スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第10回) 議事録

1.日時

令和3年11月29日(月曜日)16時00分~18時00分

2.議題

  1. (1)第3期スポーツ基本計画(中間報告素案)について
  2. (2)その他

3.議事録

【大日方部会長】  皆様、こんにちは。ただいまからスポーツ審議会スポーツ基本計画部会第10回の会合を開催いたします。
 皆様、大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、事前に希望いただいております先生におかれましては、Web会議形式で御参加いただく形とさせていただいております。また、報道関係者の方も含めて、傍聴の方はYoutubeによるオンライン配信を御覧いただく形となりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日、秋元委員より代理出席の申出が事前にありましたので、これを承認しております旨、御承知おきください。
 それでは、最初に室伏長官より御挨拶を頂戴いたします。よろしくお願いいたします。
【室伏長官】  スポーツ庁の室伏でございます。
 本日は、大変御多忙の中、スポーツ基本計画部会の第10回会合に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今月1日に開催させていただきましたスポーツ審議会総会とスポーツ基本計画部会の合同会議において、第3期スポーツ基本計画の構造案やロジックモデルについて御議論いただき、様々な御意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。
 本日は、合同会議での議論やこれまでの委員の先生方の御意見を踏まえ、第3期スポーツ基本計画の本文を作成し、中間報告素案として整理しておりますので、今後の取りまとめに向けて御意見等を頂戴できればと考えております。
 本日も自由闊達な御議論のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入る前に、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
【事務局】  それでは、本日の資料でございますが、次第にございますとおり、資料1といたしまして、第3期スポーツ基本計画(中間報告素案)についてでございます。また、参考1から参考4まで資料を置かせていただいておりますので、不備などありましたら事務局までお声がけください。会議室にお越しの委員の先生方には机上にも配付してございます。以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、早速議事に入ります。
 本日は、議事次第にもございますとおり、第3期スポーツ基本計画(中間報告素案)についてを議題といたします。
 早速議題に入ります。
 本日の資料は、11月1日に開催したスポーツ審議会・スポーツ基本計画部会合同会議や、これまでの皆様の御意見を踏まえ、事務局にて第3期スポーツ基本計画を文章化し、中間報告素案としてまとめたものとなっております。
 本日の議論を踏まえて修正案を作成し、次回のスポーツ審議会総会・スポーツ基本計画部会の合同会議にて、中間報告案をお諮りしたいと思っておりますので、忌憚のない御意見、御指摘を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、事務局より資料に基づき御説明をさせていただきます。
 まず、資料1、第3期スポーツ基本計画(中間報告素案)の御説明に入らせていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、通しページ1ページ目、2ページ目に、全体構造を目次の形で用意しております。
 第1章、第2章が、総論的な観点で取りまとめさせていただきました。第1章は、社会変化の中で改めて捉えるスポーツの価値。また、第2章は、第3期におけます新たな視点を取りまとめて、今回、御提案させていただいております。
 また、第3章、第4章、第5章は、それぞれ具体的な政策を観点別に分けて整理をさせていただきました。第3章は、東京大会のスポーツレガシーの継承・発展に向けて、特に重点的に取り組むべき施策。また、第4章は、3期の計画での「新たな三つの視点」を支える具体的な施策群。そして最後、第5章でございますが、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組む施策といたしまして、この3章、4章、5章で、具体的にこの5年間で取り組むべき政策を観点別に整理をさせ直していただいています。
 そして、第6章が、こうした施策を総合的かつ計画的にしっかりと推進するために必要な事項を4点ほど整理して、記載させていただいております。具体的な内容について、この後御説明させていただきたいと存じます。
 こういった中間報告の構造の下に、具体的な記載の観点について資料に基づき御説明させていただきます。
 3ページ目をおめくりください。
 まず、「はじめに」ということで、3ページ目の上からでございますが、2期計画期間中の経緯を整理して、記載させていただいております。特に、コロナウイルス感染の拡大、また東京大会について、そのスポーツに与えた影響を書き起こさせていただいております。
 3ページ目の下段から、それらに加えまして、この2期期間中の大きな社会変化、環境の変化も捉まえさせていただいております。
 4ページ目以降、3点書かせていただいておりますが、まず1点目は、一番上の段落にございますように、この2期計画期間中も人口の減少傾向、また高齢化がさらに進んでいる中、スポーツに求められる期待というものを整理させていただいております。
 「また」のところからは2点目でございますが、いわゆるデジタル化をはじめとした技術革新が急速に進み、Society5.0時代が到来していく中、新しい働き方、生活様式などの中で、日々の生活の中でスポーツに親しむ時間や環境を確保していくことが期待されている点、記載をさせていただいております。
 3点目といたしましては、国際的な動向といたしまして、持続可能な社会、共生社会の実現に向けた国際的な取組が進む中、スポーツを通じた貢献・交流も一層期待されているということを記載させていただいております。
 そういったことを踏まえまして、4ページ目から5ページ目で、具体的にスポーツ審議会における審議状況を記載させていただきまして、この中間報告を取りまとめるに至った経緯を記載させていただいております。
 続きまして、6ページを御覧ください。
 第1章以降、「社会変化のなかで改めて捉えるスポーツの価値」と題しまして、まず1点目は、6ページの上にございますように、2期計画の総括的な評価をさせていただいております。
 特に、こちらにございますように、2期期間中は四つの柱を記載させていただいております。1点目は、6ページの真ん中からでございますが、スポーツ参画人口の拡大等についてでございます。このような形で、四つの事項につきまして、この波線の箱の中にございますように、2期計画で掲げました政策目標に対しまして、その下の文章の中で、到達できたこと、まだ到達できてないこと、そして今後取り組む必要があること、そういった観点で記載させていただいております。
 この(1)につきましては、これまでも成人のスポーツの実施率、障害者のスポーツの実施率というのが、計画策定時よりも比較して上昇しておりまして、一定の達成は得られていると考えますが、計画に定めた目標値とはまだ開きがあると。そういった中で、そういった層をどうやって伸ばしていくのか、アプローチの仕方も含めて検討していく必要があります。
こういった形で、6ページ目の下段にあります、絆の強い社会の実現、また、7ページ目の下にございます、国際競技力の向上、そして、8ページ目にございます、クリーンでフェアなスポーツの推進といった四つの政策的な柱につきまして、その目標に対しての進捗状況、足りないところ、今後目指すべき方向を記載させていただいております。
 そういった中で、8ページ目の下段からでございますが、スポーツ行政の総合的な推進を図る上で必要な考え方といたしまして、スポーツ行政の中核的な役割を担う組織として、スポーツ庁が、2期計画の実行を通じてその課題を洗い出して、取組を進めていき、その際、第3期の計画ではスポーツをどのようなものとして捉えるのか、また、スポーツの価値をどのように発揮していくことになるのかという共通理解を図っていくことが必要だということで、9ページ目からでございますが、本計画におけますスポーツの捉え方、スポーツの価値について記載させていただいております。
 9ページ目の2ポツにございますように、まず、スポーツの捉え方といたしまして、平成23年に公布されましたスポーツ基本法の中でも、「スポーツは、世界共通の人類の文化である」と記載された上で、このスポーツの文化の確立を目指し、様々な政策を展開されましたが、今後はスポーツ文化の成熟に向けて、この計画に基づき必要な方針、具体的政策を示すことが求められているということで記載をさせていただいております。
 また、この計画で取り扱うべきスポーツにつきましては、9ページ目の下段、二つ黒ポツがございますが、スポーツは、「する」「みる」「ささえる」という様々な形での参画を通して、人々が感じる楽しさや喜びに根源を持つ身体活動であるということ。また、二つ目のポツにありますように、その身体活動自体に、心身の健全な発達、健康・体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心などの精神の涵養等のあらゆる自発的な意思に基づいて行われるものと整理をいたしまして、9ページ目の下段からは、「する」「みる」「ささえる」で少し具体的に解きほぐしをさせていただいております。
 また、こういったスポーツの価値そのものとして表せるもののほか、10ページ目の中段から下段にかけまして、スポーツが社会活性化に寄与する価値についても、それをさらに高めていく取組が求められているということを記載させていただいております。
 10ページ目の下段からにつきましては、特に新型コロナ、また東京大会を通じて確認されたスポーツの価値の在り方についてでございます。
 11ページ目にございますように、まず、新型コロナウイルスでは、スポーツが特に日々の生活から失われて制限されたりする中、個人、社会にとって、様々な悪影響が出てきてしまったと。こういった悪影響を除くためにも、非常事態であったとしても、スポーツの価値を享受できるような取組が求められるだろうということを記載しております。
 また、11ページの真ん中からでございますが、コロナの感染拡大の中で1年延期された東京大会につきまして、大会開催の是非についても様々御指摘があったということはしっかりと受け止めた上で、ただ、その中でも、感染症対策を徹底して、様々な方々の創意工夫の下で開催にこぎ着けたということを前提に、例えば、以降でございますが、世界中のトップアスリートが集まりスポーツをするという観点で、様々な価値があったということ、また、以下にありますように、アーバンスポーツと言われる新しい競技、また、パラリンピックの競技などを通じて、世界の人々がスポーツを見ることを通じて、そのすばらしさを感じたということ。
 さらには、12ページにありますように、大会のスタッフまたはボランティア、さらには競技を支える方々を含めた、スポーツを支えることのすばらしさといったことも、この大会を通じて感じることができただろうということであります。
