障害者スポーツ振興ワーキンググループ(第11回)議事録

1.日時

2024年7月1日(月曜日)10時00分~12時00分

2.出席者

委員

井上委員、岩田委員、上山委員、遠藤委員、岡田委員、大日方委員、小淵委員、金山委員、河合委員、倉野委員、澤江委員、鳥居委員、藤田委員、三浦委員、水原委員、渡邊委員

文部科学省

室伏長官、茂里次長、橋場審議官、和田健康スポーツ課長、今村障害者スポーツ振興室長

3.議事録

【藤田主査】  皆さん、おはようございます。ただいまから、第11回スポーツ審議会健康スポーツ部会障害者スポーツ振興ワーキンググループを開催いたします。皆様、大変お忙しい中、また対面の方、お足元悪い中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日は、これまでの議論を踏まえ、障害者スポーツ振興ワーキンググループ最終報告書の案について議論いたします。議事運営をスムーズに行うため、委員の皆様、御協力をお願いいたします。
 今日は長官にも御出席賜っております。ありがとうございます。
【室伏スポーツ庁長官】  お世話になります。お願いいたします。
【藤田主査】  それでは、議題(1)の「障害者スポーツ振興ワーキンググループ最終報告書(案)について」へ移りたいと思います。
 この最終報告書(案)は、これまでの皆様の御意見を踏まえて、私の確認の上で事務局にたたき台を作成していただいたものです。こちらをもとに、本日、皆様に議論をしていただきたいと思っております。
 最初に、事務局より、最終報告書(案)について説明させていただきたいと思います。その後、議論に入りたいと思います。
 では、資料1について、事務局より説明をお願いします。
【今村障害者スポーツ振興室長】  それでは、資料1を御覧ください。ワーキングとしてまとめていただく御提言につきまして、僭越ながら、事務局として本日の議論のたたき台を策定いたしましたので、御説明いたします。
 まず、「はじめに」とあります導入部でございます。こちら、東京オリパラを契機として共生社会が強く意識されたこと、それを受けて、スポーツ庁においても施策が進められてきたことを記述しております。また、今年の神戸パラ陸上や来年のデフリンピック、さらにはその翌年、2026年のアジア大会と、さらに取組を加速していくべき時期にあるということを記載いたしました。
 こうした背景を踏まえまして、3ページの中ほどでございますが、このワーキンググループでは3つの論点について議論をしてまいりました。このうち、障害者スポーツセンターにつきましては、期待される機能などを4点に整理するといった方向性を既に示されたところでございますので、今回はスポーツを支える人材と障害者スポーツ団体の機能強化の2点について提言する旨、述べております。
 続いて、この資料の下のほうでございます。2として、現状と課題を記載しております。
 まず、その1つ目、(1)人材の在り方についてですが、スポーツ実施率の向上などの目的のためには、地域のスポーツ環境の充実が重要であるといたしまして、続いて4ページを御覧ください。地域のスポーツ環境の充実を進める上で、指導の担い手が質的にも量的にも課題であるということを記載しました。例えばJPSAのパラスポーツ指導員に着目いたしますと、数は横ばいとなっておりますし、また講習会に時間を要しており、特に中級や上級で制約が見られることを記載いたしました。
 続いて、その下の「また」で始まる段落を御覧ください。ここではパラスポーツ指導員に限らず、広く一般を対象にする指導者等にも基本的な知識を有することが望まれること、続いてその次の段落で、ボランティアや福祉関係との連携が必要であること、資格の情報提供・周知の課題について述べております。
 続きまして、同じ4ページの中ほど(2)でございます。団体に関する現状と課題でございます。
 障害者スポーツ団体の多くが、財務的にも人員体制的にも小規模であることが制約となっております。このため、スポーツ庁においても、団体が中長期的なビジョンを策定した上で団体間の連携等に取り組む場合には支援を行う、そういう事業を展開していることを述べました。
 また、民間企業との連携に当たりましては、企業に支えられるという一方的な関係ではなく、社会課題を解決するパートナーともいうべき事例も見られつつあるといたしまして、その一方で、これらを進めるに当たり人材が不足していまして、単に財政的な支援だけでは課題は解消できないと記載いたしました。
 続いて、4ページの下のほうでございます。3、今後の施策の方向性(提言)となります。
 まず、(1)人材についてです。人材についての提言としては、5ページを御覧ください。ここではまず4点、この4点はいずれも3月のこのワーキンググループで議論いたした内容でございます。センター機能も活用し、障害者スポーツの指導者と学校や社会福祉施設のマッチングが必要、それからボランティアの支援、3つ目としてパラスポーツ指導員の養成校、その卒業後の好事例、そして4点目としてセンターにおけるコーディネーターについて挙げております。
 加えて、次の白丸を御覧ください。指導者等の研修の機会、この充実として、まずパラスポーツ指導員の講習のオンライン化を挙げました。続いて、センター職員向けの研修等の充実を掲げております。最後に、この箇所はこれまでの議論を踏まえて新たに文章化いたしましたが、障害者スポーツを専門とはしない方々にも基本的な知識を得てほしいという課題意識を現状と課題のところで述べておりますので、それを受ける施策として、教員やJSPOスポーツ指導者向けの取組を記載しております。
 続いて、(2)障害者スポーツ競技団体の基盤強化に向けた提言です。
 まず、他団体との連携につきまして、こちらは統合ありきではなく、様々な形があり得ること。まずは協議会を統合していくことから始まって、その結果、団体間の統合につながった例もあるといったことに言及をしまして、今後、好事例を横展開すべきではないかということと、それだけではなく、うまくいかない阻害要因についても分析すべきというふうにいたしました。
 その下、民間企業との連携のところでは、スポーツ団体側の強みや企業にとってのメリットを分析し、企業とスポーツ団体が共に進める取組を促す仕組みづくりについて言及しております。
 その下、障害者スポーツ競技団体の基盤強化という見出しにしておりますが、ここの箇所にはほかの団体や企業との連携や団体としての中長期の戦略の重要性、これは現状と課題で言及いたしました。これらの策定、取組の前提となる人材確保策として、企業からの出向を促進させる取組を検討することを求めるという記載にいたしました。
 最後に6ページを御覧ください。4、スポーツの振興体制といたしまして、スポーツを通じた共生社会を目指す以上、それを進める当事者たる行政やスポーツ統括団体の体制はどうあるべきか、この問題意識を記載する箇所を設けました。
 最初の段落では、スポーツ基本計画を振り返りまして、共生社会を目指していることを改めて確認いたしました。その上で、スポーツ振興の当事者である国、地方公共団体、それからスポーツ振興団体もそれにふさわしい体制が望まれるのではないか、少子高齢化が進む中でこういった取組はますます重要であるのではないかという課題認識を述べております。
 その上で、「国においては」から始まる段落におきまして、それぞれ国、地方公共団体、スポーツ団体関係の記載をしております。
 国に関しては、この6行ほどで、厚労省から文科省に障害者スポーツが移管されまして、一元的に施策が進められていることを述べております。
 続いて、地方公共団体については、特に都道府県に着目して記載をいたしました。この10年余りで一元化されている都道府県が、平成24年が2だったものが、直近だと23と大きく増加していることに触れております。ただ、地方公共団体、地方自治でございますので、あくまでもそれぞれの地方公共団体で判断されるべきことではございますが、その判断材料を国としては示すべきではないかということを記載いたしました。
 最後にスポーツ団体に係る記述でございますが、ここではオリパラの統合について、一部そのような動きが見られるものの、まだ数は少ないということを記載いたしました。一方で国外に目を向けますと、11のIFで統合が進んでおりますし、4か国ではNOCとNPCの統合が進んでいるということに触れております。
 なお、この統合の団体数については、ごく最近も様々な動きがあるようでございますが、この報告書におきましては数字の確認が確実に取れた令和4年時点の調査結果の数字を用いております。
 このような諸外国の例も参考に、我が国のスポーツ振興の体制の在り方も検討が進められるべきではないかという記載といたしたところです。
 説明は以上でございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 それでは、意見交換へと移らせていただきます。最終報告書(案)について御意見、御質問等ございましたら、挙手をしていただいて、オンラインの方もリアクションしていただいて、御意見いただければと思いますが、どなたか最初、いかがでしょうか。いらっしゃらないようでしたら、僭越ですが、私のほうから御指名をさせていただきたいと思います。
 では、上山委員、いかがでしょうか。
【上山委員】  東京都の上山です。事務局さんまとめていただいてありがとうございます。一番最初ということでまとまってなかったら申し訳ないんですけれども、3点ほど、事務局さんまとめていただいてありがとうございます。このまとめ資料につきまして、東京都の立場でいろいろ事業もやっておりますので、ちょっと感想、意見を述べさせていただきます。
