スポーツ審議会総会(第27回)・スポーツ基本計画部会(第5回)合同会議 議事録

1.日時

令和3年6月11日(金曜日)13時30分~16時00分

2.議題

  1. (1)次期計画策定に向けた課題、議論の方向性の整理について
  2. (2)その他

3.議事録

【早川会長】 ただいまからスポーツ審議会第27回・スポーツ基本計画部会第5回の合同会合を開催いたします。皆様、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の会議につきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策として、各委員にウェブ会議で御参加いただく形とさせていただいております。なお、スポーツ基本計画部会長の大日方委員、部会長代理の境田委員には、こちらの会議室にお越しいただいているところでございます。また、報道関係者の皆様も含めまして傍聴の方は、YouTubeによるオンライン配信を御覧いただく形となりますので、よろしくお願いいたします。
それでは最初に、室伏長官に御挨拶を頂戴したいと思います。長官、よろしくお願いいたします。
【室伏長官】 ありがとうございます。皆さん、お世話になります。スポーツ庁長官の室伏でございます。
本日は大変御多忙の中、スポーツ審議会総会とスポーツ基本計画部会の合同会合に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。4月に第3期スポーツ基本計画の策定について諮問をさせていただいた後、スポーツ基本計画部会の先生方におかれましては、3回にわたり関係団体への長時間のヒアリングに御対応いただく等、第3期スポーツ基本計画の策定に向けて様々な御尽力をいただいておりますことを感謝申し上げます。
本日は初めてスポーツ審議会総会とスポーツ基本計画部会の合同会議という形で実施される会でありますけども、これまでの先生方の御意見や団体からの御意見等を整理しつつ、より具体的な第3期スポーツ基本計画の策定に向けた今後の議論の方向性等について御審議いただきたいと考えております。
引き続き自由闊達な御議論を何とぞよろしくお願いいたします。以上です。
【早川会長】 ありがとうございます。
本日はスポーツ審議会総会委員とスポーツ基本計画部会委員が一堂に会している初めての会合でありますが、お時間の都合もございまして、各委員の自己紹介は省略とさせていただきたいと思います。なお、事前に秋元委員より代理出席のお申出がありまして、これを承認しておりますので御承知おきください。
議事に入る前に、本日の配布資料の確認をお願いしたいと思います。
【事務局】 事務局でございます。本日の会議資料につきましては、事前に各委員の皆様方にメールでお送りさせていただいているところでございます。議題に関わる説明資料といたしまして、資料1から資料5、これまでの各委員の御発言の内容等を整理したもの、それから関係団体ヒアリングからの意見概要等を御用意してございます。また、合同会議ということでございますので、委員の名簿として参考の1、さらには参考資料として第3期計画の諮問に係る資料、さらには第2期計画の関係資料などなど、さらには過去総会・部会の議事録なども御用意させていただいているところでございます。
事務局からは以上でございます。
【早川会長】 ありがとうございました。
それでは、議事に入ります。本日は、議事次第にもございますとおり、次期計画策定に向けた課題、議論の方向性の整理についてを議題といたします。
4月21日にスポーツ庁長官よりスポーツ審議会に対して第3期スポーツ基本計画について諮問がなされて以降、スポーツ基本計画部会が立ち上がり、関係団体からのヒアリングなど既に4回の会議が開催されているところであります。また、総会においても、これまで第2期計画の進捗状況の確認をする中で、あるいは先日の長官からの諮問をいただいた中で、委員の皆様から様々な御意見を頂戴してきたところであります。
こうしたこれまでの議論等を踏まえまして、事務局において整理ペーパーを用意いただきましたので、その内容について事務局より説明をお願いいたします。
【事務局】 それでは、事務局より資料1から5をまとめて御説明申し上げます。
まず、資料1を御覧いただけますでしょうか。資料1は、スポーツ基本計画部会の審議の当面の進め方でございます。ただいま早川会長からお話のありましたとおり、これまで4月に立ち上がって以降、スポーツ基本計画部会は計4回開催しております。うち直近3回については37団体、36団体に実際にヒアリングをし、1団体から書面のヒアリングをしております。
そういう中、第3期のスポーツ基本計画の策定検討に向けまして、今後は、丸1 として、諮問事項に沿って、各委員からこれまで出てきました指摘事項を整理して、議論を深めるのが1点です。もう一つの丸2 といたしまして、各委員からの指摘事項を踏まえて、個別政策テーマごとに事務局のほうで現状等の資料を提示しながら議論を深めていくと。この二つの大きな枠で議論を進めていただければと考えております。特に本日の審議においては、丸1 の内容と丸2 に関する柱立てや留意事項について御議論をお願いしたいと考えているところでございます。現時点のイメージといたしましては、丸1 が次期スポーツ基本計画の総論に相当する部分と考えています。丸2 が各論に相当する内容になっていくのではないかと想定しているところでございます。
計画部会におきましては、次回以降、本日頂戴いたします皆様からの意見を踏まえながら、資料1に書いてあります個別政策テーマごと、これはあくまでたたき台でございますけれども、この個別政策テーマごとに3回に分けて各論の検討をしていく形とさせていただきたいと思っています。
この各論丸1 についてでございます。これはスポーツ参画人口拡大に関する部分でございまして、主に計画部会と重なる内容をテーマにしております。
各論丸2 でございます。これは第3期のスポーツ基本計画の一丁目一番地になるだろう地域スポーツの環境整備、充実に関するところでございます。ここでは、主要論点として、やはり部活動改革等が係るかと考えているところでございます。
各論丸3 につきましては、スポーツを通じた社会活性化、経済活性化、さらに社会課題の解決、あと国際競技力の向上やクリーンでフェアなスポーツの推進、こういうものを丸3 に掲げているところでございます。
この個別政策テーマにつきましては、あくまでも基本計画部会で議論するための便宜的な柱立てでございます。実際には第3期において記載する個別テーマの柱立ては、皆様からの御意見を踏まえながら全体を整理していく中で別途決定していく予定でございます。
続きまして、資料の2を御覧いただけますでしょうか。資料の2と資料の3については、これまでスポーツ審議会とスポーツ基本計画部会において各委員から指摘を受けた事項をまとめたものでございます。特に資料2がその概要で、資料3がより詳細な中身を記載したものでございます。時間の関係もありますので、簡単に概要の資料2を中心におさらいをさせていただきます。
まず、1ページ目でございますが、諮問理由1に関係する部分でございます。ここは大きく2点あります。一つは、未来社会における豊かなSport in Lifeビジョン。これは、将来に向けてスポーツ政策が目指したいイメージを、この中で具現化していければと考えている部分でございます。もう一つが、2030年以降を見据えたスポーツ政策の在り方に関する部分です。ここにおいては、例えばレガシーの継承やコロナ時代の対応、少子高齢化や人口減少社会、こういうふうに今後10年間スポーツ政策を進めるに当たって押さえておくべき社会的な背景というものが何か、その社会的背景の中で今後5年間のスポーツ政策をどういうふうに位置づけていくのか、どういう方向性に持っていくのか、そういうことの中身がここの部分でございます。
2ページ目をお開きいただけますでしょうか。2ページ目の諮問理由2関係のところについては、諮問理由のところで六つの観点が挙げられました。いわゆる多様な主体の参画、関係機関との連携、デジタルの活用、多様なリソースの確保と戦略的な活用、KPIに基づいた達成状況の検証と評価、地方公共団体の地方スポーツ推進計画の指針としての役割、この六つの観点をまとめたものでございます。ここの部分は、まさに施策をどういうふうに全国津々浦々、国民一人一人に実効性を持って届けていくのかという観点での意見でございます。
3ページ目を御覧いただけますでしょうか。3ページ目から個別政策テーマに移ってまいります。個別政策テーマについては、まず一つ目の丸のところが、スポーツ参画人口の拡大とかスポーツによる健康増進、さらにはスポーツを通じた共生社会の実現というところで、まさに健康部会において議論されるネタとオーバーラップしている部分でございます。
二つ目の丸については、先ほど地域スポーツ環境の整備ということで申した部分でございます。この中には、関連として、学校体育、運動部活動改革をはじめとした子供のスポーツ機会、体力向上の話、あとは地方におけるスポーツ人材の育成とかその活躍の場の話、さらには学校体育施設を中心として地域のスポーツ施設をオープンスペースとするなどのスポーツをする場の充実、ここら辺のところがこれまでも御意見を頂戴したところでございます。
その次のものが、まさにスポーツの価値をどういうふうに社会の活性化とか地域の活性化、または経済の活性化につなげていくのかの部分でございます。そういう意味で、スポーツの成長産業化、地域振興、地域活性化のところがここの部分でございます。
最後のページに移っていただいて、同じくスポーツの価値を使って国際貢献、国際協力を進めていくところがここの項目でございます。そして、最後ですけれども、決して最後といって優先順位が低いわけではなくて、むしろ非常に優先順位の高い話として国際競技力の向上やクリーンでフェアなスポーツの推進というもので御議論いただいているところでございます。まず、ここの部分が、魅力のあるスポーツを国際競技力の向上とクリーンでフェアなスポーツを通じて国民の皆さん方がスポーツに対する関心を持っていただく、それを基にもろもろの施策が展開されていくという、そんな形のものでございます。
これらの個別政策に関する御意見をそれぞれまとめさせていただいております。時間の関係もありまして、非常にいい御意見をいただいて御紹介させていただきたいところですけれども、お目通しもいただいていると思いますので、割愛させていただきます。
本日の会議におきましては、これらの資料に基づきまして、先生方から追加や補足、特に強調すべき点等について御意見をいただきながら議論を深めていただきたいと考えているところでございます。事務局といたしましては、本日いただいた御意見を踏まえて、これまでの意見と併せて計画の総論部分に係るたたき台を検討させていただきたいと思います。それとともにあわせて、個別政策テーマに関して今後計画部会に提示する討議資料の作成を行って、今後の議論のサポートをしていきたいと考えているところでございます。
続きまして、資料4を御覧いただけますでしょうか。資料4は、関係団体37団体にヒアリングを行いました主な課題または次期スポーツ基本計画に対する期待を、委員の方々の指摘事項と併せまして、諮問の構成に沿って整理したものでございます。本日の審議の御参考として御活用いただければと思います。詳細の発言については、別添の参考5で議事録を送付しております。そちらを御覧いただければと思います。
最後、資料5の説明でございます。資料5は、審議会の今後の進め方について示したものでございます。この進め方については、大枠は変わっておりませんけれども、変更点だけ御説明させてください。
変更点としたしましては、スポーツ基本計画部会において、今後秋に2回御議論をするという予定が当初のものでございました。ただ、これまで御議論を経る中で、やはり丁寧に審議を進めるということと、健康部会の議論の内容を踏まえる必要もございます。その観点で、個別政策テーマに関する御議論については、3回御議論の機会を設定させていただくような形で変更させていただいております。残りについては、この資料のとおりでございます。
事務局からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。ただいま事務局から、資料1に沿って計画部会の審議の当面の進め方、資料2及び3に沿って各委員からの指摘事項等、資料4に沿って計画部会における団体ヒアリングの概要、資料5に沿って計画部会の審議スケジュールについて説明がございました。
本日の会議におきましては、資料1にありますとおり二つの点について意見交換を行いたいと思います。まず、一つ目の点は、資料2の3ページ目まで及び資料3の8ページ目までに掲載されております諮問事項に沿って整理された各委員からの指摘事項を御覧いただきながら、特に強調すべき点や補足・追加すべき点等について御意見をいただくというものであります。二つ目の点は、資料1の下部に記載されております次回以降のスポーツ基本計画部会において議論を深めていただく各種政策テーマの柱立てや、資料2の4ページ目以降及び資料3の9ページ目以降に掲載されている内容等を御覧いただきながら、特に強調すべき点や補足・追加すべき点等につきまして御意見等がありましたら頂戴できればと思います。
