スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第3期)(第3回) 議事録

1.日時

令和7年3月6日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省15F特別会議室及びWeb会議

3.議題

  1. 第3期スポーツ基本計画期間前半の進捗状況と課題について
  2. その他

4.出席者

委員

安藤委員、岩田委員、大塚委員、尾縣委員、大日方委員、勝田委員、川田委員、久木留委員、桑井委員、境田委員、鈴木委員、友添委員、能瀬委員、原田委員、平野委員、藤原委員、本橋委員、結城委員、渡邉委員

文部科学省

室伏長官、寺門次長、橋場審議官、大杉スポーツ総括官、赤間企画調整室長、薄葉健康スポーツ課課長補佐、大川地域スポーツ課長、日比競技スポーツ課長、塚田スポーツ地域振興調査官、中村参事官(民間スポーツ担当)付参事官補佐、小川参事官(国際担当)

5.議事録

スポーツ審議会 スポーツ基本計画部会(第3回)
令和7年3月6日(木曜日)

【渡邉部会長】 ただいまから、スポーツ審議会スポーツ基本計画部会第3回を開催させていただきます。本日はお忙しい中、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。まず、本日の運営に関する説明を事務局にお願いしたいと思います。

【赤間企画調整室長】 事務局でございます。本日の運営に関する説明と、資料の確認をさせていただきます。本日は、事前に希望をいただきました委員の方にはウェブ会議でご参加いただいております。また、報道関係者については、一般の方と同様にライブ配信での傍聴とさせていただいております。資料につきましては、議事次第に掲載されております一覧の通りでございます。資料の1としまして、こちら前回ご議論いただいたものと同じでございますけれども、第3期スポーツ基本計画の中間評価に係る資料をご用意しております。また、参考資料の1といたしまして、こちらにつきましては前回会議の中でも、スポーツ庁の実施している政策がなかなか、ここにいらっしゃる先生方にも届いてないのではないかというようなご指摘をいただきまして、庁内総力を挙げてまとめさせていただいた資料でございます。政策を皆さま方に知っていただき、こういった政策をまた先生方からいろいろな方々に読んでいただければと思いますけれども、本日のご議論の中で合わせてご知見をいただければと思っております。私の説明は以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。私もスポーツ庁ができてずっと審議会の関係をやっていますが、こんなに盛りだくさんの事業をやっていたのと同時に、成果を上げていたというのを改めて認識しました。ありがとうございます。
それでは、早速議題1「第3期スポーツ基本計画前半の進捗状況と課題について」に入ります。事務局において全体の施策を3つに分けていらっしゃいます。前回の会議では2つのテーマについて議論を行いました。今回は最後の1つ、「東京大会のレガシーを継承した持続可能な競技力向上体制の構築、スポーツ団体の組織基盤の強化、スポーツインテグリティの強化」について、意見交換を行いたいと思います。まずは事務局より説明をお願いいたします。

【赤間企画調整室長】 事務局でございます。お手元の資料1の28ページ以降が3つ目の柱、競技力向上関係、団体の組織基盤の強化、インテグリティの強化といった柱になってございます。29ページ以降はロジックモデルが2枚ほど繋がっておりまして、32ページ以降から具体の評価の資料になってございます。
32ページには、「国際競技力向上のための支援等、あるいは今後の国民スポーツ大会」という形で書かせていただいております。指標についてはこちらに記載の通りでございます。強化戦略プランの検証評価における評価の度合い、あるいはオリンピック・パラリンピック競技におけるメダル・ポテンシャル・アスリートの数、メダル数等々は、ここに記載させていただいている通りでございます。
33ページ以降は具体的な政策の取り組み状況、それから進捗分析課題ということでございます。国際競技力向上の関係におきましては4つほど柱がございます。こういった観点から政策を進めているというところございます。まず1つ目のところでございますけれども、中央競技団体が行っている様々な強化の関係の取組に関しては、基盤的な経費として競技力向上事業を通じて支援を行わせていただいているということ。それから重点分野、重点支援競技に関しての助成金の加算等々させていただいていること。それからJ-STARプロジェクト等々を通じまして、いわゆる将来性を有する競技者の発掘にも取り組んでいるところでございます。
それから3つ目の柱にありますスポーツ医・科学の部分でございますけれども、これはハイパフォーマンススポーツセンターを中心にサポートのための取組を実施させていただいているところでありまして、北京・パリ大会それぞれにおいて重点支援競技に対しての包括的な支援、あるいは大会期間中は現地のほうでサポート拠点などを設置しながら、こういった支援をさせていただいてきたというところでございます。
それから地域における競技力向上を支える体制の構築というところで、こちらも各地域の医・科学センター、あるいは大学等々の関係団体によるコンソーシアムの形成、それからハイパフォーマンスセンターとの連携などを通じまして、居住地域に関わらず、こういったサポートが受けられる環境の整備を進めてきているというところでございます。
次のページをおめくりいただきまして、今後の施策実施の方向性というところでございますけれども、まさに強化事業のところに関しましては物価高騰の関係もございまして、合宿等々そういったところでの影響というのも出ているというところでありまして、基盤的な経費である競技力向上事業、こういった選手強化に係る予算というものを確実に措置していくというところ。あるいは重点的な支援も引き続きやっていくというところでございます。また強化戦略プランの検証評価の中で支援が特に必要な競技団体に対して、きめ細やかに支援をしていくための具体的な方策というものも今後検討していくというところでございます。また課題となります、メダル・ポテンシャル・アスリートによるメダルの獲得成功率の向上などに向けても検討を進めていくというところでございます。またパラアスリートの方々が、まさに身近な環境で裾野を広げていくというところに向けまして、来年度の事業の中で中央競技団体が行う発掘の取組の支援、育成の場の創出などにも取り組んでいきたいと考えているところでございます。また医科学支援のところに関しましては、まさにトータルコンディショニングの確立と実践に向けまして、関係機関と連携しながら検討を進めていくところ。それから選手村の内外での連携方策につきましても、ロス大会に向けて検討を進めていくというところでございます。また地域における競技力向上を支える体制の構築につきましても、競技別の強化拠点あるいは地域のスポーツ医科学センター、大学等々連携しながら具体的な方策について引き続き検討していくというところでございます。
最後の今後の国民スポーツ大会のあり方につきましては、まさに現在有識者会議のほうでご議論いただいているというところでございますので、その取りまとめを踏まえまして、引き続きJSPOさんとも連携をしながら進めていくというところでございます。
続きまして35ページでございます。国際交流、それから大規模国際競技大会の開催支援のところでございます。指標については2つ、スポーツ・フォー・トゥモローのコンソーシアム会員の事業数、それからIFの日本人役員数等々でございます。36ページ以降で具体的な取り組みについてご紹介させていただいております。冒頭のスポーツ国際展開基盤形成事業のところでございますけど、IF等の日本人役員の増加に向けて、戦略的な取組あるいは人材育成プログラムといったものを動かしているというところでございます。あるいは国際競技大会の運営のノウハウといった部分に関しても人材の育成確保というものが重要でありまして、教育プログラムを構築する取組も進めているというところでございます。また東京オリパラに向けて取り組んでまいりました、スポーツ・フォー・トゥモローの事業を発展させまして、ポスト・スポーツ・フォー・トゥモローということで事業推進をしているところでございます。こちらに関しては3つの柱から多角的な取り組みというものを実施しているというところであります。
またスポーツ産業の国際展開を促進するプラットフォーム(JSPIN)も稼働させておりまして、国内でのカンファレンス、あるいは国際スポーツ展示会への出展の支援も行っております。それから大規模国際競技大会の開催支援というところでございます。まさに今後、これから日本で開催される様々な大規模な国際競技大会があるわけですけれども、そういったものに向けた取組も進めているというような状況でございます。
37ページでございますけれども、IFの役員のポスト獲得部分につきましては、令和7年度以降も戦略的・計画的に取り組むNFに対しての積極的な支援を引き続きやっていくというところでございます。また国際競技大会運営のノウハウが非常に重要になってくるわけですけれども、それに関しましては動画教材あるいは手引き、事例集の作成を引き続き進めていくというところでございます。ポスト・スポーツ・フォー・トゥモロー推進事業につきましては、コンソーシアム事業の中で人的資本あるいは関係資本強化に引き続き取り組んでいくというところ。それからJSPIN事業の中でも情報発信の部分と海外への出展支援の部分について、バランスよくやっていくというところでございます。また最後の大規模国際競技大会の開催支援のところに関しましては、先ほど申し上げました通り、今後日本で開催される様々な大規模国際大会への円滑な開催に対する支援を実施していくというような形で記載をさせていただいております。
38ページ以降が、今度はスポーツ団体のガバナンス改革と経営力の強化という観点でございます。競技団体の総収入の中央値の増加、あるいはガバナンスコードの適合性審査の部分、あるいはコンプライアンス教育といったところの観点からの指標を提示させていただいてございます。
39ページ以降に取組ということで記載させていただいております。ガバナンスコードの見直し等々を踏まえまして、競技団体向けの研修や、オンラインの研修動画の資料を作成をしながら取り組みを進めているというところでございます。あるいはスポーツ団体のガバナンスコードの遵守に向けた取組などを進める競技団体が自発的に取組を進められるように、競技団体の横連携を推進していくワークショップ等々も実施してございます。また女性役員を始めとする多様な人材の比率を向上させていく必要があるということで、人材のマッチング支援や、女性役員の登用モデルプログラムの作成等々にも取り組んでいるというところでございます。また経営力の強化という観点におきましては、競技の普及による団体への会員登録者数の増加に資する取組、あるいはデジタル技術を活用した新たな普及マーケティングの取組等々を進めているというところでございます。
40ページでございます。今後の方向性というところでございますけれども、ガバナンス改革に関連する部分でいきますと、一般スポーツ団体含む様々なスポーツ団体が自主的・自立的なガバナンス改革を実施できるような研修を引き続きしっかりと実施していく必要があるということ。それからスポーツ団体同士の知見の共有、情報交換といった部分の横連携を引き続き進めていくためのワークショップの開催も促進していきたいと考えてございます。また経営力強化の部分に関しましても、組織基盤強化に向けた競技団体の取組などを支援していき、競技団体間のノウハウを共有する機会の創出もしていきたいと考えてございます。
41ページ以降はスポーツインテグリティの強化という観点でございまして、ドーピング関係が2つ、それからスポーツ仲裁に関しての指標が1つ設定させていただいてございます。
42ページ以降でございます。1つ目の大きな柱がドーピングの防止活動というところでございまして、国際的な対応ができるドーピング検査員の育成を継続しつつ、様々な複雑化する事案にも対応できるような専門人材の育成にしっかりと取り組んでいくというところでございます。それからドーピングの防止教育・体制構築に関する事業というのも進めていますし、また検査技術の研究開発事業にも取り組んでいるというところでございます。あるいは、指導者の暴力の根絶という観点におきましては、JSPOさんで行っていただいております公認スポーツ指導者養成事業への支援をさせていただいているところでございます。また誹謗中傷対策につきましては、SNS上の誹謗中傷あるいは性的ハラスメントが非常に問題になっているわけですけれども、関係省庁・関係団体と連携しながら相談窓口の周知、あるいはスポーツ団体における取組状況の調査、啓発活動、専門家と連携しました伴走支援ということで、まさに今年度の補正予算にも計上させていただいているというところでございます。また紛争解決につきましても、競技者・競技団体向けに研修会や説明会などの開催を通じまして、スポーツ仲裁制度活用の促進を図っているところでございます。
43ページの方向性の部分でございますけれども、ドーピング検査や分析に関する国際的なルールの改定に関しまして、WADAへの提言に資するような研究成果の創出を目指して取り組んでいくというところでございます。またアンチ・ドーピングに関する国際的な議論に貢献いたしまして、ルールメイキングに関与していくことにより、日本のプレゼンス強化に資するような国際的な動向に関する情報の分析・収集・共有というものにも取り組んでいくというところでございます。また指導力の暴力根絶の観点につきましては、公認スポーツ指導者の養成事業の支援。それから誹謗中傷対策につきましては、今年度補正予算という形で啓発活動をやっているわけですが、7年度以降アスリート支援のあり方に関しても検討をしていくというところでございます。また紛争解決のところにつきましても、制度の理解増進に向けて、引き続き競技団体・競技者に対しての研修会や説明会の開催を通じまして、周知啓発に取り組んでいきたいと考えてございます。私のほうからの説明は以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。本日の出席の皆さまに関しましては、主体的に当該テーマに携わっている方もいらっしゃいますし、あまり馴染みのない方もいらっしゃると思います。それぞれの立場でご発言いただければと思います。まずは久木留委員、補足も踏まえながら質問でも構いませんし、どうぞよろしくお願いいたします。