 5ページ目の人材のところなんですけれども、スポーツコーディネーターについてのモデル事例の収集、人材育成というところで、これ今回の非常に重要な提言かなと思っております。都も指導者の不足、ボランティアの不足に関して、数を増やすための仕組みづくりですとか、不安を抱えている方が資格を持っても活動していないということに関して、活動活性化のための仕組みづくりというのは続けてきたところなんですけれども、現状と課題のところにも記載ございますとおり、今後、より必要なのは質のところで、多様な立場の人をつなぐキーマンとなる人材、個人だけでなく、団体・組織も含めて、そういう人たちをそれぞれの地域で発掘、また育成していくことが重要かなと思っております。
 これまでのワーキングでも、これは一体誰なのかという御質問もあったかと思います。理想的には障害やスポーツ、地域支援、多彩な知識を持った人がそれぞれをつなぐというスキルを持っている方が理想的だと思うんですけれども、現実にはなかなかいらっしゃらないし、どういう人なのかというイメージが持ちづらいというのが現状かなと思います。
 東京都で試行錯誤しているのが、都内の62区市町村で福祉、医療、教育、スポーツそれぞれの分野間のキーマンを連携させて事業を企画するといった場合に、インセンティブとして、そこで企画された事業の補助率を上げるという事業をやっているんですけども、今、旗振りしているのは自治体す。スポーツ、福祉、教育、様々な団体というか、ネットワークを持っているのが自治体なので、旗振りは自治体がやっているんですけども、協議会を重ねる中で地域のキーマンがだんだん育ってきたりということを期待していますので、いずれは行政がいなくても地域にキーマンが生まれて、それぞれをつないでいくというのが理想的かなと思います。
 なので、これまでの議論をあまり把握していなかったら恐縮なんですけれども、ここに障害者スポーツセンターを中心に活動するというふうに書いてありますが、私どもも東京都障害者スポーツ協会さんと一緒に足並みをそろえてやっているので、センターの職員は当然なんですけれども、地域地域によって、センターだけではなくて、地域の企業だったり、自治体だったり、個人ではなく組織・団体だったりする場合もあるのかなとも思うので、「センターを中心に活動する」に「など」を入れるとか、この辺、もう少しコーディネーターの想定を幅広く取ってもいいのではないかなと思います。
 もう1点、障害者スポーツ競技団体の基盤強化についても、同じような文脈で、民間企業との連携に関してなんですが、NFさんが大きな企業に支援してもらったりとか、スポンサーを獲得したりとかいうところはイメージしやすいんですけども、私ども自治体だと、PFが支援対象というか、一緒にやっている団体なので、競技団体もいろいろ資源を求めています。例えば人材不足ということに関して、地元の企業さんだけじゃなくて、スポーツ推進委員だったり、パラスポーツ指導員だったり、地元のスポーツクラブだったり、また参加者に関しては特別支援学級の方々を集めるとか、地域の資源をつなぐ、どなたかキーマンがいて、基盤強化につながればいいなと思っていますので、民間企業との連携以外に、自治体レベルですと、様々な団体をネットワーク化して、基盤強化をするというイメージもあるのかなとは思います。
 あと、すみません、最後に、6ページに障害者スポーツを所管する都道府県のお話が書いてありまして、東京都はここに書いてございます平成24年度に2都県であったもののうちの一つで、22年度の夏に福祉からスポーツに移管しました。成果と課題を整理し示すというふうに書いてくださっているので、一言だけ申し上げると、成果に関しては、競技力向上と一般の方への普及というのが格段に進んで、本当に一元化してよかったなと思っています。
 一方で課題なんですけれども、福祉からスポーツに移したことで、障害者団体ですとか福祉領域と、行政なので縦割りなところもあって、接点がなくなってしまっていまして、日々感じているのが当事者の声をいかに事業に反映させるか、そこが職員一同、とても苦労しております。広報周知先として、福祉部署からリストをもらうことはできるんですけれども、ふだんから顔の見える関係でいろいろな事柄を調整していないと、障害者の団体の方、また組織に属さない障害のある方もいっぱいいらっしゃると思うんですけども、その方たちの声を聞かずして事業を企画するというのはいかがなものかというふうに日々思っていまして、いかに接点をつくるのかというのが課題かなと思っております。
 すみません、長くなりましたが、以上です。
【藤田主査】  貴重な御意見をありがとうございました。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。東京都さんは東京オリパラを通じて最も進んでいる自治体、当然だと思いますし、本当すばらしいと思います。
 私も健康スポーツ課でやっておりますけども、様々なプログラムをやろうとすると、健康福祉課とスポーツの自治体の問題というのは、障害者スポーツ以外のところでも出てきてしまうところがあります。ただし、こういったうまくいく事例として、北海道の東川町などでやっているライフパフォーマンス、我々ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスということで、一般の方に落としていくような取組をやっていこうと。これは恐らくパラもそうだと思うんですよね。ハイパフォーマンスでやられた知見が福祉や一般の学校単位とかに落ちていくということで、これをどううまく取り上げてやっていくかということだと思いますが、首長さんだったり、トップの方が率先してこの取組意識を改革することと、そしてそこにスポーツ課と福祉課も人事がよく異動していたりとか、人事交流があったりとか、ずっとそこでやってしまっているというケースもありますので、こういう人事交流が行われていったりすると、より進んでいくのではないかなと思います。
 いずれにせよ、今日は障害者スポーツのまさにハイパフォーマンスの知見からどう東京大会を乗り越えて、そしてこれだけ立派なすばらしいパラアスリートが出てきて、それがシステム化していく。さらに、これは福祉のほうにも、当然、健康増進とか障害者にインパクトを与えていくと思いますので、そういった観点で、抜け目がないような形で、最後、調整して記載していく必要があるかと思いましたけど、今、同じ考えがありましたので、ちょっと述べさせていただきました。
【藤田主査】  ありがとうございました。事業の中でコーディネーターが育っていくというところ、非常に貴重かなと思いました。
 コーディネーターの制度を独自でつくられた笹川スポーツ財団、小淵委員、いかがでしょうか。
【小淵委員】  笹川スポーツ財団の小淵です。僕のほうからも幾つかコメントさせていただければと思います。先ほど藤田座長からも出ていましたコーディネーターのところも触れられればと思っております。
 まず、素案の作成に関しましてはありがとうございました。非常によくまとめられているかなというのが、まず第一印象としてありました。
 その上で幾つか気になった点を述べさせていただければと思っておりまして、5ページ目の2の(1)の最初の段落の3ポツ目と4ポツ目のところで、3ポツの指導員養成認定校を卒業した後に事例集の作成をするというところと、もう1個下は障害者スポーツコーディネーターのモデル事例の収集をするというところなんですけども、提言となったときに、モデル事例の収集が提言というよりは、それらを踏まえてどうしていくかってところまで踏み込めると本当はいいのかなと思っております。
 障害者スポーツコーディネーターに関しては、我々笹川スポーツ財団は2018年度から3年間かけて、同様な役割機能を大分県で実践検証をしており、ある程度こういった役割というのを踏まえて、地域のそれぞれの団体・組織をつないでいきましょうというのはまとめたかなと認識しておりますし、現在も日本パラスポーツ協会さんのほうで同様な取組はされているところがありますので、それらを踏まえて、実際ほかの都道府県にどう展開していくのかというところまで踏み込めるといいのかなと思って聞いていました。作成からさらにもう一歩というところが触れられるとよいかなと思ったところです。
 その次の段落の2(1)ですか、日本パラスポーツ協会の指導員を増やしていくために、座学講習等のオンデマンド化というところですが、これは細かい文言ですけど、オンデマンドだと望んだときに自分が聞けるというところになって、もちろん大切なんですけども、恐らく講師に質問したい場合は、オンラインというか、ライブ的なものもあってもいいのかなというところで、その辺の可能性も触れられてもいいのかなと思ったところです。
 最後、先ほどの上山委員と同様のところになってくるんですけども、6ページの都道府県の障害者スポーツ所管の一元化というところで、現状、一元化が進んでいるところもあるんですけれども、先ほど長官もおっしゃられたとおり、一元化が全てではないと。一元化すれば障害者スポーツは進んでいるのといえば、多分そんなこともなくて、当然ほかの所管部署との連携が大切になってくる。今回、ボランティア等の福祉施設とのマッチングというところも触れられています。つまり、スポーツ振興部局だけじゃ対応できないマッチング等に関しては、当然、一元化で済む話じゃなくて、それぞれの関連する関係部署との連携というのが必要になってくるかと思いますので、一元化するのは当然大切ではあるんですけども、引き続き一元化した後もほかの部署とのつながりを持ちながら、マッチングの機会の創出というところにつなげていくべきなのかなと思って聞いていたところになります。
 以上でございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 ほかに、次、どなたかいらっしゃいますか。オンラインの方、大丈夫でしょうかね。
