令和7年6月12日(木曜日)15時00分~17時00分
文部科学省15F特別会議室及びWeb会議
安藤委員、岩田委員、延與委員、大塚委員、尾縣委員、大日方委員、勝田委員、川田委員、久木留委員、桑井委員、境田委員、鈴木委員、髙橋委員、友添委員、能瀬委員、本橋委員、諸橋委員、結城委員、渡邉委員
室伏長官、寺門次長、橋場審議官、大杉スポーツ総括官、赤間企画調整室長、田中競技スポーツ課長、中村健康スポーツ課長、桃井参事官(民間スポーツ担当)、廣田参事官(地域振興担当)、小川参事官(国際担当)他
スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第4回)
令和7年6月12日
【勝田部会長代理】 ただいまからスポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第4回)を開催いたします。本日、大変お忙しい中、御出席いただき誠にありがとうございます。本日は、部会長代理の私が進行を務めさせていただきます。まず、本日の運営に関する説明を事務局からお願いします。
【赤間企画調整室長】 事務局でございます。本日の運営に関する説明と資料の確認をさせていただきます。
本日は、事前に希望をいただきました委員の方には、ウェブ会議で御参加をいただいております。
また、原田委員が所用のため御欠席をされておりますけれども、代理人といたしまして、日本バスケットボール協会代表強化育成セクションシニアマネージャーの山本明様に御出席をいただいておるところでございます。
報道関係者につきましては、一般の方と同様、ライブ配信での傍聴とさせていただいております。
資料につきましては、議事次第に記載をされております一覧のとおりでございます。本日のメインの資料は、資料1から始まる2つの資料でございます。第3期スポーツ基本計画の中間評価に係る資料ということで、2点御用意しております。資料1-2が評価書の本体資料となりまして、これまで3回にわたりいただいた意見を踏まえて、記載の修正等を行ってございます。資料1-1が、この中間評価の内容を簡単にまとめましたポイントの一枚紙と、第4期計画に向けた検討に当たっての重要な観点を事務局のほうで案としてまとめたものになります。本日御議論いただきまして、お認めいただければ、部会として、この内容の評価書のとりまとめということにさせていただければと思っております。
また、参考資料といたしまして、昨年度末から今年度頭にかけまして、スポーツ庁の各関係の分野でとりまとめがなされた提言や政策文書、部活動改革でありましたり、成長産業関係、それから、国際競技力向上の関係でございますけれども、関係する資料を御用意させていただいております。本日は御説明は割愛させていただきます。
それから、机上に、前回御紹介させていただきました施策集なども置かせていただいております。
事務局からは以上でございます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
それでは、早速議題(1)「第3期スポーツ基本計画期間前半の進捗状況と課題について」に入ります。
これまでの部会での議論内容を踏まえて資料を修正していただきましたので、まずはその内容について事務局より説明をお願いします。
【赤間企画調整室長】 引き続きよろしくお願いします。お手元の資料1-2をお開きいただければと思います。こちらが、先ほど申し上げましたとおり、各委員からこれまでいただいた意見を反映させたものをハイライトさせた資料ということで御用意させていただいております。
まず、関係する箇所を御説明するに当たりまして、健康スポーツ課関係のものに関しましては、健康スポーツ部会のほうで別途御検討いただきまして、記載を反映させていただいておりますので、健康スポーツ課長の中村のほうから冒頭御説明をさせていただきたいと思います。
【中村健康スポーツ課長 】 健康スポーツ課長の中村と申します。
今、御覧いただいております資料1-2の目次のほうにあります、1の国民スポーツ機会の創出、スポーツによる健康増進、そして障害者スポーツの推進につきまして、健康スポーツ部会のほうで議論してとりまとめておりますので、ポイントを簡単に私のほうから御説明させていただきたいと思います。
同じ資料の6ページ目のほうに行っていただきますと、こちらに国民のスポーツ機会の創出、健康増進についての指標、KPIが設定をされておりまして、Sports in Lifeコンソーシアムの加盟団体、それからスポーツエールカンパニーの認定団体、実施率といった目標が立てられております。
この3年間の取組について、この加盟団体、認定団体については、目標に向けて順調に伸びているという状況でございますけれども、20歳以上の週1回のスポーツ実施率につきましては、目標が令和8年度に70%を目指すというところでございますけれども、ここ3年、50%強で横ばいという状況になっているということでございます。
次の7ページ目のほうに、3年間の取組状況、それから課題をまとめております。取組としましては、3本柱として、Sports in Life推進プロジェクト、調査研究、それから地方自治体に対する支援であります習慣化促進事業という3本柱でやっておりまして、そちらの課題と今後の方針について取りまとめております。
右側にありますけれども、KPI、今御紹介したとおりでございますけれども、特に働く世代や女性でスポーツがなかなか広がっていないという課題があるというのは、この3年間、あまり変化が見られないということでございます。
課題としまして、Sports in Lifeで多くの企業にスポーツの推進の御協力をいただこうという取組については、量だけではなくて質の向上も必要であろうということでありますとか、そもそもスポーツエールカンパニーなどの認知度を上げていく必要があるだろうというようなこと、調査研究については、どうやってスポーツ実施者を増やしていけばいいのかといったテーマの研究も必要なのではないかといったこと、それから、今進めております長官考案のセルフチェックをうまく啓発・周知していけばいいのではないかといった課題をとりまとめていただいております。
次の8ページ目のほうが、3期計画はあと2年になりますけれども、今後、どういうことをやっていくべきかということで、まず、Sports in Life推進プロジェクトにつきましては、スポーツエールカンパニーの認定を取得するメリットを高めるということで、そういった調査研究をやる必要があるのではないかということ、そのPRについて、様々な団体と連携してやっていく必要があるのではないかということ、そして、スポーツエールカンパニーだけではなくて、Sports in Lifeに加盟していただいている、今5,000団体ぐらいありますけれども、相互のシナジー効果を生み出していくような仕組みをつくる必要があるのではないか。そういったことが、Sports in Lifeについては方向性として示されております。
それから、2つ目の調査研究につきましては、これまで進めてきましたライフパフォーマンスを高めるような取組でありますとか、目的を持ったスポーツについて、その成果を社会に還元していく必要があるだろうということでありますとか、今進めております先端技術を活用したコンディショニングの実証研究、デジタルデバイスをどう活用するかというような調査研究でありますけれども、これを着実に進めていく必要があるだろうといった方向性を示していただいております。
それから、3点目の地方自治体に対する支援につきましては、今年から制度変更しておりまして、3年間支援をして自走化をさせていくということを着実に進めていくべきということでありますとか、取り組んだ成果をきちんと評価をして分析をしていく必要があるだろうという方向性を示していただいております。
最後に、その他としまして、この健康スポーツ部会の中で、女性対策もかなり御意見が出ておりまして、女性の実施率を高めるような取組を進めていく必要があるだろうということで、全体のリテラシー向上というのも必要ではないか。こういった方向性について御提言をいただいております。
続きまして、障害者スポーツの推進について、9ページ目のほうを御覧いただければと思いますけれども、障害者のほうも、週1回以上のスポーツ実施率、障害者スポーツを経験したことのある者の割合を増やしていこうということで、目標には至っていないんですけれども、着実に増えてはきているというふうに評価をしていただいております。
10ページ目が取組状況と課題になっておりますけれども、障害者スポーツの実施率を上げる、実施環境を整備する、推進体制を整備する、それから、障害者スポーツに対する理解促進を図っていく。こういった4本柱で取組を進めておりまして、今の3年目の状況として、施策の効果が出てきていて、方向性は間違っていないのではないかという評価とともに、今後の課題としては、共にするスポーツの実施環境を整備するでありますとか、障害者スポーツの障壁を解消していく、団体の基盤強化を進めていく、それから、地方自治体の中での連携体制を整備していく、無関心層対策、こういったことが課題になるだろう。それから、スポーツ庁のほうで今進めております、指導者に向けての障害者スポーツハンドブックをうまく使っていくべきではないか。こういった課題についてまとめていただいております。
最後、11ページ目になりますけれども、今後の方向性ということで、一つは、障害者スポーツセンター、障害者スポーツの核となる施設ですけれども、これを都道府県ごとに1つ以上整備をしていくべきということ、障害者スポーツを支える人材を育てていこうということで、研修機会の充実を図っていくべきであるということ、基盤強化を図っていくということで、団体や民間企業の連携を促進させていくでありますとか、障害者スポーツ団体の基盤強化を図っていくということ、推進体制の整備として、都道府県での体制として、福祉部局がやるのか、スポーツ部局がやるのかということで、一元化した都道府県の課題や成果を整理していこうというようなこと、それから、裾野を広げるコンソーシアムを障害者スポーツもやっておりますけれども、このコンソーシアムを広めていこうということが4点目として示されております。
それから、理解促進ということで、例えば、インクルーシブなスポーツイベントの開催を支援して、理解を広めていこうということ、最後には、先ほども申し上げましたように、指導者向けに障害者の指導のハンドブックを今広めておりますので、そういったことを活用しながら環境を整備していくべきだ。こういった方向性をまとめていただいております。
以上、ちょっと足早でしたけれども、健康スポーツ部会のほうで御議論いただいた結果ということで御報告をさせていただきます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
引き続きお願いいたします。
【赤間企画調整室長】 残余の部分について、私のほうから御説明させていただきます。
資 料の14ページをお願いいたします。子供・若者のスポーツ機会の充実の(2)運動部活動改革のところでございますけれども、こちらにつきましては、この5月に、運動部活動改革実行会議の最終とりまとめが行われておりますので、その内容を踏まえて記載を充実させているというところでございます。
続 きまして、16ページ、スポーツ実施環境の整備、人材育成の箇所でございますけれども、左側のところでございますが、いわゆる地域スポーツの場づくりに関しての御意見の中で、学校施設開放のノウハウについて、自治体としてもまだ十分じゃないところがあるというような話があったところでございますけれども、こちらにつきましては、スポーツ庁のほうで学校体育施設の有効活用に関する手引きを既に作っておりますが、これを令和6年度に改定いたしまして、この普及をさらに進めるというところで、ノウハウの提供に努めてまいりたいと考えてございます。
引 き続きまして、次のページ、17ページ目でございますけれども、中ほど、国際的に活躍できる指導者の育成という観点が重要ではないかというような御指摘があったところに対応いたしまして、公認スポーツ指導者養成事業に関連するところで、記載の充実を図ってございます。
