スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会(第2回) 議事録

1.日時

平成29年11月29日(水曜日)10時~13時

2.議事録

【田邉部会長】  皆様、おはようございます。それでは、お時間になりましたので、ただいまから、第2回スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会を開催いたします。皆様、大変お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 本日は、報道関係者より、会議全体についてカメラ撮影を行いたい旨の申出があり、許可いたしておりますので、御承知おきください。
 それでは、まず、事務局から、本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【今泉国際課長】  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元机上にある資料で、一番上段に議事次第と書かれている資料をごらんください。本日の議題は、議題1.のところのとおりでございます。
 資料でございますが、資料1として、前回部会で出ました主な意見をまとめているものがございます。資料2として、その前回の意見を踏まえて、事務局の方でスポーツの国際戦略のイメージというものを作成いたしました。それがございます。資料3といたしまして、本日、各委員の皆様からご発表いただく資料をつけさせていただいているところでございます。そのほか、参考資料といたしまして、資料、参考資料1で委員名簿、参考資料2で今後の進め方、参考資料3で前回の会議の議事概要、参考資料4で、10月11日に行われました第1回日ASEANスポーツ大臣会合の概要を付けさせていただいているところでございます。
 併せて、本日、有森委員の方から、資料の御提出がありました。また、JSCの方から、諸外国の国際戦略に関する資料の御提出もありました。さらに、SFT事務局の方から、スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアムの交流会が12月7日に開催されます。その案内のパンフレットが提出されているところでございます。
 資料は以上でございますが、過不足等ございませんでしょうか。
【田邉部会長】  それでは、本日、長ケ原委員、宮嶋委員、和久委員が初めて御出席ですので、自己紹介の方、お願いしたいと思います。
 では、長ケ原委員の方から、お願いいたします。
【長ケ原委員】  神戸大学の長ケ原と申します。前回の欠席は申し訳ございませんでした。私、関西の方で、ワールドマスターズゲームズ2021という大会に関わっておりまして、この部会では主にその観点から発言をさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 では、宮嶋委員、お願いいたします。
【宮嶋委員】  テレビ朝日でスポーツコメンテーターをしております宮嶋泰子と申します。第1回の会議はちょうど海外出張と重なっておりまして出席できませんでした。この委員会においては、今まで、今でもそうなんですけれども、長い間、私は海外のスポーツというか、スポーツの大会を海外で取材することが多く、それで、よく番組を作っておりますので、そういったところから見えるもの、それから、私自身がNPOの理事などをしておりまして、そのバレーボール・モントリオール会というところで国際支援に行ったこと、また、UNHCR、国連難民高等弁務官事務所のお手伝いもしておりまして、こちらの方も理事などをしておりますので、そういった観点からもお話ができればと思っております。よろしくお願いいたします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 和久委員、お願いいたします。
【和久委員】  日本スポーツ振興センターの和久貴洋と申します。前回の会合に出席できず、大変失礼いたしました。私は情報・国際部というところに所属をしております。情報・国際部は、国際という名前が付いていますように、政府系のスポーツ機関であるとか、IF、IOC、IPCといった国際スポーツ関係団体とのネットワークを構築したりする部署でございます。そのような活動の中で、得られたことについて、この会議の中で発言できればというふうに思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 なお、本部会は、スポーツ審議会総会委員の皆さんにも御案内しております。本日は、山脇会長、渡邉委員に御出席いただいております。お二人から一言ずつ、お願いいたします。
【山脇スポーツ審議会会長】  皆さん、おはようございます。去年、スポーツ基本計画をまとめましたときに、世界とつながるというところで、この国際戦略部会、国際戦略ってやっぱり重要だということで、それから、あと、東京2020に対する世界の関心というか、非常に高くて、早急に取り組む部分と、それから、長期的な、中期、長期でございますけれども、是非、このスポーツ国際戦略部会でこの部分をしっかり御議論をいただきたいと。
 活発な意見がもうペーパーが出ていて、見ていますと、部会長、まとめるの、大変だなと思いますけれども、皆さん方、大いにいろんなアイデアや、前例のないようなことでも結構ですので、どんどん意見を頂いて、まとめていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 渡邉委員、お願いいたします。
【渡邉スポーツ審議会委員】  おはようございます。笹川スポーツ財団の渡邉と申します。審議会の方では、山脇会長のいろいろ指導を受けながら、委員として務めておりますけれども、もう一方の部会の健康スポーツ部会の方で、田邉さんと同じく、部会長を務めております。
 きょうはいろいろ皆さんの意見から勉強すること、多々あろうかと思いますので、是非、健康スポーツ部会の方も、こちらの部会も表裏一体でスポーツ政策を進めるといった観点から、いろいろ勉強させてください。よろしくお願いします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、まず、第1回部会の主な議論について、また、議論を踏まえたスポーツ国際戦略部会のイメージについて、事務局から説明をお願いいたします。
【今泉国際課長】  失礼いたします。それでは、資料1をごらんください。
 第1回会議においては、非常に貴重な、そして、とてもいい意見がたくさん出ております。詳細については参考資料3のとおりでございますけれども、今回は、簡単にそれを資料1の形でまとめましたので、振り返りをさせていただきたいと思います。
 まず、一つ目に、「スポーツによる国際交流とより良い社会づくり」についてでございます。この点は、ペーパーに書いてあるとおりでございますが、特に有森委員の方から、NGO、カンボジアのハート・オブ・ゴールドの取組におけるNGOの役割とか、また、日体協の小野寺委員の方からは、日体協の国際交流の取組、安岡委員、大日方委員の方からは、障害者スポーツを通じた共生社会の実現等において日本が貢献できるもの、JICAの鈴木委員の方からは、開発と平和におけるスポーツの貢献、その持続性の重要性などについて、御意見が出たところでございます。
 二つ目の「スポーツ交流とスポーツ産業」のところでございますが、まず、JETROの野口委員の方からは、ここに書かれてありますとおり、持続可能なプロジェクトとすることが大事であって、そのときに、民間企業のビジネスとしてのメリットを感じて参加する仕組み作りというのが必要であろうという話。あと、それ以外に、大日方委員の方からは、ウインタースポーツの振興とか、また、器具の開発等での民間企業との連携が必要であるという話。前原委員の方から、IFとその競技のマーケット規模の拡大に関する話、これは境田委員の方からも、同じく、バスケットボールの話でございました。さらに、原田委員の方からは、国際競技大会の招致とその開催、そこにおけるスポーツツーリズムの振興、そういう話がございました。また、山下委員の方からは、Jリーグのその取組の御紹介がありまして、スポーツ交流を通じたJリーグの取組を、先方にノウハウを提供することを無償で行い、その返礼としてビジネスネットワークの展開を頂いている。そういうことによって、ウイン・ウインの成長をするということも御紹介があったところでございます。
 裏面に行っていただきまして、「スポーツによる国際交流と地域振興」の観点では、篠原委員から、各自治体で行うに当たってのその体制、あと、国際担当部局やスポーツ部局、自治体内での連携が必要という話。あと、原田委員からは、インバウンドの話とスポーツツーリズムの話があったところでございます。
 さらに、「スポーツ国際人材の育成とIF役員の増加」の部分でございますが、大塚委員の方から、JOCの、昨日もJOCの国際フォーラムがありましたけれども、JOCの国際人養成アカデミーの話を含めて、スポーツ人材の育成の取組の話とか、また、斎藤委員の方から、フランスの事例をはじめまして、他国の事例の紹介がございました。また、安岡委員の方からは、こういう、「IFに役員を送り込む」という話は一朝一夕にできるものではなくて、国際貢献の日頃の実績を評価されてなるものであるので、その長期的な人材育成が必要という話などがあったところでございます。
 そのほか、JSCの和久委員の代理で野口さんの方から、他国のスポーツ国際戦略の把握・分析が必要であるという話、又は、成果と効果のKPIの議論が必要という話があったところでございます。
 以上、簡単でございますが、ざっと前回の会議の振り返りをさせていただきました。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御質問等ありますでしょうか。
【今泉国際課長】  それでは、続いて、資料2の説明もさせていただいてよろしいでしょうか。
【田邉部会長】  よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  では、続きまして、資料2の説明もさせていただきたいと思います。
 ただいま、資料1の前回会議で頂いた貴重な御意見、これがございました。それをまとめますと、いろいろと各関係者機関の間で行われておりますスポーツの国際展開の形態というのは非常に多様でありますし、また、アプローチの仕方も、開発の側面から、又は、産業の側面から、又は、スポーツ交流そのものの側面から、いろいろと多様なアプローチがあるということも御報告いただいたところでございます。
 その中で、エッセンスとしてまとめるのであれば、やはりスポーツの価値そのものを高めていくということと、それとともに、このスポーツの価値を通じて、様々な社会課題をスポーツを通じて解決する。その二つが恐らくエッセンスとしてあるのではないかなというふうに考えております。
 こういうことを端的に全ての人々に分かりやすく共有していただくためには、二つのことがあり得るかと思っています。一つは、先ほど、山脇審議会会長の方からも御紹介がありましたが、第2期スポーツ基本計画で既に2021年までのビジョンというものが掲げられております。「スポーツで人生が変わる」、「スポーツで社会を変える」、「スポーツで世界とつながる」、「スポーツで未来を創る」と。このビジョンの達成に向けて、このスポーツの国際展開を通じて、最大限の貢献を行うというのが、短期的に見れば、一つ、あるかというふうに考えております。
 もう一つが、長期的に見ると、このスポーツの価値を使って様々な社会課題の解決に貢献するということは、国際ブランドで既に国連の「持続可能な開発目標(2030年アジェンダ)」、いわゆるSDGsというものがございます。このSDGs自体は2030年が目標年でございます。ここに掲げている社会課題について、スポーツによる解決を目指す、こういうことについて、長期的な目標とすることは一つあり得るかなというふうに考えているところでございます。
 また、こういう短期的な目指すべき方向性と長期的な目指すべき方向性、これらのことについて行うに当たって、国際的な潮流を見ていく必要がありますが、これについては、第2期スポーツ基本計画の「スポーツで世界とつながる」、ここの部分については、中段にあります3点の社会作りが提言されております。すなわち、多様性を尊重する社会、持続可能で逆境に強い社会、そして、クリーンでフェアな社会、これが掲げられているところでございます。
 実は、これは本年7月に行われましたユネスコのスポーツ大臣会合、MINEPS・6の中で、同じく、スポーツ・フォー・オール、開発と平和のためのスポーツ、スポーツのインテグリティの保護という形でマッチしておりまして、国内施策とこの国際的なスポーツ政策の潮流というものが、今、合致している状況でございます。この中で、この部会において、スポーツ国際戦略の具体的なプログラムが提示できれば、国際社会においても、いいグッドプラクティスの提示になるかというふうに考えているところでございます。
 そして、下段でございますが、じゃあ、その際、スポーツの価値を使った社会課題の解決といった場合、じゃあ、スポーツはどういうふうに貢献できるのかということを考えてみたものが下段のものでございます。つまり、スポーツの価値そのものを高める、スポーツの価値というものを考えた場合、やはり、そのスポーツを通じた健康増進であったり、スポーツを通じた能力開発であったり、個々の個人で見れば、そういうものがあるかというふうに考えています。
 また、併せて、スポーツを通じて社会参加を促進していく、こういうものもあると思います。概念的には、縦軸と横軸で、現状あるものをこのスポーツの持っている価値を通じて高めていって、社会全体に参画する人の量と質の拡大を図っていくということが恐らくスポーツができる社会課題解決の方策の方法なんだろうというふうに考えました。実は、これは安倍政権の方でテーマの一つに掲げてある一億総活躍社会の実現にも資する考えになのではないかというふうに考えております。
 前回の会議を踏まえて、皆様方から頂いたエッセンスをまとめて、国際社会の潮流と合わせた形で整理させていただいたものが1ページ目でございます。
 以降、参考資料でございます。
 2ページ目は、第2期スポーツ基本計画の中の目指すべき社会作りと、黄色の部分で、国際的な潮流とのマッチングを図った資料でございます。
 3ページ目は、ユネスコでこれまで、ユネスコの体育、身体運動・スポーツ国際憲章がありました。その推移と、それに見るスポーツの国際政策の潮流についてのペーパーが3ページ目でございます。
 4ページ目は、その中で、特に最近行われました7月のユネスコのスポーツ大臣会合、通称MINEPS・6のその成果の「カザン行動計画」をまとめたものが4ページ目でございます。
 そして、最後、5ページ目でございますが、今後のスケジュール感、これは長期的なスケジュール感でございます。御存知のとおり、2019年から2021は大規模国際イベントがめじろ押しになります。このときには、まさにレガシーの創出期間というふうに考えます。それのためにも、今年と来年は、そのレガシー創出に向けた仕込み、種まきとして非常に重要な時期というふうに考えております。また、2021年は、まさに第2期スポーツ基本計画の完成年でもあります。それ目指して、まず、既に定められている第2期スポーツ基本計画のそのビジョンを達成していくというのがこれからの5年間のやるべき仕事になるかと思っております。
