障害者スポーツ振興ワーキンググループ(第4回)議事録

1.日時

2023年3月22日(水曜日)10時~12時11分

2.議事録

【藤田主査】  皆さん、おはようございます。では、ただいまから、第4回スポーツ審議会健康スポーツ部会障害者スポーツ振興ワーキンググループを開催します。
 皆さん、大変お忙しい中、年度末に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、長ヶ原委員、鳥居委員、三浦委員、髙汐委員が都合により欠席されております。
 なお、本日は御説明いただくなど一部の方を除いて、ウェブ形式での開催となっておりますので、御了承ください。
 また、傍聴に関しましては、YouTubeでのライブ配信とさせていただいておりますので、御承知おきください。
 本日は、前回に引き続き、障害者スポーツセンターの在り方について議論を進めていきたいと思います。開催に当たりまして、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  それでは、お手元の議事次第にございます資料というところで、資料の1、第3回障害者スポーツ振興ワーキンググループにおける主な御意見から資料の6まで、6点、お手元にございますでしょうか。よろしいでしょうか。資料の不足等ありましたらお申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【藤田主査】  ありがとうございます。皆様、資料、大丈夫でしょうか。
 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。議事運営をスムーズに行うため、皆様方の御協力をお願いしたいと思います。
 では、議題1の障害者スポーツセンターの在り方について移ります。本日は新潟県障害者交流センター、新潟ふれ愛プラザ、それから北九州市障害者スポーツセンター、アレアス、静岡県、江戸川区から、それぞれ取組や生涯スポーツセンターについての考え等をヒアリングする予定ですが、まず、事務局より、御説明をお願いします。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  それでは、プレゼンテーションに先立ちまして、事務局から資料の御説明を差し上げたいと思います。お手元の資料の、資料1と資料2を御説明いたします。
 まず、資料1のほうですけれども、前回の会議の主な御意見ということでございました。時間の都合上、全ての説明はできません。一部、御説明をいたしますけれども、主な御意見といたしましては、まず、総論のところといたしましては、拠点としての機能は都市部と地方部で異なる。センター間の情報共有の重要性、障害のある人のスポーツの場所を確保するためにはセンターだけに集中させるのではなく、地域の資源を活用する必要、そのための地域の施設への支援が必要。あるいは、最後のポツですけど、学校体育との連携の必要性というような御指摘がありました。
 ビジョン・目標のところでは、部活動などでの一緒にやる環境の重要性、あるいは誰もがという要素の御指摘もございました。下の<障害者総合センターの役割>というところでございますけれども、多様なセンターの形があること、受益者負担の問題、あるいはネットワークとしてつなぐ形の意義。2ページをめくっていただいて、長野県のサンアップルなどに見られるセンターを中心としたハブとサテライトの関係の構築。人材の育成に関しましては、指導者協議会の役割、医療との連携の重要性、プロスポーツ団体の人材育成への寄与などの御指摘がありました。
 真ん中以降、あるべき機能の部分では、センターでないとスポーツができない人への配慮、各個人への指導の機能の意義、コーディネーターの役割、人材育成と地域の連携の重要性、障害者スポーツでは貸し館の機能だけでは不十分であって、人材が必要であると。次のページですけれども、情報発信の必要性、社会科見学などで見てもらいたいなどの御指摘がありました。
 その下のところですけれども、留意すべき事項では、受益者負担や指定管理についての御指摘が種々ございました。
 最後、必要な人材ですけれども、外部と連携して活動する人材、施設内で指導に当たる人材など、いろいろなタイプがあること。先ほどの指定管理の問題とも関わりますけれども、キャリアパスや制度、待遇面の問題、求められる人材像、特に求められる専門的知識の問題、最後にこうした取組を通じて地域を育てる人材を育てていくことの重要性などがございました。
 資料の1はこれでということで、資料の2です。主な論点ですけど、前回お示ししたものを引き続き、主査に御相談いたしながら加筆を加えている、加筆しているものでございます。まず、主な変更点を中心に御説明をいたします。
 最初のビジョン・目標のところですけれども、河合委員の御指摘を踏まえまして、「誰でも」という文言を挿入いたしました。あわせて、気軽に楽しむという要素も表現いたしました。2ページ目に行っていただきまして、役割の部分ですけれども、当面の目標の内容や機能の例示の内容と平仄を取る観点から、まず、最初の部分のところで、障害者スポーツに始めてくれる人のガイダンス的な役割というものを位置づけました。その後ですけれども、次のページ以降ですけれども、ハブの部分につきましては、地域を支援するセンターの趣旨をより明確にする観点から記述を増しております。その次の真ん中ぐらいの丸ですけれども、団体連携が記載されていますけど、いわゆるNF、障害者NFと、一般のNFという表現がいいか分かりませんが、一般のNFなどの記載が薄いため、追記をしています。
 その次の丸でございますけれども、大都市の部分でございますけれども、都市部とそれ以外は機能が異なるという御指摘を踏まえて、これも主査と御相談させていただきながら大都市部の充実したセンターの機能を、より広域での中核的な拠点として生かすという方策を記載しています。
 4ページに進んでいただきまして、4ページの最初の丸のさらにというところですけれど、先ほどの趣旨で、最後に、まさに流れとしてよりインクルーシブのスポーツ環境を実現する、それを先導するという役割を明記しました。
 期待される機能という部分以下ですけれども、御意見を踏まえまして、指導者の派遣、あるいは情報発信といった内容を記載しています。
 少し飛びまして、6ページでございますけれども、最初の丸というところがありまして、先ほどの大都市のセンターの役割ということで、ブロック、あるいは近隣のセンターを束ねる機能ということを少し具体的に記載しております。それ以下ですけど、留意すべき事項の内容につきましては、今回、追記していった部分になりますので、御覧いただければと思います。
 施設の利用につきましては、障害のある人の利用に係るノウハウを蓄積する観点から、障害者が日常使用できる環境が必要であって、優先専用施設であることが望ましく、共にするスポーツのノウハウも蓄積していくこと。その次の丸でございますけれども、共用施設であっても、一部の時間帯や施設の優先、占用などを通じてノウハウの蓄積に向けた障害者の利用者増に向けた工夫の必要性というものを整理しています。
 次の括弧以下ですけど、利用者の費用負担ですけれども、全ての施設の利用のサービスが無料でなければならないというものではなくて、受けられるサービスに応じて、負担能力などを踏まえて必要に応じた負担の在り方の検討の必要性というものを整理しています。センター以外のこういった問題への対応に向けた助言というものも期待されるところです。
 その次の丸括弧、指定管理につきましては、センターの施設そのものの部分と障害者スポーツ振興の中核機能を一部区分いたしまして、一部機能については、指定管理の枠外で受託を受ける可能性、あるいは、指定管理の募集の基準として、単に訪問者数だけで評価されない仕組みの重要性、身近な施設の指定管理における障害者スポーツ指導員の配置の条件などを記載しています。
 7ページの中段以降、必要な人材のところでございますけれども、2つ目の丸のポツのところにもありますとおり、障害理解、一人一人に合わせた指導、多様なプログラムへの対応、重度障害者への理解、ともにするスポーツへの理解などを記載しています。
 その上で、支援リーダー、コーディネーター、専門指導、いろいろな人材があり得るということを記載しています。そこの最後の丸のところですが、連携に関わる人材を求められる内容というところで、8ページ以降にかかりますけれども、スポーツ界全般の知見も備える必要性といったことを明記しているところです。
 その次、必要な設備のところですけれども、冒頭、地域において異なるのではないかと、いろいろな施設を併せて1つのセンターとして見直すやり方もあるのではないかと、バリアフリー、トイレなどの必要性、入り口駐車場の配慮などを記載しています。
 今後の施策の推進についてというところですけれども、全体的なこれらの記述、記載を踏まえまして、施策を進める順番、あるいは方法などについて記載をしておりまして、まず、こういったセンターというのをしっかり整備していくことで、あまねくどこでも障害の有無に関わらず、スポーツができる環境を整備していく。施設については、改修や既存施設の機能の取り込みもあり得ること。機能の充実に当たっては必要な人材を確保していくことの必要性、人材の確保における各種団体の協力の必要性を明記したところでございます。
 以上でございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 それでは、この分については、また最後の議論のところで皆さんには御意見を頂戴したいと思いますが、この後、すぐにヒアリングへと移らせていただきたいと思います。事務局のほうで準備がありますので、少しお待ちください。
 今日は4つを予定しておりまして、2つずつ入っていただいてという形になります。新潟県の障害者交流センター、新潟ふれ愛プラザは、地方都市の障害者スポーツセンター、圏域における市区町村を巻き込んだネットワークづくりをしています。北九州市障害者スポーツセンター、アレアスは、民間スポーツ施設を改修し、そこにセンター機能を追加してできています。ゴルフ練習場か何かだったような気がしたんですけど、違ったかな、アレアス。空間にどんと柱があったりしています。それから、静岡県は、これから障害者スポーツセンターの設置を検討する自治体になります。江戸川区は、区内のスポーツ施設の共用化に積極的に取り組んでいる自治体ということになります。よろしいですか。
 では、本日はヒアリングに御対応いただき、ありがとうございます。本日は、時間の都合もあって、同時に複数の団体に入室していただいております。2団体連続で御説明をいただき、その後、同時に質疑をするという形を取ってまいりたいと思います。
 では、最初に、新潟県障害者交流センター、新潟ふれ愛プラザ、丸田所長より御説明をお願いします。丸田さん、大丈夫でしょうか。
【丸田所長】  それでは、皆様改めまして、おはようございます。新潟県障害者交流センターの丸田です。委員の皆様には、いつも御指導いただき、この場をお借りし、感謝を申し上げます。
 それでは、当センターについて、御紹介をさせていただきます。当新潟県障害者交流センターは、県立と障害福祉施設が4施設ほか、県内の障害福祉団体が入居する新潟ふれ愛プラザの中核施設として平成9年に開設され、私ども社会福祉法人、新潟県身体障害者団体連合会が管理受託し、平成11年に、当センター内に新潟県障害者スポーツ協会事務局が設置されました。平成18年に指定管理者制度に移行し、現在は、私どもの社会福祉法人と新潟県障害者スポーツ協会がジョイントによりセンターの管理運営を行うほか、視聴覚障害者の情報提供施設や障害者の地域生活、あるいはスポーツ関連の各種事業を受託して運営をしております。
 当センターを取り巻く状況ですが、平成21年に、全国障害者スポーツ大会の新潟県開催があり、平成25年に東京からの開催が決定するなど、県内のパラスポーツの推進機運が盛り上がっていく中で、全県規模で大きな効果を狙い、効率的に目標を達成するために、また、今後もセンターの指定管理者として、強みを生かす運営を行うために、障害者スポーツの志や目標を同じにする同士が連携協働の組織体制をつくっていくことは、本県のように、センター予算、あるいは障害者スポーツ協会の予算が脆弱な県にとっては自然な流れだったと思います。
 その後も、私どもの法人と障害者スポーツ協会の代表者を同じにしたり、また、相互に役員を出すなど、組織の一体化を進めることや障害者スポーツ指導者協議会も障害者スポーツ協会の内部に置くことで、3者が一体となった組織強化が進んで、センターをハブ拠点とした福祉とスポーツの連携、当事者と支援者の連携が進み、全県に広くパラスポーツを推進する体制が整ったと考えております。