 では、人材というところで、岩田委員、たしか日本郵政からの援助もあって、障害者スポーツに関するものも含めたオンデマンドの教材などをつくっていらっしゃったかと思うんですが、その辺を含めて何か御意見頂戴できればと思います。
【岩田委員】  日本スポーツ協会の岩田です。お世話になっています。
 このまとめ、最終報告書の全体案については全く異論はございません。ただ、2か所だけちょっと意見を。4ページの上から10行目です。「また、障害のある者がスポーツに接し支援を受ける場面においては…」というところです。今日、JPCの河合さん、JPSAの石田局長がいらっしゃる前で僭越ですが、パラスポーツ指導員が障害者スポーツを専門とする指導者というわけなんですが、要は餅は餅屋で、このパラスポーツ指導員を増やしていくことが最重要課題ということが別の段落でも書かれてます。この3行の書かれ方っていいますか、書き方が、「限られるわけではなく」、その後の「広く一般を対象とする指導者」というのは、実は我々JSPO、NFと一緒に資格認定をしている公認スポーツ指導者のことに触れていらっしゃるというふうに捉えられるんですが、こういった我々のJSPOの公認スポーツ指導者も今25万人ですが、現状では運動部活動連携等始まっており、25万人では全く足りていない状況です。パラスポーツ指導員も足りてない。ですから、増やすことには全く異論はありません。
 ただ、今、公認スポーツ指導者のほうも、基本的な部分に関しては人間力とか、ただ陸上の指導者なら、陸上を知っているというだけでは駄目だというところで、日本陸連さんとも人間力とか、基礎的な部分ではインテグリティー、それから女性スポーツ特有の問題、ジュニアの発育・発達に即した課題、そういったところも学ぶ中で、その一環として障害者スポーツの専門的部分も身につけておくということは、まさにここに書いてあるとおり、望ましいということはこのとおりだと思っています。ただ、「限られるわけではなく」という日本語は、例えば「とどまらず」とという言い方のほうがよいと考えます。パラスポーツ指導員以外の方もちゃんと勉強しなさいという意図が何となく伝わらない、パラスポーツ指導員以外を対応させればというふうに読めてしまう、私だけでしょうか、ちょっとそういうところが気になった。
 それに関連して5ページ目の真ん中のところなんですが、2(1)の現状と課題を踏まえというところの丸ポツの3つ目でございますが、「各教育委員会における教員研修や」と並列で書かれているJSPOの指導者向けの各種会議となっておりますので、これ日本語のところでございますので、JSPOの指導者資格も取るときは「養成講習会」、取った後の義務研修は「研修会」、取った後、資格者が集まって指導者協議会などを「会議体」というふうに分けているので、「各種会議」で問題ないのですが、教員研修と並列で書くなら「研修会」というふうに書かれたほうがいいのかな。もしくは、「会議体」ですとか情報誌などでの障害者スポーツの専門的な部分の情報共有の充実というのも少し触れたほうがいいのかなと感じた次第です。
 ただ、もう案でつくられていますので、この2つの文章のところはこのままでも全く問題ないかなと。玉虫色の意見ですみません。そういったところです。
 先ほど座長がおっしゃったように、我々は今、日本郵政さんとも連携しながら、部活動連携に向けた指導者の質の担保と量を増やすということを頑張っておるところでございますので、この辺、JPSAさんとも相談しながら、きちっと最終報告の目標に向けた課題解決に頑張っていきたいと思っています。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 ほかの委員の方、いかがでしょうか。河合委員。
【河合委員】  ありがとうございます。まず、取りまとめ、本当にありがとうございました。
 私からは2点ございまして、1点は人材のところでございます。ページ数とかでも全体的な感想にもなるんですけれども、何度かこの会議でもお話しさせていただいたように、人材育成はもちろん、JSPOさんや我々JPSAがやっていく部分や競技団体等もありつつも、学校現場のことを考えていったときに、先ほど教育委員会で研修の場のことも触れておりますが、改めて国立大学の教育学部の教員養成の中でそういった人材を育てていく環境をどうするのか。大学の自治があります。先ほども地方自治体はそういったところを踏まえた記載とは言いながらも、我々の考えや思いは示していくべきではないか。
 教育や研究の知の拠点となっている大学で、各都道府県ごとにそういった方がまさにキーパーソンとしていることによっても、これからの発展が、またパラスポーツセンター、障害者スポーツセンターの活躍する人材であったり、そういった学校現場で困ったときのものにつながっていく大きなメッセージかなとも思いますので、大学、教育、研究、ここのキーワードに基づいた中での記載というのを検討いただきたいというのが1点目です。
 2点目ですけれども、大会等の統合等もとても効果的であるということで記載をいただいていたと思います。競技団体や統括団体等のこういった統合が、組織間の、あるいは人材のというだけではなくて、大会も一緒に開催することを通じて、開催に関わった人々や参加した選手たちがどんどんこういった垣根が小さくなっていったり、減少していくということがあった上で、数年かかって、より一体的な活動につながっているということかなと思っております。
 有名なのは、テニスの4大大会とかもそうだと思うんですけれども、こういったところを考えたときに、我が国のいろいろな大会等がどうなっているのかということで、ちょうど先日は、昨日までやっていました陸上の日本選手権のユニバーサルリレーを開催したということもありましたが、今まさに中体連の全中改革などのお話がある中で、なぜインクルーシブな障害のある子供たちも目指す大会として全国規模なものが、こういったところで議論されてこなかったのかとか、そういった視点も含めて、より誰もが目指せるものを国として支援していくことを通じて、まさにそういうメッセージを発信していくことが必要ではないかと考えておりますということをお伝えしておきます。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 次、どなたか。目が遭ったところで、大日方委員、お願いします。
【大日方委員】  取りまとめ、ありがとうございます。本当に深くある中で取りまとめをしっかりしていただいたこと、感謝申し上げたいと思います。
 私のほうから6ページのスポーツの振興体制のところについて、こちらを加えていただいたことは方向性を示す上で重要なことだと考えていて、とてもよいなと思いました。この上で、ここを何とかもうちょっと一歩、二歩進めていくための体制の中に入れられること、要素はないかなということを考えています。
 特に2つ目のパラグラフのところ、非常に少子高齢化が進む中で、こういった一体的な取組というのはますます重要になってくるという話をしていただいておりますけれども、ここを受けてというところで、国において、そして都道府県でこのようなことをやってきているという、特に国の分野で大きく厚労省から文科省に移管されたというところがとても大きな変化であり、この一元的な取組というところを進めていくものなんですけれども、もっともっとこれが大切なものであるということをしっかりとここで書き込めないかなと感じています。
 先ほど長官からお話もあったように、ハイパフォーマンスの分野ですごく大きな成果を上げてきた部分、これはナショナルトレーニングセンターやJISSでの選手たちが一緒に練習をしている姿を見ると、この方向性というのが非常に大きな成果をどちらに対してでも、スポーツの振興全般に重要なものであったということが分かると思います。また、東京大会でオリパラ一体の大会ということで実施されたことによって、パラスポーツが一般の方々に対して非常に大きく普及したという、これは大きな成果だったと思います。
 さりながら、一方、東京都のほうで課題というところがあったように、今後、声が聞きにくくなったとか聞き取りにくい、あるいは一般の方々のライフパフォーマンスの分野にはこういったところをもっと一体的に進めていくことで、スポーツそのものを推進する上でこういった取組というのはもはや必然なのであるという、ここを強く伝えることによって、大きく振興体制が進むのではないかなと感じました。
 ここは私はまだ具体的なものまで落ち切ってないんですが、国のこういった取組の成果と課題、今後の進める方向については必然であるということをこの中に取り入れていただけること、ぜひライフパフォーマンスの部分でもというところを取り入れていただけるとありがたいなと思いました。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 では、長官、お願いします。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。ぜひ室長、お願いします。
 スポーツ庁全体としてもハイからライフ、スポーツ庁の存在意義もハイパフォーマンスの知見をライフパフォーマンスや学校体育や、今、地域移行するところも、JSPOさん来ていただいていますが、大きな観点から見てということも大切で、私も講演でいつも話しています。スポーツというのは、医学では安定性とか恒常性を求めている。体育は発育・発達で適切な刺激を与えなければ子供を成長させていくことはできないということだったり、スポーツはまさにパラですよね。能力開拓。安定性を求めていたら、むしろ崩すことに喜びを感じていると。ちょっと福祉とは違うところもあるかもしれませんけども、河合さんみたいに目が見えない方に水泳をさせるというのは福祉の観点だけでは難しいと思いますし、足が片側なくても、それが歩くように努力して、そして健常者よりも跳んでしまうみたいな、幅跳びで。