時間の都合がございますので、各委員におかれましては、これらの二つの内容について、まとめて2分半程度で御発言をお願いしたいと思います。また、初めに、先日まで団体ヒアリングの御対応をいただいておりましたスポーツ基本計画部会の委員の方々から御発言をいただきまして、その後、総会委員の方々から御意見を頂戴するという順番で進めさせていただければと思います。
それでは、まず、スポーツ基本計画部会の委員の方々で御意見等がございましたら、挙手ボタンを押していただきますようにお願いをいたします。それでは、お願いいたします。
それでは、尾縣委員、よろしくお願いいたします。
【尾縣委員】 よろしくお願いいたします。JOCの尾縣です。
私はオリンピックに向けての活動の中で、コロナ禍のような大きな社会の変化の中でも変わらないスポーツの価値、それから変化に応じてつくるスポーツの価値、そしてそういう価値を発信することの大切さを感じています。また、国際競技力の向上をいろいろなことと有機的に関連づけて行う必要性を感じました。東京2020大会では、メダル数という数値目標だけではなくて、オリンピズムの普及・推進という本来のJOCの使命を大切にして、定めた目標の達成に向けて努力してまいりました。この成果は、見える形で対外的に発信していく必要があると思います。そして、今後もJOCとしては「憧れられるアスリート」の育成を通じて、オリンピズムの普及・推進を図ってまいります。オリンピックなどの国際舞台での活躍は、人々に感動をもたらして憧れを醸成すると信じています。そして、結果だけではなくて、アスリートが人間的魅力に富んでいることとか、努力を続けるアスリートの姿を発信することこそが大切かと思います。
この憧れの醸成をオリンピズムの普及・推進につなぐために考えられることとしましては、子供たちとオリンピアンのふれあいの機会を増やすことであるとか、活躍したアスリートを社会のロールモデルに育てていく努力も大切かと思います。そのためには、社会においてアスリートが活躍できる場を拡充していくことが必要であって、活躍できる仕組み、提供できる仕組みを強化してまいりたいと思います。JOCにもナショナルコーチアカデミー、国際人養成アカデミー、就職支援であるアスナビなどがありますが、これらの機能を見直し、新たな仕組みをつくることも考える必要があります。この憧れの醸成は、スポーツへの関心を持つ人の増加、そしてスポーツ参画の意識を高めることにつながると考えております。
そして、オリンピズムは、Sports in life、SDGsの達成、共生社会の実現といった、恐らくスポーツ基本計画の核となるような事項を推進する一助になると思います。JOCとしましても、スポーツ立国の実現に向けて寄与できるところが大きいと考えております。
このサイクルを回すためのエンジンは、やはりアスリートの活躍です。スポーツ庁、JOCとの連携をさらに強化しながら、競技力向上の取組に継続していくための御支援をお願いしたいと思います。以上となります。よろしくお願いいたします。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続けて、髙橋秀文委員からお願いいたします。
【髙橋委員】 髙橋です。聞こえていますでしょうか。御指名ありがとうございます。私からは、障害者スポーツという観点から3点申し上げたいと思います。
まず1点目は、障害者スポーツの現状と課題です。現在の第2期基本計画に記載されている課題は、以下のようなものです。
障害者の週1回のスポーツ実施率は、健常者と比べて大幅に少ない。地方公共団体において、障害者スポーツの推進体制は十分でない。障害者が専用または優先的に使用できるスポーツ施設は114か所にとどまり、中には車椅子での施設利用を拒否されるケースもある。小中高等学校に在籍している障害児の体育の授業が見学にとどまることがあるなど、学校における障害児のスポーツ環境は十分でない。障害者スポーツ団体は、事務局体制や運営資金活動の基盤が脆弱である。
このように第2期で書かれているのですが、これは現在も全く同じような状況にあります。したがって、第2期で改善がなかなかできなかったことを踏まえて、第3期では何が何でもこうしたずっとある課題を解決しようという強い決意で具体化を図っていくべきだと考えているというのが1点目です。
2点目は、障害者スポーツの位置づけです。東京2020大会のレガシーをキーワードで言えば、共生社会とかダイバーシティインクルージョンということになると思います。共生社会とは、言うまでもなく、障害の有無に関係なく、性別にも関係なく、年齢に関係なく、一人一人が活躍できる社会でありますけれども、これをスポーツの世界で言えば、すなわち共生社会スポーツ、ユニバーサルスポーツという言葉があるとすれば、これを代表するのが障害者スポーツではないかと思います。年齢に関係なく、性別に関係なく、みんなが楽しめるスポーツだと思っております。したがって第3期基本計画においては、障害者スポーツを人生100歳時代におけるSports in lifeビジョンの中核スポーツとして明記するとともに、全ての諮問事項や個別政策において障害者スポーツを含めて議論していくべきではないかと考えております。
最後に三つ目として、障害者スポーツに関する地方公共団体への展開促進であります。障害者スポーツは、地域における少子高齢化にも対応できるスポーツであり、地域を結びつける要因ともなると考えております。しかしながら現実的には、地方自治体での取組がなかなか進まないという状況にありますので、第3期スポーツ基本計画を通じて47都道府県や市区町村に対して、障害者スポーツの普及・推進に関し、自ら主体的かつ積極的に取り組むよう促すとともに、組織体制整備、具体的施策展開等についてのPDCAサイクルの循環を明記していくべきではないかと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。続けて、大塚眞一郎委員、よろしくお願いいたします。
【大塚委員】 ありがとうございます。日本トライアスロン連合の大塚です。国内におけるスポーツ競技の中央競技団体の立場で意見を申し上げたいと思います。
少し総論と各論が混ざるかと思いますが、今回の第3期の基本計画は、オリンピック・パラリンピック後の日本社会の重要なスポーツの岐路に立っているものだと思っております。この機会を利用活用して、スポーツの発展イコールスポーツによる社会的価値の向上等々に努められる逆にチャンスでもあると思っています。
ここまでのヒアリングまた意見交換の中で、三つのポイントと一つの提案をお願いしたいと思っています。
一つ目のポイントとしては、前回第2期は大分国際面の協調がございました。今回は、少し国際的な部分が足りてないのではないかと感じております。スポーツの価値は多元的、そして国際とスポーツの関係を考えても、スポーツを通じた国際的プレゼンスの確保や国際貢献ができると考えております。ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックといった国際展開、またはスポーツ・フォー・トゥモロー事業など、数々の実績を挙げております。これらのスポーツの国際展開は、中長期的に見て、競技力向上にも資するし、スポーツを通じた社会的課題解決、またスポーツ外交のような他分野にも裨益すると考えております。国際活動の礎として活躍できる人材、IFとの連携、国際大会の招致、そういったところにしっかりともう一度足を踏ん張っていきたいと思っております。
また、オリンピック・パラリンピックレガシー、800万人のIDデータ、こういったものの活用、EDI教育の啓発など、また、スポーツの成長産業化におきましては、ぜひともマイナンバーカードとの連携においてデジタル化を目指していけないか。
そして最後のお願いは、中央競技団体の横連携です。せっかく組織委員会の中に中央競技団体であるNF協議会ができ上っておりますので、オリ・パラ併せて中央競技団体同士の横連携ができればなと思っております。
以上、簡単ですが、意見として申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
【早川会長】 ありがとうございました。続けて、森岡裕策委員、よろしくお願いいたします。
【森岡委員】 ありがとうございます。日本スポーツ協会の森岡です。
先ほど事務局からも御説明がありましたが、私から、さきの3回にわたる36団体のヒアリングを踏まえて、運動部活動改革、地域スポーツ体制の再編強化の2点についてお話させていただきます。
1点目の運動部活動については、大会の在り方、指導者、運営団体の3つに分けて御説明させていただきます。
大会の在り方については、先のヒアリングでも確認しましたが、高体連・中体連の主催大会については学校単位での参加という原則があり、選抜チーム等々の結成を抑制し結果の平等を重視するということは認識しております。しかしながら、今後の急速な少子化、あるいはスポーツ参加への多様化を踏まえ、年齢別カテゴリーにおける機会の平等の確保も必要だと考えます。今後、高体連・中体連の主催大会への参加条件の緩和を求める一方、地域においてのクラブチームや、あるいは個人エントリーの参加が可能な大会の在り方も検討すべきであると考えております。
次に指導者については、学校側あるいは地域側ともに指導者不足だと聞いておりその克服が大きな課題です。
運動部活動の指導者については、教育的な視点とスポーツ振興の視点の双方から考えても、特に、何らかの資格を持つ者の配置が必要であると考えております。その上で、運動部活動指導経験のある教員、OB、OGに対して、例えば、我々JSPOの資格を付与した上で運動部活動の指導者に任命する仕組みを導入すること、さらには、現役の教員に義務研修や、あるいは運動部活動指導者向けの研修会に我々が開発しました「モデル・コア・カリキュラム」を導入することが可能であるか考えております。
さらに、先にオリパラに向けて公募を行ったスポーツドクター、あるいはアスレチックトレーナー等、スポーツ医・科学に基づいたそれらの人材を運動部活動へ参画することができないかということを考えております。
最後に、不適切な指導の根絶に向けたインテグリティーのさらなる向上の取組及び保護者等に対するスポーツの価値教育というものを徹底していきたいと考えております。運営体制については総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団が「地域運動部活動」の運営団体として参画する環境を整える必要があると考えております。
2点目の地域スポーツ体制の再編・強化については、JSPOの加盟団体である都道府県体育・スポーツ協会を通じて、市区町村の体育・スポーツ協会を活性化し、スポーツを支える人材を育成していくことが必要です。また、地域におけるネットワーク、あるいはコンソーシアム等々を結成した際の責任主体となり得る市区町村体育・スポーツ協会の法人化の促進を考えております。さらに来年の4月からスタートします総合型クラブ「登録・認証制度」によって多くのデータが集まります。それらを活用することにより地域のスポーツ推進体制を再編成することが可能ではないかと考えています。
以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続けて、結城和香子委員から発言をお願いいたします。
【結城委員】 機会をありがとうございます。
今回のこれからの5年を考える計画ではございますが、総論の部分では、やはり今の社会を踏まえて、そこに見えてきたものを強く打ち出して指針として置くべきかと存じます。その今の社会の変化というのを2点。
それは例えば今のオリンピック・パラリンピックに対する逆風の根底に見えるものの中に、一部だと願っておりますが、スポーツ無用論に近いものが見え隠れする。余裕があるならやってもいいけれど、本来は不要不急なものだ、コロナ禍でやるなんてとんでもない、そういう論調が見えてしまうのは非常に残念なことです。スポーツというものは本来社会文化である。人々が、ある意味で享受すべき権利です。そして、もし不要不急というような流れで考えてしまうことが今後社会で広がるようですと、私見ですが、それは日本という国の世界から見た格にも関わってきかねない気がしています。真の豊かさを持ち得ない、そういった間違った印象が持たれてしまうのではないでしょうか。
もう1点。でも、今の社会の中で、コロナ禍で、自分たちが行う身近な身体活動のすばらしさを感じ取られた方は実は非常に多いと思います。個々で行っているたかが散歩だけれども、その時間のかけがえのなさ。それから、体操が一時できなくなって、それからできるようになった高齢者の方たち。本当にその期間、なぜ自分は体を動かしたかったのか、それを実体験として捉えられた方が多かったと存じています。
その総論部分でございますけれども、今、何のためにスポーツをするのか、これからの私たちの社会でなぜスポーツをするのか、そこを強く打ち出していただければと感じています。お仕着せではない、やらされるものでもない、本来は自らが体を動かすという意味で、生きる喜びを体感するものです。そういうものが重なっていけば、逆境にあって前を向ける社会、他者を思いやる余裕を持てる社会を築いていけます。そういったスポーツの価値を使って、いわゆる健康医療や教育、地域振興といったものにつなげていく、そういう立てつけにしていただければすばらしいと感じます。
