スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第6回) 議事録

1.日時

令和3年9月28日(火曜日)16時00分~18時00分

2.議題

  1. (1)第3期スポーツ基本計画の基本的な考え方の方向性(案)について
  2. (2)第3期スポーツ基本計画における主要課題1 について
  3.    1 障害者、女性、子供、高齢者等多様な主体によるスポーツ実施の促進、スポーツによる健康増進、スポーツを通じた共生社会の実現
  4.    2 総合型地域スポーツクラブ・スポーツ少年団等地域スポーツ環境の整備・充実、スポーツ推進委員の有効活用
  5.    3 健康スポーツ部会からの報告
  6. (3)その他

3.議事録

【大日方部会長】  皆様こんにちは。定刻になりましたので、それでは始めたいと思います。
 ただいまからスポーツ審議会スポーツ基本計画部会の第6回の会合を開催いたします。
 皆様大変お忙しい中御出席いただきまして誠にありがとうございます。今回の会議につきましても新型コロナウイルス感染症の予防対策として各委員の皆様にはウェブ参加をお願いしております。また、報道関係者の方も含めて傍聴の方はYoutubeによるオンライン配信を御覧いただく形となっておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日秋元委員より代理出席の申出が事前にございましたので、これを承認しております。御承知おきください。
 続きまして、スポーツ庁において人事異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【事務局】  9月21日付でスポーツ庁次長に串田俊巳、スポーツ総括官に大谷圭介が新たに着任しておりますので、御紹介いたします。
【事務局】  このたびスポーツ庁次長を拝命いたしました串田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】  このたびスポーツ総括官を拝命しました大谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、最初に室伏長官に御挨拶をちょうだいいたします。よろしくお願いいたします。
【室伏長官】  皆さん、本日は大変御多忙の中、スポーツ基本計画部会第6回会合に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。スポーツ庁長官の室伏でございます。
 東京大会が終了した今、スポーツ庁、そしてスポーツ界としては東京大会を通じて見えてきたスポーツの在り方、そして後世に継承し、発展させていくものは何かをいよいよ考えていかなければなりません。
 そのためにもまさに皆様方に御審議いただいております今後のスポーツの在り方を示す第3期スポーツ基本計画において、どのようにそれを表すかが極めて重要になります。このような状況も踏まえまして、本日はまず、前半におきましては先ほど来申し上げております東京大会の開催や新型コロナウイルス感染症の影響など、社会状況も通じまして改めてスポーツの価値や第3期計画の取るべき基本的な考え方の方向性についてまず御議論いただき、以降御議論いただきます各主要課題、各論を通じて共通して留意しなければならないことについて共有理解を図っていきたいというふうに考えております。
 その上で本日後半におきましては、主要課題の議論の1回目として多様な主体によるスポーツの実施の促進やスポーツによる健康増進、地域スポーツ環境の整備、拡充などの主要課題について御議論いただきたいと考えております。
 また、御議論に先立って健康スポーツ部会の渡邉部会長からも現在の健康スポーツ部会の検討状況等について御報告いただければと思っております。
 本日からまたスポーツ基本計画部会が再開しますが、計画策定まで引き続き自由濶達な御議論、何とぞよろしくお願いいたします。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入る前に本日の配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
【事務局】  本日の配付資料でございますが、次第にございますとおり資料1から参考資料の5まで配付させていただいております。また、最後のほうに委員提出資料1といたしまして大日方部会長からの配付資料、委員提出資料2といたしまして本日御欠席されております尾縣委員からの配付資料を配付させていただいているところでございます。大日方部会長の資料につきましては、後ほどまた御紹介がございます。以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、早速議事に入ります。
 本日、先ほど室伏長官からも御案内ありました、そして議事次第にもございますとおり二つの議題を予定しております。一つ目が第3期スポーツ基本計画の基本的な考え方の方向性について、そして二つ目が主要課題の一つ目についてです。
 大分ちょっと前になりますけれども、前回の6月11日にスポーツ審議会の総会とスポーツ基本計画部会の合同会議におきまして議論をいたしました進め方ということで、皆様のお手元の資料だと42ページになるかと思います。こちらでお示ししているとおりスポーツ基本計画部会の審議の当面の進め方をこのような形でいきましょうということで、三つに分けるということで各論を議論していくということになりました。
 ということで、本日は主要課題の各論の議論に入る前に、まず計画の全体像と全体を通じる理念や方針であるところの第3期のスポーツ基本計画の基本的な考え方の方向性について意見交換を行いたいと思います。
 その後、一つ目の主要課題であります、障害者、女性、子供、高齢者等多様な主体によるスポーツ実施の促進、スポーツによる健康増進、スポーツを通じた共生社会の実現、そして総合型の地域スポーツクラブ、スポーツ少年団と地域スポーツ環境の整備充実、スポーツ推進委員の有効活用について意見交換をしたいと思います。
 なお、この二つのテーマについては密接に関わってくる部分が非常に多いことから、テーマごとに説明をお聞きして意見交換を行うという形ではなく、事務局より各テーマをまとめて御説明いただいた後、意見交換を行いたいと思います。また、本日このテーマの御説明に関連して健康スポーツ部会の渡邉部会長から御提言をいただけるというふうに伺っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず議題一つ目の第3期スポーツ基本計画の基本的な考え方の方向性につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【事務局】  政策課長の今井でございます。私より資料1-1、そして資料1-2に基づいて御説明させていただきたいと存じます。
 まず、通しページ1ページ、資料1-1でございます。
 第3期スポーツ基本計画の全体像イメージ(たたき台)という資料でございます。今後集中的に3回に分けて御議論、各論をいただきます。
 構造的にはこちらにございますように第3期のスポーツ基本計画の形をつくっていく、そういった作業に皆様と共に入らせていただけたらと思っておりますが、その議論する際の全体像について常にイメージを持っていただけるよう、まずは事務方からたたき台を用意させていただきました。これに基づきましてぜひ、委員の皆様から御議論、御審議をいただいて形をつくっていければと考えております。
 まず、1-1でございますが、後ほど詳細の資料で御説明させていただきますけれども、こちら理念・総論というところで四つの白丸ございます。一つ目につきましては、やはり全ての議論の基礎となるスポーツの価値について改めて御確認をしていただけたらと考えております。
 二つ目の白丸は特に2期から3期で大きなポイントとなりますのは新型コロナウイルス感染症の拡大、また、そういった厳しいコロナ禍の中におきまして開催をさせていただいた東京オリンピック・パラリンピック競技大会でこういったものを経て再確認できた様々な事象がございますので、その分析をしていただけたらと思っております。
 そして、三つ目の白丸でございますが、そういった状況の中、この第2期計画で成果、課題いろいろございました。成果を上げたものについてはその要因を、また達成できなかった場合にはその理由など分析をしていただくことを考えているところであります。
 そういった第2期計画の分析を踏まえ、また、その後の社会状況の中でもデジタル化の促進、また、国際的にも様々な動きもございます。そういったものも踏まえまして第3期計画として取り上げるべき新しい軸、その新機軸をこの後皆様委員の先生から御指導いただきながら整理をし、第3期の行動につなげていきたいと考えております。
 これが理念・総論のポイント、四つでございます。その上で真ん中からでございますが、今後5年間の総合的・計画的な取り組む施策について各論として御審議をいただけたらと思っております。
 現段階では白丸四つに分けておりますが、この四つにこだわっていただくことなく、今後の各論の議論をしていく中でどういう取りまとめ方がいいかについても御指導、御審議いただけたらと思っております。
 たたき台といたしましては四つの白丸一つ目でございますが、先ほど総論で確認をさせていただいたスポーツの価値・役割を発信・浸透させるための体制なり環境づくりということでくくっております。こちらチェックのレ点が五つほどございますが、その後ろに(丸1 丸2 )、また後で丸3 と出てまいります。これは資料の一番下段にございますが、各論の丸1 、各論の丸2 、各論の丸3 、すなわちこれから3回に分けて集中的に各論いただくときのものがそれぞれに入り込んでいる、そういったことをイメージして整理をさせていただいておりますので、この各論の丸1 丸2 丸3 が現段階ではそれぞれに振り分けがされているということでありますので、論点に漏れがないよう私どもとしても整理をさせていただきながらぜひ御審議をいただけたらと思っております。
 そういった体制・環境づくりにつきましては、ライフステージに応じたスポーツ政策についての御議論、また、スポーツの推進体制、環境の整備、大学も含めた取組の促進、また、多様性と調和の実現に向けたスポーツの役割、また、心身の安全・安心に向けた対応なども含めて御議論いただけたらと思っています。また、経済・地域活性化、国際貢献などスポーツが持つその波及性、これについても御審議をいただけたらと思っている次第であります。
 二つ目の白丸は、特に委員の皆様からもこれまでの中で御指導いただいておりましたのは、こういったスポーツを進めていく際の担い手の基盤づくりということでございまして、この点は特にチェックのレ点二つございますが、一つは競技団体でございますとか様々なスポーツに関わる団体の体質の改善、構造改革、そういったところの御指摘があったかと思っておりまして、これをちょっと特出しをさせていただいております。その役割・責任の再整理・再確認、また収益構造の改革・経営力の改善、こういったキーワードでその整理をしております。また、団体組織のみならず二つ目のチェックレ点ございますように、質の高い健全な指導者の確保ということで、やはりスポーツを指導する立場の方々のこの辺りの御議論というものをいただけたらと思っております。
 三つ目の白丸はこちら国際競技力の向上ということで、東京大会の成果を一過性にしないためのそういった競技力の向上に向けた各種施策を取りまとめられればと思っております。
 そして、最後の白丸四つ目でありますが、国民の皆様の御理解をいただくとともに、特に今回はEBPMに基づいたスポーツ政策の推進として整理をさせていただけたらと思っております。この辺りは昨今、特にエビデンスに基づいて政策を進めるということがより強く求められております。第2期から第3期にかけて先ほどのような分析をした上で3期におきましてはそういったEBPMに基づいたスポーツ政策に取り組めるような、そういったことを議論させていただく、この点につきましては現在資料作成をしていきたいと考えておるところであります。
 そして通しページ2ページでございますが、最終的には第2期スポーツ基本計画の構造、こちらございますように第3期をどう形づくっていくのか御議論いただけたらと思っています。
 先ほど御紹介した理念・総論のたたき台につきましては、おおむねターゲットとしては第1章、第2章、この辺りと比較をさせていきながらこの辺りを深めていくということ、また、第3章につきましては、前回はこの四つの観点で整理がなされておりますが、この辺りを第3期に向けて整えていく、そういった議論に進んでいければと考えている次第でございます。
 大きなこういった構造につきましてはこれから個別論点が様々議論されていく中で見直しをしながら形づくる、そういった取組を進めたいと考えておりますので、御審議のほどよろしくお願いしたいと存じます。
 続きまして、今度は横表のパワーポイントの資料でございますが、資料1-2、御覧いただけたらと思います。
 そういった中で今回は第1回目ということでございますので、この第3期の基本計画の基本的な考え方の方向性の案を整理させていただきました。この後御審議をいただけたらと思っております。
 まず、通しページ4ページを御覧いただけたらと思います。
 先ほども御紹介いたしましたスポーツの価値の再確認と題して3期の計画の検討に当たっての再確認すべき事項を整理しております。この点につきましては、真ん中にございますように既に計画部会の皆様からも御指導いただいておりまして、健康や介護予防だけでなくスポーツの楽しみ方、意義、こういったことを考える必要があるだろうという御指摘、また、スポーツが上手になる、強くなるという一義的な価値を置くのではなくて、とにかくスポーツを好きになってもらうということ、こういったものを価値として掲げていくのではないか、こういった御指摘もこれまであったところであります。
