スポーツ審議会総会(第30回)議事録

1.日時

令和4年2月14日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. (1)令和2年度第3次補正予算及び令和3年度補正予算におけるスポーツ団体に対する補助案について
  2. (2)第3期スポーツ基本計画(答申素案)について
  3. (3)その他

4.議事録

【早川会長】  それでは、ただいまからスポーツ審議会第30回の会合を開催いたします。皆様大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の会合につきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策として各委員にWeb会議で御参加いただく形とさせていただいております。
 また、報道関係者の方も含めまして傍聴の方はYouTubeによるオンライン配信を御覧いただく形となりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に室伏長官に御挨拶を頂戴したいと思います。長官、よろしくお願いいたします。
【室伏長官】  皆さん、こんにちは。スポーツ庁長官の室伏でございます。本日は大変御多忙な中、スポーツ審議会総会の第30回会合に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 昨年の12月21日から今年の1月19日まで実施いたしました第3期スポーツ基本計画の中間報告についてのパブリックコメントや、1月31日に開催されましたスポーツ基本計画部会において、国民の皆様やスポーツ基本計画部会委員の先生方から様々な御意見を頂戴いたしました。
 本日は、その御意見を踏まえまして、大日方会長代理と相談の上、第3期スポーツ基本計画の答申素案を整理しておりますので、今後の取りまとめに向けて大所高所より御意見を頂戴できればと考えております。
 自由闊達な御議論のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入る前に本日の配付資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。
【事務局】  本日の配付資料でございますが、議事次第にございますとおり資料1-1から資料4、また、参考につきましては参考1から参考4-2まで配付してございます。不備などございましたら事務局までお声がけいただければと思います。
 以上でございます。
【早川会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は議事次第にもございますとおり、一つ目、令和2年度第3次補正予算及び令和3年度補正予算におけるスポーツ団体に対する補助案について、二つ目、第3期スポーツ基本計画(答申素案)について、この二つを議題といたします。
 それでは、議題1に入りたいと思います。
 こちらはスポーツ基本法上、「国がスポーツ団体等に対して補助金を交付する際にはスポーツ審議会の意見を聴かなければならない」とされていることから議題としているものであります。
 まず初めに、本日の出席者のうちスポーツ審議会運営規則第7条の利益相反に関する規定に該当する可能性のある方について、事務局より御紹介いただければと思います。
 よろしくお願いします。
【事務局】  それでは、利益相反に関する規定に該当する方、対象者でございますが、五十音順で敬称を略して御説明いたします。
 まず、大日方邦子会長代理でございます。
 続きまして、河合純一委員でございます。
 続きまして、境田正樹委員でございます。
 そして、早川茂会長となります。
 最後に、諸橋寛子委員でございます。
 以上でございます。
【早川会長】  ありがとうございます。今、御報告ありましたとおり私と会長代理の大日方委員の2名とも同規定に該当いたしますために、こちらの議題1のみ健康スポーツ部会において部会長を務められていらっしゃる御経験を踏まえまして、渡邉一利委員に進行をお願いできればと思います。
 渡邉委員、よろしくお願いいたします。
【渡邉委員】  分かりました。
 早川会長より御指名いただきましたので、議題1につきまして、進行役を務めさせていただきます。
 本議題に関する利益相反に該当する委員につきましては、ただいま事務局より御紹介いただきましたけれども、そのほか委員の皆様で該当する方はいらっしゃいますでしょうか。
(「なし」の声あり)
【渡邉委員】  特にいらっしゃらないようですね。
 それでは、本議題につきまして事務局より説明聴取を行った後、皆様より意見聴取を行いたいと思います。
 説明のほうよろしくお願いします。
【渡辺参事官(民間スポーツ担当)】  民間スポーツ担当の渡辺と申します。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、資料1-1の1ページを御覧ください。今回お諮りする内容ですけれども、全国規模のスポーツリーグまたは大会の主催団体への補助という形です。これは去年から3回目の説明になります。内容はほぼ同じようなものです。
 ここに文章を書いてあるんですけれども、ちょっとめくっていただいて8ページ目、御覧いただければと思います。これは予算を説明するためのポンチ絵ですけれども、ポストコロナに向けた全国規模のスポーツイベントの開催支援事業ということで、内容は四つに分かれております。
 一つ目が試合開催時における感染症対策の徹底及び広報という形で、これが試合会場のところでアルコールを置いたりとか、マスクをしてくださいという形の観客への呼びかけ、それから警備、そういったもの。それからこれだけ感染対策をやっていますよとか、こういうふうなことを徹底してくださいという呼びかけに関するような広報、そういったものを対象にしているのが1番目。
 それから2番目ですけれども、試合の運営改善における感染症対策の徹底ということで、例えばトイレのところで空気が滞留しているというようなことを測ったり、実際にマスクを会場のお客さんがどのぐらいきちんとしているのかということをAIカメラを使って測定をしたりというような、半ば実験的なもの、こういったものも2番目のところで対象にしております。
 それから3番目のところがポストコロナに向けた新しい取組ということで最新のデジタル技術を使って、実際に会場に来なくてもネットで見るようなことをもっと面白くするというようなこととか、新しい取組に対する支援も行っております。
 それから、ここまで前回も説明したものと同じなんですけれども、追加でされているのが4番目のところ、キャンセル料支援という形です。スポーツイベント、政府からの要請によって無観客をはじめとしてキャンセルをしたというものも多々ございました。これに対してキャンセル料を支援するものという形になっております。
 1ページ、2ページ、前に戻っていただければと思います。表、今回どこのチームが対象になっているのかというものの資料でございます。2ページを御覧いただければと思います。
 これは第2次公募という形になっておりまして、本年度の2回目の募集になっております。参考までに1次募集が6月から8月まで、それから今回皆さんにお諮りしているこの2次募集が9月から11月まで募集したものでございます。
 2ページ目にありますとおり25団体、約3億円が対象になると考えております。御参考までにその3ページ目、4ページ目、5ページ目、これが本年度の1次公募、2次公募、これを合わせるとどんな形になるのかというもので、参考のために作っております。
 今回御審議いただくのはこの2ページ目のところの第2次公募のものでございます。スポーツ団体に対するものなんですけれども、1次公募で出してきたものはそれに当てはまらないようなイベント、別イベントという形で出してきているものが多いので、金額は少ないという形になっておりますが、この2次公募だけに申請してきているもの、そういったものもございます。
 それからこれも毎回の御説明になりますけれども、例えばその新聞社みたいなものも入っておりますが、これはマラソンの大会とかそういったもので、NFと一緒になってスポーツ体育大会、全国的なイベントを実施したものでございます。合計25団体、約3億円になっております。
 以上です。
【助川障害者スポーツ振興室長】  失礼いたします、スポーツ庁健康スポーツ課障害者スポーツ振興室長の助川でございます。私からは令和3年度、今年度の補正予算におけるスポーツ団体に対する補助(案)について御説明申し上げます。資料は1-2、通し番号がございます場合は9ページを御覧ください。
 昨年12月20日に成立いたしました令和3年度補正予算におきまして、スポーツ庁では障害者スポーツ実施環境の構築支援といたしまして、昨年10月1日付で公益財団法人日本障害者スポーツ協会から名称を変更した日本パラスポーツ協会、こちらに対して10億22万8,000円の補助を実施する予定でございます。
 これの内容でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う障害者の運動離れ等に対応いたしまして、障害のある方々が主体的に運動・スポーツを楽しめる場を提供できますように9ページの2の内容の(1)のところにございますとおり、日本パラスポーツ協会から都道府県・政令市障害者スポーツ協会や、都道府県・市区町村、あるいは障害者スポーツの中央競技団体等を対象といたしまして、スポーツ施設等に対して障害者スポーツの用具の整備や障害者に対するスポーツの機会の創出に係る事業の支援を行うというものでございます。
 例えば、米印にございますように、スポーツ施設におきましてスポーツ用の車椅子などの個人が使用する用具を整備するですとか、あるいは障害者スポーツの実施に必要な仮設の床材、こういうような整備などに対して支援するといったことを想定しているものでございます。
 このような事業を日本パラスポーツ協会が実施するために、スポーツ庁から同協会に対して10億22万8,000円の補助をいたしたく考えておりまして、審議会の御審議をいただければと存じます。
 以上でございます。
【渡邉委員】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御意見等ありましたら、挙手ボタンを押していただきますようにお願い申し上げます。
 特に皆さん御意見はないということでよろしいでしょうか。
(「なし」の声あり)
【渡邉委員】  ありがとうございます。
 それでは、スポーツ庁におかれましては適切な補助金執行を行うことをお願いします。
 司会進行につきましては、早川会長にお戻しいたします。よろしくお願いします。
【早川会長】  渡邉委員、ありがとうございました。
 それでは、続いて議題の2、第3期スポーツ基本計画(答申素案)についての議論を行いたいと思います。
 本日の資料は先ほど長官からもございましたが、昨年12月21日から今年1月19日まで実施しましたパブリックコメントにおいて国民の皆様から頂戴いたしました御意見や、1月31日に開催しましたスポーツ基本計画部会において部会の先生方から御意見を頂戴して、その御意見を基に大日方部会長と事務局において御相談の上でおまとめいただいた第3期スポーツ基本計画の答申素案となっております。本日は、この第3期スポーツ基本計画の中間報告案について、御審議・御議論をいただければというふうに思います。
 この後、事務局から資料に基づく説明を聴取いたしますが、初めに大日方部会長より答申素案を取りまとめるに当たっての部会における議論の様子等、御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【大日方会長代理】  ありがとうございます、大日方です。詳細につきましては事務局より後ほど御説明いただきますが、まず、私からスポーツ基本計画部会における議論の概略等について御報告をいたします。
 昨年12月に取りまとまりました第3期計画の中間報告について、年末年始にかけてパブリックコメントが実施されました。パブリックコメントでは670件と第2期基本計画の際と比べて2.5倍以上の御意見を頂戴いたしました。頂戴した御意見等を踏まえまして、1月31日のスポーツ基本計画部会において部会の先生方に御審議をいただいた上で、その内容についてスポーツ基本計画部会長である私に御一任いただきました。