社会文化といわれているスポーツの原点を理解してもらうように発信する、それを根本においた総論部分ということでございます。スポーツというものは、学校体育でもそうですけれども、押しつけられるべきものではなく、上が言うから付き合うものでもありません。オリンピック・パラリンピックの開催もそうですが、やらされるという感覚では、恐らく人々の中でスポーツ施策による行動変容は限られてしまうのかもしれないと感じています。
各論の部分で、一つは、最初の尾縣委員がおっしゃたように、競技スポーツというものはオリンピック・パラリンピックが終わった後も非常に大きな影響力を持ち得ると感じています。それは実は、今のたたき台の立てつけでは3に入っていますけれども、1の部分と非常に深い関わりを持つ。第一義的には見るスポーツですけれども、それは触発であったり行動変容であったり、選手たちの発信影響力というものが、これからスポーツが社会にどういう形で貢献をしていくか、SDGsなんていう言葉を聞きますけれども、そういう中でも実は非常に鍵になっていく可能性があります。
もう1点、各論部分での教育とのかかわりです。もちろん部活動の立てつけは、一丁目一番地というお話がありましたが、非常に大事です。ただ、スポーツ教育、スポーツの価値教育というもの、今現在オリンピック・パラリンピック教育という名前で協力をいただいているところにやっていただいていると理解しておりますが、これを何らかの形で、スポーツの価値とは何かを考えさせるような教育として今後継続できないか、それが何らかの形で、例えば各論の2などに盛り込めないかと思います。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続いて、藤田紀昭委員、よろしくお願いします。
【藤田委員】 よろしくお願いします。私は総論全体に関わるところで三つ、各論の障害者スポーツ関連のところで三つ申し上げたいと思います。
まず、総論に関わるところですが、多様性重視ということを前面に打ち出すべきだと思います。競技団体の関連、例えば同じ種目の障害のある人の競技団体と、ない人の競技団体を一気に統合することは難しいにしても、連携してそちらを向いて進み始めるということを打ち出すべきではないかと思っております。これが1点目。
2点目が、前も申し上げましたが、とにかくスポーツ好きをつくらないといけない。いろんな施策の根底として、スポーツ好きをつくることで、実施率も上がってくるでしょうし、指導者の質も上がってくるということにつながってくると思います。私の大学で調査したところ、体罰などが起きるのは、多くが部活と地域のクラブのスポーツでした。そういったものをなくしていくためにも、指導の在り方を考えるためにも、とにかくスポーツ好きをたくさんつくるという方向性を明確にするべきだと思っております。
三つ目が、地方の行政あるいは地域においてスポーツ関連部署が連携していくということです。スポーツ推進委員の方のヒアリングでもありましたけども、連携を進めたくても行政の後押しがないと難しいということがございました。そういったことも含めて、地域においてそういう関連の部署・部局が連携できる体制をつくっていくべきかと思います。
個別のところは、障害者スポーツに関して三つです。やはり地域において障害者スポーツを推進していくために、障害者スポーツの推進を地域の推進計画などの中にきちんと位置づけていく。それから、審議会とか推進会議のメンバーにその関係者をきちんと入れていくということが必要かと思います。これが一つ目。
二つ目が、障害者スポーツに関わる部局――障害福祉課や教育委員会、あるいは特別支援教育課、いろんなところが連携する体制が必要だと思います。そういった人たちが一堂に会するような実務者会議であるとか協議会のようなものを地域にもつくっていく必要があると思っております。スポーツ部局が首長部局にできればいいのですが、そうでないところもたくさんありますから、そういったものを考える必要があるかと思います。
最後に、指導者に関わるところで、様々な指導者がいます。様々な指導資格があって、もちろん障害者スポーツ指導員の資格所持者を増やすということも非常に重要ですが、学校の体育教員をはじめ一般のスポーツ指導者がきちんと障害者スポーツを理解して指導できるということですね。ですから、カリキュラム等の中に、少しでもいいからそういう障害者スポーツに関わる部分を入れていくということで、障害のある人がどこにいても、地域の人口の少ないところにいても、スポーツを指導してくれる方がいる状況をつくっていくことが必要ではないかと思っております。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続けて、遠藤恵美委員、御発言をお願いいたします。
【遠藤委員】 遠藤です。基本計画部会において、団体ヒアリング委員の皆様の御意見により第2期の振り返りをしまして、今の日本における障害者スポーツが抱える様々な課題について的が絞れてきたと考えています。
以前もお伝えしたかと思うのですが、2006年に国連総会で採択された障害者の権利条約の第30条、障害者があらゆる水準の一般のスポーツ活動、学校制度におけるこれらの活動を含む文化的な生活、レクレーション、余暇及びスポーツへの参加、この5項目があるのですが、これらが全て日本の課題として含まれていると感じました。日本がこれらの国連総会で採択された権利条約のうち、何ができていて、何ができていないかを整理しまして、個別政策テーマに具体的に分かりやすく、実現可能となるように盛り込んでいくことで、先ほどからいろいろな障害者スポーツで出ている課題に取り組む必要があるだろうと考えています。
障害者のスポーツ活動がこうした課題解決に向けて実現できるようになれば世界水準になるように取り組むというのが、この第3期スポーツ基本計画での取組になると思っています。課題解決に関しましては、障害者スポーツの根幹の議論も含めまして、総論と個別政策を含めて先ほどからありますように一般の中に盛り込む、そして障害者独自のところにも盛り込むといったきめ細やかな対応が必要と考えています。
今日はお時間がありませんので、障害者スポーツ関係の委員の皆様と議論しながら、皆様に詳しくはお示しできるようにしたいと考えています。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、國土将平委員から御発言をお願いいたします。
【國土委員】 國土です。よろしくお願いします。
まず、総論の観点で行きますと、やはりスポーツの価値観の形成について新たにもう少し大きく拡大してもいいのかなと思っております。先ほど結城委員からありましたように、エモーショナルな価値観形成に加えまして、エビデンシャルな点での価値観の形成ももう少し含めてもいいかと思います。と言いますのは、最近、子供の身体活動が大人になってからの知識水準にまで影響しているというエビデンスもどんどん出てきておりますので、そういう全人的な発達あるいは人間形成みたいなものがスポーツや身体活動を通して行われるという非常に大きな価値観形成についても入れていいかと思います。
それから、それを含めまして、社会システムとしてのスポーツ活動、身体活動の組み込みみたいな部分というのがしっかりと行われていく必要があると思います。指導者の関係性もあるのですけれども、今、指導者自体が優遇されていない、あるいは不足している、あるいは日頃の生活社会においてスポーツの時間がある意味限られてしまっているという現状があると思います。そういったことを踏まえて、広く経済社会システムみたいな部分としての活動が必要だと思います。最終的には、年齢を超えた幼児から大人まで、運動が好きという価値観形成みたいなものが行われる必要があると思います。
この辺が全てフォーカス的に組み込まれればいいかなと思っております。
各論につきましては、やはり子供の身体活動が、今、非常に少なくなってきている。あるいは体力の低下問題がずっと言われておりますけれども、やはり運動習慣の二極化というふうに、いかに身体活動をしっかりとやるかという部分が恐らくキーファクターになってくると思いますので、そういったものがうまく評価できるようなシステムを組み込んでいく必要があると同時に、特に私たちが子供の指導を見ていますと、恐らく中学・高校にはスポーツを専門にやられている先生がかなり多いですが、申し訳ないけど、小学校・幼稚園の先生方は非常に能力が低い。そういった先生方の指導力を底上げしていくことも必要だと思っております。以上です。ありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続いて、菊幸一委員から御発言お願いします。
【菊委員】 ありがとうございます。菊です。
まず、私のほうからは総論的なことを中心にお話ししたいと思いますが、基本的には先ほどの結城委員と全く同じ意見で、Sports in Lifeという言葉について、もう少し深掘りをしていく必要があるのではないかと思います。
Sports in Life というと、スポーツのある暮らしといいますか、生活の中にスポーツがあるというイメージですけれども、今回のコロナ禍での人々の身体活動のありようを見てみますと、スポーツが基点、体を動かすことを基点に生活が成り立っているということに非常に大きく気づかされたところがあったと思うんですね。それがなぜ、例えばオリンピックやいろんな大会に対するいろんな支援や支えの必要性を訴える世論につながっていかないのか、この点をよくよく考えてみる必要があります。
先ほど来、スポーツの価値ということを言われていますけれども、その価値づけは、社会からスポーツへの価値づけというよりは、スポーツから生まれてくる価値だろうと思います。実はそのスポーツから生まれてくる価値というのは、これは私の持論ですけれども、むしろスポーツそのものはプレイとして無価値であるからこそ、ただただ楽しいからこそ、楽しく体を動かすからこそ、実は多様な価値が生まれてくる。そういうある種の順序性というものをもう少し大胆に考えて、そこの中心的な部分をどう育てていくのか、どう計画的に育成していくのかということを全体の趣旨として盛り込んでいく必要があるのではないかと思います。
そういうことで言いますと、第3期は、基本法ができてから1期、2期と10年が経過したわけで、そういうスパンで言うと、基本法の前文のスポーツの概念自体の見直し、定義の見直しも考えたほうがいいのではないかなという一つの意見を持っております。これが総論的な部分です。
各論的な部分で言いますと、いろんな関係諸組織のヒアリングを聞いていますと、研究団体、それからいろんな統括スポーツ団体、関連団体もそうですけれども、重要なのは、スポーツの歴史は民の力、民間の力によって様々に促進されてきたということです。そういう歴史的な背景から見ても、JSPOやJOC、レクリエーション協会も含めて、民間のスポーツ統括組織の力をもっと側面から支えていくような計画を推し進めていくような方針が各論でも必要な感じがします。
それから、地域スポーツ行政については、首長部局に移管されている部分も多いですけれども、どうしてもトップダウン的に計画が棚卸しされていく部分があります。それに対してこちらのほうとしては共通の物差しは出すけれども、それが地方の独自性にもっともっとつながっていくような計画の出し方が必要になってくるのではないかと思います。
ちょっと総論的になりましたけれども、以上です。よろしくお願いいたします。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、石塚大輔委員から御発言をお願いします。
【石塚委員】 ありがとうございます。私からは、各論の部分ですけれども、先ほど事務局からもありました、一丁目一番地になるような地域スポーツの環境の整備・充実に絞ってお話をさせていただければと思います。皆様からのヒアリングの中でも非常に関心が高く、いろんな御意見や御質問が多くあった分野かと思います。
学校運動部活動の地域移行に関する流れですけれども、令和5年に向けた段階的な移行というある種のゴールが設定されていることでいくと、一つは人材の部分で、受け皿をどうしていくかというところが改めてのポイントになってくるかなと考えております。様々な議論の中で、先ほど森岡委員からもありましたけれども、資格保有者の方が様々いらっしゃる部分ですとか、あとは例えば団体で言えば、総合型地域スポーツクラブはスポーツコミッション、競技団体や各地域のスポーツ協会、さらには民間企業のような形で、様々な地域の受け皿が改めてあることを理解して、こういったところを少し横串を刺して情報共有をしていくべきところもあるのかなと考えております。
先ほどよくスポーツ関連は教育委員会と首長部局だということで、この連携も非常に必要になってくるなと思っておりまして、こういった部分でも総合的にコーディネートできるような人材が非常に重要になってくると考えてございます。
続きまして、この分野における財源については、受益者負担という言葉もあるとは思いますけれども、様々な財源の確保というところで、総論のほうにもございましたが、ふるさと納税や企業版ふるさと納税、さらにはクラウドファンディングやスポーツ振興くじ、さらにはスポーツベッティングのような形で、いわゆる様々な資金確保、財源の確保が必要になると考えております。
地域スポーツの環境の整備という部分では、学校の体育施設をいかに有効に地域に還元していくか。部活動自体が地域に移行するということであれば、学校の体育施設をより有効に活用するため、学校部活動から地域部活動に移行するとともに、地域住民の皆さんへのスポーツ施設の開放することで、学校区ごとに充実した体育施設が提供され、様々なメリットが生じると考えてございます。
