スポーツ審議会(第5回) 議事録

1.日時

平成28年12月22日(木曜日)

2.場所

文部科学省第二講堂

3.議題

  1. (1)第2期スポーツ基本計画の策定について(中間報告案)
  2. (2)その他

4.議事録

【山脇会長】  皆さん、おはようございます。ただいまからスポーツ審議会総会及びスポーツ基本計画部会の合同会議を開催いたしたいと思います。
 各総会及び計画部会の委員の皆様には、年末の大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 議事に入る前に、まず本日の配付資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。
【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。それでは、お手元の議事次第を御覧ください。本日の議題は、第2期スポーツ基本計画の策定についてということになっております。関連で資料1がそのポイント、資料2が中間報告(案)の概要、資料3が中間報告(案)本体、分厚い冊子でございます。あと、資料4は、関連でございますが、第1期と第2期の数値目標の比較と、そういう資料になっております。その他、参考資料1、2、3ということでお配りしております。
 あと、番号を振っておりませんが、平成29年度予算案主要事項の概要ということで、本日9時、閣議が開かれまして、平成29年度政府予算案が決定されたところでございます。その中でのスポーツ関連、スポーツ庁の主なものの抜粋ということでございまして、また後日、詳細な資料ができましたら、委員各位のお手元に配付させていただきたいと思います。
 資料の方、不足ございましたら、事務局までお申し付けください。よろしくお願いいたします。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 第2期のスポーツ基本計画につきましては、スポーツ基本計画部会、今回で第10回ということになりますけれども、審議が進めておられまして、現在、資料3にあるような中間報告(案)が出来上がってきているところです。本日はこの第2期スポーツ基本計画の中間報告(案)につきまして、総会及び基本計画部会の委員の皆様方で御審議、御議論をいただきまして、本日の審議をもって取りまとめを行いたいと考えております。
 なお、本日、報道関係者より、会議の撮影、録音を行いたい旨の申出がありましたので、許可をしております。御承知おきいただきますようにお願いいたします。
 それでは、第2期スポーツ基本計画の中間報告(案)につきまして、資料1から4に基づき、事務局から説明をいただいた後、各委員から御意見を頂きたいと思います。
 それでは、澤川課長の方から資料の御説明をお願いいたします。
【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。それでは、まず資料3を御覧ください。これが第2期スポーツ基本計画の策定について、中間報告(案)となっております。これがその本体でございます。
 本年6月1日、スポーツ庁長官からスポーツ審議会に対して諮問がございまして、以降、第2期スポーツ基本計画について総会並びに基本計画部会で御審議、御検討いただいているところでございます。特に基本計画部会におきましては、本日を含めまして、これまで10回の会議を開催するということとか、あと8月には総会との合同会議を開催するなど、短期間でございますが、精力的な御審議をいただいたところでございます。改めて感触申し上げたいと思います。
 本日は、この中間報告(案)について御議論いただく予定でございます。事務局の予定といたしましては、本日の議論を踏まえまして、今月中にパブリックコメントに掛けまして、最終的には来年3月に、スポーツ審議会として答申をいただく予定でございます。また3月末までに文部科学大臣より第2期スポーツ基本計画を決定、策定するというスケジュールを考えているところでございます。
 それでは、中間報告(案)について御説明させていただきます。
 表紙をおめくりいただきまして、目次のところを御覧ください。全体、4章構成になってございます。この4章構成は第1期計画を基本的に踏襲しております。第1章につきましては、基本計画の前文、序文に該当するところでございます。第2章は基本計画の総論又は理念に該当するものでして、スポーツの価値というものを中心に説明をしているところでございます。
 第3章は各論ということで、個別具体のスポーツ振興の政策を記載しております。基本計画の中核とも言うべき箇所でございます。
 第4章は、終わりにということで、計画を進めるに当たっての留意点でありますとか、今後の検証等々、第3期につなげる文章を書いているというところでございます。
 まず1ページを御覧ください。第1章でございます。第1章は、1、2、3の3段構成になっておりまして、1つ目が第1期スポーツ基本計画についての説明でございます。下の段落、「また」以下の段落になりますが、第1期基本計画の策定後ということで、2020年東京大会の開催の決定であるとか、障害者スポーツが文部科学省に移管されたこと、スポーツ庁が創設されるなどということで、スポーツを取り巻く環境が大きく異なり、国民の関心が高まっているということに触れております。
 2番目がスポーツ審議会におけますこれまでの議論を説明しております。今年6月にスポーツ庁長官から諮問があったということでございます。第3章においてはということで、これまで第1期の基本計画の基本的な構造を踏襲しつつ、内容の大くくり化を図ったということです。右側3ページになりますが、これまでは7つの柱がございましたが、4つの政策目標ということでまとめました。また、19の施策目標並びに137の具体的施策ということでまとめております。第1期は165の具体的な施策でありましたが、137まで重要なものに精選したという形になっております。
 また、スポーツ庁ができたということもありますので、健康増進、共生社会の実現、経済地域の活性化などなど、これまで必ずしも十分にフォローできてなかった分野についてもしっかり書いているということについて触れております。
 あと3番目につきましては、第2期スポーツ基本計画が目指すもの、狙いを書いております。
 1段落目に書いておりますが、あくまでもスポーツの主役は国民やスポーツ団体であるということですので、この基本計画はそれを支援するためのものなのだというふうに書いております。その上で、国民、スポーツ団体、地方公共団体に呼び掛けを行っているというところでございます。「国民には」というところで、スポーツを楽しみ、喜びを得るということで、人生を生き生きとしたものにしていただきたいということ。また、スポーツ団体の方々には、このスポーツの価値というものを改めて認識していただき、スポーツ以外の分野との連携・協働にも積極的に取り組んでいただきたいということ。また、地方公共団体に対しましては、この基本計画を踏まえて、地方スポーツ推進計画をできるだけ速やかに改訂・策定していただきたいということを書いているところでございます。
 第2章、この第2期スポーツ基本計画の総論についてということでございます。ここではスポーツの価値というものを中心に記述しております。国民向けに分かりやすくということで、柱、4つございますが、「人生」が変わる! 「社会」を変える! 「世界」とつながる! そして、「未来」を創る! そういう形の構成になっております。
 4ページの1つ目、「人生」が変わる! というところでございます。ここはスポーツの価値の個人的側面について触れております。冒頭にございますが、「スポーツ基本計画において」ということで、スポーツ基本計画を引用しつつ、スポーツとは広い概念なのだと。文化としての身体活動を意味する広い概念だということで、「みんなのもの」なんだということを最初に触れております。その上で、「する」ということを通じて、みんなが「楽しさ」、「喜び」というものが得られると。それがスポーツの価値の中核なのだということを言っております。
 (2)のところになりますが、「する」ことだけでなく、「みる」こと、「ささえる」ことということもスポーツに含まれるのだということを言っております。多様な形で全ての人々がスポーツに関わるということで、その価値が高まっていくということで、5ページの矢印のところにありますが、「スポーツの力により、人生を楽しく健康で生き生きとしたものにする」ということを書いております。
 あと2番のところ、「社会」を変える! というところでは、中ほどになりますが、「スポーツは誰もが参画できる」ということで、スポーツを通じて人々がつながり、価値を共有し、それが大きな力となって社会の課題解決につながるというふうに言っております。
 あとは、具体的にどのように社会が変わっていくのかということで、共生社会の実現、健康寿命の延伸、働き方改革、スポーツの成長産業化、地方創生、災害復興ということを言っております。また、トップアスリートの経験等を社会的な財産として生かしていこうということも触れております。
 3番は、「世界」とつながる! ということで、国際的側面についても触れております。多様性の尊重、持続可能で逆境に強いレジリエンスを備えるということ。クリーンでフェアな世界の実現ということに貢献することで、我が国の国際的プレゼンスを高めるというふうにしております。
 7ページの矢印になりますが、こういうことを通じて、「前向きで活力に満ちた日本と、絆の強い世界の実現」ということにスポーツが貢献できるのだというふうに言っております。
 4番は、「未来」を創る! ということで、オリ・パラのレガシー等を念頭に置いております。前回お示しした(案)に比較いたしまして、ここで新たにオリンピックムーブメント並びにパラリンピックムーブメントということを詳しく書いております。この5年間でこういったムーブメントを中心に未来を創っていこうということです。脚注にもこれらムーブメントについての記述を書いてございます。
 これから5年間の中で、計画期間中に様々な国際大会が開催されるということで、絶好のチャンスだということでございます。中ほどにございますが、「みる」、「ささえる」人を含めて「スポーツ参画人口」と、こういうものを増やしていくのだということ。そして、スポーツに関わる人たちがスポーツの枠を超えて主体的に他分野と連携・協働を行うということで、一番下にございます「スポーツ参画人口」を拡大し、他分野との連携・協働を進めることで、「一億総スポーツ社会」を実現するというふうに書いているところでございます。これが総論のところ、理念のところでございます。
 あと3章、ここが各論、第2期計画の中核と言うべきところでございます。ここにつきましては、全体的な記述を分かりやすくするという観点で、具体的施策のところになりますが、国が丸丸という施策を実施することで、丸丸という政策を推進すると。丸丸を実施することで、こういう政策を推進するのだというフォーマットに落とし込み、できるだけ分かりやすく記述の統一を図っているところでございます。
 4つ大きな柱がございます。1つ目がスポーツ参画人口の拡大と、人材育成、「場」の充実というところです。
 最初に、この大きな施策には施策目標ということで掲げてございます。ここでの1つ目の柱の施策目標というのは、成人のスポーツ実施率、週1回以上を65%程度と、3人に2人というふうに言っております。また、障害者につきましては、現状を踏まえて40%程度ということを言っております。こういう施策目標を掲げてございます。
 この大きな柱の1つ目がライフステージに応じたスポーツ活動の推進ということです。8ページの中ほどになります。ここにつきましては、具体的施策ということで、下のところを御覧いただければと思いますが、アのところは、スポーツについてのガイドラインの作成。ウのところは、「スポーツプログラム」ということで、健康寿命の延伸に効果的な「スポーツプログラム」の策定。また、9ページのエのところになりますが、スポーツ実施率の更なる向上策についての継続的な検討ということを書いております。
 あと学校体育をはじめ子供のスポーツ機会の充実、2つ目の施策でございますが、ここは目標として、スポーツが「嫌い」・「やや嫌い」という生徒を半減させるといった目標などを掲げているところでございます。
 具体的施策は、9ページ下のところになりますが、学習指導要領の改訂ということであります。アのところです。ウのところでは、教員採用や研修の改善ということを言っております。
 10ページのオになりますが、運動部活動の在り方に関する調査研究ということで、在り方に関する総合的な見直しということ。カのところで、部活動指導員ということで、外部指導者の制度化ということを言っております。あと、コのところで、学校体育活動中における事故防止ということ。あと、シのところは委員の御指摘を踏まえて新たに追加したところでございますが、アウトドアスポーツということで、青少年の野外活動ということについても施策を追加しているところでございます。