 この東京大会につきましては、多様性と調和という基本コンセプトの中で、互いに認め合う共生社会を育む重要性が改めて認識されたというふうに考えて、記載をさせていただいております。
 一方で、東京大会を通じて、SNSを中心に選手への誹謗中傷、また暑さ対策など、様々課題があったということで、こういった課題にもしっかり対応する必要があるだろうということでの記載をさせていただいております。
 こういったことをポイントとして、2章、3章、4章、5章とつながるような記載をさせていただいております。
 13ページ目を御覧ください。
 続きまして、第2章でございますが、第3期におけます新たな視点について記載をしております。
 13ページ目の上段にございますように、第2期計画におきましては、特に計画が目指す方向性を分かりやすく簡潔に示す観点から、スポーツで「人生」が変わる、「社会」を変える、「世界」とつながる、「未来」を創るという四つの観点を記載しております。これにつきましては、前向きで活力ある社会と、絆の強い社会をつくるという方向性で、かなり包括的かつ大局的な観点で整理をいただいております。
 3期計画期間の5年後だけでなく、10年先を見据えた上で、こういった考え方は踏襲していってはどうかということで記載をしておりますが、その際に、下段からでございますが、この2期計画期間中もこの四つの観点、例えば、「人生」につきましては、人生100年時代の到来。また、「社会」につきましては、デジタル化の推進によるリアルとデジタルの融合。また、その中での社会変革が進んでいるということ。「世界」につきましては、特にスポーツが重要課題として国際的にも取り上げられる中、コロナ禍での影響はありましたが、今後を考えますと、国内外問わず様々な方々が様々な地域で活動していくグローバル化の中、スポーツにおいてもそういったことを的確に捉えて対応する必要があるということを記載しております。そして、「未来」につきましては、持続可能な社会づくりに向けての取組が求められており、スポーツはどのような貢献が可能になるのかを記載させていただいております。
 こういったことを踏まえまして、14ページ目の下の丸1 、丸2 、丸3 にありますように、社会の変化や状況に応じて、既存の仕組みにとらわれず柔軟に対応するというスポーツを「つくる/はぐくむ」という視点。また、様々な方々、組織が集まり、共に活動してつながりを感じながらスポーツに取り組む社会の実現。3番目には、性別、年齢、障害の有無、経済的・地域的事情に関わらず、全ての人々がスポーツにアクセスできる社会の実現。こういった観点を三つの視点といたしまして、14ページ目以降、具体的にその中身について記載をさせていただいたところであります。
 16ページ目の最後にございますように、第3期計画につきましては、こういった三つの視点を新たなものといたしまして、より具体的な政策を取り組んでいくことが必要ということで記載させていただきました。
 次に、17ページ目以降でございますが、こういった1章、2章を踏まえまして、特に三つの観点からそれぞれ政策を解きほぐさせていただいております。
 17ページ目は、東京大会のレガシーの継承・発展に向けて、重点的に取り組むべき施策でございますが、ここは6点整理をしております。
 1点目は、17ページの真ん中、(1)にございますように、東京大会の成果を一過性のものとしない持続可能な国際競技力の向上ということで、中長期の強化戦略プランの実効化といったものを継続的に支援するほか、ハイパフォーマンススポーツセンターの連携、研究機能の強化などを記載しております。
 また、2点目は、東京大会で特に、安全・安心に大規模大会を開催するノウハウが相当生まれております。こういったものを継承し、今後の大きな国際大会に生かしていく。また、この東京大会を通じてドーピング防止活動など、人材やネットワークも構築されておりますので、そういったものを活用していくということについて記載をさせていただいております。
 18ページ目の(3)に3点目の観点がございますが、東京大会を契機とした共生社会の実現、また、多様な主体によるスポーツ参画の促進ということで、誰もがスポーツに参画できる機会の創出意識の醸成、また、研究現場・医療現場の関係者との連携強化などを記載しております。
 また、一番下にありますように、オリ・パラ教育を通じて、スポーツのさらに特色ある教育活動の展開ということにも触れさせていただいております。
 19ページ目の(4)にございますように、4点目でございますが、東京大会で高まった地域住民のスポーツへの関心を生かした地方創生、まちづくりということで、ホストタウンなど、十分には実施できなかったかもしれませんが、かなり事前の準備なども含めてしっかりと地域住民のスポーツへの関心は高まっております。こういったものを地域創生、まちづくりの取組に生かしていくということを記載させていただいております。
 また、5点目につきましては、東京大会を通じた官民ネットワークによるスポーツを通じた国際交流ということで、特に、20ページ目の上段にございますように、現在200か国以上、約1,250万人にスポーツの価値を届ける取組、SFT事業を展開してまいりましたが、より一層のスポーツを通じた国際協力に向けて、さらなる取組、貢献を目指していくということを記載させていただいています。
 6点目といたしましては、東京大会の開催時に生じたスポーツに関わる者の心身の安全確保でございます。特に、暑さ対策という観点では、選手を熱中症から守る対策、また夏季における練習・大会の在り方といったものを検討していくとともに、アスリートの誹謗中傷に対してのメンタル面でのサポートを含めた取組について、記載をさせていただいています。また、安心・安全は、スポーツをする方のみならず、見る方、支える方々も含めて考えていくということで、その記載をさせていただいております。
 以上が第3章のポイントでございます。
 続きまして、第4章、この第3期計画における新たな三つの視点を支える具体的な施策として、整理をして記載させていただいております。
 一つ目が、スポーツを「つくる/はぐくむ」という観点でございますが、1点目は、多様な主体が参画できるスポーツの機会創出ということで、こちらの上段にございますように、様々な創意工夫をしながら、その取組が進むよう、普及啓発、支援活動を行っていくということ。
 また、特に次代を担う子供たちを育む観点から、教員を含めた指導者の養成・研修、また、指導の手引きやICTの活用、さらには体育の授業の充実ということで、様々子供たちに対しての支援、働きかけをしていくということを記載しております。また、その際には、子供たちが参加するスポーツ大会等の在り方についても、不断に見直していくことが求められている旨、記載をしております。
 また、21ページ目の下段にありますように、質の高いスポーツ指導者の育成という観点からは、特に選手の将来を見据えて、自主性・自律性を育むため、そういう質の高い指導ができる指導者を養成するために、既にあります、公認の指導者の講習や資格の取得、そういったものを支援していくとともに、その中では、理不尽な暴力や指導が押しつけられないよう、科学的知見に基づく指導方法の取得を進めていくことを記載させていただいています。
 また、3点目は、スポーツ界におけるDXの導入ということで、こちらにありますように、スポーツの楽しみ方、また、スポーツの新しい機会の創出をデジタル化によって進めること、また、新たなビジネスモデルの創出につなげるということを記載させていただいています。
 22ページ目からは、「あつまり」「ともに」「つながる」という観点の新しい視点でございますが、まず、1点目は、スポーツを通じた共生社会の実現ということで、23ページ目以降にありますが、施設の整備やプログラムの提供はもとより、普及啓発活動を通じた意識の醸成に取り組むということを記載しております。
 2点目の観点といたしましては、スポーツ団体のガバナンス・経営力強化、関係団体の連携・協力を通じて、我が国のスポーツ関係者が集まり、その体制を強化していく、そういった観点から記載をさせていただいているところであります。
 また、23ページの下段にございますように、スポーツを通じた国際交流も非常に重要な観点ということでございます。
 次に、24ページ目、一人も取り残さないスポーツへのアクセスという観点で、何はともあれ、地域において、住民の誰もが気軽にスポーツに親しめる場づくりの機会の提供ということで、総合型地域スポーツクラブの充実などを含めた各種施策の取組といったものを記載させていただいております。
 また、2番目には、特にジュニアがそういった競技スポーツにしっかり取り組めるように、アスリート育成のパスウェイの構築などといった支援。
 また、本人が望まない理由でスポーツを途中でやめることがないような継続的なアクセスの確保ということで、その取組を記載させていただいております。
 以上が、新たな三つの視点に対しての支えるべき施策群でございます。
 25ページ目以降は、総合的かつ計画的な取組ということで、2期計画以降、これまでもしっかり取り組んできたものをさらに3期で充実させていくという観点から、多様な主体におけるスポーツの機会創出の観点で、政策を整理させていただいております。
 また、32ページ目以降は、スポーツ界におけるDXの推進。
 34ページ目には、国際競技力の向上。
 39ページには、スポーツの国際交流・国際貢献。
 42ページ目からは、スポーツによる健康増進。
 45ページ目からは、スポーツの成長産業化。
 46ページ目からは、スポーツによる地方創生、まちづくり。
 49ページ目からは、スポーツを通じた共生社会の実現。
 52ページ目からは、こういったスポーツを支える担い手となるスポーツ団体のガバナンス改革・経営力強化。
 そして、53ページ目からは、スポーツ推進に不可欠なハード、ソフト、人材の養成・確保について記載をさせていただいております。
 また、60ページ目からは、スポーツを実施する方の安全・安心の確保。
 また、61ページ目からは、スポーツ・インテグリティの確保ということで、これまでの取組も含めて分析をし、また、今後の政策目標、施策目標を定め、個別具体の政策を記載させていただいておりますので、この後、御審議をいただけたらと考えている次第であります。
 こういった3章、4章、5章の具体的政策を計画的かつ総合的に推進するための必要な共通事項といたしまして、66ページ目以降でございますけれども、第3期におけます取組・施策の実効性を高めるためのEBPMの推進ということで、例えば66ページの上には、数値目標を含めた成果指標の考え方、また、スポーツ行政分野におけるEBPMの推進の重要性について記載をさせていただいているところであります。
 また、67ページの中ほどにございますように、このロジックモデルを使いまして、第3期計画期間中の取組の進捗なり、フォローアップに生かしていく。そして、それを後期なり、また第4期のスポーツ基本計画の策定に生かしていくということを記載させていただいている次第であります。
 また、67ページ目では、第3期計画の計画的な広報活動の推進。
 また、第3期計画を実施するための財源の確保ということで、68ページ目にございます。
 特に、4番目といたしまして、68ページ目の下段からは、こういった第3期計画を支える様々な主体に期待される役割をまとめさせていただいておりまして、68ページ目には、スポーツの主役となります国民の皆様に期待すべきこと、また、69ページ目の中ほどは、スポーツ団体、民間事業者に期待される役割を記載しております。そして、70ページ目には、地方公共団体に期待される役割を整理させていただきまして、それぞれ主体別に、この第3期の計画に基づいて取り組んでいただきたいこと、それに期待されることをまとめさせていただいた次第でございます。
