スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第2回) 議事録

1.日時

令和3年5月13日(木曜日)15時00分~18時00分

2.議題

  1. (1)関係団体からのヒアリング
  2. (2)その他

3.議事録

【大日方部会長】 皆様、こんにちは。ただいまからスポーツ審議会スポーツ基本計画部会の第2回会合を開催いたします。皆様、大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
今回の会議につきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策といたしまして、各委員にはウェブ会議で御参加をいただく形とさせていただいております。また、報道関係者の方も含めて傍聴の方はYouTubeによるオンライン配信を御覧いただく形となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日は秋元委員より代理出席の申出が事前にございましたので、これを承認しておりますので御承知おきください。
本日から第4回までは、前回の会議にてお示ししたとおり、関係団体からのヒアリングを予定しております。
まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

【スポーツ庁事務局】 事務局でございます。本日は、関係団体からのヒアリングとなってございまして、資料1に団体ヒアリング日程、以後、資料につきましては関係団体からの発表資料を発表順に並べているところでございます。また、各団体の発表の際には、恐れ入りますが、システム上の画面等へはせずに、事前に各委員にお送りしております資料をそれぞれ御覧いただく形となりますので、よろしくお願いいたします。
また、各団体からはそれぞれ8分以内で御発表いただきまして、各グループの最後に10分程度質疑応答の時間を取っていただくという格好になります。非常にタイトなタイムスケジュールとなっておりまして大変申し訳ございませんけれども、御協力のほど何とぞよろしくお願いいたします。
なお、お時間の都合上、十分御質問がいただけなかった場合につきましては、会議後事務局のほうにお寄せいただきましたら、各団体におつなぎいたしまして、団体からの回答をお返しさせていただくようにさせていただきたいと思っております。
事務局からは以上でございます。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは早速、議事に入ります。
本日は、資料の1に記載されております12団体より、団体において取り組まれているスポーツ振興に向けた取組の状況や成果、現状の団体において抱えられている課題、そして、第3期計画において期待すること、これらについて御意見をお伺いすることになっております。
進め方といたしましては、幾つかの団体をグループに分け、まず各団体から8分以内で順次御発表をいただきたいと思います。その後、グループごとにまとめて質疑応答の時間を10分程度取らせていただきます。
本日は、団体の皆様もオンラインで御参加されていらっしゃいます。
それでは早速、ヒアリングを始めたいと思います。事務局は、Aグループの団体の御入室を確認お願いいたします。

(Aグループ 入室)

【大日方部会長】 それでは、最初のAグループ、日本スポーツ協会、日本オリンピック委員会、日本障がい者スポーツ協会、日本スポーツ振興センターとなります。事前に御案内しておりますとおり、各団体説明時間8分をお守りいただきますよう、御協力のほどお願いいたします。次のグループの時間帯との関係もございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず、日本スポーツ協会様、よろしくお願いいたします。

【岡(JSPO)】 日本スポーツ協会の岡と申します。本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私からの説明は、4月21日のスポーツ審議会での伊藤会長の発言、4月26日基本計画部会での森岡常務からの発言に基づきまして、日本スポーツ協会としての今後の方向性についての御説明となります。
資料を準備させていただきましたので御覧ください。表紙がございますが、次のページをお願いいたします。本日、御説明させていただく内容の目次となっております。こちらについては省略します。
次のページをお願いいたします。1、スポーツ参画人口の拡大に向けてでございます。
まず、スポーツ参画人口の拡大に関する基本的な考え方を最初に御説明させていただきます。資料の中には書いておりませんので、口頭の説明となります。
日本スポーツ協会では、子供から青年、成人そして高齢者まで、生涯を通じてより多くの人々が楽しさ、喜び、そして体を動かして競い合い、また新しい発見や感動を体験して、スポーツを長く生活の中に組み込むために何ができるのか、そしてスポーツをする人々を見る人、応援する人が新しい発見や感動を得るのにどんな貢献ができるのか、そしてさらにこれらを支えるコーチなどの人々を増やして、育成していくことも含めて、スポーツの発展に関わる人々の集合体を、進化する時代に合わせて発展させるというふうに捉えています。このような基本的な考え方に基づき事業を展開していこうと思っておりますが、当然ですがその前提として、安定的な財源確保が必要だと認識しています。
中長期的な財源の確保としては、公的な予算の確保のほか、totoの売上げ増、新たな収益向上の仕組みの構築、また、スポーツ団体の経営力強化としては補助金、助成金だけに頼ることなく、日本スポーツ協会が有する資産を生かしつつ、パートナー企業やその他多くのステークホルダーと共に協業し、常に新たなサービスを提供し続ける、新たな価値を創造し続けるといったことで組織を成長させていこうと考えています。
次のページをお願いいたします。コロナ禍におけるスポーツ界への支援ですが、こちらは令和2年度において国の補正予算を頂きまして取り組んだ事業の成果でございます。新型コロナウイルス感染でスポーツが停滞する中、アフターコロナ、ウィズコロナに向け、引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えています。
次のページをお願いいたします。継承・発展させるべきスポーツレガシーでございます。ここからは、現状のスポーツ界における課題を捉え、取り組むべきことについての御説明とさせていただきます。
次のページをお願いいたします。(1)運動部活動改革への積極的な取組、対応でございます。運動部活動改革につきましては、2023年から休日の運動部活動が地域へ移行することとなることで、この状況については待ったなしの状況にあると認識しています。その中で、地域スポーツ移行の受皿として、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団へ期待されておりますが、現時点で中学校の運動部活動を受け入れられる充実した体制の整ったクラブというのは多くはございません。
そのためにも、そのクラブを支援する体制として、都道府県体育スポーツ協会を中間支援組織として明確に位置づけること、休日の運動部活動を地域に移行する場合でも、当面の間教員の方々の協力がなければ成り立たないという前提に立ちますので、教員や部活動指導者に向けた学びの機会の提供、研修の実施、地域運動部活動の指導に当たる方々の配置と財源確保、適切なコーチングスキルを有する有資格者の部活動指導者への任用、部活動経験のある退職した教員の方々に協力を求めるといった取組が必要と考えております。
次のページに、JSPOが目指す新たな地域スポーツ体制のイメージ図(試案)をお示ししています。地域全体でジュニア期のスポーツを支えていこうという将来像というふうに御理解いただければと思います。
次のページをお願いいたします。Japan Gamesを中核としたスポーツの価値の向上でございます。
今年で第76回を迎える国民体育大会ですが、2024年の第78回大会からは、名称を国民スポーツ大会に変更するとともに、英字表記をJapan Gamesに変更いたします。この機会に、日本スポーツ協会が年代ごとに開催している各種イベントを、Japan Gamesの統一したブランドの下、参加者となる、する人だけではなく、見る人、応援する人も含め、より多くの人々が楽しめるよう、例えば、食・音楽・芸術等アミューズメントを融合させた複合的なスポーツ事業への展開を試み、スポーツファンを増やしていこうという取組を考えております。
日本スポーツ協会の取組は、主にする人、支える人のための事業がこれまで中心ではございましたが、今後見る人、応援する人へのアプローチを積極的に推進してまいります。Japan Gamesが日本スポーツ協会の使命を体現する事業として、各年代においてスポーツを楽しみ、仲間をつくり、生涯を通じてスポーツとの付き合い方ができる仕組みづくりを推進したいと思っております。
次のページをお願いいたします。公認スポーツ指導者の資質能力向上と活用です。日本スポーツ協会は、1964年の東京オリンピックの翌年から指導者養成に着手しております。現在、約19万人の指導者が全国で活躍していますが、学校部活動をはじめ全てのスポーツ活動において、公認スポーツ指導者が十分に配置されているかといいますと、そうではございません。また、不適切な指導が存在していることも深刻な問題と捉えております。
日本スポーツ協会では、平成26年度、27年度の2年間にわたりまして、スポーツ庁が取り組んだ新しい時代にふさわしいコーチングを検討するコーチング・イノベーション推進事業の一環として、全てのスポーツ指導に当たる者が身につけるべきグッドコーチ育成のためのモデル・コア・カリキュラムの策定に協力させていただきました。
子供たちの運動・遊び、体力・運動能力の向上、部活動改革、競技力向上、いずれにおいても適切な指導能力を有するグッドコーチの活用が期待されます。そのため、資格取得のための学びの促進をするために、デジタル技術の活用、教員の方々を含め運動部活動で指導に当たる指導者の資質能力向上、中央競技団体主催大会への資格義務づけ、こういったことを通して公認スポーツ指導者が活躍できる方向へ向けていきたいと考えています。
なお、具体的な取組の最下段に、国に対する指導者制度事業認定の再検討依頼とございますが、この根底には、全てのスポーツ指導者に資格付与ができないかという課題がございます。現状の大きな課題として御認識いただきたいのですが、無資格者の方が不適切な行為を執ったとしても、彼ら彼女らに対する処分権限が、日本スポーツ協会にも中央競技団体にも存在しないという状況がございます。暴力根絶に向けても、全ての指導者に何らかの資格を付与させるような取組によって大きな歯止めがかけられるのではないかと思います。
次のページをお願いいたします。(4)スポーツ界におけるインテグリティの確立です。
令和元年6月に策定されたスポーツ団体ガバナンスコードに基づき、各スポーツ団体が自己説明、公表をしております。統括3団体として、適合性審査を着実に遂行するとともに、加盟団体を支援する研修機会の充実に努めてまいります。
また、昨年7月に国際的な人権擁護団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチが公表したレポートは、大きなインパクトを与えました。指摘された内容を真摯に受け止め、加盟団体をはじめ関係する団体機関とともに対処する必要があると考えております。ただ、現状では人的、金銭的リソースが限られている中ではありますが、効果的かつ実効的な対策を進めていかなければならないと考えております。
次のページをお願いいたします。(5)子供の運動機会の定着です。
子供時代の運動遊びやスポーツの経験が、成人期の運動スポーツ習慣に大きな影響を与えるということは、皆さん御承知のとおりと思います。日本スポーツ協会が開発したアクティブ・チャイルド・プログラムは、運動が遊びを基本とした体づくり・動きづくりのプログラムとなっています。JSPO-ACPの全国展開として、幼稚園、保育園、小学校などに導入していただくことで、子供たちに、体を動かすこと自体が楽しい、面白いと感じていただき、それが自発的な活動定着に結びつくよう展開を進めてまいります。
以上、五つの視点で継承・発展させるべきスポーツレガシーを説明いたしました。特に優先順位があるというわけではございませんが、(1)の学校運動部活動改革、(2)のJapan Gamesを中核としたスポーツの価値の向上に関しましては、これまで継続して取り組んできたことではありますけれども、新たな取組とも言えるものですので、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
日本スポーツ協会からは以上でございます。ありがとうございました。

【大日方部会長】 御発表ありがとうございました。
それでは次に、日本オリンピック委員会からよろしくお願いいたします。
【籾井(JOC)】 ただいま御紹介いただきましたJOCの籾井と申します。よろしくお願いいたします。時間が限られていることもあって、あまり個別の事業の内容を詳細にというよりは、今後JOCが目指そうとしている方向性についてのお話が中心となりますことを御了承いただければと思います。
まず、東京大会の開催が決定して以降、強化費の充実、それからナショナルトレーニングセンター(NTC)の拡充・サポートの充実と、様々な形でNFの強化活動を支援いただいたことに、まずは感謝を申し上げます。おかげさまで、選手たちが世界トップを目指してトレーニングに励むという環境が整いまして、リオ2016、平昌2018等の各オリンピック大会でも高い競技成績を収めることができました。国民の皆様にも、夢と希望をお届けすることができたのではないかと思っております。
ただ、JOCの反省として、その先のオリンピズムの精神や、スポーツの価値というのをしっかり発信することができてこなかったということを踏まえて、今後の活動については考えていく必要があると思っております。
特に、オリンピックに関していいますと、ともすればメダルの数だけで大会の成功の可否というのを論ずることが多くなっておりました。スポーツ審議会の総会の場でも、山下会長が発言をした通り、今のスポーツ基本計画の中でもJOCの役割というのは、選手強化の部分のみに期待がされているかと思います。今後JOCは、これまでの発信の仕方をしっかりと振り返り、東京2020大会ではより明確に「オリンピズムの普及・推進」という本来のJOCの使命に沿って、オリンピックを通じて達成すべき目標を定めて、対外的にも成果を説明していくことが必要だと考えております。
そうした考え方の下まとめられたものが、前回の会議で尾縣委員から説明があったかと思いますけれども、「JOC GOAL & ACTION FOR TOKYO 2020」でございます。今回のオリンピックは、もちろん自国開催であるということに加えまして、コロナ禍で様々な制約がある中での開催となりますので、通常以上にオリンピックの意義、スポーツの価値、それからオリンピックやスポーツあるいはアスリートと社会の関わりについて、より明確に意識をする必要があると考えております。
金メダル30個という目標については、GOAL & ACTIONの中でも引き続き掲げておりますが、これは、あくまでベストの環境の中で日本代表選手が目指し得る数として掲げております。ただ、これ自体が最終的な目標、絶対的に達成すべき目標なのではなく、その目標に向かって多くの制約の中でもひたむきに努力する、努力を続けるアスリートたちの姿を通じて社会に発信できるメッセージこそが大切だと考えております。そうしたことをしっかり発信していきたいと思っております。
資料の14ページを御覧ください。東京大会が終わりましたら、先ほど申し上げましたGOAL & Actionの達成状況の評価も踏まえまして、2022年度からスタートするJOCにとっては初めての中期計画を策定する予定としております。このときに、この資料の右上に2064と書いてありますが、前回の東京大会からちょうど100年を迎える2064年というのを想定すると、人口構成も当然大きく変わっています。それから気候変動等でスポーツ界を取り巻く環境というのも変わってくる、さらには技術が大幅に進展しますので、体を必ずしも動かさなくてもいろんなことができるようになってくる。そうすると、もしかするとスポーツの意味が見いだされないような社会になってしまうのではないか、という危機感を持ちながらも、そうした社会の変化の中においても、生身のアスリートだからこそ伝えられるスポーツの価値を守り、創り伝えるということを意識しながら、この中期計画の策定に取り組んでいきたいと思っています。
そのためには、やはりメダル獲得に伴う一過性の感動にとどまらないオリンピックの価値というのを伝えていくこと、つまりオリンピズムの普及・推進に取り組むことが重要と考えています。
資料の16ページにオリンピズムについての説明を記載させていただきました。スポーツを通じて心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい社会の実現に貢献することというのがオリンピズムの考え方でございます。
このオリンピズムというのは、Sport in Lifeですとか、SDGsの達成、共生社会の実現といったような、スポーツ基本計画の目指す方向性とも極めて親和性が高いと考えており、そういったことからJOCとしても、スポーツ立国の実現に向けて寄与できるところが大きいのではないかと考えておりますし、ぜひそうした方向での今後の活動をしていきたいと思っております。
資料1に戻りまして、15ページを御覧いただければと思います。そうしたオリンピズムの普及・推進に向けては、まず、憧れられるアスリートという言い方をさせていただいていますけれども、そうした「憧れられるアスリートの育成」というのを中心に据えて、様々な事業や基盤の整備を行っています。憧れられるアスリートというのは、当然高い競技力のレベルを目指して努力をし、競技成績を残すとともに、「人間力なくして競技力向上なし」というのがJOC選手強化本部のスローガンとしてございますけれども、人間性の部分でもしっかりとした社会に貢献できるようなアスリートという意味で使っております。
その下の五つの円の中に各事業を記載していますけれども、例えばアスリートの育成・支援に関して言うと、当然NFの強化活動の支援というのは行っているのですが、それだけではなくて、選手や指導者に向けた様々なアカデミー事業を行っておりますし、あるいは選手に向けて、あるいは現役を引退した後の選手も含めて、オリンピアン研修会やインテグリティ教育というものを実施しています。
それから、アスリートの育成をするだけではなくて、オリンピックの価値の発信の場として、日本オリンピックミュージアムを拠点として開設をしておりますし、あと、オリンピアンが全国の子供たち向けに自分たちの経験を話したり、子供たちと触れ合うような機会としてオリンピック教室といったような事業も行っております。
さらには、世界平和の構築ということがオリンピズムの根本的な考え方にも寄与することから、諸外国・地域NOCとの関係構築や、オリンピック・ソリダリティ・プログラム、あるいはSports for Tomorrowを活用しまして、NFとともに各国選手を受け入れて指導するといったようなことも実施をしております。また、昨年はJICAとも連携協定を締結し、スポーツ界において国際交流の重要性の理解促進にも取り組んでおります。
ほかにもいろいろやっておりますけれども、JOCとしても引き続きNFと一体となってオリンピズムの普及・推進を行っていき、そして健全な社会の発展に寄与していきたいと考えております。
その上で、17ページを御覧いただければと思いますけれども、スポーツ政策に期待する点として、主なものを5点挙げさせていただいております。
まず1点目でございます。やはりアスリートが活躍するというところがJOCの強みとしてはございますので、これまでの東京大会に向けて様々な支援体制を整えていただきました。特に、スポーツ庁、JSCからは様々な形で御支援をいただいておりまして、一体となった競技力向上に取り組んできておりますので、この点については引き続き一緒に取り組んでいければと考えております。
それから2点目が、オリパラ教育の継続・推進ということでございます。先ほど御紹介をいたしましたように、JOCとしてもオリンピック教室というのを事業として実施しておりまして、子供たちがオリンピアンと直接触れ合う機会が、子供たちにとっても、それからオリンピアンにとっても貴重な経験となっております。オリパラ教育が今学習指導要領の中に明確に位置づけられておりますけれども、こうしたことが後押しにもなっておりますので、東京大会終了でこれが終わりということではなく、ぜひ東京大会以降もこうした取組が継続されるようにお願いをしたいというのが2点目です。
それから3点目が、社会においてアスリートが活躍できる場の拡充ということです。JOCとしても様々な事業を通じて、アスリートが社会に対していろんな発信ができる機会を提供しています。ただ、どうしても一つの団体だけでやると、そうした場の提供というのが限られてしまうので、スポーツ界が一体となって、アスリートが自らの経験を生かして発信することができるような場を発掘していけると、より発信の機会が増えるのかなと思っております。
それから4点目が、スポーツに関わる多様な人材の育成ということでございます。先ほど御紹介したとおり、JOCとしてもいろんなアカデミー事業等を通じて人材の育成というのは行っているのですが、例えば国際人材だったり、あるいはNFの事務局職員のようにスポーツ界を様々な立場から支える人材については、もう少しスポーツ界全体での横断的な取組があると、汎用性というか、全体での人材の流動性も高まったりしていいのではないかなということで、JOCでできることはやりつつも、是非そのところはお願いをしたいと思います。
それから最後に、スポーツを通じた国際交流の推進です。前回、山下会長からも総会のときにSport For Tomorrowについては言及があったかと思いますが、スポーツは言葉や文化の壁を越えて、国際的な交流を持つ上で非常に有効な手段、ツールだと思いますので、ぜひ次期のスポーツ基本計画の中でも引き続き重要な柱として取り上げていただきたいと考えております。
JOCからは以上となります。ありがとうございました。