 その後、事務局とも相談いたしまして、本日お配りしております答申素案として取りまとめております。スポーツ審議会総会委員の皆様におかれましては、御審議頂戴できますと幸いです。
 それでは、事務局より中間報告からの修正や31日の部会での議論等について御説明をお願いいたします。
【早川会長】  それでは、よろしくお願いいたします。
【今井政策課長】  それでは、事務局より資料に基づき御説明させていただきたいと思います。資料2-1、2-2をまず御覧いただければと存じます。第3期スポーツ基本計画に対するパブリックコメントの結果概要でございます。
 こちらございますように、中間報告、12月の20日、昨年末まとめていただきました後、1か月間パブリックコメントを実施いたしました。ただいま部会長よりも御紹介ありましたが意見総数670件、前回の第2期の意見と比べまして2.5倍以上の意見をいただいたということであります。
 3番目にございますように、意見の観点別の件数でございますが、満遍なく御意見をいただいておりますが、やはり一番多かったのは第5章、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組む施策で大体5割強、御意見をいただいております。この総合的かつ計画的な中でも関心の高かったところにつきましては、(1)多様な主体におけるスポーツ機会の創出、これが129件ということであります。
 また10番目、スポーツの推進に不可欠な「ハード」「ソフト」「人材」、そしてスポーツにおける健康増進と、こういった順番で御意見をいただく件数が多かったということでございます。また、各章には当てはまらなかったものの、全体的な御意見というものも多くいただいているという状況でございます。
 続きまして資料2-2でございますが、こちらはそのパブリックコメントの主な意見の概要となっております。事前にもう配付させていただいておりますので、この後の審議の中で適宜御発言いただけたらと思いますが、こちらいただいた意見につきましては、私どもスポーツ庁の各担当において確認をさせていただき、御説明ができるもの、また、その趣旨が既に中間報告に入っているというものについてはそういった御説明できるような準備をさせていただいた上で修正をしたほうがいいもの等につきまして手を入れさせていただいたところであります。特に大きな修正箇所につきましてはこの後、答申素案のほうで御紹介をさせていただければと考えているところであります。
 以上がパブリックコメントの概要でございまして、続きまして資料3、答申素案を御覧いただけたらと存じます。お手元に通しページで27ページから始まっておりますが、第3期スポーツ基本計画の答申素案と題したペーパーが用意されているかと思います。
 まず、こちらございますように通しページの27ページ、8ページは構造についてでございますが、大きい修正箇所は27ページの第1章からこれまで第6章とさせていただいていたところ、総論の箇所、それから各論の箇所が分かりやすくなるように第1部、我が国における今後のスポーツ施策の方向性、それから第2部、今後の取り組むべきスポーツの施策と目標と、この2部構成にさせていただくことで第1章、第2章、それからこれまでは第3章以降でありましたものとの差が分かるように整理をさせていただいたのが大きいポイントであります。
 また、第2部第1章の(5)にございますが、国際交流・協力につきましては用語を統一したほうがいいのではないかというパブリックコメントをいただいたことを踏まえ、計画部会でも御議論いただき、国際交流・協力ということで用語を統一する修正をさせていただいたのが大きなポイントでございます。
 続きまして、通しページ29ページを御覧いただきたいと思います。ここからが「はじめに」以降の本文での修正箇所であります。
 ここの大きいポイントは上から数えて2段落目に「大規模なスポーツの国際競技大会としては」と書いているくだりがございますが、ここのラグビーワールドカップの記載を充実していくという御指摘をいただいておりまして、その点を修正させていただいたことでございます。
 続きまして第1章以降でございますが、通しページは32ページ目以降になろうかと思いますが、この辺り大きな修正はないのですが、ポイントは通しページ34ページを御覧いただけたらと思います。
 (4)クリーンでフェアなスポーツの推進によるスポーツの価値の向上というところでございまして、この点につきましては例えばスポーツ・インテグリティのところに11番という注釈を振らせていただきました。これは、議論がスポーツ・インテグリティのところを少し狭い概念で捉えられる向きもあるんじゃないかという御指摘が計画部会の中でもございまして、11番の注釈にありますようにそのスポーツ・インテグリティの定義を明らかにさせていただいたところであります。
 また、そのパラグラフの次のパラグラフ、「ドーピング防止活動については」と始まるところでございますが、ここはその2行目から「アンチ・ドーピングにおけるアスリートの権利宣言に記載されているような」というのを明記をした上で、下段に注釈を振らせていただくことでこの辺りの考え方をより明確にさせていただいた、そういった修正をさせていただいたところでございます。
 続きまして、通しページ36ページを御覧いただけたらと思います。スポーツの捉え方の中で特に「ささえる」でございます。上から数えてパラグラフは四つ目、「そしてスポーツを支えるという観点に関しては」と始まるところでございますが、この辺りはその2段落目になりますトレーナー、コーチ、審判、スタッフ、これの概念を少し整理させていただいたということ、また、そのささえるというメンバーの中にはそこから数えて4行目ぐらい下の真ん中から後ろに「加えて、ドーピング防止活動や紛争解決等のスポーツ・インテグリティの確保を支えるための関係機関の存在も必要である」、これを追記させていただいた次第であります。
 また、パブリックコメントでその後のパラグラフに出てまいりますが、Well-beingという言葉がございますが、これについてその定義を明らかにしてはどうかということがありましたので、17番という注釈を新たにつけさせていただいております。
 続きまして通しページ37ページでございますが、3.再確認された「スポーツの価値」の中で、上から数えて三つ目のパラグラフでございますが、「このように様々な影響が顕在化したことで」後を「むしろ」という平易な表現に直させていただいたという修正、また、一最後の行でございますが、この東京大会について様々な評価に分かれておりますので、大会の開催がプラスの評価が大きいものであったという評価だけにとどまらず、ここはより明確に「スポーツの力による」ということで、その概念をスポーツ全体に広げてプラスの影響が大きいということで修文をさせていただいたところでございます。
 続きまして、通し番号38ページ目を御覧いただけたらと思いますが、下のほうに目を落としていただきますと、下からパラグラフの数え方三つ目のところで「他方、SNSを中心に」と書いてございますが、この点については2行目のところ、「スポーツに取り組む人々の心身の」というところで、これは書きくだし方がちょっと形が硬かったので、平易な文章に直させていただきました。
 また、その下の段落に「このように、東京大会の開催を通じて」のところの2行目でございますが、当初は「我が国のスポーツ界がより発展していくため」というスポーツ界の発展だけだったのですが、それ以外にもスポーツが社会全体に与えるその影響が大きいところがございますので、「スポーツを通じて社会の活性化や課題解決を図っていくために」というのを追記させていただいたということであります。これはパブリックコメントの指摘を受けて修正をさせていただいております。
 続きまして、第2章以降御説明させていただきます。通しページは41ページを御覧いただけたらと思います。
 41ページでございますが、上から数えて4行目のところに注釈を少し充実させていただいた修正がございます。20番でございます。これは、パラグラフ自体はデジタル化について記載しているところでありますが、特にパブリックコメントの中ではeスポーツの在り方について記載できないのかという御指摘がございました。
 この点を踏まえまして、パラグラフ下のほうに注20番を振ってございますが、20番のところは「1例として」から六、七行ずっと書いてございますが、新しく追記いたしましたのは、「このようなIOCにおける指針等の国内外の動向を踏まえながら」のところでございまして、この中でバーチャルとスポーツとの関わりでこうして、(いわゆる)記載をしてこれらについて検討していく必要があるということを記載させていただくことでパブリックコメントに対応させていただけたらと考えております。
 また、中ほどから下に「以上のように」から始まるパラグラフございますが、この点につきましてはパラグラフの3行目に「以下の三つの新たな視点が必要」で、注釈を打たせていただいております。これは委員の御指摘の中で、全く新しい視点ではなかったのではないかという御指摘も踏まえまして、その「新たな」という観点がこの第3期基本計画をまとめていく中で整理をさせていただいたという意味で、新たな視点ということで、今まで全くやってなかったという意味での新しいさというものではないということを明記させていただいたところであります。
 そして一番最後の行でございますが、性別のところに22番と注釈を振らせていただいております。この点につきましては、パブリックコメントでいわゆるLGBTQなどのそういった点についても触れたらどうかという御指摘をいただいておりました。この点、現在様々な議論がなされておりますが、政府としても取り組んできたという意味では、こちらの22の注釈、41ページからございますが、第5次男女共同参画基本計画の中に「男女共同参画社会の実現に向けて」、次のページでございますけれども、「取組を進めることは「男女」にとどまらず、年齢も、国籍も、性的指向・性自認(性同一性)に関することも含め、幅広く多様な人々を包摂し、全ての人々の幸福が感じられる、インクルーシブな社会の実現にもつながるものである」という政府の共通の認識を閣議決定されている文書から引かせていただいて、その対応をさせていただいたというところでございます。
 続きまして、第2部第1章以降のところの修正点を御紹介したいと思います。通しページ46ページを御覧いただけたらと思います。
 第2章の一番大きい修正点はこちらでございまして、一番下のパラグラフでございますが、「さらに東京大会による」と書かれているところであります。これは、12月20日に本中間報告案をおまとめいただきましたが、実はその12月24日、中間報告後に国として調査しておりました児童生徒の体力の調査結果を公表させていただいたところ、その中で体力低下の傾向の下げ止まりがちょっと見られなかったということがございまして、その辺りの体力の向上に向けた記述を充実させていただいたという修正であります。
 この「さらに」の後、「東京大会による」の後から3行ほどは全く新規の追加でございまして、そういった「近年の子供たちの体力低下における食い止めに向けて、学校における体力向上に向けた継続的な取組の充実や地域におけるスポーツの機会」、この辺りを追記させていただいた次第でございます。
 続きまして、第2部第2章でございます。通しページ49ページを御覧いただけたらと存じます。
 1.(1)、上から数えて3行目のところで「運動やスポーツ・レクリエーション」ということで、レクリエーションの前に「スポーツ」というのを明記してはどうかというパブリックコメントをいただき、用語の統一を図らせていただきました。その上でその下のパラグラフ、「また、人生100年時代を迎え」以下の「さらに」のところが最後につけ加わっているかと思いますが、「さらに、児童生徒が生涯にわたって」のこの4行、5行につきましては今回、体力調査の結果を踏まえた新たな充実として記載をしております。
 特にポイントは、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査の改善を図り、その調査や分析結果を体育の授業などのより一層の充実につなげるための方策を検討する」、これを明記させていただいた次第でございます。
 続きまして、通しページ52ページを御覧いただけたらと思います。これはパブリックコメントで総合型地域スポーツクラブについて注釈を振っていただいてはどうかという御意見をいただいておりましたので、52ページで注釈を振らせていただいた、そういった修正をさせていただいております。
