スポーツ審議会総会(第28回)・スポーツ基本計画部会(第9回)合同会議 議事録

1.日時

令和3年11月1日(月曜日)14時30分~17時00分

2.場所

文部科学省第一講堂

3.議題

  1. (1)令和2年度第3次補正予算におけるスポーツ団体に対する補助案について
  2. (2)第3期スポーツ基本計画の策定に向けた構造案(たたき台)について
  3. (3)その他

4.議事録

【早川会長】  時間になりましたので、ただいまからスポーツ審議会第28回、スポーツ基本計画部会第9回の合同会合を開催いたします。今日は大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は事前に希望いただきました委員の先生におかれましては、Web会議形式で御参加いただく形とさせていただいております。また、報道関係者の方も含めまして傍聴の方はYouTubeによるオンライン配信を御覧いただく形となりますので、よろしくお願いいたします。
 なお本日、秋元委員より代理出席の申出が事前にございましたので、これを承認しております旨、御承知おきください。
 続きまして、スポーツ庁において今般、人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いしたいと思います。
【事務局】  それでは、9月21日付及び10月1日付でスポーツ庁次長に串田俊巳、スポーツ庁審議官に星野芳隆、スポーツ庁スポーツ総括官に大谷圭介が新たに着任しておりますので、一言御挨拶申し上げます。
【串田次長】  串田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【星野審議官】  星野でございます。よろしくお願いいたします。
【大谷スポーツ総括官】  大谷です。どうぞよろしくお願いします。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、ここで室伏長官に御挨拶を頂戴したいというふうに思います。長官、よろしくお願いします。
【室伏長官】  皆さん、大変御苦労さまでございます。スポーツ庁の室伏です。
 本日は大変御多忙の中、スポーツ審議会総会とスポーツ基本計画部会の合同会合に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 総会の委員の先生方とは6月11日の合同会議でお会いして以来となっております。皆さんお元気であられましたでしょうか。東京大会が終了した後、その成果等も踏まえましていよいよ今後のスポーツ政策の在り方をどうしていくかという検討を行う待ったなしの時期に至っております。
 大日方部会長の下、スポーツ基本計画部会の委員の先生方にはこの9月から10月にかけて3回にわたり第3期スポーツ基本計画の構造や個別政策などについて御議論いただいているところでございます。
 本日は、主な議題としまして事務局より簡単にこれまでの議論の経緯をお示ししつつ、これまでの先生方の御意見等を踏まえまして、第3期スポーツ基本計画の構造案のたたき台等を事務局において整理しておりますので、総会の先生方、また、部会の先生方におかれましては今後の取りまとめに向けて大所高所より御意見を頂戴いただきたいというふうに考えております。自由闊達な御議論、よろしくお願いいたします。
【早川会長】  長官、ありがとうございました。
 それでは、議事に入る前に本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
【事務局】  本日の資料でございますが、議事次第中にございます資料1から資料3-2、また参考資料1、2と配付してございます。会議室にお越しの委員の皆様には机上にも配付させていただいております。不備などございましたら事務局までお声がけいただければと思います。
【早川会長】  それでは、議事に入ります。
 本日は、議事次第にもございますとおり一つ目、令和2年度第3次補正予算におけるスポーツ団体に対する補助案について二つ目、第3期スポーツ基本計画の策定に向けた構造案について、この二つを議題といたします。
 それでは、議題1に入りたいというふうに思います。
 こちらは、スポーツ基本法上、国がスポーツ団体等に対して補助金を交付する際にはスポーツ審議会の意見を聴かなければならないとされていることから議題としているものでございます。スポーツ審議会総会の議題となりますので、スポーツ基本計画部会のみに所属されている委員の方は恐縮でございますが、本議題についての発言は御遠慮いただくようにお願いいたします。
 また、総会委員の出席者のうち、スポーツ審議会運営規則第7条の規定に該当する方について、事務局より御報告いただければというふうに思います。
【事務局】  それでは、対象となる方を御紹介いたします。
 まず、斎木尚子委員、境田正樹委員、友添秀則委員、早川茂委員、三屋裕子委員、山下泰裕委員の方々が該当となっております。
【早川会長】  ありがとうございました。今、御報告のありましたとおり私自身も同規定に該当いたしますので、本議題につきましては大日方邦子会長代理に進行をお願いできればと思います。大日方会長代理よろしくお願いいたします。
【大日方会長代理・部会長】  それでは、早川会長より指名がございましたので、議題の一つ目については進行役を務めさせていただきます。本議題に関する利益相反に該当する委員につきまして、ただいま事務局から御報告ございました委員のほか、該当する委員の先生方いらっしゃいますでしょうか。
(「なし」の声あり)
【大日方会長代理・部会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、本議題につきまして事務局からの説明聴取を行った後、委員の皆様からの意見聴取を行いたいと思います。事務局より資料の説明をお願いいたします。
【事務局】  民間スポーツ担当の渡辺と申します。どうぞよろしくお願いします。1ページ目を御覧ください。
 今回御審議いただくのは、全国規模のスポーツリーグまたは大会の主催団体に対する補助でございます。具体的な内容は、もう数ページめくっていただいて5ページ目、御覧いただければと思います。ポストコロナに向けた全国規模のスポーツイベント等の開催支援事業ということで、コロナ対策ということで支援をするものでございます。
 具体的な内容は四つの柱がございまして、まず1番目は消毒液を買ったり、検温に必要な機器とかスタッフ、そういったものでのお金がかかりますのでこれに対する支援、これは広報経費も含めております。
 それから2番目、2番目はCO²濃度計を買ったり人流解析をしたり、そういった研究をすることによって自分たちの対策の行動化を行おうとする取組、これに対する支援でございます。
 それから3番目、これがポストコロナに向けた新しい取組ということで、コロナが終わった後に魅力的なスポーツ興業をするために新しい取組として行うものに対する支援でございます。
 それから四つ目、これはキャンセル料支援、特に本年の場合は5月の連休のときに実際にお客さんを入れるところをやめていただくというようなことの要請まで行いましたので、そこでかかったキャンセル料を支援するものでございます。
 この四つの柱で募集を行ってきました。本年6月4日から8月の20日まで募集期間行っておりまして、この結果2ページ、3ページ、4ページにある各団体から申請をいただいて、私たちスポーツ庁において書類審査を行い、かつ新しい取組に関しましては専門家の皆様にも審査をいただきまして、交付決定額というところでまとめているもの、このリストを作成いたしました。
 交付決定額の多い順番に並べておりまして、合計85団体に対して26億円の交付決定を行いたいと考えております。今、85団体と申し上げましたが、申請自体は97の申請がございました。しかし、この交付決定に至らなかった12団体は大会を中止したとか、自ら取り下げたというものでございます。
 もう少し詳細に申し上げます。ここの交付決定額4ページのところの一番最後にございますとおり約26億円となっております。このうち先ほど申し上げました一番目の柱、感染症対策の徹底及び広報、ここで合計18億円。それから2番目の柱、試合の運営改善による空気の対流状況とか人流解析を行う、こういったものが約5,000万円。それから、ポストコロナに向けた新しい取組、これが合計で1.6億円。それから一番最後のキャンセル料支援、これが約5億円というような構成になっております。団体名を見ていただくと、新聞社とかあと株式会社が入っておりますが、マラソン大会をやったり、ほか各競技に携わっている団体でございます。
 なお、今、25億円と申し上げました予算自体はまだ十数億円残っておりまして、ただいま2次募集を行っているところでございます。9月27日から11月の12日という形で2次募集を行っておりまして、そちらのほうについても申請がありましたら、またこれと同じプロセスを踏んで御審議いただきたいと考えておりますが、まずはこの一次募集について御審議をいただければと思います。以上です。よろしくお願いします。
【大日方会長代理・部会長】  ありがとうございました。それでは、ただいま御説明につきまして御意見等ございましたら、挙手または挙手ボタンにてお知らせいただけますようお願いいたします。いかがでしょうか。
(「なし」の声あり)
【大日方会長代理・部会長】  特に御意見はないということで、皆様よろしいでしょうか。
 それでは、スポーツ庁におきましては適切な補助金執行を行っていただきたいと思います。ここで、司会進行を早川会長にお戻しいたします。
【早川会長】  大日方会長代理、ありがとうございました。
 続いて議題の2、第3期スポーツ基本計画の策定に向けた構造案について議論を行いたいというふうに思います。
 6月11日に開催しましたスポーツ審議会、スポーツ基本計画部会合同会議以降、第3期スポーツ基本計画の策定に向けてスポーツ基本計画部会において個別政策の議論や計画の構造などについて鋭意議論が行われてきたというふうに伺っております。
 本日の資料はそうしたこれまでのスポーツ基本計画部会での議論や部会委員の皆様の御意見を踏まえて事務局において用意したたたき台となりますので、現時点ではまだスポーツ基本計画部会における取りまとめとまではなっていない点、これをあらかじめ御了解いただきたいというふうに思います。
 いずれにしましても、今後さらに部会において議論を深めていただくためにも本日は総会委員の皆様を中心に忌憚のない御意見、御指摘を頂戴したいと思っております。この後、事務局から資料に基づく説明を聴取しますが、初めに大日方部会長よりこれまでの部会における議論の要旨等を説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【大日方会長代理・部会長】  それでは、第3期のスポーツ基本計画の策定に当たりましての議論につきまして、これまでの経過を簡単にお話し申し上げます。
 第3期のスポーツ基本計画の策定に当たりまして、スポーツの定義やスポーツの価値をどう捉えるのかについて、多くの御意見をいただきました。自発的な意思に基づく活動であり、楽しさ、喜びを根源とした身体的活動という点に収れんされるかと思います。
 また、スポーツの価値に関しましては、例えば共生社会の実現をさらに進めていくような社会的課題の解決への寄与という点も御意見をいただきました。こうした価値について、特にコロナ禍におけるスポーツ活動の制限や東京オリパラ大会の成果も踏まえて、改めて国民に確認されたのではないかといった御意見も御議論いただいたかと思います。
 また、計画の実効性の確保の観点から第2期の計画の検証を踏まえた対応や関係省庁と連携した対応、自治体ベースでの取組を促すことの重要性なども御指摘いただいております。
 各論といたしましては、多岐にわたる論点につきましてそれぞれの立場から施策を進めていくための御議論をいただきました。例えば以下のような点がございます。
 スポ―ツ参画人口の拡大に関しましては、大会のスタッフや審判員、ボランティアなど支える側の人材育成が必要であるというような観点。
 また、共生社会の実現に関しまして障害者のスポーツと一般のスポーツの連携の促進、そして多様なスポーツニーズに応じた指導や今後の指導の在り方。そして誰もがスポーツにアクセスできる環境の充実の観点からスポーツ施設のユニバーサルデザイン化や学校施設の開放の促進などのお話がございました。
 また、スポーツを通じた社会・経済活性化の観点からは、スポーツの成長産業化やスポーツを通じた地域活性化の重要性、また、そのための支援や担い手の育成が必要といったお話もございました。
 クリーンでフェアなスポーツの推進のためにはコンプライアンスの強化、ドーピング防止活動の推進といったような観点も上げられております。このほか、スポーツ実施率の向上や多様な主体のスポーツ実施、健康推進、障害者スポーツの充実など健康スポーツ部会からも提言をいただきました。
 これから中間報告に向けて議論を進めるに当たりまして、総会の委員、計画部会の委員の皆様と第3期の計画につきまして議論を深めていきたいと思っておりますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、続きまして事務局より資料の御説明をお願いしたいと思います。
【事務局】  それでは、事務局より資料の御説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、初めに資料2、通しページの8ページを御覧いただけたらと思います。これまでのスポーツ基本計画部会におけます審議の経緯について簡単に御紹介申し上げたいと思います。
 1枚おめくりいただきまして通しページ9ページ目はいただきました諮問の概要でございます。この概要を本年4月に諮問をさせていただいた上でスポーツ審議会において鋭意議論をしていただいてきたところでございます。
 通しページ10ページ目にこれまでの経緯を書かせていただいておりますが、4月の諮問以降5月に3回に分けて自治体、経済界、スポーツ関係団体計37団体から現状課題等のヒアリングを行わせていただいた上、総会とこの計画部会の合同会議におきましてその報告をさせていただくとともに、議論の方向性について御確認いただいたところでございます。
 その後、オリンピック・パラリンピック東京大会の間若干の中断を挟みまして、この9月の末から10月にかけましてスポーツ基本計画部会において3回に分けて議論をさせていただき、その中で計画の構造案についても御指摘をいただいてきたところでございます。本日は、スポーツ審議会総会とこの計画部会の合同会議の場におきまして、構造案の意見交換を行っていただければと考えております。
 なお、今後につきましては12月にスポーツ審議会において中間報告を取りまとめいただきまして、パブリックコメントを経て来年の3月に審議会としての御答申をいただき、第3期スポーツ基本計画の策定に向けて取り組ませていただけたらと考えております。
 次のページ、通しページ11ページを御覧いただけたらと存じます。各種団体、37団体でございますが、こちらにございますように様々な分野の団体にヒアリングをさせていただいたところでございます。
 次のページ、通しページ12ページを御覧いただけたらと存じますが、詳細資料につきましては6月の12日の合同会議で御紹介をさせていただいておりますが、例えば諮問第1につきましてはこちらにございますように、未来社会における豊かなSport in Lifeビジョン、これに向けてスポーツへの関わり方、青少年スポーツ環境の再構築について御指摘いただいております。
 また、2030年以降を見据えたスポーツ政策の在り方につきましては、東京2020大会のレガシーの継承と発展、with/postコロナ時代への対応など、多岐にわたる観点から御指摘いただいているところであります。
 通しページ13ページを御覧いただけたらと存じます。諮問第2の関係につきましてはこちらにございますように障害者、女性、子供、高齢者など多様な主体の参画についての御指摘でございますとか、二つ目の白丸ございますようにスポーツ団体、行政機関、地方公共団体、学校、民間事業者、研究機関との連携協力という観点からも多岐にわたる御指摘をいただいているところでございまして、こういった関係団体の皆様のお声をしっかりと受け止めた形で計画づくりに取り進むことが確認されているところであります。