【大日方部会長】 ありがとうございました。それでは次に、日本障がい者スポーツ協会、三上さん、井田さん、よろしくお願いします。恐縮でございますけれども、皆様方8分以内の御発表を御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【三上(JPSA)】 皆さんこんにちは。日本障がい者スポーツ協会、スポーツ推進部の三上でございます。本日は私と、強化部部長であり、日本パラリンピック委員会の事務局長の井田と2人で出席をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、本日はこのような場を設けていただきましてありがとうございます。2014年に障害者スポーツが文部科学省に移管をされ、障害者スポーツ振興室が設置されたことによって、スポーツ振興の観点から障害者スポーツの普及が進んできております。改めて感謝を申し上げたいと思います。
しかしながら、スポーツ庁で、障害者のスポーツを含めて一体的にスポーツ行政を担当されるということは、各課の施策においてこれまで以上に障害者を包含した施策に取り組んでいただくことが重要であると考えております。これによって、各課の施策の質が向上していくと考えております。例えば、今回提出いたしました資料にも記載しておりますが、体育授業で障害のある子供を排除しないということは、障害のある子供の権利を保障するというだけではなく、運動が苦手な子供を含めた全ての児童・生徒に対する教育の質を高めるものとして取り組むべきものと考えられると思っております。
では、資料を基に説明させていただきます。文字が小さくて申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
当協会では、障害者スポーツの振興には普及・拡大と競技力向上の好循環が大切であると考えており、資料にもその両面について記載をしております。
資料の19ページ、20ページには、第2期スポーツ基本計画に関する主な課題をまとめております。普及・拡大の観点からは、障害者成人のスポーツ実施率の向上、全国障害者スポーツ大会の発展、公認障がい者スポーツ指導者数の拡大・育成、学校等における障害者スポーツの理解促進、総合型地域スポーツクラブの障害者利用環境の充実、県等障害者スポーツ協会の組織体制強化、地域の障害者スポーツのクラブ・サークルの充実の7項目としております。
また、競技力向上の観点からは、タレント発掘・育成、JPC加盟競技団体の組織体制強化、コーチの資質向上、学校等におけるスポーツ参加機会の確保、国際クラス分け、パラリンピック教育の全国普及の6つの項目としております。ここでは一つ一つ説明するお時間がありませんので、ページを戻りまして18ページの第3期スポーツ基本計画に関する期待の資料を基に説明をいたします。六つのポイントにしております。
一つ目は、全国障害者スポーツ大会に関することです。この全国障害者スポーツ大会は、障害がある選手が障害者スポーツの全国的な大会に参加することで、スポーツの楽しさを体験すること、そして国民の障害に対する理解を深め、障害者の社会参加を進めることを目的としております。
この全国障害者スポーツ大会は、全ての都道府県政令指定都市で毎年予選会が開催されていることから、障害者スポーツの振興に大きな役割を果たしており、この予選会を目指すことがスポーツの生活化につながっていき、ひいては実施率の向上につながっていくと考えています。また、開催県では、ハード面、ソフト面での様々な推進策・取組がなされており、その好事例の収集や発信が大切であると考えています。
二つ目は、学校における障害者スポーツの理解促進に関することですが、特に児童・生徒の体育実技の授業や運動部活動において、見学者がゼロになる取組が必要であると考えております。そのためには、教員の方々に障害者スポーツへの理解を深めていただくことが大切であると考え、特に体育教員の方々に障がい者スポーツ指導員の資格を取得していただくという取組も必要であると考えております。
また、小学校、中学校、高等学校において、パラリンピック教育教材「I'm POSSIBLE」の活用が進み、子供たちがパラリンピックスポーツの規則や用具の中にある「できない」ということを「できる」にする工夫、それを感じる、また気づきを得る場を増やすことが重要であると考えています。
三つ目は、都道府県政令指定都市の障害者スポーツ協会の組織体制強化に関することでございます。一つは、自治体のスポーツ推進計画に障害者スポーツの推進が位置づけられることが重要と考えております。特に、推進計画策定の委員の中にパラアスリートが就任することが求められると考えています。また、県の障害者スポーツ協会には、人的に脆弱な組織が多く、専任職員の配置や増員によってスポーツ教室等の開催が増えること、また各種団体・組織との連携が増えることによって活動の場が増えていくと考え、これもスポーツの実施率向上につながっていくと考えております。当然、連携のためには、行政、指導者、関係団体が顔を合わせる定期的な会議の場が必要であると考えております。
四つ目は、県レベルにおける障害者スポーツのクラブ・サークルの充実に関することでございます。一般的には中央競技団体の地方組織として県の競技団体また市町の競技団体がございますが、障害者スポーツにおいては県レベルの競技団体がほとんどございません。競技団体があることで教室や大会が開催されて、スポーツを始めたい人、続けたい人の窓口の役割を果たしていきます。いまだにクラブやサークルさえない県も多くありますので、まずは全国障害者スポーツ大会での実施競技からクラブ・サークル化を進めて、そして競技団体の設置につながっていくことが重要であると考えています。
五つ目には、タレント発掘・育成体制の充実に関することです。将来のパラアスリートの発掘・育成のためには、地方自治体、学校、リハビリテーションセンター、障害者スポーツ協会、障害者スポーツセンター等、地域の関係団体との連携、情報共有が不可欠であると考えており、そのためにJPCにタレント発掘コーディネーターを配置し、タレントのスカウトとか地域連携のマッチングを行うことが重要であると考えています。また、先ほど県レベルの競技団体が設置されることが普及・拡大につながるとお話をいたしましたが、県という身近な地域に競技団体がある、指導者が存在するということで、パラアスリートの発掘・育成に大きな影響が出てくると考えています。
最後に、国際クラス分けセンターの設置に関することでございます。御存じのとおり、障害者スポーツではクラス分けというものがございます。障害といっても腕や足、視覚に障害がある、また知的障害など、障害のある部位や種類は様々でございます。さらに、同じ障害でもその程度は人それぞれ異なりますので、クラス分けというもので個々の障害が競技に及ぼす影響をできるだけ小さくして、平等に競い合うために必要な制度と言われております。
国際大会で好成績を収めるためには、このクラス分けの国際的な情報の分析は不可欠であります。そのために、国際クラス分けセンターを設置し、調査や評価、アスリートのデータを集約、分析等を行うことを考えています。また、不正なクラス分けは、障害者スポーツの根幹を揺るがすものでございますので、このセンターがインテグリティの向上につながる役割も果たすと考えております。
日本障がい者スポーツ協会からは以上でございます。ありがとうございました。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、このセッションの最後になります。日本スポーツ振興センター、勝田さん、和久さん、よろしくお願いいたします。

【和久(JSC)】 ありがとうございます。日本スポーツ振興センターの和久でございます。よろしくお願いいたします。私からは、ロンドン五輪以降のスポーツ政策の国際動向についてお話しさせていただきます。ただ、時間も押し迫っておりますので、要点だけお話しさせていただきます。
資料の5、24ページを御覧ください。
こちらは、ロンドンオリンピック・パラリンピックのレガシーに関して、各種資料をまとめたものになります。ここで特に注目しなければならないのは、上段の左側にありますグラスルーツスポーツの発展に関してです。幾つかの定義に基づくサーベイが行われていますが、いずれにしてもスポーツの実施率については横ばいということになっております。ハイパフォーマンススポーツのところでは大きな成功を収めたイギリスにおいてさえも、グラスルーツスポーツの発展については苦戦をしているという現状がございます。2000年以降にオリンピック・パラリンピックを開催した国で、スポーツ実施率が向上した国はないと言われていますけれども、イギリスもその例外ではないということです。
続いて、25ページを御覧ください。ここではグラスルーツスポーツの政策について、イギリスでの変遷をまとめたものです。ここで注目すべき点が3点あります。
一つ目は、2013年にスポーツイングランドにインサイトの専門部署を設置して、未実施者のアプローチに対してエビデンスをベースにした取組を開始したということです。ここでは、ソーシャルマーケティングにおけるインサイト分析を基にした取組を開始しております。
続いて、2点目のポイントは2015年になります。ここでは、スポーツ政策の全面改定が行われまして、スポーツの実施率に関係するところでは、競技のスポーツだけではなくて個人で行う身体活動も含めて運動実施率を捉えるようになったということです。そして、その中で年齢を問わず未実施者層の取り込みをしっかりとやっていくことに軸を移しました。
3点目は、2016年のスポーツイングランドの5か年戦略の策定です。グラスルーツスポーツの発展の助成をスポーツイングランドが中心に行っていますが、この投資の仕方を、社会経済価値への貢献を踏まえたくじ助成の分配に大きく変えたところがポイントになっています。
続いて26ページを御覧ください。こちらには、2016年以降のスポーツイングランドのグラスルーツスポーツ戦略をまとめております。二つの戦略を示しておりますけれども、いずれにしましても、グラスルーツスポーツの中でエビデンスに基づいたアプローチをしっかりやっていくことと、そのためのインサイト分析を行い、しっかりと評価をしながらやっていくという取組です。また、効果を生むための投資先について戦略的に見直すことが重視されている点がポイントになります。
27ページを御覧ください。このように英国ではエビデンスに基づくポリシー・メイキングに軸を移しているわけですけれども、こうした傾向はイギリスだけではなく、ほかの各国でも取り入れられるようになっております。ここではフランスとシンガポールを一例として抜粋を入れておりますけれども、それ以外の国につきましても、明確なKPIを設定して施策を展開する方向に政策転換が行われております。
続いて、28ページを御覧ください。こうしたスポーツ政策に関する各国の動向の中で、IOCはオリンピックアジェンダ2020+5を公表しております。このアジェンダの意図の解釈については様々ありますが、読み取れることが三つございます。1点目は若者のスポーツ離れに対する対応をかなり意識しているということ、2番目はスポーツの社会課題の解決への貢献、すなわちSDGsとの連動を強く意識している点、三つ目は社会からスポーツの信頼性を高めて維持していくということが強く意識されていることが伺えると思います。
続いて、29ページを御覧ください。これまで各国のスポーツ政策について述べてまいりましたが、国際政策の中でも指標について重視されている傾向がございます。カザン行動計画のアクションⅡにおいて、スポーツのSDGsの貢献を測定するための共通指標を開発することが進められ、このほどドラフト版が完成してました。こちらは、今年の第7回体育・スポーツ担当大臣会合の中で採択をされる予定です。
この資料では、指標のいくつかを抜粋して示していますけれども、かなり広範囲にわたって指標が設定をされています。したがって、このスポーツとSDGsに関しても指標、すなわちエビデンスをしっかりと重視しながら、各国が政策的に取り組んでいくという傾向がうかがえます。
30ページを御覧ください。これまでの国際的なトレンドをまとめますと5点です。
1点目は、スポーツの参加促進はなかなか容易なことではなくて、これまでとは異なる取組やアプローチが求められるということです。2点目は、グラスルーツスポーツの発展を推進するためには、波及効果が高いところ、あるいは積極的な取組を展開して成果を生み出している主体や領域に対してしっかりと支援を行っていくことが重要だという点。三つ目は、こうした成果を生み出していく投資先を公正公平に決定していくためにKPIが非常に重要だという点です。4点目は、今後10年を見据えたときに、若者のスポーツ参画、あるいはSDGsとの連動性も非常に重要になってくるということです。最後の5点目は、先ほどお示ししましたスポーツとSDGsの指標の中で人に関係する指標がかなり見られます。そういう視点から見ても、人材育成というのは今後の重要な課題として考えられるかと思います。
31ページでは、国際的なトレンドから見た重要な視点ということで6点ほど挙げています。未実施者、個人のスポーツに対するアプローチと、グラスルーツスポーツの中心的な主体となる地方公共団体への連携・協力、国際コミュニティあるいは地域のコミュニティといったスポーツを通したコミュニティの団結・連携促進、そしてKPIと人材戦略といったことになるかと思います。
JSCは、くじ助成やジャパンスポーツネットワークといった様々な取組の中で、こうしたことについては取り組んできておりますけれども、こうした国際的なトレンドを踏まえると、ますますこれらの取組が重要になると考えております。
私のほうからは以上です。勝田理事から何か補足がありましたら一言お願いいたします。

【勝田(JSC)】 引き続き、情報提供させていただきます。よろしくお願いいたします。

【和久(JSC)】 以上です。ありがとうございました。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、これまで御説明いただきました四つの団体につきまして御質問、御意見等ありましたら、皆様プッシュボタンを押していただきますようお願いいたします。
なお、大変申し訳ございませんけれども、多くても恐らく三、四名程度の御質問、御意見に限らせていただくことになるかと思います。
それでは、御質問、御意見のある委員の皆様、よろしくお願いいたします。
それでは、尾縣委員、よろしくお願いいたします。

【尾縣委員】 JOCの尾縣です。御説明ありがとうございました。私からは、スポーツ協会の岡様に質問させていただきたいと思います。
継承・発展させるべきスポーツレガシーのうちの運動部活動改革への対応ですけれども、新たな地域スポーツクラブの確立というのは、若者のスポーツ参加を増やしたり、あるいは今たくさんある運動部の問題を解決できる大きな改革だと思います。その上で、具体的なことについて質問させていただきます。
8ページに、学校運動部活動と地域スポーツクラブが並行して行われる体制の構築とありますが、この二つはそれぞれ違う狙いを持ってやるのか、あるいは同じ狙い、目的を持って行う活動と捉えていいのかというところが1点です。
そしてもう1点は、中学生、高校生の部活動参加の大きなモチベーションというのは、やはりインターハイであったり全日本中学選手権だと思います。現状であれば、インターハイ、中学選手権というのは、学校で登録をして学校長の承認をもって出ていく大会だと思いますが、これをクラブからの参加も可能にするような形に行く行くはしていくのかという、この2点でございます。よろしくお願いいたします。

【大日方部会長】 皆様の御質問をまとめて頂戴しまして、まとめて各団体よりお答えいただく形を取りたいと思います。
それでは、森岡委員、よろしくお願いいたします。

【森岡委員】 日本スポーツ協会の森岡です。JSCさんのほうに2点質問をお願いしたいと思います。
1点目は先ほど和久さんから、2000年以降、イギリスにおいてスポーツ実施率がロンドンオリンピックを含めて終わった後にはほぼ横ばいで推移しているという御発言がありました。なぜ大規模スポーツイベントが終わった後にもかかわらず実施率が変わらないのかという要因が分かれば教えていただければというのが1点目です。
2点目が、同じくJSCさんに質問ですが、先ほどの2016年のスポーツイングランドが5か年戦略を策定し、投資方針を変えたとのことですが、社会経済的価値への貢献を踏まえたくじの助成の分配とありますが具体的にはどのように変えたのかというのを教えていただきたい、この2点です。
以上です。

