令和7年12月4日(木曜日)10時00分~12時30分
TKP新橋カンファレンスセンター
岩田委員、延與委員、大塚委員、勝田部会長代理、川田委員、久木留委員、桑井委員、境田委員、鈴木委員、髙橋委員、土田委員、友添委員、能瀬委員、原田委員、結城委員、渡邉部会長
大杉総括官、赤間企画調整室長、中村健康スポーツ課長、廣田参事官(地域振興担当) 他
スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第6回)
令和7年12月4日
【渡邉部会長】 皆様おはようございます。若干、電車の都合等で遅れている委員もいらっしゃいますが、定刻となりましたので、ただいまからスポーツ審議会第6回目のスポーツ基本計画部会を開催いたします。
本日は大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日も前回に引き続きまして、各団体の皆様からお話を伺いたいと思います。
まず、事務局より本日の運営に関する資料、それから説明についてお願いいたします。
【事務局】 よろしくお願いいたします。本日の運営に関する説明と資料の確認をさせていただきます。本日は事前に希望をいただきました委員の方には、Web会議で御参加をいただいております。報道関係者については、一般の方と同様、ライブ配信での傍聴とさせていただいております。
資料につきましては、議事次第に記載されております一覧のとおりでございます。資料の不足等ございましたら事務局まで御連絡をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。前回は2時間という時間でたくさんの団体にお話を伺いましたが、少し時間が足りなくなってしまったという反省から、今日は2時間半のお時間をいただいております。まず前半は10時5分から11時5分まで約1時間とらせていただきます。そして入れ替えで、次のグループとして11時10分から12時25分まで進めてまいりたいと思います。
それでは議題1、関係団体からのヒアリングに進みます。本日も資料1に記載されている団体より、各団体において取り組まれている取組状況、成果、続いて抱えていらっしゃる課題、そして第四期計画において期待することの順に御意見を伺ってまいります。
進め方といたしましては、まずCグループの皆様から、各団体6分ずつということで、恐縮ですが御発表いただきたいと思います。そのあとにまとめて質疑応答の時間を30分程度とらせていただきます。続いて、Dグループのヒアリングに移るという流れになります。
それではCグループのヒアリングを始めたいと思います。団体の皆様は、まず日本フィットネス産業協会様、健康体力づくり事業財団様、日本レクリエーション協会様、健康保険組合連合会様、日本スポーツクラブ協会様の順番で御発表いただきます。事前に御案内しておりますけれども、各団体6分という時間をお守りいただきたいと思います。
なお、日本スポーツ健康産業推進協会様は御都合がつきませんでしたので、書面での御意見提出となります。資料2の12として配付しておりますので、後程御覧ください。
それでは、まず日本フィットネス産業協会様にお願いします。
【日本フィットネス産業協会】 皆様こんにちは。日本フィットネス産業協会の松村と申します。本日は着座にて失礼いたします。本日お手元の資料を御用意させていただきました。今、私どもフィットネス産業協会で取り組ませていただいております一番大きな事業、これはフィットネスクラブのビジネスということだけでは全くなく、あくまでもフィットネスクラブというフィットネス産業が、国の運動参加の促進による健康寿命の延伸にどう寄与できるか、という点が最大のテーマで、今回この取組をさせていただいておりますので、この報告をメインにさせていただきたいと思います。
まず資料9のコンテンツの次に、フィットネス体力テストの図表がございます。この左下の図表ですが、これはスポーツ庁様がずっと継続して実施されていらっしゃいます新体力テストを基本的には100パーセント踏襲させていただき、これをスマートフォンのLINEアプリで測定結果を入力することで、ここの表に示させていただいているようなLINEアプリの画面上に、6種目の総合評価、それからレーダーチャートでの体力のバランス、そして体力年齢というものが表示されます。
このLINEアプリにはマイページというものがございまして、こちらでその測定結果に応じたアセスメント、改善アドバイスが表示されます。これは平均以下か以上かという一つのガイドラインにしておりますが、この平均以上出た各種目に対して「こういう結果なので、こんな運動をこのぐらいしたら良いと思います」というようなアドバイスも同時に盛り込んでおります。これは東京都立大学様の御協力を得て開発しております。
この体力テストを現在、フィットネスクラブのFI加盟施設で、安全安心の認証制度をクリアしたクラブが実際に測定と改善アセスメントを行うという流れで実施していただいております。クラブでの取り組みのほか、現在、主に東京都様が2023年からかなり積極的に御活用いただいていることと、もう一つが、健康保険組合連合会様における被保険者の運動参加促進のパイロット事業として御活用いただいているということで、測定者数は1万7,000名を超えるところになってきております。
次のページを見ていただきますと、健康保険組合連合会様の都道府県支部で、現在、企業健保の担当者の方々を対象にした体験会を、健康保険組合連合会様のお力添えをいただきながら実施させていただいております。現在2025年度ではすでに125社、265名の企業健保の方に御体験をいただいているということでございます。ちなみに2024年も実施しており、2024年は154社の企業健保様に御参加いただいております。
それから、東京都様の取り組みでページをお送りいただきまして、この健康保険組合連合会様の被保険者の健康増進に寄与するパイロット事業の取り組みは、今本当に力を入れて取り組ませていただいており、健康保険組合連合会様にも本当にお力添えと御理解をいただいて進めているところでございます。
この体力測定は、この図表で示させていただいているように、とにかく体力の現在地点を知り、その現在地点に応じてこれからどのような形でその体力をバランスよく向上させ、健康な体を獲得していくか、もしくは維持をしていくかという、このPDCAのようなサイクルを、最終的には健康診断と車の両輪のように浸透させていきたいという考えで取り組んでおります。
ページをお送りいただきまして、先ほど申し上げました東京都様の取組でございます。東京都様にも、都民の方々の運動機会の提供と、都民の方々の体力の現状把握というデータ分析の二つの大きな目的で御利用いただいており、今年度と来年度は、ここに示させていただいているような在京企業の職員の方々を対象にして体力測定を実施し、企業での取組の有効性を御理解いただき、来年度どのように変化しているかという点を見ていただく取り組みを進めていきます。
ページをお送りいただきまして、今同時に進めている取組のメインは、データエビデンスが圧倒的に足りないということです。例えば「フィットネスクラブに来ている人の方が体力状況や健康度が高い」というのは当たり前のようなことですが、そのエビデンスはどこにあるのかというと、意外に本質的なもののエビデンスがないということがございまして、そのエビデンスの構築を今、一生懸命図っているところでございます。ページをお送りいただきまして、例えばBMIと体力年齢の相関性がどうであるか、またその右側の、体力の評価と生活への充足感、体力の自信、睡眠に関して、更に今、一日の座位時間と体力状況なども深く掘り下げております。
最後になります。体力測定に関しましては、最終的にはデータエビデンスの構築をしっかりと示していけるようにしたいです。運動する体力があるということが健康とどう関係しているのか、相関性があるのか、ここは明確にデータを社会に提示していきたいと考えております。最終的には、スポーツ庁様が実施されている新体力テストと、このフィットネス体力テストが連携を図ることができれば、生活者の運動参加による体力向上の取り組みを浸透させることが、この日本における健康寿命の延伸に結実すればというところで今進めているところでございます。
最後に1点だけ、誤字がございまして訂正させていただきたいと思います。健康保険組合連合会様の取組のところでございます。ページを振るのを忘れてしまい大変申し訳ございません。「健康保険組合連合会支部体験会の主な参加企業健保」というページの下に12月7日と書いてありますが、正しくは12月17日です。大変申し訳ありません。12月17日に東京体育館で、この体力測定の測定会と、その生かし方の説明会をさせていただきます。もし御興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひお越しいただければと思います。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いてオンラインになりますが、健康体力づくり事業財団様、お願いします。
【健康・体力づくり事業財団】 健康・体力づくり事業財団の増田でございます。私から、第四期基本計画に向けての考え方等を説明させていただきます。
健康・体力づくり事業財団は、健康寿命の延伸を目的に、主に運動・身体活動の推進を通して、健康・体力づくりの普及啓発を行う公益法人です。主な事業は、①(マル1)正確な運動情報・健康情報による普及啓発、②(マル2)健康運動指導士・健康運動実践指導者の養成や資質の向上、③(マル3)健康・体力づくりに関する調査研究を3本の柱に活動しています。
また、スポーツ・イン・ライフコンソーシアム中央幹事会や生涯スポーツ・体力つくり全国会議実行委員会の一員として分科会を企画したり、厚生労働省が推進する「健康日本21」の連絡協議会の事務局やスマート・ライフ・プロジェクト推進委員を担当するなど、スポーツ庁や厚生労働省の施策にも積極的に参画させていただいています。
健康運動指導士と健康運動実践指導者の養成は昭和63年度より行っています。健康運動指導士は、運動に関する科目の他、生活習慣病やメンタルヘルスなどを学んで、ハイリスク者でも安全・安心に運動指導ができる指導者であり、健康運動実践指導者は、集団に対して楽しく効果的な運動指導ができる指導者です。近年はフィットネスクラブの他、病院、老健施設、介護予防の分野でも活躍している者が増えており、医療・介護と運動をつなぐ指導者といえると思います。
当財団といたしましては、第三期基本計画に取り入れられている「スポーツによる健康増進」を第四期にも継承していただき、身体活動・運動はスポーツの基本となることから、健康・体力づくりに係る普及啓発や健康運動指導士・健康運動実践指導者の養成、介護予防にも資する「貯筋運動」の普及などを通じて身体活動・運動を推進して参りますので、引き続き当財団の活動に御支援をいただきたいと思います。
当財団からは3点要望させていただきます。1点目は、地域スポーツの拠点として活動している総合型地域スポーツクラブと、ハイリスク者でも安心して楽しくスポーツ・運動を指導できる指導者のマッチングを提案します。専門的知識や技能を有する健康づくりのための運動指導者、すなわち健康運動指導士・健康運動実践指導者の配置が進めば、健康のために運動したいと思っている地域住民の方々の参加を促すことができると考えています。
2点目は、自治体の保健衛生分野には保健師という専門職がいますが、スポーツの分野にも専門職を配置することで、長期にわたるビジョンに基づき、効果的に施策を進めることができると考えています。スポーツ・運動の分野でも専門職として健康運動指導士などの配置を提案いたします。
3点目は、健康運動指導士等の活動を通じて、運動・スポーツによって得られる脳の活性化や身体機能の維持向上などの身体面の効果、ストレス緩和・予防・軽減などのメンタル面の効果を広く普及することにより、とりわけ働き世代や女性の運動・スポーツ実施率の向上を目指し、引き続きスポーツ庁や厚生労働省の施策へ参画させていただきたいと考えております。
今申し上げた三つの提案の背景として、当財団が認識している課題を二つ御説明いたします。このスライドは、高齢化に伴うハイリスク者の増加を示しております。心臓リハビリ、糖尿病透析など内部障害者はこの20年で2倍に増加をしています。服薬者の割合も年齢に従って高くなり、60歳を超えると半数以上の方が抗コレステロール薬などを飲んでおられます。