そういった意味で、人材の部分、財源の部分、プラスアルファでハードの学校体育施設の活用というところにも改めて着目し、ほかにも整備していく必要があるということで、私からの御発表とさせていただきます。以上でございます。ありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、大石悦子委員、御発言をお願いいたします。
【大石委員】 ありがとうございます。私からは大きく三つのことを意見させていただければと思います。
一つ目は、ポイントを絞るとか優先順位をつけるということでして、今回この部会に参加させていただきまして、スポーツ基本計画の詳細を拝見したり、実際取り組まれている方々のお話を聞かせていただいたりして、一番驚いたことは、多方面から検討されており、包囲網が大きく、風呂敷が大きいということで、たいへんすばらしいと思いました。
ですが、この計画や概念を、各自治体や団体に落とし込んだときに、これら全ての計画を同時に推進していくのはなかなか難しいのではないかなと思いますし、ここから各団体の状況に合わせて選んで進めてくださいと言ってもうまく選べないこともあるのではないかということが頭に浮かびまして、これまでの皆様の御苦労を棚に上げてしまう発言になってしまうようであれば無礼を御容赦いただきたいと思いますが、今後この計画をさらに進めていくには、機能ごとにこれだけはといった強化ポイントですとか、何か優先順位をつけてお示しすること、また、明確に役割分担するといった工夫があると、もっといいのではないかと感じました。これまでもそのように示されているようでしたら、不勉強をお許しください。
二つ目は、私が以前からスポーツ参画人口の拡大のためにぜひ進めたいと考えていたことでございまして、これまでも様々な意見が上っていることと思いますが、学校教育を何かしら変えていければと思います。
子供は、放っておいても勝手に動き回って、つまり動くことによって体の様々な機能を発達させているわけですが、成長するにつれて、特に体の発達が終わりに近づく思春期に差しかかると、もっと体を動かそうとする人とおっくうになる人と分かれるように感じております。ですので、時間はかかりますが、この二分される前に何かしら運動に対する教育をしっかり学校で行うことが重要ではないかと思います。
楽しさを伝えるだけではなくて、現代社会においては生涯において運動が必須であること、将来の病気や整形外科的な不調を予防するためにも大事ですし、ストレスの解消とか、精神状態を整えるのにも重要であること。また、体を動かす仕組み、骨格や関節、筋肉の収縮、呼吸循環とか内分泌系といった仕組みの基本を、最近アニメで話題になっていますが、『はたらく細胞』のように楽しく学ぶ機会をつくれれば良いのではとも思います。ぜひ運動を軸にした健康教育の見直しも検討できればと思います。また、これらの運動に関して知識を学ぶことは、生物や医学、物理学に通じていますので、おのずと支える人口の拡大にもつながってくるのではないかと思います。
最後は、実践することを評価する仕組みの創出です。スポーツの醍醐味であります「できる」「上手になる」「勝つ」ということは、実は多くの人にとって実践の障壁になっていることがあります。ですので、「できる」「勝つ」を評価するだけではなくて、実践すること自体を評価する、そういった仕組みに子供の頃から親しめる仕組みがあるといいと思います。
そのほかにも、既に意見があると思いますが、ボランティア文化の浸透ですとか、ある資源の有効活用、加えて、自主的な活動の促進、異業種・異文化との連携なども、知恵を絞って策定していければと思います。
すみません、長くなりました。ありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。では続きまして、池田めぐみ委員から御発言をお願いいたします。
【池田委員】 池田です。よろしくお願いします。私からは大きく三つコメントをさせてもらいたいと思います。
まず、コロナになって、オリパラは中止だ、延期だというニュースが連日流れている中で、そういったニュースを目にすると、どうしても、私もオリンピックに出場しましたけれども、今までオリンピックを通して学んだことだったり経験してきたことだったりをちょっと否定されたような気分になってしまうことがあります。そのような状況でこの部会に関わらせてもらっていてつくづく感じるのですが、これから5年ないし10年、その先も続くのだと思いますけれども、東京2020大会を目指してきて実施してきた中で、私たちは誰にとってどんなレガシーを残せて、そして、それを生かして伝えていけるのかということは、すごく非常に重要なポイントだと思っています。目を背けてはいけない大事な本質だなと思っているので、それが物なのか、目に見えないものなのか、いろんな形はあるとは思いますけれども、そこはこれからの子供たちにまいていく一つの大きな種になっていくと思うので、そこはしっかり見据えていただきたいというのが1点目です。
2点目です。最近ベッティングの話がよく出てきているかと思いますけれども、今後やはりスポーツの財源を確保していくためには、どうしてもそこを見ていく必要があると思いますが、くじの対象になるようなスポーツにはどうしてもクリーンさが求められると思うので、ドーピング防止以外にもクリーンさに関してより力を入れていただきたいなということが2点目です。
3点目、最後ですけれども、クリーンさというところにひもづくのですが、クリーンさを求められるのはアスリートだけではなくて、何でクリーンさが必要なのか、例えばドーピングだったり暴力だったりハラスメントだったり差別だったり、そういったものから守りたいスポーツの価値というのは何なのかということは、強く教育に落とし込んで、子供たちに話して、その気持ちを持った子どもたちが大きくなっていくというところに物すごく可能性を感じていますので、クリーンなスポーツの教育の推進はぜひ強調していただけないかと思います。子供たちに、勝ち負けではないスポーツの価値というものが小さい頃から身につく大きなきっかけになるかと思いますので、ぜひそこは強調していただきたいと思います。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。今、審議会総会委員の羽鳥先生から挙手いただいておりますけども、まず計画部会の先生からほかに御発言はございませんでしょうか。
(「なし」の声あり)
【早川会長】 特になさそうですので、それでは、部会長、部会長代理から御発言いただきたいと思います。大日方部会長からお願いします。
【大日方部会長】 大日方です。これまでの4回の部会を通じて、そして3回の中でもヒアリングでたくさんの方々からの御意見をいただきました。その中で幾つか私のほうから、総論、各論で気づいたことを申し上げたいと思います。
まず、Sports in Lifeのビジョンというところで多くの方々から御意見をいただいたこととして、多様な参画主体を包摂するスポーツ政策の必要性をぜひ強調するべきだろうと考えました。特にまた少子高齢化、人口減少社会への対応を考えますと、既存の組織や縦割り的な枠組みを見直す時期に来ていることを明確にすべきだと考えます。
また、スポーツの社会的な価値の可視化、定量化を目指すといった御意見もヒアリングの中でございました。コロナ禍で分断が進む社会の中で何がスポーツにできるのかということ、全人的な教育、健康身体活動量、こういった点から包括的に価値について明確に示すことが必要だと思います。
三つ目としまして、東京大会のレガシーですね。東京モデルの継承といったようなお話もありました。この議論を深める必要があると感じています。特にパラリンピックによる変化は無形のレガシーというところがあると思いますが、どのように可視化していくのかが重要だと考えました。また、SDGsとスポーツの視点という意味では、少し整理し、もう少し具体的に位置づけることが必要だと感じております。それから、eスポーツについて、今回は御発言がなかったのですけれども、どう考えていくのかということも議論する必要があると感じました。
次に個別の政策のところでは、体育の授業の在り方を特に考えていきたいと思っています。どうやって運動の苦手な子をつくらないようにするのか、そこは評価というところ、あるいは実践することを評価するという意見もありましたけれども、こういったところから踏み込んで考えていく必要があると感じています。
また、地域におけるスポーツの推進という点においては、指導者制度そのものの見直しといったことも将来の方向性として考えていけるとよいなと思いました。
さらに、スポーツに関わる人材の育成と確保という点では、スポーツ界でのキャリアパスを描くことの必要性、特に中央競技団体の責任理事がいわゆる無報酬でやっていることがよいのかどうかという点についても方向性が出せるとよいなと感じました。
さらに、国際競技力の向上とスポーツ人口の拡大という点では、中央競技団体の役割について、いま一度明確にしたほうがよいと感じております。日本スポーツ仲裁機構が4月にメダル偏重しているという問題提起をされた件もありますので、国際競技力の向上に資するのか、また、スポーツ振興の参画の拡大に寄与するべきなのかといったバランスについても、いま一度整理しておいたほうがよいように感じました。
以上となります。ありがとうございます。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続けて、境田部会長代理から御発言をお願いいたします。
【境田部会長代理】 境田でございます。
この2か月間4回にわたりまして、いろんな団体の関係者の方々からヒアリングをさせていただきました。前回の第2期のスポーツ基本計画部会の立案にも関わらせていただいたのですが、やはりちょっと深刻だなと思うのが、学校の部活、それから中学校・高校の中体連・高体連を取り巻く環境、それから総合型地域スポーツクラブ、あと自治体のスポーツ、これが5年前より少しずつ劣化というか、環境が厳しくなっている部分が多い気がいたします。いろいろ皆さんと意見を交わさせていただきましたが、恐らくこれは、例えば中体連だけとか自治体だけとか総合型地域スポーツだけとか、もしくは日本スポーツ協会の県協会などのそれぞれがそのソリューションに向かって頑張るのではなくて、いかに連携してコーディネートしながらそこを進めていくかということがすごく重要だろうと思います。
ちょっと振り返ってみますと、5年前に、大学スポーツというのは基本的に大学の活動ではないということが大きな問題だ、それから競技団体を統括する組織がない――学連を統括する組織がなく、その学連が小規模なので大学スポーツの持っている潜在価値が全然発揮できない、このままでは駄目だという意識の下で、ちょうどこの会議室で馳浩文部科学大臣が大学スポーツを何とかしようという会議を立ち上げられました。そのときには、スポーツ庁の鈴木大地長官、次長のほか、大学を統括する部署のトップを呼べということで、高等局長と科政局長も呼ばれたんです。大学には科学技術の力があるのに、それを全然生かしてないだろうということで、文科省全体でやるぞという意識をこの会議で、5年前の4月30日に示されました。私もその会議に同席させていただきました。
その後、スポーツ庁において本当に2年半にわたって真剣に議論を重ねながらUNIVASができました。まだまではありますが、UNIVASが成功している要因の一つは、データプラットフォーム、デジタル化をきちんと最初の基本戦略において、メインのスポンサーのKDDIさんとデータプラットフォームをきちんと整備したことが成功の要因でした。
今回も、部活、地域のスポーツ振興には、このデータプラットフォームをきちんと戦略的につくっていくことが重要です。なので、スポーツ基本計画部会の先生方とは、これから10か月にわたって、ここの戦略をきちんと大日方部会長とともに練っていきたいと考えておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続けて、審議会委員の先生方から御意見を頂戴したいと思いますが、挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。
初めに羽鳥委員から御発言お願いいたします。
【羽鳥委員】 すみません。日本医師会常任理事の羽鳥と申します。よろしくお願いします。今日は本当に皆さんすばらしいお話を展開していただいたと思います。
運動が健康維持に如何に必要であるかは明らかになっています。医師がスポーツに深く関わっていくべきだと私は思っています。スポーツに関わる医師団体には、日本スポーツ協会の配下にある、公認スポーツドクターという制度、そして日本医師会の中に健康スポーツ医という制度があります。この健康スポーツ医は全国47都道府県の都道府県医師会の中に健康スポーツ医部会を構成しており、マラソン救護、スポーツ大会支援をしています。
一つは疾病を持つ方で、これからいわゆる2025年問題における高齢者急増に対応し、地域での地域包括ケアとかでロコモフレイル、内臓疾患のある方で外出が躊躇われるかたを如何に身体を動かしてもらうか等の取り組みも是非取り上げて頂きたい、地域で運動に親しめなくなったような人たちをどう救っていくかということです。