【大日方部会長】 2点の御質問、ありがとうございます。
それでは、御質問を続けていただきます。結城委員、お願いいたします。

【結城委員】 ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
2点ございます。1点は今の森岡委員のお話と関連いたしますが、ロンドンのときも私の記憶では、オリンピック・パラリンピック開催の直前直後に及んでは実施率は向上したものの、その後熱が冷めるかのように引いていったというような調査があったように記憶しています。オリンピックなどの大きな大会を開催をするということが実施率向上に資さないという英国側の分析だとおっしゃったんですが、それはいわゆる大会開催そのものなのか、それともその後にそれを維持するための方策等々なのか、その辺りをもう少し詳しく御教示いただければと感じています。
それから、日本障がい者スポーツ協会の御発表で、御提言もいただき、大変興味深く拝聴いたしました。一つは、全国での実施率を向上させる大事な取組と感じておりますけれども、それはいわゆるパラリンピック関連の競技、特に今子供たちが学校教育で、みんなでやってみようと取り入れられているようなボッチャ、シッティングバレー等々、いわゆる立場にかかわらずでき得るような競技といったものの推進、そして立場にかかわらずでき得るそういう社会環境の構築、そういったような観点というのもお持ちなのかどうか。カナダなどで離れた話ではございますけれども、カーリング等々で車椅子ユーザーとそうでない方が一緒になって競技をする、それが地域で広がっている、そのような環境を羨ましく感じた覚えもございますため質問をさせていただきます。
あと、補足で、クラス分けセンターに関してですが、国内ではなかなかこういったクラス分けが難しく、そのために国内で実施されている競技がそれに必ずしもそぐうものではないというのは十分理解をした上で、難しさを感じた上で、このクラス分けセンター云々の調査、データ収集というものが、国内の障害者スポーツに対して影響を与え得るのかどうか、その辺の御観点をお願いいたします。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございました。
それでは、藤田委員、御質問よろしくお願いいたします。

【藤田委員】 ありがとうございます。私は、障がい者スポーツ協会、それからJOCさん、それから日本スポーツ協会さんに共通の質問をさせていただきたいと思います。
JSCさんの発表の中でもございましたが、障害者のインクルージョン戦略へ投資している競技団体の割合というのがSDGsに関連して出されておりましたが、これに関しまして、障害者スポーツ関連の競技団体の連携あるいは統合といったことについて、どのように思っていらっしゃるかというのを三つの団体さんにお伺いしたいと思います。
以上でございます。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、一旦御質問のほうの受付を終了させていただきまして、回答をお答えいただきたいと思います。
JSPOの岡さん、JSCの和久さん、そしてJPSAの三上さん、JOCの籾井さん、4方からの各問いになったと思います。
それではまずJSPOの岡さん、複数の御質問をいただいておりますけれども、まとめてお答えをお願いいたします。

【岡(JSPO)】 ありがとうございました。尾縣先生、ありがとうございます。
二つございました。一つ目が、学校運動部活動と地域スポーツクラブが並行して行われる体制ということでございます。
学校運動部活動は教育活動の一環ということ、それから地域スポーツクラブがスポーツ推進の流れの中であるということで、完全に同じ形になるのは非常に難しい状況であると考えています。したがいまして、どちらも共存する形ということで並行して行われる体制ということでございます。関係の団体と、これもまた当然うまくやっていかなければいけないというふうに考えています。
もう一つ、モチベーション、年代ごとの大会に対する参加につきましては、これもまた現状からすれば将来的に学校部活動単位でも地域スポーツクラブ単位でも両方出るような大会が行われることが非常に望ましい理想的なことだとは思いますけれども、現状の中体連・高体連の大会の在り方というところがございますので、スポーツ関係団体として、一緒になってそこのところは考えていくべきではないかというふうに考えております。
取りあえず以上でございます。

【大日方部会長】 岡さん、あと藤田委員のほうから御質問いただいていたかと思います。障害者スポーツへの連携、こちらについても御回答をまとめてお願いできますでしょうか。

【岡(JSPO)】 ありがとうございました。
障害者スポーツに関しましても、日本スポーツ協会の中でも、今までなかなか取組は少なかったかもしれませんが、指導者養成等の連携はできると思っておりますので、障がい者スポーツ協会さんとも協力しながら進めていきたいと思っております。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、JSCの和久さん、お答えをいただけますでしょうか。お願いいたします。

【和久(JSC)】 御質問ありがとうございました。
まず、1点目につきまして、無関心層を含む未実施者層の行動を変えていくのは非常に難しいということだと思います。したがって、これまでのスポーツの普及事業だけでは難しくて、新しいアプローチがより重要になってくるんだろうと考えております。
2点目の御質問については、高齢者施設に対するくじ助成を分配するなど、助成先を新たに加えていったりすることと、競技団体に対する投資についても、社会効果に対してどれだけ貢献できたかということを評価した上で助成するというように、やり方を変えているという点です。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。これまでとは異なるアプローチが必要というところを強調していただきましたので、次期、具体的なことについても御提言いただけたらと思います。
続いては、JPSAの三上さん、質問の御回答をお願いいたします。

【三上(JPSA)】 ありがとうございます。
まず、実施率の向上に関することでございますが、当然障害のある人とない人が一緒に楽しめるスポーツ、ボッチャだとか先生がおっしゃったようなシッティングバレーボールだとか様々あるんですが、そういうスポーツの実施も実施率向上につながっていくということも考えております。

【井田(JPSA)】 国際クラス分けセンターについて、井田のほうからお答えさせていただきます。
現在、国際パラリンピック委員会が公認するこういった国際クラス分けセンターというのが世界に数か所ございます。ただ、アジアにはございません。今IFとかIPCが作成しているクラス分けの基準ですとか評価方法は、主に欧米の選手をサンプルとしたエビデンスでやっております。したがって、ひょっとしたらアジア人にとっては不利な場合もあるかもしれないと。こういったことをきちんと評価して、世界のほうに逆にこちらから提言していき、より公平なクラス分けの実現に貢献できるというふうに考えております。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございました。
JOCの籾井さん、藤田委員からの御質問がありましたけれども、そちらに何かあれば手短にお願いできますでしょうか。

【籾井(JOC)】 オリパラ一体というのはJOCとしても掲げて、JPCさんとはいろんな形で連携をさせていただいております。
ただ、先ほど御指摘いただいたような個々のNFの統合という話になりますと、それぞれ独立した組織として現在存在をしておりますので、まずはいろんな活動において連携をしていくということが重要と考えております。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、Aグループのヒアリングを終了させていただきます。皆様、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。
それでは、Aグループの皆様、オンライン会議の御退出をお願いいたします。

(グループA、B入替え)

【大日方部会長】 それでは、準備が整いましたので、次のヒアリングを始めたいと思います。
Bグループ、総合型地域スポーツクラブ全国協議会、日本レクリエーション協会、スポーツ健康産業団体連合会にお願いをいたしております。度々恐縮でございますけれども、各団体の説明時間8分をお守りいただきますようお願いいたします。御協力のほど、よろしくお願いします。
それでは、まず、総合型地域スポーツクラブ全国協議会の伊端さん、よろしくお願いいたします。

【伊端(総合型地域スポーツクラブ全国協議会)】 総合型地域スポーツクラブ全国協議会の幹事長の伊藤と申します。よろしくお願いいたします。
与えられた時間が8分ですので、お配りした資料は3ページございますけれども、順にかいつまんで説明させていただきます。
まず、総合型地域スポーツクラブ全国協議会ですが、今から12年前、平成21年2月に日本スポーツ協会の組織内組織として設立しました。47全ての都道府県にある総合型地域スポーツクラブ連絡協議会で構成しておりまして、現在加入クラブ数は前年度段階で約2,700クラブ、全体の約75%、4分の3ほどが加盟しております。
これからの説明ですが、大きく三つに分けて説明させていただきます。まず、一つは、これまでやってきたことと成果について、次に現在抱えている課題について、最後に第3期スポーツ基本計画に期待することについてであります。
まず、これまでやってきた取組の中で、第2期スポーツ基本計画と日本スポーツ協会の総合型地域スポーツクラブ育成プラン2018というのがございます。これに基づく取組でありますが、2期のスポーツ基本計画に基づきまして、総合型クラブの質的な充実や、ガバナンスの強化を目的とした総合型クラブ登録・認証制度を整備いたしました。
整備に当たって、全国規模の説明会を何度も開き、様々な意見を幅広く聞くことができました。議論を重ね、理解を深めたところであります。令和3年度、今年度からの運用開始を目指しておりましたが、御承知のとおりコロナ禍ということで1年延期となり、スタートは来年4月からになります。総合型クラブの質的充実に向けた取組を推進する中間支援組織、これを都道府県の体育スポーツ協会に今年度中に整備することにしておりまして、現在準備を進めております。
次に、クラブの運営を担う人材の強化についてであります。この登録・認証制度における登録基準が幾つかあるのですが、その中の一つに、適切なスポーツ指導者を配置していることと明記しました。クラブの運営を行うクラブマネジャーですとか、実技指導を行う競技別スポーツ指導者が、日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者資格を取得していることを取りあえず義務づけました。ただ、現場では様々な種目がございまして、ヨガなどのフィットネス系ですとか、軽スポーツ、レクスポーツもありますので、資格の義務づけについては当面は暫定的な措置として、この基準が満たされないことを理由に登録を認めない、そういうことはしないことを申し合わせております。
次に、男女共同参画についてであります。昨今話題になっておりますが、全国協議会においても、都道府県の連絡協議会においても、または個々のクラブにおいても、女性の役員やスタッフの占める割合をもっと増やそうということで、今年度中に全国協議会の中に男女共同参画部会を設置して検討を開始いたします。
次に、新しい生活様式における地域のスポーツ環境の基盤強化についてであります。地域におけるスポーツ関係者の連携体制を構築するため、令和3年度から新たに国庫補助事業として行う「新しい生活様式における地域のスポーツ環境基盤強化」を活用し、都道府県体育スポーツ協会を中心とした地域スポーツ推進団体連絡会議を設置することとし、現在その準備を進めております。
大きな2項目ですが、課題について説明いたします。繰り返しになりますが、登録・認証制度が来年から始まりますが、これを着実に遂行し、総合型クラブの質的充実と行政などと連携したスポーツを通じた地域課題の解決に向けた取組を推進するため、課題は大きく二つあります。
一つは、都道府県における支援体制がまだ脆弱であるということです。都道府県体育スポーツ協会を、総合型クラブへの支援を担う中間支援組織と位置づけ整備することとしておりますが、現状では都道府県体育スポーツ協会における財源や人材がまだ十分ではございません。そこの抜本的な支援体制の強化が必要と考えております。
もう一つの課題は、都道府県や市町村などの行政に加え、学校も含めて、クラブの認知度がまだ低いということが上げられます。総合型クラブがスポーツを通じた地域課題の解決に向けた取組を推進するためには、都道府県や市区町村におけるスポーツを担当する部局はもちろんのこと、それ以外の例えば健康部局ですとか、学校との連携が不可欠でありますが、いずれも総合型クラブへの認知度が低いままとなっております。
また、全国の総合型クラブの活動内容ですとか活動場所、指導者などの情報がまだ集約されておらず、効果的な情報発信ができておりません。
最後に、新しいスポーツ基本計画において期待することです。総合型クラブには、スポーツ庁が示されたように学校運動部活動と地域が連携するための担い手になること、さらに高齢者の健康増進や介護予防など、様々な課題解決に向けた取組が期待されております。そこで、繰り返しになりますが、国庫補助事業の「新しい生活様式における地域のスポーツ環境基盤強化の充実について」は、スポーツを通じた地域課題の解決に向けた取組を一層促進するため、市区町村への人材配置や財政支援などについて検討していただきたいと思っております。
また、都道府県レベルにおける支援体制の強化については、中間支援組織への人材配置や財源を確保するための補助、助成制度の創設について、ここは強く言いたいと思いますが、ぜひ検討していただきますようお願いいたします。
最後に、総合型クラブ情報のデジタル化や戦略的な広報活動を展開するためのことでありますが、全国の総合型クラブの活動内容や場所などの情報に加え、地域課題の解決に向けた取組などを集約するためのシステムの構築、それから、集めた情報を都道府県レベルや市区町村レベルでも活用できる総合型クラブ情報のワンストップ化、それらの情報に基づく広報の戦略的な展開による総合型クラブの社会的認知度の向上、それぞれのことが新しい第3期スポーツ基本計画において実現するよう期待しております。
以上、雑駁ですが、私からの説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