【久木留委員】 まずはスポーツ庁に御礼申し上げます。今日は長官のほうから、この政策集をまとめていただいて、改めてこれだけのことをやっていただいているのは、国際競技力向上を推進していく上では本当に心強いと思っております。その中でいくつか観点があると思うんですけど、特に国際競技力向上の支援のところで、ぜひ皆さま方にご理解をしていただいたほうが良いと思っているのは、海外と日本では大きく取り組みが違うということです。特にメダルの数を含めて、金メダルランキングは特にオリンピックは2大会連続3位。パラリンピックは前回の東京自国開催で13個だったのが14個に上積みできている。この中身をよく見ていくと、個人競技がほとんどです。それは言い方を変えると国で作っていただいたハイパフォーマンススポーツセンター、NTCイーストウエスト・JISSを含めて、あそこを拠点にしている競技団体が約80~90%メダルを取っていることをしっかり理解する必要があると思います。その中でこのメダル獲得の向上率を上げていく、いろいろな施策があると思うのですが、高くを見ていると、2大会目に出る競技者がメダルを取る確率はすごく高いんですよね。次のロスに向けて、これを進めていくのであれば、そういった視点も持ちつつ支援をしていく必要があるのではないかということが1点目です。
2点目はスポーツ医・科学の事を書いていただいていますので、このスポーツ医・科学やハイパフォーマンスセンターを発展していく1つの方法は、西ヶ丘をパフォーマンスハブとして、大学や委員長の財団も含めて、いろいろな組織があそこを使うようにしていくべきだと私は考えています。JISSといっても国立スポーツ科学センターの研究員だけに特化して見ていくと約70名しかいないです。例えば東京大学、早稲田、筑波など様々な大学がありますが、そこの教員がそこをうまく使って一緒にサポートするということも今後考えていくべきだと思います。もっと言うと他の独法も含めて企業も含めてそういった考え方をしていく必要があるのではないかと思っています。最後にこういった様々な施策を作っていただいていますので、施策がバラバラで進んでいかないように、いろいろな施策をうまく使いながら包括的に進める時代になっているのではないかと思いますので、この辺りを委員の皆さま方の知見を与えていただきながら、うまく円滑に進めていくと更に良いものになるのではないかと思っている次第です。私のほうからは以上です。

【渡邉部会長】 そのハブとしての機能ということと政策を有機的に包括的に連携させていくことについて、すごくよくわかりました。続いていかがでしょうか。流れで言うと大塚委員ですか。

【大塚委員】 ありがとうございます。また資料の取りまとめ大変感謝しております。競技力向上の部分で申し上げると、ほとんど久木留委員がおっしゃった内容なんですけれども、私は4番の地域における競技力向上を支える体制の構築の部分において、もう1つ踏み込めないかと前から考えていた部分で、地域におけるいろいろな競技力向上の施策も出来上がってきていますし、これからさらにそこが進んでいくというふうに想定しているのですが、競技別強化拠点の活用の仕方と競技別強化拠点と地域の大学医療関係の連携を更に強化することによって、他国であるようなナショナルトレーニングセンターの競技別の日本における多角経営化が進んでくるんではないかなと思います。具体的には、高地トレーニングの支援は1箇所でしかできないエリアがあります。こういうところがさらに広がっていくためには、ある施設に対してナショナルトレーニングセンター強化拠点を与えるというのが、今までのやり方だったのですが、それを創るところから強化拠点として、競技別に考えていただくような政策が出来れば、この競技とこの競技とこの競技はこのエリアでこういう施設を作って自治体とともにトレセンとして競技別でやっていくというような戦略的なものが出来上がってくる。今お話があった西ヶ丘を使いにくいアウトドア競技のメンバーの人たちは、特にそういうものを求めておりますので、できればそういう考え方、また射撃とか、そういう特異な競技の拠点の共同の使い方や、作り上げるところから政策が始まっていくと大変素晴らしいのではないかと思います。またガバナンスやインテグリティの話はまた後ほどさせていただきたいと思います。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。続きまして、JOCでも専務理事をされておりますが、陸連会長の尾縣委員お願いできますか。

【尾縣委員】 いつもお世話になっております。今日は学会中ですので、オンラインでの参加となります。JOCとの関連する項目が多くありますので、少し時間をいただいてよろしいでしょうか。4項目の発言がございます。
まず、32ページの「国際競技力向上のための支援、今後の国民スポーツ大会(施策3)」についてですが、JOCとしましては、オリンピックを始めとした国際競技大会において、記載されている過去最高水準の競技成績は当然目指していきますが、それだけがゴールではないと考えています。アスリート個々の人間力を含めた成長を後押ししながら、アスリートの社会的な地位を守り、高め、アスリートとともにスポーツの力を社会の力として活かしていくことを目指しております。そして第4期のスポーツ基本計画を見据えた議論になるかもしれませんが、今後はスポーツ基本計画においても、「国際競技力向上のための支援」がメダル獲得のみを目指しているわけではないということが伝わるような工夫が必要ではないかと考えております。また、これは前回の話となりますけれども、DX関係について、JOCもトップアスリートや指導者などを対象にしたデジタルプラットフォームの構築を目指しています。JOCだけではできることは限られており、JSCを始め、関係各所とのさらなる連携、また国からの支援をお願いしたいと思っております。そして、「オリパラ大会時の選手村内外の連携方策」についてですが、国、JSCによるサポートは大会本番時での本当に大きな力なっておりまして、記載いただいた今後の方向性には異論ございません。これまでJOCでは、大会ごとに対策プロジェクトを設置して対応していましたが、今後はTEAM JAPANハイパフォーマンスプロジェクトを立ち上げて、夏冬のオリンピック、また愛知・名古屋アジア大会等を含めて、より包括的かつ計画的に対策に取り組んでいきたいと思います。
2つ目は、35ページの「スポーツを通じた国際交流や大規模国際競技大会の開催支援(施策4)」についてです。記載されている内容はJOC国際戦略が目指す方向性とも合致しております。その上で2点申し上げたいと思います。本施策は、IF等における日本人役員数を指標としています。目に見える数値目標としては問題ないのですが、実際は各NFの国際戦略に基づく活動によって、IFや他国のNFへの貢献度が大きくなり、結果としてIFの役員増に繋がるという構造です。JOCとしては、今後ポスト増だけではなく、これまで以上にNFによる戦略的な国際活動の重要性を謳っていくべきと考えております。そして人材育成については、IF等役員になるための育成プログラムだけではなく、IF等役員を後押ししてNFの戦略的な国際活動を行っていくためのNFの国際担当役職員の人材育成についても検討していく必要があると考えています。
3つ目は、38ページの「スポーツ団体のガバナンス改革・経営力の強化(施策9)についてです。JOCの取り組みや目指す方向性も、当然これに沿ったものとなります。現在JOCでは、各NFの助成金等の支出適正化に係る支援に加え、JSC助成による法務サポートとしてNFの規程整備やガバナンス体制構築の支援、研修会、適合性審査のフォローアップ、個別カウンセリングなどを実施しています。今後の方向性として「競技団体間のノウハウの共有や情報交換の重要性」が記載されていますが、それはJOCとしても強く意識しているところです。スポーツ庁及び関係団体と連携をして、ガバナンス構築と経営力の強化に取り組みたいと思っています。
最後は、「スポーツインテグリティの強化(施策10、11、12)」についてです。「ドーピング防止活動」、「指導者の暴力」、「誹謗中傷対策」、「紛争解決」のいずれも大変重要なテーマと認識しています。JOCとしましては、オリンピックを始めとする大会前、大会期間中の「NO!スポハラ活動」に取り組み、また様々なリスクからアスリートを守るセーフガーディング・オフィサーについて、大会への帯同や人材育成を進めています。また国の支援を受け、誹謗中傷対策の教材作成やアスリート向けSNS講習も行っています。また誹謗中傷対策については、試合の不正操作と合わせて取り扱うことも考えられます。試合の不正操作は国際的に様々な競技で発生しているという報告もあります。IOCはマコリン条約の締結によりアスリート保護の観点から国連と連携し、私たちNOCに教育や規程づくり等を求めています。誹謗中傷対策には今年度補正予算含めてスポーツ庁に迅速かつ強力な支援をいただきまして本当に感謝しています。私たちとしても着実に取り組んでまいりたいと思います。