令和6年の高齢化率は29.3パーセントで約3,600万人が高齢者、そのうち680万人が要支援・要介護の認定を受けており、75歳を過ぎると約3割の方が認定を受けています。これらの方々にとって、身体活動・運動が非常に効果的に働くと考えており、フレイルの段階で正しく介入すれば、健康状態に戻ることができます。厚生労働省では2023年に「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」を公表しています。本ガイドで初めてすべての年代で筋力トレーニングが推奨されるとともに、座りっぱなしの行動はよくないと警鐘が鳴らされました。世界ではすでに筋力トレーニングの実施は常識となっており、WHOの「身体活動・座位行動ガイドライン」でも重要なメッセージとして取り上げられています。しかし残念なことに、日本人の筋トレ実施率は9~29パーセントで、特に高齢者が少ないというのが実態です。
そこで我々は、東京大学名誉教授の福永先生と一緒に、筋量が落ちやすい下肢を中心とした自重による筋力トレーニング「貯筋運動」と、健康運動指導者と総合型地域スポーツクラブをマッチングさせた「貯筋運動ステーション」を全国に展開していく「貯筋運動プロジェクト」を行っています。2010年度より開始して、現在まで43都道府県で156クラブのモデル事業を実施しました。その他、総合型地域スポーツクラブに、高齢者やハイリスク者が安全・安心してスポーツ・運動を行えるよう、健康運動指導士・健康運動実践指導者を配置していただきたいと考えています。御清聴ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。続きまして、日本レクリエーション協会様、お願いします。
【日本レクリエーション協会】 日本レクリエーション協会の小田原と申します。よろしくお願いいたします。では早速、私どものスポーツ振興に向けた取組から御説明させていただきます。
最初に私どもの団体で始まった事業がこの全国レクリエーション大会でして、楽しさ、交流、健康づくりを目的としたレクリエーショナルスポーツを中心に普及をしております。それから最近ではまた新しいスポーツも普及し始めていますので、そうした団体の種目を普及するというような活動もしております。そうしたものを都道府県レベルでも広げていこうということで、都道府県の大会なども実施したり、普及振興事業の方では「全国一斉『あそびの日』キャンペーン」という事業で、各団体の普及事業を促進したりしていくという狙いの事業も行っております。
また介護予防では、「健康スポレクひろば」普及推進事業ということで、レクリエーショナルスポーツを中心にして健康づくりをするという事業、また、学生・生徒へのレクリエーショナルスポーツの普及、これは来年度から取り組む予定ですが、種目団体と連携をしながら、大学のキャンパスでレクリエーショナルスポーツを、それから中学校の部活動の中にこうした種目を入れていくということに取り組もうとしております。
その他、2ページ目にまいりますが、人材養成事業といたしまして、ゲームや運動遊びを使って集団づくりやグループワークを行うレクリエーション・インストラクター、先ほどのレクリエーショナルスポーツを用いて健康づくりを行うスポーツ・レクリエーション指導者の養成などにも取り組み、種目団体の支援、それから先ほどお話しました、これから種目の普及に取り組んだり、体制づくりをしていこうという団体の育成などにも取り組んだりしているところでございます。
そうした活動の中で課題として少し見えてきているところが、一つが地方公共団体でのスポーツ・レクリエーション施策の推進についてです。スポーツ基本法では、スポーツ・レクリエーション活動の普及奨励というのがありますが、まだまだ位置付けられているところが少なく、競技スポーツに重きが置かれた施策が多いと感じております。このあたりの理解を促していくというのが、私どもの課題かと考えております。
二つ目が、若い世代のスポーツ参加の促進ということで、レクリエーショナルスポーツの役割というのが、スポーツ未実施者の人たちに入口を提供することと、競技スポーツをやっていた方が、例えば高校を卒業すると大学で急にスポーツをしなくなるとか、加齢とか障害によってそのスポーツができなくなってくるという方々に、様々な機会を提供していくのが私どもの役割かと思っております。そういった種目団体の方も愛好者を増やしていって、各地域で様々な機会を提供できるような体制を作っていくということ、また、今若者にニーズのある、訴求力のあるスポーツを育成していくということも大きな課題ととらえております。
3ページ目に移りまして、これは種目団体の課題ですが、だいたい共通して大会の実施や競技力の向上に力点が置かれており、あまり普及事業というところに力点が置かれていないような状況がございます。また、スポーツ未実施者層にアプローチしていくという役割がありますが、なかなかその楽しさを引き出す方法や、参加者の交流を促進する方法、健康づくりについての知識なども指導者に提供できていない状況がありますので、こうした点に取り組んでいくのも課題と考えております。
そして、第四期計画に期待するところですが、この「レクリエーショナルスポーツ」という領域の確立について期待をしております。これまで競技スポーツに対して競技性が低く、誰もが楽しめるスポーツについては「ニュースポーツ」という言葉で普及がされてきましたが、一般的に、特に若い層にはもうこの「ニュースポーツ」という言葉があまり通じなくなっております。今回8月に大学スポーツ構想会議から出された提言の中にありましたが、「レクリエーショナルスポーツ」というものが、楽しさ、交流、健康づくりという本質をとらえて、若い世代にも直感的に理解しやすい言葉であるのではないかと考えております。
私どもの県協会が地方公共団体とこのレクリエーショナルスポーツの振興について話したところ、競技スポーツのカウンターパートとして必要性が理解しやすいという評価も受け、これから3年間ぐらいにわたる実施計画なども立てられたという例もございます。第四期計画におかれましては、このスポーツ基本法第24条の趣旨が生かされるためにも、この競技スポーツに対するレクリエーショナルスポーツという領域を確立いただいて、地方公共団体のスポーツ振興計画に施策が位置づくようになっていくことを期待しております。
そして二つ目が、スポーツを通して楽しさを提供する視点の掘り下げでございます。近年、楽しさについての研究がとても進んでおり、スポーツ基本計画の中でも楽しさは取り上げられていて、達成感や有能感、自己実現的なことが楽しさの大きな源になっておりますが、人とのつながりや、自分で決める自己決定など、他にも要素が研究として示されております。
また、生活の中に楽しさが増えることでポジティブ感情や幸福感が向上するということも証明されていますし、その一時的な楽しさだけでなく、将来的にも楽しみに思えることが増えていくことで、自発的に楽しむ力も育まれていき、それは生活の様々な場面の中で、家事や仕事の中でも発揮されるようになっていくと言われております。今、日本では心の病がとても大きな課題になっておりますが、認知行動療法なども注目を浴びており、その中では楽しさを生活の中に取り入れていくことが大切とされていますが、具体的な方法はあまり示されていないように感じております。
4ページ目に移りまして、第四期計画におかれましては、スポーツを通して楽しさを提供するという視点を掘り下げていただき、楽しさを生み出すメカニズムや方法、指導者の役割、育成方法等が整理されることで、こうした社会的な課題にも対応するスポーツの価値を示していけるのではないかと考えました。以上でございます。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。続きまして健康保険組合連合会様、お願いします。
【健康保険組合連合会】 本日、このようなヒアリングの場をいただきましてどうもありがとうございます。健康保険組合連合会がどういう取組をしているかということと、それに基づいて今後こういうことがあればというお話をさせていただければと思います。
最初に1ページ目を見ていただきますと、健康保険組合あるいは健康保険組合連合会といったものの内容を示しております。健康保険組合連合会は1943年に設立され、現在は約1,380の健保組合があります。真ん中のグラフを見ていただきますと、加入者数は約2,900万人ということです。右の事業所数は、イコール企業数と見ていただければ良いと思いますが、10万を超える企業が参加しております。左に単一健保と総合健保とありますが、総合健保は同業種が集まりますので、一番右にある資料のとおり、事業所数に中小企業が含まれております。健康保険組合連合会はよくニュースなどでは大企業が中心とありますが、実は中小企業の方もたくさん参加している保険者団体であるということを御説明したいと思います。
次のページを見ていただきますと、現状と健保組合の取組内容です。最初に東京オリンピックのレガシーの話をさせていただきたいと思います。「健康強調月間」、毎年10月ですが、これは10月になりますと、本文にありますように、本会と健保組合が一丸となって予防・健康づくりの取り組みを推進し、国民全体のヘルスリテラシーの向上に寄与する強化月間でございます。スタートは昭和41年に「体育の日」が制定されたことをもって、東京オリンピックのレガシーとして継続し、今年で60回目になります。
それに基づきまして「体力つくり優秀組織表彰」を受けており、内閣総理大臣賞を7健保組合、文部科学大臣賞を31健保組合、体力つくり国民会議議長賞を49健保組合が受賞し、それぞれの取り組みの評価をいただいております。下に最近の健保組合の概要を示しております。ニトリ健保組合様、それから外国運輸金融健康保険組合様、下は総合健保で、この業態の方が集まっているところですが、それぞれ様々な工夫をして、スポーツあるいはラジオ体操といったものを取り入れた健康増進活動を行い、表彰いただいております。
次のページに進みますと、これはもう皆様が目にされていることだと思いますが、日本の人口推計と高齢化の進展であります。少子高齢化に伴う様々な問題が起こっていますが、この問題が健保組合にとっても課題となっているということでございます。右下の青い線が高齢人口、赤いところが生産年齢人口の減少を示しております。先ほど申し上げましたように、健保組合は働く皆様、言いかえれば現役世代の健康を担っておりますので、現役世代の健康はより重要になっていくということで、その中には、女性やシニアの方の活躍などもございますが、少子高齢化が我々の課題になっています。
次のページを見ていただきますと、特に最近は、高齢就労者の方が働く上でその健康が課題になっています。それは生涯を通じた健康課題にでもありますが、運動機能の低下でございます。これは端的に労働災害のところに現れており、こちらの表は労働災害の報告書から引用しておりますが、高齢者の活躍によりまして、男性の場合、墜落・転落が現役世代に比べると4倍、女性の場合ですと転倒による骨折がなんと20倍近く若い人よりも多いということで、企業にとっては働く皆様の労働安全衛生、健保組合にとっては皆様の健康・生産性の維持が課題になっております。
次のページで、もう一つの課題であります運動習慣のある人の割合を資料から見てみますと、一番働き盛りの30代から50代、女性の場合は20代から始まりますが、この方々の運動習慣が著しく低下しています。これは忙しいということもありますが、せっかく若いときに運動習慣を持っている方も、この忙しい中で環境的なものもあるかと思いますが、低下している。これはその後の長い人生を見たときに、メタボあるいはロコモの問題にも繋がっていくということで、この世代の方にいかに運動に取り組んでいただくことが必要かというのが、健保組合にとっても課題ということです。
次は、健保組合における主な保健事業の実施状況です。健保組合は保健事業という取組の中で、体育奨励事業を行っております。実施率は83.2パーセントとかなり高いですが、右の方のグラフを見ていただきますと、一番多いのがウォーキングでございます。ウォーキングも一つの体力づくり、健康づくりになるかと思いますが、これだけで良いのかというのが課題になっております。
先ほどあったシニアの問題がありますので、健保組合のロコモ対策を推進するため、日本フィットネス産業協会様と連携して「全国カラダ年齢測定」を普及啓発しているということでございまして、この部分は先ほど非常に詳細な御説明いただいておりますので、一緒に取り組んでいるということをぜひ皆様に認識いただければと思っております。
最後のページは、様々な取り組みを行っている中で、今後どういうふうにすれば、よりそういった部分が進んでいくかということをお示しするものでございます。今、大きくは厚生労働省様、経済産業省様、スポーツ庁様で健康に関する取り組みがございます。一つは、日本は世界一の長寿国であり、健康データの累積も進んでいるということです。そして、多くの企業、保険者、自治体では予防・健康づくりが目白押しですが、運動・スポーツの実施による予防・健康増進のエビデンスを示して、各省庁の横断的な取組が必要ではないかと考えております。
