スポーツ審議会(第14回) 議事録

1.日時

平成31年3月25日(月曜日)17時00分~19時00分

2.場所

文部科学省第一講堂

3.議題

  1. (1)スポーツ団体ガバナンスコードの検討状況について
  2. (2)2019年度におけるスポーツ団体に対する補助について
  3. (3)独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興投票等業務に係る2019事業年度事業計画、予算及び資金計画案の認可について
  4. (4)その他

4.議事録

【山脇会長】
 皆さん、こんにちは。ただいまよりスポーツ審議会の第14回総会を開催いたします。本日は大変お忙しい中、御出席をいただき、まことにありがとうございます。
 まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。本日、スポーツ庁からは長官や事務幹部の他、スポーツ庁参与の大塚眞一郎参与及び斎藤麻美参与に出席いただいております。スポーツ庁参与につきましては、机上に名簿をお配りしておりますとおり、8名の方が2月22日付で新たに任命されておりますので、御承知おきいただければと存じます。
 なお、今回、国会中ということもございますので、幹部の出入りが若干ございますこと、御了承いただければと思います。
 会議資料につきましては、今回の会議につきましても、前回同様、政府全体の方針によりまして、資料のペーパーレス化ということで対応させていただきます。机上配付の一部の資料を除きまして、全ての会議資料はお手元のタブレットPCで御覧いただく形になりますので、必要に応じて机上のマニュアルを御参照の上、操作いただきますようお願い申し上げます。タブレットPCに不具合が生じました場合、あるいは操作方法がよく分からない場合につきましては、お近くの事務局職員にお申し付けいただければと存じます。
 会議資料の構成につきましては、資料1ページ目の議事次第の下半分の一覧のとおりでございますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、議事に入ります。本日は、この次第にあるとおりでございますけれども、4つございます。スポーツ団体ガバナンスコードの検討状況について、2番目に2019年度におけるスポーツ団体に対する補助について、3番目、独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興投票等業務に係る2019事業年度事業計画、予算及び資金計画案の認可について、4番、その他ということでございます。この4点につきまして、本日御審議、御議論をいただきたいと思います。
 本日も報道関係者により、会議の撮影、録音を行いたいという申出がございました。許可をしておりますので、御承知おきをお願いしたいと思います。
 それでは、早速、最初の議題、スポーツ団体ガバナンスコードの検討状況についてということに入りたいと思います。
 前回の1月のスポーツ審議会総会では、スポーツ団体ガバナンスコードの策定について、鈴木スポーツ庁長官から当審議会に対して諮問がございました。その後、スポーツ・インテグリティ部会で大変密度の濃い活発な議論と検討が行われておりまして、本日は友添スポーツ・インテグリティ部会長から、この検討状況の御報告をいただいて、その後少し皆さんから御意見、御質問等々があればということで進めたいと思います。
 それでは、友添部会長、お願いいたします。

【友添会長代理】
 失礼します。部会長を仰せつかっております友添でございます。私の方から簡潔に、現在の検討状況について御説明したいと思います。
 資料1-1を御覧ください。1枚めくっていただいて、右下に大きな文字で1と書いてある1ページ目から御説明したいと思います。
 まず最初に、インテグリティ部会の委員の構成でありますけれども、これは私が部会長ということで、今、境田委員がいらっしゃいますが、部会長代理をお務めいただいて、3統括団体の常務理事、弁護士さん、会計士さん等の専門家、また、オリンピックやパラリンピックの元アスリート、それからジャーナリスト等で構成いたしております。御覧いただければお分かりのように、14名中6名が女性ということで、これは国の審議会でも珍しいほど女性比率が高いというモデルを示しております。
 次に、部会の検討方針でございますが、部会での検討に当たりまして、今、山脇会長からお話がありました、長官からの諮問の理由を踏まえて、3つの点に留意をいたしております。1つ目でありますが、スポーツ団体のガバナンスに関する既存の参考指針を参考にしながら、最近のスポーツ界における様々な問題の事案、こういった内容、要因を分析しながら、実効性のあるものにするということが1点目であります。
 2点目は、スポーツ団体の性質とか規模、あるいは人的基盤や財政的基盤というのは多様でありますので、コードの適用につきましては、一定の柔軟性を持ったものとすることを2点目の留意点にしております。
 3点目として、スポーツ団体がコードに基づいて具体的な取組を検討・実施する際に参考となる情報を含むものにしようということでございます。
 次、2ページ目を御覧ください。これはNFとその他の団体に適用するという2つの階層の構造のコードを策定している。これはイギリスの例を参考にしながら、NF向けの詳細なコード、また、今申し上げたようなその他のスポーツ団体向けの簡素なコードの2層構造とする立場で議論を展開しております。そして、公共性が高くてガバナンス確保が急務であるNFを対象とするコードをまず先行して検討しているところでございます。
 その他のスポーツ団体向けということでありますけれども、これは主として、totoの助成を受給している団体を想定しております。
 次の3ページを御覧ください。図が出てまいりましたけれども、ガバナンスコードはルールではなくて規範とか原則、いわゆるプリンシプルを定めるものということで、コーポレートガバナンスコードを参照しながら、原則主義という立場に立ってございます。遵守できている場合はその旨の説明をすること、遵守できていない場合は、直ちにこれを守ることが困難だという具体的かつ合理的な理由、例えば人的な理由、あるいは財政的に制約をされているというような理由を挙げるようにすること、また、遵守に向けた今後の具体的な方針あるいは方策、見通しを示すこと、これの説明が求められるということでございます。
 自らに適用することが合理的でないと考える規定がある場合、つまりコードの中にそういう規定がある場合には、その理由についても説明が必要になるということでございます。
 次の4ページ目をお願いいたします。ガバナンスコードの全体構成を紹介させていただこうと思います。ガバナンスコード(案)本体も、次のところに配付資料で入れておりますけれども、概要のみ簡単に原則を中心に紹介させていただこうと思っております。
 原則1であります。これは組織運営等に関する基本計画を策定、公表するということについての原則でございます。
 次のページを御覧ください。これは原則2、適切な組織運営を確保するための役員等の体制を整備すべきであるという原則であります。これは今、盛んにメディアを通して報道されておるところでもございますが、外部理事につきましては定義付け、具体的には、その外部理事というのはどういうものかという定義付けを行った上で、目標割合を25%、女性理事に関しましては、NFの理事会につきましては40%ということで、今、部会では議論をほぼ終えております。現状では、半数以上のNFが外部理事がゼロということで、女性理事も平均で2割未満ということであって、意欲的な数値目標を示しておるところでありますけれども、今申しましたように、部会では承認を頂いておるというところでございます。
 次に、(1)の丸3であります。アスリートファーストの観点からアスリート委員会の設置、その意見を組織運営に反映させることを盛り込んでございます。
 (3)の丸2でございます。理事が原則として10年を超えて在任することがないよう、再任回数の上限を設けることという原則につきましては、JSPO等の統括団体から、10年と明記することへの慎重意見が出てございます。また、組織運営の混乱を招かないよう、猶予期間を設けてほしいとの意見もございました。
 次のページをお願いいたします。原則2の補足説明ということでございます。6ページ目でございます。補足説明の主なポイントは3点でございます。最長期間に達した者については、再び選任されるまでに必要な経過期間として、例えばインターバルということで4年間を合わせて定めるということが現在考えられるという御意見が出ております。
 また、10年を超えて、例えば在任が認められる例外的なケースについても記載をいたしております。具体的にはプラス1期か2期、年数で言いますと2年か4年、これはIFの理事等に出たり、あるいは国際大会等を当該のNFが引き受けたときに委員を、あるいは業務執行理事を差し替えることにおいては非常に問題がある等の例外的な措置をケースとして考えてございます。また、将来のNF等の運営の担い手となり得る人材を計画的に育成していくことの必要性も記載してございます。
 次のページを御覧ください。原則3でございます。これは、組織運営等に必要な規程の整備に関する原則を定めております。
 原則4でございます。コンプライアンス委員会を設置すべきという原則を定めております。この原則4に関しましては、委員の中に弁護士、公認会計士、学識経験者等の有識者を配置することという規程を盛り込んでございますが、この中に女性を必ず複数名入れる必要があるという御意見を頂いているところでもございます。
 原則5、コンプライアンス強化のための教育を何よりも充実、実施すべきだということでこの原則を入れております。
 次の8ページを御覧ください。原則6であります。法務、会計等の体制を構築すべきという原則でございます。具体的には、法律、税務、会計等の専門家のサポートを日常的に受けることができる体制の構築ということでございますが、これは例えば小さなNFが自前でこういうことを整備するというのはなかなか財政的にも厳しいということで、統括団体の中で弁護士、公認会計士等の人材プールを作って、そこから派遣をするというような案も現在検討しているところでございます。
 原則7であります。適切な情報開示の原則を定めてございます。この情報開示に関しましても重要なものでありまして、例えば選手選考の基準は一体何か、なぜオリンピックの代表選手に選ばれるのか、あるいは国際大会の選手に選ばれるのか、この基準の開示、そしてそのプロセスを公開するということの原則をここに定めてございます。
 原則8、NFの中で利益相反をする場合を想定して、利益相反を適切に管理するという原則を定めてございます。
 次のページをお願いいたします。通報制度についても構築の原則を定めてございます。この通報窓口のところにも、運用体制の中に弁護士、公認会計士、学識経験者等の有識者ということでございますが、これについても人材のプールということで、統括団体の中でこのプールを作ってはいかがかという意見が出ているところでございます。
 原則10は懲罰制度の構築に関する原則であります。
 原則11は、選手、指導者等との間の紛争解決のいわば取決めでございます。日本スポーツ仲裁機構に自動応諾条項を定めて加入するということ、不服申立てについて、処分対象者に必ず通知すべきこと、これらにつきまして具体的に説明事項を設けて具体的な原則、ガイドラインが作られていくということでございます。
 原則12でございます。危機管理及び不祥事対応体制の構築の原則を定めてございます。危機管理の体制については、普段からこれをしっかりと構築すべきということがここで盛られていく必要があるだろうということでございます。
 原則の最後、13を御覧ください。これは地方組織等に関するガバナンスの確保、コンプライアンスの強化等に係る原則ということで、NFから地方組織等に対する指導、助言及び援助に関する規程を置いて、NFだけではなくて、地方組織等を含めて広く、傘下団体含めてスポーツ団体のガバナンスの確保、コンプライアンスの強化を求めているということでございます。
 次のページ、参考資料の次を御覧ください。これがスポーツ団体のガバナンス強化の図でございます。12ページと右下に表記がございます。スポーツ団体のガバナンス強化のための新たな仕組みを示しております。スポーツ政策推進に関する円卓会議ということで、スポーツ庁、JSC、JPSA、それからJOC、JSPO、こういった統括団体と円卓会議を作って、そして統括団体は毎年、NFに自己説明、公表を求め、そして4年に一度、コードの適合性審査をこの円卓会議の中で行っていく、今、部会で作っておりますコードに応じて合法性を確認していくということでございます。
 次のページを御覧ください。長官がにこやかに写っている写真がございますが、これはブライトン・プラス・ヘルシンキ2014の宣言でございます。これに関しましては、先ほど申し上げましたようにNFの理事のうち40%の女性の理事を選出することという提案の基盤となっております。さらに、この宣言を受けて理事会だけではなくてNFの各委員会や地方組織の中にもかなりの程度の女性の委員を登用すべきだということの意見が出ております。40%はこのブライトン・プラス・ヘルシンキ宣言から引き出されてきたパーセンテージであるということです。
 次のページを御覧ください。これは皆様よく御存じのように、最近、スポーツ界で問題となった事案でございます。これを類型ごとに分類していくと、丸1から丸7まで、次のページを御覧いただければ、13まで様々な事例が出てくるわけでありますけれども、それぞれの事例は原則の右側に対応した、例えば丸1のNF等の役員による強権的・独善的運営による不祥事が生じた場合というもの、これは具体例が真ん中に記してあります。日本ボクシング連盟のケースでありますけれども、これは原則2でカバーするということの表記でございます。近年のスポーツ団体の不祥事事案を分類して、13の原則が、今現状の日本の各スポーツ団体等に関わる不祥事の全てをカバーしているということを示している表でもございます。
 以上で報告を終わりにします。