その一方で、最近、いわゆる高血圧、糖尿病、高脂血症など、今までも運動が必要だと言われていた領域以外に、気管支ぜんそく、あるいは肺気腫、それから慢性腎不全で透析になる前の状態の人たち、昔は運動が禁忌と言われていたような疾患をもつ人も、実は運動することによって生命予後がよくなるという話がたくさん出てきています。
そういう意味で、医師も一生懸命やるのですが、実際の運動活動を指示してくれる運動療法指導士さんとか、あるいは皆さんのような指導者の方々がどこにどうおられるのかがよく分からないということで、スポーツ庁が昨年からマッピングを作ろうと提案しています。ドクターのマッピングも作るから、スポーツ施設、あるいは運動指導のできる人たちがどこに所属しているか、そしてその人たちがどんなことができるかを示したマッピングを日本医師会で全国の健康スポーツ医のマップを作ろうということで、お互いの情報を見える化して、ぜひ皆さん方に活用していただきたいなと思います。
お医者さんにもそれぞれ得意、不得意がありますし、科の専門もありますので、それぞれ皆さんが選んでいただいていいと思います。もっと近しい関係になっていただいて、利用してもらえればいいのではないかと思います。もちろん健康なお子さんたちを診る小児科医や、それから小学校、中学校、高校ですと学校医の先生方、成人になりますと、就業された後、産業医の方、そして老人になられると、地域でいわゆるかかりつけ医として診ていくということもありますけども、どのレベルにおいてももう少し医師とスポーツの指導者の方々と密接に関係を持って、もっと気軽に相談できる、気軽に話し合うことができる場をつくってもらえればいいなと思っています。
私は川崎の幸区というところで開業していて、実際に運動が必要な人たちがたくさんいるんですけど、それをどこにどう紹介していいか分からなくて、結局自分たちの見よう見まねの知識でやっていってしまうことがあります。そうではなくて、専門の方に任せたいなと思っても、どこにどんな方がいるか分からないということで、その辺のことを、ここ数年で結構ですので、事業として立ち上げていただけたらと思います。私からの話は以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。続きまして、山下泰裕委員から御発言をお願いいたします。
【山下委員】 JOCの山下でございます。
持ち時間もかなり限られておりますから、早速お話に入りたいと思います。まず、尾縣委員と大塚委員から話されたことには全く同感でございますので、そこについては省かせていただきます。お二人の意見と同じ考えで、多くのJOCの理事あるいは職員がそう認識しており、その方向へ向かって動いていると思います。
今日は4点お話しさせていただきたい。ちょっと多くて申し訳ないですけど。
1点目が、多様性、共生社会の実現に関してで、皆さんも御存じのように、これは日本社会が抱える課題であろうと思います。昨日JOCの理事会がありました。JOCの評議員会にお諮りするための原案が承認されまして、我々が目指している女性理事候補40%以上、外部理事候補25%以上という構成が達成できそうな運びです。これまでと比べると、大きく多様性、共生社会に向けて一歩踏み出したと思っておりますけども、これは極めて小さなステップであろうと思います。それから会議では、性を含むあらゆる差別を許さず、多様性を重んじ、共生社会を目指していくということも真剣に議論されました。JOCだけではなくて、中央競技団体ほか様々な関係団体と協力しながら、スポーツ界を挙げて多様性、共生社会の実現に向けて動いていきたいと思います。
二つ目でございますけど、地域スポーツの在り方に関してでございます。2006年から8年間、神奈川県体育協会の会長を務めさせていただきました。そこで感じたのが、神奈川に限らず多くの県の体育協会が、国体での順位を上げること、天皇杯・皇后杯のポイントを取ることに非常にエネルギーを割いている。国体ももちろん重要ですけども、県のスポーツ協会の果たすべき役割とか存在意義というのをもう1回考えるべきではないかと思っています。Sports for All、あるいはSports for Everyoneを中心にして、ここで議論しているようなことについては県のスポーツ協会でも関心を持ってもっと取り組んでいただきたい。都道府県の競技団体は、県のスポーツ協会の意向に非常に大きく左右されます。ですから、こういうところの意識も変わっていくと、ここで議論されていることが実際に浸透していくのではないかと思っています。
3点目ですけど、ウィズあるいはポストコロナ時代への対応でございます。これは結城委員、菊委員と重なる部分がありますけども、やはり今後、自らの心と体の健康は自ら守るという認識がもっと高まっていく必要があると思います。そうすると、このコロナ禍の時代にスポーツは不要不急だといった意見は出てこないのではないか。しかし、今の日本のスポーツ界には、自主的に行う、あるいは自ら楽しむもの、気持ちいいもの、こういう視点が欠けているのではないか。そういう勝ち負けを二の次にした、Sports for Allの部分をもっともっと広げていく必要があると思います。
それから4点目でございます。最後です。クリーンで平和なスポーツ、これはもちろん大切ですけども、それとともに大切にすべきなのは、クリーン、フェアです。これを選手だけではなくて、スポーツ関係者の多くの人たちが、スポーツ以外の日常生活に生かしていくときに、本当にスポーツの価値が高まっていくのではないかと思います。ですから、多くの人の理解を得ながら、スポーツをやっている我々が最も大事にしているフェアプレーの精神とか、ルールを守るとか、相手をリスペクトする、そういったものをスポーツ以外の場で実践していくことも極めて重要ではないかと思っています。これは中学時代の柔道の指導者から学んだことですけども、柔道の創始者あるいはオリンピズムの精神にもつながるのではないかと思います。
以上です。長くなりました。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、久野譜也委員から御発言をお願いします。
【久野委員】 筑波大学の久野でございます。私は総会と健康部会に、渡邉部会長とともに入らせていただいておりますので、その辺りの立場も踏まえてお話させていただければと思います。
まず、総論的なところで2点。結城委員が、その後も何名かの委員がそれを拾われていましたが、非常に本質的な御指摘をしていただいたと思っています。その中で私の視点でいった場合に二つ、今回はコロナという暴風雨も吹いてきたわけですが、そういう社会の変化に対して、世論が迎合していくときに必ずしもうまく我々が防御し切れなかったという反省を踏まえた上での計画づくりという視点が必要だと改めて考えました。
スポーツ科学はこの二、三十年でとても発達したのですが、それを政策化して、世論に理解してもらうような打ち出し方が非常に弱いのではないか、そういう面ではスポーツ政策化の強化を計画に位置づける必要があると思います。これまでの総会ではそうした視点が落ちているのではないか。少し細かい疑似的な話で行くと、これまで厚労省の委員といった仕事もしてきましたが、厚労省であれば厚労科研の中にかなり厚労省の政策的な研究費が、いわゆる一般公募じゃなくやられることがあるのですが、やはりこの分野においても、政策に絡む研究プロジェクトが立ち上がるような仕掛けが非常に重要ではないかと感じています。
それからもう一つは、2040年に向けて、我が国は高齢化が更に進み、いわゆる80歳以上人口が相当を占めるという社会がやって来る中で、スポーツの力が科学的に貢献できるということは、エビデンス的に間違いない。そういう面では、やはりスポーツの力がこれだけ貢献できる、いわゆるスポーツ村の話ではなくて、日本国が抱えている大きな課題を解決するという方針をこの第3期に埋め込むべきではないか、それがポストオリパラレガシーという観点で位置づくのではないかと改めて感じました。
そういう中で、いわゆる格差の是正、SDGsという言葉が皆さんから出ておりますが、スポーツに関しても例えば家が貧しくて、御飯が食べられないような状況で、スポーツ、部活動をしている子どもとか、高齢者も弱いところですし、子育て女性で、今、自殺者が非常に増えていて、そこにもスポーツの力が貢献できるというエビデンスが出だしています。そういう視点が今回の逆風に対して、決して無用ではないということを示していくことにつながっていくのではないかと感じました。
時間の関係で、最後に各論ですが、諮問理由2に、障害者、女性、子供、高齢者等とありますが、今回は特に80歳以上人口、つまり後期高齢者が増える社会で、80、90、あるいは疾病を持っていてもスポーツの力で健康で生きがいを持った生活をコミュニティーでやっていける、あるいは地方でも、そういう疾病を持っていたり高齢でもできる環境を整備していくというような、少し社会状況を見据えた打ち出し方が非常に重要ではないかと思います。
介護予防という視点を入れる方が良い。介護費抑制にスポーツは一定の効果があるというエビデンスが出てきています。特に今後地域の自治体は、医療費に加え、介護に関して非常に大変になってきます。介護予防へのアプローチ、介護との連携、そのあたりがポイントだと思います。以上でございます。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、三屋裕子委員から御発言をお願いします。
【三屋委員】 よろしくお願いいたします。今、様々な御意見とか、それからいただいた資料を拝見していくと、これからの5年間、スポーツ界をそろそろインテグレーションしませんかということを提案されているような気がします。今まで、縦割りとか、それからそれぞれスペシャリストみたいなものを育成するがゆえに細分化してきたようなところがあると思います。でも、みんなで一緒にやれば解決できるじゃないですかというところもたくさん見えてきたのではないかなと。だから、もうたくさんの問題をそれぞれが考えることよりも、ちょっとインテグレーション、統合していったほうが、例えばパラとオリンピックだって、障害者の方とそうじゃない人が一緒にやってもいいし、それによっていろんなものが解決できるのだったらそれでもいいし、それからプレゴールデンエイジとかゴールデンエイジは一つの種目、それぞれ一つのNFで頑張るのではなくて、みんながやればいいし、好きな人をつくるのだったら、みんなのいろんな競技がやればいいと思うし、一つの競技団体だけが頑張るのではなくて、お金があるところだけがやるのではなくて、みんながやれば、ゴールデンエイジ、プレゴールデンエイジをスポーツ好きにするなんていうのは本当にできる話だと私は思います。だからやっぱり根っこにスポーツ界のインテグレーションというのがあってもいいのかなということは、一つ思いました。
それからやはりさっき結城委員がおっしゃっていたように、スポーツの価値をもっともっと上げないと、不要不急になっちゃっているということは寂しいし、スポーツなんか要らないと言われているのに等しい。でも、毎日テレビでは、オリンピックが何かと言って、最初の導入のところで三、四十分いろんなコメンテーターが言って、ちょっとすると、どこどこが勝ちましたとか、誰々が出場権取りました、おめでとう、よく頑張った、あっぱれなんてやっているという、まだまだやっぱりスポーツのポジショニングが確定してないのだなというのも感じている今日この頃です。
長官が野球選手を教えていたりとか、いろんな競技団体の人たちに股関節の使い方を教えたりしている。クロストレーニングがもっともっと日本で広がっていかないといけないのではないかなということを、だから、あえて細分化するよりもインテグレーションを目指したほうがいいかなと感じました。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続けて、伊藤雅俊委員から御発言をお願いいたします。
【伊藤委員】 日本スポーツ協会の伊藤です。
JSPOは、ポストオリンピックから10年先の未来を見据えて、コロナワクチンが行きわたり、一方でデジタルが早いスピードで広がっていく中で、スポーツの進化の概念やこれからの方向を定めた上で、それに向けた取組を進めていくこととしています。
本日は基本計画部会での関係団体ヒアリングを踏まえ、スポーツ参画人口の拡大の視点から発言いたします。
私たちの生活様式は、これから新型コロナウイルスのワクチンによる安定をきっかけに着実に変化していきます。また、デジタル関連技術の進歩も著しく、その相乗効果は加速していくでしょう。10年先の未来を見据えたとき、スポーツもそうした変化を踏まえた対応が必要になってくると考えます。私たちJSPOをはじめとする我が国のスポーツ団体は、これまで主にスポーツをする人を対象とした環境整備への取組が中心でしたが、これからのスポーツ参画人口の拡大には、見る人、支える人の視点にも立った、スポーツを広く喜び、楽しむ人々の施策も重点を置く必要があると考えています。
その変化への対応の一つが、プレーヤーを中心に、プレーヤーの周りにいるもっとたくさんの人たちもスポーツ人口の拡大に巻き込んで、今まで以上にスポーツを楽しむ環境を増やすこと、これがスポーツ参画人口拡大そのものだと考えています。
