実施されております。
資料にございますように、平成15年に当時の学校週5日制への移行と市町村合併という背景から、PTAが部活動研究委員会を発足されたことからスタートした事例でございます。その委員会が基になって法人格を持つクラブが設立されて、現在でも設立当初から体育協会や地域の人材を活かした指導者を確保されているほか、OB、OGが指導者となる好循環も出てきているということでございます。生徒全員が部活動に参加されていて、平日の夜間と土日のクラブにもほぼ100%の生徒が登録しているという状況と。
こちらの事例につきましても、部活動がなくなってしまうかもしれないという危機感が、保護者、学校、教育委員会、地域に早期に共有されて進められてきたことが成功の要因かと考えられます。
このクラブにおいても指導者はほぼボランティアで活動されているということで、また、参加料の問題が生じてくることも懸念はされております。
岐阜県内の他の事例を見ておりましても、部活動に関係する皆さん、特に保護者の皆さんにこの危機感が理解されていないところでは、なかなか部活動の地域移行の議論も建設的に進んでいないように見受けられます。ぜひ部活動の今後に関する方針を早期に固められますこと、また、部活動の現在と今後の見通しについて保護者や生徒から見て分かりやすい説明ツールなどあれば、部活動の地域移行が進みやすくなるのではないかと考えております。
私からは以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、秋山委員のほうから茨城県の事例の御紹介をお願いいたします。

【秋山委員】  
それでは、事例の説明をさせていただきます。茨城県のつくば市における事例でございます。
つくば市の中の谷田部東中学校です。つくば市は、人口27万人強で、この中学校の所在する場所は、筑波大学や研究所などが近くにあり、結構都市部のような位置づけかと思います。生徒600名、運動部11種目、文化部4種目の学校です。
最初の課題は、資料にもありますが、一つ目が少子化、二つ目が未経験競技の指導での教員の心身の負担、あと、時間的拘束など、三つ目が、似ていますが、長時間勤務の実態があるということでした。
改革の方向性としましては、生徒が部活動をやりたいというニーズに応えたい。二つ目が、生徒に向き合う教員の時間の確保をしたい、三つ目としては、教員の指導したいというニーズにも応えたいということです。
関係者への説明ということで表があります。ちょっと一部修正したいのですが、一番上から3行目までありますが、ここは29年の4月から9月までがこの3本のところでまとまっております。大変申し訳ありません。28年4月と書いてありますが、これが29年の4月からの動きで、この3本が4月から9月です。
まず、地域スポーツ団体の代表者との交流で受皿を確保したいということで動きました。その後、PTA本部役員に方式を説明したりしまして、平成30年に設立し、10月に地域部活動を開始しました。
指導者の確保としては、NPO法人のつくばFCに依頼しまして行いました。
簡単にまとめた表が8ページにカラー刷りでありますので、そちらを御覧ください。
一番上のピンクの部分が民間クラブになります。そこにコーチの派遣元を依頼しまして、真ん中の事務局がコーディネートして、薄いピンクの中学校三つに指導者を派遣したということになります。お金の動きについては、黄色いところで説明させていただいております。月に1,500円ずつ集めて、指導者には1回につき6,600円程度払っている状況です。
大学の地の利と、あと、校長先生、事務局のフットワークとネットワークによる成功例だと思っております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
それでは、続きまして、金沢委員から日本スポーツ協会の事例の御紹介をお願いいたします。

【金沢委員】  
日本スポーツ協会(JSPO)の金沢です。 運動部活動の受け皿として期待されておりますスポーツ少年団と総合型クラブは、JSPOの組織内組織となっておりまして、遠藤委員は日本スポーツ少年団の副本部長として、渡邊委員には総合型地域スポーツクラブ全国協議会の副幹事長として御参画いただいておりますが、この後、お二人にも事例をご説明いただく形になります。
私からは、資料8ページにあります佐賀県の多久市の事例について御説明させていただきます。
資料1の多久市以外のほかの事例、これにつきましてはJSPOのホームページで、各クラブの実際の会議での発表資料を提示させていただいておりますので、御覧いただければと思います。
多久市の事例ですが、多久市教育委員会と多久スポーツピアで連携を進めているというものでございます。2016年に市の教育委員会と学校が部活動改革に動き出しまして、多久スポーツピアを核に、この部活動の連携が始まっております。
そして、多久市では、この資料の地域スポーツの整備充実方策についてのところにございますように、フェーズ1から4まで計画を立て進めていくというふうにお聞きしております。
まずフェーズ1では、市の所有するスクールバスを活用しまして、部員の送りを行うなど、ここからクラブと部活動の連携が始まっております。
フェーズ2におきましては、資料下段にあります2020年の活動内容となりますが、各部活動の合同練習の実施ですとか、定期的な市教育委員会と市体協スポーツピアの協議、こういったものを進めて、市内各学校への説明も並行して進めているということです。
そして、フェーズ3が現在の状況でございますが、2021年度の活動となりまして、目標としては社会体育化への準備といったようなことで、スポーツピアの各クラブへの移行準備ということで、さらに部活動改革への共通理解・周知、こういったものを学校職員ですとか保護者の方々に対して行っているそうです。そして、各学校が8つの部活動に入部できる体制、さらには指導者の確保に取り組んでおられるということです。
最終的なフェーズ4は、2025年度を目標とされており、スポーツピアを中心とした完全移行を目指しているということをお伺いしております。
この多久市の成果と課題ですけれども、成果といたしましては、クラブとの連携で部活動が潰れることなく存続したこと。それにより部員も増え、大会での成績も向上していること。また、幼児から中学生まで同じコーチの下で一貫した指導が受けられるといったような成果もお聞きしております。
課題といたしましては、中体連の大会への参加がやはり課題であるということと、会費の発生によりまして、これになかなか御理解をしめされない保護者もいらっしゃるということで、引き続き丁寧な説明が必要だろうということです。
あとは、やはり学校から地域に移るということで、活動が広範囲になるということで、たまたまこの多久市ではスクールバスを活用して解決できましたが、この辺についてはほかの地域での課題になるのかなと思っております。
この多久市の事例につきましては、多久市教育委員会の理解が取組の進んでいる大きな要因だと思われます。行政側の理解促進を図っていくことが重要ではないかと思っております。こういったことから、スポーツ庁からの更なる周知が必要ということになるのかなと感じております。また、我々としましても、引き続きこの受皿として期待されております既存の総合型クラブやスポーツ少年団をこの部活動の地域移行をきっかけにさらにアピールし、活動を拡充していくような方向性を。また、当然、受皿は既存のクラブや少年団だけでは不足しますので、新たなクラブの創設といったことも考えております。また、総合型クラブでは、令和4年4月1日から登録制度をスタートさせます。それによりまして、総合型クラブの質的な充実を図ってまいりたいと思っています。
ちょっと長くなりましたが、以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、渡邊委員のほうから総合型クラブの事例紹介をお願いいたします。

【渡邊委員】  
それでは、本日は、私が勤務しております新潟県村上市の総合型クラブNPO法人希楽々の活動を御紹介いたします。
平成24年度から新しいカタチの部活動として既に実践しておりました。それが前身となりまして、平成30年度より融合型部活動の取組をしています。その取組内容については、このお配りの資料に図にもありますが、当クラブが運営主体となり、中学校区の運営協議会を立ち上げ、学校、地域、保護者、行政で、学校が関与する地域の活動としてこの融合型部活動を活動しております。現在、3種目融合型の活動があり、本年度より2種目を休日等の地域移行を既に実践しております。
また、指導者育成については、指導者育成プログラムに基づく研修会を開催して、安心して指導できる、そんな指導体制の整備に取り組んでおります。
また、多様なスポーツの啓発ということで、いろいろな空間があることも中学生に周知を図っております。
そして、部活動コーディネーターを配置しまして、今、子供たちのために今できること、今できるよりより環境づくりに取り組んでいるところです。
方策として、この運営主体について一定の条件を満たすことが必要ではないかと考えます。それは、公益性があって、ガバナンスも確立していること。新潟県において言うと、平成27年に総合型クラブの指針を作成しましたので、それに基づいて総合型クラブは運営しておりますので、行政とのパートナーシップの構築が可能です。また、今、金沢委員からもありましたように、令和4年度より登録認証制度も運用開始となりますので、その辺を活用しまして一定の条件を設定し、それを満たしたところが運営主体となるというような保護者や地域から信頼を得て活動できることは必要でないかと思っております。
また、行政との連携につきましても、この運営協議会で、学校、行政、関係団体、総合型も含めて目的を共有して、各組織の役割を明確化して、この融合型部活動に取り組んでいるところです。
先ほどの説明の中でよく出てくる地域の実情に応じてという言葉がありますが、確かに、都市、地方、または地域の環境によって地域の実情はありますが、これから国で部活動改革を進めていくに当たり、最低ここだけはという共通事項をしっかり定めていかないと、今進行しているところも、またこれから取り組むところもやりにくいのかなと、私は感じています。例えば令和5年度からの段階的地域移行、これはいつまでやるんだろうか。例えば休日等の地域移行、平日はどうなんだろうかなどなど、いろいろ明確にしていかなければならないところがたくさんあると思いますので、ぜひそこを明確にした上で地域の実情に応じて取り組んでいくことが必要ではないかと思います。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。今、渡邊委員がおっしゃられた最後の辺りは、検討会議の中で議論していくテーマだと思っています。
続きまして、遠藤委員からスポーツ少年団の事例をお願いいたします。

【遠藤委員】  
遠藤です。よろしくお願いします。
資料にありますけれども、宮城県仙台市にある大沢中学校のところのベースボールクラブスポーツ少年団です。この事例は、スポーツ庁のホームページにも載っている先進事例でしたので御存じの方もいるかと思いますが、中学校の野球部の顧問の先生が野球未経験だったということから、保護者のほうから要望があって、中学生のスポーツ少年団をつくったという例です。
中学校のスポーツ少年団の子たちは、土曜と日曜日を中心に活動しています。ここにも書いてありますけれども、保護者に対してour sonsなんだと、my sonではないんだということを合い言葉にして周知しているようです。
結局、中学校の部活動とスポーツ少年団活動それぞれをきちんと尊重して活動を行っているということで、子供たちを中心にコミュニケーションを取りながら良好な関係を構築している例だそうです。具体的には、学校行事等のスケジュールをベースボールクラブのほうも共有して、それぞれに無理のない活動をしているというところが特徴であると思っています。
簡単ですが以上です。よろしくお願いします。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、山本委員のほうから日本バスケットボール協会の事例の紹介をお願いいたします。

【山本委員】  
お願いします。競技団体における事例として、日本バスケットボール協会、山本より報告させていただきます。
個別事例というわけではなくて、中学校世代のバスケットボール環境の現状について報告をいたします。
状況について3点申し上げます。一つ目は、部活動に加えてまちクラブ、そして、男子のみでありますがプロのBリーグのユースチームというところの活動主体が三つございます。クラブチームが増えてきておりまして、2018年から登録を始めまして、200だったのが、2021年現在は1,300です。Bリーグチームは都道府県に少なくとも一つつくりたいということで、現在、まだ35ということであります。これから増えていくものと思います。
二つ目、指導者については、クラブ、BSにおいては指導者ライセンスを持つ者が登録チーム条件にしておりますので、全員ライセンスを持ったコーチがいるということと、部活動においても御協力いただいておりまして、マストとは言い切れないですが、かなりの数を登録していただいているということであります。
三つ目の大会についてということで、日常の活動のみならず、成果発揮の場としての大会が必要であるということで、バスケットボールにおいてはリーグ戦制度を各都道府県でつくってくださいということをお願いして、今、やっております。これは、部活動に加え、まちクラブ、Bユース、全て出場可能な参加資格としています。また、1月に全国大会設置、これは今年の1月で2回目を数えましたが、都道府県の予選は9月から11月まで。これに加えて育成チームの推薦制度というのを設けておりまして、育成世代の在り方というものを提唱しております。
最後に現状の課題として二つ。活動の位置づけとして部活動の先生方とクラブのコーチの間で教育活動的な位置づけ、スポーツ活動的な位置づけ、そういったところの意見の相違というものがあるということが一つ。
もう一つは、責任主体ということで、いろいろ活動していく中でクレームの受けどころというところがあります。バスケットボールは都道府県の協会がありますので、都道府県協会にそういったクレームが来るということもある。補助金等を、もしこれを関わっていくとすれば、現状業務が非常に増えるということは、都道府県協会は困難かなというところが想像されるという意見がありました。
以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、吉田委員のほうから笹川スポーツ財団の取組についてお願いいたします。