 なぜ一体化しなければならなかったかといいますと、先ほども少しお話をしましたけども、新潟県のセンター予算、あるいは人員体制も本当に脆弱です。例えば、よくセンターのモデルとして挙げられる、東京や大阪のセンターと予算規模で比較すると、おおよそ6倍ぐらいの違いがあります。どんなセンターでも一定の固定費というのはかかりますので、人件費や事業費規模で比較すれば、さらに大きな予算規模の違いがあります。当県と同規模の広さ、人口の県として、長野のセンターなんかもよくモデルに挙げられますけども、新潟のセンターで比較しても、おおよそ3倍の予算規模の違い、人件費や事業費を比較すれば、4倍近い予算規模の違いがあります。
 今、挙げた東京、大阪、長野などは、本当に共感できるビジョン、体制の下で、きめ細やかなすばらしい運営を行っていると思います。しかし、一方では、他県の多くのセンターではまねのできない、あるいはまねしてはいけない特殊な事例であるとも考えています。当県のパラスポーツの組織体制を推進、拡大していくためには、思いを共有した組織が連携して、みんなが私たちの拠点場所というのを持って、総合的にマネジメントできる人材を置くことはとても重要です。そして、持っている資源、支える人材だったり、財源、場所、用具、情報なども共有しながら、その枝葉を県内の各市町村に伸ばしていかなければならないと考えております。
 そのような流れの中で、センター、スポーツ協会、指導者協議会、3者共通の大きな目標として、パラスポーツの地域への普及、そして競技力向上、より広く、より高くを2つの大きな柱、車の両輪とすることを掲げました。この取組は平成25年からスタートしましたが、私どものような小さなセンターでは、他の組織ではできない特化したものをもって、変えの効かない施設とならなければ、指定管理者としては生き残れないということを感じていました。
 私たちのセンターは、地域の一般のスポーツ施設との連携を推進して、障害者利用のモデルスポーツ施設となって、地域のスポーツ施設でやれる人たちは、どんどんそこに卒業させていく。私たちは利用者の数は求めずに、その代わり、ほかではできないことをやっていく。それは何かと言えば、重度障害者や社会からの理解が薄い、知的発達、精神の障害の支援であったり、各地域の拠点組織の設立支援であったり、パラアスリートや指導者の育成、あるいはパラ特有の支援というのがあります。そういうものが、我々の仕事の中でも最後まで残るものになるだろうと考えてきました。
 パラスポーツの社会の捉え方が大きく変わっていく中で、障害者スポーツセンターの職員も、より専門的なところに生かしていくべきと考え、当時の指定管理者の提案内容というのも、大きくその方向に転換させていきました。
 1つ目の目標である地域への普及においては、センターの職員が主力部隊となって障害者スポーツ指導員と連携しながら、各地域への普及促進を進めました。市町村ごとに、1年がかりで重点地域を定めて、集中的に取り組んで、地域拠点モデルをつくってきました。しっかり時間をかけて、連携体制と支える人材、用具が集まる拠点組織と場所を県内各地につくることが、普及にも、競技力向上にもつながっていくと考えたからです。その財源の一部は、日本パラスポーツ協会やスポーツ庁の委託事業などを活用して実行していきました。
 実際に形となって、継続している市町村は県内5か所にとどまりましたが、その中でも、成功モデルとなったのが、十日町市と佐渡市です。十日町市では、総合型スポーツクラブが土台となって、数々のパラスポーツサークルが発足し、多くの支援者、市の福祉課、スポーツ課の両面からの支援の下で活動が進み、日常的な活動から多くの選手も育成し、様々なパラスポーツ大会や普及イベントなどを開催する組織となっています。
 佐渡市では、障害福祉施設や障害者の保護者、競技団体などの思いのある人たちが中心となって、佐渡障害者スポーツ協会や佐渡障害者フライングディスク協会が設立され、年2回のフライングディスク大会やボッチャ大会、佐渡市のパラスポーツイベントなどが行われ、日常的にも陸上競技の練習会が開催され、多くの障害者が、佐渡市の陸上競技大会などにも参加するようになりました。
 他の地域においても、連携や裾野というのは少しずつ広がりましたが、東京パラ開催までに全市町村に広げるという目標は達成できず、道半ばとなりました。
 もう一つの目標であります、競技力向上では多くの成果が生まれました。その中でも、象徴的なのが東京パラリンピックで銅メダルを獲得した、私どもの職員の永田務です。彼は選手発掘のアンテナを張っている中で出会って、縁あって、センター職員として受け入れました。東京パラを目指したのは開催1年を切ったころですが、先輩職員たちがNFとのやり取りやクラス分けの支援、初めての国際大会の帯同など、様々なバックアップを行い、サポートしてきました。ぽっと出た選手なので、NFや行政からの金銭的なサポートは見込まれず、センター、障害者スポーツ協会、共に協力しながら、民間団体などの支援も仰ぎ、活動資金を調達することができました。
 パラリンピック選手は、オリンピック接種に比べれば競技団体も脆弱な上、国際クラス申請や国際大会の派遣など、本当に負担も多く、オリンピック選手以上にレールに乗るまでの資金がかかります。当センターの知識と経験、あるいは組織連携が諸課題を解決し、メダル獲得をバックアップした1例になったと思います。なお、彼は現在、企業からの2年契約でサポートいただき、籍は本センターに置きながら、競技活動に専念をしております。
 また、史上最年少で2つの銀メダルを獲得した、水泳の山田美幸選手は、幼少期に当センターの子供水泳教室に参加したことがきっかけとなって、センター職員が開館時間外のプールを活用して行っています、障害者の競泳チームで長年、指導してきた選手の1人です。チームの代表者は、聴覚障害のあるセンター職員が行っていますが、彼は競泳選手としても活躍して、センターの開設以来、水泳教室のコーチを務めるとともに、業務終了後、あるいは、休日などはボランティアで水泳の指導を20年以上継続して行っています。
 私どものセンターでは、協議団体や、信頼できるコーチなどから希望があれば、体育館やプールを代表者の管理の下で、休館日も含め、早朝から夜遅くまで開館時間外の貸出しを行っています。また、近隣の特別支援学校にも協力を仰ぎ、グラウンドや体育館のかぎを当センターで管理させてもらって、放課後、休日に多くの競技団体が活動できるように支援を行っており、指導には、職員や職員OBもボランティアとして多く携わっています。
 また、今年度は、当センターで約15年、日曜日の早朝に職員や役員が指導し、練習を続けているジュニア車椅子バスケ練習会の中から、アンダー23、世界選手権で優勝するメンバーも輩出できました。
 日頃の練習環境を整備することが非常に継続的に進めたことで、今まで皆無であった国の強化育成選手なども、当センターから多く輩出されるようになってきました。
 最後ですけども、障害者スポーツの流れが福祉からスポーツに大きく変わった中で、センター、そして、パラスポーツの一支援者として少し感じていることを申し上げたいと思っています。
 まず、メリットですが、本当にパラアスリートにとっては、広く国民やスポーツ団体に理解が広がったことで劇的に環境がよくなったと感じています。私は仕事後や休日には、ライフワークで知的障害者に卓球を指導する活動というのを20年行っています。練習場所の確保とか、選手の自閉の障害があったりして問題があって、より効果的に練習を行うために、7年前に自宅脇に専用の練習場をつくってやっています。その当時教えていた子は日本チャンピオンにも何回かなって、国際大会を転戦しながら頑張ってきましたが、1つ上の練習環境を求め、地元の競技団体、あるいはチームなどに協力を求めましたが、その当時はなかなか理解されず、あと一歩のところでパラリンピック出場の夢というのを逃しました。現在教えている子は、約3年ほどたちましたが、今年度頑張ってくれて、来年度からナショナルチーム入りが決まって、現在、国際のクラスの申請にばたばたしているところです。
 現在の環境は、県の卓球連盟の強化部長がもう全体的なサポートをしてくれて、練習パートナーを派遣してくれたり、県内のトップチームにいつでも練習に来てくださいという形で、監督さんから理解、応援をいただいて、本当に東京パラを契機に、スポーツ界の全体がパラスポーツを応援しようという機運に変わったなということを強く感じています。本当に他の競技団体も選手に好意的というのは本当にいい面です。
 一方で、デメリットとしては、福祉業界のスポーツ離れということは深刻に感じています。市町村の福祉課は、障害者スポーツの担当もスポーツ課に移りました。一方、スポーツ課というのは、本当に支援者研修とか、理解促進イベントからスタートして、そこから先になかなか前に進んでいかないなというのを感じます。私どもの出張教室の派遣というのも、今までは福祉課や福祉施設が大多数でしたが、やはり三、四年前からはパラスポーツイベント、しかも障害者が参加しないというのが非常に多くなりました。ここ最近は、スポーツ課やスポーツ団体からの依頼でなく、委託を受けた業者さんから依頼が来るという感じが多いです。
 もちろん理解促進は未来に向けてとても重要だと思いますが、身近にいる障害者を抜きにして、地域のパラスポーツを進めてはならないと思っています。いま一度、住民とじかに接する市町村というのが、最初に目指したスポーツと福祉の連携というものを再認識しなければならないと考えております。
 以上、説明を終わらせていただきます。御清聴いただきまして、ありがとうございました。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 それでは、続いて北九州市障害者スポーツセンター、アレアスの有延所長より御説明をお願いします。
【有延所長】  ただいま御紹介いただきました北九州市障害者スポーツセンターのアレアスの有延と申します。いつもお世話なっております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、紹介に入りたいと思いますが、すいません、事前にお送りしている資料と一部内容を変更して説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、本日の発表内容についてですけれども、アレアス設立までの流れ、それから改修、管理運営、事業展開の各ポイント、そして、今後の展望としております。
 まず、アレアス設立までの流れですけれども、もともと北九州市障害者スポーツセンターは、今から46年前に勤労身体障害者体育施設として小倉南区に開設されました。施設の内容は、体育館、卓球室、会議室と、夏場2か月のみ開く屋外プールしかありませんでした。運営は当時から北九州市の外郭団体、社会福祉法人、北九州市福祉事業団が担っておりました。配置スタッフも御覧のとおりでした。そして、開設から二十数年が経過する中で、障害者団体のほうから1年を通して使える屋内プールとトレーニングジムを兼ね備えた新たなセンターの設置を求める声が高まってまいりました。
 その一方で、北九州市では、別の新たな動きがありました。こちらでございます。土地信託の配当、税収により収入を得るという新たな取組でございます。当時、福岡県では初めての取組だったそうですけれども、そこに建設されたのが民間のスポーツ施設でございました。土地の信託期間は20年間で、市は8億円の収入を見込んでいたそうでございます。これが当時の施設の外観です。建設には22億円を要したとのことでございます。
 そして、20年後、土地信託の期間満了に伴い、土地が返還されます。その際に更地にして土地を返還するという話もあったようですけれども、先ほどの障害者団体からの要望であります、新たなスポーツセンターの設置について検討が行われまして、結果、施設を約5億3,000万円の経費でバリアフリー化し、新障害者スポーツセンターとして、小倉北区へ移転、リニューアルオープンすることとなりました。
 次に、改修のポイントについて御紹介します。まずは、要望を上げておりました障害者団体と北九州市障害者スポーツ協会を対象に、改修前の現場見学会と意見交換会を開催しました。その中で、団体から最も強い意見として出たのが車椅子用トイレの充実でした。写真は、プールにあります車椅子用トイレでございます。そして、こちらが多目的トイレでございます。右側に収納式簡易ベッド、左側にオストメイト用の設備もございます。アレアスには、1階から3階までで多目的トイレを含め、車椅子用トイレが全部で15か所ございます。