 駆け足になって恐縮でございますが、事務方からの説明は以上でございます。この後の御審議のほど、よろしくお願いいたします。
【大日方部会長】  どうもありがとうございました。大変短い時間でコンパクトに御説明いただきまして、ありがとうございます。
 早速意見交換に移りたいと思います。
 時間の都合もありますので、恐縮ですが、1回の御発言は3分程度に収めていただいて、できる限り複数回、皆さんが御発言を本日いただければと思っております。進行のほう、御協力をお願いいたします。
 それでは、御意見がありましたら、いつものように挙手または挙手ボタンにてお知らせください。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、渡邉委員からいきましょうか。まず、渡邉委員、そして森岡委員、お願いいたします。
【渡邉委員】  では、トップバッターということで、お願いします。
 計画の素案、全体的に今までの意見をよく反映していただいておりまして、整理されているというのが第一印象であります。その上で、2点ほどお願いしたいことがあります。
 基本計画自体はよくまとまっております。これから皆さんの意見を踏まえて、さらにブラッシュアップされると思うのですが、実際に各実施主体、例えば国が地方公共団体をサポートするとか、いろんな書かれ方がありますけれども、では、地方公共団体は、この基本計画をどのように解釈して、どう実行したらいいのか。ここの部分は、基本計画とは別に、解釈の仕方、具体的な方法論について別のものを作っていただいて、それを先ほどあったように、広報展開などを通じて周知徹底をしていただきたいと思います。そして、それを各地方公共団体のスポーツ推進計画のほうに落とし込むような、そんなサポートをしていただきたいと思います。そのためには、常々申し上げていますけれども、中央と地方の縦と横の連携をしっかりと構築して、それで進めていただきたいということです。
 そして、もう一つは、第2期スポーツ基本計画での個人的な感想でありますけれども、やはり基本計画を実行推進するチームといったものをつくっていただいたほうが、EBPMを推進する上でも実効性が上がるのではないかというのが第1点目です。
 それと、第2点目は、国際競技力の向上のページです。34ページ以降にありますけれども、ここの内容を拝見すると、オリンピックとパラリンピックがどうしても中心になってしまうんですよね。オリ・パラの競技種目以外の国際総合競技大会であるとか、世界選手権というのもあるんです。そういったNFあるいは選手へのサポートをしっかりできるような文言をここに書き落としていただいて、実際に実行していただきたい。
 大塚委員にもお願いしているんですけど、私は日本ワールドゲームズ協会という組織の副会長をしております。東京2020の空手、スポーツクライミング、あるいはローラースポーツは、従来はワールドゲームズの競技種目でした。それが東京2020大会の正式競技種目ということになりました。残念ながら空手はまた戻ってまいりますけれども。したがって、こういった競技種目というのもまだまだございますので、そこをしっかりフォローアップできるような書きぶりをしていただきたい。
 以上2点であります。
【大日方部会長】  ありがとうございます。では、森岡委員、お願いいたします。
【森岡委員】  ありがとうございます。日本スポーツ協会の森岡です。
 今、渡邉委員もおっしゃったように、我々の議論した内容をかなり取りまとめていただき、ありがとうございます。特に、JSPOが主語になっている部分を14か所記載していただいておりますことに対しまして、まずは感謝申し上げたいと思います。
 その上で、3点お願いします。27ページに、「運動部活動の地域移行に関する検討会議で提言された改革の方向性・方策に基づいて着実に推進する」とありますが、今後この基本計画の中に、「運動部活動で指導するあらゆる指導者へ何らかの資格の取得を義務づけ」ということを言及していただきたいと思います。
 2点目は、同じく27ページですが、1点目と関連しますが、全ての人々がスポーツにアクセスできる社会を実現するという視点からも、部活を地域移行にした場合に、経済格差や地域格差に起因して、子供たちの運動機会が喪失されるおそれがあるので、それを防止する対応も記載していただきたいです。
 最後、3点目ですが、29ページの「b.子供・若者の日常的な運動習慣の確立と体力の向上」という部分に、以前も申しましたが、諸外国では既に取り入れられている考え方ですが、生涯にわたってスポーツや身体活動を通じて心身ともに健康で幸福な生活を営む上で持っておくべき基礎的な素養である「フィジカルリテラシー」に基づくことを記載していただきたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。森岡さん、これは、フィジカルリテラシーという言葉があったほうがいいというイメージですか。
【森岡委員】  そうですね。具体的に、例えば「フィジカルリテラシー」のような考え方に基づいてというようなことを入れていただければと思います。
【大日方部会長】  ありがとうございました。
 それでは、オンラインのほうで御参加の秋元委員の代理の方、いきましょうか。お願いいたします。
【札幌市中田スポーツ局長(秋元委員代理)】  委員である秋元札幌市長の代理として出席しております、札幌市スポーツ局長の中田でございます。地方公共団体の立場として発言をさせていただきます。
 今回の素案におきまして、スポーツによる地方創生、まちづくりということを、今後の取り組むべき施策の大きな柱の一つとして位置づけていただいたことに、感謝を申し上げます。
 また、この場をお借りしまして、我々が進めております2030年の冬季オリンピック・パラリンピック招致のことについて、少しだけお話しさせていただきたいと思います。
 札幌市が2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致を進めていることは、これまでの部会におきまして秋元市長から発言しているところであります。まさに本日午後、先ほどでございますが、2030年大会の概要案を札幌市議会に報告いたしました。さらに、先ほどでございますが、16時30分から市長記者会見におきまして、秋元市長から概要案の内容を直接御説明しております。
 2030年大会のビジョンは、札幌らしい持続可能なオリンピック・パラリンピック。サブテーマとして、「人と地球と未来にやさしい大会で新たなレガシーを」というものであります。
 札幌市は、来年、市制施行100周年を迎えます。先人たちが築き上げてきた札幌のまちを、次の50年、100年後も持続可能な都市として、輝き続けるまちとして、次の世代を担う子供たちにしっかりと引き継ぐためにも、2030年大会の招致実現に向けてまちづくりと連動した取組を進めていきたいと考えております。
 2030年大会は、今後予定されている2026年の第20回アジア競技大会など、国内で開催される国際競技大会と同様に、我が国の国際競技力向上や経済・地域の活性化等に貢献する大会となること。また、東京大会の大きなレガシーである共生社会の実現に向けた取組を一層進めていくことを目指してまいります。皆様の御理解、御支援をお願い申し上げます。
 また、先の話となりますが、2030年大会の札幌開催が決定した暁には、日本人選手が地元開催の大会で活躍できるよう、また、冬季競技の国際競技力向上のためにも、冬季競技の強化拠点整備などについて御検討いただくことを併せてお願い申し上げます。
 最後になりますが、中間報告素案では、東京大会を契機とした地域住民のスポーツへの関心の高まりを、スポーツレガシーとして、スポーツによる地方創生やまちづくりの取組に転化させることを記載しております。札幌市におきましても、2030年大会の招致活動と連動させながら、スポーツによるまちづくりの取組をより一層進めていきたいと考えております。皆様の御理解、御支援をお願いいたします。
 私からの発言は以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。ちょうど先ほど2030の招致概要が公表されたということで、ありがとうございます。
 それでは、髙橋委員、そして能瀬委員の順番で御発言をお願いいたします。
【髙橋委員】  髙橋でございます。御指名ありがとうございます。
 今回の中間報告素案につきましては、これまで私どもが意見を述べてまいりました障害者スポーツやオリ・パラレガシーなどに関する内容が、幅広く網羅されております。また、取りまとめに当たっては、障害者スポーツに関する記載について、関係項目ごとに記載すると同時に、再び掲載をしてもよいので、ある箇所にまとめて掲載してほしいという、その両面での記載をお願いしたことも反映した素案となっており、全体的には大変ありがたい取りまとめであると受け止めております。
 その上で、全体的には我々の意見が網羅されておりますが、逆に言えば、我々の望む施策のマスト、ウォント、ベターという整理から見ると、ややめり張りがなく、満遍なく書いていただいているという印象でございます。
 そこで、改めて、第3期基本計画における我々のマストの施策を2点、もう一度申し上げたいと思います。一つは、体育の授業を見学している児童生徒をゼロにすること。二つ目は、障害のあることや体育館の床に傷がつくといった風評により利用を断る体育施設をゼロにすること。この2点がマストだと考えております。
 そこで、具体的には以下の追加記入をお願いしたいと思います。
 まず、体育の授業を見学している児童生徒をゼロにすることについて、見学している児童生徒がいるという現状について、全ての関連する項目に記載していただくと同時に、28ページと50ページの両方のページの今後の施策目標に、こうした児童生徒をゼロにするということを追加記載していただきたいと思います。
 また、障害のあることや体育館の床に傷がつくといった風評により利用を断る体育施設をゼロとすることについて、先ほど申し上げたことと同様に、こうした体育施設があるということについて、全ての関連する項目に記載するとともに、30ページと50ページの両方のページの今後の施策目標に、こうした体育施設をゼロにするということを記載していただきたいと思います。
 マスト事項を明確にして、これだけはやり抜くという計画にしていただければ、よりありがたいと思います。
 最後に別件で、今、札幌市の方からも御発言がありました札幌オリ・パラの件について、1点申し上げます。
 41ページの国際競技大会の招致・開催に対する支援に関し、現状認識の項目には2030年札幌冬季五輪についての記載がありますが、今後の施策目標及び具体的施策に札幌大会の記載がございません。JPCとしても、先ほど札幌の方がおっしゃったのと同様、このオリンピック・パラリンピックは、共生社会の実現のためにも、また、スポーツを通じた地域振興のためにも、極めて重要な位置づけにあり、札幌オリ・パラの開催をぜひ実現したいと考えておりますので、この記載を強めるよう、お願いを申し上げたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、能瀬委員、お願いいたします。
【能瀬委員】  東大病院で産婦人科医をしております能瀬です。産婦人科医の立場から主に女性アスリートの支援をしている立場として、1点だけコメントさせていただきます。