【吉田委員】  
ありがとうございます。それでは、御説明させていただきますが、まず、御指定の掲示上限にとらわれ過ぎまして資料の内容が多少雑駁になってしまいましたことをおわび申し上げます。補足しながら説明できればと思いますが、御紹介する事例は、宮城県角田市における新たな地域スポーツプラットフォームによるスポーツ環境の整備です。
運動部活動の地域移行を推進、あるいは展開する母体は、地域の実情に応じた多様な主体を想定とお示しいただきましたけれども、地域スポーツを推進する団体の現状を整理する必要があると考えています。少子化や高齢化、人口減少の課題を抱える地方公共団体においては、個人で楽しめる運動、スポーツ種目の愛好者の増加であるとか、公益的なスポーツ事業を担う人材の不足にもかかわらず、複数のスポーツ団体が存在する状況にあります。特に子供のスポーツの場は、少年団、民間スポーツクラブ、総合型クラブなど、複数のスポーツ推進団体が並立していて、限られた場所や時間を取り合いながら重複した事業が実施されています。団体間あるいは事業間の連携も十分に図られていないケースも多く見受けられます。そうやってこれらの団体の多くは経済的な自立が困難な状況であったり、既存団体の公益的なスポーツ活動を支える担い手が減少傾向にあったりします。多くの団体が人材と財源の確保に苦しんでいる状況を考えますと、既存団体の連携強化、あるいは合併などによる経営資源の一元化を見据え、地域スポーツを推進する体制の見直しを検討するというのは、運動部活動の地域移行の範疇にとどまらず、地域スポーツの環境を整備する上での喫緊の課題という認識を持っています。
角田市におきましても、スポーツ推進計画を評価した際に、やはり環境の充実のために学校、地域、関係団体との連携が必要との課題の認識がありました。そこで、従来のスポーツ団体の協議会メンバーを拡充する形で、行政が主導しながら持続可能な地域スポーツ環境づくりを目指して、市内九つの団体で地域スポーツ運営組織、スポネットかくだというものを構成しました。地域スポーツ運営組織というのは、総務省が進めます地域の課題を地域の資源をもって解決に取り組むとする地域運営組織をスポーツに応用したもので、私ども笹川スポーツ財団が2017年より新たな地域スポーツプラットフォームとして推奨しています。
スポネットかくだでは、推進計画とも照らし合わせながら将来ビジョンを議論し、その達成のための課題の抽出、解決の優先度の選定、解決策と役割分担といったことを一月、あるいは二月に1度のペースで集まって議論しています。また、構成団体だけでは解決が難しいテーマについては、例えば健康長寿課と連携した健康拠点チーム、教育総務課と連携した部活動専門チーム、子育て支援課と連携した乳幼児専門チームといった専門チームも形成しています。このうち部活動専門チームについては、昨年1月より部活動の現状と課題を抽出することを目的に、中学校の教員、保護者、少年団に加入する子の保護者、地域スポーツ団体の指導者などによる懇談会の開催とアンケート調査を実施しています。
ここまでの取組によりまして、例えばアンケート調査では、少子化で部活動の維持が困難であったり、やりたい競技がない、顧問による内容が不十分など多くの課題が挙げられておりますが、部活動への参加者、関係者、ステークホルダーなどに与える影響の大きさから、改めて地域移行をはじめとする部活動の見直しには、その目的から共通認識、目線合わせを丁寧に進める必要があるとして、今後も懇談会とアンケートの継続実施を予定しています。
このような形でスポーツ団体が連絡協議会的に集まるだけでなく、ビジョンの策定から課題の共有、その課題を自分事として捉えて役割分担をして、持続的な地域スポーツ環境の整備、ひいてはスポーツによるまちづくりに取り組む角田市の事業、そして、事例として紹介させていただきました。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
事例紹介の最後になりますが、池田委員のほうからは大学スポーツ協会の取組について御紹介をお願いいたします。

【池田委員】  
事例の10番になります。
大きくは、地域におけるスポーツ環境の充実というテーマでございました。大学の状況を見ていきますと、大学自体がスポーツを活用した地域貢献を推進していくという方策の一環として、スポーツを軸にいろいろな事業、もしくは組織的な対応をしているということも垣間見れましたので、一旦ここにリスト化をさせて提示をさせていただいている次第です。
3分という時間ですので、一つ一つの内容の掘り下げについてはコメントは割愛いたしますけれども、見ていただいたとおり、一般社団法人をつくっていたり、NPOにしていたり、もしくは大学の中の組織として成立をしているということと、おのおのの事業については、大きくは2軸です。スクール型の事業をやっているもの、それから、一方では派遣型の事業をやっているもの。大きくは2種類あるかとは思っております。
いずれにせよ、このテーマが地域スポーツ団体の充実化ということでございますので、その地域スポーツ団体のカテゴリーの中に大学も捉えていくということも可能なのではないかという可能性を秘めていると感じておりますので、本日、御紹介をさせていただいた次第でございます。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
今まで各事例について御紹介をいただきました。様々に御質問や御意見などを頂戴できればと考えています。
ウェブ会議で参加されている皆様におかれましては、挙手ボタンを押していただきますようにお願いいたします。
いかがでしょうか、御質問はございますでしょうか。齊藤委員、御質問があると伺っておりますのでよろしくお願いします。

【齊藤委員】  
全日本中学校長会の齊藤でございます。お世話になります。
全日中としては、少子化が進んで学校の働き方改革を進めていく必要性がある中で、これまでのように生徒の興味、関心に応じて学校がスポーツの機会を提供するという状況、これを引き続き担っていくことは大変困難であると考えております。また、持続可能でないとも考えます。
そのため、この会議で検討していただいている議論につきましては、学校の運動部活動を段階的に休日から持続可能な地域主体の活動に移行すること、また、それによって将来にわたって中学校の生徒のスポーツの機会を確保していくという意味では必要なことだと考えています。また、近い将来は、現在の学校での部活動を全面的に地域等へ移行していくことも積極的に進められていくべきだとも考えています。こうした取組については、我々としては賛成の立場で、今後、学校の実態をお伝えするなどしながら発言をさせていただきたいと思います。
学校部活動においては、これまで担ってきた中身として、人と人が時間と労力を費やして接することによって伝え合うことができるものが多く含まれております。この会議においても、その役割については評価をいただいておりますが、これを地域等が担っていけるようにするためには、公的なものも含めて支援が相当必要であるということも訴えてまいりました。これからは、学校も生徒と関わる主体の一つとして、地域移行の体制づくりのために地域等を支援し、地域等と協力、協働しながら取り組まなければならないと考えています。
ただ、先週行われました全日中のウェブ理事会において、この部活動の地域移行に関する情報が一部の地域では十分に伝わっていないことが分かりました。前回の会議でも情報発信をお願いしたところですが、適切な情報が早く正しく伝わること、これは地域移行を円滑に進めていく上で大変重要だと認識しております。改めて迅速に必要な対応を取るべきだと提案したいと思います。
最後に、今後、議事が円滑に進行し、適切な情報発信を通じてこの会議の取組が広く正しく理解されていく中で、中学生の年代の子供たちが日頃の活動に取り組んできた成果を発揮する機会が大会等になるかと思います。全ての大会主催者におかれましては、学校単位にこだわることなく、複数の学校、あるいは学校を母体としない地域の人々で運営されている団体についても参加の機会を与えていただけるように、課題の改善をお願いしたいと思います。
以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございます。
いかがでしょうか。続いての御質問、御意見、ございますでしょうか。どうぞ。

【松村委員】  
松村です。
今、いろいろ発表いただいた中で、私が体育系の大学出身だったという経験値からなんですけれども、特に大学スポーツということに関しては、僕はすごくポテンシャルがあると思っていまして、実際、私が振り返って、ちょっと大昔になるんですが、例えば私が所属していた大学のサッカー部は300人部員がいるんです。300人のうちのAチームは20人ぐらい、Bチームがそれこそ20人ぐらいで、各地域に帰ったら各県のベストイレブンに入るような選手がCチームにいる。そんな中で、要は、チャンピオンスポーツとして競技に出るのは本当に一部で、じゃあ、ほかの人たちはどうなのと考えたときに、やはり例えば体育の教員になりたいという人間がたくさんいて、部活に所属しているということもあるので、選手でいくということ、あとは教えるというところで、例えば地域、例えば大学があって、その大学の部員がある程度標準化されたベーシックの教育を受けて、そういう地域の部活動をサポートしていくというのは、極めて有効かなと。要は、その地域にある原資を使っていくということは、ものすごく貴重な原資かなと思うので、大学のスポーツの活動を地域の部活動に活用していく。これは非常にポテンシャルがあると思います。
以上です。

【友添座長】  
松村委員、貴重な御意見をありがとうございます。人的資源の活用方策について、大学スポーツや運動部員を地域で活用していくことは、今後、検討していく必要があるように思います。
末冨委員、よろしくお願い致します。

【末冨委員】  
手短に申し上げます。大きく2点なんですが、費用負担と財源の問題。それから、中間団体がもしかして必要かもしれないという話をさせていただきます。
まず、費用負担と財源につきましては、今回、様々な地域で自治体の財源も苦しい中でいろいろな工夫をなさっているということが分かりましたけれども、こうしたモデルケースこそきちんと発信していただきたいなと思います。
併せてtotoの財源の投入につきましては、私も新聞社から取材を受けましていろいろ考えたんですけれども、現在の学校の部活動ですら実は費用の流れが全て透明化されているわけではありません。そうした中で地域移行した部活においてtotoの財源を投入してくださるのであれば、まず既存の学校部活から費用の透明化とともに、当然のことながら、今日のお話を聞いていれば地域部活動のほうがかなり透明化されているんだと思うんですよ。意思決定もお金の流れも。なので、そうしたものを当たり前にしていく努力というのがあってはじめて公費投入されるのだろうと思います。
併せまして、2点目なんですが、中間団体が必要ではないかというのは、そのtoto財源の配分に関してです。私はちょっと不案内なので、もしあれば教えていただきたいんですが、休眠預金活用については中間支援団体がございます。どの団体に配分するのかということを決める団体がございますので、そうした団体の存在が必要ではないかということ。それは、スポーツや中学生、高校生の運動活動に詳しい団体がするべきだというふうに思います。
併せまして、やりたい部活動がないということについて、年末に子供の貧困実態調査の初の全国調査を内閣府が出したんですが、そこでも同じ意見が出ているんですね。困窮世帯でも困窮していない世帯でも、部活をしていない子の理由の第一はやりたい部活動がないということなので、中間支援団体は、財源配分とは別に、地域で多様なスポーツ活動をできるような指導者を育成していくというようなことも各競技団体さんを含めて何かの知恵があればいいのかなとも考えました。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。中間団体や組織については、事務局のほうから何かございますか。あるいは少し異なるかもしれませんが、JSPO金沢委員のほうから中間支援組織についてもし何かあればよろしくお願いします。

【金沢委員】  
日本スポーツ協会の金沢です。
中間支援組織という形でお話させていただければ、JSPOとしましては、加盟団体である都道府県体育・スポーツ協会の下に、さらに現場に近い市区町村の体育スポーツ協会というものがございます。今、その実態調査等を行っておりますけれども、そういったより現場に近い公的な団体ということで市区町村体育スポーツ協会、こういったところが行政の支援を受けながら中心的な役割を担ってくれればとは思っています。当然、地域によって請け負うことができるところとできないところがあろうかと思いますが、こういった部活動の移行というものを踏まえて、そういった組織のさらなる活性化というものを考えていきたいと思っております。
以上です。

【友添座長】  
末冨委員、そういう形のものが、今、進行しているということでございます。
今のご発言を踏まえていくと、それで十分かと言うと、決してそういうわけではなく、これからの課題かと思います。
事務局のほう、いかがでしょうか。よろしいですか。

【事務局】  
先ほど日本スポーツ協会のほうから御説明がありましたが、基本的にはその中間支援組織、現状のものにつきましては、地域の総合型クラブですとかそういったものを立ち上げるときに支援していくという形になっております。その中でtotoの財源なども一部その立ち上げに当たりまして使えるというようなことをお教えしていく形になっておりまして、直接、現状でtotoの補助金等の配布先の決定とかそういったところまでは難しいところですけれども、いただいた御意見を踏まえまして、JSPOさんとも話していきたいと思っております。

【友添座長】  
ありがとうございます。受皿によって多様な支援の仕方を考えていかなければいけないということで、そういう意味で言うと、中間という位置の問題なのか、あるいは支援する体制の問題なのかを含めて検討課題だと思っています。
ほかによろしいですか。石塚委員、どうぞ。