国民体育大会は、3年後の2024年、第78回大会から名称が国民スポーツ大会となり、英語呼称が「Japan Games」に変わります。この機会をスタートに、見る人、支える人のニーズに応えることができる新たなスポーツイベントの形を、主催するスポーツ庁、開催県と一緒に示すことができればと思っています。「スポーツのアミューズメント化」により、スポーツに興味関心を持ち、スポーツの周辺部にも集まる人々を増やし、「見る人」、「支える人」も併せて増加させるような複合的なスポーツ大会の仕組みを、私たちは「Japan Games」と呼びたいと考えています。そして、スポーツ少年団の各種大会、国民スポーツ大会、日本スポーツマスターズなどのイベントを、「Japan Games」という統一したブランドの下、時代に合った、年代別に切れ目のない仕組みをつくって、スポーツ参画人口の拡大を図りたいと考えております。
御承知のとおり、スポーツイベントなどにおいてはゲーム観戦以外の楽しみも年々増えています。例えばですが、デジタル技術の進化に関して言えば、配信側の一方通行ではなく、視聴者が見たい選手、応援したいチームの映像を見ることが可能な仕組みも既に整ってきていますし、高度なスマホの利用で5G、6G、その先へと使い方が広がっていくでしょう。さらに、キッチンカーやフードトラックなどによる飲食、アスリートとの交流、音楽との相乗効果などにより、今までスポーツに無関心であった方々にも興味を持っていただき、スポーツを見る人や応援する人、支える人を増やすこと、このようなスポーツのアミューズメント化による複合的なスポーツ大会の仕組みを構築することも積極的に取り組むべきと考えています。
また、最後になりますが、多くの子供たちのスポーツ・文化活動のスタート時期は3歳から4歳ぐらいではないかと思います。スポーツにおいても幼少期の運動遊びの経験が生涯の運動スポーツ習慣につながる「持ち越し効果」があることを踏まえ、幼児から児童、青年、壮年、高齢者まで、切れ目なくスポーツを楽しむ仕組みや仕掛けを10年後を目標につくり上げて、全ての年代のより多くの皆さんがスポーツを広く喜び、楽しめる環境を整えていきたいと思っています。
以上です。ありがとうございます。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、諸橋寛子委員、御発言をお願いいたします。
【諸橋委員】 諸橋でございます。私は今回、スポーツ基本計画の部会委員としても入らせていただいておりまして、審議会委員のほうもやらせていただいておりますけれども、やはり感じましたのは、非常に切迫した問題がございますということです。
皆様の意見が出ておりましたが、特に結城委員、菊委員から出ていたように、総論的な部分に参りますと、スポーツの価値という部分でよりエビデンスに基づいた価値をもっと抽出していくべきではないかという部分、その中から各論に至っていくのではないか、そして、現状で非常に課題になっていることに対し、小学校、中学校、高校の段階に応じたスポーツ環境の醸成、そこには人材や施設、安心安全の問題等があると思います。そういう環境の醸成をより具体的な施策に絞って、時間軸に重点を置いていくことが重要なのではないかということを、38団体にヒアリングした中、現状の問題、そして2期から3期にかけての基本計画に向けて、より具体的にやっていくことが重要なのではないかと思いました。以上でございます。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、渡邉一利委員から御発言をお願いします。
【渡邉委員】 渡邉です。私は、総会と基本計画部会と、実は健康スポーツ部会のほうも絡んでおります。そういった観点からお話をさせていただきたいと思います。
皆さんの発言はそれぞれ納得感が高くて、どれも賛同するものであるというのが、まず前提であります。
まず、基本計画策定に当たって総論的なところといたしましては、いわゆるスポーツの価値というものを、人の成長や社会の形成につながる社会的な価値の部分、それから健康の維持・増進につながるような自然科学的もしくは医学的な価値という部分、こういったものはやはり分かりやすく、どうやったら伝えることができるかというのを、まずもって考える必要があると。それが事務局が先般おっしゃったロジスティクスというところに多分つながっていくのだろうと思います。
今、健康スポーツ部会のほうも、どういう目標設定をしたらいいのかといったような議論が行われております。ただ、私個人的には、やはり定量目標と定性目標は両方必要になってくるだろうと思っています。具体的には、運動の頻度、時間、強度、こういったものが健康にどう結びつくのか、健康な体をどうやって得ることができるのか、ここにはしっかりとした科学的なエビデンスが、数値化を含めて、結びつけられることができるだろうと思います。ただ一方、スポーツの本質というところで、何人かのお話がありましたけども、喜び、楽しみ、こういったものは定性的なものですので、なかなか数値化した評価はできませんけども、これは絶対に必要だろうと。というのは、これがスポーツの本質であるからということなんです。ただし、喜びとか楽しみを得るためのプロセスの中で、どうしたら喜び、楽しみというのを体感できるか、もしかしたらこのプロセスのところで多少数値化できるような調査ができるのではないかなと考えています。ただ、いずれにしろ私は、定量的な目標と定性的な目標は連動させて、並立させる必要があると、それがひいては健康長寿社会であるとか多様性と調和に基づいた共生社会の実現につながるからであると思っています。
そして、そのためにはということですけれども、先般から産官学民の連携と、今日は三屋さんからインテグレーションという話もありました。いろんな立場の人がやはりそれぞれの強み、持ち味を生かしながら連携していく。弱みを持ったところは右に置いておいて、強みを生かしながら共通の目標に向かってどうスポーツ推進をしていくのか、それが結果的には社会課題の解決にもつながる、いわゆるコレクティブインパクトという考え方になると思います。これを進めるためには、いみじくも久野先生がおっしゃっていましたけども、やはりスポーツ庁としてどういう推進体制で各主体者、基礎自治体であるとかスポーツ組織の背中を押してあげるか、そして押してあげて、最終的には国民一人一人に情報を届けて、行動変容させるわけですけども、その後押しをどうやっていくのか、これをやはりスポーツ庁もしっかりと考えていかなければいけないと思います。
そしてロジスティクスという部分に関しては、既存のネットワークやプラットフォーム、例えばSports in Lifeコンソーシアムであるとか、JSPOのネットワークであるとか、日レクのネットワークであるとか、スポーツ推進委員のネットワークであるとか、こういったものをうまく活用する。活用するためには、それぞれに今、課題があるわけですから、現状をしっかり認識し、課題を整理した上で、その解決を図りながら、スポーツ基本計画が目指すところに向けて既存のものを十分活用していくといったようなことが、これから必要になってくるのではないかと思います。
時間内に収まりましたでしょうか。一旦これで発言を終了いたします。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続いて、斎木尚子委員から御発言をお願いします。
【斎木委員】 斎木でございます。ありがとうございます。
かつてVUCA時代と言われ、今や超VUCA時代と評されます。御承知のとおりVUCAとは、Volatility――変動性、Uncertainty――不確実性、Complexity――複雑性、そしてAmbiguity――曖昧性、この四つの言葉の頭文字をつなぎ合わせた用語です。もともとは軍事用語として、その後、主にビジネスの分野において用いられてきている概念です。
私は、これはスポーツの未来を考察するに当たっても有用な概念であると考えております。まさに、例えばコロナ禍を予測し得た者は極めて限定的でありましたけれども、コロナがスポーツに多大な影響を及ぼしているのが現実です。私たちには、今後とも、非常に不安定な社会において様々の予測困難な課題に取り組んでいくことが求められています。
ここで強調したいのは、その超VUCAの時代においてスポーツがますます重要になってきているという認識です。そして、スポーツが、人と人、人と地域、そして世界をつなぐパワーを持っているということを改めて想起したいと思います。この観点から、スポーツの価値について、いま一度掘り下げた検討を行った上で、分かりやすくきちんと発信していくことが大変重要であると考えております。
もう1点加えて、スポーツの価値の向上に向けては、人材の育成・強化が極めて重要であるという点も併せて申し上げたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは続いて、鈴木秀典委員から御発言をお願いいたします。
【鈴木(秀)委員】 鈴木です。よろしくお願いいたします。
これまでの審議会あるいはスポーツ基本計画部会における各委員の先生方の指摘事項、それから団体ヒアリングにおける御意見、概要、これらを非常に系統立てておまとめいただきまして、まず、それにつきまして感謝を申し上げます。これに従いまして、私のほうから少し意見をさせていただきたいと思います。
まず、諮問理由1に関連した社会の変化を踏まえたスポーツの価値の再確認・発信ですが、これは結城委員、國土委員、あるいは菊委員、大変多くの方々からの御指摘と全く重なりますけれども、ウィズ・ポストコロナ時代における行動変容、それからこの基本計画も第3期に入るということを考えますと、やはりこの時点でもう一度スポーツの価値の再確認が必要であるというのは私も同様に感じております。日本アンチ・ドーピング機構も、委託事業の一環としまして、スポーツ学科ではないような高等学校の学科においてアンチ・ドーピングというものを通したスポーツの価値教育というモデル事業をさせていただいております。そうすると、全く違う分野の方々ですけども、スポーツに対してのいろいろな思いが出てきます。こうした若い世代の教育課程において、スポーツの価値とは何かということを、生徒さんに一緒に議論して考えてもらう、あるいはこちらから伝える、そういった形でスポーツの価値を教育していくということも、スポーツの価値の再確認の発信という意味では重要な方向性ではないかと思いますので、こういったことも入れていただけたらなと思います。
それから、諮問理由2のスポーツを支える持続可能な財源の確保と効果的な活用ということでございます。これにつきましては、様々な団体様からも安定的な予算確保のために様々な御意見をいただいておりまして、大変これは重要なことであると思います。一方、日本のスポーツを支えていくための言わば必要経費というものに対しては、我々の例でいえば、世界標準の検査体制の維持や、あるいは検査に必須の分析機器の整備などに当たると思っていますけれども、これが同レベルのスポーツの競技力を有する世界のほかの国々と同じレベルに果たしてなっているだろうかと思っておりますので、こういったいわゆる必要経費をきちんと確保して、スポーツの土台をしっかりするということも必要ではないかと思います。
それから、個別の政策のテーマですけれども、スポーツを通じた共生社会の実現につきましても、多くの委員から御意見が出ておりますように、多様なスポーツに多様な人々が多様な関わり方を持っているということを考えると、このスポーツを通じた共生社会の実現というのは非常に重要なテーマだと思います。この資料の中に、アスリートが賛同者になるという力は非常に大きいという御意見がございまして、これは本当に同感でございます。特にトップアスリートはロールモデルとして大変重要ではあります。しかし一方で、アスリートの発言力が高まるとともに、アスリートが弱い立場に置かれてしまう、そういった事例が実際我々のところでもございます。そういう意味で、以前申し上げましたこのアスリートの権利を守るということも、スポーツを通じた共生社会の実現につながっていくと思いますので、ぜひこの観点からも取り組んでいっていただければと思います。
それからもう1点、国際競技力の向上、それからクリーンでフェアなスポーツの推進、これは繰り返し述べさせていただいているところでございますけれども、第2期の基本計画において制定されましたアンチ・ドーピング法の継続的および発展的な推進ということは、やはり計画の継続性という意味でも重要になってくるかと思っておりますので、アンチ・ドーピングというキーワードになりますけれども、これも加えて進めていっていただけたらなと思います。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、河合純一委員から御発言をお願いいたします。
【河合委員】 ありがとうございます。JPCの河合です。私のほうからは、皆さんのいろんな御意見がありましたけども、3点お話しさせていただければと思います。