 その後、実は2022年から2026年が第3期のスポーツ基本計画になりますが、その完成年である2026年は、アジア競技大会が名古屋で開催されることが既に決定しておりますし、まだこちらはどうなるか分かりませんが、札幌市が冬季オリパラ大会の招致に向けた活動を始めようとしております。もしこれが仮に全ての条件が整って、うまくこのオリパラ招致を獲得できた場合には、実は2026年に向けたこの第3期スポーツ基本計画というのが2021年までのレガシーを更にどう発展していくのか、どう継続していくのかを図る重要な形になるかなと。
 さらに、その先を見れば、2030年が国連のSDGsの目標年でございますので、そういうものも含めて、その先のレガシーを考えていくというのも、このスポーツ国際戦略では考えられる点かなというふうに考えているところでございます。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 では、今御説明いただきました資料1、資料2について、何か御質問等ございますでしょうか。どうぞ。
【有森委員】  すみません、一つ加え、スケジュールというか、加えさせていただきたいんですけど、5ページ目のこのスポーツ国際戦略イメージの資料の資料2の5ページ目なんですが、2019年に、国内ではないんですけれども、スペシャルオリンピックス夏季世界大会がアブダビで、夏季なんですが、3月に開催されるということを是非付け加えていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 そのほか、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、それでは、本日は、各委員の皆様から、第1回でお話しいただいたことについて更に深める形で、それぞれのテーマに従ってお話ししていただきたいと思います。
 なお、本日は、秋元委員、清水委員が御欠席ですが、それぞれ、札幌市、及び、筑波大学よりお越しいただいておりますので、御発言いただきたいと思いますが、御異議ありますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【田邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、まず、各委員から発表いただき、その後、意見交換の時間を持ちたいと思います。それぞれ約6分程度でお願いしたいと思います。
 本日は、大日方委員、有森委員、野口委員、山下委員が、用務のため、途中退席されると伺っております。
 まずは、大日方委員から御発言いただき、その後に、有森委員、その他、その後、和久委員から、出席の順でお願いしたいと思います。各委員から御発言の後、札幌市の梅田部長、及び、筑波大学の高橋准教授から発言いただきます。最後に、境田部会長代理、そして、私の順に発言していきたいと思います。
 なお、本日は、今里次長は欠席の旨を聞いております。
 それでは、大日方委員から、お願いいたします。
【大日方委員】  皆様、おはようございます。それでは、トップバッターということで、いささかシンプルなそっけない資料でございますけれども、資料に基づきましてお話をさせていただきたいと思います。
 私、前回の会議の中で、二つ、三つほどお話をさせていただきました。少しそれについてもう少し詳しくということで、具体的に課題が何があるのか、そして、どういった方向で施策をしていったらいいのかということについての御提案をさせていただきたいと思います。
 一つは、ウインタースポーツの発展に日本がどのような貢献ができるのか、二つ目は、特に道具を使うスポーツに対して、日本が何ができるのか、そして、三つ目が、アスリートのセカンドキャリアとして、IF等の役員の増加、どのようなことが考えられるのかといったことについてお話をさせていただきます。
 まず、ウインタースポーツの発展についてなんですが、前回の会議でもお話し申し上げましたが、オリンピック・パラリンピック、冬季競技大会の開催というものがアジアで続くという実情がございます。18年、来年が平昌、そして、22年が北京大会、26年が、先ほどもお話がありましたように、うまくいって、首尾よくいくと、札幌が招致に乗り出すかもしれないということでございます。
 一方で、パラリンピックのスポーツにおいては、その地域的な事情もあると思いますが、アジアからの冬季の競技、参加している国の選手数そのものも非常に少ないという状況がございます。韓国、中国、そして、日本といったところがウインタースポーツに参加を、出場をしている国でありますが、改めて見てみますと、日本ほどウインタースポーツのほぼ全ての競技に出場が、参加選手を送り込んでいる国というものはございません。
 そういった中で、やはりアジア地域でのウインタースポーツの発展に日本がリーダーシップを発揮していく。そして、そのことを通じて、国際スポーツの世界でプレゼンスを上げていく。そういった逆にチャンスがあるだろうというふうに考えております。
 具体的には、三つほど上げさせていただきました。一つは、アジアの国から選手や指導者を日本に招きまして、ウインタースポーツの発展、育成と言った方がいいかもしれませんけれども、そういったことを日本に呼んでやるというような形があると思います。これは例えばJICAさんが取り組んでおられるような形のものとうまく連携するということも考えられるのではないかなというふうに思います。
 それから、二つ目は、冬季競技のナショナルチームの合宿、トレーニングセンターといったものを誘致するといったようなことがあるかと思います。昔ですが、長野県の白馬村にインドのナショナルチームの選手が合宿に来ているという姿を見て、一緒に練習を、オリンピックの選手ですが、したというような経験もありますので、更にそういったことを進める方法もあるのではないかと思います。
 それから、アジアで試合数を増やしていこう、例えば、アルペンスキー等でワールドカップを開催しようといった場合に、なかなか日本単独だと、どうしても試合数が少なくなってしまうので、わざわざ北米から、あるいは、欧州から選手が来るということに対する費用負担、あるいは、エネルギーが掛かるということで、ちょっとためらわれることがございますが、そういった中、ときに、中国や韓国と連携をして、国際大会というものを開いていくというような方法が考えられるのではないかというふうに思っております。
 二つ目は、スノースポーツの活性化にインバウンドをしっかり生かすということですが、これはもうよく皆様からお話しされることでもあります。スノースポーツ、大きく分けて、オーストラリアの地域、それから、アジア地域といった方々から、スノースポーツ、楽しみたいということで日本に来る方は多いんですが、その滞在時間とか遊ぶスタイル、そういったものが異なりますので、多様なニーズを取り込むために、やはり日本全体での戦略といったものが必要になるだろうというふうに考えます。
 二つ目は、道具を使うスポーツに対する日本の国際戦略というところでございます。
 まず、前提としまして、スポーツの用具の開発というものは、競技ルールに影響を受けます。皆様、スキー板の長さのことでありますとか、ジャンプスーツの空気透過率のことなど、御記憶の方もいらっしゃるかと思います。
 一方で、自国でのスポーツ用具の開発によりまして、その国の選手の競技力の向上に貢献できるという面もあります。これは裏返しますと、選手の競技力というものが逆にスポーツ用具の開発ができないことで少し下がってしまというような現状もあるということを、これ、スキー界の方はよく御存じのことだと思います。
 日本メーカーが用具開発がら撤退してしまっているというようなこともありますが、逆に言うと、日本国内だけでの市場規模で考えるのではなく、世界のマーケットにターゲットを当てることで、そういったことを増やす、あるいは、企業がより積極的に用具開発をできる、そのような形で考えることもできるということもあり得ると思います。
 日本の中小企業の中で、世界で評価されている事例というのは、スキーワックスであるとか野球防具でありますとか、幾つか事例があるということもお伝えしておきたいと思います。
 また、裏面に行きまして、パラリンピックのスポーツにおきましては、スポーツの用具開発に日本企業が非常に大きな貢献をしているということを是非皆様にもっと知っていただければいいなというふうに思っております。陸上用の車椅子でありますとか、チェアスキーといったもの、日本がグローバルスタンダードを取っているというようなところもございます。用具に関するルール作りにつきまして、こういった企業が用具開発をしてくれていることで、日本がリーダーシップを発揮していくということができるということがここから言えると思います。
 最近まで、割と中小企業が主流で用具開発をしてくださっていましたが、最近は、トヨタ自動車でありますとか、他の自動車メーカーなど、大企業が参入している事例といったものもあります。こういった中で、複数の企業が共同で用具開発を通じて、国際的なスポーツ発展にどう貢献していくのか、こういったプラットフォーム作りということも考え得るのではないかというふうに思っております。
 最後、アスリートのセカンドキャリアということなんですけれども、2020年のオリパラ大会やラグビーのワールドカップ等で、多くのアスリートたちが今、活躍をしておりますけれども、2020年以降は、そういった選手たちをどういうふうに、どのように、引き続き、国際的に活躍していってもらう人材とするのかということが一つ問題になっていると思います。
 課題は、英語力、それから、ロールモデルが、パラスポーツの場合、特になかなかいないといったような問題があると思います。JOCが長くも取り組んでいるスポーツ指導者の海外研修プログラム、こういったものをより戦略的に充実させていくとともに、パラリンピックの方は、まだそういった研修プログラムの月日、浅いですので、より充実させていく。そして、アスリートがしっかりと支える側に回れるようにというような、選手としての実績やネットワークを生かせるような場作りというものを通じて、IF役員になっていくというのも一つの選択肢ではないかなと、このように思います。
 以上になります。ありがとうございました。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 では、有森委員の方、お願いいたします。
【有森委員】  皆さん、おはようございます。有森です。資料提出が非常に遅れまして、それもましてや、けさ、コピーをしていただいたという。この資料自体は、前回私が少し触れました、私自身がやってきましたNGOの、NPOのハート・オブ・ゴールドをどうやって、どういう形でやってこれたかというところの、特にその核心たるところに関わってもらった人材の人間がおりまして、私がまとめるよりは、彼がまとめた方がすごく分かるなと思って、きょう、急遽、こういった形で作らせていただきました。
 この資料に沿って話をするというよりは、この、これはちょっと皆さんの参考として見ていただけたら、有り難いかなと思います。時々、ちょっと話の中に出てくる内容は後で御説明をさせていただきたいと思います。
 
 前回、私がきょう話を割と詳しく掘り下げしてしたいと思うのは、ハート・オブ・ゴールドというNPOで1998年に立ち上げました。その当時、スポーツを通して国際的に活動するというようなスタイルは余り日本に根付いていなかった現状があったと思います。その当時、スポーツ選手もそういったことに関わるという感覚もなく、ただ、教員になるか、指導者になるか、そのまま終わるかと。あれだけ国際的に活躍をし、現場を見、いろんなことを感じて、いろんなノウハウを持ったアスリートたちが、そういった形で終わるしかないという時代は結構長かったと思います。
 そんな中で、私はある意味ラッキーだったなと思います。マラソンというちょっと競技の特性もありましたけれども、ちょうど1996年という、ちょっと記憶に薄れておりますけれども、アトランタオリンピックというのがありました。あそこでメダルを取ったことで、非常にそこの価値を生かしたいと思ってくださるメディアの方ですね、がいらっしゃいまして、そういった世の中的に名前を成した人間をどうやって使っていくか、それを国際的に使えないかというような発想を持った方との出会いは大きかったと思います。
 そういう流れから、私がどういうふうに活動に関わり、してきて、今、何を感じているかということをちょっと6分以内で話せたらいいなと思って、話を続けさせていただきますけれども。
 ちょうど私が1996年を終えたときに、カンボジアという国ですね。カンボジアが非常にタイミングとしては、ポル・ポト政権という、国内が非常に荒れ、内戦が起き、そこをどうやって立ち上げていくか、立て直していくかと。
 特に一番問題としてあったのは、子供たち、人間のつながりを切ってしまって起こした内戦、信頼、信用、全くなし、特に子供が大人に対する虐待じゃないですけど、子供に大人を罰させたという、非常に家族関係も人間関係も全て断ち切るような、そういった非常に悲惨な残酷な政策が行われた中での国の立て直しというのは非常に難しかった中での、どうやったらできるかという一つの方法に、その方法とともに、そのどうするかという方法論とともに、そういった子供たち、人たちの精神的なものをどうやって立ち直らせていくか。物資というよりは、精神的なところですね。人材の精神の育成というものをどうやっていかなければいけないか。この両面が非常に必要な国として最たるもの、国だったかなというふうに、その当時、感じております。
 そのときに、身体、内面的な、精神的なところをまずいろいろ立て直していくにも、そこを元気にする何か内容がなければ。じゃあ、これは何なんだろうというところに、スポーツが有効なんではないかという、その発想をしたメディアの方がいらっしゃいました。その方は、国内においても、国内、日本の国内でスポーツ、ランナーズエイドというランニングを通した活動ですね、チャリティー活動も含めて、結構、関西の方で頻繁に、何ですかね、バレンタインチャリティーランとか、大阪国際女子マラソンを作った方でもありますけれども、積極的に海外の国際的な方々を呼んで、日本人と国際というのをつなげるような、そういった流れを作っていくことに非常に積極的な方でもありました。
 そのメディアのそこ自体も、アジアを救う会というか、アジアを救おうというタイトルで、頻繁にスポーツを通した社会的な国際活動という、国際支援というのをやるような流れもありまして、その方から、ちょうど96年、名前が上がっていた私に話が来まして、ぜひカンボジアに来てほしいと。
 カンボジアで、スポーツを通して、子供たち、人たちの自立支援、そして、形としては分かりやすい対人地雷の撲滅というか、地雷によって手足を失った子供たち、人たちの精神的苦痛、そういったものを理解できるのはランナーだろうと。そのランナーがまず、その国で、その元気さを通して、それで、精神的にダメージを受けている人たちに対して、できることをやっていこうという、そういった発想を持たれまして、その当時の現地に、こういうカンボジアの現地に根付いておりましたNGOの組織、プラス、多分、旅行会社もされていたと思うんですが、カンボジアにいらっしゃった日本人の方々とつながって、アンコールワット国際ハーフマラソンというマラソン大会を第1回目を96年に実は行うことがもともとの全てのきっかけとなりました。
 このとき、じゃあ、カンボジアは、マラソン大会、スポーツなどはどういう状況かといいますと、まったくもって、もちろん、今の流れでいいますと、もう興味もなければ、やる状況にないと、スポーツをするような発想さえも持っていない。マラソン大会で走っていると、横にバイクとかトゥクトゥクが来て、乗っていけと言う、そんな状態ですね。スポーツの価値なんかというものを考える余地もなく、余裕もない、そんな中に、このアンコールワット国際ハーフマラソンというものを持っていく難しさはもちろんありました。
