地域スポーツ振興組織の在り方検討会(第3回)議事要旨

1.日時

2021年2月3日(水曜日)14時30分~16時30分

2.場所

オンライン形式

3.出席者

委員

  木田座長、大山委員、三枝委員、白枝委員、関根委員、藤原委員、渡邊委員

4. 議事要旨

■第3回地域スポーツ振興組織の在り方検討会参考資料の説明(スポーツ庁)
<スポーツ庁における令和3年度の地域スポーツコミッションに係る事業について>
・「スポーツによるまちづくり・地域活性化活動支援事業」を実施予定である。
・事業の概要は、今年度と同様、地域スポーツコミッションの設立から自立までの流れを支援し、その取り組みの横展開を図ることで、スポーツによる地域活性化を推進する。
・事業は以下3項目としそれぞれを推進する。
1.設立支援(地域スポーツコミッションに発展させる為の支援)。
2.自立支援(活動再開、または新たな事業計画の策定、自走化に向けた経営体制強化)。
3.コンサルティング支援(設立支援、自立支援に採択された個所に対して、各種の計画策定、事業実施に関する助言や、協力、提言等を行う)。

<「スポーツ・健康まちづくり」政策について>
・「スポーツ・健康まちづくり」は、2019年12月に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中のひとつであり、現在東京2020等を契機に全国各地でスポーツへの関心がかつてなく高まっている中、この盛り上がりをレガシーとして残して将来につなげていく政策である。
・この政策は、全国各地でスポーツを活用した形でのまちづくりに盛り上がりを転化させ、将来にわたって継続・定着させていくという発想に基づいている。
・地方公共団体のまちづくりに対し、スポーツ庁も含めた関係省庁が一丸となって支援・推進していく。
・スポーツ庁は全国を先導するような優良な「スポーツ・健康まちづくり」に国の事業も活用して今後取り組もうとしている地方公共団体を表彰するとともに、広く全国の地域にアピールし、スポーツを活用した特色あるまちづくりの全国展開を推進する。
・「スポーツ・健康まちづくり」は、継続して根付かせることが重要であり、そのためには地域における体制整備がポイントになる。よって地域スポーツを振興する担い手、主体というのが「スポーツ・健康まちづくり」政策にはおいては重要な位置付けとなる。
 
■地域スポーツ振興組織の在り方にかかる提言(案)の説明(木田座長)
・本提言(案)は、これまでの2回の討議及び意見収集から作成した構成に沿って今回説明をし、各委員より意見をいただき、修正をすることで最終案とする。

<はじめに>
・地域スポーツを活かした組織は多種多様であり、大きな課題として自立・自走化が挙げられる。このような課題も含めて、「スポーツを活用した地域振興組織の在り方」に関する検討を前提とし、組織として解決していく為の検討をするために始まったものである。 

<自治体におけるスポーツを活用した地域振興組織の考え方>
〇スポーツを活用した地域振興組織の考え方
・自治体内のスポーツを所掌する部署が、単体でスポーツイベントやキャンプ・合宿誘致などを実施しているケースもあり、都道府県レベルの組織に多く存在する。
・同様の活動でも、民間と他部署が合同で実施する組織もあり、新しいDMOを作る話もある。
・スポーツを活用した地域振興に取り組む主体を限定せず、多様な役割や効果を発揮できることが必要であり、地域住民に理解を得る事も重要である。

〇自治体における首長のリーダーシップ
・首長等の自治体を代表する人の理解が必要であり、「スポーツを活用した地域振興」に対する継続的な国からの啓蒙が重要である。
・スポーツの振興は担当部署でも済むが、スポーツによって地域振興を図る為には地域全体で取り組む必要があるため、官民のパートナーシップも重要である。

〇組織の捉え方について
・ハイブリッド型事業体、地域スポーツコミッション、地域スポーツ運営組織(総合型地域スポーツクラブ)の3つに分ける事ができる。
・ハイブリッド型事業体は地域内、地域外とも関わる組織である。
・地域スポーツコミッションは外部からの人を誘致、キャンプ誘致を行う取り組みが行政内組織で多いが、行政から離れてまちづくりや地域づくりに取り組む組織も存在する。
・地域総合型スポーツクラブは、これまでの設立の経緯から、住民向けの活動を中心に幅広い対応も見られ、一部では地域外から来る人にも対応している。

