資料6-2 スポーツ・インテグリティの体制整備について(緊急提言)

平成30年6月25日

スポーツ・インテグリティの体制整備について
緊急提言



スポーツ議員連盟
スポーツ・インテグリティの体制整備の在り方の検討に関するプロジェクトチーム


今般、スポーツ選手の暴力行為やドーピング行為、スポーツ指導者によるパワーハラスメントや反則行為の指示、スポーツ団体における不正な会計処理などスポーツ界において様々な不祥事が相次ぐとともに、このような事案に対し、問題解決の責任主体であるスポーツ団体等において適切な対応が取られず、スポーツ選手の権利や安全が脅かされる状況は極めて深刻な事態である。
スポーツ・インテグリティ(誠実性・健全性・高潔性)の確保は世界の潮流であり、2019年のラグビーワールドカップや2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会等の開催を控え、我が国のスポーツ選手・スポーツ団体におけるインテグリティの確保は、スポーツにおける国際的な信頼性の確保の観点からも早急に取り組むべき課題である。
スポーツ選手の権利利益の保護とスポーツ活動全般における安全・公正・公平性の確保を通じ、スポーツの価値を守り、今後広く普及していくためにも、スポーツにおける自主性・自律性に配慮しつつ、スポーツ・インテグリティの確保に向けた取組をオールジャパンで強化することが必要である。これは今後の我が国で開催される大規模国際競技大会のレガシーとなる。
こうした点を踏まえ、スポーツ・インテグリティの体制整備に関して以下のとおり緊急提言する。

1.第三者による相談・調査体制の構築
スポーツを行う者の権利利益の保護を図るため、SNSの活用やキャンペーンの実施など、各スポーツ団体に設置されている相談窓口の活用促進に向けた取組を強化するとともに、独立行政法人日本スポーツ振興センターの機能・権限の強化を含め、スポーツ・インテグリティ確保のための第三者による相談・調査体制の構築を検討する。併せてスポーツ仲裁の活用を促進するため、スポーツ団体におけるスポーツ仲裁自動応諾条項の導入促進を図る。

2.適正なガバナンスを担保するための基準の設定・検証
スポーツ団体の適正な運営(ガバナンス)を担保するため、外部人材の登用、安全の確保及び適正な会計処理を含めたコンプライアンスの確保などの基準を設定し、検証する仕組みを検討する。併せて、来年春に設立が予定されている大学横断的かつ競技横断的統括組織(日本版NCAA)においても同様の課題に対処するよう取組を進める。

3.スポーツの健全性を確立するための国等の関与
スポーツを行う者の権利利益の保護とスポーツ活動全般における安全・公正・公平性の確保等を担保する観点から、一定のスポーツ団体に対する指導権限を含め、公益法人制度とは異なるスポーツの健全性を確立するための国等の関与の仕組みを検討する。


なお、本緊急提言の取りまとめに当たっては、人材育成や財源確保の必要性、スポーツ団体への国等の関与は抑制的であるべきとの意見もあったことから、これらも踏まえ今後更なる検討を行う。

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(スポーツ庁政策課)