 第1回目はもう惨たんたるもので、14か国ぐらいの参加はありましたが、参加ランナーは654名という、ほとんどが日本人、100名ほどがカンボジア人ですかね。あとはもうほとんど日本から、活動とともに行って、とにかく第1回目をやろうと、スポーツをこの国でまず見せようと、感じさせようと、これから何が起こる、何ができるかということというような、本当に漠然とはしていますけれども、チャレンジということで持っていったこのアンコールワット国際ハーフマラソンが1996年、第1回目として行われました。
 私もそのときに行きましたけれども、正直、スポーツの力なんていうのは全く感じない、何が一体できるんだということが目の前にしかなくて、正直、信用していませんでした。これ、もう1回で終わりだなと。
 そう思っていた翌年に、1997年、また第2回目をやると。意味のないことだと思っておりましたが、このときに、いいタイミングではなかったんですが、でも、これがいいきっかけになった。たまたま、97年はカンボジアがまだ内戦が起きるんではないかという寸前の状態にありまして、非常に国の中では危機感を持つ状態にありました。これはそれを使ったと言われればそうなんですけれども、だからこそ、じゃあ、スポーツがここで生かせるんじゃないかと、よりという発想の逆発想の下、とても無理だ、開催は無理だと思われていましたが、このマラソン大会を第2回目を開催しました。
 ただ、開催するだけではなくて、このときに、社会的要素を組み込みました。スポーツイベントなんですが、スポーツというのは社会とつながり、社会とのつながりがあることが、私はこのとき、初めて大事だなというふうに思ったんですが、この第2回目に、実は内戦が起きそうになった一つの要員としてあった、2人の対立する第1首相、第2首相、このお二人を参加していただきました。両方対立はしているんですが、それで、内戦が起きそうな状況のときに、このお二人が同じイベントに、ましてや、スポーツイベントに一緒に出席をし、そして、300メートル、一緒に走っていただきました。それを、一方、メディアで国内で放映をしていただくと。
 この流れを見せたこの瞬間に、カンボジアの国内において、平和というもののアピールが完全にできたということに至ったわけです。これはまさにカンボジアのみならず、世界じゅうにアピールをすることができた。
 このことができたときに、私自身は、単なるスポーツなんだけれども、スポーツというものがこれだけこの場を使って社会に、ましてや、世界に力を、この方法論が力を持てるという、このスポーツの持つ力というものを初めて感じ、そして、この重要性ですね。これはもっといろんなことができると感じさせてもらった流れとなったわけです。
 この流れを通じて、そこからは毎年、このマラソン大会という、マラソン大会というスポーツイベントを入れることによっての国内においてのいろんな子供たちの身体的な育成、そして、もう一方では、社会的な問題の解消、解決ですね。そういったものにつなげていくという、そういったことが年々、きっかけとしてできていったかなと。
 この流れ、スタイル、このハート・オブ・ゴールドの入りを活動スタイルを考えたときに、今、皆さんにお配りした資料の2ページ目になります、「スポーツに紡がれた発展的活動」の下の方にありますけれども、4Tと書いてありますが、これはよく考えたんですけれども、「適切な人材」が「適切な時期」に「適切な組織」とともに取り組む、取り組める「適切な環境」を確保する必要、これができることによって、問題解決も含め、人材の育成、社会の変化という、そういったことが起こしていける流れの大事な内容なのかなと。
 私自身で言いますと、現役で一番名前があるときに、その自分のものを生かしていきたいという組織に出会い、その組織の人たちと組んで、ある意味、活動として現場ででき、見せ、そして、それに対して適切な組織が関わってくれて、活動となって今現在いろんな形をなし得ていっている。結局、今、ハート・オブ・ゴールド自体は、この流れを追ったことによって、初めて、多分、NGOとしては、スポーツを通して初めての形だったと思うんですが、一NGOと教育機関でもある、教育機関、大学ですね。大学の専門家の方々と、そして、国内の国際協力の専門家のJICAの、こちらにもJICAの方、皆さん、いらっしゃいますけれども、その方々との連携において、国内における、カンボジアの国内における教育現場の体育、スポーツというものの根付き、教育を増していける環境というものを形付けていく流れが今現在できています。
 そういった中で、私たち一NGOだけではできません、何も。ただ、こうやって、きっかけは流れはありますけれども、いろんなタイプがありますけれども、その中で、自分たちの専門性、だけど、これが必要だねと、またこの必要なものを持っている組織と連携をする。そして、情報をまた流していって、またそこにそれに必要な専門家に入ってきてもらう。こういった流れが、非常に国際的な活動をしていく、スポーツを通して、特にやっていく中では大事かな。
 スポーツでもってできるものは限られます。それをより専門に、国際的な活動としてつなげていくには、やはり多くの人たちとのつながり、コラボレーション、ネットワークのつながり、そういったものが、ネットワークがあることが大事なのではないかなと思っております。
 今現在では、もちろん、ハート・オブ・ゴールドがやってきたその流れが、国のスポーツ・フォー・トゥモローという事業にも結び付く、そういったことにもつながったと思っておりますので、こういったことが、特にスポーツはほかのいろんな活動をするに当たって、一からやるより、やるというよりは、非常に得だなとか、特権というか、そういったものが、どこのどのスポーツをとっても、必ずそこにヒーロー、ヒロインがいると、シンボライズを立てれるという。
 このシンボライズをもって、世界とつなげていける、世界にそのいろんなものを説明できていく、広めていけるという意味では、活動がしやすい方法として使える要素を持っているものだと思いますので、特に人材育成、いろんなことをしていくに当たって、このスポーツの生かし方、それで、ほかとのつながり方というのはもっともっと生み出していけるんではないかなと感じております。
 時間感覚ゼロです。はい。以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、野口委員、お願いいたします。
【野口委員】  それでは、お手元の資料をごらんください。一枚紙でございます。
 私どものJETROのスポーツ分野での取組の御紹介と、併せまして、今後のスポーツ産業の海外展開の方策について発表致します。 まず、最初のページをごらんください。
 JETROは、「未来投資戦略2017」において、スポーツ分野の海外展開支援を重点的に行うようにとのご指示を頂戴しております。この方針の下、現在、スポーツ分野の成長産業化に向けた取組に鋭意、着手し始めたところでございます。
 スライドの左側の下のところにありますJapan Sports Showcase、先月はミャンマーにおいて、スポーツ庁様が主導されました「第1回日ASEANスポーツ大臣会合」の併催事業としまして、スポーツ庁様の共催を得まして、我が国のスポーツ産業の特徴、魅力を紹介する初の広報展示、Japan Sports Showcaseを開催しました。。本部会でお世話になっております日本スポーツ振興センター様やJICA様、Jリーグ様に加え、フィットネスやスポーツ教育指導などのサービス業からサポーター、体組成計、理学療法機器などのメーカー様まで、合計17社・団体の取組を、ASEANの閣僚や競技団体幹部らにPRしてまいりました。そのときの様子の写真を付けておりますので、ごらんください。
 来場された各国の要人からは、「日本式の水泳指導を是非取り入れたい」「スポーツの指導者の派遣サービスなどにも関心がある」といった具体的な御要望も頂戴しております。日本へのアジアからの期待、そして、アジア市場への新たな展開に大きなポテンシャルがあると実感しているところでございます。
 同じページの右の方の囲みでございますが、「健康長寿広報展」という事業をご紹介いたします。もう一つの事例としまして、JETROは、これまでASEAN各地で、我が国初のヘルスケア関連製品やサービスを現地消費者の方々に紹介する「健康長寿広報展」を取り組んで参りました。高齢化の加速や生活習慣病の拡大といった健康課題の解決に、我が国の経験を生かせるはずと毎回50前後の企業様の参加を得てPRを行ってきております。
 延べ約220の企業様が出展され、現地16万人以上の消費者に向けた情報発信をしてまいりました。分野としては、予防、健康管理から健康食、美容まで幅広くございますが、中でも、若者から中年、高齢者まで幅広い年齢層の健康維持、増進に役立つものとして、スポーツを中核コンテンツに据えております。
 ページの裏側をごらんください。3のスライドでございますが、今年3月にハノイで開催した広報展では、スポーツ関連企業の製品・サービス紹介はもちろん、スポーツ・フォー・トゥモローやJリーグ各クラブのPR動画を来場者の多数の時間を捉えて放映したり、あるいは、エクササイズ、ウォーキング指導などのステージイベントを取り組んだりと、多くの関心を引き付けております。そのときの様子の写真を付しておりますので、御参照ください。
 健康長寿広報展は、現地の方に、体験型で、日本の製品・サービスの魅力を感じていただき、ファンになっていただくことで、最終的に日本企業の海外販路拡大につながることを目的としております。次回は来年3月に、日本・インドネシア国交樹立60周年の機会を捉えまして、ジャカルタ市内の大型ショッピングモールの中で、約50社の出展を予定しています。
 最後でございますが、4のスライドをごらんください今後の方策ですが、我が国ではスポーツ市場を2025年にかけて現在の約3倍の15兆円に拡大する目標を掲げています。一方、海外に目を向けますと米国は既に50兆円のスポーツ市場が広がっており、また、中国でも約20兆円の市場を更に4倍以上にするという目標を掲げられています。世界には相当な市場が存在すること、各国がスポーツを成長産業として伸ばそうとしていること、そして、各国がそれにしのぎを削り世界市場の獲得競争をしている、そういう状況に今、あるわけです。 官民が一体となって、スポーツ産業の海外展開を強力に後押しするには、まず、戦略立案に要する海外現地の市場の実態、規制や、そういった周辺の情報をまず収集し、分析し、海外展開に関心のある方々に、必要な情報がきちんと届くような仕組みを作っていく必要があると考えています。 また現状、新興国市場では、欧米企業のプレゼンスが圧倒的でありまして、スポーツ産業イコール日本というブランドイメージ確立に向けて早急に取り組む必要があります。私どもJETROは、スポーツ産業の広報展示、Japan Sports Showcaseシリーズを今後も各地で継続してまいりますが、さらに、国際競技大会や政府要人が集まります国際会議などの機会も活用して、効果的な広報を図ることが重要と考えております。
 そのほか、スポーツを真に成長産業化するに当たっては、民間企業の皆様がビジネスとしてメリットを感じ、自ら積極的に取り組める環境が必要であります。中でも、意欲ある企業様が海外の優良パートナーと出会える良質な商談機会の提供というものも必要です。。また、スポーツツーリズムの外国人誘客を図ろうとする自治体に、海外向けに効果的なPRを実施する支援にも取り組んでいく必要があると考えております。
 JETROは国内40か所以上、海外70か所以上の事業所ネットワークを活用し、これからスポーツ産業の成長産業化に向け、情報収集・分析、あるいは、広報、ビジネス支援等、スポーツ産業の海外展開支援に重点的に取り組んで参ります。い今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 簡単ではございますが、以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、山下委員、お願いいたします。
【山下委員】  Jリーグの山下です。よろしくお願いします。
 まず、先週土曜日なんですけれども、浦和レッズがアジアのチャンピオンに輝きまして、皆さんの御支援、本当にありがとうございます。(拍手)12月に、UAEのアブダビで開催されるクラブワールドカップに出場しますので、また、Jリーグ、日本の良さを伝えて、世界に伝えていきたいと思っております。
 では、資料に入らせていただきます。
 まずもって、私、プロジェクターで映せるものかと思って勘違いしまして資料を作ったので、物すごく文字数が少なく、粗い資料になっておりますので、プロジェクターを見ているかというようなイメージで見ていただければと思っております。
 本日ですが、Jリーグが行っている国際戦略を三つの観点から説明させていただきたいと思っております。まず、ビジネス観点、そして、社会貢献観点、世界の動向というのは、先日、ちょっと国際会議に出てきましたので、そのことを少しお伝えできればと思っております。
 めくっていただきまして、まず、ビジネスですが、Jリーグですが、大きく分けると、その資料の、すみません、ページ数も書いてないんですが、放映権料とスポンサー料というようなもので支えられているんですが、日本自体を見ていきますと、人口減少、高齢化していく中で、放映権料、スポンサー料だけに頼っていると、市場が伸びないんではないかと思いまして、2011年ぐらいから、第3の収入の柱となるような何かができないかというようなことで、国際化を考え始めました。そのときに、まず、ターゲットに考えたのがASEANです。経済が伸びていて人口も伸びているというところから、ASEANについて取り組めないかと思いました。
 めくっていただきまして、縦軸に強さ、横軸に年代と書いてある表なんですが、これはサッカーのレベルが縦軸に置いていまして、年代と申しますと、昔はタイとかマレーシアにも日本サッカーが勝てなかったものが、Jリーグは1993年に始まりましたが、その頃から、日本のサッカーが急成長しまして、ワールドカップも今、6回連続出場、オリンピックも6回連続出場というような形になりまして、日本サッカーが急成長してきたというようなものがありましたので、この短期間で急成長してきたものがJリーグの強みになるのかなと。その強みを生かして海外展開にしようと思いました。
 下にあるJリーグの強みはということですが、弱かった歴史が浅いアジアにいるというようなことを書かせていただいていまして、一見、全く強みに思えないかもしれないんですが、弱かったからこそ、強くなってきたノウハウがある。歴史が浅い、イコール、短期間で強くなった。アジアにいるというのは、アジアの一員で、ともに成長しようというようなメッセージが言えるというような形で、ヨーロッパ中心のサッカー界において、アジアにいるということが逆に強みになるなというふうに思っています。
 めくっていただきまして、私たちが掲げているのが「共に成長する」というメッセージになりまして、左の方の青丸がアジアのサッカーマーケットだとしますと、日本のJリーグのサッカーマーケットというのはアジアの中ではそこそこ占める割合が大きかったんですけれども、世界的に見たらまだまだ小さいので、Jリーグが培ってきたノウハウ、サッカーが強くなるとか、リーグをうまく運営するというようなノウハウを全てアジアマーケットに無償で提供していって、アジアのサッカーマーケットを大きくしてきながら、自分たちもともに成長していきたいですというようなメッセージをアジアのサッカー界の人たちに訴えると、非常に共感を得られて、では、一緒にやっていきましょうと、是非日本、助けてくださいというような形で、共感を得られて、一緒に動けるようになってきました。