【渡邉部会長】 尾縣委員ありがとうございます。他の方はいかがでしょうか。どなたでも結構です。勝田委員お願いします。

【勝田委員】 メダルの獲得数はいろいろな読み取りができます。獲得数というだけではなくて「獲得種目数」とか、あるいは、どのくらいの競技団体・競技種目が、メダルや入賞に関わっているのか、といったことなどです。また、3大会連続でメダルを取れるような基盤的な種目について注視することも。オリパラ一体になって、みんなで頑張り、成果をあげようと努めることが重要と思います。
もう1つ。アスリートを支える、あるいはハイパフォーマンスの舞台を支えていく審判・マネジメント・コンディショニング・メディカルなど多様な人たちの、質の高い活躍も競技力向上の極めて重要なところだと認識します。そういった意味でいくつかの文章の中で「アスリート等」記載するなどご検討いただきたい部分がありました。
それから「質の高い指導」の記載についても、指導も含めた環境などを考えられるところは、「指導者等」といった記載の検討もあろうかと思いました。
また、インテグリティのところですが、英国が2023年に出した国のスポーツ政策(Get Active*)には、「スポーツ・インテグリティの強化」の章があり、ここには「Winning Well」という項目があります。この章や項での内容も含め、「スポーツ・インテグリティ」に関わる質の高いより良い強化の環境づくりは、さらに大切になっていくと思います。
*イギリスの文化・メディア・スポーツ省が2023年8月に公表した新たなスポーツ戦略

【渡邉部会長】 ありがとうございます。大事なお話だと思います。友添委員お願いします。

【友添委員】 ありがとうございます。政策評価をした方がいいのか、あるいは4期に向けて何かアイデア出しした方がいいのか、ここがよくわからないまま来ているところなのですが、政策評価については行政事業レビューで書かれているので、それはそこに委ねる形になるのではないかと思っています。ちょっと別の視点から感じていたところで、久木留委員や大塚委員にお尋ねしたいことになりますが、出生数が72万人になってきているというのは劇的な変化だと思うんです。予想よりも15年早いということですよね。今までの選手の選抜のシステムがいつまで通用するのかということも含めて検討しなくていいのか。あるいは中期プランで考えたとき、今までの様な選手の選抜方式は早晩通用しなくなり、人口減少と相まって潰れるNFも出てくるだろうと思っているんです。特に中学校の部活が地域移行するということは非常に大きな変化だと思っているし、それから例えば、今までの様なピラミッド型の選手の養成システムを踏襲していくのか、あるいは現在、早期発掘・育成の逆ピラミッドに変わりつつありますよね。身近なところにその競技がたまたまあってマッチングがうまくいってやってきたという成功事例が結構あって、それがいつまで可能なのかということも考えていく必要があると思います。この辺りを第4期に向けては検討しなくていいのかということは確認しておいたほうがいいのかではないかということです。
もう1つは、勝田先生がおっしゃっていたように、Get Activeは非常に大事な文献だと思うので、読むべきだろうと思いますが、それ以上にインテグリティ教育のあり方が、今までの基本計画のような書きぶりで本当にいいのだろうかという問題意識があります。もっと具体的に言うと、学校の「総合的な学習」の時間に積極的に盛り込んでいくとか、あるいは中・高校の「体育理論」の授業の中にスポーツの価値教育を盛り込まなければいけないのではないのかということも、今の政策評価をするところから導かれてくるのではないのかと思っています。以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。おそらく、人口減に伴う今の選抜の方式などは、第4期には少なくとも何らか関わってくると思いますが、今の会議は現計画の中間評価なので、サゼッションとしてはすごく適切なお話だったと思います。今の質問に対して何らかのお答え持っているかと言うと、そうではないと思いますが、もしあれば発言していただければと思います。スポーツ庁さんのほうで何かありますか。

【赤間企画調整室長】 基本的には、部会長からお話いただいた通り、今の第3期の中間評価という形で評価をしていただくことに対してのサゼッションをいただくところが中心になります。ただ、その過程の中で先のことを見据えたご発言もおありになると思いますので、そういった部分は事務局として拾わせていただいて、次期の検討の中に活かしていきたいと考えてございます。
【渡邉部会長】 ありがとうございます。その他にいかがでしょうか。このテーマに関しては4時10分を目処にして、次に移りたいと思います。まだお時間がありますので、大日方委員はいかがでしょうか。

【大日方委員】 ありがとうございます。皆さまがこれまでにご発言いただいたことに対する賛意も含めて、お話しさせていただきます。まず、国際競技力の向上についての書き方が、外にどのように見えるのかといったときに、メダルの数で言っていることの限界というか、我々がやってきている、まさに尾縣委員が先ほどご発言になった人間力も含めたメダル。それがなければメダルは取れないもののはずですが、その辺りが伝わりにくい、今の指標としてはなって、結果として見えたものになっているのではないかと思っています。ここを次のときにどのように書いていくのかというところは非常に課題だなとは思っています。答えを持ち合わせているわけではないのですが、昨今のアスリートたちを見ても、メンタルが結構壊れている方や不調な方が多いように思っています。それは裏返すと、メダルを取ることに対するプレッシャーの部分もあるかもしれないし、でも、それがかかっているという意味では決してなくて、それに対して何のためにスポーツをしていくのだろうというようなことは、価値教育の部分から考え直さないといけないことなのかもしれません。この辺りをどういうふうに評価していくのかが1つポイントだと思いました。
2点目は、NTCやJISSをどう広げていくか、開いていくのか、それから競技別の拠点を創るところからというようなお話もありまして、まさに私もそこに賛同するところです。これはアスリートの人間力の向上にも関わるところですが、競技別の拠点でやっていくと、教育をどうするのだろうかとか、日常生活とスポーツをどうやって両立していくのだろうかというところがすごく課題になっていると思います。なかなか今の競技別の拠点のあり方だと、競技をするための施設というところにはあるんですが、例えば学校や教育といったものをそこの中で地域と一緒に創っていくとか、パラの視点ですと、バリアフリーの施設はとても大切なもので、社会資源としても大切なものですが、そういったものをこの中で、合わせて地域と一緒に創るところからやっていったほうがいいのではないかと思います。そのようなことをここから読み取れるのではないかと思いました。
また競技運営のところで、大規模国際競技大会という話で、しっかりそこも支援していくということですが、必ずしも大規模ではなくても国際大会は日本でたくさん行われているけれども、それらを誰が支えているのか、どういうシステムでそれをやっているのかということについて、この場でもう少し議論をしていく必要があるのではないかと思います。多くのボランティアや地域の人たちに支えてもらってやっているのだけれども、それは持続可能なものなのかどうかという調査を、今後はしていく必要があるのではないかと感じました。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。久木留委員、お願いします。

【久木留委員】 大日方委員と友添委員、尾縣委員の話を聞いて改めて思ったのは、メダルに対する、国際競技力向上を推進している人たちの外側の人のアレルギーというのを、ものすごくひしひしと感じています。長官も推進していただいているハイパフォーマンスからライフパフォーマンスというのは、整理していただいた資料をもう1回見ていただくと、私は国際競技力向上のための支援を中心にやっておりますから、ここから展開できるものは様々あると思います。人間力を上げることはすごく大事だと思いますが、どうやって上げるのか、ツールはどうするのか、方法論はどうするのかと言われたときに、1つの答えとして人間力を上げることはJISSにもできないかもしれませんが、例えば競技力向上にスポーツ医・科学を使うことはあります。これをパッケージ化して小学校に展開したり、高齢者に展開することはできます。ただ、私たちはハイパフォーマンス領域が専門ですから、ライフパフォーマンスを専門にしている方々と連携をしなければできません。だから国際競技力向上のための支援と国民のスポーツ機会の創出、スポーツによる健康増進というのが結びついていくことになると思います。そう考えていくと、キャッチをどうするかということが大きくて、例えば「ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへ」というときに、医科学の支援を展開することはできるのですが、教育力を上げるために何が出来るかというところでハイパフォーマンスの知見をどう使うかということも、今後考えていく必要があると思います。ですから、私が冒頭申し上げましたように、政策を1つで考えるのではなくて、包括的に捉える1つの基盤になる軸がそろそろ必要なのではないかと考えている次第です。以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。境田委員、お願いします。

