令和7年12月10日(水曜日)15時00分~17時30分
文部科学省3F1特別会議室
延與委員、大日方委員、大塚委員、勝田部会長代理、川田委員、久木留委員、桑井委員、境田委員、高橋委員、土田委員、能瀬委員、平野委員、星委員、本橋委員、諸橋委員、結城委員、渡邉部会長
河合長官、大杉総括官、赤間企画調整室長、中村健康スポーツ課長、田中競技スポーツ課長、小川参事官(国際担当)
スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第7回)
令和7年12月10日
【渡邉部会長】 師走のお忙しい中、御参集いただきありがとうございます。ただいまより、スポーツ審議会スポーツ基本計画部会第7回を開催いたします。
本日は大変お忙しい中、遠方より御参加いただき、誠にありがとうございます。前回に引き続き、関係団体からのヒアリングを予定しております。まずは事務局より、本日のスケジュールに関する説明をお願いいたします。
【事務局】 本日はどうぞよろしくお願いいたします。本日の運営と資料に関する確認をさせていただきます。本日は事前に希望をいただきました委員の方にはウェブ会議で御参加いただいております。報道関係者については一般の方と同様、ライブ配信での傍聴とさせていただいております。資料につきましては、議事次第に記載されております一覧の通りでございます。資料に不足等ございましたら、事務局までお声がけください。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。早速、議題の1、関係団体からのヒアリングに進みます。事前にお伝えしております通り、各団体におかれましては、取り組んでいる状況と成果、現状抱えている課題、更に第4期計画において期待すること、この順番でお話をいただきたいと思います。
進め方といたしましては、まずEグループの5団体からお話をいただきます。皆様には6分間という時間で御説明いただくことになります。御負担をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
また、委員の皆様におかれましては、いつも通りまとめて2分以内で御質問をお願いいたします。時間の制約がございますので、早速、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会】 皆様こんにちは。御紹介いただきました愛知・名古屋アジア・アジアパラ大会組織委員会でございます。短い時間ではございますが、お手元の資料と投影しておりますスライドを御覧いただければと存じます。来年開催のアジア・アジアパラ大会ですが、アジア大会の開催まで300日を切り、目前に迫っておりますので、諸課題は山積しております。そのような中、前を向き、多くの皆様にサポートいただきながら、準備を進めております。
大会の位置付けは記載の通りですが、重要なのは、なぜこのような大会が始まったのかという原点でございます。戦後の平和という観点からスポーツに何ができるのではないかという提唱により、この大会は始まりました。1951年にインドのニューデリーで第1回が始まり、我々の大会は第20回という記念すべき大会となります。アジアパラにつきましては、日本発祥のフェスピックが前身であり、1975年から開催され、途中で組織改編もありましたが、アジア大会と同じ45の国と地域が参加するアジアパラ大会として、我々の大会で第5回となります。
そして、ここに記載させていただいたのは、山下前JOC会長と森JPC会長から、自国開催なのでトップアスリートをきちんと派遣し、日本選手団を強力なものにするようにと、2年前にお話をいただいております。来年開催の両大会に、日本から多くのトップアスリートに出場していただけるよう、こちらとしても働きかけを行い、トップアスリートが輝く大会にしたいと考えております。
大会スローガンは「IMAGINE ONE ASIA ここで、ひとつに。」、アジアパラのスローガンは「IMAGINE ONE HEART 心を、ひとつに。」という形で、大会を象徴するものとして、皆様にスローガンを覚えていただけるようにしております。大会の概要は記載の通りですが、名古屋市瑞穂公園陸上競技場は現在、全面改修を経てほぼ完成しており、非常に良いスタジアムになっております。ぜひお越しいただければと存じます。アジア大会はオリンピックより競技数が非常に多いため、お手元のパンフレットを御覧いただければと思います。
このような国際大会では、地域活性化をきちんと考える必要がありますので、当然インバウンドもそうですが、スポーツツーリズム、そして我が国の文化やアジアの文化の発信をしっかり行っていこうということで、公認文化プログラムを設け、様々な団体の方々に御協力をいただいているところでございます。
次に大会関連情報ですが、この後、競技スケジュールを年内に発表する予定です。チケット販売の概要をお示しし、来年からチケットを本格的に販売していくという点がまず大きいかと存じます。その後、トーチデザインやメダルデザインなどを各イベントの中で発表していきたいと考えております。6月には100日前イベントを予定しており、この時点でおおよその全体像が見えていることと存じます。聖火リレーを経て本番を迎えますが、来年は国際カレンダー上でもオリンピック・パラリンピック、WBCやワールドカップなど多くの大会が開催されますので、それらに続き、我々の大会も日本国内での大きな大会として盛り上げていきたいと考えております。
名古屋には御存知かもしれませんがテレビ塔があり、こちらを活用して1年前イベントとして大規模なスペシャルイヤーカウントダウンを行いました。その時の風景がこちらです。こうした取組を行うことで、徐々に認知度も上がってきているところでございます。
次に、今回、特別措置法が成立いたしました。スポーツ庁の皆様、各省の皆様、そして国会議員の皆様、関係の皆様に多大な御支援をいただき、誠にありがとうございました。この法律が施行されるに当たり、アジア大会、パラ大会に多くの御支援をいただけると伺っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
次が、我々が挑戦している現在の大会の状況でございます。選手村を設けないという、スポーツ関係者の皆様がお聞きになると驚かれるような、経費削減のための取組を行っております。ホテル、ホテルシップ(いわゆるクルーズ船)、そして移動式宿泊施設の3本柱で対応しようとしております。今後の国際大会を運営するに当たり、既存施設をいかに活用できるかが非常に重要であると我々は考えております。前回大会は中国の杭州で開催されましたが、杭州ではほぼ全てのアリーナ、スタジアムを新設し、地下鉄も4路線から9路線に増設するなど、インフラ整備に多額の費用をかけておりました。成熟した国家である日本として、既存施設を最大限活用して対応できるモデルを提示できるのではないかと考えております。特に移動式宿泊施設は、災害の多い日本において、仮設住宅などに転用できる可能性があるため、大会後には各市町に設置される形で、レガシーとしても活用できるのではないかと考えて進めているところでございます。
以上となります。今後とも皆様の御支援をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。続いて、東京都、お願いいたします。
【東京都】 御紹介にあずかりました、東京都スポーツ推進本部スポーツ総合推進部長をしております小池でございます。本日はこのような場で東京都のスポーツ施策について御説明する機会をいただき、ありがとうございます。また、本年東京都では、世界陸上とデフリンピックという二つの大きな国際大会を大盛況のうちに終えることができました。関係の皆様方には多大なる御協力をいただき、誠にありがとうございました。早速ですが、資料に基づき御説明させていただきます。
本日の御説明内容は記載の通り、まず世界陸上とデフリンピックの開催結果について御紹介申し上げますとともに、東京都から国に対して提案要求している内容と東京都スポーツ推進総合計画の内容について御紹介させていただければと思っております。
お手元の資料3ページから10ページまでに、東京2025世界陸上、東京2025デフリンピックの開催結果をまとめてございます。本日は概要として、要点を絞って御説明します。まず3ページの下段でございますが、東京都では今年開催の世界陸上とデフリンピックに向け、令和5年に、目指すべき姿を「ビジョン2025」として取りまとめ、それに基づいて両大会で様々なプロジェクトを実施することを計画してまいりました。それが今年の様々な取組につながったものでございます。
世界陸上では、特に子供たちの参画として、都内や被災地の子供たちを競技観戦に招待いたしました。非常に多くのお子さんたちが国立競技場のスタンドで実際に観戦いただく機会を通じ、子供たちの参画を促したところでございます。また、大会期間中には、観戦するだけでなく、国立競技場のトラックを実際に活用し、短距離走の体験会なども実施いたしました。このように子供たちに夢を届ける様々な取組について世界陸上を通じて実施したことから、WA(ワールドアスレティックス)から表彰もいただいております。
大会にあわせて、持続可能な大会の取組も行っております。具体的には、航空燃料SAFの普及に向け、アスリートと協力した廃油回収のキャンペーンを実施しました。また、夏場の開催でしたので、暑さ対策など、環境対策にも積極的に取り組んでまいりました。
続きまして、9ページを御覧いただければと思います。ここからがデフリンピックの概況になります。本年11月に開催されましたデフリンピックにおきましても、子供たちを競技観戦に各会場へ招待させていただきました。特に、聾(ろう)学校の子供たちにぜひ関わっていただきたいと考え、エスコートキッズやトレイベアラーといった運営体験の機会を提供することで、聾(ろう)学校の子供たちにも参画いただきました。
また、聴覚障害のある方とのコミュニケーションのために、手話言語とあわせてユニバーサルコミュニケーション技術も活用し、選手や観客への情報保障を充実させてまいりました。また、競技会場以外にデフリンピックスクエアという会場を設け、「みるTech」というイベントを開催して、こうしたコミュニケーション技術をPRしてまいりました。このデフリンピックでは、聴覚障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に視覚的に応援を届けることができる「サインエール」というものを新たに開発し、大会を盛り上げることに繋げました。
また、世界陸上と同様に、多様なボランティアの皆様方が大会を支援してくださいました。この他にも、分身ロボット「オリヒメ」を活用し、実際に競技会場に来られない障害のある方々も含め、多くの方々に大会に参加いただくという企画も実施いたしました。
こうした取組を通じ、世界陸上、デフリンピックともに、スポーツそのものを楽しむ機会を提供するとともに、子供の参画、環境対策、都市の魅力発信、共生社会の実現など、様々な観点の取組を行い、スポーツだけでないレガシーの創出に努めてきたところでございます。既に報道の通り、世界陸上は60万人を超えるフルスタジアム、デフリンピックも想定を大きく超える33万人の方に御来場いただきました。これは、地上波で世界陸上を生放送していただいた成果もございますし、また聴覚障害のある皆様のSNSでの効果的な発信などもあって、これまで認知度の低かったデフリンピックも大いに盛況のうちに終わったところでございます。
続きまして、11ページを御覧いただきたいと存じます。東京都から国に対して提案要求をさせていただいております。その内容に少し触れさせていただきます。まず一つ目でございますが、今御説明した通り、世界陸上、デフリンピックにおきましては様々な取組を進めてきたところでございます。こうした大会を一過性のものにしてはならないと考え、両大会のレガシーの発展に向けて、更なる支援を国にお願いしていきたいと考えております。
また2点目として、国際スポーツ大会は、都民・国民、とりわけ次代を担う子供たちにスポーツの価値や感動を届ける大きな機会となります。したがいまして、こうした国際スポーツ大会の開催が、経済効果をはじめ様々なレガシーを東京のみならず日本全国にもたらし、国にとっても非常に有益であると考えております。国際社会における日本のプレゼンス向上につながることからも、ぜひ大会の誘致・開催に向けては、財政面も含めて全面的な支援に取り組んでいただきたいと思っております。また、国際大会の誘致をはじめ、スポーツ界において日本のプレゼンスを向上させるためには、国際競技団体などの国際的なスポーツ団体で活躍する人材の育成・輩出も必要かと存じます。ぜひ国におかれましても、そうした取組をあわせて進めていただければと思っているところでございます。
最後になりますが、東京都の計画について簡単に御説明させていただきます。東京都では本年3月に、令和12年度までの6年間を対象とした「東京都スポーツ推進総合計画」を策定しております。この計画のポイントは主に3点ございます。まず、都民のスポーツ実施率に加え、ウェルビーイングの向上を目標に掲げ、初めてスポーツを通じた幸福感の向上を達成指標に加えました。また、従来のスポーツの参画方法である「する」「みる」「支える」に加え、新たに「応援する」という入口を設け、様々な形でスポーツへの参画を促しております。この「応援する」を位置付けたことが世界陸上やデフリンピックの応援にも繋がったと考えております。更に、DX技術の活用も掲げており、各政策効果を発展させることも盛り込んでおります。
この計画の目標として、「誰もがスポーツを楽しむ東京を実現し、一人ひとりのウェルビーイングを高め、社会を変革する」という基本理念のもと、四つの柱を掲げているところでございます。また、重点政策テーマとして六つのプロジェクトも設定し、分野横断的に施策を推進しております。今般改正されましたスポーツ基本法でも情報通信技術の活用などが規定されておりますが、特に「スポーツDXプロジェクト」ではeスポーツの活用をはじめ、スポーツ施策にもDXを取り入れてスポーツの力を高めていくこととしております。このeスポーツは、障害者、高齢者にかかわらず様々取り組むことができますので、ぜひ国の計画におきましてもeスポーツを位置付けていただきますと、この施策の推進にも弾みがつくと考えております。
こうした取組を通じ、東京都では、残念ながら無観客だった東京2020大会のレガシーを引き継ぎつつ、今年行われた世界陸上、デフリンピックのレガシーを継承し、さらなるスポーツ振興に努めていきたいと考えております。資料の最後に計画の概要を掲載しておりますので、御覧いただければと存じます。雑駁ではございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【渡邉部会長】 続いて、ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会、お願いいたします。
【ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会】 このような機会を設けていただき、誠に感謝しております。私は話があまり得意ではありませんので、時間内に終えることが部会長に対する唯一の貢献ではないかと考えております。
失礼ながら、第三期の計画を拝見して思いましたのは、スポーツに対する期待が非常に大きくなり、あるいは社会が多様化しておりますので、その中で私たちがどのように課題を乗り越えていくかという点が、これからの議論の中で重要だと考えております。とりわけ、スポーツのすばらしさというのは、皆様それぞれ感じておられることと存じますが、各スポーツにおいて、特色のあるスポーツを満遍なく振興していくというのは、なかなか至難の業ではないかと存じますので、その辺りをこれからの議論の中で御検討いただきたいと、僭越ながら考えております。
さて、3点に絞ってお話をしたいと思います。その前に、ワールドマスターズゲームズは、意外とまだ皆様の知名度が低いのではないかと感じております。ちょうど2019年にラグビーワールドカップ、2020年にオリンピック、そして私どものワールドマスターズが2021年ということで、「ゴールデンスポーツイヤーズ」と名付けてくださいました。しかし、残念ながらコロナ禍の真っ只中で、この大会は大幅に延期されており、2027年の開催となりました。他の大会にない長期延期となり、何とかやり遂げたいと思っております。
3点と申しますのは概要でございますが、資料の1ページ目を御覧いただきますと、お分かりの通り、この大会は他の大会とは異なります。何が違うかと申しますと、参加資格が年齢であり、30歳以上ならば誰でも出場でき、しかも予選がないというのが売りでございます。そして、初代スポーツ庁長官もニュージーランドの大会に出場され、御専門の水泳ではなく陸上競技を経験していただいたことが一つの特色でございます。「誰もがメダリストの候補」と書いてありますが、これも少し言葉が過ぎるかもしれませんが、陸上や水泳のように、種目によっては非常に幅広い参加者が予定されておりますので、年齢を細かく区切って参加していただきます。例えば、インドの100歳の女性が金メダルを取りましたというニュースになります。それは参加者が少ないからでしょうという声も上がりますが、そういった形で皆様にぜひメダルを取って元気になっていただこうというのが一つです。
ローザンヌにある国際マスターズゲームズ協会が提唱しているのは、従来のスポーツの枠を超え、誰もがスポーツを実践する「スポーツ・フォー・ライフ」という考え方です。この点が、一つの象徴的なコンセンサスであると御理解いただきたいと思います。
過去の開催経過は、オリンピック同様に4年に1回開催されており、第1回は40年前のトロントで開かれました。この時は8,000人余りの参加でしたが、その後、継続して開催されてきたことは一つの成果ではないかと考えております。最近では台湾で開催されましたが、次回2027年に日本で開催されることを御記憶いただければと存じます。
そして3ページ目にまいりますが、日本で開催する際のおおよその規模感で申し上げますと、2027年に関西で開催いたします。この「関西」というのには意味がございます。これまでのワールドマスターズは一つの都市で開催してまいりましたが、もう少し広域開催を経験してみようということで、これをスポーツへの取り組み方の一つとして、限られた都市で経験するのではなく、それぞれが友好関係を結んで関西で開くことになりました。2府7県4政令都市の広域を対象にしております。規模としては、海外から2万人、国内で3万人超、合計で5万人を我々の目標にしております。おそらく国内からはもっと多くの方が来られるのではないかと考えております。下の注釈にもございますが、私どもの力不足もありますが、閣議了解をいただき、また毎年の骨太方針の基本枠の中に、このワールドマスターズを一つの課題として記載していただいており、国全体にも御認識いただいていると考えております。
急ぎ足で恐縮ですが、4ページには「この大会の特徴と楽しみ」という表題の真ん中にありますように、「楽しむ」ということを重視しており、わずか20名余りの小さな組織ですが、職員にも「自分がワクワクしないような仕掛けでは、お呼びする方々にもワクワクしてもらえない」と指示しております。新しいスポーツの課題として「する」「みる」とありましたが、例えば「支える」ボランティアのような市民参加も非常に重視しております。ボランティアという言葉の定義は非常に広いですが、一時は通訳を「支える」に含めておりました。しかし、今や様々な機器が開発され、同時通訳も自由にできる時代になりましたので、むしろお客様としていらっしゃる方々に楽しんでいただくためのバックアップ体制を作ることを重視しております。
また、「集う」ということも書いてありますが、この新しい出会いというのは、世界の方々と日本全国の方々が、ボランティアを含めてワールドマスターズに参加していただければと思います。そして「巡る」とありますのは、関西は非常に文化・伝統的なものが多いわけですが、その地域の資源や各産業、そういった方々が持つ財産を皆で出し合って支援し合ってはどうかということで、それぞれが楽しむ世界に飛び込んでいくと考えております。特にここでは明記しておりませんが、参加される方々は御自身のお金を積み立てて旅費や参加費を支払っていただく、自費で参加するというのが一つの文化ではないかと御認識いただきたいと思います。
5ページ目にまいりますが、目指すものとして考えておりますのは、各スポーツの祭典と類似するところもあろうかと思いますが、一つはスポーツを通じた健康生活づくりです。30歳以上という区切りを設けているのは、これからの高齢化時代において、スポーツと付き合っていく時代になるからです。また、障害のある方と健常者の方が同じ土俵で競うということで、開催期間も同じにしております。中には、障害のある方々が自ら競技する場合もありますし、健常者がそれを支えるような世界をこの健康生活づくりの中で実現していきたいと考えております。
そして、繰り返しになりますが、先ほど申し上げたスポーツツーリズムの展開ということで、地域の文化交流もこの中で生まれてくると思います。特に関西には伝統的な産業も含め多くの財産があります。これを海外の方も含めて経験していただくことは我々の期待するところであります。スポーツ関連産業というと欲張ってはいけないと思いますが、これからスポーツ関係の方々が、スポーツ人口を新たに掘り起こしていきたいという課題意識を持っておられます。
さて、開催に向けた課題と対応としてまだまだ低い知名度の向上のため、類似の大会や大規模スポーツ大会にお願いしPRをやっていく覚悟ですが、まだ足りないと感じております。残された1年半の中で、ぜひ実現したいと思います。
最後に、大会の波及効果やレガシー、こういったものもぜひ、私たちとしては地域で実るような仕事にしていきたいと思っております。大会の波及効果やレガシー、こういったものも、私たちとしては地域で実るような仕事にしていきたいと思っております。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて、日本オリンピアンズ協会、お願いいたします。
【日本オリンピアンズ協会】 よろしくお願いいたします。日本オリンピアンズ協会でございます。よろしくお願いいたします。
まず、資料を1枚おめくりいただき、簡単に団体概要を御説明させていただきます。私どもの団体は2003年に発足し、現在NPOとして活動している団体でございます。過去、会長につきましては、元JOC会長も務められました竹田恆和オリンピアン、元スポーツ庁長官でもあられました鈴木大地オリンピアン、そして現在はアーティスティックスイミングの小谷実可子オリンピアンが会長を務めております。
私ども協会の目的は大きく四つございます。一つは、現在日本には5,000名を超えるオリンピアンがおりますが、こうしたオリンピアン同士の理解・親睦を深めるための活動。そして、オリンピックムーブメントの推進、すなわちオリンピズムの価値を広めるための活動。加えまして、社会貢献活動、そして国内スポーツの振興に寄与する活動を現在行っております。
次のページに具体的な事業を紹介させていただきました。まず大きな事業の一つとして、オリンピアン巡回指導がございます。各地域へオリンピアンが赴き、直接指導するスポーツ教室を通じ、青少年の健全育成とオリンピックムーブメントの推進を図っております。そして右上にあります通り、オリンピアン同士が集まり交流や情報交換をする場を定期的に設けて活動しています。真ん中記載の通り、機関誌の発行や、オリンピアンのみに与えられる称号「OLY」の普及などを通じて認知度向上にも努めています。OLYは博士号のPh.D.に似た、世界的に認められている称号です。そして社会貢献の一つとして左下にございます、世界オリンピアンズ協会、WOA(World Olympians Association)Grantsの推進です。世界オリンピアンズ協会が様々な社会貢献をしているオリンピアンに賞を与えていますが、日本で社会貢献活動をしているオリンピアンを積極的に世界に発信し、認知向上に努めています。この写真は、フェンシングの見延和靖オリンピアンが活動しております「折れ剣再生プロジェクト」を日本から推進し、賞をいただいたものです。
では次のページをおめくりいただき、これらの活動を行う中での私どもの現在の課題、そして第4期基本計画への期待ということで3点ほどお話をさせていただきたいと思います。
1点目が、オリンピアンネットワークの構築でございます。先ほどお話ししました通り、これまでに日本国内には5,000名を超えるオリンピアンが誕生しておりますが、私どものオリンピアンズ協会に加盟しているオリンピアンは約2,000名強という状況です。もちろん、オリンピアンが必ずこの協会に所属しなければならないものではありませんが、現実的に連絡を取る方法がなく、私どもの協会の活動を伝えられていないオリンピアンも多数いると考えております。その要因の一つとして、競技を引退したオリンピアンとの接続が競技団体でも困難であり、昨今の個人情報保護の観点からも、なかなかオリンピアンに直接連絡をして、様々な活動を一緒にしていきましょうと声掛けするのが難しいのが現状です。
そういったことも踏まえ、オリンピアンのネットワークをこれから更に広げていきたいと考えておりますが、決してオリンピアンだけではなく、例えばJOCでは強化指定選手を含めた現役アスリート、日本スポーツ協会では指導者のネットワークなど、様々なスポーツに関わるネットワークをそれぞれの団体が作られていると存じます。現在のDX化、ITの推進の中で、もっと大きくスポーツに関わる皆様のネットワークを推進・構築し、それを活用していくべきだと考えます。オリンピアンのみならず、選手であった人、指導者など、こうした情報を一元的に取り扱い、よりスポーツに関わる人々が活躍できる場を作っていただける、そのような仕組みを第4期基本計画に期待しております。
2点目としましては、オリンピアンが活動できる場の拡大でございます。現在、私どもの協会では年間約10地域ほどにオリンピアンを派遣して活動しておりますが、日本全国にはもっと多くの地域がございます。もっと多くの場にオリンピアンを派遣していきたいですし、オリンピアンが行くだけでなく、そのオリンピアンの出身地や経験がその地域の課題とマッチすることで、より言葉が響く、そういったつながりを作っていけたらと考えておりますが、なかなかそこまでの活動には至っていないのが現状です。スポーツ庁様でもアスリートを含め、様々な機会を地域の子どもたちに提供してくださっているとは存じますが、こうしたイベントを行う中で私どもが感じますのは、実は競技をやっている選手はもちろんオリンピアンが来て笑顔になるのですが、その笑顔になっている選手たちを見る保護者の皆様や、もっと高齢の皆様が実は更に喜んでくださり、「少しスポーツをやってみようか」「自分も色々な形で関わってみようか」と思ってくださることが、まさにオリンピアンが持つ力の一つかと考えております。
そういった意味で、スポーツをやっていない人がスポーツに新しく触れる、スポーツをやっている人が更に楽しくなる、そしてスポーツをやっている人が更に高みを目指す。そんな種まきができるのは、きっとオリンピアンが持つ力の一つだと思いますので、オリンピアンが活動できる場の拡大を第4期基本計画に期待しております。
そして最後になりますが、3点目にオリンピアンの価値向上でございます。先ほどもお話しさせていただきました通り、日本のオリンピアンの社会貢献活動を世界に現在発信しているところでございますが、オリンピアンという言葉は一生ついて回ります。選手を引退すると「元〇〇選手」と言われますが、私どもオリンピアンは「元オリンピアン」とは呼ばれません。オリンピアン、パラリンピアンは、オリンピック、パラリンピックに出場すると一生その名前がついて回ります。そういったことも踏まえ、引退後もキャリアを充実させるようなサポートや学ぶ場を提供できたらと考えておりますが、そこにも至っていないのが現状です。ぜひ学校教育や社会と結びつき、様々なことを学びながら、そして学ぶだけでなく発信することが学びに繋がると思いますので、学校教育や社会と結びついて様々発信できる場も作っていただけたらと考えているところでございます。
以上、日本オリンピアンズ協会からの報告とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。最後になります。日本パラリンピアンズ協会、お願いいたします。
【日本パラリンピアンズ協会】 ありがとうございます。日本パラリンピアンズ協会です。よろしくお願いいたします。
私たちパラリンピアンズ協会は、2003年に発足したパラリンピック出場者による選手会です。競技や世代の枠を超えて会員同士が繋がり、広く情報交換を行うなど、私たちだからこそできる次世代の育成事業などに現在取り組んでおります。詳細は資料を御覧ください。現在、会員は161名となっております。
現状の課題認識と、それに基づく第4期計画策定への期待として、私たちパラアスリートの視点から4点ほど記載させていただいております。
1. パラスポーツ競技団体とオリンピック競技団体及び関係団体との連携
2. 競技団体の基盤強化と人材育成、若年層アスリートの育成
3. 障害者のスポーツ実施率の向上と、日常のスポーツ活動の基盤整備
4. パラスポーツの国際大会の開催増加
この四つでございます。一つずつ御説明させていただきます。
一つ目の「パラスポーツ競技団体とオリンピック競技団体及び関係団体との連携」についてです。例えば、私が取り組んでいる水泳であれば、日本パラ水泳連盟と日本水泳連盟といった、パラ競技とオリンピック競技の連携になります。課題として我々が認識しているのは、パラスポーツは試合の回数が極端に少ないという点です。これが、健常者スポーツの競技団体と共同で試合を開催させていただければ、開催数が少ないという課題を解決できるのではないかと感じております。