〇地域スポーツ振興組織の新たな在り方について
・ひめじスポーツコミッション(一般財団法人姫路市まちづくり振興機構内)のように、行政の外郭組織の一部として存在し、まちづくりという視点から一つの組織の中に入っている事例もある。
・町村レベルでは、観光協会や他組織と一体となって、既存組織を活用する視点で新たなDMOを立ち上げる事例もある。小規模な自治体では同じような組織が複数存在することは意味が無いので、既存の組織を上手く活用し効率よく進めることが重要である。

<組織の形態や位置付けなどについて>
・NPO的組織、行政と民間との中間活動組織、民間主導組織の3つの位置付けに分類できる。
・NPO的組織は、行政ができない活動を行う公的組織であり、行政からの支援も必要である。中間活動組織よりも直接的に公的活動をする組織であり、NPO法人出雲スポーツ振興21のように幅広い事業を実施しており、スポーツ組織の事務局を受け持つなど組織の在り方の優良モデルの一つである。
・行政と民間との中間活動組織としての位置付けは、一般社団法人宇部市スポーツコミッションのように、会長が強いリーダーシップで行政の事業を受託し、それを再分配することで地域振興に資する展開を図ることがモデルとして挙げられる。
・民間主導組織は、一般社団法人、一般財団法人が多数を占めている。収益事業で得た利益を公的活動に利用するという考えもあり、自立も難しいが民間主導で行っている。民間主導の場合は、異動や退職等に伴う後継者問題があり、行政が支援していく事が求められている。

〇組織の自立
・経済的自立と、組織的自立に分けることができる。組織的自立とは、当初から行政の一部になってしまうと組織を作った意味を成さないため、重要な視点である。

〇人材の発掘と育成
・人材の育成の好事例として、NPOジャパン・フィルムコミッションが実施するフィルムコミッショナー育成講座が挙げられる。

<組織間のネットワーク化について>
・ネットワークを形成することは非常に重要であり、地域内の地域振興に資する活動を行っている組織とのネットワーク、地域外の類似組織とのネットワークがある。

<組織が行う活動内容について>
〇地域内住民を対象とした活動
・地域課題を解決していくためには、健常者だけではなく、障がい者、高齢者、子供を対象とした活動も非常に重要である。
・交流に関わる活動は、地域住民を対象としつつ、地域外からの人々との交流にも資することから重要である。

〇地域外からの人や資金の流入に関する活動
・地域外からの人や資金などに資する活動を実施することで、組織や地域の活性化に繋げていくことが重要である。
・地域自らが活動せず外部に任せてしまうと、資金やノウハウが流出するため、地域のスポーツコミッションを組成し地域内の人で活動をすることが重要になる。また、幅広い活動をしていく為には情報源の一元化が重要である。
・外部からの人や資金の流入は、地域活性化の一手段であるが、それが目的となることで本末転倒になっている例もあるため、留意すべきである。

■自由討議(テーマ別討議)
・各委員からの意見説明を中心としたテーマ別自由討議。

●自治体における首長等のリーダーシップ
・地方であればあるほど、行政は重要なポジションを占めている。行政を無視して色々な事は出来ない。その反面、地域住民が常に行政に頼るという構図もある。
・首長の理解が必要であり、それに従って行政が動く。スポーツを従来のような縦割りの捉え方をしては地域スポーツコミッションはできない。運動をする組織からスタートすると、地域課題の解決、地域づくりのところにいけない。総合型スポーツクラブも長年やってきて、脱却したところが発展している。
・地域スポーツコミッションは、総合型スポーツクラブを作る時以上に、新たな試みとして意識しているので、行政の理解が必要である。したがって、スポーツ担当部署だけなく、行政が全体として理解を深めることが必要である。
・既存の組織を連携もしくは統合し、地域スポーツコミッションという組織を作ろうとする場合は、行政がリーダーシップをとり、政策として地域振興全体の中に組み入れる必要がある。
・行政は直接的に補助せず、いままで進めてきたものを上手く組み合わせれば、基本的な財源は確保できる。むしろ、組織が自主独立して動ける環境を作りには精神的支援(認知)が重要である。
・地域振興という類似した目的で参考となるフィルムコミッションは、わが国では色々な組織から出来上がったという背景があるが、アメリカにおいては、ほとんどのフィルムコミッションが知事、市長の秘書室に設置されている。
・設立時は、担当者の理解もあるが、人事異動などにより、その知識や熱量も人が入れ替わるとともに減退するため、理解を得るような勉強会が定期的に必要になる。
・行政外の組織として取り組むためには自治体がサポートする形が良く、地域の理解がなければ上手くいかない。
・政策を位置付けるためにも、首長のリーダーシップが重要となるため、国として首長がリーダーシップを持てる根拠をしっかり作ることも必要である。また、首長が全てを指揮することはできないため、外部を含めた人材登用も必要である。
・都道府県の場合には、自治の独任制として、人事意見、予算の拒否権、専決処分権といった強権があり、スポーツ庁として、全国知事会に対して、理解の促進を図ることが効果的である。