 続きまして、第2部第3章以降の修正箇所について御紹介を申し上げたいと思います。大きい修正は通しページ56ページ以降を御覧いただけたらと思います。
 通しページ56ページ、上から数えて二つ目の小さな黒ポツのところでありますが、この点につきましては運動部活動改革についてその検討会議で現在検討しているという箇所でございますけれども、この点、パブリックコメントの中でもできるだけ早く現場に改革の方向性をお伝えしてはどうかという御指摘も踏まえまして、令和4年の可能な限り早期に提言をまとめるということで、その修正をさせていただいております。
 また、通しページの57ページを御覧いただけたらと思いますが、この点につきましては特にb.子供・若者の日常的な運動習慣の確立と体力の向上のところでございまして、二つ目の黒ポツのところで幼児なども考えますと、運動のみならず体を動かす遊びを含むとしてはどうかという委員から賜った御意見を入れております。また、調査結果、先ほどの体力調査の関係で修正したもの、また、その分析を明記させていただいたのが二つ目の黒ポツと三つ目の黒ポツでその記載を充実させていただいたところでございます。
 続きまして、その次のページを御覧いただきますと、通し番号58ページでございますが、上の黒ポツのあたりの数字につきましては最新のデータに切替えをさせていただいた上で、真ん中から始まります具体的施策の中のエの部分でございますが、「国は」から始まるところについて記載を大幅に充実させていただきました。特に2行目から以降はほぼ新出の文章になっておりますが、ポイントは体育の授業のみならず特別活動の体育的行事、また授業間の休憩時間を活用した体力向上などの働きかけ、さらにはその後2行目にありますように、学校や地方公共団体が家庭や地域とも連携をして子供たちの体力向上に向けた取組、それを促すための国からの優良事例等の提供、そういったことを追記させていただいたところでございます。
 続きまして、ページ数は飛びまして通しページ62ページを御覧いただけたらと思います。
 実はこの第2部第3章は全部で12の施策がございますが、中間報告まではその12の施策全てに政策目標が振られていない状況でございました。このため、この(2)スポーツ界におけるDXの推進のすぐ下に破線の政策目標が追記されているかと思いますが、その御指摘も踏まえまして今回、新たにこの政策目標を追記という修正をさせていただいているところでございます。
 続きまして、通しページは大きな修正点は69ページを御覧いただけたらと思います。
 ここは先ほどちょっと御紹介いたしました用語の調整で「スポーツの国際交流・協力」というふうに修正をさせていただいた上で、これまでなかった政策目標、これを追記させていただいております。
 その上で70ページから71ページを御覧いただけたらと思いますが、特に上の「今後の施策目標」のところで二つ目のチェックレ点のとこにありますが、最後に「世界中の国々の700万人の人々の裨益を目指す」という目的を追記させていただいたこと、また、それを支える事業といたしまして、具体的施策イのところの一番下でありますが、現在の予算の編成状況、準備状況を踏まえまして、「ポストSFT事業」を実施するという追記、そういった修正をさせていただいております。
 続きまして72ページを御覧いただけたらと思いますが、ここは大規模な国際大会の誘致と開催支援等でございますが、特に上から数えてエのところを追記させていただいております。
 現在、札幌市におかれましてはその方向性、冬季大会の招致に向けた動き出しを昨年度末から力強く打ち出しをされております。また、国会議員の先生方の中でもこういった誘致に向けた取組というのが今、動きが出てきております。そういったことも踏まえまして、エのように「国は、2030年オリンピック・パラリンピック冬季大会の北海道・札幌招致の成功に向けた支援について検討する」ということを新たに追記させていただく修正をしているところでございます。
 続きまして、修正は通しページ76ページを御覧いただけたらと存じます。
 こちらにつきましてはパブリックコメントの指摘でございまして、真ん中から始まります具体的施策のウのところでありますが、「国は」の後、「スポーツの自立的発展に向けて」というのを追記などさせていただいたところであります。
 続きまして、通しページ78ページを御覧いただけたらと思いますが、ここはスポーツによる地方創生、まちづくりの観点でございますが、イのところの二つ目の黒ポツにつきましては、これはこのスポーツ審議会の委員の御指摘でもございました、地方活性化の中でも人への投資ということが明確になるように記載したらどうかという御指摘をいただいて、修正させていただいております。
 続きまして、通しページ81ページを御覧いただけたらと思います。
 こちらにつきましても委員からの御指摘を踏まえまして、今後の政策目標、真ん中から下でございますけれども、特に追記はチェックレ点の一つ目の2行目、スポーツを実施していない非実施層に対する関心を高める「障害者スポーツの体験などによる」というのを明記した上で、その理解啓発を深めるということの具体的なものを明確化しております。
 また、一番最後のところにありますが、障害者スポーツを体験したことのある者の割合を何%程度にするということ、これはもうじきこの辺りのパーセンテージがオープンになりますので、それをベースにその目標を設定するということで準備をさせていただいているところでございます。
 続きまして、通しページは83ページになりますが、これは9番の担い手となるスポーツ団体のガバナンス改革・経営力強化で政策目標を追記しております。
 続きまして、通しページ84ページを御覧いただけたらと思いますが、そのガバナンスの流れの中で特にアのところにつきましては、スポーツ団体にも規模が様々ありますがやはり皆、そのガバナンス改革が大事でございますので、1行目から2行目、「その規模にかかわらず、それぞれの団体が」という追記をしたということ、これはパブリックコメントでの指摘でございます。
 また、イのところでございますが、ここはそもそもは経営を行う人材の雇用というところだけだったのですが、経営以外も事務局のような人材も必要だろうし、また、外部から連れてくるだけではなくて育成も必要だろうということで、それが読めるような修正をここで加えさせていただいております。
 続きまして、この同じページの(10)のところは新たに政策目標を追記させていただきました。
 続きまして、通しページ89ページを御覧ください。
 ここは指導者の育成等々に関わる部分でございますけれども、そのところのチェックレ点二つ目、真ん中のところでございますが、今後の施策目標のところで「暴力、不適切指導等の根絶」と書いてあるところに、「あらゆる」というものをつけたほうがより趣旨が明確になるのではないかというパブリックコメントをいただきまして、修正をさせていただいております。
 続きまして通しページ90ページを御覧いただけたらと思いますが、上から数えて特に大きい修正はカの箇所でございます。
 この点につきましてはパブリックコメント、また委員からの御指摘も踏まえまして、女性のコーチ、また、女性選手を指導できるコーチの能力を高めていく、そういったことがよく分かるようにJSPO等との連携、そして女性の健康課題等の指導者の理解促進、また、女性のスポーツ指導実施に係る指導に精通した指導者養成支援、そういったことを新たに明記をさせていただいた次第でございます。
 また、同じページの下、具体的施策のアところでございますが、ボランティア等については様々な人材がおりますので、ここは「スポーツに関わる」の後に「多様な」というものを明記をさせていただいて、その人材の拡充を支援することを記載させていただいた次第であります。
 また、次のページの一番下の11番、安全・安心の確保につきましては政策目標を追記させていただいております。そしてさらにページを2枚おめくりいただきまして、12番の施策、スポーツ・インテグリティの確保につきましては政策目標を追記させていただきました。その上で通しページ94ページを御覧ください。
 こちらに、そのスポーツ・インテグリティの確保の②番で紛争解決制度の整備がございます。その現状の中で三つ目のところにスポーツ仲裁制度に関する理解が十分進んでないということを明記させていただく修正を追記した上で69ページでございますが、これまではアの「紛争解決制度が構築され」というところだけだったんですが、委員の御指摘を踏まえましてイを追加させていただきまして、必要に応じてそのスポーツ仲裁調停制度の見直しを行いながら、特に御指摘は「財務基盤や人的資源を含めた体制の整備も図る」ということで、イを新規に追加させていただいた次第であります。
 そして続きまして通しページ96ページを御覧いただけたらと思いますが、この点につきましては上から見ていただいてウのところでありますが、特にアンチ・ドーピングにつきまして、この結果管理の体制の構築促進というものを追求してはどうかというパブリックコメントをいただきまして、ここはそれを追記させていただいております。また、その基準に関しては79番という注釈を新規につけたということでございます。
 以上が第2部第3章に関しての修正箇所でございます。
 そして最後に第4章でございますが、通しページは100ページを御覧いただけたらと思います。
 まず、こちらは1.のEBPMを進めていく中で最後に「また、スポーツに係る取組・施策の」と書いてあるパラグラフを新たに追記いたしました。これは、パブリックコメントの中でも国だけがEBPMを進めるのではなく、その1行目に書いてございますように地方公共団体やスポーツ団体においてもそういった目標をしっかりと設定して管理をしていく、そういったことが必要ではないかという御指摘があり、それが望ましい旨であることを追記させていただいた次第であります。
 そしてそのページから下、広報活動の推進が始まりますが、特に大きな修正は通しページ101ページを御覧いただけたらと思いますが、上から数えて4行目からでございます。特にここは単に情報を発信するだけではなくて、「そして」という以下のくだりを追記しておりますが、「今度はその実施例等が広く広報活動を通じて展開され、スポーツ活動の支え手となる地域のネットワーク等へ広がって新たな実践につながる、すなわち広報したことがどんどん新しい実践につながっていく」、そういったアクティブな広報活動を推進していくということを明記したらどうかという委員の御指摘を踏まえて追記をいたしました。
 また、すぐその下のパラグラフの最後の2行目のあたりに「スポーツ関係者の協力を得ながら」とこれまで書いてあったところ、それ以外の関係者であります地方公共団体や企業なども含めて様々な主体の協力を得て取組を進めるということを、これも委員の御指摘を踏まえて修正させていただいた次第でございます。
 これが第2部第4章のところでございまして、最後に通しページ105ページを御覧ください。
 今回様々計画部会までで御議論いただいてまいりましたが、やはり議論が尽くせなかった箇所もあるだろうということでこの「おわりに」を今回新たに追記させていただきましたので、御確認いただけたらと思います。
 形としましては、まず令和4年度からの5か年の計画について取りまとめたんですけれども、引き続き議論する事項があるということでその後「例えば」のところからは例えばデジタル化の中でのまだまだ議論すべき点、また、運動部活動、そして「さらに」のところは多様性と調和の確保に向けた指摘、そして最後にはライフスタイル等多様性の進展の中でのスポーツへの参画の仕方、こういったようなところについては今後ともその検討を止めてはならないだろうと。一方で変えてはいけないものがあるだろうということで、最後の段から「他方」と書いてあるところでありますが、やはりスポーツが人々が感じる「楽しさ」や「喜び」、これを根源を持つものとしてその振興を図っていく必要がある、そういったこと含めて80ページ目の上からでありますが、「不易と流行」を意識した上でこの第3期計画期間中で生じた課題についてもしっかりと検証していき、また、そういったものをしっかりとスポーツ振興に生かしていくということで最後の終わりをまとめさせていただいておりますので、御確認いただき、御審議いただけたら幸いでございます。
