スポーツ審議会(第12回) 議事録

1.日時

平成30年7月26日(木曜日)14時00分~16時30分

2.場所

文部科学省第一講堂

3.議題

  1. 第2期スポーツ基本計画の実施状況の検証・評価
  2. スポーツ実施率向上のための行動計画について(答申案)
  3. スポーツ国際戦略について(答申案)
  4. 当面の諸課題
  5. その他

4.議事録

【山脇会長】
 皆さん、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまからスポーツ審議会、第12回の総会を開催したいと思います。
 本日は大変お忙しい中、また猛暑の中を御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 それでは、まず、スポーツ庁におきまして人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。それでは、前回の3月の総会以降の事務局の異動につきまして御紹介させていただきます。本年4月にスポーツ総括官に就任いたしました齋藤でございます。

【齋藤スポーツ総括官】
 齋藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木政策課長】
 7月25日付で民間スポーツ担当の参事官に就任いたしました川合でございます。

【川合参事官】
 川合でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木政策課長】
 また、私は本年4月に政策課長を拝命いたしました鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 次に、本日の配布資料の確認を、事務局の方からお願いいたします。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。本日の資料につきましては、お手元の議事次第にございますとおりです。本日は、議題を3点御用意させていただいておりますが、それに沿う形で資料1、2、3と、その他の参考資料を1から7まで御用意させていただいておりますので、御確認いただければと思います。不足等がございましたら、お申し付けいただければと存じます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。御確認いただきまして、もし資料に不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。
 それでは、本日はこの議事次第にありますとおり盛りだくさんの審議がございます。一つは第2期スポーツ基本計画の実施状況の検証と評価、二つ目にスポーツ実施率向上のための行動計画、これは答申案です。それから三番目にスポーツ国際戦略、これも答申案でございます。四つ目が当面の諸課題、五つ目にその他ということで、今日はこの5点につきまして皆様に御審議、御議論いただきたいと思っております。
 なお、本日は報道の関係者より会議の撮影・録音を行いたいという旨の申出がありまして許可しておりますので、この点についても御承知おきいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、最初の議題に入ります前に、スポーツに関する直近の動向につきまして、事務局よりまず報告していただきたいと思います。お願いいたします。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。それでは、スポーツに関する最近の動向に関しまして、参考の資料を御覧いただければと思いますが、参考資料1から2に沿いまして御紹介を簡単にさせていただければと思います。
 まず1点目でございますが、先般の国会におきましてオリンピック・パラリンピックに関連する法律が制定されたということがございます。それに関する内容につきまして、まず御紹介いたします。参考1-1とあります横長の資料があろうかと存じます。こちらはその四つの関連の法案に関しての骨子をまとめたものでございます。内容といたしましては、まず最初の①のオリパラ特措法・ラグビー特措法の改正という形で、これは2020年のオリンピック開催年に限りまして祝祭日を移動させるということが内容となっております。この図の内容を御確認いただければと思います。
 それから2点目で、スポーツ基本法の一部改正ということで、これは国民体育大会を国民スポーツ大会に名称変更する等々、あるいは関係団体の名称変更を併せて定めるということでございます。
 続いて3点目は祝日法の改正ということで、こちらは体育の日の名称をスポーツの日に改める等の内容が含まれたものでございます。
 最後に4点目としまして、ドーピング防止活動推進法ということで、ドーピング防止に関する基本理念のほか、文部科学大臣がこの防止活動に関する施策を総合的に推進するための基本方針を定めると、そのようなことなどが規定されたものでございます。
 それぞれの法律改正の詳しい内容及びこれに伴う具体的な留意点に関しましては、次の参考1-2というスポーツ庁次長名の通知がございますので、後ほど御覧おきいただければと存じます。
 それから2点目でございますが、参考2の資料を御覧いただければと存じます。政府におきましては、毎年この夏の概算要求に先立ちまして、様々な経済運営等々の方針というものを決定しているところでございます。このうち、平成30年度のスポーツ関係の主なものというのを取りまとめたものがこちらの資料でございます。
 簡単に御紹介だけさせていただきますと、最初の1ページ、様々な方針の中で最も予算等に直結してまいりますのが経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太方針と称されるものでございますが、この中でスポーツに関しても項目が立てられているということで、主に中ほどにございます④スポーツ立国の実現、それからその下の⑤2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会等へ向けた取組、この項目においてスポーツ関係の重要な施策、取組の方針というのが一応網羅される形で記述されているということでございます。特に④のスポーツ立国の実現におきましては、この方針が経済財政運営ということで経済政策の観点が前面に出ることもございまして、記述としてはまず民間資金活用に関わるような事柄ということが置かれた上で、全体的な様々なスポーツ振興の政策が網羅的に記述されると、そのような記述のスタイルになっているところでございますが、特に本年度に関しましては、後ほどの議題の御説明の中にも含まれてまいります日本版NCAA、それからスポーツ実施率の向上、あるいはスポーツを通じた国際貢献、インテグリティ、こういった事柄についてもキーワードとして盛り込まれているということを御確認いただければと存じます。その他もろもろ、いわゆる成長戦略など様々な政府方針につきましては後ろの方に添付されておりますので、御参照いただければと思います。
 1点だけ付言させていただきますと、この1ページの下の脚注のようなところでeスポーツ、エレクトロニクス・スポーツの略称でございますけれども、こういった言葉も政府方針の中には出てきているということでございますが、現時点ではこれはスポーツの項目の中での取り扱いということではなく、文化芸術立国、クールジャパン戦略の中の位置付けとして紹介がなされているということを申し添えさせていただきます。
 こういった政府方針の下で今後様々な概算要求等を文部科学省としてもスポーツ庁としても対応していくということでございますので、御承知おきいただければと存じます。
 以上でございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 今の報告につきまして、何か御質問等ありますか。
 特になければ、今日の最初の議題、第2期スポーツ基本計画の実施状況の検証・評価に移りたいと思います。
 第2期スポーツ基本計画では、当審議会において計画の進捗状況の定期的な検証を行い、改善策を講じるとともに、第3期スポーツ基本計画の策定につなげるとされております。この具体的なサイクルにつきましては昨年7月の第8回総会にて御了解いただきまして、ここの参考の一番後ろの方ですけども、参考5というところにこのサイクルが書いてございますので、このとおり進めていくわけでございますけれども、今回は平成31年度の概算要求というものを見据えまして、この計画記載の数値目標を確認しつつ、これまでの実績状況を評価するとともに、今後の取組の在り方について意見を聴取するということにしております。
 関係資料を事前に各委員の皆様方にはお送りいたしまして、頂いた意見は本日、皆様の机上配布資料としてお手元に配布しております。本日は、先ほど申し上げましたが答申案のほかに多くの議題がございまして、特にこの二つの答申案の審議に多くの時間を当てたいと思いますので、この最初の議題につきましては簡単に事務局の説明を受けた上で、この場で御発言をされたいということがあればお願いしたいと思います。
 それでは、まず事務局の方から説明をお願いいたします。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。それでは、資料1を御覧いただければと存じます。ただいま山脇会長から御紹介いただきましたとおり、こちらの検証・評価、いわゆるフォローアップに関しましては、参考5の資料にあるようなサイクルで実施するということで、夏の概算要求に先立ってこの検証・評価作業を行い、審議会から頂戴した意見を概算要求に反映させるということ。さらに、年が明けて政府予算案が決まった後にまた状況を御報告して、この予算の執行や準備に当たっての留意点について御意見をまた改めて伺うと、そのような流れを想定しているところでございます。
 今回は夏の概算要求に向けてということでございますが、基本計画の内容は大変多岐にわたってございますので、特に第2期の特徴でもあります数値目標というものに焦点を当てまして、今回は項目を10の項目に大ぐくりにいたしました上で、主に数値的な指標の推移というものに着目した検証を行おうということで、この資料を取りまとめさせていただいております。
 まずこの資料の見方に関しまして、めくっていただきまして1ページ目、この点検項目1を御参照いただければと思います。スポーツ参画人口の拡大(スポーツ実施率関係)でございますけれども、この資料の作りといたしましては、まず冒頭に数値目標の進捗という形で、データ的にどういう状況にあるかということを記述いたしております。その中で、この点検項目1でありますと二つの丸がございますが、評価の用語、評語といたしましては文章の末尾に「着実に進捗」と、もう片方は「加速させる必要」というような表現がとられておりますけれども、これはこの2021年、最終的な目標達成に向けて現在の伸び率であれば多分大体達成できるであろうと思われるような場合に着実に進捗。一方、このペースだとちょっと届かないぞというようなものについては目標達成に向けて加速させる必要と、そのような用語を用いて全体を使い分けしておりますので、御留意いただければと思います。
 その目標進捗の評語の総括のすぐ直下にこういった形でそれぞれの項目ごとの計画策定時の数値、及び現時点の最新値、目標値というものを併記して、御覧いただけるようにしております。さらに下半分のところでは、左下の方では取組状況としまして、基本計画策定後のこれまでにやってきた取組はどういうものであるのか、さらに右側には、右下には今後の展望といたしまして、どういうことを予定しているのかということを記載させていただいております。本日は時間の関係もございますので、主として最初に掲げております目標の進捗の冒頭の総括の部分をざっと御紹介させていただければと思います。
 まずこの点検項目1に関しましては、成人全体としての週1回スポーツ実施率に関しては着実に進捗、その一方で障害者の方々の実施率については加速させる必要というような状況になっているということでございます。この取組の今後の展望に関しましては、まさに本日御議論いただくスポーツ実施率向上の計画というものが要になってくるということでございます。
 続きまして2ページでございますが、点検項目2番、スポーツ参画人口の拡大(子供関係)とございます。この進捗に関しましては、自主的にスポーツをする時間を持ちたいと思う中学生の割合という点では着実に進捗ということでございますが、一方ではスポーツ嫌いの中学生の割合でありますとか、子供の体力の指標に関しては目標に向けて加速させる必要というような形で分かれてきているというようなことがございます。ここについては、今後の展望にございますような新しい学習指導要領の徹底でありますとか、今進められております部活動の改革ということが一つの要にもなってこようかと思います。
 続いて3ページでございますが、点検項目3、スポーツ環境の充実(総合型地域スポーツクラブ関係)ということでございますが、こちらについては、現在そもそも総合クラブの登録認証制度等々に関して、そういった制度を新たに作ろうという動きでございますので、それらの制度がまだ現状未整備ということでありますので、この時点で現在は調査ないし評価を下すことが難しいという事情がございますが、一方で総合クラブの在り方ということに関して様々改善・改革していこうというような動きについては、まだ動きが加速させる必要があるなというような整理になっているところでございます。
 続いて資料の4ページでございますが、点検項目4番、大学スポーツ関係。これに関しては大学スポーツアドミニストレーターの配置ということが目標と掲げられておりますけれども、これについては現在まだ加速させる必要があるということでございます。なお、この資料で若干最新状況がまだ反映されておりませんので、口頭で補足させていただきますと、取組状況というところにございますが、現在大学スポーツにおける先進モデルの企画・立案をする事業を幾つかの大学をモデルとして指定しているところでございますが、この資料中の8大学、これは29年度の数字でございまして、つい先頃30年度の大学を選定いたしまして、30年度におきましては15大学ということで拡充しているということでございますので、御留意いただければと思います。
 このページの下にその他特記事項とございますが、日本版NCAAというものが準備委員会を立ち上げるとございますが、こちらにつきましても去る7月24日に1回目の準備委員会を立ち上げたということでございますので、これについては後ほど最後の議題の中で御紹介させていただければと思います。
 続きまして、点検項目5番の障害者スポーツ関係、これは次の6ページと二つのページにまたがっておるところでございますが、障害者スポーツ関係につきましてはいろいろな指標が目標としてございますけども、スポーツ指導者数の増ということに関しましては着実な増加が見られる一方で、実施率等の指標に関しては総じて加速させる必要があるというような点が出てきております。これについては今後の取組が一層必要になってくるということでございます。
 続きまして点検項目6番、スポーツを通じた経済活性化でございますが、こちらについては、現在そもそもこの市場規模というものについての推計方法というものを検討中の段階ということでもございますので、現時点ではこの進捗状況を評価するということが難しいタイミングであるということでございます。
 続いて点検項目7番、スポーツを通じた地域活性化でございますが、これにつきましては外国人旅行者数でありますとかツーリズム関連消費等々、いずれの指標を見ましても着実に増加ということが見られるということでございます。
 続いて点検項目8番、スポーツを通じた国際貢献でございます。こちらにつきましても国際競技団体における日本人の役員数等々、様々な日本のプレゼンスに関する指標の面では着実に増加していると、進捗しているということが言えようかと思います。これにつきましては後ほどのスポーツ国際戦略というものが今後の取組の要になってまいりますので、また御審議いただければと思います。
 次いで点検項目9番、国際競技力の向上ということでございますが、こちらにつきましても最終的な評価は2020年の東京大会の成果というものを見ないと評価が下しにくいところでもございますけれども、現時点では平昌オリンピック、冬季大会の成果というものが既に上がってきておりますので、そういった意味では順調に進捗してきているということも言えようかと思っております。
 最後に点検項目10番、クリーンでフェアなスポーツの推進ということで、これにつきましては、目標としましてスポーツ団体における紛争解決の仕組みの整備状況ということが指標となっているところですが、これについてはまだ十分ではない、目標達成に向けて加速させる必要があるというようなことになっております。まさに現在スポーツ・インテグリティの確保ということが焦眉の課題ともなっておりますけれども、これにつきましては、後ほど最後の議題の中で現状の御報告、また御意見を賜れればと思っております。
 駆け足でございますが、全体としては以上でございます。よろしくお願いいたします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 先ほど申しましたように、本資料につきましてはもう既に各委員にお送りいたしまして意見を頂いておりますけれども、もし本件につきましてこの場で何か御発言したいということがございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。庄野委員、お願いします。