 また、参考でスポーツ団体ガバナンスコードのところにスポーツの価値について整理されたものがございますが、こちらにございますように、人間の本源的な欲求、精神的充足、こういったスポーツをすることに伴う楽しさや喜びこそがスポーツの有する価値の中核であるというようなことも整理がされておりますので、今後第3期の御議論いただくときにまさに一番その目指すべきスポーツの価値というものをどういうふうに整理をしておくのか、これまでの議論、また、過去整理されてきたものを含めて確認をしていただきながら御議論いただけたらと思っております。
 続きまして、通しページ5ページを御覧いただけたらと思います。
 そのスポーツの価値につきましては、大きく二つに分けて整理をさせていただいております。こちらにございますように、一つはスポーツ自体が有する価値、もう一つはスポーツが社会活性化に寄与する価値ということの二つに分けております。
 スポーツ自体が有する価値につきましては、心身の健全な発達を含め、特にその目的と意図を持って自発的に取り組む身体活動と捉えて楽しみながら、親しみながら取り組むこと、それ自体に価値があるのではないかということで整理ができるのかと思っております。ぜひ御審議いただきたいと思います。
 また、二つ目の価値につきましては、地域社会の再生等を含めまして社会の活性化、また、その社会の課題を解決するのに寄与する、そういったことに価値があるのではないかということでございまして、こういった価値、二つですね、側面に分けて議論をしていきますとこれからの個別具体の政策にも生かしていけるのではないかということであります。
 続きまして6ページでございますが、こういったスポーツの価値が問われたことにつきましては特に第2期のときには二つの観点、一つは新型コロナウイルス感染症の拡大の観点、それから、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関しての出来事というのはやはり大きく捉えていく必要があるのではないかと考えて提示をさせていただいております。
 新型コロナウイルスにつきましては、感染拡大、昨年一気に広がったときにはスポーツ活動は言わば不要不急みたいなような形で整理をされてしまったり、また日々の生活からスポーツが失われてしまった、また制限されてしまったような形で国民社会に大きな影響が出たと考えております。
 個人的な側面で見ますと心身の健康保持への悪影響、また閉塞感の蔓延、また特に子供たちから見ますと日頃の成果発表の機会の喪失など非常に悪影響が大きかったかなと考えております。また、社会全体で見ても地域を含めた交流の不足、また、収益の低下など経済に与える影響も大きかったということだと思っております。
 また、一方で二つ目のところでありますが、こうした厳しいコロナ禍の中でも創意・工夫を凝らしながらこの東京大会が行われた中で見えてきた価値というものもあろうかと思います。青い矢印にありますように、スポーツの観点では特にオリンピック大会については6割以上がやってよかった、パラリンピックにつきましては7割以上がやってよかったということで、人々の心を動かす力というのは非常に大きかったのかなと考えております。また、その中にも楽しさとか喜びも感じられたということであります。
 特に、パラリンピック大会につきましては共生社会を強く意識させる大きなイベントだったと考えております。また、世界各国から様々な選手が来た中で国際交流・国際理解の増進というものにも資することがあったのかと考えておりますので、こちらございますようにこの二つの出来事を今回第3期を検討する際にしっかり分析をし、捉まえて、失われてしまった、制限されてしまったことで見えてきた価値、また、コロナ禍の中で工夫をしながら行うことで得られた価値、そういったものをスポーツの価値として再確認をしながら下段、一番下にございますように、今後第3期計画として基本的な方向性、具体的な政策を打ち出す際に今後取り組むべきこと、不易と流行と書かせていただいておりますけれども、やはりこれまでやってきたことをこつこつ積み上げることと新しい軸、そういったものを見つけていく、そんな議論をお願いできたらと考えております。
 そのためのたたき台といたしまして7ページを御覧いただけたらと思いますが、スポーツ自体が有する価値を考える上での論点として案を提示しております。こちら、東京オリ・パラ大会を通じましてはデータ解析などのエビデンスをベースとした練習方法といったものでいろんなものが進んできたかと思います。また、二つ目の黒ポツにありますようにスケートボードを中心としてアーバンスポーツといったものもその広がりを今回見ることができたのかなと考えております。
 また、特に男女混合での競技の実施が増えてきたこと、また、パラリンピックでは多様な障害のある方々がいろいろと工夫をしながら競技にしっかりと取り組んでおかれる姿などを含めて、非常にいろいろなここから見えてきたものがあるのではないかということで整理をさせていただいております。
 また、コロナ感染症の関係では制限されるだけじゃなくて新しい手法、工夫を取り入れて運動、スポーツに取り組むような事例も出てきております。また、特にデジタル化を活用しながらオンライン、AI、VARなど技術を駆使して新たなスポーツの楽しみ方、そういったところも見えてきたということで、こういったものも含めてスポーツ自体が有する価値の御議論をしていただけたらと考えております。
 最終的にはこの緑の矢印以下でございますが、第2期でも示されていますスポーツを「する」「みる」「ささえる」ということで進めてきたところの中で、さらにそういったものに加えてこの二つの出来事を経て出てきたものは、その最も適切、有効な、あるいは個々の状況等に合ったサポートの参画・実施方法を考え、想像し、見いだし、取り入れていく、そういった発想・視点も、極めて重要ではないかということで、今後の新機軸を御検討いただく際の御参考にと思って用意をしたものであります。
 そして最後、ちょっと説明が長くなりましたが、8ページ、9ページにございますが、今後スポーツの振興を考えていく上でスポーツが示している内容についても一応念のための確認をしてはどうかということでの資料でございます。
 こちらにございますように、スポーツという言葉が表す内容につきまして例えば、「歩く」という身体活動一つ取りましても、例えば真ん中より下にありますように、通勤・通学などの日々の生活を過ごすために交通手段がない中で歩くというものは、これは生活に必要な身体活動という整理の中で、先ほどのような目的意識を持って自発的に行う活動というスポーツというところと捉えるのではなくて、むしろ上のオレンジ色のようなところにございますように、健康のために、やはり少し手前から下車して歩く、もしくはルールや競技に基づいて競い合うというそういったことの中で生活上の必要性を超えて実施される身体活動をスポーツと捉まえてはどうかと考えております。
 そうなりますと最後のページでございますが、通しページ9ページでありますけれども、あらゆる身体活動を視野に入れながらもこちらの丸2 番のところにあるスポーツといたしましては、例えば広義で言いますとウォーキング、ジョギング、筋トレ、ヨガなど意欲を持って取り組んでいくもの、それから競技性ルールを有したスポーツとして、競技大会、プロスポーツの競技などが整理をされてくるのではないかということで、身体活動もそういったスポーツとしっかりと整理をしながら今後、御議論いただけたらと思って、その考え方を整理したところでございます。
 ちょっと事務方の説明が長くなって恐縮でございますが、総論の御議論いただく際のたたき台としてこういった資料の1-1、1-2を用意させていただきましたので、この後御審議のほど、よろしくお願いしたいと思います。私からは以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございました。資料1-1ですね、この3期基本計画立てる中での構造といったようなところを徐々に意識して、今回からやっていきましょうというようなお話をいただきました。そして、二つ目というところでですね、どういうスポーツも基本計画の考え方の方向性ということで価値などにつきましてたたき台をいただきました。
 ということで、早速皆様からの意見交換に移りたいと思います。ただいまの御説明につきまして、あるいはまたそれの範囲の中におきまして御意見等ありましたら挙手ボタンを押していただけますようお願いいたします。
 ありがとうございます。では、結城委員からお願いいたします。
【結城委員】  ありがとうございます。いろいろな形の議論を起こすような形でまとめていただいたと拝察しています。
 私からは3点に分けて、特にその総論のいわゆるコロナ禍で見えたもの、オリンピック・パラリンピック開催で見えたもの、それから「歩く」ということについての定義について差し上げたいと思っています。
 一つはやっぱり私たち、この3期の計画の一番最初に人々が読むものとして、前期はいろいろなレベルの方たち、年代も立ち位置も違う方たちにスポーツをやってもらう、その心をどうやって耕すかという部分に多分焦点を当てることになっていくと思います。これからの5年間、様々な形で変化が起こる中で皆さんのスポーツに対する向かい方、自分の生き方の中でどう組み込むかという部分にこの計画が入っていってほしい、そういう形になっていくんだと思います。
 だからこそ楽しみながらであるとか、様々な形で自発的に行っていただくためのものという位置づけになっているんだと思うんですが、一つはコロナ禍の中で見えたものとして結局私たちの何を気づいたのかという部分をもう少し掘り下げていただいてもいいのではと。体を動かすということは動物と書かれている人間、生きる上で様々な、脳であるとか血管であるとか、筋肉、骨、そしていろいろなその潤滑系も含めた体の機能そのものが実は体を動かし続けることでうまく動いていくという、本当にもう生物学的なものがございますし、それから、それは結局自分が体を動かしたときになぜ気持ちがいいのか、なぜ前を向くような気分になれるのか、散歩をしてもちろんいろいろな情景を見てというのもあるんでしょうけれどもやっぱり体を動かしていること自体が体を喜ばせているんだという、そういう流れの中で自分の体を健康に維持し、そしてそれを守るためにやっぱり体を動かすというのは本当に必須なんだと思うのはコロナ禍の中での気づきだったと思います。それは一つ、私たちのなぜやるのかという部分に資するものだと思います。
 それからオリンピック・パラリンピックというのは、そこで見られたであろう、室伏長官がそこで見えてきたスポーツの在り方とおっしゃった、全くそのとおりだと思います。ただ、そのオリンピック・パラリンピックというのは多々反対も、それから変容という制約もあった中で、国民の方たちが結局反対をしたのはオリンピック等々の在り方であり、コロナ禍という開催の時期であり、ここが主でした。スポーツとは何か、もしくは選手たちの輝きとはといった部分での反対というのはごく限られていたと私は理解しています。実際開かれたときにオリンピック・パラリンピックの選手たちがくれたものを衝撃と言っていいほどのものをくれたんですが、それは何だったのかという部分もきちっと踏まえていかないと、その本当の真価を人々にレガシーとしてスポーツ庁の枠組みの中で残すことになり得ないのではないかなと思うんです。
 一つ、私なりの卑近な部分で差し上げると、やっぱりそこで見たのは第一義の選手たちの喜びですよね。スポーツができる、ライバルとまた出会って競技ができる、その喜びや感謝、スポーツをするということにおける人間の本当の心の発露みたいなもの、それが一つ。
 それから、それを見ていた私たちの共感、そして、いろいろな意味での気づき、それをお互いに家族なり何なり共有しようとする人のつながりが自然に生まれましたね。選手たちとのつながり、そして横のつながり、様々な意味で人をつなぐ、世界に向けていろいろな苦難を経てきた選手たちを見る目という意味で世界とのつながりも生んだ。ある意味で人間をつなげてくれるものでもあった。
 それから、多くの選手が勝ち負けを超えて互いをたたえ合っている姿を余計今回見たように私、強く記憶しているんですが、それは本当にその人間性、そしてスポーツの本質、スポーツの価値みたいなものの根幹の部分かなという気がしています。結局苦しい中で、反対もある中で希望を持ち続けてかなうかも分からないのにずっと鍛錬を続けてきた選手たち、その人間性とか努力の美しさみたいなもの、信じることの難しさと大切さみたいなもの、そのようなものもくれたんだと思うんです。
 それを総合して、私たち自身に何をくれたんだろうなと考えたときに、先ほどのコロナ禍の気づきと併せて結局スポーツ、そして運動するということは私たちの心や体を高めてくれることになり得るんだと。自信とか自尊心とかということも含めて自分が好きになれるということでもあるんだと。それから自分自身がある意味で得られた場合に他者、それから社会に対して思いやったり貢献をしたりする余力を持てるということなんだと。
 それは御高齢の方が介護に頼らないとか、それをもし減らすという意味でということであっても実は、それに当てはまると思っています。いろいろな層に対して年代層、そして在り方に対して、やはりそこの部分、スポーツって何だろうという根幹のものもつかまえた理念を最初に柱の一つとして持ってくるというのは、ああ、私たちのことなんだと。私にもでき得るんだという気持ちをつくってくる中ではとても大事になるのではないかと思います。