 あと、これは11ページ、マル3になりますが、「これまでスポーツに関わってこなかった人へのはたらきかけ」というところで、ここにつきましては、目標オ、成人のスポーツ未実施者、1年間に一度もスポーツをしていない人の数をゼロに近付けるということを目標に掲げてございます。具体的な施策につきましては、アのところで、民間事業者における「健康経営」でありますとか、エのところで、スポーツと健康、食、観光、ファッション等の融合ということで、これまで関心がなかった人の意欲向上を図るというふうにしております。
 あと、(2)のところで、「人材」と「場」の充実ということに触れております。
 マル1、人材の育成と活躍の場の確保ということで、目標として、全体像を把握しつつ、参画人口の拡大に向けた環境を整備するということを言っております。具体的な施策につきましては、12ページのところでございます。ここにつきましては、アのところで、スポーツに関わる全ての人、指導者、専門スタッフ、審判等々、スポーツに関わる全ての人の全体像を明らかにするのだということを言っております。
 また、イのところ、ウのところで、アスリートのキャリア形成ということで、デュアルキャリアでありますとか、引退したアスリートのキャリア形成支援ということを触れております。
 あと、オのところ、スポーツ指導者の育成になりますが、ここにつきましては、モデル・コア・カリキュラムということで、日体協と連携しながら大学等々に普及するということで指導者の質を確保していくということを言っております。
 また、コのところになりますが、スポーツ指導者が「職」として確立する環境を醸成するということも触れております。
 あと、専門スタッフ、審判員等々でございますが、13ページ、サのところに、医療・栄養・スポーツ科学など専門的な知識・技術を有する人材の資質向上を図る、また、配置の促進を図るということを書いております。また、審判員やボランティアにつきましては、14ページ、例えばソのところで、優れた活動を行う審判員の表彰等ということで、活動の支援をするということとか、タのところで、スポーツボランティアの普及、育成増大を図るということについて触れております。
 続きまして、マル2の総合型地域スポーツクラブの質的充実のところでございます。ここについては、施策目標として、これまでの量的拡大に重点を置いた施策から、質的な充実に重点を置いた施策に転換を図るということを触れております。
 15ページ、アのところになりますが、総合型クラブについて、登録・認証等の制度を整備していこうということ。
 イのところになりますが、ここは県レベルでの中間支援組織を整備して、総合型クラブの活動の質的充実を推進していこうということを言っております。
 また、オのところになりますが、総合型クラブが地域の課題解決に向けた取組というものを地方自治体と連携しながら取り組んでいくと、そういう活動の充実を図っているところでございます。
 あと、前回と比較いたしまして、15ページ下のところ、中間支援組織についての定義、説明書きを書き加えているところでございます。
 続きまして、施設のところになります。16ページマル3、スポーツ施設等々というところでございます。ここのところの目標は、ストックの適正化と安全で多様なスポーツ環境の確保というところでございます。
 具体的な施策につきましては、アのところ、ストックの適正化ということで、取組状況を毎年把握すると。あとはイのところになりますが、学校体育施設について開放を進めていくということを書いております。また、キのところになりますが、気軽にできる場としてのオープンスペースの有効活用というものを進めていこうということを入れております。
 あと17ページのクのところを新たに追加しておりまして、スポーツ施設における安全の確保と事故防止という観点で触れております。
 あと同じく17ページ、マル4で、大学スポーツの振興についても触れております。大学スポーツの国内体制の構築を目指すということを目標にしております。
 具体的施策につきましては、アのところで、広く大学関係者の理解を促進するということ。イのところで、大学スポーツを振興するための体制整備を図るということ。あと、エになりますが、日本版NCAAの創設を支援することなどを書いております。
 続きまして、18ページになりますが、これは第2の柱、絆の強い社会の実現ということでございます。ここでの政策目標は、スポーツを通じたアプローチということを通しまして、共生社会の実現、経済・地域の活性化、国際貢献に積極的に取り組むというふうにしております。
 1つ目がマル1、障害者スポーツの振興ということで、ここでの施策目標は、障害者の週1回以上のスポーツ実施率を40%程度にすると。若年層は50%程度ということを目標として掲げてございます。
 具体的な施策でございますが、18ページ、アのところ、地方における連携・協働体制の構築でありますとか、19ページのエになりますが、施設のバリアフリー化ということ。あと、オのところになりますが、このスポーツ施設の利用について、障害者の不当な差別的取扱防止を要請するということ。あと、カのところで、全ての特別支援学校が地域の障害者スポーツの拠点になることを触れております。また、下のところ、シのところになりますが、全ての学校種の教員に対する研修の推進でありますとか、障害者スポーツの用具の整備を図るということを書いております。また、下のところ、スになりますが、2020年に全国の特別支援学校で祭典を開催するということについても触れております。
 あと20ページソのところで、障害者スポーツ団体の組織体制の整備。タのところで、スポーツ団体の財政基盤の強化ということに取り組むというふうに触れております。
 マル2のところは、健康増進ということで、スポーツを通じた健康長寿社会の実現を目指すということを目標にしております。
 具体的施策につきましては、アのところで、エビデンスを収集・発信していくということ。イのところで、生活習慣病の予防等々に効果的な「スポーツプログラム」を策定するということ。
 あと、21ページエのところで、スポーツにおける安全を確保するということ。オのところで、被災地に必要とされる運動支援ということをスポーツを通じてやっていくのだということを書いております。
 21ページ、マル3、女性の活躍促進ということです。ここの目標は、スポーツを通じた女性の社会参画、活躍を促進するということでございまして、具体的方策については、アのところで、運動習慣の二極化でありますとか、女性特有の課題に関する様々な研究や支援ということを言っております。あと、ウのところは、女性のスポーツ施設の利用しやすさということを入れております。
 あと、22ページカのところで、スポーツ団体に女性の登用の促進を図るということを要請する旨を書いております。
 あと、(2)のマル1、スポーツの成長産業化でございます。ここでの目標は、2020年までに10兆円というスポーツの市場規模の拡大を図るということを言っております。具体的施策につきましては、23ページアのところで、スタジアム・アリーナづくりの推進。イのところで、新たなビジネスモデルの開発。ウのところで、経営人材の育成ということを触れております。また、キのところで、こういったスポーツ産業の拡大を通じまして、スポーツ環境の充実やスポーツ人口の拡大に再投資されると。そういう好循環を作っていくのだということを言っております。
 23ページ下のところは、スポーツを通じた地域活性化というところでございます。
 目標は、スポーツ目的の訪日外国人旅行者数等々を増やすということを言っております。具体的施策につきましては、おめくりいただきまして、24ページアのところで、スポーツツーリズムの資源開発でありますとか、イのところで、地域スポーツコミッションの設立支援ということについて言及しております。
 25ページは、国際社会の調和ある発展への貢献ということで、目標として、スポーツを通じた国際交流、国際協力を戦略的に展開すると言っております。
 具体的施策につきましては、アのところで、IF等々における役員数を増やすということで、目標として35人という数字を掲げてございます。
 また、イのところで、国際協議大会の積極的な招致でありますとか、エのところで、スポーツ・フォー・トゥモロープログラムなど戦略的な二国間交流等々を促進するということについて触れております。
 あと、26ページキのところで、ラグビーワールドカップ並びに2020東京大会など、円滑な開催を支援するということを触れておりますし、あと、ケのところ、オリンピックムーブメント、パラリンピックムーブメントというものを組織委員会等々と協力しながらやっていくということについて触れているところでございます。
 あと3つ目の柱が、27ページになります。国際競技力の向上ということでございます。ここでの政策目標は、過去最多の金メダル数を獲得する等、優秀な成績を収めることができるように国としてしっかり支援していくのだということです。
 マル1は、中長期の戦略強化ということでございます。4年単位で、総合的・計画的に強化を進めていくということで、具体的な施策につきましては、まずアのところで、中央競技団体が中長期の戦略を構築し、それを踏まえてJSC、JOC、JPCが多面的に支援していくと。また、イが、「国は」というところで、こういった取組を資金配分等々に活用していくのだということを言っております。また、エのところで、ナショナルコーチの資質向上でありますとか、スタッフの充実ということを書いております。
 28ページ、次世代アスリートの発掘・育成ということでございます。具体的な施策としては、アのところで、地域ネットワークを活用したアスリートの発掘でありますとか、種目転向を支援する。イのところで、有望なアスリートをターゲットとして、集中的な育成・強化を図っていくのだということを触れております。
 あと、29ページ、スポーツ医・科学、技術開発、情報等による多面的な支援ということで、NTCでありますとか、国立スポーツ科学センターの機能を強化するということを触れているところでございます。
 あとマル4になりますが、拠点の充実ということでございます。
 、30ページでは、具体的施策として、NTCの中核拠点の拡充をしているということ。あと、イのところで、それ以外の競技別強化拠点の活用ということについて触れております。
 あと、施策の最後、4つ目の大きな柱でございますが、クリーンでフェアなスポーツの推進ということでございます。我が国のスポーツ・インテグリティを高めるということでございます。
 31ページの脚注のところで、スポーツ・インテグリティとは何かということで説明をしているところでございます。まだまだ概念的には国内で定まっていないところもございますので、この計画としてしっかり定義するということで、ここにおけるスポーツ・インテグリティとは、誠実性・健全性・高潔性だというふうに言っております。ドーピング、八百長等々の不正がない状態であるということと、スポーツに携わる者が自らの規範意識に基づいて誠実に行動するということで、このインテグリティが実現するというふうな形で定義付けをしているところでございます。
 上のマル1のところでございますが、コンプライアンスの徹底、ガバナンスの強化というところでございます。具体的な施策につきましては、アのところになりますが、全てのアスリート、指導者等が能動的、双方向で取り組むことのできる教育研修プログラムを普及するということを言っております。
 また、32ページエのところ、スポーツ団体の組織運営ということについて、評価指標を策定し、継続的にモニタリング・評価していくということで、必要な場合には助言等々を行うとか、あと、オのところで、スポーツ団体の取組を活性化していくのだということ。また、クのところになりますが、これは全てのスポーツ団体においてスポーツ仲裁自動応諾条項の採択等を進めるということを書いております。
 あと、ドーピング防止活動の推進ということで、具体的施策につきましては、33ページのアのところ、ドーピング検査員の育成など必要な体制の整備とか、あとはイのところ、ドーピング防止に係る情報の共有と、あと最後、オになりますが、国際的なドーピング防止活動への貢献という、137の具体的施策をここに盛り込んでいるところでございます。
 最後になりますが、34ページ、これからこの第2期スポーツ基本計画をどのように進めていくのか。今後どのように取り組むかということについて触れております。ここは3つ、1、2、3と3点触れております。
 1つ目が計画の広報活動の推進ということでございます。そもそもこの第2期スポーツ基本計画は、「一億総スポーツ社会」を目指すということですので、国としては、この計画を分かりやすく簡潔に国民に伝えていくことが必要なのだということでございます。ですので、スポーツ団体、地方公共団体をはじめ、スポーツに携わる全ての人々がこの基本計画の理念を共有していただきたいということです。また、SNS、スポーツ庁のフェイスブック等々がございますので、そういうSNSなどを活用して、多様なメディアを活用して、直接、国民に働き掛け、発信をしていくということも重要だというふうにしております。