【大日方部会長】 どうもありがとうございます。
それでは続きまして、日本レクリエーション協会、小田原様、よろしくお願いいたします。

【小田原(日本レクリエーション協会)】 日本レクリエーション協会の小田原でございます。よろしくお願いいたします。本日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。
では早速、資料7に基づいて御説明をさせていただきます。36ページから御説明をしたいと思います。
私どもは多くの団体の皆様と同様に、少子高齢化ですとか単身世帯が増加しているとか、スマホ依存のような情報化の負の側面、また、そうした社会の変化に伴う医療費の増大をはじめとする様々な社会的な課題についてアプローチできないかというようなスタンスで事業に取り組んでおります。その中で、やはり健康づくりの機会をもっと増やしていくということと、同時に人と人とのつながりを再構築するような機会をもっと増やしていけないかというふうに捉えております。そうしたときに、スポーツというのはとても有効な手段でございまして、特に身体の面以外にも、前向きな気持ちを引き出すとか社会性を広げていくと。そうした点からの健康増進を目指す健康スポーツを推進していくということが有効な方法になるのではないかと考えております。そういうような考えに至った経緯を、これまでの事業とともにお伝えできればなと考えております。
37ページに参りまして、私どもの事業の基本方針ですが、私どもの守備範囲はスポーツ基本法の24条にもありますスポーツ・レクリエーション活動の普及・奨励というところと捉えております。このスポーツ・レクリエーション活動というのは誰でも親しみやすく、仲間と楽しみながらできるというような特徴を備えております。こうした特徴を生かして、競技スポーツや運動が苦手な人、それから運動をしていない人たちへアプローチをしていく、言い換えれば、スポーツ未実施者へアプローチをしていくというのが私どもの役割かなというふうに捉えております。
そうしたテーマに向かいまして、三つの視点から事業に取り組んでいるところでございます。一つは指導者を育成して、その指導者が地域で活動を展開していくことを想定した事業の構成ということで面的な広がりをつくっていくこと、それから、スポーツを始めた人々が、日常生活で楽しむこともそうですが、その成果を大会等で発揮していくということで継続性を担保していくというところ、それから、地域の協会や種目団体が、スポーツ・レクリエーション活動の推進にできるだけ人的な資源とか予算も割けるように、そうした環境の支援をしていくということが役割かなということで事業に取り組んでいます。
もう少しブレークダウンして御説明いたしますと、38ページのほうで、最初の指導者の育成から地域の活動につなげる事業の例といたしましては、私ども公認指導者といたしましてレクリエーション・インストラクター、集団づくりとかコミュニケーションワークなんかを得意としている指導者です。それから、スポーツ・レクリエーション指導者、ニュースポーツとか運動遊びの指導者です。こうした人材を養成いたしまして、健康スポレク広場のような、運動と疎遠だった高齢者を対象としたちょっとアクティブな介護予防教室というふうに捉えていただければと思うのですが、こういった事業を展開して、それを全国に普及していくというような試みをしております。
また、最近、総合型地域スポーツクラブでも、種目の活動だけではなくて、キッズクラブですとか高齢者の健康づくりのようなテーマでの活動も増えてまいりましたので、そうしたところで私どもの指導者の活用をしていただくと、そういったことを広げていきたいと考えております。
それから、資格というのは少しハードルが高いので、もう少しハードルの低い人材養成も行っておりまして、仲間と楽しみながらできるアクティビティの実施方法を身につけたリーダーということで、元気アップ・リーダーの養成などもしています。そうした人たちが学校とか職場とか地域の中で、ちょっとしたスポーツ大会みたいなものを実施できるようにということで、全国いつでもチャレンジ・ザ・ゲーム大会とか、元気アップ大会というようなものを並行して実施をしていくと、こういった事業を実施しているところです。
それから39ページのほうに参りまして、継続性を担保していくような事業です。加盟種目団体と連携してニュースポーツ・セミナーという事業を実施していますが、こちらも単にこの事業だけではなくて、その後に種目団体やサークル活動に参加をしていただくことを促して、都道府県や市町村レベルのレクリエーション大会への参加、最終的には全国レクリエーション大会への参加と、こうした流れをつくって、スポーツを始めた人たちの継続を促していくというようなことに取り組みます。
そして三つ目、40ページですが、地域協会・種目団体の支援というところです。どうしても団体の活動は、事務局の運営とか会員管理、情報発信に係るコストなど、バックヤード的な業務のコストがかかってきますので、そうしたところにできるだけ支援をして、本来の普及活動に邁進していただけるような支援をしていこうというような狙い、それから、一つの団体だけでは発信力は弱いのですが、情報データの連携をしていくことによって発信力を高めて、健康づくりに関心がある層とのつながりを拡大していこうという狙いでこうした支援を行っています。
情報発信とデータ管理のプラットフォームということで、ケンスポコムというようなシステムを開発して運用を今始めているところでございます。これは健康スポーツの情報を団体が連携をして発信するサイトで、活動ですとか教室、大会の情報を連携して提供し、訴求力のアップを図ろうということを狙っています。また、同時に、大会、教室、イベント等へのエントリーシステムを備えていまして、受付業務を省力化していくこととか、参加者とのつながりを維持共有していくというようなシステムでもございます。
その延長線上で、会員管理のシステムを提供しておりまして、お互いの会員を共有したり、個人情報保護の観点から今、システムの維持とかバージョンアップみたいなところでとてもコストがかかっていくわけですけれども、そうしたところを支援し、サポートしていこうという試みになっています。
そのほか、全国一斉「あそびの日」キャンペーンということで、各団体の事業をまとめて発信するとか、ICTの活用によって事務局機能の一部を私どものほうで対応していくような支援とか、私どもの人材養成の中に種目団体の種目をできるだけ組み込んで普及を図っていくと、人材育成の協働なんかにも取り組むというような状況ございます。
こうした事業を実施していく中で、幾つか見えてきた課題ということで、四つほど提示をさせていただければと思います。
一つが、スポーツ未実施者へのアクセスというのはなかなか難しいと。一方的な情報提供ではやっぱり難しくて、個別のアプローチが必要ですし、ふだん子供さんと接している教育関係者とか高齢者と接している保健・福祉関係者等との連携が必ず必要になってくるというような課題があります。
それから、そうしたスポーツ未実施者の方には、体力の向上とか身体の健康ということだけではなかなかモチベートし切れないところがございまして、活動の楽しさですとかそこでの仲間づくりのようなことを大事にした活動の展開が必要になってきます。
それから、こうしたタイプの事業はなかなか収入を得ることが難しくて、何か目的を持ってジムに通う人たちの層とは全く違うものですから、参加費を払う意識はそういう人たちと比べればやっぱり薄くて、運営費自体はそんな高額ではないのですが、参加費で運営自体を全部賄えなかったり、指導者がボランティアになってしまうというような状況があります。
また、指導者のモチベーションもそうした点からも維持するのが難しいと。
課題として四つほど挙げさせていただきました。こうした課題から、第3期の計画のほうでぜひ期待をしているといいますか、検討をお願いしたいのは、この健康スポーツを確立・推進ということでございます。「する」スポーツをやはり拡大していくというために、新しい健康づくりを目的として、スポーツ・レクリエーション活動を主体とした健康スポーツという視点を重視していただいて、競技スポーツや運動が苦手な人、運動してない人たちが、スポーツに親しめる環境を醸成するという点を御検討いただければと。
この健康スポーツですけれども、体の健康もそうですが、心の健康、社会性を満たすということを目的としまして、社会参画活動としてのスポーツを提案し、コミュニケーションや仲間づくり、信頼関係を築く活動を広げていくということを御検討いただければと思います。
そして、この健康スポーツを普及していく際、やはり行政との連携が必要ということを申し上げましたが、またその情報も、歩いて通える範囲の地域での情報提供とか、細かい情報提供が必要になってきますので、行政施策としての健康スポーツの推進、また、事業にかかる経費だけではなくて、非営利的な活動をしている団体であってもそのバックヤード的な管理にかかる費用なんかもありますので、そうしたところも考慮していただいた枠組みを御検討いただけると助かると思います。
そして最後に、JSPOさんからもありましたが、スポーツ庁による指導者の認定制度というのをもう一度御検討いただけないかと。こうした制度があることで、指導者の質を担保できるということもありますし、ボランティアであっても高い意識を持ってスポーツ振興に取り組めるようになっていくのではないかと考えています。
以上、日本レクリエーション協会からの御説明でございました。ありがとうございます。

【大日方部会長】 どうもありがとうございます。
それでは、スポーツ健康産業団体連合会、板垣様、よろしくお願いします。

【板垣(スポーツ健康産業団体連合会)】 本日は、スポーツ健康産業団体連合会の事業を紹介する機会を設けていただき、誠にありがとうございました。
資料の43ページを御覧ください。三つお話しします。一つは、スポーツ健康産業団体連合会とは、二つ目は取り組んでいる主な事業、三つ目は要望です。
まず、43ページのところで、1、スポーツ健康産業団体連合会とは、今から33年前の昭和63年に通産省、現在の経済産業省の主導の下に、スポーツ産業関連団体をつなぐ組織として、特例民法法人として社団法人スポーツ産業団体連合会が設立されました。
このときは、スポーツ産業のみを軸足としておりましたが、13年前の平成19年に事業領域を健康にも拡大するとして、社団法人スポーツ健康産業団体連合会に名称を変更したところです。今から9年前の平成24年4月に、公益法人改革に伴いまして、公益社団法人に移行して現在に至っております。
本連合会の目的ですが、スポーツ健康産業に関する調査・研究、イベント等の推進、情報の収集・提供による情報発信、政策の提言を通じて、スポーツ健康産業の振興を図ることにあります。
現在、取り組んでいる主な事業は、一つはスポーツ振興賞、これはスポーツを起爆剤として、スポーツや障害者スポーツの事業を通じてスポーツ健康産業の振興を図り、地域の活性化、いわゆるまちづくりやスポーツツーリズムに貢献した団体・グループ・企業を顕彰するものです。
平成20年度に、地域・スポーツ振興賞として創設し、平成24年度にスポーツ振興賞に発展的に改称したものです。年に1度、活動内容を募集し、選考委員会、委員長は原田宗彦先生で、現在大阪体育大学の学長です。選考委員会で審議して各賞を決定しております。賞の種類は、大賞と各賞6点、スポーツ庁長官賞、観光庁長官賞、経済産業省商務・サービス審議官賞、日本商工会議所奨励賞、日本スポーツツーリズム推進機構会長賞、スポーツ健康産業団体連合会会長賞です。
受賞した中には、スポーツで地域の課題を解決しているものもあります。例えば、第8回スポーツ振興賞においては、BOSO草刈りサミット、それから防災スポーツ、以前、受賞したスポーツごみ拾いというものもありました。
44ページに移ります。これまで、地域スポーツ振興賞を含めて通算12回表彰を行いました。そのほかに、事業としては、シンポジウム、情報交換会、スポーツ健康産業の展示会であるSPORTEC展示会の特別協力事業、調査・研究事業がございます。
三つ目ですが、要望は三つほどあり、本連合会の会員から以下の意見が出ておりますので、ぜひ御検討ください。
一つは、スポーツを通じた健康増進です。民間の調査によれば、健康に不安のある人は全体で6割もおられると。運動・スポーツをやっている人は8割もいるということで、新型コロナウイルスに負けない健康な自分を見つける一方で、自分に一番ふさわしい運動スタイルを見つけることが大事なのではないかということであります。
全ての国民がいつでも運動やスポーツに親しみ、汗を流し、健康を維持できる環境づくりこそが我が国の目指す目標と考えております。その中核的役割を果たすのがスポーツ健康産業だと思っております。
例えば、フィットネスクラブでは、日中だけでなく朝でも夜でも天気が悪くても継続的な運動機会を地域において提供することができます。年齢を問わず、あらゆる健康ニーズに応える重要産業です。また、運動場やスポーツを行う施設は国民の健康維持に不可欠な施設でもあります。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、各施設はその運営に大打撃を受け、このままでは存続さえ危ぶまれる状況にあります。また、都市部においては相続などによって存続が困難となっている運動施設が売却され、場がなくなっている状況にあります。スポーツを通じた健康増進をすることが大事だと考えられます。
二つ目は、スポーツや運動による地域活性化の取組です。45ページに移ります。スポーツや運動には地域を活性化する側面があります。学校教育の場として、運動やスポーツの指導を外部に委託し、プロスポーツ選手のセカンドキャリア、若いアスリートの幅広い将来のキャリアの拡大に資するようにしたらいかがでしょうか。特に、トップアスリートの培ってきました技術、知識、経験、生き方は、社会的な財産でもあります。
三つ目ですが、スポーツ健康産業に係るビジネス展開の振興です。スポーツ健康産業のビジネスを一層振興するには、B to B、B to Cのいずれにしろ、展示会において直接face to faceで商談することが生の情報提供、顧客からの信用獲得、事業者相互間のネットワークを築く上で重要です。
我が国最大のスポーツ・健康産業総合展示会であるSPORTEC2020は、昨年コロナにもかかわらず12月2日から4日に開催し、2万5,000人ほどの来客、出展社は492社でありました。このSPORTECについては、2011年から今まで10回ほど開催しているところです。
以上です。よろしくお願いいたします。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました三つの団体につきまして、御質問、御意見をお願いいたしたいと思います。
委員の皆様方、御意見のある方はプッシュボタンをお願いいたします。先ほどと同様に、三、四名の先生方にまとめて御質問、御意見を頂戴して、まとめて各団体よりお答えいただく形を取らせていただきます。それでは、よろしくお願いいたします。
菊先生、お願いいたします。

【菊委員】 どうもありがとうございました。総合型地域スポーツクラブ全国協議会と、日本レクリエーション協会の二つの団体からの内容で、基本的に助成制度であるとか、あるいはスポーツ指導者の認定制度というのを確立してほしいということ。よく分かるのですが、かといって参加費であるとか、いわゆる財政的な基盤というのがなかなか確立しないという問題、特にそこには参加費がどうしても一般の水準から見ると、スポーツあるいはレクリエーションに対しては、あまり一般の人たちがその費用負担を身近なものとして、自分たちの対価として感じていないところがあるように思うのですが、その辺りは受益者負担だとかいろんなことをずっと言われているけれでも、何が一体問題なのかということをぜひ教えていただければと思います。
それともう一つ、日本レクリエーション協会さんの話を聞いていて非常になるほどと思ったのは、健康のためにスポーツをやるといっても、結局それを継続していくためにはレクレーショナルな楽しさというのが重要なのだという御発言です。それが提言のところでは、「健康スポーツ」というフレームの中でこれからはレクリエーションが重要になってくるということで、そこでは割と健康のためにレクリエーションをするというような、まさに逆転の発想といいますか、逆の発想がまた出てきているような感じもしないではないですけど、その辺りはどのようにお考えかということをお聞かせ願えればと思います。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。ほかに御質問は。
諸橋委員、お願いいたします。

【諸橋委員】 ありがとうございます。総合型地域スポーツクラブ全国協議会様と、日本レクリエーション協会様に御質問です。
先ほど、総合スポーツクラブのほうでも、ヨガだとか競技ではない部分に対しての登録・認証制度に関してはまだ未着手、もしくは日本レクリエーション協会様においてはレクリエーションに近い部分で今後指導者のモチベーションを維持するためにも指導者の認定制度が必要とあったのですが、現状競技ではない部分に関して、健康づくりという部分で、どういった部分が認定するのに難しいような状況になっているのか、その辺の詳細をお聞かせいただけたらありがたいと思います。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。ほかに御質問は。
では、池田委員、お願いいたします。

【池田委員】 ありがとうございました。総合型地域スポーツクラブの伊端さんと、レクリエーション協会の小田原さんに同じ質問になっていくのですが、お二人のお話を聞いていると、目的であったり、やっている取組というのは近しいところがあるかなというふうに感じました。そこで、今まで総合型地域スポーツクラブのほうとレクリエーション協会が事業を一緒にしたことがあるのかということと、もしやったことがあるのであれば、そこで感じた課題であったり可能性というものがありましたら教えていただければと思います。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
では、結城委員、お願いいたします。

【結城委員】 ありがとうございます。
主にレクリエーション協会、小田原さんへの質問となると思いますが、もしほかの皆様でもお考えがあればぜひお願いいたします。
先ほど菊先生のほうからもございましたが、健康づくりのために楽しんで体を動かす、そういったときに誰がどうやってその費用を負担していくべきなのか、持続性も考えたときにどのような方向性を日本の社会として、日本のスポーツの在り方として突き詰めていったらよろしいのか、そこの考え方を経験から伺えればと思っています。
昨今のコロナ禍で、一つはレクリエーション協会さんのほうでおっしゃった事業収入が期待できない、参加費を払う意識が薄いのだと。逆に言うと、指導者がボランティアになってしまいがちだと。非常によく分かります。ただ、コロナのときに、一つの現実を目の当たりにしたのですが、対策としては公費を出すということが一つの方策であり得るとは思うのですが、例えば高齢者とか健康づくりとかで行われていたような体操教室が、公の場を使ったり、そこの助成金を得たりしていた場合は、感染対策として軒並み閉じましたよね。最後に、自分たちで距離を取りながら何とか細々とやっていったようなものが間近にないかなと探しましたところ、それはお互い同士がなけなしのお金を出し合って指導者に謝礼を払いながら、それでも体を動かしていたいと集まっていたような動きでございました。
要は市民スポーツというような形、自分たちでお金を出し得る価値のあるものだという認識が広がらないと、コロナもそうですけれども、こういった大きな逆境などのときに体を動かし続けるという選択肢が狭まっていってしまうのではないかというような一つの考え方を持ったのですが、その辺りどのように、日本のスポーツ、健康のためも含めて、体を動かすということの経費を考えていったらいいのか、そこのお考えをお願いいたします。

【大日方部会長】 ありがとうございます。それでは今、大塚委員が手を挙げていらっしゃいますので、これで質問を最後にしたいと思います。大塚委員、お願いいたします。

【大塚委員】 ありがとうございます。日本トライアスロン連合の大塚と申します。
同じく、レクリエーション協会さんへの質問になると思うのですが、今までの各先生方の質問と少しかぶるところもありますが、健康スポーツをこれからのテーマに大きく掲げていらっしゃるというポイントの中で、今もありましたけれども、健康になったというエビデンスをどのような形で協会として証明できるのかというところまで今突き詰められる時代ではないかと思っています。また、競技スポーツなどとの明確な差も見せなければいけない部分は、どのようなところで健康になったエビデンスを示せるのかというところなど、もしお考えがあればお聞かせ願いたいと思っております。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、2団体への御質問がございました。レクリエーション協会様、最初にお答えをいただければと思います。よろしくお願いします。

【小田原(日本レクリエーション協会)】 御質問をたくさんいただきましてありがとうございます。
最初は、参加費の受益者負担の認識が薄い、何が問題かというようなところですが、はっきりした答えは申し上げられないんですけれども、やっぱり意識の問題で、ワンコイン程度は1回の活動で持ってこよう、保険の費用も含めて、それでお茶を飲んだりするというような、そういう意識はあるんですけれども、それ以上はなかなかいかないという。外国と比べると、その辺の違いはやっぱりあるなと感じています。
それから、楽しさが大切だと言っているようなところから逆転しているのではないかという御質問もありましたけれども、基本的には私どもは、楽しさということですとか、そこでの仲間づくり、コミュニケーションというのが機になっているところがあると思うんですけれども、この健康スポーツというのを一つのワードとして訴求していこうと考えたときに、加盟団体の皆さんと少し話をしていまして、例えばウォーキング協会、スポーツ吹矢とか、割とたくさんの参加者を集めて健康づくりをやっている団体が私どもの関連団体にもあるんですが、むしろ健康ということを切り口にしてもっと訴えていって、今まで生涯スポーツという言葉もあるんですけれども、どうもライフロングスポーツはあまり響いてもらえないと。それから、競技スポーツのイメージがやっぱりあるので、この健康スポーツという言葉をしっかりと使いながら訴求をしていくことが大切なのではないかという話合いなんかもありまして、こういうようなアプローチというか、御検討のお願いということになっています。
それから、指導者を認定していくところで難しい部分はあるかという御質問もありました。確かにスポーツと少し関係ない要素、社会性の部分だとか心の問題なんかに触れていくと、今まであまり入っていないカリキュラムの内容が入ってくることになるんだと思います。そうしたところを認定していただくというようなことは、また一つ課題もあるのかなと思っておりますが、つくれないことではないかなと。JSPOさんのカリキュラムでも似たような部分が入ってきていますので、やれそうな感じは持っております。
それから、総合型地域スポーツクラブとの連携ですが、そんなに数は多くないんですけれども、例はないことはないです。大変効果的にやられているところもあって、総合型地域スポーツクラブは種目の団体で集まっているところが多いものですから、一般の人たちを対象にいろいろやろうとしたときのソフトがないといったときに、その地域のレクリエーション協会が部分を担ったり、指導者を派遣したりというようなことで、一緒にやらせていただいているような例とか、少ないですけれどもレク協会が中心になりながら総合型をやっているというような例もあります。そういう連携が進められるのであれば、私どもの指導者の活用ということにもなりますので、ぜひやらせていただけないかなと思っています。
それから、費用負担の問題、それから先ほどのエビデンスの問題もありましたけれども、やはりこの辺のところは行政課題で、公費も少し負担をしていただくような形で進められるのがベストではないかと思っております。エビデンスとも関わるんですが、東日本大震災のときの支援活動をやったときに、今も一部継続して続いているところはあるんですが、身体的なことよりもまず心を前向きにしていって、少しアクティブになろうという気持ちになっていただいて。そうすると行動範囲が広がっていくんですね。仮設の中は3歩歩くとどこでも手が届くと言われていて、仮設の外に出て買物をして料理もしてみようとか、いろんな影響が出てきて、その結果、病院に行かなくなったとか、そこの町では行政の方にも関わっていただいたんですけど、プライバシーの問題があって医療費に関わるデータみたいなところは証明することはできなかったんですが、参加者の方の病院に行く回数は確実に減っているので、エビデンスとしては医療費が確実に落ちていくとか、そういうことで検証していけるのではないかと。また、そういうところを根拠にしながら、少し行政のほうに負担をしていただくと。
繰り返しになるんですけど、この手の事業はワンコインぐらいは持ってきてくれるし、そんなに大きな運営費がかかるというわけではないので、ちょっとした支援をしていただくことで、こういう活動をする箇所数はもっと増やしていけるのではないかと考えています。
すみません、急ぎ足になってしまって、全部お答えできたかあれですけど。