少し補足しますと、多くの企業経営者にとっては、スポーツは余暇時間を使って実施するものではないかという認識が非常に強いと思っております。働く世代のスポーツ実施率を引き上げるには、スポーツをすることで労災防止になること、ロコモ対策になること、あるいはメンタルヘルス対策などとのつながりにより、労働生産性の向上に寄与するということを、ぜひエビデンスベースで示していただくことが、我々の今後の取組にとっても非常に重要だと思っております。
また、保険者目線では、生活習慣病・メタボ対策は、カロリー消費や食事中心の指導になりがちでありますが、厚生労働省様等、他の省庁様ともっと連携して、メタボ、ロコモ、フレイルと連続した生涯の課題という視点の中で、スポーツの実施率向上の施策を考えていただくことをぜひお願いしたいと思い、発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。最後になりますが、日本スポーツクラブ協会様、お願いします。
【日本スポーツクラブ協会】 おはようございます。日本スポーツクラブ協会でございます。本日は機会をいただきましてありがとうございます。理事長も同席しておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、当財団は小さな財団法人ではございますが、総合型地域スポーツクラブの立ち上げに当たりまして、文部科学省とともに立ち上げに尽力させていただいたという実績がございます。また、現在、全国のスポーツクラブのサポート、それから国民の健康・体力づくりをサポートし、スポーツクラブの経営・運営、健康・体力づくりの核となる人材の育成を目的に、元オリンピックの体操選手である小野喬先生と清子先生の御夫妻が設立した財団でございます。
現在の主な活動でございますが、生涯スポーツの振興、それから地域における指導者養成を中心として行っております。講習会では、運動理論に基づいて「できないこと」を「できるようにするため」の指導方法を伝えるために、現場で研究・実践してきた講師をお招きして開催しております。
次のページです。具体的に指導者養成事業でどのようなことをしているかというお話になりますが、初心者及び初級者指導に精通した指導者養成に注力しております。大きく、スポーツクラブ指導者と健康・体力づくり指導者といったものがございます。スポーツクラブ指導者は、スポーツインストラクター、スポーツクラブマネジャー、こども身体運動発達指導士、学校運動部活動指導士がございます。特に2022年から、中学校の運動部活動の地域展開に合わせました指導者として、学校運動部活動指導士を開始しております。こちらはスポーツ振興くじの助成金を得て実施しております。
また、健康・体力づくり指導者でございますが、中高年期運動指導士、介護予防のスペシャリストという名称で行っており、それぞれライフステージ別に指導対象者を想定した資格制度を運用しております。具体的に、特定の種目を限定せず、体の動かし方を勉強するといった特色がございます。どの講習会においても、学習概要は運動理論や体の仕組み、心理的な動機付け、筋力トレーニング、ストレッチ、ランニングといった基本的な体の動かし方などを組み込んで構成しております。講師は大学の先生方が多く、エビデンスに基づいた講義・演習を実施していただいております。それから、資格を取得後のスキルアップ研修会という形で、上級編とワークショップという形でも開催をしております。
そして、養成事業で具体的にどれぐらいいるのか、小さな財団なのでそれほど大きくはないですが、推移についてまとめたものを報告させていただきます。2020年度にコロナの流行がございまして、会場が閉鎖されてしまったことなどがあり、集客が困難になりました。感染症対策としてオンライン配信という形で講座を開催しましたが、人数的には半分ぐらいになってしまいました。おそらく他の指導者養成団体様もこのような状況だったのではないかと思います。2019年から現在に至るまで、2020年の半分、2024年につきましてもワークショップを入れて302名と増えてはおりますが、資格を取得された方に関しましては270名程度で、2019年度の水準には戻っておらず、かなり厳しいというのが現状でございます。
次に、指導者養成事業での課題についてお伝えしていきます。1回当たりの受講者が最も多いのが45名の中高老年期運動指導士で、少ないのが10名のマネジャーというのが昨年の実績でございました。総合型地域スポーツクラブ事業が始まって30年ほど経過しているわけですが、世代交代がうまくいっていないのではないかということが推察されます。
次に、東京都内以外での開催が難しいというのが現状でございます。会場や講師、受講生の確保、事務局の維持、関係する経費などが東京に集中してしまうため困難であるということがあります。そして、都内で借用する会場もなかなか安価な場所が少ないというのが現状であるという報告です。現在はオリンピック記念青少年総合センターを借りて実施しておりますが、青少年向けの施設であるため、一般の団体が借りるには優遇がないということがあります。
そして、デジタル技術の活用と限界ということでございますが、配信の講座を実施しているのが現状ではありますが、会場の講習会と配信の講習会で温度差があるということは講師の先生方から伝わっていることで、講師の先生方もそれにお気づきになっている方が多く、講習会を実際にやるときに、細かい配慮や受講生に合わせた実際の展開方法などを工夫していらっしゃいます。昨今のYouTube動画などとは違う伝え方を、集合学習では展開していけるのではないかと考えております。
そして、第四期計画について期待することとして続けてまいります。スポーツ振興くじ助成事業の事業拡大、助成対象事業の拡大をお願いしたいと思っております。現在、部活動の地域展開等が加速することが考えられます。この地域展開等において、指導者のマネジメント組織、指導者養成事業、指導者派遣といったものの質的・量的な拡大が重要でございます。この費用について、各地域で様々地域差はありますが、その費用がなかなか捻出されないということを、様々なクラブや受講生から聞いておりますので、そういったところの費用として、スポーツ振興くじの助成金が、部活動地域展開等支援事業として位置付けられると、総合型地域スポーツクラブにとって安定的な活動資金が確保されるのではないかと考えられます。また現状、指導者が無償に近い金額で指導しているということもよく聞いておりますので、そういったことの改善も必要かと考えております。
第三期に続いてですが、多様な主体におけるスポーツ機会の創出、これまでも取り組まれておりますが、これも引き続き取り組んでいただきたいというお願いです。それから、スポーツ指導者・実施者に対する安心・安全の確保、こちらも継続するためには非常に重要であると思っておりますので、こちらの知識を持ち合わせた指導者の養成を各種目団体で取り組んで、指導者不足の解消に努めていきたいと考えております。
最後でございますが、総合型地域スポーツクラブに関連する認証制度が立ち上がっているかと思いますが、こちらについて、様々な資格がある中で特定の団体の資格が要求されていると伺っております。国が関与する認証制度については、資格要件を緩和していただいて、各種スポーツ関連団体が認定する資格を広く受け入れていただきたいということを要望しております。また、認定に係る諸費用が負担になっているということ、それから費用の使途が不明瞭とのコメントを、養成したマネジャーや関係者から聞くことがございますので、安価ではない金額に見合ったサービスの提供が必要かと考えております。以上でございます。ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。それでは質疑応答に入りたいと思いますが、前回同様、お一人2分以内の質問をお願いしたいと思います。また、御質問はまとめて頂戴し、まとめて各団体様から御回答いただきます。前回、私が中継すると時間がかかってしまいましたので、質問があったものを自分に該当すると思われたら、それを答えるという対応をお願いしたいと思います。それでは、委員の皆様から質問をお願いします。オンラインの委員の皆様も含めてお願いします。延與委員、お願いします。
【延與委員】 大変多岐にわたる御報告ありがとうございます。
日本レクリエーション協会様にお伺いしたいのですが、私ども障害者スポーツの草の根を広げる上で、レクリエーション協会様の事業と対象者が大変重なるところも多く、いつも事業でお世話になっております。ありがとうございます。だんだん高齢化も進み、また私どもも様々な障害者に多様なスポーツの機会を与えようとしていくと、なかなか障害者スポーツの文脈だけではメニューが足りなくて、実際、比較的入りやすい、ゆるやかなスポーツというところで、障害者が楽しめる余地はまだまだあると考えております。何かそういう障害者を様々な活動の中で受け入れるにあたって、工夫なさっていることとか、課題などがありましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。他の方はいかがでしょう。大塚委員、お願いします。
【大塚委員】 御説明ありがとうございます。
何点かありますが、まず日本フィットネス産業協会様への質問として、今の取り組んでいる体力テストに関しまして、加盟各社の法人会員企業に対してのテストに限定されているように推測しますが、加盟各社の一般会員の皆様のテストを実施することによって、相当大きなビッグデータが作れるのではないかと考えております。その点に関して、健康寿命の延伸を目指すのであれば、そこまで広げる方向性が今後あるのかどうかということ、それから、健康体力づくり事業財団様への質問としましては、このような計画の中において、実際にスポーツを行う方の環境の整備が伴っていくような御示唆をもう少しいただけたら良いのではないかと。このデータの分析に関しては、全く異議はないのですが、更にそれを専門職に登用してもらう環境の整備をどこに向かってお願いしていくことなのかということで言うと、今、種目別競技団体の方も、競技力向上のみならず普及ということを非常に大きなテーマとして、自治体等と取り組んで社会貢献事業に向かっていこうとしています。そういったところで更に御一緒に取り組んでいけるものがあるのではないかと考えております。
日本レクリエーション協会様の方にも、これは一つの考え方ですが、海外ではすでにもうレクリエーションと競技スポーツというものが一体化している部分があります。ですからそこをカウンターパートにする考え方が良いのか、それとも、レクリエーションというものを普及と捉えて、競技スポーツ、種目別スポーツの中にレクリエーションという普及分野もあるんだということを考えていただいたら、日本レクリエーション協会様と競技団体が一体になってこの活動を一緒にしていくことが、様々な目的に繋がっていくのではないかと考えております。
健康保険組合連合会の皆様には、この国の取り組みに対しての御提言をいただいている中、更にコミュニティや、先ほど申し上げましたようにスポーツをやる環境の整備に、何か御示唆をいただけるような提言が健康保険組合連合会からあると、加入している方々がスポーツをやろうという行動変容に対して、やる場所が更に広がっていく。もちろん今、スポーツクラブや学校など、やる環境はあるのですが、欧米で今健康寿命が伸びているところは、地域の民間のコミュニティなどがどんどん広がっていますので、そういったところに健康保険組合連合会が更に目を広げていただけたら良いのではないかと考えております。長くなりましてすみません。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて髙橋委員、オンラインからお願いします。
【髙橋委員】 1点だけ日本レクリエーション協会様に御質問と御意向を伺いたいと思います。内容は、スポーツ基本法でも導入されました情報通信技術を活用したスポーツに対して、日本レクリエーション協会様はどのような対応をされるのかという点です。今、日本スポーツ協会様やJOC様もeスポーツに対して非常に前向きな検討、様々な活動の検討を始めていらっしゃいますが、日本レクリエーション協会様はいかがでしょうか。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。もう一方、能瀬委員、お願いします。
【能瀬委員】 御発表ありがとうございました。健康保険組合連合会様に御質問させていただければと思います。
女性の転倒による骨折率の高さ、また運動習慣が低いということについて御発表いただきましたが、ここにはおそらく「やせ」の問題や骨粗鬆症の問題も大きく含まれているのではないかと考えています。現在、骨粗鬆症患者は約1,600万人いて約8割が女性で、以前の報告よりも300万人以上も増えているという現状ですし、有病率が高いがん疾患の5年死亡率よりも、骨折関連の死亡率の方がはるかに高いという現状があるかと思います