 あと2番のところは、計画を実施するための財源についてでございます。スポーツ関連予算ということで、今、資料もお配りいたしましたが、第2期計画の5年間で更なる強化を図る必要があると。スポーツ関係者の総意だということで強く言っております。その上で、「また」以下の段落になりますが、toto、スポーツ振興投票制度の収益拡大を図るとか、スポーツに対する寄附でありますとか、民間事業者の投資を活性化させるということで、多様な資金、財源でスポーツ全体を社会で支えていくという動きが必要だということを書いております。
 あと、最後は、計画の評価と検証ということでございます。この第2期計画におきましては、できるだけ多くの数値目標、成果指標を設定するよう努めているところでございます。結果、場合によっては、これが未達成ということもあるかもしれませんが、その場合には、下にありますように、成果指標そのものを検証した上で改善策を講じていくということを書いてございます。ですので、このスポーツ基本計画の実施状況について、この審議会の場を通じまして、定期的に検証を行っていきたいと考えております。
 35ページ、最後になりますが、この検証結果というものは、次の第3期のスポーツ基本計画にしっかりとつなげていくのだということで、この第2期スポーツ基本計画中間報告を取りまとめているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。御審議よろしくお願いします。
【山脇会長】  ありがとうございました。今、説明がありました第2期スポーツ基本計画の中間報告(案)につきましては、これまで10回の基本計画部会において皆様方から大変ないろいろな御意見を頂戴いたしまして、それがここの中に全部入って取りまとめたわけでございますけれども、更に今、御覧になっていただいた内容、足らないところ、更に追加のコメントなどがございましたら、これから皆様方の御意見を頂戴したいと思いますので、本日はまだ時間もたっぷりありますし、最後に松野文科大臣もいらっしゃる予定になっておりますので、皆様方から御意見をお伺いしたいと思います。
 それでは、御意見のある方から挙手を頂きまして、御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。
 はい。久木留委員。
【久木留委員】  大変すばらしくまとめていただいたと思っております。ありがとうございました。
 私の方から2点ございます。これはスポーツ審議委員の皆さんに是非とも御議論いただきたいと思っております。
 それはまず12ページです。ここにキャリアのことが書かれておりますが、実は欧州評議会の中で「EU Work Plan for Sport」というのが2011年から2014年までに議論されました。その中の柱がインテグリティと社会的価値と経済の規模だったのです。その社会的価値の中でキャリアのことが深く取り上げられました。なぜここでキャリアのことが取り上げられたかというと、実はスポーツが危機的状況にあるというところで、初めてデュアルキャリアという言葉が欧州評議会で出てきます。このことを考えたときに、日本も同じような状況にあると。そうすると、具体的施策の中で、その下のアスリートキャリアの形成。イのところですね。「国は、日本オリンピック委員会及び大学等と連携し」、これはいいと思います。ただ、キャリアのこと、デュアルキャリアについては、それだけではなくて、やはり日本体育協会も関わってきますし、また、JPCも関わってきます。スポーツ界が広く関わってくる。もちろんJSCも関わるでしょう。というところで、ここは国とスポーツ界全体をやはり入れるべきだと思います。そうでないと、下のところで整合性がとれなくなってくるので、ここについては是非スポーツ界全体で考えたらどうだろうかということが私の提案の1つ目です。
 2つ目、27ページになります。この具体的施策のエの部分ですが、これもこのままでいいと思います。ただ、「整備する」の後に、やはりオリ・パラ一体とここまでずっと言ってきたにもかかわらず、ここでJPCのことが触れられていないので、例えば更にJPCについても同様の整備を実施に向けて検討するとかですね。やはり5年計画ですから、ここの部分にJPCをしっかり入れるというのはものすごく重要になってくるのではないかと考えております。
 この2点について皆さんの意見を聞ければと思っております。よろしくお願いします。
【山脇会長】  ありがとうございました。本件について何か御意見ありますでしょうか。大日方委員。
【大日方委員】  ありがとうございます。大変すばらしくまとめていただいたと思っております。私も今の久木留先生の意見に関して申し上げます。
 27ページのナショナルコーチの資質向上のところ。それは再掲されておりますので、14ページのところにもあるわけですけれども、これをJPCにおけるという、ナショナルコーチの育成というのは、専任コーチ、国費を使ってやっておりますので、これの研修というものを徹底する必要があるのではないかということです。
 特にJPCのナショナルコーチのところを考えておりますと、ここの13ページあたり、専門スタッフというところについては、13、14のところがJPCが現在取り組めていないところもありますので、そういったものを5年間何もせずに置いておくということではなく、JPCと国が一緒になって、専門的なスタッフを育てていくといったことを書いていただいた方がよいと思いました。
 あと、12ページのキャリアのところにつきましては、私も先日、オランダに政府の視察で行かせていただきまして、トップアスリートが教育、そして、その後のキャリアというところを重視しながら育成している姿勢を見まして、選手からも、これだと安心してスポーツに打ち込むことができるというような意見を聞きましたので、是非広くスポーツ界全体で考えるという視点をこの中に入れていただければと思います。
 以上です。
【山脇会長】  はい。和久委員、お願いします。
【和久委員】  12ページのデュアルキャリアのところですけれども、私も久木留さんの意見に同感です。まさにデュアルキャリアは、スポーツ界、教育界、ビジネス界、あらゆる業界が連携をしなければできないものですので、そういった形で表記をした方が望ましいとと思います。一つ抜けていると思ったのが、そのための体制づくりが非常に重要で、今、スポーツ庁を中心に進めていますが、やはりデュアルキャリア推進のための体制整備ついて盛り込む必要があると思いました。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございました。それでは、今、御意見を頂戴しました、イのデュアルキャリアのところ、まさにそのとおりだというふうに思っておりますので、文言等につきまして、今の御意見をお伺いした内容でここを直すようにいたしたいと存じます。
 それから、27ページのエにつきましては、JPC、パラリンピックの方のプログラムがオリンピックに比べて遅れておりまして、私の了解では、このプログラム、ナショナルコーチについては後追いで出てくるという計画があると思います。ここについても今後の計画ということで、5年間ですから、ここに付け加えるということにさせていただきたいと思います。
 文言につきましては、部会長、私と、それから、事務局の方と相談して、適切な文章に直すようにしたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにございますか。それでは、田邉委員、お願いします。
【田邉委員】大変膨大な資料をおまとめいただき、御説明いただき、ありがとうございました。
 私の方からは2点です。第3章の8ページになるかと思います。スポーツを「する」、「みる」、「ささえる」というところでありますけれども、東京都におけるオリンピック・パラリンピック教育の中では、「知る」という、「する」、「観る」、「支える」、に加えて、「知る」という4項目が入っているかと思います。ですので、新しく「知る」という観点も入れてはどうかという点です。スポーツの多様な関わり方を楽しむことができるようにする観点ということで、教育課程の中でもこの「する」、「みる」、「ささえる」に、加え「知る」という文言が入っております。「知る」を加えることで、新たに参画する人口も増えるのではないかと思います。それが1点です。
 2点目は感想ですが、9ページの子供のスポーツの体力です。この施策の方では、新しい指標として「スポーツが好きな子供の割合」という観点も入れていただき、60年代の体力水準まで上げるという1項目ではなくて、この2つの指標を中心に子供の体力の向上を図っていくという観点では非常によかったと思っております。
 昨今の新聞等でも載っていましたが、若い女性の運動不足ということでは、週1回、スポーツを行う女性が10歳をピークに、18歳で最低の数値になるということで、男性に比べて女性の方が早い年齢で、スポーツ離れが起きているということを考えれば、やはり大学におけるスポーツというのもしっかりと充実させていかないといけないと思っております。
 以上、2点です。
【山脇会長】  ありがとうございました。資料につきましては、5ページの脚注のところに、「『する』『みる』『ささえる』ことの基盤として、書物、映画など様々なメディアを通じて『知る』ことも重要である」ということで、ここに「する」、「みる」、「ささえる」と、4つじゃなくて、3つにしておりますのですけれども、ここに「知る」ということも脚注に、うたっておりますので、この中に含まれるということでいかがでございましょうか。
 それから、あとの2点につきましては、ここの中に書き込まれておりますけれども、更に必要であればもう一度御意見をこの中に入れる、どういうふうにするのかということを検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 はい。田嶋委員。
【田嶋委員】  ありがとうございます。非常にすばらしくまとめていただいたことに感謝申し上げます。
 11ページのスポーツの(2)、下の方になります。スポーツ環境の基盤となる「人材」と「場」の充実というところで、その次の12ページの中黒の5つ目になりますが、指導者だとかそういうところの配慮というのはものすごく進んで書いてくださっていることに感謝なのですけれども、ここで「審判員の多くは兼職しており、審判活動を行う事に対して職場の理解が十分でない」ということを現状と課題ということでしっかりと明記してくださっています。
 それで13ページ、専門スタッフ、審判員、スポーツボランティア等のところのス、ここでは、スポーツ指導者が一定期間、出向したりだとかそういうことを認めていきなさい、専念させなさいということが書かれて、非常に一歩踏み込んでスポーツ指導者に対する理解があるというふうにまとめてくださったことに感謝申し上げます。
 ただ、次の14ページのソ、「国は、審判員の多くが兼職している状況を踏まえ、優れた活動を行う審判員の表彰等により所属先の理解を促進する」と書かれています。これと指導者への突っ込み度がまるっきり違うと思います。表彰したぐらいで、逆に今どうなっているかというと、Jリーグの審判、それから、今、Bリーグ、プロバスケットの審判等、やはり学校の保健体育の教員の先生たちに実際に支えられています。そういう人たちがやっぱり土日、また、プロの審判ですからお金をある程度もらうことになります。
 そうすると、県によってはそれを認める県もあり、県によっては一切認めない。どの県とは、こういうところで今申し上げませんけれども、そういう状況があるということ。つまり、教員を管理監督する教育委員会、そういうところと、それから、スポーツを推し進めようとしているところとにすごく齟齬が出てきている。つまり、校長裁量でやって、校長先生はノーと言うところもあれば、いいと言うところもある。もちろん今、教員が置かれている、すごく忙しい責任のある立場で、土日に出ていくということに対して様々な意見があるのは承知しているのですが、やはり審判が育っていかなければ、スポーツの繁栄はないと思っています。そういう意味では、そこの裁量によってどうのこうの、その理解を求めるということではなく、もう少し強く踏み込んだ、審判に対しても兼業、副業とは言いませんが、何かそれをしっかりと認めるような文章を追加していただくことで、全ての審判が気持ちよく様々なスポーツで活動を支えていけるのではないかと思います。ありがとうございます。
【山脇会長】  はい。具体的にどういうふうにしたらいいのか。プロフェッショナルなスポーツの審判というのと、アマチュアとは少し違うような気もしますし、具体的に今おっしゃった文言というのがあるのであれば、一度その文言を頂いて、こちらの方で検討させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
【田嶋委員】  ありがとうございます。文言ということで申し上げると、やはり土曜日、日曜日等の休みを使う、若しくは自分の休暇を使って行くことに対しては、やはりそれなりの対価を得ても構わないという、そして、それを送り出すべきだということをどこかに明記していただくことが望ましいのではないかと思います。この「表彰等により所属先の理解を促進する」という言葉では、理解しないよとかそういうことになって、今、現状そうなって出してもらえていないことがあります。これはプロの審判だけではないと思います。アマチュアの大会でもやはり教員に支えられ、アマチュアの方がもっと教員に支えられているわけですから。それで、お金をもらわなければいいという言い方をされる学校の校長先生がいらっしゃるということです。でも、BリーグやJリーグ、様々なプロのリーグで、ボランティアでやって、もしも何かあったとき、これはやはりそういうレベルでやる内容ではないと思っています。