 こういうところに本当のスポーツのすばらしさをパラの選手たちは教えていただいているので、それが少しでも前に踏み出そうとか、福祉のところですね、自分の生活の中にスポーツを取り入れて、こういったパラの選手を見ていて、自分もやってみようと思うようなところに貢献ができるのであって、じゃなければメディスンですよね、医学のほうの貢献もあるわけで、そこはちゃんとすみ分けというか、コラボレーションをちゃんとやっていく必要があるので、本当にハイからライフという考えは大切だというふうに私も講演でいつも話させていただいて、本当にパラの選手と現役のときから御一緒させていただいて、感じているところです。ありがとうございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 では、オンラインで御参加の委員の皆さんにもお伺いしたいと思うんですが、最初、では金山委員、その次、岡田委員に御意見をいただきたいと思いますが、金山委員、いかがでしょうか。
【金山委員】  
おはようございます。まとめていただきましてありがとうございます。
 大体の大枠の流れについては異論ありません。ただ、先ほど河合委員が少しお伝えいただきましたように、教員養成もそうなんですけれども、学校のことにもうちょっと触れてもいいんじゃないかなという印象を持っています。と申しますのは、首都圏でパラリンピック東京大会が開催されたこともあって、中央のほうでは結構活性化されていると思います。ここに来て、私の在住しております関西のほうでは首都圏と差が開いたような気がしないでもないんです。
 といいますのは、地方の車椅子マラソン大会でありますとか、障害のある人のスポーツ大会の参加者が減っているなど、障がいのある人がスポーツに参加できる機会が少し減ってきたことがあります。減少傾向にある状況を踏まえて、学校教育や特別支援学校の運動部活動の状況などを地域と一緒に考えていく機会あれば、もう少し地域差が埋まってくるのではないかと考えた次第です。
 都道府県の障害者スポーツの管轄部局について、6ページのほうに記載されておられるように、平成24年度には2都県であったものが令和6年度には23都道県になったということで、一元化されているというふうに書かれているんですけども、福祉的な車両などが借りられなくなったというデメリットも聞いておりますので、地方における一元化のメリットとデメリットを整理する必要があろうかと思います。また全国障害者スポーツ大会の予選会に出場する選手が減っているということも踏まえて、学校に注目することにより、障害者のスポーツの機会が均等に拡大するのではないかと考えた次第です。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 では、岡田委員、お願いします。
【岡田委員】  スポーツ庁の皆さん、資料をまとめていただきありがとうございます。私も大まかな記載については特に異論等はないんですけども、ちょっと気になったところといいますか、簡単な意見を2点ほど述べさせていただきたいと思います。
 5ページ目の民間企業との連携のところなんですけども、民間企業と連携して、民間企業にとってのメリットの分析を行ったりというところがあったんですけども、私もパラスポーツの支援を行っている企業さんにお話を聞いているときに、東京パラリンピックの開催があったから支援を行ったという企業さんが多くて、そういった事例ですと再現性がないといいますか、東京パラリンピックがなくても継続的にパラスポーツの競技団体やクラブチームと連携して支援を行っている、それで地域の課題を解決しているという事例が多く集まってくると、再現性をもって今後、継続的に、東京オリパラの開催の有無に関係なく、どうやって民間企業とパラスポーツの団体が連携して課題を解決していくのかというデータといいますか、成果が見えてくると思いますので、そういったところに着目して民間企業さんとの連携のケースというものを集めていくことが必要なのかなとちょっと考えました。
 もう1点なんですけども、中央競技団体の統合のケースを国外にもちょっと目を向けて事例を見ていくことが必要なのかなということが、6ページ、7ページに記載されているかと思うんですけども、もちろんNF間のオリパラ競技団体の連携という事例もあるかと思うんですけども、競技によってはちょっと難しい競技もあるのかなと思っていて、ほかの海外の競技団体の統合の事例でいうと、オリ競技とパラ競技だけではなくて、例えば車椅子スポーツは車椅子スポーツ競技で統合して情報を共有したり、リソースを共有しているというケースもありますし、例えば車椅子スポーツは車椅子スポーツで、デフスポーツはデフスポーツ、ブラインドスポーツであればブラインドスポーツで連携して、例えば車椅子スポーツ連盟みたいな形で統合して、お互いの事業の連携などを情報共有して、そういった様々な統合の形があるかなと思いますので、そういったオリパラ間以外の連携の事例にも目を向けていただくと、我が国における統合の在り方という検討材料がより増えていくのかなと考えました。
 私からは以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 金山委員から学校に関する意見が出されましたが、三浦委員、その次、井上委員に御意見をいただきたいと思うんですが、三浦委員。
【三浦委員】  全国特別支援学校長会の三浦でございます。日頃より大変お世話になっております。今回、最終報告書の取りまとめにつきまして感謝申し上げます。ありがとうございました。
 先日、本校の卒業生の保護者の方とお話をする機会がありました。そのお話の中で、特別支援学校卒業後、スポーツに関わる機会が少なくなる、また活動する場が限られているという話を伺いました。
 そのような話のある中で、今回、今後の施策の方向性についてということで、2点大きく御提言をいただいております。障害者スポーツを支える人材の在り方について、障害者スポーツ競技団体の基盤強化についてにつきまして、この提言に即して、障害のある方、特別支援学校の卒業生も、より身近な地域で安全安心にスポーツに参加できる機会が増えることを期待しております。また、スポーツを通した共生社会の実現というキーワードもございました。ぜひこちらも実現できるようにお願いしたいと思います。
 もう一つ、5ページに障害者スポーツコーディネーターというキーワードがあるんですけども、こちらの方の役割にぜひ障害のある方のスポーツ参加に関する相談機能も加えていただきたいと思います。例えば障害の対応でございます。こういう障害があって、こういうところに住んでいるんですけど、どういう私に合ったスポーツがあるんでしょうかみたいな具体的な個に応じた相談機能を有していただけると、非常にスポーツに参加しやすくなると考えております。
 私からは以上です。いろいろありがとうございました。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 続いて、井上委員、お願いできるでしょうか。
【井上委員】  東京都練馬区の中学校の校長をしております井上と申します。よろしくお願いいたします。
 学校の話、出ておりましたけれども、この報告書の中だと、各教育委員会における教員研修という言葉がありまして、私、実は現職の前の前職が東京都教職員研修センターという、東京都の公立学校の教員研修を所管している事業所の課長をしておりまして、いわゆる特別支援教育の研修も所管の中の一つで、東京都の教員が特別支援教育に対してどういう研修を行ったらいいのかという検討をする部署だったものですから、そういうところでも。障害者スポーツの研修というのは、正直言うと数は少ない現状がありますので、そういった中で東京都の教員研修の所管とそういう話をしながら、教員研修を充実させていくということは、子供たちにとってもすばらしいことだと思いますし、教員自身がよく中学校や高校の部活動の話も働き方改革の話とリンクさせて、教員と別にして仕事の内容としてやっていこうという流れも一つあるんですけれども、ただ学校の教員というのはそういう意味ではスポーツの指導者としては優秀な教員もたくさんおりますし、そういう人材を活用していくということがすごく大事だと思うんです。
 ですから、障害者スポーツにおいても、そういう教員研修を通して子供たちに有効な指導をしていくということももちろんですけれども、自分が障害者スポーツの指導者になりたいと思うような研修を構築して、そういう教員が様々な団体さんのほうでスポーツの指導者として活躍していくような道筋をつくることがすごく大事なのかなと今お話を伺っていて思いましたので、言葉としてどこに何を入れろということではないんですけれども、教員研修って一くくりにしてしまうと、何となく子供たちに対してどういう指導をするかということがメインの研修に、イメージとしてはなってしまうんですけど、教員自身が自分のライフスタイルとして障害者スポーツに携わるというような、目が開けるような教員に対する研修というのも充実させていくと、人材不足というのは随分解消していく面もあるんじゃないかなとお話を伺っていて思いました。本当にどうもありがとうございました。
 私からは以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 澤江委員、今の研修等含めて、御意見頂戴できますか。
【澤江委員】  ありがとうございます。澤江です。今、研修の話がありました。僕のほうからは、今回の提言のところで3つほどお伝えさせていただけたらと思っているところです。