 次の図なんですが、海外と地域をダイレクトに結んでいるというような図なんですが、Jリーグは、今、J1からJ3、3部リーグまで、54クラブ、38都道府県に広がっているんですが、必ずチーム名に地域名を入れるというようなことが決まりになっています。ですので、そのクラブ名が海外で報道されればされるほど、どんどんその地域のことが有名になっていく。クールジャパンということで、アニメとかファッションをうたっていくと、日本ということへの高感度とか、興味、関心というのはどんどん湧いていくと思うんですけど、なかなか地域に落とし込めないと思うんですね。
 ただ、それがサッカーにおいては、地域名がどんどん知られていくことによって、地域へのインバウンドとか地域の産業、地域のものが売れるというようなことで、クールジャパンの先のクールローカルというところにお役に立てるのが、日本全国に広がってきているJリーグかなというふうに思っていますので、我々の国際戦略としましては、Jリーグ本体だけではなくて、クラブを巻き込んで、クラブと一緒に海外に出ていくというようなことをやって、地域を、日本の地域を活性化していくことに役立ちたいと思っております。
 めくっていただきまして、次、海外と企業というようなことで握手している図があると思うんですが、その下に、アジア各国のサッカー界に携わる方々というので一例を載せさせていただいていますが、本当にアジアのサッカー人気が高く、経済が伸びてきている中で、アジアの財閥、政財界の重要な方々が、サッカークラブのオーナーだったり、リーグの会長だったりというのがありまして。
 彼らが日本が弱かったのに強くなってきたというのを知っていて、何とか日本に学びたいと思っていたところに我々が行って、ともに成長しましょう、あなた方が欲しいノウハウを無償で提供しますというふうなことを言うと、そこで、ありがとうみたいな形で感謝をされるんですが、そのお返しに何をしたらいいんだと彼らから言われるので、あなたのビジネスネットワークを紹介してくださいと、一緒にビジネスを、日本のクラブのスポンサーとかJリーグのスポンサーとビジネスしませんかというようなことを提案すると、是非喜んでやりましょうというような形になりますので。
 こういう形で、日本の企業のアウトバウンド等にも非常に彼らのネットワークを生かす、サッカーでつながった縁をビジネスに生かしていくというようなことも今、現在、実施しておりまして、実施しております。いろんな事例が出てきているんですが、きょうはちょっと事例を割愛させていただきますが、かなりの事例、出てきております。
 続きまして、社会貢献ですが、キーワードは笑顔かなというふうに思っております。下のページに書かせていただいていますが、こんなことをやっていますというので、1個は、日本全国のクラブのサポーターからユニフォームをJリーグに送っていただいて、それを世界の子供たちに届けるというような活動をしておりまして、カンボジア、2011年のカンボジアから始まりまして、東ティモール、ミャンマー、ブータン、モンゴル、スリランカ、そして、バヌアツに行ってきました。
 来年、先ほどの資料を見たら、2018年、日大洋州スポーツ大臣会合というのがあるというのも見ましたので、来年も、是非どこか、大洋州に持っていけるといいのかなというふうに思っております。
 そのほかには、対ミャンマーの国境付近にある難民キャンプの支援も毎年、2012年から継続支援させていただいていたり等、スポーツ庁と日本スポーツ振興センター様にも御支援いただきまして、ネパールでの防災教育というようなこともやってきました。そのときは、サッカーだけではなくて、バレーボールや野球もJリーグから声を掛けて、そこの指導者も一緒に現地に行って、スポーツ教室をやって、防災教育をするというようなこともやってきました。
 ほかは、スリランカとかタイでもやっておりますし、あと、国際交流基金、資料にはないんですけれども、国際交流基金のサポートを得て、ASEAN10か国に対して、Jリーグの10クラブが指導者を短期派遣したというようなこともやっていますし、今、資源エネルギー庁様にも御支援いただきまして、UAEのアブダビとのスポーツ交流というのもやらせていただいております。
 次からが、本当にプロジェクターに映すイメージだったので、写真しか載っていないんですが、こちらは、バヌアツ、9月の末に行ってきたバヌアツの写真になりまして、一番上は何をしているかというと、日本のサポーターはスタジアムを自分たちの家のように考えていて、応援が終わった後、みんながごみを自分たちで掃除して持ち帰るんだよというような話をしたと。バヌアツの子供たちにも、自分の校庭をまずきれいにしてから、スポーツを楽しみましょうというようなことで、一緒にごみ拾いをしているような写真になります。ユニフォームを配って、本当にすてきな笑顔が生まれているかなと思います。
 めくっていただきまして、次のページもバヌアツですね。いろんな国に行きましたし、あと、ちょうど下の写真なんですが、ここ、すごい離島といか、ちょっと離れた島に行ったんですが、そのときは、バヌアツがちょうど今年の12月に、アジアの大洋州のオリンピックみたいなものを開くということで、それのPR活動もこの島にやっていくということだったんで、一緒に、そのパシフィックミニゲームというところの事務局の方と一緒に行って、パシフィックミニゲームのPRとともに、JリーグのPRもしてきたりしました。
 めくっていただきますと、2016年のスリランカ、2015年のモンゴル、まためくっていただきますと、ブータン、ミャンマーですね。あと、東ティモール、カンボジアなどというような形で、本当にJリーグのクラブのサポーターが送っていただいたものが、子供たちの笑顔に変わっていくというところを目の前で私、ずっと見ててきいまして、本当にスポーツの価値というのは、する、見る、支えるとよく言われますけど、本当にいろんなところで発揮できるかなと思っております。
 また、最後めくっていただきまして、最後になりますね。2012年から15年、タイの難民キャンプと書いてありますが、これ、すみません、17年の今年までやっていますので、ちょっと資料古いんですが、難民キャンプでサッカー教室をやりながら、夢を持って、第三国定住とかというような形で海外に行くということによって、大人になっても、難民キャンプで過ごすだけではない選択肢もあるよというようなことも伝えていったりしています。
 あと、下の2016年、ネパールと書いたのはスポーツ教室で、ネパールの学校17校を回って、5,000人の子供たちに防災教育をやってきたんですが、そのときの様子で、これは野球を、ビニールボールを投げている女の子たちなんですけど、非常に笑顔がすてきだなと思って、載せさせていただきました。
 めくっていきまして、最後、世界の動向というところなんですが、先日、10月30日、31日の2日間、ドイツのボンにある国連のビルにおいて、スポーツにおける気候変動対策というような会議が開催されまして、そこにJリーグのチェアマンが招待されたんですけれども、ちょっと都合上、ちょっと行けなかったので、代わりに私が参加させていただきました。
 会議の目標としては、国際会議とか、排出量ゼロ経済を目指していくというようなことが今、パリ協定とかで結ばれていると思いますが、その中で、スポーツがどんな役割を果たせるんだというようなことだけに特化した会議が、国連が主催して行われました。
 その参加者なんですが、参加者、次のページにも具体名が書いていますが、いろんな各界の世界じゅうのいろんなスポーツ界、サッカー界だけではなくて、ゴルフとかテニスとか、フォーミュラとかというところがありまして、その次のページ、出席者、所属部署、団体名とあるんですが、赤字に書いてあるところがその部署名のところで、サステナビリティとかが入っているようなところで、本当にもう世界じゅうの競技団体等が、もうサステーナブルというところをキーワードに部署を作って、実際の活動をやっていて、本当にスポーツというところが社会にどうやって貢献していくのかと、自分たちのスポーツ競技の発展だけではなくて、社会にどうやって貢献していくのかというのをもう行っているんだなというのを感じ取ってきました。
 Jリーグは、正直、そのような部署が、今のところ、ないんですが、なぜJリーグが呼ばれたのかというのを国連の人に聞いたところ、これから取り組んでいけそうなところというところと、世界じゅうから呼ぶことが大事で、アジアからはスポーツ団体としてはJリーグだけだったんですけれども、アジアにおいては日本が先頭に立ってそういうことをやってほしいというようなことを国連の方からも言われました。
 次の、あとは、その会議の様子と参加者の様子でも写真を載せさせていただきました。
 以上になります。ありがとうございました。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、和久委員の方から、順番に、御発言の方、よろしくお願いいたします。
【和久委員】  それでは、よろしくお願いいたします。
 私の方からは、国際戦略、国際協力貢献、あるいは、国際スポーツイベントの招致開催など、いろいろな国際交流活動があるわけですけど、これらを通して何を、その国際戦略上、何を狙うのかということと、様々な国際展開を行う上でのJSCの方で今取り組んでいるプラットフォームを幾つか御紹介をしたいというように思っています。
 資料が幾つかありますので、ポイントだけ説明をする形で進めたいと思いますが、まず、きょう、当日、配付をいたしました諸外国の国際戦略という資料をごらんください。
 諸外国も、こうした国際展開、あるいは、国際交流活動を様々行っているわけですけれども、彼らがこういった国際交流活動を通して何を狙っているのかというところをまず押さえておく必要があろうかと。
 これらについて、幾つか情報を集めながら整理をしていくと、諸外国が考えている国際交流、国際展開は、国際スポーツ界、又は、国際社会において、その国の、その国自国、あるいは、その国のスポーツのプレゼンスを高めたり、影響力を高めていくというところにその狙いがあるということが主流です。
 これらのことをやるために、四つの柱を展開しているんですけれども、その四つの柱というのが、国際スポーツイベントの招致・開催、IF(国際競技連盟)の中での役員の育成、そして、選挙、ポストの獲得、そして、国際交流・協力活動。最近注目されているのがスポーツのインテグリティに関する取組です。
 この四つの柱がそれぞれ別々で行われているわけではなくて、それらを連動させながらやっているというところが非常に興味深いところですが、これが非常に一番分かりやすいのがイギリスです。イギリスは、国際スポーツイベントに関しては、Gold Framework、UK Mega Events Policy Frameworkというイギリスの政府とUKスポーツが策定をしたそのポリシーがあって、それに基づいて、長期的に、どの大会を招致、開催していくかという戦略を立てています。なおかつ、英国国内の中で、その招致をするイベントが重複、地方都市間で重複をしないようにするということも含めて、戦略を立てています。
 一方で、イギリスの国内の中で、スポーツのインテグリティが非常に今、重要視されていて、英国の競技団体のインテグリティに関する基準を非常に高いものを設定しています。それで、英国のスポーツのガバナンスを含めたインテグリティのレベルを上げること、上げて、それを理解をした人をIFに送り込むという戦略をやっています。そうすることによって、そのIFの中でのスポーツのインテグリティの標準化が、国際的な標準化が図れるということです。
 国際協力・交流については、国際競技連盟の重要なビジネスの一つである競技の普及に対して貢献をしていくということで、このトータルとして、英国の存在価値というか、プレゼンスというものを、影響度を高めていくという戦略が見えてきます。
 もう一つ、オーストラリアの事例を挙げていますけれども、オーストラリアも、Australian Sports Diplomacy Strategyという外交戦略を打ち立てています。その中で重要なターゲットとして、アジアがもう設定をされていて、このアジアの中では、アフガニスタン、中国、インド、インドネシア、ラオス、ネパール、スリランカ、タイ、東ティモール、パキスタン、こういったこれらの国々がターゲット国として設定をされていて、なかなかいい狙い目だなというふうに思います。
 こういった国際戦略の狙いがあった上で、個別にちょっとこの別の資料を、本来の資料を見ていただきますけれども、JSCの方では、IFのポストの獲得状況から見て、日本の今の国際スポーツ界の中での影響力、これのポジションニングを把握するということをやっています。
 特に、その国際スポーツ界の今後の動向性、動向に対して、意思決定に関わるポストにどのぐらいの人が着いているのか、そして、その影響力はどのくらいかということを得点化することを通して集計をしています。会長が5点、副会長2点、理事が1点というふうにそれぞれ得点をしています。
 ポストの獲得ポスト数からいくと、日本は今、9位ということなんですけれども、影響力については日本は11位というポジションニングになります。日本は、そのポストの獲得数、あるいは、影響力といったところでは、現在、アジアの中ではナンバーワンということですけれども、上位のランキング国を見てみると、やはり理事会の上位役職を多く獲得している傾向があると。この辺を横にらみをしながら、今後の国際活動を展開していく必要があろうかというふうに思っています。
 続いてこれからお話しするのは、国際展開を行う上での幾つかプラットフォームをJSCは運用していますので、そちらを御紹介したいと思います。
 まず、次のページのローザンヌ拠点ですけれども、こちらはスポーツ庁からの受託事業を受けて、今、展開を、運用していますローザンヌの拠点です。この拠点の中でどういった活動をやっているかということなんですけれども、新しく今、進めているのがスポーツとビジネスの新規の事業の開拓、連携化といったところを中心に進めています。
 上から四つ目、左側の上から四つ目のボックスにありますけれども、Sports Accord Conventionであるとか、Sports and Innovation 2018といった国際会議の場を利用して日本のスポーツビジネスの国際展開を図る機会として、その国際会議を活用するといったことも、新規のプログラムとして今、進めているところです。
 さらには、その横にありますけれども、国際スポーツ界に日本人を入れていくということなんですけれども、そのIFのポスト獲得だけではなくて、IFの事務局といいますか、実務レベルの中にも人を送り込んでいくということが重要で、このIWorkinSportというその機会を、IFの実際のスタッフと直接的に就職に関するミーティングをする場が初めて、第2回目が開催されます。こういったところに日本人、日本との接点を創出をしていって、国際戦略の実現に向けた機会の有効活用と、有効活用していくという、そういった機会を創出していくというのがローザンヌ拠点の一つの大きな役割かなというふうに思っています。