【庄野委員】
 庄野と申します。
 点検項目1のところで、スポーツ実施率関係の目標値に関しては特に問題はないと思いますが、成人のスポーツ実施率と障害者スポーツに関する実施率に関しては、調査の出所が違うというところがあります。つまり進捗状況の表現に関して、成人全体について週1回のスポーツ実施率が28年の42.5%から29年の51.5%に上昇など「着実に進捗」という言葉が使ってあります。これまでの成人におけるスポーツ実施率の調査方法が、平成27年までの聞き取り調査から、平成28年からWEB調査が変わったのは点線で示されているところで、今後も多分WEB調査が行われると思うので、今後は一定した方法で行われると思うんですが、27年から28年の落ち込み、そして28年から29年にかけて急激な上昇と、この減少と上昇に関しては不自然さが拭えない。調査票を精査したところ、スポーツの概念の捉え方の拡大によって調査項目が増えていたりとか、選ぶ種目の順番が若干並び方が変わっていたりと、そういう変更がバイアスとして入っている可能性もあると思われます。それに対して障害者のスポーツ実施率に関してはほとんど動いていないと、むしろこちらの方が自然な印象を受ける。成人のスポーツ実施率が「着実に進捗している」と言ってしまっていいものか、御意見を伺いたいと思っております。

【山脇会長】
 ありがとうございました。

【安達健康スポーツ課長】
 ありがとうございます。今、参考資料の3ページの2-1で長期的なスポーツ実施率の状況がございますけども、長いトレンドで見ますと順次スポーツ実施率はなだらかに上昇しているところでございます。今庄野委員が御指摘のとおり、27、28年と少し落ち込みがございまして、私どもがこの理由を検討したんですけども、一つ言えるのは、27年度は、下にございますけども「オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」と同時に開催したということで、スポーツの概念が競技性の高いものに少し引っ張られたのかなというところもございます。ただ28年度もこういう状況でございますが、いずれにしましても第2期スポーツ基本計画は29年度から始まっておりますので、健康スポーツ部会でも御議論がありましたけども、この計画期間は同じ項目で評価して、推移を適切に評価しようと考えております。

【庄野委員】
 要するに実質的なスタートラインの数字としては、29年の数字がスタートラインとして存在する方が自然だと思うわけですよ。今後の取り組みによる変化というのは上昇が期待できますが、29年の評価において既に「着実に進捗」という表現をとられることに関して、疑義がまだ残っているというところです。
 公の調査というのは、その調査自体の信頼性とか妥当性が重要なわけで、その評価に関して実際に介入した成果なのか、調査方法や内容の変更によるバイアスなのかといったところに関して明確な結論は出せないと思うので、だとすれば、都合の良い解釈をしないよう、御検討いただければと思います。

【山脇会長】
 ありがとうございました。なかなか検証する基準というところと、その評価するときに、どの数字を基点にするかどうかといういろいろな問題がございます、今の御指摘のような問題もありますので、もう一度次回行うときにはこの評価の基準と、その関連性について、もう少し明らかにしていただけるように注意を払っていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 それでは、次の議題に移りたいと思いますが、もし御意見等がございましたら、後日でも結構でございますので事務局の方に御連絡を頂ければと思います。事務局におきましては、基本計画の策定の目標の実現に向けて、皆さんから頂いた御意見を踏まえて来年度の概算要求をはじめ、必要な施策をしっかりと進めていただくということをお願いしたいと思います。審議会としましては、引き続きこの計画の実施状況を定期的にフォローしてまいりますので、事務局においては幅広く、先ほどの検証の評価の基準とかいろいろなことも含めてですけれども、具体的なエビデンスを集めて継続的な努力をお願いしたいと思います。
 それでは、最初の議題はこれで終わりまして、次にスポーツ実施率向上のための行動計画について答申案が出ておりますので、この審議に移りたいと思います。昨年の7月設置以降、この健康スポーツ部会においてスポーツ実施率の飛躍的な向上に向けた推進策ということで審議が行われてまいりましたけれども、資料2-2にあるとおり答申案がまとめられております。答申案の取りまとめをしていただきました渡邉健康スポーツ部会長から御報告を頂いた上で、皆様に御審議をお願いしたいと思います。
 それでは、渡邉部会長、よろしくお願いします。