そ れから、一番下のところでございますけれども、スポーツ産業の発展に向けて、スポーツイベントの運営人材、こういったものも重要ではないかという御指摘がございましたので、その点も反映させていただいてございます。
続 きまして、飛びまして、25ページ、お願いいたします。スポーツ産業の活性化支援というところでございますけれども、こちらにつきましては、4月にとりまとめられました第2期のスポーツ未来開拓会議でのとりまとめの内容を踏まえて、現状の記載を修正させていただいているところでございます。
28 ページをお願いいたします。スポーツを通じた地域活性化でございますけれども、スポーツ・健康まちづくり表彰というものをスポーツ庁でやっているわけでございますが、表彰されたというだけではなくて、その自治体のその後の取組をしっかりとフォローしていくことが大事ではないかという御指摘があった点につきまして、表彰された自治体の取組に関しての調査・分析を行いまして、この2月に事例集もとりまとめさせていただいておりますので、その点についても付記をさせていただいてございます。
続 いて、29ページでございますけれども、中ほどと下の箇所、関連してございますけれども、スポーツコンプレックスですとか、スポーツホスピタリティ、スポーツツーリズムといったものを一体的に活用していくという点と、これらを一体的に活用していく上で、文化資源であるとか観光、そういった領域とも連携していく必要があるのではないかというような御指摘を踏まえまして、包括連携協定の改定等々にも言及させていただいてございます。
続 きまして、競技力関係でございますけれども、35ページをお願いいたします。左右中ほどになりますけれども、女性アスリート支援、あるいは競技力向上という観点からの女性アスリート特有の健康課題への対応ということで、関連する記載を追記させていただいております。
そ れから、左側の下でございますけれども、競技別の強化拠点と地域の大学、医療機関との連携強化といった御指摘をいただいたところに関しましては、既に取組を進めているところでもございますので、記載を追記させていただいているところでございます。
35 ページ右側の中ほどでございますけれども、いわゆる少子化や人口減少が急速に進む中で、今までどおりの育成が成り立ち得るのかということもそもそも考えなければならないのではないかという御指摘がありましたけれども、その点につきましても、取組の検討が必要というところで記載させていただいてございます。次のページにも、関連する記載を追記させていただいてございます。
38 ページ、国際交流、大規模国際競技大会の開催支援の関係でございますけれども、右側のところでございますが、国際競技大会、アジア大会、それからマスターズ等々、そういった国内での大会というものに関しては、大規模なものは、その後、どちらかというと、NFのそれぞれの世界選手権の大会というような形に切り替わっていくという中で、国際競技大会の開催プロセスに対しての支援も重要なのではないかという御指摘をいただいたところでございますけれども、人材育成の観点の中でそういったところも含めて記載させていただいてございます。
そ れから、41ページでございますが、右側のところでございます。いわゆる競技団体の組織改革を進める上で、競技団体間の横の連携が重要なのではないかという御指摘をいただいたところでございます。内容としては、ガバナンスコードへの対応の中で、小規模団体への配慮という観点で、役員のリストを共有するといった意味での人材の還流を創出するとか、あるいは、統括団体からNFに対しての人材育成に関する研修を行うといったところで、横連携を促進するといった観点の記述を追記させていただいてございます。
そ れから、42ページの一番上のところですが、御意見としては、スポーツ競技の不正操作に関して、IOC等々でも、国際的な枠組みに基づいて取組が進んでいるというような御指摘をいただいてございます。そこに関しては、コンプライアンスに関する研修の中でも扱っていくようなテーマともなってきますので、「国際的な動向も踏まえ」というようなことをここの中に記載させていただきました。
それから、44ページの(2)のところでございますけれども、指導者の暴力という表記に関しまして、指導者だけではなくて、スポーツの現場で起こる、あるいはそこに関わる人たち全てがそういったものをしていけないということではないのかという御指摘をいただいたところでありますので、基本計画の表記に合わせて表現を修正させていただいてございます。
そ れから、45ページの(3)の誹謗中傷対策のところでございます。ここでは、やはりアスリートのウェルビーイングの向上という視点が今後大事になってくるのではないかといった御意見や、アスリートへのSNSでの発信の仕方の教育が重要ではないか。あるいは、パリ大会でも導入されておりましたけれども、セーフガーディングオフィサーの人材育成、そういった御指摘を踏まえて記載を充実させていただいているところでございます。
次に、46ページでございます。こちら、初出の資料になりますけれども、まさに今回の中間評価の取組、また、この中間評価を踏まえて4期計画の検討にも活用していくという視点から、EBPMの推進という項目と、それから、広報の活動の重要性については、また改めて指摘をいただいたところでありますので、これまで我々が取り組んできている内容を簡単にまとめさせていただきました。
続きまして、資料1-1をお願いいたします。今縷々御説明いたしました中間評価書の本体の内容をコンパクトに1枚にまとめたものが、資料1の1枚目でございます。
1ポツのところが、関連する主な指標の状況ということで、列記をさせていただいてございます。
2ポツにつきましては、今諸々御説明させていただきました内容は12の施策にカテゴライズされているわけですけれども、その内容をコンパクトにまとめたものを御紹介させていただいてございます。説明は割愛させていただきます。
2ページ目でございますけれども、この中間評価の内容を踏まえて、さらに第4期のスポーツ基本計画に向けてどういったことを考えていかなければいけないかということで、1枚まとめさせていただいた資料でございます。
1ポツのところは、3期計画策定時からの社会の変化ということで、パリ大会がありましたという話と、今後、今年は世界陸上、夏季デフリンピック大会が東京で開催される。あるいは、来年以降は、ミラノ・コルティナ冬季大会、愛知・名古屋のアジア・アジアパラ大会、それからマスターズというような形で、国際競技大会が目白押しで続いていくというような形になってございます。
また、2つ目の丸に関しましては、まさに少子高齢化の加速ということ、それから、社会全体の様々なフェーズでこのウェルビーイングという考え方が浸透している。こういったものに対応していくという観点で、スポーツに求められる役割も幅広くなっていますということ。
それから、これは3期計画の中でも大事にしている考え方でありますが、スポーツそのものが有する価値だけではなくて、スポーツが社会の活性化に寄与する価値への期待も高まってきているということを簡単に記載させていただいてございます。
2ポツ目が、こういったところを踏まえて、次の計画を検討するに当たって重要な観点ということで、試みに案を書かせていただいてございます。
2つ丸がございますけれども、1つ目の丸、いわゆるスポーツの「する」「みる」「ささえる」、こういった活動を通じて人々に楽しさや喜びをもたらすといった価値、それと、こういった活動を通じて人々が集まり、つながることによって、社会活性化や課題解決に寄与する価値があるだろうと。その中で、こうした多様な価値を全ての国民が享受することのできる環境の整備、これはいわゆるスポーツ基本法にうたわれておりますスポーツ権の実質化ということにほかならないわけでありますけれども、そういったことを通じまして、国民や社会全体のウェルビーイングの向上を図っていくということを理念として掲げてございます。
その下に、重要となるであろう政策的な柱としまして、5つほど提示させていただいてございます。
柱としては、多様な主体の参画・共生社会の実現というものが1つ目の柱。関連施策に関しては、ここに列記をさせていただいているとおりでございます。従来から重要な分野として進めてきた分野もありますし、それから、今回の議論の中でもいろいろ御議論いただいている、ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへという方向性もここには提示をさせていただいてございます。
それから、スポーツの推進のための環境整備、2つ目の柱でございますけれども、これは従来からハード、ソフト、人材というような形で、1ポツにあるような内容を支える基盤としての環境を整備していくという観点で書かせていただいておりますけれども、新しい動向としましては、やはり気候変動にも対応していくような、安心・安全な環境での実施環境を整備していくということ、それから、人材、この人材は単に指導者だけではなくて、スポーツに関わる様々な方々という意味になりますけれども、そういった人材でありましたり、様々な資金の好循環、こういったものも考えていかなければならないだろうと考えてございます。
3つ目の柱は、地方創生・経済の活性化ということで、関連するまちづくりや成長産業化、DXやeスポーツということを掲げさせていただいてございます。
4つ目が、全てのアスリートが自らの持つ可能性を発揮することができる環境の実現ということで、従来の国際競技力の向上ということも当然あるんですけれども、その中で、アスリートのウェルビーイングというようなことも一つ観点として配慮しながら競技力を高めていく。それから、見直しを進めております国民スポーツ大会であったり、国際大会の開催支援をしっかりやっていくという形にしてございます。
最後が、スポーツ・インテグリティの確保ということで、ガバナンス、暴力等の根絶、それから誹謗中傷対策や不正操作への対応ということで、この5つの柱を案として提示させていただいております。御審議のほどお願いしたいと思います。
事務局としては、以上でございます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございました。
それでは、ただいまご説明いただいた部分について、活発な御質問、御意見等をお願いします。
【延與委員】 最初話しにくければ口火を切るという。
【勝田部会長代理】 延與委員、よろしくお願いします。
【延與委員】 大変ボリューミーなものを、しかもいろいろな自由濶達な議論をここまでうまくいろいろ取り込んでいただいて、本当に事務局の御努力に心から敬意を表したいと思います。
今回まとめられたものについては、いろいろなことがきちんと過不足なくというか、しっかり盛り込まれていて、内容について、ここをこうしたらというのは私のほうからはございませんけれども、パラスポーツの立場から感じたこと、また、今後に向けて期待したいことなど、3点ほど申し上げたいと思います。
1点目は、実施率についてですけれども、お話がありましたように、今、全国では32.6%、東京都はもうちょっと高くて47%ぐらいですけれども、かなり着実に上げてこられるといったのは本当にそうだと思いまして、現場の実感として、相当もうリミットというか、これ以上上げていくのは本当に大変だろうと思います。
これをさらにアップさせようとすると、多分2つあって、1つは、本当に重度の方のスポーツをどうするか。重度の方もスポーツに参画していくということは難しいんですけれども、私どもでは、今、eスポーツなどを重度の方でも対応できるように改変したりとか、オンラインで競技に参加したりというのも工夫するとか、それをやっていかないと、なかなかこれ以上実施率が上がらないかなと実感しております。その辺が私としても課題になっております。
あともう一つが、やはり少しでも運動したいと思った人が身近な地域で参加できるように、参加できるチャネルを増やしていくことが大変重要だと思っておりまして、今回のまとめの中にも、各都道府県でのセンターの整備であるとか、支え手の育成ということは入っておりまして、そこを着実に進めていただくのはもちろん大切ですし、最近で言うと、これは都市部に限りかもしれませんけども、JリーグさんとかBリーグさんとか、地域のプロ団体が子供たちへの普及のときに、結構、障害の方も視野に入れてくださるケースが増えていまして、これは本当に力強い。障害のあるお子さんが憧れのJリーグ、Bリーグの選手と触れ合ってスポーツできるというすばらしい機会になっておりまして、そういう民間に対してノウハウとかを提供していくというのも大事なことかなと思っております。