 それから、あと簡単にどこでスポーツの線を引くのかという部分について、身体活動というのを切り離すような構図をいただいたんですけれども、そこをちょっと気をつけていただければというふうに私は個人的に希望しています。健康スポーツ部会の議論を拝聴何度かいたしましたし、どうしてそうなってきたのかというのはよく存じているつもりなんですけれども、ただ、特に働く世代なんかは私めが五輪記者としては一番忙しいオリンピックの最中に、どうやって頑張るか、健康維持何か自分でできることはあるかっていったら結局歩数でしかないんです。携帯で歩数を計りながらとにかく歩けるときには歩く。それから、エスカレーターじゃなくて階段を上る、時間はそんなに変わらないです。ということで、ある意味で働く人たち、忙しくてスポーツなんかできませんと言っている人たちにやってもらうということが一つの主眼であるならば、家事をやっていらっしゃる女性の方たちもそうなんですけれども、ならばその歩くということをやはり一つのポイントに、そこを突破口にできるようなものを持たせて、余裕を持たせておかないといけないと思います。
 実は歩数というのはいろいろな形でやる気のよりどころでもあります。日数平均の歩数がどんどん増えていく。それで一生懸命、実はもうちょっとここ、回り道して歩いてみようかとか、別な階段を上って別なフロアの部署に行ってみようかとか、そういう日々の小さな積み重ねが始まります。それこそが実は必要に迫られてではない、自分を変えたいと思う心の動き、そこがあるからこそ日々の単純な歩数の中でも実はそういった心がけができ得るんだという部分が、前のスポーツ庁長官が13階まで階段を上がって、Sports in Lifeというのをおっしゃっていましたけれども、それはやっぱりスポーツ庁が追及すべき大きなポイントの一つになり得るだろうと思いますものですから、わざわざ二、三駅前から降りるではない、それができない忙しさというのは多分あると思うんですが、日々の中で自分なりに工夫をして自分を変えようと心がけを続けること、それはある意味でスポーツと言い換えにくければスポーツアンドエクササイズ、運動という言葉であるとか、広義のスポーツであるとか、何らかの格好でスポーツ庁、そして基本計画の範疇の中には入れておくべきかと思います。以上です。
【大日方部会長】  はい、ありがとうございました。大変恐縮なんですけれども、時間が6時までということで、割と盛りだくさんのことをしていくということもありまして、少し皆様、短めにたくさんの方に御発言をいただければというふうに思います。御協力をお願いいたします。
 それでは、菊先生、よろしくお願いいたします。
【菊委員】  どうもありがとうございます。今回、スポーツの概念を明確にするという御提案ついては、基本的に賛成です。ただ、どうしても少し矛盾を感じてしまうのは、いわゆる「手段的なスポーツ」、英語では extrinsic value によって価値づけられるスポーツ、要するに外在的な価値によって手段化されるスポーツのとらえ方ですけど、それは何々のために行うスポーツということですが、それと自己目的的、要するに自己欲求に基づく、その根源的な身体的欲求に基づくスポーツとの区別の仕方について、です。先ほどの結城委員の話にもそのような自己目的的なスポーツの捉え方の重要性に関する指摘が含まれていたかと思われます。そういう人間の身体というものが運動を根源的に欲する、そしてその内実はわざわざあえて障害を作って身体を不自由にしてその楽しさを享受するという、そういう自己目的的な捉え方と手段的なスポーツとを分けているんですけれども、まだその分け方になお矛盾があるのではないかという気がします。
 それはどういうことかと言いますと、私、この部会の初回会議で最初に申し上げたと思うのですが、(基本計画の親規定にあたる)スポーツ基本法に「スポーツは世界共通の人類の文化である」と書いてあるのですが、その後に今日の資料にも出てくるように、「スポーツは心身の健全な発達、健康及び体力の保持・増進・精神的な充足感の獲得云々のために個人、または集団で行われる運動競技その他の身体活動だ」と書いてあるんですね。このことが、そもそもの矛盾の原点だというふうに思われます。
 つまり、一方でスポーツは、自己目的的な人類共通の文化であり、放っておいても人間はこれまでスポーツをずっとやってきたわけです。何々のためにと、あえて言わなくても歴史的にずっとやってきているんですよね。それに対して何々のためにやらないとスポーツじゃないんだというような規定、定義の仕方をしているというのは、第2期のスポーツ基本計画でも矛盾を感じていましたけれども、その辺のところはぜひ解消していかないといけないんじゃないかと思うんです。
 私の意見としては、基本的にスポーツというのは楽しい身体運動ですが、その「楽しい」って言ったときに、要するに苦しい身体、例えば人間の歴史でいうと労働する身体から解放される楽しさというのが、まずあるわけです。しかし、これはルールを持ちません。乱痴気騒ぎになります、お祭り騒ぎになるんですね。カオスです。で、それは一瞬にして終わります。1日や2日でもう飽きたって言って終わっちゃう。これは、今日のスポーツの起源となる遊びの楽しさではありません。
 ところが、スポーツは「わざわざ」ルールを設けるわけですね。ルールを設けて「わざわざ」自分の体を不自由にするわけです。だから、スポーツというのは、ある意味で障害者スポーツと非常に密接に関係していると思われます。健常者が「わざわざ」自分の体を不自由にして、そうするためにルールをつくって、その結果自分の体を縛ることが実は楽しいことなんだと、そしてそれはすごく継続した楽しさというのを生み出していくんだっていうことを発見したわけですね。これがいわゆる近代スポーツの誕生ということなので、この考え方が、今日のスポーツの意味や価値を考える上では非常に重要だと、私は思っています。そういうわざわざ面倒くさいことを人間が自分の身体を使って行った結果、そういう楽しさや喜びを見出したことによって、そこからいろいろな波及効果といいますか、例えば、精神的な涵養であるとか、健康の問題であるとかの解決に効果を発揮する、といった結果をもたらすことが期待されるということなのです。
 で、今回の御提案を見させてもらって感じるのは、そういうふうに考えると、やはり健康とスポーツとの関係がまだ曖昧なのではないかということですね。健康のためにスポーツをやっているわけではなく、スポーツをやるから健康になる、もっと言えば「スポーツをしたいがために、健康でありたい」というロジックの徹底という観点からです。そういう発想というのを、スポーツ庁から発信する基本計画だからこそ、もっと大胆に出していいのではないかと思うのです。でないと、ちょっと言い方が悪いんですが、健康に対する国家管理が歴史上、もっとも徹底していて「健康帝国ナチス」などと揶揄されたナチスドイツと同じような轍を踏む可能性もあるわけです。
 つまり、自分にとってスポーツの何が大事かとか、何がしたいのかということ(いわゆるスポーツがもつ運動の「楽しさ」という特性にふれること)から、さまざまな価値が望まれるということ、そしてそれはスポーツという文化が自分でわざわざ体を不自由にして自分たちの楽しさを享受していくところから出発して、その延長線上に社会から求められるさまざまな適正な価値というものを私たち自身が創り出していくという、そういうプロセス、あるいはストーリーというものを全体として考えていただければありがたいと思っています。
 最後に、歩くということについてですが、これは私の方から第1回目の部会に最初に申し上げたと思いますが、そこで申し上げたのは今日の御提案とは反対で、これまで述べてきた意味から言えば、散歩はまさにスポーツ=文化だということになろうかと思います。私は、散歩こそがスポーツの意味に最も適している歩き方だと思います。そして、それが結果的には健康に結びついたり、何かいろんな仲間と交流したりする、そんな散歩というものを発見したということ、ぶらぶら歩きというのを発見したということが人間にとって非常に重要な歩き方のスポーツ的な発明であったと、最後にそう申し上げておきたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございました。ほかに御意見ある先生方はいらっしゃいますでしょうか。いかがでしょうか。
 少しこの歩くというようなことも含めて根源的なところ、二人の委員の方々からもうちょっと考えたらというような御議論もいただきました。この件も含めて、またこちらに戻っていただいてもということもあると思いますので、次のテーマに進めてみようと思います。
 議題の二つ目の主要課題の丸1 につきまして事務局より御説明をいただき、また引き続いての議論をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
【事務局】  健康スポーツ課長の小沼でございます。議題2について説明をさせていただきます。
 議題2でございますが、スポーツ基本計画に係る事項のうち、丸1 から丸3 のパートに分かれておりまして、事務局の私のほうからは資料2を使いまして丸1 の部分、一部丸2 にも関連する内容について、第2期スポーツ基本計画における成果と課題という形で説明をさせていただきたいと思います。
 その後で、この分野につきましては健康スポーツ部会におきまして議論を深めていただいておりますので、冒頭で基本計画部会長から御説明がありましたとおり、その結果を資料3によりまして健康スポーツ部会から基本計画部会への提言という形で御報告いただくこととしております。この提言の御報告につきましては、健康スポーツ部会長でもある渡邉委員からお願いをさせていただくということになってございます。
 それでは、資料2を御覧ください。真ん中の下にある通し番号で12ページになります。
 ここは、第2期スポーツ基本計画における主な記載ということになります。上の箱の中は計画策定時における現状と課題、下の箱が主な政策目標になります。
 かいつまんで説明をさせていただきますと、平成27年度当時は成人の週1回以上のスポーツ実施率が42.5%、障害者につきましては12.9%と低かったことを踏まえまして、これをそれぞれ65%、40%に引き上げるという目標を立てております。
 また、障害者スポーツにつきましては、その推進体制に課題があるということで、地域の障害者スポーツの拠点ですとか、施設・設備の整備を行うことにしております。それから女性、ビジネスパーソンなどのスポーツの促進につきましては、気軽にスポーツに取り組める環境づくりをしていくことにしております。最後にスポーツにより健康増進の効果を維持・獲得するには習慣化が必要であるということで、スポーツプログラム等を策定・公表していきましょうということを書いております。
 続きまして1枚おめくりいただきまして、13ページをお願いいたします。
 成人のスポーツ実施率の状況になります。見てのとおりでございますけれども、週1回以上のスポーツ実施率につきましては、平成27年度の42.5%から昨年度は59.9%ということになっております。数値としてはかなり改善をしておりますけれども、目標の65%には達成してないという状況でございます。同じく週3回以上につきましては、平成27年度の19.7%から昨年度は30.9%ということで、こちらのほうは1年を残して目標を達成しているということでございます。未実施者につきましては32.9%から18.2%とだいぶ減少はしておりますけれども、これをゼロに近づけるという目標でございますので、達成できているとはなかなか言いにくいという状況かと思います。
 続きまして、14ページを御覧ください。
 下の左側のポンチ絵につきましてはスポーツ実施率の向上のために実施しているSport in Lifeプロジェクトの概念図になります。企業や自治体、スポーツ団体などに加盟していただいて構築をしておりますコンソーシアムを核にいたしましてスポーツ実施者を増やすための構成員相互の情報共有や、実証実験などを進めています。
 課題につきましては、実施率が低い層へのスポーツ習慣づくりに引き続き取り組む必要があります。それから二つ目のポツにありますとおり、ライフステージに応じた健康の保持・増進のためにはスポーツの量といいますか、回数と言っていいかもしれませんが、そういったものだけではなくてスポーツの質、別の言い方をすれば少し強度に着目したようなアプローチも必要になるのではないかというふうに考えております。
 続きまして、15ページを御覧ください。
 こちらのほうは子供の関係でございますが、幼児期からの外遊びですとか運動習慣が就学以降の体力や運動習慣に持ち越し効果があると、こういうことが言われておりますので、幼児期運動指針の普及ですとか、日本スポーツ協会で進めておられますアクティブチャイルドプログラムの普及など、幼児期からの運動習慣づくりや学校における体育や部活動の在り方について見直しを進めております。課題につきましては、依然としてスポーツが嫌いと答えるお子さんが一定割合いることや、地域においてその子供が参加できるスポーツ環境のさらなる整備が必要と考えているところでございます。
 続きまして、16ページを御覧ください。
 ビジネスパーソンにつきましては、先ほどから歩くということで出ておりますけれども、FUN+WALKというプロジェクトをやりまして歩くことを推奨いたしております。それから社員のスポーツ実施を応援する企業を認定する仕組みを創設いたしております。課題につきましては、ビジネスパーソンを一くくりにして対策を考えるのではなくて、例えば仕事が多忙とか運動の場所がないといった環境要因に課題がある人、それからスポーツ以外に優先すべき趣味などをお持ちの方等、スポーツをできない、しない原因ごとに場合当てをしながらそれに応じた対策を講じていくことが必要であるというふうに考えてございます。