【渡邉委員】
 ありがとうございます。そうしましたら、議題2につきましては資料2-1、2-2、2-3に基づきまして御説明申し上げます。
 まず、資料2-1の概要に基づいて、全体的な流れ等について説明申し上げます。1枚目を御覧ください。平成29年3月24日に策定されました第2期スポーツ基本計画では、柱の一つとして「する」「みる」「ささえる」スポーツ参画人口の拡大を掲げ、成人の週1回以上のスポーツ実施率を65%程度、障害者は40%程度とする目標を掲げてまいりました。この基本計画は平成29年度から5年間の計画でありますが、この計画期間におけるスポーツ実施率の目標の達成に向けましては、平成29年7月7日、鈴木大地スポーツ庁長官からスポーツ審議会に対して諮問がなされました。
 諮問では、まず1年を目途にビジネスパーソン、女性、子供、高齢者を主な対象としつつ、障害者も含め広く国民全体に向けたスポーツ実施率の向上のための新たなアプローチ、即効性のある取組を行動計画としてまとめてほしい。また、主な対象ごとにそれぞれの課題を整理しつつ、新たな制度の創設や制度改正も視野に入れ、中長期的な施策については2年を目途に取りまとめることとされております。本日お示しする答申案は前者の行動計画に対応するものでございます。
 それでは、流れを御説明申し上げます。平成29年7月7日のスポーツ審議会総会におきまして、スポーツ審議会令第5条第1項及びスポーツ審議会運営規則第3条第1項に基づきまして、スポーツ審議会に健康スポーツ部会を設置する旨が了承されました。健康スポーツ部会では、スポーツ実施率の飛躍的な向上に向けた方策について調査、審議を行うために知見を有する委員からの情報提供など受けまして、昨年来6回の会合を持ち、検討を重ねてまいりました。また、広く一般に向けましてスポーツ実施率向上のためのアイデア募集、パブリックコンペティション、通称パブコンと申し上げます、を実施いたしました。さらに本答申の事務局案に対しましては、パブリックコメントを去る5月17日から同31日まで実施し、広く各界、各層からの意見を審議に反映させております。
 今般、スポーツ実施率向上のための行動計画について答申案をスポーツ部会として取りまとめましたので、ここに報告させていただき、スポーツ審議会総会におきまして本日御検討いただきたいというふうに書いてございます。
 2枚目の答申案の概要についてでございますけれども、これは資料2-2の答申案本体にて御説明させていただきます。
 それでは、資料2-2、まずは3ページをお開きください。2ページまでにつきましては、今の私の説明で大まかなことが書いてございます。1.スポーツ実施率向上のための行動計画策定の目的でございます。ここは文章が長いものですから、要点のみを説明申し上げます。目線としては下段を御覧ください。第5段落、第6段落あたりを読ませていただきます。
 スポーツ基本法を踏まえれば、スポーツはより幅広い身体活動として解されるべきであり、過大な負荷をかけずとも、うまくはなくとも、楽しみながら体を動かすことがスポーツであるという認識を広めていくことが必要です。スポーツ実施率の向上により、国民全体でスポーツに親しみ、スポーツに参画することの習慣作りを広げていくことは、単に個々人がその恩恵に浴するのみならず、国民の健康寿命の延伸に寄与するという社会的な便益をもたらします。
 ページをめくりまして4ページを御覧ください。最後の段落になりますけども、本答申案では一人でも多くの方がスポーツに親しむ社会の実現を目的とし、生活の中に自然とスポーツが取り込まれている「スポーツ・イン・ライフ」(生活の中にスポーツを)という姿を目指しております。この「スポーツ・イン・ライフ」というフレーズは本答申案の副題にも取り入れております。
 続きまして、6ページを御覧ください。2.スポーツ実施率向上のための行動計画を推進する意義でございます。日常的にスポーツを実施している人ほど生活満足度が高い、ストレス解消効果を感じているとの調査結果がございます。また、生活習慣病の改善には食生活の見直し、禁煙、適度な睡眠の確保などと並んでスポーツの実施も重要な要素となっており、スポーツをすることによる健康増進効果が期待できる。日常生活の中で自然にスポーツに親しむ「スポーツ・イン・ライフ」を実践することにより、スポーツの価値を享受するとともに、みずからの健康増進、ひいては健康寿命の延伸を図り、健康長寿社会を実現していくことが求められている。また、年代、性別、障害の有無等に関わらず全ての人々がスポーツを通じて地域社会とのきずなを深めることは、共生社会の実現にも寄与するということを書いてございます。
 続いて7ページを御覧ください。3.スポーツ実施率向上のための具体的取組でございます。ページをめくっていただいて8ページです。本答申案では、〔1〕施策の対象、〔2〕施策の段階、〔3〕施策に取り組むべき主体について60の施策を取りまとめております。なお、この60の施策については再掲を含んでおります。
 〔1〕施策の対象につきましては、広く国民全体に向けた取組のほか、主な対象としてスポーツ実施について二極化が課題である子供・若者、特にスポーツ実施が低いビジネスパーソン、相対的にはスポーツ実施率が高いが健康・体力の保持等が必要である高齢者、男性と比較してスポーツ実施率が低い女性、スポーツ実施率が低く未実施者の8割強が無関心層である障害者としました。
 〔2〕施策の段階ですが、スポーツをする気にさせる施策、スポーツをするために必要な施策、スポーツを習慣化させるための施策の3段階としております。
 〔3〕施策に取り組むべき主体といたしまして、国(政府)、地方自治体、産業界(企業・スポーツ産業)、スポーツ団体等(スポーツボランティア団体等を含む)、医療福祉関係者(医療保険者等を含む)、学校等(保育所、認定こども園等を含む)の6主体としております。
 続いて10ページを御覧ください。ここから対象ごとの取組につきまして御説明申し上げます。まず10ページの(1)全体に共通する取組でございます。上段にございます実線囲いにつきましては取組の概要を示しております。本日はこの概要について説明させていただきます。一方、この後出てまいります各取組につきましては、実線囲いの上に点線囲いがございます。こちらは各対象ごとの状況や課題を示しております。そしてその後に具体的な取組について記述しております。
 まず10ページ、全体に共通する取組でございます。全体に共通する取組は25施策あります。その概要について、囲いの説明を行います。スポーツそのものの捉え方について既存の概念を広げて、生活に身近なものであるという意識改革を図ることが重要である。スポーツ以外の分野と連携した誘引策によって無関心層に働き掛ける取組を実施していく。重要となる広報においては、そのターゲットを明確にしつつ共感性に着目した情報発信を行い、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等で醸成される機運を生かし、関連組織・団体と連携しながら普及啓発を実施していく。
 スポーツをする際に重要となる指導者や仲間、場所のマッチング機能の充実のため、検索可能なポータルサイトの開発等に取り組んでいく。関係省庁との連携を深めて施策を推進していくことが重要であり、特にスポーツと健康というテーマにおいては関係の深い厚生労働省と両省の連絡会議を通じ、連携した取組を推進する。
 以下の具体的取組につきましては、丸数字は対象ごとの取組の数を示しております。また隅付き括弧内に記載されている国、地方自治体という表記は、先述いたしました取り組むべき主体を示しております。またその後ろの方に山形括弧で小さな数字が載ってございます。これは全ての施策の通しの数を示しております。また、それぞれの取組を記載している文章の最後に何か所か小さなフォントで参考資料というものがございます。これは別添の参考資料集の項目番号と一致してございます。
 続きまして、19ページを御覧ください。子供・若者向けの取組でございます。7施策ございます。その概要について説明いたします。実線の囲いを御覧ください。
 幼児期から運動遊びを通じて、楽しみながら自然と身体活動が行える取組を推進する。日本スポーツ協会、略称JSPOのアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)等の推進を図るとともに、それぞれの子供の得意な能力を伸ばせる取組を推進していく。子供のスポーツ実施には保護者の影響も大きいことから、保護者の意識改革を促す必要もある。子供のスポーツ実施の重要性を啓発し、親子で参加できるイベントの実施などにも取り組んでいく。子供がスポーツをする場として総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団の更なる活性化を図っていく。学校においては、体育・保健体育の授業の充実を図るとともに、運動部活動については、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(平成30年3月スポーツ庁策定)に沿った取組を行い、多様なニーズに応える。生涯にわたる豊かなスポーツライフの基礎を培うことができるよう、指導力向上に向けた教職員研修の充実を図っていく。大学については、大学横断的かつ競技横断的統括組織(日本版NCAA)の創設による大学スポーツの振興を通じ、スポーツを「する」人口の増加を図っていく、となっております。
 続きましてビジネスパーソン、23ページを御覧ください。こちらは6施策ございます。概要について説明いたします。日々忙しく、まとまった時間や場所が確保できない中でも気軽に取り組むことができるウォーキングや階段昇降等のスポーツの実施を促進していく。そのため、平成29年度より実施している「FUN+WALK PROJECT」の更なる推進を図っていく。健康経営やデータヘルスの取組も広がりつつあり、従業員の健康確保の重要性が認識されてきていることから、企業から従業員への働き掛けを促す必要があり、経営陣へのアプローチを強化していく。従業員個人のスポーツの実施を促進する企業を認定する「スポーツエールカンパニー」制度の推進に加えまして、働き方改革や「プレミアムフライデー」といった取組とも連携しながら進めていく。取組の実施に当たっては、経団連、日本商工会議所などとも連携しながら進めていく、となっております。
 続きまして、高齢者向けの取組です。27ページを御覧ください。こちらには6施策ございます。その概要について説明いたします。無理なく実施できるスポーツ・レクリエーションプログラムの活用・普及を図りスポーツの実施を促すとともに、フレイルの予防や介護予防のための取組等も含め、スポーツの効果を感じながらできるだけ長くスポーツを楽しめる環境整備を図っていく。スポーツを始めるきっかけ作りとして、ふだん高齢者と接する機会の多いかかりつけ医、保健師等との関連を図り、スポーツへの誘引を図る。高齢者はスポーツコミュニティの中で活動が中心となることから、地方自治体における「地方スポーツ推進計画」の策定や関係部署間の連携、まちづくり計画との連携を促していく、となっております。
 続いて、女性向けの取組でございます。30ページになります。こちらは8施策ございます。その概要について説明いたします。
 女性のスポーツ実施の促進、スポーツをしない要因を考慮したアプローチを進めていく。妊娠・出産・子育て期において気軽にスポーツができるプログラムを開発するとともに、女性のスポーツ実施につながる環境整備を図る。その際には、JSPOに設置される女性スポーツ委員会とも連携を図っていく。女子生徒のスポーツ実施の二極化や、食べない・運動しないことによる痩せ過ぎ、身体機能の低下も懸念されていることから、正しい知識の浸透を図るとともに、スポーツをすることの効果を打ち出しつつ、「女性のスポーツ促進キャンペーン」を実施する、となってございます。
 続きまして、障害者向けの取組でございます。33ページでございます。こちらにつきましても8施策ございます。その概要について説明します。
 障害者が身近な場所でスポーツを実施できる環境、幼少のうちから学校や家庭などで遊びを通じて体を動かす楽しみを習得する環境を整備するとともに、自分と同じ障害を持つ人がスポーツを始めたときの事例など参考となるロールモデルの提示により、スポーツへの関心向上、スポーツをするきっかけ作りを促していく。障害のある児童生徒がスポーツの価値・楽しさを体験できる「Specialプロジェクト2020」の取組等を実施していくほか、障害者以外に対しても障害者スポーツ種目の体験・理解の促進を図っていく。障害者スポーツを「ささえる」人材として、障害者スポーツを指導する人材育成等にも取り組んでいく、以上でございます。
 以上、説明してまいりましたが、健康スポーツ部会で取りまとめております各主体に向けた取組についての記述でございました。
 続きまして、36ページを御覧ください。4.スポーツ実施率向上のための行動計画の期間・評価についてでございます。
 (1)本答申に基づく行動計画の対象とする期間につきましては、第2期スポーツ基本計画に掲げるスポーツ実施率の目標達成を期するという性格上、平成33年度を最終的な期といたします。なお、健康スポーツ部会では更に今後審議を進めまして、1年を目途に新たな制度創設・制度改正も視野に入れた中長期的な施策について取りまとめを行うこととしており、国に対しては本答申に掲げる施策を速やかに実行に移し、遅くとも当該取りまとめまでには確実に着手することを求めてまいります。
 本答申に基づく行動計画に位置付けられた施策につきましては、健康スポーツ部会におきましてその進捗状況を点検・評価していき、新たに対応を要する課題、新たに取り組むべき施策につきましては逐次検討を行い、今後の取りまとめに反映させるほか、国におきましては、必要に応じて本答申に基づく行動計画の改定を願いたいと思っております。
 終わりに当たりまして、本答申を基に国に対し、本行動計画の速やかな策定をはじめ、答申に掲げる個々の提言の確実な実行を求めるとともに、施策に取り組む主体として位置付けている関係各方面におかれましては、行動計画を踏まえた主体的・積極的な取組、そして今後の本審議会における審議への協力と理解をお願いしたいと思っております。
 大変駆け足で、また雑駁な説明となりました。先ほど庄野委員からも御質問がございましたけども、健康スポーツ部会でもスポーツ実施率の捉え方であるとか、今後の進め方につきましても様々な意見が出てまいりましたが、とりあえず1年という期限の中で本答申案をまとめましたので、忌憚のない御意見を賜りながら、この答申案について御審議いただけますようにお願い申し上げます。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。大変盛りだくさんの内容を、この1年にわたって答申案にまとめていただきまして、本当にありがとうございました。この答申に基づく行動計画を今後実施していくに当たりましては、先ほどこの中にも書いてございましたけれども、政府のみならず、地方自治体、産業界など各方面の関係者が主体的かつ積極的に取り組んで、立場を超えてお互いに連携していくことが不可欠だと思っております。本日は委員の皆様にこの答申案の内容を御確認いただくとともに、内容についてのコメント、御意見、またこの答申内容を具体的にどのように実行していくかということにつきましても、又今後スポーツ庁・国に何を期待するかというようなことも含めまして御発言を頂戴したいと思います。
 それでは、泉委員から順に結城委員まで御発言を頂きますが、議事が多くありますのでお一人3分ぐらいで御発言いただきたいと思います。

【泉委員】
 それでは、短めに。まず6回の部会で様々な議論をさせていただきました。それで60の施策にまとめていただいたということで、ほぼ議論を尽くしたのではないかと思います。これで答申案としては取りまとめられるということですので一応の一区切りですが、これからが本当のスタートと考えておりまして、今会長からも話がありましたように計画の実現に向けて、スポーツ界といたしましても関係機関・団体はもとより、スポーツ界以外の分野の方々とも積極的に連携を図って、関係者が一体となって推進し取り組んでまいりたいと思います。
 そこで私の方から1点お願いがございますのは、この答申案が発表されると同時ぐらいに、是非その説明会または報告会といいますか、要するに主体となるべき関係者の方にお集まりいただいて、スピード感が一番大事と考えておりますので、実効性を上げる意味でもそういったような会を催していただけると、よりこの答申案が生きてくるかなということでお願いしたいと思います。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。今御指摘の点につきましては、答申案を出した後にこれをどのように広報していくかということは非常に重要なことでございますので、長官に先頭に立っていただいて世の中に広めて行くことにになると思いますけども、その点につきましては十分実施したいと思います。ありがとうございました。

【山脇会長】 
 宇津木委員、お願いします。

【宇津木委員】
 今回、初めて参加させていただいて、いろいろな問題をスポーツ協会と同じような同時進行の中でされているというのはよく分かったのですが、今の泉委員のお話の中で説明会等を行った後、いろいろな答申が出て、地方に行くと成果がやっぱり上がってこないんですね。いろいろなものを作って、いいものができて、それを基に、地方に落とした後の成果がきちっと見られるような形を出していただきたいと思います。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 大日方委員、お願いします。

【大日方委員】
 これをまとめるのに当たりまして、最終回だけになってしまったのですが、部会の方にも参加させていただきまして、大変皆様が一生懸命議論していただいているなという気がいたしました。具体的な取組のヒントになるものというか、具体的なことも含めてたくさんありますが、問題はこれをどう連携、協働させていくのかという、これがキーワードになろうかなというふうに考えております。
 三つぐらい例を挙げさせていただきますと、例えば大学スポーツというところにおきましては、やはり大学の協力あるいは大学自身がどう変わっていくのかという明確なことを、スポーツ庁の方から大学に対してどんどん発信していくことが必要になるであろうと考えます。
 またビジネスパーソン向けの取組といったところでは企業の協力というものが必要不可欠です。これは女性向けというところにも重なるところだと思うんですが、例えば企業の協力という中には女性のビジネスパーソン向けに動きやすいファッションといったものも許容していただくというような取組、少しスポーツ庁の中のこれまでの取組の中ではないような踏み込んだ提言、お願いといったことも必要になろうかなというふうに考えております。
 そして最後、障害者スポーツにおきましては、短期の施策だけではなかなか取り組み得ないところというものがありますので、今後より具体的にターゲット別にどのように、ターゲットというのは障害の種別という意味ですね、別にどういった施策が考えられるのかといった具体的なことをJPSAそして競技団体が一緒になって取り組むというようなことをスポーツ庁からも改めて働き掛けていただく、そして抜本的に特にスポーツ実施率を向上させるために飛躍的に何かこれまでにないこともやらなければいけない、そういった覚悟といったものも必要なのではないかなと、このように私自身が関わっている部分でもありますので、自戒も込めて決意を語らせていただきました。本当にありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。主体的に積極的に連携する、それからできるだけ多くの方を巻き込んで、この運動に取り組んでいくということが本当に大事だと思います。ありがとうございました。
 河合さん、お願いします。