 まずは取りまとめ、ありがとうございました。これまでの2020オリパラの後のネーミングとしての必要性、共生社会という言葉をしっかりと銘打った、そしてそれをどうやって実現していくのかというところで、障害者スポーツというものをその中に位置づけたというところでは、とてもいい提言なのではないかなと思って聞かせていただきました。
 その中で、共生社会という言葉は、地域というところがしっかりと根づいてなければならないと思っているところでもあります。その点でこれまでの障害者スポーツ振興の中で、もちろん当然、地域というのは意識はしてあったと思うんですけど、なかなかそこがうまく機能していなかった。じゃ、地域をつなげていくためにどうしていくかというところで一つ大きく今回出てきたのが、いわゆる障害者スポーツコーディネーターというところだと思っています。そのコーディネーターのために、今回であれば、どこで、誰がというところは事例として今回収集していくということで、文章の中にも出てきております。そして、どのようにということで、人材育成というところで出てきている。これは、どのようにというところがまさに重要な部分だと思っている部分です。
 その中で、上の文章のところで出てきて、どこでというところでは障害者スポーツセンターという話がありました。ここはすごく重要なポイントだと思いますし、ここを中心にというのはあります。だけれども、その一方で、先ほど上山委員からもあったように障害者スポーツセンターに閉じないというところをすることによって、より広い範囲の中でいろいろな地域とのつながりというか、コーディネートというのを考えていければいいというふうにも思っています。
 それからもう1点なんですが、ここで言う様々な機関とのハブという言葉があります。これは極めて重要な言葉だと思っています。ただ一方で、ハブという部分というのはいわゆる機関、あるところに行っていろんなところの機関とつながるという意味ではあるんですけれども、そのときに一番重要なのは、先ほどもいろんなところでも出てきましたけども、地域の特性によっても違いますし、それから自治体の組織によっても違います。そういう意味では地域特性、自治体の特性などに応じたというところというのもまた必要で、そうした部分を踏まえたコーディネートというのが必要。つまり、ハブという形の機能というのも当然必要なんですけど、さらにそこにそうした特性に応じたという部分というのもすごく重要じゃないかなと思っていますので、そうした部分が含まれていくようなことが文面の中に少し入っていけるといいのかなと思います。
 それはまさに一番最後の4番のスポーツの振興体制のところにもありましたけれども、先ほども議論がずっとありましたが、一元化ありきということではなくて、その中に、どうしてもスポーツというところに閉じてしまうというのも当然当たり前のことなんですけれども、スポーツを振興するためには、障害のある人たちがどのような生活をしていて、どのような形でスポーツに関わっていくのかというところ、つまりもう少し具体的なところでいうと、まちづくりという視点も含めた提言が必要になってくるのではないかと思います。
 これは逆の言い方をすると、障害者スポーツというのが社会の中で当然守られていき、そして育てていくだけではなくて、障害者スポーツを通してまちをつくっていく。そういう意味でもそうした取組をすることによって、むしろいろいろなインフラをつくっていける、そんなきっかけをつくれるんじゃないかというふうにも思っています。
 ぜひそうした視点も含めた形で、いろいろな自治体、または地域の特性に応じた取組というものを入れた施策が必要になってくる。そして、その上で研修会ということを、先ほどありましたように、我々のほうでも障害者スポーツを振興するといったときに必要な方法として、アダプテッドという考え方があります。その人理解、その場理解、そしてそれを含めた上でいろいろな工夫をしていくという、そうした研修会もスポーツ庁のほうからも取り組ませていただいておりますので、そうした研修会というのもより発展的に進めていければと思っていますので、そちらのほうともうまく連携を取れればいいかなと思っているところです。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 鳥居委員、よろしいですか。御意見伺って。
【鳥居委員】  ありがとうございます。全体の報告書のまとめに御尽力いただきましてありがとうございます。私のほうから、ほかの委員の方からも出たので少し重複してしまいますけれども、感想も含めて発言させていただきます。
 先ほど河合委員からも出ましたが、大学教育なんかも含めた教育の部分というのは大事かなと思っております。また、教員教育だけじゃなくて、障害者のいる立場、医療現場とか福祉現場とスポーツの現場をつないでいくという点で考えていくと、私の学校もそうですが、理学療法士や作業療法士、それから場合によっては保健師さんなんかも地域ですごく活動していますので、そういった方々に障害者スポーツをもっと理解してもらってというか、知ってもらってやっていくという内容のことも少し入れてもいいのかなと思いながら、たまたま昨日、愛知県の理学療法士会の研修会がございまして、障害者スポーツに関することについてちょっと話合いをしたんですが、実際に医学療法士の研修会であっても、競技用の車椅子に触ったことのある人なんか数人しかいないというのが現状でして、そういった点では医療の人たちは医療の中で、医療してなければ福祉の中でどうしても出てこられない部分があって、うまく橋渡し的な役割をするような立場の人間の養成というのはすごく大事かなと思っております。
 そういった中で、教員教育とか医療者教育の中で障害者スポーツに関わるような内容をもっと盛り込んでいくとか、指導員認定校も全ての学校にあるわけじゃなくて、PT・OTの学校なんかは認定校を促進させるとかということもすごく大事なのかなと思いながら聞いておりました。
 それから、障害者スポーツ指導者の人材育成という点では、先ほど小淵委員が発言されたと思いますが、オンデマンド化だけじゃなくて、ライブでどんどんディスカッションできるような教育体制が非常に必要かなということと、実技的なものってすごく大事だなと思っていまして、知識としてだけじゃなくて、障害者スポーツを何年かかってもいいですから体験して、実際に指導に役立てる内容になっていくと、やっぱり対面になってくるかなという形で、何とかそういったものを増やしていく方向は必要なのかなという感じはしています。
 そういった点では、現状としてはパラスポーツ協会が中心になって指導者養成のことをやっていらっしゃると思うんですが、ほかの関連団体、例えばPT協会やOT協会でもっとそういった養成講習会を増やすように促進していくような仕組みも必要なのかなという感じがして、パラスポーツ協会だけでやるというのは非常に限界がありますから、関連団体にもどんどん養成講習会をできるような形にしていけば、また対面の講習会もできるんじゃないかなということを感じました。
 5ページの下の民間企業とのいろんな連携とか、そういった言葉が出てくると思うんですが、この場合の民間企業というのは、本当にいろんな企業があると思うんですけど、医療とか福祉、スポーツに関係ない企業が理解をして、いろんな資金的な援助という部分の民間企業の連携はうまくいくんですが、一方で、直接スポーツ関連の企業とか、スポーツクラブを運営している会社とか、そういったところなんかは連携の仕方ってすごく違ってくるかなと思いまして、そういった部分で一まとめで民間企業の連携という形じゃなくて、スポーツ関連業界との連携みたいな、具体的なのはあれですけども、例えばスポーツクラブを運営している会社が障害者スポーツ指導員の資格者をどんどん雇うとか、そのようなことかもしれませんが、そんなことなんかもちょっと必要なのかなというのを感じました。
 そういった中で、先ほど長官が発言されましたが、競技というところからライフパフォーマンスというところに差があるとか、あとスポーツは障害者の生活が地域で生活化していくというか、スポーツの生活化という言葉、自然にスポーツできるようなものを持っていなきゃいけないところにもつながってくると思いますので、その辺も踏まえて考えておかなきゃいけないのかなと思います。
 それからあと、6ページのところの、先ほど何人かの委員も発言されましたが、一元化というところで、一元化したがためにうまくいかなくなったという部分も当然あると思います。メリットとデメリットというのは明確にしていって、どうしても福祉と、縦割りが云々とさっき話もありましたけど、その辺の中で連携、こういうことを進めていくとか、どうやってそういった連携を図っていくかというその辺の一元化を進めていく中で、必要なこと、具体的なことはどんなことが必要で、こんなデメリットがあるから、こういうことをもっと進めていきましょうみたいな、そういったものがあってもいいのかなという感じはしました。
 すみません、あっちへいったりこっちへいったりでございます。
 以上でございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 では、この後、渡邊委員、それから倉野委員、水原委員に御意見頂戴したいと思うんですが、渡邊委員、よろしくお願いします。
【渡邊委員】  スペシャルオリンピックス日本の渡邊でございます。報告書、取りまとめていただきありがとうございました。全体的に本当によくまとめていただいたので、特に異論等ないんですけど、既にほかの委員が言われていることもあるんですが、私のほうからも3点意見として申し述べさせていただきたいと思います。