 高齢者につきましては、介護予防に効果的なプログラムの作成でありますとか、地域コミュニティーの形成支援などに取り組んでおりますけれども、課題につきましては疾患ですとかリスクが多様で個人差も大きいこともありますので、高齢者の方に安心安全にスポーツをする場を提供することや、家に閉じ籠もりがちな高齢者の参加をどのように促すかといった点があると考えております。
 それから、資料から少し外れますが、先ほど「歩く」ということについてスポーツの定義で少し御意見が出ておりましたけれども、私どものほうでこのスポーツ実施率の調査をする中で、どういうスポーツをやっているかというのをもちろん聞いておりましてその中にウォーキングって入っているのですが、そのウォーキングにつきましてはぶらぶら歩きとか散歩、それから一駅手前で降りて歩くというような例示が書いておりまして、一応そういったものを私どもの考えのスポーツとしてのウォーキングという形で統計を取っているという状況でございます。
 それから17ページを御覧ください。
 女性のほうでございますが、男性に比べましてスポーツ実施率が低いこと、それから若年者につきましてはスポーツをする人と全くしない人の二極化があることがございますので、まずは生涯にわたる健康を守っていく意味でスポーツ実施が重要であるということの啓発が重要になってくると考えております。このため、若年女性が気軽にできるダンスの作成ですとか、ライフスタイルごとのスポーツプログラムの提供などを行っております。また、女性のスポーツ指導者や競技団体役員候補者を育成するための支援も行っております。課題につきましては、女性のスポーツ実施を阻害する、スポーツに対するきついとか苦しいといったイメージを転換することがなかなか難しかったこと、それから、ライフスタイルに応じたスポーツ参加の促進や、スポーツ指導者の拡大に引き続き取り組む必要があると考えております。
 続きまして、18ページを御覧ください。障害者の関係でございます。
 障害者につきましては、スポーツ実施状況についての調査・研究を行うとともに、障害者スポーツ団体の体制整備への支援、学校において障害の有無に関わらず共にスポーツを実施できるようにするための指導内容の見直しなどを行っております。
 課題につきましては左下のグラフにありますとおり、半数以上の方がスポーツを実施していないということをお答えになっております。それから、右下の表にありますとおり体力や施設、仲間の不在、こういったスポーツ実施上の障壁があるということがありまして、こういったものの解決が十分できていないという部分がございます。また、障壁が特にないという回答も結構増えておりますので、こうした点につきましてもう少し深掘りした調査・研究を行って解決策を検討していくことが必要というふうに考えております。
 最後でございますけれども、地域スポーツ環境の関係でございます。20ページを御覧ください。
 地域スポーツ環境の整備・充実、スポーツ推進委員の有効活用に関する第2期スポーツ基本計画の主な記載になります。下側の箱にございますとおり、総合型地域スポーツクラブの質的向上を進めること、それからスポーツ参画人口の拡大を図るためにそれを支える指導者ですとかスタッフ、経営人材などの育成に取り組むこととされております。具体的には総合型地域スポーツクラブの登録認証制度の整備や、地域のスポーツクラブの自立的な運営を支援する中間支援組織の整備などに取り組むこととされております。
 続きまして、21ページを御覧ください。ただいまの部分の成果と課題ということでございます。
 総合型地域スポーツクラブの登録制度につきましては制度の構築が終わりまして、来年度から登録をスタートできる状況になっております。それから認証制度につきましては、現在、日本スポーツ協会におきまして制度構築のための作業を進めております。それから、都道府県体育協会などを核として地域のスポーツ関係者が集まる中間支援組織、こういったものを整備していくことにしておりますが、こちらにつきましても来年度から活動開始できるような支援を今、行っているところであります。そういった中でスポーツ推進委員などの人材育成についても取り組んでいただくということで考えてございます。
 少し駆け足になりましたが、事務局からの説明は以上になります。
【大日方部会長】  ありがとうございます。続きまして、渡邉健康スポーツ部会長、御説明をいただけますでしょうかよろしくお願いいたします。
【渡邉委員】  健康スポーツ部会の渡邉です。基本計画部会での議論の材料としていただきたいということから、健康スポーツ部会からの提言について説明させていただきます。
 これまで健康スポーツ部会では幾度となく議論を重ねてまいりました。その取りまとめにつきましては通し番号76ページ、参考資料4に取りまとめております。しかしながら、本日は15分という時間制限がございますので、その要約版として通し番号36ページからの資料3に基づいて説明させていただきます。お手数ではありますけれども、参考資料4と併せて御覧いただくと、より分かりやすいかもしれません。
 それでは、37ページをお開きいただきたいと思います。「健康スポーツ部会における議論に基づく提言」というところでございます。読ませていただきます。
 健康スポーツ部会においては、第3期スポーツ基本計画の策定についての諮問を受けまして、スポーツ実施に係る目標設定、多様な主体におけるスポーツ実施、地域スポーツ環境の観点から議論を行ってまいりました。
 ここからは、下段に示した図を照らし合わせながら説明させていただきたいと思います。
 議論に当たりましては、ただいま健康スポーツ課長のお話にもありましたけれども、具体的な取組・成果といったもの、そこから見える課題といったものも前提にしながら東京2020大会のレガシーという視点も踏まえながら、近年の社会認識、ここでは社会課題と多様化の進展について表記しております。
 加えて、スポーツに対する再認識、これは先ほど政策課から御説明ございましたが、新型コロナウイルスの蔓延に起因する、もしくは露呈した課題、あるいは東京2020大会の成果を通じたスポーツに対する再認識というものを考慮しております。
 なお、先ほどの資料の1-2でスポーツの価値について言及されておりましたけれども、健康スポーツ部会では特にスポーツの価値として第1に楽しさ、喜びといったスポーツ自体の魅力により豊かで活力ある生活が送れること。これに加えまして、スポーツを通じて得られる心身の健康増進、コミュニティーの構築といった点に着目をしております。
 そして、こうしたスポーツの価値を一人一人が日々の生活の中で享受できるよう科学的知見も活用しながらスポーツの価値を広く知ってもらい、人々にスポーツ実施を促すとともに、誰もがいつでもどこでも自分に合ったスポーツが楽しめる環境の整備が必要であるとの考え方を議論の視座といたしました。そういった議論の視座に基づいて、論点の1から論点の2、3、そしてその他ということで説明をさせていただければと思います。
 通し番号38ページを御覧いただきたいと思います。
 ここでは、スポーツ実施に係る目標設定についてということで現状・課題、そして方向性、目標案、その他ということで記しております。現状・課題についてはお読みいただいたということを前提にして、方向性について御説明申し上げます。
 方向性の1番、調査の連続性を担保するため、既存の実施率の考え方、すなわちスポーツが生活に文化として根づいていることを目指す指標については維持しつつ、健康維持、増進においてスポーツが果たす役割に関する新たな視点での指標を設定する。
 四つ目です。障害者については、スポーツ非実施者の減少に着目した目標を設定する。先ほど説明にありましたように、非実施者が50%を超える状況がずっと続いているということであります。
 そして、目標案として四つ説明させていただきます。
 まず、成人の週1回のスポーツ実施率については目標65%のところ現状59.9%といった数字に鑑みまして、70%に引き上げた目標設定をしてはいかがというふうに考えております。一方、障害者の週1回のスポーツ実施率については目標40に対して現状24.9%ということですので、これは現状維持の40%程度ということを考えております。一方、成人の新たな指標の追加ということでございます。ここには先ほど来いろいろ御意見もございましたけれども、強度や継続時間に係る一定の基準を満たすスポーツの実施率に係る指標を設定してはどうか。これは、健康の保持・増進につながるといった観点であります。
 具体的には1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2回以上、1年以上を実施した人、ここを率として定点観測してはどうかといった内容になっております。こちらにつきましては通し番号の81ページ、ちょっと後ろになってしまいますが御覧いただければというふうに思います。81ページの中段以下に具体的な目標案として書いてございます。そして参考になる考え方として、その表の中に丸1 、丸2 、丸3 というのがあります。丸1 としては強度の視点が加味された基準で評価してはどうかということで今、言った説明であります。私たちは1番から3番までの数字を挙げまして、1番が最適ではなかろうかということで部会では議論しております。
 その理由を申し上げます。丸1 番については厚労省の健康日本21における基準であります。加えて、国民健康栄養調査、あるいは特定健診の標準的な問診で使用されております。ここについてはデータが得やすいということ、そしてこれまでもデータを獲得しておりますので、それとの比較が可能になるといった視点であります。
 丸2 、これは歩くというお話もありましたけれども、歩数を捉えた場合には備考にございますけれども強度といった視点が少し弱いのではないか。そして先ほど来出ていますが、スポーツという概念と日常生活の身体活動といったところ、ここがなかなか線引きがしづらいといったことが挙げられます。
 そして丸3 番、これはよく厚労省の身体活動基準で使われておりますMetsでありますが、なかなか一般になじみがなく、正確性の担保あるいは回答数の確保は困難なおそれがあるといった点から丸1 を推薦しております。これはまた皆さんで議論していただければよろしいかというふうに思います。
 恐れ入ります、38ページにまた戻ります。
 目標案の四つ目であります。障害者の新たな指標を追加してはどうかと。これは先ほど来、説明申し上げておりますが、非実施者が50%を超えているといったところに鑑みまして、この割合を減らしていくといった目標を設定してはどうかというふうに思っております。
 なお、米印にありますけれども、実施率の把握に当たりましては意図的に体を動かすこと自体が目的である身体活動全体をスポーツとして定義してはどうかと。これは健康スポーツ課と政策課との議論のすり合わせというものも前提にしております。
 そのほかといたしまして、精神的な充足を生むスポーツの根本的な価値に注目するため、スポーツに楽しさ、喜び、生きがいを感じる人の割合について、これを果たして指標として設定することに関して今後検討が必要だということで書かせていただきました。また、国民に対するスポーツの実施に係る調査につきましては今現在、幼児期の方、あるいは後期高齢者等の調査も含め、その在り方の検討が必要ではないかと。これは問題提起というふうに捉えていただければよろしいかと思います。
 続いて39ページを御覧ください。
 多様な主体におけるスポーツ実施について。ここはセグメントが子供から高齢者まで多岐にわたっておりますので、なかなか1枚で説明するのは、誤解が生じるかもしれません。それを承知で1枚紙にまとめております。
 主な現状・課題認識としましては、各年代、属性におけるスポーツ実施率の課題、そして体力・健康に係る課題、スポーツ実施環境に係る課題、こういった課題が存在することを前提にしながら主な方向性として四つ記載しております。
 各年代属性におけますスポーツ実施の重要性に関して個人のみならず地方公共団体、民間事業者等の理解を促進する。個々の健康状態やライフスタイル等に合わせたスポーツを実施できる環境の整備を促進すること。特に高齢者、妊産婦、障害者については医療、介護、福祉の現場と連携して、スポーツの実施を促進する。
 また、遊びや体育の授業等を通じまして幼児期から多様なスポーツの実施促進とともにスポーツの楽しさを伝えることで運動習慣を形成する。こういったことを主な方向性と捉え、主な施策案をそれぞれセグメント別に記しています。
 簡潔に説明します。
 子供につきましては、一人一人の成長や考える姿勢を重視する指導・評価をより一層徹底したらどうか。そして子供が世代や障害の有無等を超えて多様な人と共に楽しめるスポーツを自らつくる機会を提供する。あるいは、保護者への普及啓発活動をさらに実施する。そして総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、学童保育等におけますスポーツ環境の整備を一層充実させるべきではないかということです。
 働く世代、子育て世代につきましては、誰もがいつでも手軽にスポーツができるような環境の整備を行う。また、健診等における医師や保健師等から従業員に対するスポーツ実施に係る指導の強化等、健康経営というものを企業を包括しながら促進してはどうかといったことです。
 高齢者につきましては、安心・安全かつ健康効果が得られることを主眼に、全国の各地域で運動・スポーツができる場、指導者、プログラムなど環境整備、あるいは情報の見える化を行うべきではないかとしています。