 今、鈴木長官の下で、部活の指導者ですら、もっとその価値を上げていこうではないかという活動をやってくださっている中で、やはりこの審判に対しても、逆に言うと、専属して所属先で審判に専念する必要はないけれども、せめて、土曜日、日曜日、自分の休みを使っていくものに対しては理解してほしいという、そういう文言を入れていただきたいと思います。
【山脇会長】  はい、どうぞ。
【友添部会長・会長代理】  よろしいでしょうか。それについても少し検討してきたところもあるのですが、公務員については、いわゆる休日であっても、休業であっても、いわば兼業規程が関わってくるということが一つあります。教育公務員だけ特例でというのは、いわゆる小中高の教員について、法律関係でなかなか厳しいだろうということが1点あったことともう一つは、平日であれば、職務専念義務があるので、いわば体育の教師だけ、あるいは部活の指導だけ特例扱いするのは、すこし難しいだろうということが判断として底流にあったということです。
 ただし、田嶋委員がおっしゃる趣旨は、何らかの形で反映をさせていく必要はあるだろうと、今お伺いしていて感じているところです。
【田嶋委員】  ありがとうございます。十分理解した上で申し上げているのですが、それが実現できる県と実現できていない県の差が何なのかということです。それは今、この文章で理解して促進しなさいということが周知徹底されて、全国の都道府県の教育委員会等で理解されるのであればいいのですけれども、ある校長先生はオーケー、ある校長先生はノーという、そこが少し分からないところなのです。
【友添部会長・会長代理】  多分、校長の裁量権の範囲内で運用されている事例だと思うのですけれども、その裁量権については、ある程度方針はここで盛り込んで、こういうことについて配慮願いたいという形での書き込みは可能だと思います。
【山脇会長】  はい。久住委員。
【久住委員】  この場で部活についても議論させていただいて、市長の立場で、実際、自分のところで外部顧問というのが設立できるかということで今やっております。教育委員会は基本的にはオーケーということになりました。外部顧問というものをどのような形で制度化するか。実際に名古屋市はやっておるわけですから、私の町では今、中学校の校長も基本的にオーケーです。土日に外部顧問に委託して、いろいろな大会に派遣をするというところは基本的にオーケーです。中体連に関しては、今のところ外部顧問と教員顧問が並列していくことというような形です。今の段階では、それでもいいからスタートしようというように言っております。
 13ページのキ、ク、コ、ここにあるスポーツに関わる人材をそういうところに参加してもらうかというのは喫緊の課題であるだろうと書かれていますが、12月13日と15日の新聞にスポーツ指導者の国家資格制度の創設が自民党のスポーツ立国調査会で提言がされたということが掲載されていました。もう既に動いているということなので、私どもは、国家資格制度というものを制度として、そこに審判員であろうとも、スポーツの経験者であれども、総合スポーツの指導者であれども、教員顧問から、全て外部顧問に、その資格を取得している人たちに渡せるということになると、いろいろなスポーツに関係する人材の活躍の場が非常にクリアになるのではないかと思うのです。そういうふうにしてもらうと私どもは非常にやりやすいし、中学校の校長に、その資格を持っている外部指導者なのだから任せられるということで、校長や教員、また、PTAの親からもある程度信頼される形になるのではないかと思っています。私としてはこういう国家資格が早くできる方が自治体の首長としても、教育委員会としても、そういう外部顧問により、教員顧問の負担を軽くさせることができる。このように思って期待をしておりましたので、そのあたりがもしも書き込めるならば、検討いただければいいと思っております。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございます。結城委員。
【結城委員】  ありがとうございます。表現的な細かいものを3点、それから、是非私としてお願いをさせていただきたいものを2点、差し上げます。第2章の方の、これはスポーツで「社会」を変える! 2のところの(2)、5ページの一番下の部分なのですが、「健康寿命を伸ばすことができ、社会全体での医療費抑制」、ここに是非「介護費」も入れていただければという気がいたします。ほかの部分で介護費に触れておりますので、整合性をとるためにも、それから、今、社会で非常に問題になっているので、この介護費にも実は関わってくるというお話を是非ここで押さえておきたいと思います。
次に、
5ページの一番下の段です。例えばですが、生活習慣病の予防・改善や介護予防を、ここを通じて実践し、健康寿命を伸ばすことができ、社会全体での医療費や介護費の抑制というふうに、「介護費」を入れていただくのがよろしいのではないかと感じました。
 次の表現でございますが、7ページ、スポーツで「未来」を創る! の中でございます。7ページの下から7行目、「スポーツに対する国民の信頼を確保するため、スポーツに携わる者の不正を無くすことが重要である」、このくだりでございます。
 私、ここまでいろいろな取材などで、もちろんスポーツに携わっていらっしゃる皆様が主体になられますけれども、と同時に、その周り、いわゆるドーピングであったら、もう周辺、薬物を提供する者も含めて、若しくは、逆に言えば、社会の私たちがスポーツの価値を守るために、それを蝕む不正をなくさなければいけないとしっかり我々の社会の中で考えていくことが大きな抑止力になるという話をよく聞いております。教育と別名では呼ばれていますが、このあたりをやはりニュアンスとして入れ込んだ方が、この表現で頂いていますと、スポーツに携わる者だけが気を付けてと言っているような感じになってしまいますものですから、例えば、ここは「スポーツの価値を蝕む不正を無くすことが重要である」というように、むしろ理念の方に立ち返った表現をなさってもよろしいのかと存じます。
 その次は10ページ、こちらはお考えいただければと思う部分でございます。先ほど来御発言の中で、外部指導者であるとか教諭、教員による指導、部活動の指導ということが出ております。それももうすばらしい、恐らく方向性としては大きな流れになっていくものと拝察いたしますが、ただ、同時にここまでトップ選手のお話を聞いていても、そして、今の日本のスポーツの底辺、いわゆるジュニア層を支える現実を見ても、その教員による指導というもの、部活動の指導というものもある意味でスポーツ庁として、スポーツのピラミッドを考えたときには決して避けては通れない。ここが非常に重要になってくる。しかも、ここの先生方、教員の皆様による、人間形成の指導というものがスポーツと一緒になって出来得ている部分もあるということ。これはやっぱりどこかには書いておくべきなのではないかという気がいたします。
 実はここのくだり、ずっと二、三度、一生懸命読んだのですが、教員に関して、特に部活動の指導の教員に関して直接触れている部分が余りございません。例えばでございますけれども、この10ページのカの部分でございます。ここに例えば、ちょっと加えていただくような形で、この部活動指導員の制度化とともに、全ての指導体制の充実を図るというところに掛かる形で、この後、「教員を含む、若しくは教員を軸とした生徒の人間性指導の重要性及びその質の向上に留意し」のような形で、いろいろな問題もございますけれども、教員による部活動の指導が一つの核になっていることをやはり認めて、アプローチしていくことが大事なのではないかと感じております。
 あと、細かいところが2点ございます。見え消し29ページ、こちらは次世代アスリートの発掘・育成の部分です。こちらも一つは、当然全国でいわゆる選手の卵たちを育ててくる。子供たちを育てているのは、学校の指導現場、そして、部活動、クラブなど、ジュニア育成だと思います。ここに関して、この表現、ここにあるマル2の次世代アスリートを発掘・育成する戦略的な体制等の構築という中で、中央競技団体の育成・強化コースに導く、「発掘を行う」という表現がたくさん出てまいりますが、いわゆる国として育成、その育成の下々でやってくださっている、草の根でやっているところも、一応、単なる努力でやっていることを認めるというような意味合いを込めて、例えば発掘というところの前に、「育成支援」のように、「育成」であるというのを入れていただければいいのではないかと思います。むしろ少し幅が広くなるのではないかと思います。
 この黒い大きな施策目標のところの、例えば「将来有望なアスリートの発掘を行うとともに」とあるのを、「育成支援・発掘を行うとともに」などのようにです。「当該アスリートを中央競技団体」、ここに「等」と入れていただいて、「等」の本格的な育成・強化コースに導くなどと、少し幅を持たせていただいてもよろしいのかと思いました。
 最後に、第4章の部分でございます。こちらは広報活動の推進というところを頂いています。ありがとうございます。私から、先ほどこの広報活動というところの主眼として御説明頂いた中で、理念を共有していただくためという御発言があって、まさにそのとおりだと私は感じました。
 ただ、この文面、この表現では、ややもすると、この第2期計画の内容を伝えると。これをきちんと理解していただくために情報として伝えるというようなことに受け取られかねないと思ったものですから、意見を差し上げます。その広報というのは、結局、私どももそれに携わっておりますけれども、内容を情報として伝えるだけではなくて、では、その第2期計画というものを国民の皆様が、若しくはいろんな諸団体が自分のこととして実行、実践してもらうときに、そのための認識の転換であるとか、いわゆる行動変容であるとか、それにつながる理由付けをみんなに伝えよう。それを理念として共有しようというところだと思います。
 そのためにはここでの認識というのは、結局、この基本計画そのものというのがオリンピック・パラリンピックも来る、大きく人々の関心が高まる時期を捉えて、スポーツの価値を見直しましょう。これは実は日本は世界に実は遅れているぐらいで、もっと有効活用できる、あなた自身のためにも、社会のためにもいろいろな形で、その価値が生かせるということにまず気付いてくださいというのが一番の主眼だと思います。言葉を換えれば、スポーツの立ち位置、地位というものを人々の生き方の中で上げるということだと思うのですが、それをやはりここに広報という中で、国として伝えていくことというのがより大切になるのではないか。スポーツの社会的価値というものを唱道する。それによってその計画を皆様が実践していただくときの行動につなげていただくということでございます。
 具体的に申しますと、1の計画の広報活動の推進の中の例えば4行目でございます。「特に」からの部分ですが、「スポーツの価値に関し」、マル1、マル2、マル3、マル4、4つの観点に基づく取組の重要性について知らしめるということなのですが、これを逆にいたしまして、順番を少し変えまして、「特に」の後、この第2期計画の施策の骨格となるマル1、マル2、マル3、マル4を踏まえたスポーツの価値であるとか、スポーツの社会的重要性について、国民、スポーツ等々に普及啓発していくという流れで、いわゆるこれは第2期計画というものの内容をもちろん知っていただくのも大事なのですけれども、一番掲げたい、お伝えをしたいスポーツの社会的価値というものについて国として普及啓発していきましょうという感じの順番にしていただけた方がよろしいのではないかと私は感じております。
 最後の行も、「スポーツを通じて全ての人々がつながるような」とございます。ここは、例えば、全ての人々がつながり、行動変容につながるみたいに、全ての人々のつながりが、全ての人々の行動変容につながり、ともにあるようなとか、何かそういった、これをきっかけに人々の認識を新たにしていただくための広報ですという部分をいただいた方がいいのではと感じました。
【山脇会長】  ありがとうございました。頂いたコメント等、ニュアンスにつきましては、この中に反映させて、より分かりやすく文章を発展させるという意味において、取り入れて直すようにさせていただきたいと思います。貴重なコメントありがとうございました。
【上治委員】  ありがとうございます。12ページのアスリートのキャリア形成についてのこの審議会でのコンセンサスといいますか、最近、プロの組織のない競技団体のアスリートがプロ宣言という形をしていきます。ほかの競技団体、体操が直近ではありましたけれども、こういう人たちも含めて、デュアルキャリアとか、引退後のサポートをしていただけるということで、プロ、アマという定義付けが非常に難しい現状ではありますけれども、プロの競技団体のない組織の選手でもナショナルチーム等の代表になった選手は、プロ、アマ問わず、引退後もいろいろなサポートがこちらの12ページに記載されているような活動ができるという前提でよいのかどうかというコンセンサスをいただきたいと思います。