【境田委員】 久木留委員のご意見に賛成です。実は前回のときに防災分野で、防災の官民DX共創競技会というのを創って、500の自治体と500の企業が集まって、防災のDXを進める時に1自治体だけとか、1大学だけとか、1企業だけでやっても限界があって、そこを一緒にになってDXを進めましょうという協議会で、これが元になって防災庁ができます。同じように、スポーツ分野もいろいろなスポーツのデータを取ったり、集めて解析するところが大学だったり、JISSだったり、いろいろなところにあって、それをバラバラでやって連携できないのはもったいない話です。いろいろな情報を共有して解析して、そこに民間が入って、それからデータサイエンティストがスポーツ界に少ないので、そういう人にもどんどん参画してもらって、新しい産業を創っていく必要があります。これはヘルスケア領域、ライフ部門にも、ヘルスケアとかライフとかメディカルにも応用できます。そういったものを検討したほうが良いのではないかと思っています。
あとは改めてJISS、NTC、ハイパフォーマンスセンターが日本の競技力向上にどれだけ貢献してきたかというのを感じておりますし、そこのサポートが本当に重要だと思っています。他方で最近バスケットでも、代表監督とNBA選手とのトラブルがありましたけれども、財政的に裕福なスポーツにおいては、選手を取り巻く環境(コンディショニングやフィジカル、フィットネス、メンタルケア)の専門家が選手に付きますが、そういう手厚いサポートを経験している選手は日本代表に戻ると、やっていられない心境になるわけです。そういう世界トップクラスの環境においてやっている選手もあることを前提に、逆に言うと、そこのメソッドは日本に導入できるところもあると思うので、そういったところに今後取り組むことも必要だと思います。
インテグリティに関しては、日本のメダリストの方がドーピング違反になった案件もありましたが、その案件も含めていろいろと経験している中で感じることは、ドーピングの世界は日進月歩で最先端の医学的な発見がドーピング違反に繋がったり、ドーピング違反ではないことの証明になったりする分野でもあります。実際にそういった最先端の知識を訴追する側、つまりは選手を訴える側もしくは判定する裁判官役の人にそういう知識があるかというと、そうでないことも多く、そういう最先端な知識を活かすための仕組みも十分でない可能性もあります。ですから、まさにここに提言されていたように、そういう研究の知の蓄積、もしくは最先端の知見を海外のドーピング取り締まり機関などに提言したり、もしくはルールメイキングに関与していくことが大切です。仮に取り締まり機関が十分でないならば、日本のアスリートを守るための最低限の仕組みをもう少し整えるべきだということもあって、そういったところを今後検討していく必要があるのではないかと思っております。以上となります。

【渡邉部会長】 勝田委員、お願いします。

【勝田委員】 スポーツインテグリティという言葉の国際的な用語活用の背景には、試合の不正操作があります。ドーピングや八百長の持ちかけなど国を越えて、インターネットやオンラインの活用も含めてでいろいろな脅威となる事象が起こってきている背景が考えられます。
欧州評議会「スポーツ・インテグリティに関するガイドライン」には、「スポーツ・インテグリティは、人類及び社会の持続可能な発展に対するスポーツの貢献を保護し、最大化するための前提条件である。」と謳われています。
新たな時代において、スポーツをより良いものとして、多くの人たちに価値のあるもの、意義のあるものとして、それを最大化していくことも、しっかりと念頭において取り組むことが重要だと思っています。
人、組織、あるいはゲーム、ライフ、多様なスポーツの場におけるパフォーマンスのインテグリティを皆さんで一緒になって考えていくことは、スポーツの価値、スポーツの持続可能な社会の発展など、スポーツの可能性に繋がっていくと思います。それが、倫理教育などに展開されていくことも重要と思います。


【渡邉部会長】 友添委員、お願いします。

【友添委員】 第3期の政策評価ではない話になってしまいますが、インテグリティという言葉に落ち着くまでに、ディグニティという言葉が多用された時期があって、なぜインテグリティに落ち着いたのかということがキーワードだと思います。そこから言うと、モニタリングということを非常に重視していかなくてはいけなかったはずです。最近は監視が捜査に密接に結びついてきているけれども、第4期ではそこまでやるのか、やらないのかを検討しなければならない段階に来ています。捜査というのは、捜査権を持っているところと連携共同するのかどうかですよね。その辺りまで検討していかなければいけません。
そういう意味では教育というレベルで言うと、行動変容まで起こすための教育のあり方を考えていかなければいけない。つまり一方的に価値を教えたところで行動変容に繋がらないことははっきりしているわけです。つまり価値を自分で明確化していくような教育方法を取っていかないとなかなか厳しいです。最近はドーピングのみならず、他のインテグリティ教育があります。これは勝田先生のご専門ですが、どちらかと言うとジレンマ教育という方法を用いた教育プランが行われ出しています。そういう意味で言うと、第3期の政策評価から次の第4期を構成する時には、このインテグリティというのは、ここ5年で大きく変わってきているので、そういう積み上げをしていかなくてはいけないだろうと思っています。
もう1つ、尾縣先生が言われたことに関連して言うと、セーフガーディング・オフィサーというポジションの人材を養成していくことが急務な時期に来ています。普通に教育をして、明日からオフィサーになってねというレベルでやれる話ではありません。時間をかけて育成していかなければいけません。これはJOCやJSPO、あるいはパラがやっていかなくてはいけない重要なことで、時間もあまりないわけです。そういう意味で言うと、インテグリティを巡ってはかなり逼迫している状況にあるという認識を持ったほうがいいと思います。勝田先生、良かったら補足をお願いします。

【渡邉部会長】 勝田委員は大丈夫ですか。それでは結城委員お願いします。

【結城委員】 結城です。前回はオンラインで海外からの参加となり失礼いたしました。皆さまの議論の熱し方に借りていたWi-Fiルーターが過熱して切れるという事態を経験いたしました。この議論も非常に面白く拝聴しております。特にインテグリティに関しては、私の専門である国際スポーツ界の動きが急でございます。ご指摘になっていらっしゃるようにIOCの動き、それからイギリスの動き、そしてついこの間はJPCさんが招聘されたオーストラリアのスポーツインテグリティオフィサーの話など、どういった流れを重視し推進をしていこうとしているのか。その動きがもう沸々と伝わってまいります。インテグリティという括りの中に、今やセーフガーディングだけではない、様々な概念が入ってきています。これはアンチ・ドーピングが入っていて、アンチ・マニピュレーションが入っていて、それから行動規範の規定や教育が入っていて、それを全て括る様な流れで対策がありポリシーがあり、そして選手たちへの教育、もしくは周りの方々・社会への教育を入れ込もうとしています。当然ながら、AIも含めたDXの進展ともタイアップをしていて、問題の根幹としてインターネットであるとか、DXの進展も寄与してしまっている事情はあるのですが、同時にAIを使って、昨日IOCの会長選に立候補している候補が記者会見で、AIを使ってマニピュレーションの監視ができ、こういった体制構築にも、我々は様々な形でデジタル化を生かす時代になるんだという話をされていました。大きな世の中の変化に対して、インテグリティ、多分不可分にいろいろなものが重なっていくこと。それから先ほど来、連携という話がありましたけれども、教育を含めて効率的に連携させていくことが重要になっていくこと。この辺りを睨んだ動きがどんどん進んでいるということをご報告申し上げます。
これから先への視点についてですが、現在いただいておりますこの第3期の指標や目標に関しても、尾縣委員が先ほど、誹謗中傷の中にマニピュレーションを含めていく可能性があるということをおっしゃっていましたが、何らかの形で第3期の構図の中に入れて括っていく、そして次の段階で第4期に向けては、それをしっかり位置づけられるような体系をスポーツ庁行政としてもお作りになっていらっしゃったら宜しいのではないかと感じています。以上です。

【渡邉部会長】 大塚委員お願いします。

【大塚委員】 さっきは国際競技力向上の件だったのですが、36ページの国際大会開催支援のところで、スポーツ庁によるこの開催支援が積極的にいただいているところですが、現状の愛知・名古屋が終わりますと、国際総合競技大会の開催予定は今のところ無い中、先ほどもお話しありましたようにNF競技団体別の世界選手権等々の開催がこれから大変多くなってくる予想です。そういった意味では、国際大会開催のプロセスに対するご支援やプロセスに対するガイドラインが改めて必要なってきているようなことを非常に感じていますし、別の会議でもここのところは非常に重要視されていますので、次の第4期に向けて、もしくは第3期の途中でプロセスをどのように正しいもので提示して行けるかということは、大きなポイントになるのではないかと思います。
それから38ページからのガバナンスのところなんですけれども、これもガバナンスコードができて説明が終わって4年たちました。10年たった理事で戻れる理事も出てきているという新たな局面を、今迎えつつあるところです。今年の改選は大きなところが見どころになると思いますが、そこで言えることは、そろそろ競技による特性を生かしたガバナンスコードの自立性や独自性をここで謳っている以上は、それぞれの特性に合わせた自主的なガバナンスの考え方を、改めて公開・提示できるような指導が欲しいと思います。一律だった4年間から、競技団体別によってそれぞれの特徴がありますので、その特徴に向けた新たなガバナンスコードの見せ方ができたらいいのではないかなと思います。なぜならば、今ガバナンスコードに合わせるための組織構成に変えて来ているNFが多いんです。今はいいかもしれませんが、将来はどうなるかわかりません。それからガバナンスコードを変えるために若い理事の人たちを入れたんですが、10年でアッパーが来てしまうという、これから先起こってくることが想定できますので競技別団体の特性を生かしたガバナンスコードへの転換というのを、次に向けて考えていただければいいなと思います。
横連携のところは大変素晴らしい対応で、どんどんNFの横連携が始まっていますので、更にこれを会長クラス、専務理事クラス、事務局クラスのみならず、いろいろなレベル・カテゴリーでの横連携が繋がっていくと大変素晴らしいものになってくるんではないかと思います。
女性理事の登用に関して、一定の数字をNFが成功例として出しているというようなところまで来ていますが、残念ながら自分たちの組織の中での女性理事の育成や女性役員の育成が出来上がらないで、横から持って来ている女性理事で40%維持は果たしているんですが、本来の意味の自分たちの競技出身の女性理事を作り上げていくということも、ぜひトライして欲しいと思います。
インテグリティに関しては、今、私IFのほうで、IOCから今セーフガーディングのところで、IFから各NFにセーフガーディングの担当者を設けなさいというガイドラインが示されるようになってきましたので、このセーフガーディングの仕事の中には、トランスジェンダーのところまで全部入っています。先ほどおっしゃられたように、非常に広範囲になってきていますので、このセーフガーディング担当者の育成なども、次のところで必要になってくるのではないかと思います。
先ほど友添委員からあった出生数72万人に対して、日本より人口が少ない国で大変活発なスポーツライフを形成している国の事例など、今度の海外調査で、ぜひ調べて来ていただきたいなと思う中で、私どもが掴んでいる情報としては、一人の若い選手に一種目だけやらせるのではなく、マルチ的なスポーツの経験をさせています。日本の中ではなかなかやりにくいのですが、海外では一人で何種目もできて、良い種目をチョイスしていけて、一人でもデュアルにオリンピックにも出られる時代が来るのではないかと思いますので、マルチタレント、マルチアスリートを作っていくことも対策の1つになるのではないかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。平野委員、お願いします。