【石塚委員】  
ありがとうございます。スポーツデータバンクの石塚でございます。よろしくお願いします。
私は、民間として各教育委員会様と連携をして、人材バンクの設立を含めた例えば人材の確保ですとか、今、話題にありました活動するための資金の確保の方策、例えば課題の整理などを含めた制度設計を含めた全体のプロデュースというのをやっている立場として、少し事例を交えてお話しさせていただければと思っております。
事例は、沖縄県のうるま市教育委員会さんとの連携になりますけれども、2019年よりこのような活動をうるま市独自として行ってまいりました。人材バンクに関しては、県内のプロスポーツチームのアカデミーコーチをはじめ、そういったスクールの指導者の皆様、また、地元のクラブチーム、企業からの人材を登録していただいて、学校側のニーズに合わせたような形でマッチングをしていくというようなことをやってまいりました。市内約10校ありまして、1校は離島ということで9校、約27の部活に2019年から指導者の招聘を行ってまいりました。そういった活動の結果を教員の皆様にアンケートを取ってみると、約80%強の教員の皆様が、実際に負担が減ったというアンケートをいただいたような形でございます。このような形で、地域との連携というものは、こういった教育委員会だけではなくて、我々のような民間企業のノウハウや知見も使う形で制度設計ができる一つの形かなと思っておりますので、御紹介をさせていただきました。
このような形で、もう1点目でございますが、このうるま市では、教育委員会だけではなくて、経済部企画振興あたりが連携してこの制度に取り組んでいただいております。そういった背景から、資料1の2ページ目、対応策の公的資金のところでございますが、令和3年度から企業版ふるさと納税の活用を始めたところでございます。このような形で公的資金の活用だけではなくて、地元企業のみならず、市外、県外の企業からこういった形で資金を集める方策というものも日々検討しているところでございます。
さらに、市内企業においては、商工会との連携ということで、市内の事業者の皆様にどのような形で税制優遇が与えられるかなども含めた可能性を検討しているところでございまして、こういった活動も次年度以降、さらに地元の企業からの併せた支援というものも検討していくような流れをしているところでございます。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。
いかがでしょうか、御意見、御質問ございませんでしょうか。どうぞ、市川委員。

【市川委員】  
お願いします。中体連、市川でございます。
先ほど来、toto助成等の資料の2ページですかね、対応策がありましたけれども、中学生向けの活動を実施する組織、団体等にも支援ができるようにというような対応策をお考えいただいているところで、ありがたく思っているところですが、前回も申しましたが、中学校現場としましては、非常に部活動指導員さんが有効であるというお話を以前もさせていただきましたし、現実、そのようになっております。
しかしながら、私どもは神奈川県に勤めておりますので調べてみますと、半分の自治体はまだ導入できていないんですね。その足かせは何かというと、やはり財源なんです。その機能が十分展開できている市町村さんはお金をつけていただいてというのが見えるんですけれども、やはり財源的に厳しい市町村さんはなかなか導入ができていない現実です。全国的にもそういう部分はあるかと思います。
ですので、この対応策に記入がある中学生向けの活動を実施する組織、団体に加えまして、部活動指導員さんの報酬等についてもtoto助成から展開ができるようなメニューをお考えいただければありがたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。いずれにしても部活動指導員が単独で部活の指導ができるようにしていかないと現状のような形では、なかなか限界があるようにも思います……。

【市川委員】 
部活動指導員の単独での指導はできますので。

【友添委員】
はい、顧問の代わりということではなく、今後は単独で指導ということも必要になってくるだろうと。いかがでしょうか。影山委員、NFのお立場からご意見等ございませんか。

【影山委員】  
日本サッカー協会、影山でございます。皆さん、よろしくお願いいたします。
我々、サッカー競技としまして、前回のこの会議でも話させていただいたんですけれども、リーグ戦というものを年間できるだけ長い期間やっていこうということで進めております。我々サッカー協会が主催となって、そして、地域ごと、各都道府県ごとというふうにそのリーグ戦の開催というものを委ねて、そして、自分たちのリーグを運営していくんだということでやっていただいております。我々NFとしましての補助金は出しますけれども、場所の確保であったり、それから、運営ですね。審判であったりとかというところは、それぞれの県であったり市であったり、それから、地域であったりということで確保していく。手前みそになりますけれども、そういった意味で指導者やレフェリーの数など、サッカーはいろんな意味で恵まれておりますのでそんな人数も確保できているというところがそういった運営につながっているのかな、なんて思っています。
以上です。ありがとうございます。

【友添座長】  
ありがとうございます。
先を急ぐようですけれども、指導者の問題を今承りましたので、次に議題の2を御議論いただけるよう進めてまいりたいと思います。議題2の地域におけるスポーツ指導者の質・量の確保方策についてに入っていきたいと思います。
資料2も、私が内田座長代理と御相談の上で、事務局の御協力をいただきながら資料を作成したということになります。
議題1と同様、まず事務局より資料2の本文について御説明いただいて、続けて各委員に順番に資料に記載してあります事例につきまして、各3分程度で御説明いただければと思います。その後、同様に各委員の皆様からの質疑、御意見を頂戴できればと思います。
それでは、事務局のほう、よろしくお願いします。

【事務局】  
資料の2のまず1番、指導者の質・量の確保方策です。
各地域において、指導者を確保、育成していく必要があります。また、特に中学生は心身の発達の途上にありますので、生徒の安全の確保、暴言や体罰などの行為の根絶が強く求められます。また、中山間地などにおいては、指導者の確保が困難な場合もあり得るという課題があります。
対応策としては、スポーツ庁の地域運動部活動推進事業における事例も踏まえて効果的な方法を示すこと、また、各地域において事情が異なるため、様々な方法を示していくことが必要ではないか。また、例えば、人材バンクの設立や教員をはじめとする公務員の活用、また、地元企業の協力の要請等、もあり得るということです。
また、指導者の質の確保ですが、指導者資格の取得の促進が必要ではないか。また、競技団体に対してチーム登録、大会参加において、競技団体が定める指導者資格を有していること、また、一定の研修を受講していることなどを要件とすることなどを促進していくということが考えられます。また、適切な指導者いない地域においては、ICTを活用するなどして優れた指導者から指導を受けられる環境を整備することが考えられます。
2ページ目ですが、指導を希望する教員等の在り方。兼職兼業等についてです。
課題としては、地域移行の過渡期においては、質・量ともに十分な指導者の確保が課題となります。
また、教員等の公務員の中には、専門的な知識、技能、指導経験、また、指導を強く希望する者もおりますので、こういった方々に参画いただくことが大変効果的です。
また一方で、こういった方々がスポーツ指導をする際には、当然本来業務への影響が生じないようにしなければなりませんし、また、心身に過重な負担とならないようにすることが必要です。併せて、こういった教員の方々の中には、実際は希望していないにもかかわらず、同調圧力等によって従事せざるを得ないような事態が生じることも考えられるところです。
また、教員等が指導する際には、自分の住んでいる場所、また、勤務している場所にあるスポーツ団体等において指導することが想定されますが、勤務する地で指導する際には、例えば異動や退職を機に指導者を辞めてしまうことも考えられるところです。
対応策としては、現行制度においても教員等の兼職兼業は可能ですが、雇用契約だけではなくて、業務委託契約などによって指導を担う場合も考えられるところです。このような教員等の兼職兼業の対象となり得る例を国から教育委員会に対して周知することが必要ではないかということです。
3ページですが、先ほどの兼職兼業に当たっての留意点として、本人の意思を十分に確認すること、また、業務内容や負担についても十分勘案すること、そのようなことを国から改めて教育委員会に対して周知することが必要なのではないのか。
また、異動や退職などにかかわらず、継続的に同じスポーツ団体で指導に携わっていただくことが、活動に参加する子供たちにとって望ましいことですので、教員を雇用等する地域のスポーツ団体等におきましては、居住地や異動や退職があっても当該団体等において指導を継続する意向の有無などを踏まえて、継続的、安定的に指導者を確保できるように留意する必要があるのではないのかということです。
参考資料については、22ページにまず、全国の地域におけるスポーツ指導者の数を足し合わせたものを示しております。合計で59万人という数です。
その次のページが、平均と比べた場合ということで、地方部のほうが人口当たりとしてはむしろ多いという状況でございます。
24ページ以降が、スポーツ庁で行っています実践事業の状況です。
以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございます。
それでは、続きまして、事例紹介としまして西委員から恐縮ですけれども、再度、生駒市についての事例の御紹介をお願いいたします。

【西委員】  
失礼します。
まず地域の状況ですが、スポーツ推進委員などスポーツ関係者の高齢化が進んでいるため、新しい人材や組織の発掘が必要と考えております。また、ボランティア依存の体質から脱却するため、地域スポーツもさらなるビジネス化が必要と考えております。また、子供の体力低下傾向を防ぐため、オリンピックやパラリンピックのメダリストなど、本物に触れ合うことでスポーツの楽しさを知ってもらえればと考えております。
今後、学校部活動の地域移行など、地域のスポーツクラブの事業を拡大するために、指導者などの質や量の確保が必要です。その具体例としまして、まず、スポーツ推進委員の受嘱。今までは、スポーツ推進委員が総合型地域スポーツクラブをつくると言われてきましたが、本市では総合型クラブの運営者や会員枠を設け、クラブ関係者に委員になってもらっております。部活動の地域移行は、ほとんどの市町村で新たな取組です。新たなスポーツビジネスとして地域のスポーツ団体としてはチャンスだと思っています。現在も熱心に部活動の指導をされている先生には、これからは地域人材として御活躍いただく。そのために地域団体は先生方を受け入れる準備が必要となります。
次は、本市としても今後取組を進めたいと考えていますが、地域スポーツ団体の事業が拡大すれば、新たな雇用も生み出され、アスリートのセカンドキャリアの場となり得て、質の高い人材の確保につなげることができると考えております。
大学や高校との連携では、指導者の確保が難しい競技人口の少ない競技には特に有効と考えておりまして、現役学生からの直接指導や人材の確保と、質・量ともに充実できます。市の取組ではありませんが、市内のちびっこレスリングクラブが近隣大学の体育会レスリング部の協力を得ましてクラブの運営を実施している例もございます。
人材の育成支援では、種目別の指導者資格取得の支援は行っておりませんが、総合型クラブの運営などに必要となるクラブマネジャーなどの資格取得の支援等とするため、スポーツ指導者養成事業補助金を生駒市のほうでは設けております。
説明は以上です。よろしくお願いいたします。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、石川委員から新潟県長岡市の事例の御紹介をお願いいたします。

【石川委員】  
よろしくお願いします。
指導者の発掘につきましては、現在行っているスポーツ活動推進モデル事業を中核として、別途、部活動改革検討委員会というものを組織しておりますので、そこで、競技団体だけではどうしても足らないんだという実情を基に、各団体の中でどのような形で指導者を見つけられるか、あるいは継続的に協力していただけるかということを、各団体において、競技団体だけではなく、スポーツ協会、スポーツ推進委員連盟等々の組織の中で今年度は協議をいただいているところでございます。
また、民間との連携につきましては、今、1企業とだけやっておりますが、幾つかスポーツ協会の中に登録しているクラブチーム、企業単位のクラブチームがありますので、そういった企業との連携をさらに深めていくことが大事ではないかと思っておりますし、市内の小中学生全員からやってみたい種目等々のアンケートも取っておりますので、そういったデータを基に多くの方からいろんな種目、子供のニーズというものも理解してもらいながら、今後、協力体制をつくっていきたいというところにあります。
指導者の育成に関しては、たまたまでありますけれども、スポーツ協会と市とが連携して、中学校の部活動はおおむね部活動基本方針というものができておりましたが、いわゆるジュニアスポーツ、中学生以下の世代に対するガイドラインというものを市として種目を問わず設けようということで、小中合わせた形でのガイドブックを作成しました。これは、今日お持ちできればと思ったのですがリモート出演のため、もし興味がある方は資料に記載のところからダウンロード可能ですので、これを指導者の育成に使っていこうということで、これに伴う内容の研修会、あるいは各団体への普及というのを、今、スポーツ協会でやっております。
今後は、その内容についての研修会も開催したり、実は、なおかつスポーツコンパスというものの講習を受けていないと、市内の全大会には出れないようにしていきたいということを競技団体のほうへ、スポーツ協会と協力して呼びかけていこうというのが次年度以降の計画としてございます。ですので、義務化まではいきませんが、そういった市共通のガイドラインについての講習を受けていないというラインをどこまで延ばせるかということが、指導者の地域部活動に関しても共通した指針となるのではないかということで、これを中心に進めていこうと思っております。
最後になりますが、人材の確保という中での資格をお持ちかどうかにおける報酬差、あるいは専門的な体育大学は当市にはございませんが、大学は三つほどありますので、そこの学生さんからいわゆるお手伝い程度でボランティアとまで言わないんですが、資格はないけれどもというパターンも取り入れていくような人材バンクの設立も考えていきたい。
先ほども出ていましたが、やはり教員は大きな武器だと考えておりますが、いわゆる勤務校でなくて居住地を中心とした地域で活動したいという場合に、地域の考え方が県内の市町村によって違いますと大変難しい問題が出てくるなと。実際自分が住んでいるまちのそこの中学校を地域と考えるか、あるいは市町村なのか、県全体と考えるかによって、市町村の差が出ることによっていわゆる指導者の取り合いみたいな形になってしまうんじゃないかということもちょっと心配しているところでございますが、そういったところを県内で合わせられればいいなというところを課題として、今後、考えていきたいと思っています。
すみません、以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
それでは、金沢委員のほうから日本スポーツ協会の事例の御紹介をお願いいたします。