本当に女性のQOLや寿命に大きく影響を与える問題ですし、ここに運動が寄与できると私は思っています。疾病の予防だけでなく、もしかするとこの問題が女性の運動実施の動機付けにもなるかなと思っていますが、御質問としましては、今年、日本肥満学会を中心に骨粗鬆症を含む新たな疾患概念「女性の低体重・低栄養症候群(SUSS)」が新たに提唱され、第三期スポーツ基本計画の中にも「やせによる骨粗鬆症の予防」が位置付けられております。現在、メタボが中心となっているように見受けられますが、今後、健康保険組合連合会様の方で「やせ」に対する取り組み予定が何かあるかという点と、加えて現在、骨粗鬆症の検診率は約5パーセントにとどまっていると思いますが、骨粗粗鬆症の検診の問題について何か具体的な施策が検討されているかを参考までに教えていただければと思います。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。一旦まとめてお答えいただければと思います。その前に、結城委員、お願いします。
【結城委員】 ありがとうございます。御発表ありがとうございました。短くまいります。
最初の日本フィットネス産業協会様に対して、これはもちろん企業等の社員を念頭に置かれた体力テストの項目と拝察いたしますが、この項目自体は、高齢者の方ですと反復横跳びなど非常に難しい可能性があるものもお見受けします。高齢者の方の例えば項目、もしくは体力測定といったものに対して、どういった基準などを考えていらっしゃるかを伺えればと思います。
日本レクリエーション協会様、楽しさを生み出すメカニズム、非常に大事だと思います。ただ、その中で楽しさには個人差が当然ございますし、達成感等々とおっしゃっているということは、和気あいあいとみんなで笑顔でということだけではなく、自分をどのように作っていくか、自分がどのように前向きになっていくかという心の持ちようで楽しさが違うということだと思いますが、そのメカニズムを、個人差があるものに対してどう工夫されるおつもりなのかをお伺いしたいと思います。
最後に、健康体力づくり事業財団様に対して、高齢の方々の運動に関するプロでいらっしゃるとお見受けするのですが、モデルというものが歩数6,000歩以上(これは厚労省ですが)とか、筋トレの効果であるとか、なかなか高齢者の方、特にフレイルの入口にいらっしゃる方などは、やりたいけれどできない、動けない、歩けない、膝が痛い、そして疾患があるといった方が本当に増えていらっしゃいます。その中でも何らかの運動がしたいという方々に対する例えば指標であるとか、手助けであるとかは、どう工夫していらっしゃるかお教えください。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。一旦切らせていただきます。まず、日本レクリエーション協会からお願いします。
【日本レクリエーション協会】 御質問いただきましてありがとうございました。
最初に障害者スポーツの件でございますが、障害は非常に多岐にわたり、様々なケースがあって、そこに対応していく能力やノウハウは、私どもでまだ積み重ねきれていないところがあります。しかし、例えばアクティビティをその対象者に合わせて、従来のスポーツのルールを崩してでも提供していくとか、そこにどうやって楽しさを生み出していくのか、人との関わりの中でどう楽しさを生み出していくのかというのは、現在のカリキュラムでもある程度行っています。
結城委員の御質問にも繋がるところですが、最近ポジティブ心理学やセラピューティック・レクリエーションという分野があり、そちらで楽しさをどう提供していくのかがかなり積み上げられております。例えばスポーツですと、指導を受けながら対象者の方たちがそのスポーツを楽しんでいくというのがずっと続いていきますが、そうした分野では、対象者が自立し、次に自分の力でいかに楽しんでいけるようになるかというところをかなり大事にされています。そうしたものを私どものカリキュラムにももっと取り入れていかなければいけないと考えております。
また、主体性を引き出していく方法もかなり整理されてきていますので、そうした部分も取り入れながら、障害者の方に楽しさを提供するというところにどうコミットできるのか、それを整理していくことが一つの課題と捉えておりました。
それから、海外では競技スポーツとレクリエーショナルスポーツの線引きをする必要はないのではないかという点は、私どももそのとおりだと存じており、本当はそういう形になるのが一番良いと考えております。例えばインディアカというバレーボールに似たスポーツがありますが、最近中学校ではバレーボールが痛くて生徒たちが避けるという話も聞きますが、ドイツではそのインディアカをバレーボールの導入に使っている例もあります。ですので、今あるレクリエーショナルスポーツがその入口になったり、競技スポーツの方々にとって、例えばサッカーであればフットサルのような入口の種目になるような関わりが持てたりすれば良いと思います。
現在、フェンシング協会様と「スマートフェンシング」というものをレクリエーショナルスポーツとして一緒に取り組めないかということにも着手しており、そういった思考は持っております。ここで申し上げたかったのは、地方公共団体の方でこのような取り組みがもっと増えてほしいという意味で、このレクリエーショナルスポーツというところを主張させていただいた次第です。
それから、eスポーツの件がございました。基本的には、私どもは人との関わりや生身の交流によって楽しさが生まれるというものを大切にしたいという考えがあり、今はeスポーツにはあまり力を入れておりません。しかし、障害を持たれた方などに楽しさを提供する際に、このICTの技術が非常に必要だということは検討しております。また、最近の若者のイベントを見ると、音や光、映像などを大変うまく使ってやられていて、このままだと本当にレクリエーション協会のイベントに人が来なくなってしまうのではないかと思うぐらいでして、こういった部分もどんどん取り入れていきながら、エンターテインメントと言うと言い過ぎかもしれませんが、少し見ていても楽しいような形を模索していかなければいけないと考えております。eスポーツまではいきませんが、ICTには非常に注目しております。
結城委員の「楽しさには個人差がある」という点ですが、ポジティブ心理学の他にも、一時的な楽しさを提供するだけでなく、将来的に楽しみに思えるものを生活に増やしていくことが必要だという研究や、それによって自己拡張がどのように起こっていくかということも随分整理されてきています。一人ひとりに合わせていくのは難しいですが、一般的な考え方としてそうしたものを提供し、指導者の方が活用できるような環境づくりはしていきたいと考えております。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。それでは、日本フィットネス産業協会様、お願いします。
【日本フィットネス産業協会】 御質問いただきましてありがとうございます。日本フィットネス産業協会でございます。まず大塚委員からいただきました御質問にお答えさせていただきます。
法人会員向けという言葉をどう理解すればという点ですが、基本的にこの体力テストが目指しているところは、幅広く一般生活者の方々、壮大な夢を申し上げますと、全国の生活者が健康診断と体力テストを車の両輪として受け続け、PDCAを回していくようなライフサイクルに組み込んでいただく世界観を作っていきたいという取組でございます。
そういう中で、先ほど1万7,000件の測定実績を申し上げましたが、そのうち約1万4,000件はフィットネスクラブの会員様、またはクラブがイベント等で非会員の方々に体力テストを提供するという形で行っておりますので、あくまでも一般の方々に広く進めております。
健康保険組合連合会様との取り組みに関しましても、流れとしては、まず各企業健保の担当者の方々にこの体力テストの強みを理解していただき、最終的には2,900万人いらっしゃる被保険者の方々に体力テストを届けるためにはどうすれば良いかというところで、入口として各企業健保様にこれを活用いただけるよう働きかけをしているところです。東京都様に関しては、2025年度の取り組みは在京の企業職員の方々が対象ですが、2023年、2024年は一般の方々に対して直接、体力テストイベントとして届けさせていただく活動をしておりました。
それから結城委員からの御質問、ありがとうございます。先ほども申し上げましたように、これはスポーツ庁様の「新体力テスト」をそのまま継承しております。スライドで示させていただいたのは、20歳から64歳までの新体力テストでございます。もちろん同時に、65歳から79歳の方向けの新体力テストもスポーツ庁様で展開されておりまして、それも全く同じくスライドさせ、このLINEアプリで今もう作っております。65歳以上の方はLINEアプリ上で年齢を選択していただくと、反復横跳びが「開眼片足立ち」に、立ち幅跳びが「10m障害物歩行」に、ステップ運動も高さをぐっと低くしたものに変わるというように、65歳以上の方々の体力測定にも対応できるよう、同じアプリで開発を進めているところでございます。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。すみません、それでは健康保険組合連合会様、お答えだけ端的にいただければと思います。
【健康保険組合連合会】 それでは大塚委員からいただきました、地方のコミュニティとの関係は、これは健康保険組合連合会にとって大きな課題だと考えております。健保組合は企業単位ですので、地域については、各健保組合でお子様や御家族とのつながりが深いところはあると思いますが、まだそこまで目配りが届いていないところもあります。おっしゃるとおり、欧米のようにライフスタイルや医療もどんどん変わってきている中では、今後の課題だと考えております。御指摘いただきましてどうもありがとうございます。
能瀬委員からいただいた女性の健康についてですが、御指摘いただいた「やせ」の問題、これは非常に重要だと考えております。一つは、女性の多い企業・健保の中では、特に若いときからその意識を持って取り組んでいるところもあると認識しております。また健康保険組合連合会としても、女性はライフスパンで見たときに非常に様々な健康問題を抱えているということで、その一つが「やせ」だと思っております。世界の中でも一番やせている国と言われている日本は、韓国と比べても圧倒的にやせている女性の多い国でございますので、それに伴う低体重児や骨粗鬆症などの問題については非常に重要な問題だと考えております。今後もその点については様々な形で取組をしていきたいと思っております。
最後に、骨密度測定を検診に取り入れるという動きは出ております。各健保組合の中でも、女性の健康問題に積極的なところは、労災も含めて重要な問題だという意識があり、我々健康保険組合連合会も、人間ドックなどの検査項目について議論する場がありますが、そこでも骨粗鬆症の問題をどういうふうにやっていけば良いのかという意識を持って取り組ませていただきます。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。最後になりますが、健康体力づくり事業財団様、端的にお答えいただけますでしょうか。お願いします。
【健康・体力づくり事業財団】 健康・体力づくり事業財団です。まず大塚委員から環境の整備、専門職の登用という御指摘をいただきました。身体活動・運動はスポーツの基本となることから是非とも制度として、健康運動指導士のような専門職の登用・活用を盛り込んでいただき、費用に関しても担保される形にしていただきたいと思っています。
また、結城委員からの高齢者への対応についてですが、先ほどの説明のとおり、10年以上にわたって自重の筋力トレーニングを全国で展開しており、ハイリスク者の場合でも健康運動指導士がしっかり指導して効果を上げているという、そういうデータを持っています。以上です。
(Dグループヒアリング)
【渡邉部会長】 Dグループの各団体の皆様、ありがとうございます。先ほどCグループをお聞きになったと思いますが、発表時間は6分程度でお願いできればと思います。
それでは、Dグループのヒアリングを始めます。団体の皆様は、全国高等学校体育連盟様、大学スポーツ協会様、日本中学校体育連盟様、日本学校体育研究連合会様、日本体育・スポーツ・健康学会様、全国大学体育連合様、の順でまいります。なお、全国体育系大学学長・学部長会は御都合が合いませんでしたので、書面提出での御意見をいただいております。資料の2の13を御覧いただければと思います。
また御都合によりまして、全国高等学校体育連盟様は11時45分頃に退出の予定です。また大学スポーツ協会様は12時15分頃に退出の予定となっております。初めに御説明いただくとともに、各団体からの御説明の状況によっては、御質問等は追って事務局よりおつなぎすることとなります。御承知おきいただけますようにお願い申し上げます。
それでは早速、全国高等学校体育連盟様の方からお願いします。