【山脇会長】
 友添部会長、どうもありがとうございました。
 それでは、本件につきまして、何か質問、御意見等々ございましたら、委員の皆様方にお伺いしたいと思います。どなたからでも結構ですので。
 泉委員、お願いします。

【泉委員】
 日本スポーツ協会の泉でございます。
 大変短い時間で、スポーツ・インテグリティ部会にて、本当に精力的に13の原則をおまとめいただきました。13の原則は、基本的に方向性は間違っていない、こうあるべきであると認識しております。スポーツ団体が適切な組織運営を行う上で、こういった原則、規範をしっかりと定めたガバナンスコードは、本当に必要だと思いますが、それを遵守していくという過程の中で、中央競技団体では大きく変化を伴う場合がございます。そういう意味では、適用については猶予期間を設けていただくなど、少しこの辺のことを考えていただかないと、競技団体をよくするために作るガバナンスコードが、逆に弱体化を伴うということでは非常に問題があると思っております。特に理事の在任年数の上限を定めること、あるいは外部理事、女性理事のパーセント、これも非常に大変だなと実感しております。是非この辺については御検討いただきたいということと、当然ながら日本スポーツ協会、JOC、日本障がい者スポーツ協会の3団体が統轄団体として、今後しっかりとガバナンスコードに沿って適合性審査を実施していくということになりますので、最後の段階かと思いますが、御配慮いただければと思います。
 以上です。

【友添会長代理】
 ありがとうございます。事務局の方からも補足説明いただければと思いますけれども、激変緩和措置のような形で、今具体的には円卓会議の作業部会の方にその具体的な問題に対応したところを考慮しながら、どのような形のものがいわばふさわしいのかということをこれから御議論いただいて、それをもう一度部会にフィードバックしていただいて、最終的な検討をしていくという手続の方をしっかりと重ねながら丁寧に進めてまいりたいと思っています。
 事務局の方からもし補足があればお願いします。

【川合参事官】
 今、泉委員の方から在任期間のところと外部理事の目標割合と女性理事の目標割合について具体的な言及がありましたけれども、コードの書き方はそれぞれちょっと微妙に違っていまして、外部理事と女性理事については設定するとともに、その達成に向けた具体的な方策を講じることということで、この目標達成が、特に女性理事のところが大変難しい団体もあるのではないかというのは承知しております。やっぱり育成が伴わないと、いきなり理事を増やすというのは難しいという御事情があるというのは理解しておりますので、その達成に向けた具体的な方策を講じていれば、コードとしては達成していると。ただ、目標達成に向けてきちんと取り組んでいただく必要があると思っております。
 それと、理事の原則として10年を超えて在任することがないようにという再任回数の上限の方が恐らく、そういう意味で言いますと、最もクリティカルな点かなと思っておりまして、ここは先ほど部会長からもありましたけれども、何らかの経過措置というか、そういうものが設定できないかどうか円卓会議の作業部会で検討するということになっておりまして、委員の御指摘も踏まえて検討させていただいて、またインテグリティ部会の方に結果を御報告するということを考えております。
 以上でございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 その他に。高橋委員、お願いします。

【高橋はるみ委員】
 ありがとうございます。
 まず、全体としてこの原則は大変分かりやすく、そして御説明の中でございましたとおり、これまで表沙汰になった様々な不祥事というか問題に対処できるような形のものになっているということ、ここまでおまとめいただいた皆様方に深く敬意を表すると同時に感謝を申し上げたいと思います。
 その上で2つ申し上げたいと思います。1つ目は、原則2の関係でございます。今も若干議論になっておりましたが、理事の方々の在任期間に一定の制限を設けるかどうかについて、10年という数字が書いてありますが、これはそれぞれのスポーツ協会の状況で、経過措置等が必要だという議論は分かる部分もあるわけですが、しかし、やはり、原則としてこれをやっていかない限りは、なかなかこのガバナンスチェックというようなことにはつながってこないのかなと思います。
 一方で、この原則2の中で、就任するときの年齢に制限を設けることというのが(3)の①にございますが、これはちょっと慎重にお考えいただいたらどうかなと思います。今、平均寿命も延び、人間が元気はつらつ活躍できる年齢というのはどんどん延びている中で、適材適所、適材の方に理事に就いていただく、との観点から、この年齢制限については慎重に御検討いただければどうかなと思います。
 もう一つ、地方の立場から申し上げますのは、原則13の関係です。地方組織等に対するガバナンスの確保等という点でありまして、中央の団体でも組織的に、あるいは予算的にも厳しいというお話があるとすれば、地方の場合には、よりその厳しさは増しているところでございまして、その意味では、是非地方の競技団体に対して様々な形での御指導であるとか、あるいはガバナンス、コンプライアンスに関する普及啓発や研修会なども積極的に御検討いただければと思います。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 田嶋委員お願いします。

【田嶋委員】
 すばらしいものを作っていただきありがとうございます。
 原則2の今のところ、高橋知事とダブるところがあるんですけれども、就任時の年齢、僕は逆に言うと若い人を制限しているのかなと、ちょっと逆にとってしまったんですけれども、この意図というのを後で説明していただければということ。
 それから、理事の原則10年というのがぽんとどうして出てきたのかちょっと分からないんですけど、僕らスポーツ界は、オリンピック4年、ワールドカップ4年という単位で動いていて、それを10年ひとくくりでやるというのがどうかということ。私自身、定年と任期は絶対あるべきだと思います。今の日本のところで言えば。ただし、本当にIF、世界で戦おうと思ったら、8年、10年ではいけません。それで、途中辞めて4年たったときには、もうその席はないです。
 だから、例えば任期を設けるとすれば、理事を――まず、1期2年の任期というのが非常に短過ぎるということ。ですから、1期を4年にしていただいて、そしてそれを2期8年理事、それで2期やって上に行けない人はそこで終わり。そして常務理事、副会長等になれる人はそこで8年、また2期、そして会長も2期のみというような形で最長は24年になりますけれども、そのくらいでなければ、IFなどでは力を発揮できないなと自分の経験では思います。そして、任期があれば次の後継者をちゃんと育てなきゃいけないとか、そういうことはしっかりとやるようになると思いますし、定年制、年齢差別ということもきっと出てくる時代になってくると思います。ただ、今の日本の現状で、やはり定年を置かなければ、僕は変わらないと思います。
 それから、原則を変えられるというようなことも、確かにすぐには対応できないいろんなものがあるとは思いますけれども、基本、決めたらやはりみんなこれに従うような形で持っていかなくてはいけない。一定の猶予期間はあるとしても、そういうふうにしていくべきだと思います。