【金沢委員】  
日本スポーツ協会の金沢です。
このスポーツ指導者の質・量の確保といった観点では、JSPOの公認スポーツ指導者制度が大いに貢献、活用いただけるものと考えております。
資料にございますように、前回の東京オリンピック後、1965年から、加盟団体等と連携し指導者養成を開始しておりまして、現在は5領域18種の資格を設けまして、19万8,582名の方々を認定しております。また、部活動につながる競技別の資格につきましては、60近い中央競技団体と連携いたしまして指導者養成をしているところでございます。
まず、質の確保という観点についてですけれども、コーチ育成のためのモデル・コア・カリキュラムというものがございます。医師の養成では、例えば学ぶべき教育内容を示した医学教育モデル・コア・カリキュラムというものがございますが、そのスポーツ指導者版をスポーツ庁のほうが定めたと。これをJSPOのほうでは委託を受けて作成したわけですけれども、JSPOではこれに基づきまして、現在、指導者養成を行っております。こういった国が定めたモデル・コア・カリキュラム、これに基づく指導者養成というのが一つの基準になるのではないかと、質の確保につながるのではないかと考えております。
また、このモデル・コア・カリキュラム導入に伴いまして講習会の形態も大きく変えておりまして、現在、アクティブラーニングを導入して進めておりますが、そのファシリテーターとしてコーチデベロッパーという名称のコーチを育成する講師、この方々を養成しておりまして、講習会における受講者の学び、気づきを支援する講師として御活躍いただいております。
三つ目の少年団のところにつきましては、後ほど少年団の副本部長の遠藤委員に御説明いただければと思います。
続きまして、量の確保という観点でございます。来年度、2022年度からスポーツ指導に積極的な教員免許状所持者を対象といたしましたスタートコーチという新たな資格の養成を開始する予定でおります。これによりまして、少ない、足りないと言われている指導者を少しでも増やすような取組をしていきたいと思っています。
またもう一つは、先ほどもちょっと出ておりますけれども、大学生の資格取得の促進の取組といたしまして、私どもで実施しております公認スポーツ指導者養成講習会と同等のカリキュラムを実施していると承認された大学、専門学校等で所定の単位を履修することで講習・試験の一部または全てが免除されるというシステムを用意しております。これにつきましては、大学では223コース、専門学校では42コースで導入いただいておりますが、こういったことで学生の資格取得者を多く増やしていき、地元で学生のうちに貢献できるような形のものを考えております。また、この免除適応コースにつきましては、以前は卒業後にしか資格を認定できなかったのですが、学校関係者からのご要望を踏まえ、在学中に資格認定ができるように制度を変えております。
最後になりますが、この適応コースと同様に、教育委員会あるいは自治体や団体等が独自資格を養成されている場合がございますが、これにつきましても、私どもの養成講習会と同等のカリキュラム内容が確認できれば読替えをすると。つまり、独自資格を取得すると同時に公認スポーツ指導者資格が取得できるというようなシステムも設けております。これにつきましては、制度改定後、ちょっと動きが滞っておりますので、今後、こういった形で各自治体、その他の団体とも連携しながら指導者の数を増やしていきたいと思っております。
以上となります。

【友添座長】  
ありがとうございました。
渡邊委員、総合型クラブの事例の御紹介をお願いします。

【渡邊委員】  
また同じくNPO法人希楽々の取組になりますが、まず、この指導者の問題に関しては、先ほどの運営主体と絡めて考えていくべきではないかなと思います。
当クラブでは、令和元年度から指導者の資質向上を目的とした講演会やスキルアップセミナー、そして、指導者育成プログラムに基づいた研修会を開催してきました。今年度につきましては、この指導者育成プログラムを6回ほど開催しまして、融合型部活動の指導者には受講の義務化を図って、受講登録制ということで実施をしました。内容的には、この資料にありますが、認定資格で初級、中級、ブロンズ、シルバー、ゴールドという認定資格があり、内容的にはコーチング、心理学、栄養学まで学ぶことができます。今年度受講した指導者の方の感想を聞くと、日々現場で指導されている方なんですが、座学で指導者の理念とかそういったことを考えるいい機会だったという意見もいただいて、とても効果的だったなと思います。
融合型部活動においては、この運営主体の当クラブ管理下でスポーツ少年団と連携をして指導者を確保し、資質向上に努めているというところです。
将来的には、ライセンス付与制度というものが整備されることを考えていますが、現段階でこのプログラムに基づいた研修を、例えば市の教育委員会の公認というような形に持っていきたかったのですが、なかなかそこはオーケーが出ず、今年は苦肉の策で研修会を市共催とさせていただいて、登録制度という形で実施をしています。
そして、この指導者の確保についてなんですが、今までは外部指導者のような個の対応だったと思うんですが、これからいろいろな部分の責任問題を考えると、やはり組織でなければいけないと思いますので、運営主体の下でいろいろな組織と団体と連携を図って、量の確保と質の向上に努めていくことが必要ではないかなと思っています。
そして、保護者や地域の信頼を得て活動するために、公が認めるという資格が必要になるわけなんですけれども、今ほど金沢委員からもありましたJSPOの公認資格などもあるんですが、受講のしやすさとか、またはスピード感、今の子供たちから対応していきたいというのを考えたときに、私どもは当面このプログラムを実施して研修会を開催していくということを考えています。このプログラムについては、新潟医療福祉大学が監修したもので、これも先ほど金沢委員からお話がありましたように、コーチデベロッパーの方に講師として講演をしていただいたという形になります。
人材の確保についてなんですが、今現在は、スポ少の指導者、それから、平日の放課後については当クラブの職員が指導しておりますが、今後、平日の地域部活動がこれから増えていったときに、なかなか人材の確保が難しいなと考えますが、総合型クラブの常勤職員、あとは地域の企業の社会貢献としての派遣、そんなことも考えられるかなと思います。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
遠藤委員、スポーツ少年団の事例の御紹介をよろしくお願いします。

【遠藤委員】  
それでは、スポーツ少年団の中で、これは指導者の量というよりも質の問題だと思いますが、その取組について御説明します。
現在、スポーツ少年団は、指導者約10万5,000人登録をしているわけですけれども、もともとスポーツ少年団の理念の中に社会的な使命を果たすということを目指して活動してきました。
当初、指導者は大人であれば誰でも登録できるような状況があったんですが、なかなか指導上の問題とかいろんな問題がありまして、先ほど金沢さんがおっしゃっていたJSPOの指導者資格の改訂なんかにも時期を同じくして、日本スポーツ少年団では令和2年度から指導者として登録する際には必ずJSPOの公認資格を持っていなければいけないというふうに保有を義務づけました。しかも、そのJSPOの公認資格を持っている者が2名以上いないと単位団登録もできないということで義務づけをしております。
スポーツ少年団の場合は、どちらかというと団員の保護者の方で興味のある方、競技の経験者の方が指導者としてお手伝いをする例が多いんですけれども、JSPOの初級資格のスタートコーチの資格を取りやすくして、多くの方に資格を持って指導していただくような方向で、現在、進めております。令和2年から始まりましたので、今、移行期間で、令和6年度以降完全義務化というふうになるかと思います。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、山本委員のほうから日本バスケットボール協会の事例の御紹介をお願いします。

【山本委員】  
バスケットボール協会、山本からよろしくお願いします。
運動部活動の地域移行において、バスケットボールが指導者の確保に大きく貢献できるのではないかと考えております。現状については、約7万人のライセンス登録者がおります。A級からE級の5段階に加えて、S級プロライセンス、ジュニアエキスパートキッズなど、8種類のライセンスをバスケットボール協会として用意しています。リフレッシュ研修の中にインテグリティー項目、また、育成世代のコーチングの在り方等を入れています。システム管理をしておりますので、都道府県別のライセンス保持者を把握することができています。
チーム指導をするためにはライセンス保有が必要ということは、先ほども申し上げました。E級ライセンス――一番下の初級ライセンスにおいては、高校生の取得促進を促しているところであります。先輩コーチが中学校に指導しに行く、こういったことも現状見られると思うんですが、そういったところに少し、指導者とはということを入れていこうという狙いもあります。
量の確保について。チームを持たない指導者もたくさんおられますので、マッチングができるといいのかなと思います。
質の確保について。まず一つ目、大事なところは、暴言暴力根絶というところでありますが、ここにバスケットボール協会として本気の取組をしているということです。通報窓口、また規律最低案件の対応整備。予防活動が何より大事ということもあります。登録コーチであれば、この対応が可能となるということでございます。
二つ目に、ライセンス講習、リフレッシュ研修の中身は義務化しておりますが、更新に必要なポイントを高める方向で進めておりまして、指導者のより学んでいただく仕組みということを進めております。
また、バスケットボール部活動指導ガイドラインというものを、2018年に部活動ガイドラインを出したときにスポーツ庁からの依頼もありまして作成いたしました。これの更新も必要だということでありますが、今回頂いた書籍、これも大変参考になるなと思っております。
こういった部活動に特化した研修についてもバスケットボールで実施可能かなと思っております。というのは、育成世代の知見を集約、日々どうあるべきかについてはいろんなところで議論をさせていただいている。何を指導するべきかのみならず、どのように指導するべきか、これは暴言暴力対応だけではなくて、どんな実施体制を引き出すような指導というものが必要かということです。
最後に、課題として、やはりよい指導者を確保するために謝金手当が必要との声が強くあるということと、もう1点、やりたい先生が活動できることがとても大切だということを言っておられる方が多いとお伝えさせていただきます。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
それでは、続きまして吉田委員、笹川スポーツ財団の事例の御紹介をお願いいたします。

【吉田委員】  
スポーツ指導者の質の確保に主眼を置いた事例となります。
宇部市スポーツコミッションの指導者人材バンクには、コミッションの加盟団体、それから、それらの団体から推薦された個人、団体が登録されています。現状で34の個人、団体の登録がありまして、各種実施事業をする団体からの活用申請を受けて、コミッションが適任者を紹介するというシステムです。ここまではほかの地域にもある指導者人材バンクとの大きな差異はありませんが、最大の特徴は、競技指導にとどまらず、医療センターの従事者、あるいは栄養士、民間フィットネスクラブのインストラクターといった専門性の幅広さと、多くの登録指導者が有資格者で、指導をなりわいとされているプロの方であり、そういった方々が地域貢献の観点で人材バンク登録していると。そして、活動している点が挙げられるかと思います。
その事例としては、事業所や学校、福祉施設での実技指導や講演会といったものから、小中学校での体幹トレーニングの特別指導、クラブ活動での外部指導といったものがありまして、2020年度は400件を超える活動実績があったと聞いています。
私からは以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
最後になります。池田委員、大学スポーツ協会の取組をお願いいたします。

【池田委員】  
事例集の8番になります。具体的に三つの大学の事例を御紹介させていただきます。
一つ目が、関西大学です。学内にスポーツ振興センターというものを設置をし、①②③④番で書いてありますような役割を持っているわけなんですが、2番目にございますキャリア形成支援という大きなテーマの一環の中で、その下の2番(1)(2)ですけれども、展開をし、(2)の中で小中学校クラブ活動の支援事業ということで展開をしているということであります。学生アスリートが指導に出ていくということでありますけれども、技術、メンタルの両面からの指導であったり、学生が教えることを学ぶ、自分自身の理解度を上げるといったようなことで、将来に向けての一助にしているという事例でございます。
2点目、大阪体育大学です。こちらは体育専門大学ということもあって、運動部活動の指導者の資質能力向上プログラムというものをスポーツ庁の受託を受けながら事業として展開をしております。その一環の中で、学生指導者の派遣というところを、一つは地元であります熊取町、ここと協働協定というのを結びながら対象中学校に派遣をしている。それから、個別に協定の締結ができた教育委員会の配下である中学校に派遣をしていると。それから、系列の中高にも支援を行っているというようなところでございます。派遣に伴う事前の研修セミナー、それから、派遣したことによる内容に対する評価サイクルということの設計というところを検討しているということで、検証中でございます。一つのデータとして、学生の意識調査というのがありますけれども、「興味がある」、それから、「望む」という学生が一応過半数を超えておりますが、指導の定期的なものについては、定期的な指導が可能な者というのは3割にとどまっているというところに課題を抱えているというところでございます。
三つ目の事例が、仙台大学というところでございます。宮城県の南部に位置をしていて、その地を仙南地域と申すようでございますけれども、そこのスポーツ活性をするために5市町村、5民間団体、2団体をまとめまして、活性化のコンソーシアムというのを設立し、そこに属している市町村の中学校に対して、10競技にわたり62名を派遣しているということで、現在進行中というところがございます。
代表例を三つということでございますけれども、先ほど御意見がありましたとおり、指導者ということの量においては、潜在力を非常に秘めている大学スポーツということかと思いますけれども、派遣先、それから、量に関して、供給先とどうマッチングしていくのかということ、それから、派遣される学生のモチベーションをどう保ち、上げていくのかということに関して、今後の仕組み化が必要であると感じている次第でございます。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
それぞれ貴重な情報の提供をいただきました。資料2につきまして、御質問、御意見を頂戴できればと思います。先ほど申しましたけれども、ウェブ会議に参加されている方におかれましては、挙手ボタンを押していただければと思います。御意見ございますでしょうか。
齊藤委員、どうぞ。