 続きまして、14ページを御覧ください。こちらが9月から10月にかけて基本計画部会で御議論いただいたものでございますが、今後の主要課題、1番一つ目の黒ポツにございますように、多様な主体による実施の促進、スポーツによる健康増進、共生社会の実現といった形で様々上げさせていただいておりますが、これらの主要議題を議論いただきますと、第2期計画の中身が一応網羅的に御議論できるということで議題設定をさせていただいたところでございます。
 続きまして、15ページ目以降はこの9月28日、10月7日、10月14日と基本計画部会で各委員の皆様から御指摘いただいたものを概要化したものであります。本日の御議論の中でそういった項目について御指摘あった場合にはこういった資料についても御確認をいただきながら御議論いただけたらと思っておる次第であります。ここでの御説明は割愛をさせていただければと存じます。
 それでは、続きまして資料3-1に基づいて御説明をさせていただきたいと存じます。通しページは23ページをお開きいただけたらと思います。
 資料3-1たたき台、第3期スポーツ基本計画の策定に向けた構造案についてでございます。
 この後御説明をさせていただく資料3-1、これがスポーツ基本計画第3期のものの構造案になります。こちらにございますように、通しページ23ページの上に1.総論とございます。この辺りが第2期計画で申し上げますと第1章に当たるような部分というふうに御理解いただけたらと思います。本日はこの構造案についてぜひ、様々御指摘、御意見いただけたらと考えている次第であります。
 まず、総論でございますが、チェックレ点三つございます。一つ目のレ点にありますように、スポーツは人々が感じる楽しさ、喜びに根源を持つ身体活動として、あらゆる自発的な意思に基づき行われるものと捉まえまして、スポーツ自体が有する価値、その中核的な望まれる価値、Well-beingなども視野に入れながら捉えられてはどうかということでございます。
 二つ目のチェックレ点につきましては、そのスポーツの価値についてその重要性はこれまでも認識されていたと考えておりますが、2行目からでございますが、特に現行計画期間中におきましては新型コロナウイルス感染症の拡大、これによりましてスポーツの機会が失われております。また、それが制限されるという事態がございましたが、そういった中でその在り方、必要性・意義が問われたということではないかということで整理をさせていただいております。
 また、もう一つは東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催でございまして、この大会を通じましてアスリート、スタッフ、ボランティアなどの様々なその取組、これが世界の人々に夢や感動、活力や勇気を与えたということが見て取れるのではないかということで整理をさせていただいている次第であります。
 そしてチェックレ点三つ目でございますが、こうしたことからスポーツの価値につきましてはそれぞれスポーツ自体が有する価値、またスポーツが社会活性化等に寄与する価値、そういったものはかけがえのないものであるということを再確認した上で、特に第3期計画下でおきましては以下の三つの観点を重視した政策を展開してはどうかということで整理いただいている次第であります。
 その3期の新しい視点といたしまして丸1 番でございますが、これまでの「する/みる/ささえる」に加えまして、状況に応じて既存の枠組みと見直し改善、また、新しい方法やルールを創出するなど、スポーツを「つくる/はぐくむ」といった視点も新たに求められているのではないかということであります。なお、この点につきましては、計画部会の委員の皆様からもそういったものはもう既に含まれているのではないかという御指摘やまた、加えて「あつまる」といった視点も入れたらどうかということで、この点さらに深めた議論をお願いさせていただけたらと存じます。
 二つ目は、パラリンピック大会も含めまして共生社会の実現に向けてこれまでも取組を進めてまいりましたが、様々な立場、状況の人々が共に活動し、つながりを感じながらスポーツを楽しめる社会の実現を目指すこと。
 また、三つ目にございますように、性別、年齢、障害の有無に加えて経済的事情等も含めまして全ての人がスポーツにアクセスできる社会、この実現機運の醸成を目指すこととしてはどうかということで、第3期の新規軸について指摘をいただいている次第であります。
 こういった総論に基づいてこの後5年間の具体的な施策等について議論をしていってはどうかということでございます。
 続きまして、24ページを御覧いただけたらと思います。その中で基本的な方向性、第2期で申し上げますと第2章に当たる概念でございますけれども、この辺りについて御議論をいただいてきてまいりました。
 ポイント1にございますように、第2期計画では中期的なスポーツ政策の基本方針を分かりやすく整理をしていただいております。
 一つ目はスポーツで「人生」が変わる、「社会」を変える、「世界」とつながる、「未来」を創る、こういった四つの考え方が示されているところでございまして、これにつきましては第3期の計画においても極めて大局的であり、中長期にわたって取り組むべき課題といたしましてその踏襲をしていったらどうかということであります。その上でこの第2期の計画期間中、こういった四つの方針が進めてきた施策、取組の案を振り返り、また、今後とも第3期計画の中でもしっかり取り組んでいくための新たな手だて、そういった点についてしっかりと検討し、提示してはどうかということでございます。
 続きましてポイント2でございますが、加えて第3期の計画におきましては、これら四つの基本方針が真に実効性ある形で遂行されることを担保を目指しまして丸1 番、数値を含む成果指標と各種施策の関係性を整理してその精緻化を図っていくといったことで、現在、政府全体でもEBPMを進めておりまして、そういった中でのロジックモデルを構築してはどうかということでございます。そして、ロジックモデルに基づきまして第3期の計画前半と後半に分けて評価をし、改善を図る仕組みを入れてはどうかということであります。詳細は資料3-2で御説明させていただきたいと思います。
 そして3ポツ目でございますが、それに加えまして3期計画に掲げる施策の総合的・計画的に推進するための必要な事項といたしまして3点上げております。一つ目はチェックレ点一つ目にありますように広報活動の推進、二つ目が財源の確保と効率的・効果的な活用、三つ目が地方公共団体における計画の策定、スポーツ政策の実践、これを促す取組を推し進めていってはどうかということでございます。
 こういった総論的な要素について御議論をいただいてまいりました。そして、次の通しページ25ページを御覧ください。ここからが個別政策になってまいります。
 まず、通しページ25ページは参考でございますけれども、第3期計画を議論する上で個別政策群の関係性を整理したイメージ図でございます。この資料の真ん中のオレンジ色の三角形にございますように、いわゆる競技スポーツの国際競技力を含めましてトップスポーツ、それから地域のスポーツ、そして多様な主体におけるライフステージに応じた様々な身近なスポーツということで分けながら、それぞれ施策を推進していくことで、このスポーツの裾を広げていく、そういったイメージを掲げております。
 また、この三つのスポーツが並列するのではなくて、トップスポーツから得られた知見の還元とともに、地域スポーツ、身近なスポーツからトップスポーツに向けて、例えばアスリートの育成につながっていくなどそういった循環も考えていってはどうかということでございました。
 こういったスポーツの裾野をしっかりと拡充するためにも、その三角形の下にありますようにそういった価値を感じられる社会の実現とともに機運の醸成というのが大事ではないかということであります。そして、こういったスポーツの振興を支える上で、下に赤いひし形、台形がございますが、スポーツ振興に必要な「ハード」「ソフト」「人材」の一体的な充実、また、統括団体、NF、学校体育団体なども含めまして様々にスポーツを支えている団体のガバナンス改革、経営力強化なども今後検討していってはどうかということであります。
 そして右側のひし形にございますように、そういったスポーツに取り組む方々の心身の安全・安心として指導上の暴力の根絶、アスリートのメンタルヘルス向上などを含めてその取組をしっかり進めていってはどうかということであります。
 こうしたスポーツの振興が進むことによりまして左側の矢印四つ出ておりますように、例えば身近なスポーツの推進を通じてSport in Lifeを通じたスポーツの習慣化での健康増進、また、東京大会のレガシーとしての地域創生まちづくり、共生社会への実現、さらには社会全体がスポーツを通じた成長産業化、これを加速することで経済の活性化につながるというような形で考えていくべきではないかということであります。
 こうした我が国のスポーツ振興、またスポーツを通じた社会活性化の取組を良いものを右側にございますように、国際交流・国際貢献の推進につなげていく。例えば日本からはポストSFT事業の展開、また、アンチドーピング活動などで中核的な役割を国際的にも果たしながらその取組を進めてはどうか。その結果として国際的評価の向上、また、国際スポーツ界における中核的地位の確立ということを目指していってはどうかということでございます。
 こうした個別政策群の関係性をイメージしながら、通しページ26ページでございますけれども、今後5年間の具体的な施策の項目案、示させていただいております。ここは特にスポーツの今、御説明したところを三つの観点から整理をしておりまして、一つ目が緑の箱、上のほうにございますように、スポーツ自体が有する価値をさらに発展するための政策といたしまして、多様な主体におけるスポーツの機会の創出、真ん中にございますようにスポーツ界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進、また、その下段にありますようにスポーツの国際交流・貢献の推進、そして右側の国際競技力の向上など、様々な課題、取組の中でこちらの箱の中にありますような個別政策群をこれからさらに整備をしていって、今後5年間取り組むべき具体的な策としてまとめていってはどうかと考えている次第であります。
 また、二つ目の大きな柱が真ん中の青い箱にありますように、スポーツが社会活性化に寄与する価値といたしまして、成長産業化への取組、また、健康増進、地域創生・まちづくり、そして共生社会の実現に向けて様々な個別具体の政策群をさらに整備をし、計画の中に盛り込んでいってはどうかということであります。
 こういったスポーツの価値を発揮する上で基盤的な政策といたしまして、スポーツ団体のガバナンス改革、経営力強化、ハード・ソフト・人材の一体的な充実、そして安全・安心の確保、スポーツ・インテグリティの確保など、様々それを支えるための政策群を整理をし、考えないといけないということであります。
 以上が第3期スポーツ基本計画の構造案でございます。この後御審議のほどよろしくお願いしたいと存じます。なお、最後に資料3-2を御覧いただけたらと思います。通しページは27ページ以降御覧いただけたらと思います。
 先ほど2ポツのところで御紹介させていただきましたが、現在、政府全体におきましてはエEvidence-based Policymakingという考え方、エビデンスに基づく政策立案が求められております。この中で現段階では水面下でございますけれども、スポーツ庁に対しましてスポーツ分野においてもこのEBPMの取組、しっかりと進めていくべく、その取組を今、促されているところでもございます。
 こういったスポーツの振興、また、その他分野への波及効果も含めて数値目標の設定、政策体系の整理、これを今、進めていければと考えている次第であります。具体的には28ページを御覧いただけたらと思いますが、これは令和2年の段階で経済財政一体改革推進委員会のアドバイザリーボードで配られた資料でありますが、一例といたしましてGIGAスクール構想の実現のロジックモデルを御紹介させていただきます。特にポイントは、真ん中に大きな青い箱がございますが、インプットとしての予算、どういったものがあるのか、ハードの整備、ソフト、指導体制の事業、そしてアクティビティーといたしまして具体的にはどういった事業を展開するのか、例えば、1人1台端末の整備の支援でありますとか、校内通信ネットワークの整備の支援、こういったものが掲げられております。
 そしてここからでございますが、こういった事業を展開した上でアウトプットといたしましてその活動の実績としての目標とは一体どういうものがあるのか、こちらになりますと1人1台端末の整備を進めていった結果として、1人1台端末が整備されるのがどのタイミングで整ったのか、そういったことも含めたそういう整備状況などを数値目標として管理をしていく、そういったものが並んでおる次第であります。
 その中から最後一番右側でございますが、そういった活動を行った結果として、目指している成果につきましては、GIGAスクール構想においては全ての子供たちの可能性を引き出す学びの実現から授業改善、指導力の向上、子供たちの能力向上といったものが掲げられているという次第であります。
 この点につきまして最後の御説明になりますが、通しページ29ページを御覧いただけたらと存じます。
 現在事務局のほうで整備を進めさせていただいております第3期スポーツ基本計画、そういった課題を踏まえたロジックモデルの案(たたき台)でございます。こちらにございますように、現在インプットのところでは予算のイメージといたしましてはスポーツ振興にかかるその投入予算の具体的な事業を整理しております。また、スポーツを通じた社会課題の解決に資するような予算事業、さらにはスポーツを通じた国際交流の貢献の増大に向けた事業など、こういったインプットを今、整理をしておる次第であります。
 こういったところからアクティビティーといたしまして多様な主体によるライフステージにおける身近なスポーツ機会の確保、国際競技力の向上、また、真ん中ほどにありますようにスポーツを通じた共生社会の実現、経済活性化・地方創生・健康増進を考えております。また、スポーツを通じた国際社会の調和ある発展ということでそういった活動をしっかりしていく中で、真ん中右側でございますけれども、アウトプットといたしまして例えばスポーツ振興の流れの中で日々のスポーツ活動を支える基盤の整備状況といたしまして、例えば指導者など人材育成計画を策定した団体数でございますとか、総合型地域スポーツクラブの設置状況、こういったものでその達成度合いをはかっていく、こういったものが競技力向上、それから社会課題解決に向けたところでの箱の中にもございますし、国際社会でも様々挙げさせていただいている次第であります。
 こういったところから最終的には所期のアウトカムといたしましては、ライフステージに応じたスポーツへの参画人口の拡大、国際競技力の向上、そして誰もがスポーツに参加でき、共に活動できる社会への発展、さらに社会に活力を与える観点、そして国際交流を通じた世界とつながっていくところ、こういったものをアウトカムといたしまして最終的な中長期アウトカム、そして社会のインパクト、こういったことを整理しながら議論を進めさせていただけたらと考えている次第でございます。
 ちょっと長くなってしまいましたが、事務方の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは早速、意見交換に移りたいというふうに思います。
 時間の都合もございますので、恐縮ですが委員の皆様におかれましては、御発言できる限り3分以内の時間に収めていただきますようにお願いいたします。
 総会委員の皆様におかれましては、第3期基本計画の策定に関する本格的な議論は本日初めてになろうかと思います。これまでのスポーツ基本計画部会での議論のやり取りや内容も含めまして御意見、御質問など積極的かつ幅広に御発言をお願いしたいと思います。
 また、スポーツ基本計画部会委員の皆様におかれましては、総会委員の御意見や御質問等も踏まえつつ、部会での議論の御紹介や資料に対する御意見等を頂戴できればというふうに思います。
 それでは、御意見等ありましたら挙手または挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
 鈴木委員、お願いします。