【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、総合型地域スポーツクラブ、伊端さんからお願いいたします。

【伊端(総合型地域スポーツクラブ全国協議会)】 まず、そもそも論から言いますと、総合型地域スポーツクラブというのは二十数年前にできたのですが、スポーツ実施率の向上が目的でありました。1週間に1回以上スポーツをする人の割合を2人に1人、50%にするというのがスタートでした。それを続けていくうちに様々な課題が出てきて、もっと地域のために役立つ活動をしていこうということで様々なクラブがありますけど、そこで質を高めようということになったのが、前回の2期のスポーツ基本計画であります。
それを踏まえて、先ほどの質問で、助成制度や認証制度の話がありましたが、私どもが今回期待することとして言ったのは、様々な地域の課題を解決するために、総合型クラブがいろんなことをやるために行政との連携が必要だということと、それを支えてくれるための中間支援組織として都道府県の体育スポーツ協会が必要だということです。ただし、当然仕事が増えるわけですし、本格的に取り組むとなった場合に一定程度の人と金が必要なので、そこを手当てしてほしいという要望であります。個々のクラブにお金が回るとか、そういう話では全くございません。
もともと行政でいうところの地域スポーツ・社会体育は、教育委員会(行政)が主体的に関わっていたものですが、これからは私たち民間が深く関わることによってスポーツをする機会を増やしていこうということが根っこにあり、今回は、それを担う中間支援組織への助成を要望するものであります。
また、次の質問の指導者資格の件ですが、日本スポーツ協会の資格があることは望ましいですが、現実にはレク協さんのほうからも話がありましたように、実際の現場ではレクリエーションやヨガなど、高齢者や女性、子供たちが気軽に関われるスポーツが多くあり、それぞれに指導者の資格はあるのですが、日本スポーツ協会の資格ではないものはたくさんあります。
実は、先ほども言いましたが、この件については全国説明会などで何度も議論を重ね、「日本スポーツ協会の資格じゃなきゃ駄目なのか」という意見がたくさんありまして、そうじゃないんだと。取りあえずそこはあってほしいけれども、現実をちゃんと見た中で進めていこうということですから、この指導者については、資格を取る取らないということよりも、どんな種目であってもきちんと資格のある指導者がいることが重要であるという考えがベースにあるということで御理解いただきたいと思います。
それから三つ目の質問で、レク協さんと一緒にということで先ほどお話がありましたが、本当に一緒にできればいいと思います。実は私もレク指導者の資格を持っていまして、現場ではやっぱりレクの知識があると間違いなく喜ばれます。アイスブレイキングから始まってというのもレクから学ばせていただきましたし、私も自分の地域でいろいろやるときにはレクを使っていますが、確かにレク協のない地域もありますので、そういう意味では、連携することは全く拒むものではありませんし、むしろ今、学校の部活動でも運動嫌いの子供たちのための「ゆる部活」といいますか、レクのような部活をやったほうがいいということで、既にやっているところもありますけれども、そんな意味ではぜひレク協さんと連携を組んで学校現場にも入っていければいいなとは思っています。
あと、事業に関連する費用負担の考え方ですが、私は個人的には受益者負担が原則だと思っています。なぜタダに近い状態が生まれているかというと、もともと行政が、先ほど言いました生涯スポーツ、社会体育の時代には教育委員会が主催する様々な教室がほぼタダという町がたくさんありまして、要するにタダじゃないと集まらないというのもあるんですが、逆にそれが染みついて、何かやると「何だ、金取るのか」と。私たちも初めは「え? 何で金取るの」というところもあったんですが、特に小さな町はほとんどそうです。
ではなくて、かかる費用は基本的に自分たちで負担するんだと。それも、きっと割り算すれば1回数百円の世界なんですが、年間にすると何千円とか何万円になりますが、そこのところの理解を求めつつ、自分が楽しむため、健康のためには受益者負担は当然なんだということを伝えて、指導者にはボランティアとはいえ、できるだけ応分の費用が回るようにする仕組みをつくるように私たちは努力してきております。
以上です。

【大日方部会長】 御回答ありがとうございました。
それでは、こちらにてBグループのヒアリングを終了させていただきます。お忙しい中、御出席をいただきましてありがとうございます。
では、委員の皆様、あと2グループございますけれども、暫時休憩とさせていただきます。55分再開ということで、6分ほどの休憩になりますけれどもお休みをいただきまして、また55分に御着席いただきますようお願いいたします。またCグループのほうも、よろしくお願いいたします。

(休 憩)

【大日方部会長】 皆様、お疲れさまです。それでは、Cグループの説明と意見交換を再開させていただきます。
それでは早速始めさせていただきます。全国知事会様、御説明のほう、よろしくお願いいたします。

【浜田(全国知事会)】 ありがとうございます。全国知事会文教・スポーツ常任委員会委員長を仰せつかっております香川県知事の浜田恵造でございます。よろしくお願いいたします。
第3期スポーツ基本計画の策定に当たりまして、香川県でのスポーツにおける取組や課題、また次期計画への期待などについてお話し申し上げたいと思います。
まず、香川県のスポーツ振興に向けた取組状況や成果につきまして、48ページから50ページの資料9を御覧いただきたいと思います。
(1)体力づくりの推進でございます。中学生の体力・運動能力は比較的高い傾向を示している一方、小学生について低下の傾向が見られております。このため、県の教育委員会におきましては、小学生を対象に望ましい体力向上に必要な取組を示した「讃岐っ子元気アッププラン」を独自に策定し、それを基に各小学校が自校の現状に沿った体力向上プランを作成することで、児童が楽しく体を動かし体力を増進できるよう努めています。
次に、(2)生涯にわたりスポーツを楽しむことができる環境づくりにつきましては、地域スポーツの拠点となる、いわゆる総合型地域スポーツクラブの育成支援や、家族がそろってスポーツやレクリエーションを気軽に楽しめる機会として、県民スポーツ・レクリエーション祭を実施しています。毎年2月には、香川丸亀国際ハーフマラソン大会を開催しております。県外を含め、幅広い年齢層の方が参加する県内最大級のスポーツイベントとなっており、トップレベルの走者の走りを間近で観戦できる機会ともなっております。県立のスポーツ施設につきましては、現在、競技スポーツ、生涯スポーツ、交流推進の施設としての機能を併せ持つ新県立体育館の整備を進めております。東京オリンピック・パラリンピック大会に向けましては、カヌー競技と陸上競技の事前合宿受入れに向けて、それぞれハンガリーとクロアチアでございますけれども、準備を進めております。県におきましては、来県される選手の方々が万全のコンディションで大会に臨めますよう、また、感染防止に留意しながら、地元住民の皆様がスポーツを通じた交流を深められるよう準備を進めております。障害者スポーツにつきましては、身近な地域でスポーツに参加できるよう関係機関と連携し、スポーツ教室や大会を開催しております。
次に、(3)トップアスリートを目指し競技力を高めることができる環境づくりにつきましては、平成21年度からジュニア期からの人材発掘・育成事業を開始しておりまして、小学4年生から6年生を対象に育成プログラムを実施した結果、年代別の日本代表選手や全日本選手権で優勝する選手も育ってきております。国民体育大会の総合順位につきましては、県の人口規模が小さい中で効果的な強化を行い、20位台以上の維持を目指し頑張っています。また、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、香川県出身選手が多数出場し活躍できるよう、バドミントンの桃田賢斗選手やバスケットボールの渡邊雄太選手、また、パラカヌーの今井航一選手など有力選手を指定し、支援を行っております。
次に、香川県での課題についてであります。資料50ページから51ページにかけてでございます。
まず、(1)体力づくりの推進では、1週間の総運動時間の平均が、小学校の男子・女子とも全国平均と比べて短くなっております。また、中・高等学校の運動部活動においては、指導内容が高度化、専門化することに伴い、専門指導者のいない学校の増加が課題となっています。
(2)生涯にわたりスポーツを楽しむことができる環境づくりにおきましては、香川県の成人の週1回以上のスポーツ実施率は、令和2年度の調査で約55%であり、国の目標値の65%に届いておらず、身近で気軽に体を動かすことができる環境の整備が課題となっています。総合型地域スポーツクラブについて、令和4年度から始まる登録・認証制度導入に向けた財源また人材の確保、指導者や施設の不足などの課題に加え、国が提唱している学校部活動の地域移行に向けて、クラブと学校や地域をつなぐ連携・協力体制の構築など、解決すべき課題は多くあると考えております。また、県立スポーツ施設につきましては、計画的な修繕や備品等の更新のための財源の確保が課題であります。
次に、(3)トップアスリートを目指し、競技力を高めることができる環境づくりについては、これまで構築してまいりましたジュニア選手を発掘し、トップアスリートを育成していく一貫指導体制を継続・推進していくことが大切であると考えておりまして、そのためには、より高いレベルで指導ができる優秀な指導者の育成・確保が必要であります。また、中央から地方への指導者の派遣など、地方と中央競技団体との連携・協力も重要と考えております。
最後に、第3期計画において期待することにつきましては、51ページから52ページにかけてでございます。
まず、(1)体力づくりの推進として、車社会の進展、遊ぶ場所の減少に伴い、歩いたり外遊びの機会が減ったりすることによる子供の体力低下が課題となっていることから、基礎的な体力づくりに幼児期から取り組むことが求められていると思います。このため、幼児期から、遊びを通した敏捷性やコミュニケーション能力が向上するような施策の推進をお願いしたいと思います。また、環境整備につきまして、安心して子供たちが遊ぶことができる公園や施設を整備するとともに、子供たちに様々な運動を楽しく実践させ、運動の楽しさを味わわせることのできる指導者の充実も併せてお願いしたいと思います。
次に、(2)生涯にわたりスポーツを楽しむことができる環境づくりでは、生涯スポーツ活動を推進していくためには、総合型地域スポーツクラブの役割は今後ますます重要になることから、地域スポーツの拠点としての位置づけを明確にして対外的にアピールするとともに、クラブが充実・発展していくための財政的支援を期待いたします。また、スポーツ施設の充実、機能強化や障害者スポーツに対する支援も必要であると考えます。
最後に、(3)トップアスリートを目指し、競技力を高めることができる環境づくりにおきましては、都道府県が実施している競技力向上事業に対する国の支援や、中央団体からのサポート体制を強化する施策を期待いたします。また、これまで競技力向上のために国が整備を進めてきたハイパフォーマンススポーツセンターのような施設を、中央だけでなく地方においても拠点を構築し、地方での育成強化の推進にプラスとなるような施策が展開されることを期待いたします。
以上、第3期スポーツ基本計画の策定に当たりまして、香川県でのスポーツにおける取組や課題、次期計画への期待等についてお話し申し上げました。
御清聴ありがとうございました。

【大日方部会長】 浜田知事、ありがとうございました。
それでは続きまして、全国市長会より三島市長の豊岡様、よろしくお願いいたします。

【豊岡(全国市長会)】 三島市長の豊岡武士でございます。日頃大変お世話になっておりまして、ありがとうございます。
三島市の取組でございますけれども、スポーツ振興における取組状況と、それから成果、そしてまた課題としていただいております国民のスポーツ実施に関する目標設定についてと、それから地域スポーツの体制整備について、ライフステージに応じたスポーツ実施の在り方につきまして、御説明と御報告をさせていただきたいと思います。
まず、三島市では、このようなスポーツ推進計画を策定しているわけでございますが、今年の3月に改定をいたしました。その中で、テーマはこのように考えております。お手元の資料の53ページになりますけれども、「“健幸”都市みしまを支える豊かなスポーツ文化とコミュニティの形成」ということにいたしております。
スポーツ実施率につきましては、成人のスポーツ・運動の実施率、これは週1回以上でありますが、2020年度は59.5%でございましたけれども、2025年度の目標といたしまして、65%以上と設定いたしておるところでございます。
そして、この計画におきまして、施策の方針を三つつくってございますが、まず一つは、次世代を担う子供たちのスポーツ環境の整備、二つ目に、暮らしを豊かにするコミュニティスポーツの推進、三つ目が、スポーツによる“健幸”都市づくりといたしておりまして、テーマを12に設定してございます。その中で、今の施策方針の中で、特に特徴的なことを御説明させていただきたいと思います。
まず、次世代を担う子供たちのスポーツ環境の整備でございますが、特に成果が上がっておりますものとして、みしまジュニアスポーツアカデミーというものを設置してございまして、受講生の全国大会、国際レベル大会への出場者数がかなり多くなっていまして、目標を達成いたしているところでございます。
それから二つ目の、暮らしを豊かにするコミュニティスポーツの推進という点では、まず、公民館等を利用した地域スポーツ教室などへの講師の派遣数でございますが、これもかなり多くございまして、目標を既に達成いたしているところでございます。
そしてまた、幅広くスポーツ参加を促す機会や場の提供といたしまして、市内の公共スポーツ施設の年間の延べ利用者数でございますが、これは市の温水プールがございまして、この温水プールを利用したり、あるいは体育館を利用している子たちが大変多くございまして、目標を達成いたしております。
それからもう一つ、スポーツを通じた高齢者の生きがいづくり、という点では、70歳以上の方々の週1回以上のスポーツ実施率は78%ということでございまして、既に目標を達成いたしているところでございます。ただ、今後この実施率は横ばいとなるのではないかと見通しているところでございますので、なお一層の推進が必要と考えております。
そして、三つ目の施策方針の、スポーツによる“健幸”都市づくりでございますが、これも様々な取組をしておりますけれども、とりわけ新たなノルディックウオーキングと、それからウオーキングコースの設定ということで2コース設定したわけでございますが、毎年更新を行って2コースの維持に努めております。この2コースを使用したウォーキング大会も、様々な民間の団体や、あるいは銀行さんに支援していただいたりいたしまして、楽しい大会が開催されているところでございます。
ただ、健康づくりという点では、大人の肥満度がやや悪るうございまして、肥満率が高い傾向にございます。要因としては、男性は就寝前の食事と飲酒が考えられ、女性は間食が多いということが考えられます。運動については、週2回実施している方は男女ともに半数ほど見られているわけでございますけれども、さらなる啓発と運動習慣づくりを、先ほど申し上げました目標実施率60%以上に向かって取り組んでいきたいと考えているところでございます。
そのような中で、課題として頂戴しておりました国民のスポーツ実施に関する目標設定について意見を申し上げさせていただきたいと思います。これも、私どもの取組を基としてお話しさせていただきたいと思いますけれども、まずは、乳幼児から高齢者まで一貫した目標設定が必要ではないかなというふうに思います。つまり、ライフステージに応じた目標設定をしていく必要があるのではないかと。特に、楽しく健康に暮らすという観点で、目標設定していっていただくとよろしいのではないかと考えております。
それからもう一方では、スポーツを通じた地域の絆づくり、それからウオーカブルシティといったまちづくりをしているわけでございますけれども、自然と歩けるまちづくりによるスポーツ実施率向上ということも必要かなと思います。言い換えますと、コミュニティやまちづくりの中にスポーツの実施を取り入れるということが必要ではないかと思っております。
それから、スポーツの実施率、目標には実施率が入ってこようかと思いますけれども、実施率には質と広がりが重要というふうに思います。
それから、地域スポーツ体制の整備でございますけれども、まず全国的にスポーツ部門は教育委員会のほうに入っている市がかなりあると思いますが、私どものほうはスポーツ推進課を市長部局に移してございまして、市としてスポーツの定義を広く捉えて事業を推進しております。
そうした中で、何よりも地域のスポーツ体制を整備するに当たりましては、団体の強化と指導者の育成ということが重要と考えております。特にスポーツ協会それからスポーツ推進委員、体育振興会といったような団体の強化が必要と考えております。
また、ライフステージに応じたスポーツ実施のありようにつきましては、乳幼児期から高齢者までにわたりまして様々な取組をいたしているわけでございますけれども、乳幼児期に母子でスポーツに親しめるようスポーツスタート事業というものを実施し、幼児期ではスポーツ保育の実施、それから学童期ではスポーツ少年団や武道の団体の支援、そしてまたジュニアスポーツアカデミーというものも実施をいたしております。もう一面では、子ども会のドッジボール大会なども活発に行われているわけでございまして、社会教育との連携も重要と考えます。
それから、スポーツをする子としない子の格差が広がっているわけでございますが、最近はスケートボードであるとか、サーフボード、ボルダリングなどの新しいスポーツの広がりも見えるところでございまして、そうした面での支援策も必要かなと考えております。
それから、中学生につきましては、中体連の改革によって部活動の在り方を変えていくことが必要だと考えております。
それから、高校生は、競技スポーツに取り組まない場合、成人後のスポーツ実施率の低下に影響してくるわけでございます。ある高校では、校訓が文武両道でございまして、高校の体育の授業を相当ハードにやっている高校もございまして、これは受験をしていく場合、あるいは成人後に社会人となった後、しっかりと活躍できるためには体力や気力が重要だということで、そのような取組をしている高校もございます。
それから、働く世代につきましては健康経営の支援を行っているところでございますけれども、民間企業とコラボいたしまして、特にスポーツ実施率の低い30代から40代の女性をターゲットとした活動を実施しているところでございます。例えばスタバと協働する、あるいはHiPsといいまして、お産をした後の女性たちが自主的にジョギングをやっている団体もございますけれども、そうした団体の支援にも努めているところでございます。
高齢者につきましては、かなりラジオ体操は活発でございますけれども、それをはじめといたしまして、運動講座、みしま健幸体育大学というものを行っておりまして、これは高齢者の居場所づくりと連携しているところでございます。
そのほか、障害者スポーツでございますけれども、これも障害をお持ちの方々が元気で明るく楽しく暮らしていただける上で大変重要だと考えておりまして、そのための取組も様々に行っております。特にスポーツ推進委員の皆さん方が、初級障がい者スポーツ指導員の資格を取りまして支援をしてくださったり、障害者スポーツ大会を実施もいたしております。ボッチャやフライングディスクなどを行うとともに、パラスポーツの紹介なども行って、障害者スポーツの発展にも努めているところでございます。
少し時間がございませんので、一瀉千里になりましたけれども、三島市の取組は以上でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。
それでは最後に、全国町村会、津和野町長の下森様、よろしくお願いします。