 続いて、スポーツ・フォー・トゥモローですけれども、これもスポーツ庁からの受託事業で展開しているプラットフォームです。この中の特に重要なのは、(1)番のスポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアムです。このコンソーシアムは、このスポーツ・フォー・トゥモロー・プログラムを通して設置をされたコンソーシアムですけれども、国際交流活動を展開する上での重要なプラットフォームで、こういったプラットフォームというのは日本独自で、ほかの国にはないユニークなものです。ですので、これをしっかりと残していくというのが今後の国際戦略を展開する上で重要な柱になっていくというふうに思います。
 SFTCのその加盟団体としては、スポーツ関連団体が97、民間が89、NGO、NPOで79など、その他、自治体、大学など、今、352団体が加盟をしております。非常に大きな拡大されたコンソーシアムですので、これをうまく有効活用していくという必要があろうかなというふうに思います。
 特にいろんな異なる組織が入っていますので、このネットワークを活用して、国際プログラムを展開する上でのマッチングを有効活用させていくということが重要かなというふうに思います。そのほか、各団体が行っている国際交流活動もデータベース化しております。現在、3,000件のデータが登録されていますので、これらを見ながら、次の戦略を考えたりする上でもいいのかなというふうに思います。
 国際、この事業の中でも、国際協力事業をやっておりますけれども、今後は、その国際スポーツ界や国際社会の中での日本のインフルエンスを高めていくということを意識しながら、活動をより精査していくということが必要かというふうに思います。
 続いて、次のページです。こちらも、こちらはアジア、Association of Sports Institutes in Asiaですけれども、これはJSCの西が丘地区が中心になって、情報・国際部と西が丘地区で新しく創出をしたアジアに特化した国際展開のプラットフォームの一つです。
 現在、9か国10組織がこれに加盟をしています。カタール、シンガポール、香港、シンガポール、フィリピン、ネパール、バングラデシュ、マレーシア、台湾、これらの国々のハイパフォーマンスセンターが加盟をしているわけですけれども、2015年に創設をしまして、いろいろな活動、会議の開催であるとか、いろいろな活動をしていますけれども、こちらのそのネットワークといいますか、このプラットフォームは非常にアジアの中でも、そして、そのアジアの外からも注目があって、右側のボックスの下の方にありますけれども、現時点で29のメンバーシップの問合せが来ています。エジプト、インド、イラン、シンガポール、スリランカ、マレーシア、パプアニューギニア、パキスタン、東ティモールなどですね。
 これらで重要なのは、国際展開をする上で、やはりステークホルダーを抱え込む、そのための枠組みが必要で、これを日本が主導して展開をして構築をしていくというところの、そういう動きが必要かなというふうに思います。このアジアに関わりたいというそのアジア以外の国が結構、言ってみれば、アジアが注目されているわけです。そのオーストラリアが、言ってみれば、我々の国際展開の足場であるアジアに参入しようとしているのと一緒に、同じように、その下にサービスプロバイダーとして、オーストラリア、スイスの関係機関がこのアジアに関わりたいというふうに言ってきていますので、このプラットフォーム上でいろんなビジネスなり事業を展開できるような仕掛けというのを今後考えていく必要があろうかというふうに思います。
 最後に、これは国内でのプラットフォームです。JAPAN SPORT NETWORKというJSCの方で運用しているプラットフォームです。これは地域のスポーツ政策イノベーション・プラットフォームということなんですけれども、現在、604の自治体がこれに加盟をしています。
 この自治体の政策的なニーズとしては、その右側に書きましたけれども、無関心層とか未実施者の取込み、スポーツへの参加促進、障害者のスポーツ参加促進、事前合宿、スポーツイベントの集客、国際協力、交流といったところに関心があることが調査で分かっていて、これらに、これらの政策をどのように展開していくかというためのプラットフォームです。
 JSCの方では、この課題解決に参考になる情報を提供しているんですけれども、一つのメニューとして共催事業があって、ここには民間企業ですとか大学、競技団体など、国際、海外の機関などが連携できるような仕組みになっています。
 これまでの実例でいきますと、airweaveと連携して、睡眠と運動を中核にしたスポーツ参加促進プロジェクトを展開しています。あるいは、大日本印刷さんとの連携の中で、書籍とスポーツをテーマにした政策イノベーションの研修会、人材育成ですね。あと、オランダのオリンピック委員会と連携したパラスポーツ、障害者スポーツを中心にした共生社会の実現に向けたプロジェクト。あるいは、日本ラグビー協会と連携をした熊本の被災地支援といったプロジェクトを展開しています。
 いずれにしても、骨格をしっかり抱え込んで、そして、参加者を集めて、このプラットフォーム上で国際展開、国際活動を展開していくという枠組み作りというのは今後必要になろうかというふうに思います。
 私からは以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、安岡委員、お願いいたします。
【安岡委員】  JPCの安岡と申します。よろしくお願いいたします。きょうは、JPCにおける国際協力のビジョンと具体策ということで簡単に、また、お話しさせていただきたいと思います。
 内容につきましては、まず、ちょっと障害者スポーツ、構造が分かりにくいので、組織的に見た障害者スポーツのお話をちらっとさせていただいた上で、JPCにおける国際協力の実情と今後のJPCの国際協力、一体どういうことを考えているかということを御説明させていただきます。
 まず、組織的に見た障害者スポーツということで、その下の組織図をごらんいただきたいんですけれども、日本障がい者スポーツ協会という枠組みで考えますと、障害者スポーツの国際組織、私どもがつながっている国際組織といたしまして、国際パラリンピック委員会、今度、パラリンピック、実施する活動母体になりますが、国際パラリンピック委員会、それと、国際ろう者スポーツ委員会、これは聴覚障害、聾の皆さんのスポーツ団体なんですけれども、こちらと、それから、先ほど有森さんのお話にもございましたが、知的障害を対象としたスペシャルオリンピックス、この三つの大きな流れが国際的にはございます。
 そして、直接、私どもが加盟している競技団体は国際パラリンピック委員会、この黄色い部分ですね。こちらだけで、聾の方とスペシャルさんはそれぞれ当事者の皆さんが加盟されているということで、ちょっと申し訳ないんですが、きょうは国際パラリンピック委員会を中心としたパラリンピックの取り巻く国際状況、それから、そこに日本がどう関わってきたかについてお話をさせていただきます。
 まず、JPCにおける国際協力の実情としてなんですが、大前提といたしまして、JPC、それから、私どもの下部組織でございます、それぞれの競技別の連盟のNFの皆さんは、自己財源が非常に乏しいです。マーケティングがまだ十分機能している状況ではなくて、東京が決まってから、随分環境が変わりましたけれども、活動そのものは、選手強化を目的とした助成金に頼っているというのが実情でございます。
 つまり、強化を目的とした強化費と呼ばれているお金で国際貢献事業を行うことができないんですね。ですので、自己財源を切り崩すしか、国際貢献を自分たちで行う方法がないんです。そして、その自己財源がどういう状況かといいますと、例えば、私どもの職員、それから、NFの皆さん、ブラック企業並みの労働環境で仕事をさせていただいております。人も雇えないような状況で、じゃあ、国際貢献する余裕は実情ないということで、財源の方は工夫すればどうにかなるんですけど、人がいないというのが非常に大きな問題としてございます。
 つまり、ここの部分を補うためには、ほかの組織、人がいたりとか、それから、お金があったりとかというほかの組織との連携がまず前提として不可欠であるということが上げられます。
 皆さん、御存じのように、2014年度から、障害者スポーツの方も文科省、スポーツ庁の管轄の下で活動させていただけるようになりました。それで、2013年度以前、それから、東京2020が決まった後というふうにちょっとフレームを分けて考えさせていただきたいと思います。
 東京が決まる前、つまり、厚生労働省の管轄の中で活動を行っていたときというのはどうなっていたかというと、先ほども申し上げましたように、私ども、活動のための費用も人材もございませんでした。JPC職員3名でやっていた時代が非常に長くて、選手団300人規模の派遣を行うのに、スタッフ3名、しかも、専属のJPCの職員はおりませんでしたので、日本障がい者スポーツ協会の、私どもは障がい者スポーツ協会の職員でもありながら、JPCの仕事もしているという状況でした。
 その当時の国際協力活動というのは、他組織、つまりJPC若しくは障がい者スポーツ協会以外の組織が主導で国際貢献事業、国際協力を行っているという状況で、例えばJICAさんが提供されているプログラムに対して、私どもの協会の職員が講師として幾つかのセッションでお話をさせていただいておりました。また社会福祉法人太陽の家というのがあるんですが、ここの創設者であるお医者さんの中村裕先生という方が64年の東京パラリンピックの招致、それから、日本選手団の団長というお立場で非常に活躍されました。
 この方が大会後も活動をやめなかったことで、日本の国内の障害者福祉が非常に進んだ、障害者スポーツも非常に進んだという背景がございまして、その関係で、アジアパラリンピック委員会の前身になるんですけれども、フェスピック連盟というアジア・オセアニア地域の障害者スポーツの組織の事務局を太陽の家に置いていました。、世界で一番大きな車椅子単独のマラソン大会なんですが、大分国際車いすマラソン大会の事務局、事務局そのものは大分県庁にあるんですけれども、そちらの国際渉外を担当していただいたりとか、そういう状況がございまして、太陽の家を中心とした国際協力というのが東京の64年のパラリンピックからの流れで、ありました。
 そのほか、障害者スポーツセンターとか、それから、地方自治体とか、もう本当に有志の皆さんとか、いろいろな形で記録にも残らないような形での国際貢献事業というのはたくさんあったかと思うんですが、日本障がい者スポーツ協会としてこういう事業は把握しておりません。
 この時期、障がい者スポーツ協会の主な活動というのは、全国障害者スポーツ大会という国体の後に行われる大会があるんですが、そもそも、ここに、これを開催する受け皿というか、開催する主体として設立されたのが日本障がい者スポーツ協会なんです。なので、国際貢献、国際協力をする前提が一切なかったわけですね。
 設立が、東京パラリンピックの翌年ですから1965年なんですが、私が2002年に日本障がい者スポーツ協会の正職員として雇用されたんですが、それまで、正職員の中に、国際担当者はおりませんでした。何か英語で来ている文書があるから、どうすればいいの、みたいなのをパートのおばちゃんがやっていたという状況だったんですね。
 引き継いで、JPC3名、英語が分かる人間1人という状況がかなり長い間あったんですけれども、いろいろな国から、日本に対する要請というのはございました、当時から。それは太陽の家のイメージがあったり、JICAさんのイメージがあったり、それにもまして、日本という大きな国なんだから、何とかしてくれるんじゃないかという期待があったわけです。必ずしも、国が豊かだから、NPCが豊かじゃないといういい例だと思うんですけれども、よその国のNPCからの要請に一切応えることができないという状況が長く続きまして、国際大会や国際会議で非常に肩身の狭い時期が長かったんですね。
 結局、JPCに対する国際の評価、当時、どういうものだったかというと、選手団規模に見合った貢献ができていないNPCであると。選手団規模からいいますと、世界の中でも10本の指に入るような大きな選手団を送っているんですね。けれど、IF役員もいない、国際貢献も十分できていない。あなたたちは私たちの活動のために何ができるんですかと言われても、きちんと回答ができない状況が2013年まで続いていました。
 この枠組みが、2020決定以降、大きく変わりました。まず、一番大きいのはスポーツ庁さんの管轄の下に置いていただいたということで、オリンピックと同じような俯瞰した視点からの国際状況というのが見れるようになったというのが一つ大きい状況であったかと思います。
 そして、もう一つ大きかったのが、やはりスポーツ・フォー・トゥモローのコンソーシアムの存在で、コンソーシアムの運営委員として山脇がメンバーに入っているんですけれども、このコンソーシアムの中で、人の顔を見てお話をしていく中で、いろいろな取組の案を頂けるようになりました。ここのピンクのところですね。財源も実働部隊も私どもにはございません。私たち、事務局ですから、うちに選手がいるわけでも、指導者がいるわけでもないんですね。ただ、ネットワークだけはあります。よその国、よその国のNPCの方とかIFの方とか、知っている人はいっぱいいますというのがJPC。
 一方で、例えばスポーツ庁さん、外務省さんみたいに、財源はあります、助成金は出しましょう、だけど、それを使っていただくのがあなたたちですよという、こういう政府などの実働部隊はないけれども、財源を御提供いただけるところがあり、そして、私どものNFさんですね。実働部隊はあるけれども、ネットワークもなければ、お金もないという、この三つをうまくつなげる役割を今、JPCの方でさせていただいております。
 つまり、一つの事業に対して、NPOやNFとの調整事業をJPCの方でさせていただき、政府から、若しくは、その他の機関から助成金を頂き、実際には、要請のあった競技のNFが、例えば自分たちの合宿に一緒に呼んでくれるとか、公認大会への出場を通して、選手強化を一緒にやってくれるとか、普及活動に協力してくれるとか、そういう形で現在、国際協力をさせていただいています。
 ただし、私ども、NPCですので、任意のグループなどを対象にすることができないんですね。ですから、カウンターパートは飽くまでもNPCで、相手の国のパラリンピック委員会、若しくは、IF、IPCの場合もありますけれども、そういう状況で進めさせていただいているという状況です。
 ただし、そういう状況ではあるんですが、依然、人材の問題が解決したわけではございませんので、現状も山脇と私が2人で頑張っているというのが実情でございます。ぼちぼち、いろいろなところに手が延びてはきているんですけど、いろいろな方の御協力を頂いているんですが、JPCの中ではそういう形です。
 JPCの国際協力の方針で、これは、何というか、暗黙の了解というか、文言化したものはないんですけれども、心掛けていることが二つあります。
 一つは、私どもの事業としても、相手国の事業としても、持続可能であって、お金が掛からないこと。これはどっちがなくなっても後に続かないので、こちらの方から呼び掛ける事業については、できるだけ特別な器具が必要ない種目を選んでおります。例えば競技用の車椅子が必要だったりとか、義足が必要だったりとかというものは、そのアスリートにとってはいいものが提供できるんですけれども、オーダーメードのものですので、ほかの選手に広がっていかないんですね。
 ですので、例えば、陸上競技の立位の選手、視覚障害とか、切断とか、脳性麻痺で立って競技できる人とか、知的障害とか、そういう立位の選手の投てき競技であれば、投てき用具を1セットお渡しすれば、現地でそれを使って、ほかの選手もトレーニングができるし、例えば仮に陸上競技場がなかったとしても、どこか広場があれば、練習はできるんですね。プールがある国は、水泳もターゲットに入ると思いますけれども、そういうできるだけ特別な器材がなくても、その後につながる、広がっていけるような競技種目を選定しております。