 1点目ですけれども、5ページ目の2(1)の最初の丸ポチ、こちらの最後にスポーツ指導者を必要としている場とのマッチングの実施というふうに書かれてあるんですけれども、障害者スポーツ指導者と特別支援学校やいろんなスポーツ指導者を必要としている人々とのマッチングというのは大事なんですけれども、もう一つとても大事だなと思うのはネットワークづくりかなと思っております。
 以前、笹川スポーツ財団さんが日本スポーツボランティアネットワークを立ち上げられまして、今は日本財団のボランティアセンターに移管されているんですけれども、そちらのボランティアネットワークの連絡会を通じて、スポーツボランティアに関わる方々を中心に、自治体とか、大学とかいろんな団体の方々が定期的に集まって意見交換をするという場がありまして、今でも続いていると思います。そういった中で、いろんな情報共有であるとか、それぞれの団体だけではないボランティアの価値や、そういった共有というものがすごくできたかなと思いますので、そういった緩やかなネットワークが持てるような機能もあればすごくいいかなと思いました。
 もう1点、2(1)の中段のところの座学講習等のオンデマンド化、こちらも御指摘ありましたけれども、ICTを活用した実習というのは本当に様々な人々の機会を拡充するいい機会だと思います。オンラインミーティング、ウェビナー、オンデマンドなどで、自分のライフスタイルに合わせていつでも聞ける、受講できるといったようにもう少し幅広く受け取れるような表現にしていただければと思いました。
 最後に(2)の障害者スポーツ競技団体の基盤強化についてというところです。私も河合委員が申されたように、教育機関との連携というのは非常に重要だなと今思っていて、まさに実践しているところです。民間企業との連携というのは非常に大事で必要なんですけれども、特に大学、教育機関との連携は、大学は様々な人材、施設等のリソースを持っているところです。そういった中で、授業を受けてもらうだけではなくて、そこで我々も地域の団体との連携を促すような取組をしつつ、将来の指導者につなげたり、直接そこにつながらなくても、障害者スポーツを理解する、そういった障害者スポーツに関わることで共生社会を理解していくという機会をつくり、お互い学び合う機会であるとか、例えば今インターンシップという形で学生を受け入れたりする中で、将来の組織の人材確保や育成にもつながっていく可能性もございますので、基盤強化にもかなり関わってくるところかなと考えております。
 私のほうからは以上3点、補足的な意見ですけれども、以上でございます。ありがとうございました。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 では、倉野委員、お願いします。
【倉野委員】  倉野です。この報告案はよく取りまとめされており、非常に感動いたしました。その上で、私のほうからは3点、意見を出させていただきたいと思います。
 5ページ目の冒頭、白丸の2のところ、中ポツの2つ目の部分でございます。「地方公共団体や障害者スポーツ競技団体等の活動についてボランティアを行う者に対する支援」という文言がございます。支援ということは分かるのですが、ちょっと漠然としているので、具体的に示していただくほうがいいのかなと思いました。
 ボランティア活動をする場所がないことや、ニーズがないので困っている方がいらっしゃることは分かるんですけど、具体的にボランティア活動する方たちに対して情報提供であるとか、活動の場を提供するなどの支援という形で、具体的にお示しいただくほうがよいのではないかなと感じました。
 また、同じく5ページ目の中ほど(2)障害者スポーツ競技団体の基盤強化についての最初の白丸に示されている、他団体との連携というのは非常に重要だと思います。実際、おととい土曜日のことなんですが、東京都が主催私で、府中市でデフリンピックトライアウトというイベントを開催いたしました。なぜこのようなイベントを開催したのかというと、デフリンピックは21競技あるんですが、その中で4競技、具体的にレスリング、テコンドー、ハンドボール、射撃、それらの競技は今まで日本代表選手を派遣したことがなかったんです。なので、選手の発掘などにも非常に手を焼いていましたがこちらのイベントを開催することで、競技団体、NFなどの皆さんにも御協力いただきまして、たくさんの選手、候補者たちの発掘を試み、そういったイベントを開催することができました。
 それを踏まえた上で読みますと、この文章の最後に、連携に当たっての阻害要因についても分析するべきであると記載されていますが、ちょっとニュアンス的に弱いのかなという印象を受けました。分析だけで終わらせたくはないと思っていますので、分析をした上で阻害要因を取り除く方策についても検討するべきであるというように、ここの書きぶりをもう少し工夫ができないのか、工夫をお願いできればと思います。
 最後に、4ページ目、文末脚注4、団体間の連携強化事例の中で、全日本柔道連盟と全日本視覚障害者柔道連盟、また日本ろう者柔道協会(オリンピック競技団体・パラリンピック競技団体)等というふうに記載されておるんですが、日本ろう者柔道協会はデフリンピックの競技団体となりますので、デフリンピック競技団体という名称をここに付け加えていただけますと幸いです。
 私からの意見は以上となります。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 では、水原委員、お願いします。
【水原委員】  日本スポーツ施設協会の水原と申します。今回の報告書、目を通させていただきました。ここまである程度具体的に書かれたのはよかったかなと思っています。
 ただ、施設協会からすると、障害者スポーツの振興って、恐らく一般のスポーツ施設がもう少し受入れをしっかりとする体制づくりをしていかないと、スポーツセンターをつくったから、オーケーですよという世界ではないんだろうと。部活動も含めてそうですけども、活動の場を広げていくには一般のスポーツ施設がもう少し障害者の受入れであるとか、いろんな形での受入れ体制を整えていかないとなかなか進まないんだろうなと考えています。そういった面ではもう少し一般のスポーツ施設に、先ほどから議論が多少出ていますコーディネーターを配置しなさいとか、具体的な方策を出していかないと恐らく進まないのかなと。
 これからの地域のスポーツ振興を考えたときに、地域のスポーツセンターまたは地区のいろんなセンターがそういうことを受け入れないと、恐らく小さな活動も大きな活動も進んでいかないんだろうと思いますので、もう少しその辺が具体的に、5ページの支える人材の在り方の中に入れるのか、全体の振興の中に入れるか分かりませんけども、もう少し一般のスポーツ施設の在り方を明確にしていかないといけないのかなと感じました。これ私の立場的には自分的なことでやっていかなきゃいけない部分だと思うんですけど、もう少し目標なり、こういうことがあったほうがいいよねというふうにしていくといいのかなという気がしました。
 それから、障害者スポーツに関係する指導者の資格を取るということと、それからJSPOさんのスポーツの資格、これ資格を取ることによってお金を払わなきゃいけない。資格を両方取りたいけどもというような問題も含めて考えていかないと、なかなか両方取れないよね、会費払えないよねというところもちょっと気になっています。そういった面ではコーディネーターとしての資格はどうなのかとか、JSPOさんの資格を取り、なおかつ障害者スポーツを勉強した人の資格をどういうふうに使っていくのかというふうにしていかないと、両方を取って資格を維持することがどうなのかというのは、ちょっと課題になってくるんじゃないかなという気がしました。
 それから最後に言うと、全体を通して、国としての目標は一元化が目標なのかどうなのかというのをもうちょっと明確にしていかないといけないのかな。夢なのか、目標なのかってあると思います。僕自身は一元化、一本化してほしいなと。その中に障害者の部門があったりとか、いろんな人たちを対象とする部門、担当者がいるという形になっていかないと、連携してと言っても各地域によってそれぞれ連携の仕方って難しいだろうと思います。各自治体も恐らく苦労されているのは、そういうことなんだろうと。やはり目標は一元化だというふうに考えて、何年までには一元化を目指しましょうかというのが提言としてはあってほしいかなという気がしました。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 一通り委員の皆さんには御意見をいただいたかと思うんですが、皆さんの発言を聞いていて、さらにという方いらっしゃるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。岩田委員、お願いします。
【岩田委員】  私も倉野さんの今の発言を聞いていてちょっと考えるところがあって、6ページの下から5行目、「我が国の中央競技団体については、強化活動など様々な面でオリンピック競技団体・パラリンピック競技団体」、ここは実は私も昔、J-STARプロジェクトというのを担当していて、当時、2020東京大会の前だったので、オリパラ団体という言い方をスポーツ庁さんとかJSCさんとかとしていたときに若干違和感があって、もう今はすんなり受け入れられるんですけど、我々日本スポーツ協会の中に60の加盟競技団体あって、オリンピック競技というのが30いくつなんですよね。だから半分がオリンピック競技じゃない。オリ競技って言われると、パラ競技というのはもしかしたらパラリンピック競技団体ではなくて、パラスポーツ競技団体のパラ競技という言い方なのかなと思いながら、この辺は障害者スポーツ団体、健常者スポーツ団体という区分けをするのか、これはどうですか。今村さん。