 また、81ページ目以降は用語の解説・索引をつけておりますので御覧いただけたらと思います。また、最後の資料でございますが、資料4を御覧いただけたらと思います。
 これは昨年の11月にも御議論させていただきましたが、現在特にスポーツ界におけるEBPMの議論を進めさせていただいておりまして、これは経済財政諮問会議の系列、また内閣官房とも相談をしながら検討を進めておりますが、そのロジックモデルを前回示したものからその後の議論の進捗を経て修正させていただいたものであります。
 今後スポーツ行政を考えていく上ではこちらにありますようにインプット、アクティビティ、アウトプット、初期アウトカム、そしてそれが最終的な長期アウトカムに与えて社会にどんなインパクトを与えるのか、こういったことを意識していきながらその計画を推進し、不断の見直しをしていく中でまた第4期以降の計画につなげていく、そういった意識を持って取り組みたいと考えておりますので、本日御議論いただけたら幸いでございます。
 事務局からの資料説明、以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、早速意見交換に移りたいと思います。時間の都合もございますので、恐縮でございますが、委員の皆様におかれましては御発言はできる限り3分程度の時間に収めていただきますよう、御協力よろしくお願いいたします。
 一通り御発言いただいた後に時間がございましたら2回目の御発言をいただくような機会をつくりたいと思いますので、お願いいたします。
 また、第3期計画の取りまとめに向けて今回まさに最終局面でございますので、委員の皆様からいただいた御意見に対して本日はその都度、または少しまとめて事務局からもしっかり御説明をしていただく機会を持ちたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、これは挙手ボタン押していただくのか、手を挙げていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 それでは久野委員、よろしくお願いいたします。
【久野委員】  ありがとうございます。さらに整理されて、構造化もされて理解しやすくなりました。ただパブリックコメントでもありましたが、もともと分量が多いので、全部読み切れなかったり、見落としている部分もあるかもしれないので、その点も踏まえて御質問させていただけるとありがたいと思います。
 健康スポーツのところからあったと思うんですが、今回の策定の中でエビデンスが不足している領域が幾つかあって、そのエビデンスを政策立案のためのエビデンスという視点で集積していくような観点が見つけられなかったので教えていただきたいですし、もしそこが落ちているようであれば入れていただいたほうがいいんじゃないかと思うので、御検討いただけるとありがたいというのが1点目です。
 2点目は75ページのエの「国は医師会の協力を得て」というくだりです。当然、医師会との連携というのは非常に重要と思うんですが、次の「医師が作成する運動処方の情報に基づき」は「患者さんの情報に基づき」のほうがいいんじゃないかと思います。その理由は、今、私は医師会と連携した自治体のプロジェクトを幾つか支援しているのですが、全部医師のほうで運動処方を作るとなると医師側で仕事が増えるということで難色を示される場合を多々見ていまして、これをより連携して、もちろん医師のほうで処方していただくことが駄目だとかそういうことではなく、それをやっていただけるんであればそれはそれですごくありがたいことなんですが、非常にここが具体的に書かれてしまっているので、結果的に止めやしないかというところが少しここは心配ですので、ここはもう少し文言の調整が必要なところじゃないかと思いました。
 すいません、一通り質問だけさせていただきます。次が順番でいくと78ページ、先ほど課長さんの御説明の中でも人への投資ということ、これはどこかの会議で私も発言させていただいてこのような形で書き込んでいただいたことはありがたいんですが、割合すごく具体的に書かれているページとそれからここは施策と書いてあるんですが、「人への投資でもあること」というふうにしか書かれてなくて、具体的ではないんですよね、施策としては。これは例えばもう計画ですからあまり細かく書かずにある程度読めるという観点で書かれているという範囲で今後、これの具体的計画がつくられる予定なのでこういう表現、今後詰める時間が必要だということでこういう表現なのか、ちょっとこの辺りはもう少し、このときの私の発言としては非常に全国に国立大学、地方大学があってやっぱり今、文科省もリカレント教育というのを非常に進めている中で、こういうスポーツ全般、この計画を推進するリカレント教育を進めていくというようなことはこの5年間で非常に具体的な人への投資って大事じゃないかなと思うんですが、大学でもリカレントだけとは思わないんですけど、少しこの辺りの具体性がやっぱりここはあったほうがいいんじゃないかというふうに思いました。
 あと79ページの一番上にある「革新的ライフスタイル」、そのという言葉に違和感を感じました。
 すいません、最後87ページです。少し気になるのは今回ちょっと全体を読んでいわゆるスポーツ環境やスポーツと健康の関係での地域格差をなくすという発想、考え方について健康スポーツ部会ではかなり議論して渡邉部会長から御提案されたと認識をしているんですが、そういう中でJSPOが支えている地域総合型クラブなどが健康スポーツの領域でほとんど一言も書かれていない、まちづくりのところでしか出ていなくて、しかも健康との兼ね合いでの関わり、さらに子供や競技のところの関係はあるんですが、高齢者のところとか非常に民間のフィットネスとかそういうない地域で総合型の役割は大きいはずなんですが、その辺りがあまり位置づけられていない。もう少し全体にそこを読めるようにしていただくほうが、もともと総合型はそういう活動を全国でやられていますので、少しその辺りをしっかりと書いていただけるほうが、特に健康スポーツ部会の活動という観点では重要じゃないかと感じましたので、その辺も御意見をいただけるとありがたいと思います。
 すいません、以上でございます。
【早川会長】  ありがとうございました。今、久野委員から五つほど御意見、御質問いただきましたので、羽鳥委員からのコメントの後にそこも含めて事務局から回答いただきます。
 では、羽鳥委員、よろしくお願いいたします。
【羽鳥委員】  久野先生、どうもありがとうございます。
 僕の特に強調したいところは運動に携わる運動指導士さんとか、スポーツ指導者の方々に医師と連携をしっかり取ってほしいということであります。
 特にスポーツ医学が非常に進んでいること、運動生理学、それから運動に関する学問が非常に進んでいるということを含めて、医師と連携を取ってほしいということを強調したいのでこういう書き方で僕はいいんじゃないかなと思います。
 まず、安全という面では例えばAEDの使い方、それから救命救急の在り方、倒れてしまった人の胸を1分間に120回ポンポンポンポンポンと押していくということがもう普通に一般的に行われる、アメリカとかヨーロッパのような状況に早くなればいいなということが一つ。
 それと同時に前回もお話ししましたが、気管支ぜんそく、あるいは肺気腫とか肺の御病気、慢性腎疾患、透析の方も含めてこういう方も運動するほうが予後が全然いいんだということ、心臓リハビリテーション、心不全の方も運動に携わることによって予後がよくなるということ、そして高齢者ももちろん、ロコモ、フレイルもそうですけれども、そういう新しいことがどんどん出てきているので、そういう知識を現場の指導者の方にぜひ持っていただきたい。そういう意味で、医師と連携を取ってほしいということです。
 先ほど運動処方の話がありました。確かにいわゆる健康保険、診療報酬で健康保険と取れる運動処方箋というのはハードルが高い先生もおられると思います。その運動処方に関しては体育協会のスポーツドクターとか医師会の健康スポーツ医など本格的な運動処方の書ける先生は書いて、そして言葉をやり取りするんでもいいかもしれませんけど、もっと簡便な処方も提案しています。
 全く医療を無視して何らかの疾患を持って運動している方が多いので、主治医の先生、あるいは運動に理解のある先生と連携を取ってほしいという意味で申しました。ぜひこれは実現してほしいと思います。久野先生の答えの全部にはなっていませんけど、御理解いただけますようお願いします。
 以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、ここで事務局のほうから御説明お願いしたいと思います。
【小沼健康スポーツ課長】  健康スポーツ課長の小沼でございます。
 まず、最初にエビデンスの話があったかと思います。エビデンスについては個々のパートのところには書いてございませんけれども、通し番号の99ページのところでEBPMということでまさにエビデンスを集めて施策をきちんとつくっていこうということで書いてございますので、この部分で読めるかと思っております。
 あと、もちろん久野先生のお話しのようなエビデンスを集めるということは非常に大切だと思っておりますので、令和4年度から少しこういったエビデンスを集めるような予算も取りまして、今後政策的に必要だというようなテーマを設定させていただいて、研究者の方々の御協力をいただいてエビデンスを集めていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから今、羽鳥先生からお話があったところは、まさに羽鳥先生がおっしゃったとおりでございます。日本医師会さんのほうから一昨年6月に長官のほうに御提言いただいておりまして、その中でもやはり主治医の先生方から運動とかスポーツというものをお勧めいただいて運動するようになった、体を動かすようになったという方がたしか7%か8%ぐらいおられたということもございます。
 そういう意味で医療連携は非常に大事だと思っておりまして、先ほど羽鳥先生も言われましたように診療報酬とかそういったものの運動処方だけではなくて、もう少し幅広にということで考えてございますので、この部分は羽鳥先生等の御意見なども踏まえて、できればこのままでいきたいなというふうに思っております。
 それから、人への投資、その辺につきましてはちょっとまた別の担当者がございますのでそちらのほうで御説明をさせていただきます。あと最後1点は、総合型クラブの関係です。通し番号87ページの部分かと思うんですけれども、要は総合型クラブというのは競技力であるとか子供の体力向上、そういった観点で書かれていて健康の点が抜けているんではないかということでございます。
 この健康の話であったり、介護予防や子育ての関係であったりとかは非常に重要なテーマだと思っております。そういった中でいきますと現行の第二期計画の中で総合型クラブの登録認証制度というものをつくるということになっております。特にその認証制度の部分では、高齢者の介護予防を行うクラブであるとか、子育て支援をやるようなクラブであるという地域の課題に応じた認証制度をつくるということになってございまして、そちらのほうがこの4月からまた動き出すということになってございます。
 そういう意味でいきますと既に第2期の計画の中にはある程度書かれているということと、それから健康スポーツ部会の先生は御存じのとおりいろいろな基本計画に付随するような行動計画とかそういったものがございますので、そういった中でも書かれておりますので、そういったものを今後どうしていくかということをまた健康スポーツ部会の中でも議論させていただく中で少し考えていきたいと思っております。現状ではこのままでいかしていただければと思っております。
 以上でございます。
【鬼谷地域スポーツ振興調査官)】  スポーツ庁地域振興担当の鬼谷でございます。
 久野先生から地方創生の関係で2点御指摘をいただきました。1点目の人への投資のところでございますけれども、こちら具体的ではないという御指摘だったんですが、こちら記載させていただいた意図としましては、これまでスポーツ庁としまして地方創生というとツーリズムを中心に取り組んできたところを今後はそういったここに記載しているような地域住民の健康づくりですとか連帯づくりといったところまで広く含めてまちづくりといったものに取り組んでいきたいというところでございまして、イの柱書きのところで書いておりますように、ここは実際に取り組む上での発想の転換というところで、若干抽象的なところを書いております。この点については、今後、具体的にどういった人への投資の支援ができるかというところは思っていきたいと考えております。