【鈴木(美)委員】  私は学校体育の立場からまず、ページ数でいうと25ページ、参考の第3期スポーツ基本計画における個別施策群の関係イメージの、学校体育団体の体制強化、こちらです。これから部活動改革が行われていく中で中学校、高等学校でいうと中体連、高体連といったものがありますが、部活動の地域移行によってだんだん強化が難しくなってくると感じます。この学校体育団体の体制強化の団体というのはどういったものを指しているのかという疑問が一つございます。
 二つ目です。第2期スポーツ基本計画のたたき台のところ、ページ数でいうと29ページです。アクティビティーのところに、学校体育に関して体育授業の改善と部活動改革の二つが上げられておりました。体育授業の改革は中教審でも上げられています。今、高学年に体育専科という話が出ております。現在校長という立場で思うことは、闊達に動ける先生方の多くが高学年を行っています。ベテランの先生は低学年をお持ちになっていてなかなか体育を教えるのが厳しいという話も聞きます。そう考えると、体育授業を改善していく、体力向上するには、中教審の中にも反映していただき、体育専科の任用形態については校長の裁量にしていただけると学校としてはありがたいです。
 最後に、部活動改革に関しては先ほどもお話ししたとおり、部活動改革によって学校で行われていたものが地域に移行され、スポーツに親しむ時間と場所と仲間が今まですぐそばにあったものから地域に移されていく。そうなったときに運動、スポーツ離れが子供たちに起こるのではないか、二極化が懸念されるところです。その検証を行っていただけたら幸いです。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、ほかの委員の方いかがでしょうか。
 それではオンラインで参加されています羽鳥委員、次、お願いいたします。
【羽鳥委員】  よろしくお願いします、日本医師会の羽鳥でございます。
 第3期の計画、非常にアクティブでよろしいと思いますが、もう少し医療関係と連携を密にしてほしいなというふうにも思いました。例えば26ページ、今後5年間の主な施策の中にブルーのところで医療・介護・企業・保険者との連携という言葉がありますが、もう少し具体的な文言があってもいいのかなというふうに思いました。
 それから、27ページのEBPM、これもEBMというEvidence-based Medicineという言葉があるんですけれども、それと同じようにEvidence-based Policymaking、とても正しい発想だろうなというふうに思います。そういう意味でも、これから超高齢社会になって中年からもうほとんどの人が何らかの病気を持ちながらスポーツに親しむということがあると思います。そのときに最低限のメディカルチェック、どこまでどういう運動をしたらいいのかということを知って、運動に親しむというのもこれからとても大事だと思いますので、そういう意味での医療機関でのメディカルチェックを文言としてどこかに入れてほしいなと思います。
 それから日本医師会と今、スポーツ庁のほうでスポーツ施設とそれからスポーツドクター、いわゆる医療関係者がどういうところで何が得意でどんなことならできるかというマッピングの事業を行っております。それに対してもこれからかなり精緻なものができてくると思いますので、活用していただけたらと思います。
 先ほどのメディカルチェックといいましても、最近はいわゆる心筋梗塞を起こした人でも心臓リハビリテーションといって長く、心臓を持たせるためには運動したほうがいい。それから、透析をしている人は今まで運動しちゃいけないと言われていましたけどそうではない、ぜんそくの人もそうではないということが分かってきておりますので、新しい知識をどんどん放り込んでいって、できるだけ多くの人に参加できるような仕組みになるのがいいんじゃないかなと思います。
 メディカルチェックとそれから正しい知識の普及ということをぜひお願いしたいと思います。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、ほかの委員の方、ないでしょうか。
 では鈴木委員、お願いします。
【鈴木(秀)委員】  日本アンチドーピング機構の鈴木でございます。
 まず東京2020大会ですけれども、ドーピングに関しましては約6,200の検体が検査されて、そしてそれがもう24時間以内に分析されると。しかも競技会だけでなくて競技会外でも円滑に検査が行われたというふうに聞いております。これを支えたのは一つは検査員でございまして、約300の国内外の検査員が参加されて、そしてこれは国内においてはこの検査員の養成事業に対して国から御支援いただいた成果であるというふうに思っておりますし、またもう一つ、国外からも100名を超える国際経験深い検査員が参加してくださいましたけれども、これもスポーツ政策の下にこれまで培っていただいたネットワーク、これの存在が大きいというふうに感謝しております。
 したがいまして、こうした人的な資産をレガシーとして継承していくということが重要でございまして、これが3期の諮問の一つの中に入っている東京大会レガシーの継承というところにつながるのではないかというふうに考えております。
 それから、さらに東京大会では乾燥血液を用いました新たな検査が行われまして、これは将来的にアスリートに負担の少ない検査法の試験的な運用というふうにつながります。またさらに、遺伝子ドーピングに関しましても本年WADA、世界アンチドーピング機構のほうからガイドラインが出ているということで、分析手法も世界的に日々進歩しているということで、結局この分析機器の整備、それからアンチドーピングに関する科学研究、この2本柱は非常に重要ではないかというふうに思っています。
 そういう東京大会を振り返って考えてみますと、第3期の施策の方向性、これは1から4までアンチドーピングに関してはお示しいただいていますけれども、これはおおむね的確に押さえていただいていまして、すばらしいというふうに感謝を申し上げます。
 もう一つは国際動向ですけれども、これはカザン行動計画にも三つのメインポリシーの一つでこのアンチドーピングの政策的フレームワークを持つということは明確に示されていますので、これに沿って第3期の施策の方向性を決めていただければと思っております。
 その中で特に丸1 に検査体制の整備というのがございまして、検査員については十分お書きいただいているんですけれども、やはり機器も含めて分析の整備というものが必要でございまして、今回の大会でいえば総額として約30億円の機器の整備、それから年間でいうと今までは1.5億円程度の機器整備というものが必要とされておりますので、こういったものが円滑にできるように、日本は特に認定分析機関が民間でございますので、こういったところで円滑にできるようなシステムというものがインフラとして重要ではないかというふうに思っております。
 それから丸4 に出ています研究活動ですけれども、これについては実は最近報告が出まして、研究資金の中で世界的な研究資金を得るアジアの占める割合というのが2.78%という低い値が出ていまして、日本の科学研究のポテンシャルからすればこれは非常に低いので、このアンチドーピング研究の活性化というのが望まれるというふうに思っております。
 それから、丸2 番の国際的なドーピング活動の施策ということに関しましては、これもやはりスポーツ機関の意思決定に積極的に参加する人材ポストを確保するという意味で明確な人数の目標というのも入れるべきではないかというふうに思っております。
 それから最後ですけれども、丸3 で教育研修活動というのがございます。これは世界アンチドーピング機構の教育の国際基準が今年から策定されて、これに準拠してエデュケーターによる教育システムというものの確立というものが明記されております。これにつきましてはドーピング違反が少ない日本というのはクリーンスポーツを誇って世界のイニシアティブを取れると思うんですけれども、一方で居場所情報の不備とかサプリメントの十分な理解がされていない、あるいは多用するなどの問題も見られますので、こういったことを総合的に理解していく上では初等教育から高等教育まで学校教育の過程において教育を充実、拡充するということが今後さらに必要でございます。
 このために学習指導要領に明示的に書き込む、そして実践するということをしていただくということで、教育現場からクリーンなスポーツ、スポーツの価値を伝えるという、そういう分かりやすい入り口になっていくんじゃないかなというふうに考えております。長くなりましたが、以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、ほかの委員の方。
 それでは、河合委員よろしくお願いいたします。
【河合委員】  ありがとうございます。JPCの河合です。
 まず、東京オリンピック・パラリンピックの開催に対しまして、本当に皆様ありがとうございました。委員の皆様にも様々な立場から御支援をいただきまして、おかげさまで日本代表選手団も大活躍をし、本当に良い成果を上げることができたと思っております。この場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。
 そして今回の基本計画の第3期に向けて、これまでの部会での議論、そして資料の説明も含めて本当にありがとうございました。私から2点、お願いができればと思っております。
 まず1点目、構造案の中でお話が出てきておりましたこれまでのスポーツの価値、「する/みる/ささえる」に加えて「つくる/はぐくむ」というものを加えたいというような話があったと思っております。非常に良い案だなと思っております。さらには「あつまる」とか「つなげる」みたいなことも考えたらいいんじゃないかという御意見もあったというふうに思っておりまして、改めてスポーツの様々な価値がこれまでの従来のものよりもこのオリンピック・パラリンピックを経験したことによって大きく変わろうとしているときだと思います。
 新たなこういった価値や可能性のフレームを示していくということは本当に大きなことだと思います。改めて誰もが運動やこういった体を動かす喜びを得て、健康で長生きをしていくために重要であるという認識は大きく皆さんの中にも残る結果になったと思っておりますので、改めてこのフレームを新たに加えていくという方向性について強く支持、応援をしていきたいというふうに思っております。
 2点目です。学校体育等で障害のある児童生徒のやはり見学ゼロということは常々私がこの場でもお話をしてきたことですし、実際に障害のある今回出場したパラリンピックの選手たちも2割程度がスポーツクラブやあるいはこういった民間の施設等で利用拒否にあったというのが2割いるというようなデータがあることをお示ししたというふうに聞いておりますけれども、こういった中で改めてこれらを実はパラリンピック終了後に選手たちとともに前萩生田文部科学大臣のところに御挨拶に伺った際にお話をさせていただきました。
 そうしましたところ2週間後に改めて表彰で文部科学省を訪れた際に、萩生田前大臣から実際に省内のほうにこういった障害のある子供が体育や運動部活動等でできていないという状況を改善できるよう、あるいは障害のある方々が床が傷つくからなどで体育施設が使えないという問題を解消するために予算化をするなど含めて対応するようにということを選手の前で明言をいただいたというのは大変心強かったと思っております。
 改めて、こういった全ての国民の中に当然、障害のある方々がいます。IPCも改めて15%の人たちが何らかの障害や生きづらさ等を感じている人たちなんだというふうに言っている中で我々もその立場に立ち、様々な立場の皆さんがスポーツを通じて様々な価値を享受できる社会に向けての計画になっていくことを強く望んでおります。
 改めて詳細な一つ一つの項目についてはさらに熟読をした上で今後、提案させていただければと思います。ありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。計画部会の先生方からの御発言もよろしくお願いします。藤田さん、お願いします。
【藤田委員】  では、3点申し上げたいと思います。まず、23ページのところですが、第3期の新視点というところで先ほど河合委員のほうからもありましたスポーツを「つくる/はぐくむ」という部分、これはぜひ入れていただきたいと思います。
 障害のある人がスポーツをやるときにもこういう考え方が必要ですし、障害のある人とない人が一緒にスポーツを楽しむという場面、第2期のスポーツ基本計画の中にも入っておりましたが、これを実践していく、進めていく上でも必要になってくる考え方だと思います。さらに、これは障害のある人だけではなくて実は高齢者、あるいは子供がスポーツをやったり一緒に楽しむときにも使える考え方ということですし、スポーツをつくること自体実はとても楽しいものだと思っております。これまでもそういう部分あったかもしれませんが、なかなか発想として出てこないのでぜひ文言として入れていただきたいなというふうに思います。
 2点目、25ページの三角の下の部分というんですか、ひし形と三角に挟まれている部分に関わること、あるいは26ページの一番下の部分ですね、ハード・ソフト・人材の一体的な充実というところに関わってくることで、もしかするとこの後の具体的な計画の中で入ってきたほうがいいのかもしれませんが、あるいはもしかすると総論のところで入ったほうがいいかもしれません。スポーツの指導という部分ですね、教えてできなくてしかられて面白くない、スポーツ嫌いというサイクルではなくて、もちろん教えることも重要だし必要だと思うんですが、それに加えて考えさせる。考えさせて、その考える過程が楽しくてスポーツが楽しい、できなくても楽しくなっていくというふうな指導のパラダイムの変換というか新しい考え方ということが入ってくる必要があるかなと思いました。
 3点目、最後ですが、29ページのアウトプットの上から3番目、誰もがスポーツに参画できる環境の整備状況というところで、障害者スポーツ指導者の養成配置状況というのが入ってございます。これ、もちろん重要で、指導できる障害者スポーツ指導者の養成というのは非常に重要なんですが、それだけではなくて、これは核となる部分だと思いますが、加えて各競技団体、競技団体の方、指導者がスポーツ、障害のある方を指導できるようになるということも、そういったところも含めて広がりを持たせるために、障害のある人を指導できる指導者を養成するという、障害者スポーツ指導者に限らず、そういった指導できる人を増やしていくという、指標としては障害者スポーツ指導者ということになるかもしれませんが、もしかするとそういうカリキュラムを持っている一般のスポーツ競技団体というところも指標になってくるかもしれません。そこを御検討いただければと思います。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、オンラインで参加いただいております山下委員、よろしくお願いいたします。
【山下委員】  山下でございます。聞こえますでしょうか。
【早川会長】  聞こえています、よろしくお願いします。
【山下委員】  海外出張から帰国後で今、隔離期間中なものですからオンラインで失礼いたします。
 前回の会議でもお話ししたかと思いますけれども、日本オリンピック委員会のほうでもこれから長きにわたって継続して取り組んでいく我々日本オリンピック委員会のビジョン、この中にオリンピズム、これはスポーツと私は書き換えてもいいかと思っておりますけれども、その価値を守り、つくり、高める。それからもう一つ、憧れる、憧れられるアスリートの育成、そしてもう一つ、三つですけれども、スポーツを通じた社会課題の解決に貢献、これを取り上げて理事会でも決議して取り組んでおりますけれども、今回の基本計画の策定の案ですけれども、我々の目指すところと合致するところが非常に多い。うまくまとめられているというふうに感じております。
 特にスポーツ自体が有する価値をさらに発揮するための施策としまして、国際競技力の向上、それからスポーツを通しての国際交流・国際貢献、これを明記していただきまして、本当に心から感謝御礼申し上げたいと思っております。
 国際競技力の向上、今回の東京2020大会は、オリとパラ一体となって取り組んできたわけですけれども、障害者スポーツにはデフリンピックもあればスペシャルオリンピックスもあります。いろいろな障害を持つ団体、あるいはそうじゃないところ、みんなで力を合わせて様々な国際大会を通して国民の皆様に感動や希望や元気、誇り、そんなものを感じてもらえるようにこれからも連携をより深めながら努めてまいりたいと思っております。