【全国高等学校体育連盟】 よろしくお願いいたします。全国高等学校体育連盟です。平素よりお世話になっております。本当にありがとうございます。また本日はこのような機会を提供いただきまして、重ねてお礼申し上げます。
時間も限られておりますので、早速内容に入らせていただきます。事前にお示しした資料を御確認いただければと思います。いくつかの項目に分けてお話をさせていただきますが、まず1の「スポーツ振興に向けた取組状況、成果について」となります。
本連盟の主管事業であります全国高等学校総合体育大会、通称インターハイについて記載させていただきました。(1)の「全国高等学校総合体育大会の実施」の中段に示しましたとおり、インターハイは各競技の高校生トップアスリートによる競技大会であると同時に、次の時代を担う高校生の健全育成を目的とし、教育活動の一環として開催しております。一方で、各競技において新たな記録が生まれていること、また現在、日本を代表して活躍する選手の多くがかつてインターハイで活躍したという実績を有していることからも、インターハイが各競技の普及振興、発展に貢献しているといえると思います。これは大きなインターハイの成果の一つであると考えています。
次に、2番の「本連盟が抱える現状の課題について」ですが、(1)「インターハイ改革PT」の立ち上げについて書かせていただきました。前段で述べましたとおり、インターハイは高校生の健全育成を目的としつつ、各競技の普及発展、振興にも寄与してまいりましたが、安定的な継続実施に向けては複数の大きな課題を抱えております。この改善を目的として、「インターハイ改革PT」を昨年9月に立ち上げました。PTが設定した課題は記載の4項目ですが、本日はその中から、①(マル1)の暑熱対策関係について少し補足をさせていただきたいと思います。
高校生年代の全国大会については、学業に比較的影響の少ない長期休業期間に開催するということが一つの前提となっております。今年の中国ブロック総体でも暑熱対策として、屋外競技を中心に、競技方法やルールの変更、ミストファン、クーリングテントまたアイスバスなどの設置による具体的な対応が行われました。その結果、全競技合計で熱中症症状と見られる方々が救護施設を利用した件数は、今年は119件ありました。その119件のうち12件が救急搬送したという状況であります。ただ、12件の搬送数の中、重篤な状況は一切なく、私どもとしてもなるべく事前に早めに対応してくださいというお願いをしていたこともあり、12件という数になっているということです。幸いなことに搬送者の中に重篤な状況はゼロであったと、まさしく幸いなことだと思っています。
PTとしては、現状の対応策に加えて、より効果的な改善策について、協議専門部や当該のNFとも連携しながら検討を進めているところであります。その改善策の一つとして、開催時期の変更、先ほど申したように夏季総体については夏休み期間中にやるということが前提になるわけですが、この暑い時期を避けて開催時期を変更することも視野にはあります。しかし、この点につきましては、現時点では全国高等学校体育連盟として単独で判断すべき内容ではなく、判断できない内容であると認識しています。ただ、この暑さを回避して涼しい時期に実施するには大きな課題があるというところであります。
それから三つ目、「第四期スポーツ基本計画に対する期待」についてですが、ここでは資料に3点記載させていただいております。まず(1)の「教員を目指す人材の確保について」ですが、立場をわきまえず申し上げますと、強い危機感を抱いております。メディアを通して発信される教員の働き方に関する情報の多くは、ネガティブな内容です。専門教科の指導や、これに係る研究またはその準備の前に、保護者対応や地域対応に追われる。また、次の(2)とも関連しますが、膨大な事務作業や部活動指導により、教員の仕事は大変だ、と。こういった事実もあるわけですが、より強い形で印象が植え付けられているように思っています。もちろん、教員の仕事自体は楽な仕事ではありませんし、このような状況に対し、これまでも国として学校の働き方改革が進められ、様々な方策が示されていますが、教員としてのやりがいや本来の楽しさ、これらについてより積極的に発信いただける施策を期待しております。
最後になりますが、(3)の学習指導要領関係についてです。教育課程等と部活動の関連・位置付けについては、お手元の資料に記載のとおりですが、部活動については、スポーツや文化、科学等に対する学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養など、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意することとされています。
現在、部活動の在り方、位置付けが大きく変化しつつあることについては十分理解していますし、時代の流れに応じた変化は必要であると私自身も強く考えています。しかし、日本の学校教育文化の中で部活動が担ってきた、あるいは担うべき役割は、今後も変わるものではないと考えています。第四期スポーツ基本計画においても、この点を十分に御考慮いただけるよう、切にお願い申し上げます。期待しております。以上となります。ありがとうございました。
【渡邉部会長】 はありがとうございました。続きまして、大学スポーツ協会様、お願いします。
【大学スポーツ協会】 大学スポーツ協会(UNIVAS)でございます。よろしくお願いをいたします。資料は右肩に2-7と振られた紺色の表紙の資料になります。
1ページ目をおめくりいただきまして、私どもの組織の概要を簡単に整理させていただきました。2019年の設立ということで、活動を始めて今年で7年目という団体でございます。設立の理念を掲げておりますが、「大学スポーツの振興により、卓越性を有する人材を育成し、大学ブランドの強化を図り、競技力の向上を図ることをもって、社会貢献を果たす」という設立理念に基づいて活動してきております。現状の会員は大学が221、競技団体が39、それから右方にございますが、民間の御支援をいただくパートナー企業が現状8社というところで取組をさせていただいております。
次のページでございます。活動内容と成果というところでございますが、本日お時間の都合もありますので、一つ一つの取り組みの詳細につきましては、資料編に資料を付けてございますので、お目通しいただければ幸いでございます。成果と課題というところでございますが、先ほど申し上げました大学スポーツの振興に向けましては、大きく三つの重点課題を設定し、その解決に向けて取り組みを進めてきております。
1点目は、「クリーン&セーフティスポーツの実現」というところでございまして、「SSC」と銘打った安全安心認証制度をスタートし、会員の大学、それから競技団体様が、自立的に安全体制の確立が図れるようにということで進めてきております。現在64団体、会員のうち約4分の1というところまで、この安全安心認証を取得し、安全体制の強化を図ってきているところがございます。
2点目にございますとおり、頻発する不祥事というところもございますが、学生が正しい知識を得て、自らインテグリティを保てるように促進をするといった目的で、会員の大学・競技団体に向けたコンプライアンス研修会を出張開催しております。ここ3年の取り組みで、通算では70回を超え、1万3,000名を超える学生に講義を行ってきているところもございます。また、今年は学生が自らインテグリティを学べるようにということで、アプリの開発・提供も始めさせていただきました。
また、アンチ・ドーピングの問題もございます。トップアスリートのみならず、広く運動部、大学生全体に向けてこの知識をしっかりと身に付けていただこうという形で、スポーツ庁からの受託事業として、教材開発・カリキュラム開発を現在進めており、テストも含めて1,000名超の学生への講義が行われてきております。
「UNIVAS CUP」というものがございますが、競技団体が主催する競技大会の安全体制の補強ということで、有事に備えまして医療従事者の配置助成を行ってきております。私ども協会の設立以来、重篤事故の防止に効果を発揮してきている取り組みでございます。
次のページでございますが、二つ目の重点課題、「人材育成」というテーマでございます。学業と部活動の両立に加えまして、スポーツから学べる力、社会人基礎力をしっかりと身に付けていただき、社会に巣立っていただきたいという願いも込めまして、学生の研修も精力的に進めております。延べ3万人近い学生に講義を行い、育成してきたところもございます。また、次の項目にございますが、推薦入学内定者に対する事前教育というところの定着も図られてきたところもございます。
そして3点目でございますが、「大学スポーツによる地域貢献、そしてブランディング」といったところでございます。スポーツをテーマに大学と地域の方々をどのように結び付け、大学の地域における存在価値を高め、地域社会の活性化を図るかといった取り組みを、スポーツ庁のモデル事業も受託して進めてまいりました。本年からは民間企業の参画も含めまして、通算で68を超えるモデル事業の創出に至ってきているところもございます。
そして、運動部の優秀学生の表彰を行ってきており、大学スポーツの価値の発信につなげてまいりました。「UNIVAS AWARDS」と銘打ちまして、心・技・体に優れた学生、支えた組織といったところの表彰も継続して行ってきており、通算で600名近い学生の表彰を行ってきた実績がございます。
次のページでございますが、そんな中での課題と対応でございます。課題の1点目でございますが、会員の規模に関しましては、御紹介をしたとおりでございます。常に新たな大学の加盟を促進しておりますが、昨今の少子化の影響、中小規模の学校法人の経営上の課題、それからコロナ禍による部活動の衰退等の影響も受け、新規入会と退会される大学との差し引きで、現在220大学という規模感でございます。もっともっとこれを広げていかなければいけないというのが、当協会の1番目の課題でございます。
2点目でございますが、大学におけるスポーツガバナンス、いわゆる課外活動である部活動というところではございますが、大学としての責任ある積極的な関与体制の構築を、スポーツ庁とともに意識付け、確立を目指してきたプロセスでございます。しかし、現段階では専門の統括部局を設置した大学は92にとどまっているというところもございますので、こちらの進捗も二つ目の課題として挙げさせていただいております。
3点目でございますが、大学スポーツに対する社会支援の拡大といった点もございます。もっともっと民間企業に参画していただき、当協会の財源確保につなげていきたいということ、合わせて4点目にございますが、そういった支援による収益という問題と、大学スポーツを起点にした自主財源確保といった意味での収益基盤の強化という課題を抱えているところでございます。
最後になりますが、「第四期スポーツ基本計画に期待すること」というところでございます。私ども設立後6年半というところで、大学スポーツの振興はまだまだ発展途上と認識しておりますので、さらなる御理解と御支援をいただきたいということが前提でございます。
まず1点目にございますとおり、大学による地域連携・地方創生におきましては、この大学スポーツの重要性は欠くことができないものであると思います。私どもUNIVASがハブとなって地方創生を推進していくということを、ぜひ明示いただければと思っております。
それから2点目でございますが、スポーツ全体としての社会価値創造に何とかつなげていただけたらという希望もございます。スポーツ振興に貢献する企業の社会的価値・格付けが上がっていくことによって、よりスポーツに親和性を持ち、参画いただく企業が増えてくるのではないかという期待も持っておりますので、ぜひ御検討いただければと思っております。
そして3点目、少子化の問題、気候変動の問題等々の新たな社会環境変化も予見されているわけですが、その中におけるスポーツライフの存在についての明示もぜひ、基本計画の中で捉えていただければ幸いと思っております。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。続きまして、日本中学校体育連盟様、お願いします。
【日本中学校体育連盟】 日本中学校体育連盟、専務理事の新宮領と申します。よろしくお願いをいたします。
まず一つ目に、本連盟において取り組んでいるスポーツ振興に向けた取り組み状況、成果ですが、概要を四つ申し上げます。
1として、中学校における体育・スポーツ活動の充実発展及び活性化に努めるとともに、運動部活動の指導に努め、たくましくしなやかで人間性豊かな中学生の育成に努めております。
2として、少子化が進行する中、持続可能性を考えた運動部活動の運営、多様な教育団体等との連携の在り方、本連盟の発信力の強化など、多面的な視点での研究及び検討を深めております。
