スポーツ推進会議(第5回) 議事要旨

1.日時

平成30年9月4日(火曜日)10時00分~11時00分

2.場所

文部科学省15階特別会議室

3.議題

  1. 「スポーツ実施率向上のための行動計画」及び「スポーツ国際戦略」等に関して今後関係省庁間で連携が必要な施策について
  2. その他

4.出席者

委員

(外務省)宮川大臣官房審議官
(厚生労働省)宇都宮健康局長、田仲社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長、内山老健局振興課課長補佐
(農林水産省)糸賀農村振興局農村政策部都市農村交流課課長補佐
(経済産業省)江崎商務情報局商務・サービスグループ商務・サービス政策統括調整官
(国土交通省)青木都市局長
(観光庁)平岡観光地域振興部長
(環境省)井上自然環境局国立公園課国立公園利用推進室長

スポーツ庁

(スポーツ庁)鈴木長官、今里次長

5.議事要旨

冒頭、事務局より、会議の開催の趣旨や最近の動向についての説明、更には、「スポーツ実施率向上のための行動計画」及び「スポーツ国際戦略」等に関して関係省庁との連携・協力をお願いしたい取組についての説明があった。その後、関係省庁からスポーツ関係施策の取組に関して、説明があった。説明の主な内容は以下のとおり。

(外務省)
2020年東京大会、ラグビーワールドカップ日本開催を控え、外交政策の中で、スポーツを通じた各国との関係強化の機会が増加。スポーツで築かれた信頼関係は、一生ものであり、今後とも積極的に進めたい。また、内外への広報の面でも、ロシアでのサッカーW杯での日本ファンによる試合後のゴミ拾いは一例であるが、関係各省からアイデアを頂きつつ、一層戦略的に実施したい。
本日は、スポーツ国際戦略に沿って2点、その他1点報告したい。
「Sport for Tomorrow」については、2014年から本年3月まで、スポーツ外交推進事業や文化無償資金協力、更にはJICA技術協力及びボランティア等を通じて、世界202か国・地域において裨益者数が660万人を超えた。これまで各国との首脳会談や外相会談等の機会を捉えて、様々な国に対して、「Sport for Tomorrow」の実績をアピールすることで、親日派育成、国際場裡における日本のプレゼンス拡大等に貢献してきたが、引き続き在外公館を通じて現地のニーズを的確に把握し、機動的に対応して参りたい。
ラグビーワールドカップについては、準々決勝と準決勝の間に即位の礼があり、様々な外国からの賓客が予定されている。円滑な受入れの面で外務省をあげて協力したいと思っている。
国際スポーツコミュニティへの積極的な参画については、特に国際競技団体の役員選挙支援につき、スポーツ庁と連携して引き続き行っていきたい。これまでの支援例としては、日本人の候補者が海外出張する際に在外公館主催でレセプションを行い、相手国関係者との人脈構築の手助けを行ったり、重要国からの選手やコーチの招へい、指導者の派遣の実施、大使から任国関係者への働きかけ等の側面支援を実施している。結果、カヌー、スキー、ボート等に加え、国際パラリンピック委員会や国際視覚障害者スポーツ連盟等の競技で日本人役員が選出された。選挙以外でも日頃より、日本から代表チームが海外に遠征する際、現地の在外公館において相手国関係者との交流レセプションを開催、海外から代表チームが日本で開催される国際大会に参加する際、壮行会を開催。最近では、在サンフランシスコ日本総領事館における7人制ラグビー日本代表チームとの交流レセプション、在アイルランド日本大使館におけるアイルランドラグビー男子代表壮行レセプション等を実施している。
先般閉幕したアジア競技大会や平昌冬季オリンピックに際して、南北統一旗の問題等スポーツの政治利用の問題が度々発生しているが、そうした事態を未然に防ぐべく、スポーツへの政治介入と捉えられないよう留意しつつ、今後も適切に対応していきたい。


(厚生労働省)
スポーツと健康づくりは密接に関わっており、今年の6月にはスポーツ庁と厚生労働省の連携会議を設置した。
厚生労働省では、「健康日本21(第2次)」に基づき、健康寿命の延伸など目標達成に向けた取組を行っており、具体的には、参考資料4のとおり、「適度な運動、適切な食生活、禁煙・受動喫煙の防止、健診・検診の受診」をテーマに健康づくりに取り組む企業・団体・自治体を支援する「スマートライフプロジェクト」を実施している。「スマートライフプロジェクト」に参加している約4,000の団体に対しては、スポーツ庁の「FUN+WALK PROJECT」についても周知した。また、連携会議での議論を踏まえ、「健康寿命をのばそう!アワード」に今年度からスポーツ庁長官賞を創設した。
厚生労働省の定める「健康増進普及月間」の一環で、神宮球場でナイトヨガが実施されているが、昨夜は鈴木長官にもお越しいただいた。
障害者にスポーツの機会を提供する取組に関しては、医療リハビリ機関あるいは障害者福祉施設との連携が必要となる場面があれば、周知等の協力をしたい。障害者スポーツの用具については、補装具製作事業者のような事業者等と医療機関の連携が進むよう、協力したい。
高齢者がスポーツに親しむ取組としては、スポーツ庁とねんりんピックで連携している。我々は、介護予防的な視点から、地域でのスポーツ活動を通じた健康づくりを行っている。加えて、現在地域包括ケアを行っており、その中にスポーツを含む健康づくりを取り入れて幅広く行っていきたい。