【河合委員】
 ありがとうございました。本当にたくさんの項目を様々な視点からまとめていただいているなと改めて感じました。やはり私自身も障害者のところの実施率を上げるというのはすごく自分も課せられている使命というふうには認識は持っておりますので、その部分で、先ほど大日方委員からもありましたように障害種別に考える部分と、更にはやはり地元の地域とか本当に気軽にレクリエーションも含めてできる体制というものもとても重要なのだなと思っております。
 もう一つ、先ほどの流れの中であったかと思うんですけども、NCAAなどとの関係で、それこそ強化の部分においても、障害のある大学生というのもおりますので、当然そういった方々も含めてどう巻き込んでいくかというところも具体な実効性を持って取り組めるように、私も微力ながら御協力できればと思いました。ありがとうございました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 では、迫本委員。

【迫本委員】
 大変立派な答申案ができたのではないかなと思っておりまして、これを本当に実現するように、少しでも多くのことが実現できればなと思っております。流れとしては、これも行動計画を立てて諸施策に反映させて予算を要求していくという形になると思うんですけども、このスポーツの意義に書いてありますように、これらの諸施策を実施することが国民一人一人の健康だけではなくて、国益にかなうという点をきちっと強調して国に予算要求すべきだと思っております。
 ただ、国の予算も限られておりますので、自助的にもある程度回るような工夫というのは必要かなと思っておりまして、前々から申しておりますけれども、この人材育成のところでそのイベントですとか様々なマネジメントしていくようなプロデューサー的な人材の育成というところが日本は弱いのではないかなと思っております。10ページのところにありますように、広報のところでインフルエンサーが出ていましたけども、やっぱりネットマーケティングなんかはもっともっと使っていけば更に効率的にできるのではないかな。松竹もちょっとここは弱いところなので、今強化しているところですけども、歌舞伎の俳優さんとかの動きを見ていますと、やはりここのところは一気にマスに向けて拡大していくという動きが効率的にできますので、そういうことも含めてプロデュースし、大学NCAAとか大学とか指導者の方だとか、地域とか、そして医療関係と連携とりながらいろいろなことをやっていくと。私は最初に申し上げましたように、トップアスリートの方は実績を出した方は年金を出すべきだと申し上げたんですけども、そういう方々に地域に行っていただいて、影響を出していただいて、それをネットで拡散していくというようなことをして、トップアスリート自体をトップインフルエンサーにしていくみたいな動きも非常に有効ではないかなと思っておりますし、私、ジムへ行きますけれども、もしそこにお医者さんがいらして健康診断をやっていただいて、「君はこういう運動をやった方がいいよ」みたいなアドバイスを頂けたらどんなにいいかなみたいなこともあるので、そういうことを結び付けていくって、結局そういうプロデューサーがどれだけ力を発揮できるかということだと思いますので、そこの育成のところは是非強化していただきたいなと思います。
 それから、17ページのところの関係機関との連携ということで省庁、地方自治体の垣根を越えてということで、これはもう非常にいいなと思っております。私、スポーツの審議会は初めて出させていただきましたけども、コンテンツの方の審議会は結構出ておりまして、毎回、毎回すごくいい議論をされるんですけども、実現に向けての障害になるのは省庁の縦割りと、単年度予算という二つの障害があるので、それを乗り越えるためにはこういうような形の取組というのが非常にいいのではないかなと思っております。
 それから最後に、これまた少し観点が変わりますけども、障害者スポーツを指導する人材を育成するということは、私はとても重要だと思っておりまして、やっぱりその指導者とともに障害者のスポーツというのは伸びていくという可能性があると思うのですが、そのときに1点思いましたのは、障害者のスポーツに関しての基礎研究みたいなところに国がお金を出してもいいんじゃないかなと思っていまして、つまりどういうことかというと、どういう障害を持った人はどういう運動をできるかというような領域というのはまだまだ伸び代があるんではないかなと思っております。国はそういうところに向けてこそお金を出すべきだと考えておりますので、ビジネスとしてできるところはきちっとやっていく、そして国が助成するべきところはきちっとしていくというような形のすみ分けがうまくできるといいなと思いました。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、庄野委員、お願いします。

【庄野委員】
 大変多方面にわたって、それでも皆さんが共有できる共通の目標、ベクトルがこういうふうにして示されたことは、スポーツ行政において非常にチャンスといいますか、これからの期待が大きいところでありますけれども、国がこうやってたくさんの行動計画を立てていただいたことを、今度地方自治体なり様々な団体に下ろしていかれたときに、一方向的になるのではなくて、各地方だったり団体だったりの声を聞きながらそれぞれの状況に応じて、あるいは地方も地域のいろいろなスポーツ行政も格差がありますので、盛んな地域、そうでない地域といろいろ地域の事情もありますし、そういう職種におけるいろいろな差もありますので、そういったところの意見を吸い上げながら双方向的に、そして持続可能なものを、計画は大体最初にガンと皆さん大きく意気込んで作って、あとは尻すぼみってなりがちですので、これから先定着し、持続可能なものとして日本の社会の中にこういった施策がきちっと根付いていくように是非頑張っていただきたいと思いますし、これから私としてはスポーツドクターとしての立場、かかりつけ医としての立場などからもできることはしていきたいと思っております。
 ありがとうございました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、鈴木委員、お願いします。

【鈴木委員】
 大変広範にわたって、しかも非常に理論的にまとめていただきまして、ありがとうございました。私のところはアンチドーピングというところを中心に行っていますけども、先ほど御紹介いただきましたアンチドーピングの推進法案の中にもスポーツを行う者の心身の健康の保持を行うという文言が出ておりまして、まさに今日おまとめいただいた全体に共通する取組の中にもそのようにスポーツと健康というものを考えて、スポーツを身近に考えていくということが出ておりますので、大変共通するものがあると思っております。
 特にスポーツを行う若者に対する施策としましてはスポーツをする場所、仲間作り、それから大学スポーツの振興におけるNCAAの創設、こういったところにはスポーツをする意味、スポーツを支える考えというか思想といいますか、そういったものも併せてその取組の中に、教育の中で教えていく、含んでいただくということが重要であって、それがスポーツの価値を支えていくことにつながるのではないかなと思っております。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、高橋委員、お願いします。

【高橋(尚)委員】
 非常に細かく、本当に検討すべき対象の人たち全てにスポーツが広まるような取組を立てていただいていると思います。本当にオリンピック2020年ですけれども、このスポーツが皆さんの身近にある今こそ、多くの人たちをスポーツに取り組む時期だというふうに感じています。
 一つ参考までにですけれども、スポーツ基本法ができまして、組織委員会のアスリート委員の方では何とか企業の方々にスポーツをしていただけないかということで、こちらには副委員長の河合さんもいらっしゃいますけれども、ゴールドパートナーのある企業の方に去年の9月、11月にプレミアムフライデーを使ってみんなでランニングをしましょう、そして応援もみんなで体験しましょうということで始めました。毎週アスリートが行くわけではないんですけれども、企業で毎週プレミアムフライデーを使って集合してもらって、今年の4月にはそこの企業ではランニングクラブというものができました。その中でお伝えしたいのは、健康のためによくなっていくだけではなくて、企業の皆さんの中でふだん会わない人たちと言葉を交わすことによって連帯感が生まれてきたりだったり、また仕事が非常にスムーズになった、そして企業が一体感を得るようになったといった変化がすごく出てきているのを感じています。東京だけの会社ではないので、全国各地でそういったものをテレビ中継なんかでつなぎながらどんどん広げていこう、そして最終的には2020年に向けて地域の人たちを巻き込んで増やしていこう、そしてその2020年が終わってもやる人たちをそのまま存続させていこうという形で進めてはいるんですが、やはり問題としては、どうしても一企業としては広まっていくんですけれども、そのいい取組がほかのところには広がっていかないといったデメリットもあります。スポーツ庁ということでいろいろな方々との連携を一まとめにできるということですので、そういった取組も含めて多くの人たちに知ってもらったり、競わせていくというようなやり方で、1人という観点よりもビジネスに関してというのはチーム戦みたいな、チーム力みたいな形の何か言葉があってもいいのかなといいますか、企業の雰囲気がよくなるとか、企業の連帯感を得るといった表現も一つあっていいのかなというのは感じました。検討いただけるとうれしいです。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、田邉委員、お願いします。

【田邉委員】
 大変広範囲にわたって丁寧な行動計画の策定に当たっていただき、ありがとうございました。対象となるカテゴリーを見ていきますと国民一人一人が健康に、ということで組み立ててある行動計画であると感じました。国民一人一人が様々な形でスポーツと関わることによって、スポーツを今まで以上に身近に感じることができるのではと思っています。非常にポジティブなイメージに変わっていくのではないかなと思っております。
 そして、その中で少し感じたことは、身近なスポーツをするに当たって、学校の施設等を多く使う場面が出てくるのではないかなと思っております、特に体育館とか。学校にある多くの体育館の状況を見てみますと、施設の環境は、夏は暑い、冬は寒いなど、エアコンの整っている体育館は少ない状況かと考えます。また、以前訪れた学校の先生が言っていましたが、体育はネット環境が必要になることも多いと聞きました。体育館の施設を整備していくことは、様々な課題があるかと思いますが、そのようなところも一つ一つ整備していくことも大切かと考えます。
行動計画では、スポーツが国民一人一人にとって身近になっていくすばらしいプロジェクトだと思っております。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、中原委員、お願いします。

【中原委員】
 本日から参加させていただいております中原と申します。よろしくお願いします。企業の立場から少しコメントさせていただきます。
 とにかくビジネスパーソンの参加率を上げるというのは、考えてみると気軽に取り組むこと、できることでやっていこうということだと思います。
 最近ちょっと一つありますのが、これは2020オリパラの経済界協議会というのがありまして、ここ数年ボッチャ、企業対抗ボッチャとかこれをやり始めていまして、最初はあまり社員の食い付きはよくなかったのですが、もうかなり浸透してまいりまして、大分競技人口が増えています。丸の内とかで企業対抗とかあるんですけど、実はこれかなりレベルが高くて、ちょっとやそっとの練習したところだと太刀打ちできないようになっている、そういった中では、今お話がありました企業間の交流にもつながると非常にいい、このボッチャって非常にいいなと思って、社内で今浸透させようという動きをしております。
 もう一つ、実はこれは私ども、会社で健康系とかうたっているので何かしようかという中で、ふとした一人の思い付きで朝の9時前にラジオ体操を流してみようかということを始めました。これはおもしろいことに音楽を流してやりましょうとか何にも言わないで音楽を流しただけなんですけど、パブロフの犬じゃないですけど自然と体が動いて、ほとんど8割方、9割方の従業員がラジオ体操に取り組んでおります。工場とかではよくやるんですけど、本社でそういうことを初めてやって、こういうところからでも何か気軽にやるチャンスとかそういうのがあれば、積極的に企業側でそれに取り組むべきかなと考えております。
 あともう一つなんですけど、これは私どものグループ会社の一つで25年ぶりに運動会をやりました。これは一つのグループ会社でやったのがいいんで、これをちょっと社内で広めていこうかな。今何となく企業の中で、何か昔に回帰しているような動きがあって、実は社員旅行が増えてきたとかいろいろな統計があるようでございますけれども、運動会というのもその一つのそういうあれなのかなと思いつつ、ちょっとその二十何年と違いますのは、実は昔、企業にはグラウンドがあったりとか結構あったんですけど、苦しい時期にかなり手放して今はマンションになっているところが多くて、その場所とかは近隣の学校さんとかにお願いするのか何かいろいろ考えなきゃいけないのかなと思います。ただ、何か確実にちょっとそうした動きが出てきているのかなと思っております。
 以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、結城委員、お願いします。