 それから、スポーツを通した国際交流・国際貢献ですけれども、今回海外出張しておりましたのがANOC、206ある各国のオリンピック委員会の代表が集まっての総会でした。これが2日間開催されたんですけどれも、実はここでも幾つものオリンピック委員会のほうから協力協定を結びたいというふうな話がございました。東京2020大会のときにはたくさんの国から今後もっともっと日本と連携を進めていきたい、いろんなことで協力していきたい、あるいは力を貸してほしい、こういうふうな要請を受けておりますけれども、私はスポーツが日本と他国をつなぐかけ橋となりお互いの相互理解を深めていく、こういうことにこれまで多少なりとも尽力してきました。
 今回はANOCの総会では世界の多くの国々の方々が発言するとき必ず最初に東京2020大会を開催してくれたこと、安心・安全な形での大会の開催、すばらしい大会の運営、それから日本のすばらしいおもてなし、こういうことに対しておほめの言葉をいただきました。日本がスポーツで世界の国々に貢献できる、そういう部分があると思っております。ですから、JOCだけではなくて各競技団体とも連携を取りながら我々のほうでもスポーツを通した国際交流・国際貢献、しっかり汗をかいていきたいと思っております。
 今回のこの施策の中で、私は特に重要なところが多様な主体におけるスポーツ機会の創出、ここはとりわけ大事じゃないかなと思っております。しかし、これに関しましては簡単ではないと思っています。人々の意識、あるいは行動習慣を変えていかなければいけない。ですから、この第3期スポーツ基本計画、これが決まりましたらここにいるメンバーみんなで力を合わせて、あるいは様々なスポーツ関係団体力を合わせてこれに対して行動していかなきゃいけないと思っておりますけれども、そのための必要な事項のところで広報活動の推進という言葉が出ていました。アスリートの発信力というのも非常にすばらしいものがございます。そして、今の若いアスリートは非常に社会貢献、あるいは子供たちに対する意識を高く持っております。ですからアスリートの発信力、こういったものもうまく活用していただければありがたいなと思っています。
 それからもう一つ、最後ですけど、これらのためには財源の確保というのが極めて重要だろうと思っています。こちらのところもぜひ頑張っていただければと思います。長くなりました。どうも失礼しました。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、尾縣委員、お願いします。
【尾縣委員】  JOCの尾縣でございます。山下会長がお話しされましたので、その関連がありますので私のほうから発言させていただきます。
 まず、山下会長のお話にあった憧れるアスリートの育成をJOCとしては目指しております。本当に爽やかなといいますか、そういったアスリートのすばらしい活躍が一般国民のスポーツへの憧れ、選手の憧れにつながると思っております。それを何とかスポーツ参画人口の増加に増やしていきたいという考えがあります。そして多くの人たちがスポーツをする大きなプラットフォームの上でいろいろな社会課題を解決していくというのが我々の目標でもあります。
 そうした強いスポーツの基盤ができれば当然ながらまた世界で活躍するアスリートが出てくるという、育ってくるというこの好循環を何とか回していきたいと考えます。そのエンジンがここで上げていただいています国際競技力の向上だと考えております。
 そこで、それについて1点、ちょっと御検討いただけたらと思いますが、それは29ページに上がっておりますロジックモデルなんですけれども、ここにも国際競技力の向上を上げていただいております、これはありがたいことだと思っております。そこの初期のアウトカムなんですが、読み上げますと、国際競技力の向上、オリンピック・パラリンピック等の国際競技大会における過去最高水準の金メダル数、総メダル数、入賞者数、メダル獲得競技数が上がっておりますが、恐らくこれはこの東京大会を想定といいますか、これぐらいの数ということを上げられていると思うんですけれども、私の強化本部長の立場、それからオリンピック選手団の総監督の立場から申し上げますと、この東京大会というのは私からするととんでもない成果を上げたと自負しております。
 例えばメダルが一応目標は30個でしたが27個の金メダル、これは今まで16個でした。それからメダル総数は58個、これ、今まで41、そして入賞者の総数は136とこれまでの88を大きく上回っております。
 これ何が言いたいかと言いますと、短期のアウトカムとしますとかなりこれ、評価につながってくると思うんですけれども、本当に今回の東京大会に関しましては国からの強化関連の強化費の増額、それからそれ以外にもスポーツ庁の皆様には本当にいろいろ御支援いただいて、もちろんJSCからの御支援というのも多大なものがありました。そしてスポンサー、しかもNFのやる気といいますか、モチベーションというのは非常に高いものがありまして、そういったものが全てうまく絡まって、この結果が出たと思います。
 というところで、この短期のアウトカムと一緒じゃですね、今回の東京大会の成果というのは本当に地元開催のすばらしい成果ということがありますので、我々としてはまずはこれまでの海外での国際大会オリンピックの水準を大きく上回ることをアウトカムの目標とすべきかなと考えております。強化本部長の立場でこのアウトカムを下げるというのは本当に後ろめたいことなんですけれども、我々はまずはこれまでの海外でのオリンピックの成果を大きく上回ることを目標としたいと考えております。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それではほかの委員の、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】  日本スポーツ協会の伊藤です。スポーツ政策には幅広いテーマがありますが、絞って発言をさせていただきたいと思います。
 まず、第3期スポーツ基本計画の構造案については10年後の世界を見据えつつ、喫緊の課題である運動部活動改革への対応が盛り込まれるなど、これまで基本計画部会で広範囲な課題に対して十分な議論をされてきたと思いますので、検討のたたき台として大いに尊重したいと思います。
 その上で私から3点お話ししたいと思います。1点目は、今後、具体的な施策を策定されると思います。その際、基本計画を目にした人がこの計画が実際に実行されることによって子供から青年、お年寄りまで切れ目なくスポーツを楽しむことができるということを実感できることが望ましいと考えています。また、そういう方向に向かってほしいと思います。
 2点目は、これを踏まえ、特に地域においてスポーツを楽しむ場を引き続き整備、確保することが不可欠であると考えております。ぜひ、地域スポーツの環境整備、確保を支援する施策について記載をお願いしたいと思います。また、経済格差、地域格差など様々な格差によってスポーツを楽しむ機会に差が生じないための配慮をぜひお願いしたいと思います。これらの子供からお年寄りまで、その中での育った子供から青年へというのが、その中に未来のアスリートを入れていくという非常に重要な期待もあるかと思います。
 最後に、3点目ですが、スポーツの価値に触れる際、国際化、経済活性化への貢献や健康増進への貢献といった価値も大切ですが、身体を動かすことの楽しさや喜びといったスポーツそのものに存在する価値についても触れていただきたいと考えます。以上です。ありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございました。ほかの委員の方、渡邉委員、お願いします。
【渡邉委員】  総会の委員でもありますけれども基本計画部会、そして今日は出てきていませんでしたが健康スポーツ部会の部会長をしております渡邉と申します。
 先ほど羽鳥委員から的確な御指摘があったかなと思うのは、医療・介護・企業・保険者との連携の促進などをもうちょっと具体的に示してほしいといったような話があったと思います。これは、そこの大きなフレームの中のスポーツが社会活性化等に寄与する価値全体につながってくる話になってくると思うんですが、この後にもしかして説明があるかもしれないんですが、通しページの45ページを皆さんお開きいただきたいと思います。
 この45ページのところに健康スポーツ部会から基本計画部会へ提言を行った内容が添付されております。先ほどの羽鳥委員の発言にちょっと絡めて御説明申し上げたいと思いますけれども、健康スポーツ部会のほうでは御指摘いただきましたそれぞれの、やはり有機的な連携というのを非常に重視しております。そして45ページ、28ページという小さなページの付記がございますが、その右側のほうにスポーツ実施環境の整備に係る具体的な提案というのがありまして、論点1というところがございます。ここにはスポーツ実施に係る目標設定について3点書かせていただいております。
 丸の2点目なんですが、健康維持・増進への貢献という観点から強度、継続時間の観点を含んだ目標値を追加というのがありますけれども、ここについては羽鳥委員も御参画いただいております健康日本21、あるいは厚労省の国民健康栄養調査等の問診等も活用しながら個々の目標値を設定していきたいといったふうに考えております。そうすると、今までスポーツの関係者だけでなくて、医療関係者であるとか、広くまちづくり等に関わる人の連携がなおさら一層重要になってくるというところをまず、申し上げたいと思います。
 それから、医療関係の方との連携で何より大事なのは、エビデンスの収集、活用といったところであります。先ほど伊藤委員からもお話ございましたが、幼児から高齢者まで、様々な方がスポーツの意義を実感できるような計画づくりといったようなことがありますけれども、今まで医療関係者の中で例えば妊産婦の方、高齢者の方、禁忌とされていたようなことが世界的な研究が進む中ではむしろ推奨したほうがいいといったような結果も出ています。こういったものもうまくエビデンスとして取り込みながら、これからスポーツ参画人口の拡大、実施率の増加といったところに向けてまいりたいといった議論が健康スポーツ部会のほうでなされておりました。詳細はまた後刻御覧いただきたいと思います。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。では、三屋委員、お願いします。
【三屋委員】  すいません、三屋でございます。私、部会に入っておりませんのでもし部会で話し合われていたら申し訳ございません、後ほどまたお願いいたします。1点のみお話をさせていただきたいと思います。
 今、私NFのトップとしていろいろな施策をやっていこうとすると、例えばガバナンスの改革、インテグリティの確保、それからグラスルーツの推進、ここで今、言われている多くの人々にスポーツの参画、それらが全てNFからどこにお願いするかというと47都道府県にお願いをいたします。47都道府県はその下の市町村の協会にお願いする形になります。
 やはり現場はそこにあって、我々NFが幾ら旗を振っても現場が動いていただけないとこういう推進ってできないんですね。ここは実際先ほどおっしゃいましたけど学校関係者と密接に組み合わさっている、また、学校体育団体ともかなりここが複雑に入り組んでいる。で、大事なこれから推進をしていかなきゃいけないその現場の方々が、ほぼほぼボランティアとか、それから上下関係の中で動いていただいております。いろいろなものをやろうとして、改革をしようとして落とせば落とすほど現場は疲弊していく、それが今、スポーツ現場の正直なところだと思います。多分NFに関係する方はああ、そうだなと思われると思います。
 全国大会を開催しようと思ってこちらが頑張ってもやっぱりその前に県要請もございますし、小さな要請もあります。それも全部都道府県の協会の方々、市町村の協会の方々の御協力なしにやれない。とすると、本当に人間の体でいうと隅々まで毛細血管をいかに張り巡らされていくかというところが多分肝になっていくんだろうな、そこが全てボランティアとか好意でお願いしているというところになかなか笛吹けど踊らずみたいなところになっているのではないだろうかという気はちょっとしますので、どのように入れ込んでいかれるかそこはお任せいたしますが、その辺りもしっかりスコープに入ってるよというメッセージを入れていただくと、多分現場の方々はこんなにたくさんのこと誰がやると思っているんだじゃなくて、そこまで考えてくれているんだってなると、かなり推進は早いかなというふうに感じましたので、よろしくお願いいたします。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、友添委員、よろしくお願いいたします。
【友添委員】  ありがとうございます。部会のほうで随分議論されたことだろうと思いますし、今までの委員の先生方と少し違う視点でお話をしていいのかどうか迷うところなのですが、少し考えてみたいというふうに思いますのでお話しさせていただければと思います。最初のところでたたき台ということで見てみると、スポーツの内在的価値と外在的価値の二分法、あるいは二元論で構造化しようという発想だろうというふうに思うんですね。
 これは、いわゆるintrinsic valueとextrinsic valueという、私たちが研究の世界でよく使う分類枠組みです。この分類枠組み自体は間違いではないのですが、実はこの二元論でスポーツの価値を構造化しようとするのは、現実的にはなかなか難しいですし、価値のリストには多様な価値が浮かび上がってきます。したがって、この価値の二元的な分類枠組みが万能で全ての実態を必ずしも反映するのかというと、政策論を構築するときにはなかなか難しい場面が出てくるだろうなと思います。
 もちろん、この枠組み自体は間違いではないのですが、例えばスポーツによって体力を向上させるというのはこれは、外在的な価値になりますが、このことが楽しいというふうに感じて毎日継続する、これを繰り返していくとこの人にとっては実はこの外在的価値と内在的価値というのは分かち難く結びついてしまうという事になります。つまり、外在的価値と内在的価値が入れ替わってしまうこともあるという事です。こういったスポーツの価値の二分法で構造化しようとしてくると、例えば鶏が先か卵が先かという循環論証に往々にして陥ってしまう可能性があります。だから第2期のスポーツ基本計画でもできるだけこのスポーツの価値論にはあまり深入りするのはやめようということになった記憶が少しあります。
 あと、ちょっとネガティブバージョンになりますが、全般的にお示しいただいた資料3-1の表現が難しいかなと感じています。基本計画の読み手をどのターゲットに置くのだろうか、あるいはどこに置くのかということはすごく大事なことで、例えば中学校3年生あるいは高校生が読んで、勉強すればある程度は分かる内容を書いていくことも必要があるようにも思います。
 「自発的な意思」っていうのは、これはなかなか難しい言葉です。あるいはここに出てくるスポーツ自体が有する価値、これもスポーツ自体って何だという話になってくると難しいなという感じが出てきますし、中核的な望まれる価値、Well-being、このWell-beingというのは日本人にはなかなか理解しづらい概念だって言われています。こういうところを少し検討して見直す必要があるのではないかとも思います。このような指摘は、検討部会の中でどのような議論が行われたのかということを私自身十分にフォローできていなくてすごく失礼なお話をしているのかもしれません。この点、お詫びしたいと思います。
 あと、総論の23ページの2段落目の文章「スポーツの価値は」で始まるところの丸2 のところですが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を通じて、これはJOCの山下会長、それから選手団長の尾縣委員もいらっしゃるのでお叱りを受けるかも分かりませんけれども、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催、あるいは河合さんにもお叱りを受けるかも分かりませんが、「開催を通じてアスリートの活躍はもとより競技を支えるスタッフやボランティアの姿などを目の当たりにし、世界中の人々が夢や感動、活力や勇気を感じたことによって」、これ私自身は、よくわかるし、必要な文章だと思うのですが、スポーツのインサイドの世界、つまりスポーツ界とは違って、国民目線の生活者の実感からはやや記述が遠いようにも感じます。コロナ禍の中で、オリパラの開催に向けて国論を二分するような議論があったという現実を考えたときに自賛的な文章をバーンと出してしまったら大きな反感を生むこともあるのではないかと懸念します。少しこの辺りも工夫した記述が必要ではないかと思います。