などなど、先ほどお配りいただきましたこのハンドブック、やはりこれから人材を育てていくときに、パラスポーツだけの人を育てるというのは多分難しくて、現在、いろいろな一般のスポーツをやっている方に、パラスポーツのことについて少しでも知っておいていただければ、そういう子供が来たときに、自分はできなくても、どこかにつなぐとかというアクションにつながればと思いますので、こういうハンドブックはすばらしいと思いますし、ぜひこれを活用して、ネットワークを広げていければなと思っております。よろしくお願いします。
2点目ですけれども、国際大会についてです。今、デフリンピックの準備を着々と進めておりまして、認知度も、パラリンピックほどではありませんけど、一昨年の調査で都民の十数%しかデフリンピックを知らなかったのが、去年の調査では40%近くまで上がってきまして、今年になって明らかにいろいろなところからデフリンピックについて聞きたいということもありますし、デフリンピックをテーマにしたいろいろな事業をやると、すごく集まりがいいんですね。特に民間企業の方が、何かデフリンピックでやりたいんだけど教えてくださいというのがすごく増えています。
やはり国際大会って、そういう意味では、一般の方を巻き込む本当にいい機会になっていると思いまして、もちろんデフのスポーツ団体にとっても大切なことであるんですけれども、デフ以外のパラスポーツ全体でデフを盛り上げようという動きもありますし、スポーツだけじゃなくて、例えば、デフの演劇の団体とかデフのアートの団体なんかが、これを機会に発表の場を得られたりということで、すごく障害者スポーツの国際大会って社会的広がりが大きいなというのをとても感じております。しっかりこれを盛り上げていきたいと思うと同時に、来年、アジアパラもありますので、それをさらに成功させていきたい。
その次に、こういうことって、やっぱりパラリンピックで盛り上がった後、国民の関心は離れますし、デフリンピックは、パラリンピックほどではありませんけど、やっぱりいろいろなマスコミとかに取り上げられる機会も増えますし、何年か置きにこういうちょっとしたまとまりのものをやっていくということが、スポーツを、特にパラスポーツについて盛り上げを続けるために大事だと感じておりまして、あとこの計画期間2年ありますけれども、ぜひ何か次のタイミングに向けたものが見えてくるとうれしいなと。これは願望でございます。
3点目は、包括的なことですけれども、最近、本当に続けることが大事なんだなと思っております。東京都で、毎年チャレスポという、一般の方も障害者も楽しめるようなイベントを年に1回やっているんですけど、それはオリパラの前からやっている事業なんですが、大体毎年1,000人ぐらいお客さんが来ていたんですが、そろそろみんなパラリンピックのこと、忘れられたかなと心配しておりましたが、昨年、いつもの倍ぐらい、2,000人近い方が来て、午前中で用意したグッズが売り切れる、なくなっちゃうという事態がありました。
見てみると、いろいろテレビで宣伝したりとかもあるんですけれども、結構親子、障害のある親御さんがそのイベントを年に1回すごく楽しみに来てくださっているみたいなのですが、あるいは、福祉の作業所の方が年に1回、ここでみんなで来るのを楽しみにしているみたいなのもありまして、毎年続けていくことというのが本当に大事なんだなというのを感じております。
なので、これはパラスポーツに限らないと思いますけれども、スポーツ実施率を上げていくプロジェクトは地味で大変な仕事だと思いますが、懲りずに続けていくことがすごく大事だなと感じております。
所感でございました。ありがとうございます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
延與委員のコメントにもあった「スポーツ実施率」については、「する」「みる」「ささえる」「集まる」「つながる」というキーワードに関わり、どんな基準で、視点を持って提案できるか非常に大事なことと思います。中間評価、進捗の確認などにおいてスポーツへの多様な関わり方の基準づくりへつながっていく大変示唆に富んだ御意見、コメントをいただいたなと思いました。
それでは、尾縣委員、お願いします。
【尾縣委員】 パラの次はオリでお願いいたします。日本オリンピック委員会の尾縣でございます。
今回の取りまとめにおきまして、スポーツの現状、それから、スポーツを取り巻く環境をしっかりと把握していただき、計画の方向性にしっかりと盛り込んでいただいております。本当にありがとうございます。
幾つかございますが、第4期スポーツ基本計画を検討するに当たり重要な観点のところの4番目、全てのアスリートが自らの持つ可能性を発揮することができる環境の実現の中で、「メダル獲得数だけではなくアスリートに配慮した国際競技力の向上」というのをしっかり盛り込んでいただいたとことを本当にうれしく思います。
JOCとしましても、競技力だけではなく、社会のロールモデルとなるような憧れられるアスリートの育成、それから、そのアスリートと一緒にスポーツの力を社会の力に変えていこうという基本目標を第2次中期計画で打ち出しております。これは、本当に大変強い後押しになると喜んでいます。
そして、こういった考え方が社会に浸透し、子供のスポーツ実施率につながっていくことが必要だと思いますので、その接点をしっかり意識しながら、今後活動してまいりたいと思っております。
2点目は、競技力向上のための支援のところですが、中長期の強化戦略、向上を支援するシステムのところでも、ありがたいことに予算の充実もしっかりとうたっていただいたことで、例えば中学校、高校、ジュニア、いろいろな段階がありますが、それぞれのステージでしっかりと計画的に育成強化が進められます。ありがとうございます。
最後、3点目ですけれども、誹謗中傷対策をしっかりうたっていただきました。令和6年度の補正予算で予算をつけていただきまして、JOC、JPC共同で誹謗中傷対策の窓口を設置できました。既に相談も来ております。今年度もしっかり取り組んでまいりたいと思いますが、誹謗中傷はスポーツ界のみならず、社会全体の問題ですので、スポーツ界から発信して社会を巻き込んでいく、そういう活動に発展すればと思っております。今回は本当にありがとうございます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。友添委員お願いします。
【友添委員】 ありがとうございます。環太平洋大学の友添でございます。
一番気になったのは、大変な作業を事務局がこなされているというのは、非常に敬服する、本当にデータ集としても非常に有効なものが出ているなと感じていました。この点、本当に敬意を表しつつ、お礼を申し上げたいと思います。
一、二点、ちょっと気になったところなんですけれども、成人の20歳以上の週1回以上のスポーツ実施率が52%ぐらいで横ばいだということですけれども、この理由について、やっぱり要因分析をしっかりしてみる必要があるんじゃないのかなというふうに思うんですね。かつてはスポーツ参加状況調査って、結構研究者もやってきたんだけれども、最近はほとんどやらなくなっているんですね。これがマキシマムなのかどうかですよね。あるいは、もっと伸びる要因があるのか。あるいは、スポーツ政策ではもう無理なのか。あるいは、社会的、経済的要因があるのか。属性ですよね。例えば、障害者の方もここに含めていけると思うんですけれども、属性に応じて一体何が原因なのか。半構造化インタビューも入れながら十分に検討してみないと、多分、次の第4期では同じような結果が出てくる可能性があると思うんですね。
だから、そういう意味で言うと、今、ちょうど中間年なので、やっぱりこれ、データ分析、要因分析をしっかりと、少しお金はかかるかもしれませんけれども、やってみる必要があるのかなと思います。ハードの問題なのか、施設の問題なのか、あるいは時間の問題なのか、あるいはマインド、ソフトの問題なのか、この辺も含めて分析をしていかなければいけないだろうなということを1点感じています。
もう1点、少し別件で気になったところなんですけれども、スポーツ指導者の問題ですけれども、現行のスポーツ基本計画にスポーツ指導者が書き込まれていると思います。お手元の資料でいうと、資料ナンバーの参考2-2のところで、スポーツ指導者の育成について23ページに書かれているんですけど、これ、非常に大事なことだと思います。
非常に大事なことが書いてあって、何が書いてあるかというと、「次代を担うアスリートを育成する指導者は、指導を受ける選手の将来を見据えつつ」、これ、もちろんそうですね。「選手自身が自らのスポーツキャリアを考え、その実現に向けて動き出せる自主性・自律性を養うことができる質の高い指導を提供することが不可欠である」と。国は、こうした優れた指導者を安定的に養成することを目指して、JSPOをはじめとする、こういうところで育成をすべきだということを書いています。これ、非常に大事な視点なんだと思います。
ただ、もう1点加えてみると、例えば、地域スポーツ指導者の養成については全く書かれていないんですよね。全くというのは少し語弊があるかも分かりませんけれども、基本的には書かれていない。運動部活動が地域展開をしてくると、多分、私の試算ですけれども、そこに岩田委員がいらっしゃいますけれども、JSPOのスポーツ公認資格保持者、所有者では全く足らない現実が起こってくる。現実には、少なくともやっぱり100万人近く要るだろうと言われている。
あと、例えば各NFの指導者も入れても全く足らない。むしろ都道府県がスポーツ指導者の育成認定講習をやって、都道府県がその指導者資格の認証、認定、もちろんこれはJSPOとか、あるいは都道府県の体育スポーツ協会とか、大学とか、各競技団体と協力しながらやっていかなければいけないことだと思うんですけれども、そういった意味での、今度トップスポーツ、アスリート、プラスアルファの地域スポーツ指導者の養成に、国というよりも都道府県が認証したり、あるいは、こういった資格付与を指定するということを現実的にやっている自治体が出てきていますので、むしろこれを後押しするようなスポーツ基本計画の記載があってもいいのではないか。むしろそれを推奨するような形を取ったほうがよりいいのではないか。現実的には、現状では恐らくスポーツ指導者は足りませんので、これをやっぱり推進していくような方策、提案がなされてもいいのではないかと感じています。
以上です。
【勝田部会長代理】 様々な「関わり」に関する要因分析あるいは指導人材、地域の視点からご意見をいただきました。
続いて、川田委員、お願いします。
【川田委員】 ありがとうございます。京都府八幡市長の川田でございます。オンラインで失礼いたします。ちょっとごめんなさい。私、公務の都合で16時までで失礼させていただきたいものですから、早めに手を挙げさせていただきました。失礼いたします。
まずもちまして、今回、計画の評価案につきまして、非常にたくさんの地方自治体としての御意見も、発言も反映いただきまして、ありがとうございます。
地域での運動スポーツ習慣化に係る補助複数年度化、自走化に向けた支援でございましたりとか、学校施設の地域開放に向けたマニュアルの共有でございましたり、また、健康まちづくりに関する表彰事例の共有など、いろいろな案件について反映をいただきました。ありがとうございます。
記載については大変広く拾っていただきまして、ありがたいと考えております。1つだけ、記載の修正というわけではないんですが、私も、先ほどもございましたが、いわゆるスポーツでの地域指導、また、部活動の地域移行、今は地域展開と呼ぶというふうに資料にも書いていただいているんですが、こちらについて、ちょうど先日ございました全国市長会でも非常に大きな議論になってございましたので、少し意見共有をさせていただければと思います。
