武道ツーリズム研究会(第3回) 議事要旨

1.日時

2020年2月12日(水曜日)10時00分~12時30分

2.場所

セレスティン芝三井ビルディング12階(東京都港区芝3-23-1)

3.出席者

委員

 原田座長、𠮷川委員代理、高橋委員、村山委員、宮崎委員、斉藤委員、市原委員、馬場委員、William Reed委員、陣内委員、平委員、David Atkinsonアドバイザー
 

4.議事録

●2020年度以降のスポーツ庁 武道ツーリズムの取組(事務局説明要旨)

「武道ツーリズム推進方針」については、有段者・コア層、中間層など層に応じて対策が異なることを踏まえて、ベーシックプログラムの開発や、各武道団体との協力も得ながら、場所や人の問題、旗振り役の組織をどうしていくのかを検討する。旗振り役の組織を立ち上げたいと考えており、既存の組織の拡充か、新設の組織か未定だが、年度内または年度明け早々には立ち上げる。武道関係者や有識者に参画していただきたい。

スポーツツーリズム需要拡大のための官民連携協議会と武道ツーリズム研究会については、地域や分野をもう少し特定して深掘りをしていくため、2020年度は下記3つの検討会に改組する予定。
(1)インバウンド拡大に向けたスポーツツーリズム研究会
(2)アーバンスポーツツーリズム研究会
(3)地域スポーツ振興組織の在り方検討会

「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」が去年12月に閣議決定された。5年間の計画で、初めて「スポーツ・健康まちづくり」というチャプターが入った。地方創生交付金1,000億円の予算を地方で活用して欲しい。

●自由討論

・「地域スポーツ資源を活用したインバウンド拡大のためのモデル事業」ついては、ニーズやリードタイム、デジタルマーケティングなど、民間のノウハウを使いながら進めるべき。また、産学連携という視点を持ち、より付加価値を高めてほしい。

・プロモーションから決済、予約まで一気通貫でできるよう設計するべき。

・プロモーションは、エリアで区切ると点になることが多いので、今後はコンテンツを切り口にしたプロモーションにトライアルしてみる価値がある。

・海外向けのような広範囲な情報発信は、専門性の高い分野なので、JNTOとの「連携」ではなく、全面的に「委託」するべき。JNTOは、海外に約20カ所事務所を有し、テレビ番組との連携がしっかりしている。Facebook、YouTubeに関しても、JNTOを通した方が効果的なので、積極的に活用すべき。

・スポーツツーリズムの商品を地域で磨き上げても、売れる状態を作らなければ持続できない。

・着地型観光プログラムを作るには、人材育成が必要であり、そこを支援して欲しい。

・「なぜ、この町で武道をやらなければいけないのか」という理由が、お客様にも地域にも必要。

・日本刀がブームになったのは、『刀剣乱舞』が女子に注目されたことがきっかけ。エンターテインメント性から日本の文化を見直すということも必要である。

・3年後、5年後を考えた時に、民間にも受け皿となるような組織があればよいと思う。ここで話し合っている事例や、ノウハウなどを吸収し、実行に移すにも連携が必要である。

・コンテンツができても、それをどのように効率的に回すのかという部分はまだ不足している。コンテンツを開発した後、地域での回遊促進をして消費拡大することが重要。

・武道ツーリズムはスタートラインに立つところまでが大変なので、その部分をサポートしなければいけない。また、民間の協力やビジネスの創出が必要である。

・ゴール(完成した商品)のイメージをつくってあげると、スタートラインに立ちやすい。

・経営層の方に体験してもらうのが良い。グローバルMICEや、IRという部分も含めながら進めると良い。

・武道ツーリズムのビジョンに、「武道が日本発祥であることの国際的認知向上」とあるが、今どのぐらい認知が取れていて、3年後にどのぐらい上げたいのか調査すべき。具体的な数字を明記して欲しい。

・どのように体験商品にするかというノウハウを共有する人的交流が大事。また、売り上げ目標と採算分岐点をしっかり数値で把握し、それを達成できて初めて自立可能になる。その成功モデルを作り上げて、どう支援するかという支援策を作ってほしい。

・自治体の協力なくして横展開はできない。今回、対外費用の予算を確保されているので、自治体との連携という部分をサポートすると全国的に広がっていく。

・武道に興味・関心を持った顧客を抱えている旅行会社の方々を含めた、啓蒙や、啓発活動、ネットワークということも同時に進めていくのが良い。

・オリンピック終了後に、世界に対して日本の武道の取り組みをセンセーショナルに発表する場が大事。コア層だけではなくて、ライト層に向けた親しみやすさ、楽しさなども演出した企画があればよい。

・コンテンツ次第であるが、通常の武道体験は戦うスポーツではなくて、精神性や型を学ぶことだと思うので怪我は対象外、通常の保険で賄えるのではないか。

●公益財団法人日本武道館より

・言語について
本物に触れたいという外国人が多いので、師範の先生が英語で話すことは、あまり期待されていない。その言葉で話してほしいと思われている。

・その他
外国人に対していわゆる接待は一切要らない。日本人が普段行ってるような店(焼き鳥屋や、居酒屋など)で同じ空気に触れたいということが望まれていると感じた。

・コア層が日本に来る際の目的
大きなところは段(黒帯)の取得。日本の先生から段をもらいたいということが目的。また、一緒に稽古をしてる人と同じ空気を吸って、同じものを飲食したいということで訪日する人が多い。

●武道ツーリズムマーケティング調査について

・ 調査対象を訪日経験者数に限らず広げた方が良い。武道をしている方に「聖地である日本に行きたいと思うか」、「どのような条件だと行くか」、「どのぐらいお金を払うか」、「日本の本物の体験だったらいくら払うか」という調査をして欲しい。

・武道を「どこで見た」、「どこで体験した」というデータも取り、具体的な固有名詞まで調査できれば参考になる。

・観戦・見学・体験と三つまとめているが、観戦・見学と、最後の体験とでは敷居が違う。よって、体験まで行った人がどのような情報収集をしたのか、どうやって予約をしたのかといったクロス集計や分解をして属性を見るべき。

・体験したい武道については空手、剣道の順に多い一方、実際の剣道体験者は少ない。

・国別の調査を増やす必要がある。

・情報発信や、コンテンツの磨き上げには、精神性のような特定な考え方を強く出さず、来た人が自身で感じ取れるような形にしていく方が良い。


 

(参事官(地域振興担当)付地域振興係)