3として、スポーツ庁施策の部活動指導員につきましては、大会の引率や監督を平成30年度より認めております。そうした理解のもと、平成30年度初年度には全国で1,228名だった部活動指導員が、現在、令和7年度では約10倍を超える13,150名となっております。
4として、スポーツ庁からの要請により、令和5年度から地域クラブ活動の大会参加を承認いたしました。令和5年度初年度の全国大会への地域クラブ活動の参加率は約11パーセントでございました。令和7年度、本年度の夏季大会においては、地域クラブ活動の参加率は約24パーセントとなっております。今後も地域展開等が進むことによって、参加率は増えていくものと考えます。
加えまして、ここに記載はしておりませんが、日本スポーツ協会をはじめとする6団体で進めてございます「JSPO(のスポ)育」事業については、昨年、令和6年11月に開催いたしました日本中学校体育連盟全国研究大会石川大会において、大阪体育大学大学院教授の土屋裕睦先生に御講演等をいただき、「JSPO(のスポ)育」が全国の中学校に浸透していることを御報告申し上げます。
二つ目としまして、現状、団体において抱えている課題でございますが、どのスポーツ団体も同様の課題をお持ちと思いますが、本連盟においても少子化、気候変動、働き方改革は重要課題となっております。その重要課題を受けて、全国中学校体育大会の在り方と国の部活動改革は、喫緊の最重要課題となっています。
例えば、一つだけ日本中学校体育連盟の市区町村レベルの大会を例に申しますと、これまで学校部活動の市区町村大会運営は、顧問教員が相互審判を行うことを前提に進めてきました。その運営業務を行う教員は、ほぼ完全なボランティアで取り組んでいます。しかし、今後地域展開等が進むに従って、教員の携わりが少なくなると思われます。教員に代わって地域クラブ活動の指導者が大会運営業務に関わっていただけるのかどうか。また、教員とは違う地域クラブ活動の指導者には、大会運営業務の謝金が必要なため、その費用負担は大会主催者側にあるとされた場合、おそらく市区町村日本中学校体育連盟は自前でその謝金費用を捻出することが困難なため、大会をやめざるを得ない状況に陥ってしまうことにもなりかねません。
更に部活動改革が進めば、極端なことを予想すると、教員が一人も関わらなくなれば、市区町村の日本中学校体育連盟も存在しなくなると思われます。そうなったとき、市区町村大会は誰が、どの団体が、あるいは市区町村自治体が運営していくのかというようなことも、関係諸団体と協議を重ねていく必要があると考えてございます。このように、最前線での課題も多岐にわたっていることを御理解いただけると幸甚でございます。
三つ目に「第四期に期待すること」でございますが、1の「安全・安心の確保」ですが、これまで全国の学校の体育・運動部活動での障害は、日本スポーツ振興センターが各学校の養護教諭から収集した明確なデータを保有することができました。そのデータに基づいて障害防止や事故防止の対策も進んでおります。地域展開等が進んだとしても、この同様のシステムを構築していただくよう切望いたします。
2として「運動・スポーツ経験者増」でございますが、学校にあった身近な存在の部活動でありましたので、多くの中学生にとってはハードルが低く、気軽に運動・スポーツに接することができたのではないかと考えております。その意味から、ますます小中学校での体育授業が重要になってくると思いますので、学校体育への手厚い支援を十分に盛り込んでいただけるよう期待をしてございます。
以上で日本中学校体育連盟の説明を終わります。御清聴ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。続いて日本学校体育研究連合会様、お願いします。
【日本学校体育研究連合会】 公益財団法人日本学校体育研究連合会、通称「学体連」から参りました、理事長の細越と申します。どうぞよろしくお願いいたします。資料は2-9となります。
日本学校体育研究連合会は、昭和22年に日本体育指導者連盟として発足をしまして、25年に財団法人化をいたしました。昭和37年に財団法人日本学校体育研究連合会へと名称を改め、平成25年に現在の公益財団法人へと移行してまいりました。今スライドで出ておりますのが、本会の組織図となりますので御覧ください。
次に進みます。日本学校体育研究連合会の主たる事業を4点、御紹介申し上げます。
第1に、スライド資料の左上になりますが、全国学校体育研究大会を開催しております。今年度は北海道で開催をいたしました。この大会は、各都道府県の持ち回りで2日間にわたって開催しております。初日は全体会で、現地からの基調提案、スポーツ庁教科調査官の先生による解説、そしてシンポジウム等を行っております。2日目は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、そして特別支援学校の各校種から成る分科会での研究協議を進めてございます。毎回およそ1,500名程度の参加者が全国から参集して実施しております。
第2は、スライドの右上になりますが、文部科学大臣賞を含む5種類の学校表彰と個人表彰から成る表彰事業を続けております。
第3は、右下になりますが、各校種における講習会事業です。この事業では、学習指導要領の趣旨や内容を周知することを目的としまして、東京会場、それから数年前からモデル事業として地方での開催も始めているところでございます。また、子供たちの健康実態の改善を目的とする食育推進事業も進めているところでございます。
第4は広報事業です。会報や体育の資料集、あるいはメールマガジンの配信などを通して、本会の取り組みや課題等を周知・発信をしております。本会の運営は、各都道府県日本学校体育研究連合会様からの分担金と、本会の趣旨に賛同してくださった企業様からの賛助金で賄ってございます。
次は「体育科保健体育科の現状分析と課題」ということで、2枚スライドを作成いたしました。まずこのグラフは、スポーツ庁から出されております昨年度の「体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果であります。子供たちの様子を見ていますと、コロナ禍以前は子供の体力が右肩上がりに向上傾向が見られましたが、コロナ禍以降に下がってしまい、その体力レベルがコロナ禍以前の状況にまだ戻らないという現状がございます。
また、運動する子としない子の二極化、1週間に60分以上運動しないと答えているお子さんが、小学校では約25パーセント、中学校では30パーセントと、一定の割合がいるということも課題として捉えております。ただ、この調査の結果から、運動好きと答える子供の割合が増えていること、また、体育の授業が楽しいと思う理由については、技ができた達成経験があったとき、あるいは仲間との交流があったときという子供たちの声も報告されておりますので、こういった課題も含めて授業改善のポイントとして次に進めていくのが、我々の現状の課題かと捉えております。
次のスライドです。これは調査結果とはまた別になりますが、私どもが現状捉えているところになります。現行の学習指導要領では、体育と保健の一層の関連を持たせようという方向性が出されておりますが、これについては更なる連携を促進させることが必要だろうと捉えております。
また御承知のとおり、体育は体のこと、思考・判断面、そして態度形成、つまり仲間と豊かに関わり目標達成に向けて学習を進めるというように、心と体を一体として学びを進める教科的特性があります。この心と体を豊かにする教科としての位置付けを更に強化していかなければいけないのではないかということも考えております。
3点目は、子供の運動経験のアンバランスです。一定のスポーツ種目についてはかなりの経験を持っているけれども、幅広い運動経験となるとどうなのだろうかという声も全国から聞かれますので、ここも課題として捉えてございます。
また、先ほどお話がありましたけれども、施設老朽化あるいは気候変動の影響もあって、水泳授業の安定的な実施への不安というのも大きな課題となっておりますので、ここで挙げさせていただきました。
最後のスライドになります。「次期計画への期待と要望」ということで5点挙げさせていただきました。
1点目は、先ほどのお話にもつながりますが、体育を通した全人形成の再認識、つまり体育で身に付ける知・徳・体というものがあると思いますので、運動・スポーツの価値や教育的可能性の再定義をお願いしたいというところが1点目です。
また、共生の価値観を大切にした学校体育を更に促進してまいりたいと思っておりますので、このあたりの施策もいただけるとありがたいと思っております。
3点目につきましては、これも繰り返しになりますが、動きづくり、仲間づくり、豊かな関わりの中で子供たちが動けるようになる、あるいは様々なことを豊かに考えていける、そんな体育授業を促進していけるような施策もぜひお願いしたいと考えております。
4点目は、学校運動部活動の円滑な地域展開等に向けた支援体制が必要だろうということで挙げさせていただきました。
5点目につきましては、これまで申し上げてきたような体育の授業などを実際に進めていただくのは学校現場の先生方になりますので、先生方の指導力です。もっと言いますと、多様な個性・特性をお持ちの子供さんが一度に同じ学びの場に立つことがこれまで以上に多くなると思います。そういう意味では、先生方に、より多くの指導方法を身に付けていただいて、目の前の子供さんに適したものを選択して授業を進められるような、そんな柔軟な指導力を持った指導者養成を進めていけるような施策展開をお願いしたいということです。
以上5点の期待と要望を申し上げまして、本会からの発表を終わらせていただきます。ありがとうございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。続いて日本体育・スポーツ・健康学会様、お願いします。
【日本体育・スポーツ・健康学会】 日本体育・スポーツ・健康学会から参りました、担当理事の斎藤と申します。よろしくお願いいたします。資料に沿って御報告させていただきます。
まず「スポーツ振興に向けた取り組み状況・成果について」ですが、本会は資料1ページにあるとおり、日本国内において最大規模の体育・スポーツ・健康に関する学術団体であり、学会大会及びその他の研究会等を実施し、スポーツの振興とも関連する様々な研究成果を報告しております。
2ページ目を御覧ください。特に本会は、学術的立場から研究知見を体育・スポーツ政策及び実践現場に還元するため、政策検討・諮問委員会を設置して活動しております。近年では、運動部活動の地域移行に関する調査や、学校運動部活動改革に関する研究報告を公表しております。
次に「本会が抱える現状の課題について」ですが、第1に、本会の研究成果を日本のスポーツ政策や社会へ還元するために、関係団体と連携をとる必要性を課題として認識しております。このため、スポーツ政策に関する研究成果を文部科学省やスポーツ庁をはじめとする関係機関・団体等に提供したり、連携したりするための連携方策を強化していくことを要望したいと考えております。特に、文部科学省、スポーツ庁など関係機関との定期的な研究、実務交流、意見交換、協議の場を更に設定する必要があると考えております。
第2に、関連する政策の立案や協議のプロセスに、本会の関係者が代表者として参画する機会が少ないことを課題として認識しております。このため、スポーツの振興に関する政策協議・立案等における本会の代表者の参画機会の確保と連携体制の強化を要望したいと考えております。
3ページ目を御覧ください。例えば、2025年にスポーツ基本法が大幅に改正されましたが、必要な情報連絡などが十分になされていない課題があると考えております。このような基本法の改正などの行政からの通知が本会にもなされ、主要な学術団体に対しても情報の共有や周知徹底が図られることを要望いたします。
第3に、本会の研究成果をスポーツ行政分野におけるEBPMの推進に役立てる方策を検討することが課題であると考えております。本会においては、スポーツの振興に関する調査研究データの蓄積があり、スポーツ行政分野と連携してこれを活用する方策を検討する必要があると考えております。
第4に、本会では政策検討・諮問委員会を中心として、体育・スポーツ・健康に関する振興方策や調査研究について、立法、行政、スポーツ、学術などの関係者及び関係団体が情報交換するための定期的な場を設定することが課題であると考えております。
最後に「第四期計画において期待することについて」ですが、第1に、第四期計画では、基本法改正等に対応して政策体系やロジックモデルの整合性をとる必要があり、特に基本的な理念や方針を明確化し、政策体系やロジックを整理することを期待いたします。
第2に、第四期計画を検討するにあたっては、本会を含めた関係者との十分な協議の場を設定し、広く意見や科学的知見が取り入れられることを期待しております。特に、今後のスポーツ審議会のスポーツ基本計画を検討する委員に、本会を公式に代表する関係者が選任されたり、依頼や課題に応じて専門の研究者等を本会が派遣したりできることを期待しております。