(経済産業省)
経済産業省では次世代ヘルスケア産業協議会の事務局をしているが、スポーツ庁長官にもメンバーとして参加していただいている。
厚生労働省とともに「健康経営」の取組を行っているが、特に企業の場合は、経営者の意識、企業文化を変えたいと考えている。歩きたくなるようなオフィス、上りたくなるような階段など、楽しく、意識しなくても運動になっているというような環境を作ろうと取り組んでいる。
ツーリズムではゴルフでも中国や韓国に比べてお得感があるようで、今後インバウンドの取込みが期待されるところ。
また、スポーツ・健康産業の総合展示会であるSPORTECでは、来場者の約三分の一が外国人であり、3年前から7種類ほどの武道を見せているが、評価が高い。本物の武道に触れたいと来日しても見せる場がないと困るので、本物の武道を発信する場づくりも必要。武道は、礼儀や礼節を大人になるまで教え続けるもので、日本ならではのもの。
スタジアム・アリーナについては、魅せるという観点が重要で、試合に負けても楽しかったというような人が集まる空間・コンテンツを作り、稼働率を上げるように工夫すべきである。


(農林水産省)
「スポーツ庁との連携」という観点で、福祉と観光について申し上げたい。
観光については、東京から大阪の観光地を一通り経験された訪日外国人の間に、農村や和食といった本物志向・特別志向のニーズがみられる。農村には、日本ならではの景観が見られるというメリットがあり、サイクル・ツーリズムやヘルス・ツーリズムなどが広がってきている。農村に泊まっていただくノウハウを持った地域を2020年までに500地域作り、農村が観光で副収入的に所得を確保できるようにしたい。


(国土交通省)
人口減少に伴う地域の疲弊化あるいはスポンジ化に対し、公共交通の整備や、まちづくりを集約していくという「コンパクト・プラス・ネットワーク」を進めている。その中での「FUN+WALK PROJECT」の取組は市民の歩行量や高齢者の健康増進に非常に役立つ。
最近、オフィスでも公開空地を広く確保するようなことをしているので、例えばその中で、運動に親しみやすい空間を創造することもできるのではないか。
ラグビーワールドカップは12施設のうち10施設を都市公園で行う。公園行政においては、最近はPFI的手法などの活用も進んでいる。スポーツ施設を整備する際にも非常に相性が良いと制度だと思うので、まちづくり施策がともに進化できるように連携協力させていただきたい。


(観光庁)
「明日の日本を支える観光ビジョン」では、2020年までに訪日外国人旅行者数を4,000万人とする目標を掲げ、そのための施策を進めている。旅行者数は今のところ順調だが、一方で旅行消費額については、今のところ4兆4千億であり、目標の8兆円まで倍近く上げないといけない。こうした中で課題となるのは、モノ消費からコト消費に移行している訪日外国人の旅行需要を踏まえて、外国の方が来日した際、楽しく、気持ちよくアクティビティをやりながらお金をつかっていただくことが重要。スポーツツーリズムはキラーコンテンツだと考えており、文化庁・スポーツ庁・観光庁の3庁連携の枠組を活用しながら情報発信等でさらに連携強化をしていきたい。
そのほか、スキーリゾートの活性化や地域固有の自然を活用した体験型コンテンツの充実、サイクル・ツーリズムやご当地マラソンのネットワーク化の支援、VR・AR技術の活用によるスタジアム・アリーナにおける新しいスポーツ観戦体験の提供などの取組も進めている。
今後日本での大きなスポーツ大会が続くので、観光庁としても情報発信をするとともに、スポーツツーリズムの施策の振興を図っていきたい。


(環境省)
国立公園は、登山、スキー、サイクリングやスポーツツーリズムの場として適している。
環境省では、国立公園満喫プロジェクトを行っており、2020年までに訪日外国人の国立公園利用者数を1,000万人にするという取組を積極的に進めているところ。例えば、欧米の方がロングトレイルを目的に来日されるケースが増えていることを踏まえ、青森県八戸市から福島県相馬市まで約1,000キロを繋いだ「みちのく潮風トレイル」の整備等に取り組んでいる。
国立公園の観光事業者、環境省の国立公園の事務所、首長と相談しながら、ツアーコンテンツの作成を急いでいる。こうしたスポーツツーリズムの分野で貢献できることがあると考えている。
また、環境省では、温暖化対策として自動車等をできるだけ使わないよう呼びかけているが、「FUN+WALK PROJECT」は温暖化対策においても非常に良い取組だと考えている。「ウォームビズ」のサイトの中で「FUN+WALK PROJECT」の特集を掲載している。

お問合せ先

スポーツ庁政策課