 次に、スライドの24ページ目のところですが、このページの2のところですが、基本的な方向性のポイントの1のところになります。スポーツで「人生」が変わる、スポーツで「社会」を変える、スポーツで「世界」とつながる、スポーツで「未来」をつくるの考え方は第3期基本計画においても踏襲する、とこれはすごくいいことだし、私も賛成します。ただし、5年前と人生とか社会とか世界とか未来の内実は随分変わってきたというところを意識しておく必要があるように思います。この変化に応じて必要であれば少し用語を触ってみてもいいのかもしれないなと思います。そうすることで第3期の基本計画の各施策を串刺しにするロジックというのが明確になるように思います。
 例えば「人生」のところも5年前にははっきりしていなかったのですが100年時代がもうはっきりしてきているわけです、つまり人生100年時代がより鮮明になったと思います。あるデータを見てみると2007年生まれの子供たちが100歳まで生きる可能性というのは5割ぐらいに上がるだろうと言われ出している。先進諸国も同じような状況になってきている。競技スポーツは若いときだけではないということです。あるいは、デジタル機器を使ったシニアのスポーツ参画が非常に盛んになってくるだろうと。
 性差、セックスレスだとかあるいはエイジレスだとか、障害フリー、そういった意味でユニバーサルスポーツをどうつくっていくのかだとか、アーバンスポーツをどういうふうに取り込んでいくのかだとか、人生100年時代の中ですね、あるいはEスポーツをどうするのかというところまで含めてやはり考えていかなければいけない時期に来ているのではないかなと思います。
 「社会」のところですが、これは明らかに5年前の時期よりもはっきりしてきたのは、例えば情報化社会の次のSociety5.0の新しい社会に入ったという意識を持っていってもいいのではないかと思います。サイバー空間とリアル空間が融合していくという中ではスポーツの在り方を大きく変えるだろう。つまり、デジタルスポーツの在り方、これはシニアスポーツの在り方を変えていくし、リモートコーチングだとかあるいはこれはスポーツの成長産業化やまちづくりや地域創生とも関係してくるわけです。この辺りの社会の捉え方を少しどうするのかということはぜひ盛り込んでいかなければいけないというように思います。
 それから「世界」ですが、世界は5年前とは大きく違ってきた。つまり、新型コロナを私たちは経験したわけです。予測困難な時代でのスポーツによる世界とのつながり方というのは5年前と明らかに違ってくるわけです。5年前はこの世界というのは国際スポーツで活躍すること、あるいは世界にスポーツを通して国際交流をしていくことというレベルでしたが、コロナ後はいっそう在留外国人が増えてくるだろうし、地域でも定住外国人が一層増加していくだろうし、海外の在留邦人が増えていくだろうということです。つまり、地域でのグローバル化にスポーツは何ができるかという問題は、この国際と地域が実は密接につながってきている、つまりグローカルな時代のスポーツの意味や意義をいっそう捉えていかなければいけないと思います。
 そして「未来」のところですが、5年前より明確なのは人口減少社会に入ったということだと思います。年少人口だとか生産年齢人口が顕著な減少期に入って5年前よりこれが、一層明確になっています。だから、今後の5年間はそういう中で衰退する未来ではなくて、成熟社会の未来をスポーツでどうつくっていくかということの基盤構築の5年間だと思うのです、これからの5年間は。その辺りの未来の捉えもやはり必要になってくるだろうと思います。
 スライドの25ページですが、このイメージ図はよくできていると思います。ただトップスポーツと地域スポーツの好循環というのは2010年のスポーツ庁ができる前のスポーツ立国戦略の主要テーマであったと思います。当時はこういった施策プランも示されているのですが10年経ってもなかなか現実は進まないというところだと思っています。それはなぜかというやはり課題意識を持たなければいけないのだと思います。
 25ページのスライドには好循環のアウトカムというのは示されているのですが、アウトカムに至る主要なプロセスが示されてないように思います。25ページのスライドに何がアウトカムをもたらすのかのロジックモデルでいういわゆるプロセスに相当するもの、あるいはアクティビティーに相当するものの簡単な記述があったほうが具体的な後半に続いていく施策を理解する上でいいように思います。
 長くなりますが26ページのスライドを御覧ください。
 この26ページのスライドというのは施策がスポーツの価値論の二分法で示されているのですが、二分法で項目を網羅するのは少し厳しいなと思うところもあります。二分法で項目案を構造化していくと二分法の大きな項目、大項目を串刺しにしていくようなロジック、つまり各項目を束ねる上位の理念というのが明確になってこないという可能性が出てくるように思います。
 26ページのスライドからいうと例えば25ページのスライドにあったトップスポーツと地域スポーツの好循環のつながりがよく見えてこなくなるように思うのです。例えば、スポーツにおける26ページの上のところのスポーツ自体が有する価値、内在的な価値のところにDXの推進というふうに書いてあります。で、下の外在的な価値のところに成長産業化というふうに書いてありますが、これは、極めて密接に結びついていると思うのです。デジタルトランスフォーメーションの推進は成長産業化と密接に結びついてくるのだけど、ここのつなぎが例えばどういうようになっているのかというハイブリッドのところのアクティビティーがこういう二分法で示してしまうと浮かび上がってこない可能性があると思います。この辺りも気にはなるところです。
 例えば先ほどの地域スポーツとトップスポーツの融合・連携のところでいうと、右上の国際競技力の向上と左の下の地域創生・まちづくりのところ、これも実は非常に密接につながっている、新しい世界観に立ってくるとここもやはり薄らいでしまう、よく見えてこなくなってきます。
 そういう意味でいうと、例えばそれは違うとお叱りを受けるかも分かりませんがスポーツ・インテグリティの確保のところもこれは、いわゆる外在的なところの価値の分類枠の中に書かれていますが、これ自体は実は公平だとか正義だとかそういったスポーツの内在的価値の擁護が目的であって、これがここに位置づくというのがおかしいと、こんなふうな議論が起こってきて、最初にお話ししましたように実は循環論証に陥ってしまう可能性があるので、これはこれで間違いではありませんが、これを少しつなげていくようなロジックをつくっていかなければいけないだろうと思います。
 構造図や総論の理念部分と各施策を有機的につなげていくような今後5年間の目指すべきスポーツからの社会像、まずはそれを描くということからロジックモデルを構築していくという方向があってもいいようには思います。ただし、これは基本計画部会でどのような議論がなされたかということを十分に知らない、勝手な提案あるいは言い分かもしれません。その点、失礼があればご寛恕頂ければと思います。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。そうですね、オンラインで御参加いただいております髙橋委員、いかがでございましょうか。
【髙橋委員】  髙橋です。御指名ありがとうございます。友添先生のように論理立てていろいろなことが言えないものですから感じたところを意見として言わせていただきます。
 私は今やっている第2期のスポーツ基本計画と第4期ですね、話は早いんですけど、第4期スポーツ基本計画には出てこないだろうという重要なキーワードが第3期スポーツ基本計画にあると思っていまして、それは東京オリパラ大会のレガシーというのを前面に言える、これが第3期スポーツ基本計画の大きい柱になってほしいというふうに期待しています。
 そうした意味では25ページの関係性、イメージ図の中に明確に東京オリパラ大会のレガシーとして共生社会、東京オリパラ大会のレガシーとして地方創生・まちづくり、この2点について記載されていることはまさに賛成でありますし、そのとおりだと思っております。共生社会というのは、ここを逃してはこのスポーツ基本計画の第3期の意味が相当薄らいでしまうぐらい重要なことだと思いますし、それを地方に広げていかないと東京大会が東京近郊だけで終わってはいけないというのもそのとおりだと思って、ここは強く賛成したいと思っております。
 そうした意味で、私は共生社会という社会変革の祭典まで持っていかないとパラリンピックをやった価値というのは十分生かされないことになるというふうに思っておりますので、以下三つのゼロを目指して先ほどうちの河合のほうからも一部ありましたけれども、私は共生社会の実現を具体化するために三つのゼロを目指していきたいと思っています。スポーツ庁にも理解いただきたいと思います。
 一つは、先ほど河合も申し上げたように、学校における体育事業を見学する障害者の子供をゼロという、授業を見学する障害者ゼロというふうにしていただきたい。二つ目は、全国22万か所ある全てのスポーツ施設において障害者の利用を拒否するという施設をゼロにしていただきたい。オリパラのレガシーとしてこれもゼロにしていただきたい。いろいろな理由があって分かりますけれども、ゼロを目指したいと思います。三つ目は、障害者スポーツ単独で活動するという自治体をゼロとしたいと思っています。障害者スポーツのことは障害部局がやればいいんだという地方では共生社会は展開できないと思っています。前の部会でもありましたけど首長さんが自ら関係部署と一緒になって進めていく、そうした自治体にしてほしいので、地方において障害者スポーツがそれを単独でやるんだというような地域をゼロにしていただきたい。
 その三つのゼロを具体化することによって共生社会につながっていくだろうというふうに思っております。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、ほかの委員の方。それでは、菊委員、お願いいたします。
【菊委員】  筑波大学の菊です。前回の基本計画部会のところでこのたたき台が出されて、その後議論があまり十分にできなかった部分がありましたので、先ほど友添委員のほうからいろいろ言われたことについては実は私も事務方のほうにはいろいろ指摘したところでありました。それで、基本部会の委員の立場として私が考えていることを少し申し上げたいと思います。まず、24ページのポイントの1で先ほど友添委員が指摘された部分になりますけど、全く私も同感なのですが、多分これが(以前の第2期における)基本計画の中でつくられたところで、もう既にあるロジックができていたんじゃないかと思います。つまり、1番で「スポーツで人生が変わる」ということは非常に簡潔に言うとライフスタイルを変えましょうということですよね。ライフスタイルを変えることが社会を変えることになりますよと。その社会を変えるということは世界との関係も変わってきますよと。それが未来をつくっていきますということで、これは、本当に全部つながっている話でありまして、その社会の具体像が「成熟社会」ということなんだろうと思います。
 では、成熟社会というのは何かというと、まさに共生社会、循環型社会ということですね。これまでのどちらかといえば、産業消費型社会と呼ばれる社会から、もちろんそれはベースとしてはあるとしても、人間の幸福やWell-beingという、簡単に言えば人間の幸せ感というのはどういうところから生まれてくるのかと考えたときに、全ての人が幸福を享受する権利があることに対して、スポーツも同じようにそれに対してきちんと応えていく必要があるということだと思います。
 で、スポーツには楽しさや喜びというものを全ての人が享受することができるから、そこを出発点にしてそれぞれ目標を具現化していけばよいのだろうと、そう思わけです。ですから、このポイントの1で示されたことを基本的に踏襲するとすれば、これに基づいて基本計画がどういうつながりを持って、どういうシナジー効果がそこで発揮されるのかということをポンチ絵的に描けばよいのではないかと考えます。そこにいろいろな施策の要素を入れ込んでいって、そのシナジー効果のもとになるもの、すなわち何が基本的にはその目玉になってその波及効果のもとになる可能性があるのかを見通した上で、ロジックモデルをつくっていけばよろしいのではないか。
 そうしたときに25ページのこの個別施策群の関係性というのが、どうしても気になります。現状の案では、非常に古い書き方になっていると思います。つまり、この図ではピラミッド構造という基本的な考え方は、やはり変わっていないんですね。先ほども、(誰かが)おっしゃっていたと思うのですが、地域スポーツとトップスポーツというのは単純な上下関係ではないと思うのです。それぞれが運動の楽しさや喜びというものを共通に享受しながらもそれぞれが目標を持って活動をしているわけで、それは、言ってみれば単純なピラミッドではなくて多様なピラミッドが重なっているというイメージです。その中で何が一番中心に重なり合って、そこから波及してそれぞれの施策になっていくのかという、そういうモデルをもう少し考えられたらいいのかなと思うのです。そうすると、その後のロジックモデルについても施策の強弱が出てくるように思います。
 で、ロジックモデルを考えるということであれば、できればいわゆる第2期において行った考え方や、それに基づく計画のロジックモデルとこの第3期におけるロジックモデルというのを一応想定して、それを比較検討したらどうかと考えます。このようなロジックモデルで当てはめていったときに第2期で達成されたこととされなかったことを十分に検討してみる。そして,その結果から課題を見出して、次にそこから再度、今回の第3期におけるロジックモデルを考えたときに、それが第2期の課題をカバーするロジックモデルになっているのか、あるいは新たにそれを再度考え直さなければならないロジックモデルなのか、そういうことをお互いに理解し合えば非常に分かりやすい提案になるのではないかなというふうに思いました。
 それから先ほど三屋委員のほうからボランティアの話が出ましたけれども、スポーツは愛好者に非常に支えられている文化なんですよね。だけれども、これはトップアスリートの場合もそうですけど、愛好するというのは、逆に言うと(やり過ぎて)バーンアウトしてしまう可能性もあるということを考えておく必要があります。ボランティアに関して言えば、あらゆるものをそこに全部お願いね、お願いねというふうに依存してしまうと、依存されたほうはどんなに好きでもやはりそこで限界に達してしまって、そして最後はバーンアウトしてしまうということになりかねない。
 ですからこういう基本計画、あるいは政策モデルというのはプロモーションという発想の中で、逆に何をコントロールしなきゃいけないのか、制御しなきゃいけないのかということを考えて、そこをできれば数値化していく必要がある。何か目標を高くすればすごくいい計画だと思われるようなそういうレベルの話だけではなくて、もっと制御していくといいますか、さっきのメダルの話もそうですけど、もっとある程度きちっと現状を見ながらコントロールしていくという発想が基本的には必要なのではないかと、そんなふうに思います。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは森岡委員、よろしくお願いします。
【森岡委員】  日本スポーツ協会の森岡です。大日方部会長から先ほど計画部会での議論の報告がありましたので、私はそのご報告以外について発言させていただきます。先ほど友添委員から内在的価値と外在的価値の二元論では難しいのではないかという御意見がありましたが、私の意見の前提は、この資料に基づいての意見ということで御理解いただければと思います。4点発言します。
 26ページですが、1点目はスポーツの国際交流・国際貢献は、「スポーツ自体が有する価値をさらに発揮するための施策」という位置づけですが、この記載内容では、「スポーツが社会活性化に寄与する価値」をさらに発揮するための施策にならないでしょうか。
 2点目は、スポーツの成長産業化ですが、これは「スポーツの価値を発揮する上で基盤的な施策」に入れるべきではないでしょうか。なぜならば、成長産業化して稼いだお金をスポーツのために使うという形が見えるようにしないとスポーツを利用して単に稼ぐだけというイメージを与えかねないのではないかと考えます。