 2点目の革新的ライフスタイルのところでございますが、ここは少し革新的というと言い過ぎではないかということでございましたが、こちら注釈のほうをつけておりまして、79ページの下のほうに記載があるのですが、例えば2拠点生活を送りながらスポーツを行っていただくですとか、あるいはオンラインで仕事をしながらスポーツにも取り組んでいただくといった、現にあるんですがまだ広くは普及していないようなこういった新たなライフスタイルといったものを指して、ここでは書かせていただいております。こちらの文言の記載については少し検討したいと思っております。
【早川会長】  ありがとうございました。久野委員、今の説明でよろしいでしょうか。
【久野委員】  ありがとうございました。羽鳥先生がおっしゃる点、全く同意なんですが、ただ現実的にその運動処方という言葉が独り歩きしないかなというところだけが、すごく心配だったんですね。その羽鳥先生の御説明の内容は私がイメージしていたもの、あるいは先ほど課長さんがおっしゃっていただいた内容と多分3人が考えて目指している方向は同位なんですが、ただ国の計画のこの文章のいわゆる運動処方という言葉から理解をどういうふうに取るかなというところに逆に心配になって、結果的にその進めていくべき方向性が止まるんじゃないかというリスクが、結構この分野にずっと関わってきた一人としてはちょっと心配なので、もうこれでそんなに引っかからない、大丈夫だということであれば全然構わないんですが、ちょっとそういう心配だったということだけ付け加えさせていただいいて、後はスポーツ庁のほうにお任せしたいと思います。
 あとはいろいろお考えいただいていてお答えいただいた方向性は非常にいい方向性だと思いますので、非常に安心しました。ありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございます。それでは、続けて委員の意見いただきたいと思います。
 次に山田委員のほうから御発言をお願いします。
【山田委員】  ありがとうございます。ちょっと久野先生と通じるところがあるんですけど、私も人への投資を主張した一人なんですけれども、そのときに考えていたのは地方創生ということだけではないんですね。本当だったら全体の流れの中で新たな三つの視点、その中で2番目の「集まり、スポーツを共に行い、つながりを感じる」、これ、社会づくり、まちづくりに通じる話で、スポーツを通じた共生社会の実現が書かれているのですけれども、本来地方創生とかも、ここに入ってこなきゃいけないんです。ここでは狭い意味での共生社会の実現だけになってしまっているので、その辺りのことがうまく出てこないんです。
 「人への投資」というのは本来であれば健康な地域をつくることによって人が安心して暮らすことのできる、これ実は地方創生の中の一つなんですけど、そうしたものをまず一つつくる。そしてありとあらゆる多様な人たちがスポーツを通じてつながって、共に支え合って生きていける共生社会の実現を通じて人への投資という意味だということを私としては確認させていただきたいなと思います。
 なかなか途中で文言を入れるのは難しいですし、文章を直すのは難しいと思うんですけれども、人への投資というものがそういう健康づくりを通じて、まさに地域のインフラをつくっていく。そしてそれは単にインフラをつくるだけじゃなくて、地域の活力につながる。そして人がつながることによって共生社会に入っていくことができる。スポーツというものがこれから人への投資の中心になるんだという意味合いですよね、そこだけ確認をさせていただきたいなと思っております。
 あとは具体的な施策等について、そういうことを踏まえてまたこれから今後、事務局のほうで考えていただけたらありがたいなというふうに思います。
 私からは以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは今、山田委員の御指摘についての回答も、もう一方の委員の発言の後に併せてしていただきます。
 それでは、友添委員のほうから御発言をお願いします。
【友添委員】  ありがとうございます。友添でございます。
 随分読みやすくなり、まとまりがついて非常によくなったと感じております。最初にお願いになります。この文書を一つの論文としてみた場合、もちろん行政文書と論文がイコールではない部分がかなりあるとは思うのですが、全体の構成のところでいうと、第1部は、前出しをして区切りをつけて1部の2章で新たな視点の前出しをされたということで、これもよく理解できるところです。
 2部に入って具体的に東京大会のレガシーの継承、これはもう特出しをすべき重要な内容だということで2部の最初に特出しをされた。これもよく理解ができるところです。その次の第2章の三つの視点、これも今井課長からご説明がありましたように、言わば基本計画の中での新たな視点という意味で大切な部分だし非常によく理解ができました。
 その次で言うと、この2章の1、2、3の三つの視点の順序性と構造性がもう少し分かるような形で書いてもらえるとありがたいなと感じています。というのは、第3章に入ってくると具体的な施策が12、それからもっと細分化されていくわけですけれども、どういう順序性でこの1番から12番が書かれなければいけなかったのかというところが、もう少し鮮明に分かるように、どこかで触れてもらえればというふうに思います。
 どこかというのは第4章の中で、この1から12までの流れがどういう順序性、もっとはっきり言うと全ての施策は重要なんだけれども特にこの中でもプライオリティを考えたときにこうなんだというところの位置づけですね。第2期でいうと人生、社会、世界と未来という四つのワードで順序性をつないでいる、あるいは構造化しているところがあると思っているのですが、今回三つの視点でつないでいるのか、あるいは何をもって第3章の順序性をつくり上げているのかというのが非常に細分化されていて細かいところ、マクロの世界に入っていくと全体的な構造がよく見えなくなってしまう可能性があるので、4章の中で少し触れていただけたらと思いました。あるいは、もし御説明がいただけるのであればどういう順序性で12個並べられているのか、三つの新しい視点とこういう構造的な関連性があるということを御説明いただければと思います。
 もう1点、これは通し番号でいうと105ページの最後のほう、本体でいうと79ページの最後のところかと思う部分です。「おわりに」を新しく付け加えたということで、この文章は非常によく分かりますし、理解ができるところです。ただ1点、少し気になったところは、通し番号105ページの下のパラグラフのところ、「第1部第1章で示したように」から始まるところで、「スポーツは楽しさや喜びに根源を持つ」と。「時代を経ても変わることがないスポーツの根源を必ず留めたうえで」というふうに書いてありますが、「楽しさ」や「喜び」は実は情意的ないわゆる機能的特性というふうに言われていて、実体が見えるものではありません。楽しさの実体とか、喜びの実体というのは実は把握できないし、目に見ることもできないわけですけれども、それに根源を持つ、つまり物事の初めを持つというふうな形で書くとちょっと誤解を与えるのではないかと感じたところです。
 もし書くとすれば、「楽しさや喜びに本質を持つ」というあたりだと落ちてくるだろうなというふうに思いました。「根源を持つ」というふうに書いてしまうとスポーツの根源については労働起源説も結構学会の中では根強いところがあるので、それは少し誤解を与えるというように感じたところです。
 それとその次のところで言えば「必ず留めたうえ」って、普通で言えば心に留めるとか、留意するというような表現が妥当かなと思うのですが、留めるところの対象が書かれていないので、日本語として少しよく理解ができないなと感じたところです。
 以上です。よろしくお願いします。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、二人の委員からの御指摘、提案について事務局のほうから回答をお願いします。
【今井政策課長】  失礼いたします。それでは事務局より御説明のほうさせていただきたく存じます。
 まず、山田委員よりの御指摘ありがとうございました。人への投資について、まずは地方創生のところで記載をしておりますが、通しページ102ページのところでございまして、今日の説明では割愛をさせていただいたんですが、実は山田先生からこの点前回12月の会議でも御指摘をいただいていて、そのときに追記させていただいておりまして、通しページ102ページの上から数えて二つ目の段落でございますけれども、「こうした取組を通じて」のところは実はそのときに新設をさせていただきました。その中でまさに「スポーツを通じた人への投資を充実」ということでこちらございますように、「人々の健康を増進したり、地域の活性化や課題解決に寄与したりすることとなり、人々の生活や心を豊かにできることを明らかにして、国民からの期待、指示、それを受けてさらなる財源確保につなげて好循環を作り出すというスポーツを通じた人への投資を充実させていく視点を持つことが重要である」ということで記載させていただいたのが山田先生からもいただいたところでございまして、先ほどの御指摘の中でもし、この中でもう少し何かをということでありますと、ちょっとそこをまた修正させていただけたらと考えている次第でございます。
 続きまして、友添先生よりいただいた視点でございますが、特に第2部第3章のところの12の施策の並びのイメージはどうなのかということでございました。一応その準備をさせていただいた事務局のイメージといたしましては、1番から例えば3番あたりから4にかけてはスポーツの推進、これをイメージして多様な主体による機会創出、スポーツ界におけるDX、さらに国際競技力の向上等々を記載していくようなイメージでございました。
 そしてその国際交流を経て、5番以降はスポーツによる社会活性化のものを集めてきたイメージでございます。そして、9番目以降はそういったスポーツの推進、またスポーツによる社会活性化を伝えるべくその基盤となるスポーツの団体の話でございますとか、それを支えるハード、ソフト、人材、そしてスポーツに取り組む方々の安心・安全、そしてインテグリティということで、一応イメージはこういった3部で分けたイメージでありますが、例えばその第3章の一番最初でもう少し今みたいなことを分かりやすく追求することはあり得るかなと思っておりますので、もしよろしければそういったイメージでこれを構成したということで御理解いただきますと、第3章の一番冒頭にそういった流れを少し触れていく、そんなことを修正させていただけたらと思います。
 続きまして2点目の御指摘でありますが、この「おわりに」は今回初めて御議論いただいておりますので、その「根源」というところを「本質」に直したほうがいいということであれば、ぜひその方向で検討させていただきます。また、「留める」という表現につきましても、もう少しこなれた言い方をちょっと事務局で修正させていただけたらと考えているところであります。
 御指摘につきましては、以上でございます。
【早川会長】  ありがとうございました。山田委員、いかがでしょうか。
【山田委員】  財源のところで書いていただいているんですけども、本来は全体の流れの中で明確化していったほうが格好いいといえば格好いいんですけど、何といっても新しい内閣の二つの目玉というのが実は地方が主役であるということと、それから人への分配なんですよね。で、人への分配の一番大きなもの私は人への投資だと思っておりますので、地域づくり、まちづくり、地方創生、共生社会づくりということと、人への投資というのが今の内閣においても大きな課題になっている。スポーツが鍵を握っているんだという意気込みでぜひとも事務局も取り組んでいただけたらありがたいなと思います。
 全体的には説明で私も了承いたしました。ありがとうございます。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは友添委員、いかがでしょうか。
【友添委員】  今の御説明でよく分かりました。3章の頭出しあたりで少し触れるか、あるいはそれが難しいようであれば解説用のポンチ絵の中で構造化してお示しいただくこともあるかと思います。そういう意味で言うといずれにしてもこの1から12番の中の枠組みの示し方を少し補足的に説明するバージョンがあってもいいのではと感じたところです。