 女性アスリートに関する文言で、例えば、34ページ、丸1 の黒ポツ四つ目のところ、女性アスリートが健康にハイパフォーマンスを継続するための環境づくりについて記載されており、また、35ページのカのところでも、女性アスリートに関する支援体制の整備ということが記載されており、恐らくここに含まれているのかと思いますけれども、女性アスリートの医科学的な問題で今、一番課題となっていることは、健康問題について相談窓口を設置するということではなくて、スクリーニング体制が構築されていないという点ですので、ぜひもう少し具体的に、スクリーニング体制の構築というところを文言に入れていただければと思います。
 1点、こちらだけコメントさせていただきます。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、ほかに御意見のある方。では、大塚委員と、國土委員も手を挙げられましたかね。では、大塚委員、國土委員の順でお願いいたします。
【大塚委員】  ありがとうございます。日本トライアスロン連合、大塚です。
 大変すばらしいまとめをしていただいて、内容も読み応えあり、しっかりと把握できた内容になったというふうに思います。
 私からは、4点ございまして、まず一つは、今の札幌のお話に関しましては、競技団体の立場から、本当に今、東京大会のレガシーを札幌に引き継いでいくチャンスだと思っております。人材、リソースも含めて、この機運を高めていただきたい。そういった意味では、今、髙橋さんがおっしゃったように、札幌の記載をもう少し主要箇所にしっかりと残していただきたいなと思います。また、我々スポーツ界合わせてこの札幌を応援していけるような機運づくりにもつながると思いますので、ぜひ札幌の文言をしっかりと残していただきたいと思います。
 それから、23ページにあります、スポーツ団体のガバナンス・経営力強化、関係団体の連携協力を通じた我が国のスポーツ体制の強化の部分で、競技団体同士の横連携という言葉を、以前ずっと記載をいただいていた時期がございます。今回、「情報共有・連携を促す」という形になっておりますが、ぜひとも、「競技団体同士の自発的な横連携」の文言を加えていただくことによって、競技団体間での様々な推進が図れることは間違いありませんので、再度御検討いただければと思っております。
 それから、国際競技大会の招致・開催に対する支援、何か所かございますが、こちらに関しまして、今どうしても大規模国際競技大会にくくられております。実は、やはりオリンピック・パラリンピック強豪国は、競技別の国際大会の招致を本当に国が支援しています。現在、水泳の世界選手権のことが出ていますけれども、それ以外にも、オリンピック・パラリンピックのレガシーとして、日本に国際大会を持ってこようと。今は競技別でも持ってこれる状況でございますので、大規模国際大会のみならず、競技別の国際大会の招致・開催に関しても、ここの記載を加えていただければなと思っています。そのことは、大会運営のノウハウの継承、オリ・パラのレガシー継承にも必ずつながってくると思いますので、ぜひとも競技別国際競技大会の招致も御検討いただければと思います。
 最後に、地域創生、まちづくりのキーワードが、これからのスポーツ界を本当に支える大きなポイントになると思っているんですけれども、今まで推進してきたスポーツツーリズムの推進は、一体どうなってしまうのか非常に不安がございます。文中の記載はいろいろありますが、大きい標題にスポーツツーリズムの記載が少し少ないのではないかと思いますので、このスポーツツーリズムに関しては、ぜひとも担当の原口参事官のお考えを伺いたいなと思っております。以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、後ほど原口参事官からお話を伺えればと思います。その前に國土委員、お願いいたします。
【國土委員】  神戸大学の國土です。4点ほどございます。
 まず、21ページのところ、スポーツを「つくる/はぐくむ」のところの途中、真ん中で、「体育の授業のさらなる充実」という書き方になっているんですけれども、体育の授業は年間90時間とか105時間というふうに、非常に限られた時間になってまいりますので、「体育の授業を含む運動実施の機会のさらなる充実」というふうに、もう少し広げた形で書いていただけるといいかなと思いました。
 それから、2点目です。DXについて、どちらかというとスポーツのハイパフォーマンスのほうの記述が多いと思っておりますが、実際のところ、そのニーズとしては、非常に運動の苦手な方から、やはりいろんな種類の方のニーズも多分あると思いますので、そういったニーズを反映できるように、年齢を問わず、子供とか高齢者、あるいは障害という言葉を含めたDXの活用という形のほうが私はいいかなと思いました。
 それから、56ページあたりですけれども、人材育成に関しても、広い人材育成というふうになっているんですが、ここの具体的な記述というのがちょっと弱いのかなと思いました。特に、先ほどと同様に、子供や年齢、あるいは障害の有無に関わらず、ちゃんと指導できる人材を育成するというふうな文言のほうがよいかなと思いました。
 さらに、これはほかのところとも関係するんですけれども、EBPMとも関係しますが、これは指導者数の動向というのが全く出てないんですね。すぐに統計を作るというのは難しいかもしれませんけれども、指導者養成団体、あるいはそういった講習を受けた方々の人数をちゃんと集計をして、公表していく。あるいは、そういった人数がどれぐらいいるのかということを明らかにしていくような政策があってもいいのかなと思いました。
 それから、最後です。先ほど森岡委員がおっしゃっていましたけれども、フィジカルリテラシーという言葉を入れたらどうかというのは、何となく私も賛同したいと思っております。
 と言いますのも、どちらかというと量的な内容がこの文章の中で多く出ているんですけれども、スポーツはやっぱり質的な要素も必要だと思いますので、こういった質的な要素もあるんだよというところを明確化していくという意味でも、このフィジカルリテラシーという言葉は、結構キーワードになるなと思いました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、諸橋委員、そしてオンラインで遠藤委員という順番でよろしいでしょうか。その後、一度原口参事官からお話を伺いたいと思います。では、諸橋委員、お願いいたします。
【諸橋委員】  ありがとうございます。今回のものを拝見させていただきまして、特にこの「楽しさ」、「喜び」というものを追記され、「する」だけではないところで、スポーツの価値をより幅広く、新たな視点を入れてくださったことに関して、非常にすばらしいと思っております。
 私からは1点申し上げますと、するだけではなく、楽しむといった部分で、25ページ目では一般に向けたスポーツを実施する機会の創出であるとか、学校や地域における子供・若者のスポーツ機会の充実が記載されてあり、ここに新しいアーバンスポーツやユニバーサルスポーツの導入、レクリエーション関係も入ってくると思います。しかしそれが、施策目標になると、する・体験する回数を上げることになってしまっていて、楽しむとかつながるといったことが目標につながっていないので、結局その文章で終わってしまうのではないかという懸念を感じております。例えばアンケート事項によって、「楽しむことができた」ということも、一つの施策目標になるのではないかと思っております。
 それと、もう1点ですが、私もこれをどうここの基本計画に入れたらいいのかと思ったんですが、やはり渡邉委員がおっしゃられましたとおり、この計画とは別に、これをどう理解し、誰がどう実行し、どのように連携し、アクションできるのかというのが、結果的には一番、事が変わるというか、日本が変わることにつながると思っています。ついては、これとはまた別な形でプロジェクトチーム、もしくはこちらを推進するためのものが確実に必要なのではないか、その上でこの基本計画が次の5年をつくっていくのではないかと思っております。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、遠藤委員、お願いいたします。
【遠藤委員】  遠藤です。私から二つあります。
 一つは、今回の素案に関して、幼児期から、また障害児の体育の授業に触れていただき、髙橋委員がおっしゃるように、JPSAのほうで意見を出していただいたことを反映していただいてありがとうございます。私から一つ、運動部活動についてお願いしたいなと思いました。運動部活動のところで、特別支援学校の運動部活動に触れていただきたいなと思いました。
 それはなぜかというと、特別支援学校の運動部活動が今、縮小の傾向にあるという、特別支援の教員の現場の意見がございます。それは、やはり一般の運動部活動の縮小と同じ理由が挙げられています。せっかく幼児期や体育の授業で障害児が体を動かす楽しさや運動に親しむ機会を設けていただいた後に、中等部、高等部になってから、運動部活動が縮小されてできなくなるようなことにならないように、そして、特別支援学校の運動部活動がもし地域移行というような形になった場合に、活動をどのようにしたらいいかというような悩みに直面する可能性があります。そうしたことを考えていただけるように、運動部活動のところでも特別支援学校の運動部活動は触れるべきかと思います。
 大きな理由は、特別支援学校の運動部活動というのは、先につながるのは、特別支援学校スポーツ大会という大会を各県で行っている場合があります。こうしたところの子供たちが楽しみにしている大会が縮小されてしまうのは、非常にもったいないことにもなりますので、お願いしたいというところです。
 もう一つは、49ページからのスポーツを通じた共生社会の実現の部分の51ページについてなんですが、私の伝え方がうまくなかったのか、以前お伝えしていた、障害のある当事者のリーダーの育成をしていくということを、具体的な施策のところに盛り込んでいただけたらなと思います。
 具体的に分かりやすく言えば、第2、第3の大日方委員や河合委員のような人というのは、自然に育っていくものではありません。ですので、もっとパラスポーツや、スポーツ全体を見れる障害のある当事者のリーダーを育成していくということは、重要な点だと思いますので、障害のある当事者のリーダーの育成というのを具体的施策に入れていただけたらなと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、原口参事官、先ほどの御説明をお願いできますでしょうか。
【原口参事官】  ありがとうございます。大塚委員、御指摘、御懸念ありがとうございます。ツーリズムが第3期になると軽くなってしまうのではないかというお話だったかと思います。
 ツーリズムは、次期も非常に重要なまちづくり手法の一つだと自分は認識しております。そういう意味で、記載分量を現行の計画と遜色ない形にツーリズムについてもしております。ただ、それに加えて、新たに、広くまちづくりという視点でいろいろな取組をしていくという、そういった視点を今回追加した形になっています。何分ツーリズムは私の本来業務でもありますので、そういう意味でも決して軽んじたりはしません。引き続き、次期についてもしっかり取り組んでいきたいなと思って、一生懸命記述しております。
 よろしいでしょうか、大塚委員。
【大日方部会長】  御説明ありがとうございました。大塚委員、よろしいですか。
【大塚委員】  はい。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、菊委員、お願いいたします。
【菊委員】  どうもありがとうございます。かなり内容について濃く書かれてあって、読み応えがありましたけれども、私はもう少し引いた立場で少しお話しさせていただきたいと思います。