 そして、こちらが家族更衣室です。シャワーつきが2か所、シャワーなしが2か所、計4か所あります。こちらが避難用スロープです。3階の体育館から1階まで車椅子で避難できます。こちらがプール入水用のスロープです。こちらは館内の点字ブロックと誘導案内です。赤のラインは更衣室へ、青のラインはエレベーターへの誘導案内です。こちらは館内の階段です。右側にしかなかった手すりを左側にも設置しました。
 それでは、次に管理運営のポイントについて御紹介します。旧センターと比較して、延べ床面積は約5倍、スタッフの数も約5倍の人数となっております。運営は、北九州市福祉事業団とミズノスポーツサービス株式会社が共同事業体を構成し、運営しております。共同で施設を運営しながら、一般向けプログラムはミズノスポーツサービスが、障害者向けプログラムは福祉事業団がそれぞれ担当しています。
 ここで、施設の愛称であるアレアスについて御紹介します。北九州市は、新センターを未来に向けた共生のまちづくりの象徴と位置づけました。さらに、障害のある方とない方が隔たりなく、ともにスポーツに親しむことを目的としており、それに合致する名称として選定されたのがアレアスでございます。そうした中で、いかに障害のある方のスポーツの振興を図るか、これには障害のない方々の障害への理解がとても重要となります。これは北九州市が障害のない利用者に向けたメッセージでございます。そして、こちらが各障害の特性についての情報を掲示したものでございます。障害も様々ありますので、このように柱ごとに各障害を紹介しています。
 続いて、事業展開のポイントについて説明いたします。基本的には障害者向けプログラムは無料、一般向けプログラムは有料ですが、この写真のストレッチ教室は、健常者も無料参加できる形で毎月1回開催しています。そして、教室の中で、障害理解を深めてもらうためのコーナーを設けています。このときは、インストラクターがインタビューする形で、真ん中に障害当事者、この方はダウン症の方で右側はお母さんです。お母さんの話がとてもお上手で、笑いあり涙ありのとても貴重な時間となりました。
 こちらは年に一度のイベントアレアスフェスタの一場面、地元パラ陸上のアスリートによるトークショーの様子です。
 これは年に一度のイベントではなく、ふだんでも時々、障害者向けスポーツ教室の発表会を1階のホールにて行っています。
 これは近隣小学校の児童がパラスポーツ体験、そして、障害理解の体験に来たときの様子です。
 ここからは、さらにアレアス独自の取組を御紹介します。それは2つの小学生大会です。1つは小学生車椅子バスケットボール大会、この写真は、北九州市で毎年開催している国際車椅子バスケットボール大会の写真ですが、この大会と同時に、小学5年生の健常児を対象とした車椅子バスケットボール大会を開催しています。17年前からの取組で、学校へ貸し出せる競技用車椅子が少しずつ増えまして、今では50台を所有しております。参加希望の小学校に10台ずつ車椅子を貸出しまして、アレアスの指導員が訪問指導、約半年間、総合の授業などで練習に取り組みます。これに、大人の国際車椅子バスケットの試合観戦、そして、アスリートの選手たちとの交流も加わることで、子供たちは障害についてより深く学習の機会を得るのと同時に、パラアスリートのすごさも思い知らされることになります。
 そして、もう一つが、小学生風船バレーボール大会でございます。通常の風船バレーは、障害のある人3人、ない人3人でチームを組みますが、この小学生大会は、低学年3人と上学年3人がチームを組みます。全員がボールに触れてからでないと相手コートに返球できないルールですので、特に上級生は下級生のプレーにもどかしさや時にいら立ちを感じたりします。ここが、この取組の重要なポイントです。子供たちにとっては、みんな違ってみんないいと言っている場合ではなく、とにかく勝ちたいんです。勝ちたいという我欲が絡んだときにこそ、どれだけ周りに対して思いやりある行動が取れるか。自分と他者、そしてチームの利益の追求をどう図るか。約4か月間の取組の中で、単発のパラスポーツ体験では経験できない障害理解、多様性理解を子供たちは経験します。
 この2つの小学生大会、機会がありましたらぜひ1度、観戦においていただければと存じます。
 終わりに、今後の展望についてお話しします。これはセンターの利用者数の推移です。ここ3年のコロナの利用制限や、その前年、前々年の施設の改修のために利用者が減少したものの、あるいは開設以来、年々利用者数は伸び続けてきました。そんな中で、障害者スポーツセンターと称しながら、障害のある人の利用者数は全体の3分の1にとどまっています。
 さらに、こちらを御覧ください。高齢社会白書による日本の人口と人口推計です。少子化等の影響で今後も年々減り続ける様相を呈しています。今後のパラスポーツを維持、発展させるためには、インクルーシブな状況をつくることがいかに重要であるか。つまり、する、見る、支える、スポーツにおいて支える部分がいかに重要かということが言えるかと思います。先ほど、アレアスにおける障害のある方の利用者の数が3分の1にとどまっていると表現しましたが、裏を返せば、3分の2が支え手となる可能性がある。アレアスは、ボランティアの宝庫なのかもしれません。
 一昨年、館内の一角にこのようなコーナーを設置しました。スポーツボランティアの紹介コーナーです。そして、これは今年度、スポーツボランティアとして長年携わってくださっている方々が、福岡県知事による感謝状の贈呈を受け、お祝いの写真を撮影させていただいたものです。ふだんの皆さんのこうした活動に心から敬意を表すとともに、1人でも共感を覚えていただくため、近く、この喜びの写真を館内に大きく掲示する予定です。
 2つの小学生大会による将来への種まきも合わせて、支える人を育てる、支える人を大切にする、アレアスでは、こうした意識と行動が1人でも多くの連鎖を生み、伝播していく中で、行政社会の実現に向けての大きな推進力になるものと信じ、今後も努力を積み重ねてまいる所存です。
 以上で発表を終わります。御清聴ありがとうございました。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 それでは、意見交換へと移らせていただきます。新潟県障害者交流センター、新潟ふれ愛プラザ、それから北九州市障害者スポーツセンター、アレアスからの御説明を踏まえて、御意見、質問等ございましたら挙手をお願いします。いかがでしょうか。では、遠藤委員、お願いします。
【遠藤主査代理】  御説明ありがとうございました。新潟の丸田さんに質問なんですが、終わりのところで、デメリットのところで、市町村の福祉課の距離がどんどん離れていくとあったんですけど、もう少し具体的にお話聞かせていただきたいと思います。お願いします。
【丸田所長】  そうですね、今、我々の市町村のところでいろいろ見ていると、うまくいっているところといっていない市町村があって、うまくいっていない市町村というのは、本当にスポーツ課単独で動いているところが非常に多いとは感じるんです。それはなぜかといえば、スポーツの担当の人が障害者と直接つながっていないというのが一番大きな要因だと思っています。
 やはり、まず、スポーツというのは、私はよりよく生きるためのものだと思いますけども、福祉というのはまさに生きること、生きるというベースのところをしっかりしていかないとうまくいかないと思うんですで。障害のある人って、恐らくいろいろなスポーツ施設やスポーツイベントに参加するってすごくハードルが高く感じると思います。我々のセンターに来るときですら、やはり初めて来るというのはすごく高いハードルを感じるはずなんです。その辺の安心感という面は、福祉課がうまく連携してやっていかないと、絶対に障害者が不在になっていくものになっていくんだろうと感じています。
 なかなかうまい説明ができないんですけども、とにかく障害のある人とつながるためには、安心できる組織、人が必要なんだろうと強く感じます。
 以上でございます。よろしいでしょうか。
【遠藤主査代理】  ありがとうございました。
【藤田主査】  ほかはいかがでしょうか。お願いします。
【澤江委員】  澤江です。どうもまず、新潟の丸田先生にお伺いしたいんですけれども、今のお話と関連するんですけれども、うまくいっているところとうまくいっていないところというお話がありました、連携というところで。その中で、今のお話の中でエントリー、障害のある人たちがスポーツにつながるときのポイントとして、安心感とかというようなお話がありました。
 それをコーディネートしていくということを考えたときに、どのような知識とか、どのような経験のある方が人材としてそこに当てはめていけるといいのか、丸田先生のお考えを聞かせていただけたらと思います。
【丸田所長】  うまくいっているところで見ると、まず、例えば総合型スポーツクラブのクラブマネージャーさんとか、あるいは地域のキーマンとなる人というのは、例えば特別支援の学校の先生を経験したりとか、あるいは、子供の療育支援をした経験があるとか、あるいはお子さんが障害者だとか、絶対にやらなければならないという使命感とか、続けなければいけないという理由のある人じゃないと、なかなかそこのコーディネートって、うまくいかないと思う。私は仕事でそれやるって、やはり何年かで異動するような人間では、それは無理だと思うんです。絶対にもう辞められないんだと、そういう人たちがキーマンにならないと、継続してやるってすごく難しいなというのを感じています。保護者というのは、非常にキーマンとしては大事なポイントかなと思っております。
【藤田主査】  ほかはいかがですか。小淵委員、お願いします。
【小淵委員】  小淵です。丸田さん、有延さん、御無沙汰しております。
 アレアスの有延さんにお伺いしたいです。僕も何度もお邪魔させてもらっていて、今日は多分、時間の関係で、有延さんも多少御説明をはしょったところがあるのかなと思いつつ、アレアスのすごく特色的なところって、障害のない人も利用できるトレーニング室と障害者スポーツセンターという両方の機能が両立しているところだと思います。例えばトレーニング室というのは障害のない人もある人も使うと思います。
 障害のない人からすれば、通常のトレーニング室だと思ってきたら、障害者がいてというケースも結構あるのかなと思っていて、その辺のいろいろな御苦労をどう対応してきたかというところについて、お伺いできればと思います。よろしくお願いします。
【有延所長】  アレアス、今は11年目が終わろうとしているんですけれども、特に最初の頃、アレアスの前がコナミスポーツクラブでございました。そこの利用者も、館員としてアレアスが吸収するような形も一部取る中で、一方で、障害のある方は、障害者スポーツセンター、もともと小倉南区にあった方々がこちらに流れていくという状況の中で、お互いの権利意識といいますか、そういったものがぶつかるような状況がございまして、開設当初は、いろいろお互いの苦情みたいなものがあったりしました。意見箱、ただ、11年たつ中で、そういった障害のある方からの障害者スポーツセンターなのにという悲しみの声とか、もともと健常の方、会員さんのもともと自分たちの施設だったんだみたいなことの意見は、本当に時間とともに減ってきておりまして、1つはやはり時間、お互いの、刷り込まれるといいますか、なじんでくるというか、時間というものが一つ大きくプラスになっているところはあると思います。
 あと、入会なり、初めてお越しの際の利用者の方には、こういう施設であるということを御説明したりもしておりまして、なるべくそういった理解の中で、お互いに気持ちよく使っていただけるような形を意識しております。
【藤田主査】  ほかはいかがでしょうか。
【倉野委員】  倉野です。新潟県とアレアスさんにお伺いしたいです。
 1つ目は、新潟県のお話の中で、共感した部分は、スポーツと福祉が離れてしまっている、パラスポーツイベントで障害者が不在というのは本当にあると思っています。そこでお伺いしたいんですけれども、イベントなどを開催するとき、あるいは、ふだんの関わりの中で、障害当事者を巻き込むというのは難しいんでしょうか。特に、市町村レベルでは、障害当事者がたくさんいて、団体がたくさんありますので、それを巻き込む、福祉課を通して巻き込むのが難しいのかどうかを伺いたいのが、まず、1点。
 また、アレアスさんのほうにお伺いしたいのは何かと申しますと、施設を改修するポイントを見させていただいて、気になった部分があります。電光掲示板を設置してほしいという意見があったんですけれども、見送られてしまったと記載されています。電光掲示板は、私たち聴覚障害者にとって、情報保障として非常に大切なんですけれども、見送られた理由というのは、多分、バリアフリー法では聴覚障害に関する設備は指定がされていない、費用がかかるというところが多かったのではないかなと思っております。よろしければその見送った理由、経緯等を伺いたいです。以上です。
【藤田主査】  では、最初、丸田さんから。