また、指導者育成においても、このオリパラの融合は大変効果的ではないかと考えており、私自身の話で恐縮ですが、現在オリンピックメダリストから指導を受けております。この指導を受けることによって、競技パフォーマンスはもちろんのこと、水泳競技においてはオリンピックとパラリンピックの距離感が大変縮まってきていると感じております。また、指導してくださっている方からも、視覚障害者に教えることで様々な言語化能力が向上していると感じていると聞いております。パラアスリートへの指導は、指導力の幅を広げる可能性があると考えておりますので、例えば指導者研修の中にパラアスリートへの指導を盛り込んでいただくことも有効ではないかと考えております。
また、競技団体だけでなく、関係団体との連携も重要です。具体的に一つ挙げるとすれば、日本アンチ・ドーピング機構かと存じます。たまたま本日朝7時にも私の自宅に検査員の方がいらっしゃいましたが、そういうことではなく、視覚障害のある選手にとって居場所情報の提出や抜き打ち検査には様々な課題を抱えております。こうした課題と向き合うために関係団体、ドーピング機構とNF(国内競技連盟)が連携していくことで、ハイパフォーマンスを更に充実させることができるのではないかと感じております。
二つ目は、「競技団体の組織基盤強化」です。こちらの課題として、そもそもパラスポーツの競技団体は当然ながら会員数が極端に少ないため、会費や協賛費の確保が非常に厳しい状況にあると認識しています。職員が慢性的に不足しており、自立のための取組をしたいと思っても、目の前の事務作業に追われ、新しい取組をする余裕が全くないのが現状です。様々な項目を挙げさせていただいておりますが、何よりも人的資源の充実なくしては、パラスポーツは次のステージに進めないと感じておりますので、この辺りの支援が充実すると大変ありがたいと考えております。
また、競技団体が抱えるもう一つの課題として、次世代育成、ジュニアレベルの選手の育成を挙げさせていただいております。トップレベル、エリートレベルの選手たちの育成、トレーニングや強化については、東京2020大会を契機に大変充実してきていると感じております。これはパラリンピックでの成績が向上したことからも言えると思いますが、これは競技団体というよりは、あくまで各個人の選手に対するスポンサーや企業からの支援が大変大きかったのではないかと実感しております。強くなれば強化費は充実しますが、強くなるまでが難しいという点が大きな課題だと感じております。我々パラリンピアンズ協会としては、そのような選手に対して奨学金を給付しておりますが、こうした仕組みが増えることで、より選手層の底上げになるのではないかと感じております。
続いて三つ目、「障害者のスポーツ実施率の向上」です。こちらは笹川スポーツ財団のデータをお借りしておりますが、現状よりも10%、障害者のスポーツ実施率を上げようと思うと、まずは施設そのものを充実させなければならないと感じております。既存の通常のスポーツ施設だけで障害者の利用率を高めることには、様々な困難があるかと感じておりますので、まずは施設の充実、すなわち障害者が利用しやすいアクセシブルな施設の充実がハード面として必要です。このハード面だけでなく、ソフト面といたしましては、障害者スポーツ、パラスポーツに理解のある人材を配置していただくことも、障害者のスポーツ実施率の向上に有効ではないかと考えております。障害者スポーツ指導員などの資格がありますが、こうした有資格者の方が1人でも施設にいてくださるだけで、障害者にとってはプラスになりますし、指導者にとっても働く場所の幅が広がります。また、そのスポーツ指導員という資格そのものの価値も向上するのではないかと考えておりますので、実施率向上のためにこうした点も御検討いただけると大変ありがたいと存じます。
加えて、障害者のスポーツ実施率の向上に関してもう1点挙げさせていただいているのが、部活動の地域展開等です。これは近年進んでいるかと存じますが、その一方で、パラリンピック出場者の中には学校の部活動出身という選手も数多く存在します。この部活動が地域展開等されたときに、果たして障害者は取り残されずに、地域展開等の中に取り込んでもらえるのかという点を危惧しております。障害者が取り残されない、誰一人取り残されないような仕組みにしていただきたいと考えております。
最後は、「パラスポーツの国際大会の開催増加」です。パラスポーツの大会開催において非常に課題となるのが、宿泊や輸送といったもののアクセシビリティです。多くの車いすユーザーの選手・関係者が世界中から押し寄せた場合に対応できる宿泊施設並びに輸送のアクセシビリティ、その仕組みを充実させなければなりません。これがネックとなり、大会開催に至らなかったケースもあると認識しております。これらのアクセシビリティの向上は、直近の国際大会開催はもちろん、それ以降、観光で高齢者や障害者がその土地を訪れたときに、必ずレガシーとして役割を果たすことになると考えております。これはまさにスポーツが社会に還元できるものの一つではないかと存じますので、ぜひ国際大会の開催を契機に、その町のアクセシビリティそのものの向上が期待されると感じております。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。なお、スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアムは御都合がつかず、書面提出となっております。それでは委員の皆様、時間厳守でお願いいたします。次の予定がございますので、16時5分にはこの会を一旦閉めさせていただきます。よろしくお願いいたします。延與委員、お願いいたします。
【延與委員】 デフリンピックのように、これまで知名度が低く、選手のこともほとんど知られていなかった大会があれだけ盛り上がったということは、どのようなスポーツ大会もやり方によっては盛り上がるはずだと強く感じました。デフリンピックがなぜあれほど観客を引き付けることができたのかを、ぜひ皆様で分析する必要があると考えております。東京都におかれましては、よろしくお願いいたします。
それに関連して2点です。今回、デフリンピックは聴覚障害者のコミュニティ、全国コミュニティの強さという特殊な要素もあったかと存じますが、実際に私が会場で見ていた肌感覚では、もちろんそうしたコミュニティの方もいらっしゃいましたが、それ以外の方々がかなり個別の選手のことを知って見に来ているケースが非常に多く感じられました。これは、自治体の講演会で話を聞いて感激したとか、新聞記事でその人の話を読んで感銘を受けたなど、個々のアスリートの情報に接してきた方が非常に多かったように思います。その意味で、先ほどオリンピアンズ協会やパラリンピアンズ協会のお話がありましたが、アスリート自身の発信が、スポーツを盛り上げる上で本当に力となり得るのだと感じました。そのことについて、両団体でお感じになっていることがあればお聞かせください。
もう一つ、東京都にお伺いしますが、先ほど国際大会を次々に開催していくことが大事だとおっしゃっていましたが、まさにその通りで、特にパラスポーツのように国民の理解を更に広げなければならないものに関しては、次々に目立つことをやっていくことが必須だと考えます。現在、東京都として次のターゲットとしてお考えになっていることがあればお教えいただきたいと思います。以上です。
【渡邉部会長】 続いて、結城委員、お願いいたします。
【結城委員】 ありがとうございます。結城和香子と申します。それぞれ簡潔にお伺いします。
アジア大会、41競技、コストダウンのための分散開催、宿泊・輸送の工夫など、非常に大変なことと存じます。これまで私もオリンピック等の開催計画を見ておりますと、準備が本当に大変な場合、往々にしてその理念や、何のためにこの大会で社会変革を起こしていくのかという部分がなかなか伝わりにくくなるという側面が見受けられます。その部分をぜひアジア大会として全国に発信していただきたいと思います。スポーツの人々や社会にとっての価値、そして私たちの未来にどのようなレガシーを伝えていきたいのかという点について、ぜひお聞かせいただければと存じます。
東京都にお願いいたします。世界陸上では、コロナ禍で無観客だったところに満場の観衆が入りました。そしてデフリンピック、私も両方メディアとして取材させていただきました。東京オリパラのレガシーが、今度は世界陸上やデフリンピックに、そして社会に広がっていく、レガシーを育むという視点から素晴らしい意義と計画でお進めになっていると個人的に思っております。今回、世界陸上、デフリンピックに関しては、それぞれどのようなレガシーを意図されたのか、そしてそれをどのように浸透させ、育んでいこうとされているのか、お教えください。
パラリンピアンズ協会に伺います。素晴らしい実体験も踏まえた御提言、そして様々な、なるほどと思わせる状況を学ばせていただきました。ありがとうございます。特に、部活動の地域展開等に関して、社会で変化を起こそうとするときに、障害のある若者や子供たちへの視点が抜け落ちやすいという御指摘は身にしみました。この部分で、例えばどのような形で進めていくのがベストだと、これまでの御経験からお考えになるのか、柔軟性を持たせ、機能している部分はある程度残しながら移行のやり方を探るということなのか、をお聞かせください。
もう1点、パラリンピアンズ協会、オリンピアンズ協会にお伺いします。アジア大会、ワールドマスターズの後、日本国内での大きな総合国際競技大会の予定が、現時点ではないという状況が生じます。これに関してどのようにお考えなのか、もしよろしければお聞かせください。以上です。
【渡邉部会長】 諸橋委員、お願いいたします。
【諸橋委員】 ありがとうございます。日本オリンピアンズ協会と日本パラリンピアンズ協会に御質問いたします。オリンピアンの会員登録数が2,000名、パラリンピアンが161名ということですが、部活動の地域展開等において、子供たちの育成や普及のみならず、競技だけでなく、パラリンピアン、オリンピアンに対するリスペクトは、特にスポーツをやっていない親御さんたちからすると非常に大きいものであると、この15年間、私が所属する財団の活動の中で感じております。そのような中で、いわゆる競技力強化という部分とは別に、教育的な観点も含め、様々な形でこのパラリンピアン、オリンピアンが活躍する場を更に作っていかなければならないと思いますが、先ほどお話がありましたように、マンパワーの増強はスポーツ団体全体の課題です。資金面も同様です。ただ、何か今あるリソースの中で、どこかと一緒に取り組むことで解決できることなど、もし御意見や課題がございましたらお知らせください。お願いいたします。
【渡邉部会長】 一旦最後ということで、高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 諸橋委員とほぼ重なってしまいましたが、パラリンピアンズ協会とオリンピアンズ協会にお伺いしたいのは、第4期のスポーツ基本計画の中で、アスリートの持つ可能性を発揮できる、スポーツを通じた地方創生、人材育成の好循環などを考えたときに、オリンピアン、パラリンピアンと言わずとも、レジェンドアスリート、日本を代表したようなレジェンドアスリートの活動の活性化や連携の促進といった一文を入れると面白いのではないかと考えております。先ほど挙げられた課題以外に、私もどのような連携をすればよいのか、例えば国スポには必ず都道府県に出場協力関係を持つとか、ワールドマスターズに出場するとか、もっと何か単独で活動するのではなく、連携することで解決策があるのかどうか、もしあれば、基本計画上に活動が促進できるような文言を入れれば良いのではないかと思いましたので、全く同じ質問かもしれませんが、お伺いしました。
【渡邉部会長】 まず東京都からお願いいたします。それぞれまとめてお答えください。
【東京都】 ありがとうございます。まず、延與委員からの御質問のデフリンピックでございますが、盛り上がりは私たちの想定以上に大きかったというのが実感でございます。ここまで至るまでに、東京2020大会終了後からデフリンピックの準備を始めましたが、プロモーションは3ヵ年をかけ、まずはデフリンピックを知ってもらうところから、皆様に関わっていただくような体験会を通じて様々な形で実施してまいりました。特に直近で申し上げますと、様々なメディアに取り上げていただいたのはもちろんですが、協賛企業が160者集まりました。これは、私たちがオリンピックの反省も踏まえ、独自に各企業に障害者スポーツを支援していただけないかと働きかけた結果ですが、実に多くの企業が、このような社会を変革する事業に関わりたいということで協賛をいただきました。そういったことも踏まえ、各企業が抱えていらっしゃるアスリートの方々などにも広く応援していただいたと実感しております。
また、東京で開催された大会ですが、地方から多くの方がいらっしゃっていたと認識しております。その一つの理由として、各地方で「我が町にもこういうアスリートがいる」という、これまで知られていなかったものが、日本代表選手が決まった後、各県庁や市役所などで「ぜひデフリンピックで頑張ってほしい」という声が上がりました。これは、全日本ろうあ連盟の皆様がキャラバンカーで全国を回られたことなど、様々な形が盛り上がりに繋がった結果と考えております。正直、2年前は約15%程度の方しか知らなかったデフリンピックですが、多くの方に認知が広がり、この結果に繋がったと思っております。
また、次の国際大会ですが、国際大会は東京都という一つの自治体だけで実現するものではないと考えております。そのためにも、JOCやJPCと連携しながら、次にどのような大会を国と一緒に進めていくのかを検討しなければならないと思っております。例えば、女性の活躍といったテーマも、今回世界陸上の中でシンポジウムを開かせていただきましたので、そういった形に繋がるものや、あるいは先ほどパラリンピアンズ協会からもありましたように、パラスポーツをより広く知っていただけるような大会の誘致に繋げていくことが大事かと考えております。
次に、結城委員から御質問のありました世界陸上、デフリンピックのレガシーでございますが、私たち東京2020大会を運営したメンバーが東京都には数多くおり、今回の各運営組織にも多くの職員を派遣しております。こうしたメンバーが、世界陸上、デフリンピックの運営において、オリンピックで培った各国際機関との連携、様々な障害のある方々への配慮、ボランティアリーダーの方々との接し方、あるいは輸送・宿泊などのノウハウをまさに活かせたと考えており、こうした人材を国全体で育てていくことが、日本のスポーツ全体を引き上げることにも繋がっていくのかと思っております。