4ページを御覧ください。第3に、基本法第7条及び第16条の規定に基づき、本会をはじめとする関係する学術団体等の調査研究に関する連携及び協働について、基本的な方針を基本計画で示していただくことを期待しております。
第4に、関係機関と連携して、スポーツに関わる文化の保存・継承の基盤を整備することを方策として示されることを期待しております。
第5に、関連する施策等における関係主体の一つとして、学術団体が果たす役割や連携について、具体的な方策が基本計画に示されることを期待しております。
第6に、基本法第24条の2に、情報通信技術を活用したスポーツの機会の充実の規定が導入されました。同規定はeスポーツに関係する規定であることが説明されておりますが、eスポーツとスポーツの定義やその相違、両者の関係、課題などについて十分な検討をする必要があると考えております。
第7に、基本法の改正により、学校スポーツ及び運動部活動に関わる新たな条文が規定されました。しかしながら、運動部活動については多くの課題があると考えております。学校における運動部活動の位置付けを明確にし、学校や地域の実情に応じた柔軟な施策の方針が示され、運動部活動の政策実施における問題・課題の改善策が計画で示されることを期待しております。
5ページを御覧ください。また、運動部活動をはじめとする学校の体育及びスポーツ政策については、本会をはじめとする学校及び教育研究に関する関係団体の意見を十分に取り入れて、また協議の場を設けて検討されることを期待しております。
第8に、本会をはじめとする関連学術団体やその他の関係団体など、スポーツの振興や政策に関わる主要な関係団体が、公の審議会等の政策決定過程に参加する必要があると考えております。特に第四期計画では、多様な関係団体の正式な代表者が政策の協議を行う場を設置することを検討することを期待しております。
第9に、スポーツ基本法は様々な理念、価値、概念等を規定していますが、これらに関する基本的な理念、価値及び概念を整理・検討するに当たっては、これまでの学術研究の成果を踏まえた検討をすることを期待しております。
第10に、基本法第2条8項では、障害者基本法、男女共同参画社会基本法、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律等を踏まえ、スポーツを行う者に対し不当な差別的取扱いをせず、またスポーツに関するあらゆる活動においてこれを適切に実践することが定められましたが、これに関して、第四期計画では、関係省庁と連携して横断的・総合的な施策の基本及び枠組みを示すことを期待しております。
最後に第11に、地域スポーツクラブまたは地域クラブが果たす役割が期待されておりますが、この課題を抜本的に解決するために、地域スポーツクラブ等に対する法的・制度的基盤の確立を行い、改善方策を明確に示していくこと、検討していくことを議題として設定していくことを期待しております。以上でございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。最後になります。全国大学体育連合様、お願いします。
【全国大学体育連合】 全国大学体育連合の重城と申します。通称「大体連」と申します。
まず、全国大学体育連合は、高等教育機関における大学体育に関する調査研究を行い、その成果の普及活用を図って大学体育、その連絡教育体制を確立し、大学をはじめとする高等教育機関の発展に寄与することを目的としております。
当連合で申します「大学体育」とは、教養として実施される体育の授業、いわゆる正課の授業を中心とした活動を指しております。教育として実施されている体育・スポーツ活動も含んでおりますが、その主なものは授業で行う体育を想定しております。大学体育の目的と目標といたしましては、健康・体力の増進と、生涯におけるスポーツ活動・身体活動の継続に繋がること、その理論と実践を身に付けること、スポーツの文化的価値、コミュニケーションツールとしての意義を理解・体験することなどとしております。これらの目的・目標の実現に際しては、スポーツは教材であり、学生がともにその実践を通して、生涯を通じてスポーツに取り組むことにつながってほしいということを狙いとしております。
「スポーツの振興に向けた取り組み・実績」といたしましては、我々が取り組んでいる事業として、研修事業と研究助成事業の大きく二つがございます。資料に示したとおり研修事業がございますが、これはスポーツ課題に関する授業教材の紹介や、新しい教材の紹介が中心となります。それ以外にも、実技以外のところで、安全管理や事故への対応、スポーツ行政、LGBTQなど社会の今日的な問題といったテーマでの講演も研修事業に含まれております。学術関係の研究助成事業といたしましては、学術誌の発刊や研究フォーラムといった発表事業も、学術大会のような形で実施しております。
次に4ページ目の資料になりますが、「大学スポーツの推進の啓発活動」といたしまして、少し前の事業にはなりますが、「大学スポーツ推進宣言」を行い、大学生のスポーツを通じた健全な成長や活動を支援する、健全な人材を育てるという活動を宣言いたしました。こちらの宣言に同意していただいた179校の学長の署名がございます。それ以外には調査事業といたしまして、こちらの資料に示したような事業がございます。
「地域連携・地域貢献・社会共創事業」といたしましては、「ワールドマスターズゲームズ2027関西」組織委員会との連携や、ゴルフ関係団体との連携がございます。ワールドマスターズゲームズとの連携としては、現在どのようなことができるかを検討中です。日本プロゴルフ協会、ゴルフ市場活性化委員会、ゴルフ用品協会といったゴルフ関連団体との連携として、ゴルフ用品協会から大学の授業でゴルフ用具をお使いくださいということでクラブの提供を受けたりすることがございます。全国大学体育連合が仲介をして、これらのゴルフ関係団体から、大学の体育授業等の環境を整えるということで、普及活動に貢献しているものと考えております。
続いて5ページ目になります。「スポーツ振興に関わる現状と課題」といたしまして、会員である現場の教員においては、正課体育の授業の充実にかなり重きが置かれる傾向があります。レクリエーショナルなスポーツ活動の拡大など、取り組むべき課題は多く感じております。特に大学教員は研究活動や教育活動の中、更に授業の充実等の研究・教育活動の成果を還元するため,それらの課題を含め、スポーツ庁などと具体的な連携をするべきだと考えております。
6ページ目です。「第四期スポーツ基本計画への期待」といたしまして、スポーツ施策があっても、現状として学生がスポーツの価値を十分に理解できていないのではないかという実感がございます。教育課程の拡充がまず重要ではないかと捉えています。生涯スポーツの実践に取り組む人材が増えないのは、教育段階に問題があるのではないかということで、生涯スポーツに取り組むための教育を大学、高等教育でやり直す、あるいは発展させる、いわゆる大学は最後の介入の場ではないかと捉えております。この点で、スポーツ政策として,大学がやるべき役割を示唆していただければ幸いと考えております。
また、競技スポーツにどうしても偏ってしまうと、ここにも示されているように、無関心な人たちと過剰にそこに入れ込む人たちという形で二極化を招いているのではないかというところで、勝利至上主義や競技スポーツに偏ってしまうと、そこに溝ができ、課題が出てくるのではないかと考えております。そういったひずみを是正できたら良いと考えております。
最後のページになります。大学という最後の教育機関は、先ほど申し上げたように、教育として関わり、スポーツを普及・考える最後のタイミングだと捉えております。大学ができること、大学に求めることということで、何か示唆をいただけたら、この大学体育で活動していく上での指針になるのではないかと考えております。レクリエーショナルスポーツや共生社会の取組に関しては、ぜひ支援事業やシステムを政策として取り組んでいただけたら良いと考えております。
最後に、少し話がずれるかもしれませんが、特に今年の夏、暑熱対策として、日中の体育授業等の活動がかなり制限され、安全に実施できるかどうかが心配されたこともあります。暑熱対策や、体育・スポーツを実施する習慣を変革していくことを考えなければいけない時期ではないかと考えております。暑熱対策,体育やスポーツ,運動の実施習慣を変革するにあたり,そのように取り組んだら良いのかという示唆をいただきたいと考えております。以上でございます。ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ただいま6団体の皆様から説明を受けましたので、委員の皆様から御質問をお願いしたいと思います。挙手の上、お願いいたします。
友添委員、お願いします。
【友添委員】 ありがとうございます。様々に貴重な御提案ありがとうございました。非常に勉強になりました。
全国高等学校体育連盟にお伺いをしたいと思います。1点、非常に大事な点だと思いますが、高校生年代の人口減少は非常に著しいと予測をされているわけです。手元のデータでいうと、2005年には550万人の高校生年齢がいたのが、現在は440万人に激減してきています。2050年には280万人で、ピーク時の半数になると予測されています。こういった中では、現状の部活動の在り方はもうかなり限界がきているのではないかと思います。特に、高校が統廃合を受けて減少してくること、それからこれは教員の配置に大きな影響をおよぼしてきますので、部活動の担い手がここからいなくなってくるのも、そう遠くない未来だと思っています。
また、そういう中では、現状のインターハイの在り方、大会参加の在り方も、もう限界が間近に来ているのではないかと思っています。また、現状の日常的な部活動の参加、あるいは大会の参加の形態の中では、インクルーシブな参加、あるいは部活動の機会が、障害のある高校生には制度的に保障されてこなかったという点が大きな問題だろうと思います。こういったところでいうと、全国高等学校体育連盟としてどのようなグランドデザインをお持ちなのか、中期計画について、少し現状で良いですのでお話をいただければと思います。
特に、部活動の地域移行の実証事業のアンケートを見ると、5割の中学生が「高校に行っても部活動に所属するよりも、むしろ地域で活動を継続したい」と言っているわけですが、こういった中では現状の全国高等学校体育連盟の在り方も大きく変革を迫られてくると思っていますが、その点について教えていただければと思います。以上です。
【渡邉部会長】 友添委員に補足しておきます。今、全国高等学校体育連盟様は退出されましたので、今の質問は後で回答をいただくようにいたします。これから御質問される方も、退出された全国高等学校体育連盟様への回答は後日ということで御了解ください。
久木留委員、お願いします。
【久木留委員】 ありがとうございます。
皆様方からいただいた御意見を考えてみると、まず現状のスポーツ・体育を取り巻く環境が、もう5年前、10年前と大きく変わってきている。こういったことを考えたときに、例えば特に暑熱の問題が日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟含めて大きく出てきている。これはUNIVASも同じだと思いますが、大学の体育という点では、そういったことを考えたときに、例えば、日本体育・スポーツ・健康学会も、連携して様々な取組をやっていこうという話し合いを、自分たちの中でしているのかどうか。要は、科学的にこういった暑熱対策をしなければいけないというときに、例えば学会はそれに対して、日本中学校体育連盟や全国高等学校体育連盟、UNIVASを含めて話し合いを持とうとしているのかどうか。逆も同じですよね。この三つの連合体を含めて、学会に向けてこういうことをやろうと働きかけているのかどうか。ここが重要な問題だと思います。それぞれが一つの団体だけで解決できないような状況の中で、どういったことを話し合おうとしているのか、その実態をまず教えていただければと思います。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。他の方はいかがでしょうか。大塚委員、お願いします。
【大塚委員】 ありがとうございます。
まず一つは、これは質問ではありませんが、第三期スポーツ基本計画で掲げた「する、みる、支える」、更にそこに「集う、楽しむ」まで示唆したこの基本計画に準じた皆様方の計画になっているかどうかは、今一度また考えていただきたいなと思います。