 以上です。
【山脇会長】  本件について何か御意見ありますか。
 私は個人的にはプロは自分で自立して稼ぐというのがプロだと思いますので、プロと、そうでないものの区別というのはあってしかるべきだということで、ここにプロとアマを混同するのは個人的にはどうかという意見です。
【上治委員】  どちらでも構わないのですが、この審議会のコンセンサスとして、今、山脇座長がおっしゃったような理解でこの基本法には盛り込まれているという考え方だけを、コンセンサスをとっていただければという意見でございます。
【山脇会長】  はい、どうぞ。
【原田委員】  本日、新しく生まれた子供の数が100万人を切ったという記事がありましたけれども、高齢化と人口減というのは、日本が今、直面している待ったなしの状況ではないかと思います。2020年まではこの計画の中に非常にいい道のりが見えたので、すばらしい中間の取りまとめになっていると思いますが、2020年の後のこともここに盛り込みながら、新しいスタートダッシュが切れるようなそういう期待を抱くような表現というのがかいま見えます。それに関して3点、少しコメントがございます。
 まず23ページの具体的施策のウにありますスポーツ経営人材の件ですが、これについてはもちろん委員会の中でしっかりと議論されていると思いますが、できれば注釈としまして、このスポーツ経営人材の定義を書き込んでおいていただくのがいいのかと思います。これを読んだ人はかなりいろいろなイメージがありますね。これはJリーグのマネジャーなのか、あるいは体育館を運営する人なのか、あるいは総合型のクラブアドバイザーなのか、イメージが結構ばらばらになりますので、スポーツ経営人材。ちなみに、早稲田大学ではスポーツマネジメントという言葉を使っておりますので、今後、国際的に活躍できるというのでは、マネジメントという文言が適切かもしれません。これが1点目です。
 2点目は、次の24ページの上から5行目になりますが、ここでスポーツツーリズムやスポーツコミッションをたくさん書いていただいたのは非常に有意義であると思いますが、その中で、「スポーツイベントの開催や大会・合宿等の誘致」という文言があり非常にいいのですが、できればそのスポーツイベントの前に持続性のある、あるいは持続性の高いという文言を入れていただくと、かなり未来に向けて少し展望が開けるのかと思います。といいますのは、今、世界の都市では、やはりこのサステナビリティというのが非常に大きなキーワードになっておりますので、海外の学会でもサステナビリティというのはノンメガスポーツイベント等をやっていくということです。サステナビリティがあるということは雇用を生むということで、地域の活性化につながるということですので、是非そこは御検討いただけたらいいと思います。
 最後の3つ目ですが、25ページの具体的施策のイになります。「国は、国際競技大会や国際会議の積極的な招致、開催を支援する」というのは、これは非常にポスト2020に向けて重要であると思います。私の意見は、「国際競技大会や国際会議等のスポーツMICEの積極的な招致、開催を支援する」と。MICEというのはツーリズムの世界では日常的に使われているミーティング、インセンティブ、コンベンション、そして、Eはエキシビジョンとかイベントとか、いろんな解釈があるのですが、これも注釈を付けていただいて、そういう幅広の国際的なイベントの招致を支援するということで、特にオリンピックは7年前に決まりますので、7年前に仕込んでおかないと、2020年が終わってから仕込むと更に先の話になりますので、この待ったなしの国の現状を鑑みた場合、2020年の前に様々な大中小の国際的なスポーツイベントの招致を準備しておくのが重要であると考えた次第です。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 では、境田委員。
【境田委員】  17ページの大学スポーツの振興のところです。前にも申し上げましたように、東京大学では、スポーツ先端科学拠点というのを作って、それで、先行する早稲田大学、筑波大学を目標にやっておりましたが、その中でやはり感じましたのは、今、この日本版NCAAという課題もあって、これは大学がスポーツビジネスをやるのかといったことで、やや抵抗を受けている人も実はいます。
 それで、私はやはり今回こういった経験で感じたのは、大学が、現状と課題の「大学のスポーツ資源の活用は、国民の健康増進や障害者スポーツの振興に資するとともに、地域・経済の活性化の起爆剤」となるのですが、一番は、大学自体を活性化するということです。大学の研究、教育、学生の体育活動その全てに資するということです。そこがやはりあって、そのためのツールとして、一つはそういったビジネス的なものも取り組むということです。やはり目的と手段を分けないと、まず目的は大学自体の価値をもっと活性化する。それにはすごくスポーツが資するのだということを訴えていった方がいいと思いますので、ここのまず現状のところも大学自体をより活性化するという文言があった方がいいと思います。
 それから、具体的施策のイのところです。これも大学スポーツアドミニストレータみたいな組織を、人材を輩出する、若しくは組織を作るということだと思いますが、ここもやはり単に金もうけとかビジネスとかそういう話ではなくて、大学のそういったスポーツに関する研究、教育、体育活動、これをより活性化するための組織を作るというような方が大学人にとっても恐らく受け入れやすいだろうと思いましたので、御検討いただければと思います。
【山脇会長】  ありがとうございます。
 では、髙橋委員。
【髙橋(秀)委員】  ありがとうございます。障害者スポーツに関するところの記載に対する期待と、今後の進め方についての意見を申し上げたいと思います。
 まず障害者スポーツに対する記載のところで、18ページ、19ページ、20ページの前半に、質的にも量的にも相当書き込んでいただいて、この10回の会議、議論を通じて申し上げてきたことが相当反映されていることについて感謝を申し上げたいと思います。
 加えて、もっと大事なのが3ページでございまして、先ほども他の委員からJPCに関する御意見も頂いて、有り難く思ったのですが、3ページの上から2行目の後ろ、「同章2.(1)」という、これが先ほど言った18ページ、19ページ、20ページ前半を指しているのですが、その2ページ半では全部書き切れなかったので、4行目に、ほかの施策と密接な関わりを持っているから、3章に示した全ての施策を総動員して取り組むと明記しているところが非常に有り難くて、全てのページ、全ての項目に、障害者、JPCの関わりを記載するというやり方もあるのだけれども、この3ページ3行目から5行目に全体に関わることについて記載をしていただいて、全ての項目に書いてなくても、障害者のこと、女性のこと、JPCのこと、いろいろなことがここで総括しているのだという、そのように私どもは理解をしているということを申し上げて、今後において是非ここのところを大事にしながら、具体的な実行に移していただければ有り難いということを申し上げたいと思います。これが1点目です。
 2点目は、今後の進め方です。34ページの3の計画の進捗状況の定期的な検証についてです。そのところの上から4行目から以降、今後、成果指標とか具体的な中身をきちっと検証していって、場合によっては5年間の中でも見直しし、更に第3期にという記載があります。私は大賛成ですけれども、もう少し進めて、普通、民間でいえば、PDCAサイクルをもう少ししっかりと書き込むはずですし、更にマイルストーンです。5年後にこうなるのではなくて、各年度、どこまで持っていって、5年後はこうなるから、毎年その数字が行ったかどうかを検証しながら5年に向かっていく、マイルストーンがあるということが本来あるべき姿ではないかと思っております。そういう展開が国の政策等でなかなか予算の関係もあって、難しいということも理解しておりますが、この検証していくという、定期的な検証に大きく期待するという観点から、そうしたマイルストーンを作ってそれを目指してみることも一つの方策ではないかという意見を申し上げます。
 以上でございます。
【山脇会長】  ありがとうございます。ここにはPDCAと書いてありませんけれども、この検証というところでそれを意識して、今後5年間進めていこうということでございます。ありがとうございます。
 山本委員、お願いします。
【山本委員】  ありがとうございます。私は産業界の立場というところから感じたことを2点と、各論になりますけれども、お願いを2つ、御紹介をしたいことが1つということでお話をさせていただきたいと思います。
 まず産業界という立場で申しますと、第4章、34ページにございますけれども、スポーツに対する寄附や投資を一層活性化させることにより、多様な資金によるサステナブルなスポーツ環境を社会全体で創ることが求められるというふうにございますけれども、この分野に企業から幅広く参画を促す視点というものが非常に重要だろうと思っております。
 国民全体に広げていくというか、スポーツを楽しむ場を確保するとか、民間との連携、活用を図るところは、企業側としては、社会貢献の観点ということで努力するというか、取り組んでいくということは、必要なのでありますけれども、一方で、日本全体から見ると、そういう十分な質、量のスポーツ環境を整備するためには、ビジネスとして捉えるということも必要なのではないかと思いました。
 それから、レガシーを作った上で、今度そのレガシーをどう形成していくかということなのですけれども、経団連としては、オリ・パラ等推進委員会というのがございまして、そこで企業経営者によるアスリートの訪問というようなプログラムを既に実施しております。それからまた、経済3団体で構成されておりますオリ・パラ等経済界協議会というのがございますが、ここでも子供たちがスポーツと触れ合う機会の提供だとか、障害者スポーツの支援などを通じてレガシーの形成というのを目指しております。
 そこで、企業あるいは産業界がそういったような活動をしているので、各自治体との連携を深めて、こうした取組をしていくという上で、総論的な話になりますが、それに必要な施策みたいなことを盛り込んでいただけたら有り難いと思っております。
 それから、各論の部分になりますけれども、国際競争力の向上という観点と、スポーツの成長産業化ということと、アスナビの3つに関してお願いと御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず国際競技力の向上ということに関しては、企業スポーツが果たす部分というのが、貢献できている部分というのはあるかと思っております。企業としては、2020に向けてスポーツ支援の機運というのは高まってきておりますけれども、スポーツ基本法を踏まえた上で、その企業スポーツに対する支援みたいなものも何かそれを検討するみたいなことを盛り込んでいただけると有り難いと思うことが1点でございます。
 それから、スポーツの成長産業化ということでも産業界としては非常にこのことに期待をしておりますし、経団連でもスポーツ市場の拡大ということに対して貢献をしていきたいと考えております。
 先ほど申しました経団連のオリ・パラ等推進委員会の企画部会の中には、スポーツ用具のメーカーでありますとか、スポーツイベント、運営をする会社ですとか、スポーツジムとかフィットネスクラブを経営されている会社も会員として参画されておりますので、我々としてはそういった企業の意見、声を吸い上げていきたいと思います。
 一方で、そのスポーツ経営人材の育成ということで、先ほども少しお話が出ておりましたけれども、これに関しては、前回の委員会でも私、産業界としてここに人を配置するお手伝いができるのではないかと申し上げたところではありますが、人材育成に協力する企業側のメリットがあるというのが見えると、非常に動きをよく、あるいはたくさんの企業が協力してくるのではないかと思いますので、そういった文言というか、見えやすくなるといいと思ったところであります。
 それから、最後にアスナビに関してであります。経団連は、アスナビを毎年春に、会員企業向けに説明会を開催しているところであります。一方で、オリ・パラ等経済界協議会の方もアスナビを通じて、アスリートを雇用した企業の方々を招いて、雇用促進意見交換会というものを開催しております。こういった形で、産業界としてもアスナビに協力をさせていただいているという御紹介をさせていただきました。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございます。今おっしゃられたように、社会貢献だけではなくて、ビジネスという面と、それから、企業のいろいろなスポーツの関わりというのはいろいろなことがあると思います。このスポーツ基本計画は、国が何々するという主体で書いておりますが、実際の主体は国民であり、スポーツ団体であり、民間事業者でありということで、民間事業者、特に今やっていらっしゃる経済3団体協議会、経団連を中心としたところと、もう少し中身を、一体具体的に何をするのかということ、たとえば、今おっしゃられた経営人材とかアスナビの雇用だとか、いろんな産業化ということについて、これからどのように連携を深めていくか、具体的な話し合いをさせていただきたいというふうに、考えています。