【友添会長代理】
 ありがとうございます。
 一応部会長という立場から、お二方の御意見について所感を述べるということで言えば、10年というのは、基本的には参考にしているイギリスのコード、それからオーストラリアのコードが9年若しくは12年という形をとっていて、それは具体的に田嶋委員がおっしゃったように4年が1つのサイクルということで、3期で12年ということをイメージしているんだろうなと思っているということが1つです。
 それから、基本的には、これは原則ですけれども、今お話があったように、守るということが基本的には前提で、ただし、守れない場合には合理的な説明をしっかり、特に地方の場合には人材が得られない、あるいは財政的にどうしても難しい、人が得られない等の説明をしていただければ、もちろんそれはオーケーだということ。
 それから、今の御意見そのものも実は部会でも随分議論を重ねてやってきたということでもあります。就任時の年齢については、事務局の方で少し補足をお願いいたします。

【川合参事官】
 これはいわゆる定年制ということで、最初に就くときに何歳以下でなければいけないということです。
 我々の調査したところ、JSPO、JOC加盟でいいますと約60%の団体が既に定年に係る規定を持っていまして、JPC加盟、障害者の方につきましては4.9%ということで非常に少なかったんですけれども。
 議論になったのは、具体的な年齢までコードに書き込むのかという議論があって、そこはやはり団体の事情があるので書き込むべきではないだろうと。ですから、高橋委員が御指摘のように、人生100年時代なので、自分の団体は定年は長めの方がいいということであれば、それはそういう自由があるというふうに考えております。決して我々、若手の育成を遮るために短い、非常に若い年齢を設定してくださいと言うつもりもございませんし、そこは各団体で御判断いただければと考えているところでございます。

【田嶋委員】
 一言だけいいでしょうか。例えばトーマス・バッハさんにしても、何年ドイツでフェンシング協会をやり、今のポジションに行けているか、そういうことはやっぱりちゃんと分析するべきだと思います。ここで本当にガバナンスコードを国内だけのことで皆さん考えて決めてしまって、全く国際競争力のない団体を作ってしまうということになりかねないと思います。

【山脇会長】
 他にございますか。
 佐藤さん、河合さん、その後渡邉さんという順番でお願いします。

【佐藤委員】
 佐藤満と申します。
 本当にすばらしいものを細部にわたり網羅しておさえていただいて本当に感謝しております。大変な御苦労だったと思います。
 原則2のことですが、先ほど田嶋委員も話された、理事が原則として10年を超えてというところは今一度検討していただければというのがすごくあります。オリンピック周期の4年の12年なのか、先ほど田嶋委員が話されたように、その12年の中で常務理事、専務理事など上の位置に行かれる人たちというのは、各IFの方でも活躍されるような方だと思いますので、その辺をいろいろ議論していただければと思います。
 また女性理事の目標の割合が40%以上ということで、レスリングではこれは非常に厳しいのかなと正直思います。例えばアメリカのNCAAの場合、大学生の男女比率が大体50・50になっております。その上で1972年にタイトルナインという男女平等の機会を与えるために、それぞれの競技者数を同じようにしようとしました。それでも60%と40%、女子の競技者数が少ないわけです。奨学制度なども50・50にしようと改善しますが、実際は競技者数同様に奨学生の割合も未だに50・50になりません。これがレスリングの場合、女性の競技人口がどれほどいるか、大変少ない中で女性理事を40%は非常に厳しいのではないかと。であるならば、NFとして女性理事の割合を上げるためには、女子の競技人口を増やさなくてはいけません。やはり男女のスポーツの興味の違いもあり、その辺も考慮されて目標数値を変えるのか。目標は40%でいいですけれども、その中でもうちょっと細部にわたった具体的な何か考え方、理由があればいいのかなというのが私の感想です。
 女性理事の割合を高めるのは大賛成ですけれども、そのためには女性の競技者数を増やすなど競技人口にある程度比例したかたちで、もう少し数値目標を慎重にやっていただければ良いのではと思いました。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、河合さん。

【河合委員】
 ありがとうございました。本当に13の原則について分かりやすく御説明いただきましたし、議論いただいたことに本当に感謝申し上げたいと思います。
 私から2つあって、1つはまず、アスリート委員会について規定をいただいたところもとてもありがたいなと思っております。アスリートの声をしっかりとアスリートファースト、アスリートセンタードの組織を作っていく上で生かしていくということをここに原則として掲げていただいたことはとても大きいと思います。アスリート委員会が設置されているけれども、実際に何をしていいのか、どういうふうに活動すればよいかということを悩んでいる声をよく耳にします。こういったことによって、各NFがアスリート委員会を活用しながらしっかりと自分たちの組織の健全性を高めることに活用していくという方向に向かうのは、本当に望ましい姿だろうと思っておりますので、まず感謝申し上げたいと。
 もう1点は、今、任期の問題とか女性理事の割合の問題が出ていたかと思うんですけれども、改めて多様性を、ダイバーシティー・アンド・インクルージョンとなっている中で、女性の比率を40%、外部理事の方を25%ということが多様性なのかというのは、またちょっと違う要素もあると思っていて、具体的に言えば、障害のある方々も理事等に入りながら、それぞれの公的資金が入っている競技団体としての役割を、全ての国民のスポーツをする権利や見る権利、支える権利を保障していくという立ち位置になったときに、そういう方々も含んでいくというのがあるべき姿ではないかなと考えてもいます。またそういった点も考慮いただいたり検討いただけるとありがたいなと思い、発言させていただきました。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。多様性の御指摘はそのとおりだと思いますので、その点については今後の部会でもさらに議論と検討を進めたいと思います。
 それでは、渡邉委員。

【渡邉委員】
 大変分かりやすく詰められた案が、この短期間でよくできたなと、まず敬意を表したいと思います。
 先ほど、各委員からいろんな御指摘や御質問がございました。実は私の笹川スポーツ団体の方も、中央競技団体調査というのを何年かずっとやらせていただいておりまして、いわゆる経営資源、人、物、金、情報というものが各競技団体どうなっているのか。田嶋会長のサッカー協会というのは断トツに大きな組織なんですけれども、それ以外のところは結構厳しいところが、公益法人とはいえ、あると思います。
 この13の原則なんですけれども、例えば原則1で中長期の基本計画の策定とか、ヒューマンリソースに関する採用育成計画とか、財務の健全性確保の計画とかいろいろ述べられておりまして、これが全部、各競技団体が遵守できればすばらしい組織になると思うんですが、一方で、公益法人全体を見ると、なかなかこういったものを策定しているところは数少ないと思います。スポーツ以外のところも。したがって、この原則をやはり中央競技団体の方に適用していただくためには、それなりのサポートが、恐らくスポーツ庁なり統括団体からないと、なかなか各競技団体が対応できないのかなと思います。
 したがって、泉委員がおっしゃったように、施行日がいつになるかというのはこれからの議論になりますが、やはり経過措置としての猶予期間というのは当然あるべきだと思いますし、その間に対するいろんなサポート、各競技団体の職員の方に対する教育とか情報提供とか、こういったものをしっかりやっていただきたいというのが私のお願いであります。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 他にございますか。鈴木委員、お願いします。

【鈴木委員】
 日本アンチ・ドーピング機構の鈴木でございます。本当に短期間にすばらしいコードの案をまとめていただきまして、まことにありがとうございます。
 私の方からは、1つ、コンプライアンスの問題ですけれども、コンプライアンスの監視ということが非常に重要ではないかと考えます。原則の4と5に出ておりまして、本来はこのガバナンスというのは、主体的な努力によって確保するというのが原則でございますけれども、その中でコンプライアンス委員会を作って監視して、PDCAを回すとか、コンプライアンス意識の育成をすると、こういったところが重要になってくるのではないかなと考えております。
 先ほど、4年に一度のコードの適合性を審査するということですが、このようにきちんとした監視をするということが私は重要ではないかと思います。その際に、内部だけではなくて外部、そして国際的なレベルというか、国際的な観点からもきちんと見る必要があるのではないかなと思います。我々アンチ・ドーピング体制も、国内ではきちんと回っていても、世界の目から見るとまた少し不十分であるということも指摘されまして、根本的な見直しをして、各省の御支援、御尽力で対応したこともございますから、常に国際社会が要求される状況というのは変化しているということを御考慮いただいて、このコンプライアンスというものを考えていくべきではないかなと思っています。
 それから、組織運営の多様性の確保ということでございますけれども、このところに、する人だけではなくて、見る、支える側の方も意識した組織作りという視点が出てまいりまして、これは大変すばらしいことだなと思いましたので、是非これを進めていただきたいと思います。
 それに関連して、先ほど出ましたが、スポーツ界にあっては、ロールモデルとしてのアスリートというのが非常に重要な、社会的にも大きな存在になってくると思いますので、これをきちんとした形で、この組織の中に入れていただければと思います。
 それから、少し具体の話になりますが、原則11のところでドーピングのケースが出てまいりましたけれども、紛争解決に関する、スポーツ仲裁機構による仲裁利用の自動応諾、これは非常に重要でございまして、我々の観点からもアスリートの権利を守るために是非これは加えていただければと思います。
 以上でございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 その他に。結城委員、お願いします。