 あと2点目のご指摘のほうもぜひ御検討をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは後、引き取らせていただくようにします。ほかの委員の方から御発言ございませんでしょうか。
 それでは伊藤委員、御発言ございませんでしょうか。
【伊藤委員】  ありがとうございます。日本スポーツ協会の伊藤でございます。
 初めに第3期スポーツ基本計画を取りまとめられたスポーツ庁及び基本計画部会の皆様方に深く敬意を表します。東京オリパラ大会のレガシーの継承・発展、少子化や地域間格差といったスポーツそのものの課題の解決、そして新しい生活様式や技術革新への対応といった、非常に重要で幅広い領域に目が行き届いた計画であると受け止めています。
 JSPOといたしましては、特にJSPOの名前を挙げて明記されているスポーツ少年団や総合型クラブの育成・強化を通じた地域スポーツ環境の構築、また、公認スポーツ指導者の養成を通じたスポーツに関わる人材の育成と活躍の場の確保などへの取組を確実に行うことによって、本計画の実現に貢献していきたいと思います。
 また、従来からの取組であるJSPOが開発したアクティブ・チャイルド・プログラムを活用し、運動遊びを通じた子供たちの運動習慣の定着を図り、子供の体力低下の傾向に歯止めをかけるとともに、スポーツ少年団と総合型クラブを融合した新たな地域スポーツクラブの枠組みの中で運動部活動の地域移行をはじめとした地域スポーツの課題解決にも積極的に貢献をしていきたいと思います。
 そして、スポーツ少年団の活動から国民スポーツ大会、日本スポーツマスターズまで「JAPAN GAMES」のブランドの下に、子供から高齢者まで様々な方に対して生涯にわたって切れ目なくスポーツをする、みる、ささえる機会を提供して、我が国のスポーツ環境の改善・充実に貢献してまいります。
 さらには日々進化し続けているデジタル技術を積極的に採り込むことにより、スポーツに関わる全ての人が共につながり、楽しさと喜びを感じる仕組みを構築することができると考えています。JSPOでは2019年秋の茨城国体から当協会ホームページ経由で日本全国からアクセスして自由に競技を御覧いただける国体チャンネル、リアル配信の取組を開始していますが、先月開催された栃木県でのスケート国体における閲覧数は5日間で延べ約22万回でした。
 今後は視聴者の年齢、性別、視聴目的などを分析し、そのデータを活用することによって様々なスポーツイベントの魅力をより一層高めてまいりたいと思います。JSPOもこうした取組によりスポーツの価値の最大化に臨んでまいります。もう心は実際にスタートしようという気持ちで我々は取り組んでおります。
【早川会長】  貴重なコメント、ありがとうございました。
 それでは、次に河合委員のほうからコメント頂戴できますでしょうか。
【河合委員】  ありがとうございます。JPC河合です。
 まず、本当に大日方部会長を含めて積極的に審議いただきました部会の皆様、そして事務局の皆様、ありがとうございます。中間報告からパブリックコメントや様々なその後の我々も提案した意見等も反映いただき、非常に網羅されていると思いますし、よりよいものになってきているなというふうに感じております。
 そういった中で本当に常々お話してきた障害のある方々のスポーツの環境整備に向けて、あらゆる年代や様々な視点からサポートいただけるような書きぶりにもなっており、非常に安心をしているところです。ただ、やはりここからも重要なところはそれを実行に移していくところかなと思っておりますので、その部分で引き続きの御支援等をお願いしたいなというふうにも思っております。
 そういった中で1点ちょっとその際にお話ししてなかったかと思うんですが、改めてこの子供たちにしっかりとスポーツの楽しさとか、それらを伝えていくというのはとてもいろいろなところで書かれているんですが、やはり今、いろいろな箇所でスポーツ医科学の活用という部分が出てきている点で、小中学生あるいは高校生の段階においてもこのスポーツ医科学の視点をどう取り入れていくのかというところは、より体育の授業ということになると思うんですが、そういったところでまだまだ少し感覚に頼り過ぎている部分も大いにあるのかなというふうに思っております。
 この会議でもお話ししたかもちょっと記憶が曖昧ではありますが、改めて小学校、中学校、高等学校等でいろいろな関係団体等が連携しながら子供たちが夏休み等のこういった自由研究の課題としてスポーツ医科学等をしっかりと学んだり、自分たちでも追求しながら自らのパフォーマンスを上げたり、あるいはチームのパフォーマンスを上げたりとか、そういったことにもつながるような施策とか提案めいたことがどこか書き込めると幸いかなというふうにも思っております。
 様々な視点から書かれており、我々、常々この議論始まった当初からお話ししてきたことはおおむね書き込んでいただきましたので、今後、まだまだとはいえ、やりながら課題も出てくるかと思いますので、フォローアップしながら取り組めればというふうに思っております。
 以上です。ありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございます。
 それでは、もう二方ほど御意見、コメントいただいた後で御回答することがあれば事務局のほうからいただきたいと思います。
 それでは、鈴木秀典委員のほうからコメントいただけますでしょうか。
【鈴木秀典委員】  日本アンチ・ドーピング機構の鈴木でございます。私のほうからはもう意見、あるいは質問というよりもコメントだけになりますけれども、パブリックコメントが670件ということで、これもほとんどが本計画案をポジティブに捉えて、改善点を指摘していただいているということは非常に有益であったと思いますし、それを受けまして本日の案を出していただいて、本当に感謝をしております。
 「はじめに」というところと「おわりに」というところ、「不易と流行を意識して」という言葉がございましたけれども、このような形で過去2期に積み重ねてきたことも踏まえた計画案だというふうに思っております。
 それから先ほどの御説明にもございましたけれども、スポーツの捉え方という中でドーピング防止活動、それから紛争解決等に係るスポーツ・インテグリティの確保、これを広く捉えてスポーツを支えるという観点にしていただいているという、これは非常に賛同するところでございまして、すばらしいことだというふうに思っております。スポーツ・インテグリティという言葉がかなり浸透してきたなというふうに思っておりますので、これを守ることが当たり前になるような、社会認識になるようなことを希望しております。
 それから、もう1点はやはりスポーツは各国固有の文化のところもあるんじゃないかなと思いますし、また、世界共通の文化でもあるなというふうにも感じております。日本においては初等教育から中等教育の中でルールを守るとかフェアプレーをするとか、あるいはドーピングがスポーツの文化的な価値を損ねるとか、そういったことは教えておられますので、それを固有の基盤を持っているというふうに考えますと、これらを今後も発展させていただいて、スポーツ・インテグリティというのを根づかせるということが可能ではないかなというふうに考えております。
 あと今、河合委員の御発言を伺っていて医科学ということもこの中で教えられたらどうかという話がございましたけれども、このような形で多面的にスポーツについて教えていくということも重要なんだなというふうに感じた次第です。
 国際的にはやはりスポーツ共通のものがございますので、これについては様々な角度から国際交流・協力ができると思いますので、SFT事業がポストSFT事業として受け継がれるというふうに書かれていますので、今後もそういった国際的な取組を推進して、スポーツにできる共生社会の実現というところにつながったらいいなというふうに感じているところです。
 以上です。ありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、続けて鈴木美江委員のほうからコメントをいただけますでしょうか。
【鈴木美江委員】  私のほうからはコメント一つと意見として一つございます。
 一つ目はコメントです。施策の一つである(1)の多様な主体におけるスポーツ機会の創出、通し番号でいうと59ページ、運動部活動改革についてです。中高生の自我の形成には一生懸命頑張ったり、壁にぶつかったり、我慢したり、仲間と喜びや悔しさを分かち合ったりする経験が欠かせないと感じています。その経験を運動スポーツはさせてくれます。
 今回の部活動改革によって運動スポーツをやりたい生徒ができない状況にならないよう、1人も取り残すことがないよう、今後の運動部活動の地域移行に関する検討会議で子供にとってよりよい運動部活動の改革の方向性を示していただき、よりよい方策の検討を期待したいと思います。
 今回の本答申では具体的施策の一つに地方公共団体やスポーツ団体との連携・協力の下行われる実践研究があります。部活動改革を含めた地域創生、まちづくりを日本全国の子供たちのためにその趣旨が伝わるように市町村レベルまで伝えていただくことを切に感じています。
 二つ目は意見です。通し番号57ページのB、子供・若者の日常的な運動習慣の確立と体力の向上の今後の施策目標、下から3行目についてです。ここでは「体育の授業等」とありますけれども、中学、高校は保健体育ですので、「体育・保健体育の授業等」としてはいかがでしょうか。体育は運動すること自体が楽しいものであり人とのつながりやコミュニティが広がる場でもあります。そのほかにもストレスの緩和だとか体の発育発達、体の抵抗力を高めるためには欠かせないものであることを理解させて、心身共に健康で幸福な生活を営むことができる資質能力を育成できる保健、健康としての価値もあることから、体育・保健体育の授業等としてはいかがでしょうか。
 以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、ここで今、4人の委員の方から御意見いただきましたけれども、二、三、御回答いただきたい点がありますので、事務局のほうからお願いいたします。
【今井政策課長】  失礼いたします。それでは、河合先生からいただきました体育においてのいわゆる科学的医科学の見地を入れていってはどうかというところでございます。
 この点につきましては通しページ58ページでございますが、実は河合先生から以前からも御指摘をいただいていて、その後修文をしていく作業をしておりました。こちらは子供・若者の日常的な運動習慣の確立と体力の向上の流れで今後の施策目標がありました上で具体的な施策なんですが、このアのところに御覧をいただきますと、「国は、地方公共団体等と連携し、体力や技能程度」、その後に「障害の有無及び性別年齢等に関わらず」、この後でありますが、全ての方々を対象に「運動やスポーツなどについて科学的な理解を促し、生涯にわたって健康を保持増進し、スポーツの多様な楽しみ方を社会で実践できるよう、体育の苦手な児童のための授業づくりなど教員の研修、指導士の手引きやICTも含めて体育・保健体育の授業の充実を図る」というような形で記載を充実させていただいた経緯がございまして、先ほどの御指摘も踏まえて意図は全く先ほど河合先生の言われたとおりだと思っておりますので、私どもとしてはこういったところも含めてしっかりと医科学の知見、子供たちに伝わるような形で指導者であるとか、教師の資質を上げていく、そういった取組を進めていければと考えている次第でございます。
 続きまして、鈴木美江先生からいただきました二つ目の指摘につきましては、今まさに御紹介しましたように体育・保健体育と体育でちょっと表現がずれておりますので、この点、体育・保健体育という修正についてはぜひ検討させていただきたいと思います。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、続けて委員の方からコメントをいただきたいと思います。藤本委員、コメントいただけますでしょうか。
【藤本委員】  ありがとうございます。藤本でございます。
 大変分かりやすい表現で、注釈を用いてくださったということが私も含めて幅広い世代、また、多くの方々が理解できる親しみやすいものになったのではないかと感じております。ありがとうございます。