こちらにつきましては、うちの市でもなんですけれども、先ほどは指導者不足というところを課題として挙げていただいておりました。指導者不足もそうですが、あとはやはり制度の持続可能な運用に向けて、部活動であれば、いわゆるお月謝というものは要らずに子供たちが部活に励めていたところ、やはり地域に移行して、外部にお願いするに当たっては、お月謝が発生してくる。こういった経済的な要因というのも非常に現場では課題感として上がってきております。
また、地域による実情の違いというものが、かなり差もございますし、また、地域ごとの取組の進捗度合いというのにもかなり差が出てきてしまっているという状況がございます。自治体としてかなり前向きに取り組んでおられるところもあれば、むしろ前向きに取り組んだことによって、国のほうにももっとバックアップをしてほしいという自治体もあれば、制度のやはり地域展開に向けた基本的なところからフォローアップをしていただかなければというところまで、自治体、1,780以上ございますので、こういった数々の実情に合わせた地域自治体へのヒアリング、また、学校現場との兼ね合いもございますので、文部科学省等とのやはりヒアリング等も行っていただいているとは思うんですが、ぜひ引き続きお願いをしたいなと思っております。
最初は、学校の先生方の働き方改革という点もあったかと思うのですが、一方で、部活動指導をやりがいにしている先生方というのもいらっしゃって、やはりそのところ、選択をどうするのかといったところもかなり議論に上がっておりましたので、また今後とも部活動の地域展開の持続可能性については、引き続きの御検討、御教示をいただきたいなと思っております。
以上です。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
【友添委員】 ちょっとよろしいですか。すみません。今の御発言、かなり真実を突いているところが多いかなと思って拝聴していました。
ただ、1点、先月出ました最終とりまとめの中で、例えば、月会費をある一定の幅に抑えなければいけないということが議論されたということと、あと、公的支援を導入していくという形で実は議論が展開をしてきて、最終的にそれをはっきりと盛り込んだり、なぜかと申しますと、私はその会議の座長代理をやったり、あるいは、スポーツのほうのWGの主査をやったりしましたので、今御懸念されている部分については、最終とりまとめの中で課題として示し、そして、その解決方策について書いています。今日も多分資料に入っていますので、ぜひそれもまた御覧になっていただければと思いました。
すみません。老婆心ながら一言申し上げました。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
【川田委員】 ありがとうございます。
【勝田部会長代理】 鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 2点あります。まず、1点目は、今のお話に加えて、友添先生のおっしゃっていることはそのとおりで、プラス、私は本当は国とか行政が所得の再配分をやるべきなんです。それをやっていただいて、それを最大限やっていただくんですけど、それでも足らなければ、やっぱり現場に近いところでの所得再配分、つまり、小学生、中学生は極力抑えると。そのためには、やっぱり地域の大人とか、あるいは大学生とか、そういう人たちを取り込むことによって、その方々から頂いたもので、このベースのものについては賄っていくという再配分、要するに、あらゆるレイヤーでの再配分を考えたソーシャルビジネスモデルをつくっていくと。やっぱりそういうことを推奨していくということが必要だと思います。
それで、ちょっと今日申し上げたいことは、まず、改正スポーツ基本法がまもなく成立見込みということで、スポーツ庁長官はじめ、事務方、そして、このコミュニティーの皆さんの御尽力に心から敬意を表したいと思います。
それで、まず、事務的なというか、テクニカルな質問として、第3期は令和8年度末までなわけですけど、今回のスポーツ基本法、仮に今国会で改正がなされたとしたときに、スポーツ基本計画の第3期について何らかの、このまま行くのか、若干の修正なりということを考えるのか、考えないのかと。あるいは、計画自体はこのまま行くにしても、スポーツ庁長官ないし何らかからのメッセージが出るのかどうかということが一つの論点としてあるんで、それについて御見解があれば伺いたいということです。
一番言いたいことはこれからでありまして、第4期は本当に大事だと思うんですね。なぜ大事かというと、ここに来ている人は、皆さん暗黙知で刷り込まれているんですけど、国民の皆さんにはやっぱり伝わっていないんで、そこをちゃんと第4期として私は明示すべきだということを今から申し上げたいと思います。
2024年の子供の出生数は、ついに70万人を切りました。事務局の説明の最後に少子化ということにメンションされていて、それを意識していることは分かっているんですけど、私は、第4期は、放っておくとスポーツはどうなるかというシナリオというかシミュレーションを、まず国民の皆さんに示すべきだと思うんですよね。
要するに、スポーツが少子化の影響を一番真っ先に受けるんですよ。要するに、高齢対策はあと70年とか80年待てるんだけど、もう待ったなしなんですよね。68万ですと。あともう5年もすれば、その子たちが、あるいは本当だったら、こども園とか、保育園とか、幼稚園とかそういう時期から始めたほうがいいスポーツもいっぱいあります。そうすると、本当にこの第4期でその影響が出てきて、そして小学校、中学校と。
こうなると何が起こるかというと、まず、スポーツ施設の稼働率が下がるわけですよね。我が国は、学校施設を含んだスポーツ施設ということでやってきましたと。御存じのとおり、学校の廃校は止まりません。学校を廃校するのはしようがないとしても、それと同時に、我が国の大事なスポーツ施設がどんどんどんどん減っているわけですよ、今。これどうすんのかと。学校廃校、はい、分かりましたと。そのまま完全に荒れ野にするのか、少なくとももうちょっと戦略的に、廃校はやむなしだけども、それを地域のクラブのスポーツ施設として転換するのか。それを第4期で出さなかったら、どんどん減ります。そうすると、やるところがなくなれば、ますますスポーツをやらなくなります。
こういう二重三重の悪循環がこれから一挙に来るということを国民の皆さんにきちんと示して、その結果、何が起こるかというと、スポーツというのは、まさに今や数少ない社会のつながりを非常に、本当に幅広い老若男女、国籍を超えて、宗教を超えてつなぐウェルビーイングの鍵なわけですね。しかし、スポーツ離れというものが、本当に二重三重の悪循環でもってなっていく。
それから、健康の観点からも、やっぱり小児のときにきちんと体をつくっておかなければ、一生、取り返しのつかない話にもなるという。様々な面での、フィジカルな面、精神的な面でのウェルビーイングの喪失が要するに予想されていて、それについてどうやって歯止めるかという話。この悪循環、どんどん進んじゃいますよと。ここを相当丁寧にこのミッシングリンクをつなぎながら、必要なところに的確なタイミングで手を打っていかないと、一回壊れたエコシステムは、100年たっても戻りません。逆に言うと、我が国は嘉納治五郎先生以来、100年間かけて、学校施設、学校スポーツを中心としたすばらしいエコシステムをつくってきたんだけど、そして、そこを師範学校とかがサポートしてきた。その流れをくむ人たちが一生懸命頑張ってきた。これ、全部壊れるんですよ、残念ながら。誰が悪いわけでもありません。唯一悪いのは少子化です。
だから、そこの認識があって、それを食い止めるために、新しい好循環システムを今からつくっていかなきゃいけないという、この共通認識というのも、第4期でちゃんと国民の皆さんにしっかり示す必要があると思います。
そのときに、私は、やっぱり第4期の大事な仕事の一つは、KPIをもう一回再設定しなきゃいけない。別に今のKPIを否定しているわけではありません。ただ、これだけでは足らないんじゃないですかということです。例えば、生涯にわたって運動、スポーツを継続したい子供たちの増加というのは、それはそれでもちろん大事なことなんですけど、要するに、率だけで見ていると、今の話が見えないんですよ。だから、率は大事なんだけど、実施数とか、あるいは総実施時間とか、こういうふうなKPIを導入していくことによって、今の惨状というか、ほっておくと大幅右下がりだと。本当はV字回復したいわけだけれども、できないにしても、それをどうやって歯止めるかということの実態が、実施率だけ設定していたのでは見逃してしまう。ここにいる人たちはちゃんと直感的に分かっているんですけど、そういうこと。
それを各世代において、要するに、6歳以下、小学校、それも低学年中学年高学年、中学校、高校、オーバー18、青年も20代、30代、40代、これを全部きちんとどれぐらいスポーツ延べ時間としてやっていて、もちろんそこもいろいろなばらつきがあります。そこに、このハードとソフトとヒューマン、特にハード、それから今まで議論が出ている人材、コーチ人材、指導人材、その供給も今から大幅に変わってくるわけですね。
この現状の絵と、それから望ましい絵のここのトランジションを100年ぶりにやらなきゃいけない。こういう時期が第4期のスポーツ基本計画であるということを皆さんが理解し、そして、そのトランジションがうまくいっているのかどうかを本当に年々チェックする。
それから、先ほどお話もありましたように、これがうまくいっている市町村、都道府県と、そうでない地域との差がものすごく拡大します。だから、部分的には、この今のエコシステムが完全に崩壊するという地域が出てくる。
そういうところもやっぱりきちんとある程度シミュレーションして、スポーツ庁があんまり極端なことは言えない。そういうときは、友添先生とか僕とかが実態の数字をシミュレーションをお見せしながら、首長にもちゃんと御理解いただくということも含めて、そういうたたかれ仕事は我々やりますけれども、ただ、いずれにしても、今の認識をやっぱりもうちょっときちんと位置づけていくということが、第4期あるいは第3期の最終報告に向けて非常に重要ではないかと思いましたので、ぜひよろしく御検討いただきたいと思います。
【勝田部会長代理】 次に向かって、私たちがどんなメッセージを共有できるか、鈴木委員の発言は大変重要だと思って伺っておりました。様々な社会課題が複合的に起こる
状況の中で。スポーツの可能性、スポーツが持つ今後の在り方などを根底に据えながら議論することが重要と受け止めました。
続いて桑井委員、お願いします。
【桑井委員】 こんにちは。すみません。本日海外にいて、参加できず、オンラインになりました。
ちょっとちんぷんかんぷんなことを言ってしまったらすみません。女性アスリート特有の健康課題の解決という、資料1-2の35ページにあるところで、選手だけではなく、今、私自身、レフリーをやっているんですけど、そういったレフリーも世界を目指すというところで、女性としての課題みたいなところがやっぱり一つあると思うので、アスリートだけではなく、バックグラウンドでも世界を目指す方々へのサポートというところでは、同じようにしていただけないかなというのが、今、私の考えです。
【勝田部会長代理】 スポーツの関わりには、アスリートとして、あるいは審判として、オフィシャルとしてなど、いろいろな関わりがあり、それぞれにおいてウェルビーイング、あるいはインテグリティなどを視野に置くことが重要と思って伺っておりました。ありがとうございます。
久木留委員、お願いします。
【久木留委員】 ありがとうございます。JSCの久木留です。
今、鈴木委員がおっしゃっていただいたことというのは、多分、私が関係している国際競技力向上に、すぐではないですけれども、10年後を見据えたら確実に来ることだと思っているんですね。
私は、今回事務局中心にまとめてもらったものに関しては、自分の所掌のところも大変よく書いていただいていますので、大変感謝しております。
その中で、鈴木委員が言われた点を踏まえて、どのように社会にアピールしていくかを考えたときに、もし第4期が令和8年の4月から始まるとしたら、この議論が一時期あったと思うんですけど、例えば、コモンウェルス事務局の政策手引の中で、SDGsの17の中に10個の分野がスポーツが関わるということを、実は出していたんですね。実はこれを、コモンウェルス、ヨーロッパの中でSDGsの中に入れていきたかったんだけど、これを入れることができなかったという背景があると思うんです。