 一つは、この中間報告の構成についてです。第2章に「新たな視点」というのがあって、本来であれば、その第2章が、第4章の「新たな三つの視点を支える具体的な施策」というところにそのままストレートにつながっていくのだろうと思うのですが、その間に東京大会のスポーツレガシーというのが入ってきて、ちょっと何か、流れが止まっているような感じがするんですね。この(第2期スポーツ基本計画の)期間の中でやはり東京大会が非常に重要であるということであれば、東京大会のスポーツレガシーを第1章の後に持ってくるということもあるだろうし、第4章の後に持ってくるという考え方もあるかと思います。大きな二つの柱があるんだということをきちんと示されたほうがよろしいのではないかと、全体の構成としては感じます。
 それから、大きな点でいうと、第5章のそれぞれの今後の5年間に総合的かつ計画的に取り組む施策というものに、先の二つの章がどうつながっているのかを、なかなかイメージできないんですね。恐らく第2期の計画を押さえながら第5章が書かれていると思うんですけれども、では、第2章、第3章、第4章で論じたことがどう加わってくるのかというロジックといいますか、その辺のところがどうもわかりづらくなっているのではないか、という気がします。恐らく一般の人たちはこれを全部読むのではなくて、大学なんかで教材で取り上げるにしても、最終的なまとめとしての概念図といいますか、一つのまとまったレリーフみたいなもので理解されていくと思うので、その辺のところをもう少し意識された方がよいと思います。それぞれ個々にはすごく濃く、それなりに書いてあると思うんですけど、全体のつながりがちょっと見えないんじゃないかということで、そのあたりをさらに検討していただければと思います。
 それから、非常に気になるのは、9ページ目、スポーツの捉え方というのをきちんと書いていただいているのは非常にありがたいと思っているのですが、特に真ん中にある、「日本のスポーツ文化の成熟に向けて」という言葉、これは非常に重要なフレーズだと思うのですが、ではここで言う「成熟」とは一体何だろうかということです。
 少なくとも、スポーツを活用していろんな社会的な課題を解決するということは、社会の中でスポーツというものが、教育の中のスポーツだけではなくて、様々にその課題を解決していく社会とのつながりを持っているのだということで、このことは、世の中では大分認識されてきていると思うわけですね。
 けれども、一番最初に(この基本計画の会議で)私が申し上げたとは思いますけど、はっきりと申し上げて、スポーツというのは活用するためにやるわけではないんです。やっぱり楽しいからとか、それに対する喜び、体の喜びも含めて、わざわざ面倒くさいことをやることで楽しいと思うという、人間にしかできないことをやっているわけで。そこからいろんな活用が見えてくると。
 そういうことで言うと、9ページの下、特に2番目の黒ポツは非常に分かりづらいです。言語が矛盾しているのではないかとも思われます。ちょっと読み上げますと、「その身体活動自体に」、云々、「涵養等のあらゆる自発的な意思に基づいて行われる」。涵養等のあらゆる自発的な意思に基づいて(スポーツを)やっていますかね、皆さん。そんなことはないと思うんですね。これはあくまで(スポーツ以外の)ために手段的にやっているわけで。スポーツそれ自体は、その手段のためにやっているわけではなく、結果的にはそういう何かに役に立つことにつながるだろうということでやっているわけです。やはりその辺の自発的な楽しさ、喜びというものの捉え方が、文化としてのスポーツを捉える際にきちんと捉えていただかないと、(例えば)音楽や芸術をこんなふうに書いたら、ちょっとこれはおかしいんじゃないのということになりかねません。音楽や芸術は、そのためにもちろん利用する場合もあるけれども、むしろそれ(その文化性)をまず十分に享受するといいますか、質的に楽しく味わうということに力点が置かれると思いますので、その辺のところはもうちょっと表現をきちんと考えていただければなと思います。
 まだ幾つかあるんですけれども、3分でということですので、最初はこれぐらいにしておきたいと思いますが、あともう1点だけ述べさせてください。トップアスリートとか競技力向上の問題というのは、もちろんナショナルなレベルで、いろんな人たちに勇気を与えたり、感動を与えたりしますけれども、アスリートの側から言うと、アスリートは、特に引退後、セカンドキャリアの問題も含めて、どういうふうに社会にとって意味のある、あるいは意義のある存在になっていくのかということで(その価値を)考えると、あるいは、トップアスリートのいろいろなトレーニングの方法も含めて、もっとそれらのレガシーを一般化していくということから考えると、トップアスリートの文化、あるいはそこで培われたものが子供たちの世代ばかりでなくその他の世代にもさまざまに生かされるといった、そういう幅広い視点からのトップアスリートの活用といった点をもう少し加えていただけると、単にその競技だけの話ではないんだということが、さらに一般の人々にももっと伝わりやすいのではないかなと思います。
 最初のほうについては、これぐらいにしておきたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。構成のことにつきまして、ちょっと事務局の皆様ともまた御相談をさせていただきたいと思います。また、スポーツ文化の成熟のところ、これまでも議論したところでありますけれども、もう少しということであれば、ぜひ、こんな感じの書きぶりがいいんじゃないかということも御提案をいただけるとありがたいなと思いました。
 それでは、藤田委員、お願いいたします。続いて、石塚委員、お願いいたします。
【藤田委員】  藤田です。よくまとめていただいているというのは、皆さんと同じ感想です。ありがとうございます。その上で、4点申し上げたいと思います。
 まず、1点目ですが、特に第4章、新たな三つの視点というのが書かれてあります。この新たな視点が、施策の中、特に後段、5章等の中でどう生かされているのかというのが、よく読めば、このことなんだろうなというのは分かるんですけども、しっかり読んで、このこと言っているんだろうなというのじゃなくて、もっと分かりやすく、こういう展開で施策の中に生かされているというのが分かるような書き方をしていただいたほうがいいのかなと思います。特に「つくる/はぐくむ」という考え方は、視点2の「「あつまり」、スポーツを「ともに」行い、「つながり」を感じる」というところにも生かされるべきでしょうし、それから三つ目の「一人も取り残さない」というところにもつながってくるものだと思いますので、そういうものが見えるようにしていただいたほうがいいのかなと思います。
 その一例ということになるかと思いますが、第2点目として、44ページです。
 スポーツによる健康増進というところに入ってきますけども、今後の施策目標の中で、いろんなところが連携するというのが書かれてあるんですけども、ここに障害者スポーツ関連の組織というのが明確には読み取れなくて、健康福祉関係部局というところに入ってくるのかなという感じはするんですけども、もう少し連携とかつながるということを言うんであれば、きちっとそういう障害のある人のスポーツ関係の組織も位置づけて、一緒にやっていただいたほうが無駄がないし、いいのではないかなと思います。その上で、例えば地域のある都道府県の振興審議会であるとか、そういったところに関係者を位置づけるであるとか、そういった具体的なものがあってもいいのかなと思います。
 それから、3点目ですが、これは51ページになります。
 以前の第1期基本計画の中では障害のある人とない人が一緒にスポーツをやるような場面をということがあったと思うんですけど、今回それがなくなっておりますが、つくるとか育むとかつながるということを考えると、これは、これまでうまくいかなかったかもしれませんが、そういった新しい視点を入れると動き始める可能性がありますので、やはり入れておくべきかなと思いました。
 最後4点目です、元に戻っていただいて、15ページになります。
 上のほうにユニバーサルスポーツという言葉が出てきますが、これは具体的にどういったものを指しているのか、何となくユニバーサルスポーツというと、大人も子供も高齢者も障害のある車椅子の人も脳性麻痺の人も、みんながちゃんとできるものじゃないといけないというふうな考え方をされる方もいるかもしれませんが、決してそうではなくて、その場にいる人が、皆さん参加できて、皆さんに勝つチャンスがあるというようなスポーツだと思うんですが、そこの概念というか、どういうものかというのを少し明確にしていただけるといいのかなと思いました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、石塚委員、お願いいたします。
【石塚委員】  ありがとうございます。スポーツデータバンクの石塚でございます。
 27ページでございますが、運動部活動改革についてでございます。
 ちょうど中段の今後の施策目標というところにありますけれども、最後のところですが、「運動部活動改革を着実に推進する」という、この「着実に」というのは非常に大きな言葉かなと私個人としては思っておりまして、これが今後、渡邉委員、諸橋委員がお話しされていた概要版なんかにも、地域の方に伝わるような、推進をしていくんだというメッセージになると思いますので、非常にこういった分かりやすい言葉で伝えるというのは改めて大事かなと感じたところでございます。
 次、28ページ、カの部分ですが、ここに「学習指導要領における位置づけなどについて見直しを図る」、これも大きな一文かなと思っておりまして、ぜひこの学校部活動が地域移行をする流れの中で、学習指導要領における位置づけというのを改めて整理する大切な一文かなと思っておりますので、ぜひこういったところを進めていけると、改革を後押しできるんじゃないかなというのを改めて感じました。
 47ページまで進みまして、「スポーツにおける地方創生、まちづくり」の部分でございますが、47ページのイの黒ポツの一つ目ですが、具体的に「まちづくり」とか「地域を挙げて取り組む」、こういったキーワードが非常に分かりやすくて、誰が主体的にやっていかなければいけないんだとか、まちづくりを目的にというところを一つのキーワードとして統一できるのではないかなと改めて思ったところでございます。こういったキーワードの中で、イの一番最後の黒ポツですけれども、様々地方創生に関わる人たちの明文化がされているということで、こういったもので地域を挙げてのまちづくりという意味でのスポーツの活用の方法というのが、具体的に分かりやすく入っているというところが非常にポイントかなと改めて感じました。
 それを受けて、少しページ戻りまして、45ページ、スポーツの成長産業化の部分でございますが、イの部分、ここで「プロスポーツを含めた各種スポーツ団体と他産業とのオープンイノベーション」ということで、新たなビジネスモデルをつくっていくという観点であると思いますが、こういったところにも地域発のプロスポーツチームなど、地域の企業も含めて、地方公共団体や民間事業者もここに関わっていくことで、新たな産業というのがより生まれるのではないのかなと感じておりますので、こういった一文が、地域を挙げてスポーツの成長産業化を図っていくという観点では、先ほどのまちづくりと同様に大事なポイントになってくるのかなと改めて感じましたので、こういった一文が入ると、さらに主体的に動ける主語が変わってくるのかなと思っておりますので、ぜひ今後も御検討いただければと思っております。以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、オンライン参加の池田委員、お願いいたします。
【池田委員】  池田です。よろしくお願いします。