●組織の捉え方について
・地域振興は地域によって多くの要素があり、様々な主体が参加し、官民共同で行うことが重要である。また、大都市圏、中都市圏、地方都市圏によっていろいろなケースがあり、一元的に統一することは難しく、基本となる軸、固定的な要素を明確にし、地域に応じた柔軟な対応が必要になる。さらに、スポーツも文化の一部として、何らかの形で文化活動と関係していくことも重要である。行政はスポーツとまちづくりはまったく別ものとして動いているが、スポーツは、観光、生涯スポーツ、子供課などの部署に関わり、スポーツとしての理解と柔軟な横の連携が必要であり、横串を刺す役割が地域組織に求められる。
・行政の支援、サポートは、必要不可欠であるが、民間で完結するような事業も多くある。行政組織に近い組織では、人事異動に伴う弊害を補うため、例えば、マニュアル、ガイダンスを作る事によって書面で引き継ぐというような仕組み、定期的な勉強会が必要である。地域振興スポーツ組織は、1つの組織、法人という捉え方もあるが、スポーツに関わる人や団体、スポーツ関係者の連合体を組織という様に呼ぶこともできる。
・それぞれの地域の特性や支援、資材、人材などを活用して、社会、地域の課題に挑む志を持つことが必要であり、ハイブリッド型事業体、地域スポーツコミッション、地域スポーツ運営組織から最適な選択することが重要である。また、機能を有効に運用するためには、情報交換、責任者の資質の向上が必須となる。

●組織の形態や位置づけなどについて
・総合型地域スポーツクラブは、経営体の機能を持ちつつ、公益性も重要であり、この相反する活動が内在しており、使い分けをする必要である。
・財政基盤の整備として、体育施設などの指定管理の受託やスポーツや福祉・健康の事業受託も可能であり、公としての役割を持つ組織として、行政と連携しながら、行政と役割を分担し、活動する必要がある。
・NPO法人も、中間支援組織的な活動が可能で、自主事業を通して収益事業もでき、会計処理は株式会社と同様である。ただし、株式会社との違いは公益性にあり、利益を地域に再投資する必要がある。
・自主財源のみで運営する組織は、人材確保のための財源確保が大きな課題で、指定管理事業受託などで人材・財源を確保することが可能であり、如何に雇用環境を整備するかが重要である。
・地域には総合型スポーツクラブ、体育協会、スポーツ推進員、スポーツ少年団など、様々なスポーツに関連する団体が活動しており、それらの連携の要として、事務局を担うなどの役割を担うこともできる。
・公益性のある組織として、経営的自立という言葉とは縁遠く、最初は行政の支援がある程度必要である。コロナ禍では、外貨を稼ぐスポーツツーリズムの継続は不透明で、ビジネス構築が必要不可欠になっており、行政のサポートが必須である。
・行政に近い非営利組織は、月日が経つにつれ硬直化していく恐れがあり、最初から、組織が人材確保・育成や新陳代謝の活性化を念頭に置く事も必要である。
・設立支援、自立支援、コンサルティング、あるいは人材育成といったことを広範囲に行うインターミディアリーの原点のような活動が横断的な組織を作り上げ、資質の向上、相互扶助ができる組織が重要である。