 それから、相手国の状況を把握した上で支援をさせていただいております。つまり、どういうことかというと、例えば指導者としてどういう人たちの協力が得られるのかということがあります。健常の指導者が見込めるような国であれば、どういう競技、どういう種目が適切なのかとか、競技環境ってどういうところが想定されますかとか、どういう障害が多いですかとか、そういう相手国の状況を把握した上で、こっちから一方的に、このプログラム作ったから、やってくださいねということはしておりません。
 そして、選手の育成はもちろんなんですけれども、サポートスタッフや競技役員についても一緒に教育をできるように考えております。つまり、その選手だけでなく、ほかの人に広げていくための工夫ができるといいなというのが常に根底にございます。
 そして、ものを動かす、ものを作る、ものをあげるという、そういう援助ではなくて、できるだけ人にターゲットを絞って、お金なくてもできるというのは、人を教育するということなんですが、頭の中に残ったものは支援が終わってもなくなりませんので、できるだけそういう頭の中に残る支援をしていきたいな、協力をさせていただきたいというふうに考えています。
 それから、もう一つ、これは外側に対してではなくて、私ども自身、それから、NFについてのことなんですけれども、この協力を、皆さん、もう本当にぎりぎりのところでやってくださっていますので、この協力をすると、あなたたち、あなたたちの競技やあなたたちのアスリートに対してどういういいことがあるんだというのをお話しさせていただくようにして、どういう形で還元される可能性があるのかというすり合わせを行うようにしています。
 もちろん、これはメリットがないから行わないということではなく、行ったことに対しては、メリットが必ずありますので、そこをきちんとお伝えするようにしています。
 それから、何か日本側から途上国に一方的に「してあげる」という姿勢じゃなくて、私どもも学ばなければいけないことが、たくさんありますので、一緒に頑張ろうねという姿勢でやっていきたいというのは常にお伝えしています。
 それから、すぐに結果が出ないことも多いんですけれども、それで失敗したと思わないで、長い目で見てくださいというのもお願いしています。例えば、以前、JICAの研修で、もう何十年も前に来られた方たちが、現在NPCの意思決定をできるレベルの人たちになって、本当に20年も30年もたった後に、2013年の山脇の最初の理事選挙のときに票を集めてくれたりとかということがありました。同様にそのころ、日本でトレーニングを受けた選手たちの中には結局パラリンピックに出られなかったけど、今、指導者になってコーチとしてパラリンピックに来ているという方もたくさんいらっしゃいます。だから、その選手がすぐに結果が出せなかったからといって、そこで判断をしないようにということはお伝えをしています。
さっき、もうJリーグさんの山下さんのお話を聞いて、本当にもう私ども、そのとおりだと思ったんですが、私たちもそういう経済的な基盤がなくて弱かった。実は今だって、強化費以外のお金はないんです。その状況の中で、どういう工夫をしてNPCを運営し、選手のことを考えられるような環境を作っているのか。歴史も浅い。アジアにいる。これ、もう本当にJPCにもそのまま当てはまることで、全く違う星から来たお金持ちが、ただ単に支援をしているという体裁にはしない。同じ土俵で皆さんと一緒にどうやったら頑張れるか考えましょうねというメッセージとして受け取ってもらえるように、プログラムを組んでおります。
 現在、それから、今後についてなんですけれども、最終ページですね。現在実施している主な事業といたしましては、まず、今、一番大きいのが、東京2020パラリンピック大会での過去最大の参加国を日本にお招きしたいというこのプロジェクトがございます。これも、私ども、自分たちで実働できませんので、スポーツ庁さんの予算で、日体大さんが委託してくださっています。ですので、選手の受入れや調整は全部、日体さんが委託してくださるんですけれども、JPCは、どこの国がターゲットになるだとか、どういう競技をトレーニングしてほしいだとか、そういうコーディネートを一緒に行わせていただく予定です。
 ターゲットといたしましては、ロンドンやリオに参加できなかった国、加盟国であるにもかかわらず、参加していない国、それから、ワイルドカードでしか、つまり、出場権を得られなかったので、該当国から、1、2名来てくださいという枠があるんですが、その枠でです出場できなかったら。若しくは、その枠を使って出場したという加盟国がみんな東京には出場できるようにということですね。取りこぼしがないようにという、そういう活動です。
 あと、もうここにはちょっと文字では残していないんですけれども、新しいNPCを作っていくということも考慮に入れまして、特にオセアニア地域のNPCを立ち上げるためのお手伝いをこれからさせていただけるんじゃないかなと考えております。
 それから、2番目、IPC公認のパラリンピック教材、「I’mPOSSIBLE」というものがあるんですけれども、こちらの成作、普及に関わらせていただいております。そもそも、IPCの中にパラリンピックを教育するための素材がなかったんです。なので、こちらの国際版の製作を、日本財団パラリンピックサポートセンター様の方で財源確保していただきまして、それから、国際パラリンピック委員会のアギトス・ファウンデーションという財団があるんですが、こちらの財団とJPC・パラサポさんとでこの教材を開発させていただきました。
 この国際版を基にして、日本の教育現場で、実際に使いやすいように再編成いたしましたものを現在作っております。今年、4ユニットできたんですが、来年、再来年、随時、随時というか、来年4ユニット、再来年、もう6ユニットですかね。全部で15ユニットになる予定です。知識がない先生でも、自分でちゃんとパラリンピックのことが教育できるように、現場で使えるようにという観点で作らせていただいておりまして、こちらも財源はパラリンピックサポートセンター様、開発はJPCとパラリンピックサポートセンター様と、あと、ベネッセこども基金様も関わっていただいています。
 日本版普及と書いてありますが、普及活動ですね。いろいろなところに出掛けていって、是非使ってくださいということをお伝えしている、そういう活動も行っているんですけれども、パラリンピックムーブメント、それから、パラリンピックの考え方を皆さんにお示しすることで、最終的には共有、共生社会の実現に向けた考え方の基盤を作っていくためのレッスンができたらいいかなと思っております。中高生版も来年度から随時発表させていただきます。
 これは、日本版、つまりローカライズしたバージョンというのは日本が初めてなので、日本での経験を今度、国際の場面で還元していくことがよその国のヒントになっていくということも十分考えられます。これも今、一緒に考えていることです。
 それから、国内の国際人養成。先ほども前回のお話のところでありましたけれども、とにかく、スポーツのことは分かっているけど、語学がいま一つとか、言葉は分かっているんですけど、競技のことは実はよく分からないんですという人か、今、大体、そのように二極化されています。その両方に対して、必要な知識、それから、ノウハウなどを提供していく、それから、活躍の場面を設定しいてくということで、長期的な視野に立った人材育成を行っていこうと思います。
 これも2020年までは予算があるんですが、その後、どうなるか分からないので、2020年までの3年間の間に、とにかく何を今からしようとしていて、何が必要なのかというその基盤作りですね。頭の中に残ったことはなくならないという、そこの部分に立って、基本作りをさせていただければと思っています。
 2021年以降、東京パラリンピックが終わった後、どうなるかということについても財源がどうなるか、全く今のところ、分かっておりません。ただし、その中でも、スポーツ・フォー・トゥモローの中で構築されたネットワークは、財源にかかわらず、継続します。ですので、ここのネットワークは生かしていく。それから、支援が必要なNPOに対しては、IPCのAgitos Foundationが引き取ってくれるということが約束できております。そのために、いろいろな協力活動については、IPCとの連携も含めて活動させていただいています。
 それから、JICAさんを通じた、パラスポーツの指導者の派遣が非常に各国から要請が上がっているんですが、これはすぐにできることではないので、ちょっと時間を掛けて、パラリンピックが終わった後、東京の大会が終わった後、どういう形で協力できるかということについて、考えていきたいと思っています。
 それから、「I’mPOSSIBLE」については、日本が大会に向けて何をやって、その結果、どういうことが言えたのかという、この経験の共有を皆さんにさせていただく。
 あとは、日本側として、国際役員をはじめとした人材の育成については、どのような形でも継続はさせていただきたいと思っております。
 ざっとですが、このような形で、よろしくお願いします。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 この後、筑波大学の高橋先生の方から、途中退席されるということですので、御発言いただいて、宮嶋委員から、また席順で御発言いただけたらと思います。
 大変申し訳ないんですけど、少し時間も押していますので、この後、12名の方々がまだ御発言ありますので、少し短めにお願いできたらと思います。よろしくお願いいたします。
【筑波大学(高橋)】  すみません、本日、入試のため、筑波大学副学長、清水が休んでおりますので、代わりに、筑波大学の高橋が報告させていただきますが、資料は清水委員と書かれたものになります。
 私たちに頼まれ、依頼されているテーマは、TIASを通じたスポーツの国際人材育成の取組と今後、それと、国際NGOの育成及び連携方策になります。
 資料をお開きください。1枚に二つのスライドがありますが、下のスライドになります。
 スポーツ・フォー・トゥモロー事業のアカデミー事業で行っておりますTIASですが、ほとんど御存じの方がほとんどだと思いますので、概要からさっといきたいと思いますが、五つのモジュールで形成されていまして、30単位を取る修士号が授与されるプログラムとなっています。
 このTIASですが、スポーツマネジメント大学院、IOCが作りましたAISTSと業務提携を当初より結びまして、今年、それを業務提携の延長を行いまして、ローザンヌのネットワークを築くという形で、現在はAISTS内にTIASの事務局があるというような状況になっております。
 1枚お開きください。TIASの特徴、強みは、次のページの上の図になりますが、日本発の英語で行う国際的なスポーツアカデミーであること、それから、スポーツに関するあらゆる分野を横断的にカバーしていること、さらには、筑波大学は、現在、IOCが公認しています「Centre for Olympic Research and Education」がある関係で、IOCと直接、やり取りができるということ。それから、競技団体とのネットワークをTIASのゲストスピーカーと講師を通じて広げられることであります。
 その下の図を見ていただきますと、TIASとIOCが作ってサポートしていますAISTSが提言した写真が入っておりますが、右側のAISTSというところの図を見ていただきますと、こういったアカデミーの卒業生が、IF、それから、スポーツ関連の業界に就職することで、彼らは彼らのネットワーク、修了生ネットワーク、卒業生のネットワークを持っていまして、彼らは常に集まり、彼らが情報を与えることで、空いたポジションに彼らの同級生、若しくは、卒業生、先輩、後輩を入れるというような仕組みに現在なっています。
 そこに我々が食い込んでいかない限りは、IFのスタッフのところへは食い込めないなということで、今回、業務提携の中に、インターンシップのサポートということを入れましたので、我々の学生が現在、IFへのインターンシップをAISTSがサポートするような状況にまでなっております。
 次のページをごらんください。1期生、2期生、3期生で、現在、3期生が入っておりまして、今度、4期生の入試を行いますが、世界から人を呼んでいます。ちょっと日本人が少ないので残念なところですが、修了生もかなり海外のスポーツ組織に就職するということで、情報が、逆に、修了生から得るというような、インドの例えばAmazonの動きだとか、いろんな話が入ってくるということで、かなりこの修了生、続けることによって、世界じゅうの情報が入ってくるなというふうに思っています。カリキュラムはその下のようになっていて、五つの分野から成っております。
 さらに、我々、次のページ、開いていただきますと、インターンシップをいろいろ行っていまして、日本の国内の団体さんにも御協力いただくと同時に、海外のIF、それから、海外のNFに協力いただきまして、インターンシップが可能になっています。
 さらに、課外活動という形で、オリンピック、IOCのOVEPと組んだ形で、OVEP AQUAをシンガポールで、駅伝は、国際陸連と一緒になないろ駅伝などをやった経験がございます。
 それから、TIASの資産を持ったサービスということで、実は、これ、コンサルティングで多くの企業がTIASさんのノウハウを知りたいというようなことが現状ありまして、我々はそこのために法人を今作りまして、実際にコンサルティングでフィーを頂きながら、コンサルなんかも行っています。
 その下が、多分重要なポイントですが、国際人材の育成の海外の大学院は、2000年以降、スポーツ競技団体がサポートした団体に関して見ますと、この四つの団体があります。IOCのAISTS、FIFA、国際サッカー連盟のFIFAマスター、MEMOSはIOC、MESGOはUEFA、ヨーロッパサッカー連盟が、大学と競技団体が連合する形で法人を核にして修士号を出すという形になっているのが現状分かっております。
 最後ですが、こうしたことを考えますと、筑波大学としましては、SFTCコンソーシアムの皆様の御協力を得ながら、企業のコンサルティング部門、さらには、スポーツ庁の国際戦略にのっとった形で、様々な資金が集まれるようなプラットフォームである研究機構を作ることを御提案したいと思います。その中で、アカデミー部門に関しましては、日本の複数大学院が協力するような形で、オールジャパン体制の国際スポーツアカデミーができるといいのかなというふうに御提案させていただきたいと思います。
 続きまして、国際NGOの育成及び連携方策ですが、こちらに関しましては、既存の運営費交付金の中で、新しい専攻を2015年に立ち上げまして、実はTIASの分野とコードシェアをする形で事業を共有させることで、連携した教育を行っています。
 ページを開いていただきますと、上の方ですが、筑波大学で行っているIDS、SDPの展開ということで、大きく分け、中心は、ネットワークの構築になります。そのために行っているのは、会議や情報の交換会、それから、国際的な大学との情報交換、さらに、インターンシップということをメーンの三つの事業に行っていまして、それぞれ実績が、ネットワーク作りをした実績を全部並べさせていただきました。
 かなりやっぱりアカデミーというのは平等な立場でありますので、いろんな利害関係者が、アカデミーであるということで、皆さん、集ってくれるというのが重要なポイントかと思います。これ、企業がやったり、競技団体がやったり、政府組織がやると、あれはどこどこだからだよねというような色が付いてしまうことがないのがアカデミーの強さかなということで、アカデミーをうまくオールジャパンで生かすことが大事なことじゃないかなと思っております。