 事務局の方、取りまとめ、本当にありがとうございます。皆さんのいろんな意見を聞いていて、笹川スポーツ財団の渡邉さんやJPCの髙橋さんの御意見も、本当に大賛成と思いながら、聞こえてはいないと思うんですけど、拍手をしておりました。本当に御発言ありがとうございます。
 私はこの会議を通して、こういった計画の中でどんな言葉を使うのかが本当に重要であると感じてきました。いつも長く話す割にちょっと言葉足らずの拙い説明ばかりで申し訳ないんですが、今回は2点、記載していただきたい文言について、可能な限り短く意見させていただきたいと思います。
 まず、総論にも触れる話になるかと思いますが、私はドーピング防止の推進について、これまで幾度となく意見させてきてもらっておりました。この分野イコール池田だろうという印象を皆さん持たれているかもしれませんが、実はその情熱の根底にあるのは、常にアスリートとして、クリーンであることに命を燃やしてきた経験から来ていますので、今回は二つ、その視点から話をしていきたいと思います。
 まず、1点目なんですが、日本のアスリートが大会に出場して、アスリートとしての誇りを感じる瞬間の一つというのは、表彰台の一番上で国旗を掲揚する場面だったりしますよね。もちろんそれだけではないんですが、しかし、アンチドーピングに関するルールの署名当事者が、世界アンチドーピングの監査によって必要であるルールを守っていないと判断されると、実はルール上、国旗掲揚ができなくなってしまうんです。署名当事者は、JADAもそうなんですけれども、JOCやJPC、引いてはIFにひもづいているNFなども含まれるんです。そうなってくると、WADAの監査の目というのは国内日本のスポーツ関係団体隅々に入っているんですけれども、ルールを守っていないねと判断された瞬間に、日本の選手がもう国旗掲揚されない、アスリートの誇りが奪われてしまうという事態につながってしまうというのが、私が常々発言しているところの背景にある危機感だったんです。
 これは、これまで議論してきた国際競技力向上や、また、国際大会の招致が決定したという話がこれから実現したとしても、根底のところで日本がルールを守っていないとなると、全てがひっくり返って、その瞬間、アスリートの誇りが奪われてしまうということになるんです。ですので、総論的な視点になるかと思うんですが、世界規程の署名当事者であるJOC、JPC、JADA及び国内のスポーツ団体というのが、世界規定、国際基準において設定される役割と責務を遵守して、体制が世界規定や国際基準をちゃんと守れるような必要な体制というのを構築して、それを維持しているということが必要であるので、そういった視点を盛り込んだ文言を入れていただきたいなと思います。
 2点目なんですが、こちらもアンチドーピングに関わっていくのですが、アスリートはドーピングの検査を実施していますが、常々言ってきた分析に関わるラボラトリーについて、「国内に維持する」という言葉を入れていただきたいと率直に申し上げたいと思います。
 実際、今分析している機関は民間ではあるんですが、万が一、国内に分析するラボラトリーがなくなってしまうと、アスリートはどうなってしまうのかと考えると、万が一、違反になった場合に保存しているB検体を自己負担で再分析することはできるんですけれども、それは高額になりますよね。実際にそのお金を出せる人はいいんですけれども、親の支援を受けている人であったり、財源的に厳しい人であればそれをやめてしまう場合も出てくるかもしれません。そもそも国内に分析機関がなくなってしまうと、日本の検査の分析のものは海外でやってもらわなくちゃいけないので、これまで以上に高額になってしまう可能性も出てきます。
 そういった背景を考慮していただいて、この「分析に関わるラボラトリーを国内に維持する」という文言を入れていただくということが非常に大事であると考えますので、その言葉を入れていただきたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。池田委員、一つ目の御指摘は、8ページ辺りをもう少し書き込みたいという意見ということでよろしいですか。
【池田委員】  そうですね、集まるといったそういう視点のところで、日本の国内のスポーツ関係団体が集まるというような発言があったと思うんですけれども、総論の冒頭の8ページぐらいのところですね。
【大日方部会長】  「クリーンでフェアなスポーツの推進」のところのあたりにもう少し書き込みたいということでよろしいですかね。二つ目の点については、具体的な施策の中でという御提案というふうに受け止めました。ありがとうございます。
【池田委員】  はい、ありがとうございます。
【大日方部会長】  それでは、大石委員、お願いいたします。
【大石委員】  「はじめに」のところと第1章が特にとても分かりやすく説明されていると思いました。ありがとうございます。事前に個別に御説明いただいたときに、まだ解釈が少し難しいところがあるとか、介護予防という言葉のほうがいいとか、キャッチフレーズのほうが分かりやすいのではとか、武道が何か別扱いになっているような感じがしましたので少し違和感があるとか、あと菊委員がおっしゃっていた2章と4章の構成についても意見させていただきましたが、改めて私からの意見は三つ。
 一つ目は、分かりやすくということで、そればかり申し上げて恐縮ですが、国は一体何をしようとしているのか、また、それを実行する立場の人たちからすると、何を支援してくれるのか、そして、我々に何をしろと言っているのかということを分かりやすく伝えることができれば、じゃあみんなでやろうというような意識が高まるのではないかと思っております。渡邉委員がおっしゃっていた「解釈の仕方を別につくる」といったことも一つの手段かというふうにも思います。
 二つ目は、森岡委員がおっしゃっていたフィジカルリテラシーというところにも通じるかと思いますが、運動、スポーツの必要性もしっかりと理解できるような教育をぜひ併せて行うということをもう少し強調できたらと思っております。
 スポーツができる人は、楽しいとか好きということがすぐ体感できるんですが、できない人はなかなかそうはいかなくて、でもやはり必要だということをしっかり教育できたらと思います。例えば私も、少なくとも週に1回は走るようにしているんですが、それがすごい楽しいか、好きかと言われたらちょっと……。でも、やはり必要と思って頑張って走っていたりするわけで、必要性について理解できるような機会があれば、当たり前のように皆さんが取り組めるのではないかなと思っております。
 最後は、先ほど石塚委員がおっしゃいましたが、私の立場としても、民間の力を活用するといったことをもう少し盛り込んでいただけますと、我々も地域貢献の機会やビジネスチャンスも広がるかと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、益子委員、お願いいたします。
【益子委員】  ありがとうございます。益子です。こんなにたくさんの量の文章を分かりやすく具体的にまとめてくださって、本当にありがとうございます。私からは一つだけお話しさせていただきたいと思います。
 皆さんの御意見を、それぞれの委員のお話を聞いて、ああそうだなというようなすごく気づきがたくさんあったんですけれども、私みたいな、本当に脳が筋肉のような、知識も知恵もない私がぱっと見て、この項目はどの現場に届けたらいいのかな、どういう方が一番必要としているかなということを考えながら読ませていただいて、そして私は現場の指導者の皆さんに話を聞く機会をつくっているんですけれども、なかなかこういういいメッセージがあっても現場に届いていない場合がすごくあって、そして分かっていてもなかなか理解できない、分かっているけどどうしたらいいか分からないというような声をすごく多く聞かれるんです。なので、このたくさんのすばらしい項目をどこに届けたいか、誰に伝えたいかというところを示していただけると、もっともっとすごくいいものになるのではないかなと思っています。
 そして、やはり現場に届いてほしいという面では、森岡委員が最初に言ってくださった資格制度をしっかりとここに示していただきたいなと思っています。
 私からは以上です。ありがとうございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、境田委員、いかがでしょうか。
【境田委員】  境田でございます。このたびは非常に精緻におまとめいただき、本当にありがとうございます。
 32ページの「スポーツ界におけるDXの推進」ということで、先端技術を活用したスポーツ実施の在り方の拡大などを中心におまとめいただいているんですけれども、このDXというのは、これは単にデジタルを使うというだけじゃなくて、今、社会の中で、Society 5.0という大きな変化が起きているわけですよね。この肝は何かというと、今まで取れなかったようなビッグデータが、センシングとかいろんな計測機器によって物すごい膨大なデータがリアルタイムでとれる。それをリアルタイムで、例えばデータサーバーとかに送って、そこでまた新たなすぐのソリューションが解析できて、それをまたリアルタイムで元に戻せるという、ここのダイナミズム的な変化が起きていると。これをちゃんと社会の変革に取り込むというのがSociety 5.0で、このためのツールがデジタルなんですよね。
 だから、この目標を、やっぱりスポーツにおいて社会変革――Society 5.0、サイバー空間とフィジカル空間の融合を実現するということを目的にしないと、これは意味がないんですよ。これは、今まで厚労省がコロナのときにHER-SYSとかCOCOAとかG-MISとかをやって、ことごとくうまくいかなかったと。いっている部分ももちろんあるんですけども、それは、こういったところの、どうやればこれをSociety 5.0に組み込めるかというところの制度設計があまりよくできてなかったんです。それはしようがない。時間がない中で作っているという限界はあるんですけども。なので、今回こういったスポーツDXを推進するときには、このSociety 5.0をどうやったら実現できるのかということをよく考えなきゃいけないし、そこを政策目標の中心に置くべきだと思います。
 それで、これをやるためにはデータをいっぱい集めなきゃないわけですよ。いろんなデータを集めるためには、絶対データセンターが必要なんです。データセンターに様々なデータを集める、解析する、それでフィードバックを還元していくということが重要で、それによって、これはこの間、友添委員もおっしゃっていましたけども、このSociety 5.0が本当に実現できれば、地域スポーツの振興とかスポーツのいろんなガバナンス問題、それから学校スポーツの強化、トップアスリートの強化、障害者スポーツへのサポート、それからオンライン指導の強化とか、スポーツビジネスの振興とか、本当にスポーツ界でいろんなものが一気に解決できるようなものなんですよね。そういったデータセンターをつくるためにはヘッドクオーターが必要で、そこは統括団体とか競技団体、スポーツ庁、それからUNIVASとかJSCとか、そういったところで本当にどうやればいいのかという制度設計をきちんと考えなきゃ駄目です。そこのデータセンターの在り方を検討するということを、これはなかなか難しいので、一丁目一番地で検討するということが必要なのじゃないかなと思っております。
 あとは、高体連・中体連とか、それから自治体、これはやっぱり小学生も、私はGIGAスクールのデータで1,000万人の子供たちのデータが取れるんだからと言いましたが、これも難しいのは分かっています、難しいんだけども、やっぱりそういった子供たちをきちんとサポートするためには、自治体とか教育委員会の理解がなきゃ駄目だし、総務省とか初中局とか文科省の協力も必要でしょうし、これは本当に大変な作業だと思うんですけど、ここ乗り切らないと、スポーツDXでスポーツ界を大きく変えていくことはできないだろうと思っています。以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 では、皆様、一通りは行ったかなと思います。ちょっと私のほうからも、私が気がついた視点というところでお伝えをさせてください。その後、二回り目に行きたいと思います。