●組織間のネットワークについて
・先行して活動しているフィルムコミッションの類似組織のネットワークを参考にできる。全国とブロックのネットワークがあり、全国ネットワークでは人材育成などのプログラム研修、ブロックネットワークでは地域課題の共有やエリアマネジメント、コーディネーターの配置などを推進している。
・総合型地域スポーツクラブでは、全国、ブロック、都道府県のネットワーク組織がある。また、市内におけるクラブ間のネットワークもあるが、むしろ一体化、一元化の必要性がある。ブロック、都道府県においてはエリアマネジメント的ネットワーク、コーディネーターの配置などをすることが有用である。
・地域内の体育協会、スポーツ少年団などの事務局を担い、地域内の連携の要となる。また、スポーツ関連、スポーツによる地域振興の統括組織としてネットワークの核となる組織としての役割を果たすことが必要である。さらに、福祉や健康、観光なの団体との連携も有効に機能し、組織間の信頼につながる。
・先ずは、情報交換や地域の課題共有から始め、人材育成などを担う組織間のネットワーク化を自治体が推進することも必要である。
・特に、全国ネットワークにおいては、水平で緩やかに、情報の収集・提供・共有をし、会員同士の交流、相互扶助に繋げることが重要である。結果として、有用なノウハウを吸収できるなど、見返りが多く、地域の人材を全国で活かすこともできる。

■自由討議(テーマ別討議)
・各委員からの意見説明を中心としたテーマ別自由討議。
●自治体における首長等のリーダーシップ
・地方であればあるほど、行政は重要なポジションを占めている。行政を無視して色々な事は出来ない。その反面、地域住民が常に行政に頼るという構図もある。
・首長の理解が必要であり、それに従って行政が動く。スポーツを従来のような縦割りの捉え方をしては地域スポーツコミッションはできない。運動をする組織からスタートすると、地域課題の解決、地域づくりのところにいけない。総合型スポーツクラブも長年やってきて、脱却したところが発展している。
・地域スポーツコミッションは、総合型スポーツクラブを作る時以上に、新たな試みとして意識しているので、行政の理解が必要である。したがって、スポーツ担当部署だけなく、行政が全体として理解を深めることが必要である。
・既存の組織を連携もしくは統合し、地域スポーツコミッションという組織を作ろうとする場合は、行政がリーダーシップをとり、政策として地域振興全体の中に組み入れる必要がある。
・行政は直接的に補助せず、いままで進めてきたものを上手く組み合わせれば、基本的な財源は確保できる。むしろ、組織が自主独立して動ける環境を作りには精神的支援(認知)が重要である。
・地域振興という類似した目的で参考となるフィルムコミッションは、わが国では色々な組織から出来上がったという背景があるが、アメリカにおいては、ほとんどのフィルムコミッションが知事、市長の秘書室に設置されている。
・設立時は、担当者の理解もあるが、人事異動などにより、その知識や熱量も人が入れ替わるとともに減退するため、理解を得るような勉強会が定期的に必要になる。
・行政外の組織として取り組むためには自治体がサポートする形が良く、地域の理解がなければ上手くいかない。
・政策を位置付けるためにも、首長のリーダーシップが重要となるため、国として首長がリーダーシップを持てる根拠をしっかり作ることも必要である。また、首長が全てを指揮することはできないため、外部を含めた人材登用も必要である。
・都道府県の場合には、自治の独任制として、人事意見、予算の拒否権、専決処分権といった強権があり、スポーツ庁として、全国知事会に対して、理解の促進を図ることが効果的である。

●組織の捉え方について
・地域振興は地域によって多くの要素があり、様々な主体が参加し、官民共同で行うことが重要である。また、大都市圏、中都市圏、地方都市圏によっていろいろなケースがあり、一元的に統一することは難しく、基本となる軸、固定的な要素を明確にし、地域に応じた柔軟な対応が必要になる。さらに、スポーツも文化の一部として、何らかの形で文化活動と関係していくことも重要である。行政はスポーツとまちづくりはまったく別ものとして動いているが、スポーツは、観光、生涯スポーツ、子供課などの部署に関わり、スポーツとしての理解と柔軟な横の連携が必要であり、横串を刺す役割が地域組織に求められる。
・行政の支援、サポートは、必要不可欠であるが、民間で完結するような事業も多くある。行政組織に近い組織では、人事異動に伴う弊害を補うため、例えば、マニュアル、ガイダンスを作る事によって書面で引き継ぐというような仕組み、定期的な勉強会が必要である。地域振興スポーツ組織は、1つの組織、法人という捉え方もあるが、スポーツに関わる人や団体、スポーツ関係者の連合体を組織という様に呼ぶこともできる。
・それぞれの地域の特性や支援、資材、人材などを活用して、社会、地域の課題に挑む志を持つことが必要であり、ハイブリッド型事業体、地域スポーツコミッション、地域スポーツ運営組織から最適な選択することが重要である。また、機能を有効に運用するためには、情報交換、責任者の資質の向上が必須となる。