 女性につきましては様々な課題がございますけれども、女性特有の健康課題やスポーツの重要性に関して本人のみならず、専門家、医療従事者への啓発活動を実施するとともに、各ライフステージにおいて女性が参加しやすいスポーツ環境の整備、リテラシー向上につながる情報発信を行ってはどうかとしています。
 障害者につきましては、障害者スポーツとそれ以外のスポーツの振興に係る部局の一層の連携推進、障害の状況に応じて楽しめるスポーツあるいは障害の有無に関わらず、共に楽しめるスポーツの創出・普及を行ってはどうかと整理しております。
 時間が押してまいりましたので、少し駆け足になります。40ページを御覧ください。
 論点3、地域スポーツ環境についてということでございます。
 主な現状・課題については御覧いただいたということを前提に、主な方向性についてお話しいたします。
 地方公共団体におきまして、スポーツを通した健康増進やスポーツ実施振興施策等に関する理解をより一層促進すべきである。地方公共団体、スポーツ団体、あるいは学校、医療機関、民間事業者等関係団体、あるいは地域スポーツコミッションなどの既存の地域連携組織、運動スポーツ指導者や地域のアスリート、さらには医師等の人材の活用を連携強化とともに促進してはどうか。
 誰もが地域の状況に影響されず、これは地域の特性とか、さらに言えば家庭の状況とか、いろいろな環境が影響してきますけれども、そういったものに影響されずにスポーツを楽しめるよう地域総合型スポーツクラブ、あるいはスポーツ少年団等を通じて地域で支えるスポーツ環境づくりを一層推進するといったことから主な施策案として関係者の連携の促進、さらにはスポーツ実施の場所や方向に関する環境整備、情報発信についてここに言及してございます。
 最後、41ページになります。これは40ページとも重なりますので、ここは説明させていただきます。
 一つ目は関係団体、関係者、関係施策の連携についてであります。
 地域における連携についてということなんですが、ここは既存の地域連携組織の活用、各団体の体制整備の促進、あるいはスポーツ推進委員などをはじめ地域での連携をコーディネートできる人材、組織の育成を行うべきである。
 二つ目、専門性を有する運動スポーツ指導者と医師、保健師等が連携しながら健康状況に鑑みながら誰もが安心・安全に身近な地域で運動スポーツできる場を整備するなど、スポーツと医療、介護との連携を促進すべきである。
 行政における連携についてであります。ここについては、中央関係省庁が一層連携するということ、そしてそれぞれの省庁に連動する地方公共団体への働きかけを一体となって実施すべきである。
 二つ目は地方公共団体においては一般のスポーツ関係部局と障害者スポーツ関係部局、あるいは健康福祉、介護予防関係部局、子育て関係部局等が連携してスポーツ実施促進に係る普及啓発、あるいはモデル事業の実施等を行うべきである。
 関係施策の連携について。多様な主体に対して行われますスポーツ普及施策につきましては障害者が含まれていない施策とならないように留意すべきである。また、職域健診、住民健診、母子手帳の交付、乳幼児健診等においては、医師、保健師等から従業員やその家族、あるいは住民に対してスポーツ実施を通じた健康、体力の保持・増進について必要な指導、情報提供を実施すべきであるということであります。
 最後です。実は、先ほど来、EBPMの推進、政策づくりということのお話が上がっておりますけれども、実は幼児期であるとか高齢者等についてはEBPMを推進するためのエビデンスがそろっていないことがだんだん分かってまいりました。そこでスポーツ実施促進施策を立案するために必要なエビデンスを収集・整理する体制を構築する。さらには地方公共団体やスポーツ関係団体等に対し、これまで以上に科学的な情報を発信すべきであるということで、幾つかの調査研究の例示がここに掲げてございます。
 最後になります。各地域の実態、住民の特性、スポーツ施設の整備状況等に応じた効果的なスポーツ実施促進施策について、調査・検討すべきではないかということでまとめております。詳しくは先ほど申し上げましたけれども、通しページ76から100ページにわたります健康スポーツ部会における議論について、後刻御覧いただきたいと思います。
 ちょっと長くなりました。大日方部会長、お戻しいたします。
【大日方部会長】  渡邉委員、ありがとうございました。それでは、早速意見交換のほうに移りたいと思います。御意見あります方、挙手ボタンを押してください。
 では、藤田委員、髙橋委員、大塚委員、この順番で発言をしていただきたいと思います。
 藤田委員からよろしくお願いいたします。
【藤田委員】  ありがとうございます。私、健康スポーツ部会のほうにも入っておりましてそこでいろいろ申し上げたことが大分反映されていて、ありがとうございます。それで1点、そこで申し上げたことなんですけれども、障害者スポーツの推進に関してはやはり地方競技団体のレベルで連携とか統合といったものが少しでも前に進んでいくという、その道筋をつけるというか、そういうところを目指すんだということが入ったほうがいいのではないかなというふうに思いますので、そこの部分を少し入れていくべきではないかなというのが1点です。
 それから、最後の健康スポーツ部会からの報告の中の論点3、地域スポーツ環境、それからその他のところ、その他のところについてはそこに障害者スポーツが障害のある方が置いてきぼりにならないようにということが書かれてあるんですけれども、じゃあ具体的に地域のところでどういう連携ができるかという論点の3のところではそういったところがあまり見えてこないので、なかなかこれまでなかった関係をつくっていくというのは見える化する必要があるかと思いますので、具体的にどういった連携があるのかというのが見えるようにするとよりいいのではないかなというふうに思います。このまず、各論のところでは2点申し上げます。
 それからすみません、総論に戻ってもいいということでしたので、総論のところでまず、好きになるというところを押し出していただいたのはすごくいいと思います。じゃあ、どうやったら好きになるかということなんですけれども、これはスポーツの楽しさをやっぱり経験するということだと思うんですね。じゃあ、楽しさって何だっていったときになかなかそこまでは人それぞれ違うでしょうし、触れられてないのが現状だと思うんですが、私は目標に向かって、それぞれのスポーツの特性を味わいつつ、自ら考えて上手になっていくということだと思います。それをいろいろな指導者なんかもサポートしていくということになると思うんですが、さらにそのときそのときの自分の力を最後まで諦めずに試していくこと、トライしていくということがスポーツの楽しさではないかなというふうに思っております。
 女子柔道の浜田選手ですね、金メダルを取った選手が何か目標に向かって努力するのは楽しいというふうにおっしゃっているんですね。もうまさに目標に向かって自ら考え上手になっていくということだと思いますし、それからスケートボードの選手たちがいろいろな技ができた、できないでたたえ合うというところ、ああいう技というのはスケートボードでしか味わえないものであって、それはいろいろなスポーツにそういう味わい方があるかと思うんですけれども、それがスポーツの特性を味わいつつというところになるかと思います。
 それから最後まで諦めずにというところなんですが、昨日ちょうど車椅子ラグビーの選手のインタビューをしたんですが、おっしゃっていたのは準決勝で負けてもあれだけ精神的にがたがたになったのが、次によく立て直してこれたのはどうやったのかというふうに聞いたら、自分たちのやってきたプレーを最後まで見せようというふうなキャプテンの呼びかけがあって立て直せたということらしいんですね。
 そういうこう、最後まで自分たちの力をどういうものかというのを諦めずに試していくということですね。あるいは伊藤智也さんという陸上の選手はクラス分けが一つ障害の軽いクラスになって結局メダルは取れなかったんですけれども、それでも軽いクラスに入って自己新を出していくというところで、やはりそういう目標に向かっていくという姿は私たち非常に感動するし、勝つことだけが全てではないということにつながってくるかと思います。
 それぞれのスポーツの特性を味わいつつということであれば、いろいろなスポーツそれぞれあるし、それこそ菊先生がおっしゃったぶらぶら歩きにでもそれはそれの楽しさがあるのではないかというふうに思いますので、何かそういう総論のところで好きになってもらうために楽しさを味わう。で、それのためには楽しさって何だというのを少し触れられていくと、トップ選手だけじゃなくて子供たちも、それから地域で楽しんでいる人たちも同じ枠組みの中でスポーツやれているんだなというのが出てくるのではないかと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、髙橋委員お願いいたします。
【髙橋委員】  ありがとうございます、日本障害者スポーツ協会の髙橋です。
 2点申し上げます。1点目は、先ほど藤田先生が御発言されたのと私も全く同意見でして、中央競技団体の連携について道筋をつけていこうということについて、さらに深掘りをして計画の中に反映していただきたいというふうに思います。この点については藤田先生も触れられたのでそれ以上申し上げません。
 2点目は、開いていただかなくて結構ですが、先ほど健康部会のほうからの御報告の41ページで関連施策の連携について多様な主体に対して行われているスポーツ普及策について、障害者が含まれない施策とならないよう留意するべきではないかという大変ありがたい記載がございました。18ページを見ていただくと「障害者に向けた取組」というのがあって、先ほど週1回もスポーツやってないというのが53.6%あると。これについてどういうふうにしていこうかという御発言ありましたが、今回のまとめ方自体が先ほど申し上げた健康部会からあった障害者が含まれない施策とならないようになっているからだと思います。
 具体的に申し上げると、15ページの子供に向けた取組というのがありますし、16ページにはビジネスパーソン、高齢者、17ページは女性に向けた取組、これ、全部健常者のことしか書いてないんじゃないかと思われます。子供に向けた取組の中に障害のある子供に向けた取組が書かれていない。ビジネスパーソン、高齢者のところにも障害のあるビジネスパーソン、高齢者のことが書かれていない。17ページの女性に向けた取組も障害のある女性の方々のことが書かれていない。そして障害者は18ページだけでまとめましたと見えてしまう。これではいくらやっても五十三点何パーセントになるだろうなと。
 全てのところで障害のある人にどうするかという視点でないと障害のところが別にあってその人たちのためだけに何かをやるというのではこの数字は改善されないのではないか、そういうものの見方がそれぞれの中に障害のある人もいるんだから、その人についてどうしていくかという視点でまとめていただければありがたいということを申し上げて、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
【大日方部会長】  ありがとうございました。それでは、大塚委員お願いいたします。
【大塚委員】  それでは、私のほうも藤田先生、髙橋先生のと少しかぶる部分もありますので、ちょっと議題に沿ってお話しさせていただきたいと思います。
 戻りまして1番目の第3期スポーツ基本計画の基本的な考え方の方向性の案の中からスポーツの価値、スポーツの定義、スポーツという内容に関してお話があったと思いますが、今回オリンピック・パラリンピックを経験してきて非常に意識しながら思ったことは、スポーツを「する」、「みる」、「ささえる」の部分においてスポーツの価値、定義は相当支える人側のほうに付与されたのではないかなというふうに思っています。
 ボランティアの方々、また、テクニカルオフィシャルの方々、実際選手としてやらないけれども、そのスポーツを支えた人たち側におけるスポーツの価値、スポーツの定義、そういったものをもう一度ちょっと見直して整理して入れていただきたいなと思っております。スポーツをするだけじゃない部分のスポーツの定義のもう1回明確化というものが必要ではないかなと思います。
 もちろんそれとは別の軸でスポーツ実施率というものの評価というものが必要になってくるんじゃないかというふうに思います。私どもは競技団体として現場を預かってやってきた中で、非常に今回ボランティアさん、キャストさんたちのスポーツに入ってきて、そして心身の心の部分でスポーツに携わった喜びを感じていただいている部分、この方々もスポーツの価値の中に当然入ると思って一緒にオリ・パラをやってきましたので、その部分をぜひとももう少し定義づけを明確にしていく段階ではないかなというふうに思います。
 それから議題の2番の主要課題の丸1 と丸2 に関しましては、まず丸1 に関してはまさに今、髙橋さんのほうがおっしゃった内容と私も同じで、もう海外では地域のコミュニティーの中にビジネスパーソンも女性も障害者も何の隔たりもなく入ってきて一緒にスポーツをしているという状況ですね。もう日本もその段階になっていかないと本当の共生社会になっていかないと思いますので、あえて障害者、女性、ここの区切りなどの持っていき方をこの第3期スポーツ計画では相当表現方法をEDIを意識した内容に変えていかなきゃいけないんではないかと思いますので、そこをぜひとも検討していただきたいと思います。
 それから、高齢者向けのプログラムを必要とするビジネスパーソン、女性もいらっしゃいます。今、その高齢者の定義というものも大分変わってきておりますので、この第2期計画で掲げた取組の成果と課題の中にも上がっておりましたが、高齢者向けのプログラムイコール高齢者だけではないということですね。また、さらに高齢者の中でも年齢的には今、大分分かれてきていますので、ここは注意してかからないといけない部分じゃないかなと思っております。