【結城委員】
 本当に皆様の知見の詰まった行動計画だと思います。御尽力に謝意を表します。
 一点、もし今からでもかなうものでしたら文言を加えていただければというお願いが一点だけございます。8ページの施策に取り組むべき主体というところのスポーツ団体等という括弧の中、ボランティア団体等を含むといただいておりますが、ここに例えばですけれどもボランティア団体、あとは大会運営組織とか、何かそんな形で様々なスポーツを行う団体の協力を、呼び掛けましょうというような姿勢を見せていただければと感じた次第でございます。これは前に渡邉部会長にお話を伺ったときに、こういった実施率の向上というのは本当にもう人々の連携、組織の連携、地域の連携、いろいろな形で連携しないと進まないんだとおっしゃったのが心に残っております。正にそのとおりだと思いますし、特に2020年が来る今は、まず当然競技を行っているスポーツ界、その車輪の両輪とよく言われますが、そこが国民に出していくすばらしいメッセージがあるはずです。それから組織委員会、ここもいろいろな形で関与でき得るはずでございまして、こことの連携というものを含める言い方、表現というのがどこかに欲しいなと感じた次第です。昔でございますが、ロンドンの組織委員会のポール・デイトンというCEOの方、事務総長の方にこう言われたことがある、人々の行動変容を促そうとするときには、非常に強い感動とか関心が高まったときに強いメッセージを乗せて出すのが一番効果的ですよ。そして実はオリンピック・パラリンピックというときには、魔法の粉を持っているのは組織委員会なんです、と。組織委員会と器を作る側、彼はレガシーと呼んでいましたが、実施率の向上も含めて器を作る側がどう連携してそれを発信していくかというのが、実はポイントになるんですという言い方をされていたことを記憶しております。当然8月24日、2年前でございましたね、マスコットも名前が発表され、いろいろな形でイベントが地域でも行われ、メディアが様々な形で取り上げておりました。ここの中に、例えばですけれどもスポーツ実施率、スポーツしましょうよ、みんなのスポーツですよ、あなたにとってのスポーツって何ですか、そんなメッセージが入っていてよかったわけなんです。これからいろいろな形でオリンピック、節目、節目で人を巻き込んでいく形になってまいります。マスコット、それからトップ選手が地域の学校とかを回ったりもいたしましょう。聖火リレーで各県でルートも決まり、走者を募集する段階で、その方がスポーツにどう関わったか見つめる機会もございましょう、いろいろなことがございますので、是非それをある意味でこちらの実施率というものに結び付ける意思疎通を、まずその重要性を組織委員会なり、競技スポーツ界なりに是非呼び掛けて、スポーツ庁というのはそういうことができる多分核になり得る組織体だと思っておりますので、やっていただければと思います。むしろそういうことを行うということは競技スポーツ界にとっても、組織委員会にとってもプラスにこそなれ、決してマイナスにならないことだと思います。御検討いただければと思います。

【山脇会長】
 ありがとうございます。今回、ベースとしては2020年のオリパラがある意味ではゴールデンオポチュニティと、こういうことをすることに対して、それがベースにあるんですが、今おっしゃられたように個々のところでは余りはっきり書いていないところもございますので、改めてそういうポイントで少し書き加えてみたいと思います。ありがとうございました。
 部会長はもうよろしいですか。

【渡邉委員】
 よく分かりました。

【山脇会長】
 ありがとうございます。
 それでは、最後になりましたけど、齋藤委員がおいでになられましたので、今答申の内容につきまして、何か御意見、御感想があれば、皆さんから一言ずつお伺いしておりますので、何か御感想等々ありましたらお伺いしたいと。

【齋藤委員】
 遅れてまいりまして、大変失礼いたしました。
 この答申案、私も読ませていただきまして、大変網羅的な内容になっていると思います。JOC側から見て、この答申案の中にも触れられているんですけども、二、三申し上げたいと思います。
 スポーツ実施率の向上という観点からいえば、やはりオリンピアンが果たす役割というのは非常に大きいと思うんです。オリンピアンの活躍を目の前に見ながらやはり若い子供たちがスポーツに対する興味を覚え、心を動かされるというその動機付けになるところでのオリンピアンの活躍というのは大変重要だと思います。
 その観点から三つ、施策を講じる上での視点という三つの視点を申し上げたいんですけども、まず第1の視点は当然のことながらすばらしいオリンピアンを育てると、現役のオリンピアンを育てるということでございます。その観点からJOCはいろいろとエリートアカデミー事業ですとか、タレント発掘事業ですとか、ナショナルコーチアカデミー事業ですとかいろいろな事業を手掛けておりますので、この点は引き続き強化してまいりたいと思っておりますし、御協力、御指導も仰ぎたいと思っているところでございます。
 その次に第2の視点としてオリンピアン、いわゆる現役のオリンピアンが退いた後のオリンピアンアスリートの活用といいますか、まずオリンピアンにしっかりした自覚を持ってもらい、それを周りから見ればすばらしいオリンピアンだなという啓蒙活動というのが必要だろうと思います。自己啓発といいますか、自分が経験したことを十分自覚して言葉や行動で第三者に対して伝えていけるような、そういう施策といいますか、オリンピアン研修会とかいろいろ現役オリンピアンアスリートを対象としたインテグリティ教育とか、SNS研修ですとかいろいろなことをJOCもやっておりますけれども、そういったオリンピアンアスリートの自己啓発を強化していくという視点があるかなと思います。
 それから第3の視点としては現役のオリンピアンを退き、またその自己啓発をしたそのオリンピアンアスリートに積極的にいろいろなイベントに参画してもらって、社会に対して発信していくというオリンピアンアスリートの参画機会を増やしていくということで、JOCでもオリンピック教室ですとか、オリンピックデーランですとか、オリンピックコンサートですとか、いろいろな形でオリンピアンの活躍の場所を提供しているわけですけれども、そういったイベントを通じてスポーツに対する関心を惹起し、実施率向上の施策につなげていくという、以上申し上げたような三つぐらいの視点があるかなと考えております。この点はもう答申案の中に触れられていることでございますけれども、JOCとして特にオリンピアンの活用という観点からの視点を申し上げさせていただきました。ありがとうございました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 皆様から本当に積極的な、それから本答申案に対するサポートの御意見を頂きまして、本当にありがとうございました。
 また、本当に多岐な内容を60の施策を、施策の対象と施策の段階にしたマトリックスにうまくまとめていただきまして、更に主体をはっきりさせていただいて、大変すばらしい答申案になったと思います。
 今日更に頂きました各委員の皆さんからの御発言を踏まえまして、私と渡邉健康スポーツ部会長と相談いたしまして、この答申案に必要な修正を施した上で、鈴木スポーツ庁長官に答申として提出させていただきたいと考えております。最終的な取り扱いに対しましては、会長の私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【山脇会長】
 ありがとうございます。皆さんからも御発言がありましたけれども、連携と、より多く関係者を巻き込み、且つ積極的に主体となって取り組むことが、重要だと思います。そして、この行動計画が実現すると本当に世の中が変わるんじゃないか、社会が変わるんじゃないかという非常に大きな期待がございますので、スポーツ庁も長官が先頭に立って行動するわけですが、各委員の皆様方におかれましては、この答申の内容、この行動計画を先頭に立って、組織のトップから、草の根に至るまで、より多くの人を巻き込んでこれを実行していくということにしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、続きまして次の答申案でございますが、議題の3番目のスポーツ国際戦略についてに移りたいと思います。これは前回、3月のスポーツ審議会総会で、このスポーツ国際戦略部会の中間まとめについて、既に田邉部会長より報告を頂いておりますけれども、部会で更に議論を経まして、資料3-2のとおり答申案をまとめておられます。本日は田邉スポーツ国際戦略部会長から御報告を頂いた上で、審議をお願いしたいと思います。
 田邉部会長、よろしくお願いします。

【田邉委員】
 ありがとうございます。それでは、説明させていただきます。資料は3-1、3-2、3-3となっておりますが、資料3-1のスポーツ国際戦略(全体イメージ)、こちらの概要の資料を中心に説明させていただきます。
 昨年7月のスポーツ審議会において、鈴木大地スポーツ庁長官より、スポーツの国際交流、協力における戦略的な推進について諮問され、スポーツ審議会にスポーツ国際戦略部会を設置する旨が承認されました。それ以降、スポーツ国際戦略部会は計6回開催し、スポーツ国際戦略について議論し、今般、スポーツ国際戦略答申案として取りまとめましたので、本日スポーツ審議会委員の皆様に御報告させていただきます。
 資料3-1を御覧ください。資料の1枚目です、全体のイメージになりますが、左側を御覧ください。まずスポーツ国際戦略を策定する意義ですが、スポーツ国際戦略は、平成29年3月に策定された第2期スポーツ基本計画の基本方針の一つである「スポーツで世界とつながる」を実現するものとして、スポーツの国際交流、国際協力に関し、戦略的かつ計画的な施策の展開を促進するためのものです。加えて、我が国は2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック大会等の大規模な国際大会を控えております。これらはスポーツ分野での国際的プレゼンスを向上させる上で、またとない機会です。これらの好機を捉まえ、スポーツに係る国際的動向を国内施策へ還元すること、及び国内のスポーツに関する取組事例を国際社会へ紹介すること、つまり総称してスポーツ国際展開を実施することによって、スポーツを通じた社会課題の解決に貢献できると考えております。これらがスポーツ国際戦略を策定する意義です。
 次に、本戦略の主なビジョンについてです。2枚目を御覧ください。第2期スポーツ基本計画では多様性を尊重する社会、持続可能で逆境に強い社会及びクリーンでフェアな社会を実現することとしております。スポーツ国際戦略に基づくスポーツ国際展開では、スポーツの力を活用して人々の社会参画や社会的連携を、連帯を強化すること、及び個々人の健康増進と能力開発等に貢献することを通じて、これらを目指すべき社会作りに貢献することとしております。
 このことを国際的文脈で表せば、スポーツを通じて国際連合の「持続可能な開発目標」、いわゆるSDGsに掲げられる社会課題の解決に対してスポーツが最大限の貢献をしていくことであり、本スポーツ国際戦略では、そのことを2030年までの中長期的な目標として掲げております。
 このビジョンと目標に基づくスポーツ国際戦略の基本的な方向性として五つの項目を挙げております。概要資料の1枚目にお戻りください。まず、1点目が共通のメッセージを打ち出すことです。現在、我が国が官民連携で取り組んでいるSport for Tomorrowのように誰にでもビジョンが理解しやすく、また関係団体の活動に一体感が感じられるようなスローガンが必要となっております。
 2点目が国際スポーツ界への積極的な参画と仕組み作りです。国内外で相互に好事例を発信、還元することには国際スポーツ界へ日本が参画すること、それを促進・支援する仕組みが必要です。そしてまた国際コミュニティにおける有力ポストの獲得や、日本人役員の更なる派遣も重要としております。
 3点目が国内外のネットワークの構築です。人的・物的リソースが限られている中、効率的、効果的に取組を進めていくためには関係団体の連携はもとより、各団体が有する国内外のネットワークの連携が必要です。
 4点目が体制整備と人材育成です。我が国では、スポーツ国際展開を担う体制と人材がまだ十分に整っておらず、スポーツに係る海外拠点も乏しい状況ですが、先ほど申し上げたとおり、限られたリソースを有効活用するための環境作りや人作りについても注力していく必要があります。
 5点目がスポーツ国際展開の効果の他分野への拡大です。スポーツは経済活性化及び地域活性化に資するコンテンツを有しています。スポーツ国際展開による効果を他分野へ還元していくことが重要です。そのためにも、民間活力との連携を含めて他分野の関係機関との連携の枠組みの構築が必要となってまいります。
 続きまして、資料の3枚目を御覧ください。今述べた方向性を実行に移していくため、具体的方策に関する提言について述べております。11の項目に分けて列挙しております。
 まず1点目が行動計画作りです。本戦略が策定された後、国は行動計画を策定し、各関係機関と具体的な行動の進め方に関する対話を継続する必要があります。また、行動計画を作成するに当たっては、施策のプライオリティを置くべき主な地域又は国をターゲットとして設定することとしています。
 2点目はメッセージ・スローガンの設定です。今後、日本が打ち出したいメッセージとは何なのかを特定していく必要があります。
 3点目は国際競技大会等の招致・開催支援です。国際的な動向の把握や、それを国内に還元するに当たっては、国際競技大会を戦略的に活用する必要があると考えております。今後の戦略的な大会招致の在り方について、スポーツ国際戦略連絡会議の下に置くワーキンググループで検討していくこととしています。
 4点目は国際コミュニティへの参画です。国際関係機関に役員等の派遣を行い、国際的なスポーツ政策の策定又は意思決定に関与していくことが必要です。また、それで得た情報等を国内で共有する必要があります。
 5点目はニーズ把握とネットワーク構築です。スポーツ国際展開を図るに当たっては様々な事業を実施することが考えられますが、効果的なものとするため、事業対象者のニーズ把握が必要であり、またそのためのスポーツ大臣会合のような対話枠組みや、現地関係者との連携が必要となってきます。
 6点目が事業の継続性や民間活力との連携についてです。国際的プレゼンスを維持するためには事業の継続が不可欠であり、そのためには民間企業等の関与を促すようなインセンティブの設定等により民の力も活用することが必要です。
 7点目はスポーツの成長産業化への貢献です。スポーツ国際展開はスポーツの成長産業化に貢献できるため、民間企業がスポーツビジネスに参画することを促進するためのネットワークの構築等が必要です。
 8点目が地域振興への貢献です。地方のスポーツ産業の海外への展開や、スポーツツーリズムへの魅力に関する海外でのPRを行えば地方のインバウンド増加に貢献できますので、地方に対する情報提供等が必要です。
 9点目が人材発掘・育成についてです。スポーツ国際戦略の海外で行う活動については、国際スポーツ界において活躍できるようなスポーツ国際人材の計画的な人材発掘及び育成が必要です。
 10点目が関係機関の具体的活動を支援するための体制整備です。戦略を実行するためには、研究活動や広報活動といったソフト面の活動の強化と、海外拠点の整備等のハード面の体制整備の両面の取組が必要となってきます。
 最後に11点目が指標の設定についてです。スポーツ国際展開の活動において、当該活動がビジョンの達成にどれぐらい効果があったのか評価するための指標作りが必要です。今後どのような指標等とするか、議論することとしております。
 以上がスポーツ国際戦略答申案の概要になります。本戦略が策定された後、着実に施策が実行されることで全ての人々がスポーツの力で輝き、活力あるきずなの強い社会を作ることにつながることを期待しています。
 スポーツ審議会委員の皆様には、本答申案について審議をしていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。中間報告を頂いたものを更にブラッシュアップしていただきまして、本当に良い答申案にまとまったと思います。ビジョンも非常にクリアになりましたし、当初は2020年までに何とかしなきゃいけないという短期的な目標から進みましたが、今国際的にも、企業の間でも非常に重要視されて来ているSDGs、2030年に向けての取り組が進められているこのSDGsにたいして、スポーツとして何ができるかというところまで道筋を書いていただいたということで、かなり画期的な答申案になったのではないかと思います。大変な取りまとめに御苦労されたと思いますけど、改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 部会長には、取りまとめに当たり既に各委員の皆様からのいろいろな御意見を踏まえて準備いただいたと思いますが、本日更にこの答申の内容につきまして御意見や御感想がもしありましたら、更にお伺いしたいと思います。