 それから、健康経営というのを今回ここで打ち出しておりまして、これも企業にとっても健康経営が、ある意味では企業の非常に重要な課題ということでありますので、ここについても取組というか、健康経営について何か山本委員の立場からコメントがあれば頂けたらと思います。
【山本委員】  経産省に推奨していただいて、今年も健康経営で受賞した企業が25ございますし、それは連続して取られていたところも、今回初で取られたところも入っているわけですが、やはり企業側としても健康経営というものは一つの経営のキーワードになりつつあります。このムーブメントというか、この勢いは非常にここ一、二年で急速に高まってきているという、肌感覚的にそういったものがございます。これはやはりこれからどんどんそういった健康経営というのをキーワードにした社内のいろんな施策をとっていかなければいけない、いくという機運が高まってくると思いますので、それに関連したいろいろなビジネスだとか、ものの考え方だとか、もしかすると働き方だとかというようなところまで影響が出てくるのではないかと感じているところであります。
【山脇会長】  ありがとうございます。何度も申して申し訳ないのですが、この基本計画の企業の役割というのは非常に大きな部分を占めておりますし、4章の1番のこの広報活動の推進というところで、これも広く伝えるという意味では、企業の役割も非常に大きいと思いま。今後、先ほど申し上げましたような、これから企業として、この基本計画の内容に沿って何ができるかということについてお話をいろいろさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 増子委員、お願いします。
【増子委員】  本当に分かりやすく書いていただいて、私でも本当に読みやすく拝見しました。先ほど髙橋委員からありましたように、障害者のスポーツに関してたくさん記載をしていただきまして、本当にありがとうございます。2つほど意見がございます。9ページ、具体的施策のアのところについて、障害者スポーツは、医療と福祉と、そして、最も重要なのは、教育の現場で障害者スポーツが取り組まれるということを長年切望しておりました。何か部会を根付かせること。何かを取り組むときには教育の観点で進めるのが最も重要だと思っています。その中に障害者の障害のある児童生徒が、こうした学習指導要領の改訂においてスポーツに取り組める環境ができるというのは、非常に重要だと思いまして、本当に有り難く思っています。そして、この取組をする上で、今後、学校における教育現場において、用具の貸し出しや義足競技に移りたいといったような、そういった課題については、これからどんどん改善されていくものだと思っています。
 そして、学校教育にこの障害者スポーツの文化が根付けば、一般に自然とハビットが普及すると思っています。本当にここの部分と教育の部分に、障害児童生徒のところを明記していただけたこと、「障害の有無及び性別・年齢にかかわらず」といったところを記載していただいたのはありがとうございました。
 次に、19ページ、オの国及び地方公共団体は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」を基にということで明記されております。ただいま各パラスポーツのNFにおいては、一般の施設や強化拠点の方で合宿や強化に取り組んでいるところです。まだまだ課題があります。例えばこの「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」とは、何が不当な差別的な取り扱いなのか。例えば一般の行政や飲食店に関しての指針というか、パンフレットのようなものは出ていますが、スポーツ施設においてどういったことが不当な、その障害者の差別に当たるのかということについて、具体的な事例示されたやり方を示すなどする必要が出てくるのかと思います。
 また併せて、現在使われている強化拠点や一般の施設の方ですが、定期的な実態調査といいますか、参考資料にもありますが、予算の方にナショナルトレーニングセンターや競技別強化拠点の施設には、活用事業ということで、国からの補助金が下りていると思います。実際にパラスポーツの性質を理解の上、貸し館が行われているか、使い勝手が改善されているか、定期的な調査をしていただきたいと思います。それは貸し館に対して、強化拠点に対して、NFの強化担当者、選手の声を聞きながら改善をしていく必要があるのではないかなと思います。
 なぜ定期的な調査が必要かといいますと、例えば行政ですと、管理職は数年で変わります。学校であれば、校長先生が変われば学校の方針も影響されます。貸し館の方についても館長が変われば、館長の方針も大きな影響です。施設管理の方の指定管理が変われば、その影響は大きく受けます。ですので、定期的にそういった障害を理由とする差別の解消もして、パラスポーツの選手が使いやすくなっているか。一般の障害をお持ちの方が使いやすくなっているかというのを少し定期的に調査をする必要があるのかと思います。
 ただ、この19ページのオに関して明記していただいたことで、貸し館業者に関しては、これを見ることで意識付けはとてもできると思いますので、9ページの方と合わせてこれに関しても記載をしていただいたこと、お礼を申し上げたいと思います。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 では、萩委員。
【萩委員】  ありがとうございます。手短に進めたいと思います。膨大な資料と多様な意見をおまとめいただきまして、大変ありがとうございます。それとやはりスポーツ庁になって、新たな切り口が増えたということ、大変心強く思います。その中の大学スポーツなのですけれども、先ほど境田委員からもお話がありましたが、17ページの現状と課題の4ポツ目です。より多くの学生がスポーツに取り組む環境を整備することが必要であるということが書いてありますが、具体的施策の中では、大学スポーツというのが、どちらかというとクラブ活動を中心、いわゆる大学のスポーツそのものだけでありまして、むしろ大学で行われている教育、あるいは研究、また教育活動、いわゆる体育と呼ばれるものについての記載がないので、何らかの形で、イのところに先ほど出ていたように、研究教育、教育活動と入れていただけると、いわゆる学生のスポーツ活動の促進というところがもう少し強く出てくるのではないかと思います。
 大学は最後のとりでというか、そこでスポーツを学ぶ最後の機会ですので、やはり非常にスポーツに対してネガティブ、あるいは自分に対して非常にネガティブな感情を持っている学生が、スポーツによってかなり自信を取り戻したりということがございます。それはやはり教育の中でできることだと思いますので、是非その辺を具体的施策の中で何か一つ入れていただけると有り難いかと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【山脇会長】  渡邉委員。
【渡邉委員】  ありがとうございます。私の方からは提案を一つです。先ほど髙橋委員ら大事な話があったと思います。検証のところで、PDCAの話とマイルストーンの話がありました。この計画はよくできていると思います。前回の部会でも発言しましたけれども、あとは確実にどう実行するかがこれから一番大事になってくると思います。そのときにオールジャパンという言葉がよく使われますけれども、縦の連携と横の連携、これが非常に大事になってきます。スポーツの主役は国民だと、ここにうたっているわけです。スポーツの価値は国民とスポーツ団体の活動を通じて実現される、それを国と地方公共団体が支援していきましょうといったスキームになっていると思います。
 この計画案には、スポーツ団体である日本体育協会、日本障がい者スポーツ協会、総合型スポーツクラブの全国協議会、スポーツ推進委員などが出てきます。やはり全国1,700を超える市区町村に暮らす国民一人一人がスポーツの価値を享受できる環境をどう作るのかが一番大事になってくるわけです。そうした場合には市区町村の体育協会や、総合型スポーツクラブ、行政、学校、あるいはレクリエーション協会など、スポーツ振興を担う組織と人が大同団結して、従来以上に連携を図っていかないとこうした環境を創ることが難しいと思います。これはとても大事なことです。本日、見附市長もいらっしゃいますけれども、恐らく同じ感想をお持ちかと思います。
 と同時に、縦の関係でいえば、日本体育協会と市区町村の体育協会、あるいは日本レクリエーション協会と市区町村のレクリエーション協会など中央組織と地方組織をうまくつなげていかなければいけません。ここで重要なことは、中央のところでそれぞれの中央組織の連携が図られていないと髙橋委員がおっしゃったような検証にはつながらないと思います。なぜなら検証の前には確実な実行が必要になってくるからです。この実行を図るためにもスポーツ庁と共に、各中央組織がコンソーシアムをきっちり作って基本計画に記された施策を具体的にどう実施計画としてつくり上げるのか、実行するのか、評価するのか、定期的に議論できる場(コンソーシアム)がないと、なかなか基本計画の適切なPDCAに結び付かないと思います。
 目標とするところは、共生社会、健康長寿社会の実現であり、経済、地域の活性化であるわけです。それがひいては1億総スポーツ社会に結び付くわけですから、これを確実に実行するための体制作りを国を挙げてすべきではないかと思います。もしこの発言内容を盛り込むことができるのであれば、第4章のところに少し工夫した形で盛り込んでいただけるとありがたいというのが私の発言です。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございました。
【友添部会長・会長代理】  今お尋ねしていいですか。
【山脇会長】  はい。
【友添部会長・会長代理】  渡邉委員、1点だけ確認させてください。NFを束ねる組織が要るということでしょうか。それとあと、レクリエーション系や、健康スポーツ系の組織を束ねる組織が必要ということでしょうか。
【渡邉委員】  競技系(NF)のところも中央組織と地方組織の縦の連携が出来上がっていると思いますけれども、私の発言は個別のNFの話ではありません。例えば日本体育協会、日本レクリエーション協会もそうだと思います。あるいは総合型の全国協議会もそうです。こうした中央組織と市区町村の体育協会、市区町村のレクリエーション協会、あるいは総合型スポーツクラブなど、中央組織と地方組織の縦の連携について申し上げております。ですから、そこの縦の関係も大事ですし、それを統括する中央組織の横の関係、連携、これが大事になってくるのではないかという話です。
【友添部会長・会長代理】  はい。縦の関係でいえば、JOCあるいは日本体育協会があります。横の関係でいうと、健康づくり体力会議がもう現実に走っています。そういう関係でいくと、これを例えば総合的につなげる組織が実はスポーツ庁だろうと思うのですけれども、もう少し具体的に、例えばどのようなイメージのどのような組織なのかというのを御教授ください。
【渡邉委員】  絵がありますので、後でまた御説明します。
【友添部会長・会長代理】  ありがとうございます。
【渡邉委員】  私が言いたいのは、スポーツ庁と一体になってやっていきましょうということです。
【友添部会長・会長代理】  はい。分かりました。
【渡邉委員】  スポーツ庁は、スポーツ推進会議を通じて、霞が関で今、他省庁との横串を指して連携図っていますから、中央省庁とスポーツ分野の中央組織、地方組織、それが全部つながりますということを言いたいのです。
【【山脇会長】  では、大塚委員、お願いします。
【大塚委員】  取りまとめ等ありがとうございます。私の方から大きく2点ありまして、1つは、27ページから始まる国際競技力の向上に向けた強力で持続可能な人材育成や環境整備の部分でございますけれども、この項目によって、国が競技力強化を支援し、JSCの役割、また、中央競技団体が実際、競技力強化を行う。JOCがそれを取りまとめる。JPCがまとめるというそれぞれの団体の立場が明確にここで記載されていっているのではないかと思います。
 そういった中で28ページの上から3つ目のキです。「JSCは」という、アスリートの助成に関する項目がございますけれども、我々中央競技団体又は所属しているアスリートの立場からいうと、ここは国に助成していただいているという意識が非常に強いところでございますので、あくまでJSCを通じてですけれども、国がアスリートに対する助成を行うというふうに明確にした方がいいのではないかなというところが1点です。
 それから、29ページのスポーツ医・科学、技術開発、情報等による多面的で高度な支援の充実というところでございますけれども、あくまで支援すると。競技力強化を行うのは中央競技団体というところが明確であるのであれば、具体的施策のアの部分です。これはアの最後のところ、中長期観点から国際競技力強化を支援するという言葉に、明確にした方がいいのではないかと思います。