だとしたら、もし社会にインパクトを与えるのであれば、SDGsの中にきっちりとスポーツの分野を入れていくという働きかけを、例えば日本とアジアからやっていくとか、日本とどこどことやっていくというような試みをやっていくことが私は大事じゃないかなと一つ考えています。
もう一つは、基本法の様々なこれまで出た資料を見ていくと、やはりこの基本法の改定を議論した方々が、鈴木委員ももちろん友添委員もそうだと思うんですけど、スポーツだけでは押していけないから、スポーツ掛ける何々、例えば、スポーツと文化芸術とかというところを書いているのかなという、行間を読みながら考えていったときに、もっと原点に立ち返って、この基本法をつくったときの2011年、まさに鈴木委員、副大臣で中心にやられていたんですけど、through sportというのがあったと思うんですよ。例えばスポーツを通して教育に関与するとか、スポーツを通して文化を広めるとか、そこが、この基本計画をずっと読ませていただきながら、少し政策的に、このプログラム自体が効果的に設計されているかというと、ちょっとされていないんじゃないかなと思うんですよ。
なぜかというと、例えばですけど、5ページを見てもらうと、ロジックモデルが書かれているんですけど、その一番左、丸1の中に、大学のスポーツの資源とデュアルキャリアの推進というのが書かれているんですね。デュアルキャリアの推進というのは、まさに欧州評議会の中で、2010年、このデュアルキャリアとインテグリティのことが取り出されたと。それが始まりだったはずなのに、長期アウトカムとインパクトを見てみると、このことがちょっと読み取れないんじゃないかなと思うんですね。
例えば、トップアスリートはロールモデルなわけですよね。ただし、自然に生まれてくるような方もいるかもしれないけど、デュアルキャリアを介して、育成していくことが重要だと思うんですよ。なぜならば、トップアスリートは日本の財産だからです。
そう考えると、このデュアルキャリアで、初期アウトカム、中期アウトカム、長期アウトカムというのが、どうもデザインがちょっと違うんじゃないかな。つまり、こういう場の議論というのは、本来はまさにこのページをデザインしてから、いろいろな枝葉をつけていくということをしていかないといけない。つまり、効果的に設計して、実行して、それをモニタリングと評価をして、そしてまたさらに改定を加えていくという作業こそ大事で、もう一つ言うと、私が関与している国際競技力向上のところは、それ以外の健康にも関与するし、社会開発にも関与していくし、もっと以前からお話ししているように、例えばハイパフォーマンススポーツセンターで培った様々な知見を社会に還元していく道筋を書いていくべきだと思うんですね。
だから、どうもばらばらで分断されているような、まさにスポーツ庁の課のような感じがして、横の連携はあるんだろうかというのがちょっと見えづらいので、そういったところも第4期ではきっちりと書いていくべきではないかなというふうに思った次第です。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 資料をまとめていただき、ありがとうございます。資料を再度拝見して、皆さんの御意見を伺いたいなと思った資料が、資料1-2の24ページにある、スポーツを「見る」人の割合というものです。計画初年度に関しては73.2ですが、実は毎年毎年減ってきています。これは統計的に見たら誤差の範囲というふうになるかもしれませんが、私の肌感覚的に言うと、若い人たちは新聞や地上波テレビから遠ざかり始めているということと、年齢が上がるにつれて、やっぱりスタジアムで見るとかアリーナで見るのがおっくうになるとか、恐らく見ている人の人数は変わっていないとしたら、複数回行く、熱量の高い人が多く観戦しているのであって、全体的な割合が増えていないからこそ、実は見る人全体で調べると減ってきているということではないかなというふうに感じたところです。
そういった質をしっかりと、先ほどの鈴木委員の話同様、見ていかないと、実はスポーツ好きな人だけが増えて、そこで盛り上がっているという結果になるのではないかなと思います。今回、スポーツ基本計画の中では、デジタル技術を活用した新たなスポーツモデル、ビジネスモデルの創出ということで、かなり実は高度なデジタル化技術の導入みたいなことを目指していますが、足元のテレビというか、映像、スポーツの試合を見るということを、もうちょっと押さえるということが大事じゃないかなと思っています。
例えば、ワールドカップの予選が海外でやったものは見られないとか、恐らくこれ、オリンピックとかも今後そうなっていくと、お金を出すマニアは見ますけど、一般の人は恐らく話題にすらしなくなってくるという状況が、将来あり得るのではないかと思っています。
逆にこれを捉えた意味でいうと、デジタル技術を活用したビジネスモデルも、新たなデジタル技術というよりは、それぞれのスポーツ団体、競技団体、リーグやチームなどが、オウンドメディアを使って自分の権利を持った映像を作り、発信するということをもっと支援していかないと、そもそも放映権が高い価格では買えませんというテレビ局だけだと、一般の人が触れる機会がなくなってくるのではないかと思います。もうちょっと何か身近なところでの、スポーツと接する、スポーツを見るという指標に変えるべきじゃないかなと感じたところです。
そこで、オウンドメディアの支援なんかは、逆にJSCさんが支援して、競技団体自ら映像を作って、それをアーカイブ化して、競技スタッツも価値をあげて、それを競技団体が売るという循環、大学スポーツについても、UNIVASが権利を持って出すみたいな支援を、第4期計画では出していくべきだなと思います。そうなってくると、恐らくユニバーサルアクセス権とかの議論も出てくるのではないかなと思っています。観客の実際のスタジアムも、スポーツホスピタリティが進んだがゆえに、高いチケットと接待の人は観戦に行けますが、一般の安いチケットがなくなってくると、子供たちが見に行けないようなスタジアム・アリーナになってくる。これではスポーツの普及には逆効果です。
だから、お金を持っている人たちが払うお金で安いチケットをつくるみたいなこともしっかりと基本計画上押さえていかないと、ある一部の人たちだけになるのではと危惧しています。そこで、鈴木委員の言う指標を少々変えていくということと、みるスポーツ人口が全体に広がっているかどうかということを確認するようなことをぜひ第4期ではやっていくべきだと思いました。
以上でございます。
【勝田部会長代理】 スポーツの「見方」も多様になっております。その視点や背景も含め考えていくことが重要と思いました。
それでは、本橋委員、お願いします。
【本橋委員】 皆さん、こんにちは。北海道から失礼いたします。皆さんの活発な御意見を聞いていて、すごく勉強になったのと、面白いなと思いながら聞かせていただきました。
私もちょっと好きなことをお話ししてしまうかもしれないんですが、まず1つ目は、自分が運営というか、身を置いている国際競技力向上の関係ですごくありがたいなと思ったのが、私たちもミラノ・コルティナを今目指しておりまして、重点支援競技が選定されて、そのままこれが継続されるということは、プロスポーツではない競技からすると、とても本当に一つの救済処置としてずっと続けてほしいなというか、継続していただきたいなというのが一つです。
そして、桑井委員とも同じようなことになってしまうかもしれないんですけれども、パリオリンピックからオリンピックの選手村に託児所ができました。皆さん御存じでしょうか。結構私も衝撃というか、うれしかったというか、やっとここまで来たんだなという感じもしたんですが、それを活用しているアスリートが、世界中から集まってくるアスリートが何名いたかはちょっと私は把握はしてはいないんですけれども、女性アスリートの健康やハイパフォーマンスを継続するためにというふうにあるんですが、桑井委員同様に、オリンピックに携わる強化スタッフのためでもある託児所だったのかなと思いますし、JOCさんがいる中でちょっとこれ言っていいのか分からないんですが、特に北欧、ヨーロッパの選手たちは、1時間でも2時間でも、限られた時間、家族を特定の選手村のエリアに入れるパスを持っていることが事実なので、ぜひ日本もそのような、オリンピックに行って勝つだけではなくて、1時間でもいいから家族と一緒に過ごせる時間であったり、お子さんと一緒に選手村を一定のエリア見学できるような、そういう施策もどんどん入れていってほしいなというのが個人的な意見でございます。
ちょっとレベルが高いので、すぐにとはならないと思いますが、実際にヨーロッパの国の選手たちが、家族であったり、子供と手をつないでカフェテリアで御飯を食べている姿を見ると、オリンピックとスポーツと国民の近さというのをすごく感じるというか、羨ましいなと思うことが多々ありましたので、日本もそのように進んでいってほしいなというのが一つの意見です。
そして、今、私も地方でスポーツ団体を運営させていただきまして、若年層と地域活性というのはすごく密接に絡んでいるなというのはすごく感じています。地方に散らばっているスポーツ団体、プロスポーツ団体が、若年層向けにいろいろな大会であったりイベントというのをどんどん開いてはいるんですけれども、よりそれの支援等、ノウハウを落とすということをどんどんやっていただけると、片田舎で頑張っている小さなスポーツ団体も、どんどんどんどんスポーツをする若者に対して、一つ何か刺激になるような策を練られるのではないかなと感じております。
私、いろいろなことをやっているんですが、最後に、スポーツ庁さんが旗揚げしている部活動の地域移行なんですが、ふと私も、カーリング種目ではあるんですけれども、私たちが住んでいる北見市は今財政難というふうによくニュースで言われるんですが、財政難だからこそ、早めに地域移行が進んでいる地方の一つのモデルケースなのかなと思いますが、実際に進んでいく中でふと思ったことが、都会というか、関東エリアだとどうか分からないんですが、地方に行くと、皆さん、少年団という活動がすごく盛んなんですが、この少年団という活動からの地域移行へ膨らませるという案がペーパーに入っているか、いないか、ちょっとそこまで私、見切れてはいないんですが、それも一つ案なのではないかなと思いました。
私自身も、実際にバスケットボールチームを、地域で人数が多いものでサポートしていく中で、少年団登録をすると、今のところ、体育館が無料になるだとか、すごくアドバンテージが大きいので、少年団登録をしておけば、そのままアンダー12からアンダー15まで意外にスムーズに運営はいくんですね。
なので、今まで部活だったものを新しくするという認識よりも、少年団活動をトータル15年間やろうとか、それ以上でもいいと思うんですけど、高校まで少年団というような区分けの仕方をしていくと、すごく地方ではすんなり皆さんが理解するというか、地域移行とかいうと、地域に落としていくよというと、皆さん結構パニックになる方が多いんですけど、少年団の延長ですよみたいな話をすると、そういう気軽さでいいの? みたいなところは、皆さん理解しやすいかなと。
ただ、少年団も月謝を集めますので、月謝は集めて当然だよねと。部活になると急に月謝がかからなくなったからラッキーという考えだったけど、確かに少年団の延長か、それなら仕方ないね、少額で活動できる範囲で集めようか。あとは、やっぱり指導者の問題が入ってきまして、誰でもよくないというか、学校の先生でも、やる気がある方であれば、少年団にいますし、北見市は結構、少年団のままアンダー15もそこに組み込むというような団体さんが増えてきているなという肌感覚はあるので、少年団と地域移行をうまく絡めるというのも一つ案なのではないかなと思いました。
以上です。すみません。長くなりました。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
子育て世代、少年団、子供たち。地域展開も含めスポーツの場が様々な人々にとって「良き居場所」になっていくことが大事だなと思って伺っておりました。
それでは、大塚委員、お願いします。