【泉委員】
 感想も含めてお話をさせていただければと思います。日本スポーツ協会は様々な国際交流をやっております。例えばドイツとの青少年交流、それから日中韓の青少年、成人交流、競技会の交流等を実施しております。この答申案の3ページ目のスポーツ国際戦略のビジョンのところの(1)スポーツ国際戦略のビジョンのちょうど5段目ぐらいの「このため」というところの段落がございますが、「我が国で暮らす多様な国籍、人種の人々にスポーツ参加を促すことを通じ、ともに暮らす社会への参画を進めることなど」という記載がございまして、大変すばらしいところに着眼されたなと思っております。2018年1月1日現在の人口動態調査で2010年から日本の人口が減っておりますが、外国人はこの時点で、250万人が日本に住んでいらっしゃる、こういう実態がございます。
 我が国で暮らす外国人が増加している中で、地域住民との交流にスポーツが果たす役割は本当に大きいなと、感じておりまして、例えば地震あるいは台風、大波、大雨等々の災害時に言葉が通じないとか、あるいはふだんからコミュニケーションをとっていないということで外国人が取り残される。あるいは不要な疎外感が生まれたりしないようなことにも配慮する必要があるかなと感じておりまして、スポーツを通じて日頃からきずなを深めることは、大きな価値があるのではないかと思います。このような身近な活動が最終的に国際的な信用や理解、プレゼンスの向上、平和への貢献、地域における共生などにつながっていくのではないかと思っております。そういう意味で日本スポーツ協会としても地域につながる、地域でできる国際貢献、国際交流をスポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブで積極的に受け入れていく、こんなことも大事なのかなということを感じましたので冒頭に発言させていただきました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。先ほどの健康スポーツ部会の方でやりました実施率の向上というところとも密接に結び付いておるということで……。

【泉委員】
 外国人の方のスポーツ実施率はカウントしないと思います。

【山脇会長】
 地域コミュニティを主体としたということだと思いますので、よろしくお願いいたします。

【泉委員】
 そうですね。

【山脇会長】
 ほかに何かございますか。河合さん、お願いします。

【河合委員】
 ありがとうございました。一つは、まず国際大会の誘致とかを含めてですけど、2020年のオリパラがある中で、オリンピック・パラリンピックの後のレガシーとして、こういった国際大会を継続してやっていくことも含めて、東京とか日本のこれからのアジア地域での大きな、特に障害者のスポーツの国際大会というのはなかなか欧米ばかりが行われているような現状もある中で、是非こういったものを一つの指針にしながら進めていけるといいなと思った次第です。
 もう一点なんですけど、この国際戦略だけではないと思うんですけども、先ほどの中にもやはり今スポーツ界の様々な人材育成というのは一つのキーワードだなと感じている中で、スポーツ国際人材であったりとか様々な、コーチもそうだと思いますけれども、いろいろな育成のプログラムとかがある中で、スポーツ界全体として、スポーツ庁としてもこの全体の人材育成のマスタープランというか、そういったものも含めて考えていかないと、NFの経営にあるいは関わっていく人であるとか、あるいは当然ビジネスを含めてクラブチームのマネジメントに移っていくとか、そういったいろいろな、これからNCAAのアスレチックデパートメントだったり、アドミニストレーターをやっていくとか、いろいろなこれから職種も含めて出てくる中で、どうすればというのがなかなか一つ一つのプログラムが単体で動いている感じが正直見えていて、これらのつながりとかそういったものをしっかり見せていくことも今後必要ではないかなと思いましたので、一言意見させていただきました。

【山脇会長】
 ありがとうございます。
 齋藤委員。

【齋藤委員】
 この国際戦略も11の柱できれいに整理されてすばらしいと思いますが、私、2点ちょっと申し上げたいんですけど、第1点はこの3番目に関係すると思うんですけども、スポーツMICEという言葉が答申案の中に何回も出てまいりますが、日本という国は、私の経験から申し上げても、外国人が日本に来て、やはり日本はすばらしい国だ、日本人はすばらしい人たちだっていう印象を強く持って帰るわけですね。ですから、できるだけ多くの外国人に日本に来てもらうことが大変重要だと思うんです。正に政府はMICEということで、そういうのをいろいろな分野でやろうとしているわけですし、スポーツMICEというのはスポーツを一つの重要なツールとして日本に対するそういう理解を深める努力をしているということでございます。東京大会ももちろんそうですし、その前後にラグビーとかマスターズとかありますし、名古屋、愛知アジア大会、あるいは冬のオリンピック招致という問題も控えていますから、これから10年間にわたってスポーツを通じたそういうMICEといいますか、大きな大会を日本で開催するということがございます。今年の11月にはANOCという全ての206のNOCを東京に集めて総会をするということもございます。こういうスポーツが織りなす機会を、より大きな日本に対する正しい理解を増進させる上で是非活用していかなきゃいけないなと思うわけであります。
 第2点は、先ほど河合さんもお触れになりましたけれども、人材育成という観点でやはりスポーツ分野における日本の存在というのは相当なものがあると思いますけれども、その存在に比して人材の育成が少し遅れているとは申し上げませんが、もう少し急いで世界の各決定機能のあるポジションに日本人を送り出していかなきゃいけない、具体的には第9項目に当たると思います。JOCも国際人養成アカデミーというプログラムを始めて今年が8年目になります。既に200人以上の卒業生を出しておりますけれども、そういったものを更に高度なものにしていくということもこの答申案の中で触れられておりますので、JOCとしてもいろいろな形で参画してまいりたい、また協力してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。鈴木委員、その後高橋委員にお願いします。

【鈴木委員】
 鈴木でございます。大変すばらしくまとめていただきまして、感謝申し上げます。
 この国際戦略と関連しまして、先ほど進捗状況の中で御報告がありましたし、私も述べさせていただきましたけども、この6月にスポーツにおけるドーピング防止活動の推進に関する法案というものが成立しております。これは我が国で初のアンチドーピングの推進に関する法律でございまして、その法律の成立に御尽力いただきました全ての関係者の皆様に大変感謝しているところでございます。
 この法律につきましては、今まで国際的に求められておりました日本国内におけるアンチドーピングの法的体制の整備というものがなされたこと、これは今後開催される国際競技大会に向けて日本がクリーンなスポーツに対して強くコミットメントするということを世界へ発信することができると考えております。これは先ほどの中にございました国際スポーツ界への積極的な参画等というものがございますけども、やはりこういうことをするには国際展開をするための体制の整備ということをする必要があるということにつながりますので、これを是非進めていただければと思っております。
 それから、このスポーツ戦略のビジョンの中に多様性を尊重する社会、それからクリーンでフェアな社会の実現というものが明確に書かれておりまして、これもドーピング防止活動の推進に関する法律にも同じように書かれております。そして、その基盤としてスポーツに参加する全ての場面とか環境において人権が保護されているということを明確に書かれている点、これは大変すばらしいことでございまして、クリーンなアスリート、それから特に若いアスリートを今後守っていく、それから障害を抱えている人も含めて全てのスポーツする人が健康を維持、増進できるということがこれに基本になると思いますので、是非この方針を進めていただければと思います。ありがとうございました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 高橋委員、お願いします。

【高橋(尚)委員】
 非常に細かく、本当にいろいろな角度からの答申案をまとめていただきまして、ありがとうございます。本当に国際的なスポーツ国としての存在を示すものであり、また国際的な役割を果たすもの、またそれだけではなく、国内の国際的に活躍する人材の育成であったり、国内においての広がりをもしっかりと踏まえた答申案だなと感じています。また、この記載されたような日本のスポーツになるのかなと思うだけで非常にわくわくしてくるような、そんな答申案になっているなと感動しております。
 これは答申案自体には関係はしていないんですけれども、私自身も海外に行ってスポーツに関わったり、また子供たちにスポーツを教えたりする機会が多い中で、やはり日本のスポーツは独特だなと感じることが非常に多くて、時間を守る規律がしっかりしていたり、仲間意識や連携がしっかりしていたり、スポーツを学ぶ上で生きるための人間力というものをしっかり伝えられているのがこの日本のスポーツのいいところだなというのを非常に感じるところもあるので、その日本のいいところというものがもっともっと国際的にも広がるような、そんな答申案になるといいなという気持ちも含めて拝見させていただきました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 そのほか、結城委員お願いします。