 まず、札幌大会の開催につきまして、先ほど御説明ありましたけれども、東京大会のレガシーの継承という視点、また、スポーツを通じたまちづくりをつくる、好事例をつくっていくといった視点でも非常に重要なことですので、ぜひ施策の中に入れられるといいなと思いました。
 また、もう1点、指導者の資格のこと、ちょっと私、ページを細かく見れていないので、どこが適切か申し上げられないんですが、先ほどどなたかからも御指摘があったように、障害があるなしに関わらずしっかりと指導ができること、あるいは高齢の方になっても指導ができるという、そういう指導者をつくっていくということをここで明記したほうがいいなと感じております。
 それから、競技団体の連携というところについても、書き込めるところがもう少しあるのではないかなと感じました。
 また、ちょっと細かいところになりますが、18ページに「ワールドマスターズゲームズ2021関西など」というようなことがありますけれども、ここは少し状況が動いているかなと思いますので、記載について、3月、最終的な形の中で見合う表現にしたほうがいいなと感じました。
 私からはここまでとさせていただいて、では、2週目ことで、また御意見を、もう少しお時間ありますので、あと30分ほどいただければと思います。
 御意見ある方。では、森岡委員、手が挙がりかけたので、お願いいたします。
【森岡委員】  色々な考え方があるかと思いますが、1ページ目の第3章についてです。「東京大会のスポーツ・レガシーの継承・発展」ということですので、1番目の「国際競技力向上」は大切なことですが、3番目の「東京大会を契機とした共生社会を実現する多様な主体によるスポーツ参画を促進する」というのが、スポーツの参画人口を増やしていくという視点から大変重要だと思います。また、各国オリ・パラ開催後のスポーツ実施率が増えないというのは、いくつかのエビデンスがあります。そのことに我が国がチャレンジすることを示すことが必要かと思います。
 具体的には、これは大塚委員のほうが詳しい内容ですが、これまでNFは、強化か普及かの二者択一でした。69ページの下から二つ目「特にNFは」と記載されている部分で、国内において「競技力向上にとどまらず、普及・啓発に広く取り組むことが期待される」、と今回新たに加筆されました。まさに記載のとおりで、強化か普及かではなくて、強化も普及も両方大事であるという「ムーブメント」を世の中に発信していくことが大事ではないでしょうか。今までやってきてない、どの開催国もできてないところにチャレンジしていく意思表示をするには、「東京大会を契機とした共生社会を実現する多様な主体によるスポーツ参画を促進する」を冒頭で示した方が良いのではと考えます。
 最後に、3点目、10ページ目6行目の「スポーツを「ささえる」という観点から」というところです。ボランティアというのは支えるのところの例示としては一番分かりやすいのですが、非日常のスポーツ活動を支える人というのがボランティアであるとしたら、日常的にスポーツを支える人というのはグラスルーツで地道に教えている指導者の方々です。やはり地域における指導者の7割、8割はボランティア指導者です。この「ささえる」の例示に、イベントのボランティアに加えて、日常的にスポーツ指導を行っている方々の指導者という観点を入れていただきたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございました。
 それでは、菊委員、お願いいたします。
【菊委員】  先ほどの中身についてお話ししたいと思いますが、まず1点目、先ほど東京オリ・パラの評価についての御紹介があったと思いますが、11ページ、「大会開催の是非を含めて」の、その是の部分はやはりスポーツ庁ですから、取り上げたいというのはよく分かるんですけれども、やはり開催全体を踏まえると、本当にスポーツ界が一般の人たちのコロナの状況に対してどう寄り添っていたのか、そういう反省というのはやはりきちんとすべきだと考えます。そのことが、一般の人たちがこれを読んだときに、「何かいいことばっかり書いてあるじゃないか」とか「本当にそうなの?」という批判に対しても、きちんと応えていかないといけないのではないかと思います。その課題が、まさにオリンピックの負のレガシー、「負」というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、是非の「非」のところでそれをどうクリアしていく計画になっているのかということを問われていると思うので、先ほど森岡委員がおっしゃっていた3番目のそういうふうなところにきちんと、これからスポーツ界はこうしていきますよということをしっかり盛り込んでいくべきではないかと考えます。(今の文言だけだと)ちょっと私は軽過ぎるという気がしております。
 もちろん、その中でドーピングの問題であるとか、いろいろスポーツ界で言われている問題はあるのですが、やはり新型コロナ禍の中で社会とスポーツの関係というのがこれだけ問われた、オリンピックの関係も含めて、あれだけオリンピックが好きだった国民が、少なくとも開催前は7割、8割が開催しないほうがいいんだと、オリンピックはもういいよというふうに言ったという、その事実はしっかり受け止めていくべきなんじゃないかという気がします。それが大会終わって、6割賛成になりました、だから、ああ、これでいいんだ、みそぎは済んだんだみたいな、そういう捉え方はしないほうがいいと私自身は思っています。このようなオリンピックに対する受け止め方をどういうふうに委員の皆さんがお考えになるか、これは今後の基本計画の在り方を含めて、どう最終的にそれを評価するかということだと思いますけれども、そのあたりは重要なポイントになるのではないかなと思います。
 それから、二つ目は、1期から2期に向けて、8つから20に掲げる目標を増やしたわけですが、増やした結果、どこまでそれが到達しているのか、してないのか。もし到達しない部分が多いとすると、その増やしたこと自体、設定した目標自体に無理があったのではないかということは全体として反省しておかなければならないように思います。そこら辺の分析というのが、これは研究者――多分、國土委員なんかはそういうのをしっかり見ていらっしゃると思うんですけど、一体どうしてこれがうまくいったのか、いかなかったのか。それから、設定した数値目標自体の妥当性というのは、それなりにやはりきちんと振り返らないと、幾ら目標はこうですよと掲げても、やはりこれはどういう根拠で出てきているのかということがよく分からない。少なくとも、今回の第3期ではどれくらいの目標を掲げて、どういう数字を出しているのかということの、ある程度の見取図といいますか、そういうものは必要で、その背景とか根拠とか、言える資料はそれなりについてはいるんですが、その中で何をピックアップしているのかという、その辺のところをしっかりと道筋で示していただかないと、説得力がないのではないかと感じています。
 それから、先ほど石塚委員のお話の中で、学習指導要領のことが出てきていましたけども、実は学習指導要領に運動部活動の位置づけが入ったのは、今回の指導要領からなんですね。私は当時の作成協力者で、実際にその文言をつくった張本人でもあるんですけども、運動部活動というのは、基本的には、正課の体育の延長線上で、いかにその子供たちにスポーツに親しんで、クラブ活動として、ここに書いてあるようにみんなが集まって、さらに運動というものの楽しさを追求していくために行う課外活動です。だから自発的に、自主的にという言葉が入っているわけですね。まさに子供たちが自分たちでコントロールしていくんだと。だから子供たちが主役なんだということがちゃんと書いてあるはずなんですね。でも、それが実現していないということは、やはり運動部活動をめぐる、むしろ子供たちというよりは外の、周りの問題というのが非常に大きいんじゃないかと考えます。そのあたりをやはりスポーツ庁としてどう考えるのか、単にその内容を指導要領から外すとか、そういうことをやると、どうしても糸の切れたたこみたいに部活がどんどん引き裂かれていくんじゃないかという、そういう危惧を持っております。私は前々回から格差ということを申し上げていたと思うんですけど、運動機会の格差にもやっぱりつながっていくんじゃないかという、そんな気がしております。
 最後に、DXについて、です。境田委員が、先ほどおっしゃいましたけど、やはりこれは釈迦に説法の話かもしれませんが、ここでは個人情報の問題が必ず出てくると思うんですね。そのあたりをどういうふうにクリアしながらこの内容を発展させていくかというのは、もし書き込むのであれば、その辺のところもしっかり押さえておかないと、とにかく情報を集められるだけ集めるんだという印象だけを持たれるように思いますので、これは杞憂だろうと思うんですけども、どういう人たちがそれを読んで、これを利用しようとするのか、あるいはそれに伴うあらゆるリスクも想定しておかなければならないように思います。今まさにコメントの時代といいますか、SNSの時代ですから、公表された段階で誤解のないように気をつけていく必要があるのではないかと思っております。
 私のほうからは以上です。
【境田委員】  大変貴重な御指摘ありがとうございます。DXのところですが、実は大学スポーツ協会というのは三十幾つの競技団体と206の大学からきちんと同意をいただき、個人情報をポリシーをつくり、どういった形で個人情報を利用するかの利用の目的、共同利用者の範囲、セキュリティー体制など、これも2年かけて議論をしてつくり上げたという実績がございます。これも馳浩元文部科学大臣の強力なリーダーシップがあってこそ、これは本当に不可能なことができたと。三十幾つの競技団体をまとめるなんて普通できないんですけども、それがこれ、実は森岡委員ほかJOCの方とか、もちろんスポーツ庁の大変な御尽力の下にできたので、このあたりのリーガル的なところは一応クリアしたと思っています。ただ、それ以上にもっと複雑なところは出てくるかもしれませんので、おっしゃるとおり、そこをきちんと書き込んでいただくことは必要だと思います。ありがとうございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 ほかに。では、大塚委員、お願いいたします。
【大塚委員】  ありがとうございます。今、構成のお話を菊先生からいただいたり、森岡委員からもいただいたこの東京大会の扱いのところにおいてですけれども、私はこの位置に、東京大会の後に重点的に取り組むべき施策が入っていてもいいのではないかなと感じました。そうなんですけれども、書きぶりを総括的に書くのか、それとも、もう少し東京大会における2年間の社会情勢を踏まえて、これから一緒に歩んでいくんだよというような書きぶりにするかによって、大分この位置づけが変わってくると思います。本当に2020年は、甲子園も国体も高校総体も何もなくなった中、1年我慢した我々日本人しか経験できなかったオリンピックですから、やっぱり貴重なここの取組を第3次に生かしていくんだよと、そういう少し書きぶりがほしいかなと感じております。今、スポーツのオリンピック以降の参画は数字が落ちていますけれども、参加型スポーツはこれから伸びつつある状況がもう示されていますので、ここの書きぶりによっては、相当な勢いがつくのではないかと思っています。