 それから、総合型地域スポーツクラブの丸2 の部分の有効活用に関しては、これも都道府県競技団体の関わりの部分がさらにもう少し明確にしていただければなというふうに思っています。
 最後、健康スポーツ部会からの定義に関しては、私ども競技団体としてはもう大賛成の内容でございます。すばらしい定義をいただいたと思っています、ありがとうございます。論点1、論点2に関しても大賛成でございますし、先ほどお話ありました障害者の方々を健常者と同じフィールドに入っていただいて一緒にスポーツをやっていくという世界をつくっていかないと共生社会にはならないと思っております。スポーツクラブやスイミングクラブの中ではもう一緒に同じクラスに入れられるような環境づくり、これが早い共生社会づくりに進んでいくと思いますので、ぜひともそういったところも課題に入れていただき、区分けのないスポーツ施策につながっていくようにお願いしたいと思います。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございました。それでは、森岡委員、お願いいたします。
【森岡委員】  ありがとうございます、日本スポーツ協会の森岡です。私から1点質問です。
 渡邉委員から健康スポーツ部会の提言の御発表いただきありがとうございました。JSPOからも参画させていただいて議論に加わっておりますが、先ほどスポーツ実施率の目標案のところで、1回30分以上の軽く汗をかく運動の指標を週3回以上実施をやめて週2回以上という新たな指標を設定するとの説明がありました。
 令和2年度においては30.9%と目標値を既に達成しているので、これに変えて新たな指標を加えたという御説明をいただき、それもよく理解できます。しかし、週3回以上という指標をつくった経緯というのはやはりスポーツを習慣化させる、生活の中にスポーツを取り入れるというところから週1回ではまだまだスポーツをやっているに値しないだろうということで、週3回に設定したと伺っております。データの継続性も大事だとおっしゃいましたので、指標を変える理由について質問です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。もしよろしければ今、ちょっと御質問出たかなと思いますので、渡邉委員、いかがでしょうか。
【渡邉委員】  分かりました。週3回というものをなくすことに関しては全員がこれ、一致しているわけではありません。笹川スポーツ財団でもスポーツの実施率の調査を行っているんですけれども、それは実施頻度に加えて、強度だとか時間だとかいうものを含めております。これは一方で健康の保持・増進につながるといった観点もございます。
 健康スポーツ部会での議論については、週1回、週3回をそのまま継続する、かつ、プラスして健康の保持・増進につながるような調査、指標を設けて調査する。ここについては正直まだ定まってはいないところがあります。ですから、週3回というところをこのまま残すのか、あるいは削ってもいいのではないかといったような観点になるのか、ここの基本計画部会で議論いただければよろしいかなと思います。以上です。
【大日方部会長】  はい、ありがとうございました。引き続きこの点についてもう少し議論しましょうということだという御提案と理解いたしました。
【森岡委員】  ありがとうございました。
【大日方部会長】  では、能瀬委員、益子委員の順番でお願いいたします。まず、能瀬委員からお願いいたします。
【能瀬委員】  聞こえますでしょうか。私からは2点あります。先ほど大塚委員からもお話がありましたとおり私も全体を通じてこれまで見る、する、支えるという視点でどうしてもスポーツをする人と指導者の内容が盛り込まれていることが多くて、スポーツというのはやはりやる方、指導者だけではなくて、レフェリー、トレーナー、ドクター、パラスポーツであれば伴走者だったりタッパーの方、栄養士、運動生理学者、心理学者、いろいろな方、いろいろな職種の方がいて初めてスポーツが成り立っていると思います。いろいろな職種のそういったスポーツの関わり方は様々あるんだということをもう少しこの提言に盛り込んでいただいてもいいのかなというのを少し感じました。
 もう1点は、今回第2期計画で得られた成果、プログラム、資料、様々なすばらしい成果を御紹介いただきましたけれども、正直私もスポーツに関わっていて今回初めて知るようなプログラム、資料も多くありました。第3期ではぜひ得られた成果を国民に知ってもらわなければ意味はないというか、普及しなければ意味はない、見てもらわなければ意味はないと思いますので、どのように国民に知ってもらうかというところを少し考えていただければいいのかなというのを感じました。以上です。
【大日方部会長】  2点、ありがとうございました。では、益子委員お願いいたします。
【益子委員】  少し参考になればと思ってお話しさせていただきます。
 パラリンピックのシッティングバレーボールの会場にずっと詰めていろいろ解説などをやらせていただいたときに、アメリカのシッティングバレーの協会の方とお話をさせていただいたんですけれども、アメリカはオリンピックのバレーボールと障害者のシッティングバレーの協会はもう一緒になっておりまして、例えばアメリカの代表女子の監督のカーチ・キライさんとかからも練習方法を教わったりとか、連携がごくごく普通に行われている状態で、そしてすごく興味深かったのはもうパラリンピックという大会はなくなってもいいんじゃないかというような、そういう言葉も協会のトップの方から声があって、例えばオリンピックの中の種目ということで組み込むとか、本当に日本では私自身も考えられないような、そういう考え方がすごく進んでいるんだなということを感じることができました。
 そして先ほど藤田委員からもあったとおり、私もスポーツをまず好きになるということはすごく大事だなって感じているんですけれども、やっぱり好きになるということは楽しい、楽しくないと好きになれないと思っているんですけど、その楽しいって本当に一体何なんだというところを考えたときに、成長することがすごく楽しい、昨日できなかったことが今日できるようになるというのがすごく楽しくて継続できるというところだと思うので、本当に高齢者の方でも何歳になってもスポーツを通して成長することができるというところが喜びに感じて継続することができると思うので、何歳になってもチャレンジして一緒に成長していきましょうというような、そういう言葉もすごくあると前向きにスポーツにチャレンジできるんじゃないかなというふうに感じました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、國土委員、お願いいたします。
【國土委員】  いろいろな資料ありがとうございました。資料を見ていて感じたことの一つが、特に子供期の運動について後半の資料では少し出ているんですけれども、前半のほうで幼児期とかの関係はもう少し入れてもいいのかなというふうに感じました。
 それに加えて、運動指導のほうで恐らく学童期後期からその上のスポーツ指導については割とあるようなんですけれども、特に運動の好き嫌いがやっぱり起きてくるというのが幼児期からということになっていますので、そういった段階でうまく指導できる方というか、指導者の養成という部分というのも少し取り入れられたほうがその政策、実際の目標と指導者というふうなところとリンクができるのかなというふうに思いました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。まだ皆さん発言されていない方もいらっしゃるかと思います。石塚委員、ではお願いいたします。
【石塚委員】  ありがとうございます。スポーツデータバンクの石塚でございます。大変貴重な資料の作成ありがとうございます。
 少し総論のほうに戻らせていただきまして、7ページ目なんですけれども、スポーツ自体が有する価値ということで大きく二つ、東京オリンピック・パラリンピックの話と新型コロナウイルスの話が記載されているかと思いますが、東京オリンピックの関連で明らかになったものということで「データ解析などに基づく」というところから始まる1行ですけれども、エビデンスをベースにした練習方法等という中であるかと思いますが、それもスポーツの価値とアスリートの価値のようなことを見ていくと、アスリートの方ほど練習方法に加えてさらにリカバリーや休息も含めたリカバリー、コンディショニング、あとはこういった睡眠とか栄養、こういったポイントというのも非常に大切な観点を、ノウハウをお持ちなのではないかなということで、こういったことを逆に一般の方に転用できるような、エビデンスを含めた転用できるようなサービスをやることによってより地域に根差したスポーツ活動に展開していけるのではないのかなというところを非常に感じたところでございます。
 スポーツということで言葉を少し定義ということもありましたけれども、スポーツが嫌いな方とか苦手な方、イメージが少しマイナスな方というところに限っていくと、こういった観点からのスポーツへのアプローチ、価値の創造とか共有ということも非常に大事な観点なのではないかなというふうに思っております。
 先ほど皆様からもありました子供のスポーツ教育という観点でも、やはりこの睡眠だとか栄養だとか、この辺も非常に大事な要素になってくるかと思いますので、こういった観点も少しプラスアルファの論点の中で見えてくるとさらにスポーツに関わっていただける皆様からイメージがよりつくのではないのかなというところを感じたところでございます。
 二つ目のポツですけれどもアーバンスポーツというところでいくとまさしくこれもいろいろなスポーツの多様性というところで、やはりこのアスリートが活躍することによって新たなスポーツの価値が生まれる、競技の価値が生まれるというところをすごく私自身も感じたところでございますので、こういった新しい価値が生まれたところにさらにスポーツ環境を整備していくとか、親しみやすい環境をつくるというその環境整備、地域における環境整備というものが非常に大事なのかなというところを改めて感じました。
 少し次のポイントですね、議題2の丸3 健康スポーツ部会のところのページ、こちらにも37ページの左下に同じようなところで再認識ということがありますけれども、新型コロナウイルスのほうの地域コミュニティーの重要性というところをまさしく感じているところでございます。これ、様々総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、またフィットネスクラブの事業者様も積極的にこの辺のコミュニティー形成というのはされていると思うんですけれども、それに加えて地域のスポーツのコーディネートやプロデュースをしていただけるような人材、また、こういったところも非常に必要になってくるのではないのかなというふうなことで、あえてそのコミュニティー形成を積極的につくっていけるような環境整備というものも大事だなというところを感じました。
 スポーツ調査のほうでスポーツコミッションというような組織体も非常に積極的に広がって恐らく今、170ぐらいの認証があるかと思うんですけれども、こういったところがさらにいろいろな役割を持って地域活動の後押しをしていけることによって、地域振興とか地域活性化とかまちづくりみたいなところまでの波及がどんどんしていけるのではないのかなというところを感じたところでございます。
 そのままページ進んでいただきまして、下線ですけれども40ページ、主な施策(案)のところで白丸の2個目ですけれども、まさしくここの環境整備というところが非常に大事だなというふうに思っておりまして、既存にある施設を地域の交流の場にいかにしていけるか、さらに学校の体育施設というようなところもありますけれども、こういった今まで少し機能のすみ分けがされ過ぎてしまったことで連動性がなかったようなところをうまくマッチングして、地域の連動性を図っていくということも非常に大事ではないかなというところに改めて気づきを持ったところでございますので、この辺を少しより詳しく盛り込んでいるといいのではないのかなというところを感じました。以上でございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。では、諸橋委員お願いいたします。
【諸橋委員】  資料をありがとうございました。私から申し上げたいことはまず、スポーツ自体が有する価値に関してです。こちらに記載されているように、私自身7年前ぐらいからアーバンスポーツのほうを中心に現場でやってきていまして、特に地域におけるアーバンスポーツの浸透というものを現場感覚で実感しています。その中で、やはり今回日本でオリンピック・パラリンピックが開催されたことによって、スポーツの楽しみ方というものがコロナ禍も通して、新しい価値観、新しい形、そして別なスタイルで楽しむということに非常に門戸を開いてくれたと思います。そして、私自身もスポーツをしませんので、スポーツって一体何なんだろうと思ったときに本当に今回のコロナ禍であったり、オリ・パラというものが表現的に正しいか分かりませんがハードルをすごく下げてくれたと思っています。
 ついては、スポーツが嫌いな、特に興味のない、もしくは苦手な人たち全てにとって非常に入りやすくなった、親しみやすくなったということは、このコロナ禍、そしてオリンピック、パラリンピックによって得られた功績であり、日本人だけでなく海外の方も含め、次のステージになっていると思います。今後、この第3期スポーツ計画が5年間となった中で私はもっとこれ以上、今年以上に世の中が変化するのではないかと思っています。