まず、各論の部分になるわけですけれども、その中でも全体に通じてになりますが、やはり障害者スポーツを特出しして御検討いただくというのはとても重要であると考えていますけれども、高齢者の中にも障害のある方々がいらっしゃいますし、子供たちの中にも障害児がいます。さらに女性の中にも、LGBTQの方々も含めて、障害のある方々がいるというのが当たり前と思います。様々な地域スポーツ環境の整備や、各論3の一つにある様々なスポーツのこういった活躍の場を広げていく上でも、大学スポーツの充実のところも含めてですけれども、常に基本計画部会で進めていく上で、この障害のある方々がどこにでも様々な視点で必要ということを御検討いただきたいということです。とりわけ学校教育の体育や運動部活動、先ほどから何度か出ておりますけれども、ここにもぜひ、体力測定のことも含めて、しっかりとエビデンスベースで進めていく必要性があると思いますし、中体連や高体連の試合等に、ルールという名のもとに出場できないとかいう状況も改善する。さらには学校体育の見学者ゼロ、これは何度かお話ししていますけども、これを早期に実現できるように取り組める方向性をお願いしたいと思います。そういった研究とか調査をしっかりと後押しする体制も重要であると思います。
さらに、スポーツの成長産業化、あるいは大学スポーツの充実等になった場合に、またここでは障害のある方々が抜け落ちる傾向があると思います。むしろパラリンピックとか障害者のスポーツからイノベーションが生まれているという事例があると思っています。例えば義足のランナーの義足の開発が長距離のランナーたちの厚底シューズの部分に活用されてきている事例などもあるからです。こういったことも含めて、全ての項目に障害のある方々が存在しているという視点を忘れることなく進めていただきたいということです。
2点目ですけれども、各論の国際競技力向上の部分になります。ぜひここを、鈴木プランに基づいて取り組んできたところと思っておりますけども、現在も検証等の作業が進んでいると承知はしておりますけれども、ぜひこれを生かして、中央から地方へ、地域へ、こういったものの好循環を生み出す仕組みが重要だと思います。やはり網羅的なリストを作っても仕方がなくて、それをどのように取り組むか、優先順位づけ、戦略性を持っていくということは、限られたリソースの中で取り組む上では重要だと思います。とりわけパラリンピックにとっては、タレント発掘とかの部分を考えたときには、やはりクラス分けというのが大きな課題かと思います。このコロナ禍で様々なクラス分けの機会の減少とかを含めて、様々な課題があったと思います。国としてクラス分けのセンターなどを設置するなどしていくことによって、全国、世界の様々な情報を収集し、競技横断的にこの情報を共有するという仕組みが重要だと思っておりますので、国際競技力向上を持続可能にしていくためにも、パラリンピックにとっては大変重要であると考えております。
最後ですけれども、総論に関わる部分です。何度か出てきておりますけど、やはり人材育成というのが大きな課題かと思います。競技団体の役員であったり、指導者であったり、学校体育あるいは部活動の様々なところで指導者や人が関わっています。ここの問題が、文部科学省の下にあるスポーツ庁でありながらちょっと弱いのではないかと思います。私も何度かこれまでも人材育成のグランドデザインが必要であるということを申し上げていながら、残念ながら第2期の基本計画ではここに十分な言及がないことによって進まなかったと感じておりますので、改めてこの問題を総論の大きな柱として検討して進めていただきたいと、各論という部分ではなく、もっと大きな視点で議論を進めていただきたいと思います。
ぜひ基本計画部会で、開かれたこういう活発な議論が進むことを願っております。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、友添秀則委員から御発言をお願いいたします。
【友添委員】 ありがとうございます。友添でございます。幾つかのバージョンをイメージしていたのですけれども、2点だけお話をしたいと思います。スポーツ参画人口の拡大ということと、新しい地域スポーツ体制をどうつくるかということの2点に絞ってお話をしたいと思います。
従来型の欧米をモデルとするようなクラブライフの発想は転換したほうがいいのではないかと思っています。つまり、日本型のSports in Lifeのあり方をつくるということを打ち出していく時期に来たのではないか、これは学校を日本型Sports in Lifeの拠点にするということでもあります。石塚委員が先ほどお話しになられたことと関連しますけれども、学校体育施設が全国の63%を占めている。公共スポーツ施設が27%、残りは民間のスポーツ施設です。この63%というのは非常に大きい。さらに、例えば空き教室にエアロバイクを置いてはいけないのか、あるいはエクササイズや運動のための用具や機器を置いていってはいけないのか。大人や子供や高齢者、あるいは健常者や障害のある方が兼用できるようなものを置いていくことは難しいのだろうか。また、廊下に幾つかの足形のポインターをつけて、子供がそれを利用してリズム走ができるようにしてはどうか。手すりをつけて、高齢者が歩行練習に使える場所にすることも考えられていいように思います。骨粗鬆症の予防には子供の時のジャンピングが有効だといわれていますが、階段をジャンプして下りること、これを安全を確保して推奨してもいいように思います。他方で階段を駆け上がることで、心拍をあげたり負荷を下肢に与えたする運動を校内で推奨してもいいと思います。つまり、発想の転換が必要だと思っています。
また例えば、プールを見てみると、これは夏場の7週間程度しか稼働率がないんですね。ところが、日本はプールを小学校から高校に造っていますので、老朽化して新しいものを造る時に、複数の学校のプールを集約してひとつの温水プールを造ると、24時間1年中、子どもや生徒だけではなく、地域の人たちも使えるということです。そこでは、例えば指定管理者制度を入れて、地域クラブだとか、あるいは民間業者の方に管理を依頼することもあっていいと思います。指導者のほうも、例えばオンライン指導をもっと活用すべきだろうし、地域のスポーツ推進委員、JSPOの公認スポーツ指導員、退職教員、全国には教育学部の教員養成課程の学生、あるいは体育スポーツ系大学・学部の学生がいます。さらに、企業スポーツの選手や指導者がいます。こういう人たちが有機的に連携できていないところを改善していかなければならないと思います。
スポーツ教育学という学問領域がありますが、この研究成果を見てみると、運動のモチベーションというのは教材あるいは場の環境設定に大きく依存していますから、ハードを大きく変えていくという発想が必要だと思っています。特に健常者、障害者、老若男女が同じ空間や場を共有すること、同じ空間や場で協働すること、スポーツ参画にあたっては、まずこういう空間の共有からスタートするという発想に切り替えていく必要があるのではないかと思います。今、JOCの山下会長の顔がZoom越しに見えましたが、柔道場は実は柔道をするだけの場所ではありません。高齢者の介護予防の体操を行うには最適の場でもありますし、マタニティーヨガをやったり、あるいはマタニティービクスをやったりする場所としても使えます。剣道場はエアロビクスをやったり、あるい道場は鏡張りが多くありますので、様々なダンス的な遊びや子どもや幼児の遊戯に使えるだろうと思います。
ポイントは、ユニバーサルデザインをどう構築していくのか。更衣室やトイレには、LGBTQへの配慮が必要だろうということです。学校スペースと地域のコミュニティースペースの明確な区分が必要だろうと思っています。つまり、こういった発想の転換を行ったスポーツの空間や場で、障害者や女性、子供、高齢者などの多様な主体によるインクルージョンを基盤としたスポーツ・イン・ライフをつくるということかもしれません。
二つ目の新しい地域スポーツ体制をつくるということですけれども、学校運動部、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団を融合した新しい地域スポーツ体制を早急につくっていくことが大事だろうと思います。
スポーツ少年団には、団員が69万人いて、指導者が19万人いるわけです。ただ、残念なことに単一種目で、なおかつ小学生が中心になっています。他方、総合型地域スポーツクラブは、そこでスポーツを行っている人たちが全国に230万人から235万人いるだろうと言われています。これらのクラブでは、総合型の文字通り、複数種目を行っています。そして中学校区から大きい場合だと市区町村が活動範囲になっています。運動部活動は、全国で中学校だけで11万部あると言われているわけです。そして200万人程度が参加しています。ところが、これらが有機的に連携できていません。この現実をどうしていくのかということが求められています。
いま、必要なのはスポーツ少年団と運動部活動と総合型地域スポーツクラブの融合・連携をコミュニティで一層促進していくことを急がなければいけないということだと思います。新しい地域スポーツクラブができ上ってくると、それを地域のジュニアスポーツの受け皿にすること、もちろん当該の校区にある学校運動部もそこに融合していくことが必要だと思います。つまり、学校運動部が地域スポーツクラブと連携・融合しながら歩を進めていくということです。と同時に、新しい地域スポーツ体制の中には、障害者スポーツをインクルーシブしていく必要があるということです。
既存の近代スポーツだけではない、性差や障害の有無を超えたユニバーサルスポーツの開発、採用、あるいは障害者スポーツ指導者をどう確保していくのか、それから、eスポーツのクラブもこの中に含めていくような大きな視野が必要だろうと思っています。その場合には、多分教員の兼職を可能にする法整備が必要ですし、あるいは教員以外の指導者を事故発生の場合に国家賠償法の適用範囲にする必要が出てくると思います。受益者負担の原則の確立と同時に、生活保護所帯のお子さんたちの援助の法制化が必要だろうと思っています。何よりも運動部活動を考えると、今後は既存の全国中学校体育大会やインターハイの見直しが必須の課題だろうと思います。今日は時間がありませんので、これについてはまた機会がありましたら、お話しさせていただければと思います。
先ほどの三屋委員のお話から非常に感銘を受けたのですけれども、インテグレートをどうしていくのかというのは非常に大事だろうと思います。何らかの立場からインテグレートするのではなくて、目の前にある問題や課題、あるいは現場そのものからインテグレートしていくという発想の転換も必要ではないかということを最後に申し上げて、終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。
それでは、ここで、まだ御発言いただいてない委員の先生から、もしあれば御発言いただきたいと思います。基本計画部会の能瀬さやか委員、いかがでしょうか。
【能瀬委員】 能瀬です。ありがとうございます。私からは総論について1点と、あと各論につながるところを2点お話しさせていただきます。
まず、スポーツの価値・意義を考えるべきという意見が先ほどから出ておりますけれども、そのことを考える際には、世代別に考えてあげることが必要かと思います。例えば子供に将来高血圧や糖尿病疾病予防につながるということを示しても、恐らくぴんとこないかと思います。子供にとってのスポーツの価値・意義、また高齢者にとってのスポーツの価値・意義というのは変わってくるかと思いますので、世代別にスポーツの価値・意義を考えるような政策、そして最終的には個々に伝わるように、分かりやすく、かつ身近な内容であることが必要かと思います。すごく時間がかかることかと思いますけれども、長期的には、予防医学という視点から医療費削減、社会的な貢献度も高いと考えます。
また、多岐にわたる内容が議論されていますが、全てを達成するというのはとても難しいのではないかと思いますので、2点、私は焦点を当てていただきたい点をお話しさせていただきます。
一つは、やはり私も指導者の問題も含め、学校体育、部活動の改革というのが必要かと思います。ほかの先生方の意見と全く同感ではありますが、追加で、今後少子化に伴い、学業優先、スポーツ離れの傾向はますます強くなると思います。また、この点には保護者の影響というのも大きいと思います。また、その競技を経験したことのない指導者が部活動の指導者をしているということも大きな問題ではないかと思いますので、スポーツに参加する人、また指導する人も、ともに評価してあげられるような制度が必要かと思います。
また2点目は、共生社会の実現ということを強く発信すべきと思います。例えばですけれども、学校体育で障害者スポーツを取り入れたり、指導者も障害者スポーツを学ぶ機会を与えたりする。また、海外ではオリパラを分けてない国も多いかと思います。障害は一つの個性であるという視点で対応している国もたくさんありますので、今こそスポーツ界から共生社会の実現に向けて大きな改革を起こすんだという強いメッセージ性を持った政策が必要ではないかと思います。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。益子直美委員、いかがでしょうか。
【益子委員】 ありがとうございます。益子直美です。
委員の皆さんのお話を伺って、本当に賛同させていただいていますけれども、私が一番問題なのかと思っている各論のところが、森岡委員がお話しされていた部活動の在り方、大会の在り方と指導者の在り方です。私は、小学生のスポーツを始める最初の入口的なところで、スポーツの参画者を増やす、スポーツの価値を高めるというところで、子供たちの環境を整備したいなというところがあります。勝利至上主義で子どもたちが楽しめないというようなところで、継続できないという問題がすごく大きくあると思います。それは、やはり指導者の皆さんの考え方、過去の成功体験などもあるとは思いますけれども、資格を保持した方たちが指導者として入るというところで、森岡委員が話していたスポーツトレーナーやドクターのほかに、もう一つメンタルのところ、技術以外にもメンタルのところをサポートするような学びや資格なども取り入れていただきたいなと思います。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、今、秋元委員が御参加されたようでございますので、秋元委員から御発言をお願いします。