【下森(全国町村会)】 全国町村会理事を務めております島根県津和野町長の下森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私ども津和野町は、島根県の最西端に位置し、山口県と県境を接しておりまして、総面積は307平方キロメートルで、その約9割を山林が占めております。人口は約7,000人、高齢化率は49.2%で、過疎、高齢化が進む中山間地域の町です。
本町は中世から江戸時代にかけての城下町で、豊富な歴史文化財産と豊かな自然に恵まれており、例年100万人を超える観光客においでいただいております。観光資源の一つでもありますSLがJR山口線を走っておりますが、毎年3月には歴史・文化に間近に触れながら健康づくりに取り組むことができる「つわのSL健康マラソン」を開催し、町内はもちろん全国各地より多くの参加をいただいており、地域の活性化の一つとなっております。
さて、資料61ページになりますが、津和野町のスポーツ推進計画ですけれども、平成28年3月に制定し、本年度見直しを行うことにしております。この計画は、国が平成23年に制定されたスポーツ基本法の中で、「その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画を定めるよう努めるものとする」とされたことを受け、「津和野町教育ビジョン」のスポーツ・レクリエーションに関する部門計画として、スポーツ推進のために必要な具体的施策の推進計画として位置づけております。
計画の目標を、①青少年の健全育成、②町民の体力向上・健康増進、③スポーツ活動による活性化の3点に設定し、生涯スポーツの観点から、幼少期から高齢者までを通して、年代ごとに課題を整理し、具体的な施策を示して、その実現に向けて取組を進めてまいりました。
例えば、資料62ページになりますが、未就学児については、現状を把握する中で共働きの増加や少子化の影響により、親子の触れ合いや子供同士の関わり合いが減少し、家庭や地域における外遊び、集団遊びが減少しており、昔は遊びの中で自然に身についていた走る、投げる、飛ぶといった基本的な運動能力が低下し、何もないところで転ぶ子や、少し走るとすぐ疲れてしまう子が見られました。また、集団遊びの不足から、人とのコミュニケーション能力が低下する課題も認識したところでございます。
そうした課題に対応するため、保育園においては日頃の活動で積極的に運動遊びを促したり、親学等を活用し、保護者に運動遊びの重要性について示したり、スポーツ推進委員を保育園に派遣して運動遊びを定期的に実施するなど、未就学児への運動の必要性についての認識を高めるよう努めております。
次に、63ページになりますが、小中高校生では運動する子としない子とに二極化し、少子化から近所に遊ぶ友達が少ないため外遊びが少なくなり、おのずとテレビゲーム等に親しむことが増えるという悪循環になっておりました。また、部活動の競技種目も限られており、子供たちが実際に参加したい部活動が必ずしもないことや、町の看板スポーツと呼べるような競技もないため、競技力の向上が図りにくくなっていました。
少しでもこの悪循環をなくすため、いろいろな活動に子供たちの役割を与えるような仕組みを意識するとともに、スポーツ推進計画に掲げた具体的な施策に基づき、スポーツ少年団活動の支援や社会スポーツへの児童・生徒の参加を促すなど、学校スポーツと社会スポーツとの垣根を少しでも低くする取組を行い、学校での指導者不足解消と社会体育団体の後継者育成につなげるよう努めております。
次に、64ページですが、青壮年期から高齢者については、アンケート調査の結果、日頃から運動を行っている人の割合は比較的低いが、「スポーツをしてみたい」、あるいは「見ることは好き」など、運動が好きで機会があれば運動を行いたいという人が多くいることが分かりました。推進計画での具体的な施策として、各体育連盟の広報等での紹介や、公民館での運動教室や地区の運動行事への参加を促すなど、運動のきっかけづくりを進めております。特に高齢者には、グラウンドゴルフやウォーキング人気が根強く、無理せず楽しむ運動に人気があるようで、公民館等で呼びかけを行うと多くの参加者がございます。
また、津和野町のような小規模の町村でも、町民の希望する競技が多様化しております。しかし、町内では実施できない競技も多くあり、全ての人に満足感を与えることは困難だと考えております。特に施設が整っていないとできない競技については、指導体制もないため町内での活動ができず、スイミングやスポーツジム等に近隣の市まで行かれている方もいます。この点につきましては、推進計画においてもできるだけニーズに対応したいと考えておりますが、施設整備には多額の予算が必要となることや、費用対効果のバランスもあり、現実的には対応できることが限られております。
スポーツ施設についてですが、平成17年の合併以降、新たに建設されたスポーツ施設については小学校の体育館2棟だけで、ほかは旧町時代に建設されたものを耐震改修等を行って利用しております。しかし、学校施設についてはそれなりに補助制度もあり、リニューアルも進んでおりますが、社会体育施設については補助制度もなく、耐震改修も進んでいないのが現実です。施設の長寿命化計画は策定しているものの、全てを補助金なしで改修することは現実的には困難ではないかと認めております。
そうした中においても、既存の施設や廃校となった学校施設を新たな形で活用することを行っております。気軽に運動を楽しむことができるコミュニティスペースとして活用したり、ボルダリング施設の整備に向けて準備を進めたりしているところです。また、時代に合った競技施設が求められ、防災面も含め各種の施設基準が厳しくなり、公認施設の建設や維持が小さな町ではできなくなってまいりました。
当町では、公認の陸上競技場の基準が厳しくなったため、町内にある施設が全て公認競技場にすることができなくなりました。そのため、郡で開催していた陸上競技大会がなくなり、隣の市の大会に組み込まれる形となりました。これにより、楽しみながら小さな大会に参加していた地方の競技者の減少に拍車をかけており、町の陸上競技団体の加入者が数年で半減するなど、競技の底辺を支える意味では公認基準の厳格化がマイナス効果となっております。小さな町の数十人のことではありますが、全国的に同様のケースがあるとすれば、国全体の競技力にも影響が出てくるのではないかと心配しているところです。
このことは、陸上競技だけではなく、プロ化するスポーツを支える底辺のファンは健康や楽しみのために行っている場合が多く、その楽しみをそぐような方向は好ましくないと考えますので、競技スポーツを目指す人とエンジョイスポーツを一緒に考えるのではなく、両方必要なこととして推進計画を考えていただきたいと願っております。
以上のような観点から、1ページ飛んで67ページになりますが、第3期スポーツ計画に期待することとしては、地域の個性に配慮した目標設定と支援策を充実させるとともに、「誰もがスポーツに親しめる環境整備」や、「スポーツや運動を核とする施策推進」の視点を取り入れた地域課題の解決にもつながる計画策定をお願いしたいと思っております。
あわせて、離島や中山間地、僻地の小規模自治体では、専門人材の確保や施設整備に苦慮しており、スポーツ分野においても十分な財政支援等が必要と考えておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に66ページに戻ります。本年度見直しを図る予定の町のスポーツ推進計画ですが、前回の計画で課題の一つとしていた町の看板となるスポーツ、幼少期から大人になってもできる生涯スポーツを模索してきましたが、島根県において2030年に開催予定の国民スポーツ大会で、津和野町としてスポーツクライミングの開催を目指しており、これを機会に津和野町の看板スポーツとして、さらには幼少期からの生涯スポーツの一つとして普及していきたいと考えているところです。現在津和野町で進めている、「0歳児からのひとづくり事業」の体力づくりの核になるスポーツとして、次期の津和野町スポーツ推進計画に位置づけたいと考えております。
今後、さらに変化の激しい時代がやってまいります。津和野町といたしましても、少子高齢化、人口減少の波は収まりませんが、人生100年と言われる中、一人一人が心身ともに健康で有意義な人生を送ることができるベースが必要となってまいります。それぞれのライフステージやライフ・ワーク・バランスに応じた運動、スポーツの楽しみ方や関わり方について考えていかなければならないと考えております。特に津和野町のような中山間地域においては、高齢者に限らず、運動やスポーツをしたくてもできない方が今後多くなることが予想されます。ICT等を活用した幅広い運動・スポーツの在り方につきましても、第3期スポーツ基本計画を基にしながら検討してまいりたいと考えております。
少し長くなりましたが、以上でございます。

【大日方部会長】 どうもありがとうございます。
それでは、御説明をいただきました三つの団体につきまして、また委員の皆様から御質問、御意見等についていただきたいと思います。恐縮ですが、時間の関係で御質問は3名までとさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
では、國土委員、よろしくお願いします。

【國土委員】 神戸大学の人間発達環境学研究科の國土と申します。子供の発育・発達の専門でございます。いろんな御示唆ありがとうございました。
一つ教えていただきたいのが、先ほどのスポーツ団体からの中でも、やはり指導者の育成というのが重要な課題として浮き彫りになってくるかなと思いました。特に、トップアスリートはそれぞれの競技団体ということもあると思うのですが、それぞれの地域で指導者を育成していくときに、どういった人材が活用できるのかというアイデアがありましたら教えていただきたいと思います。特に、教員の先生方は働き方改革ということで今忙しいということもあると思いますので、恐らく地域のいろんな人材を活用していくことが必要かと思いますけれども、それぞれのお立場から御意見を伺えれば幸いです。よろしくお願いいたします。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、益子委員、お願いいたします。

【益子委員】 益子直美です。それぞれの地域の活動、本当にすばらしいなと思って聞いておりました。
部活の問題がすごく気なっていて、それぞれの地域の知事さんにお伺いしたいのですが、学校の部活がどれだけ地域総合スポーツクラブや民間のスポーツクラブなどと連携できているのかということを、今の段階でいいので聞かせていただければと思います。
あと、三島の豊岡市長に、ジュニアスポーツアカデミーというのは、どんなスポーツが行われているのかということを聞かせていただきたいです。よろしくお願いいたします。

【大日方部会長】 ありがとうございます。たくさんの方から手が挙がっておりまして、森岡委員、藤田委員、池田委員、諸橋委員、ごく手短に恐縮ですがお願いできればと思います。この後メール等でも差し支えないという方は、プッシュボタンを下ろしていただければと思います。
ひとまず森岡委員から手短にお願いいたします。

【森岡委員】 ありがとうございます。
1点目は、香川県の浜田知事と津和野町の下森町長に共通する質問ですが、資料に、地域で運動部活動をさせる体制づくりへの支援という記載がありますが、その中で最も重要であると考える支援はどういう内容か具体的に教えていただければと思います。
2点目は、三島市の豊岡市長に質問ですが、ウォーキングのまちづくりということで健康ポイントを導入しているかと思います。資料に記載されている高齢者施設との連携の中に、みしま健幸体育大学ということで御発表いただきましたけれども、もう少し具体的な内容を教えてください。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
では、藤田委員、お願いいたします。

【藤田委員】 では私のほうから1点です。私は障害者スポーツの研究をしておりますが、いろんな地方の自治体のスポーツ推進計画の中で、障害者スポーツの推進が位置づけられるというのは、地域で障害者スポーツを推進していくのにすごく重要なことだと思うのですね。ところが、住んでいるところもそうだったのですが、実際に障害者スポーツというと、障害福祉課であるとか教育委員会の保健体育課、それから特別支援教育課と分かれていて、なかなか一体的に推進していくのは難しいところがございます。
そんな中で、どういったアプローチがあれば推進計画の中で障害者スポーツのことも一体的に位置づけて推進できるのか、もしいいアイデアがあれば教えていただきたいのですが、よろしくお願いします。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
では、諸橋委員、お願いいたします。

【諸橋委員】 ありがとうございます。
課題解決に当たって財源確保が非常に重要な一要素になりますが、皆様それぞれの県、市、町で、スポーツにおける産業でマネタイズできた事例がありましたら教えてください。もしなければ、それに対してできない要因があれば、そちらもお知らせください。
以上です。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
池田委員、後ほどメールで御質問、御意見等寄せていただければと思います。御協力ありがとうございます。
では、たくさんの質問をいただきましたので、浜田知事、豊岡市長、下森町長の順でお答えいただければと思います。浜田知事、お願いいたします。

【浜田(全国知事会)】 ありがとうございます。非常に私どもも、どうすればいいかと考えているような御質問ばかりです。人材の育成、なかなかこれも言葉が躍るだけになりがちなのですが、私どもの成功体験としては、ずっと前の国体の開催のときに、いろんなところから来ていただいた方、その定着が非常に重要なことではないかと、そこが定着できているかできていないかで、いろいろ差が出ているような気がいたします。
それから、部活と総合型地域スポーツクラブとの連携というのは、残念ながら私どものほうではなかなか具体的な例をお話し申し上げるまでには至っておりません。地域の運動部活動を支える体制づくりへの支援、これは非常に焦点になっているのは承知しておりますけれども、いろんな人材といいますか、埋もれている人材は、実際にはかなり企業に経験者がいたりするのではないかと思っておりまして、そちらのほうに働きかけていくという方法も考えられるのではないかと思っています。
また、障害者スポーツの支援が一体的に位置づけられていくために、私どももまさに御指摘のとおり障害福祉課というところで担当しているわけですけれども、どういうアプローチが有効かということは、これは先ほど市長部局にスポーツの担当課があるという三島市長さんのお話のほうを、私がむしろお伺いしたいところであります。
財源確保でマネタイズした例がありますかというのは、残念ながらございません。率直に言って、なかなかそういう発想に至っていないと。これも行政面で見ればいろんなところが分かれてしまっているということが一つあるのかなと思っておりますけれども。我々、新しい大きな県立体育館を今造ろうとしていまして、その体育館が交流施設にもなるような、もともとそれ自体ランニングコストが心配で、いろんな注意をしなければいけないのですが、そういうところの魅力づくりを通じて、何らかのマネタイゼーションにつながっていけばいいのかなと個人的には思っております。
私からは以上でございます。