 さらに、東京大会のスポーツ・レガシーの継承・発展においては、チケットを買っていただいた方のデータが800万あるわけですよね。あのことがここにはちょっと載ってないんですけれども、あの800万データを非商業的に使うことが許可されているはずですので、先ほどのDXにもつながってまいりますが、ぜひとも、東京大会で、こういう社会情勢で、こういうことがあったけれども、次につながっていくんだという構成になればいいんじゃないかなと思っております。ありがとうございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 ほかに御意見は。では、藤田委員、國土委員の順でお願いいたします。
【藤田委員】  それでは、2点申し上げたいと思います。
 まず、1点目なんですが、これはこれまでの部会の中でも申し上げてきたことなんですが、これは「はじめに」のところに入れるのがいいのかどうか分かりませんが、長期的なビジョンというか、方向として、スポーツを好きな人をたくさんつくっていくということが、実施率の向上にもつながるし、指導者のあるべき姿というところにもつながってくると思うんです。それから、もちろんそれは障害者のスポーツの実施率にもつながってくると思います。そういうベースの上に私たちがいろんな施策を考えていくというのが非常に重要な点ではないかと思うので、その文をぜひ入れていただきたいなというのが1点。
 それから、先ほども少し言いましたが、55ページの部分なんですが、ここは地域のスポーツのことについて書かれてあるんですが、ここも障害者関連のスポーツ組織のことが明確には触れられていないかと思いますので、先ほどのところも併せて、こちらのほうにもきちんと位置づけて、連携をしていくということが分かったほうがいいのかなと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございました。
 では、國土委員、お願いいたします。
【國土委員】  先ほど菊先生のほうからも御指摘いただいたんですけれども、まず、EBPMというところで考えたときに、既存のある統計という部分と、それから社会実情に応じた実現可能性という部分、この二つの側面があると思うんです。私もこの前ヒアリングでも少し発言させていただいたんですけれども、実際に運動がしたいと思う子供を増やすというのは、確かに目標としていいんですけれども、実績がエモーショナルな部分になってしまいますので、教育活動の中で実現は可能だと思いますけど、政策としての目標設定は厳しいんじゃないかという発言をさせていただきました。
 そういった意味では、実際の行政がやった具体的な活動が数値として表れるようなことを目標値にしたほうが、非常に現実的だと。さらに上位の目標としてこういったものをつくるというのは、私はいいかなというふうに思いました。
 それから、その後に「体力テストの総合評価がC以上である児童の割合」云々の節がありますけれども、私は実現無理ですよというふうに発言させていただいています。といいますのも、運動構造自体が変わってきていると。要するに、今、子供たちは投げるとかはほとんどしないわけですよね。そういう状況に応じて、活動をやってない内容がテストの中に入っている。そういった部分を実際に上げられるかというと、ちょっとそれは難しいんじゃないかなというようなことも申させていただきました。なので、その辺の目標設定というのが、政策とのリンケージがうまくできるような部分というのを具体的にやっていただいたほうがいいのかなと考えております。
 それから、先ほど境田先生のほうからDXの話について伺いましたけど、私も統計をやっておりますし、それから人工知能を何とかしたいと思っている部類なんですけど、結局、人の動きって全部顔が入っちゃうんですね。そうすると、さっき言った個人情報の問題が出てきて、UNIVASのところではいいかもしれませんけれども、一般的な拡張をしたときに、やはりその辺のことも考えなきゃいけないよというのが1点です。
 それから、もう1個は、人工知能を勉強して分かることは、我々の人間の能力を超えた人工知能はできないんですよ。つまり、我々の英知という部分をいかにうまく注いでいくかと。それが瞬間的にできるという利点はあるんですけれども、そういった意味でいくと、やはり我々自身、スポーツに携わっている方々がDXにどうやって参画していくかという制度設計が、恐らくさらに必要なところだと思います。当然、データセンターができると私たちも非常にうれしいと思っております。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。では、結城委員、お願いいたします。
【結城委員】  発言の機会をありがとうございます。後半だけの参画になって大変恐縮でございます。後半の部分で伺わせていただいた内容、それから先生方の御発言等々も含めて、私見を1点、差し上げたいと思います。
 この東京大会というのをどのように、そしてそのレガシーをどう継承するのかという章に関してです。確かに東京大会というのを今、どう評価したらいいのかというところに踏み込んでしまうと、これは物すごく難しいことになりますし、いまだに、もしくはこれからも、恐らく定まった評価というのはないんじゃないかと思います。私も今、様々な形でその起こっている事態に関与する立場におりますけれども、やはりいろいろ考えて議論し、それから書けば書くほど、難しさというものが見えてくる。
 ただ、もう一つだけ見えてきたものがあるとすると、この間、菊先生の御指摘もあったような、世論の批判というものに対して問われたスポーツ界、東京オリンピック・パラリンピックの在り方を是正しろというだけではなくて、やはりその世論形成そのものの在り方、そこがフェアだったんだろうか、それは成熟したような形で本当に形成されたんだろうか。そういった部分の検証や、ある意味で考えといったものも必要なんじゃないかと。そういう立場に、報道という立場におりながら、感じ始めてというか、非常に痛感しております。
 一つは、こういった世論の批判というものがSNS等々で広がっていくと、どんどん振り子が振れるように拡大をし始めてしまうというきらいがあるというふうに見えたということ。それから、ある意味で政治的な部分であるとか、様々なほかの要因が批判の根底にある部分があった可能性があるということ。いろいろ考え合わせますと、世論がこのような形になったということを、この第3期基本計画の中に入れ込む形で総括するというのは、多分難しいし、やるべきじゃないのかなという気がしております。むしろ、基本計画ではそういった部分があったと。そして、スポーツに対する、それからオリンピック・パラリンピックに対する見方というものが大きく割れたというのは踏まえてもいいのですが、基本計画というのは、結局これからの長い年月で日本の社会がどう変わっていくのか、そこにスポーツというものを、基本的な人々の心を前向きにしてくれるような、生きがいを与えてくるような楽しみとして、そしてかつ触媒としてどのように生かし得るのかという部分の示唆というのが使命だと思っておりますので、むしろ、ここでは、オリンピック・パラリンピックに付与してここの章を立てるとすれば、そこの中でいろいろあったけれども、そこと一旦切り離して、そこで見えたこれからに生かし得るスポーツの本質であるとか、反省でもちろんあるとか、そういった形で、これからというのを主眼にしながら、東京大会の特徴を捉まえ、そして継承やレガシーといった部分に執筆をつなげていけばいいのではというふうに感じます。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、ほかにいかがでしょうか。菊委員、お願いいたします。
【菊委員】  私が最初に申し上げたオリ・パラについての課題というのは、今、結城委員がおっしゃったような後ろ向きの捉え方ではなく、結城委員もそのような趣旨では絶対に言われてないとは思うのですが、私が意図しましたのは、情報の在り方も含めて、スポーツ界としてこれをどういうふうに受け止めて、それをどう克服していくのかということで言えば、やはりきちっとその普及といいますか、もっともっとスポーツが身近なものにある中で、情報にむしろ左右されないといいますか、オリンピックはこういうところに価値があるんだよということをさらに強めていく、あるいはスポーツの価値、スポーツのよさというものをもっとアピールしていくといいますか、そのために何が必要なのかということの反省材料にしていく必要があるのではないか、そのためには批判にも謙虚に耳を傾けてこれに応えるような基本計画にしていくべきではないかと、そういった意味で申し上げました。
 ですので、リテラシーという言葉が飛び交っていましたけれども、まさにそこの理解の仕方、認識の仕方というものをどう変えていくために、これからの基本計画はどうあるべきなのかという、そういうスタンスで捉えていただければよろしいのではないかと思っています。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。今いただいている御意見あたりが「おわりに」のところに入っていくのかなというようにも思いながら聞いておりました。ありがとうございます。
 それでは、ほかに御意見がもしないようでしたら、室伏長官から御挨拶をいただきたいと思いますが、何か言い残したとか、これだけはというようなことがもしありましたら。大丈夫そうでしょうか。
 では、室伏長官、お願いいたします。
【室伏長官】  委員の皆様におかれましては、本日も様々な角度から御意見いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は事務局より、スポーツ基本計画の中間報告素案を示させていただきましたが、それについて様々な御意見をいただきました。皆様のおかげをもちまして、随分まとまってきたというところで、これから本当にいよいよ大詰めになってくるかなと思います。一方で、実効性のところで、渡邉委員も含めて皆さんの御指摘があった思います。これをどう推し進めていくか。ここが、書いてあることもそうですけども、ここは重要だということで、改めまして認識させていただきました。
 今後、また本日頂戴いたしました御意見も踏まえまして、大日方部会長をはじめ、委員の皆様と御相談しながら、次回のスポーツ審議会総会・スポーツ基本計画部会の合同会議に向けて、中間報告案を作成していきたいと思います。委員の皆様方の御協力を引き続き頂戴できればと思っております。
 本日はどうもありがとうございました。御苦労さまでございました。
【大日方部会長】  ありがとうございました。
 それでは、今、長官からもお話がありましたとおり、いただいた御意見を踏まえて、私のほうで事務局と修正を行い、中間報告を作成したいと思います。
 最後に、事務局より次回の会議につきまして御説明をお願いいたします。
【事務局】  次回でございますが、12月にスポーツ委員会総会・スポーツ基本計画部会合同会議を開催する予定でございます。日程は改めて御案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
【大日方部会長】  ありがとうございました。
 本日も闊達な御議論、たくさんの貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。そして、初めて少し時間よりも早く終われるかなと思っております。とはいいましても、本当に濃密な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 それでは、こちらにて終了させていただきます。本日はありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

お問合せ先

スポーツ庁政策課