【秋元委員】 ありがとうございます。私からは、地方自治体の立場から3点お話をさせていただきたいと思います。一つは、2期計画の成果と課題に関して、運動部活動についてということであります。2点目が、大規模スポーツ大会での開催から得られるレガシーについて。そして3点目として、スポーツ政策の方向性についてのお話をさせていただければなと思います。
まず、運動部活動については、これまでも皆さん方のお話の中にもございましたように、学校の教員の負担ということが非常に大きな課題となって、指導者のことが大きな課題の一つだろうと思います。そういう意味では、元プロスポーツ選手とかオリンピアンといったアスリートの方々を外部の指導者として継続的に指導していただけるような仕組み、こういった外部人材の登用の関係というのは非常に重要なのではないかと思います。また、なかなか学校単位で部を維持するのが大変だという状況もございますので、総合的な地域スポーツクラブの役割、こういったことの運営とか人材確保がこれからも重要になってくるのではないかと思います。まず、これが1点でございます。
それから、札幌の場合、様々な大規模な冬季のスポーツ大会なども行ってまいりました。直近では2017年の冬季アジア大会のときに、ボランティアの方にその後のスポーツイベント等で継続して行っていただくために、スマイル・サポーターズというボランティアの仕組みをつくりました。2019年のラグビーワールドカップのときにもいろいろなお手伝いをいただきましたし、当然2020年の東京大会のボランティア活動にも継続して参加をしていただけるという状況がございました。こういった過去の大会のレガシー、ハードとソフト面の両面があろうかと思いますけれども、様々なこういった知見をその後に継続的に生かしていくというレガシーの視点が重要なのではないかと思います。
また、アスリートの技術力の向上という視点もございますが、東京に行かなくても、地方でも様々な活動ができるという視点から致しますと、今のハイパフォーマンススポーツセンターといった施設あるいはその機能を、夏のみならず、冬季のスポーツにおいてもというようなことも今後重要になってくるのではないかと考えているところであります。
3点目、今後の方向性の一つとして大きな視点としては、共生社会の実現に向けてスポーツの果たす役割は非常に大きいのではないかと思います。実際に学校現場でも、これまで冬季スポーツに関しては、障害のある子供たちがどうしても参加できなかったということがございました。パラのノルディックスキーを開催することによって、パラスポーツに対する理解であるとか、今まで体育の時間に参加できなかった子供たちに、シットスキーの経験ということがあって、非常に広がりをもってきているところであります。そういう意味では、子供たちの中で共生社会ということをしっかり理解していくためにも、スポーツの力を使って展開していくということも重要なのではないかと思います。
また、大きな視点で申しますと、スポーツとまちづくりということで、札幌におきましても、これまでのスポーツ基本計画の内容を基にして、札幌市のスポーツ計画というものをつくってまいりました。そういう意味では、国のスポーツの政策の指針ということのみならず、地方自治体としても、大きな今後のまちづくりとスポーツの結びつけを行っていく上でも、重要な計画ということになろうかと思います。そういう意味では、幅広い視点でこのスポーツ基本計画、まさに国のみならず、地方のスポーツ指針にもつながっていくまちづくりとの関係という視点を今後の計画推進の中に取り入れていっていただければと思っているところであります。私からは以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、審議会のほうの鈴木美江委員、いかがでしょうか。
【鈴木(美)委員】 埼玉県の春日部市立川辺小学校長の鈴木でございます。
私からは、まずは、子供のときに、また、スポーツに関する概念の固まる前にどのような学びをするのかが大切であるという皆さんの御意見に賛同しております。
学校では、スポーツの必要性・価値を保健の学習においても、小学校3年生から高等学校にわたって系統的に学習しています。例えば、運動・スポーツが大切である理由として、小3では健康にとって大切である、小4では発育・発達にとって大事である、小5では心の健康にとって大事である、小6では抵抗力が高まるということで大切である、そして、高等学校では健康寿命などライフステージに応じて運動は大切であるという具合に系統的に学習しております。そのようなことから、小学校低学年のときには、スポーツや体を動かすことそのものを学習したり、運動することが楽しいことを学習させたりし、小学校中学年校以降は、それに加えて、健康の保持・増進、健康にとって大切なものの一つに運動・スポーツがあるということをしっかりとみんなで学習として共通認識していくことが大事かと思います。
あともう一つ大切なことの一つに、技能面での子供に身につけさせたい資質能力の部分です。他教科にはない主体的に学習に取り組む態度の中に、教えるべき内容がしっかり体育には位置づいております。公正、責任、協力といったスポーツマンシップや、スポーツをする上での健康安全、そしてスポーツを通じた共生社会の実現のための共生、これらは日本人の国民性の根幹に関わる部分だと考えております。この部分がスポーツの価値に関わってくるのではないかと考えております。
最後に、部活動の改革についてです。以前も私はお話しさせていただいたのですが、地域総合型がうまくいっている地域もあれば、人材不足の地域もあり、また、指導者として優れている教員もおります。地域ごとで形はいろいろ違いますので、ハイブリッドな形で行う官民連携の、許容範囲のあるモデルができればいいと考えております。以上です。

【早川会長】 ありがとうございました。それでは、藤本索子委員、いかがでしょうか。
【藤本委員】 藤本と申します。今日はありがとうございます。
先ほどから部活動の話が多く先生方から出てきたのですけれども、私も以前の聴き取りのときに、地域と学校との連携というところで、やはり公立高校とか私立高校とかで部活動の位置づけが大きく異なる部分があるという問題点がありました。やはり先生方もおっしゃっているように、指導者の人材不足というところが一番大きな問題かと思います。
私も学校現場にいまして、部活動指導員の配置の連絡の通知文が来るのですが、どうしても人材が不足している。教え子とか、地域のお仕事をされてない方とかが限定になってきていて、どうしても兼職、兼業を認めていただけないところが多いです。そうすると、必然的に大学生とか、そういった資格を取得する前の、勉強段階の指導者が多く携わってしまって、やっぱり責任問題になりますし、指導者の育成という部分でも課題が多くあるのかと思います。
全然課題解決になる意見ではないのですけれども、現場の意見として、小さな意見ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
【早川会長】 ありがとうございました。
本日も大変幅広い観点から多くの貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。
スポーツの持つ力、スポーツの可能性を最大限に引き出すために、大変多くの政策テーマに取り組まなければならないということだと思いますけれども、私自身は、以前にも申し上げておりますけども、スポーツは健康平等、誰一人取り残さない、SDGsそのものであると考えています。全世代がスポーツを継続して楽しめる取組の推進、多様性と調和して共生社会を実現する格差のない社会に向けて、やはりスポーツ界が率先して取り組んでいくことが大変重要だと思っています。
また、スポーツに関わる人材の育成、そして活躍の場の確保という観点では、スポーツを支えている全ての人がセカンドキャリアを見据えることができる状況にすることがすごく重要だと思います。
今日で東京オリンピック・パラリンピックまで、あと42日になりました。共生社会、多様性と調和するという観点をレガシーとして将来に継承、発展していくようにするということが大変重要だと思っています。
そろそろ予定の時間が近づいてきましたので、意見交換については、これで終了とさせていただきたいと思います。本日頂戴した御意見を踏まえまして、大日方部会長、境田部会長代理におかれましては、次回以降のスポーツ基本計画部会の運営について何とぞよろしくお願したいと思います。
皆様、本日も長時間にわたりまして御参加いただきましてありがとうございました。それでは、室伏長官より、まとめのご挨拶を頂戴したいと思います。長官、よろしくお願いいたします。
【室伏長官】 ありがとうございます。皆さん、長時間にわたり本当にありがとうございます。本日は様々な角度から忌憚のない御意見をいただきました。本当にありがとうございます。
本日は、第3期スポーツ基本計画の策定に向けて、審議の当面の進め方や、諮問の内容を受けた様々な総論・各論の論点について御議論いただきました。本日のお話を伺いまして、今後5年間のスポーツ政策の在り方を考えるに当たっては、社会情勢の変化等も踏まえまして、様々な論点があることを改めて感じたところです。
今日皆さんのお話を伺って、まず、結城先生から、今、コロナ禍において、スポーツの価値は問われているというところでおっしゃっていました。私も、4月にスポーツ庁内での話の中で、「疾風勁草を知る」ということでお話しさせていただきました。こういう強い風が吹いているときこそ本物が分かってくるという観点から、今、まさにチャンスであって、それを打ち出していくことが大切なことだと思います。
スポーツは、もちろん見て感動するエンターテインメント的な楽しみ方もありますけども、やはり軸として考えないといけないところは、皆さんの御意見もありましたけども、教育的な価値、心身に刺激を与えて、体を育んでいくというところも本当に大事なことで、その時代に合わせて、総合的に自然とスポーツや身体活動が自ら一歩踏み出せるような政策を打ち出していく必要があると思います。
また、医学。羽鳥先生もおられますけども、医学が発達して、あらゆる病気も治ってきていますけども、じゃあ運動しなくていいかというと、運動はさらにやったほうがいいというエビデンスが出ているということですので、同じように今後も健康増進という意味では、疾病予防も含めて考えていく必要がある。
クリーンなスポーツということで、皆さんにお話ししていただきました。人間開発、人を開発していくという上で、私はいつも常々JADAの鈴木先生ともお話しすることがあります。クリーンなスポーツ、薬物に頼らないで、外からの力を借りないで、自ら開発していくというところが、本当にスポーツがこれだけドーピング検査をしたりして、クリーンさを求められるジャンルというのはスポーツ以外にないと私は思います。そういった唯一のジャンルを、今は手っ取り早く何でも手に入れられる世の中ではあるのですけども、楽しく努力することによって成長できる、感動できる、こういった学校教育。アスリートも、やらされているスポーツのアスリートもたくさんいます。学校教育の現場もそうだと思います。ですので、自主的にやってみたいなと思っていただける、そういった仕組みを今後もつくっていき、よりよいスポーツの環境を皆さんと打ち出していきたいと、まさに今、このときだと思っています。
2040年問題のところで、久野先生もおっしゃいましたけども、先を読んで我々は打ち出すのではなく、先の先を見て、むしろスポーツ界が社会に合わせてというよりは、リードをしていくような計画、こういったものもぜひ皆さんのお力を借りまして取り組んでいきたいと思います。
今後もスポーツ基本計画部会において、具体的な各論の論点について御議論いただくことになっております。引き続き委員の皆様方の御協力をいただけたらと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。本日は長きにわたりありがとうございました。
【早川会長】 ありがとうございました。それでは、最後に事務局から、今後のスケジュールについて御説明をお願いします。
【事務局】 事務局でございます。本日の会議資料5で、今後の審議会のスケジュールをお示ししているところでございますが、この内容に沿いまして、この後、各委員の御予定につきまして照会をさせていただきまして、日程が決まり次第、事務局より各委員に御連絡をさせていただきたいと思います。事務局からは以上でございます。
【早川会長】 ありがとうございました。これで会議を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
適宜ウェブ会議の御退出をお願いいたします。ありがとうございました。


 

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