 3点目は、先ほど三屋委員から「毛細血管」という例えがありました。26ページ中段にある地方創生・まちづくりの内容といたしましては、日本スポーツ協会の直接の加盟団体ではありませんが、加盟団体である47都道府県体育・スポーツ協会に加盟する、地域住民に最も近い存在であり、地域スポーツのプラットフォームとなり得る「市区町村の体育・スポーツ協会」がこの地域スポーツのプラットフォームとなり得るということで、組織基盤強化が必要だと考えております。この地方創生・まちづくりのところに市区町村体育・スポーツ協会についての何らかの記載をお願いします。
 最後に、4点目ですが、先ほど伊藤委員も発言しましたけれども、26ページ左上に記載されているところですが、多様な主体におけるスポーツ機会の創出において年齢、性別、障害の有無に加えまして、経済格差、地域格差の有無についての言及が必要であると考えます。これらの格差の有無に関わらずスポーツを実施する機会をつくっていくことがスポーツ実施率の向上につながるのではないかと考えます。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、総会委員の方でまだ御発言いただいてない方に御意見を伺いたいと思います。
 藤本委員、いかがでしょうか。
【藤本委員】  藤本と申します。私、個人的には高校生、大学生の指導を直接していることがありまして、特に高校生、大学生の置かれているスポーツの環境について、このコロナ禍でありますスポーツ制限を受けた高校生、大学生がとても傷についている状況ということを目の当たりにしております。
 特に第3期の新視点にあるように、スポーツを育むという観点で一旦そこでスポーツが、目指してきたものが絶たれてしまった時代を担う子供たちの、そこから立ち直る何か手だてはないかというところで、この先、先ほど友添先生のほうからもありましたように、予測困難な状況下でどのようにまた、子供たちが、恐らく成人していったその先にスポーツによって明るい未来が、また希望を見いだすことができるのかというところで、そのような文言というか、未来を見据えた、未来の捉え方というお話もありましたけれども、そのような今の子供たちにおいても今までと違う5年間を過ごしたというか、昨年と今年ですね、過ごした子供たちへのこれからの5年間に向けた取組、施策等も少し盛り込んでいただけると現場としてはとてもありがたいなと思います。
 もちろん、こちらは全国民がスポーツにどう寄与していくかって、そういうのを支えていくというところのスポーツ基本計画の策定に向けた構造案についてお話をされている場ではあると思うんですけれども、そのような現場の状況も少しお伝えできたらなと思います。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは國土委員、お願いいたします。
【國土委員】  國土と申します。スポーツ基本計画部会のほうで議論した内容というのは、かなりこうやってキーワードとしてちりばめられてきたというのが正直な印象でして、実際に私のほうでもより、こういった言葉がインテグレートするような何か、もう少し概念構成が必要ではないかなということは御意見させていただきました。
 それからもう1点、非常に大きく感じますのが最初のこのイメージ図、それから具体的な施策、それからロジックモデル案というふうなところいったときに、まだまだ不整合な部分というのはたくさんあるなというふうに私の中では見えております。言葉自体が違っていたり、そういった具体化をしていくという段階での落とし込みというのがまだ不十分じゃないかなというふうに感じております。
 さらにロジックモデルに関していくと、初期アウトカムというふうに書いていますけれども、これって最終的には例えば子供一人一人、あるいは一人一人のスポーツ行動、あるいは意識に関わる部分なので、私の感覚ではファイナルアウトカムというふうに感じております。政策として具体的にやるとしたらこのアウトプットの部分が実際に政策施策でこういった政策を打った、例えば部活動を外部委託するということを目的にするんでしたらこれが具体的に何パーセント達成されるかというふうな部分というのが調査と結果というふうな部分でのペアになって表示されるほうがいいのかなと思っております。
 実際のところ、前のところのGIGAスクール構想のところでいきますとアウトプットな予算を使ってこうやって変化をした部分というのを具体的評価していこうということになっておりますけれども、恐らくスポーツの今のこの考え方でいきますと、より国民の幸せとかそういったところまでの言及がありますので、こういったアウトカムの部分というのを2段構成みたいに考えていくということも必要かなというふうに思いました。以上です。
【早川会長】  ありがとうございます。それでは結城委員、お願いいたします。
【結城委員】  ありがとうございます。結城と申します。
 ここまでの御議論を拝聴していて非常に興味深く面白く聞かせていただきました。特に私もオリンピック・パラリンピックを取材、拝見してきた立場から山下委員、髙橋委員、へのお考え方に沿ってちょっと一言差し上げたいと思います。
 ただ、私めの観点というのは、この全体の総論、それからこのピラミッドも含めて特にあと、この具体的な項目やEBPMに至るところまで、いわゆる無形のレガシーであるとか、無形のいわゆる気づきに当たるもの、オリンピック・パラリンピックの開催が社会、特に一般の人々に与えた一番恐らく大きな部分というものをうまくすくえていないのではないかと。オリンピック・パラリンピック開催というもののレガシーというものは結局、行政がこれから担っていくべき部分でもございます。これはスポーツ基本計画の中にそこをベースにした流れがあって第3期はしかるべきだと私も感じますが、そこにおいて一番恐らく一般の方々が感じるであろう部分をすくい取っていないような気がいたします。
 3点申し上げます。渡邉委員が先ほど健康スポーツ部会の中での1点ポイントとして、楽しみというものを広げるための指標がない、それが第2期のポイントで一つの気づきであったということを御指摘なさいました。私も同感でございます。楽しさを広げる、スポーツというものが自分にとって何かという部分の気づきを広げる。それはこの23ページ、4ページの中では機運醸成という形でおっしゃっていただいております。私はスポーツ文化を育むという言い方を本来はしたいと思うのですが、そのための何らかの施策であるとか指標であるとか、そしてインプット、アウトプット、初期アウトカムといった流れ、非常に難しいのはもちろん存じ上げております。
 無形のレガシーというものをどうすくい取るのか、どう図るのかといった部分、難問であることも分かっております。ただ、それがやはり一つの大きなレガシーになるべきであると考えておりますので、そこを一考いただければ大変うれしいと思います。例えば無形のレガシーといったものの中での事例を差し上げるとしたら、オリンピック・パラリンピックを私たちが見ていて気づきの中で違いとは何か、もちろんパラリンピックの違いとは何かといった部分、非常に大きかった。私、たまたま試合を見ていて、ボランティアの若者の方たちが大勢観戦していて廊下にたまたま出てきて、車椅子バスケのあの選手すごかったな、格好いいな、感動したよみたいなのを口々に言っているんです。そういうことを若者たちが、あの年代が感じ取っていくということ、それが違いというものをこれから見るに当たって何を意味するのか。そこをやっぱりすくわなきゃ駄目だという気がいたします。
 例えば、丸2 としてスポーツをする楽しみって何だと、これも逆にオリンピック・パラリンピックの選手たちがここに集えて競い合うことだけでうれしいんだと、もう勝ち負け以前にお互いをたたえ合う、その心持ちの根幹がそこにあったと思うのですが、その思いとは何か、スポーツをする喜びって一体何なんだと、私たちは何を見たんだ。そこを酌み取っていただきたい。
 例えば丸3 、これ、山下委員がおっしゃったと思います、国際社会における評価。国際社会における日本とは何か、日本の貢献とは何か、これも物すごく大きなレガシーになり得る、そしてそれは無形でございます。どのように日本が見られていくのか、日本人が見られていくのか、国の品格につながるような一つのポイントになり得ます。こういった部分というのはどのような形容で、例えば具体的な施策、そしてアウトプットの指標として持ってこれるのかというのを一考できればと感じています。
 最後に友添委員のおっしゃった東京オリンピック・パラリンピック競技大会、これ総論の2の二つ目のレ点で開催を通じてこれ、プラスのことしか言っていないでしょうと大きな批判があったことをどう捉えるんですかというお話、もっともだと思います。実は私、ここのところの一つ示唆を差し上げたのを多分生かしていただいているんだと思うんですが、それはその前段のスポーツの在り方、必要性意義が問われたという部分を入れていただきたいというふうに言っています。これは新型コロナウイルスのところに入れていただいていますし、東京オリンピック・パラリンピックもコロナウイルス拡大によって大きく世論が変わったので、それでもいいと私は思っていたのですが、そのような捉え方をされてしまうようでしたら、ここはもう一文にしてしまっていいというふうに感じました。
 いわゆる一つは感染症の拡大ですぐに続けてオリンピック・パラリンピック競技大会の開催、これらを通じて機会が失われ、在り方が問われ、だけれども夢や感動、勇気を感じたという形に、いわゆるそれぞれに特化しないで、全ての流れの中で私たちが見たものということで、長くなるのでどっかで切っていただいて、書いていただければよろしいのかと思いました。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、大塚委員、お願いします。
【大塚委員】  大塚と申します。よろしくお願いします。
 まとめていただきまして基本計画部会での何回かの話合いがしっかりと踏襲されているとは思うんですけれども、基本計画部会での協議では相当やっぱり前向きに楽しく発言、また意見交換させていただいた中、こうやってまとめることは大変難しいことだなと改めて感じております。
 先ほど三屋委員がおっしゃった私ども中央競技団体の立場からいうと、例えば29ページに出ています初期アウトカムの5項目などは全て競技団体、中央競技団体または都道府県競技団体、市区町村競技団体が全て絡んでくるアウトカムの位置づけにあるんですね。ですから、やっぱり誰がやるのかという部分の視点をもう一度置き換えて見れるような25ページのこういうイメージ図ですね、ここに誰がという部分をもう少し置いていただくことによって地方自治体、競技団体、都道府県競技団体、また都道府県のスポーツ協会、そういった位置づけがもう少し明確になってきて分かりやすい内容にも見えてくるんじゃないかなということを感じました。
 もう1点だけ、29ページの上段の上のところにブルーでまとめていただいている3行の言葉がございます。これがもうここまでのまとめを全て集約しているような内容にまとめていただき、丸1 、丸2 、丸3 というまとめをここでしていただいているんですね、29ページの一番上の部分のブルーのところですね。これが今までの集約のまとめに見えてしまいます。もちろんここの内容は間違ってはないんですけれども、ちょっと3行でまとめてしまうには物足りない内容ではないかなと思うことと、我が国がという言葉と日本が目指すということが明確にここに記載されています。ここをもっと、この言葉を使っていくんであればもっともっと日本としての目標設定、我が国としての世界への貢献度の部分まで広がってくる可能性もありますので、ここのまとめ方は先ほど友添委員がおっしゃったように、もう少し言葉を分かりやすくしてもいいのではないかなというふうに感じました。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、オンラインで御参加いただいています遠藤委員、よろしくお願いします。
【遠藤委員】  本日、基本計画部会、健康スポーツ部会のほうも拝命しております遠藤です。よろしくお願いします。皆様の御意見を伺って、今からお話しするのは基本計画部会で議論するところではあるんですが、先にこちらにてちょっとお伝えしたいなと思って手を挙げました。
 第3期の新視点「スポーツをつくる」についてなんですが、通し番号の23ページの資料になります。入れることは必要な要素だと思っています。現場の意見としてお伝えしますと、「つくる」の視点を丁寧に説明することが大切かと考えています。例えば現場にスポーツをしたいと子供や高齢者、障害児者、多様な人たちが来たときにその人の状況を見て運動の導入や強度などを考えるわけなんですけれども、その順番としてはまず初めに、既存の種目や遊びの中でできることを何か考えて、その次にできなければどんどんその人に合った形で2番目に既存の種目や遊びをアレンジして参加できるように工夫していく。そして三つ目にそれでも難しい場合は新しい遊びを考えるという順番で対応するということが多いんですね。
 難易度は1から3にかけて指導者としては指導に当たるにはどんどん難しくなっていきます。参加者にとっては優しくなるんですけれども、指導に当たる者に関しては考えるということは難易度が高くなっていきます。難易度が一番高い「つくる」ということは、こういった形で記載されるとスポーツをすることが難しく感じてしまう場合があるので、既存のスポーツなどからの工夫・配慮を含めて選定・考案し、その上でつくるということを説明に盛り込んだほうがいいのではないかなというふうに考えています。
 一からスポーツをつくるってやはり結構ハードルが高く、必要な能力が高いと思うんですね。それよりは既にいろんなニュースポーツがあるので、そういったものの中から対象の状況やその活動の目的に応じて適したものを選定したり特定の素材、遊びやスポーツなどをアレンジしたりするほうが現場では有効というところもあります。そうしたほうが関われる人の数を増やせるということも考えられますし、スポーツを考案する力というのはそういった中でついてくるものではあるんですけれども、ハードルが高いので、できる人が特殊な能力を持っている人に限定されるというイメージを持たせるのではなく、広くスポーツを広めるためには関わることができる人の枠自体を広げるというイメージを持たせるような、生み出すというか、つくるだけではなく、説明文においてはそれらの段階を引き出すような要素を入れていくことが必要なのかなと思いまして、計画部会のほうでもこれから議論をしていけたらなというふうに思いました。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、先に池田委員のほうから。
【池田委員】  検討部会のほうで発言させてもらっています山形県スポーツ協会の池田です。よろしくお願いします。
 私は従来ずっと山形いますという話をよくしているんですけれども、今日も山形県の南陽市という小さな町からやってきたわけなんですけれども、そこでもやはりスポーツに関して、部活に関して、地域スポーツに関してどのようにこれから町とスポーツを盛り上げていくのか、山形県のスポーツはどうなるかっていったような議論がされています。
 そのいろいろな議論をしていく中で一つちょっと見えてきたことがあって、どんなことが見えてきたかというと、あまりにもスポーツに関わる人たち、いろんなステークホルダー、組織というのがちょっと多過ぎて、なかなかそれぞれが別々に行動しているがゆえに機会を失ってしまったりということが多い。
 じゃあ、これから町のスポーツ、地元のスポーツ、地域のスポーツをどうしていこうかというふうに考えたときに、施策にもいろいろ展開してありますけれども、いろいろな人たちが、もう本当スポーツに関わらず企業の人であったり、障害者スポーツであったり、いろいろツーリズムをやっていたりという、そこの町にいる人たちがそれこそ集まるという機会というのが本当に重要になってくるのかなということをよく話しています。
 私は1番の23ページの総論のところで「あつまる」を入れたほうがいいんじゃないかと言った者なんですけれども、やはり機会もあってする人も見る人も支える人も、行ってつくる場があって育むものがあったとしてもやはりそこで集まってそこから価値を見いだしていくということがとても重要になるのではないかというふうに考えますので、集まるというキーワードを総論の中に入れていただきたいなというふうに思います。