 河合委員、鈴木委員のほうからもありましたけれども、令和3年10月よりスポーツ庁のほうで運動部活動の地域移行に関する検討会議が設置されていて、具体化に向けて議論がなされているところだと思います。課題がある中でも資料、通し番号55ページのところで今後の見通しについて明記されていることによって教育現場や地方公共団体、また指導に携わる方、また指導を受ける側、また子供たちに対しても大変積極的な捉え方ができる、受け身にならず積極的な捉え方や積極的な取組ができる準備になるのではないかと思います。そのような積極的な位置づけができたのではないかと思います。御検討いただきありがとうございます。
 以上となります。
【早川会長】  ありがとうございました。続けて、三屋委員のほうからお話をお願いします。
【三屋委員】  取りまとめありがとうございます。とても読みやすく、分かりやすくなったと思います。これ言おうかどうしようか、迷ったのですが、せっかくなので一つだけ。
アスリートのキャリア形成のところでございます。非常にやはりアスリートというのはできないことをできるようにしていくとか、今でいうとレジリエンスなんかの最もシンボリックな存在だと思うんですけれども、そのアスリートのセカンドキャリアだったりデュアルキャリアをスポーツ界だけに、何かスポーツ界の指導者ぐらいにとどめてしまうような書きぶりがちょっと残念かなという。例えば、もうオリンピアンで金メダリストの室伏長官がスポーツ界を離れて行政のトップをやっていらっしゃるというところから出すものだったら、何かこう、デュアルキャリア、セカンドキャリア、イコール優秀な指導者と思われてしまうのはちょっともったいないかなと。むしろ企業が その辺の人材育成をものすごく求めていらっしゃるところになぜスポーツ界からそういう人たちをどんどん提供していくというような、そういった流れにならないのかなというのが、そこがちょっともったいないなというのがあります。スポーツで育ったんだからスポーツ界に恩返しするというのはもちろん当たり前なんですがそこからもうちょっと枠を広げても素敵なのかなとか、むしろスポーツ界から優秀な人材を各方面にどんどんどんどん届けるみたいなことがメッセージとして織り込められるといいんじゃないかなと思いながら拝見していました。それだけです。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、続いて諸橋委員のほうから御発言をお願いします。
【諸橋委員】  諸橋でございます。私自身スポーツ基本計画部会のほうの委員もやっておりますので、言葉の使い方も含め、いろいろ検討させていただきました。特に56ページにあります今後の年間総合的・計画的な取組施策として、多様な主体におけるスポーツの機会の創出において、部活動に関しては一番強く私のほうからもお願いしてきました。具体的な施策に入っていったことを皆さんはどう思われるかなと思いましたが、先ほど藤本委員のほうからより積極的に取組ができる内容になったということで、それが伝わったということが非常に書き方としてすばらしいのではないかと思っております。ありがとうございます。
 次に、結果としてこれがスポーツ界に携わらない方も含めていろいろな方に認知される必要があります。第4章にて広報活動の推進が記載されていますが、広報活動の手法に関しては、もっとより詳しく今回の基本計画部会のほうで記載すべきなのか、もしくは、また追記という形で今後検討していくということなのか、時勢に合わせた広報が非常に重要になってくると思っております。
 以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。続けて齋木委員のほうから御発言お願いしたいと思います。
【齋木委員】  齋木でございます。ありがとうございます。
 まず、大日方部会長をはじめとする部会のメンバーの方々及び事務局におかれて、大変良い取りまとめをしていただきましたことに御礼申し上げます。資料の2-1、2-2でパブリックコメントの結果概要、そしてその内容を御紹介いただいているわけですけれども、今回670件という御指摘をいただいたと承知しています。決して数を競うということではないわけですが、第2期スポーツ基本計画策定時には252件だったということを踏まえますと、やはりスポーツについて国民の方々が今大きな関心を持ってくださっていることの一つの証左であろうかと思います。そういったパブリックコメントについてもしっかりとそしゃくをしていただいて、今回の答申素案中にうまく取り込んでいただいていると認識をいたしました。
 そこで中身のコメントでございますけれども、2点ございます。一つは既に友添委員からもご指摘がございましたけれども、79ページ、通し番号で言いますと105ページ、「おわりに」というところですが、私もここの記述で「スポーツは人々が感じる楽しさや喜びに根源を持つ」というところはどうしたものかなと考えておりました。「根源」ではなくてむしろ「本質」ではないかと。「スポーツの本質は人々がスポーツをすることによって楽しさや喜びを感じることである」と、こういう表現がよろしいのかと思います。先ほど事務局からもその方向で考えたいというお返事を既にいただいておりますが、よろしくお願いします。
 それで平仄を合わせるという観点では、10ページ、通しのページで言いますと36ページになりますけれども、第1章のところにも同様の記述がありまして、すなわち最初のパラグラフの「具体的には」に続いて「基本法前文においてスポーツがこのように示されていることも踏まえながら、この第3期計画ではスポーツは人が感じる楽しさ、喜びに根源を持つものとして捉えることとした」とありますので、ここも併せて修正をお願いしたいと思います。これが1点目です。
 それから2点目ですが、前回のときに大日方部会長からSDGsについても触れる必要があるという認識を強くしたという力強いお話がございました。SDGsについては今回の答申素案の中で、どの辺りにどういう記述をしていただいているか、改めて御紹介をいただければありがたいというのが2点目の御質問です。
【早川会長】  ありがとうございました。
 それでは、4人の委員の御発言、御指摘、御提案に対して事務局のほうから説明をお願いします。
【渡辺参事官(民間スポーツ担当)】  まず、アスリートのセカンドキャリアについてのお話がありました。通し番号88ページ、89ページのところで、アスリートのキャリア形成という形で具体的な施策をまとめております。
 今現在、やはりアスリートのセカンドキャリアという形で、それはスポーツ業界にとどまらず、新たなところでいろんな活躍をしていただくということは非常に重要だと思っておりますので、今、私たちがやっているのはそういったまずはその認識づけ、それはアスリートだけじゃなくてアスリートを取り巻くコーチの方とか、そういった方にいろいろ現役のときからも視野を広く持って活動すること、認識を持つことが重要なんですよという取組を今、中心にやっていますが、それを引き続き進める形にしております。
 それで89ページの今後の具体的な施策ということで、ア、イのところがそれに当たるのですけれども、特にイのところ、「国がスポーツ団体及び民間事業者と連携し、スポーツ界におけるDX」、これも情報でいろいろデータを積み重ねることができますので、そういったものをきちんとまとめて、新たな領域におけるアスリートの活躍事例、こういったものを収集、調査をして、現役アスリートに対してセミナーを通じてこんな道があるんだ、こんなところで活躍している先輩がいるんだ、こういうふうな道があるんだというようなところを情報提供を行って後押しするという着実なところから進めようと思っておりますが、もうちょっと前向きな表現できないかどうかというのは引き続き検討させていただきたいと思っております。
 以上です。
【今井政策課長】  すいません、齋木委員よりいただいた御指摘についてお答えを申し上げたいと存じます。
 まず、一つ目にいただきました本質、根源の使い方につきましては105ページもさることながら10ページにつきましても併せて検討させていただきたいと存じます。
 そして二つ目のSDGsの形、どうなっているかということでございますが、この点も様々な委員の先生からも御指摘いただいておりまして、どこに記載をしておりますかと申しますと、幾つか場所がございます。実は今回つけさせていただいた用語解説がページ数も振ってありますので、一応それも含めて御紹介いたしますと、まずSDGsに触れておりますのは答申のページ数になってしまうんですけれども4ページの一番下に、まずはその「はじめに」という中で「さらに」の一行でございますが、「国際的に見てもUNESCOのカザン行動計画や」の後、「SDGsへの貢献など」ということで記載を入れさせていただきました。
 続きまして、ページといたしましては通しページは41ページ、答申番号は15ページになりますが、これにつきましてもこの「新たな視点」の中の特に第3期に推進するための三つの視点を記載していく中に特に15ページ、答申の上から数えて二つ目のパラグラフに出てまいりますが、「未来については」の中でこのSDGsが各施策・目標に取り上げられていく中でそれをしっかりとらまえていくということを記載させていただいているところであります。
 また、今度は答申番号21ページで通し番号ですと47でございますが、これは特に東京大会のレガシーを引き継いでいくという重要施策の中の一つとして(5)でございますけれども、国際交流・協力の中でやはりSDGsを触れております。一番下2行目からでございますが、「より一層スポーツを通じた国際協力による我が国の国際的な存在感の発揮やSDGsへの貢献を目指す」ということを記載させていただいておりました。
 そして最後は45ページ、46ページ、答申のページでございますけれども、こちらも12の施策の中で特に国際交流・協力の促進というのがございました。この中の例えば答申のページでいくと45ページでありますけれども、今後の施策の目標のチェックレ点二つのところにSDGsの達成に貢献していくということがその施策目標に掲げられておりまして、それに必要な具体的な施策もその後、46ページの上のイというところにもございますけれども、こういった形でできるだけ全体にちりばめるような形で記載をさせていただいておりますので、その点を御紹介させていただけたらと存じます。
【早川会長】  ありがとうございました。今の事務局の説明、それから先ほどの説明の後、それぞれ御質問いただいた委員の先生のコメントをも含めて何かコメント等がありましたらお願いしたいと思います。
(「なし」の声あり)
【早川会長】  それでは、今、長官のほうから挙手ボタンを押されていますので、長官の御発言をお願いします。
【室伏長官】  ありがとうございます。私のほうからもよろしいでしょうか。様々な御意見いただいている中でちょっと一つ、私からもありまして、お願いいたします。
 現在開催されております北京オリンピック大会におきまして、日本選手団は現時点で金メダル2個、銀メダル4個、銅メダル5個の計11個を既にこの時点で獲得しておりまして、前回のピョンチャン大会の過去最高総メダルの13個に並ぶ勢いということで皆さんも今、本当にまさに応援していただいているところだと思います。
 他方で、御存じのとおりスキージャンプの混合団体における高梨選手のスーツの規定違反による失格、スノーボードハーフパイプの平野選手の採点についてもいろいろ議論があったと思います。皆さんも御存じだと思います。どうなっているんだろうな、いろいろ臆測も飛んだりとか、正確な情報も上がったり上がらなかったり、いろいろな疑問を呈するところもあったと思います。個々の競技の判定に関してスポーツ庁として私の立場としてはコメントは差し控えたいとは思うんですが、一方、メダルの獲得に向けて本当一生懸命、必死に鍛錬を積んでいる選手は疑義が生じることがないように、ルールの在り方について国際連盟に対して我が国の中央競技団体が積極的に関与していく体制づくりも必要だというふうに思います。
 したがって、このようなことも国際競技力向上に向けた取組の一つとして、ぜひスポーツ基本計画に盛り込み、取り組んで、これはやっぱり国として行っているわけですし、ある意味選手を守る、アスリートファーストの大会をということで、選手だけが頑張ってよかった、よかった、駄目だったじゃなくてちゃんと事務的にも法的にもしっかりとしないといけないと感じました。聞くところによると各国、様々な法的なそういった対策をもう事前に準備をしていつでも抗議ができるという準備が整えられている。あらゆるケースを想定して、こういう中で選手を送り出さないと安心してできないということを考えますのと、こういったところ一言盛り込んでいただければなというふうに考えております。