【結城委員】
 ありがとうございます。2点差し上げられればと思います。
 1点は、その原則2でございます。釈迦に説法ではございますが、IOCを長年取材してきた身として、理事4年、副会長そのままスライドで4年、一遍、在野として1年ないし2年、時期によりますが、経てからまた戻ってこられるというシステムでございました。それが現在も続いております。
 結局、定年はございますけれども、その役職にあるときは定年延長がなされることも多々あり、組織の中でその役割とか、組織の活力をそがないようにということが第一義に配慮されているのかなと思う部分がございます。
 こちら、例えばでございますけれども、補足説明というところを拝読いたしますと、すばらしいいろんな配慮がなされているというのもよく分かりますし、丸2の原則として10年を超えて在任することがないようという部分でも、続けて在任することがないようという付記がございますので、もう少しその部分も加味しながら、例えば10年を超えて続けて在任することがないようにとか、原則としてという表現を、10年若しくは12年という表現を少し和らげるとか、何らかの格好で歯止めは置きながらも、その組織体が自分たちの将来を考えてきちっと事前にルールを作れるという部分を前面に出してもよろしいのかなと感じました。
 もう1点は、お願いというか、当然このガバナンスコードの最初の部分にもございましたけれども、なぜこういうコードを作るのかという部分で、これまた釈迦に説法でございますけれども、結局スポーツというものは東京大会を来年に控え、みんなが関心を持ち、私たちが社会をこれから未来に向けて作っていく中でとても大切なものでもあります。あなた方自身のことですという部分、それを実はいろんな意味でそれぞれの競技を広めたり、JSPOでしたらスポーツ・フォー・オールという形で広めたりしていくのはそれぞれの統括団体の大きな責務ですよと。それがあって初めて国民の皆様のスポーツへの理解が深まると。だからこそのガバナンスコードです、という部分をもっと膨らませて、何のためにNFは、そして各競技団体はこういったものを作ってほしいと言われているのかという部分の理解を国民側にも、それからNF側にも求めていったらよろしいのではないかと思います。不祥事が起きたためにこれが出てくるみたいな感じに、短絡的につい見られてしまうのですけれども、それだけではちょっともったいないような気がいたします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 田邉委員、お願いします。

【田邉委員】 
 田邉です。少し遅れて失礼いたしました。
 私の方から2点ですけれども、原則2のアスリート委員会の設置についてということで、こちらにアスリート委員会を設置してということを入れていただいたことには大変うれしく思います。今現在、アスリート委員会、全日本柔道連盟もありますけれども、実際その意見を運営組織に反映する、この具体的な方策というのを今後しっかりと考えていかなくてはいけないのではないかなという感想がまず1点あります。2点目は、原則7のところですけれども、適切な情報公開をということです。選手選考基準を含む選手選考に関する情報を開示するということです。特に2020年では、自国開催のオリンピックになります。選手・コーチ・所属関係者にとっては、ぴりぴりする状況かと思います。ここで1つ参考までに意見を申したいのですが、イギリスのオリンピック選手選考は、NFが選手を選考した後、1週間か10日間ぐらい、選手・所属のコーチからの異議申立てをする期間があり、そこで異議申立てをした選手はNFとの交渉をしながら最終的に決定していくというプロセスがあります。このような期間があると、ここら辺はスムーズに動くのではないかなと思っております。イギリスの場合オリンピックの選手選考は、BOAが最終的にはそれを承認して、選手として派遣するという経緯になっています。もちろん情報開示するということもそうですけれども、今後NFで考えていく1つの参考までにと思いまして、意見を述べさせていただきました。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 次は、庄野委員、お願いします。

【庄野委員】
 庄野です。目指すべきところのゴールとして、このコードがしっかりと練り上げられて作られたなということで、大変すばらしいものができていると思うんですけれども、一方で、私はこういったスポーツ団体との付き合いというのは、それぞれの団体の状況というのはあまりよく分からない部分がありまして、スポーツドクターとしてかつて日本陸連の医事委員会などで活動したことはありますが、先ほどどなたかが言われたように、現状としては各団体によって非常にばらつきがあるんであろうということですけれども、実態を把握されている部分もあるように見受けられるんです。現在の各団体の実態というところで、分かっているところについての情報は公表されているものがあれば、ちょっと御教示いただきたいというのが1点と、このコードがイギリスやオーストラリアの先行する国のものを参考に作られたということですけれども、先行してやってきた海外の実態と、このようなガバナンスコードに基づいて運営をしていくことで得られた効果、実際にそういったものが何かありましたら、是非教えていただければと思います。よろしくお願いします。

【友添会長代理】
 後の方のお尋ねですけれども、基本的にはスポーツの先進諸国では、イギリス、オーストラリアなどはコードを定めています。定めていない場合でも、それに代わるような規定等を通してスポーツ界のインテグリティをどう擁護していくのかということをそれぞれ行っているように思います。どうも、根本的に時代状況が変わってきていて、牧歌的な、同好の士が集まって何かクラブを作ってその中で思い思いにやっていく時代ではなくて、競技団体や組織には公金が投入されて、公共財としてのスポーツ団体という性格が非常に強くなってきたということと、むしろその公金が投入されることに応じて、その中で具体的にどのような組織マネジメントが公平にかつ透明性を担保して行われているかということを国民に開示していく方向にあるようです。そういう意味でいうと、我が国でも、国民がある種、株主のような形で具体的にこのスポーツ界のマネジメントの在り方そのものについて大きな関心を持っているわけですし、組織運営の健全性をしっかりと示していくということが必要で、昨今の様々なスポーツ界の不祥事に対する反省の上でコードを作成することが、我が国のスポーツ界には求められているし、今回のコード作成はいわば出発点であるということだと思います。
 前者の方は事務局から。

【川合参事官】
 今の補足で、これは例えばなんですけれども、オーストラリアの場合、中央競技団体の女性理事の割合、これが2013年には27%だったそうなんですけれども、2018年の3月時点では38%に達したということで、そういう具体的な数値としても出てきているということが1つ言えると思います。
 中央競技団体が今どういう状況かというのは、インテグリティ部会の方ではデータを出して御説明しているのですが、今日、あまり御説明する時間もありませんので、インテグリティ部会の資料はホームページに出ておりますので、また御覧いただければと思います。
 総じて見ると、中央競技団体、なかなか財務状況は厳しいところが多いという状況があるのと、理事の割合などは先ほどお示ししたような、まだ外部理事の割合が低い割合にあるということは総じて言えると思います。
 以上でございます。

【庄野委員】
 先ほどから議論になっていた女性理事の割合とか、そういったそのものが目標なのかもしれないですけど、本来、そこの先に何を目指しているのか。例えば不正行為が減少していったとか、そういうエビデンスがあるのかとか、そういうことを聞きたかったんですよね。それと、これをやることによって現状の問題が改善していくという仮説に基づいて作られてあると考えてよろしいんですか。そのあたりの因果関係が、このルールを守ることによって、結果として改善していく、予測なり評価なりをどのようにされていくのかなというところがちょっと見えないと思っているところです。
 ありがとうございます。

【友添会長代理】
 今のところで少し補足しますと、多分、女性アスリートの三主微のような具体的な問題状況に対して、男性理事の目線ではなかなか気づかない点があるということと、もう一つ、女性アスリートの側に立ったときに、例えば何が今求められているのかということをセンシティブに理解していくためには、同性の理事が一定数いるということがやっぱり必置だろうという意見が部会でも出ておったということです。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 迫本委員、お願いします。

【迫本委員】
 すばらしいガバナンスコードを作成されたのではないかなと思います。あとはこれをきちんと実行できるかどうかということが重要かということと、それから、どんなすばらしい規則でも、時代の変化とともに変わっていくということもあるので、そういうことを考えると、円卓会議にすごく期待するところが大きいものがありまして、スポーツ庁と実際に運営するスポーツ団体とがどれだけコミュニケーションをとれて、選手や現場の声を拾い上げながら、実際的にガバナンスコードがワークするようにしていくような会議になれば、本当にすばらしいのではないかなと思いました。頑張っていただけたらと思います。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございます。
 境田委員お願いします。