【大日方部会長】 ありがとうございます。
それでは、豊岡市長、お願いいたします。

【豊岡(全国市長会)】 それでは、三島市の取組状況を踏まえましてお答えさせていただきたいと思います。
まず1点目、指導者にはどういう人材が活用できるかというお尋ねでありますが、三島スポーツ協会には、多くのスポーツ団体が加入しているわけでございますけれども、そうしたスポーツを実際に実施している方の中で、時間的なゆとりがある方を指導者としてお願いをいたしているところでございます。しかし、無償でボランティアということになるわけでございますので、なかなか難しいところがございます。そしてまた、その指導者の方たちの情熱によって市内の小学生、中学生に正しいスポーツへの取組方を教えていただくことができるようにお願いをいたしているところでございますけれども、今難しいところがございます。
そういう中で、学校の部活と民間団体の連携という、これも大変難しいわけでございます。現在、中学生を対象としたスポーツクラブというのはいろいろあるわけでございます。野球であるとかサッカー、そうした学校の部活とは別のクラブがあるわけでございます。あるいは武道の面では道場があるわけですけれども、学校の部活そのものを民間団体へお願いするということは現状ではできておりません。現状でできておりますのは、中体連の大会に三島市のスポーツ協会のそれぞれの競技をやっていらっしゃる方たちに、例えば審判で来ていただくとか、あるいはグラウンドづくりに協力をいただくとか、その程度の連携にとどまっているところでございまして、今後部活そのものを民間団体でやっていただけるということはかなりハードルが高いと考えております。
それから三つ目に、本市の独特の事業でございますけれども、ジュニアスポーツアカデミーというものをつくっているわけでございますが、これは将来的に国際大会あるいはオリンピックに出場できるような選手をつくっていこうということで取り組んでいるわけでございます。対象は小学校5年生から中学2年生までの希望者をセレクションいたしまして、様々なトレーニングをし、適性に合ったスポーツに取り組んでいただくということでございます。今のところ種目は、自転車とホッケー、ボート、レスリング、フェンシングということでございます。これまでにもレスリングで国際大会に出場するような状況になっているとか、自転車ではインターハイに出るような状況までなったとか、そのような選手が育ってきているような状況でございまして、今後なお一層このスポーツアカデミーを通じて、マイナースポーツであっても国際的な選手になっていただけるように努めていきたいと思っております。
それから、高齢者を中心といたしまして、ウォーキングをしていただいて健康ポイントをためていただく、そして健康づくりをしていただく取組でありますけれども、タニタさんとの取組では5,000歩歩きますと1ポイントつきまして、年度末には抽選で三島のおいしい箱根西麓の野菜がゲットできるといったような景品も出しながら取り組んでいただいていて、大変多くの方々が参加してくださっているところでございます。
それから、高齢者の皆さんが、町内の集会所とか公民館を使いまして居場所という取組をしているんですけれども、そちらに、健幸体育大学ということで、市の健康づくり課の職員をはじめとして出向きまして、様々な講座、あるいは実際に体を動かすことをやっていくというようなことをしているところでございます。1年に1回は大きな講演会を開催したりしているわけでございますけれども、これまでも鈴木大地前スポーツ庁長官にお話をいただいたり、増田明美さんに講演をしていただいたりしたことがございます。そうした講演を通じながら興味を持ち、関心を持っていただいて、健康づくりに取り組んでいただくように期待しているところでございます。
それから、障害者スポーツにつきましては、これもかなり活発になってきているわけでございますけれども、三島市役所に平昌の冬のオリンピックに出場したアイスレッチの選手がいるんですが、そういう職員を採用しております。また、障害者スポーツについては、幾つかの障害者施設が、障害を持っている利用者さんが元気で明るく楽しく暮らしていただけるようにということで、フライングディスクなどに取り組んできてくださっているところでございます。また、そうした障害者スポーツの大会も開催しておりますし、それをサポートするのがスポーツ推進委員の皆さんで、資格を取っていただいて応援をしていただているところでございます。
最後に、スポーツによってマネタリングをしていないかということでございますが、とてもそこまではいきませんけれども、目下私どものところは企業に健康企業になっていただくということで、企業の社員の皆さん方が健康づくりに取り組んでいただくという取組を推進いたしておるところでございます。これも働く世代の人たちが健康になっていただこうという取組でございますけれども、例えば面白いのは、企業別に歩いた歩数を競っていただくということをやりまして、優勝したところには景品を出すとか、「脂肪燃えるんピック」というものをやりまして、3人1組で、特におなかが出っ張っている方たちを対象にして3か月間脂肪を減らすということをやっていただくわけでございます。それで競争していただきまして、最も脂肪を減らしたチームに商品を出すというのがございますが、減った脂肪分の牛肉をプレゼントするというようなこともして、楽しく健康づくりをしていただいているという状況でございます。
少し長くなりましたけれども、以上でございます。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、下森町長、お願いをいたします。

【下森(全国町村会)】 まず指導者の育成ということでありまして、これはもう課題として捉えております。その指導者を育成するのに、まず誰が教えるのかという問題から苦慮しているという状況でございます。ただ、最初の話の最後にも申し上げましたように、第3期のスポーツ計画では、ICTを活用したということを盛り込もうと思っています。その具体策として、リモートによる指導者を見つけていきたいと。そして、その指導者がリモートで町内の指導者を育成していくというようなことを積極的に取り組んでいきたいと考えているところであります。
ただ、その中においては、町内でスポーツに関心を持つ人をもっと増やしていかなければならないわけでありますが、これも最初のお話の中で申しましたように、公認競技場の基準が非常に厳しくなっているという状況でございます。例えば、町内では競技者が一人もいないハードル競技のためにハードルを80基整備しなければならないというような基準があります。そういうものを全て整えようとするのはとても町では無理な話であり、そういう基準があることで公認施設を町で造れないという状態でありまして、それがいろんな競技においての基準が上がって、競技者が減る要因になっているという状況でございます。こういったところも解決をしながら、町内にスポーツに関心を持つ人を増やして、リモートによる指導者の育成というものにも結びつけていく必要があると考えているところであります。
それから、部活の話でございます。津和野町内には唯一県立の津和野高校というのがあります。1学年80人の小規模校であります。そして同じ鹿足郡の隣に吉賀町という町に吉賀高校というのがあって、同じような規模でございます。いつの間にか部活動が、津和野高校は野球部、そして吉賀高校はサッカー部が残った。昔は二つのスポーツとも一つの高校にあったわけですが、人口減少とともに今はそのようなすみ分けがいつの間にかできているということであります。小学校時代にはスポーツ少年団がございますので、それは同じ郡内から一つのスポーツ少年団で一緒に好きな野球であったりサッカーであったりというような活動をしていくと。そして、中学、高校と進む中で自分がやりたい部活のほうの高校に進んでいくと、そのようなことができているというところであります。
それからもう一つ、最後にスポーツによる産業がというお話があったかと思っております。もし違っていたら違う答えになるかもしれませんが、津和野町の産業というのは実際には今ございませんけれども、もともと観光の町でもございます。歴史・文化があって日本遺産にも認定いただいているということで、観光を伸ばすために町歩きというのを推奨しております。町内の町歩き、歩くというふうに表現しましたが、これは広い地域に文化財の範囲が及んでおりますので、それをサイクリングで回っていく、そういうようなことに取り組もうとしているところであります。そんな中で、このサイクリングというものも一つのスポーツということに位置づけた中で、観光へも結びつけていきたいという思いを持っています。
全ての御質問のお答えにはなりませんが、一応私からは以上とさせていただきます。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。それでは、こちらでCグループのヒアリングを終了させていただきます。お三方の皆様、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。オンライン会議のほうの御退室をお願いいたします。
では、Dグループの皆様の入室をよろしくお願いいたします。

(グループC、D入替え)

【大日方部会長】 それでは続きまして、Dグループのほう、少し順番を変えさせていただきます。先に、日本武道館様から御説明をいただきたいと思います。8分以内ということでお時間を守っていただけますようお願いいたします。それでは、お願いいたします。

【吉川(日本武道館)】 日本武道館でございます。
資料13、89ページの内容に沿って御説明をいたします。資料の①、90ページ、武道の定義及び97ページ、各道共通指導内容の説明もありますので、その御準備もお願いいたします。
まず、90ページを御覧ください。武道とは何ぞやからから入ります。武道の定義です。
武道は、武士道の伝統に由来する日本で体系化された武技の修練による心技一如の運動文化で、柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道の総称を言います。武道は1000年以上の歴史を有する日本の伝統的な運動文化でございます。特に、鎌倉時代から江戸時代までの約700年間における武家政権下において、もともと戦いの技術から人間を練る道へと昇華をいたします。文武両道の実習が奨励をされました。
現在は、小学生の「全日本少年少女武道練成大会」から90歳が参加する「高齢者武道大会」まで、勝負主体、錬成、健康維持、生きがいなど様々な形式の大会があり、親しまれております。
人口は、国内に約240万人、海外に約5,000万人を超える武道愛好者がいると言われております。
武道館の数ですが、国内に約2万館あります。全国組織といたしましては、先ほどの武道9団体と日本武道館が組織をいたします日本武道協議会、全国都道府県立武道館協議会、日本古武道協会、学生武道クラブ、日本武道学会などがあります。これら全て、日本武道館が提唱して結成されました。
これからの課題です。必修化元年、平成24年当時の中学1年生はもう既に成人をしております。つまり、中学校武道必修化が今後も続くと、50年後、100年後には全国民が武道経験者となります。武道必修化の充実・成功は、国家にとっても大事な事業でございます。
それでは、その武道は授業で何を教えているのか、97ページの中学校武道必修化各道共通指導内容を御覧ください。下の括弧書きのところでございます。
技術は各道さまざまですので、共通の指導内容としましては、礼の実践です。礼の実践によって礼儀正しさを身につけ、伝統と文化を尊重する態度を養うことを目的としております。具体的には、授業の初めと終わりに姿勢を正し、心を込めて、先生と仲間に「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と大きな声でお互いに礼をすることを共通の指導としてお願いをしているところでございます。
実施10年目を迎えた中学校武道必修化ですが、課題は指導者の確保と、年間10時間弱の指導時間の拡充です。武道は基礎・基本を大事にいたしますのでこれでは時間が足りません。新中学校学習指導要領に武道全9種目が並列で明記をされ、全ての武道が授業で実施可能となります。そこで、武道9種目が幅広く実施されますよう、外部指導者を活用した武道推進モデル事業の推進を望んでおります。また、将来の小学校における武道授業の実施に向けた実践研究、指導法研究等の準備も必要になってまいります。全国的な武道の普及・振興のために、各都道府県立武道館の整備・拡充と、町道場の維持・存続も大きな課題となっております。
まとめといたしまして、礼に始まり礼に終わる武道は、人間の心身を一体として鍛え、強く立派にします。日本のスポーツは全て道の文化に通じていると思っております。武道はその源流です。例といたしまして、箱根駅伝、少年野球や高校野球、最近ではマスターズ、松山英樹選手のキャディーさんが取った18番ホールでの行動などがその表れではないでしょうか。
スポーツ基本計画の中核に、武道の総合的な普及・振興策を盛り込んでいただくことを強く要望いたします。ありがとうございました。

【大日方部会長】 ありがとうございました。
それでは、日本フィットネス産業協会様、よろしくお願いいたします。

【松村(日本フィットネス産業協会)】 よろしくお願いいたします。私、フィットネス産業協会、松村と申します。時間も押しておりますので、ポイントをかいつまんでお話しさせていただきます。
今回、私どもの日本フィットネス産業協会のほうから、我々フィットネス産業が国のスポーツ、それから健康の維持増進のためのスポーツ、それからフィットネスというようなものに対して、振興にどのような役割を果たせるのかというところに関してスポットを当ててお話をさせていただきたいと思います。
御手元の資料ですけれども、ちょっと飛ばして、18ページを御覧いただきたいのですが、今コロナ禍においてフィットネスクラブの事業者というのは、極めて甚大なインパクト、経営的な被害を受けているという状況でございます。今回、特にこれだけフィットネスクラブは被害を受けているということにフォーカスをするのではなくて、そのことに起因して、やはりどれだけ日本の健康被害というものに対して、このフィットネス事業者が全国のフィットネスクラブ、特に昨年度4月、5月ですか、一斉全国休業が起こったことによって起きた健康被害に関して触れさせていただきたいと思います。
コロナ禍において、昨年4月、5月の2か月間にわたって、全国のクラブが一斉休業になりました。今、日本の民間のフィットネスクラブ、ヨガスタジオとかたくさんあるのですが、この中にはそういうところはカウントされておりません。民間の一般的にフィットネスクラブと言われる施設で、今大体6,200店舗以上あると言われております。大体7,000店舗弱です。その中で、およそ550万人から600万人という人たちがエクササイズをされているわけです。それだけの規模の方々が一斉に運動する場所をなくしてしまった、運動の機会を逸してしまったということで、今、大きく顕在化している問題が、健康二次被害という被害でございます。
余談ですけれども、アメリカでは、ACSM(American College of Sports Medicine)というコメディカルの団体がありまして、そこでフィットネスというものが非常に重要な役割を持っておりまして、HFSという資格認定まで確立されているような団体なんですけれども、そのACSMの団体の根幹となるキーワードが、「Exercise is Medicine」というものになっています。エクササイズというのは、毎日薬を処方するように皆さん運動をされているわけですね。その方々が運動する場所を一気に逸したということで、次の19ページを見ていただきたいんですけれども、おのずと起こる問題が高齢者の巣籠もりということでのサルコペニア、フレイル、それから認知機能の低下というものが急激に大きくなっていくと。一方、子供も遊びの場ですとか運動する場所を失うことによる体力低下というものが大きな問題になってきております。
あと、ソーシャルヘルスという言葉が今、成熟した先進国の中では大きなキーワードになっておりますけれども、要は社会的健康ですよね。孤立しないで、人々とコミュニケーションを取る中で自分の健康がちゃんと維持できる、もしくは自分の健康状態が確認されるというような、そういうソーシャルヘルスの場も同時に失われていくということが、フィットネスクラブが閉じられることによって起こるということでございます。
今また非常に残念ながら、東京都、大阪府においては、5月に入った緊急事態宣言の中で、極めて我々としては不本意なんですけれども、フィットネスクラブの1,000平米超のクラブは人の密を避けるという、全く我々にとってみると理解し難い理由の中、一つの商業施設の中にくくられて休業になっております。そういう中で、先ほどのような問題がどんどん顕在化していっているということがございます。
10ページを見ていただきたいんですけれども、我々は一方で、去年の4月、5月、極めて大きな風評被害にさらされました。ビュッフェスタイルのレストラン、それからカラオケと全く同列にフィットネスクラブが入れられて、感染リスクの高い場所ということで、かなり高いガイドラインを我々も要求されることになりました。
ただ一方で、それをしっかりとクリアして、我々としては極めて精緻なハードルの高いガイドラインを策定いたしました。その結果、11ページですが、現在において、私どもフィットネス産業協会に加盟しているクラブに関してですけれども、陽性反応が出た方がおたくのクラブに入館されていましたと保健所から寄せられた件数としてカウントされているのが303件、ただ、その中で、FIAの加盟企業の中でのクラスター認定というのはされていないという状況です。これは、我々が定めたガイドラインを徹底遵守した上での施設運営ということに関してで、徹底されたクラブでの現状としてはそういう状況でございまして、このガイドラインの効力というものが、ある意味証明されていると我々は理解しております。
なので、このガイドラインの策定ということを毎回ブラッシュアップしながら、感染予防対策に対応しつつ今営業をしているところにもかかわらず、やはりそれでも今回の5月12日以降も、東京都に関しては、なぜか遊園地が人数制限が入っているとはいえ、大きな声で叫ぶジェットコースターがよくて、フィットネスクラブが休業要請を受けているというような、極めて我々としては残念で理解し難い状況にはありますけれども、先ほどもお話ししたように、我々のフィットネスクラブが果たしている役割というのは、極めてエッセンシャルなものです。
そういう中で、16ページを見ていただきたいんですけれども、今日委員として御参加されておられます境田先生にも特に大きなお力添えをいただきながら、我々としてはただ黙っているのではなくて、先ほど申し上げたようなフィットネスがエッセンシャルな機能を果たす産業であるということをしっかりと世の中に伝えていって、要は、ほかのどちらかというとレジャー的なものとくくりが同じにならないような方向で、何とかしっかりと機能と役割をコロナ禍でも果たせないかということで、このスポーツ・健康産業推進議員連盟というような議員連盟も組織化していただいて、この先生方にも御理解をいただいて、風評被害の払拭、それから我々業界の復興に向けた働きかけをサポートいただいているというような状況でございます。
よって、我々の産業がスポーツの振興にどういう役割を果たせるかというようなことに関しましては、先ほども申し上げましたとおり、子供から高齢者に至るまで、薬のように継続して運動する場としてフィットネスクラブがあることによって、そういう運動の機会を提供できているというところは大きな役割かと思いますので、そこを今後継続できるように我々も努力をしたいと思っておりますし、そこら辺の御理解をスポーツ庁様にもいただきながら、我々の産業の復興と継続、それからどうしても我々事業者としては理解し難いような休業要請ということが起こらないようにお力添えをいただければと思います。
以上でございます。