【平野委員】 よろしくお願いします。私自身もずっと疑問視していたことを、大塚委員にお話ししていただいたので、まずその女性理事の話からです。私自身は2022年の6月から卓球協会の理事に入れさせていただきました。おそらく、女性理事の要素というところが非常に大きかったと思うのですが、卓球協会に関しては、能瀬委員を始め、優秀な方が入ってきてくださっているので、非常にありがたいのですが、いろいろな話を聞く中では、女性理事の割合というところだけで、本当に理事の中に必要な人材なのかとか、女性という括りだけでいいのかというところは、非常に私は問題視していまして、今後新たな人材を委員会に入れていくというところに関しても、そういった議論も出てくるのではないかと感じています。
私自身がアスリートだったということもありまして、国際競争力の向上というところで、皆さんトップアスリートのことも含めて、スポーツ界のことを考えてご発言いただいて非常にありがたいなというふうに思う一方で、私自身が卓球界という1つの競技を見たときには、やはり結果が求められます。育成、教育、人間力というところも非常に重要だと感じていて、恥ずかしいことに卓球のトップアスリートが不祥事を起こすことも最近ありまして、皆さまには申し訳なく感じることもありますが、トップアスリートとして活躍している時間もそうですし、セカンドキャリアも含めて、そういったところからスポーツの価値を下げてしまっていることは、スポーツ産業にも影響がありますし、今後の育成にも影響があることを問題視しています。そういった中でアスリート教育というところに関しては、私自身が現役時代に全くセカンドキャリアのことは考えずに競技に集中していた中で、もう少しセカンドキャリアについて、いろいろな形でアナウンスしていくべきなのではないかと思います。トップアスリートの強みが何かというと、海外でプレーしていたために、海外の方との交流があったり、他の方よりも語学が身につく場があるとか、メダリストになったときのセカンドキャリアの武器というのがあるのですけれども、そういったアスリートとして自分たちの経験していたことというのは、スポーツは社会の縮図だと、ルールの中で競争をしていくというところは、社会に出てもこういうふうな形で活かせるんだというところまでを、もう少し。本来は卓球であれば卓球の協会がそういった形を作れればいいのですが、それぞれの競技の中で考えなければいけないことというところが方向性としては違いがあると思うので、例えばJOCさんやスポーツ庁さんなど、もう少し横の連携を繋ぐというところに関しては必須課題だという認識で進めていただけると、競技団体の内部でもちょっと意識が変わっていくのかなと思います。これは教育というところはもちろんですが、結果を求める強化の面においても、やはり卓球においては中国を倒すという、近年では崩せなかったところに挑戦していくことを考えたときに、他競技での成功事例みたいなものを取り入れるというのは、教育の部分だけではなく強化の面でも非常に参考になることというのはおそらく多いと思うんですけど、そういったとこに目が行くかというと、結局は競技団体の強化本部であったり、トップがそういった形に視野が広ければいいんですけれども、必ずしもそうではないと思うので、横の連携を重視した体制が整えば、ライバルは他競技ではなく海外の選手たちなんだというような形で協力体制が取れれば、もっといい形が生まれるのではないかと感じています。以上になります。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。次の展開に移りたいと思うのですが、赤間さんから何かコメントがあれば、コメントをいただいた上で次に行きたいと思いますが、どうでしょうか。

【赤間企画調整室長】 担当から直接キャリアサポートの話させていただきたいと思います。

【中村参事官(民間スポーツ担当)付参事官補佐】 民間スポーツ担当の中村と申します。キャリアサポート事業としましては、今年度も2月下旬にアスリートキャリアのカンファレンスを開催しました。アスリートのキャリアに対して、そのアスリートに対するサポートがあるということについて、なかなかアスリートに伝わってないという現状がありましたので、今年度につきましては、アスリートの生の声を聞いて、そこからアスリートに対するサポートの課題を洗い出して、今後の事業に活かすという観点で実施しました。来年度以降も様々な課題はあるかと思いますが、引き続きキャリアサポートについて支援は続けたいと考えております。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。それでは今日のテーマについては、一旦ここで議論を締めます。前回の第2回の時に議論した共生社会の実現、あるいは多様な主体によるスポーツ参画の実現、さらにはスポーツDX、スポーツを通じた地方創生・日本経済の活性化も含めて、オープンで第2回と第3回の説明・議論、ここに関わる意見提示を受けたいと思います。オンラインの皆さんも積極的に挙手の上ご発言をよろしくお願いします。いかがでしょうか。能瀬委員お願いします。

【能瀬委員】 ありがとうございます。今後課題だと感じているのは、国際競技力向上のためには、海外の選手の情報を各競技団体がどのように収集していくかということです。
先日、JPCの会議だったと思うのですが、パリ大会で自己ベストを選手は出していたんだけれども、各国の選手たちの急速な競技力向上というところの予測ができなかった、情報が収集できなかったということで、メダルを取れなかった選手たちが数名いることが挙げられていました。各国の情報ではなく、各競技団体の各国の選手の情報というのを誰がどういうふうに集めていくのかというところが1つ課題だと思います。
あとは、パラのほうにも少し関わっていますが、パラの指導者が少し不足しているということで、海外はオリパラ分けてライセンスの研修会をしておらず、統一したカリキュラムでやっている国が多いので、今後はスポーツドクターも指導者もそうですけれども、少し寄せていくような方向性を考えなければいけないのではないかと思います。
またパラのほうで特徴的なのは、アスリートはいるんだけども、例えば視覚障害の選手のやガイドの方、タッパーの方が不足していることによって競技ができないという方もいらっしゃるので、パラ特有のスタッフの育成も必要だと思います。パリ大会だと、障害別の問題としては、知的障害の方は選手だけではなく、家族のメンタル的なサポートというのも必要だという課題も出ていますので、障害別のところも少し考慮する必要があるのではないかなと思いました。 
あとはJISSを有効にとか、地域の医・科学サポートというのは、もちろん重要ではあると思うのですが、メディカルの立場からすると、各選手の教育だったり、医・科学サポートを誰が中心となってやっていくかと言ったら、競技団体の医事委員や医科学委員がメインとしてやっているという認識でいます。ただし、その競技団体の医科学委員は、本当に活発に活動しているところもあれば、名前だけ入っていて何もないというところもあって、すごく差があります。選手の競技特性を把握しているというのは医事委員の方たちなので、競技団体の医事委員の活動にも少し介入していくことで、選手教育や医科学的なサポートが進んでくると思いました。また、どういう方が関わっているのかということを把握することも必要なのではないかと感じました。
HPSCは国際競技力向上や研究は得意だと思うんですけど、一般の方への啓発は少し苦手だと思います。そういうところはNPO団体だったり、企業のほうが得意なので、そういうところは住み分けして、全てHPSCが担うというのではなくで、少し知見を提供して、一般の方に広めてもらうのは民間に少しお任せするなどの住み分けをしないと、なかなか広まっていかないのではないかということは感じています。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。今のお話しというのは、前回久木留さんもおっしゃったように、障害者の方がスポーツをするためには、いろいろなサポートが必要になってくるから、スポーツ実施率ばかりを意識していても本当に指標になるのかどうかといったようなお話がありましたので、そういうところにも繋がりますね。

【久木留委員】 友添委員が先ほどお話をされた、このままではNFでなくなってしまうところがあるのではないかというところに、今の能瀬委員の答えがあって、例えば大塚委員がいらっしゃいますが、オリパラ一体で競技団体を運営しているところもあれば、全く運営できないところもあるわけですよね。そうすると、それを一緒にやっていくということをやっていかないといけないと私は思っているんです。合わせて、国立スポーツ科学センターが全てできるなんて私も思ってないので、先ほどパフォーマンスハブにして、国立という機関なのだから、もっとあそこにある機器も含めて人も一緒にやっていくことで、地域にいろいろなことの活性化ができる。一方でNFに医科学委員はいますけども、皆さんはボランティアなんです。JISSのメンバーはフルタイムなんです。だからフルタイムができることと、パートタイムができることを一緒にして、パフォーマンスハブでいろいろなことを発信していく。あそこで全部はできないので、ネットワークを組むというのは当然なんです。ですから、境田委員がおっしゃっているように、ネットワーク、データベース、デジタライゼーションしていかないといけないのですが、予算がないので一編にすることができないのはわかっているので、まずできることは何かというと、NFを1つにしていったり、医科学委員を1つにしていくなど、やれるところからやっていくことだと思っているんです。ですから、ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへという長官がおっしゃっていることは、私はものすごくよくわかります。だから役割分担をしていかないと、パラリンピック委員会の医科学委員会でやっていることと、JISSがやっていることはダブっているところもある。JOCの医科学委員会でやっていることと、JISSがやっていること、ダブっているとこあるわけです。これは統合したほうがいいです。統合して作ったものを全部で使ってもらえればいいんです。これをやらないと、みんなボランティアで続けられないですよ。能瀬委員はいろいろな形でやっていただいていますが、できないこともあるので、だから今強い連携をするためには、役割分担をしなければいけないし、その役割分担の整理をどうやってやるかということを、今考えないといけなくて、そのことを考えるのが実は基本計画部会だと私は思っているんです。ぜひ、ここを整理していくことが大事だと思っています。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。大日方委員お願いします。