 同じくウの部分の最後のところですけれども、スポーツ医・科学・情報等を活用したトップアスリート強化の支援の充実を図ると。強化を図るのではなく、強化・支援の充実を図るというふうにすることによって、国、JSC、JOC、JPC、中央競技団体の役割が明確になるのではないか思いますと。ここの文言、細かい部分ですが、加筆修正いただければと思います。
 それから、もう一点は、22ページ、スポーツを通じた経済・地域の活性化の部分におきまして御意見申し上げたいと思うのですけれども、先ほども少しプロの選手の部分のお話、それから、審判員のお話も出ましたが、プロスポーツの市場の部分のお話が出てきていて、いきなり具体的施策のエのところに、「アマチュアスポーツ大会」という表現が出てきました。自分も部会の方でこの項目は理解していたつもりなのですけれども、では、プロスポーツの概念というのは、今どうなっているのだろうと。
 改めて見ますと、ここで、我が国におけるプロスポーツというのが出てきて、サッカー、野球という表現が出ていますが、やはりここはもう一度、プロスポーツの注釈というのが必要ではないかと思います。同じく右のエにアマチュアスポーツという言葉が出てきました。今、アマチュアスポーツという言葉は、日本体育協会、JOCの中でも極めて入っていない言葉です。ここでアマチュアスポーツという定義が入ることによって、少し混乱を生じるのではないかと思っております。しいては、先ほど上治委員からもお話ありましたように、プロスポーツ選手というのも今、出始めてきていますが、プロ野球の選手とオリンピック選手がプロ宣言した場合の違いというものも今、出始めておりますので、この部分が今の時代の流れには少し注釈が必要であり、統一した見解も持つべきではないかと思っております。
 以上、プロスポーツのお話と、この国際力、国際競技力の2点、御提案申し上げます。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 それでは、ここで、松野文部科学大臣にお越しいただきましたので、一言御挨拶をお願いしたいと思います。
【松野文部科学大臣】  文部科学大臣の松野博一でございます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。また、昨年12月のスポーツ審議会発足以来、第2期スポーツ基本計画の策定に関し、活発な御議論、有益な御意見を頂いており、感謝を申し上げる次第であります。
 昨年10月に発足したスポーツ庁においては、関係省庁と連携し、国際競技力の向上や、学校体育の充実はもとより、スポーツを通じた健康増進、障害者スポーツの推進、地域や経済の活性化、国際貢献など、新しい施策についても取り組んできており、スポーツ政策に寄せる国民の期待は大変大きいものとなっております。2017年度からの5年計画である第2期スポーツ基本計画は、2020年東京大会を計画の期間に含むものであり、我が国において、スポーツが成熟した国民の文化として根付き、1億総スポーツ社会が実現できるかどうかは、この5年間に掛かっていると言っても過言ではありません。
 委員の皆様方におかれましては、来年3月の答申取りまとめに向け、引き続き大所高所から忌憚のない御意見を頂けますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
【山脇会長】  どうもありがとうございました。
【松野文部科学大臣】  よろしくお願いします。
【山脇会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、
 田口委員、お願いします。
【田口委員】  田口です。いろいろと障害者の件で意見を述べさせていただいたのをいろいろと盛り込んでいただいてありがとうございます。
 一つちょっと気になったのが、スポーツを「する」、「みる」、「ささえる」という中で、「みる」環境作りについてもう一言何か入れていただければと思います。例えばプール、同じプールを使っているにもかかわらず、試合を見にいって、障害者の競泳の大会を見にいったときは、しっかり車椅子席が作られている場所があるのですけれども、実際それを健常者の方のシンクロナイズドスイミングを見にいったとき、そこはカメラ席になっている場合がありまして、車椅子席がないとかそういうのがあります。多分オリンピックやパラリンピック、あとワールドカップはいろいろな規定があると思いますが、これから2020年、それ以降に向けてもいろいろな大会があります。どうしても健常者の試合は健常者が楽しみ、障害者の試合は障害者が楽しむという、何となくそういうイメージがあって、ただ、私も健常者の人の試合は見にいきますし、それを参考にするパラリンピアンもたくさんいますし、パラリンピアンでなくても、スポーツをしてなくても、それを楽しみたい障害者はたくさんいますので、例えばそういうものの環境作りというのもこれから必要になってくると思います。それは各競技の運営に関わってくるとは思うのですけれども、そこも何か一つ文言を入れていただければと思います。車椅子席もそうですし、例えば視覚障害者の音声ガイダンスがあるだけで視覚障害者の人たちはスポーツを楽しめる。私たちが見ている感覚と同じように楽しめます。そういう意味で、もう少し踏み込んだ「みる」環境作りについても何か一言入れていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【山脇会長】  分かりました。重要なポイントだと思います。
 はい。根木委員。
【根木委員】  根木です。今、田口委員と少しかぶるところがあったので、そこは省略させていただきます。あとはもう感想的にと、希望になってくるのですけれども、非常に皆さん委員の意見を分かりやすくまとめていただきありがとうございます。この意見としては、4章の広報のところになってくると思いますが、全てに関わることで、これだけすばらしい内容の137項目の具体的施策を是非とも、今後することの価値というものも出てきたと思います。「人生」が変わる! 「社会」を変える! 「世界」とつながる! そして、「未来」を創る! 本当に分かりやすくこういうキャッチも出来上がっていることを実際に、これは本当に国民にどれだけ知っていただけるか。本当にこの言葉が国民のみんなが、誰もが使える言葉になるためには、より広報の活動が、これからこれができたことを知らせることを全力ですることが必要だと思いますので、それを具体的にSNS含め、今いろんな形でスポーツが注目されている大きい流れが来ていると思いますので、これを一気に出来上がるタイミングで知らせていけることを希望いたします。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】  ありがとうございます。短く2点です。1点目は、11ページの下の方ですけれども、これまでスポーツに関わっていなかった人たちへの働き掛けとして、具体的施策のエのところ、「国は、スポーツと健康、食」とあるのですけれども、これまでしてこなかった人たち、特に若い人たちは、スポーツが難しいから、苦手だから、嫌いだからという方たち。では、何をしているかというと、かっこいいこととか、友達がやっていることとか、何かそういうことに行く。例えばゲームとかそういったものもそうだと思うのですけれど、これは御提案なので、御検討いただければというレベルですが、この「食、観光、ファッション」、この中に例えば、かっこいいから、エンターテインメントとかゲームとかアニメとかそういう、若い人たちが、かっこいいから、友達がやっているからと引っ張られるようなキーワードは、この中に産業区分みたいな形で含まれているのであれば含まれていると思いますし、そういうキーワードが必要であれば取り入れていただければと思います。
 最後にもう一点です。先ほど増子委員もおっしゃいましたけれども、19ページのオですけれど、山脇会長がおっしゃったように、これは全体に民間事業者という言葉がたくさん入っていますし、髙橋委員がおっしゃったように、総動員でやろうということも含まれてはいますが、このオのところに民間事業者という言葉があったら、少し当事者意識が芽生えたり、解決していくのではないかと思います。
 本当に私どもがいろいろパラスポーツを広めていこうとしているときの事例として、公共団体などが例えばここの体育館でこんなことやろうとおっしゃっても、実際、指定管理をしている人たちが、不当な差別的扱いに入るかどうかは分かりませんけれども、使用するに当たって、必要以上の掃除を求めたり、必要以上の保険を掛けるように求めたり、あるいは必要以上に制限をした使用の仕方を求めたり、その後の経費を求めたりというのが現実です。借りる側も、そのとおりだと思うので、そういった借り方をしていく。あるいは借りられずに諦めるということが現実だと思いますので、もし可能であれば民間事業者という言葉を入れると少し前に進むかと感じます。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございます。
 佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】  今回は本当に皆さんの御努力、御苦労ですばらしい基本計画にまとめられたと思います。ありがとうございます。私としては願いを込めて1点ですが、子供の時にどれだけいろいろなスポーツを経験できるかというのが、最終的に一番大切なことだと思っております。自分自身を振り返ると、子供の時に選択するスポーツは限られていました。第1期もそうでしたが、今回の第2期では取り組む施策として、1番にスポーツ参画人口の拡大が挙げられていますが、第1期ではあまり実現はされてきていません。子供の時に複数スポーツを経験することは大切ですので、それをいかに奨励していくかというところの文言をもっと強くここに出していただければ有り難いと思います。また9ページの現状と課題のところで、「小学校5年生と比較し中学2年生が低く」という結果があります。要因としては、一つのスポーツをずっとやってきてそこで挫折したり、恐らくレギュラーになれなくてもう嫌になったりとかそういったことも弊害としてあるのかなと考えられます。もし、複数のスポーツを行っていたならば、自分に適したスポーツに出会う可能性も高いのかなと思います。鈴木長官から発表された鈴木プランにおける高校野球を例に挙げた高校球児17万人のうち実際に試合に出場できる選手は5万人という発言がありました。その17万人の高校野球の球児たちがもっと子供の時に他のスポーツも経験していれば、野球以外の適した可能性ある子供たちもたくさん増えると思います。子供の時に複数スポーツを行える環境を積極的に作り、それぞれ適したスポーツで本来の力を発揮してもらうことが、最終的には日本スポーツ界全体の底上げにつながると思います。
 10ページの具体的施策クの最後の方で、「放課後子供教室等での多様な運動を体験する機会の提供や保護者への啓発活動を促進し、小学生の運動経験の充実を図る」という箇所がありますが、教室だけだと本当に一過性で終わってしまうような印象を私は受けてしまいます。もう少し具体的に複数スポーツを行える環境を提供したり経験したりする方が良いということを、子供たちに積極的に奨励するということを付け加えていただければ非常に有り難いと思います。
 子供の時に数多くのスポーツに出会い経験することが、大人になっても他の多くのスポーツに興味を持ち、以前とは違うスポーツも積極的に行うことも多くなるのではと思います。田邉委員が話された「知る」ということでいうと、ただメディアなどから「知る」のではなく、お互いが多くのスポーツに興味を持ち経験し関わり合うことで、お互いのスポーツを「知る」ことの理解が深まります。その先に初めてスポーツ基本法の前文である「スポーツは世界共通の人類の文化である」ことにつながっていくと思うのです。
最後に繰り返しになりますが、子供の時にいかに複数のスポーツを経験するか、その環境や機会が提供できるか、それを奨励するような文言がもっと強く出ていただければ非常に有り難いと思いました。
 以上です。
【山脇会長】  ありがとうございます。
 福井委員、お願いします。
【福井委員】  福井です。うまくまとめていただいてありがとうございました。本日は意見を2つほど用意していたのですが、重なってしまったものですから、最後に少しだけお話しさせていただきます。
 ずっと部会の方で言わせていただいていたアスリートだけではなくて、アスリートを取り巻く環境の充実ということをお願いしてきました。この中に本当に丁寧に、指導者だけじゃなくて、専門スタッフ、先ほど田嶋さんも言われたように、審判まで、いろいろと盛り込んでいただいて、本当にありがとうございます。
 私、中央競技団体でも、JOCでも、国際競技力の向上というところに今携わっているのですけれども、その中でこれを読ませていただくと、一番多く出てくる言葉が連携という言葉です。ですから、それを本当に肝に銘じて皆さんといろいろお話しさせていただきながら、自身の行動とともに広めていければと思っております。意見ではなくて、覚悟を申させていただきました。失礼いたしました。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 高橋委員。