一方で、ボランティアの方にも今回、定員の数倍を超える方にお申し込みいただきました。これも立派なレガシーだと考えております。ボランティアの皆様が活躍することが、単にボランティア活動をするだけでなく、これからのパラスポーツをはじめとするスポーツを支える人材として、また地域クラブ活動などで活躍していただけるよう、社会全体にボランティア文化を広げていくことが大事だと考え、このようなレガシーをビジョン2025の中でも取り上げながら進めたところです。
また、子供たちにも、自分たちが世界で活躍できるのだということを間近で見て知っていただくことが大事だと思っており、世界陸上では各学校にリレーで使用するバトンセットを渡し、運動会で使ってもらうといったことも行っております。聾(ろう)学校でも、様々なインクルーシブな取組を通じて、自分たちも社会で活躍できるということを、実際に障害のある子供たちにも感じていただきました。こうしたインクルーシブ社会を作るために、私たちはUC技術のような新しいコミュニケーション技術として、多言語変換や手話言語の翻訳など、スポーツ大会を通じて社会変革に繋がるようなICT技術を紹介しました。こうした実証実験が社会に根付くことこそが、このデフリンピックをやってよかったというレガシーでもあるのかと感じております。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会の方、お願いいたします。
【愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会】 結城委員の御質問にお答えいたします。まさにおっしゃる通りだと存じます。開催意義を忘れ、日々の業務に忙殺されている感もございますが、おっしゃる通り、スポーツの価値をいかに発信していくかが重要です。アジア競技大会は、先ほど申しました通り、スポーツによってアジアの平和を築くということが大前提にございます。御存知の通り、現在でもアジア各国・各地域で様々な紛争が起きております。ですので、このアジア競技大会で45の国と地域が集い、スポーツをしっかりと行い、交流を深め、そしてそれを発信していくことは非常に大事だと認識しております。その結果、キーワードとしても「ワンアジア」という言葉が出てきていると自負しているところでございます。
そして、スポーツの価値につきましては、そのスポーツが持つ力、特に先ほどからオリンピアンズ協会、パラリンピアンズ協会のお話にあった通り、アスリートの力をどう見せていくか、それがどう見られるかというところに、人々の感動が生まれると思っております。我々はそのアスリートを間近で見ることができる機会を提供し、それを満員の観客で実現すべく、今必死に様々なことに挑戦しているところでございます。少し答えにはなっていないかもしれませんが、スポーツの価値は、アスリートの力を間近で見て、それをつなげていくことにあるかと存じます。
アジアパラにつきましては、先ほどアクセシビリティの話が出ましたが、条例等もかなり厳しく運用しております。そして我々もアクセシビリティガイドラインを作成し、できる限り対応しようと考えておりますが、さすがに例えばホテルの全室をアクセシビリティ対応にすることは難しいため、その点については、まず公共交通機関のアクセシビリティをかなり向上させ、どうしても対応できない部分についてはソフト面、すなわち人的サポートも含めて対応するという形で、現在アジアパラ競技大会もアスリートの方々に「参加してよかった」と言っていただけるよう、準備を進めているところでございます。以上でございます。
【渡邉部会長】 オリンピアンズ協会、お願いいたします。
【日本オリンピアンズ協会】 デフリンピックが盛り上がった点についてですが、私の考えの一つとして、今回メディアの力もあって、選手や競技を目にする機会がかなり多かったことが一つの要因かと存じます。私もオリンピアンの一人としてよく学校などを訪問しますが、私の行っていたリュージュというマイナーな競技のオリンピアンが行っても、子供たちは大変色々な話を聞いてくれたり、目を輝かせてくれたりします。その意味で、アスリートと直接触れたり、知っている人が出る、知っている競技があったりするのは、何よりも「行ってみたい」「見てみたい」という原動力の一つになるのかと思います。ですから、様々な選手、様々な競技の人が色々な場所に出向いて、多くの人と触れ合うことは大事ですし、その影響力は大きいのではないかと感じました。
結城委員からいただきました、今後国内での大きな国際大会がないという点につきましては、申し訳ありません、そこまで展望を読めておりませんでした。そうなると逆に、国内でしっかりと活動していくことが重要になります。何もしなくてもメディアに取り上げられるわけではなく、私たちスポーツに関わる者が積極的に活動し、海外で戦う選手たちの後押しをしていくことが大事かと存じます。具体的な策はございませんが、これからぜひ考えていきたいと思います。
諸橋委員からいただきました、どこと連携すればよいかという点ですが、私の知人に教員も多いのですが、学校の先生の一つの悩みとして、オリンピアンやアスリートを呼びたいと思ったときに、どこに連絡して良いか分からない、予算に制限がある、こういう話をしてほしいが、その話ができるか分からない、といったハードルがいくつかあると存じます。そういったときに、例えばスポーツ庁のホームページにアクセスして、地元のオリンピアンを検索できたり、話してほしいテーマや謝金の目安が分かったりするような、非常に幅広いネットワークがあって、まずは調べられる、そういった場があるだけでも状況は変わってくるのではないかと考えております。
最後に高橋委員からいただきました、活動に関する文言を入れていただけたらという点ですが、ぜひ現役アスリートがもう少し裏方で作業するような機会、例えば国スポの場に行ったときに選手として活動するだけでなく、「1時間はブースに入って裏側からサポートしてください」といったことも交えていくと良いかと存じます。現役の時からそういった活動の種まきをすることで、引退後により活動しようという気持ちになってくれるのではないかと思いますので、ぜひそういったことも文言として入れていただけると面白いと思いました。ありがとうございます。
【渡邉部会長】 パラリンピアンズ協会、お願いいたします。
【日本パラリンピアンズ協会】 ありがとうございます。まず、延與委員からいただきました、アスリートの発信についてどのように感じているかという点です。こちらは、まさに東京大会に向けて東京都が数多く実施してくださった、アスリートが学校を訪問するという活動が、しっかりと実を結んでいると近年感じております。大学生や社会人1、2年目の人たちに会うたびに、「パラアスリートの話を聞いたことがある」「こういう選手に会ったことがある」「試合を見たことがある」という話をよく聞きます。こうした東京大会に向けての種まきがしっかりと熟し、実を結び、その結果としてデフリンピックに多くの方が見に行くという形にもなったのではないかと考えております。この「本物と触れ合う機会」、先ほどオリンピアンズ協会からもありましたが、我々の方からしっかりと出向いて、本物に触れてもらう機会は重要です。そもそも障害のある人に触れたことのない子供たちも多くいると思いますし、その中でアスリートとなると、本当に珍しい経験としてインパクトがしっかりと残ると思いますので、こうした取組は今後も続けていきたいと感じております。
次に、結城委員からいただきました、地域展開等を進めていく中で何か良い方法はあるかという点ですが、部活動を完全にすべて地域展開等してしまうという点に、我々障害者としては難しさを感じております。例えば、特別支援学校だからこそしっかりとスポーツができるという障害レベルの選手たちもいますので、特別支援学校の部活動だけはどうにか残ってほしいという思いは正直ございます。また、東京都内は分かりませんが、地方に行くと、そもそも障害者が自分で移動すること自体にかなり大きなハードルが生じます。そのため、自分の通っている学校の中で、地域のスポーツクラブが活動を実施してくれるような仕組みになってくれると助かります。もちろん、運営そのものは学校の先生ではなく、地域のスポーツクラブや総合型地域スポーツクラブなどになるのかもしれませんが、会場が学校であることで移動のストレスがなくなるという点が、非常に大きな意味を持つのではないかと感じております。
それから、結城委員からいただいた国際大会の点ですが、国際大会は我々も資料に記載させていただいた通り、ぜひ開催したいと非常に思っております。これを実現するために、アクセシビリティのところも課題として挙げさせていただいておりますが、ここを解決して国際大会が実施できる状況、実施できる社会へと持っていきたいと感じております。
最後に、諸橋委員、高橋委員からいただきました、どこかと一緒にやっていくのはどうかという点ですが、これも資料の前半部分でお話しさせていただきました通り、オリンピック競技、健常者競技の競技団体と一緒に連携させていただくことが、一番効果的ではないかと考えております。これもまた水泳競技の話になってしまい恐縮ですが、都道府県レベルの水泳連盟とパラ水泳連盟等が連携し、都道府県の地域大会を、パラ選手も健常者も出場できるようなインクルーシブな大会にしていくという取組も進みつつありますので、こうしたものが増えていくことを期待しているところです。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。皆様、明快な御回答ありがとうございました。大塚委員、申し訳ありませんでした。もし他の委員で御質問があれば、事務局でまた繋いでいただきますので、よろしくお願いいたします。まずはEグループ5団体の皆様、短い時間で誠に申し訳ありませんでした。端的な御説明、ありがとうございました。
(Fグループヒアリング)
【渡邉部会長】 皆様お揃いになりましたが、質問したい方が多くいらっしゃる中で、私の方で気づかないケースがございます。これから質問される方は、名札を立てて合図をしてください。そうしますと見落としがなくなります。ただし、先ほどのように時間が限られておりますので、場合によってはこれで終わりにします、ということもございます。あらかじめ御承知おきください。
それでは、Fグループのヒアリングに入りたいと思います。Fグループにつきましては、日本アンチ・ドーピング機構、国際協力機構、日本スポーツ政策推進機構、笹川スポーツ財団、日本スポーツ仲裁機構、日本スポーツフェアネス推進機構の順でまいります。予めお話ししておりますが、時間は6分間ということで、皆様の取組と成果、現在抱えている課題、あるいはスポーツ庁の第4期計画への期待といった順番でお話いただきたいと思います。まずは、日本アンチ・ドーピング機構からよろしくお願いいたします。
【日本アンチ・ドーピング機構】 よろしくお願いいたします。日本アンチ・ドーピング機構専務理事の浅川でございます。よろしくお願いいたします。御指示いただきました通り、時間が限られておりますので、簡潔に御説明させていただきたいと思います。
私ども日本アンチ・ドーピング機構が統括・実施しておりますアンチ・ドーピング活動につきましては、単独の法人の活動のみならず、法令を背景とした活動として、第1期基本計画から第3期まで、それぞれ政策として位置付けられております。具体的には、検査体制等の整備、国際的なドーピング防止活動、教育研修活動、研究活動という四つの領域を具体的に設定しておりますので、そちらにつきまして、今期(第3期)における成果、第4期に向けての現状の課題、そして第4期に期待することという形でまとめさせていただいております。
その成果につきましては、簡潔に触れたいと思います。まず検査体制でございますが、東京2020大会のレガシーを活用した体制の維持が中核的な施策となっております。その中で、国際水準に沿った検査実績の確保や、国内での人員育成等に努めてまいりました。現状の課題を左側に記載しております。日本の分析能力につきましては国際的に見て高いレベルにあると考えておりますが、世界に30数カ所あるWADAの認定分析機関の中で、唯一の民間企業による運営という非常にユニークな形態であり、この継続性には脆弱性が指摘されております。また、単に分析をするということだけで継続ができるわけではなく、WADAが設定する研究活動への人材・財源投資が義務化されております。この点も含め、分析機関の継続と能力の維持が、あまり表舞台では議論されておりませんが、かなり大きな課題となっております。
また、分析能力は国際的にかなり鋭敏になってきており、それゆえに非常に微量の物質が検出できる状況にあります。一方で、サプリメントの使用等による非常に微量なレベルの検出が違反として扱われるケースや、食事から摂取したことが科学的に立証されるケースも違反として扱われるなど、鋭敏な分析能力と、様々なプロファイルを追跡しながら違反者を特定する手法の複雑化を受けて、意図的でない選手が違反訴追の対象となる事態をどのように回避できるのかということが、現在、課題として挙がっております。この点は、後に触れる研究のところとつながりますので、後ほど改めて触れたいと思います。また、国内的にはプロスポーツにおけるドーピング検査の実施体制や、いざというときの聴聞体制にも課題があると考えております。
これを受けまして、第4期に期待することですが、分析機関の継続に向けた財政的な支援も含めた政策的な支援をぜひお願いしたいと考えております。また、先ほど申し上げた通り、必ずしも意図的なアスリートばかりがドーピング違反で訴追される手続き上の体制にはなっていないことから、違反を疑われる状況になったアスリートに対する手続き面の支援、特に法的な専門家がサポートする体制の構築が非常に重要になっておりますので、これに対する支援をぜひ具体的な形でお願いしたいと考えております。そして、2027年には世界規程が新たに改定されます。その中で、国際的にはインテリジェンス&インベスティゲーションという、行政機関との連携のもとで違反を訴追しながらクリーンなスポーツ環境を作るという重要性が問われております。日本はこの領域の体制がまだ弱いところですので、この体制構築についてお願いしたいところです。
次に、国際的なドーピング防止活動につきましては、これは団体としてというよりは、政府として議席を有しているWADAの活動も踏まえた展開となります。アジア地域を代表する理事国ということもあり、アジア地域に向けてJADAの経験値を展開するということで、東京2020大会の知見というレガシーの活用という文脈もあわせ、アジア地域の人材育成や基盤強化を実践してまいりました。現状の課題としましては、これまでしっかりと行ってきたアジアへの活動をぜひ継続できる体制の維持をお願いしたいと考えております。繰り返しになりますが、団体としてというよりは、国との連携の中で、アジアにおけるスポーツを通じた外交的な文脈でも評価をいただいていると自負しておりますので、その点も含めた形での取組をお願いしたいと考えております。国際競技連盟における委員・役員への就任は、アンチ・ドーピング以外の分野でも過去に話題にされたところですが、アンチ・ドーピング活動においても全く同様で、政策的な議論がなされる場に委員を送り込んでいるかどうかは非常に重要な点です。そういった意味で、国際レベルの議論についていける人材を日本が常に有していることは、アスリートを含めた日本全体のメリットになると感じますので、そういった文脈での課題を抱えております。これを受けて、第4期計画への記載事項ですが、まさに国際的な議論への継続的な参加、アジア地域への支援に対する財政的な支援、そして研究活動が単に科学技術の向上だけでなく、世界のスポーツに対する貢献であるという文脈も含め、人材育成を含めた支援や、より強固な政策への移行等をお願いしたいところでございます。