 ちょうど6分になりましたが、ページを見ていただきますと、我々のやった活動の実際の写真と実績が載っております。こうしたNGOのサポートに関しましても、アカデミーが強力なサポートができるのではないかというふうに、筑波大学としては考えております。
 以上でございます。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、元に戻りまして、宮嶋委員の方から、お願いいたします。
【宮嶋委員】  本日は、私も初めてだったので、自己紹介をしてくださいという御提案があったので、きちんとお話しできるか分からないんですけれども、この流れに乗って、ちょっと6分間、やってみたいと思います。
 まず、私の仕事は、これまでも、そして、これからも、基盤はテレビ局におりますものですから、スポーツをどうやって切り取って、どうやってメディアに乗せていくかというのがベースにあると思うんですね。
 先ほど申し上げましたとおり、世界の中で行われる試合を通じて、その選手たちを伝えていくことと同時に、私は各国のスポーツ文化をできるだけ伝えていくような形で取り組んできておりました。
 これは意外と見落とされがちで、どうしても日本の選手ばかりに注目が行くんですけれども、やっぱり世界の選手はどういうシステムでどういうふうに強化をしているのかとか、世界の人々は一般的にどういうスポーツ文化の中で、スポーツ文化を享受しているのかというような形のものを、できる限り、放送という形で日本の人たちに届けたい。これが私の一番のミッションかなと常々思っております。
 次に、私はNPOの仕事もしておりますので、そういったところでの作業というのがあります。それはUNHCRの仕事を手伝っているというので、難民キャンプであったり、発展途上の国に、本当に知合いのメダリストを一緒に連れていって、どういう化学変化が起きるのかという、そこのところを、これまた、テレビで取材して放送することによって、日本の人たちにスポーツとは一体何なんだろうかと。恐らく、ここに御参加の方たちが皆さん日々行っていらっしゃるようなことを、一般の方に、自分の頭で考えていただく機会を提供するというのがやっぱり私の二つ目のミッションなのかなと思っております。
 ですが、そのためには、今までお話しいただいたようなところをただ取材すればいいというのもあるんですけれども、やっぱりそういう機会を創出しないと、なかなかそういうテレビ番組、作れないもんですから、あえて自分でやるしかないというので、番組もゼロから企画して、全部最後のMAから解説までやっているんですけれども、こういうイベントも自分でやらざるを得ないというような状況になっているのが現状です。
 まず、ちょっとページ、次のページを開いていただきますと、まず、私が理事をしていますものがNPO法人のバレーボール・モントリオール会、これは1976年のモントリオールオリンピックで金メダルを取った女子バレーの面々、白井貴子というスーパーな選手がおりましたけれども、彼女たちを中心として、あと、当時のジャーナリストで作ったNPOです。
 これを立ち上げたのが2006年なんですけど、ちょうどその金メダルから30年もたったので、もうみんな、社会貢献できるだろうということで立ち上げましたけれども、その祈念ということもあって、UNHCRと組んで、かつ、早稲田大学のボランティアセンターを巻き込んで、こういう難民キャンプに行くという作業をいたしました。
 もちろん、これも私が番組で作るわけですけれども、なぜこういうことをしたかというと、やっぱり難民キャンプというのが非常に閉鎖的な空間であって、ここにいる人たちが鬱病だったり、自殺したりとか、かなりいます。人間としての尊厳として生きることをもっと強く感じてほしいという私の願いもあって、スポーツを通じてそういうものを感じ取ってほしいということで、こういう活動をしたんですけれども、意外な化学変化がいっぱい起きました。
 難民キャンプとその周辺の村落というのは全く反目し合って、お互いに交流というのが20年以上なかったものが、このスポーツを通じて、初めて村人が難民キャンプの中に入って一緒にバレーをしたりとか、これは小さな化学変化だけど、とっても大きくて。
 そのほかに、一番大きいのは、五輪のメダリストたちが告白した言葉ですね。私はメダルを取ったけれども、それが一度もうれしいと思ったことがないとか、スポーツをしてバレーボールを一度も楽しいと思ったことが実はなかったんだということをコンフェッションしまして、その告白とともに、初めてここに来て、難民の人たちに必要とされ、一緒にバレーをすることで、私の人生が変わったというようなことを言った人たちがいまして、これは国際貢献というよりも、先ほど、頭に残ったものが一番やっぱり最後まで残るという話がありましたけど、ものより、こういうことなんだなと。
 実は私たちがここに行ったのも、当時のネパールの所長だった人は私のアナウンス部の後輩だったこともあって、裸足でサッカーをする女の子の写真を送ってきたんですけど、こんな裸足だったら、靴でも贈ろうかと、こういう事業をやっているからと言ったら、靴なんか贈ってくれるんだったら、そういうNPOの人を送ってちょうだいって言われて、一緒にボールと一緒に来ました。結局はここだと思います。そういう意味では、さっき、安岡さんの話、うなずいております。
 それから、毎年、毎年、こんな海外のキャンプに行くことはかないませんので、次のページになりますけれども、日本いる難民、日本にも難民がいます。これが一番分からない例で見ますと、ボートピープルで来た人たち、インドネシアの難民、今はミャンマーとか、いろいろいる、シリア難民とかいるんですけど、そういう方も入れまして、日本で今年ちょうど10年目を迎える形で、私の卒業した横浜国際高校を中心に、毎年、これも多くの高校生に手伝ってもらい、高校生が初めてこういう海外の日本で暮らす人と一緒に接するわけですから、これを経験した高校生が、将来、UNで仕事をしたいというような子も出てきておりますし、また、東海大学のバレーボール、体操部の人たちも手伝ってもらって、いろいろやってもらっています。
 これも高校生、大学生、それから、PTAの人たちには食事作りなど、お国自慢の、それこそ、インドシナ半島の食事を作るつくり方を勉強ながら提供してもらっているんですけど、みんなの中に心の変化が起きておりまして、将来、こういう手伝いをしたいというか、自分たちがいかに恵まれた形でやっているのかというようなことを、そういうものを生んでいるように思います。
 何よりも、私が思うのは、やっぱり偏見がなくなりますね。外国人に対する偏見だとか、難民に対する偏見だとか、あと、ホームレスに対する偏見だとか、世の中にいる人々の偏見というのが、高校生、大学生、それから、若い人たちはそういうものをすごく大きくあるんだなと思います。
 だから、国際貢献というと、どうしても私たちは世界に出ていくことと思うんですけれども、身近なところにもこういう形での国際貢献というか、触れ合いはあるのではないかと思っています。
 これはもう本当に、何回も何回もテレビ中継するわけにもいかず、ほとんど私は余りテレビは関わらず、もう運営の方で目いっぱいというのが現状です。
 最後のページですけれども、これは2009年に、これ、Ekiden for Peaceですので、瀬古さんとこれはイカンガーさんですね。早稲田大学のこれも平山郁夫記念ボランティアセンターの人たちと、それから、一緒にやりました。
 さっきのUNHCRのときもそうなんですけれども、一番問題は受け手です。どういう人たちと一緒にやるかというのが問題で、UNHCRのときには、難民キャンプの中に青年部みたいなのができていて、そこと一緒にやったもんですから、その青少年たちも一緒に何かを組み立ててイベントをやるというノウハウを学んでいきます。
 このタンザニアのキゴマキャンプのときには、カナダにベースを置くNGOのワイトプレーというところがあるんですけれども、そこと一緒になってやりました。
 そういうふうにやっぱりどこと一緒に組むかということが非常に重要なのかなと思いました。もちろん、UNHCR、これ、キゴマキャンプ、難民キャンプですので、UNHCRもきちんと入っています。
 これ、一番最後、今年やったのはカンボジアなんですけど、個人的な関係で、地雷の処理をしていらっしゃるタケヤマさんと知合いになり、是非バレーボールのナショナルメンバー、かつてオリンピックに出たメンバー、こういった人たちを、大谷佐知子などもいますけれども、ちょうど私がバレーボール協会の理事をしておりましたので、スポーツ・フォー・トゥモローの事業でお金を少し頂きまして、これで、いわゆる、下にありますけれども、これ、地雷を取った場所ですよね。地雷がなくなった場所でバレーボールをするというイベントを行いました。
 こういうのでも、現地のゲームを日本の選手たちが学んだりとか、ちょっといわゆる何かかごめ、かごめみたいな遊びとか、そういったものも学びながら、何よりも、何て自分たちは恵まれているんだということとか、ここで感じたことを、これはここにいる3人の選手たちは、それぞれバレーボール教室をもう全国でやっている人たちなので、この経験を彼らが自分たちで伝えていくというような、また、子供たちに伝えていくということを、こういうこともあるのかなと思っています。
 私がやっているのはもう本当にグラスルーツの草の根も種まき、耕して種まいているような、もうほんと、小さな小さな仕事なんですけれども、それをメディアとして扱って、これは番組にしたので、番組ができるということが唯一の私の強みかなと思っておりますけれども。
 こういう形で、スポーツとは一体何なんだというのを視聴者の方に考えていただくきっかけを作っているといったところです。
 ありがとうございます。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 この後、原田委員、お願いいたします。それで、少しまだ9名の委員の方、御発言ありますので、少しピッチを上げていただけたらと思います。
【原田委員】  原田です。今、目の前にストップウオッチを置いて、6分間でまとめたいなと思います。
 私の資料は二つあって、このA4の縦と、それと、この青い「スポーツツーリズムガイドブック」ですね。この二つを御参照ください。
 まず、パワーポイントの方ですけど、JSTAのB2B2C公益ビジネスの展開ということで、JSTAは2012年に観光庁からスピンオフした最初で最後の一般社団法人で、今はスポーツ庁とも連携を取っています。
 JSTAの会員は16スポーツ団体、26公益法人、44自治体、39法人ということで、補助金なしで、自立しております。ここにいる大塚委員も常任理事で参画していただいております。
 JSTAは、セミナー、カンファレンス、コンベンション、サミット、ミーティングという、こういう事業を展開しておりまして、セミナーは月に1回、カンファレンスは年に1回半日、これは笹川スポーツ財団の場所をお借りして行っております。コンベンションは3日間の長い、割とコンベンション、MICE的なコンベンションですが、今年は佐賀市で行う予定です。サミットとミーティングは、日本空港ビルディング株式会社、すなわち、羽田空港をオペレーションしている会社とやり、その右側にある大きな垂れ幕、これはまさに今、羽田空港に掛かっておりますが、私たちはスポーツ文化ツーリズムを応援するということで、一緒に事業を展開しています。
 スポーツツーリズムのトレンドですが、世界のスポーツツーリズム市場は約14兆円です。これは世界の旅行消費の約10%を占めます。豪州とニュージーランドの一部では旅行消費の25%から、最大55%がスポーツツーリズムによります。スリーピング・ジャイアントなどと今呼ばれているわけです。
 日本ではマラソンブームの飽和化によって、スポーツ実施率が低下していますが、その半面、アクティブライフとアウトドアスポーツがブームになっていると。これらが今後、スポーツ市場の拡大に貢献するだろうということで、事業ライフサイクルの曲線が描いています。
 JSTAは今年、5周年を迎えますが、導入期から今後成長期に差し掛かる段階で、まだ社会運動の範ちゅうを出てないのかなと考えています。今後、成長期に向けたいろんな戦略が必要になります。例えば、開放的なチャンネルを使うといいますか、誰でもスポーツツーリズムに参入できるような、そういう仕組み作りが必要かなと考えています。よって多様な事業計画を基に、戦略を練っています。
 スポーツ基本計画の第2期計画にも書き込まれていますが、全国に地域スポーツコミッションを作るというのが一つのミッションになっておりまして、それについては、この青いパンフレットの真ん中に、スポーツコミッションの一覧が掲載されています。ここには83の地域スポーツコミッションが載っていいますが、これは9月現在なので、11月現在、それが今、90ぐらいに増えているのが現状です。
 これが主に国内向けのプロモーション事業になりますが、次に、海外ネットワークですが、まず、一つ目、INTERNATIONAL ASSOCIATION OF EVENT HOSTSですね。これも非常に新しい組織ですが、JSTAはここに加入いたしました。これで世界のスポーツ都市とのネットワーク作りを進めていきます。
 二つ目がSportAccordです。これはJSCと一緒に、例えばさいたま市さん、新潟市さん、札幌市さんとともに、スポーツツーリズムを広めながら、いろんなスポーツイベントを誘致しようということで、IFと世界のスポーツ関係者に向けた情報発信、国内地域スポーツコミッションの海外展示等を行っております。
 その下にあるこの2017のWORLD WITER SPORTS(BEIJING)EXPO 2017ですが、注力している領域です。これは中国の氷雪産業の展示会で、2022年にオリンピックが開かれますので、中国は国を挙げて、この氷雪産業の育成に取り組んでいます。2022年には9兆円、2025年には15兆円の産業に育てようという冬季スポーツ発展計画、あるいは、全国氷雪スポーツ施設建設計画であり、5,000人の冬季スポーツの専任教員を育てようというようなことも書いてあります。
 隣国で非常に急成長する市場をにらみながら、我々は、スノーリゾートを日本で活性化したいということで、きょうの午後も観光庁のスノーリゾートの活性化に関する委員会がありますが、国際的なスポーツイベントの招致を支援しようと考えています。今日もいらっしゃっている札幌市と一緒に、まずはスポーツアコードに参加し、ネットワークを作り、情報収集しようと協力してきました。
 並行して、さっぽろグローバルスポーツコミッションを設置しました。これでいろんな冬季のイベントを誘致する母体ができました。。JSTAコミッションを昨年……、今年の3月には二日間のJSTAコンベンションを札幌で開催、ついに先日、JOCから、2026年冬季五輪招致スタートとなる「ダイアログ(対話)ステージ」への参加が認められ、今後は国内支持率アップへの支援等が必要になってきます。 スポーツによる社会変革(ソーシャルイノベ――ション)は、冒頭にもありましたが、自治体が先導して行うことは困難です。キャンペーンやプロモーション、あるいは、マーケティングといった戦略的な動きが必要となります。スポーツイベントの誘致も、イノベーションを促す非常に重要な仕事です。多分、日本のスポーツ政策の停滞は、スポーツの衰退を意味します。