【境田委員】
 中央競技団体の実態をいろいろと調べていくと、マネジメント人材が不足している、財務内容が厳しい団体が多い、ジェンダーバランスが悪い、女性理事が少ないという課題があることがわかりますが、さらに中央競技団体の下部組織である地方協会、地方組織ではさらに、深刻な状態にあることが分かっています。
 さきほど高橋知事がおっしゃったように、今回、NFがきちっとガバナンスを構築しようというときに、NFの本来目的である強化、普及、育成という事業の多くは実は地方協会が担っているということもございますので、やはりNFのみならず地方協会もしっかりとインテグリティ、マネジメントを確立していかなければならないと考えております。
 ただ、NFと同じだけのスペックをすべて地方協会に求めてしまうと、明らかに過大な負担になりますので、そうではなくて、いかにNFと地方組織との役割分担をうまく図るかということが問題だろうと思っています。例えば日本サッカー協会は、協会内に司法機関組織という制度を新しく設けられました。これは、協会内の紛争案件についての判断は、日本サッカー協会の執行機関である理事会ではなく、理事会から独立した司法機関において、最終判断を下すという制度だと理解しています。そして日本サッカー協会は、自らの組織のみならず、下部組織である各都道府県サッカー協会内にもそのような司法機関を設けておられます。そして、地方協会の司法機関で行った裁定に対し、不服がある当事者は日本サッカー協会内の不服審査委員会に不服申立てを行うことができるという制度設計になっています。中央競技団体と下部組織が上手く連携をとりながら、紛争案件の処理を図っている好事例だと思いますが、まさにこのようなNFと地方組織との連携が、今後、私たちが目指す目標の一つの姿であると思います。さらに、地方組織を活性化するためには、できれば地方組織の法人化を行い、様々な補助金、助成金の獲得を目指したり、スポンサー獲得を目指したり、自ら興行を行うなどして収益をあげながら、地方組織を発展させていく、そのような方向を目指すべきだと思っています。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 このスポーツガバナンスコードは、もともとコーポレートガバナンス・コードというところから来ています。指名して申し訳ないですが、中原委員に、コーポレートガバナンス・コードというのを企業がやって、最初はコンプライするか、イエスかノーだったのが、今はコンプライ・オア・エクスプレインと、どうしてもだめなときはエクスプレインしろと変わってきているんですけれども、コーポレートガバナンス・コードをしっかり守れないところは市場から退場させるというか、ステークホルダーから見放されるというところがあると思うのですが、何か参考になる御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。

【中原委員】
 まず、ガバナンスコード全体は非常に網羅的にきっちりとした、がっちりとした内容になっていると思っています。
 それで、コーポレートガバナンス・コードもそうなんですけれども、100%最初からできるということはあり得ないんですよね。そういうことですと、友添先生からもありました3ページの自己説明の在り方というのが非常に重要だと思っておりまして、2つ目ですか、遵守できていない場合の説明が非常に重要、合理的な理由とか、あとは何年掛けてやっていきますとか、そういうのをしっかり作るということが非常に重要だと思っています。それと、時代によってコードもだんだん厳しくなりがちですので、そういうことも含めまして、今は遵守できていないけれども、どうやっていくんだというのを各団体が明確にしていく、それを表に出していくということが大事だと思っています。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 他にございますか。

【大塚スポーツ庁参与】
 よろしいでしょうか。すいません、参与の立場で参加させていただいています。
 立場的には小さい中央競技団体の立場もあるんですけれども、すばらしいガバナンスコードをしっかり遵守していこうという気持ちにはNFの立場でなっておりますが、先ほど友添さんからもお話があったように、先進国でコードがないのは日本だけだというところを意識して、国際的なものを意識していただいているのであれば、田嶋委員がおっしゃったように、やはりここで変わるべきは任期の2年制から4年制、そういったところは是非我々は注目していきたいと思っています。
 それから、同じポジションでの再任を避けるということも今回は記載されておりませんが、こここそやはり注視すべきポイントじゃないかなと。国際的には、そこのところは非常に注視しているポイントじゃないかなと思っています。12年というポイントは、非常に大きなポイントになると思います。
 それから、今お話しいただいた合理的な説明を伴う部分の評価です。遵守できなかった場合の合理的な説明というのも必要かもしれませんが、そのNFの独自性を持った自分たちの規程を作った場合、それが合理的な説明が伴えば認められるのかどうか、そこのところはNFによっては100年の歴史があるNF、我々のように20年、30年しか歴史がないところ、それぞれ持ち合わせている人材の数、そういったものも違いますので、そういったところで、NFが独自のガバナンス規程を打ち出してきた場合、そこを合理的な説明があれば認めていただけるのかどうか、そういうところが立場的には非常に気になるポイントでございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。

【川合参事官】
 任期制のところなんですけど、一般法人法で任期は2年以内で定めるということになっています。普通の団体は大体2年で定めていると思われますが、それを4年にするというのは、我々としては、一般法人法が変わらない限りなかなか難しいということを付言させていただきます。

【山脇会長】
 河合さん。

【河合委員】
 ありがとうございます。ちょっと1つ確認なのですが、今お話ししているのは当然NF、スポーツの中央競技団体ということなんですが、今後審査とかこういうことをしていく統括団体も、当然こういったものができているものとして考えていくという考え方でよろしいのかということの確認だけしたかったのですが。

【山脇会長】
 統括団体も対象になるか、ということでしょうか。

【河合委員】
 はい。

【山脇会長】
 それは当然です。統括団体はまず、範を垂れるというか、作った以上、まずこれをしっかりやらないと、中央団体を監査することはできませんから、まず統括団体がしっかりこれをやってほしいというのがこのコードの意図です。統括団体が例外ということはあり得ません。

【河合委員】
 ありがとうございます。

【田嶋委員】
 任期2年と法人法で決まっていることは存じ上げています。それを変えてほしいということで、先ほど申し上げたということです。
 是非我々、2年というのはあっという間に過ぎてしまう。強化の対策やそういうものも4年周期でやっているということで、スポーツ界の団体に対する任期を変えていただけないかということで申し上げたところでございます。

【友添会長代理】
 その点に関して、業務執行理事と代表理事についての扱いというところで特例条項を設ける可能性も実は検討しなければいけないということは議論の中に含んでいるということでもあります。