次に教育研修活動ですが、これにつきましては2021年の世界アンチ・ドーピング規程のルール変更を受け、教育の必要性がより高い次元で求められるようになりました。これを受け、スポーツ庁様とも連携のもとで戦略計画を策定したり、競技団体の皆様との間で教育を実践する資格制度を立ち上げたりして、運用してまいりました。とりわけ医療従事者への教育につきましては、その必要性を第三期計画の中でも重点的に御指摘いただいており、この領域についても取組を強化してまいりました。次に課題でございますが、さりとて研修や情報提供の体制構築は容易ではなく、今後2027年に大きく変わるルールの周知も含め、今後の教育研修活動、環境構築の必要性は常に感じております。先ほどパラリンピアンズ協会の木村会長からの御指摘もありました通り、パラアスリートへの教育やそのサポートスタッフへの研修・教育体制の構築については、私どもも常に課題を感じております。また、実際の教育活動は単独で行うものではなく、いわゆる草の根レベルや現場に届けるためには、競技団体の皆様にその実践をお願いしておりますが、競技団体の皆様の方で財政的な面も含めた基盤があるわけではないという事情もある中で、ぜひ国内全体の体制振興に向けた御支援をいただきたいと考えております。これを受けて第4期への期待事項ですが、まさに政策面、財政面での主体的な関与をぜひ政府としてお願いしたいと考えております。また、アスリートは当然ハイライトされるところですが、アスリートのサポートスタッフに対して、体系的な学習・研修ができる環境、及びその成果を大きな大会への参加資格要件として要求される時代になっておりますので、その実績を一覧で管理できるプラットフォームの構築なども今や必要になってきていると考えております。とりわけ、先日の国際会議出発前に河合スポーツ長官からもお話がありましたが、障害のある方々のそれぞれの障害に合った形で教育ツールが提供できているかというと、必ずしもそういった状況ではないのが私どもの実態でございますので、それに応じた教材や、その教材へのアクセス手段の構築をぜひよろしくお願いしたいと思っております。
最後に研究活動ですが、これはWADAが遂行する分析能力の技術向上による違反者の摘発がもちろん大きな目的ですが、特に日本の文脈から言えば、意図的ではないものの、食事や日常生活の中で、WADAが設定するルールからすると違反と扱われてしまう事案が実際に起こっています。それを科学的に「そうではない」「その区分は明確にできる」という研究は、実は摘発と同じか、場合によってはそれ以上に重要であると、日本の立ち位置からは強く言うべきだと考えております。この領域を踏まえた研究に、日本政府からの委託事業という形で私どもは数年にわたって実践しており、成果が出てきているところでございます。これを受けまして現状の課題ですが、当初研究に着手したときの課題は、アンチ・ドーピングを身近に感じる科学者が非常に少なかったことです。一方で、日本の生化学の技術は世界的なレベルにあり、この方々がアンチ・ドーピングに着眼点を移していただければ、大きな力になるだろうということで、周知と巻き込みの大変さを非常に感じておりました。その観点からも、今後もこのパートナーを広げていく上でのシンポジウム等の開催に向けた御支援等をいただきたいと考えております。第4期の期待としましては、財政的な支援、そしていただく財源の実行上の柔軟性もぜひ御検討いただければと考えております。また、そういった国際的なトレンドを常に情報収集し、その情報をフィードバックしながら研究体制を構築することは非常に重要だと感じております。情報収集も素人ではなかなかできません。事務局、または外部にパートナーを探す形で、的を射た情報を集め、それをプロセスして研究に興味のある方に届けていくという体制を作っていくことなしに、日本の潜在的な能力をアンチ・ドーピングに向けることはできませんので、その体制構築に向けた御支援をいただきたいと考えております。以上です。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。皆様、時間厳守でお願いいたします。国際協力機構、お願いいたします。
【国際協力機構】 JICA国際協力機構、青年海外協力隊事務局です。本日はこのような機会をいただき、誠にありがとうございます。資料に基づき、いただいたテーマに沿ってお話をしたいと存じます。
まず、日頃の取組や成果に関してございます。最初にJICA海外協力隊の派遣について、ハイライトしたいと思います。最も歴史が長いのが、このJICA海外協力隊の体育・スポーツ隊員の派遣です。この表にございますように、90カ国に延べ5,000人を超える方々を、体育及び28競技のボランティアとして派遣しており、今年、JICA海外協力隊は発足60周年を迎えております。1965年度、最初の年の派遣国全5カ国のうち3カ国にスポーツの隊員が派遣されております。すなわち、ラオスでは柔道、カンボジアでは柔道及び水泳、マレーシアでは体育隊員の派遣が行われてまいりました。体育・スポーツ隊員は現地の目線に立ち、草の根レベルで共創を試みながら、日本的価値観を含めたスポーツの価値と喜びを途上国の方々に伝えてきております。加えて、トップアスリートの育成にも貢献しており、2024年(昨年)のパリオリパラにおきましては、隊員が指導した13カ国、計20選手が出場しております。
次に、私どもの戦略文書についてです。SDGsに沿って20の課題別事業戦略「JICAグローバル・アジェンダ(JGA)」を設定しておりますが、このJGAの一つに「スポーツと開発」を掲げております。JICAが「スポーツと開発」に取り組む目的は「すべての人がスポーツを楽しめる平和な世界を実現する」ということにございます。そのもとで、スポーツの普及・強化に取り組む「スポーツの開発」、課題解決に向けてスポーツを活動に取り入れる「スポーツを通じた開発」の二つの観点のもと、この図にありますように三つの柱を設定しております。
次に主要な事業につきましてですが、「スポーツの開発」におきましては、特に協力隊のスポーツ隊員派遣を通じた普及・強化に加え、課題別研修「スポーツ行政/スポーツ振興」を通じたスポーツ振興策のアクションプランづくり、草の根技術協力「体育科教育支援」によるカンボジアでの体育科学習指導要領の策定、更にラオスのスタジアム改修計画によるハード面での取組などが挙げられます。「スポーツを通じた開発」におきましては、協力隊の特に体育隊員による教育面での貢献に加え、タンザニアでの女子陸上競技会「Ladies First」の開催を通じたジェンダー平等への取組、また南スーダンでの全国スポーツ大会「国民結束の日」の開催を通じた平和構築への取組などが挙げられます。
日本国内での多文化共生に関する取組も進めており、記載の通りでございます。
大学や団体との連携としては一例として、慶應義塾大学と海外協力隊派遣に関する連携覚書を締結し、2024年から3年間、野球部を中心とした関係者を毎年約1ヶ月間ガーナに派遣しております。活動においては、一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構(J-ABS)が有するベースボーラーシップ教育メソッドを活用することにより、社会情動的スキルの向上などを図っております。これらの事業を通じ、ポスト「スポーツ・フォー・トゥモロー」推進事業の裨益者として、昨年度(2024年度)は約49万人を計上させていただきました。
次に国際発信につきましては、時間の関係もございますので、こちらに記載の通りとさせていただきます。
続きまして、現状の課題に移ります。一つの課題として、JICA海外協力隊に関する途上国からの要請に対し、派遣する協力隊員を十分に確保できていない点がございます。ターゲットを絞った広報の展開や個別支援のアプローチを継続するなどしながら、充足率の向上に努めているところでございます。
最後に、第4期計画において期待することとして2点申し上げたいと存じます。1点目は、国際協力の発展・拡充でございます。日本は学校の体育教育やラジオ体操の普及などを展開してまいりました。こうした背景やJICAの実績・経験を踏まえながら、国際協力について今後とも拡充することが求められると考えております。ポストSFT推進事業も来年度で区切りを迎えると承知しております。令和9年度からの第4期スポーツ基本計画においても、すべての人がスポーツを楽しめる平和な世界を実現するための国際協力の重要性を引き続き強調し、日本政府としても力強く推進することに期待を申し上げたいと思います。
2点目として、SFTのもとで構築された国内ネットワークの維持・拡大についてです。SFTにおいては、コンソーシアムとして多数のアクターが参画し、また運営委員会のメンバーが意思決定に参画して、ネットワーキングが構築されてまいりました。第4期計画におきましても、このアセットを活用し、ネットワークを維持・拡充することにより、オールジャパンとしての取組が可能となるよう御配慮いただければ幸いでございます。以上となります。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて、日本スポーツ政策推進機構、よろしくお願いいたします。
【日本スポーツ政策推進機構】 よろしくお願いいたします。日本スポーツ政策推進機構でございます。弊機構について説明しますと、資料の下部にございます機構の役員等一覧の通り、皆様には日頃より大変お世話になっております。会長は遠藤利明先生です。
NSPCの目指すものとして、「スポーツ界の横断的連携を図る組織」として、国や経済界、関連組織とスポーツ界との連携・協働する場を構築し、スポーツ政策を提言・推進するところでございます。特別会員、一般会員、賛助会員という構成です。
NSPCが何を目指し、何をしているのかという点で、一つは「協働の場」として、毎年「日本スポーツ会議」を開催しております。来年1月19日には第4回目を開催いたします。「政策の研究・提言」として、政策研究所を設け、メンバーに御協力いただきながら様々な課題を分析し、提言をしております。また、それを具現化するための推進プロジェクトとして、いくつかの分科会やプロジェクトを設置し、活動しております。更に、「人材育成の場」として、「スポーツ立国推進塾」を運営しております。
日本スポーツ会議はこれまで3回開催しており、第1回が「地域スポーツ」、第2回が「新たなスポーツへの挑戦(eスポーツ)」、そして第3回は本年1月に「スポーツ基本法改正について」というテーマで開催いたしました。各会議では提言を出させていただいております。
日本スポーツ政策研究所では、「スポーツ政策推進プロジェクト」として提言をまとめており、そのいくつかは骨太方針や、特に今回のスポーツ基本法改正に反映させていただいているのではないかと考えております。スポーツ基本法改正では前段階として検討委員会を設置し、課題を取りまとめて提案・提言を出させていただきました。
人材育成事業としては塾の運営、政策の情報発信として、会員に向けてホットなトピックスをメールで提供するという活動をしております。
「フロンティアインタビュー」として、各界の有識者の皆様からインタビューを行い出版しております。
そして最後ですが、NSPCとしては、今後、「スポーツ基本法の改正を受けたスポーツ振興検討会議(仮称)」を設置し、下記の課題について検討を行うものといたします。
0. 改正スポーツ基本法に関するスポーツ団体の理解の促進
1. 部活動などを含めて地域スポーツをどう発展させるか
2. アスリートや審判を守る体制をどう整備するのか
3. デフリンピックを含めた障がい者スポーツの発展
4. スポーツ医科学の統合と実践
5. eスポーツ、マインドスポーツの推進
6. 多様なスポーツの振興に必要な財源の確保
このような上記の課題について、スポーツの裾野を広めるために、民間のスポーツ活動振興方策を検討してまいります。
先ほども御説明いたしましたが、これまでスポーツ推進プロジェクトを実施しており、今後もこちらに挙げている点を進めていきたいと考えております。また、最後に、国際スポーツ政策フォーラムを先の11月11日にも開催いたしましたが、来年度も開催していきたいと考えております。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。笹川スポーツ財団、お願いいたします。
【笹川スポーツ財団】 笹川スポーツ財団でございます。よろしくお願いいたします。
まず、当財団のスポーツ振興に向けた取組について御説明します。当財団では「スポーツ・エブリワン社会」、すなわち国民、ひいては日本に暮らす一人一人が、それぞれに合ったスポーツの楽しみ方で幸福を生み出す社会の実現を目指し、調査研究および自治体との実践連携事業を進めております。シンクタンクとドゥタンク両方の機能を生かした事業が特徴です。
組織の課題ですが、当財団では主に人文社会科学系の調査研究を継続してまいりました。ただ、個々の研究で得られる知見には限界があり、またその成果が施策に反映され、社会変革に繋がるには時間を要します。資料には基本法の第16条を引用しておりますが、こちらに書かれている通り、当財団でも研究成果を活用した施策の推進のためには、国や関係団体との連携がより重要になると考えております。
ここからは、当財団の研究成果をもとに、三つのテーマに対して第4期計画への期待を申し上げたいと思います。資料にはエビデンスなども詳細に掲載しておりますが、口頭では要点のみをお伝えします。
まず、地域スポーツです。1点目が「地域スポーツクラブの充実」です。地域のクラブは部活動の地域展開等の受け皿としても期待されており、財源や指導者、受け皿の確保など、安定した運営に向けた制度の確立、それから改革推進期間の事例やデータを基にした方針の明示を期待しております。また、その検討の中で、現行の部活動を見直し、維持していくという選択肢も入る可能性があるのではないかと考えております。
2点目は「持続可能な地域スポーツ推進体制の構築」になります。各自治体では特に担い手不足が深刻な問題となっております。また、多様な組織がある中で、それぞれの組織が担う役割が重複したり、逆に分散しすぎたりしているケースも見られます。当財団ではRSMOというプラットフォーム、具体的には地域スポーツに関する人、お金、施設といった資源を関係者間で共有する仕組みですが、これを宮城県角田市と構築し、運営にも関わってまいりました。こうした手法も含めて、地域スポーツの多元的な運営方法の検討が必要と考えております。