【丸田所長】  難しいか、難しくないかということで言えば、決して難しくはないと思っているんです。本当に、福祉からスポーツの流れができたときにも、福祉とスポーツが一体となって取り組んでいくというのが最初のスタートだったはずなんですけども、それが、やはり行政の縦割りの中でなかなかうまく機能しなかったというのは本当に感じています。逆にうまくいっているところは、スポーツの組織の中に福祉の人たちを多く取り込んでいるし、逆に、福祉のほうにスポーツもどんどん、どんどん入ってもらって、連携しているという状態ができているところというのは本当にうまくいっている。だから、そこの、まず、行政のその辺の理解をもう一回、きちんと変えるということもそうですし、それに付随しているような団体のところの意識というのも変えていくということが重要だと思います。
 そうやっているところというのは本当にいいイベントですし、私、イベントというのは、ただ人が来ればいいってもんじゃないと思っています。これは組織的連携をするための手段であって目的ではないので、イベントというのは上手に使って、いろいろなところと連携するんだという意識を持ってもらうことが重要だと思っています。
 答えになっているかどうか分かりませんけども、以上であります。
【倉野委員】  ありがとうございました。
【藤田主査】  では、有延さん。
【有延所長】  電光掲示板についてですけれども、大変恐縮なんですが、その当時、私自身が取り入れる、取り入れないということを判断できるような状況、あるいは、立場におりませんでしたので、伝え聞いた情報として、そういったことであったということでございますので、ただ、予算の関係でというところで伝え聞いているところでございます。
 以上でございます。
【倉野委員】  分かりました。ありがとうございました。
【藤田主査】  ほかにもまだおありかもしれませんが、時間もございますので、一旦ここで質問を切らしていただいて、ほかにある方、事務局のほうに出していただいて、連絡いただいてそれをお答えいただくという形を取ってもよろしいですか。大丈夫ですか。では、私も質問を送ろうと思っていますので、よろしくお願いします。
 丸田さん、有延さん、どうもありがとうございました。
【丸田所長】  ありがとうございました。
【有延所長】  ありがとうございました。
【藤田主査】  それでは、適宜御退席いただければと思います。
 では、次の2団体、もう入っていただいておりますか。では、静岡県と江戸川区の方のヒアリングに移りたいと思います。本日はヒアリングに御対応いただきまして、どうもありがとうございます。時間の都合もございまして、同時に複数の団体に入室していただいております。2団体連続で御説明いただき、その後、同時に質疑をすることになっております。
 では、最初に、静岡県スポーツ文化観光部スポーツ局、スポーツ振興課長の大村様より御説明をお願いします。
【大村スポーツ振興課長】  静岡県スポーツ振興課長の大村フミタカと申します。よろしくお願いいたします。それでは、私のほうから説明させていただきます。
 まず、最初に、右上のところに、東アジア文化都市ということで書いてあるんですけど、これは文化庁さんの事業なんですけど、本県、日中韓の3か国の文化交流の事業の今年の担当県になっておりますので、紹介で載せさせていただきました。申し訳ございません。御了承いただければと思います。
 それでは、早速説明のほう、入らせていただきます。静岡県では今年度、パラスポーツ推進協議会ということで、パラスポーツに関する推進策を検討する会議をやってまいりました。設置の経緯といたしましては、東京大会だと、本県ゆかりのパラアスリートの活躍というのがございました。金メダリストをたくさん排出いたしました。銀メダル、銅メダル、それから入賞した方もたくさんいたものですから、そういった活躍がありまして、非常に県内におけるパラスポーツの盛り上がりというのがございました。
 それを踏まえまして、ちょうど1年ぐらい前なんですが、障害者スポーツに関するパラアスリートの意見交換会というのを開催いたしました。その中でいろいろな意見が出たのですが、それを踏まえまして、昨年の4月なんですけど、県の障害者スポーツ協会から、知事へ要望書を提出するということがございました。
 その要望書を踏まえまして、我々のほうとしましては、パラスポーツの具体的な推進策を検討する、静岡県パラスポーツ推進協議会というものを設置いたしました。構成メンバーといたしましては、県の障害者スポーツ協会、県のスポーツ協会、県の理学療法士会とか、パラスポーツのアスリート、それから県の障害者スポーツ指導員の指導者の協議会の方々などに入っていただきまして、アドバイザーとしましては、スポーツ理学療法学会とか日本パラスポーツ協会の方々に御参画いただきまして、検討を進めてきたところであります。
 検討事項としましては、主に3つございまして、障害者スポーツの裾野拡大、それから、すいません、少し字が抜けていましたが、パラアスリートの発掘育成支援、それからハード、ソフト機能の検討という3つについて、検討を進めてまいりました。
 開催状況といたしましては、第1回の開催を昨年の5月に行いまして、検討事項の決定とか課題抽出を行ってまいりまして、昨年の9月の初めに中間取りまとめを行いまして、その後、先進事例視察、ナショナルトレーニングセンターであったりとか、パラアリーナのほうを視察させていただきまして、年を明けまして、2月の初めに提言の取りまとめという形で3回の会議を開催してきたところであります。
 報告書の概要といたしましては、障害者スポーツの裾野拡大としましては、パラスポーツに関する情報を集めた情報センターの創設であったりとか、パラスポーツの普及、理解啓発の推進、それから人々が集まるプロスポーツ会場等での情報発信なんかを行っていく必要があるということと、あと、パラアスリートの発掘育成支援につきましては、医科学サポート体制の整備であったりとか、医療従事者への情報提供、それからトップパラアスリートによる魅力発信みたいなことをやっていく必要があるということで、あと、今日、後ほどの障害者スポーツセンターのところにも関係してくるのですが、ハード、ソフト機能の検討ということで、パラスポーツ――すいません、これは少し字が違っていまして申し訳ございません。優先施設の整備であったりとか、体育施設管理者への研修等の実施、それから、本県のほうでは取組も進めているんですが、指定管理者の選定におけるパラスポーツの取組というのを追加していくという形で提言をいただいたところであります。
 もう一つ、最後に、それではこれらの具体的な推進策をどうやって進めていくのかというところで、パラスポーツの振興に係る推進体制の整備というのも提言いただきまして、官民連携コンソーシアムというものを来年度、創設していくことになりました。これらの内容につきましては、3月6日の日に、県の障害者スポーツ協会の理事長である方がパラスポーツ支援協議会の議長をやっていただいたものですから、知事を訪問いたしまして報告書を提出いただいたところであります。
 具体的な推進体制のパラスポーツの官民コンソーシアムについて、御説明させていただければと思います。静岡県パラスポーツ推進協議会で、報告書の取組を実践していくプラットフォームとして創設していきたいと考えております。スポーツ関係者をはじめ、官民の全てのステークホルダーの協働による持続可能なパラスポーツの推進を目指していきたいと考えております。
 ここには説明で、下のところに、地域ボランティアとかいろいろな方々がいらっしゃいますが、その人たちに会員として参画していただきまして、推進策の大きな3つ、裾野拡大、アスリート強化、それから環境整備という形で3つのワーキンググループを開催して、それぞれの取組内容を具体的に実践していくのにどうやって行っていったらいいのかというのを検討していけたらいいなと考えております。検討を進めるとともに、実践のほうもコンソーシアムのほうでやっていきたいと考えております。
 実際に、それでは、障害者スポーツセンターの検討に当たりましては、富士の国パラスポーツ推進コンソーシアムの中に設置するワーキンググループで検討していく予定であります。検討の進め方としましては、国のほうでの今回の会議の議論を踏まえまして、本県における障害者スポーツセンターの在り方などを検討していきたいと考えております。
 まずは、本県の現状を把握して、既存施設の改修や新規設置、本県の地理的特性を考えたネットワーク化など、幅広い議論を想定しているところであります。構成メンバーとしましては、パラアスリートをはじめ、障害者スポーツ指導員とか、あと競技団体施設管理実務者などに入っていただければなと考えております。検討の内容に応じて参加メンバーを追加したりとかという形で考えております。
 スケジュールとしましては、新年度の準備をちょうど今やっているところでございまして、4月以降はどういった方々に入っていただけるのかとか検討事項の整理を、県のほうが主に担っていくことになると思いますので、事務局的な立場として進めていきまして、コンソーシアムの設立自体は夏頃を想定しているものですから、コンソーシアムの設立とかワーキンググループの発足に備えまして準備を進めていって、それで、設立後には、すぐにワーキンググループの開催とかに移っていけるような形で、ちょうど1年後ぐらいにはコンソーシアムのほうに報告できるような形で取りまとめができればと考えております。
 次のところですが、現在、障害者スポーツセンターに加盟している本県の施設はないのですが、県内の主な障害者専用優先スポーツ施設が4つほどございまして、その施設の概要がこちらのほうに記載されております。県の身体障害者福祉センターというものがございまして、県庁のそばに、県の総合社会福祉会館というのがございまして、こちらのほうに体育館機能であったりとか、そういったものがある施設があります。それから、あと、静岡市の清水区のほうに施設がございまして、それ以外にも浜松市のほうに2つほど、これは、浜松市の社会福祉事業団さんと、あと、聖隷さんという大きな病院を持っているところがあるんですけど、そこがつくった施設というのがございます。聖隷さんの施設が一番新しいのかなと考えているところであります。
 我々のほうとしまして、障害者スポーツセンターに係る想定課題といたしましては、まず、幾つか掲載させていただいたのですが、法的位置づけというのが明確にできるといいのではないかなと考えているところであります。既存の法令とかがございますので、スポーツ庁さんのほうで整理がなされているのかもしれませんが、障害者基本法であったりとか、あと、バリアフリー法と言われる高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律で、ある程度、既存の法律の中で整理されている部分もあるものですから、それとの整合性みたいなのを整理していく必要があるのではないかなというところがあります。
 それを踏まえますと、議論の施設との関係の整理であったり、あとは施設基準の提示に関しても、既存施設で類似の施設がありますので、そういった基準との整理というのも必要なのかなというのがあります。
 それから、丸の3つ目なんですけど、施設整備に関する補助制度の創設ということで、やはり施設整備に関しては、補助金の制度があったほうが進みやすいのかなというところはあります。ただ、やはり地方の実情としましては、国の施策と方向性が一致しているというのを、一つ、今の国の補助制度があるということが、国のほうがこの施策を推進しているんだということの説明の1つになるかと思いますので、そういったところも必要ではないかなと考えているところであります。
 それからあと、技術的な細かい話なんですけど、地方債といって、国の国債に代わる地方の債権があるんですが、そういったものの活用もできるのではないかなと。大規模な施設整備には、起債で地方債を活用するケースが多いものですから、充当率の高い事業にこれを位置づけできるといいのではないでしょうかというのと、あと、もう一つ、地方債は、内容によっては元利償還金に対する、交付税措置もあるものですから、そういうものを、交付税措置の対象になるものに位置付けられれば、より整備が進めやすいのではないかなと思います。ただ、いずれも総務省さんのほうとの協議が必要になるのではないかなというふうに地方債に関しては思っております。
 あと、もう一つ、交付税措置に関しましては、多分総務省さんのほうも苦労されていると思うんですけど、財務省さんとの協議の関係で、対象になる記載が非常に限定されているものですから、地方の財政規律を維持していくという関係で、あまり増やすなという考えがあるのではないかなというところがありますので、地方債の活用については、総務省さんとの調整が必要かなと考えているところであります。