【結城委員】
 ありがとうございます。田邉会長以下、いい御議論をされたんだなというのがにじみ出ていると思います。私の方からも、多分御議論の中で入っていると思うんですけれども1点、所感を特に人材育成、9番、それから多分10番に関わってくるような部分で述べさせていただければと思います。
 海外でいろいろな国際会議であるとか組織体であるとかの取材を長年して来る中で、変わってきているとは思うのですが、その中に、ああ、日本の方がいらっしゃったな、ああ、ここにもいらっしゃったな、うれしく思う反面、会議の中等々でほとんど御発言がないということが、結構気になってしまうことがございます。やっぱりその方がその組織体の中で御自分をどう出され、発信され、日本の事例を挙げ、課題を指摘し、組織体が今直面している問題に対してどう考えるみたいな、そういう姿勢と存在感があって初めてリーダーシップも発揮できるのだと思います。ポストをとるのはもちろん大事です。その第一歩、全ての第一歩だと思いますが、それだけではなく、会議の席、それから実は私、拝見していますに会議のサイドで、いろいろなところで、廊下で、ロビーでいろいろな本音のやりとりが行われてございます。こういうところでいろいろな情報交換があり得るときに、どのようにそれをお感じ取りになられて、そして国にお帰りになったときに組織体等々と共有されていかれるのか、そのあたりが実は人材育成というときのポイント、極め付きのポイントになるんじゃないかなと感じております。どういう発信をするか、何を情報として得ていくか、本音を得ていくか、そこに是非、国際化というとき、そして国とつながるというときに主眼を置いていただければと感じました。以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 渡邉委員、お願いします。

【渡邉委員】
 まず、田邉部会長、ビジョン、ミッションそしてアクションがうまくまとまっていて、健康スポーツ部会の方から見てもよくできた答申案になっているなと思います。
 先ほど泉委員がすごく大事なことをおっしゃっていたなと私は思っているんです。現在、在留外国人は250万人を超え、インバウンドも昨年は2,800万人を超えていたと思うんですけども、例えば新宿区でいうと20代の50%以上が外国人だと、東京都の20代でも10%ぐらいが外国人だというデータがあったと思うんです。生産年齢人口が人口動態で見ると減っていきますので、そこへまた外国人労働者という話になってくると、今は専ら共生社会という文脈でダイバーシティとかソーシャルインクルージョンという話があると思うんですが、これからはヨーロッパが移民を受け入れて、スポーツと社会的統合の中でソーシャルインテグレーションという言葉を使ってきましたが、日本もそういった流れになっていくんだろうと思います。そうすると、ここの国際戦略にあるように、スポーツ国際展開としてのインプットとアウトプットという意味では、国際戦略部会も健康スポーツ部会も一体となってスポーツ基本計画の目標を達成していかなければなりません。
 そういった観点で基本計画全体の実現を考えますと、スポーツ庁においては、組織内の担当割りだけでなくて、横の連携をより一層深めていく必要があるのではないかと私は思っております。各セクションの課があるのは、それはそれで大事なことですが、できれば各課の担務を超えたところで、このスポーツ基本計画の目標値を達成するために専従部隊が必要なのではないでしょうか。なぜなら、地方やスポーツ団体など各主体者へのアプローチや巻き込みがなかなか進まないのではないかと、ちょっと余計なことを心配しております。もちろんスポーツ庁の資源的な問題で専従組織が難しいということであれば、基本計画実現のための庁内のタスクフォースなりプロジェクトチームなりをお作りになって進めていかれてほしいなと、これは希望でございますが、そんなふうに思っております。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。では、大日方委員お願いします。

【大日方委員】
 私、この国際戦略の部会の方に関わらせていただきまして、ちょっと一言だけ、その感想だけ申し上げさせていただきます。
 当初、国際戦略といったときに、皆さんがいろいろな議論が、たくさんの議論が出ていたし、いろいろな方々が様々な表現で言って、どういう方向になるのかなというところもございましたけれども、最終的には部会長のお力と、そして事務局の多大なる御支援を頂いて、こういう形でまとめ上げることができました。その中の皆さんの発言を見ていますと、非常に実は日本の方たち、国際にも出ていっているし、たくさんの既にやっていること、あるいはもう取り組んでいることというものがあるということをお互いに知ることができました。それがこういった形できれいにまとまったというところが非常に大きな意味があるというところでして、今後これを具体的に進めていくときに、今ある人材それから資源といったもの、既に取り組んでいることというのをどう有機的につなげていくのかというところが一つ鍵になると考えております。
 皆様が既におっしゃっていらっしゃる人材育成というところには部会でも大きな議論の比重が置かれておりましたし、今ある方たちの人材を発掘すること、そして将来に向けてそれをどうつなげて、引き続き日本としてやっていくのかという方向性を示すことができたという意味では大変意味のある、そして深い部会の中身だったのではないかなと、そのように感じておりまして、一緒に作ることができましたこと、機会を頂けましたこと、私自身も大変勉強になりまして、よい機会を頂けたことを感謝申し上げます。ありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 先ほどの渡邉委員の話は、もちろん今回二つに分けてやっておりますが、それぞれがスポーツ基本法の理念に結び付きますし、基本計画をどうやって達成するかということに結び付いております。部会は別々に行いましたが、議論の中で共通するところが随分あるということがわかり、今後も連携を深めて進めていきたいと思います。逆に言うとスポーツという切り口がほとんど全てのことを巻き込む力を持っているという、前から何回も言っていることですけど、スポーツの切り口は本当にすばらしいと思います。全ての関係者を巻き込む力がありますし、政府内の各省庁を巻き込む力もあるということで、正にそれがスポーツ庁を作った意義ではないかと思っております。このスポーツの力を是非より強めて全ての関係者を巻き込んで今回の答申を実行に移して、基本計画に盛り込んだ内容を実現していきたいと考えております。
 それでは、この答申案に今日ここに皆さんから多くのご意見を頂戴いたしましたので、このご意見を踏まえまして田邉スポーツ国際戦略部会長と相談いたしまして、必要な修正を加えた上で、鈴木スポーツ庁長官に答申として提出させていただきたいと思います。最終的な取り扱いにつきましては、先ほどの答申と同じく会長の私に御一任させていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【山脇会長】
 ありがとうございます。
 それでは、議題3が終了いたしましたので、議題4、当面の諸課題ということに移りたいと思います。当面の諸課題といたしましては、スポーツ・インテグリティをめぐる問題、それから日本版NCAAについて事務局から説明を受けた上で、一括して皆さんと意見交換をしてまいりたいと思います。
 それでは、事務局からお願いいたします。

【南野企画官】
 それでは、私の方からスポーツ・インテグリティをめぐる課題につきまして、既にお配りしております資料の参考6-1、6-2を基に御説明させていただきたいと思います。
 まず参考6-1を御覧いただければと思います。御案内のとおり、残念なことにスポーツ界におきましては様々な不祥事事案が相次いで発生しているところでございまして、社会的にも大きく取り上げられているところでございます。各諸事案の発生時につきましては、スポーツ庁といたしましても個別に状況を把握いたしまして、適切な対策を促すなどの対応をとっているところでございますが、このたび、鈴木スポーツ庁長官から「我が国のスポーツ・インテグリティの確保のために」と題しましたメッセージを発出いたしまして、各競技団体や大学等の関係者に対しましてアスリートや指導者に対する教育、研修の強化、アスリートの相談体制の充実、また問題事案に係ります公正・迅速な調査と説明責任の履行、また大学の運動部活動の安全確保に向けた取組の充実等を強く求めたところでございます。
 続きまして、参考6-2を御覧ください。同様にこのようなスポーツ界の状況を踏まえまして、超党派の国会議員で構成されますスポーツ議員連盟のプロジェクトチームにおきまして、スポーツを行う者の権利利益の保護を図る観点からの第三者による相談・調査体制の構築、またスポーツ団体の適正な運営を担保するための基準の設定・検証、スポーツの健全性を確立するための国等の関与などを内容といたしますスポーツ・インテグリティの体制整備に関する緊急提言がなされまして、水落副大臣、また鈴木長官に申し入れが行われたところでございます。スポーツ庁といたしましては、先ほどお配りしております資料1の11ページにございました点検項目の10にお示しさせていただいておりますとおり、コンプライアンス教育の強化、またコンプライアンスのモニタリング体制の構築、スポーツ団体の相談窓口の活用促進に努めているところでございますけれども、本審議会や国会での御議論を踏まえながら、スポーツ・インテグリティの確保に向けた取組のさらなる充実に努めてまいりたいと思っております。私からは以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、続けてお願いします。

【仙台参事官】
 日本版NCAAにつきまして説明させていただきます。参考資料の7をお願いできますでしょうか。大学スポーツの振興につきましては、基本計画でも、我が国の大学が持つスポーツ資源を人材輩出、経済活性化、地域貢献等に十分活用するとともに、大学スポーツ振興に向けた国内体制の構築を目指すとされているところでございます。このため、スポーツ庁、文部科学省といたしましては、参考資料7の1ページにございますとおり、大学横断的かつ競技横断的な統括組織、いわゆる日本版NCAAの検討を平成28年度から開始しております。まず大学スポーツの振興に関する検討会議、それから学産官連携協議会で議論を進めまして、今年の3月にどのような組織を作り、どのような事業を実施するのかという素案を発表いたしました。そしていよいよ最終段階となりまして、政府の方針といたしまして平成30年度中の日本版NCAAの創設を目指すということに向けまして、2日前ですけれども、大学、学生競技団体等が構成員となる設立準備委員会を開催いたしました。
 今後でございますけれども、4ページをご覧ください。これが検討の段階から実際にどのような組織を作るのかという、最終段階のスケジュールですけれども、7月24日に第1回の設立準備委員会を開きまして、本年11月から12月頃に第2回を開催し、趣意書や組織体制等の全体像を作る予定でございまして、2月を目途にに法人を設立するという、かなりタイトなスケジュールで進んでいくこととしております。
 このスケジュールを実行に移すためにはアイデアの具体化が必要ということでございまして、2ページに戻り、本年は設立準備委員会の下に作業部会を設け、さらにグループ、グループは2ページ、3ページの学業充実分野、安全安心・医科学分野、事業・マーケティング分野の3分野を設けております。そこに15テーマございますけれども、テーマ別にチームを作りまして検討していくことにしております。
 まず設立準備委員会のメンバーでございますけれども、3月に募集を開始しまして4か月で5ページにございますように87の大学、23の競技団体から、日本版NCAA設立に向けて積極的に自分たちの手で作っていこうということで手を挙げていただいております。
 また、作業部会の方でございますけれども、これらの準備委員会のメンバーの方の実務担当者の方、それからそのほかの有識者の方に入っていただきまして、6ページ、7ページ、8ページにありますような15テーマにそれぞれ主査以下、何名かの方々に入っていただきまして最終的な仕上げの作業をしていくことになっております。大学のスポーツには安全性等いろいろな面で課題がございます。そういう課題を大学、学連が束になることによって解決していくということで、学業もおろそかになったり、スポーツの方も安全性とかに不安を抱えたりすることを解決するための組織を、今年度いっぱいで創設していきたいと考えております。以上でございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ただいま説明がありました2件につきまして、何か御意見とか御質問がありましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

【泉委員】
 各スポーツ団体を統括している日本スポーツ協会としては、大変残念な事件がたくさん起きているということについては、おわびを申し上げたいと思います。
 これまでも、平成25年にスポーツ界における暴力行為等根絶宣言をはじめとして、各研修会での普及啓発等、しっかりやってまいりましたし、「フェアプレイで日本を元気に」キャンペーンということで、フェアプレーの周知徹底にも力を入れてやってきたつもりでおりましたけれども、残念ながらなかなか進捗しておりません。具体的に申し上げますと、日本スポーツ協会が設置しています暴力行為等の相談窓口の相談件数は、実は毎年増加しているような状況でございまして、3年半で245件になりました。中には日本スポーツ協会が担当できない分野の苦情相談等もございまして、全てが暴力行為等々の問題ではありませんが、どちらにしても最近はスポーツ指導者のみならず、プレーヤーによる反倫理的行為についても報道されるというような状況下にございます。そこで、つい先日、本会の伊藤会長名で「スポーツを愛するすべての人へ」と題しまして、スポーツ・インテグリティの大事さ、重要さをスポーツ団体やスポーツ指導者の有資格者全員にも発信したところでございます。多少言い訳になりますが、今後、本会といたしましては加盟団体規程の見直しを図り、組織の拡充、あるいはより一層のスポーツ推進に取り組むことが可能となるネットワークの構築を現在進めております。具体的に申し上げますと倫理、コンプライアンスの徹底、ガバナンスの向上に向けた各種規程の整備、アンチ・ドーピングへの取組、中長期計画の策定、情報公開等々について規定し、スポーツ団体が組織運営上の課題に主体的に取り組んでいけるような、そういう枠組みといいますか、しっかりとした体制を作ってまいりたいと考えておりますので、スポーツ庁をはじめとした関係団体の皆様に引き続き御支援と御理解をいただければということで、発表させていただきます。ありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 大日方委員、お願いします。