その中で、全国高等学校体育連盟様への質問が一つと、UNIVAS様への質問が一つあるのですが、全国高等学校体育連盟様には、そういった意味では、多様性をもっと受け入れたインターハイづくりが必要ではないかと。今の友添委員のお話にもあるように、これからのインターハイの位置付けにどこまで多様性を織り込んでいけるかというところと、教育的理念との連動が求められていくのではないか。例えば、eスポーツをどうするか、新しい競技種目をどのように受け入れていくかということに関する基本方針を伺いたいと思っております。
それから大学スポーツ協会におかれましては、日本の大学の数が700数十ある中で、現在221加盟校という状況です。ここをどのように大学のスポーツ統括団体として標榜していくための方針をお持ちか。これを競技スポーツだけにとどめるのか、それともスポーツ庁の掲げる基本法に準じて「みる、支える」といったところまで広げた、広い幅の大学スポーツ、いわゆる運動部以外の同好会、愛好会、そういったものまでも含めたUNIVASというもののお考えはあるのかどうか。
更に人材の育成というお話の中で言うと、今、競技団体は非常に多くの大学生をインターンで受け入れています。この実態に是非ともUNIVAS様も賛同していただいたり一緒に加わったりしていただき、人材育成の部分に、中央競技団体との連動というものを加えていただくことによって、更に大学生のスポーツの幅が広がってくるのではないかと考えております。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。UNIVAS様が退席されるので、今の大塚委員の質問への御回答をお願いできればと思います。
【大学スポーツ協会】 大塚委員、御示唆ありがとうございました。
最初のまず会員数の問題です。こちらについても我々が分母として考えているのが、4年制大学が約800あり、そのうち主たる競技の登録学生を見ると、ほぼ400大学前後かなと思っておりますので、そうはいっても6割弱という加盟率になっているところでございます。基本的に、大学が課外活動であっても積極的に関与すべきだというスポーツの価値を、大学のトップ層にもっと認識していただき、良き取り組みをしていこうということで、具体的には昨今ではコンプライアンスの研修や安全安心の制度といったところに対する反応はだいぶ上がってきていますので、我々としては趣旨を御理解いただけるものとして入会案内を続けていく所存でございます。
それから、スポーツの幅をどこまで持っていくかという問題かと思います。まずは今直近ではおっしゃるとおり、運動部という範疇で取り組んでいるところもございますが、昨今開催されました大学スポーツ構想会議の中の提言にもありましたとおり、まず核ができれば、今度はそれをどう周辺に広げていくのかという観点で、レクリエーショナルスポーツなど、そういったところまで視野を広げていくことを想定はしてございます。
そして、競技団体のインターンの話でございますが、私どもも学連様やJOC様とのお付き合いの中で、競技団体を支える学生の交流といった声が実際今出てきているところもございまして、ちょうど今回バレーボールやバスケットボールのインカレが行われる中で、相互に見学会をやろうという交流をまず第一歩としてスタートさせていただいたところもございます。非常に「支えるスポーツ」という意味では活躍されている学生さんが多いので、そこにもう少しスポットライトを来年以降当てていこうという方針もございますので、御指導ありがとうございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて質問を受け付けたいと思います。結城委員、お願いします。
【結城委員】 ありがとうございます。御発表とても興味深く拝聴いたしました。私からは、全国高等学校体育連盟様、日本中学校体育連盟様、それから日本体育・スポーツ・健康学会様の発表について質問させていただきます。
まず、全国高等学校体育連盟様のお考えになる、部活動というものは学校教育の一環であり、ある意味でスポーツを通じた人間形成の一番大きな素地だという部分には、痛く共感をいたします。ただ、その中で、これまで委員の皆様から御指摘がございましたように、社会が変わっていく、そして特に地方におけるスポーツの環境が変わっていく中で、どのような形で柔軟性を持たせ、この教育的価値というものを、おそらく全国高等学校体育連盟様がおっしゃるのは、学校という従来の母体と連携し、この地域展開等というものを進めていったら良いとお考えになっていらっしゃるのか。この辺りをもう少し踏み込んで伺えればと考えました。
同様に日本中学校体育連盟様ですが、第3期スポーツ基本計画の時のヒアリングで伺った際に、中学校の部活動というものは、生徒指導や生徒の教育といったものにも軸足を置いてきたのだということ、これをどのようにこれから地域展開等、その時は地域移行で考えていくのかが課題の一つとなり得るとおっしゃっていたと記憶をしています。本日も、「教員がかかわらなくなれば」という中で、日本中学校体育連盟として、様々なひずみが今の移行の中で出てきているという御指摘と承りました。その現状と、本来あるべき姿の両立をどこで図っていけばよいのか、バランスを取っていけばよいのか、具体的な事例や課題も含めてお考えになってらっしゃることがあれば教えていただければと思います。
日本体育・スポーツ・健康学会の御提言では、様々な御指摘をいただきました。私、多くの所属される教育者の方々、研究者の方々を存じ上げています。私の認識では、これまで異なる専門分野をお持ちの先生方が、個々に有識者会議であるとか、特定の問題があった時の対策等に御参画なさり、専門性や知見を社会に発信されることが主軸であったように感じております。学会としての代表という形で声を出していくことの重要性を、改めて教えていただければと感じます。よろしくお願いします。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。まず一旦ここで質問は締め切りたいと思います。UNIVAS様、まだ大丈夫ですか。久木留委員の先ほどの「主体的な連携をどう考えているか」という点について、もしUNIVASの立場でお答えできるところがあればお願いします。
【大学スポーツ協会】 私どもとしましては、何分歴史がまだ浅いというところもございまして、ここ3年ぐらい、今日いらっしゃる日本体育・スポーツ・健康学会、それから日本アスレティックトレーニング学会、その二つの学会様とはお付き合いを始めておりまして、具体的にはランチョンセミナーを定例的に開催させていただいています。また、日本アスレティックトレーニング学会の方は、副理事長に私どもの組織の中の委員会の委員になっていただき、安全・安心活動を進めるに当たり、学会の英知とノウハウ、それから分析データを相互に活用させていただく取組を今年から始めておるというところでございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。それでは、日本体育・スポーツ・健康学会、久木留委員、結城委員の質問にお答えいただければと思います。
【日本体育・スポーツ・健康学会】 久木留委員の質問に対しては、学会としては様々な形で関係団体をお呼びして、毎年のように様々な議論もしております。ですから、研究活動などを個別のレベルでは様々な連携をしてきているわけですが、今回はスポーツ基本計画に対して期待することということですので、様々な関係者の連携・協働や、学術やスポーツ科学等においても連携・協働していくことが大事だということがありましたので、学術団体がこの計画の中でも連携・協働する場として入ってくるべきではないかと考えております。
そして、結城委員の御意見ですが、この連携・協働するにあたって、学術団体の代表としては、専門的で科学的な知見があれば、選任の人間を推薦して意見を申し上げたりすることが一つあるということです。また、本会として認識している限りでは、関連する学術団体で様々な議論が行われてきているわけですが、なかなかこの政策の決定や計画との間での関係がほとんどないです。有識者の方は皆様それぞれ御存じなのですが、学会としての関係というものを、今後、政策主体の一つとして学術団体を考えていただき、何らかの連携関係を強化していくことがスポーツの発展にとっても必要ではないかと考えております。
【日本体育・スポーツ・健康学会】 会場に行けなくて申し訳ありません。日本体育・スポーツ・健康学会の木塚でございます。先ほど久木留委員から御質問のありました暑熱対策等のことについてですが、今までは各スポーツ団体といわゆる学会の分科会が個別に話し合って様々な対策を練り、各スポーツ団体で始めていたという状況でした。しかし、状況がこの2、3年で急変してきたことから、日本体力医学会と我々の学会との合同シンポジウムや、様々な対策をまとめていく作業を今年企画しまして、少し遅ればせながら、来シーズンからはシンポジウム等の大きな柱になっていく予定です。
そういう意味では、結城委員の御指摘ではないですが、もう少ししっかりとこちらから情報発信をしていくというのを、様々ところにお知らせしていく活動をもっと高めなければいけないなと、御指摘を受けて反省しているところでございます。早速、学会に持ち帰って活動を充実させるようにお願いしたいと思います。
1点、委員の先生方から御質問がないのですが、中学生が継続的にスポーツに親しむ機会の確保が非常に大事です。地域スポーツクラブ等の設置を先に行い、そして働き方改革から部活動の地域移行へという順番は合っていると思いますが、現状は地域移行が追い越してしまっていて、結局、中学生になると自分の好きな、あるいは行いたいスポーツ活動が継続できない、学べないという状況が加速しています。私も市の中学校の委員をしておりますので、この状況は、高校から大学、そして生涯におけるスポーツ活動の継続という観点から、このままにしておくと少子化を背景に急速に衰退することは火を見るより明らかだと感じています。何とかこの地域移行を進めることに全く反対ではないのですが、移行する前に、いわゆる「廃止してから受け皿をつくる」のではなく(これが実態となってしまっていることが多いので)、「受け皿をつくってから廃止する」ということ(当初の意図)を担保できるような追加的な対策を考えていただきたい、というのが私から加えたいお願いでございます。発言、ありがとうございました。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。それでは日本中学校体育連盟様、いくつか質問がありましたが、お答えお願いします。
【日本中学校体育連盟】 ありがとうございました。部活動と生徒指導の関係については、昔は放課後活動の重要性ということで、放課後、子供たちのエネルギーをどう消耗させるかというところから、自発的に学校教育の中で部活動をやっていこうということで、スポーツにかかわらず文化的なこともやってきたという経緯がございました。それがたまたま、昭和の時代に中学校の荒廃に大きく貢献したことは言うまでもありません。
しかし、現状はもうそうではなく、今後は地域展開等をしていくわけですので、新しいガイドラインにおいては、学校と地域クラブ活動がしっかり連携するということが入ってございます。日本中学校体育連盟としては、民間の地域クラブ、例えばスイミングクラブの方たちとは、なかなか生徒指導や生活指導の話はしませんでしたが、今度の「認定地域クラブ活動」は自治体が認定するというお話ですので、そういったところにおいては、学校は地域クラブ活動と連携を深めてやっていけるのではないかと考えてございます。
従いまして、生徒指導の問題を抱えたときには、地域クラブの指導者と学校が連携をして、自分の在籍している学校の生徒ですから、前に進めるように連携していくことが必要になってくると考えてございます。以上です。
【渡邉部会長】 ありがとうございました。もし質問に対してお答えを聞けなかった、あるいは質問したかったけれどもできなかった委員の皆様に関しましては、この後、事務局にまたお寄せいただければ、事務局でつないでいただけるということでございます。
大変長くなりましたが、本日のヒアリング、Cグループ、Dグループについては以上をもって終了とさせていただきたいと思います。この後は事務局から御連絡等をお願いできればと思います。
【事務局】 ありがとうございました。次回は12月10日(水曜日)15時からを予定しております。詳細については改めて御連絡をさせていただきます。
それから、今、部会長から御指示がありましたとおり、このヒアリングの中で御回答できなかった部分や、追加の御質問、また書面回答をいただいている団体への追加の御質問がございましたら、事務局までお寄せいただければお繋ぎをさせていただきます。また、いただいた御質問に対する回答に関しましては、議事録にも反映をさせていただきたいと思っております。以上でございます。
【渡邉部会長】 皆様、長時間にわたりまして、御説明ありがとうございました。また委員の皆様も端的な御質問ありがとうございました。以上をもちまして、本基本計画部会を閉会といたします。ありがとうございました。
【事務局】 ありがとうございました。
── 了 ──
スポーツ庁政策課