 あと、最後ですが、設備や人員の配置についても基準とかを示していただければ、よりその基準に沿った形で整備、考えていくことができるので、よいのではないかなというところと、あと、施設運営には費用が伴うものですから、ランニングコストというところについて、どのようにやっていくのかというのを、モデルケースとか財政支援があればいいと思うんですけど、なかなかランニングコストの財政支援というのは難しいと思いますので、どういう在り方がいいのかなというところで、少しモデルケースを御教示いただければと思います。
 あと、センターの考え方なんですけど、これは議論されているところだと思いますけど、本当に中心性が必要なのか、静岡県は、皆さんも御存じだと思いますが、東西に長い県ですので、1か所だけじゃなくて複数箇所つくらないといけないとなってしまうと、金銭的な制約がある中では難しいので、分散型であったりとかネットワーク型であったりとか、いろいろな在り方をお示しいただければと思っております。
 最後、一番、また、これも細かい話で申し訳ないんですけど、施設以外にも、設備の機能としてのお話があると思いますので、そういう設備のほうの整備に当たっても、補助制度があると整備が進みやすいのではないかなと考えているところでございます。
 すいません、いろいろ課題ばかりで申し訳なかったのですが、こちらのほうが、我々が考えていくに当たって検討が必要なものではないかなというところでございました。どうぞよろしくお願いいたします。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 それでは、続いて江戸川区文化教育部スポーツ振興課長、高橋様より御説明をお願いいたします。
【高橋スポーツ振興課長】  よろしいでしょうか。今、紹介していただきました、江戸川区のスポーツ振興課長の高橋です。
 江戸川区からは4点について、東京2020パラリンピック、2020の22競技できる宣言を行っております。あと、次はオランダクラブというスポーツクラブの取組について、3点目については、人材育成について、4点目については、パラスポーツの相談機能についてということでお話しさせていただきたいと思います。
 1つ目といたしまして、何で江戸川区は今、パラスポーツ力を入れているかということで、江戸川区では今、政策として共生社会の実現について、誰一人取り残さないということで、パラスポーツの啓発、普及を行っています。その中で、江戸川区としては、平成28年に障害者スポーツの係をつくりまして、今はパラスポーツ係と変更していますけども、5人で係を編成、その中で理学療法士の方も1人、専属いまして、スポーツ課と一緒に、パラスポーツの普及啓発に取り組んでいるというところであります。
 1つ目の東京2020パラリンピック22競技宣言ですけども、これについては、令和2年の12月1日に宣言をしております。るるぶの冊子を使って普及啓発に進んでいるということで、これの冊子については、国の助成を受けながら行っているということで、江戸川区内に、区の施設はもとより民間の施設も使って、江戸川区としては、22できる宣言を行っているところでございます。
 今、競技場がありますけれども、その中で、全ての競技が実施、並びに練習ができるということで、今も取り組んでおります。その中で特異なものといたしましては、乗馬ができないということで、江戸川区にはポニーランドという小さい馬でやっているものがあったんですけども、乗馬という形で、この宣言をするに当たって馬も、また、車椅子フェンシングを行うピストですとかゴールボール、あとバリアフリーということで整備を整えていると、特に、22宣言できるということで、江戸川の持っている体育館、特に床が傷ついたり汚れたりということもあるんですが、それについては、トップ判断でできる宣言をしていますので、それについては、ぜひお使いくださいということで進めているところでございます。
 その中で、環境整備はもとより、どうしても宣言だけではなくて、できるということなので、パラスポーツの一般公開ということで行っています。このように、いろいろなスポーツの団体様に使っていただいて、その中で一般公開というような形で、やりたい方に参加してもらうということで、ここにありますように、車椅子バスケットについては、第1水曜日と第2土曜日、ゴールボール、シッティングバレーボール、ブラインドサッカーについては、江戸川区のスポーツセンターというところで、毎月、ゴールボールについては、第3土曜日、第4土曜日、シッティングバレーボールについては毎月第1土曜日、ブラインドサッカーについて第3土曜日というような形で、各団体の協力をいただいて練習をしていただいていると。その中で、やりたい方を御紹介したり参加してもらって、少しでも普及ができるような形で取り組んでいるところでございます。
 2つ目のオランダクラブということで、江戸川区では、平成29年10月にオランダと協定を結びまして、オランダがパラスポーツの先進国ということで、ゲームチェンジャープロジェクということでオランダと協定を結んでいます。その名称を使わせていただいて、定期的な運動教室ということで、オランダクラブという形で江戸川区が持っている大きな体育館、江戸川区総合体育館、スポーツセンターで、14種目の教室をそれぞれ月1回開催しております。
 オランダクラブは、今年の3月末で協定がなくなりますので、もう少しもっと大きくパラスポーツに特化するということで、令和5年度4月から総合体育館スポーツセンター以外のところで行っていることも含めて、パランスポーツクラブということで名称を変更と情報の趣旨の一元化を図るという形で今、取組をしているところでございます。
 3つ目の視点といたしまして、えどがわパラスポアンバサダーということで、その中で、どうしてもパラスポーツを行うに当たっては、いろいろな方の協力が必要だということで、江戸川区では初級者障害者スポーツ指導員ということで養成講座を受けた方が、江戸川では、パラスポーツアンバサダーということで任命して、区のパラスポーツを行うときについては、皆さんにお声をかけて、ボランティアとして参加をしていただいているところであります。
 令和4年の4月1日では163名、今年の2月に江戸川区主催の障害者スポーツ指導員養成講座を行いましたので、約200名の方が登録していただけるのかなという形で、パラスポーツアンバサダーの方にお力を借りて、普及啓発活動に取り組んでいるというところでございます。
 最後に、江戸川区としては、パラスポーツも含めた形で、相談機能の充実という形で区内のスポーツ施設、これは指定管理者で行っていただいていますけれども、その方にスポーツコンシェルジュというような形で、いろいろな相談業務、電話でも、来ていただいてもそうですけれども、パラスポーツに対して障害者の持っている方について、どういうスポーツができるかという相談を行ってもらっています。また、江戸川区にいる理学療法士も含めて、毎月1回、総合体育館のスポーツセンターで個別相談会を実施しているところでございます。
 そういう中で、江戸川区では、江戸川区の政策であります共生社会実現に向けて、障害の有無に関わらず、誰でもスポーツができるということで、スポーツ、障害者の方も、健常者の中もコミュニケーションを取っていただいて、生きがいづくりということで、今後も取り組んでいければと思っております。
 以上でございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。
 それでは、意見交換へと移らせていただきます。今の静岡県、それから江戸川区からの御説明を踏まえて、御意見、質問等がございましたら挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 1点、私のほうから、静岡の大村さんに確認なんですが、これは前にNHKのテレビ、ニュースで見たんですけども、障害者サッカーの専用球場をつくるというニュースがあります。それとは別のものとして考えていいんですね、この障害者スポーツセンターというのは。
【大村スポーツ振興課長】  そうです。障害者サッカーの施設の関係というのは我々も確認したんですけど、県内の企業様のほうで施設整備を進めていきたいという形で考えていらっしゃるということで、企業さんのほうの福利厚生施設と兼ね合いの中で、障害者サッカー、いろいろなサッカーができるようなものを整備していきたいという形で伺っておりますので、我々が自治体として整備していくものとは別のものになります。
【藤田主査】  分かりました。ありがとうございます。では、金山委員。
【金山委員】  まず、入室するときに、Zoomのアップデートが始まってしまいまして、遅れてしまいました。申し訳ございませんでした。
 江戸川区の高橋様のほうに少しお伺いをしたいと思います。オランダクラブのことについてなんですけれども、恐らくは共生社会ホストタウンのほうに名のりを上げて、それからの御縁だと考えております。共生社会ホストタウンというのは、もともと素地があるところが手を挙げて、共生社会ホストタウンに入っていくという、参入するというような経緯があったかと思うんですけれども、江戸川区のほうでは、オリパラが決定してから、あるいは、それ以前から障害のある人に対するスポーツの取組というのは、素地として持っておられたかということを少し伺いたいと思いまして、よろしくお願い申し上げます。
【藤田主査】  高橋さん、お願いします。
【高橋スポーツ振興課長】  ありがとうございます。今のオランダクラブの御質問ですけれども、今、委員のおっしゃられましたように、令和2年の5月に内閣府さんの共生社会ホストタウンのような形で認定をいただきまして、その後、行っていますけど、その素地といたしましては、先ほど言いましたように、江戸川区といたしましては、平成28年から障害者のパラスポーツに特化した係をつくってきたというのもありまして、そういう、スポーツもそうですし、あと、町のバリアフリー化も取り組んでいるというような形でホストタウンに任命されて、その前に、オランダさんとは協定を結んで、障害者スポーツという形で取り組んでいた御縁がありまして、今現在もやっているというところでございます。
 以上です。
【金山委員】  ありがとうございました。今、東京都ということで、私ども地方におりますので、レガシーの1つだというふうに捉えて、お話を伺いました。ありがとうございました。
【藤田主査】  ほかは、では、澤江委員、お願いします。
【澤江委員】  御発表ありがとうございます。澤江です。静岡のほうに、大村さんに御質問させていただきたいと思います。
 コンソーシアムのところなんですけれども、非常に大事なところだと思います。今後、障害者スポーツの推進をする上で、様々なリソースとの連携というのが大事になってきます。特にコンソーシアムという考え方は、ある1つの目標に向かって様々な職、異職種、または、異資源、異次元が共有するという、そうした下に基づいて、協議体として動いていくものです。
 その点で、多分、その辺りの部分で難しいなと思っているのが民間企業さん、またはスポーツ施設さん、そのあたりで共有できるビジョンみたいなものというものはどのような形で設定をお考えになっているのかというところです。特に民間企業に関しては、どのような共有できるものを考えられているのかということ、それからスポーツ施設に関しては、これはどのようなスポーツ施設が想定されていますか。いわゆる公共施設が中心なのか、いわゆるプライベートも含めた民間施設等も含まれているのかというようなこと、併せてお聞かせいただけたらと思います。
【大村スポーツ振興課長】  まず、民間企業さんとかそういったところの共有なんですけど、我々のほうとして考えているのは、企業様のほうの社会貢献活動の一環として、やはり障害者スポーツ、パラスポーツを応援していくということで、企業としての存在価値というのを示していく一端を担えるのではないかなということで、それで、そういったことをやっていくことによって、企業としての価値の向上、それから社員教育の一環としても活用できるのではないかなと考えているものですから、パラスポーツの意義というものを伝えていくことによって、企業様の参画を促していきたいなと考えているところであります。
 それから、施設につきましては、自治体、公共施設のほうがメインになっていくかと思いますが、民間の施設なんかもありますので、そういったところにも参加を促していきたいなと考えているところでございます。
【澤江委員】  ありがとうございました。
【藤田主査】  ほかはいかがでしょうか。ないようでしたら、私から1点、江戸川区の高橋様に質問したいんですけども、私の理解では、江戸川区内の様々なスポーツ施設で障害者スポーツ、パラスポーツができるような環境をつくっていく。そこには当然、障害のある方も参加すると、そういう理解でよろしいですか。