 以上です。すいません。
【早川会長】  ありがとうございました。今、長官から御提案いただいた件につきましては、これから時間が限られていますけれども計画に盛り込む方向で事務局と相談をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【河合委員】  会長、河合ですけれども一言よろしいですか。今の長官の件について。
【早川会長】  お願いいたします。
【河合委員】  私も今後、北京に行く身でありながらですけれども、改めて今の長官の御意見はとても重要な視点でもありますので、各国の強豪国等はこういった法的なリーガル的なサポートをするスタッフ等を現地に派遣していてすぐにできる、当然国際的に対応できる資格を持ち、語学力を持っている方になりますけれども、そういったバックアップ体制等もあるのも事実ですので、ぜひ日本としてもそういった体制が今後、取れるようになっていくと今のようなことを少しでも減らしたり、選手たち、アスリートをサポートすることになるのかなと思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
【早川会長】  河合委員、ありがとうございました。
 それでは、続けて渡邉委員のほうから御発言をお願いできますでしょうか。
【渡邉委員】  渡邉です。総会のほかに基本計画部会、そして健康スポーツ部会とフル稼働してまいりましたが、事務局の皆さん本当に取りまとめ御苦労さまでした。もちろん委員の皆さんも御苦労さまでした。
 先ほど来いろいろコメント上がっていますけれども、パブコメも670件あり、前回の2.6倍ということですね。関心の高さがうかがえるということは一方で国、地方問わずやはり社会経済政策を考える上でもスポーツが重要なテーマになっていることを改めて感じております。
 健康スポーツ部会では久野先生も度々御発言されていますけれども、ここ2年間の自粛を余儀なくされる生活の中で、いろいろな世代で健康2次被害が報告されています。本日の参考資料の3にもありますが、小学生、中学生における体力、運動能力、あるいは運動習慣等でも危機的な状況が報告されていると思います。
 そう考えますと、今回の基本計画の中では第4章、施策の総合的かつ計画的な推進のために必要な事項が非常に大事になってくると考えています。これは以前から申し上げていますけれども、この基本計画、立派なものが今、出来つつありますが、やはりそこの実行性と実効性、最初の実行性というのは実際に行動に移すことができる可能性という意味の実行性です。そしてもう一つは結果として実際にもたらされる効果や成果としての実効性、これをいかに高めていくかが本当にこれから問われてきます。
 1月に健康スポーツ部会を開催しましたが、この第3期の基本計画の記載事項を着実に実施するために、すなわち最初の実行性を高めるといった観点から健康スポーツ部会では今後、地方公共団体や教育機関、あるいは医療機関や民間事業者等々が連携しながら取り組んで成果を上げている、そんな先行事例、好事例につきまして専門家を中心として現地へのヒアリング、先行要因の分析等を施しながら、好事例集を作って第4章にあるように積極的な広報展開もしていこうと。そして実効性を高めようということを今、検討しています。
 これは健康スポーツ部会が頑張っただけでは決して実効性が高まるわけではありませんので、スポーツ庁の皆さん、それから委員の皆さんに改めてお願いしたいことは、とにかくここに書かれている主体となる方をどうやって巻き込むのか。そして、本当に主体性を持って施策を推進してもらえるのかということをしっかり考えて、巻き込みと具体的な行動の推進というのを一緒に進めていきたいと思います。
 以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、続けて境田委員のほうからコメントをいただきたいと思います。
【境田委員】  境田でございます。今回のスポーツ庁の皆様にはこれだけきちんとしたものをまとめていただいて本当にありがとうございます。私は前回の第2期にも参加しました。ちょっと改めて昨日第1期、第2期と読み比べたときに、やはりかなり精度も上がったし、領域も十分カバーしているし、非常に本当に良い基本計画できたなと改めて思いました。
 やっぱりスポーツ庁ができて5年半ぐらいですか、その間にスタッフが100人増えて、スポーツ政策の質も量も格段に上がったというふうに実感しています。そういうのがこういった基本計画にも結びついて非常に質が上がっているということにも関わっているんだろうというのが一つ感想としてございます。
 他方、今回基本計画部会の委員としていろいろな団体の方、関係者からヒアリングしましたけれども、やはりスポーツの現場、特に青少年のスポーツの現場、環境というのはむしろ悪化しているというのも実感としてございます。私は以前、友添先生がスポーツのDXというのは単なる1局面で紙をデジタルにするのではなくて、そこで様々な社会課題の解決、スポーツで言えば競技力向上もそうだし、指導者の質を上げるだとか、子供たちがいろいろなスポーツに親しみやすい環境をつくる、そういった様々な局面で利用できるんだということをおっしゃいましたがまさにそのとおりだと思っていて、それを実現するためにはやっぱりスポーツ庁、JSC、それから統括団体、それからNF競技団体、その他のみんなでそこを解決しようとするコーディネーションがすごくこれから重要になってくると思います。
 なので、今回のスポーツ基本計画をベースにさらに本当に現場をよくしていくための取組、これに皆さんとまた引き続き協力させていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、大日方会長代理のほうからコメントを頂戴できればと思います。
【大日方会長代理】  ありがとうございます。部会長として1年近くやらせていただきまして本当に事務局の皆様、大変な御尽力いただきましたことに改めて感謝を申し上げます。また、御一緒に計画のほうを立てていただきました部会の皆様にも厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。
 幾つかお話しいただきました「おわりに」というところについても最後、事務局の皆様といろいろ議論させていただきまして、また、今日も皆様から御意見いただいてよりよいものになるなというふうに感じております。三屋さんから御意見いただいたスポーツ界から優秀な人材を各方面に届ける決意といったものをこの「おわりに」というところにでも入れることができるのではないかなとお話を伺いながら少し感じておりました。可能な範囲でというか、もしここに入れられるとよりよいメッセージが伝わるのではないかなと感じた次第です。
 また、先ほどルールの透明性ということについてのお話がありまして本当に私も一競技団体の者として河合団長の下で北京のパラリンピック間もなく行くわけですけれども、大変大きな責任を担っているなというように気を引き締めて行きたいと思っております。やはりリーガルサポート、こういったところについては今後御検討いただくことをお願いしたいと思っております。
 最後に先ほど実効性、効果というところについてのお話・御指摘が渡邉委員からもございましたけれども、障害のある人たちのスポーツのところについては特に今後、実効性、効果というところについてしっかりと検証していくこと、そのためには地域特性や障害の種別というところでのニーズをしっかりと考えていくこと、調査をしていくことの必要性ということ、EBPMの観点からも必要ではないかなと感じた次第です。
 本当にありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは3人の委員の先生方からのコメントに対して何か事務局のほうからございましたらお願いします。
(「なし」の声あり)
【早川会長】  ないですかね。それでは、最後私からも一言コメントをさせていただきたいと思います。
 本日が答申前の最後の意見交換ということでございますが、委員の皆様におかれましては昨年4月の諮問から本日まで大変活発に御議論いただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 大日方部会長はじめ基本計画の部会委員の皆様には計画の大枠から詳細に至るまで様々な観点から御議論、御検討いただきました。本当にありがとうございました。そして事務局の皆様におかれましては、毎回短期間でいろいろ取りまとめるという作業が続きましたけれども、各委員ですとか関係省庁との調整等々本当に忙しい、ばたばたとした大変な時間を頑張って乗り越えていただきましてありがとうございました。
 これからパブリックコメントについても特段大きな異論はなかったというふうに承知していますけれども、これも今回、御議論いただいた皆様がスポーツに関わる中での知見、現場の実情を踏まえた議論をしっかりいただいたからだというふうに思っています。
 4月から第3期の基本計画がスタートしますけれども、広くスポーツに関わる方々に本計画を知っていただくとともに、計画に書かれた内容を実行していくという当事者としての立場で多くの方に関わっていただくことが大変重要だと思いますので、委員の皆様におかれましてもそれぞれのお立場から引き続き御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、ここで意見交換を終了とさせていただきます。本日頂戴しました御意見を踏まえて、私のほうで大日方部会長と相談しながら事務局と修正を行って、第3期スポーツ基本計画の答申として取りまとめていきたいと考えておりますが、取りまとめにつきましては私のほうに御一任いただくという形でよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【早川会長】  ありがとうございます。それでは、次回のスポーツ審議会総会で答申をすることができればというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日は長時間にわたりまして御参加いただきましてありがとうございます。最後に室伏長官よりまとめの御挨拶を頂戴できればというふうに思います。
 長官、よろしくお願いします。
【室伏長官】  会長、ありがとうございます。委員の皆様方におかれましては、本日も様々な角度から忌憚のない御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。本日は第3期スポーツ基本計画の答申素案についてお示しさせていただきましたが、それについての様々な御意見を今日もいただきました。本当に深く、皆様におかれましては専門分野の知見からも多くの御意見もいただいてきました。本当に長きにわたり感謝申し上げます。ありがとうございます。今後は頂戴いたしました御意見も踏まえまして、早川会長や大日方会長代理と御相談し、修文の検討していただきたいと思います。
 引き続き委員の皆様方の御協力を頂戴できればというふうに思っております。今、北京も河合委員長がパラもあるということで、オリンピックだけではなくパラリンピックのほうもしっかりまた応援していきたいというふうに思っております。
 皆さん、本当に何とぞ今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【早川会長】  長官、ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から連絡事項がありましたらお願いします。
【事務局】  ありがとうございました。次回3月にまたスポーツ審議会総会を開催する予定でございます。日程につきましては改めて御案内させていただきます。よろしくお願いいたします。
【早川会長】  それでは本日の会議、これで終了とさせていただきます。長時間にわたってありがとうございました。Web会議については適宜御退出をお願いいたします。ありがとうございました。

お問合せ先

スポーツ庁政策課

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