【大日方委員】 ありがとうございます。私から今のものに関わることを先に申し上げると、若干の問題提起で、ざわつかせるかもしれないんですが、競技団体を今のように全て網羅的にできるのかという議論もしたほうがいいのではないかと思いました。10年以上前ですが、オランダの視察をさせていただいたときに、戦略的にやる種目を絞っているというところが、パラリンピックでもこの競技はあるけど、この競技はないというのがすごく不思議だったので、聞いたところ、我々の人口と国土においてできるものは限られているから、だからこそ、そこに手厚くするんだよということをお話しいただいて、私は結構衝撃をその当時は受けたんですが、友添委員の先ほどの問題提起にもありましたけれども、本当にこの人口減少の中で、全ての競技を網羅的にできるんだろうかという、支える側、それからする側においても少し考えなければいけないものだなと思いました。
その中で久木留委員が先ほどおっしゃったような、1つでもできるだけ効率よくやっていくという方法としてはあるので、出すのであれば、そういった方向性ということも、競技の団体全てという網羅的なものになるのかどうかという議論も含めて、今後していったほうがいいなと感じました。
それに関連して、あまり議論がされていない競技団体の経営力の基盤の話もさせてください。ガバナンスコードもあって、パラの団体も随分頑張ってきてはいるんですが、実状を感じるところが乖離するように思っています。例えば外部理事しかいない競技団体が結構あって、どんどん還流していかなければいけないので、全て皆さん競技団体以外の人が理事にならざるを得ないというような状況は、ガバナンスコードを議論した時には正直想定していなかったものにはなってきていて、そこで何が起こるのかというと、そもそも中央競技団体は何をするところかという定義が、実は理事の中でも外部理事が増えるほど、明確にわからなくなってきてしまいます。例えば、強化をするところで普及をするところではないって言い切ってしまう理事もいます。それは他のところがやるから、中央競技団体は違う、明らかに違うんだけれどもどこに書いてあるのだろうと言うと、文言でどこに書いてあるかということがしっかりと示せないので、次期の基本計画においては、中央競技団体の使命とか定義というものをしっかりと言葉として置くことによって、共通認識を持ち、そこから何が必要だという経営力の強化という議論をしていったほうがいいのではないかと思います。その中には、先ほど出た人間力の向上なども含めていかないといけないし、競技団体の医事委員の役割なども競技団体によっては、それは強化現場のトレーナーがやればいいと思っている理事さんたちがたくさんいらっしゃるので、あるのかないのかといったところをしっかりと示していくことが必要だなと感じました。
最後にインテグリティの話を聞いていて感じたことは、我々はこのスポーツインテグリティの強化という形で42ページ、43ページで示しているようなところというのは、改めて前提となるスポーツインテグリティにどのような問題が起きているのか、どう網羅しているのかというところを、次期において整理することが必要なのだと思いました。43ページの次期の実施方針というところで、4つの視点が上がっているのですが、ここで足したほうがいいと思ったのは、指導者の暴力という言葉があるのですけれども、現実にはスポーツの実施現場の中で起きるハラスメントを防ぐという言い方のほうが正しいと思っています。つまり、指導者からの暴力に限らず、コーチに対して選手がある種のハラスメントを起こしたりということは、既に起きていることですが、この言葉だけからだと、一方的に指導者が選手に対して何かを起こすという位置付けのように見えます。つまり、どのポジションでもハラスメントは駄目だということを平たく伝えていく方向性が必要なのではないかと思いました。そういった視点も加えられるといいのではないかと思いました。以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。勝田委員、お願いします。

【勝田委員】 セーフティガードの話が出てきました。私は安全安心な環境をどういうふうに皆さんで創っていくか、スポーツを通して社会に役立てていくのかという視点が重要だと思います。昨今の社会課題に対して、安心安全の視点からスポーツがどのような役割を果たせるのか取り組んでいくことが大切だと思っています。安心安全はハードやソフト、組織もあります。

【渡邉部会長】 友添委員お願いします。

【友添委員】 先ほど平野委員がおっしゃったように、トップアスリートのセカンドキャリアはどうなのかというアナウンスがないと頑張れないわけですよね。こういうところをビジネスにする人たちがもっと出てきてほしいと思っています。例えば、スポーツの人材派遣をトップアスリートに限定した会社など、若い人たちの中にはこういうことをやりたい人たちはいるはずで、既存産業分野と新しいビジネスの起業を促進させることが必要だと思います。すでにスポーツ庁では、新たな財やサービスを創出するスポーツオープンイノベーションプラットフォーム(SOIP)という素晴らしい取り組みをされています。ただ、それが長期的にイニシャルコストを負担しながら育てるところまで行かないと、なかなか難しく、そういうアイデアをうまく引き出して、起業しているところまでをバックアップしてあげないと、なかなか難しい。既存の業者・業態と連携したもの、あるいはスポーツだけに独自で出発するものをうまく育てていくことが必要で、そのためには、もう少し私たちが情熱を持って、こういうことをあちこちでしっかりアピールしなければいけないということを個人的に感じているところです。
もう1点は、スポーツ団体ガバナンスコードは令和元年版と先ごろ新しい改訂版が令和5年に出されましたが、令和元年版の作成時はスポーツ界の倫理的逸脱が社会問題となり、また、それ以前には部活での顧問による体罰やスポーツ団体の倫理的問題が起こり、当時の文科大臣が緊急メッセージを発出しました。こういった社会問題となったスポーツ界の倫理的逸脱を背景にガバナンスコードは定められたと思っています。また、その時には日本が2017年に署名した「ブライトン・プラス・ヘルシンキ2014宣言」よりもより高い割合ということで、スポーツ団体の女性の理事割合を40%以上と決めたわけです。どうも最近では女性理事の数を増やすことが目的で、形骸化しているという話を聞くことがあります。もちろんルールですから、時代状況によって可変的であっていいわけです。時代と状況に応じて変えるべきところは変えていくことも大事だと思います。しかし、この数値を設定した趣旨をもう一度確認しておくことは必要かなと思います。
もう1つは大塚委員から言われたように、競技特性を基本的に考えていく方向は非常に大事だということも感じます。競技によっては10年の年齢で切ってしまうと、競技そのものが成り立たない競技もNFの中にはあります。日本の競技団体あるいはスポーツ団体は極めて複雑で、どういう構造になっているのかよく見えていないケースもあります。例えば日本で最初のNFの登録者数は10名程度のイメージしかないのですが、一方で220万人の登録を持っている団体まであり、これを一律の同じコードでもってやっていくことは難しい局面もあるかと思います。今日のお話しを聞いていて感じたところです。第4期の中で、この辺りについて提言的に扱っていくことがあってもいいと思います。ただし、そのためにはデータとエビデンスをしっかり揃えなければいけないと思うし、当初のコード設定の趣旨を再考することが必要で、簡単にコードを変えてしまうと腐敗しだすNFもたくさん出てくる可能性があるので、この辺りはよく検討していく必要があるだろうなと思って伺っていました。ありがとうございました。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。久木留委員、お願いします。

【久木留委員】 友添委員の話と同感です。その上で実務の面から言うと、ガバナンス改革は間違いなく大事だと思います。今JSCの中にスポーツインテグリティユニットというのがございます。ここで中央競技団体のガバナンス・コンプライアンスの診断というものをやっています。この結果を円卓会議に報告しています。ただ、この制度にも問題があって、任意で競技団体に対してガバナンス・コンプライアンス診断をやっていただけないかということを話して「受ける」といったところが出来るんです。つまり、受けないといったところはできないんです。政策評価で5つの団体以上とあるので、うちのメンバーで必死に集めてくるのですが「受けない」と言われたら増えていきません。つまり、この任意を変えていくというのも1つのこの基本計画の中にどう盛り込むかというのはちょっと考えていただく必要があるのではないかなと思います。対象者はコンプライアンス診断でいうと、競技者、指導者、事務局員です。これをうちのメンバーがやるわけではなくて、弁護士の方や臨床心理士の方など、様々な専門家に診断していただいて、その結果をJOC、JPSA、JSPO含めて、スポーツ庁に提案するということをやっているので、今ある既存の仕組みをさらに改正して、より良いものにして、それと同時に新しいことを入れていくということやっていかないといけないと思っています。これが任意でなくなった場合、うちのメンバー10名では出来ないので、このあたりも考えていただきながら施策を進めていければと思っている次第です。以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。オンラインの先生方でいかがでしょうか。岩田委員から一言お願いします。