【高橋スポーツ振興課長】  ありがとうございます。江戸川区の今、区が管理している7施設については、当然どこでもできますという中で、民間施設については厳しいんですけども、あとは、学校等についても今、進めようという形で行っております。今、現時点では、江戸川区が所有している7施設については、障害に有無に関わらずできるという体制を行っているところでございます。ありがとうございます。
【藤田主査】  その中で、いきなり、じゃあ受入れを始めましょうといって、受入れができるものではないと思うんです。その前段階として、どういう準備をされてきたのかというのを教えていただきたいと思います。
【高橋スポーツ振興課長】  当然、いきなり来るという方もいらっしゃるんですけども、先ほど御紹介いたしました、7施設については、案内役というような形、スポーツコンシェルジュという形で、その方が、当然、初級障害者指導員の講座を受けたりですとか、そういう方が各施設にいらっしゃいますので、その方が各施設に行ったときにこういうスポーツができますよと。さっき言いました、オランダクラブですとかの御紹介をしたりですとか、そういう形でつなげていくという形から入っていくのかなということ等が1点。
 また、毎月、個別相談をしていますので、そういう中で、障害を持っている方からの電話ですとか個別相談によって、各施設に御紹介しているというような形でございます。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。あと、お一人ぐらい、もし御質問あれば、お時間ありますが、よろしいですか。
【倉野委員】  倉野です。
【藤田主査】  では、お願いします。
【倉野委員】  江戸川区についてお伺いしたいと思います。江戸川区の取組は、パラスポーツ施設の普及・理解のためにはとてもいい取組だと思っております。パラスポーツ競技として、つまりパラリンピックを目指す、あるいは、さらに競技性を高めるために取組をしているんだと思うんですけれども、その中で、選手に対し、江戸川区はどのように支援といいますか、競技環境の向上のための支援をどのような形でしているのかを教えていただけるとありがたいです。
【高橋スポーツ振興課長】  ありがとうございます。競技スポーツも、トップアスリートも大事だと思うんですけど、まずは、障害の有無に関わらず、誰でもできるような環境を整えたいというのが1点です。
 その中でトップアスリート、オリンピックを目指すような形になると、全国大会に出たりですとかというと、1つとしては表彰制度があります。あと、もう一つは……。
【倉野委員】  ごめんなさい、今のところをもう一回お願いできますか。
【高橋スポーツ振興課長】  はい。1つとしては、表彰制度があります。栄誉賞ですとかという表彰制度がある。あと、もう一つとしては、トップアスリートについて、障害者も含めたトップアスリートについては、夢基金という形で、オリンピックを目指す方については、助成金という形で支援をしています。
 以上です。
【倉野委員】  ありがとうございました。
【藤田主査】  ほかに質問ございませんでしょうか。渡邊さん、お願いします。
【渡邊委員】  すいません、時間がない中、渡邊と申します。江戸川区のほうにお聞きしたいんですけれども、障害者スポーツの初級指導員の方をパラスポーツアンバサダーに任命されてということなんですが、具体的にどういう御活躍をなさっているのかを教えていただければありがたいです。
【高橋スポーツ振興課長】  ありがとうございます。今、登録者数は今現在、約200名いらっしゃいます。その中で、陸上競技もそうですけれども、今、いろいろな、ボッチャ大会ですとか車椅子陸上ですとか、バドミントンも含めるんですけども、そういう中のお手伝いをしていただいております。要は、器具を運んだり、乗り移ったり、ボッチャについてはいろいろなお世話もそうですけれども、審判もしていただいているような形で協力を賜っているということでございます。
 以上です。
【渡邊委員】  ありがとうございました。
【藤田主査】  よろしいですか。ほかはいいですか。
 では、ヒアリングに関しましては、一旦ここで締めさせていただきたいと思います。質問、また新たに出てくるかもしれません。その場合は、先ほどと同じく、事務局のほうに出していただいて、問合せをしていただくという形を取りたいと思いますので、よろしくお願いします。
 静岡県の大村様、それから、江戸川区の高橋様、お忙しい中どうもありがとうございました。では、適宜御退出ください。
 それでは、今のヒアリング内容も踏まえて、それから、最初に資料説明、室長が行った資料等も含めまして、意見交換をしてまいりたいと思います。どなたからでも結構です。では、遠藤委員、お願いします。
【遠藤主査代理】  今までのヒアリングも含めて、ざっと整理をさせていただいて、実はワーキンググループを進める中でいろいろな意見があって、私の中でぼやけてきたところが今日、クリアになったなというところがありました。
 1つは、自分の中でも整理しつつ、「いつでもどこでも誰もが」という主体のところの「誰もが」は、あくまでも、主役は障害のある人ということを、まず、1点、明確に確認したかったというのがありました。ワーキンググループの1回目、始まったときに、河合委員から一般の施設、そこも障害のある方、誰もが使えるのはもう当然であって、それを踏まえて、そこまでに至らない障害者がいるということを踏まえて、障害者スポーツセンターが必要だよねというような議論から始まったかと思います。
 そういった障害者スポーツセンターを利用して、医療と地域に出るための障害者の断絶、地域との断絶をなくして、解消して、障害者の自立度と積極性を高めて、一般の施設等の共有施設のほうに移行していく、もしくは、重度の障害がある方や一般の共有施設が整備されるまでは、ずっと障害者スポーツセンターを利用するというような方もいらっしゃるということも踏まえて議論が始まったかと思います。
 それは、私のほう、福島県ですと障害者スポーツセンターがない県ですので、ある県と比べまして、障害者の自立度であったり積極性であったり、そういったものが差があるというふうに前、お話しさせていただいたかと思うんですが、そういったものが全国共通、一律で障害者の自立度、積極性、そして社会参加、スポーツを通してのそういった福祉的な観点も含めて、あらゆる障害のある方に平等に、そういったスポーツの機会と社会参加が行われるという、まず、その大前提があったということで、今日、ヒアリングを聞かせていただいて、やはり東京すごいなと思ったのは、王子や多摩スポやスポーツセンターがある上で、こうした江戸川区のような自治体が率先して、施設を共有していくというような取組が行われていると。なので、あくまでも障害者スポーツセンターというのは、障害のある方が、当事者が置き去りにならないような取組をしつつ、主役はその方々、当事者で、そこがハブとなって、こうした自治体やいろいろな取組に事業として、あるいは、その取組であったり、そういったものを展開していくというような、はっきり言って、今日初めてクリアになったというようなイメージがすごくつきました。
 一方で、障害のある方、いろいろなことを取り組み出して、障害のある方が置き去りにならないようにしなければいけないということも、障害者スポーツセンターの在り方に関する議論の中で明確にしていかなきゃいけないのかなと思いました。これは議論する中で、自身も含めて、確認の意味で発言させていただきました。ありがとうございます。
【藤田主査】  ありがとうございました。何となくこのワーキンググループで目指そうというところ、明確にお話しいただいたかと思います。
 水原さん、御意見、お願いします。
【水原委員】  日本スポーツ施設協会の水原と申します。今回の4回目の会議を通して感じたことは、健常者と言われる人たちと比較してスポーツ施設が少ないんじゃなくてないんです。ここがまず、根底にあるんだろうと思うんです。ないのをどうしようかというところで、片方では公共スポーツ施設を、UD化も含めて障害者の人たちも使えるようにしていかなきゃいけないという1つのものと、スポーツセンターをつくるというのは違うことであって、ちゃんとそれは保障していくということを考えていかないとなかなか進まないんだろうなと感じました。ですから、そこの基本的な、先ほど遠藤さんも言いましたけども、基本的には障害者がどうやってスポーツをこれから継続してやっていけるかという環境をつくることなんだということに、もう少し深く掘り下げていかないといけないのかなと。
 施設設置者というのは、各自治体が公共スポーツ施設を設置しているので、設置者がいかにそのことをちゃんと理解をして進めていくかというふうにいかないと、なかなか当事者であったり、障害者スポーツ協会さんであったり、指導者協議会であったとしても、やはり設置者の理解がないと恐らく進まないんだろうと。そういった面で、施設設置者というものが、もう少し障害者スポーツの環境をどうするかということを真剣に考えていただきたいなと感じました。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。全くそのとおりで、設置者の理解がないと恐らく指定管理の仕様書にもそういったものが入ってこない。入ってこないとやれない。結局、絵に描いたもちで終わってしまうということだと思います。そこの理解をどう促していくかというのは大きな課題だと思います。
 ほかの方、小淵委員、お願いします。
【小淵委員】  皆さん、発表ありがとうございました。江戸川区のところ、補足だけさせてください。今日は先進事例の一つとして江戸川区がいろいろな取組をされているということで、発表されたと思うのですけども、過去に関わらせていただいたこともあるので、そこだけ共有をさせていただければと思っています。江戸川区さんはスポーツ振興課の中に、障害者スポーツ係というのをつくっています。これは平成28年とおっしゃっていましたけども、そのとき、これから、どうやって障害者スポーツ振興をやっていこうとしたときに、僕も多少、庁内の勉強会に関わらせてもらったんですけども、区長さんをはじめ、幹部職員、これはスポーツ振興課に関わらず、江戸川区役所内の幹部職員の方向けの勉強会の中で、障害者スポーツの課題というのを、きちんと行政の中の皆さんが理解したというのがスタートにあるかなと思っています。その結果、いろいろなことをやっていく中で、江戸川区内には障害者スポーツセンターってないよねと。じゃあ、その中でどうやって、やっていこうというときに、一般の公共スポーツ施設をどうやって使っていこうかという議論の中で、今に至るすばらしい取組につながっているのかなと思いますので、そこを補足的に、まずは、御説明させていただいたというところです。
 全体のお話でいうと、どうしても障害者スポーツセンターというのが歴史的な経緯を含めると、都道府県の障害者スポーツ協会であったり、指導者協議会という機能と一緒になっているケースというのがあります。当然、それは限られたリソースというのも含めてそうなってしまっていて、議論の中でもセンターの議論なのか、協会の議論なのか、指導協の議論なのか、どうしても混在してしまうと。これはでも致し方ないかなと思ってはいるところなんですけども、ここをある程度、ワーキンググループの議論の中ではすみ分けをできる限り、可能な範囲でしていくことが必要かなと思っておりますし、スポーツセンターの在り方というところに関して、ハード面の設置基準など、ハード面の基準を上げ過ぎてしまうと、なかなか全部の都道府県でそれをできないところもありますので、ある程度、ソフト面でカバーできるところはしていきながら、障害者スポーツセンターの在り方という議論を、今後していければいいのかなと思いました。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございます。まさに小淵委員がおっしゃったとおりです。センターという箱物がない中で、センター機能をしっかりと特定して、地域でそこを展開していくということの好事例と思います。
 ほかはいかがでしょうか。河合委員、お願いします。
【河合委員】  ありがとうございます。今日の発表とか聞かせていただきながら、改めて思ったのは2つあって、1つは当事者の声を、とてもうまく生かしていくという言い方がいいのか分からないですけど、声をしっかりと行政の皆さんとかいろいろな関係者と連携して、しかるべき方々に聞いてもらって考えていただくという、まず、第一歩のところは、そこに尽きるのかなと。北九州さんもそうだったと思いますし、静岡県もそういうところからスタートし、それを真剣に受け止めて、今の御時世とか時代背景とかを踏まえて、検討がスタートするというところがあるので、開かれた議論の場をまずつくることが、いろいろな意味で、都道府県とかごとに合った、地域に合った障害者スポーツセンターのいわゆる在り方を考えていくことにもつながる。我々は今、国として、その中で基準なり、1つの方向性を、枠組みとかを示していくのが今、大きな役割なんだなということを再認識したということです。