 そうすると、この会議もそうなんですけれども、やはり課題だったり問題点だったりというのはたくさん出てくるんですけれども、あんまりわくわくする話で出てこないんですよね。こういう子供たちを地域で育てたい、スポーツでこういったことをしてみたいというような、わくわくする未来像というのがなかなか描けなくて、だけど人が集まって話をすることによってその地域だったり、その町に根差したその中で運用される、うまくいくというか、そういったスポーツの話がこれからできていけるんじゃないかなというふうに思うので、その観点をぜひ、大事にしていただきたいなというふうに考えています。
 あと3点あるんですけれども、2点目として、先ほど障害者スポーツの髙橋さんもおっしゃっていたんですけれども、オリパラのレガシーというのはぜひ可視化してほしいなというふうに思います。スポーツの価値の話、先ほど友添先生からもいろいろ御指摘ありましたけれども、スポーツそのものの価値、コアバリューというのもあると思いますが、スポーツを通じて生み出される価値というのはこの東京オリパラの大会でたくさんあったと思うんですけれども、それが次の計画にどういった形で継承されるのかというのが見えないので、そのスポーツのオリンピック・パラリンピックのレガシーというのを見える化してぜひそれが地域の人たち、大会が開催されなかった人たちにとってもそういうことがオリパラのレガシーとして私たちの町にも生かされてくるのねということが分かることがとても大切で、それがスポーツの力ということで感じられるものになるのかなというふうに思います。
 そして、そのスポーツの力というのが見えてくると、オリパラで夢と感動ってよく山形でも新聞の記事に躍り出る言葉なんですけれども、夢と感動だけじゃなくて、オリパラだったりスポーツの力だったりによって生み出されるものというのを多分その後戦略的に展開していけると思うんですよね。なので、そういったものを見える化していくと日本の人たち全てがスポーツの力というものを戦略的に展開するということが実現できていくのかなというふうに思いますので、その視点もぜひ入れていただきたいなと思います。
 三つ目なんですけれども、とても施策の内容については網羅されていて、いろいろな視点で考えられているというのはあるんですけれども、24ページに財源の確保と効率的・効果的な活用ってあるんですけれども、実際にこの26ページの施策全体を見たときに財源というのはどのように流れていくのか、どのような仕組みで動いていくのか、掛け合わせられるものなのか、その応用編というのはどこまでできるのかといったようなお金の流れ、見え方というのがちょっと分からないので、地域の目線から見てもすごく財源だったりというのは大切なポイントになりますので、NFだったり地域だったりどの視点から見てもこの反映される財源がどう運用されるのかというのは見えたほうがいいんじゃないかなというふうに考えています。
 最後なんですけれども、これは地域というよりもアスリートの視点というところになると思うんですが、今、やはりどこかの会議でも言ったんですけれどもアスリートの権利というものがすごく言われ始めてきています。公平公正な環境で競技するというアスリートの基本的な権利を担保するということがアスリートにとって本当に大事ですので、それがドーピング問題につながっていったり暴力やハラスメントだったりということに対しても自分にはスポーツをする権利があるという上でのスポーツ活動になっていくと思いますので、そういったところもぜひ視点の中で入れ込んでいただければなというふうに思いました。以上になります。
【早川会長】  ありがとうございます。では、益子委員、よろしくお願いします。
【益子委員】  ありがとうございます。監督が怒ってはいけない大会という小学生の大会を主催しています益子直美と申します。手短に少しだけお話しさせてください。
 24ページの基本的な方向性というところのポイント1のところで、スポーツで人生が変わる、これまでも各委員の方からのお話も出ておりましたが、本当にスポーツで人生が変わった方たちたくさんいらっしゃると思います。本当にスポーツはいろいろなことを経験できて成長できるすばらしいツールだと私も自分の経験でそう思っております。
 ただ、今回こういう前向きなスポーツをたくさんの方に体験してもらう、そしてスポーツ参画人口を増やすという意味で少し私はネガティブな思考になってしまって、スポーツが人生を変えてしまったというすごく残念な結果になってしまった子供たちや学生さんたちが多々いると思うんですね。部活なんかの暴力、暴言の指導で自死をしてしまった子供たちや途中でスポーツを続けられなくなってしまった子供たちもたくさんいると思います。
 これまでの部会でもそういうようなスポーツ界から暴力、暴言をなくすという話題の話はたくさんさせていただいて、皆さんも話し合って話題に出していただいていると思うんですが、25ページのイメージ図のところで右側に指導上の暴力、虐待の根絶、メンタルヘルスの向上というような細い字で書いて、もちろん問題提議をしてくださっているんですが、このロジックモデルの29ページのところで多分このスポーツ界での暴力、暴言の問題は指導者の育成のところにもしかしたら組み込まれてしまっているとは思うんですが、やはりこれからたくさんの方にスポーツを楽しんでいただくため、そしてやっぱりトップスポーツのアスリートのところにも関係してくると思うんですが、この暴力、暴言の根絶というところを具体的にここに提示をして、いろいろ話し合っていく題材の一つとして取り上げていただければと思いました。以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは石塚委員、お願いします。
【石塚委員】  ありがとうございます。スポーツデータバンクの石塚と申します。私の立場は地域のスポーツによる課題解決とか地域部活動という観点から自治体の皆様と日々向き合っている立場から少し発言をさせていただきたいと思っております。
 ページ24ページにある3ポツのレ点三つ目でございますが、まさしくこのスポーツ基本計画を実効性があるものにしていくという観点から見たときに、地方公共団体もしくは地方自治体の皆様がいかにこの推進をしていけるかというのが一つポイントかなというふうに感じております。先ほど三屋委員のほうからも御指摘ありましたけれども、計画部会のほうで私も少し自治体に目線を向けて発言をさせていただきましたけれども、スポーツ関連の部局に関してですけれども都道府県では約70%が首長部局、政令指定都市では95%程度が首長部局にそもそもあると。ただ、市町村のレベルになると15%しか首長部局のほうにこういったスポーツ政策を推進する部署がないということになりますと、基本的に教育委員会のほうでまだ所管しているケースが多分にあるだろうということを改めてお話をさせていただきました。
 こういった地域の担い手になるような自治体の皆様との連動というところが結局地域に行き渡る施策として進んでいかなければこの第3期基本計画の中にも実効性というものが担保しきれない部分もあるのかなというふうに感じたところでございます。こういった意味で地方自治体の皆様にもちろん周知というところはあるとは思うんですけれども、いかにその運用を確実なものにしていけるかという観点も非常に大事なポイントかなというふうに考えておりまして、そこにおける部活動の地域移行の件も含めてですけれども、新しい分野を進めて推進していけるような人材担い手というものも非常に大きな役割を持っているのかなというふうに思っております。
 そういった意味でいろんなこういった人材が地域におけるスポーツ推進や施策のことを進めていくためには、やはりこの横串を刺すという観点も非常に大事かなというふうに思っております。参考資料のほう通し番号の100ページになるんですけれども、少しページ進んでいきますけれども100ページの上段ですね、スポーツ×まちづくりと書いてある資料があると思うんです。これは非常に地域にとっては分かりやすい事例の一つなのではないかなというふうに思っております。
 いろいろな縦軸はあると思うんですけれども、これはやはり横軸で刺していきながら様々な地域課題の解決を連動していくという、こういった観点が非常に重要なのではないかなというふうに感じているところでございます。例えば部活動の地域移行化に関してはまさしくその教育委員会の部局だけではなかなか解決しにくい部分も関わっているとあるのかなという声をよく聞いております。そういった意味ではこういった横串を刺しながら地域のまちづくりに寄与するような形ですとか、部活動の推進改革というものも進めていけるのではないかなというかというふうに感じているところでございます。
 こういった形で地域に少し目を向けてみるとこういった実効性を担保するという意味ではより明確に周知、運用までいけるようなサポートをすることも必要なのかなというふうに感じております。以上でございます。
【早川会長】  ありがとうございました。では、オンラインで御参加いただいています山田委員、お願いいたします。
【山田委員】  ありがとうございます。もう意見も出尽くしておりますので、私のほうからちょっと気になった点だけお話をしたいと思います。
 皆さんは孤独なボウリングという本を御存じでしょうか。これはロバート・パットナムという方が書いたもので、アメリカ社会において1人でボウリングをする人が増えて、それによってコミュニティーが非常に今、危機にあるという状況を描いたものなんですね。
 つまり、スポーツがこういう価値を持っている、また、スポーツが内在的、外在的価値を持っていると同時にスポーツにある方向性を与えることによってスポーツの価値を高めていく、そういう方向が実はあると思っているんです。1人でボウリングするよりたくさんでボウリングしたほうがまさに地域は元気になるし、コミュニティーは復活するんだ。スポーツが持っている人と人とをつなぐ力、それによってスポーツに方向性を与えることによってスポーツというのは地方創生にもなるし、共生社会の礎にもなる。そういう私は考え方を持っております。
 それから申しますと、今回のまとめた形の地方創生とかいうものについては何かすごく小さなものになってしまったなあという感じがしております。スポーツツーリズムをやれば地域が元気になるというのが地方創生の目的ではないですよね。地方創生の目的は本来人と人とがつながって、そしてそれによって地域の元気になってくる、つまり共生社会をつくっていくことによって地域のまちづくりができ、地方が経済的にも、また精神的にも豊かになってくる、それを目指すのが地方創生なんですね。
 その点からするとこういうまとめ方をされると、地方創生ってこんなもんだったかな、または共生社会というのは単に障害者の方の社会参加とかそういうことだけではなくて、もっと全体のコミュニティーがしっかりと結びついて人と人との絆が深まってソーシャルキャピタルという言い方をしていますけれども、社会関係資本が出来上がってネットワークと信頼と規範が地域社会に出来上がっていく、そこの原動力に本当はスポーツがなるんだという非常に大きな社会的な意義があるんだけれども、そこが何となくこうみんな小さくなってしまったなという感じがしていて、少しその点についてもうちょっと大きな視点からのスポーツの持っている力というものを書いていただけたらありがたいなということをちょっと申し上げたいというふうに思います。私からは以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは大石委員、いかがでございましょうか。
【大石委員】  スポーツ基本計画部会のセントラルスポーツの大石と申します。私こういう政策に関する会議に初めて出させていただいておりますので、勉強させていただくことばかりですが、部会のほうでだいぶ進んできたと思っていたところ、皆さんの御意見で少し戻ったり、もう一度考え直したりということでとてもまとめるのは大変なことだと改めて感じております。
 私がいろいろ資料を読ませていただいた中で感じたことは、どなたかもおっしゃっていたと思いますが、やはり文言が少し難しい部分もあるというふうに率直に思っておりまして、受け取る側の考え方で具体的に行う施策が変わってしまわないかと思うこともございました。ですので、こういった資料や施策をまとめるに当たっては、具体的に誰に何をやってほしいかということを具体的にイメージして分かりやすく伝えるということ、分かりやすい言葉で具体的に表現するということがもっとできたら、私ぐらいのレベルでも分かりやすいのではないかと思っております。
 それと、希望が持てる、この方法でやってみたい、この施策はぜひうちでも取り入れてみたいというような、何か希望が持てるような見せ方というのが、実際にこれを落とし込むときにできるとより一層、皆が一体化して進められるのではないかというふうに思いました。
 簡単で申し訳ありませんが、以上です。ありがとうございました。
【早川会長】  ありがとうございました。斎木委員、いかがでございましょうか。
【斎木委員】  斎木でございます。どうもありがとうございます。本日、別の用務のため遅れての参加になりまして大変失礼いたしました。遅れて参加いたしました結果として、各委員の方々の御意見を全て拝聴できたわけではありませんので、その前提で私の考えをかいつまんで申し上げたいと思います。
 24ページに基本的な方向性としてポイント1をまとめていただきました。私もスポーツの持つ大きな力に着目をして、スポーツで人生が変わる、社会を変える、世界とつながる、未来をつくると、この四つの基本方針を第3期基本計画においても踏襲するということに賛成でございます。
 続けて、「その上で」とございまして、第2期の計画期間中の施策や取組の振り返りが大事だとされています。これも全くそのとおりでございます。まさに参考資料にいろいろ記述いただいております。私もこの参考資料に基づいて勉強いたしました。しかしながら、不勉強な自分を棚に上げて申し上げると、若干隔靴掻痒の感もございまして、すなわち、これはこうだった、どうだった、ああだった、と記述があり、読めば、それなりになるほど、なるほどと思うのですけれども、やはりこの第2期基本計画の間になされたことをしっかりと踏まえて、第3期計画期間における施策、取組を決めるということでありますから、特にEBPMの推進などについても言及をいただいているところですから、もう少しエッジの効いたといいますか、もう少しさらに深い切り込みをぜひ第2期計画期間中の施策や取組の振り返りにおいて行っていただければ大変ありがたいと思う次第です。これが1点目でございます。
 それから2点目ですが、ポイント2としてこの四つの基本方針が真に実効性ある形で遂行されるよう担保するべくロジックモデルを構築するということでございます。大変結構なことだと思うのですけれども、複数委員の方からも御指摘がございましたが、例えば26ページで今後5年間の具体的な施策の項目案とございますが、この主体について、特にその主体間の役割分担にも十分な注意を払い、明確な意識を持った上で、どの施策にどういう主体がどういう関わり方をするのかということを書き込んでいただくと、より有益なものになるのではないかと考えました。
 それから3点目でございますけれども、23ページに戻りまして、ここでスポーツの価値についておまとめいただいています。先ほど私はポイント1のところでスポーツの持つ大きな力と申しました。力といいますか、価値といいますか、大変重要なポイントです。そこで、これも複数委員から御指摘ありまして私が強く同感したところなのですけれども、第3期の新視点として丸1 のところでこれまでの「する/みる/ささえる」に加えて「つくる/はぐくむ」、さらには「あつまる/つながる」と、こういった点は大変重要だと思います。すなわち、一人一人が「する、みる、ささえる」ということにとどまらず、スポーツの持つ力を最大限化するということは、スポーツの持つ力によって人が「あつまれる、つながれる」ということでもありますので、こういった視点をぜひ入れていただきますとありがたいと思います。どうもありがとうございます。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、秋元委員の代理でオンラインで御参加いただいております石川様、御発言よろしくお願いいたします。
【石川委員代理】  秋元の代理で参加させていただいております石川と申します。