続いては子供のスポーツになります。1点目の「幼児・小学生の取り組み継続」は、第三期計画の内容の継続をお願いしたい点です。特に、幼少期の多様な動きの経験不足が、当財団の調査でも明らかになっており、引き続き対策を御検討いただきたいと思っております。
2点目は「中学生のスポーツ環境の再構築」です。調査では、幼少期からのスポーツの機会には経済格差があり、またそうした未経験の子供たちは、中学生になっても運動部やクラブに参加するハードルが高いということがわかっております。家庭環境が厳しい層への費用支援に加えて、運動・スポーツが非実施・低頻度であっても、中学生から参加しやすい環境の整備が求められると考えております。また、そもそも休日の活動を望まない生徒の存在も調査から明らかになっています。そうしたニーズを踏まえていくと、部活動改革、地域展開等によって参加者がそもそも減る可能性がございます。その場合、今政策目標として掲げられている子供の運動習慣あるいは体力にどう影響するのか、そういった検証や、政策としての両者の整合性の検討が必要かと考えております。
三つ目のテーマは障害者スポーツです。1点目は「全都道府県にパラスポーツセンターを設置する」になります。全国に161の障害者専用・優先スポーツ施設があることが調査では把握されていますが、まだ十分な数とは言えないと思っております。新たなセンターの整備に加えて、既存の公共スポーツ施設をパラスポーツの拠点にすることも選択肢かと考えております。例えば調査では、医師による運動相談など、主要な機能を備えれば、既存の施設でもセンターと同様の役割を担える可能性が示唆されています。また、パラスポーツセンターと公共スポーツ施設をネットワーク化することで、センターのノウハウが広がり、障害者スポーツを実施する環境も拡大されると期待しております。
2点目として、そうした公共スポーツ施設における障害者の受け入れを促進するために、障害者にとっての利用環境、施設の利用のしやすさを把握するような指標の作成、各施設にパラスポーツ指導者を配置していくことも重要だと思っております。
最後のスライドには上記3テーマ以外の論点を列挙しております。最初に「するスポーツ」「みるスポーツ」「つながるスポーツ」の成果指標の検討がございます。特に「するスポーツ」に関しては、私どもも活動量計を用いた身体活動量の調査を行っておりますが、そうした結果を踏まえた指標の再整理、それから身体活動量の中でスポーツが占める量をどう高めるかという議論が必要と考えております。「つながり」については、特に今回スポーツ基本法の改正で強調された点なので、成果指標の具体化が必要と考えております。
「競技団体の経営力強化」については、今の計画でも総収入の増加を図る取組が進んでおりますが、引き続き第4期計画でも組織基盤を強化するような経営面の支援をお願いできればと思っております。
続いて「スポーツボランティア」です。現在の第三期計画では、当財団が締結した連携協定を例に挙げて人材の拡充を示していただきましたが、スポーツボランティア実施率は現在5%前後で停滞しております。継続した育成の必要性を感じております。
最後、「共生社会の実現」では、これまであまり計画にはなかった論点として、外国人や外国につながる子供の参加促進を挙げております。
以上、ポイントを絞った御説明になりましたが、個々の論点あるいはエビデンスについてはこの後御質問いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 続いて日本スポーツ仲裁機構、お願いいたします。
【日本スポーツ仲裁機構】 日本スポーツ仲裁機構です。本日は、大学の業務の関係で対面出席できず、大変申し訳ありません。日本スポーツ仲裁機構は、個々の競技者と競技団体との間の紛争の仲裁ないし調停による解決を通じて、スポーツ界の透明性を高め、国民のスポーツに対する理解と信頼を醸成し、スポーツの健全な振興に努めてまいりました。第三期の期間においては、仲裁の活性化といったことに一定の成果がある一方で、他方で体制の整備などについてまだまだ課題もあるところでございます。詳細につきましては、本日事務局長がそちらに伺っているかと思いますので、そちらから御説明させていただきたいと思います。
【日本スポーツ仲裁機構】 事務局長でございます。よろしくお願いいたします。今の機構長が申しましたように、私どもはスポーツ団体と選手の間の紛争を、公正中立な法律家が関与して解決を図るという、スポーツ団体としては異色の団体でございます。特にスポーツに関する紛争は、例えば強化選手の選考など、法律上の争訟であるか疑義のあるものもございまして、裁判の俎上にのるかどうかという問題、それから、いついつの大会までに決着を出してもらいたいというような、短期間で結論を出さなければいけないという特殊性を持っており、私どもの仲裁・調停という仕組みが、スポーツ紛争の解決に適しているという状況もあるわけでございます。
私ども資料を作成しておりまして、時間が限られておりますので、簡単にポイントを絞って御説明させていただきたいと思います。第4期のスポーツ基本計画において、私どもは、この資料にございますように6つの項目について御検討いただきたいという形で資料を出しております。しかしながら時間も限られておりますので、論点を絞って、1. スポーツ仲裁・調停の活用の推進、理解増進、2. 3. の自動応諾条項関係、そして最後の「将来にわたって安定的に紛紛解決する体制の整備」というところに絞って御説明させていただきたいと思います。
まず第1点でございますが、スポーツ仲裁自体、皆様方聞いたことがない、ものだろうと思いますが、これがどのくらい活用されているのかということでございます。スポーツ仲裁は2003年からスタートし、最初の頃は年間2件とか3件という状況でございました。それがだんだん増えてきまして、10年後には年間10件程度、現在は20件程度の申し立てが行われるようになってきており、徐々にではございますが、スポーツ仲裁・調停についての認知が進み、利用が増えていると認識しております。申し立て件数の推移は2ページ目の表にございます。3ページ目をめくっていただきますと、課題として、スポーツは幅広く行われておりますので、膨大な数の紛争が存在しております。その中では仲裁・調停で解決することがふさわしいものも数多くあると考えられますが、20件ということでございますので、まだまだ活用が進んでいないという状況にあると認識しております。従って、具体的施策にあるように、これから私どもの制度や、制度の説明を通じまして、利用を促進していくということが必要だろうと思っております。
めくっていただきますと、自動応諾条項の関係がございます。まず「自動応諾条項」という言葉が、聞きなれない言葉だろうと思います。仲裁というのは、両当事者がこの仲裁という制度を利用して法律家が関与して解決を図るという、合意、両当事者の仲裁合意があって初めてスタートできるというものでございます。この仲裁合意につきまして、これまで、日本のオールジャパンの団体、NFにつきましては、ガバナンスコードにおいて取り上げられるなど、当機構に申し立てが行われた場合には仲裁で解決しますよという、自動応諾条項を、規則で定めるなど、各団体によってやり方はあるわけですけれども、それが進んできております。NFにおいては、ほとんどの、団体が自動応諾条項を定めていただいております。しかしながら、この2で書いてございますように、その対象が懲戒処分に限定されて代表選考などその他の決定が含まれていなかったり、期間短かったりするなど、実質的な担保がなされていない場合も見られるということから、その範囲の問題について、これから調査をし、そして範囲を拡大することに取り組んでいかなければならないだろうということを一つ考えております。
それから3番目といたしまして、近年、国レベルではなくて地方競技団体レベルの団体が行った決定に対するもの、例えば国スポの選手選考でありますとか、地方競技団体レベルの大会への参加でございますとか、そういう紛争についての仲裁が申立てられていくというものも多くなってきております。先ほど申しましたように、スポーツ仲裁を行うためには仲裁合意が必要で合意が成立しないと、制度がスタートしないということになります。従いまして、地方公共団体において自動応諾条項の採択が進むように働きかけを行い、少なくとも法人格を取得する程度の運営体制を整えている団体については、自動応諾条項を規定していただきたいということでお願いをしたいと考えております。
最後に、将来にわたって安定的に紛争を解決する体制の整備ということで、私どもは非常に財政的に厳しい団体でございます。紛争の申し立てが重なってきている場合等につきまして、業務が錯綜し、非常に厳しくなっているという状況にあります。現在、統括3団体及びJADからの会費で運営をしているわけでございますが、運営が非常に厳しいという状況になってきております。その中で、将来的に件数が増えてくるという状況の中で今後、機構の設置形態をも含めて検討が必要であろうということで、第4期計画には、そのことについても盛り込んでいただきたいというようなことでございます。詳しくは資料を御覧になっていただきたいと思います。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。最後になりますが、日本スポーツフェアネス推進機構、お願いいたします。
【日本スポーツフェアネス推進機構】 皆様こんにちは。J-Fairnessです。私の方から本機構の概要を始めまして、御説明させていただきます。
まず法人概要となりますが、本機構は2018年に日本で開催されました世界アンチ・ドーピング機構の監査を受け、国内の検査の中立性を担保するために、体制審議会が設置され、その運営を行うため設立されました。現在はオリンピックスクエアに事務所を構え、日本アンチ・ドーピング機構赤間会長、日本オリンピック委員会前専務理事の尾縣様やオリンピアンの皆様が役員構成となっております。事務局は常勤職員3名、パート5名の小規模な組織として運営をしております。現在、統括団体、組織委員会、競技団体合わせまして、110団体が加盟をして事業を展開しております。
続いて、スポーツフェアネスの状況と成果としまして、本機構の事業を御紹介いたします。本機構では、この資料のようないくつかの事業を展開しており、まずドーピング検査を実施するアンチ・ドーピング体制整備事業を始めとして、アスリートの権利を保護する事業、スポーツに関する表彰事業、情報発信事業、またスポーツによるウェルビーイング向上事業などを展開しております。サポート事業では2019年から、アンチ・ドーピング活動を含むスポーツのフェアネスに貢献された個人・団体に対しまして表彰を実施しており、その功績をたたえ、発信してまいりました。
国内のドーピング検査に関しましては、日本アンチ・ドーピング機構の独立性・中立性を担保するために、体制審議会におきまして、検査の規模や財務監査、基本方針を決定し、その方針に基づき、日本アンチ・ドーピング機構に対しては、具体的な検査計画立案を要請しております。本機構からはドーピング検査事業をJADAへ委託し、検査を実施しております。本機構では方針に基づき、加盟団体の皆様から分担金をいただき、スポーツ振興くじ助成金を活用して、検査費用の支払いを行っております。この仕組みにより、現在、JADAは加盟団体から関与されることなくドーピング検査を実施する体制が担保されております。なお、国際的には、ITA(国際検査機関)が検査を含むアンチ・ドーピング活動全般について、国際競技団体から委託を受け、実践体制を中心に役割を果たしております。
参考表として、本機構設立以降の主要国と国内の検査の実施数を示しております。今年度は世界陸上、来年度は愛知・名古屋アジア大会などもございまして、順調に件数が増加しており、国際的に見ましても、体制が変わってからも遜色ない検査計画ができております。
アスリートの権利に関する事業を御説明させていただきます。本機構では、クリーンなアスリートの権利保護の観点から、アンチ・ドーピングに関する情報提供のためのアスリートソリダリティを展開してまいりました。ウェブサイトやYouTube、SNSを通じて、積極的に情報を発信してまいりました。今年度からは「クリーンスポーツ・ニッポン」の一環として、アンチ・ドーピング規則違反の可能性を問われたアスリートを支援するために、弁護士を紹介するアスリートサポートデスクを開始いたしました。これにより、手続きに対応するに当たり、アスリートが法律家の支援を受けられるような仕組みとなっており、非常に効果的なものと考えております。
また、この「クリーンスポーツ・ニッポン」では、サプリメントの情報公開サイトを展開しております。こちらは名称を「クリーンスポーツニッポン。セレクト」とすることを予定しており、対象としては、長年にわたり国内統括団体などの競技団体を支援してきた企業のうち、これまで違反の事例がなく、一定の要件を満たす製品情報を公開する仕組みとなっております。この仕組みにより、アスリートがサプリメントを利用する際の参考となる情報として本機構では考えており、今後開始予定しております。
次はスポーツウェルビーイングに関する事項となります。本機構では、これまで日本アンチ・ドーピング機構が日本薬剤師会と連携して展開してまいりました、アンチ・ドーピングの知識を持つ薬剤師を認定する公認スポーツファーマシスト制度につきまして、今年度より、本機構が事務局の主体として運営を展開しております。現在1万3,000名を超える方が認定を取得され、全国で活動されております。また、移行に合わせ、カリキュラムの改定・拡充を実施いたしました。その他、下段になりますが、広くスポーツをする人々のウェルビーイングの促進を担う地域の拠点として、薬局を拠点とする登録制度を開始いたしました。この制度に合わせて、スポーツに関する情報提供などの拠点として薬局の活用を展開することを想定しております。この二つを合わせ、多様なスポーツをする方を対象として活動を展開する考えでおります。
こちらは、現状のスポーツファーマシストの店舗数であり、全国で現在75店舗が登録をしており、地域で活動を展開しております。こちらの二つの制度を両輪として、地域活動の活性化を図りたいと考えております。
以上が本機構の活動内容と成果となります。ここから先は、本機構の課題として四つ挙げさせていただいております。まず、権利保護に関しましては、本機構は経済的にも人材的にも非常に限られておりますので、財源と専門的な人材の確保が必要と考えております。弁護士や医科学の専門家や、また事業を展開する人材など、アスリートサポートデスクなどの運営に関わる人材の確保を必要と考えております。ウェルビーイング向上に関しましても、同様に制度の普及活動のためには、普及や支援についてのサポートが必要となりますし、こちらも専門的な人材の確保が課題になっております。体制整備に関しましては、事業運営や事業に係る環境整備、また国際競技大会の実施に向けた体制強化を課題と考えております。また、法人としても財源の確保が課題となっております。