 2点目は、今回、県と新潟県、あるいは新潟と静岡県という県の部分と、北九州市さんは政令市でありながら基礎的自治体と、江戸川区さんもそうだというときに、基礎的自治体まで、国からのいろいろなものがどうやったら本当にうまくいくのかなというのは、改めて感じました。先ほど申し上げたように、当事者はそこに住民としていて、もちろん県民であり、市民であるわけですけど、市民の方が市民としてどうそこで、身近なところでとなったときに、県の大きさにもよると思いますが、なかなかできた場所にすぐに行けるか、日常的に通えるかというのは、相当難しい中での課題感をどう取り組むのか。
 指定管理者の制度も県立で持っているところとかというのはそう多くない中で、市立の市立とか町立とかというところも含めたところにどうやって、先ほどの指定管理の枠組みであったり、あるいは、より現実的な活動場所とか環境、クラブづくり、あるいは学校の教育委員会とかというのも、県の教育委員会の下にある市町の教育委員会がどう取り組むかどうかが大きなポイントになるので、ここまでどうやって影響を及ぼせるかどうかというのは、今回、まとめていく中で、もう一個ポイントなんだなと感じました。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。ほかに、次、お願いします。
【倉野委員】  倉野です。先ほどからの皆さんのお話に私も共感をいたしております。
 障害者スポーツセンターに対して、今まで箱物やバリアフリーの設備が十分進んでいるような考え方できたかと思います。ですが、実際見てみますと、都道府県の障害者スポーツセンターでは、2年、3年使ったところでは、障害者が利用するということが考えられない、2時間かけてそこへ行くのは非常に大変であるということです。本来は、障害者が自分の地域でスポーツを楽しむことができるということ、それが理想です。
 1つの県のセンターに障害者が集まってスポーツをするというのは、インクルージョンの考え方だと逆だと思います。ですので、今後は、障害者スポーツセンターの役割、新たな役割は何なのかというところ。今までそれぞれ4者から御報告をいただきましたけれども、パラスポーツを普及していく、その支援をするということも1つでありますし、そのレベルを上げていく役割という機能も必要だと考えております。
 ですので、マネジメントをしていくということ、そういったことができる人材を設置するということです。そういう配置をするということが考えられるかと思います。そのためには、やはりどうしても国からの援助、助成、支援が必要です。それらも併せて考えていっていただければいいのかなと思っております。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。ほか、次はどなたにいきましょうか。今、大きくうなづいていた澤江委員、お願いできますか。
【澤江委員】  澤江です。今日のお話の、今の委員の先生方のお話をお伺いしていて、やはり必要なことは何かなと思ったときに、これまでもずっと話をさせてもらっていましたけれども、地域というものをどう関係づけていけるか。障害のある人たちが身近に、僕はいわゆる生活圏と言われる、その範囲の中でスポーツを楽しむということができる。そのためには、それぞれの地理的な特性というのがあるので、その地理的な特性に合わせた形のマネジメントみたいなものは当然必要になってくるだろうと思います。
 そうした点を考えると、こうした地理的な条件、またはそれぞれの都市の特性というものを含めた、地域の中でコーディネートできる人材というものが必要になってくると、やはり改めて今日感じた部分です。
 今後、そうした課題に、これからの課題になってくるのかもしれませんが、そうしたコーディネートできる人材の育成の仕方という部分。その点についての議論も、またしていかなければいけなくなってきたのかなと思います。実際、私自身も、ある自治体と障害者スポーツ推進に関わらせてもらったときには、今日の話の中でもそうでしたが、いわゆるスポーツの部局と、それから障害福祉の部局が共に、まず、話合いをする場というものをつくって、そこから意見交換の中で形が出来上がったという事例を目の当たりにさせてもらっています。それは1つだけではなく複数のところですし、私の今の地元、地元になるのか分からないですけど、つくばのほうでも最近、同じような形をさせてもらって、やはり同じように化学反応が起こっているというのも事実です。
 そういう意味では、最初にそうした関係する部署、今まで縦割りと言われていたところを、いわゆる障害者スポーツ推進という形で横とのつながりを持てるような、そうした場づくりというのが必要になってくるということを改めて感じています。こうしたことが1つの方策の中に組み込まれていくことを期待しております。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。オンラインで参加の方、いかがでしょうか。大日方委員、お願いします。
【大日方委員】  ありがとうございます。私も皆様の意見にはおおむね賛成をしております。その上で、少し個別の感じたこと、逆になるように捉えることもあるかもしれませんけれども、資料の2について、気付いたことを申し上げたいと思います。
 7ページで、必要な人材というところについて、記載がありました。今、先ほどのように、コーディネートする人材、地域とを結びつける人材というところについて、こういった中に行っているということが必要であるというところは賛成いたしますし、するべきだろうと思います。
 そして、また別の視点になるんですが、一方で、指導者については、ある種のスキルが必要なのではないかというようなことについても申し上げたいと思います。それが、障害のある人たちが使う競技用具に関することです。競技用具を、障害のある人たちの体の特徴に合わせて、あるいは障害に合わせて適切な用具を選ぶ、その助言をすることでありますとか、簡単なリペアメント、修理等をすること、そして、できることであるならば、簡単なフィッティングというようなものをできる方が人材として必要ではないかなと思っております。こういったものがないと、始めさせてあげたいというような気持ちはあっても、その障害の特性に応じた道具を準備することというのを、どこからどう手をつけたらいいか分からない、こういったことが実情としてあると思いますので、ぜひその視点を入れるべきかなと思っております。
 また、先ほどからもある、障害のある人たちを抜きにして、ある種に置いておいて、健常者だけが参加するスポーツイベント、パラスポーツの理解交流イベント、こういったことについては、非常にそういうものではないということを明確に我々としても示す必要があるだろうと思います。そうなったときに障害者の権利条約の設定の中で非常に大切にされたスローガン、私たちのことを抜きに私たちのことを決めないでという、こういったことというのは非常に重要な視点であると思いますので、入れるべきかなと思います。
 また、静岡県の方からの御発表の中にありました、法整備、基本法との関係整備といった点です。ここについても議論をしていく、その位置づけを決めることによって、我々が何を求めているのか、必ずしもスポーツセンターという箱物ありきではないと。ネットワーク型もありだし、一方で、既存の施設とは違う役割というようなことについても明確に示すことができるだろうと思っておりますので、この辺りの議論は必要だろうと感じております。
 そして最後、江戸川区からの御発表の中にありました、パラスポーツのアンバサダーというような形で、人材をどうやって障害者スポーツ指導員を活用していくのかという取組、非常に好事例になるだろうと思いました。障害のある人たちの指導員という資格を取るけれども、取ったけれどもなかなか使えない、あるいは、そこで活躍の場がないというようなことを、一方で言う方もいらっしゃるし、一方で人材が足りないという現場の声もある。そこを結びつける行政の仕組みとして、こういう取組をしていくのがいいだろうなと思いました。
 また、コンソーシアムへの企業参加というようなお話も、これは静岡県か、あったかと思うんですけれども、企業のCSRの取組として行っていくということで、これは1つあると思いますが、例えば、企業に雇用されているパラアスリート、こういった方たちが今後行われていく事業に、何らかの形で業務として関わっていく。こういったような形で、一緒に企業と、その地域の障害者スポーツ振興といったものを増やしていく、そんな取組もできるのではないかなと、そのように感じた次第です。
 ありがとうございます。以上となります。
【藤田主査】  ありがとうございました。続きまして、齊藤委員、お願いします。
【齊藤委員】  東京都の齊藤でございます。御発表ありがとうございました。また、いろいろ御意見いただきましたけれども、論点につきましても、よくまとめていただきまして感謝申し上げます。
 センターですとか、センターの機能を有する施設が広く増えていくということが、障害のある人がスポーツとか運動に取り組める環境、仕組みをつくるということが今回の取りまとめの目標かと思っています。こういったことがQOLの向上にもつながっていくのかなと感じています。
 さきに、スポーツ庁さんのほうからスポーツ施設のユニバーサルデザイン化というガイドブックも出されておりますので、こういったハードの面と機能面、こういった2つのことを、いかに都道府県ですとか区市町村に落とし込んでいけるのかということが大切かなと思っています。
 御意見にもございましたが、そして、さらに言うと、少し耳の痛い話でもありましたが、スポーツですとか医療、福祉、こういったところが、どうしても縦割りになってしまっているところがあるので、我々もぜひ同じテーブルに着きましょうという取組をしておりますが、まさにこれを後押ししていくといいかなと思っております。
 一方で、今回は仕組み、器の話がございましたが、もう一つ、課題としては、スポーツをしない障害の方がいらっしゃるということがあります。関心がないとか、やらないという方もいらっしゃいますので、こういった方々も、ぜひこういったセンター、センター機能を有する施設に結びつけるにはどうしたらいいかということも一つ課題かなとは思っております。
 東京都としましては、大会を障害者スポーツをぜひ社会根づかせたいというところで、引き続き頑張っているところでありまして、25年には、デフリンピックの東京開催も決まりましたので、より幅広いスポーツを振興しようと取り組んでおります。
 また、昨日は、調布の味の素スタジアム内にパラスポーツトレーニングセンターというパラスポーツの競技力向上と普及振興という場をオープンいたしました。今日から供用開始してございます。こういった施設も使って、地域と一緒に障害者スポーツを盛り上げていきたいと思っております。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。次は、どなたかいらっしゃいますか。なければ、こちらから御指名をさせていただきたいと思います。日比野委員、いかがでしょうか。
【日比野委員】  すいません、日比野です。御指名ありがとうございます。今、皆さんの話を伺っていて何点かあります。
 これ、1回目のワーキンググループのときにもお話しして、今日、河合さん、大日方さんもおっしゃっていましたけど、当事者の声をきちんと入れていくことというのは、これはスポーツセンターの利用者の主体の人たちはもちろんそうですけども、スタッフもそうですし、そこに支える仕組みをつくっていくというところでいうと、当事者の声をきちんと入れていくというのは、もう本当に大事なことだなと思っています。
 障害者スポーツセンターの機能を持たせるための機能ということでいうと、それを持たせるためには、ソフトづくりはもう間違いなく大事な論点ではあるんですが、1つは財源の問題がどうしても出てくると思います。今日も幾つか指定管理の話も出ていましたけど、イニシャルコストは大体二、三割と言われていて、その後のランニングコスト、いわゆるその後にかかってくるお金が膨大であるということを考えていったときに、やりたいけどなかなか手を出せない仕組みも根本的にあるので、そこの指定管理のフォローアップだとかも含めて議論が必要なのかなと、改めて思っていました。すいません、この辺りはざっくりした意見で申し訳ありません。