●組織の形態や位置づけなどについて
・総合型地域スポーツクラブは、経営体の機能を持ちつつ、公益性も重要であり、この相反する活動が内在しており、使い分けをする必要である。
・財政基盤の整備として、体育施設などの指定管理の受託やスポーツや福祉・健康の事業受託も可能であり、公としての役割を持つ組織として、行政と連携しながら、行政と役割を分担し、活動する必要がある。
・NPO法人も、中間支援組織的な活動が可能で、自主事業を通して収益事業もでき、会計処理は株式会社と同様である。ただし、株式会社との違いは公益性にあり、利益を地域に再投資する必要がある。
・自主財源のみで運営する組織は、人材確保のための財源確保が大きな課題で、指定管理事業受託などで人材・財源を確保することが可能であり、如何に雇用環境を整備するかが重要である。
・地域には総合型スポーツクラブ、体育協会、スポーツ推進員、スポーツ少年団など、様々なスポーツに関連する団体が活動しており、それらの連携の要として、事務局を担うなどの役割を担うこともできる。
・公益性のある組織として、経営的自立という言葉とは縁遠く、最初は行政の支援がある程度必要である。コロナ禍では、外貨を稼ぐスポーツツーリズムの継続は不透明で、ビジネス構築が必要不可欠になっており、行政のサポートが必須である。
・行政に近い非営利組織は、月日が経つにつれ硬直化していく恐れがあり、最初から、組織が人材確保・育成や新陳代謝の活性化を念頭に置く事も必要である。
・設立支援、自立支援、コンサルティング、あるいは人材育成といったことを広範囲に行うインターミディアリーの原点のような活動が横断的な組織を作り上げ、資質の向上、相互扶助ができる組織が重要である。

●組織間のネットワークについて
・先行して活動しているフィルムコミッションの類似組織のネットワークを参考にできる。全国とブロックのネットワークがあり、全国ネットワークでは人材育成などのプログラム研修、ブロックネットワークでは地域課題の共有やエリアマネジメント、コーディネーターの配置などを推進している。
・総合型地域スポーツクラブでは、全国、ブロック、都道府県のネットワーク組織がある。また、市内におけるクラブ間のネットワークもあるが、むしろ一体化、一元化の必要性がある。ブロック、都道府県においてはエリアマネジメント的ネットワーク、コーディネーターの配置などをすることが有用である。
・地域内の体育協会、スポーツ少年団などの事務局を担い、地域内の連携の要となる。また、スポーツ関連、スポーツによる地域振興の統括組織としてネットワークの核となる組織としての役割を果たすことが必要である。さらに、福祉や健康、観光なの団体との連携も有効に機能し、組織間の信頼につながる。
・先ずは、情報交換や地域の課題共有から始め、人材育成などを担う組織間のネットワーク化を自治体が推進することも必要である。
・特に、全国ネットワークにおいては、水平で緩やかに、情報の収集・提供・共有をし、会員同士の交流、相互扶助に繋げることが重要である。結果として、有用なノウハウを吸収できるなど、見返りが多く、地域の人材を全国で活かすこともできる。

■閉会・事務連絡
●最終取りまとめについて
・新たにいただいた意見については、木田座長と相談の上で最終的な報告取りまとめに反映し、後日各委員に確認を依頼する。その後、スポーツ庁へ報告し、ホームページ上で公表する。
 
●今後の対応
・従来スポーツ庁では、健康スポーツ課で地域内住民向けサービス、地域クラブについて対応をしており、参事官(地域振興担当)でスポーツツーリズム、地域外の交流人口向けのサービス、地域スポーツコミッションの政策を進めてきた。そうした中、2019年12月に閣議決定された第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」における「スポーツ健康まちづくり」を推進することとなった。
・地域内・地域外事業といった考え方ではなく、ハイブリッド事業体としてスポーツを活用したまちづくりの考え方や流れの中、「スポーツを活用した地域振興にあう組織」を題目として地域スポーツ振興組織の在り方検討会を開催でき、非常に意義のあるものとなった。
・報告を受け、スポーツ基本計画の改定に向けて議論し、2022年度には新しいスポーツ基本計画ができるため、本報告書は今後の行政運営のなかで、基礎資料、参考資料として活用する。