最後になりますが、今回の計画に期待することとしまして、一つは、本機構はまだまだ新しい団体でございますので、役割と機能の明確化が必要だと考えております。二つ目として、権利保護に関しましては、先ほど申し上げた通り、事業財源と専門人材を確保するための支援・協力が必要と考えております。また、ウェルビーイング向上に関しましても、制度の普及・活用や支援・協力、また専門人材確保への支援・協力が必要と考えております。あわせまして、スポーツ庁が展開するスポーツにおける医薬品の不適切使用の防止の展開につきましては、連携していきたいと考えておりますので、こちらもよろしくお願いいたします。4番に関しまして、アンチ・ドーピング体制に関しましては、ドーピング検査に関する事業運営や事業に関する環境への支援・協力、あわせまして、国際大会の開催・実施に向けた体制の支援・協力、また、先にJADAも挙げておりましたが、検査を担う国内認定分析機関の自立支援・協力の必要があると考えております。
駆け足になりましたが、以上であります。御清聴ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。短い時間、皆様どうもありがとうございました。それでは質疑応答に入りますが、先ほど言ったように、名立てを立ててください。まず、境田委員お願いします。
【境田委員】 皆様、非常にわかりやすく適切な御説明をいただき、ありがとうございました。日本アンチ・ドーピング機構にお伺いします。本当に限られた人員、予算の中で、WADAなどが求めるアンチ・ドーピングのレベルが上がり、医学のレベルが年々進化し、ドーピングも巧妙化していく中で、規則が厳しくなるということに付いていかなければならないと。だからこそ、この研究が非常に重要になってくると思いますし、選手を守るためには、これはこういうのがドーピングになりますよとか、こういう薬を飲んだらドーピングになりますとかっていうのはもちろんのこと、そのような冤罪を起こさないために、きちんと最先端の医学研究を行った上で、選手がどのようなことに気を付けなければいけないか。例えば、医者に行くときはどういうデータを取るとか、医者に行くときにどういうふうにお医者さんに告知するとか、もしくは定期的に様々な検査を行って自分の体に異常がないということ、これが事実の証明になるので、そういったこともしなければいけないと思いますが、まだそこは十分ではないと思っておりまして、そういったふうに医学系、ドーピングに関する研究をすると同時に、それを本当に現場にいる、ドーピングの検査の対象となっているアスリートの人たちにどう展開するかというところは非常に重要だと思います。いくつか経験させていただいた中でも、CASなどの審理を見ますと、これ明らかに本人の証明が十分できないから冤罪だろうというケースは結構あります。そういうことが日本の選手に起きては絶対にいけないので、そういった選手を守るという観点から、様々な医学とか、遺伝学とか生化学、様々な知見を集めて、そういう選手を守るという体制を今後構築していく必要があると思いますが、いかがでしょうかという御質問です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。星委員、お願いします。
【星委員】 国際協力機構にお伺いしたいのですが、課題として挙げておられた中に、協力隊の要請に対する充足率の低さというのがありますが、これもう少し詳しく教えていただきたいです。そもそも人数が少ないという意味なのか、あるいは隊員が行きたい国と来て欲しい国のマッチングの話なのか、あるいはこの競技の指導をして欲しいということに対して答えられないということなのか、少し詳しく教えていただきたいと思います。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。それでは大日方委員、まずお願いします。
【大日方委員】 ありがとうございます。大日方です。手短に皆様にいくつかお聞きしたいです。まず日本アンチ・ドーピング機構ですが、認定分析機関が国内で事業継続していく上で、民間が担うという非常に特異な状況だとう御説明がありましたが、海外では一体どういう状況なのかということ、それから将来、どういった方向になれば良いと思うのかといった将来像についてお示しいただきたいというところが1点です。2点目が、パラアスリートへの居場所情報の入力のしやすさなど、こういったところもアクセシビリティ改善が必要ではないかと考えていますが、先ほど教材へのアクセスというところがありましたが、そもそも入力のしやすさといった点で課題がないのかといったところについてお聞きしたいです。
次に国際協力機構ですが、先ほどの御質問にも関係するところですが、充足率が向上していないという中で、アスリートへの情報提供など現状どのようにされているのかをお聞きしたいです。
続いて、笹川スポーツ財団ですが、中学生のスポーツ環境の実施の中で、未経験者が参加しやすいクラブ活動という御提言がありましたが、具体的には現状のどういったところが問題点で、どう変えるべきなのかという御提案がありましたら教えていただきたいです。また同じ質問ですが、スポーツボランティアに関しても、現状はあまり増えてはいないということですが、増やすためにどういったことが必要なのか教えてください。
最後、日本スポーツ仲裁機構ですが、これ質問というより意見ですが、サプリメントに対する情報提供、取り組み始められたという点、非常に期待をしております。選手からのニーズも非常に高いという状況があるかと。ごめんなさい、日本スポーツフェアネス推進機構ですね、というように感じております。日本スポーツ仲裁機構に関しましては、人的な財政的な基盤が、紛争解決力の中で課題ということですけれども、スポーツ競技者などから見たときに、一方で紛争解決力といったところに課題を感じられているというような懸念はないのかというところ、この辺りの実情も少し教えていただければと思います。ありがとうございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。大塚委員、お願いします。
【大塚委員】 すいません。プロスポーツへの体制充実支援のところ、強調されて二つのリーグの名前が書いてありますが、プロスポーツというところのスポーツ選手は幅広いです。なぜこのリーグだけ選出されているのかということと、何か体制不備があるのかどうかというところが非常に気になります。できればすべてのプロスポーツへの体制の拡充支援というふうにお願いできればなと思っております。
それから、人材育成の活動に関して大変参考になります。この人材育成に関してはこの後、日本スポーツ政策推進機構、それから日本スポーツフェアネス推進機構からも全部出てくる、人材育成がキーポイントになっております。一方、JOCもコーチアカデミー、それから国際事業性アカデミーなど多くの人材支援活動、育成活動をやっていますので、何らかの統括団体との連動が図っていければ、アンチ・ドーピング部門の教育をうまく取り入れていくことができるのではないかと考えております。御検討ください。
日本スポーツ政策推進機構への部分において、特別会員、一般会員、企業会員のこの会員の融合に関して、更にもう一歩踏み込んでいただいて、特に競技団体の会員のところにメリットという言葉を使いたくないですが、何らかの連動性をもっともたらしていただくことができると非常に良いなと思っております。これも繰り返しになりますが、人材育成事業、立国塾に関しまして、各統括団体がやっている人材育成アカデミー等との連動などができたら素晴らしいと思っております。
それから笹川スポーツ財団におきましては、地域スポーツクラブの件に関してですが、地域スポーツクラブは、障害者、健常者一緒にやれるのかどうかという概念をそろそろ打ち出していただくような研究成果は出ていると思いますが、そこら辺が新たな提言ができる段階ではないかと考えております。そこを是非とも地域スポーツクラブイコール障害者・健常者両方扱える場所にしていただきたいと思います。それからもう一歩踏み込んで、今、地域スポーツクラブよりも、コミュニティスポーツクラブを利用するコミュニティ団体が非常に増えております。このコミュニティに対してまた研究成果と提言を是非とも次に向けていただければ、第四次基本計画にも活かしていけるのではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
日本スポーツ仲裁機構に関しましては、現在、国際連盟等々では、CASに持ち込む前に競技団体内におけるトリビューナルの設定を非常に厳格に行い始めています。是非とも日本国内の競技団体の方に対する勉強会とかコミュニケーションの場を作っていただいて、仲裁機構に持ち込む前の各競技団体の中でのトリビューナル設定などにおける解消ができたら、もっともっと素晴らしい体制ができるのではないかと思っております。
最後に日本スポーツフェアネス推進機構においては、クリーンスポーツ・ニッポンセレクト、大変感謝しております。競技団体としては大変感謝しております。現在の進捗状況と、すでに参加されている企業の状況など、ありましたら是非とも教えていただきたいなと思っています。プラス、人材育成のお話もありましたので、アンチ・ドーピングとの連動、統括団体との連動などが一緒にできればスピーディーに進んでいけると思っております。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。桑井委員、お願いします。
【桑井委員】 貴重なお話ありがとうございます。ラグビーの桑井と申します。
日本スポーツ政策推進機構に、今後の改正の課題についてのところで、「アスリートや審判を守る体制をどう整備するか」というところで、私自身アスリートとレフリーをしているのですが、選手は勝ったときに褒められ、負ければ叩かれる。レフリーはできて当たり前の世界で、ミスをすれば叩かれるというのが最近SNSでも目にするようになっていて、2023年のラグビーワールドカップフランス大会で初めて、SNSでの開示請求が行われたり、そういうことが世界では最近行われたりしているので、ここの課題として出していただけているのは本当にありがたいなというコメントが一つあります。
あともう一つはドーピングに関して、日本アンチ・ドーピング機構に関して、私自身選手のときに何度もお世話になったのですが、選手ももちろん気を付けなければいけないというのはわかっているのですが、病院の先生方に対してのアプローチというのはどのようにされているのかなというのが一つありまして、私自身、1度病院に行ったときに、ドーピングに引っかからない薬をということを伝えたときに、「ドーピングって何?」というところから始まり、もちろんそのスポーツを理解してくださっている病院はわかっているのですが、一般の病院ではまだまだドーピングに関しての知識が行き届いていないのかなと。アスリート個人として人生をかけてやっていて、アレルギーと一緒で1度起こしてしまったらもう後には引けないぐらいのことがあるので、そこはどのように伝えられたら良いと思っています。以上です。
【渡邉部会長】 それではオンライン上の久木留委員、そして結城委員でお願いします。久木留委員、お願いします。
【久木留委員】 質問は三つです。まず一つは国際協力機構の方に、充足率や派遣の質の向上という点で、JOCやJPC、NFとの連携協力を結んでいるのか結んでいないのか。2点目が、日本アンチ・ドーピング機構はまさに本当に今大変だなと思いました。その中で、他団体と一緒に実施することで、事業が効率的になるものはあるのかないのか。そして三つ目が笹川スポーツ財団の3ページ目の資料ですが、この中で「研究成果を活用した施策の推進のため、国や関係団体との連携がより重要に」と書いてあり、これその通りと考えますが、具体的に連携の案があるのかどうかという点です。
そして最後に意見ですが、皆様のお話を聞いていて、第4期の中には、実施する人の確保というのが必須になると思いました。そのためには連携協力をしなければいけないのですが、それを実施する人材を予算付けして確保する必要があるのではないか。また、今日の前半部分でもそうですが、人材のデータバンク、スポーツ界のデータバンクというのは改めて必須だと感じた次第です。以上です。
【渡邉部会長】 結城委員、お願いします。
【結城委員】 ありがとうございます、結城です。2団体、日本アンチ・ドーピング機構と国際協力機構に伺います。
日本アンチ・ドーピング機構には、今し方、現状の課題として、新しくWADAの2027年からの規定で導入されるI&I、調査権に関して、日本はまだまだ弱いところだとおっしゃいました。どういった形で課題があるのか、当局との連携ということなのかを少し教えてください。そして、少し境田委員とかぶりますが、コンタミネーションに関して、意図的でない摂取からどう選手を守るかという観点の中で、日本アンチ・ドーピング機構の方で考えていらっしゃる支援や研究等々、何があるのか、これを教えてください。
国際協力機構に伺います。60周年ご苦労さまでした。帰国隊員の経験値を国内に還元するというプロジェクトを今JICAがやっていらっしゃると思いますが、これに関して、スポーツも国内のスポーツ環境が大きく変わろうとしている今、海外での指導経験というものを生かしながら、異なる視野で新たな発想ができるような人材というのはスポーツ界、地域展開等々で非常に有用かと思います。どのように考えて推進しようとされていらっしゃるのか、もしあればお聞かせください。以上です。
【延與委員】 最後すみません。デフリンピックで79カ国が参加したのですが、経済的理由で参加できなかった国もいくつかあったように聞いておりまして、また選手団が来たのに特定の競技に対して登録料が払えなくて棄権をしたようなケースもあって、非常に残念なことでありました。今回の様々な国際大会、日本で開催していくときに、その参加しやすいサポートみたいなことも合わせてやっていくと良いと思いますが、その辺はどうなっているのでしょうかというのが質問です。国際協力機構、長年にわたり世界でスポーツを地道に広げられたことについて、日頃から大変感銘を受けておりますので、ありがとうございます。以上です。
【渡邉部会長】 ではお答えの方、日本アンチ・ドーピング機構からお願いします。
【日本アンチ・ドーピング機構】 御質問ありがとうございます。御質問いただきました順番にできるだけ整理をして簡潔にお答えしたいと思います。