【今村障害者スポーツ振興室長】  ぜひ皆さんに御意見を伺いたいんです。障害者スポーツ団体という言い方をすると多分紛れないと思うんですが、障害者スポーツ団体ではない団体のことを私もどういう言葉で言うべきかいつも悩みまして、健常者スポーツ団体って言い方がいいのか。ここで言うオリンピック競技団体が言いたいのは、確かにオリンピック競技種目になっている団体という意味で使っていますけれども、そうではない、障害者スポーツ団体ではない団体のことを、このワーキンググループの提言において健常者スポーツ団体という言い方をしてよろしいのであればそのようにしますし、もしくは障害者スポーツ団体やそのほかの団体という言い方にするという手もありますが、御意見をいただければそのような提言でまとめます。
【藤田主査】  いかがでしょうか。
【岩田委員】  私も全然疑問に思わなかったんですけど、先ほどふと疑問に思って。
【藤田主査】  パラスポーツとか障害者スポーツの定義は非常に難しいところがあるんですけども、どなたか御意見、いかがでしょうか。澤江委員、いかがですか。
【澤江委員】  多分、障害者スポーツ領域の研究をしている立場から何か物を言えと言ったんだろうと思っております。それは多分、一番は藤田先生が話をすればいいんだろうというふうに思います。
 これまでもこれについてはいろいろと議論があるお言葉で、それぞれの自治体においてもどういう表現にするかというのは、各自治体によって表現をそこで審議した上で言葉をつくっているというのがあります。ということは逆の言い方をすると、まだまだ検討の余地がある言葉という理解の仕方が、実は我々の研究領域としては現状としていうところの部分です。なので、それぞれの思い、それぞれの立場、それぞれの制度上の位置づけというところで検討がなされるべきということになっております。
 そこで、今度は自分の個人の立場で話をさせていただきますが、個人の立場で言ったときには、多分いろいろとそれぞれの団体さんの思いみたいなものを含めた意見をここで集約できるといいのかなと思っています。つまり、どういう表現をこの中で総意としてとっていけるかというところだと思っています。
 そういう意味ではどういう表現がいいのか。特に競技団体というところでいきますと、そこら辺の言葉の部分は非常にセンシティブなところになってきますので、各競技団体の代表をお務めされているような河合委員からの御意見も含めた上で、ここで議論できたらいいなと思っています。
 すみません、ちょっと半分投げておりますけれども、そのような形で御意見を皆さんからいただければと思います。
【藤田主査】  河合委員、御指名ですので。
【河合委員】  ありがとうございます。まず、ひとつ言えるのは、健常者の団体というのはやめたほうがいいと思います。表現としては。
 個人的に今思っていたのは、中央競技団体というのは今は一般的には全てを含んでいるんじゃないかなと思います。ただ、そういうふうに読み手が受け取ってくれるかは別かなとは思いますが、一番網羅的に言うと、統括団体が、例えばJOCさんやJSPOさんや我々JPSAというふうになると、中央競技団体はオリパラだけでなく、デフも含んで国内の競技を統括している団体という認識かなと思いますので、中央競技団体でパラとかデフ団体を含むみたいな書き方をするのかとか、どういうのがいいのかなと、今すぐいい案はないんですが、それは一つの答えかなとは思っていますということと、障害者、健常者って表現はやめたほうがいいということです。
 以上です。
【藤田主査】  水原委員、御意見。
【水原委員】  パラスポーツって、最近使われている言葉だと思います。それまでは障害者スポーツ競技団体という言い方をして、協会の名前もパラスポーツという協会名に変わってきた中では、パラスポーツ・イコール・パラリンピック競技のスポーツじゃないですよという表現に今はなってきていると思うんですけども、一般的には、どっちかというとパラスポーツ・イコール・パラリンピック競技をイメージされてしまうと思うんです。
 ですから、パラスポーツ競技団体というのはパラリンピック競技団体も含むという注釈を入れるとか、少し整理をされて表現されるといいのかなと思うし、健常者スポーツというのはスポーツ競技団体で、僕は一般的に通用している部分だなと理解していますので、ここで分けるんだったら、オリンピック対象競技団体であるとか、パラリンピック競技団体が連携を強化しているとかという言い方で済むんじゃなかろうかと思っています。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございます。
【岩田委員】  すみません、私が変なことを言ってしまったので。今村さんの御専門だと思うんですけど、NFはナショナルフェデレーションのことですが、「中央競技団体」と訳すことはないと東京2020関係者から聞いたことがあります。それは置いといて、この報告書でいくと、4ページの下の倉野さんが御指摘した柔道関係のオリパラ競技団体というところを正しく訂正すれば済むことと、6ページの下から5行目のところは、我が国の中央競技団体のうち、オリパラ連携が進んでいる団体は、オリンピック対象競技団体であればこの表現で合っているので、あまりここで定義を決めなくても、この文章自体はどこに出ても指摘されない。オリンピック競技じゃない、いわゆるパラスポーツ競技団体じゃない連携の団体は、今のところ私もないと。例えば銃剣道とか、オリンピック競技じゃないところは連携が進んでないというのは知っていますので、この5行は問題ないのかなと。すみません、余分なことを言ってしまいました。
【藤田主査】  ありがとうございました。大体よろしいですかね。これ以上踏み込むと大変なことになりますので。
 ほかに。では、大日方委員、お願いします。
【大日方委員】  ありがとうございます。今の件に関してちょっとだけ短いコメントを1つと、それ以外の方からのコメントについて、2つ意見を申し上げたいと思います。
 1つは、今の健常者云々の話のときに海外のIFで、それこそスキーのFISでどういう表現を使われているのかという話を少ししたいと思います。
 FISの中で統合されたパラアルペンとかパラスキーの世界で説明をするときに、ノン・リシェーブルドという言葉を健常者に相当する言葉で分けるために使っているというケースは実態としてあります。ただ、この言葉をFISの全体会議のときにパラ側の担当者が言うと、皆さん、いわゆる健常者と言われる人たちがぞっとする。えっ、我々ってノン・リシェーブルドなのという、その感覚というのは本当に正しいんだと思います。つまり、私たち健常者と言われることの違和感に関する感覚というものを持っている人たちというのは正しいんだろうなという、ちょっとそんな認識で、私も健常者はやめたほうがいいよというのは全く賛成ですというのが1つ目です。
 もう一つが、一元化ありきという言葉のところに少し引っかかる話が出たかなと思いますが、コメントしておきたいのは、この一元化がもちろん悪いわけではなくて、これをやってみたことによって、必ずしもスポーツの部署に関わらない広い連携が必要になることが分かってきたということだと思うんです。これが、例えば生活に関わる分野であったり、まちづくりであったり医療、そういったスポーツというセグメントを超えた連携が必要になってきたということをここで加えておくと、より理解が進むのではないかなと感じました。
 もう1点が、6ページの競技団体の連携の話がいろいろ出てきましたが、どなたかがおっしゃっていた障害種別の団体連携の在り方ということが例として出されていたかと思います。これ若干注意が必要かなと思っていて、車椅子のスポーツ、聴覚障害のスポーツ、視覚障害のスポーツって、歴史的にはそういう障害種別によってIFをつくってきた実例というのもありますけれども、そこの中にはまらない人たちも結構多いというところに関しては、これを障害種別の団体を連携、連携はもちろん、例えば車椅子スポーツ同士が連携するという団体の連携はあるんでしょうけれども、そういった障害種別によってまとめていく、一元化していくというリスクについては歴史が証明しているところがあるので、そこは今回の議論の中にこれを入れてしまうと、混乱が発生するかなという懸念があるなと感じました。これを我が国の連携として車椅子スポーツとしてまとめるみたいなのはちょっと違うような傾向かなというふうに、私としてはお伝えしておきたいと思いました。
 以上になります。ありがとうございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 ほかにオンラインの委員の方も含めて、いかがでしょうか。御意見。特によろしいでしょうか。小淵委員、お願いします。
【小淵委員】  小淵です。一言だけ言わせていただきます。
 ちょっとさっき伝え忘れたところで言うと、5ページの支える人材の活躍の場というところで、地域でいえば都道府県の障害者スポーツ協会というのは欠かせないキープレーヤーというか、キーファクターになってくるのかなと思っています。その辺の文言を入れていただけると、恐らく障害者スポーツセンターや指導者、福祉施設等をつないでいくに当たっては、重要な役割を果たすのではなかろうかと思いましたので、その文言を入れていただけるといいのかなと思いました。
 以上です。
【藤田主査】  ほかはよろしいでしょうか。いいですか。オンラインの委員の方も大丈夫でしょうか。金山委員、お願いします。
【金山委員】  
 ありがとうございます。先ほどの議論の中で、用語についての議論というが出てきたと思います。政策の中でお話ししていくような議論は学術団体の定義とは少し異なった印象を受けています。ですので、皆様から御意見いただいたように、分かりやすい表記にしていかないと、今後、その文言だけが前進して、後の共通理解が大変になるのではないかと考えた次第です。