【齊藤委員】  
すみません、各団体の皆様の様々な取組について伺いました。ありがとうございました。
全日中としては、この取組が例えば学生の支援、企業の支援につきましては、特定の地域だけではなくて全国津々浦々まで実践できるのかというところが非常に大事と思います。
それから、指導者の資質を担保するためにライセンスを付与したり研修を受けたりすることは当然ですが、それに係る費用の負担軽減、あるいはライセンスについてはたくさん持っているほうがいいのか、それともライセンスを付与する組織が一本化していったほうがいいのかというところは問題かと思います。
そして、指導者の量を確保するために、教員について大変議論していただいているところなんですけれども、例えば民間企業から指導者を確保する場合に、民間企業の兼業の形態をやはり考えていかなければいけないのかなということを感じました。
さらには、今回、部活の地域移行で指導者が確保できたとしても、次の世代の人材確保をしなければいけないというところで、学生だけではなくて、その団体の卒業生、あるいは地域の若い人たち、そういった人たちのことも活用しなければいけないというようなことが今のお話の中から見えてきました。
ただ、取組を様々していただいているところで、我々としても地域移行に向けて大変に心強い状況があるなということを知ることができましたので、引き続きよろしくお願いいたします。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。基本的な話としては、指導者の生計の維持ができないと、つまり職業としてのスポーツ指導者が成立しない限りは、なかなか実際厳しいところがあると思います。というのは、人件費を例えば会費だけで賄えるかどうかというと現実には難しい状況であります。ただ、全員が専従の指導者である必要もまたない。その点についても御意見をいただければと思います。この辺りもまた石塚委員、松村委員から御意見をいただければと思っています。
金沢委員のほうから御意見がおありのようですので、金沢委員、どうぞお願いします。

【金沢委員】  
すみません、資料2の1ページ目の課題対応策と書かれているところの対応策の三つ目のところです。「指導者の質の確保については……」という記載がございますが、ここにつきましては、例えば第3期の基本計画中間報告が出ておりますが、後ほど御覧いただければと思いますが、60ページには、「JSPOは国の支援を受けつつ、NF等――NFというのは中央競技団体ですね、NF等が主催する大会において監督、コーチの公認スポーツ指導者資格の取得を義務づけるとともに、その他の大会や日常的な指導等の場においてもできる限り公認スポーツ指導者資格を有する指導者が指導に当たることを求める」などといったような、基本計画の中間報告の段階ではございますが、記載がございますので、その記載との整合性をここで御検討いただけないかなという意見でございます。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。資格の問題ですが、申し訳ありませんが時間の関係もありますので、先の議論の中でも扱いながら、先へ進んでまいりたいと思います。
内田代理のほうにちょっと情報提供をお願いしたいのですが、突然すみません。障害のあるお子さんの指導、障害者の指導については、御意見、今、出ていないのですが、先生のご専門でもありますので、今の金沢委員のご意見にもありましたように、資格を含めて情報がありましたらお願いします。

【内田座長代理】  
ありがとうございます。ここで私もお話をしようかなと思っていたんですが、障害のある人たちについては、初級障害者スポーツ指導員をはじめとする障害者スポーツ指導員資格というものがございます。こういった部分について、やはり今回取り扱っている資格の質の部分とすり合わせを今後行っていく必要はあるだろうなと思ってございます。
実際にこの初級障害者スポーツ指導員資格を取得可能としている体育系の大学は非常に多くございまして、残念ながら本学はその対象ではないんですけれども、こちらに名前が挙がっている大学さんはそういった資格も取れる大学として挙がってございます。ですので、質という意味では、初級障害者スポーツ指導員資格の取得を同時にしているものも多くいるということ、そして、必ず地方自治体においてはこのスポーツ指導員資格の講習会を行っているはずなんですね。こういったスポーツ指導員の資格を取っている方々がかなりの数いるということも、ぜひ一緒に入れていただいて、指導員の質を担保していくようなお考えはお持ちいただいたほうがいいかな。
また、少し戻りますが、最初の資料1のほうの整備充実の中でも、やはりこれまでスポーツにアクセスをしていなかったという人たちにスポーツをどう届けていくのかとか、スポーツが、これまでやっていた人たちができるのではなく、やっていなかった人たちが行っていくような形にするためにも、新たにこういうこともできるよと。例えばボッチャができるよであるとか、ゴールボールができるよであるとか、そういった形のものがこの質・量という中にも言葉として、または指導者の質の中に入ってくるというところはとても重要なところだと思っておりますので、お話しさせていただきました。
以上です。

【友添座長】  
突然すみません。ありがとうございました。
佐藤委員、保護者の立場から見て、お考えがもしあれば御披露いただければと思います。

【佐藤委員】  
日本PTAの佐藤です。
様々な事例報告の中でPTAの関わり、また、協力が大事であるとのお話を頂戴いたしました。我々保護者も、子供たちのために協力してほしいと学校側から頼りにされれば、喜んで協力する方々も多いのではないかなと思っております。
我々PTA組織は、子供たちへ切れ目なく支援できる組織であると自負をしております。その潜在的なマンパワーをぜひ地域や子供たちのために貢献できる仕組みができればと考えているところであります。保護者の中で競技経験者などは一定の研修を受講してもらい、例えば準指導者的なポジションをつくることで積極的な参加が見込めるのではないかなと考えております。
また、教職員を志す大学生などが学校に来ていただいて教えてくれたりできないかなというふうに、先ほど松村委員のお話を聞いてそんなことも考えたところであります。
地域の中で様々な人材を掘り起こし、同時に地域活性化にもつながることを希望しているところであります。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。
御意見、石塚委員、お願いします。

【石塚委員】  
ありがとうございます。石塚でございます。
私は1点でございますが、2ページ目の兼職兼業についてのコメントでございます。
例えば今、弊社のほうでは、基本的には業務委託契約というものが主流として契約形態を取っております。直接的な雇用をして、雇用契約において人材のマッチング、紹介ということは一切しておりません。そういった観点から、教員の皆様は、今後、仮にこの兼職、兼業という制度を活用されて指導を担っていただくというのは、大変人材の供給ですとか、大切な観点かと思っておりますけれども、この雇用契約だけではなくて、業務委託契約による場合も想定されるというこの一文が非常に重要かなと思っておりまして、こういった契約形態の柔軟性というのは非常に大きなポイントかなと思っております。
ただ、一方、この兼職兼業の扱いは、現状でも実施可能なものということで書いてございますが、実際にこの周知という段階においては、なかなか実効性が担保されていないケースが非常に多いのかなと思っておりまして、別にこういった周知をするとともに、今後、兼職兼業のポイントも含めてでございますが、様々な契約形態に基づいて、多種多様な人材が現場のほうで指導できる環境づくりというのは非常に大事なポイントかなと思っております。重複してしまいますが、この最後の周知という部分は非常に大事なポイントかと思っておりますので、より分かりやすく制度設計をする必要があるのかなと思っております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。
石井委員、どうでしょうか。

【石井委員】  
日本陸上競技連盟の石井でございます。
私ども競技団体として、この地域移行の話が出てくる以前から質の高い指導者を増やすということは重要な課題として、今、推進しているところではありますが、現時点でまだ全国で指導者資格を取得している方が5,200人です。中学生の登録競技者だけでも20万人は毎年いますので、それに対しての指導者の数としてはまだ十分でないということは認識しております。
さらに、部活動の地域移行が進むと地域の指導者がより必要になるので、これは増やさなければいけないということは各県でも認識していただいていますし、あとは、今、事例として挙がっているのが、既に民間のクラブなどで活発に活動されている指導者の方で、成長過程とかそういったものを無視して過度なトレーニングを小中学生の段階から課していて、かえって将来性などを考えると適切でない指導者も多いという危惧の声が結構上がっていまして、そういった意味でも指導者資格、きちんといろんなことを学んだ指導者を増やすということは望まれているところでございます。
ですので、クラブの登録をするときに、団体に必ず資格を持った指導者がいるということを義務化しようかということも、今、検討はしているんですが、一方で、指導者資格を取得するためのカリキュラムを充実させればさせるほど、同時に大勢が取れないということになっているので、今取りたい人が取りたいタイミングで取れる状況にないんですね。そこの矛盾をどうしたら解消できるかということが課題になっています。
逆に、陸上の立場で言うと、陸上競技の走る、跳ぶ、投げる、歩くという基本は、広く様々なスポーツにも通じるものだと思いますので、陸上の指導資格を持っている人がほかのスポーツの活動でもお役に立てることもあるんじゃないかということで、先ほどバスケットの話もありましたが、お互いに指導者が共有というか、融通し合うということも指導者の確保には有効なのではないかなとも、今、いろんな御意見を聴きながら思いました。
あと、指導者の確保も当然必要なんですが、ちょっと今のテーマから外れるかもしれませんけれども、地域でいろんな活動を円滑に進めるためには、指導者だけではなくて、活動地域のクラブとかそういったところの運営を担う人とかサポートする人というのもきちんと増やしていかないと、恐らく円滑に進まないんじゃないかと思います。指導者資格までは取れないけれども、そういったサポートの部分であれば手伝えるという人もきっと多いはずなので、そういった方々もどうやって巻き込んでくるかということも一つ考えるべきかなとも思います。
さらに言うと、私どもの場合は、一つの協議会を開催するために、小さい競技会でも審判員が100人近く必要だったりして、審判員の確保というのも今教員に依存していて、大きな課題となっておりますので、そこは私どもの事情ではありますが、併せて考えなければいけないなと思っています。

【友添座長】  
ありがとうございました。貴重な御意見をいただきました。
影山委員、どうぞ。

【影山委員】  
日本サッカー協会、影山です。様々な事例が本当に勉強になります。ありがとうございます。
先ほど、JSPOの金沢委員がおっしゃっていた大会ごとにライセンスを持って指導者の質を担保するというところ、我々も取り組んでいるところです。
一方、我々サッカー界で、今、指導者ライセンス、A級、S級、プロライセンスからD級という本当に7時間で取れる簡単なものまであるんですけれども、日本サッカー協会がこれを言っているからこれをやらないと指導者ライセンスを取れないみたいに思われてしまうと、量の部分でこれから子供たちが減っていくという中でそれはマイナスになってしまう。我々の指導者養成の考え方も多少変えていかなければいけないんじゃないかということで、本当に入りやすい、こんなことができたら指導者ライセンスを取ることができますよと言って、まず入っていただいて、それからリフレッシュ講習会なんかを繰り返しながらちょっとずつ成長していっていただく。この入っていただくというところが、今後、非常に重要になるんじゃないかと、我々は思っています。
そういう意味では、将来的にはお父さん、お母さんコーチであったり、先ほどバスケットの山本委員もおっしゃっていましたけれども、これからは高校生コーチがC級ライセンスを取れるという方向に向かいたいなと思っています。高校生が中学校に出向いて、お兄ちゃんコーチが教えに来てくれた、そんなような何年後かになるといいなと思っています。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。その循環をつくっていかなければいけないということでよろしいでしょうか。
池田委員、どうぞ。

【池田委員】  
先ほど申し抜けていたんですけれども、大学生の立場から見た場合、この人は教員免許を取っていますんですが、体育系の大学に多く見られるパターンですが、免許を取ったが採用に至らない、門が非常に狭いということで、せっかく指導免許を持ちつつも教職に就いていない人材というのは結構います。それをどう活用していくかという観点も一つあるかと思いますのと、じゃあ、そういった人材に対して今回の指導者を職業として成立することができるのか否かということも併せて検討していかなければいけない。多分一つのパターンでは済まないかと思うんですけれども、これは受入れ組織の存続と同じことかと思いますが、少し経済性も考えて、どういうふうに自立していくのかということももうちょっと鮮明化をしていく必要性があるのではないかと感じております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。全国体育系大学学長・学部長会でスポーツ指導者の共通の資格をつくってはどうかと、つまり管理栄養士のような国家資格をつくってはどうだろうという意見もあったわけなんですが、これもなかなか現実論としては難しいところがあるということで立ち消えになった経緯もあるように思います。今のお話にありましたように、資格を取ったにもかかわらず、それを職業にできないという方も少なからずいます。スポーツ指導者という職業が成立するような職域を確立していくことが求められるように思います。これは、今すぐの話ではなくて長期的なスパンを見ながら考えていかなければいけないテーマだと思うわけです。
ほかにご意見ご質問のある方、はい、松村委員よろしくお願い致します。