【大塚委員】 ありがとうございます。日本トライアスロン連合の大塚です。
競技団体の現場の立場から申し上げたいと思います。大変すばらしい資料を作っていただいたことに感謝しますし、また、前回、前々回申し上げた内容が加味されている点において大変感謝しております。
スポーツの現場は、昨今、大変盛り上がっております。前回の会議から今日までのまた様々、いろいろなスポーツの盛り上がりが、皆様方、国民の皆さんにも示せているんじゃないかと思っております。
また、その中でも、特に見るスポーツ以外でも、参加型競技、マラソンもそうだし、トライアスロンもそうだし、非常に参加する方々が増えている状態が今出てきています。マラソンにせよ、トライアスロンにせよ、インターネットエントリーで、定員がすぐ30分、1時間で埋まってしまうような現状です。トライアスロンなんかの参加料の一番高いのは、12万5,000円の参加料もありますが、1,000人が30分ぐらいで埋まってしまうというような状況に今、現場は来ています。現場は非常に盛り上がっている中、今回のこの基本計画、非常に重要なポジションだと思いますので、よろしくお願いいたします。
幾つか、前回からここまでの期間の間にも起きていることですけれども、まず1つは、1番目の多様な主体の参画・共生社会の実現、国民スポーツ機会の創出に関しては、ぜひとももっともっと中央競技団体を使っていただきたいなと思います。Sports in Life推進プロジェクトにせよ、スポーツ界が一体感になっていないような気がします。1,400の企業が参加していただいているといいますが、全然少ないように感じておりますので、我々も中央競技団体としても、Sports in Life、スポーツエールカンパニーへの協力をどんどんしていきたいと思いますので、声をかけていただき、この7ページ、8ページに書かれていることを実現していければなと。また、PRなども我々も一緒にできるんじゃないかなと考えています。
それから、2つ目のスポーツ推進のための環境整備の一番最初に気候変動のことを書いていただいて、大変感謝申し上げます。どのスポーツ競技団体も、つい先日制定された、法制化された熱中症対策義務化の課題が、非常に今、来ております。これをぜひとも基本計画の中に、熱中症対策に対してどのようにスポーツ界が向かっていくかということを加味していただきたいなと考えております。これは前回言わなかったことで、今回初めて言うことです。特にWBGT暑さ指数対策によって、スポーツができなくなる、やりたくてもできなくなるということは、国民スポーツの機会を減らすことになりますので、ここをどうしていくのかというのは、今度、逆に言えば、スポーツ産業から見たらチャンスなんですね。そこのところのバランスをうまくつくり上げていただくのが、スポーツ庁のぜひともやっていただきたい部分じゃないかなと思います。
もう一つ、3番目のスポーツを通じた地方創生・経済の活性化、これもこのスポーツ経済の活性化はずっと言い続けてきていることです。今回も23ページに15兆円という目標を立てていただきましたが、もうそろそろこの15兆円の中身の内訳、何で15兆を切り分けるのかと。例えば、スポーツツーリズムでどれぐらいを目標にしているのか。観光庁は4,000万人の海外からのお客様の数値を出していますけれども、その中にどれぐらいスポーツで来ている人がいて、この15兆円の内訳はどうなっているのかというところも、我々現場に携わる者としては、ぜひともその数値に対して目標を持って、一緒にチャレンジしていきたいなというふうに思っておりますので、御検討いただければなと思っております。
そして、4番目の全てのアスリートが自ら持つ可能性を発揮することができる環境の実現は、JOCの尾縣委員がおっしゃっていただいたように、大変感謝しております。
この中でもう一つだけお願いしたいのは、先ほども出ました少子化対策にもつながりますが、1人の競技者が何種目も幾つの競技もできる、この競技間の連携に関して、もう少し国からの奨励を広げていただくと、各競技別で選手を取り合ったりしないで、各競技、各選手の最も適性を見いだすスポーツポテンシャルの世界、これ、アメリカがやっていますけれども、それに準じた選手たちをつくり上げていく。そして、大学から、18、20歳からは専門の競技に入っていく。そういうような道筋がもう日本でもできるんじゃないかなと思っています。
この姿を見せることで少子化対策にもなりますし、子供たちがエリートアスリートを見て、幾つもの競技が一遍にできるんだという、新しいスポーツ選手のすばらしい姿を示すことにもなるんじゃないかなと思っております。
それから、37ページ、38ページの組織基盤の部分におきまして、今までも国際IF組織への役員支援をしっかりやってきていただいて、現在も目標を超える42名の人数を輩出させていただいていますが、ここも次のステージに入ってきています。ここの今42名になった方々は、今までの基盤の中からなった方で、これから入っていく方は、年齢的にも若い方たち、40代、50代の方たちがIFに行こうとする時代に多分なってくると思います。今度はその方々の生活圏を守っていかなきゃならない。IFの役員にせよ、多分1,000人に近い形じゃないと、世界と勝負できないと思います。兼任ではなかなかできないぐらいになっています。年間10回以上は海外に出なきゃいけない。そんな状況です。この人たちの生活が、仕事をやりながらだと大変厳しい状態だと思いますので、このIF役員ポストをさらに拡大していくための戦略において、この人たちの生活をどのようにカバーしていくかということを御検討いただければなと思っております。
最後、5番のところにおけるインテグリティの課題においては、昨今も会議があったようですが、スポーツベッティング、このターゲットに日本がなっていることは、これから対策をみんなで考えていくことができればなと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
【勝田部会長代理】 多様な視点、ありがとうございます。
安藤委員、お願いします。
【安藤委員】 オンラインで失礼します。よろしくお願いします。
桑井委員と本橋委員からも女性サポートに関する御意見がありましたけど、私のほうからも、私自身、女性アスリートとして長く活動してきて、今現在もアスリートとして活動している立場から意見をさせていただきます。
まずは、女性アスリート特有のサポート、支援についてもしっかりと盛り込んでいただいて、大変ありがとうございます。
ただ、私自身、実際に活動している中で、計画と意識というところは非常にされてきていると感じているんですけど、実態としてはまだまだ格差があるなと感じています。特に環境というところにすごく格差を感じています。例えば、国際競技大会での待遇などは、移動手段だったり、宿泊先だったり、また、医療スタッフの人数だったりというところは、まだまだ格差を感じています。
あとは、これはトップスポーツだけではなくて、大学だったり部活動などでもだと思うんですけど、トレーニングの時間だったり、施設の利用場所というところも、男性の優先的な利用というところを感じています。
今後、さらに男女の格差の実態の調査も、私自身、どのぐらい現在されているかというところは把握できていないんですけど、その辺も御考慮していっていただけるとありがたいなと感じています。ありがとうございます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
それでは、結城委員、お願いします。
【結城委員】 ありがとうございます。結城と申します。
私は、こちらに書いていただいております中で、持続可能性、SDGs、それからインテグリティに関しての視点から差し上げたいと思います。
6月23日にIOCの会長が替わります。再来週の月曜です。それに向けて、先週、今週とも、ずっとIOCが各種の大型の国際フォーラムを連発しています。この中では、アスリートを全世界から集めるとか、様々な政財界、そしてNPOなどの活動の団体、スポーツ界、それからeスポーツの関連のフォーラム等々、様々なものがあるのですが、主軸となってきたのが、やはり持続可能性、スポーツを通じてどのようにSDGs、それから持続可能性を、社会の要素と連携をして社会に貢献をしていくかという視点です。この中には、スポーツのセーフティー、要は、先ほどのいわゆるアスリートをどのように守るかという視点も入ってまいります。SDGsの中にこれがございます。ということで、こういう大きな流れが国際的に、恐らくパリ大会の事例だけではなく、今後強まっていくんだろうという思いを非常に強く昨今しております。
このスポーツ基本計画、すばらしいおまとめだと思います。特に、ただ、この基本計画、これから5年間に向けた総合的、計画的に取り組みたい12の施策という項目の中には、もう少し世界の流れを踏まえた上で、そういった要素を前面に出す試みがあってもいいのではないか。恐らくこれからそれが非常に重要になってきますので、そこに合わせていく姿勢があってもよろしいのではないかと感じております。
例えばですけれども、資料1-1、中間評価について(案)の中の7番、スポーツによる地方創生、まちづくり、それから12番、スポーツ・インテグリティの文言で、例えば1点、私見で申し上げられればと思いますが、地方創生、まちづくりというものは、SDGsの中に取り残さないであるとか、格差をどのように埋めるかとか、様々な違いというものをどのように包摂して、それから、これまでの在り方を変えて、どう持続可能性を追求するか、いろいろな考え方が入っています。
実は地方創生、まちづくりという中に、特にこれからの少子化、高齢化が進むまちづくりの中で、それが非常に大事なテーマにもなってくると思います。これ、例えばでございますが、最初の1ポツの最後の行の「経済の活性化を目指す」とあるところに、「経済の活性化、持続可能性の追求を目指す」とか、何かそういうまちづくりの地方創生の中で、スポーツを通じて持続可能性を目指すんだという視点があってもいいと感じます。
スポーツ・インテグリティのほうでは、12番の一番最後の2つのポツにかかってくるところでございますけれども、特に重視されていると昨今感じているのは、教育啓発です。これは内側のほうにももちろん盛り込まれていますけれども、やはりここの施策のところで教育啓発というものを入れ込んでいただければと感じますし、例えば、誹謗中傷や、アスリートが脅威にさらされない教育環境という中で、その組織体制、それから教育啓発などという体制整備を、もしくはその形を、そこに力を、重点を置いていくんだというようなくだりがどこかに挿入されてもよろしいのではないかと感じました。
同じように、次のページ、資料1-1の2ページ目、スポーツ基本計画に向けて、この最初の2つの大きな丸、これはすばらしい、特に2つ目のところはすばらしい見方だと思います。一番最後の行に「スポーツが社会活性化等に寄与する価値」とありますが、ここにも、例えば「社会活性化、持続可能性等に寄与する価値」というふうに入れていただいても分かりやすくなるのではと感じました。
同じように、もう2点だけ、その下のところ、1、2、3、4、5とございますけれども、2のところで、気候変動というものが、やはり持続可能性に非常に深く関わってまいります。そのうちの柱の一つとなりますので、「気候変動等、持続可能性にも対応した」というような形で文言を入れていただくことができ得るのではないかと。
最後のスポーツ・インテグリティの確保のところでは、これはやはり「誹謗中傷等、不正操作への対応や教育啓発」というように、「教育啓発」を入れていただくことができ得るのではないかと感じました。
昨今の流れの中から、私見でございますけれども、申し上げました。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
諸橋委員、お願いします。
【諸橋委員】 諸橋でございます。
おとりまとめ、ありがとうございます。私も幾つか関連する委員会に委員として参画しておりますので、2点申し上げます。