【岩田委員】 資料1の12ページ、(2)の運動部活動改革については、来年度が改革推進期間の最終年となりますが、スポーツ庁が32億円の予算を計上し、友添先生を中心に部活動改革に関する実行会議にて議論いただき、我々もそれを受け取り組んでいます。総合型地域スポーツクラブとスポーツ少年団が主な受け皿となりますので、今2つの組織内組織を融合することで地域での受け皿となれるよう検討しております。指導者の質の担保と量の確保という観点では、当協会指導者育成委員会の勝田委員長とも相談しながら、引き続き対応しております。
中体連は全中大会で実施している9競技について、2027年度以降は実施しないことを決定されましたが、引き続き実施する競技に対してはしっかりと取り組んでいくとのことでした。その中ででき得る限り中学生が漏れなく大会に参加できるような制度とするべく、合同チーム、拠点校チームのあり方という議論を喧喧諤諤としておられます。
13ページご覧ください。総合型地域スポーツクラブはきちんと育成されているのかという議論があります。JSPOの中期計画において2027年度までに登録クラブ数を2700クラブとすることを目標にしています。現在は1080クラブということで、さらに登録クラブを増やしていきたいと思っております。また、来年度から認証制度をスタートする予定としており、まずは学校運動部活動に関する認証を進めていく予定としています。また、公認スポーツ指導者については既に登録者は29万人を超えておりますので、数値目標はほぼ達成しています。一方、遠藤会長からは、50万人ぐらいは指導者を養成しなければとの指示もあり、今後どのように取り組んでいくべきかを協議しております。
15ページの(2)JSPOの公認スポーツ指導者養成事業への支援について記載いただいておりますが、現在、運動部活動改革の中で、まさに、現在、約5万人ほど取得(登録)いただいているスポーツコーチングリーダーという資格を、企業、スポンサー様等とともにさらに増やしていければと考えております。また皆さんも先ほど議論されていた、指導者を育てる役割の指導者、いわゆるコーチディベロッパーの養成も引き続き取り組んでまいります。
続いて24ページをご覧ください。スポーツコンプレックスとホスピタリティという観点では、来週に「今後の国民スポーツ大会の在り方を考える有識者会議」の最終会議が開催されます。検討の中では、今後の国スポを魅力ある大会としていくために、このスポーツコンプレックスの観点や、ホスピタリティの観点についてもしっかりと検討していく必要があるという提言がなされる予定です。この2つの観点に関しては今後の国スポにおいてしっかりと対応していければと思っております。
続いて34ページをご覧ください。一番下に今後の国民スポーツ大会と記載いただいておりますが、前述の有識者会議において、今後の方向性に関する提言をいただき、その提言を踏まえてJSPOとしてもしっかりと対応していければと思っております。その1つ上のマル4に書いてあります、地域における競技力向上を支える体制という点で、大学等の連携と記載してあります。まさに施設、教員、地域のコミュニケーション体制といった大学が持つ素晴らしい資源を活かしながら、そこに我々の公認スポーツ指導者を絡めることで、大学を拠点としたスポーツにおける地域コミュニティの形成に寄与することができればと思っています。
国際競技力向上に関して、JSPOとしては日韓中の3カ国による冬季の高校生レベルの大会を新たに始めましたが、引き続き中華全国体育総会、大韓体育会といった団体とアジアレベルの競技会や交流をしっかり取り組んでいくところです。
40ページになります。これは皆さんも先ほどから議論されているガバナンスに関する観点ですが、昨日、JSPOの理事会において室伏理事に加盟団体における役員男女比率調査の結果について報告いただきました。これは、各NFをはじめとするJSPO加盟団体に対して調査を行い、結果としてNFでは約3分の1の団体で女性理事の割合が40%以上となりました。ガバナンスコードにも定められていますので、すべての団体(NF)が目標を達するのだろうと思っていましたが、まだ達しておりません。ガバナンスコードにおけるNFへの適合性審査の一巡目(4年間)が終わり、1巡目で激変緩和措置を適用した団体もありますが、そのような団体についても、次の段階では女性理事の比率40%は達成するという自己説明をいただいていますので、適合性審査の2巡目が終了する令和9年度末までには、すべての団体が女性理事の比率40%以上という数字を達成するだろうと考えております。皆さんの議論の中では数だけ達成してもといったご意見もございますが、やはり数も大事だと考えておりますので、女性理事の比率40%確保については、引き続き指導・徹底していきたいと思っています。とはいえ、大塚委員がおっしゃったように、競技団体の特性も踏まえながら対応していければと思っております。
最後に43ページをご覧ください。インテグリティの確保ですが、42ページの右側の(2)に指導者の暴力と記載いただいております。JSPO暴力行為等相談窓口への相談件数は年々増加傾向にあり、令和6年度の2月末で既に昨年度の相談件数を上回っている状況にあり、過去最高の件数となる予定です。これは暴力等の案件が増えているのか、相談窓口の認知が広がってきているのかは分析していかなければなりませんが、事実として暴力や暴言に関する相談件数が増えていることについては、引き続き注視していきたいと思っています。また(4)紛争解決に関しましては、都道府県スポーツ協会などはまだスポーツ仲裁の自動応諾をしていない状況があります。そういった課題を解決していかないと、NFにおいても自動応諾をしない(止める)状況が広がっていく可能性があると考えておりますので、この辺も注視したいと思っています。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。オンラインの本橋委員、お願いします。

【本橋委員】 皆さんこんにちは。私もスポーツの世界に20数年おりまして、スポーツ庁の皆さんにお伝えしたいのは、スポーツ界は明らかに良い方向に変わっていることです。きっと各省庁で予算がある中で、皆さんが知恵とアイデアを絞って計画を立てて、枝葉の先までいろいろな計画を浸透させるというのがすごく大変なのだということは、スポーツをやっているからこそわかりますし、私はNFにも席を置いているので、スポーツ庁の動きでどれだけNFが変わったか、どれだけ良い風が入ったかということをすごく感じています。
ただ、引き続きやっていただきたいのは、スポーツビジネスというコンテンツをもっと広げていってほしいと思います。強化、育成、地域活性、全てにおいて、このスポーツになくてはならないものになってきたかのポイントは全てスポーツビジネスの促進があったからなのではないかと感じています。国際大会にしかり、東京オリンピックにしかり、失敗や成功はあるにしても、スポーツで1つのムーブメントを起こすことができる国である、できる人たちであることが証明されています。カーリングにおいては、ぜひ日本で国際大会をやってくれと頼まれるぐらいになっているのですが、皆さんもおっしゃったように、NF側の企画力という部分でなかなか一歩進むことができなくて、大きな大会をやったことがないので失敗するのが怖いという現状もあるのではないかと感じております。
そしてスポーツビジネスがどんどん進化するにあたって、各団体で格差が生まれ、なくなるスポーツが出てきそうになる瞬間もあると思いますが、民間の力も借りたほうがいいと思います。痒いところに手が届くということが民間の良いところだと思うので、私たち地方にはどんどん民間の手を斡旋していただけると嬉しいと思いますし、人口減少が進む中で、今私が住む北見市も、国に建てていただいた箱物だったり、北海道が建てた箱物がどんどん空いてしまっております。そういう部分での企業マッチングなども引き続きやっていただけると良いのではないかと思います。
私はカーリングは都会でやるものではないと判断して、地方に移住してチームを作り、根を張りました。プロスポーツであれば、大都市に行っても振り向いてくれる方が何万といますが、やはりアマチュアスポーツとなると、地方で時間をかけてじっくり愛してもらうというようなやり方のほうが、アマチュアスポーツの生き残り方としては何か1つのヒントになれば良いと思います。私自身はその策を取りまして、都会からではなく、逆に地方から都会にチャレンジをするという方向で、今年念願の横浜市で全日本選手権を開催して、今まで会場に来られなかったファンが来ることができた。そのファンに会えなかった選手が会うことができたというのを実現できたので、何かアマチュアスポーツが消えそうになったときの1つのアイデアとして、ヒントになれば良いなと思い発言させていただきました。ありがとうございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて川田委員お願いします。

【川田委員】 オンラインで失礼いたします。八幡市長の川田でございます。全体テーマについてということですので、テーマ1について発言させていただきます。先日も少しご発言をさせていただいたんですが、せっかくの機会ですので、うちの庁内で教育長等とも、この計画についてシェアをさせていただきまして、意見を聞いて参りました。我々としては、どちらかというと競技人口で言うと裾野やライフパフォーマンス向上のことで、どういったことができるかという観点になってくるかと思います。中でも我々として大事になってくるのは、14、15ページ辺りの場づくりです。特に多様な主体の皆さまがいらっしゃいます。この計画では障害者の方々であったり、子供、若者など、ジャンル分けをして分析していただいているところではありますが、どの年齢・どの属性の市民の方であってもスポーツに親しんでいただけるようにしていくにあたって、場づくりが非常に大事になってくるのではないかと思っております。教育現場など、学校施設の平日解放等も含めて、かなり強い思いは持っているようですが、ノウハウであったり、手引きについてのハードルが現場にはあるということで、今後も勉強させていただきたいですし、いろいろ教えていただいて、こういったものを進めていければというふうに、我々としては思っております。
あと1つ気になっておりますのが、5ページの右下のほうに「運動・スポーツ週間化促進事業の自治体における補助期間終了後の自主財源による取り組み持続率の向上」というふうに書いていただいているのですが、我々としてもインセンティブの持続というのは非常に大事だと思っております。一方で自治体の自主財源というのは、昨今の人件費向上や、あらゆる工事費の上昇によりまして、財政は本当に厳しく、公共交通から上下水道、福祉、子育て支援まで、全て自主財源が出て行っておりますので、スポーツ、ライフパフォーマンスの向上、インセンティブ持続に関して自主財源を出そうと思うと、相当な首長の想いであったり、実績、コストパフォーマンスが一定示せていないと、厳しい局面にはなってくるように感じております。その点は記載していただかなくても大丈夫ですが、ご留意していただけたらと思います。以上になります。ありがとうございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。続いて藤原委員、お願いします。

