参考資料1 委員の主な発言(第3回会議まで)

<運動部活動の運営について>
○ 少子化や部活動の多様化が進む中で,それらの課題に対してどのように対応していくかということについては,対応が遅れている部分もある。
○ スポーツとか運動の活動が,社会の変化や時代の変化に少し遅れているのは,うまくいかないと感じながらも変えるタイミングがなく今に至っている。
○ 運動部活動に取り組む形が,以前と違って多様化しているので,それに対応していく必要がある。
○ 国民の意識も含めて,運動やスポーツに対しての考え方そのものを転換する時期にきている。
○ 変えてはいけない部分と,変えていかなければならない部分を間違うことなく 見極めながらやっていく必要がある。
○ 「ブラック部活」と言われる要因は,生徒の活動中の事故やオーバーユースによる健康障害,あるいは学習機会や私的時間の喪失。また,教員の長時間労働による健康被害が挙げられる。
○ 中学校の部活動は,強化的に行う部と学校教育的に行う部活動が混在している。
○ 中学校の女の子達は部活に入りたいのに競技レベルが高くて入れないから,運動部活動を避けて文化部に入っていくという現実もある。
○ 学校経営の面において,部活動が盛んというのは生徒募集の大きな一助になる。
○ 民間企業が部活動を今後サポートしていけるような可能性が大いにある。
○ 生徒と指導者の人間関係などを踏まえると,顧問教員が配置できない時だけ外部指導者を活用するような場当たり的な部活動運営は安易にすべきではない。
○ 外部指導者制度の導入が財源的に可能であれば,部活動を学校管理下の活動から,地域の活動へ移行することも検討してほしい。


<練習時間・休養日について>
○ 米国や欧州のバスケットボールの練習時間は2時間ぐらいが主流。米国には練習時間の上限ルールがある。
○ いたずらに休養日を設ければ,隠れ練習が全国で行われていく可能性や,休養日に練習していないか監視に回るおかしな現象になってしまう。
○ 強豪校の方がしっかり休養日をとっている。
○ 部活動指導員が配置されても,長時間にわたる部活動を改めなければ,子供にとって弊害をもたらす。


<健康面・安全面について>
○ 体育的活動,部活動をすれば一定のリスクは背負うが,事故防止・安全の観点 が大事。
○ 外傷予防の観点からも活動時間や日数についての目安が必要。
○ スポーツ外傷・障害の対策について,例えば,学校での指導者に対する講習会の機会を持つ,あるいは何かあった時に相談できるような体制が必要。
○ 生徒の健康面・安全面については,学校長がより具体的なデータに基づいた主体的な判断をすることが必要。
○ 女性特有の問題については,対応できる医師が少ないことや,現場の認識が不十分。保健体育担当教員ではない教員も正確な知識を持たなければいけない。


<部活動顧問(指導者)について>
○ 教員研修や教員養成課程において,包括的に部活動の意義,課題,解決策を学ぶ機会を設けるべき。
○ 指導者に「指導の在り方」,「効果的な指導」を説明して理解してもらう必要がある。
○ 運動部活動が国民全体の運動実施率に結びついてきていないのは,運動部活動の在り方にもどこか問題がある。生涯スポーツにつながるような指導の仕方や知識の与え方ということもこれからの指導の在り方には含まれていく。
○ 子供達の発育発達のことを考えないで,部活動をやり過ぎているということは,指導者養成を受けた指導者であればあり得ない。
○ 部活動指導者に指導者講習を行うには,気兼ねせずに参加できる環境を作る必要がある。
○ 体罰の根絶に向けて,競技団体は,指導者資格の講習会等を通じて,指導者の考え方を変えていかなければいけない。
○ 指導者資格は,基礎的な内容を短期間で取得できるよう,学校現場に則した制度に変えていく場合には,有資格の意義をはっきりさせる必要がある。
○ 地域のスポーツ指導者の活用については,蓄えた人材をどのように学校現場で活用するのかが大事。県体協,県教委,学校も含めたシステムの構築を検討していくべき。人材を探すという面では,人材派遣会社の活用も考えられる。