 前回もいろいろとお話しさせていただきましたけれども、やはり国のスポーツ基本計画というのは地方にとりましても非常に重要な指針というふうになってございます。そういう意味では前回も御発言させていただきましたように、スポーツ振興を幅広く捉えていただいて、スポーツによる振興、スポーツによるまちづくりという視点を盛り込んでいただきたいというふうに考えておりますし、札幌市では2030年の冬季のオリンピック・パラリンピックというのを目標に招致を進めているところでございまして、ちょうど札幌市が招致を目指す2030年というのは国連が定める持続可能な開発目標、いわゆるSDGs目標年度でもありますので、大会を通じて世界の平和、団結に貢献すること、それから気候変動等の世界的解決にもアプローチして国際社会にも貢献していきたいというふうに考えております。
 また、前回も発言させていただきましたが、東京2020大会というのは日本選手の活躍に多くの国民が勇気づけられました。その活躍の背景にはハイパフォーマンスセンターの存在が非常に大きいというふうに考えています。一方で、冬季競技においては競技別強化拠点というのが点在しておりますが、医科学サポートを受ける環境、別競技との交流などにおいても夏季競技との差があるというふうに伺っております。例えば北海道に冬季競技の国際競技力向上を一元的に担う冬季競技のハイパフォーマンスセンターを設置することができれば、これらの課題が解決できるんじゃないかなというふうに思っております。
 現在、東京に集約されていない冬季競技などの強化拠点、地方に整備することの検討などを盛り込んでいただければなというふうに考えているところでございます。前回の計画部会、委員の秋元から発言をするようにということで発言いたしましたけれども、今回も改めて発言させていただきました。ありがとうございます。
【早川会長】  ありがとうございました。若干時間が押しておりますけれども、あともう少しですので、少しお付き合いいただきたいと思います。
 続いて境田部会長代理のほうから御発言をお願いします。
【境田部会長代理】  部会長代理を務めております境田でございます。
 2点ちょっと申し上げたいと思います。まず、先ほど池田委員とか益子委員からスポーツの権利とか暴力とかハラスメントを防止するような政策が必要だという趣旨の御意見があったかと存じますが、ちょっと私も先日、このユニセフが2018年に「子どもの権利とスポーツの原則」という声明文を発表しています。ちょっと振り返ってみますと、2011年にスポーツ基本法をつくったときにスポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利と、スポーツする権利を明文化したんですね。これもかなり、内閣法制局的には新しい権利を法律に書き込むというのに物すごく抵抗を示した方もいて、私もスポーツ議連とか回ってこれが必要だ、スポーツ権を明文化しないと、これからも暴力やハラスメントは続くんだということを当時言いましたけれども、そうやって明文化できた。
 しかし、明文化しただけではやっぱり暴力もいろいろ起きて、その後、全柔連の暴力問題とか大阪の桜宮高校の男子バスケットのキャプテンの自殺問題が起きて、そこでトップアスリート向けの相談窓口をつくったんです。これ、友添先生も一緒に。でも、その後もやっぱり2017年、18年にそういった暴力がいろいろなスポーツ団体で相次いでスポーツ団体ガバナンスコードをつくった。そのときの議論であったのがNFとか一般スポーツ団体はその窓口をつくるからそこで子供たちへの暴力が拾えるんですよね。ちゃんと協会とかでそこで調査をしたり処分したりできるんだけど、そこに属していない子供たちですよね、スポーツ団体に登録して全国大会に出るのはいいんだけど、UNIVASとかに出るのはいいんだけど、そういうのに出てないところは拾えないんですよ。だからそこはやっぱり何とかしないといけないなというのがそのときの実は積み残しの議論だったと思っています。
 なので、こういった子供の権利をどうやって本当にユニセフに書いてあるようなこの八つの原則かな、10ですね、原則をやるにはどうしたらいいかというのを今一度考える必要があるというのをすいません、改めてちょっと思いましたというのが、一つ目です。
 二つ目ですけれども、友添委員からさっきあった25ページ、26ページに書かれているDXのところって物すごく重要で、私、基本計画部会でこのDXの必要性を何度かお話をさせていただきました。実はこのデジタルトランスフォーメーションって、これがうまくいけばスポーツの国際交流だとか、成長産業化とか健康増進、地方創生、まちづくり、共生社会、みんな実は達成できる可能性はあるんですよね。
 私はその可能性を実現するため二つがポイントだと思っていて、一つがトップアスリートがLTCでいろいろなデータを取ってスポーツ科学の研究にも協力してくれていますので、これが各競技団体と組んで、例えばバスケットでいえばどうやったら八村になれるのかというメソッドを開発して、それを全国の小中学生のバスケやっている部員とか体育の授業で教えるみたいな、それを競技団体とJSCが一緒になるというのがすごく重要だろうと思っていて、それをじゃあ普及させるにはどうしたらいいかというので、これがさっき今井課長から説明があった28ページのGIGAスクール構想です。ここにうまくはめ込めば、小中高まで合わせると1,000万人の生徒がいるわけで、こういう人たちにこういったツールを使って、システムを使って協力してもらうと一気にこういったDXが推進するんですよね。
 なので、このトップと地域のデータプラットフォームをきちんとつくることによってうまく回せれば本当に日本のスポーツ界は変わるし、これは日本、今の政権もDX、DXと言っているけど絵に描いた餅で終わらないためのこれ、物すごく重要なところだと思います。ただ、ここはうまくこれ、お金も恐らく収益も生むんだけど、うまくどうやって還元していくかというストラクチャーがすごく重要なんですよね。
 だから、こういったのが一番うまくいっているというのはグーグルとかアマゾンでしょうけど、結局そこで行き過ぎた、自分たちだけに利益が落ちるような仕組みをつくっちゃうとみんなしてくれませんし、世の中ハッピーにならないので、ここのヘッドクォーター、このデジタルDXを実現するためのヘッドクォーターを本当に日本の英知を集めてつくり込みをつくるというのがすごく重要なんだろうというふうに思いました。
 しかもここはやっぱり、先ほどNTCでトップアスリートの人を対象にいろいろな研究者がやっていますよね、今。そういうふうな、私はこの研究をしたいというのではなくて、今、DXをやるためにはいろいろな企業でウェアラブルとかバーチャルリアリティーの技術とかスマートウォッチとかスマートウェアとかいっぱいあるんですよ。そういった最先端のいろいろな機器を持っているようなデバイスを持っている企業ともうまく連携して、そこに最先端の知を持つそういったデータプラットフォームセンターをつくっていくというのも重要なんで、これもだからヘッドクォーターでそういったところまでちゃんと考えてつくるというのが重要だろうと思っています。
 すいません、以上です。
【早川会長】  ありがとうございました。それでは、大日方部会長のほうからお願いします。
【大日方会長代理・部会長】  ありがとうございます。今日皆さんの特に審議会、総会の委員の先生方のお話を聞いておりまして、計画部会でつくってきておりますもの、もう少しもっとこんなふうにしたほうがいいんじゃないかなというような貴重な御意見をいただいたなというように認識をしております。ちょっと、考え方も含めて整理の仕方、項目のつけ方、つくり方の骨格の部分ももう少し考え直す必要があると認識をいたしました。ありがとうございます。
 ちょっとその上で私のほうで気がついた点というのを幾つか申し上げたいと思います。今まで出ていないところの観点で申し上げます。
 一つは地球規模の課題に対してスポーツ界としてどう取り組むのかというようなことに関して、やはり第3期の基本計画では書いていく必要があるだろうというふうに思いました。例えば気候変動の問題に対してスポーツ界として何をしていくのか、どういうポリシーで向けていくのかというようなことは入れる必要があるというふうに思いました。また、人口減少社会という人生100年時代のお話がありましたけれども、支えていく人たちも減っていく、こういう課題に対してでは私たちスポーツ界はどうするのか、こういうことについてももう少し書かなければいけないなというふうに思いました。恐らく何人かの委員の方々からお話があったですね、じゃあ誰がやるんだというところの主語、主体の議論をもう少し進めないと多分総花的にさらに発揮する、さらに進める、全部全部やっていきますって言ってもやる人がいないとこういうような形になっていってしまう、絵に描いた餅にならないようにしないといけないと思います。
 例えばちょっと落ちてしまっているのがスポーツ団体の連携・協働というところでもう少しこうまとめて少ない人数でできるような効率化を図る、あるいはたくさんある指導者の資格であるとかそういったものをもう少しまとめていく方向みたいなものも具体的に書き込むというよりそういう方向で議論を進めるみたいな基盤のところでももうちょっと工夫が必要なのかなというふうに思いました。
 また、オリンピック・パラリンピックのレガシーというところについては、一つやはり柱として3期書いておいたほうがいいなというように議論を踏まえて感じたところでもあります。特にパラリンピックのところですね、共生社会は障害者のためだけのスポーツのことでもないし、女性だけというところでもないよねというようなところも含めて考えると、オリパラレガシーというような書き方をこことは別に書いていくことで網羅されることもあるかなというように思いました。
 また、暴力やハラスメントという点についても、スポーツ界の基本的な考え方をもう一度示すこととともに、それがどのような形で担保できるのかということ、新しい課題というようなものもコロナ禍で出ておりますので、これに対してもどう取り組んでいくのか、そういったことも書き込んでいく必要があるというように感じました。
 引き続き基本計画部会のほうでも議論を進めてまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【早川会長】  ありがとうございました。
 本日は本当に長時間にわたって御議論いただきましてありがとうございます。大変貴重で多岐にわたる御意見をいただいて、この後まとめのほうも大変になってくると思いますけれども、これまでも事務局の皆さん、短期間でこの取りまとめをやっていただきましてありがとうございます。部会の方にも感謝申し上げたいと思います。これからもう少し、割と時間ない中ではありますけれども、このまとめ、よろしくお願いしたいと思います。
 東京大会については、もうたくさんの方から非常にすばらしい大会であったということが言われましたし、中でも、障害者スポーツとかアーバンスポーツへの関心が非常に高まったというようなことで、大切なのは、一過性のものにしないで共生社会づくりとかスポーツの裾野を広げるということにどうやってつなげていくかということであるというふうに思います。
 今、第3期のスポーツ基本計画を策定中でございますけれども、スポーツを取り巻く環境がどういうふうに変わってくるのかというか、本当に見通しづらいというか、環境変化が非常に早いスピードで進んでいるという中で、たくさんの御要望というか御意見をどうやって収れんさせていくかという、かなり選択の問題になってくると思いますので、何かきちっとした方向性を出すような形で議論ができたらいいなというふうに思います。
 関係者、皆さんが一緒になってこの基本計画の議論をしなくちゃいけないという中で多くのステークホルダーの方がこの基本計画の案そのものに触れる機会を増やすということが非常に大事だと思いますし、意見を吸い上げていく、これが大事だと思います。そういった点でも先ほど友添先生とか大石委員のほうからもありましたけど、少し分かりやすくしていく努力というのは重要なのかなというふうに思いました。
 あと、5年間、割と中長期にわたっての計画ですので、一旦決めたらこのままでずっと最後までこれでいくということではなくて、やっぱり環境変化に合わせてある程度評価見直しを柔軟にしていくというやり方も少し検討いただけるといいかなというふうに思いました。
 いずれにせよ、これからまた今日の皆さんの御意見を踏まえて、大日方部会長、境田部会長代理におかれましては引き続きスポーツ基本計画部会での御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、会の最後になりますけれども、室伏長官のほうからまとめの御挨拶を頂戴できればというふうに思います。長官、よろしくお願いします。
【室伏長官】  早川会長、ありがとうございました。皆さん、大変長きにわたり御苦労さまです、お疲れさまでした。本日も様々な角度から忌憚のない御意見を頂戴いただきました。誠にありがとうございます。
 本日は事務局よりスポーツ基本計画の構造案のたたき台をお示しさせていただきましたが、それについてもたくさんの御意見をいただきました。内容がすごく混雑していて分かりづらいという御意見もいただきましたけど、議論するものもたくさんありますので、それをまとめていくのはなかなか大変なものがあるとは思いますが、皆さんのお力添えもいただきまして上手にまとめていけるように我々も取り組んでまいりたいと思います。
 一方で、その課題は大事なところでもあって、確かに誰もが分かるような形で、また、別の形なのか分からないですけれども、パッと基本計画が分かるような、みんなが、中学生、高校生が見ても、一般の方が見ても分かるような形で何かそんな簡単な冊子をつくるとか、この辺もまた工夫をしていくことで浸透していけるんじゃないかと思います。
 第2期スポーツ基本計画も大変すばらしい内容になっておりますので、まず、我々この中もまたもう一度見ていただけると分かると思いますけど、各課で成果と課題を分析していただき、何を達成して何が達成できなかったということも一応、それぞれ議論しております。そういう分析の下、さらにこれを少しずつまとめていっているというところだと思いますけれども、見ると人材のこととか地方のこと、こういったものがキーワードに足りないところということで課題としてありますので、こういったところは三屋会長がおっしゃった心臓部がしっかり心臓を働かせて細部にしっかり行き渡るように、皆さんに分かりやすい形でこういった今回作成している政策が基礎づくようにまた取り組んでいきたいというふうに思いました。
 医学の面でも少し文言が足りないということでおっしゃっていただきましたけれども、羽鳥先生にもありました、渡邉部会長におかれましてもフォローしていただきましたけれども本当に医療連携も大切だと思いますし、今後も取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 我々、コロナで改めて――前回と違うところはコロナというところと、あと東京オリンピック・パラリンピックを経験したというところ、また共生社会の大切さであったり、その二つを通して随分また考え方がみんな変わってきたところもあると思います。ここも含めて、最後まとめ上げに向けて一丸となって取り組んでまいりたいというふうに思います。
 今後はスポーツ基本計画部会におきまして、本日委員の皆様より頂戴いたしました御意見も踏まえまして、本文案をどのようにつくり上げていくかという御審議いただきたいというふうに思っております。大日方部会長、境田部会長代理、そして部会委員の皆様方におかれましては、引き続きお願い申し上げたいというふうに思います。
 総会の委員の皆様方におかれましては、この11月、12月で部会にて御審議いただいた案をもって年末頃をめどに、もう時間あんまりないんですけれども改めて御意見を伺いするお時間をいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。引き続き委員の皆様方、御協力を頂戴できればというふうに思っております。
 本日は長きにわたり、ありがとうございました。
【早川会長】  長官、ありがとうございました。それでは、最後に事務局から、次回の会議について御説明をお願いします。
【事務局】  次回日程につきましては改めて御案内させていただきます。よろしくお願いいたします。
【早川会長】  15分ほど遅れましたけれども、今日は本当にありがとうございました。これで会議は終了とさせていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

 

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