【山脇会長】
 他にございますか。
 ありがとうございました。先ほど、友添部会長からもお話がありましが、今日の議論はほとんど部会で、各団体のヒアリングや、各委員の議論の中で出てきたと思います。少し大きな立場から言いますと、やっぱり現状を変えないと、ステークホルダーに、これは国民であり、スポンサーであり、いろんなステークホルダーがあり、世論も含めて、その期待に応えられていないという危機感からこのコードが始まっていると思います。
 これからはスポーツ界の常識を、世間の常識を超えるようなもっとすばらしいものにしたい。今は、世間の常識にスポーツ界の常識が追いついていないのが現状だと思いますので、先ほど結城委員からありましたけれども、なぜこれをやるのかをしっかり示したい。不祥事をなくすとか、インテグリティだけのためにコードを作るということではなくて、前文のところ、第1章のところになるかも分かりませんけれども、なぜコードを作るのかをきちんと書いた方が良いのではないかと思います。
 スポーツ基本法に既に、スポーツコードの基本になることが全部書かれています。透明性や説明責任や公平性など。スポーツ基本法に書かれているスポーツの価値を守るためにこのコードがあるのだというところ。また、第2期スポーツ基本計画で我々は4つのことを宣言しました。人生を変えて、社会を変えて、世界とつながって未来を創るという4つを掲げました。人生や社会を変えるためには、まず我々が率先して、特に競技団体、スポーツの主体である当事者団体が自らを変革しないと、この計画が達成できないのではないかというところも1つあると思います。
 コードを見て、自ら組織の現状や、これからやろうとすることを比較すると、これじゃとても守れそうにないという意見が出てくるのは事実なのですが、コードに合致するような組織の在り方や運営の仕方を、よく検討して変えていった方が良いのではないか。イギリスは10年任期のコードを制定して、それでイギリスが衰退したかというと、却ってメダルがどんどん増えているような状況もあるわけですから、もう一度よく、組織の在り方を変えていくということをしっかり考えた方が良いのではないかと思います。
 それでは、今日頂きました御意見を踏まえまして、インテグリティ部会の方で更に検討を進めたいと思います。先ほど激変緩和措置として、コードを作ったときに、特に短期間にどういう影響があるのかという調査等々をいたしますので、その後さらに部会を開いて、このスポーツガバナンスコードの最終的な詰めをやりたいと思っております。今日頂きました皆さんの御意見も踏まえて、さらに部会長には大変忙しい日程となりますけれども検討を進めていただきたいと思っております。
 このコードは先ほど言いましたように、社会的な関心も非常に高く、さらに、今日御意見が出ました各スポーツ団体の影響が大きいということですので、審議会と最終的に答申をまとめる過程でパブリックコメントを行い、パブリックコメントを通じまして、更に幅広い意見を聞く手続を取るということが適当であると思っています。
 一方、長官から1月の諮問のときには、春頃までに一定の成果を得るようにという要請もございまして、審議をできるだけ速やかに進めていきたいということもあります。4月以降にできるだけ早くパブリックコメントに向けた、そのためにはもう少し部会の方でよく検討しなければならない点もありますが、その対応につきましては、部会の方に任せて、更に検討を進めたいと思っております。いかがでしょうか。
 もちろん、今日の議論の中で、言い足らないこととか、追加のコメントについては、私の方にメールなり何なりしていただくのは構いません。これからの進め方についてもう1回部会の方でしっかり検討を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山脇会長】
 特に異議がございませんようですので、友添部会長に引き続き部会の方で御検討をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次の2つ目の議題、2019年度におけるスポーツ団体に対する補助について、に移りたいと思います。
 スポーツ基本法第35条によりまして、国はスポーツ団体に対する補助金の交付については、スポーツ審議会の意見を聞いた上で行うということになっております。本議題については、スポーツ審議会運営規則第5条において利益相反に関する規程が置かれ、自己の関係する法人若しくは団体等に関する議題については、審議に参加することができないというふうにされております。これにつきまして、資料2-1にあるとおり、私が理事を務めております公益財団法人日本障がい者スポーツ協会が補助の対象になっております。
 本議題につきましては、事務局からの説明聴取の後に、まず、私に関係する団体である公益財団法人日本障がい者スポーツ協会以外の団体に対する補助につきまして、委員の皆さんから意見聴取を行い、その後、司会進行を友添会長代理に代わった上で、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会に対する補助につきましては意見を聴取という順序で進めたいと思います。議案の団体に関する委員におかれましては、それぞれ該当団体に対する補助につきまして、御発言及び議決への参加は御遠慮いただくようにお願いしたいと思います。
 それでは、事務局の方から資料の説明をお願いしたいと思います。なお、今回、審議の対象になる団体向け補助金におきましては、今月に設立されました一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)に対する初めての補助を行う見込みとなっておりますので、UNIVASをめぐる状況についても併せて説明を受けたいと思います。
 それでは、事務局の方からお願いいたします。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。それでは、資料2-1、通し番号ですと68ページの資料を御覧いただければと思います。
 今、会長からお話しいただきましたとおり、このスポーツ団体に対する補助というものにつきましては、スポーツ基本法に基づく法定審議事項ということでございます。時間が少し押しておりますので、ごく簡潔に御説明させていただきます。
 全体といたしましては、5つの団体に対しまして、2019年度全体としては11億4,000万円余りの金額の補助を予定しているということでございます。それぞれにつきまして御説明差し上げます。
 まず1番目に、公益財団法人日本スポーツ協会でございます。こちらに対しましては4億9,000万円余りということで、この補助の趣旨といたしましては、ここにございますとおり、我が国のスポーツの普及・振興を目的として行われる幅広い知識を有する指導者の養成、市民レベルによるスポーツを通じた国際交流等について補助ということで、その内訳については(1)から(3)にございますとおりです。
 続きまして2つ目、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会でございます。こちらに対しましては2億9,000万円弱の補助を予定しているということでございます。趣旨につきましては、障害者スポーツの普及・啓発、あるいは障害者スポーツ指導者の養成・活用等のスポーツ振興を行うとともに、総合国際競技大会への日本選手団の派遣等や、国際競技力向上に資する情報収集・提供等について補助を行うという趣旨でございます。内訳につきましては(1)から(3)にあるとおりでございます。
 続いて、69ページ、次のページでございますが、3つ目の団体、公益財団法人日本オリンピック委員会でございます。こちらについては2億5,000万円弱の補助を予定しております。国際総合競技大会への日本代表選手団の派遣及び国際審判員の養成等について補助する趣旨でございます。内訳については(1)から(3)のとおりでございます。
 続いて4番目、公益財団法人日本武道館、こちらについては6,000万円余りの補助ということを予定しております。我が国の伝統である武道の普及・振興を目的として行われる武道大会の開催、武道指導者の育成、国際的な武道の普及・振興による国際交流の促進、古武道の普及・啓発について補助を行う趣旨でございます。内訳につきましては(1)から(4)のとおりでございます。
 続きまして、70ページでございますが、こちらが新規の団体ということで、一般社団法人大学スポーツ協会への補助ということで5,000万円余りを予定しているということでございます。こちらは新規の案件でございますので、担当課長から続けて御説明さしあげます。

【増井参事官】
 それでは、私の方から資料2-2、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)につきまして御説明したいと思います。
 この組織ですけれども、委員の方も御存じかと思いますが、これまで日本版NCAAということで、3年近くの期間をかけまして、文科省、それからスポーツ庁におきまして様々な形で検討、議論が進められてきましたけれども、今月の1日に法人として設立されたということでございます。
 この法人の目的は、まさに大学スポーツを総合的に振興しまして、学生の誰もが学業を充実させながら安全に競技スポーツを実践するための基盤的環境を整備するとともに、地域に根差す大学スポーツの多様な価値を高めて、我が国の力強い発展と卓越性を追求する人材の輩出に寄与することを目的としております。
 役員人事も出ておりまして、代表理事、会長といたしまして、前の早稲田大学総長の鎌田薫先生、それから専務理事といたしまして、仙台大学の教授をされております池田敦司先生が選任されております。それから、3月18日に初めての設立総会も開催されまして、この場でここに書いております理事8名の方、それから監事2名の方、それから、右側にロゴが付いておりますけれども、こういったものも決定している次第でございます。
 次のページがUNIVASの実施する事業ということで、初年度、来年度どういった事業を展開していくのかということでございます。3つのテーマがありまして、学業充実、安全安心、それから事業マーケティングということです。
 例えば学業充実のテーマですと表彰制度を実施していきますし、あとは学業基準の導入可能性を検討するための実証事業、こういったことが計画されております。安全安心の分野では、暴力、体罰、ハラスメント、そういった昨年いろいろマスコミも賑わせたような課題に対応するための相談窓口の設置ですとか、指導者の資質向上のための研修、これを各地域で実施すると、こういったことを計画しております。
 それから、事業マーケティング分野におきましては、大学スポーツを今後どうやって盛り上げていくかということ、あと、学業充実、安全安心には当然費用もかかりますので、大学スポーツを盛り上げながら、しっかり将来の収益にもつながるような事業ということで計画をされております。例えば地区大会も含めた600試合近くのインターネットの映像配信ですとか、ポイント制を用いた競技横断的大学対抗戦、こういったことも計画されているということでございます。
 次の3ページのところが、3月18日時点での加盟大学ということで、199大学に加盟いただいております。競技団体としましては28団体、それから連携会員として3団体が加盟しておるということでございます。
 加盟の申込みは一番下に書いてありますけれども、4月26日まで延長しておりまして、ここまで申込みのあった大学・団体を創立メンバーとするということで、今後また加入が少しずつ増えていくということが見込まれている状況でございます。
 今後、UNIVASにおきましては、先ほど鈴木課長から説明のありました新しい補助金ですとか、スポーツ団体の助成、それから企業からのスポンサー収入、こういったものを活用しながら、先ほど御説明しました事業の具体的な肉付け、議論を進めて実施に移していくということがUNIVASの方で計画されていると聞いております。
 私からの説明は以上です。よろしくお願いします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本件につきましては、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会以外の団体に対する補助につきまして、御意見等ございましたらお願いいたします。何かございますか。
 それでは、特段の御意見がないようでございますので、原案どおりで了承させていただいてよろしいでしょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

【山脇会長】
 ありがとうございます。それでは、審議会了承といたします。
 それでは、私が理事をしております公益財団法人日本障がい者スポーツ協会に対する補助につきましては、議事進行を友添会長代理にお願いいたします。

【友添会長代理】
 それでは、よろしくお願いします。
 それでは、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会に対する補助につきまして、御意見などございましたら挙手をお願いします。いかがでしょうか。
 原案どおり了承とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【友添会長代理】
 ありがとうございます。それでは、了承ということで進めさせていただきます。司会を山脇会長にお戻しします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題3に入りたいと思います。独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)のスポーツ振興投票等業務に係る2019事業年度事業計画、予算及び資金計画案の認可につきまして、皆様の御意見を聴取したいと思います。文部科学大臣がこれらの計画を認可しようとする際には、独立行政法人日本スポーツ振興センター法第21条により、当審議会の意見を聞いた上で行うということになっております。
 それでは、JSCの方から資料の説明をお願いいたします。