【高橋(尚)委員】  ありがとうございます。本当に非常に分かりやすく、全ての関わる人たちや立場において、その方向性や施策が行われているなというふうに感じました。スポーツの関連の皆さんは、これで同じ方向を向いて、目指す像が本当に一つ大きくなるのかと感じています。
 そして、その中で、先ほど根木委員や渡邉委員、また、髙橋委員が言われたように、この4章である先の広報をいかに皆さんに知っていただけるか。まだスポーツをしていない人も、また、子供も女性も、そのスポーツに関わっていない人たちをどう取り込んで、1億総スポーツの社会にしていくかという認識というのが非常にこれから大切になるのではないかと思います。
 SNSをはじめ、多様なメディアを活用してという文言がありますけれども、各分野の方々もそれぞれの分野で、この像に向かって進んでいく中で、ここにもし教育現場での活用といった形で、やはり子供が学校の中で、この基本法のような形の集約したものが少し伝わることができれば、例えば、「する」、「みる」、「ささえる」といった部分では、「する」だけではなくて、「ささえる」。自分は将来、「ささえる」方の仕事になろうといったような形でまた方向性も大きくなってくる可能性もありますので、こういった教育現場での活用といった部分も一つ入れられるとうれしいなと思いました。ありがとうございました。
【山脇会長】  ありがとうございます。
 はい。泉委員。
【泉部会長代理】  どうもありがとうございます。基本計画部会も非常にハードスケジュールの中で、また、本日ここにいらっしゃらない計画部会の委員の方の意見も非常によく取りまとめていただきました。事務局の方の御苦労も大変だったと思います。特に私の方からは最後に御礼を申し上げたいのは、「国が」とか、「日本体育協会は」とか、要するに、主語がしっかりして、何をこれから日本体育協会はやればいいのかといったようなことが、それぞれ各団体の皆様にもしっかり認識ができるようにおまとめをいただきました。これからは先ほどお話がありましたように、どうやって検証していくかという大きな課題は残りますけれども、まずはスタートができる。ここまでまとめていただいたことに感謝を申し上げます。また、今後は関係機関、団体とも連携しながらしっかりと対応してまいりたいと思います。
【山脇会長】  ありがとうございます。
 では、朝原委員。
【朝原委員】  委員の皆さんがおっしゃったことで全てなのが、願いとして、私、関西人ということで、絵にもありますように、少し薄くなっていますけど、関西ワールドマスターズゲームズというのがあります。流れ的には「みる」、オリ・パラ、参加するというのもあるのですけれども、感動して「みる」というのが大きい部分だと思うので、その翌年に「する」、参加するという、ワールドマスターズゲームズが来るというのはものすごいいい流れだと思いますので、今それが載っているところが、スポーツを通じては、国際社会の調和ある発展への貢献というところにのみ、少し載っているだけなので、「する」とか、参加するというところにこのイベントがどこか盛り込まれるか、何か文言が入れられると非常にうれしいと思います。ありがとうございます。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 桑田委員、お願いします。
【桑田委員】  ありがとうございます。地域スポーツクラブという現場目線で、今回いろいろなことを言わせていただきました。その思いは大分反映していただけたかなと思って、感謝申し上げます。
 今、私が思っていますのは、とにかくこれを地域現場で具体的にどう進めるか。これが大変重要だということを改めて、このまとめを昨日拝見させていただきまして思いました。地域では、総合型だけでもだめですし、その地域にあるいろいろなスポーツに関係する財産や資源が多数ありますので、そういう財産や資源がいかに、どなたかが発言されていましたけど、地域それぞれ、各都道府県、市区町村によって相当まだまだばらつき感がありますが、どうやって連携しながら、国の方針あるいは都道府県や市区町村の方針に合ったオリジナリティを、きっちり作っていくかということが重要で、我々総合型の現場のリーダーたちがきちんとその提案と実践ができるようにならないといけないのかなとあらためて思っております。そういう意味で今回のまとめは地域現場にとって大きな指針になるのではないかと考えております。改めて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
【山脇会長】  はい。鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  今回の報告は、1期の進捗状況を十分に検討して、それについてはきちんと分かりやすく、かつ明確におまとめいただきまして、誠にありがとうございました。特にこの基本方針の中で、2019年、20年、そして、21年と、大きな世界大会を意識して、十分計画を立てていただきまして、それについて感謝しております。我々の関わっておりますアンチ・ドーピングにつきましても、そういった「する」、「みる」、「ささえる」、これの「ささえる」ところを粛々とやっていきたいと思いますので、この基本方針に全く賛成でございます。ありがとうございます。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 じゃ、竹田委員、お願いいたします。
【竹田委員】  どうもありがとうございます。本当に多くの皆様方の意見をここにまとめられて、本当にすばらしいものができたと思って、感謝をしております。やはりこのスポーツの価値というものを分かりやすくここにまとめられて、最初にスタートしておりますけれども、そういった意味でも、誰でも分かるという、そういう形でまとめていただいたのは大変よかったと思います。
 また、オリンピックムーブメントとして、パラリンピックムーブメントもしっかりとこの中に入れていただいたことを有り難く思います。我々も今後ともオリンピックムーブメントを更に皆さんと連携して進めてまいりたいと思います。
 それから、私どもの担っています国際競技力向上ですけれども、先ほど話に出ましたが、国、そして、JSC、そして、JOC、二トン体育協会あるいはNF、それぞれの役割がはっきりとここで明確にされたということで、それぞれの役割の中でJOCもその責任を果たして、皆さんと連携をして、きちっとこの2020年、そして、それ以降も形として表れるように努力していきたいと思います。ありがとうございました。
【山脇会長】  はい。ありがとうございました。
 では、大日方委員。
【大日方委員】 19ページのオのところですが、障害者差別解消法の重要な視点といいますのは、合理的配慮の事例を収集するというところにありますので、スポーツ施設における合理的な配慮とは何かというところを収集していくということを是非入れていただきたいと思います。そうしたことで、この不当な差別とは何かというところが明らかになると思います。この1点を申し上げます。
【山脇会長】  ありがとうございます。
【久住委員】  最後に、私、スポーツと健康という立場で入ったつもりですので、そこだけ述べさせていただきます。大変有り難いことに、明確に健康とスポーツが関係があるということが明確になりました。介護予防までもスポーツは力があると書かれたことに対して、大変お礼を申し上げたいし、大変有り難いという感謝の言葉を一つだけ申し上げます。ありがとうございます。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日、長時間にわたりまして、皆様からこの中間報告(案)を更にブラッシュアップする貴重な意見を頂きました。頂きました意見は、私の方で友添部会長とも相談しつつ、必要な修正等を加えました上で、第2期スポーツ基本計画の中間報告といたしたいと考えております。修正につきまして、そういう意味で、私に御一任をいただければというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【山脇会長】  ありがとうございます。
 それからあと、この中間報告につきましては、修正を加えた上で、近々パブリックコメントというのを実施する予定ですので、この点についても御承知おきをお願いいたしたいと思います。
 それから、来年3月上旬の開催を予定しておりますけれども、次々回、次回総会におきまして、この答申案の審議及び取りまとめを行い、答申を提出したいと思っております。答申といいますか、この中間報告の取りまとめが仕事の終わりではなくて、皆さんから御指摘がありましたように、これの広報をどういうふうに国民全て広く伝えるか。それから、この5年間で実際にこれを検証して、どうやって実行して、それを検証していくかということにおきましては、引き続きここにおられる委員の皆様方全員に責任があるというか、作ったからにはしっかりやるということではないかと思います。今後のいろいろな問題につきましては、分科会等々で進めていこうと考えておりますので、本日が終わりではなくて、5年間の始まりだという認識でこれからもご協力を頂けたらと思います。
 それでは、最後に、鈴木長官の方から締めということでよろしくお願いいたします。
【鈴木スポーツ庁長官】  皆さん、私の方からは、今回の第2期スポーツ基本計画策定に当たりまして、莫大な時間とエネルギーを頂戴しまして、ありがとうございます。本当に山脇会長、友添部会長、泉部会長代理をはじめ、皆さんが本当に今後の5年間のスポーツの在り方、活発な御議論を頂いたと思っております。本当にこれは大変な作業でありまして、そしてまた、重要な作業であります。本日もまだまだ御意見が出尽くさないぐらいの非常に活発な議論で、パブリックコメントの話もありましたけど、皆様も国民の代表の選手でありますので、更にまたこれを読んで、こうした方がいいというのがあれば、御意見頂きたいと思っております。
 本当にこれは取りまとめ、事務局中心に本当にありがとうございました。引き続き、来年、年明けていきますけれども、いよいよこのスポーツ庁が創設されて、本当のこの真の意義が問われてくるかと思います。今、御意見にもありましたとおり、何々が何々すべきという、今回、数値目標も入りましたし、それぞれが、国が何やってくれるではなく、それぞれがやはり主体となって、このスポーツの行政をどんどん進めていくということで、責任というあれではないですけれども、それぞれがやはり我こそはという形でやっていただきたいということでの、私からまたお願いということになりますけれども、最後お話をさせていただきます。
 ありがとうございました。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 それでは、最後に次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。
【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。参考資料3を御覧ください。今後のスケジュールでございます。本日この合同会議での御意見を踏まえまして、資料3の中間報告(案)を事務局の方で修正を加えたいと思います。それを山脇会長、友添部会長に御確認の上、今年中にパブリックコメントということで、広く国民の皆様からの御意見を求めたいと、そういうふうに考えております。
 これは大体1か月程度を要するということでございます。頂いた意見を事務局で精査いたしまして、この中間報告(案)を更に修正いたしまして、答申の案というものを作りたいと思います。それの御確認、御検討いただく場を2月中旬に設けたいと思っております。これにつきましては、部会を当初想定しておりましたが、議論がある程度収れんしてまいりましたので、きょうと同じように、総会と基本計画部会の合同会議、こういった形で最終的な答申案の案文、パブリックコメントをどう踏まえるかということについて、御確認、御議論をいただきたいというふうに思っております。
 また、会長からお話ありましたとおり、最後になりますが、スポーツ審議会総会として答申をおまとめいただく会を3月の上旬に予定しております。まだ詳しい日程は決まっておりませんので、事務局において調整の上、日程を改めて御連絡させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 本当にこの1年、皆さん、大変貴重なお忙しい時間を使っていただきまして、この中間報告、取りまとめができましたことに対して、改めて厚くお礼を申し上げますとともに、皆様方、風邪がはやっておりますけれども、健康に留意されて、よいお年を迎えられることをお祈り申し上げます。
 それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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