【大日方委員】
 大学のスポーツに関して大きな問題が社会を揺るがすという状況の中を見ていて改めて感じること、やはりスポーツの影響の大きさがあるなと感じております。この側面、二つ側面があるんだろうなと思っておりまして、私たちここにいるスポーツ審議会のメンバーのようにスポーツに詳しい、詳しいというか関わりの深い人たちから見たときの大学スポーツという側面において見ると、スポーツは分かっているけれども、それ以外のといったら、社会的なことみたいなところの観点が少し見えていない人がいるのかな、みたいな見え方もできると思います。
 一方で、私自身も現在大学の経営に少し関わっているというところから見ますと、スポーツを知らない大学関係者というのが一方で非常に多いなとも思っております。大学の中で行われるスポーツが余り実は経営者層で知らない方も一方でいるという、恐らく両方の問題を含んだ中で、鈴木長官からのメッセージにおける大学の取組をしっかり充実させてよねというここの部分が極めて重要で、どのように大学に対して伝えていくのかというところ、少し工夫の余地があるのではないかなと感じています。両極端に分かれるということですので、大学スポーツ、とてもスポーツは詳しい、でも知らないという人と逆方向、スポーツを全く知らない経営者という、その両方の視点から分かる大学視点でなぜスポーツが大切なのか、なぜ今日本版のNCAAなのかということ、そして何が問題になっているのかということを少し分かりやすく説明、網羅的に説明するようなことというのを、何か分かりやすい紙資料数枚みたいなものがあって、全ての大学に改めて発信されるというようなことがあってもいいのではないか、もしかしたら既に行われていることかもしれないのですが、そういったこともやってみた方がいいのではないかなと感じましたので、提言させていただきます。ありがとうございます。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかにありますか。結城委員、お願いします。

【結城委員】
 ありがとうございます。こちらに直接関わりがないのかもしれないと思いつつ、スポーツ・インテグリティの体制整備、緊急提言、スポーツ議員連盟の一番最後の項目、国等の関与の仕組みを検討するというくだりがございます。これ、その下に付記がございまして、国等の関与は抑制的であるべきとの意見もあったという付随意見も併記されております。今現在、国際的な流れで、例えばIOCとかが、国が関与し、いろいろな形で影響を及ぼそうとしたということを理由にしてナショナルオリンピックコミッティ、NOCを資格停止にしたりする動きがかなり強まっております。独立を担保するということを国際スポーツ界はかなり重視しているということ、それから例えば先般聞こえてきました東アジアユース大会、台湾で行われるはずだった、これが“政治的”な理由で開催できなくなったやにも聞き及びます。いろいろな形で、もちろんそういう御意思では、御意図ではないと思いますけれども、もし国という部分がスポーツ庁という部分に関わってくるのでございましたら、非常に慎重にそこは検討された方がよろしいのではと、世界の流れを見てそう思います。よろしくお願いします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。河合委員、お願いします。

【河合委員】
 ありがとうございます。やはりインテグリティのところで、選手の問題ももちろんあるんですが、そこに関わっている指導者の問題なのかなと改めて最近強く感じておりまして、とはいいながら、そういった特にジュニア、小・中・高校生の段階の指導者がほぼボランティアでコーチをしているとか関わっているという中で、それがなかなか浸透しないとかというような実情があると認識はしています。しかし、そういった中で明らかに科学的にというか理解できないことを強いていて、子供たちがその犠牲というか、非常に苦しい思いをしているというのは、スポーツをそのまま好きでいてもらえるかといったら、やはりそれはノーだと思いますので、それも含めてこの部分を本当に我々大人がしっかりボランティアであろうと子供に関わるという責任とか、スポーツを通じて関わっていくという責任の下にこれが本当に必要だということを強く認識して、それも改めて伝えていく努力を都度、都度、これは多分やり続ける以外ないと思っておりますので、是非長官を中心に、また我々も協力しながら進めていければなと思いました。以上です。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかに何か、迫本委員。

【迫本委員】
 このスポーツ・インテグリティを確保するということは重要だと思うんですけど、私は大したあれじゃないんですが小学校のときにラグビーをやっていて、中学で水泳をやっていて、高校でハンドボールをやっていたんですけども、我々のときは、体育会のときは本当にやっぱり運動は勝たなきゃいけない、勝つための苦しい練習をするためには理不尽なものを乗り越えていかなきゃみたいな、そういうような世代ですし、ラグビーも本当に紳士の国のスポーツですし、ノーサイドというああいう精神もすばらしいなと思うんですけども、現実にはラックやモールの中じゃ、結構ボコボコにやっているみたいなところがありますし、水泳のときも私は水球の練習とか試合も見ていましたけど、水中の中じゃ相当乱暴なことをやっているんで、そういうのを考えると簡単にインテグリティと言っても、なかなか難しいところもあるんじゃないかなみたいに思うんですけれども、私はやっぱりスポーツ庁として、また国として、プレーヤーが、グッドコーチ像の中に入っていますけども、生涯の人間的成長を長期的視点で支援するというここのところがすごく重要かなと思っていまして、いろいろな暴力だとか言葉によるハラスメントなんかに関しても、やっぱり文脈で捉えるとまた違うあれになってくるんで、ささいなことでもこういう文脈じゃちょっと許せないとか、多少のことでもこういう文脈なら見逃せると言ったら言い過ぎですけれども、理解できるんじゃないかということがあるんで、やはり人間的にどうプレーヤーと指導者が触れ合って、その人間的な成長を伸ばしていくかという視点は軸として持っているべきではないかなと思いました。以上です。

【山脇会長】
 宇津木委員、お願いします。

【宇津木委員】
 ありがとうございます。今委員がおっしゃったとおりで、私自身も昔、現役のときに監督は、昔の私たちのスポーツは本当にたたかれて根性論でやってきた面があります。しかし、ここ本当に数年、私自身もすごく今は反省しているんですけども、どうやって学生や選手と向き合って、子供たちと向き合って育てるか、指導者がやはり指導者の指導を今後は考えていかなければなかなか難しい、もうこれだけいろいろなニュースが毎日テレビで放映されていても全然変わらない、やっぱり上、リーダーが変わらない限りは変わっていかないんじゃないかなと、そんな感じがします。やっぱり変える、変わる、その中で全てペナルティを与えるんではなく、本当にしっかり向き合いながら、人、人間作りをしていかないと、なかなかこれは難しい問題ではないかなという感じがしますので、スポーツ庁として、長官としても、長官も若いときは随分いろいろな形でやってこられたと思って、一番現場をよく分かっていると思うので、そういう点は今の現状の中、この日本のスポーツ界をこれから本当にどういう方向に持っていかなければいけないのかということを急務に考えたいい案を皆さんで出し合って、スポーツをやっていた人と、また全然やっていない人の考え方というのは本当に違うと思うんです。そこら辺の意見交換をしながら取り組んでいくときだと思っていますので、よろしくお願いします。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 それでは、皆さんからの御意見を頂戴いたしましたので、これで今回の総会の議題は全て終了いたしたいと思います。
 最後に、長官にも長い時間来ていただいておりますので、鈴木長官から一言、御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

【鈴木スポーツ庁長官】
 皆さん、こんにちは。長時間にわたりまして御議論いただきまして、本日はありがとうございます。今日、答申案ということでいろいろとまた更に御意見を頂いて、改めてこのスポーツ審議会の委員に皆さんに御就任いただいて本当によかったなと、非常にきょうもあっという間の2時間半でして、これからこの答申案をまた実行に移していくという中で、先ほど山脇会長からもスポーツ庁だけでなく、委員の皆様も主体的に動いていただきたいみたいな話もございました。そういう意味では今後、迫本社長、これからスポーツ実施率を上げていくというふうに、もしかすると歌舞伎役者の皆さんに改めてお願いに行くことがあるかもしれませんが、そのときは御快諾いただきたいと思いますし、またきょういろいろなテーマで話ししていただいて、中でも人材の育成ですとかそういったことも大きな、大きな話題になりましたので、これから我々スポーツ庁としては関係省庁に対してお願いしたり、関係団体とまた連携を強化してこの答申案を先に進めるべく努力してまいりたいと思います。
 今日はまず御礼と、今後ともまたよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 今日は本当に長時間にわたり、非常に内容の濃い議論をさせていただきまして、ありがとうございました。また、今回取りまとめに当たっては、事務局の皆さんに本当にいろいろ大変な御尽力を頂き、改めて厚くお礼を申し上げたいと思います。
 次回のスポーツ審議会総会は来年1月、2月ぐらいを予定しておりますけれども、この日程につきましては、事務局と調整いたしまして御連絡いたします。
 あと何か事務連絡でございましたらお願いします。

【鈴木政策課長】
 失礼いたします。本日はありがとうございました。今、山脇会長からお話がございましたとおり、次回の日程は来年1月頃ということでございますが、一応予定されている審議事項からすればということでございますので、またそれまでの間に何か審議を要するような事項が生じました場合には、また会長と御相談の上、御案内を差し上げたいと存じます。
 また、今日は非常に大変多くの資料になっておりますので、もしお荷物でございましたら置いていただければ、後ほど事務局から郵送等の手配をいたしますので、そのようにしていただければと思います。
 また、今政府全体といたしましては審議会などの会議のペーパーレス化を進めようというようなことが方針として出ておりますので、次回に向けましてはそのあたりの対応につきまして、会長とも御相談させていただきながら、できるだけ合理化をさせていただきたいと考えてございます。
 あと最後でございますが、近日異動、退任予定の幹部がございますので、御紹介を簡単にさせていただければと思います。
 まず、今泉課長。

【今泉国際課長】
 皆様、どうもありがとうございました。スポーツ庁発足以来、2年10か月、スポーツ庁国際課長のポストを務めさせていただきました。あす、独立行政法人日本スポーツ振興センター、いわゆるJSCの理事として赴任することになります。引き続きスポーツに関与できますことをうれしく思いますし、またこのスポーツを通じて皆様とも引き続き関係を持たせていただけることを非常に光栄に存じております。今までどうもありがとうございました。また今後ともよろしくお願いいたします。(拍手)

【仙台参事官】
 スポーツ庁で地域振興担当の参事官をしております仙台でございます。私も今泉課長と同じく2年10か月の間、スポーツ行政に携わることができまして、大変充実した2年10か月間でした。この間、委員の皆様方には貴重な御意見を頂きまして、またスポーツ基本計画でスポーツツーリズムやスポーツ施設についてなどたくさんの御意見を頂きました。この道しるべ、計画に沿って安心して政策を進めていくことができましたことを大変感謝しております。また、叱咤激励も頂きまして、それを力に背中を押されながら仕事をしてまいりました。本当に充実した2年10か月でした。今後とも何らかの形でスポーツに携わっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。(拍手)

【南野企画官】
 民間スポーツ担当参事官付企画官をしております南野圭史と申します。私、スポーツ庁は1年という短い間でございましたけれども、今のポストで主にスポーツ団体の不祥事なんかの対応をさせていただいておりました。ここに来る前は丸川オリパラ大臣の秘書官をさせていただいたので、総じて2年ということでこのスポーツ界の仕事をさせていただきました。本当にたくさんの勉強をさせていただきました。今後は文部科学省の本省の方に戻りまして、大臣官房総務課の方で仕事をさせていただくことになりますが、またスポーツの方にも十分関心を持って取り組んでいきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

【山脇会長】
 ありがとうございました。
 それでは、第12回スポーツ審議会総会をこれで終了いたしたいと思います。本日は皆様、どうもありがとうございました。

── 了 ──

お問合せ先

スポーツ庁政策課