 それともう一つは、学術団体では今、辞書の編さんをなさっておられるということなので、また後ででも藤田先生の意見も聞けたらなと思っています。それが1点です。
 もう1点は、障害者スポーツセンターについて、先ほど小淵委員がお伝えいただきましたように、25から今年少し増えて27ぐらいになったんでしょうか、JPSA公認の障害者スポーツセンター協議会に入っていないセンターの連携ということも少し入れていただいたほうが良いと考えております。 以上です。ありがとうございました。
【小淵委員】  すみません、金山委員のところで、先ほどお話しされていたのは障害者スポーツセンターの数ですか。
【金山委員】  すみません、ちょっとお声が割れていて、私の聞き取りが思わしくないと思うんですけども、JPSA加盟以外の障害者スポーツ施設の横の連携も取れたらなと考えた次第なんですけど。
【小淵委員】  追加情報で言うと、日本パラスポーツ協会のパラスポーツセンター協議会の加盟の施設に関しては、今29が恐らく最新かなと思っていますので、付け加えさせていただきます。
 以上です。
【金山委員】  御訂正、ありがとうございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。ほかはよろしいですか。
 私のほうからも少しだけ感じたこと、意見を述べさせていただきたいと思います。本当、簡潔にまとめていただいて分かりやすいと思います。
 その上でなんですけども、まず「はじめに」のところで、できれば私たちがどういう障害者スポーツというか、パラスポーツの在り方を目指しているのか。要するに障害のある人は地元で、自分の住んでいるところに近い体育館とかスポーツ施設に行って、そこでスポーツができる、いつでもどこでも、障害のある人もない人も一緒に楽しめるという環境をつくっていきたい、そういうことを目指しているというのを一言入れていただけると、何のためにこれをやっているかって、これ確かに必要だねということが見えてくるなと思います。
 それから、人材育成のところに関してなんですけども、書かれてあるとおりでいいと思うんですが、これもう一歩踏み込んで、例えば障害のある人のスポーツについて一般のスポーツ施設、先ほど水原委員からもありましたように、何か取組をと言ってもすぐには難しいところが出てくるかと思いますので、例えば施設を持っているのは自治体だと思いますので、そこから指定管理を取るときの仕様書なんかにきちんと障害のある人のスポーツに関する研修やりなさいということを入れてもらうように呼びかけていくというか、そういう一歩踏み込んで具体的なやり方が見えてくると、ここで書くかどうかは別として、そういうものがないとなかなか進まないのかなと思います。そういう研修に対して、例えば補助金なり何かをつけていくというのがいいのかなと思いました。
 それから、体制のところも一緒にやっていくことのメリットというのが何かって、いろんないいこと、先ほど上山委員からもありましたけども、あると思うんですが、地方で分かれているところというのは、それぞれのこれまでの予算の予算取りというのは決まっていて、なかなか新しいことを始めるのが、障害のある人とない人が一緒に楽しめるイベントをやりましょうと言ったときに、それどこがやるのということになってしまうので、そうではなくて、一つでやればそこで予算が取れて、新しい展開がやりやすくなるんじゃないかなと思います。
 そういった私たちが考えている理想的な障害者スポーツの在り方に向けては、そういうことも必要になってくるということがあるといいのかなと思いました。メリットとしてはそういうものを書いてもいいかなと思います。
 ただ、組織基盤のところ、企業との連携ということなんですけども、気になるのが競技団体、NFって言わせてもらいますけども、NFと企業というのは割と結びつきやすい、連携を取りやすい、それでもかもしれませんが、実際にはそれは地域で展開されていかないとなかなか難しいところがあるので、そこの地域展開の必要というのがどこかにあると、NFと企業が連携しつつ、それが地域で展開されるような仕組みというのがある程度書かれていればいいかなと思いました。
 今、障害のある人の週1回のスポーツ実施率が32%、ない人が大体54%、5%前後だったと思うんですけども、まだ障害のある人の実施率は低い。スポーツをやってない人へのスポーツの調査でいくと、やってない人の理由としては関心がないとか、嫌いだとかいうことなんです。関心のない人が非常に多いというのが分かってきています。
 一方というか、学校体育の中で体育に参加できなかった人の理由を見てみると、これサンプル数が少ないので、なかなか取扱いは難しいと思うんですけども、やっていることが高度で自分は参加できなかったとか、それから用がないとか、あと先生から参加しろって求められなかった。多分これはアンタッチャブルで、先生のほうもどうしていいか分からない、生徒も迷惑かけそうでという、非常に切ない状況が推測されるんですけども、そのために、澤江委員が言ったようにアダプテッドしていく方法を、そこはひとつ非常に重要だと。
 あと、先生が困っているのは、一般の学校で障害のない子供とある子供が一緒にいて、どうしようかというので非常に困っていらっしゃるところがあるんです。障害のある子供に合わせて何かやると、障害のない子供に不満が出てくるとか、いろんな状況があるかと思うんですけども、そういった意味でインクルーシブな体育を展開していくところも重要かなと思います。
 以上になりますけども、まず私たちが目指したい理想的な形、それに対してどういうふうなことをしていくというところで踏み込んで書かれると、よりいいかなと思いました。
 言葉の問題って答えが出ないんです。障害者スポーツというのは、やる人を対象にした言葉なんです。車椅子バスケットボールを私たちがやったら、それは障害者スポーツなのかとか、いろんなややこしいことが出てくるので、あんまり深入りをここではしないほうがいいかなと思いました。もし使うのであれば、パラスポーツは何を言っている、障害者スポーツはどんなことを言っている、パラリンピック競技というのは何を指しているかというのはどこかで注釈するといいのかなと思いました。
 ありがとうございました。皆さんから非常に貴重な意見をたくさんいただきました。これらについてしっかり応えていく必要があると考えております。つきましては、若干の手直しをした上で最終的な取りまとめとしたいのですけども、いただいた意見を踏まえた修正について、私に御一任いただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【藤田主査】  ありがとうございます。
 それでは、本日予定していた議題は以上で終了しました。
 では最後に、今回、最終報告という節目になりますので、室伏スポーツ庁長官から一言いただければと思います。よろしくお願いします。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。本日はお忙しい中、また活発な御議論をいただきましてありがとうございました。最終報告書という節目になります。一言御挨拶させていただきます。
 スポーツ庁としましては、第3期スポーツ基本計画等を踏まえ、障害者スポーツ振興を通じた共生社会の実現に向けて、障害者スポーツの振興をさらに進めていくことが大変重要だと思っております。委員の皆様に御議論いただきました障害者スポーツを支える人材の在り方や障害者スポーツ競技団体の基盤強化は、中間まとめの際に取りまとめた障害者スポーツセンターと併せて障害者スポーツ振興の重要な要素であり、障害のある方がスポーツを通じて社会参画することができるよう、障害者スポーツの実施環境の整備等を行うことで、人々の意識が変わり、その逆もあるかと思いますけども、そして共生社会の実現へとつながっていくものと思います。今回の最終報告書を踏まえまして、スポーツ庁として必要な取組を行ってまいりたいと思います。
 障害者スポーツ振興については、本日、御指摘をたくさんいただきましたけども、そういった課題も踏まえまして、まだまだ検討すべき課題はあるかと思います。先生方におかれましては、引き続き御協力のほどお願いしたいと思います。
 また、今日、鳥居委員も御参画いただいていますけども、私もアスリートで、最近はオリンピックだけじゃなくて、パラリンピックに健常でコーチをしていた方が障害用のパラのアスリートを教えるケースもたくさん増えてきている現状もあって、ハンマー投げをやっていた私の後輩が投てきで今度パリに行くんですみたいな人もいますし、知り合いの元トレーニングパートナーだった人がパラの円盤の選手を教えに行くとか、そういう交流はどんどん行われていくようになっております。
 ですので、コーディネーターの設置のところもありますけども、自主的にこういうことが深まっていっているものもよく踏まえて、人を教えて、それが伸びていくと喜びに変わっていくのはスポーツのすばらしいところだと思います。教育もそうですけども、こういったスポーツのすばらしさを皆さんと一緒にまた、障害の有無に関わらず取り組んでまいりたい。ライフパフォーマンスというキーワードも、ハイからライフというのをやっていますけども、しっかり我々も取り組んでいきたいと思います。
 以上になります。ありがとうございました。
【藤田主査】  ありがとうございました。最終報告書(案)については、先ほど皆さんに御賛同いただいたとおりです。本日の議論を踏まえて必要な修正を行い、委員の皆様に事務局を通じて御報告させていただきたいと考えています。
 それでは、本日はこれにて終了いたします。皆様どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

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