【松村委員】  
池田委員、私がその一人でございます。
お手元に資料を、今日突然で用意させていただいたんですが、こちらをちょっと御覧いただきたいと思うんですけれども、この実装を令和5年には実装していくと考えたときに、やはり時間があまりない。議論で終わっても仕方がないということもあって、具体的に本当に準備をしていかなければいけないとなったときに、この議論の中でやはり指導者の質の担保ということが非常に重要になってきているのかなと考えます。
これは、いわゆる標準化、要は標準的な物差しが必要になってくるということが極めて重要であって、属人的というか、いろんな地域で、要は各自治体でできる自治体もあるしできない自治体もありますということではなくて、やはり標準化したベースラインがきっちりとできれば、そこで例えばその地域のプロスポーツ選手のセカンドキャリアで生かされようが、大学生が生かされようが、地域の住民が関わろうが、我々みたいなフィットネス業界も指導者があらゆる可能性のある人たちが生かされていかなければいけないといったときに、やはり学校の中での部活動を担うというところでは、最低限の標準化されたものが担保されなければいけないだろうということは、極めて重要かなと思います。
これは、たまたまそちらにいらっしゃる石塚さんも関わられて、私も委員として入っていたんですけれども、文部科学省の委託事業で専門学校三幸学園さんがつくった、ものすごく極めて精緻、これは3年かけてつくったんですね。かなりのお金を使って3年かけてつくっている、要はeラーニングです。ブカツゼミという。既にこれはできています。これを生かさない手は絶対ないと思うんです。すみません、別に私は三幸学園の回し者ではございませんが、ここまで3年かけて、これからどうしようといったときに、本当に部活動指導者のベースラインをつくりましょうということだけに特化して3年かけてつくっているものなので、御覧いただいたらお分かりいただけますが、このコンテンツを見ていただいたらお分かりいただけると思うんですけれども、教育、安全管理、指導法、マネジメント、大きな4つのコンテンツの中で全125の項目があって、全てがeラーニングになって、携帯電話、PCから学ぶことができる。例えば今話が出ているような部活動とハラスメント、本当に細かいところまでeラーニングで使われておりまして、今、塩漬けになっていますので、ここで僕はこれを掘り起こして活用しない手はないかなと。逆に、これを活用することによって極めて大きな一歩が具体的に踏み出せるのではないかなと感じて、今日、御紹介させていただきました。
このブカツゼミはユーチューブで見ていただけますので、お時間があるときに1回見ていただければと思います。ということで、ちょっと御紹介をさせていただきました。

【友添座長】  
ありがとうございました。なかなか人材をどういうふうに育成し、活用するのか、それは難しい点ではあります。渡邊委員、よろしいですか。
希楽々のスポーツ指導者の現状について少しお尋ねしたいのですが、指導者をどう選考して、そして、どのようにしてトレーニングを積むようにされているのか。それから、謝金についてお話しいただける範囲で情報提供をしていただけるでしょうか。

【渡邊委員】  
まず、スポーツ指導者の確保については、今、バスケット、ソフトテニス、軟式野球、この3種目を融合型として活動していますが、その種目全てにおいてスポーツ少年団の指導者と話合いをし、これから目指す姿を合意形成して、この融合型の指導もしていただいております。
その中で、先ほどから御紹介している大学が監修しているプログラムに基づいて、今、実施をしているんですが、なかなかこのライセンスであったり制度設計に時間がかかると思うんですね。そこを今待っていられない。今の子供たちから何とかしていきたいということで、私たちは先行してこの形を取っています。
ただ、先ほどお話ししたように、将来的に公に認めるというところに最終的には持っていかないと、地域の信頼とか保護者の信頼につながっていないかなということもあり、苦肉の策ということで考えておりますが、先ほどお話ししたように受講のしやすさとか、すばらしいものがあってもなかなか経済的に難しいとか、いろんな部分があると思いますので、そこも考えた上で、何か最低共通のプログラムについては、例えば県なり市が何か研修会をし、それを受講することというようなところにまず持っていきたいなと思っています。
あと、謝金についてなんですけれども、今、生徒からは月1,000円の月謝を頂いて、平日の1日と土曜日なので月8回活動しています。そんな中で1,000円の月謝を頂きつつ、それから、今は国のお金を使いつつ、足りない分はクラブで負担をし、運営をしています。指導謝金については、これも残念ながら1時間500円というお金しか払えていないので、平日で言うと2時間1,000円、土曜日だと3時間1,500円という、そんなお金になっていますので、私はこの融合型、地域移行に関しては、この移行期は何らかの国や市や県からの支援が必要であると思うんですね。それを全て受益者が賄っていくと、過度なお金を頂くことになりますので、部活動という活動でやるならば、その移行期については支援をいただきながら実施していきたいと思っています。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
西委員、すみません、突然のお尋ねになりますけれども、生駒市ではスポーツ指導者を現状どう確保して、謝金等のいわば中身はどういう形の財源を使いながらやられているのでしょうか。簡単なもので構いませんので、お話しいただけないでしょうか。

【西委員】  
失礼します。
まず学校の部活動の話になりますが、現在、生駒市のほうでは総合型地域スポーツクラブのほうから部活動の派遣をしております。今は県の事業を委託しておりますので、そちらの委託料のほうから費用を払わせていただいております。総合型クラブなどの指導者謝金につきましては各クラブのほうで事業参加費等を徴収しながら運営されておりますので、今のところ市のほうからの支出はございません。
ただ、今後は、地域部活動については市町村も考えていくべきものでありますので、指導者派遣を行う団体への支援を含めまして市町村のほうでも予算の確保が必要ではないかと考えております。

【友添座長】  
ありがとうございました。
まだ議題3がありますけれども、一旦ここで休憩を挟みたいと思います。手元の時計を御覧いただいてよろしいでしょうか。40分から再開するということで、5分間休憩を挟みたいと思います。それでは、休憩に入ります。

( 休  憩 )

【友添座長】  
それでは着席をお願いします。
最後の議題に入りたいと思います。よろしいでしょうか。
議題の3の地域におけるスポーツ施設の確保方策について。今度は施設の問題に入りたいと思います。
資料3も同様に、これも内田座長代理と御相談の上、事務局の御協力をいただきながら作成した資料です。議題1、2と同様にまず資料3の本文について御説明をいただいた後、続けて各委員より順番に資料に記載されました事例について各3分程度で御説明いただければと思います。その後、各委員の皆様から質疑や御意見を頂戴できればと思います。
それでは、まず事務局より御説明お願いします。

【事務局】  
資料の3、スポーツ施設の確保です。
1番はスポーツ施設の確保方策として、スポーツ団体の施設や公共のスポーツ施設だけでは足りない地域もあり、それへの対応として、中学校をはじめとした小学校、高等学校、特別支援学校、廃校となった学校の体育施設などの活用が考えられるのではないのかということです。
2番、円滑な学校体育施設の利用の促進です。課題として、これまでよりも多くの団体が学校体育施設を利用することになりますので、利用ルールの改善や団体間での調整が必要となります。また、各自治体において営利を目的とした利用が認められていない場合、民間事業者が行う営利を目的としたスポーツ教室等に対して学校体育施設の利用が認められないこととなってしまうということです。
対応策として、行政や各団体等により連絡調整する会議体を設立するということが考えられるのではないのか。また、中学生をはじめとする地域住民を対象とするスポーツ活動に対しては、営利を目的としていても学校体育施設の利用を可能とすることが必要ではないのかということです。
3番目、2ページ目になりますが、学校体育施設の利用管理の在り方ですが、課題として、小学校に比べて中学校における地域への開放が少ない。また、これまでよりも多くの団体が利用することになると、学校の負担が増大するおそれがあるということです。
対応策としては、学校体育施設について地域のスポーツ活動の拠点としての利用を促進していくことが必要ではないのか。また、放課後や休日の時間帯は地域住民のための運動・スポーツ施設としての利用を促進することが適当ではないのか。それらの時間帯の学校体育施設の管理については、学校の負担を増大させないため、例えば指定管理者制度を活用するなど、スポーツ団体等に託していくことなどが考えられるのではないのかというものです。
参考資料の参考データ集としては、30ページ以降に学校体育施設の開放に関する様々な状況や先進的な事例を紹介させていただいております。
また、43ページ以降は、スポーツ庁の事業において実際に活用している施設の状況です。
以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、事例紹介として西委員から奈良県生駒市における事例について御説明をお願いします。

【西委員】  
よろしいでしょうか。

【友添座長】  
はい、お願いします。

【西委員】  
失礼します。
まず、地域の状況なんですけれども、ほとんどの自治体の最大の課題は、公共施設の維持管理経費の増加だと思っております。どの市町村でも今後の施設の在り方につきましての計画、個別施設計画などが策定されていると思いますので、本市もそれらの計画にのっとりまして施設の統廃合について記載しており、それに基づき、現在、計画を進めております。
学校体育施設の開放事業につきましては、今後、すごく活用していかないといけないんですけれども、課題が山積となっております。過去から利用しております既存団体と新規参入団体の利用調整、また、本来の学校施設を利用すべき団体と社会教育施設を利用すべき団体とのすみ分けの必要があると感じております。
また、指定管理者制度を導入されている市町村は、指定管理者の新たな役割として施設の管理運営だけでなく、自主事業などをさらに充実していただく。本市では、指定管理者募集の際に、自主事業の提案に係る部分の配点を高く設定しております。
今後、公益的な地域スポーツ団体の活動場所を確保するための具体例といたしまして、施設の統廃合により利用できる時間帯は必ず厳守をしていきます。生駒市では、以前より近隣自治体と施設の相互利用を行っておりまして、現有施設の有効活用を図っております。地域の体育・スポーツ協会などからしますと、総合型クラブのほうは新規参入団体に位置づけられると考えております。ただ、公益的な組織として、今後、地域スポーツの中心となることが期待されている総合型クラブですので、活動場所として廃止施設などが活用できないかと。管理に当たりましては、小中学校等では規模がかなり大き過ぎると思われますので、幼稚園規模とかで廃止施設等があるようでしたら、そういうところを活用できたらいいのかなとは思っております。
それから、学校体育施設利用のルールの見直しは必要ですが、本当に難しいと思っております。体育種目の共益的な団体と、総合型クラブのような公益的な団体とのすみ分けを取り入れた新しいルールづくりが必要だと考えております。
少し飛びまして、コミュニティスクールは、生駒市もこれからという感じとなっております。校区に根づいているクラブにとって地域や学校とのつながりをさらに深めていくために、とにかく関わっていただきたいと。そうすることで学校施設の利用拡大や地域での信頼度の向上も図れるものと信じております。
それから、自治体で持つことができないような特別な設備が要るような施設、もしそのような施設が地域にあるなら、そういったところと連携することも重要です。本市には、包括協定を行っている近隣大学のアーチェリー場がありまして、そこからオリンピアンが多数輩出されております。その施設が地域にあるのは偶然なんですが、そことうまく連携や活用の仕組みをつくることで施設を利用させていただき、昨年行われた東京オリンピックメダリストによりますアーチェリーの体験会も実施することができました。
資料のほうに書いておりませんけれども、障害者スポーツを進めるということで、来年度は企業版のふるさと納税を活用させていただきまして、スポーツ用の車椅子を、施設の活用ではありませんが、施設で使う設備として購入させていただきます。一つの事例として御紹介させていただきました。
以上となります。よろしくお願いいたします。

【友添座長】  
ありがとうございました。
続きまして、渡邊委員のほうから総合型クラブの事例の御紹介をお願いします。

【渡邊委員】  
それでは、また当クラブの事例になりますが、お話しさせていただきますが、当村上市は、総合型クラブは5クラブありますが、全ての総合型に体育施設を指定管理として出しております。なので、当クラブも指定管理を受けている総合体育館または市の委託事業である学校開放事業の施設を使って、その融合型部活動の活動をしております。ただ、これは、優先利用というよりも、調整をしながら活用しているということですので、誤解のないようにお願いいたします。
平日、総合体育館で活動する場合には、クラブが所有しているバスで中学校まで迎えに行って、そして、総合体育館のほうで活動するという形になっております。また、既に廃部となって現在活用していない屋外の学校施設なども融合型として活用させていただいております。そのほか、いろんな団体、組織と連携をすることで、例えばスポーツ少年団と融合型で合同の活動ということで、スポーツ少年団の高学年と中学生との合同練習のような形で活動することで、一つの場所でそういったものができるとか、また、今、これは実際にやっているんですが、冬季間、部活動の時間が1時間しか取れなくなるということで、週1回、校内の全部活動で合同部活動というのを実施しております。これも総合型のクラブ職員が指導しておりますが、そんな形でいろいろな工夫をするとできるかなと思います。
今日配った資料の一番最後のページにありますが、学校部活動とこの融合型部活動の関係性ということで、前にもお話ししているように学校とリンクしているので、例えば水曜日に融合型の活動をしたので、木曜日の学校部活動は1日減らすというような形で、学校部活動と融合型を合わせて総量的に私たちは取組をしていっています。いずれ、少しずつ平日のシフトをしていきたいと思っておりますし、この平日、例えば水曜日の放課後、指導者が確保できれば、この学校施設を使って放課後の活動ができるということになります。なので、活動の場所を探すというのもそうなんですけれども、活動の内容をいろいろ工夫することでいろいろなことができるかなと思っておりますし、今、取り組んでいる融合型部活動も、一つの学校、一つの地区に限らず、これから拠点化を図っていきたいと思っておりますので、その辺でいろいろ場所は確保できていくのではないかなと思います。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
それでは、資料3に基づいて御質問や御意見などをお伺いできればと思います。
先ほど来お伝えしてきましたように、ウェブ会議により参加されている委員の皆様には、挙手ボタンを押していただきますようにお願いします。
いかがでしょうか。御質問、御意見等ございますでしょうか。
ないようですので、一つ、私のほうから先に。
渡邊委員にお尋ねですけれども、希楽々と行政と学校の関係は長い時間をかけてうまく信頼関係がつくられてきたというふうに理解しているわけなのですが、今回、私たちが目指そうとしているのはそういう信頼関係がまずつくられる前にスタートを切ろうという段階だろうと思うのです。そういった場合に何か気をつけなければいけないこと、あるいは課題とか、こういう点でこういうことが必要だというのがあれば、アドバイスいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