まず1点、子供・若者のスポーツ機会の充実について、部活動地域展開に当たって、「地域」、それから「学校」の仕組みは何となく伝わってきたような気がするのですが、まだ「家庭」が置いていかれているなという感じがします。スポーツに興味のない家庭や、スポーツに縁がなかった家庭は、学校からのお知らせ以外で、なかなか自分から気づきというものがありません。やはり地域、家庭によって情報格差を生まないための仕組みというのは新たに別途、検討が必要で、先ほど鈴木委員がおっしゃられたように、もっときめ細かい施策が必要になってくると思います。
先ほどスポーツ庁の広報資料をいただきましたが、いまフェイスブックは、ほとんどビジネスマンが使用するものになりつつあります。一方で保護者の方々のほとんどは、インスタグラムを使っています。。そうなったときに、各媒体に載せていく広報の中身は、誰に対して何を伝えていくのか、スポーツ庁としてもっと分けてもいいかなというふうに思います。
そうすることによって、スポーツには興味ないけれども、子供の教育には興味のある親御さんたちにスポーツ庁からの発信が伝わるであるとか、地域の違いを知る機会がもてます。自分の住んでいる地域のことしか分からないとなったとき、日本全国、世界ってどうなっているんだろうということは、おそらく親御さんが一番気にしていることだと思っています。グローバルな子供に育成したいと思っても、何をどうやって育てればグローバルになるのかも分からない。そんな中、今まで学校だけが情報の頼りだったところを、地域も担っていくにあたり、地域の誰を頼ったらいいのかを示す、もっと分かりやすい細かい施策が広報でも必要になってくると思います。
私自身財団の活動でこの15年間、60万人の子供たちに、特にスポーツをしない子にアプローチをしているのですが、最近は学童の子供たちの反応がとても良く、学童を対象にすると、1回のオンラインイベントに2,000人から3,000人が参加します。そうなったときに、学童の子供たちは学童施設で参加してもらうのですがが、その情報は親御さんまでは行かないんですよね。子供がスポーツにアクセスする方法、それを親が知る方法も、これからもっと多様化していくので、そういったことも、計画にちょっとずつ盛り込んでいくべきかなと思っています。
もう1件、スポーツ産業、施策6です。少子化が進む中で、スタジアム・アリーナ単体による経済効果には限界があると思っています。見るスポーツに関して、「見ていない人にもっと見てもらう」ことによっての経済効果は確かにありますが、遅くても2030年までに15兆円を目指すのであれば、スポーツオープンイノベーションのようなもの、これが、一過性のイベントで終わるのではなく、継続性を持って社会実装していく必要があります。社会課題の解決が結果、経済成長につながるように見ていく必要があるのではと思っています。
ぜひスポーツ庁も、経済発展と、その資金が、教育やアスリート、コンプライアンスガバナンスなどに回ってくるようなアクションを施策に入れていかないと、30年までに15兆円を達成すること、これは不可能かなと思っております。
以上です。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
それでは、大日方委員、お願いします。
【大日方委員】 ありがとうございます。本当にたくさんのことが網羅されているなというように思いながら、何となく私の中で、これでいいんだろうかと見ながらずっと考えて、今日なかなか発言できなかったというところがあります。先ほど鈴木先生のほうから、スポーツができなくなることというのが近い将来あるんだよということを示したほうがいいんじゃないかという、ここは本当に大きな、我々としての問題提起というのをちゃんと4期で出したほうがいいんだろうなということ、とても賛同しました。
ちょっと問題発言になっちゃうかもしれないですけど、もう一度日本でオリンピック・パラリンピックを開催しようと、数年後にまたやりたいと思っている人たちもいるし、私もその1人ですけど、また同じことがこのまま、何となくスポーツ要らないんじゃないのとか、そんな無駄なことをということに対して、私たちはそうじゃないと。ここの人たちはみんな分かっている。でも、これをちゃんと言語化しないといけないし、説明しないといけないんだろうなと思ったときに、スポーツができなくなるということは、「する」も「見る」も、関われる環境そのものがそもそもなくなっちゃうんですよと。それでいいんですか。よくないわけですよね。よくないし、それが、例えば大会を開くことによって、新しい何か設備を造ることによって、どういうふうにその地域がつながるのか、よくなるのか、経済がどう発展するのか、それが教育にどう還元していくのかまでやはりちゃんと我々が言語化しないと、何となく分かっているんだけれども、それが部分部分になっているという、何となくばらばらな感じのものが、これが我々4期に向けてすごく構造的に考えなきゃいけないものなんだろうなと。そんなように感じて、とても重要だなと思いました。
恐らく資料1-1の2ページ目の中での重要な観点というところで、5本、柱として出していただいているんですが、それをつなげる、例えば、スポーツを支える人材をどう育てていくんだろうかとか、持続可能な社会、ここの中でどうしていくんだろうかという、縦と横の、これが縦だとするならば、横軸というところを少し考えていくと、またそういったことからヒントというか、言語化につながるのかなというように感じました。
先ほど一番最初に延與さんから、国際大会を開催することですごく盛り上がるんだよね、障害者のスポーツということも皆さんに関心を持ってもらえ続けるよねというお話があったと思うんですが、これなんかまさに本当に好事例でなければならないし、それができなければ、極端に言うと、大会開催ということについて支持は得られないんだと思います。でも、私たちは大会をやって、実際やってみると、できないことというのはたくさんあるんですね。競技運営はいっぱいできるんだけれども、そこに付随するイベント運営であるとか、広報の情報発信とか、先ほど出たようなオウンドメディアを使って出していくという、そこまで手が回らないという。そこにもう一つ何かを足すこと、つなげることでこれがうまく回っていくんだよという、そこを示してあげるということが、我々4期で求められていることなんだろうなというように感じました。
大分、女性のアスリートのこととかも実は進んでいる部分もあるんですけれども、現場に対してもまだまだ多分そういった好事例が伝わっていないことというのもあって、そういったこともつながることで、人材がつながり合うことで、こんなふうにうまくいっているよとか、例えば、女性のアスリートが子供を連れて、サポートも連れて海外に行っているというのは日本でもあるんですけれども、まだまだそういったことは多分数少ないので、これをどうやって増やしていき、それをつなげていくのか。そういうことによって、どう関わる人たちが増えていくのかというところまでを一連で見せてあげる計画というのが、我々に今求められていく観点なんだろうなというように感じました。
すみません。以上です。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
岩田委員、お願いします。
【岩田委員】 すみません。手短に。皆様からの意見を聞いていまして、今回、3期スポーツ基本計画の期間前半の進捗と課題ということで、3期の進捗と、後半に盛り込むものなのか、4期で盛り込むものなのかというのは、ちょっと整理しなきゃいけないと思って聞いていました。
この3期の前半の進捗状況と課題は全く問題ないかなと思って、私からちょっと3点だけ、手短に3点だけ言わせてください。
1つは、冒頭で友添先生がスポーツ指導者の確保が大事だとおっしゃったので、実は3期の基本計画の12の施策にほぼほぼ全て絡むのが指導者の質の向上と量の確保、これが全てだと思います。部活動の地域展開も、地域創生、まちづくりも、健康増進も、国際競技力向上も、ガバナンス改革も、インテグリティの確保も、全て人。ちょっと武田信玄じゃないけど、やっぱり人が大事じゃないかなと。これ、指導者にかかっていると思います。
公認スポーツ指導者の養成は、我々、もう60年来、NFさんですとか、県のスポーツ協会さん等と連携してやっておりますが、既得権を保持したいとかじゃなくて、我々がやっている指導者養成、JPSAさんがやっている指導者養成、それからほかの部分がやっている指導者養成というのは、どんどん連携していかなきゃいけないなと思っています。
友添先生が100万人ぐらい……。うちの会長はよく50万人って、今、実際30万人しかいないんです。50万人にしよう、友添先生の提案だと100万人にしようということを頑張っていきますが、やはりJSPO、NFだけではできない部分がありますので、今後はやはりJSCさんだとか、ハイパフォーマンスセンターさんだとか、もっと言えば大学さんと連携してきちんとやらなきゃいけないなと痛感しております。大学は、やはり大学の活性化もそうですけど、相当資源をお持ちなので、まちづくりにも貢献できて、大学とも連携、大学の生き残りもあるんで、そこをやっていかなければいけないと。
境田先生がよく言う、食べていける指導者の確立というのもきちんとやらなきゃいけないと思っています。それが1点です。
2点目は、ちょっと今回のあれには出ていないんですが、総合スポーツ大会。国体の改革というのは書いていただいていたので、ここにいる何人かの皆様にすごく御協力いただいて、全国知事会さんとも協力して、国民スポーツ大会はこれから活性化していくんですが、インターハイ、全中という、総合スポーツ大会の活性化というのはとても重要だと思います。高体連、中体連とJSPOは連携していきますが、やはりこれも共通の課題がありますので、例えば、やっぱり国スポの少年の部、それから全中、インターハイというのは、子供たちのスポーツをやる権利というのもありますので、友添先生がまとめていただいた実行会議の最終とりまとめでも、学校部活動が担ってきた教育的意義の継承と書かれておりますので、そういった意味からもインターハイ、中体連、それから国体の少年の部というのは大事だなと。それが2点目です。
3点目は、本橋委員から御指摘いただいたスポーツ少年団、これは1回目の東京オリンピックのときに、当時、日本体育協会が創設50周年ということで設立した、ドイツのスポーツユーゲントを模してつくったものです。これは、地域できちんとスポーツを活動していただこうと。部活動と対抗するわけではなくて、スポーツ少年団という地域でのクラブ、いわゆるジュニアスポーツクラブを確立していこうと。最盛期には実は100万人の団員がいて、3万5,000団ありました。小学生の10%以上が入っていただいた。
ただ、中学生になると、卒団という形で部活動に行く。これはこれでいい連携で、それが日本のスポーツ文化、ジュニアの文化を支えてきた団体です。実は今、50万人に激減していまして、クラブ数も2万5,000。ただ、これも運動部活動の受皿として、少年団と総合型クラブを連携して、新しく地域スポーツクラブというのを確立しながら、学校部活動とも連携しながらきちんとやっていこうと考えておりますので、頑張ってまいりたいと。決意表明みたいになって、すみません。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
それでは、境田委員、お願いします。
【境田委員】 本当に今日、また私もよく勉強になりましたけれども、まず、これから部活の地域展開、地方創生、ここにスポーツが大きな役割を担うときに、やっぱりDXというものが非常に、デジタルの技術とか、SNSとか、様々なAIの技術をやると。これ、僕もそんなに詳しいわけじゃないんですけど、AIの研究者って、本当にこれから社会、経済、全部の仕組みが変わるって言っているんですよね。そういう中で、スポーツもこれから大きく変わるんです。具体的にどう変わるかなんて僕は答えられませんが、間違いなく変わるんですよ。世界中がAIってどんどんと産業規模も大きくなっているし、どんどんとビジネスも成功しているわけです。これ、乗っかるべきなんですよね。