【藤原委員】 日本パラスポーツ協会の藤原でございます。まず全般的な話としては、第3期スポーツ基本計画は、非常に重要な事項を網羅しており、まだ課題などもありますが、非常に良い方向に進んでいることは間違いないと思っております。それから今日のテーマであった競技力向上について、JPCのほうからご報告申し上げたいと思います。
既に能瀬委員や大日方委員からもパラの関係の話がありましたが、30ページがオリンピック、パラリンピックのメダル数の推移になっていて、この数だけに固執する必要はないのですが、おかげさまでハード、ソフト面から国のサポートをいただいたので、東京大会、パリ大会とメダルは増えてきています。パリ大会の総括を我々でやったのですが、金メダルは14で、総メダルは東京よりも減ったということではあるのですが、金メダル14のうち、パリではゴールボール男子と車いすラグビーが初めて団体として金メダル取ることができました。メダルの数としては14ですが、金メダルを取れた選手の数という意味では、東京よりもはるかに増えたということです。パラの選手は比較的競技期間が長いのですが、そうは言っても分析の中では、リオは経験したけれども、東京とパリという形で3大会を経験した人はそうは多くありません。東京、パリが初めてだったり、2回目の人が結構増えてきた印象です。あの大観衆の中で競技した、あるいは選手村は2人部屋とかなのですが、そういう環境に慣れてなかった。東京大会の時は無観客だったし、基本的には相部屋になっていないので、通常に戻ったらそれに慣れてなかった選手が多かったらしいです。そういった点も1つの大きなノウハウとして蓄積し、多くの選手がメダル獲得を経験すれば、それが次に繋がっていきますので、そういうことも重要だし、これが継承されていかなければいけないと思います。だから数字に見えないところではあるけれども、多くの選手がそういう経験すれば、それが次の大会に繋がっていくという例の1つだというふうな分析もしています。
それから、パラではコーチがいなかったり、NFが小さいという問題もあるし、海外のレベルが上がってきていることにどう対応していくかということも、これから真剣に議論していかなければいけない点になっております。総括的に以上でございます。ありがとうございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。その他の方々はいかがでしょうか。鈴木委員、お願いします。

【鈴木委員】 (音声乱れ)医学部や薬学部など医務系の学部を持ち、かつスポーツに大変熱心な大学もいくつかありますので、そういうところも含めて、JSCとか大学、産業界のまさしく産官学で、この日本のドーピング検査体制を維持・強化・進化させていきたいと思っています。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。その他の皆さんはいかがでしょうか。大日方委員、お願いします。

【大日方委員】 何度もすみません。2点申し上げたいと思います。先ほどのガバナンスコードの話ですけれども、私は女性役員の比率を入れたことには一定の意味があり、それ以外のことも含めて大きな進展があったと考えております。民間企業の役員とかもしていて、少しアプローチが違うと思ったことは、そこに40%と目標達成するためアプローチをどう作るのかという準備をする意識、競技団体あるいは企業のアプローチが違うように思います。残念ながら友添委員がおっしゃったようなケースというのは、競技団体だと数合わせという方向に行きがちですが、企業の場合だと、役員になる手前や人材育成というところをしっかり計画を立てていくというアプローチがあって、何年もかけてやっていきます。これは競技団体も同じことを言っているんですよね。我々スポーツガバナンスコードでも言っているので、どこに重きを置くのかという情報発信を少し整理し、全面的に見直すというよりは、どう伝えていくのか、プライオリティーをつけていくというところが、次期においては大切なことで、方向性としては間違えていないということを申し上げておきます。
もう1つ申し上げたいのは全体に関わるところですが、どなたかからジャンル分けされているという言い方をしていただきましたが、外から見るとDE&Iが進んでいてもインクルーシブでいろいろなことやっていくというスポーツ行政の実態に対して、健常者と障害者の指導者、大会というように分けていること対する限界値が、そろそろ見えてきたように思っております。振り返ってみますと、第2期、第3期の計画においても、ここをどういうような書きぶりとして入れていくのかということで議論されていたのですが、4期のときに、それも引き続き共生社会を実現するためということで、ある種障害がある人を取り出して議論していくことが果たしてニーズに合うのか。今後5年、10年を考えていくときにそれでいいのかということについては、ぜひ議論をいただきたいと思っております。
そういう意味では、ハイパフォーマンスのエリアについてはスポーツ庁、JSCがオリパラ一体ということを思って、一緒に考えていくのだということが進んでいると思います。一方でライフパフォーマンスのスポーツの分野で、ここをどうやって実現していくのかというところは、ぜひ岩田委員の力も借り、藤原委員等と一緒になってやっていかないと、人も少ない中で、ある種の限界というか、次のステージに向かえる準備ができているのではないかと考えています。
最後に、国体の話が出ていますけれども、国体の取りまとめも間もなくされると思いますが、JSPOがやっているほうの国体をどうするのかという議論をいつするのか、どうするのか、誰が主体的にするのかということも意識していただきたいと思います。国民のスポーツ大会ですから、国民の中には誰が入っているのかというところを今一度考えていただきたいというお願いです。ありがとうございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。そろそろお時間になっていまいりましたが、最後にどなたかございますか。大塚委員、平野委員、続けてお願いします。

【大塚委員】 スポーツ産業の推進に関してですが、これだけいろいろなテーマが出てきて、またセカンドキャリアのところも出てきている中、どうしてもスポーツ産業を発展させようという必然性が、もう少し欲しいなと思っております。そういった中でいろいろと調べてみますと、国際大会などを運営していく人材育成において、その必然性の1つに検定や、そういうことができるディレクター、スポーツプロデューサーの認証などができないかと調べてみると、経済産業省さんが2011年にやっているスポーツイベント検定があります。これは数万人の方が受けているのですが、スポーツ選手が卒業して受けているかというと、ほとんどはイベント運営会社の方々が受けています。こういうイベント産業振興会がやっている組織があるのですが、我々がやっているアスリートたちのセカンドキャリアに通じるような必然性のある何かスポーツイベントの認証制度を作れないかと考えております。セカンドキャリア、人材育成、DX、ツーリズム、アリーナを作った後、自治体側にアリーナの運営のスペシャリストがいるような、そういうものができていくといいなと思っております。

【渡邉部会長】 最後に平野委員、お願いします。

【平野委員】 アスリートファーストということで、いろいろな形で考えていただいていると思いますが、42ページの誹謗中傷のところについて、私自身が所属のミキハウスでSNS講習というものを受けていて、他競技でもそういったところに取組んでいる競技団体はあると思いますが、SNSで盛んにやり取りが行われている時代で、発信する側にも正直問題があると感じているところがあります。SNSを利用しているアスリート側の意識改革もすごく重要だと思っています。私の時代はSNSやブログをしていない選手も多かったと思いますが、今の選手たちは小さい頃からSNSを利用しています。SNSを通してのファンとの繋がりはメリットですが、非常にデメリットもあって、こういったところに繋がるというところは、一方通行だけではないと私は感じていますし、対策を取ろうとしていても、そういったことを発信する人たちが一定数いるので、その部分に関しては、発信する側の認識や責任に対しても指導していくと、ここの問題は今よりも解決に向かうのではないかと思います。アスリート側のSNS教育や意識改革というところに、もう少し重きを置いて取り組んだほうがいいのではないかということを、先ほどお伝えし忘れてしまったので、最後に付け加えさせていただきます。以上になります。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。時間の関係で発言できなかった方もいらっしゃると思います。前回と今回に関しては、発散会議的なところで、いろいろなご意見提示をしていただきました。これから事務局の皆さんとまたご相談させていただきますが、今後フェーズをだんだんと収束の方に向けていくのかどうかということを、今日もスポーツガバナンスコードのお話ですとか、強化の話で数を追うだけではなく、中身や背景というお話も出ましたので、一旦事務局のほうで皆さんの意見を整理してまとめていただいて、次にどういう展開に移っていくのかを議論した上で、また皆さんに情報提供をしていきたいと考えています。
今後の事務の流れを赤間さんのほうから説明してください。

【赤間企画調整室長】 ありがとうございます。お手元の資料の参考資料2-1になります。こちらが3期計画中間評価に関するスケジュール案でございます。こちらにつきましては、後期のスポーツ審議会総会が12月にありまして、そこで部会を設置し、今ここまで3回計画部会を開催させていただいているところでございます。目下中間評価についてご議論いただいているというところでございますが、総会でこのスケジュール案をお示しした際には、3月末を目途に総会を開催し、そこに向けて中間評価についての議論をしていくというようなスケジュール案をお示しさせていただいていたところでございます。しかしながら、ここまでに至る間に多岐に渡るご意見もいただいており、私ども事務局のほうとしても、その意見を十分に咀嚼する時間をいただきたいというのが正直なところでございまして、そういったことも踏まえまして、年度明けの4月以降も計画部会での議論を引き続きさせていただきまして、その中で中間評価のご議論を引き続きやっていき、夏頃に総会を開催したいと考えています。これはまだ確定しているわけではありませんけれども、状況を見ながら、そういった方向性でスケジュールを組ませていただきたいと思ってございます。私のほうからは以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。最後に長官から一言お願いします。

【室伏長官】 皆さま、ご苦労様です。様々な角度からご意見いただき、なかなかまとめるのも大変なところかと思いますけれども、今後へ向けて取り組んで参りたいと思います。持続可能な競技力向上体制の構築、そしてスポーツ団体の組織基盤の強化、スポーツインテグリティの強化を中心に議論していただきました。
今日の資料はわかりやすく写真も入れて、各課にお願いして作ってありますので、またご確認いただいて、もしかしたら「こういうことやっているんだ」と気づいていただけることもあると思いますが、これ以外にももっとたくさんやっています。そしてスポーツ庁設立から今年で10年目になります。私は感動していただけるスポーツ界を目指していますが、そういったインテグリティの高くみんなに愛され、みんなに親しんでいただける環境を作っていくかということで、120名少々の職員と一緒にやっています。本当に一生懸命、日々取り組んでいますので、ぜひ応援していただき、この先もスポーツ庁が皆さまの支えで発展していきますように、私も精一杯頑張りたいと思います。引き続き、皆さまにご協力をいただきながら、次期計画に繋がる効果的な中間評価をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。それではお時間でございますので、以上で終了したいと思います。オンラインの皆さんありがとうございました。

―― 了 ――

 

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