まず境田委員からの御質問、御指摘にございました、アスリートを守るという意味で最先端の研究をどのような形で還元できるのかと。非常にポイントとして素晴らしいところですが、これにはアジア人の人種の特性が実際にその背景にあるのではないかということは、概念的には共有されているところです。というのは、スポーツは言うまでもなくユーロセントリックな中で様々なスタンダードが設定されており、それをベースとした基準で図られる中で、本来的にアジアの特殊な事情が反映されていないルール設定が冤罪的な事態を生んでいないのかということです。ただ、これを主張していく上では、エビデンスをもってしっかりとした主張をしていかなければいけないという中で、先ほど来、繰り返し主張させていただいております。研究の実践、それによる説得力のあるデータを提供していくという積み上げが必要であろうと考えているところでございまして、まさにこの辺りは課題の中心に置いているところです。
それから、大日方委員からの御質問にありました分析機関の現状につきましては、世界30数カ所ある分析機関のうち、ほとんどが国立または国の財源による運営でございます。比較的その色合いが薄いところでも、オリンピックの記念財団に対してNOCとの連携の中で運用しているのがヨーロッパに1カ所あります。一方で日本は完全なる民間企業であり、明らかに異なります。この分析業は利益を求めない価格設定になっており、そのコミュニティの中ではその値段設定が前提で世界的に動いておりますので、「では民間企業が納得する金額設定にすれば良いじゃないか」ということが通らない事情の中で、実際にはかなり現実的に苦しい状況で動いております。ですので、基盤の部分からの改変というところが理想的な将来像ではなかろうかと考えているところでございます。
それからパラアスリートの方々の入力のしやすさも含めた様々なアクセシビリティ向上という御指摘の通り、教材につきまして私どもは、視覚、聴覚、それぞれの対応については、私たちが発信するものについては可能な限り、研修会での手話通訳者の必ず設定するなど対応しているところでございます。今現在話題になっておりますのは、私たちもすでにWADAに対して直接意見を提示しておりますが、居場所情報提出ツールであるADAMSという、世界全体で共有しているツールが必ずしも、視覚障害のある方に対して、入力の形態がアプリ上のスマートフォンからのものも含めて、ユーザーフレンドリーではないという課題につきましては、WADAにも意見提示をしているところですし、さきのWADAの理事会では日本政府の代表からも、具体的な指摘、改善要求をいただいたところです。
それから、大塚委員からの御指摘でなぜプロスポーツで二つの団体が特出しているかというところですが、まず前提として、プロスポーツ全体におきましては、アンチ・ドーピング活動に直接JADAの管轄下の中で国際的なフレームの中で動いているものも出てきておりますので、その点につきましては問題なかろうかと思っておりますが、それ以外のところも、こちらとしては課題を持っています。その上でなぜ二つの団体かというところにつきましては、これはスポーツ振興くじの対象と現在なっているスポーツ団体を2団体ここに記載させていただいております。スポーツ振興くじの対象となっているという文脈の中で、現在、私たちが行っている規模感、体制が盤石かというところの課題意識を持っているため、このような記述とさせていただきました。具体的には、すべての窓口はその競技団体であるNFを窓口に議論しているところですが、規模感、実践の事情から含めて、実際にはプロリーグが当事者となってくるというような体制改変が、時代としては必要ではないかと考えております。これはアンチ・ドーピングルールの適用という意味ではNF経由で全く問題ないのですが、実務レベルのやりとりとして、または、その見合う規模の検査をする上での財源確保の上で、どこがカウンターパートとなるべきかという議論の中で、二つの組織を明示的に記載させていただいたという経緯でございます。
それから統括団体との連携をどのような形でやることによって相乗効果または実効性の向上という視点、お聞きしておりますが、まさに、私どもが今考えているところでは、アンチ・ドーピング活動、特に教育活動についてはこの文脈の中に当然落とし込むべきだと思っております。さらにその中で、価値教育については、実はオリンピック・バリュー・エデュケーション等々と親和性が高いことを超えて、実は全く同じプログラムで同じターゲットをねらっており、むしろトップアスリートに登場いただく方が、選手にとっては効果が大きく、保護者に対しても効果が大きいと思っておりますので、この辺りは具体的にオリンピック委員会、パラリンピック委員会様とはもう話題に上げて、具体的な活動に向けた議論を開始しているところでございます。
それから桑井委員からのお話がありました医療系へのアプローチにつきましては、私どもは、例えば日本臨床スポーツ医学会とは協定書を締結しておりまして、アンチ・ドーピング活動の普及、それから情報の末端への発信ということにつきましては、かなり課題意識を多く持っていただき、学術大会では毎回分科会を設定するような形での対応をしておるところです。同様にJSPOが推進するスポーツドクターにつきましても、履修課題の中に明示的に織り込んでいただいているところでございます。一方で、現実的には今御質問の中にあった通り、アスリートがお住まいのエリアの全ての医療機関がその情報の輪に入っているかというと、そういうわけではありません。このような機会の中で継続的に発信する中で、上段の資料にも書かせていただきましたが、大学における医学教育、薬学教育の中の実践の必修項目の中には、すでに織り込まれるような時代になってきているところでございます。そのような中で、大学生が医師の資格免許を取る中で必ず触れる領域に置いていただけるような状態に手続きとしてはなってまいりましたが、実践がこれからというところも当然あろうかと思います。
それから久木留委員からの御指摘のありました他団体との連携の実効性ということでは、まさに教育の領域において、実践者としての限界がありますし、アスリートの近隣の方々、またはそばにいる方々への情報提供が教育の実効性を上げていきますので、そういう意味では、提供する側の人材育成を競技団体との連携の中でやらない限り、実効性のある、先ほどまさに話題になりました、人材バンクのような形に引き上げていくことはできません。まさに連携という意味では教育の領域が必要不可欠な部分かと思っております。
それから結城委員からの御指摘のありましたインベスティゲーション&インテリジェンスの形、どういうところが課題があるかというところは、まさに法執行機関との連携が日本では、その対応も含めてなかなか現実的なところではないというところでございます。直近のところでは、WADAが立ち上げる各国でのキャパシティデベロップメントの取組の中で、インターポールを経由して日本の警察庁に働きかけをしたところ、「該当部門なし」という形で参加者がなかったような事例もございますので、そのような形で、課題意識の浸透のところから積み上げていかなければいけないのではないかと考えているところでございます。
それからコンタミネーションについて、違反物質が出た選手に対する法的なところ以外での支援ということでは、実は諸外国のアンチ・ドーピング機関でも始めていますが、メンタル面のサポート、これについては全くまだ着手できてないところでございまして、この辺りについての体制構築、それから先ほど桑井委員からの御指摘、御質問があった部分に重複しますので割愛しますが、医療機関の末端までの情報発信の体制構築ということは非常に大きな課題だととらえております。
【渡邉部会長】 御説明ありがとうございます。事務局からメモも入りまして、簡潔にお答えいただきたいということです。申し訳ありません。国際協力機構、お願いします。
【国際協力機構】 御質問ありがとうございました。星委員、大日方委員、久木留委員から協力隊の充足率の低さについて御指摘いただきました。充足率の低さというのは、例えば途上国の要請が100ありましたら、現実を申し上げますと、実際にその要請にこたえて派遣まで至らしめている数が半分にも至らないというのが実態でございます。これはスポーツの分野に限ったことではなく、内向き志向や少子高齢化などもあり、21世紀に入ってからずっと減少傾向にあって、私たちも様々な形で努めているところです。SNSの活用であるとか、心理的な抵抗感を和らげるために「一歩踏み出す」「人生なんて、きっかけひとつ」といったキャッチコピーを作るなど、色々なことを試みています。
大日方委員や久木留委員の御指摘の通り、アスリートに知っていただくということが私たちも大事で、まだまだこれは道半ばのところもあるかと考えております。久木留委員のお話の連携関係におきましては、日本オリンピック委員会とは連携協定を結ばせていただいている他、日本ラグビーフットボール協会では、協会のメーリングリストなどで、春と秋の募集期に一斉展開いただくというようなことをしていただいております。それから日本野球機構(NPB)とも連携関係にありますが、変わり種としては、NPBのセカンドキャリアマガジンに協力隊の広報を載せさせていただいているという事例もございます。アスリートへの情報提供については、連携関係に限らず、大学の有力な運動部に対して個別にセミナーを行うなどの試み、また、慶應大学の事例で示しましたように、エクスクルーシブに特定の大学の学生あるいはOBの方を派遣するという形の連携派遣による確保といったことも心がけておりますが、まだまだ足りないところもあるかと思いますので、また様々なアドバイスをいただければと存じます。
それから結城委員からの帰国隊員の社会還元についてですが、アスリートの活躍と申しますと、例えばバレーボールの世代別監督をされている三枝大地さんであるとか、車椅子バスケットボールの神保康広さんだとか、そういった方々が協力隊の経験者でいらっしゃいます。帰国隊員の社会還元はJICAボランティア事業の目的の一つとなっており、それを強化するという意味で、最近になりまして社会還元促進の専門課を設置するなど力を入れているところであります。今後とも力を入れていきたいと存じます。
それから最後のデフリンピックの関連で、大会出場支援に関してですが、なかなか個別の支援は難しいところではありますが、南スーダンの事例を申し上げますと、技術協力で支援していた状況の中で、南スーダンの選手団、独立直後の選手団がリオ五輪に参加するのを支援したという実績がございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。各団体、様々出ましたが、簡潔に一言ずつで御回答お願いできればと思います。申し訳ありません。残り5分ぐらいで閉会したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【日本スポーツ政策推進機構】 日本スポーツ政策推進機構でございます。大塚委員、桑井委員からコメントいただきましたが、まさに政策を推進するというのが弊機構の目指すところでございますので、もっと頑張れというお言葉だと受け止めております。大塚委員からは、各統括団体を更に超えた形での連携協働ができれば、結果として会員となっていただいている競技団体へのメリットにつながるのではないかという御意見をいただきました。その通りと思い進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 笹川スポーツ財団、お願いします。
【笹川スポーツ財団】 ありがとうございます。
まず大日方委員の二つの御質問ですが、一つ目の中学生のスポーツについては、初心者が参加しづらいのは、一つにはそこから初期投資をする難しさ、運動部やクラブでは用品費が多くかかるので、そこにまず親子とも躊躇してしまう点があると思います。もう一つは、特に団体競技においては小学生から経験している子が多い中で、子供自身が加入してもなかなか試合に出づらい状況に対する抵抗感もあるかと思います。解決策は、その辺りの課題をきちんと踏まえた案を提示していくことになると考えております。ボランティアの方は、実は若い方々の希望率が高いという結果が出ています。18、19歳、20歳代といった学生や若い社会人の方々は、興味関心と希望を持っていらっしゃるということが調査からわかっているので、そこへのアプローチが重要かと考えております。大塚委員からの御意見は持ち帰らせていただきます。久木留委員の最後の御質問で、明確に連携先が決まっている団体は今の時点ではないのですが、本日いらっしゃる委員の皆様の団体や、ヒアリングを受けていらっしゃる団体と、これからぜひ色々な御相談ができればと思っております。駆け足ですが以上です。
【日本スポーツ仲裁機構】 大日方委員から、解決力についての課題はないのかという御質問がございました。仲裁を行いますと、仲裁判断というものが出ます。正確な言い方ではないのですが、その仲裁判断は裁判所の判決と同じような効力を持ちます。従って、仲裁という手続きにまで持ち込めれば、解決力というものは出てくるわけでございます。私どもが課題として考えているのは、その仲裁という制度自体がまだまだ皆様に知られておらず、仲裁に至るまでいかないという、理解増進が必要だということと、仲裁は両者の合意でスタートしますので、その合意の形成、すなわち自動応諾条項の推進が必要だと感じております。
それから、大塚委員からお話がありました、仲裁機構に持ち込まれる前に、きちんと持ち込まれないような体制を作ることが必要ではないかという点、まさしくその通りでございまして、私どももスポーツ庁と協力し、メンター派遣という制度で、スポーツ団体が行う会議や研修会に講師を派遣し、ガバナンスの向上を図るという事業を実施してきております。更に、そうした事業は推進していかなければならないと考えております。以上でございます。
【日本スポーツフェアネス推進機構】 大塚委員、大日方委員、御質問どうもありがとうございました。現状を申し上げますと、この1月19日に日本スポーツ政策推進機構と共同でフォーラムがあるのですが、それに向けて公開が間に合うように準備しておりまして、実際今2社から申請があり、無事審査が通って間に合えば、19日頃にホームページで公開できるように作業を進めておりますので、また引き続きお願いいたします。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。本日も5分超過してしまいましたが、委員の皆様、おそらくもっと質問したいことがあるかと存じます。いつも通り事務局に投げかけてください。仲介してお答えをいただきたいと思います。最後に事務局より御案内をお願いします。
【事務局】 次回は12月22日の月曜日13時からを予定しております。詳細についてはまた事務局より改めて御連絡をさせていただきます。先ほど部会長から御指示がありました通り、消化不良の部分がございましたら、事務局にお申し付けいただければおつなぎいたします。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 各団体の皆様、本当にありがとうございました。また、急かしてしまいまして申し訳ありませんでした。以上をもちまして、本日の部会を終了といたします。皆様、ありがとうございました。
── 了 ─
スポーツ庁政策課