 その中で、その3期のスポーツ計画における提言書というものは、もうちょっと一歩先、もっとハードルを落とした段階で、いろいろな人にとってスポーツが生活の中にあるということを伝えるべきではないでしょうか。この基本計画を見たときに、今まで興味のなかった人が理解できるような表現方法というのはとても重要なことだと思っています。
 デポルターレという言葉の意味である気晴らし、楽しむということ自体がスポーツであり、その一方でスポーツ実施率というデータというのはまた別な観点であると思うんですけれども、「する」以外でも「みる」「ささえる」という観点でスポーツがより生活の中に入っていくために、第3期に関してはもうちょっと分かりやすく、間口を広げるような表現方法が重要だと思っております。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございました。ほかに御意見ある方、では大石委員、お願いいたします。
【大石委員】  ありがとうございます。
 意見としては、第3期のスポーツ計画の中に支える人材の育成をきちんと盛り込むというのが一つキーかと全体的にお話を伺っていて思いました。その具体的な方法をきちんと明記するということです。
 今回オリ・パラもそうですが先ほど大塚委員や能瀬委員からもお話があったように支える側の重要性というのがひしひしと伝わってきた大会だったというふうに思っております。その支える人材というとコーチやトレーナー、また医療従事者やボランティア、大会運営側ということだけではなく、これからスポーツを普及していくに当たっては、資料の中でもいろいろとありましたマッチングする人材、またコーディネートする人材など、いわゆる運動の実践を推進する仕掛け人のような方々の役割というのがすごく重要になってくると思い、そういったことを具体的に明示することが重要ではないかと思いましたので、意見させていただきます。
 ありがとうございます。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、池田委員、遠藤委員の順番でお願いいたします。
 池田委員からお願いします。
【池田委員】  山形県スポーツ協会の池田です。資料の取りまとめ等、ありがとうございました。今回私、3点意見というかお話しさせてもらいたいと思います。
 まず、1点目のところで総論のところのスポーツが有する価値というところでなんですけれども、新しい新機軸になるかどうかというのはちょっと置いておいたとしても、今回のオリ・パラの経験を通して私がまず感じたところは、トップアスリートの人たちの活躍というのを皆さん目の当たりにしたと思うんですけれども、そのノウハウが人々の日常の身体活動に染み込んで欲しいなというふうに思ったのが、このオリ・パラを見ていて思ったところでした。
 それは、日常生活において姿勢を正すとか歩くとか、そういう一つ一つの動きに通じるものでもあっていいだろうし、車椅子の動かし方なのか、その楽しみ方なのか、そういったところに何というんですかね、神経が行き渡るというか、血液が流れ込むようにそこが浸透していくというようなものになっていってほしいなと思ったのが1点目でした。
 ちょっとスポーツという言葉が示す内容の整理のところで違和感を持ったんですけれども、例えば歩くという身体活動というところで切り口があったと思うんですけれども、そこはいろいろな人がいるわけで、それこそ目が見えない人もいれば車椅子の方もいらっしゃったりとかいろいろな人が歩くとなったときにそれはどのように整理されるのかなということをちょっと思ったりとかもしたので、体を動かす、それがスポーツとどう関連していくのか、つながるのか、それとも切り分けるのではなく、そこのどっちも共存するゾーンに人々を誘導していくのかといったようないろんな観点があるかと思いますので、いろいろな視点でこれからも総論というところをぜひ取りまとめていってほしいなというふうに思います。
 2点目なんですけれども、渡邉さんがすごくまとめてくださってありがとうございました。女性とか子供だったりというところの切り口なんですけれども、女性が、働く人たちが、ビジネスマンが、これからいつでもどこでもスポーツができるようになるというふうに考えるのはもちろんすばらしいことでそういう世界になればいいなというふうには思うんですけれども、今、ある機会のところにどれだけ垣根をなくしていろんな人たちが混ざり合うかということも大事かなというふうに思っていて、例えば私は1人の息子の親ですけれどもクラブや部活、まだ小さいですけれども、放課後子供教室なんか行ったりとかもするんですけど、小さい頃は保育園のお迎えになんか行くんですけれども、例えばですけれども、そういったお迎えに行く機会のときにじゃあ一緒に体を動かしちゃおうかというような仕掛けもあっていいだろうし、ちょっとクールダウンは一緒にしようかとか、今ある機会にどれだけいろいろな人を取り込めるかということももしかしたら考えていっていいのじゃないかなと思いました。
 3つ目のところなんですけれども、渡邉さんにまとめてもらった最後のところに書いてあった各地域の実態に応じた効果的なスポーツ実施・促進についてというところは本当に大賛成で、私は常々、山形に住んでいるというところをいろいろなところで言っているんですけれども、都会だったりとかで設計されるものと山形のこの土地でやっぱり合うサイズというのは違ったりするので、地域にどんな人がいてどういうものがあって、それをいかに活用できるのかという、やはり地元に根づいたものをつくっていくのであればそういった視点の調査というのをぜひやっていただいて、その地域がよりよくなるという、上から下りてくるものをそのまま受け止めるのではなくて、ここに必要なものを能動的に推進していくというようなエネルギーが生まれていくかと思いますので、ぜひこれからもいろいろなアイデアを皆さんと出し合っていいものになればいいなと思いました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。では、遠藤委員お願いいたします。
【遠藤委員】  渡邉部会長、ありがとうございました。私、皆さんにお伝えしたいのが今回、健康スポーツ部会でまとめたこの参考の4のほうを見ていただいて、97ページの論点2のほうの障害者の部分についてすごく大きな一歩を踏んだなというふうに思っています。それは目指すべき方向性のところで「障害者スポーツを障害者以外のスポーツと同じ枠組みで振興の対象として」というこの一行目というのは、本当にこれから共生社会の実現であるとか、この総論にかかってくる部分が障害者も自然に含まれた形で取り組まれていくという中のものだと、表しているものだというふうに思っています。
 将来的には皆さんがおっしゃるように障害者とかそういったいろいろなカテゴリーに分かれることなく、誰もがスポーツを通して共生社会の実現といった言葉自体が社会の中に普通に溶け込んでなくなっていくというような希望ももちろんあるんですが、今はその移行期ということで目に見える形で皆さんにお示しをしていただいて、だんだんここの目指すべき方向性の部分が一番下の障害者のスポーツ非実施者の減少を促進ぐらいに少なくなっていくというようなイメージを持って進めていければなというふうに思っています。
 一方で、皆さんが今回の東京2020のパラリンピックを見て選手のすばらしいパフォーマンスを見て感じてくださった。一方で、まだそれこそ今、池田さんおっしゃったように山形、私は福島なんですけどなかなか地方ではスポーツに取り組めないと思っている障害のある方ってまだまだたくさんいて、皆さんもまだ障害者のアスリートやスポーツをしている人のイメージというのはパラアスリートであったり、全国障害者スポーツ大会に参加する障害のある方々のイメージを持っているんですが、もっと知的障害の重度の方であったり、精神障害であったり、肢体不自由の中でも最重度の方であったりっていったようにまだ社会に出てこれない人たちがいて、その人たちはまだスポーツができる、新聞のコメント欄に載っていたんですね、今回のパラリンピックを見てどうでしたかってなったときにスポーツができる人以外も社会に参加できる機会を持ちたいというふうに、まだそうした意見もあるということは、その人たちがスポーツや遊び、レクリエーション、そういったことに取り組めるような機会が持てるようになればいいな、誰一人取り残されない社会になればいいなというところがまだあるので、今回のこの第3期スポーツ基本計画をこれから移行していく中で、そういう思いでいる人たちもしっかりと幼少期から遊びや障害を負ったときからリハビリテーションを通してスポーツ、遊び、そしてレクリエーション、いろいろなことに関われるような社会になっていくんだろうなというのをこの健康スポーツ部会の議論をしていく中ですごい希望と夢を持って取り組ませていただいています。
 これをお聞きになった重度の障害をお持ちの方で自立生活に取り組んでいる人たちもいつかスポーツ、レクリエーションに自然に取り組めていけるようなことになればいいなということで、今日はこの健康スポーツ部会の資料をちょっと自画自賛みたいな形になってしまったんですけど、見ながら皆さんにそれが伝わるといいなと思って意見をお伝えしました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。では、菊委員にお願いいたしまして、その後境田部会長代理、お願いいたします。
【菊委員】  すいません何度も。今まで皆さんの総論のことについてお聞きしていて思ったんですけど、要するにスポーツとは何かということを考えるときには、やはり歴史というものをしっかり踏まえて議論しなきゃいけないと思うのですが、そうすると、基本的にスポーツとはプレーなんですよね。競い合うということ、競争ですよね。そしてそれから達成ですよね。何か自分が今までできなかったことができるようになったという、達成ですよね。それからアーバンスポーツや自然に挑戦するスポーツなんかに見られる人工的な障害や自然の障害を克服していくという要素もある。この三つともう一つ非常に重要なのは交流ですね。体が自然と一体化するとか、身体運動を介した人と人とのふれあいですね、そういうのも広く現代的なスポーツの感覚、スポーツの定義に入ってくるだろうと思います。
 いずれにしても自発性というのが非常に重要で、自分が自らそれを求めていくということですね。そういう欲求というのは私たちの体が持っているのだという、そういう考え方を起点にするというのは非常に重要じゃないかと。
 そういう意味でいうと今日ちょっと気にかかっている言葉があって、皆さん「振興」と「推進」ってどう区別されているんでしょうかね。これまではずっと振興と言ってきたんですけど、2011年の基本法からほとんど振興という言葉がなくなって推進になったんですよね。つまりプロモーションになった、エンカレッジメント、何かこう引っ張り上げるんじゃなくて何て言いますかね、自分から自発的に取り組んでいく、それを推進というのは後ろから押してあげるという、そういうイメージなんだろうと思うんです。
 ですから、そのきっかけをどういうふうにつくっていくのかというのはスポーツの概念にとっては大変重要だと思うので、その部分についてもう少し概念を整理したほうがいいのかなというふうに思いました。
 それから、先ほど誰かおっしゃっていましたけどSports in Lifeというのはコートの中だけの問題じゃないんですよね。コートの外、コートの中に近接するコートの外空間、例えば休憩であるとかおしゃべりであるとか、そういうことも含めてスポーツライフなんですよね。そういう概念を私たちがちゃんと持つと、「支える」だとか「見る」だとか、そういうことも「する」と同時に一緒に入ってくる。それが混然一体となってスポーツの世界をつくっているんだという、そういうイメージをこの第3期の基本計画の中で示してあげられればいいのかなというふうに思いました。
 あと、最後に地域、コミュニティって何を指しているのかということですよね。どの単位、どういう区分でコミュニティって言っているのか、県単位で議論しているわけじゃないんですよね。やっぱり少なくとも行政単位としては市町村、そして総合型では当然中学校区だとか本当に身近な小学校区、中学校区というようなそういう身近な顔の見える関係の中での地域ということだと思うので、その辺のイメージも何かこう一緒にしっかりとベーシックなところで合意できていければいいなというふうに思いました。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございます。それでは、境田委員、お願いします。
【境田部会長代理】  境田でございます。まず、最初に今井課長のほうからスポーツの価値の再確認というところの御説明がございました。今回のオリ・パラ前後で私もいろいろな人から何でオリンピックやるんだとか、不要不急だって本当悔しい思いを、恐らくここに関わっていらっしゃる皆さんそうだと思うんですね。
 これはやっぱりそのスポーツの価値の言語化とか説得、こういったのが今までやっぱり欠けていたんでしょうね。欧米とかでは恐らくここまでの議論というか要はメディアからこのような形でたたかれるということはなかったと思います。やっぱり我々のほうで今回スポーツ審議会としてここをきちっと再確認して言語化して発信していくということは非常に重要な作業なんだろうと思っています。
 それから、スポーツ健康部会がまとめられたこれ、本当にすばらしくて、論点をきちんと網羅され、整理され、エビデンスに基づいていろいろ立案をされたということで本当に心から敬意を表したいと思います。本当に今の日本のスポーツのいろいろな課題が全部網羅されているんだろうと思っています。