【今泉JSC理事】
 ありがとうございます。日本スポーツ振興センターの理事の今泉でございます。
 この議題3に関しまして、資料3を中心に御説明申し上げたいと思います。
 まずその前に、本年度の売上について現状報告させていただければと思います。平成25年度、10億円のくじ及び海外サッカーの制度改正を行いまして、それ以降、年度の売上が毎年1,000億円を超えて安定的な売上をこれまで確保しているところでございます。
 その一方、本年度につきましては、まだもう1回年度内にございますけれども、対前年度同時期に照らしてみると、約88%程度の売上となっているところでございます。
 この売上減少の原因分析といたしましては、台風の影響でくじの対象試合が中止になったこと、あと、くじ市場全体が縮小傾向にあること等が原因と考えられております。今回、売上の減少に応じまして、助成財源については約166億円となる見込みでございます。今後も我が国のくじ市場全体が長期的に縮小傾向にあることが想定されております。このため安定的な売上を継続的に確保していくことの難易度が高まっているということをまず申し上げたいと思います。その上で、資料3に基づきまして御説明申し上げたいと思います。
 まず、今回、運営の基本方針としては4点掲げさせていただいております。まず1点目がスポーツ振興くじの安定的な売上の確保でございます。来年度におきましては、この売上の目標を1,000億円で設定させていただきたいと考えているところでございます。また、それ以外に、ページ数で申しますと、通し番号の80ページから82ページでございますが、売上確保のために5項目掲げさせていただいております。例えば売上の7割を占有するインターネットサイトの販売方法の工夫とか、広告宣伝の強化、更に魅力ある商品開発、こういうものに取り組んでまいりたいと思っております。
 通し番号82ページから83ページ目が次の基本方針の2番目でございますけれども、地域スポーツ振興のための効果的な助成でございます。ここの部分につきましては、一昨年前に本審議会で作成いただきました第2期スポーツ基本計画、その目標でありますスポーツ参画人口の拡大に向けまして、安定的かつ計画的な取組を行ってまいりたいと思います。特に助成メニューの不断の見直しと適正な配分、これに意を用いてまいりたいと考えております。
 3番目の基本方針が、本制度の趣旨の普及・浸透についてでございます。通し番号の83ページ目でございます。メディア等を通じた趣旨の広報といたしまして、これまでスポーツ振興くじのtoto助成におけますGROWINGとかブランディング動画の作成、こういうものを行ってきているところでございますが、こういうものを通じてスポーツ振興くじが、スポーツの振興を通じて社会に貢献するというものを強く打ち出してまいりたいと考えているところでございます。
 基本方針の4番目でございます。効果的・効率的な運営についてでございます。この部分は通し番号の83ページから84ページでございますが、特にここの部分については、コンサルタントと協働いたしまして、民間の経営手法を十分活用する、そういう形で効果的な経営を実施してまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして、通し番号の85ページ目でございますが、来年度の収入支出予算についてでございます。収入としては1,221億円でございます。そのうち、主たる収入が投票事業収入でございまして、1,005億円を計上させていただいております。先ほど申した1,000億円の売上目標に加えまして、時効金等5億円部分を入れさせていただいているところでございます。
 一方、支出の方でございます。支出の方につきましては、1,219億円でございますが、これにプラスして端末貸出し収入分が2.4億円あります。これを足して収入と同額の1,221億円でございます。そのうち主なものといたしましては、投票事業支出でございまして、まず、投票事業支出については780億円ありますが、まずその売上の50%部分を払戻金としてやりますので500億円、運営費といたしましては、売上の10%プラス80億円、それにシステム更改のための積立金取崩し17億円を含めました197億円、特定業務勘定への繰入れが売上の10%でございますので100億円、こういう形で計上させていただいております。
 また、収益については、投票事業収入の部分から、ただいま申しました諸費用を抜いた残額が収益でございます。収益221億円のうち助成財源を、先ほど申した166億円、国庫納付金額を55億円として設定しているところでございます。
 続きまして86ページ目が資金計画でございます。資金計画については、これはキャッシュフローでございます。2,357億円を設定させていただいております。先ほど申した予算と資金計画の主な差でございますが、投資活動に関する収入、支出がございます。これは定期預金等におけるキャッシュの出し入れを延べで数え上げたものでございまして、それが1,144億円ございますが、今申したとおり、お金の出し入れを延べで換算したものでございますので、それを差し引いたところだと予算と大体同額の資金計画となる予定でございます。
 私の方からの説明は以上でございます。ありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、本件について御意見などございましたらお願いしたいと思います。なお、本議題につきましても、先ほどと同様、スポーツ審議会運営規則第5条におきまして利益相反に関する規程が置かれております。自己の関係する法人若しくは団体等に関する案件については審議に参加することができないとされておりますので、該当する委員がいらっしゃいましたら、御発言及び議決への参加は御遠慮いただくようにお願い申し上げたいと思います。
 それでは、何か御意見等々ありましたらお願いいたします。
 それでは、特に御意見等の御発言がないようでございますので、了承の手続に進んでいきたいと思います。それでは、本案につきまして、原案どおり了承とさせてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山脇会長】 
 ありがとうございます。それでは、原案どおり了承とさせていただきます。
 それでは、次の議題、その他でございます。最後にスポーツに関する直近の動向といたしまして2点、報告を受けたいと思います。まず、スポーツ実施率世論調査の最新値につきまして、事務局から報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【安達健康スポーツ課長】
 健康スポーツ課です。それでは、資料4、通し番号87ページを御覧になってください。平成30年度スポーツの実施状況等に関する世論調査の概要についてでございます。
 次のページの通し番号88ページを御覧ください。第2期スポーツ基本計画では、スポーツ実施率を目標値として掲げております。週1回以上が65%程度、週3回以上が30%程度となっております。
 30年度の状況はグラフにございますけれども、前年度51.5%から55.1%となっております。週3回以上につきましては、前年度26%から27.8%とそれぞれ上昇が得られております。
 下の方に表がございますけれども、60代、70代は比較的高い割合でスポーツ実施率があるんですけれども、30代とか40代、働き盛りとか子育て世代のゾーンがややへこんでいるような状況になっております。
 次のページ、89ページでございます。スポーツ未実施者の状況でございます。スポーツ基本計画では1年間に一度もスポーツをしない、いわゆるスポーツ未実施者をゼロに近付けることも併せて目標にしております。グラフにございますけれども、そういった方が28年度32.9%、前年度は24.7%、今回の調査では18.4%とこちらも順調に減少しております。この1年間実施していない人の内訳として、オレンジの部分が6か月以内には始めようと思っている方、ブルーの部分が今後もするつもりはないという方になっております。こういったところもいろんな形でスポーツを促していく必要があるというふうになっています。
 この1年間に実施した種目が下にございます。ウォーキングが一番多くて男女ともに一番になっております。その他階段昇降、トレーニング、体操、ランニング、身近にできるような運動、スポーツに取り組んでいるような状況が見られるところでございます。
 最後のページ、通し番号の90ページでございます。1年前に比べて運動・スポーツをする頻度がどう変わったかということで、全体では増えたと答えている方が16%、一方、減ったという方が23%ございました。
 中段でございますけれども、1年前と比べて、スポーツを実施する頻度が増えた方は、やはりウォーキングがかなり多く、新しく取り組んだという形になっています。ウォーキング、トレーニング、ランニングなどとなっております。
 最後に下段でございますけれども、そういったスポーツをする、あるいはできない要因でございますが、この1年間に運動・スポーツを実施した理由で一番多いのは健康のためということで77.9%となっています。その他体力の増進、運動不足を感じるから、あるいは楽しみ、気晴らしのため、様々な理由でスポーツに取り組んでいる状況が見られます。
 右側は、逆に言うと頻度が減った、あるいはなかなか頻度を増やせない理由ですけれども、仕事や家事が忙しいからというのが45.1%、ビジネスパーソンですとか、そういったゾーンが大きな課題になっています。その他、面倒くさいから、年をとったから、お金に余裕がないから、そういった理由になっております。
 現在、昨年御報告しましたスポーツ実施率を向上させるための行動計画に基づく取組をしているとともに、健康スポーツ部会では中長期的なスポーツ実施率向上の対策を検討しております。引き続きそれらによってスポーツ実施率の向上、引上げに取り組んでまいります。
 簡単ですが以上でございます。

【山脇会長】 
 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして何か御質問、御意見等々ございますか。大日方さん。

【大日方委員】
 御説明ありがとうございます。ただいま、スポーツ実施状況の調査につきまして教えていただきましたけれども、これは障害のある方たちは含まれているのでしょうかということと、別途やる予定があるのかということについて教えてください。

【安達健康スポーツ課長】
 ありがとうございます。スポーツ実施率につきましては、障害者の方の調査も別途行っているんですけれども、これは2年ごとに行っておりまして、29年度の状況を前回お示ししたので、今年度はないんですけれども、また来年度実施する予定となっております。

【大日方委員】
 そうしますと、一般の健常者は毎年行っているけれども、障害者のスポーツ実施率の調査は2年に一遍ずつというのが状況ということですね。なるほど。
 これは私の感想ですけれども、障害者のスポーツ実施率というものは、今2020年に向けまして非常に重要な局面にあると思っておりまして、是非今後はこういったところにつきましても調査のポイントを同じくしていただくことによって、経年の変化がとれるようになっていくと思いますので、審議会の場としては是非お願いしたいと思っております。これはお願い事ですので御検討いただければと思います。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 その他に何かありますか。庄野委員、お願いします。

【庄野委員】
 昨年度と今年度は同じ項目で手法も一定の条件がそろった状態での実施率の向上が見られるということで、取組の効果が出ているのかなという推測ができると思うんですけれども、ただ、ちょっと質問があるんですが、ウェブ調査を今されていて、対象者が毎年2万人ということですよね。対象パネルとして楽天インサイトに220万人ほどが登録されてあって、その中から2万人という調査の対象は、220万人の中の2万人というのはどのような方法で抽出されたのかということと、昨年の2万人と今年の2万人はオーバーラップしている人もいるのかなということと、その登録している220万人の中にはもしかしたら障害者の方も――大日方さんの意見を聞いて思ったんですけれど、含まれている可能性もあるんじゃないかなということでいうと、この2万人の対象者の特性というものが、きちっとすべからく把握されているのかというところがちょっと気になっているので教えていただきたいです。お願いします。