【渡邊委員】  
アドバイスなんていうことではないんですけれども、当初、私たちも決して初めから行政といい関係でなかったわけです。合併を機に総合計画、またはスポーツ振興計画、教育基本計画等の策定に当たり、総合型をしっかりと中核的な存在と位置づけていただいたことで、先ほどお話しした例えば指定管理が特命でいただけるとか、いろいろな事業を委託できるという関係に持っていくことができたので、そもそも最初からというわけではありません。
ただ、この地域部活動の改革がいいきっかけになるのではないかなと、私は思うんですね。今までの関係性ができていないからこそ、例えば私たち総合型クラブからいろんな提案をしていくとか、こちらのほうから一歩進んでアプローチしていくことで、今困っている課題を総合型が解決しますよというようなところに持っていけるいいチャンスかなと私は思っているので、私たちのクラブが最初から全て場所が確保され、人が確保されていたわけではないので、私たちがアプローチをした結果ということですので、そんなことしか話せませんが。

【友添座長】  
ありがとうございます。
どうでしょうか、委員の皆様のほうから御質問は。はい、どうぞ。山本委員。

【山本委員】  
バスケットボールの山本です。
意見ではなくて報告になるんでしょうけれども、バスケットボールの環境の報告という形でさせてください。
バスケットボールは、体育館確保が必要な種目となってきています。先ほどクラブチームが増えているということを報告しましたが、会場確保に苦労しているということが声として聞かれております。施設確保に関する現状の意見として、各チームともに施設の取り合い、奪い合いをしているということ。また、縛りが強くて、縛りのルールだと思うんですけれども、空いていても使用できないケースがあるというところも聞いております。
課題として、そういった管理機関が必要だろうなというところのルールづくりというところと、あるエリアに限定されていることだと思うんですが、教育委員会から校長先生の理解を促していただきたいなという意見をいただきました。施設管理は校長先生が行っておられるということで、校長先生の容認度で左右されているという現場の意見をいただきました。
以上です。

【友添座長】  
学校開放や学校体育施設の管理については校長先生の権限なので、学校によって校長先生が代わるとまた変わるということはよく話を聞くわけですけれども、これを何らかの形で空きがないような形で学校開放をするという方向で持っていく必要があると思います。
また、この度の地域移行に際しては体育スポーツ施設の利活用を調整したりマネジメントする組織が、必要だろうと思います。これはこの会議としても提案をしていくことが大切だと思います。よろしいでしょうか。
ほかに。齊藤委員、どうぞ。

【齊藤委員】  
今まさに名指しをされた校長の立場として申し上げます。
確かに、学校という施設は非常に魅力的な部分がたくさんあるところです。そして、使っていない時間帯があれば、私は積極的に利用を促しております。それはもちろん教育委員会とやり取りをして、認めていただける範囲でそういうことをやっているということです。ですから、今、山本委員からもお話がありましたように、教育委員会を通じて学校に積極的なアプローチをしていただくことは非常に重要だと思います。そして、体育館だけでなく、例えば校庭も、ニーズが非常に高いのですが、照明がなく夜間の校庭開放は行っていないというところもあります。ですから、地域の実情とか、それから、ニーズによってではありますけれども、やはり行政機関とも連携をして地域への移行をスムーズに進めていく必要があると思います。
また、校長会としても、生徒たちが関わっている地域のスポーツ活動ですので、その辺についてはやはり先ほど私の話でも協力、協働というのがありましたが、そこについては全国に9,000の中学校がございますので、そこで当然共有していかなければいけない課題だと、今のお話を伺いながら捉えております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。
市川委員はいかがですか。

【市川委員】  
市川でございます。
齊藤委員がお話しされたとおりで、私ども身近な場合でも教育委員会に例えば登録申請をして、運用等は学校長が含めた中で管理をするというような仕組みが多いかと思いますので、当然スポーツ所管課等が中心になりながら今回のお話等の課題が投げかけられていけばいいのかなと。1、2、含めてですけれども、今日の題材を含めてですね。指導者も含めてですけれども、そういう部署に働きかけをすることは有効であると。
学校はクローズというイメージを持たれている方も多いのかもしれませんが、決してそんなことはありませんで、先ほど来出ているコミュニティスクールの関係もありますし、地域が学校をつくっていきましょうという方向の流れが来ていますので、そういうのを含めた中で活用いただければと考えております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございました。
そういえば、部に所属していない中学生が放課後、自分の所属する中学校の体育館を使いたいという申出があるといった場合、これは齊藤委員、どういうふうに扱うことになるのですか。

【齊藤委員】  
現状ですと、部活動等もともと予定されていた利用があればそちらを優先させますけれども、あくまでも学校というのは公共の施設ですので、状況が許せばそういった利用についても認めないという理由にはならないと思います。
それから、地域の団体に学校施設を活用していただく場合に、学校が関わるという状況は極力避けていただきたい。これは、主に副校長、教頭がその事務処理を行うことで、相当な負担がかぶされている状況がございますので、やはり教育委員会等から外れた地域スポーツを管轄する団体の皆様と力を合わせて、その利用については割り振りをしていただきたいというところはございます。

【友添座長】  
はい、どうぞ、石塚委員。

【石塚委員】  
ありがとうございます。石塚でございます。
今回、資料3の1ページ目で一番下の対応策の白丸2個目ですけれども、やはり今までの営利を目的とした施設利用がなかなか難しいというところから、中学生をはじめとする地域住民までを対象としてスポーツ活動に対しては営利を目的としても学校利用ができるというのは、この一文は、今後の地域スポーツの活動においては非常に重要な観点で、こういったものをお示しいただけたことには大変ありがたく思っておりますし、各自治体の皆さんもこれらの利用の可能性とか拡充とか、様々なことが開かれていくんだろうなと思ったところでございます。
それを受けまして、参考資料の1の40ページ、後半2枚になるんですけれども、40ページを御覧いただければと思っております。こちらの資料は、学校体育施設の有効活用の推進事業の事例の御紹介でございます。弊社のグループ企業は沖縄にある法人でございますが、まさしく今齊藤委員がお話しされた学校現場の皆さんの負担をいかに減らして有効活用を推進できるかというところの実証を行ってまいりました。やはり管理においては、予約の調整もしくは鍵の受渡し、このような管理が非常に大変だということでお話しいただいておりましたので、ICTを活用した学校体育施設の活用モデルというものを実証してみました。
次のページ、41ページになりますけれども、大まかに書いてございまして、予約のシステムもオンライン上で行いながら、鍵も最近少し動きがありますが、スマートロック――スマートフォンなんかで鍵を開けられるような仕組みを使って行っております。ちなみに、これは既存の鍵の穴の上に被せる形のものも一部ありまして、原状回復も可能なものとなっておりますので、学校施設にとっても導入しやすいということで、こういったことを検証しておりました。
資料3のほうに戻るんですけれども、このような予約システムをつくることによって、今までの負担になっていた部分を改善できるとともに、資料2ページ目のほうですが、やはり管理方法の仕組みもこちらに書いてある指定管理制度の活用ということにも向けてではございますが、現状ですと学校長の管理下にあるということだと思いますので、これを段階的に教育委員会に移管していきながら、従来の公共スポーツ施設のような指定管理制度の導入というものも検討がより進んでいくと、管理もしやすいのではないかなと思っております。
先ほど申し上げたうるま市の事例ですけれども、町村合併が行われた市になっておりまして、一部地域は人口減少が進んでおります。そういった地域は、公共の体育施設が取壊しの可能性が非常に高くなってきております。ただ、ここには学校体育施設があることによって、さらにこういった制度を使って学校体育施設を充実させることによって、学校部活動、地域スポーツだけではなくてまちづくりとしての施設の利活用という方法論がかなり広がってくるんではないのかなという期待値がある部分かと思っております。こういった事例も含めまして、こういった利活用ができれば、営利を目的としたという一文がありますけれども、様々な適正な参加費を頂いた中でのスポーツ活動が実施できるのではないかなと思ったところでございます。
以上でございます。

【友添座長】  
ありがとうございます。今、お認めをいただいたという前段のところは非常に重要なところかと思っています。
同時に、確認事項でもあるのですが、地域に移行していくと、場所は学校という空間の施設は使うのだけれども、学校が基本的に運営とは一切関係ないということを確認をしておきたいと思います。そういう意味で、今、齊藤委員の御懸念には当たらないところかというふうに理解しています。
御意見、御質問、ございますでしょうか。はい、どうぞ。

【山本委員】  
何度もすみません。バスケットボールの山本です。
今、ICTの話をいただいて思い出すのですけれども、バスケットボールの中でも技術委員長が突拍子もないアイデアを言ったことを思い出しました。日本には体育館が2万ぐらいあるんだ。これを全部データネットワークでつなげて、どこの体育館が空いているか検索すればいいんだよ。ほら吹きみたいなことを言うわけですけれども、いや、これは現実、できるんじゃないかということを考えるんですが、行政単位で例えば県ごとでやっているところとやっていないところで区切られる。市とか。隣を見たら空いているんだよなと。県境とか市境とかそういったところで、そこは空いているんだけれども申し込めないよねとかということが現実にあるという意見を伺ったんですね。そういうふうな仕組みがなかなか難しいとは思うんですが、御検討いただけたらありがたいなということが一つでした。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。今の御意見はどうでしょうか。施設情報は全国ネットで展開していく時期に来ていると思います。非常にいい御提案だと理解をしています。
大川委員、あるいは西委員、二人へのお尋ねになりますが、例えば指定管理者がいる都道府県、これは全ての市町村、山間部にそろうところは心配ないのですが、どうでしょうか、御自身の身近なところで施設の運営管理を実際見られている中で、指定管理者の配置が地域でどの程度あるのか、ないのか。あるいはない場合、今後どう対応していくおつもりなのか。もしアイデア等がありましたらお知らせいただければありがたいのですが、いかがでしょうか。
西委員からどうでしょうか。

【西委員】  
失礼します。生駒市のほうですが、社会体育施設と呼ばれるようなところは全て指定管理者が入っております。民間のスポーツクラブ等を経営されている指定管理者が入っているところもありますし、総合型地域スポーツクラブを事業として行っておられます地域のスポーツ協会が指定管理者として入っていただいている施設もあります。そのほかは民間団体。現在、生駒市のスポーツ施設は9施設ありますが、三者の指定管理者が入っておりまして、それぞれ特色を生かしながら運営されています。地域に根づいた運営をされている地元のスポーツ協会、それから、もともとスポーツクラブなどを経営されており、ジムやスタジオなどを充実されている指定管理者、それから、山登りなどのアウトドアの事業を展開されている民間団体の三者がおられます。
ただ、学校に関しては、指定管理者のほうと今連携して何かということはありませんが、学校施設の利用ではやはりおっしゃったようになかなか民間の営利企業が入りにくいという形がありますので、指定管理者の事業もしくは総合型地域スポーツクラブの事業を民間団体と連携して学校で展開していただいている例は、ございます。具体的に言いますと、コナミスポーツが学校の体育館でプログラムを展開していた事例も過去にはございます。
以上です。

【大川委員】  
岐阜県の状況でございますけれども、県が管理する施設、県有の施設におきましては、指定管理制度を全て導入はしているんですけれども、総合型地域スポーツクラブで受けていただいている施設はない。民間の団体さん、県内でスポーツ施設を展開されている事業者さん等に受けていただいている状態ということでございます。
総合型地域スポーツクラブは、岐阜県内に64クラブございますけれども、指定管理者として市町村等の施設を受託しているところが12クラブございます。市町村が42市町村ございますので、決して多くはない状況ということで、それぞれ、恐らくは総合型地域スポーツクラブの中でもその指定管理を受けられるだけの体力のあるところ、ないところというのがあるというふうな状況でございます。