 それから三つ目、最後ですけれども、私、前回6月11日のスポーツ審議会の基本計画の合同会議でやっぱりこれからはデジタルだということで、こういう民間の資金をいかにスポーツ界に流すかということを申し上げました。スポーツ庁の今年度の概算要求額は420億円なんですね。これやっぱり室伏長官の御努力もあると思うんですけど去年350億円から420億円ってすばらしいし、スポーツ庁ができる前は300億円を切っていましたよね。からするとこの厳しい財政下で財務省と闘ってくださっているスポーツ庁の職員の方、本当頭下がりますけれども、ただ残念というか、こういった国の予算というのはトップアスリートのいろいろな活動には流せるんですよね。で一番、僕らというか競技団体側からして困るのは人件費とか賃料とか通信費とかそういったお金にはほとんど使えないんですよ。だから、こういったところにももっと自由に使えるような予算立てだといいんだけど、国の予算の制度というのは基本的にそういう公務員とか独法の職員の人件費には使えても、民間のスポーツ団体の人件費には使えないんですね。
 で、今、恐らくここに競技団体に関わっている大塚さんとか皆さんいらっしゃると思うんだけど、やっぱりみんなこれから企業の協賛金も減るだろうとか、そういった登録者の数も減って財源が減るんじゃないかという心配されている団体も数多くいらっしゃると思います。やっぱりここに新しい民間からの財源を持ってこないといけないんじゃないかなというふうに思っています。
 私、前回こうやってスポーツのデジタル化ということを推進するためにはコラボレート、それからAIとかデジタル技術の活用とかガバナンス、コンプライアンスが重要だということを申し上げました。その後、この3か月間で携帯会社のこういった役員ですね、スポーツDX担当役員とか通信会社、それからいろいろな電機メーカーの役員の人とも話しました。で、やっぱり企業も今、DXで、デジタルトランスフォーメーションということで、ここにはうちは500億円の予算を持っているんだとか、1,000億の予算持っているんだって、そんな企業が割と上場企業はかなりあるんですよね。
 じゃあスポーツ団体に流してくださいといって流れるかというと、これは簡単に流れないんです。彼らは彼らでやっぱりこういったお金を投資するからにはリターンがなきゃいけなくて、そのリターンが何かというところが重要なわけですね。彼らが言うにはデータというのは小さな僅かな数のデータだと意味がなくて、できればもうあまねくアスリートの全部のデータがあったほうがいいわけです。それは無理かもしれないけどできる限りそういったデータは多いほうがいいということですね。それからあとそれがリアルタイムで継続的にそういったデータが取れる、これは今もうスマホの時代でそれは全然できるんですね、先進技術はどんどん進んでいるからですね。
 あとはそのデータがどんどん今、AIで解析してどんどん次から次へ解が出てくるんですよね。これが新しいコンテンツになったりアプリになったりサービスの提供になる。で、そこで彼らはリターンが得られればいいんだということなんで、そういった枠組みをきちんとつくっていけばいいんだろうというふうに思っています。このためにはJSCとかJOCとかJPSAとか統括団体が中心となって、あとは高体連、中体連、これも前回のヒアリングでなかなか今、厳しいというお話でしたけれども、そういったところを巻き込んだオールジャパンのデジタルプラットフォームセンターみたいなのをつくって、そこにみんな加盟して、そこに企業からいろいろな形で資金を投資してもらうみたいなやり方もあるんだろうかなというふうに思っています。
 こういったところ、ちょっといろいろ難しい論点はあると思うんですけれども、オールジャパンで産学連携のプラットフォームをつくっていくというようなことは実はユニバスがやっていて、これはまだちょっと数がそんなに集まっていませんけれども、こういったのをモデルにしていろいろな競技団体がいろいろなプロフィットシェアをできるような仕組みをつくれると思うので、ここをぜひ具体化していただければというふうに思っています。以上です。
【大日方部会長】  ありがとうございました。それではちょっと私のほうからもコメントと、あと少し資料の御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 基本的な考え方の方向性というところで多くの委員の皆様からも出たように、もう少し恐らくここのところにつきましては競技団体、いわゆる障害のある、なしというようなところ、分かれているところを一緒にやっていくということ、ここについてはもういろいろな方から御議論が出たというふうに思います。
 東京大会が終わってオリンピックとパラリンピックと初めて両方を見たという方が多かったと思いますけれども、その中で何で分かれているんだろうというようなこと、それからもっと普通に一緒にやれるというようなこと、先ほど髙橋委員のほうからも藤田委員からも御指摘があったようなところをどれだけ、この方向性というところで入れていけるのかというところについては、踏み込んだ表現が必要だろうというように思いました。
 そしてもう一つ、コミュニティーというところで、つながりを持つということの大切さにつきましてももう少しコメントしてもいいのかなということ、それから喜びや楽しさといったことのところをもう少し深めて考えてというところが恐らく議論の方向性というところでは重要になるというようなことが今日、まとまったのかなというように思っております。
 それから、少し参考資料でつけさせていただいている138ページを御覧いただきまして、障害者というよりパラリンピアンの競技環境調査のことについて最後に少し御紹介をさせてください。
 パラリンピアンズ協会が日本障害者スポーツ協会、JPCとあと各競技団体、多大なる御協力をいただいて競技環境調査というものを4年に一遍、今回は5年に一遍になりましたけれどもやっておりまして、今回第4回になるんですね。実はこれ、2008年から続けてきているものでして、なんとなく障害のある人たち、パラリンピアンというところに限定はされてしまいますけれども、環境の変化というようなものが見えるようなものが明らかになりました。
 4回の調査を通じて初めてですけれども選手個人の費用負担というものが減ったということ、そしてすごく競技環境の変化がよくなっているというような、こういった受け止めというものがありました。これが、恐らくその東京大会で大躍進を遂げたパラリンピックのメダル数というようなところが後ろ側にあるものというところにはあるんだろうなと思います。
 これらが競技の支援をしてくださる企業というものがすごく増えているということ。それは、競技団体、JPSA、JPC始めとするところでもあるし、選手との雇用関係というようなところ、支えてくれているところが非常に大きいのだなというところも見えてきました。一方で支える側という意味で先ほど、いろいろな方からお話ありますけれども、そこについてはやっぱりなかなか予算、それからいわゆる生活を支える、基盤とする部分でスポーツをやっていこうとすると大きな課題があるということ、これもまた見えてきたなというようには思っています。境田委員からもお話があった民間の資金をどうやって回していくのか、投資リターンというところ、ここは大きく考える必要があるだろうということを改めて感じています。
 一方で、NTCやJISSといったようなところというのは練習も増えているということでして、ここ、非常に月、金で例えば練習をするとか、数か月NTCで暮らしていましたみたいなパラリンピックの選手たち、いろいろなお話を聞きますけれども、これが果たして、ちょっとあえて申し上げちゃいますけれども、このままでいいのか、これをずっと続けていくことがゴールなのかというようなことは私たちは3回目の議論にもなるかもしれませんけれども、考えていかなければいけないなというようにも思っています。
 地域のところということなんですけれども、丸ポツの下から三つ目のところですね、実際障害のあるパラリンピアンなんですけれども施設利用を断られているという、制限を受けているという方々が実はあんまり前回と変わっていない。大きく環境がよくなっていると言っているけれども、実は変わっていない。ここはすごく重要な問題だなというふうに思っています。何が推測されるのかということになると、身近な地域で暮らすこと、その中でのスポーツを始める、あるいは気軽に楽しめる、こういう環境というものがやはりまだないんだろう。
 あるいは、髙橋委員からもお話がありましたビジネスパーソンのとか、そういう高齢者のといった中に障害がある人たち、当然いるよねというところのこういった視点を解決していかないとこの辺りというものが減っていくことというのは今後ないのではないか。そのようなものを示唆するものかなというふうに思います。詳しくはもうつらつらと書いておりますのでお時間のあるときにまた読んでいただき、参考にしていただければというふうに思っております。
 というようなことで、ちょっと私のほうからも長くお話をさせていただきましたけれども、長時間にわたりまして皆様御参加いただきましてありがとうございました。室伏長官からまとめていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【室伏長官】  委員の皆様、大変お疲れさまでした。様々な角度から忌憚のない御意見を頂戴いたしました。本当に誠にありがとうございます。
 本日は第3期スポーツ基本計画の基本的な考えの方向性や重要課題のうち多様な主体によるスポーツの実施の促進、スポーツによる健康増進などについて御議論いただきました。本当に様々な御意見いただきましたけれども、特に最近のオリンピック・パラリンピックの選手の活躍が本当すばらしかったと思いますけれども、これも西が丘を中心としたオリ・パラ一体の強化が実ったと、お互いにオリンピックに参加する選手もパラリンピックに参加する選手も一緒の場所で強化をしていったんですね。
 スポーツは違ってもトレーニングは一緒のことをする、違うスポーツかもしれませんけど同じようなトレーニングをしますから、そういう意味では本当に一緒の場所でそういうことが実現してメダルも取ったわけですから、そういう環境は実現すると思います。ただそのスポーツの整理というところでもう少しして、どういうふうにジョイントして一緒に取り組んでいけるかということは、先ほどデジタル技術のことも含めてまだ議論するところがあるかと思います。
 「ささえる」スポーツ、皆さんからもありました。本大会でもたくさんの方が支えていただいて大会を成功に導いた。ボランティアの方や競技運営も含めて本当に多くの方が支えて、彼らが、彼女らが、皆さんが、それを喜びと感じたというところがまた、もう少しその方々の声も聞きたいなというふうにも思いましたけれども、本当にすばらしい視点で支えるというところもしっかり、我々も考えていかなきゃいけないなと思いました。
 また、運動だけではなく、石塚委員におかれましては運動だけではなく、何かカロリー消費すれば健康になるみたいな話ではないので、睡眠だったり食事だったり、また、身体の機能だったり、様々な観点でそういうものを向上させていかない限りはただ運動するだけでは健康にならないところもあるかもしれませんので、大変重要な視点でもあったかなというふうに思いました。
 子供、幼児期のスポーツということで、これも國土先生がおっしゃっていましたけれども、私は物干しざおに3か月か4か月ぐらいのときにおやじにぶら下げられて逆上がりの練習したことないんですけれども、勝手にやるみたいですから、子供は。なので、もしかしたら幼児期の期間に何かいろいろお母さんと遊んだりする中でそういうやり方を……。何か我々はやらせないようにって気をつけちゃっています、最近の子供は、危ないからって。実は何かいろいろな運動をさせておくと本当に上達が子供って早いと思うので、きっとここは研究をまだされてないところでもあって、ぜひこういったところも大事なところかな、スポーツ嫌いをなくすという意味でも大切なのかな。
 あと競技という観点で、本当に競技団体の皆様のこともおっしゃって、最後境田先生もありましたし、我々もこの競技団体を持続可能な形で取り組んでいただけるように、競技力向上だけではなくて、いかにしてスポーツと健康の視点で社会貢献をしていただいたり、また、地域に根づいた形でスポーツを指導するプロなわけですから決してトップ選手だけ教えるプロではないと思いますので、そういったところもぜひ、地域というところで、トップ選手だけではないところで、NFの競技団体の役割というのは、まだまだあるのかなというふうに感じさせていただきました。
 特に、第3期スポーツ基本計画の基本的な考えの方向性について本日いただきました御意見を踏まえて、事務局においても再度整理いたしまして、改めてお示しさせていただきたいというふうに思っております。
 次回のスポーツ基本計画部会におきましては主要課題の議論の2回目として学校体育、運動部活動をはじめ、子供のスポーツの機会の充実やスポーツに関わる人材育成、スポーツ施設などのスポーツをする場の充実について御議論いただきたいと思っております。引き続き委員の皆様方の御協力を頂戴できればというふうに思っております。ありがとうございます。
【大日方部会長】  室伏長官、ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局より次回の会議について御説明をお願いいたします。
【事務局】  次回の会議の日程でございますが、10月7日木曜日、14時からで予定をしておりますので、よろしくお願いいたします。
【大日方部会長】  ありがとうございます。
 それでは、本日の会議はこちらで終了させていただきます。皆様御参加をいただきましてどうもありがとうございました。適宜ウェブ会議のほう、御退出をお願いいたします。
 お疲れさまでございました。
 
―― 了 ――
 

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