【安達健康スポーツ課長】
 まずこれは、ウェブ調査でございますので、登録モニターの中から2万人を選定するのは、いわゆる日本の人口動態に基づきまして、男女比ですとか年齢ですとか、あと地域を8つに分割しまして、日本の縮図をこの2万人で集約した形でパネルの方をお選びして調査をしているということでございます。ですから毎年、もしかして同じ人が選ばれているかもしれませんし、登録されないかもしれないということがございます。
 あと、この2万人の中には、数%ですけど、障害を持っていらっしゃる方がいるというのは把握しています。ただ、母数としては非常に小さいので、どう取り扱うのかというのはありますけど、特性は調べているところです。

【庄野委員】
 普通の調査というのは、回収率というのが出るわけですけれども、これはいつも回収率が100%と言われていますが。
 2万人にクエスチョンを出して返ってきたのか、そこのところが、アクセスしやすい状況、環境にあるとか、答えたがる人とか、そういうセレクションバイアス的なものがもしかしたら。そこら辺が見えてこないので、もう少し分かりますか。
 2万人答えが返ってきたところでストップされているという話を前に聞いたことがあるんです。

【安達健康スポーツ課長】
 そういうことです。はい。ですから、回答率とかそういうことではない形になります。

【庄野委員】
 それで、全く運動・スポーツをやっていないと答えた人が減ってきているというのも好ましい結果だと思うんですけど、まだ運動・スポーツの概念を本当に国民がみんな理解している、スポーツ庁が伝えようとしているスポーツの概念が、フィジカルアクティビティー、普通のアクティビティーも日常のアクティビティーも含めたところに概念を拡大しようとしているところが、この対象者の国民にどこまで伝わっているのかなという。それでいうと、本当に何も1年間していない人は、本当に引きこもりの人かというふうにも捉えられるので、そこのところは質問の仕方と回答者の受け止め方の乖離がないだろうかなというところも教えてください。推測で結構です。

【安達健康スポーツ課長】
 ありがとうございます。スポーツ実施率で、この1年間スポーツをしていますか、というのは、今、通し番号89ページの下段に多く実施した種目が書いてございますけれども、例えばウォーキングは散歩、ぶらぶら歩き、一駅歩き、階段昇降、トレーニング、こういうのが67項目ずらっと並んでいまして、競技性の高いものからこういった身近なスポーツまで含めて書いていますので、こういったものを見ていただいて御判断いただいて回答しているということですので、今、庄野委員がおっしゃったように、こういった身近なものもスポーツですよというのを殊さら強調すると、前年度の違いがなかなか出ないので、前年度と同じような形で調査はさせていただいていますけれども、こういったいろんな種目は選択できるような形で見ていただいて回答するという形にはなってございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、次の報告に移りたいと思います。先の通常国会で新たに制定されましたドーピング防止活動推進法に基づいて、このほど基本方針をまとめられたということですので、事務局からこの報告をお願いいたします。

【粂川国際課長】
 国際課でございます。資料5-1、通し番号で91ページを御覧くださいませ。
 趣旨のところでございますけれども、本件は、昨年の6月に成立し10月に施行されましたスポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律第11条第1項におきまして、文部科学大臣は、ドーピング防止活動に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針を定めなければならないということを受けまして策定したものでございまして、本年3月14日付で告示をされてございます。
 概要ですけれども、文部科学省としましては、平成19年の段階でスポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドラインを策定しておりまして、今回の基本方針はこのガイドラインをベースとしまして、法律に規定されております基本理念、基本施策に沿いまして、より具体的な内容を基本的な方針として示したものでございます。
 構成といたしましては、3つに分かれておりまして、第1としまして、意義、定義、組織の役割などの基本的な内容を定めてございます。
 第2のところで、法律に規定されております基本的な施策につきまして、より具体的な内容を記載しております。この法律の最も重要な点の一つが、関係機関間の情報共有でございます。これはドーピングに該当する行為には、ドーピング検査だけでは捕捉できない行為も含まれておりまして、このドーピング防止のための国内外の関係機関間のインテリジェンス情報の共有というものが必要になるということで、今般のドーピング防止活動推進法はこの情報共有の法的基盤を与えるものということでございますが、この基本方針において共有する情報の範囲、あるいは共有の方法等を具体的に規定してございます。
 第3はその他のドーピング防止活動の推進に必要となる事項を定めてございます。具体的には、世界アンチ・ドーピング規程等にのっとったドーピング防止活動を行うこと、あるいはプロスポーツ団体にもドーピング防止活動に努めるように求めること、そして、栄養補給剤、いわゆるサプリメントでございますけれども、安易な摂取等を避けるべきである一方で、これらが流通している状況に鑑みまして、製造業者等が広く連携してドーピング禁止物質の混入リスクの管理枠組みを確立して、ガイドラインを定めてリスク情報等を適切に発信するということを期待すると。あるいは最後のところですけれども、スポーツ施設の新設、改修に当たっては、ドーピング検査室の設置に留意するということを努めることを規定しているという内容でございます。
 なお、この基本方針の策定に当たりましては、意見公募、いわゆるパブリックコメントの手続を行っております。関係省庁や世界アンチ・ドーピング機構との調整も行った上で策定しております。
 以上でございます。報告させていただきました。ありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、この今の報告につきまして何か御意見、御質問がございましたらお願いしたいと思います。鈴木委員、お願いします。

【鈴木委員】
 鈴木でございます。昨年10月1日に施行されましたスポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律に基づきまして、この基本方針を定めていただきましたことに感謝申し上げます。
 現場の声をお聞きいただきながら、具体的な活動方針というものが明確に、なおかつこれからを見据えて幅広く示されておりまして本当に感謝しております。日本アンチ・ドーピング機構としましては、国内のドーピング防止機関として、国、そして日本スポーツ振興センター、スポーツ競技会の運営団体及び関連団体、そして世界アンチ・ドーピング機構と連携しまして、また御支援、御指導いただきながら今後も活動を続けてまいりたいと思います。ありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 他にございませんか。ありがとうございました。それでは、予定しておりました報告まで終わりましたので、このあたりで意見交換を終了したいと思います。
 最後に、長官から一言よろしいでしょうか。お願いいたします。

【鈴木スポーツ庁長官】
 本日は御審議をいただきましてまことにありがとうございました。
 特に活発な議論をいただいたのはガバナンスコード作成のところであります。昨年は不祥事が続きまして、言うなれば適切でない人が役員にいた団体もありまして、こういった方々を、このコードがあればきれいにできたというところがありまして、こういう意味ではこのコードが効力を発揮するんだろうと思いますが、本日いろいろ頂いた意見の中では、一方で優良な団体にとっては、うまくいっている、発展を阻害してしまうようなコードであってはいけないとも思いますので、バランスのいいコードを作成するということで、引き続き友添部会長をはじめ、お願いしたいと思っています。
 本日、山脇会長の方からも、これからパブリックコメントの話もございましたけれども、また国民の皆さんからの意見を頂きながら、そして本年の6月ぐらいに、これは非常に重要な案件ですので、しっかり御議論いただくということで、本年6月ぐらいに御審議をまとめていただければと思っております。
 ラグビーまで半年、そしてオリ・パラ大会まで500日切ったということで、日本のスポーツ界、クリーンな状態で大きな大会を迎えられるように、皆さんとともに引き続き日本のスポーツ界の新しいところを創ってまいりたいと思います。引き続き御協力をお願いいたしたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

【山脇会長】
 どうもありがとうございました。先ほど申し上げましたような部会でのさらなる検討、それからパブリックコメント等も含めまして、日程を立ててやっていきたいと思います。
 最後に、何か事務局からありますか。

【鈴木政策課長】
 4月1日付の事務局の人事異動が今し方オープンになりましたので、関係者の御紹介をさせていただければと存じます。まず、籾井競技スポーツ課長です。

【籾井競技スポーツ課長】
 競技スポーツ課長の籾井です。つい先ほど内示をもらいまして、4月1日付で文部科学省の総務課広報室長ということで内示をもらいました。2年前にスポーツ庁に来た際は、公私ともにスポーツとは無縁ということで、どうなることかと思いましたが、あれよあれよという間にどっぷりはまり、これから大きな国際競技大会が迫っている中で物すごく後ろ髪を引かれる思いではありますが、これからは文科省の広報の立場からスポーツ庁の施策を陰ながら応援していければと思います。2年間本当にお世話になりました。(拍手)

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。私は政策課長の鈴木でございます。このたび、4月1日で大阪大学の理事に出向を命ぜられました。私の方はたった1年ということで、非常に不十分な、なれないまま去るということで、大変忸怩たる思いもございますが、大阪大学は先ほど御紹介ありましたUNIVASにも加盟しておりますし、また、研究面でもスポーツに関わる研究も盛んだと聞いておりますので、また別の形でスポーツ振興のお役に立てればと思いますので、今後とも御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)

【山脇会長】
 ありがとうございました。籾井課長、鈴木課長、本当にありがとうございました。本当に短期間で集中していただいて、すばらしい仕事をしていただいたと思います。改めて厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで終了いたします。ありがとうございました。

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