<部活動指導員について>
○ 部活動指導員の配置は,ボランティアベースではなく,しっかりとした報酬制度を設け,予算と人材の確保が必要。
○ 部活動指導員には,部活動は教育活動の一環であり,技術面での指導と並行して,その部活動を通して生徒を育てるという視点を兼ね備えた人材を育成・活用できる仕組みの整備が必要。非常勤講師や教員OBをうまく活用できると良い。
○ 部活動指導員の養成については,統一的な教育課程があった方が,効果が高いのではないか。日本体育協会のスポーツ指導者資格も含めて考えていきたい。
○ 部活動指導員に対する研修については,小規模の市区町村においては,指定市や中核都市と分担する方がすみやかに実施できる場合もある。また,生徒指導と実技指導のカリキュラムは,関係団体が役割分担するのが現実的である。


<教員の負担軽減について>
○ 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法令では,公立の義務教育諸学校等の教員には原則として時間外勤務を命じないことになっており,時間外勤務手当や休日勤務手当は支給されないことから,残業・長時間労働の促進みたいな状態になっており,抜本的に変えないといけない。
○ 教員の長時間勤務の是正という点でも必ずメスを入れなければならない。(教員は「無料の人材」ではない。)


<大会の運営等について>
○ 中学校では,部活のない引率や監督が非常に負担になっている。(引率や審判等,大会の役割を教員の誰かが担わないと大会が成り立たない。)
○ 大会の運営に関わる経費は保護者負担にするなどして,教員の無償の協力に頼らない大会運営が必要。
○ 地区大会や県大会や全国大会というつながり,あるいは平日の試合だとか土日の試合の設定,試合の数そのものは本当に適切か。
○ 中体連,高体連の試合の枠組み,あるいは組織の在り方も含めて少し再構築していかなければいけない。
○ 合同チームが県レベルの大会にも出場できる仕組みが必要。


<保護者について>
○ 保護者から学校に,部活動の内容(練習の方針,選手の選抜方法等)や帰宅時間など多岐にわたる意見があるが,部活動は教育課程外であり,部活動を希望する生徒を受け入れる教員がいて成り立つものであるということを,保護者会やPTA運営委員会等で周知するべき。
○ 部活動に関する連絡などの保護者同士の連携が,子供の部活動に影響している。


<学校教育・進学との関わりについて>
○ 運動部活動の問題は,大学入試とも関わっており,一芸スポーツ推薦入試やAO入試のシステムも含めて考えていかなければならない。
○ 保護者の中には,高校進学に関して,部活動が推薦入学や内申書に影響するという考え方を持つ方もいる。


<運動部活動の在り方について>
○ 運動部活動をどのように「持続可能な形にしていくのか」を考える。
○ 部活の原点に戻ったときに「今の在り方でいいのか」を考える。
○ 部活だけを見ないで在り方を考える。
○ 少子化の現代において,学校だけで閉じた状況の中では,子供の運動やスポーツのニーズにうまく応えることができない。学校と地域がうまく融合していけるかが鍵。
○ いろいろ多様な楽しいスポーツがあると,中学・高校から楽しく運動を続けて,それ以降も続けられ,疾病予防にもつながる。
○ 誰でも参加できる,文化部系の子供でも参加できるものがあるとよい。
○ 部活動は学校の中で閉じているだけではなく,小中学校あるいは特別支援学校との連携や,総合型地域スポーツクラブとの連携,また障害者スポーツとの関わりといった経験をすることによって,新たな気付きや学びが生まれる。


<ガイドラインについて>
○ ガイドラインは,現場の先生方が萎縮して,その情熱や熱意を削いでしまうようなものは避けなくてはいけない。
○ 子供と教員双方の合意が得られる条件をガイドラインでしっかり示していかなければいけない。
○ 教員の多忙化,子供の多忙化についても考慮する必要がある。
○ 学校部活動から地域のスポーツ活動への移行に切り込まなければ,中途半端なものとなる。

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