 今日は江戸川の初級指導者のアンバサダーの件、大日方さんも言っていましたけども、私もこれは面白い取組だなと思って伺っていました。取ったけど、実際にそれをどう使っていいか分からないというと、例えば学校現場なんかでもそうですが、障害者のスポーツ指導員の資格を取って、授業を取ったとしても、その後、何ができるのかというところになかなかつながっていかないということで言うと、私たちはみすみす人材を捨てていってしまっていることはいっぱいあるんじゃないかなと思っています。
 一方で、高度な知識の専門性の高い指導者も必要であって、指導者という概念自体も、機能のハブを持たせていく意味ですごく重要な視点になってくるかなと感じていました。澤江先生がおっしゃっていたと思うんですけど、コーディネーターのことというのは本当にこれから一つ、障害者スポーツセンターの機能を持たせるには本当に重要だと思っていて、人材像もそうですけども、例えば障害を知っている人の偏りであったりだとか、障害種別、この障害には結構得意だけど、こっちの障害はあまり分からないとか、もちろんそういうことも出てくるでしょうし、障害者と一くくりでは言い表せないところのコーディネーターも含めて、きちんとした育成を考えていかないと、本当の意味での、箱を地域につなげていくというところの機能が充実していかないんじゃないかなというのを改めて思っていたところです。
 この間、日本パラスポーツ協会さんのスポーツインフォのほうでコーディネートをさせていただいたときに、いろいろな地域の大変効果的な御報告があったんですけど、その中で、ああ、そうだなと思った1つに、大阪の方がお話しされていたんですけど、障害者のスポーツセンター、大阪というと、すごく場所があっていいですよねと。でも結局、そこに来られる人たちは限られているので、どれだけ地域とつながっていくかと、特に学校とつながっていけるかという話もすごくされていました。
 学校のつながり方というのも、障害者スポーツセンターの機能を充実していくということでいうと、ハブ機能の中に何とつながっていこうかみたいな事例をきちんとつくり上げていくということも、この辺の今日のワーキンググループでの議論の中に、競技団体、学校、指導者、福祉医療、地元の企業、そこをどういうふうに巻き込んでいけるかというものを、一つ提案していけるようなことを、ハブ機能の効果の中で入れていけたらいいかなと思っています。
 あと、ごめんなさい、これが最後です。福祉、医療とのつながりというところで、私も実際にそうだと思っていて、今日、これを今までも見ていて思ったんですけど、割と理学療法士の方はよく出てくるんですけども、作業療法士が出てこないですよね。作業療法士は、発達障害とか精神障害の関係者のところに結構、精神保健福祉士の方もそうですけど、活躍されていらっしゃる方もいらっしゃいますので、障害の中にも多様な捉え方をもって、この議論をしなきゃいけないのかなと思って見ておりました。
 すいません、まとまりがないですが、以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。では、この後、手の挙がっている岡田委員、それから、その次、渡邊委員、次、根本委員、そして金山委員、高山委員、委員の順番に御意見を伺えればと思います。では、岡田委員、お願いします。
【岡田委員】  今日の皆さんもヒアリングを聞いて思ったことなんですけど、障害のある方が、いつでもどこでも誰でもスポーツに参加できるようにするために、いろいろな一般の施設でも障害のある方が利用できる、そういう場所を広げていくということが重要なのかなというのを、今日のお話を聞いていて思ったんですけれども、静岡の方がお話ししていたように、施設を整備をするのにもお金がかかってしまったりとか、その後、施設の整備をした後のランニングコストみたいなところも検討しなくではいけないという話があって、確かに一般の施設は障害のある方を受け入れる上ではお金がすごくかかってしまいますし、そこに対しては、補助制度みたいなものがないとメリットとしては一般の施設にはないので、そういったものが必要なのかなと思う一方で、ランニングコストみたいなところでいうと、そこも行政が支援するというところは、財源として難しい部分はあるのかなと思いますので、しっかりと受益者に負担をしていただくというところも検討する必要があるのかなと思っていて、利用するクラブチームだったりとか、あるいは、競技団体みたいなところが利用する施設に対してお金を払っていくことによって、施設に対しても新しい顧客を獲得できるというメリットが出てくると思うので、受益者負担というところも含めて、一般施設が障害のある方が利用できるように施設を整備していくというところは、今後目指していくところなのかなと思っていて、また、一般のお金を払っていく受益者側も、やはり財源がないとお金を払っていくことが難しくなっていて、だからクラブであったりとか競技団体というところもしっかりとマネジメントを行っていく必要があり、クラブがしっかりと参加者とか会費を集めてつくっていくというところだったりとか、あるいは江戸川区の事例でいうと、クラブチームに対して、例えば施設を貸し出す代わりに、一般公開とか一般の方に御参加していただくみたいな、そういう取組を行っていると思うんですけど、そういう一般の参加者の方々に対しては医療費を取っていくみたいなところをしてくると、もう少し財源の確保ということができるのかなというのを考えています。
 障害のある方が置き去りになっているというお話も併せて関連してくるかなと思うんですけど、もちろん障害のある方に対するスポーツの機会を提供していくというところが、もちろんゴールとしてはあるんですけれども、市場の開拓という意味では、健常者の方も取り込んでいくというのはすごく重要なポイントかと思っていて、障害のある方が受益者になって、お金を払っていく側のそういった人たちになっていくとなると、健常者の方からイベントの際にお金を取ると、そういうことができると、顧客として捉えることができると、健常者の方の受け入れということも重要な位置づけになってくるのかなと思っています。
 一方で、障害のある方がイベントに参加しなくなってしまうのではないかところもあると思うんですけど、そこには、皆さんもお話ししたように、医療との連携とか福祉施設との連携みたいなところが重要になってくるかなと思っていて、私は千葉でイベントを開催したときに、千葉市さんのほうに、病院のほうでチラシを配ってくれないかみたいなお話があって、千葉市さんがどういう医療関係者との連携をしているのかというのは、よく詳しくは分かっていないんですけれども、病院にチラシを貼ってくださったところ、病院のチラシを見て、初めて車椅子スポーツやりましたみたいな、今回、初めてですという人が来てくださったりというところがあったので、そういった障害のある方がしっかりいるところに対してマーケティング活動を行っていく。病院とか特別支援学校というところに広報を打っていくみたいなところ、そこに対して行政とか支援というものがあると、より障害のあるの方の参加というところが見込まれていくのではないかなということを考えております。
【藤田主査】  すいません。時間が迫っておりますので、よろしいでしょうか。
【岡田委員】  はい。長くてすいません。
【藤田主査】  では、渡邊委員、お願いします。
【渡邊委員】  ありがとうございました。障害者スポーツセンターの機能であるとか在り方をずっと議論、検討していく中で、本日、新潟県の障害者交流センターさんがおっしゃったように、それぞれの団体が持つ資源、リソースをどう共有し、また、共有だけではなくて再分配をしていくことが必要だと思いました。連携が目的ではないので、連携を手段として扱う場合には、資源の共有、そして再分配をしていくための、連携と、また、そこから、もう一つアウトプットするためのネットワークという連携、この2つの視点を持って進めていくことがすごく大切ではないかと感じました。
 我々の団体も様々なステークホルダーの方々と連携をしながら、ここまでやってきましたけれども、そういったものを共有するだけではなくて今、どう再分配し、また、アウトプットをしていくのかというのが求められるようになってきておりますので、新たな障害者スポーツセンターの機能、在り方、ハブをつくっていく上でも、そういった2つの視点の連携が重要かなと思って、今日、聞いておりました。
 私からは以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。では、根本委員、お願いします。
【根本委員】  ありがとうございます。私も、まさに今、お話があった御意見に賛同させていただきます。
 特に今日、冒頭のほうで、新潟県さんからもお話があったように、障害者不在のパラスポーツというのはあり得ないわけで、やはり幾つかの事例の中で、補助金、助成金を要望される場面があったかと思いますけれども、民間が介入して、以前も申し上げたように、障害者スポーツ協会とかというところ、また、市町村の大型クラブがどんどん中に入っていって、そういった縦割り行政による弊害を収縮していくようなセンターの運営というのが望まれると思いますので、ぜひ、その辺りも、行政の縦割り、行政の予算取りにもいろいろと御苦労はあるかと思いますけども、工夫をされるべきだなと思います。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございました。では、金山委員、お願いします。
【金山委員】  失礼いたします。お話をいろいろ伺っておりまして、やはり都市型と地域型、地方型というところで、運営の方略とかというのも少し変わってくると思います。やはり地域性が非常に重要になってくると思いますので、水原委員もおっしゃっておられたように、施設設置者である地方の行政体のほうが、やはりきちんと理解をして、力を入れていってほしいということと、そのためにはスポーツ推進計画の中で落とし込んで、1行、2行書くのではなくて、計画の中でちゃんと落とし込んで予算を、大変な苦慮も必要だと思うんですけども、予算取りをして推進していただければと考えた次第です。施設の運営側に、施設に丸投げというのはよろしくないと。設置者のほうが理解をしないと厳しいのではないかと考えました。
 それから、私自身は1989年の平成元年から、神戸のほうでノーマライゼーションを基本とした、初めからいわゆるユニバーサルな施設で、障害者スポーツの推進を行ってまいりました。有延さんがおっしゃっておられたように、時間がかかると。双方向の理解の過程では時間がかかるので、それはやはり必要なことだと思います。ただ、施設を使ってもらわない限りは、推進は絶対進まないので、まずは、障害のある人と障害のない人が施設を一緒に使っていただいて、その中で優先順位が障害のある人が高いんだよということを自然に、利用者同士で出てくるようになれば、まだ推進もあるんじゃないかなということを思います。
 以上です。失礼いたします。
【藤田主査】  ありがとうございました。終わる時間を若干過ぎることになると思いますけども、皆さん、御了承ください。では、最後、高山委員、お願いします。
【高山委員】  私は皆さんの御意見に賛同いたしますし、藤田主査、障害者スポーツ振興室の皆さんを通して、私の意見が、このポイントに網羅されていると思いますので、より一層、今後、今、勤めているセンターを通して、改めて、スポーツにアクセスが難しい方々のスポーツ支援の充実と地域振興を図っていきたいと思っています。
 以上です。
【藤田主査】  ありがとうございます。まだまだ言い足らないこと、皆さんおありじゃないかと思いますが、その分はまたメール等でお寄せいただければと思います。今、皆様からいただいた御意見を踏まえまして、次回以降の進め方について事務局と相談したいと思います。
 本日の予定していた議題は以上で終了となります。そのほか何か事務局より連絡事項はございますでしょうか。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  委員の皆様におかれては、長時間御議論いただきまして、ありがとうございました。なお、追加の御意見とか御質問がございましたら、今、御案内ありましたとおり、事務局までメールでお寄せいただければと思います。
 また、次回につきましては、日程を含め、詳細につきましては、後日、事務局よりまた御案内をいたします。引き続きよろしくお願い申し上げます。
【藤田主査】  それでは、本日はこれにて終了したいと思います。長時間、皆様どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
 
―― 了 ――
 

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  スポーツ庁健康スポーツ課障害者スポーツ振興室