【友添座長】  
岐阜県内では、基本的には指定管理者については、現状ではそう大きな課題はないという理解をこちらのほうはしております。よろしいでしょうか。
それでは、続いて石川委員、新潟の状況をお話しいただけますでしょうか。石川委員、聞こえますでしょうか。石川委員、どうでしょうか。新潟での状況をお願いします。

【石川委員】  
県全体というか、私の市町村の話になりますけれども、やっぱりおおむね公共体育施設は指定管理に出ている状態なんですが、まだいわゆる市町村の中でもやはり基幹体育館といわれるような人が集まりやすい体育館は指定管理の受け手もあるんですが、いわゆる山間部や周辺の体育館に関しては、あるいは屋外施設に関して、どうしてもなかなか人が集まらないところに関するところは、指定管理を出していない、また受け手もないというところで、そういったところは直営でやったりしているというのが実態ですので、一概に全ての体育施設が指定管理に任されているという状況にはありません。
今日のお話を伺った中で、学校開放を指定管理に出していくということも、確かに一つの方策だなというのは、私自身も勉強になったところなんですが、その指定管理が本当に自主事業という形でこの地域部活動を運営するのか、いや、単純に学校施設を有効活用するための指定管理という考え方でいくのかというところは、学校教育活動の妨げにならないところを配慮しながら、結構そこをこれから考えていくのは一つの手でもあるんですけれども、困難な部分もあるなというふうにちょっと感じたところでございます。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。最後におっしゃっていただいたことは非常に大事な点でもあります。
石井委員、どうぞ。

【石井委員】  
すみません、ありがとうございます。日本陸上競技連盟の石井でございます。
私どもの加盟団体である47都道府県の陸上競技協会に、この地域移行に関しての懸念であるとか実情とかいろいろ聞いてはいるんです。その中で半数以上の都道府県から出てきた問題として、この施設の確保というのがあります。
今、話としての主な流れとしてきている学校施設を利用することになるんだろうというのは、何となくみんな想定はしているんだけれども、ほかの競技であるとか、あと、学校の事情などで使えない時間帯に公共の施設を使う。陸上競技であれば陸上競技場を持っているところはそこを使うということもあるだろうし、あるいは、幾つかの学校が終わってからみんな集まってやるとなると、特に冬場などは遅くなるので照明が必要になる。そこに費用がかかるとかですね。それから、学校施設を使えるとしても、そこの用器具を使ってもし破損をしてしまったりしたときの代償の費用をどうするのかとかいうところの懸念が挙げられているところがかなり多いんですね。
そこで、いろいろ財政的な確保、支援という話はいろいろなところで出てきていますけれども、特にやはり施設に関わるところでそういった経費が発生したときに一体誰が負担するのか。自分たちで受益者負担でやらなければいけないのか。そうなると、地域によっての違いが出てくるとか、負担がかなり大きくなるというところの懸念がかなり挙がっていますので、その辺りの対応は何らかの方向は示す必要があるのかなと感じています。

【友添座長】  
その件、事務局のほうはどうでしょうか。何か。グッズの破損等、あるいは施設の破損等の場合、これが地域に完全移行したときにどうするのか。実は、まだこれは検討課題のひとつだろうと思うのですが、事務局として御意見ありますでしょうか。

【事務局】  
既に学校開放をいろんなところで進められておりますが、基本的には破損等があれば借りた利用者がそれを修繕するための費用を支払うというのが通常ではないかと思います。場合によっては団体として保険に入っていただくとか、そういう対応をしているところもあろうかとは思います。

【友添座長】  
ありがとうございました。秋山委員、施設の管理運営を含めて茨城県全体の状況がもし分かれば、そのお話をいただければありがたいです。

【秋山委員】  
指定管理は、先ほど来お話があったように、県有施設は指定管理に出しております。市町村は、出しているところもあると思いますが、あと、先ほど私のほうで説明したつくば市の件では、学校を使った地域部活動が、入ってきているという言い方がいいのか、学校の中だけで今完結しておりまして、今後、やっぱり地域を広くやる場合には、そういう施設を借用というところに行きたいと思っている団体もあるのですが、なかなかやはり先ほど言いましたように、指導者のところでもあったと思うのですが、財源の確保ができていない状況にあり新しい場所、大きい場所を地域展開するための財源がなくて、今、学校単独で行っているような状況があります。全体的な地域移行の周知とともに、ここでもちょっと財源のほうをお願いしたいという思いはあります。
ちょっとお答えになったかどうかわかりませんが、以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。確認になりますけれども、例えば一つの中学校の全ての部が一つのクラブに全て加入する例ももちろんあるし、ある部はB中学校でやっているクラブに入る、あるいは別の部はA中学校でやっている部に入る。つまり当該の中学校の生徒さんじゃない人たちがもちろん使用している。つまり今までで言う本校生徒の使用云々という発想を超えていく必要が実はあるということを、我々は今、議論をし始めているわけですけれども、この辺りは齊藤委員、よろしいですか。

【齊藤委員】  
利用団体という単位で捉えてということですか。

【友添座長】  
つまり、最初の話に戻りますけれども、学校は基本的には管理運営しないという前提ですので。

【齊藤委員】  
今のお話ですが、利用している団体を単位として捉えるということだと思います。ですから、他校の生徒が使って何かといった場合でも、当然そこに当てはまるという認識で私は考えています。

【友添座長】  
それから、石塚委員と松村委員にお尋ねになりますけれども、いわゆる近代スポーツといわれている球技だけを扱うという構想ではなくて、もう少し子供たちのリクエストに応じる形で、アーバンスポーツももちろんこれから入ってくるでしょうし、あるいはレクレーションスポーツなども入ってくるでしょう。そういう意味で言うと、多分フィットネス部なんていうのは重要なポジションになってくるだろうと思うんですね。そうしたときに、学校の体育施設だけにこだわる必要はなくて、例えば公民館のある部屋を部の常設会場にするというアイデアも実はあってもいいだろうし、あるいは地域のスーパーマーケットが提供してくれるような、使っていない倉庫の一部を使うということも可能性としてはあるだろうなと思うのですが、そういうアイデアというのはどうでしょうか。
松村委員、何かお考えがあればお願いします。

【松村委員】  
まさに、今お手元に示させていただいた、ちょっと今日は御紹介しそびれていたんですけれども、ユーチューブで御覧いただければ一目瞭然だと思うんですが、これは広島市における中学校の部活動の一部の指導をルネサンスというフィットネスクラブが請け負ってやった事例です。要は、バスケットであろうが、サッカーであろうが、基本的な例えば筋力、柔軟性、アジリティとか、そういうものというのは必要ですよねということで、体育館に集まって、特に大きな器具を使うことなく、そこら辺のベースになることを全部員、バスケットもバレーもみんな集めて取り組んでいる事例なんです。これはやっぱりひとつ、絶対ありかなと思いますし、部活動というのはどちらかというとチャンピオンスポーツで、練習をして、スキルを上げて、それが個人競技なのか団体競技なのか分からないですけれども、何か試合で勝つとか、そのプロセスでいろいろ学びがありますよというスポーツなんです。フィットネスというのは、競い合うということではないというもので、楽しみながら体を動かしましょうというところなので、そういうことで言うと、オープンスペースがあって簡単な道具があれば指導できる。要は、スキルのあるトレーナーたち、例えばボールですとか、メディシンなどちょっと重いものです。チューブ、ダンベルがあって、ダンベルも鉄のダンベルではなくてですね。そういうものを活用して、要は体づくりとか、あとはゲーム的に体を動かすとかということをやろうと思えばできるので、オープンスペースがあれば、フィットネスというものはそこに課題をいただければその課題解決として、ビジネスというか、サーチを想像して持っていくということは重々あると思います。

【友添座長】  
ありがとうございます。今のお話で考えてみると、必要な施設を調整したり、あるいはリクエストに応じてこういう施設を探してほしい、こういう施設を橋渡ししてほしいというリクエストが必ず出てくると思うんですね。こういう調整をクラブでするのか、あるいはクラブの連合体でするのか、総合型のクラブでやるのか、あるいは、そうじゃない民間事業者の中でそういうことを担っていくのか。だから、地域に応じて様々なタイプとパターンが生まれてくるだろうし、生まれてきたほうがいいだろうと思うのですが、いかがでしょうか、石塚委員、ご意見をいただければと思います。

【石塚委員】  
ありがとうございます。まさしく学校の体育施設の利用に関しては、今、現状では恐らく各学校で月末になると翌月の利用調整みたいなものが行われているのが実態かなと思っております。これは、恐らく職員室に皆様がお集まりいただいて、各先生が翌月以降大会がある部活なんかは優先的に、特に体育館を調整されているんだろうなと思っておりますけれども、まさしくここを一つ取っても、地域に部活動が移行された先には、調整できるような、しかも内部ではなくて外部の人が関わりながら調整していくというような、これはICTですとか、もちろんDXのようなことを使いながら解決していく必要があるのではないかなと思っております。
一方、今、友添座長からもありましたけれども、ニュースポーツという観点では、例えばオリンピックでもスケートボードがあれだけメダルを取って流行すると、いろんな地域でのスペースを見ると、ここではスケートボードは禁止みたいなものが貼られていくわけです。それだけメダルを取ったすばらしい種目であれば、ニュースポーツをできる環境整備というものはしていく必要があるんだろうなと思っているんですけれども、そういった柔軟な対応というのもできる可能性があるという意味では、やはり様々な利用調整ができる調整役というもの、コーディネーターが必要になってくるんではないかなと思っております。それは、内部、外部もあると思うんですけれども、必要かなと思っております。
 一方、学校の体育施設だけではなくて、これもうるま市の事例ですけれども、例えば料理教室とかパソコン教室とか、様々利用頻度が限定されているエリアも、例えば地域の料理教室に開放するとか、そこに子供食堂みたいなものを設置するだとか、そういったアイデアベースみたいなものを、先ほどの利用拡充が得られるとさらに可能性が広がってくるんじゃないかなと思っております。
以上です。

【友添座長】  
ありがとうございます。高校も、それから大学の体育施設、スポーツ施設も、もちろんこれは活用していく必要があるだろうと思っています。今回、そこまで議論を広げるつもりはありませんが、体育施設、スポーツ施設について、日本で言えば少なくとも9割近くが公共あるいは学校体育施設の現状を鑑みたら、その施設の活用方策が実は非常に地域の活動そのものを前に進めていくために重要な基盤だろうと思っているところであります。
申し訳ないのですが、時間が参りました。どうしても今日最後にこれだけはお話をしておきたいということがもしありましたらいかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【山本委員】  
何度も申し訳ありません。バスケットボールの山本です。
私、どうしても確認させていただきたく、先ほど責任主体というところで学校が管理運営しないというお言葉をいただきました。例えば、現状、部活動でハラスメントが起こった場合など、バスケットボールの登録指導者がハラスメントをしたという訴えが来ました、で、教育委員会で処理されるということになっています。そのときに、それ以上バスケットボール協会としては対応はしない、できない、二重処罰をしないという、そういう対応になっているんですが、今回の運動部活動地域移行が起こったときに、学校が管理運営しないというのは後ろ盾がそこにはないということになります。クラブチームの活動などは指導者がそのまま責任を取ると、保護者とのお互いの信頼関係による。でも、仮に、極端な例で死亡事故などが起こった場合、これは多分裁判沙汰になったりすると思うんですね。学校教育委員会がいると、それが受けていただけると思うんですけれども、今回、この移行をした場合、こういうケースはどういう位置づけになるんですか。それをちょっと教えていただきたいと思います。

【友添座長】  
ありがとうございます。懲戒処分等についての扱いだと思いますが、これについては少しお時間をいただいて、次回の保険のところでもありますので、そこの議論を含めてと思っています。現時点で事務局のほうから何かございましたらお願いします。

【事務局】  
基本的には、そのスポーツを主催している団体が責任を負うということになろうとは思いますし、通常、今でも地域のスポーツ団体でのスポーツ活動がございますが、それと同じような扱いになるということだと思います。

【友添座長】  
ありがとうございました。これについては、また継続しながら、様々なパターンも詰めていかなければいけないところだと思っています。
今日も長時間でしたけれども、ありがとうございました。多分皆さん、オンライン参加の方も、会場の委員の方々も大変お疲れのことだと思います。今、お話ししましたけれども、次回は大会の在り方や会費、それから、保険に関しての議題として2月中旬頃に開催できればと事務局と話しております。なお、次回の開催については、日本中学校体育連盟より少子化等の社会情勢の変化を踏まえ、これまでの取組、それから、今後の在り方として考えられることについてご発表いただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
それでは、本日は、長時間にわたりましたけれども、これで散会したいと思います。
今日はどうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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