【大日方部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、この2団体に対しまして、御質問、御意見をお願いしたいと思います。少し時間が超過してしまっておりますので御質問があればと思っておりますが、いかがでしょうか。
では、境田委員、お願いいたします。

【境田委員】 松村さんにお伺いしたいんですけれども、今回のコロナの関係で、ちょうどスポーツ健康関連産業というのがスポーツ庁からのコロナの支援の対象、これは株式会社が入っていないということで、そこから漏れ、かつ経産省からのコロナ関係の補助金の対象からも外れるということで、これが社団法人もしくは財団法人ならよかったんだけれども、そこがエアポケットになって十分な支援を受けられなかったということもあったわけですね。
かつ、もう少しこの健康の議連では、ICTを使う、それから各自治体とか学校とこういった健康産業がうまくタッグを組むことによって新しいサービスの形を提供できるんじゃないかと、そんな意見もあったかと思うんですが、その辺の取組について教えていただけますか。

【松村(日本フィットネス産業協会)】 今後、義務教育課程の学校においても、例えばプールですとか体育の授業を、どちらかというと専門的な運動とかスポーツの指導ができるような原資を持っているような民間に移譲するとか、部活動の先生からの切離しでアウトソースしていくというようなことが今計画されていて、テストケースで、民間の事業者が学校の部活動ですとか学校体育のプールの授業なんかを請け負うようなことが、既に幾つかの自治体では始まっております。
今後、フィットネスクラブは、ただ箱の中の会員の方々に授業をするわけではなくて、そこで培った指導ノウハウですとか、例えば応援がしっかりとできるとか、成長の過程をしっかりと伝えられるとかいう、そういう専門的なところはフィットネスの指導者は強いですし、そういうノウハウをフィットネスクラブは持っておりますので、フィットネスクラブが外に出ていって、例えば自治体の地域包括支援事業ですとか学校教育なんかをしっかりと請け負っていくというようなことに関しては、大手企業様も含め、あとはエリアドミナントで、しっかりと自治体に根差してフィットネスクラブを運営されている企業様なんかは、今後そちらのほうには積極的にアウトリーチしていこうとしております。
そのために、やはり今回のコロナ禍でフィットネスクラブというのは、オンラインというものに関して、ACTを使う、ICTを使うというところに関して、他の産業に比べるとアナログチックなところがあったんですけれども、そこが今急速にオンラインでのレッスン提供とかいうことが急激に加速化していて、各事業者もそこら辺の事に関しては慣れてきておりますので、今年度以降そういうところに関しても速度感を持って対応していく企業が増えてくるかと思います。

【大日方部会長】 ありがとうございました。時間も迫っておりますが、ほかに手が挙がっている方はいらっしゃらないかと思います。恐縮ですけれども、これでDグループのヒアリングを終了いたします。お二方の皆様、お忙しい中、またお時間が変更になっている中、お答えいただきましてありがとうございました。オンライン会議のほうを御退室お願いいたします。
(グループD 退室)

【大日方部会長】 お待たせしました。皆様、長時間のヒアリングに御協力いただきましてありがとうございます。時間があれば意見交換をと思っておりましたが、既に10分超過しておりますので、本日のヒアリングにつきましては終了という形でさせていただきまして、もし追加での御意見や御質問等ありましたら、ぜひ事務局のほうに御連絡をいただければと思っております。
それでは、事務局より次回の日程につきまして御連絡をよろしくお願いします。

【スポーツ庁事務局】 事務局でございます。次回日程につきましては、19日水曜日、13時からの開催を予定しているところでございます。また、本日につきましては、長時間またタイトなタイムスケジュールの中、皆様方におかれましては御協力、御配慮いただきましてありがとうございます。
部会長からもお話ございましたとおり、お時間の都合上、御質問いただけなかった内容につきましては、会議後、事務局のほうにお寄せいただければ団体におつなぎをいたしまして、団体からの回答をお返しできるようにしたいと思います。詳細につきましては、会議後、メールで御案内をさせていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。

【大日方部会長】 ありがとうございました。
それでは、本日はこちらで終了といたします。長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。


―― 了 ――


また、会議後に委員の先生方から頂戴しました質問等及び質問等に対する各団体の回答につきまして、以下のとおり掲載させていただきます。

【池田委員】
①団体名:全国知事会
スポーツ施設の整備・修繕・運用などに関して、近隣の都道府県や市町村と連携・協力して財源を確保する取り組み例などはありますか?
また、無い場合はそのような連携・協力についてどのように思いますか?

(回答)
本県では、特定のスポーツ施設の整備等について、近隣の県や地元市と財源的な面で一体的な整備等は行っておりませんが、相乗効果を創出するため、県立の「Pikaraスタジアム」と市立の「丸亀市総合運動公園」を、県と市が計画を整合・調整しながら、同じエリアに「丸亀総合運動公園」として整備しています。
県内有数のスポーツ拠点となっており、陸上競技、サッカー、野球、ハーフマラソンなどの全国大会から地域の大会まで利用されていることに加え、県民の日々の健康づくりにも利用されていることから、県と地元市が連携して整備したことは大変有効であったと考えています。


②団体名:全国市長会
スポーツ施設の整備・修繕・運用などに関して、近隣の都道府県や市町村と連携・協力して財源を確保する取り組み例などはありますか?
また、無い場合はそのような連携・協力についてどのように思いますか?

(回答)
スポーツ施設の整備及び修繕に関しましては、他市町と連携・協力して財源を確保するような取り組みは行なっていませんが、運営に関しましては、近隣の市町が住民へ三島市民温水プールの助成券を発行し、三島市の施設を利用している例があります。


③団体名:全国町村会
スポーツ施設の整備・修繕・運用などに関して、近隣の都道府県や市町村と連携・協力して財源を確保する取り組み例などはありますか?
また、無い場合はそのような連携・協力についてどのように思いますか?

(回答)
今のところありません。
ただ、当町や近隣自治体の現況を考えると今後お互いの連携・協力は必要になってくると思います。基本計画部会でも説明したとおり、当町は、人口減少も著しく、財政規模も小さな山間の小規模な町です。町が有するスポーツ施設は、老朽化による改修や耐震設備の整備が必要なものも多く、これらを整備するには多額の予算を要することから、今後これらの施設すべてを維持・運用していくことが困難になることが予想されます。それに加え、施設利用者のニーズも多様化しており、求める競技の幅も広がっているため、町内スポーツ施設では実施できない競技も多くあり、利用者のニーズに応えられないという問題も抱えています。これらの問題は、近隣の自治体にも同様にあると思われ、問題解決のためにも、近隣市町村とのスポーツ施設の相互利用・共同運用を今後視野に入れていく必要があると考えます。
ただし、実現には施設の運用方法、維持管理運営費、改修・更新費用等の負担割合など多くのハードルが予想されます。


【大石委員】
①団体名:全国知事会
学校における体力づくりの機会提供について、子供たちが自主的に活動するグループづくりを推進された事例があればご紹介ください。

(回答)
各学校の取組みですが、小学校では、全校で縦割りグループ(異学年集団)を作ることで、上級生が下級生を指導する場面が増え、積極的な交流が見られた事例があります。
また、中学校では、ダンスの授業で、リーダー(ダンスの得意な生徒)を数名選出し、そのリーダーに学級の生徒のダンス指導を任せることで、リーダーの育成にもなり、グループ内も活性化した事例があります。


②団体名:全国知事会
地域の運動指導者の確保について、ボランティアの指導者を養成された事例があればご紹介ください。

(回答)
ボランティアだけではありませんが、県民のさまざまなスポーツニーズに対応できる指導者の養成や資質向上を目的として、「生涯スポーツ指導者養成講座」(毎年6~9月にかけて6回実施)を開催しています。レクリエーション活動、障がい者スポーツ、救急法、安全管理等の実技や講義で、地域スポーツやスポーツ少年団、学校現場でも活かせるような内容となっています。毎年50名前後の参加者がいます。


③団体名:全国知事会
高齢者の体力づくりについて、高齢者保健福祉計画(介護予防事業等)との連携、協働事例があれば、費用の工面等も差し支えない範囲でお教えください。

(回答)
第8期香川県高齢者保健福祉計画において、全国健康福祉祭(ねんりんピック)や各世代にわたるスポーツ愛好者相互の交流の場である県民スポーツ・レクリエーション祭への高齢者の参加を促進すること、地域スポーツ活動の基盤となる総合型地域スポーツクラブの普及啓発やクラブを設立・運営できる人材の育成・資質向上を図り、クラブの活動が活性化されるよう支援することとしています。
なお、ねんりんピックや県民スポーツ・レクリエーション祭の開催費用について、一部補助を行っております。


④団体名:全国市長会
学校における体力づくりの機会提供について、子供たちが自主的に活動するグループづくりを推進された事例があればご紹介ください。

(回答)
〇中学校:子供たちが自主的に球技大会を企画し、実施。
〇小学校:教員がきっかけをつくることで自主的に動き出すことが多い。
(例)・クラブ活動(4~6年生)
一輪車や卓球等色々な運動を体験する中で、自主的に昼休み等に練習をはじめた。
・静岡県体力アップコンテスト
八の字縄跳びやドッジボールラリー等の登録されているプログラムを実施し登録すると県内の参加小学校のランキングがでることで、順位をあげようと自主的に練習をはじめた。


⑤団体名:全国市長会
地域の運動指導者の確保について、ボランティアの指導者を養成された事例があればご紹介ください。

(回答)
〇スポーツ推進委員:東海四県の研修会 研究大会(1回/年)
県の研修会 実技(1回/年)、研究大会(1回/年)
地区研修会(1回/年)
定例会後の実技研修(1回/月)、
普通救命救急講習(2年に1回)
初級障がい者スポーツ指導員の養成

〇体育振興会:レクリエーション研修(1回/年)
連絡協議会での情報交換(4回/年)

〇ノルディックウオーキングガイド養成講座(2コース/年)
ノルディックウオーキング大会等への運営補助(2回/年)


⑥団体名:全国市長会
高齢者の体力づくりについて、高齢者保健福祉計画(介護予防事業等)との連携、協働事例があれば、費用の工面等も差し支えない範囲でお教えください。

(回答)
高齢者保健福祉計画の基本方針として、1高齢者の生きがいづくりの推進、2健康づくりと介護予防の充実、3包括的支援の推進、4認知症施策の総合的な推進、5地域生活を支える体制の整備、6暮らしを支える介護サービスの充実の6つとし、高齢者の体力づくりは1高齢者の生きがいづくりの推進、2健康づくりと介護予防で関係機関と連携を取りながら実施しています。
〔具体的な取組〕
① スポーツ及びレクリエーションの推進
〇三島市体育施設等指定管理者によるスポーツ・運動教室の開催(7教室)
〇高齢者スポーツ大会
〇シニアクラブとの連携事業
ゲートボール大会、グランドゴルフ大会、輪投げ大会
ノルディックウオーキング講習会
〇ラジオ体操連盟との連携によるラジオ体操の普及
〇健幸マイレージ事業

② 介護予防事業
〇地域リハビリテーション活動事業
地域における介護予防の取組を機能強化するために、理学療法士などの地域リハビリテーション推進員を通いの場などへ派遣
予算額 10,000円×30回×1.10=330,000円
〇健幸体育大学
居場所づくりと連携して、連続した運動教室を実施
介護予防のための運動の講演会(1/年)
予算額 委託料2,500,000円


⑦団体名:全国町村会
学校における体力づくりの機会提供について、子供たちが自主的に活動するグループづくりを推進された事例があればご紹介ください。

(回答)
学校での子どもの自主的なグループ活動の事例はありませんが、地域貢献活動を行う中学生のサークルが、町内の小中学生を対象としたスポーツイベントを企画したり、高校生ボランティアが小学生を対象とした運動遊びを企画したりするなど、地域における子どもたちの自主的な活動はいくつか見られます。


⑧団体名:全国町村会
地域の運動指導者の確保について、ボランティアの指導者を養成された事例があればご紹介ください。

(回答)
直接的に町がボランティアでの運動指導者を養成した事例はありませんが、町の体育協会各団体やスポーツ少年団への支援を通して運動指導者の確保につなげています。


⑨団体名:全国町村会
高齢者の体力づくりについて、高齢者保健福祉計画(介護予防事業等)との連携、協働事例があれば、費用の工面等も差し支えない範囲でお教えください。

(回答)
介護予防の担当部局と連携して、地域の高齢者の体力測定会を定期的に実施しています。測定会には、町のスポーツ推進委員が計測等に携わり、会の中で高齢者にむけた体力づくりのアドバイスを行っています。スポーツ推進委員への謝金等の費用については、スポーツ庁の「体力・運動能力テスト調査」事業を活用しています。


【尾縣委員】
①団体名:日本スポーツ協会
スポーツ団体の経営力強化の具体として、「JSPOが保有するデータ活用による民間企業と連携した新たなサービスの提供」が挙げられています。スポーツ庁、JSC、JOC、笹川スポーツ団体などそれぞれの組織がスポーツに関連するデータを所有していますが、関連データを一元化して管理することが様々な事業に繋がると考えます。これを施策として展開することは考えられないでしょうか。

(回答)
JSPOが保有するデータは、公認スポーツ指導者やスポーツ少年団登録者、国民体育大会の参加者の個人情報と、調査研究事業等を通じて得られたデータの2つに大別されます。
前者(公認スポーツ指導者やスポーツ少年団登録者、国民体育大会の参加者の個人情報)につきましては、JSPO独自のデータであり、これらは、個人情報の保護の観点、また各データ保有団体と協同事業者、パートナー企業のビジネスモデル等を考慮した上での共有の範囲や方法を精査(制限)する必要があります。
しかしながら、運動部活動改革等によりスポーツの環境が大きく変わる中、JSPOは、指導者のマッチングや子供のスポーツ機会の創出等に資するものについて、利用団体に対してコストを負担してもらい、サービスを提供することは可能です。

一方、後者の調査研究事業等で得られたデータは、スポーツ庁やJSC等が保有するデータとともに、我が国のスポーツ界全体の課題解決に資するため、一元管理を進めることが望ましいと考えます。
このような調査研究事業等で得られたデータの一元管理は、データの質・量ともに膨大であり、ステークホルダーも多く存在し経費も大きくなることから、国として取組む施策であると考えます。


②団体名:日本スポーツ振興センター
868の地方公共団体が参画するジャパンスポーツネットワーク(JSN)をスポーツ振興に活用することは極めて有効かと思います。大きなプラットフォームの上で展開する事業をスポーツ統括団体や競技団体との連携を持って遂行することも考えられます。

(回答)
ご質問・ご提案をいただき誠にありがとうございます。ジャパンスポーツネットワーク(JSN)は、国・地域のスポーツ振興の推進に有効なプラットフォームとして、今後も参画する地方公共団体を増やし、さらなる拡大・成長に努める所存です。また、JSNを通じたスポーツ振興において、スポーツ統括団体や競技団体との連携は非常に有効であると考えます。

③団体名:全国知事会
第3期計画において期待することとして、「東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催を好転ととらえ、開催後も運動習慣が定着し、体力向上が図れる施策の推進」が挙げられています。具体的には、どういった施策が有効だとお考えでしょうか。具体例を挙げていただければ幸いです。

(回答)
現在、スポーツ庁の事業で行われている「オリンピック・パラリンピック、ムーブメント全国展開事業」(オリパラ教育)を東京オリンピック・パラリンピック競技大会終了後も、継続させてほしいと考えます。
オリパラの種目を実際に経験したり、オリパラ選手に実際に触れあうことで、運動が身近なものに感じられ、トップアスリートとの関わりを通じて、運動に対する取り組み方や体力向上に対する意識が高まります。
また、生涯を通じてライフステージに応じたスポーツ活動を推進することも運動習慣の定着や体力向上には有効だと考えられるため、本県が実施している「県民スポーツ・レクリエーション祭」のようなスポーツやレクリエーションを気軽に楽しめる事業への支援も重要だと考えます。
その他、競技力向上のための施策になりますが、これまで国全体で取り組んできた競技力向上の取組みをこれからも継続するとともに、各都道府県の取組みに対しても国や中央団体からのサポート体制を強化していける施策を期待します。

以上
 

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