ところが、スポーツ庁がこういうDX推進、すばらしいおまとめを19ページでしていただいているんですけれども、他方、あんまりデジタル庁との連携がないんですよ。デジ庁って、庁の予算があって、いろいろなデジタル政策をやっているのに、本当はコラボして、いろいろ政策をつくり上げていったほうがいいわけですよね。あとは、政府では地域創生でものすごい予算がついているんだけれども、ここともあんまり今まで連携してこなかったんですよね。というか、十分な連携はなかったと思っていて、だから、そういうふうな国のデジタル政策とか、地域振興政策とうまく連動するというような視点がきっと必要かと思います。
と同時に、これをやるときに、実は1,700の自治体が、僕らは強制権ないんですよね、これをやれという。このとおりの政策をしなさいというような強制権がなく、お金のある自治体は好きなスポーツ政策をやるわけです。ところが、スポーツ基本計画は、これに準じたものが各1,700の自治体に落ちますよね。だから、そこで国の政策にできるだけ準拠していくようなデジタル政策の仕掛けを検討しておいたほうがいいと思うんですよ。なるほど、これに乗っかっていくと、こういうふうにうまくデジタルができるんだなみたいな、ちょっとそういうところが必要かと思います。
それと、ちょっとまた話が全然変わるんですけど、半導体に関して、Rapidusという1つの株式会社に、政府は5兆円の予算を投じると。既に1.7兆円の予算が1つの株式会社に、半導体会社に投じられているんです。これ、普通考えられない話ですよ、今までの日本社会で。でも、何でかというと、これは、ここの技術を押さえることが日本の経済成長と安全保障にとって必須だと、逆にこれがないと日本の危機なんだという危機感をすごくあおって、鈴木委員もよく御存じでしょうけど、そういうことなんです。
だから、今回まさに鈴木委員が言ったように、このままの少子化が進むと日本の危機なわけで、この危機を救うのがスポーツなんだと。そうやって、もちろん我々スポーツ族みたいな人もそうなんだけど、メディアもそうかもしれないし、ほかのスポーツに関心のない国会議員とかもきちんと巻き込んで政策提言をしていくというプロセス、こういうことも第4期に向けては必要かなと思いました。
以上です。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
では、最後に友添委員、お願いします。
【友添委員】 勝田座長には、時間のない中、御指名をいただきまして、ありがとうございます。
結構議論が盛り上がってきたと思うんですけど、鈴木先生がおっしゃったことって極めて大事なことだろうと思うんですね。それはやっぱり確認しておかなければいけないだろうと思っていて、ちょっとここ、暗くてよく見えないんですけど、参考資料2-1の、例えば2ページ目を御覧いただけたらと思うんですけど、こういう行政計画とかアクションプランというのは、実は価値のリストなんですよね。
参考資料2-1の2ページ目のところに書いていますよね。例えば、丸1、多様な主体におけるスポーツの機会創出って書いていますけど、これはスポーツによる健康的価値だったり、教育的価値を書いてあるわけなんですね。
あるいは、その次に何が書いてあるかというと、国際的価値について書いているんですね。その次に何が書いてあるのかといったら、経済的価値について書いているんですよ。
これ、久木留委員がおっしゃったように、through、もしくはbyなんですね。ofもあれば、スポーツの内在的な価値もあれば、スポーツの中での価値もあるわけです。これそのものの価値もあるわけですね。あるいはスポーツについての価値もあるんですね。これはいわゆる知的な、あるいは歴史的な、あるいはスポーツにまつわる様々な内容についての価値もある。
ところが、こういう政策論をやるときには、基本的に何が大事かといったら、throughであり、byが大事になってくるんですね。例えば、第2期はちょっと異質な計画だったと思うんですね。東京オリンピック・パラリンピックがあったから。これはちょっと付加的に第2期と違うところをやったんですね。
基本的には、継続するものと、新しく加えなければいけないこととがやっぱり実はあって、今日、鈴木委員のおっしゃった話というのは、実は新しく加えなければいけない。前回、多分、会議で私、近いことを触れたんです。少子化の問題に触れたら、軽く赤間室長にスルーされたことはよく覚えているんですけど、それは多分、室長のお立場では当たり前の話なんですね。そんな新しいものを入れられると困るという、この継続性を考えたときに、もちろんそれはあってしかるべきだろうと思うんですね。
ただ、こういった価値のリスト、例えば大塚委員おっしゃった点、非常に大事なんですね。IFになぜ役員を公的な支援までして送らなければいけないのかって言われたら、これだけ単体で読むと、分からないです。何で税金を投入してそれをやらなきゃいけないんだと。ところが、こういった価値のリストを串刺しにする本質的な価値が書かれていないから困惑するわけですよ、読み手は。例えば、本質的な価値はどこに書くのかって、初めに大体書くんです。今の議論をもう少し集約して言うと、例えば持続可能性ですよね。社会そのものの持続可能性を担保する極めて大事な価値を持っているのがスポーツだという視点を、最初にどこかに書き込んでいかなければいけないんですよね。
もう少しはっきり言うと、例えば、アメリカの研究者のパットナムなんかがはっきり言っている。社会関係資本としての、ソーシャルキャピタルとしてのスポーツの意味とか価値、これははっきり学会でも実証されているわけですね。こういったところをもう少し情熱的に「はじめに」のところで書かないと、スポーツを評論してしまうと、多分、読み手のほうはさらっと読み飛ばしてしまう。ただ、それも大事なんですけれども、今回ばかりはちょっとやらないと、やっぱりなかなか厳しい時代が来ている。先ほど大塚委員がおっしゃった、NFが中心、これは非常に大事だと思う。ただし、今の中学生のスポーツの選好を見てみると、好き好み、嗜好を見てみると、潰れるNF、消滅してくるNFが確実に出てきます。
そういう状況下も含めて、私たちはこれからのスポーツをどこへ持っていかなきゃいけないのかということを、計画の中でやっぱり「はじめに」のところで触れてはいかがかという提案を最後にして、勝田座長にお返しをしたいと思います。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
それでは、意見交換はここまでとさせていただきます。
本日委員の皆様からいただいた御意見を踏まえて、事務局で中間評価書のとりまとめをしていただきます。その取扱いについては渡邉部会長に御一任いただければと思いますが、皆さんよろしいでしょうか。
(異議なしの声あり)
ありがとうございます。それでは、調整後の評価書は皆様に共有させていただくとともに、スポーツ審議会総会に御報告させていただきます。
議事については以上となります。この後は、事務局からスケジュールについて補足をいただき、そして長官の挨拶とさせていただきたいと思います。
【赤間企画調整室長】 計画部会の今後のことに関しましては、今、鈴木委員のほうからもいろいろと御指摘いただいたところでありますけれども、次の計画をどうしていくかということに関しても大きな宿題をいただいたと思いますが、次回の計画部会、どのような形でやっていくかということに関しては、また部会長と改めて御相談の上、改めて日程を皆さんに御案内をさせていただきたいと思います。
それから、先ほど勝田部会長代理からお話がありましたとおり、いただいた御意見も踏まえつつ、この中間評価書を取りまとめさせていただきました暁には、スポーツ審議会総会のほうに御報告をさせていただくという運びにさせていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。
それでは、室伏長官、お願いいたします。
【室伏長官】 お時間いただいて、ありがとうございます。皆様方におかれましては、様々な角度から忌憚のない御意見をいただきました。3回にわたって御意見をいただきましたけれども、今後しっかりまとめていきたいと思います。
我々、事務局のほうも本当に頑張っていただいて、政策課を中心にまとめていただきまして、やっております。本当にいいものにさらになりますようにまとめていきたいと思っています。
また、毎回宣伝で申し訳ありませんけれども、スポーツ庁は何をやっているところなんだというところ、私も大変歯がゆいところがございまして、こういうことをやっているんだということをアピールするわけではないですけど、ただ、今現状こういうことをやっているというものを踏まえた上で、4期の話もできると思います。何かどこか空から降ってくるものではなくて、我々、しっかり自治体やそういったところを含めて、学校現場も含めて、実証事業をさせていただいたりしております。また、先生方からも様々な御意見をいただいていますので、そういうものを基に、ただし、結城委員がおっしゃったような、世界的な兆候であったりとか、もちろんそういったSDGs、グローバルな観点と、両方見ていく必要があるかというふうには思います。
一つ一ついろいろな意見がありましたけれども、あんまり細かく言うとあれですけれども、やはり我々はスポーツがいかに社会にお役に立っていくことができるかというところにポイントがあるかと思いました。恐らく第4期というものはそういうところになっていく。ハイパフォーマンスからライフパフォーマンス、トップアスリートや競技性のものだけではなく、そういった知見が広く国民に広がっていくということも大変重要なことで、特に少子化のことに関しては、部活動改革も友添座長が一生懸命やっていただきまして、まとめていただきましたけれども、2023年から10年間で60万人の中学生が減ということであったりとか、2040年問題では1,000万人労働人口が減ること、このことに関しては、予測じゃなくて確実に起こるのが人口の話であって、これをぜひ自治体や学校設置者の方々、教育委員会も含めて真剣に取り組まなければ駄目だということが鈴木寛先生もおっしゃったところだと思いますけれども、地域全体でまちを元気にしていこうという発想があれば、中学生だけの問題でなく、自治体含めて、これをむしろ地域創生に向けていけるものであるというふうに思いますし、ピンチをチャンスにということで、我々かなり議論させていただいてやっています、この辺りも。
その中で、単身化社会の問題ですね、最近は。あとは、孤食、一人で食べてしまう。外にはあまり出ない。皆さん御存じのとおり、コロナのときには、コロナの問題の裏で体力が落ちてしまって、二、三年の間、高齢者の方が転倒したり、階段を上るのが大変になってしまうとか、子供から大人、高齢者まで、大きな健康被害、二次被害があったわけで、こういったものもしっかり捉えて、なぜスポーツが必要なのか、しない場合はどういう問題があるのかということも分析をし、しっかり取り組んでいく必要があると考えました。
実施率のことは、延々と話が終わらないんですが、私から一言言わせていただきますと、これは参考ナンバーです。あくまでも数字であって、最終的に100%を達成したときに何が起こるのかとか、この数字に達成したときにどういう世界が待っているのかという、そちら側の議論をしない限りは、例えば、健康増進のために実施率をどうするのか、週1回じゃ足りませんねとか、人にもよりますけれども、何を背景に持つかということを考えなければ、数字を上げることを、実施率を通してモニタリングしながらどういう施策を打っていくかという、あくまでも目安であるということを忘れないでやらないと、一生懸命数字に走ってしまう傾向があって、しかもスポーツとは何かという議論になって、今まで完結した会議は一回も5年間ありませんので、我々、できればその先に、実施率が目的化するのではなくて、それによってどう世界が変わっていくかというところに立っていくことも大切かなと思っております。
この点は中村課長がプロフェッショナルですので、またまとめていただけると思いますけれども、引き続き社会にお役に立てるようなスポーツ界、そして、スポーツ界全体ももちろん盛り上がっていくことが重要かと思いますけれども、時代の変化に柔軟に対応しながら、スポーツの可能性をさらに広げていき、取り組んでまいりたいと思いますので、引き続き御指導をお願いいたします。ありがとうございます。(拍手)
【勝田部会長代理】 ありがとうございます。皆さんありがとうございました。
これにて本日の会議、終了とさせていただきます。(拍手)
── 了 ──
スポーツ庁政策課