 2026年に冬のオリンピック招致を目指すということですが、今、フランスとアメリカが2大会連続でオリンピックが決まったので、冬の大会は動けないですね。こんな好機はないと思います。今、ライバルが特に見つからない。スイスのシオンで6月に住民投票が行われるということで、まだ分かりませんが、意外と2026年はチャンスが広がるのかなと思います。
 2020年のレガシーを生かすには人材の育成が必要です。2020の準備で年育ってきた海外に強い人材を、次にどこで活用するのかというのは、レガシーを考える上で重要な課題です。あるいは、先ほどの大日方さんの御意見のように、選手に次の目標を与えることも重要となります。よって2026年か30年か分かりませんが、冬季五輪招致をうかがう札幌市の動きは、オールジャパンで取り組んでいくべき課題であると思います。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、長ケ原委員、お願いいたします。
【長ケ原委員】  私も今の流れで、6分以内で何とかまとめたいと思います。
 挨拶で申し上げましたワールドマスターズゲームズを中心に、幾つか情報を紹介させていただきたいと思いますが、お配りいただいている資料の1ページ目が大会パンフの一部を掲載しております。そもそも、なぜこの日本関西で開催されるのかということの背景については、このワールドマスターズゲームズ自体の国際展開ということに関係しております。
 以前、この大会の招致活動を滋賀県が行いまして、そのときには、残念ながら、僅差でシドニーに敗れましたが、その際の精力的な招致活動のレガシーが残りまして、この大会の主催団体はIMGA、国際マスターズゲームズ協会といいますが、そこの方から、10回記念大会では、アジア初として滋賀県を含めた関西全域で開催してはどうかという打診が入ったわけです。
 ちょうどそのときに、北京、ソウル、シンガポール、そして、ドバイからも招致意向があったそうですけれども、IMGAはこの参加型の国際大会ですので、これを成功させるためには、こういう国ではないと。アジアでいち早くオリンピックを経験して、その後、生涯スポーツ文化を最も発展させた国、しかも、マスターズにふさわしい最も高齢化の進んだ国、そして、大会の特色であるスポーツツーリズムの観光資源という関西の魅力から、日本、関西に白羽の矢を立ててきたということです。
 こういう背景ですので、今回の関西大会というのはアジア初開催として、ワールドマスターズゲームズがその名のとおり、世界大会になる瞬間でして、しかも、最高規模となる歴史的大会となることを期待されているというわけです。
 こういう中で、関西大会の準備をスタートさせましたが、まずは、5万人を集めようという目標を設定しまして、このうちの国外からは2万人、特に参加層の薄かったアジア参加者、ターゲットとしながら、アジア圏全体の生涯スポーツ振興にも寄与していきたいという意向です。
 選手自身の国際展開という意味で申し上げますと、原則、30歳以上であれば、誰でも出場可能ということが大会の最大の魅力ではないかと思います。通常は、国際スポーツ大会といいますと、見る、あるいは、応援するという関わり方が主なものですけれども、この大会は自らが選手となって誰でも世界舞台に立てると、そういう国際オープンイベントとしての魅力があるんではないかと思います。
 さらに、ここに書かれていますように、メダルも授与されるます。各年代別、あるいは、競技によっては、レベル別に金銀銅全てのメダルが授与されますので、人数が多いですから、もうメダルラッシュの状態になります。ちなみに、前回のオークランド大会では、メダル総数が約1万3,700個、メダルセレモニーが合計2,300回ですので、やっても、やってもメダルセレモニーが終わらないと。ですから、その後の夜の会場パーティーでも引き続き行われまして、いろんな国の方々で互いの健闘を讃え合うというような、そういう国際色豊かなお祝いムードにあふれた大会になるわけです。
 2020年、先ほどから話が出ていますが、この五輪大会ではメダルに日本じゅうが歓喜すると思います。そして、その21年、翌年には、今度は自分たちがメダルを目指しながら、国内外のスポーツ愛好者と競技を楽しむ。そういう世界的祭典というのが実現されていくような、2021年でのイメージを本大会では描いております。
 また、大会開催後も、レガシーとして、この盛り上がりをつなげていきたいということで、同時進行で準備を行っておりまして、その裏の方ですね、概要を示しております。2ページ目をごらんください。
 これまで、ワールドマスターズゲームズというのは、大会前からレガシーを計画したという例は一切ございません。この大会から、初めて専門委員会が立てられまして、最初に基本構想の策定、そして、今、その構想を実現するためのプロジェクトを具体的に立ち上げる段階に入ってきております。この大会は、生涯スポーツの参加型の国際大会ですので、レガシーの内容というのは、施設、インフラといったハード面よりも、むしろ、この図に示していますような個人や地域、観光、産業、文化の活性化であるとか、様々な国際化の促進であるとか、教育や科学振興にも関わっていくような、そういうソフトレガシーの方に重点が置かれています。
 さらに強調したいのは、この図の上の2番目に掲げております相乗レガシーという言葉、目標です。2019年から、三つのビッグイベントの連続開催で、どんなふうにレガシーがつながっていけるかという視点ですけれども、将来的には、この特に五輪大会とワールドマスターズの関係性が更に強まっていくんではないかということが注目されております。
 その内容を、次のページに示しておりますので、ごらんください。最後のページ、3ページ目となります。この資料、上の図は、1964年の東京五輪を起点としまして、二つの大会を列記したものですけれども、この両大会というのは、関係性、薄かったんですが、我が国で2回目の五輪大会を迎える際には、その連携が実質的に開始されます。そして、その連携に対して世界の注目が一層集まっていくことが予想されます。といいますのは、次の2024年のオリンピック・パラリンピックの開催地はパリ、2028年がロサンゼルスに確定しましたが、それぞれの同じ開催地におきまして、ワールドマスターズゲームズが翌年に開催されるということになります。そして、その後の五輪大会の開催地の決定の際は、原則としまして、その翌年、ワールドマスターズゲームズが連続開催されていくということが昨年11月29日にIOCとIMGAによって合意されたわけですけれども、これはトップスポーツと生涯スポーツのそれぞれの最高峰の国際大会が結び付いたという歴史的な瞬間ではないかと思います。
 オリンピックアジェンダで2020の提言で掲げられておりましたオリンピック、ワールドマスターズゲームズの連携強化を図っていくという目標の達成が加速化された結果になりましたが、この背景としては、これまでの五輪大会の開催というのが一般市民のスポーツ・フォー・オールまで果たして還元できたかどうかという課題がありました。そこで、スポーツ・フォー・オールを象徴するワールドマスターズゲームズを大会後に連続開催することによって、オリンピックムーブメントを最初に受け止めるレガシーイベントとして、ワールドマスターズゲームズを位置付けていこうということで、双方の歩みがあったというふうに言われています。
 この世界動向を考えますと、2020、21の我が国の連続開催というのは決して特例ではない。むしろ、世界に向けての前例になっていくということです。トップスポーツと生涯スポーツの国際大会が連携して、オリンピック・パラリンピックも含めて、ワールドマスターズゲームズがどのようにレガシーイベントになっていけるかという可能性を最初のモデルとして、この日本が、今から世界に対して発信していくということになるわけですけれども、こういうタイミングも含めて、我が国からのスポーツ分野における国際展開の一つの可能性になってくるんではないかということで、最後に御紹介をさせていただきました。
 以上でございます。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 では、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  ありがとうございます。それでは、私の方から、頂いているテーマのJICAのスポーツ国際展開に関する取組事例、スポーツの国際展開において、日本が打ち出すべき強み、簡単に御説明したいと思います。資料は鈴木と書いてあるものが入っていると思います。
 まず、JICAでございますけれども、スポーツ関係、主には、青年海外協力隊あるいは、シニアボランティアといったJICAボランティアの派遣によって、草の根から代表レベルまで、スポーツ普及、競技力の向上支援を実施しております。
 最初の資料1にございますけれども、これまで、90か国に延べ3,993名、約4,000人、の体育・スポーツ関係のボランティアを派遣しております。28職種ということで、体育が一番多いですね。これは、学校の体育ですとか、一般的な体育科目で、その次が、野球、柔道ということで、野球はチームで出すことが多いので、人数が増えます。柔道は日本のお家芸ということで、数が多くなっています。 隊員の役割は直接的な選手や生徒への指導に加えまして、教員やコーチ、そういった指導者の育成というのも活動には含まれていると思ってください。例えば相撲の1名派遣というのが表の一番下から二つ目にございますが、様々な分野で実施しております。
 次のページでございます。これまで隊員が、JICAボランティア、協力隊員が指導したオリンピック・パラリンピックの出場選手の一覧ということで、国ごと、開催年ごと、競技ごとに書いております。合計、一番下の出場選手数がありますが、7とありますが、これまで7個のメダルを取っておりまして、約90名の教え子たちがオリンピック・パラリンピックに参加しています。
 最近の事例ですと、2012年のロンドンですね。モンゴルの柔道隊員の教え子がモンゴル初めての金メダルを取ったという例がございます。隊員が2代にわたって支援した、指導したと聞いております。このほかにも、ワールドベースボールクラシックのブラジル代表コーチが元ブラジルの協力隊員の野球隊員だったとか、幾つかそういうケースもございます。
 先ほどのお話の中にも随分出てきておりますが、単にスポーツの競技だけではなくて、という点で、資料3に、運動会の実施ということで、隊員が実施した運動会の世界マップがございます。。これは必ずしも、先ほどの4,000名のスポーツの隊員ということだけではなくて、小学校ですとか中学校に派遣されて、理数科を教えるとか、あるいは、小学校の先生をやっているボランティアが、日本の運動会を現地で広めております。統計をとっている2014年からの累計で、31か国79件の実施がありました。アジア、アフリカ、中東、中南米、カリブと非常に幅広く行っております。
 とかく、途上国は、どちらかというと、テストの点数だけを重視しがちな教育現場なのですが、この運動会を使って、もちろん、我々日本人は非常に運動会はとても普通ですが、これらの国々ではそうではありません。みんなで役割分担をして、それぞれ発表をどうするとか、企画をどうするか、最後までどうやってみんなを巻き込んでいくか、などなど、様々な能力の開発の場になっています。、いわゆる理数科とか、机上の教科外の学びの場面として非常に重要だと思っております。現在、隊員によって運動会多くの国で数多く開催されているところでございます。
 次に事例としまして、一番最後のページの南スーダンの事例でございます。これまでは、メダルの話ですとか、運動会の話をしました。これはさっき有森委員の方からも、カンボジアの子供たちの精神面をどう癒していくかとございましたけれども、JICAでは2016年より南スーダンでスポーツ大会を実施しております。
 スポーツを通じて分かり合えることこそあるということの事例に、民族融和を図るというのがございます。民族融和を図るイベント、国民結束の日というのがございまして、これ、このときを使って、こういったスポーツイベントを行っております。第1回は2016年、に行いました。2回目の2017年ですが、実は今、治安が非常に悪く、日本人は引き上げておりまして、ウガンダからの遠隔操作で今年2017年も、現地に残っているJICAのナショナルスタッフの現地のみなさんの協力で、再度南スーダンでスポーツ大会が開かれたということでございます。
 スポーツを通じた民族融和、スポーツを通じた平和構築、人間の安全保障といったところは非常に重要な視点のもので、この事例を紹介させていただきました。
 それと、最近の事例でもう一つ申し上げますと、さっき、資料にイカンガーさんの写真が出ておりましたが、実は、タンザニアではJICAの広報アドバイザーをイカンガーさんにお願いしているのですけれども、そこで、女子のための陸上競技大会を、「レディーズファースト」という名前で、女子選手だけを対象とした競技会を、この11月25、26で初めて実施しました。女子教育は、どうしても、アフリカでも、後に後に回っていく中で、女性の非エンパワーメントというのを重視し、このような企画を実施しました。 最後に、打ち出す強みをもう簡単に御説明します。先ほど申し上げましたように、スポーツは競技ということだけでなくて、やはり、目的を達成するための忍耐力ですとか、自己抑制、目的への情熱、それから、二つ目としての社会性、思いやり、敬意といった他者との協力、三つ目としての自尊心とか自信とか、そういったものが上げられると思います。
 日本が実際に協力するに当たっては、強みとして、日本が我々自身ですでに行っているような、運動会やスポーツイベントをみんなで盛り上げていく。他者とのつながりを持って、問題を解決する。精神力を養う。あるいは、スポーツを単に競技技術だけではなくて、礼儀作法とかフェアプレー、道具の扱い方とか、そういったものを含め、人の育成、まさに人格の育成という観点から、日本のスポーツというのは非常に役立つ部分が多いと思います。
 さっき申し上げた平和構築も含め、そういう精神力とか課題解決能力とか、SDGsの御紹介がありましたが、開発課題の解決につながるものこそ、我々が支援する価値があるところではないかなと思っております。
 以上でございます。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 篠原委員、お願いいたします。
【篠原委員】  では、私の方の資料をごらんいただければと。
 二枚ものの資料を用意していると思うんですが、前回の会議の折にも説明をさせていただいておりますので、簡単に申し上げたいと思います。
 やはり、地方公共団体、地方が国際展開、国際貢献に取り組むメリットとして、今そこに上げているようなところが考えられると思います。
 今、実際の国際展開の例としましては、やはり、一番簡単なものが国際大会等の誘致、それから、姉妹都市等におけるスポーツ交流、CLAIR(クレア)さんの資料を調べさせていただきましたら、今、総数としては1,700ほど姉妹提携を結んであって、自治体数では約900近くあるようです。そのうち、スポーツで交流をやっている自治体さんは32でありまして、その内容としましては、スポーツ少年団の交流であるとか、マラソン、これについては先ほど話がでましたけれども、その派遣、又は、受入れ、そういったスポーツ大会の参加といったようなことがあるようです。
 ただ、その対象となっている国を見ますと、やはり一番多いのは韓国、中国、あとはヨーロッパ。アジアに関してはほとんど姉妹提携を結ばれてないという実情のようです。これ以外にも当然あると思うんですけれども。
 その中で、福岡県のケースをみますと、そこに書いておりますけれども、県内ではいろんな意味で国際交流、国際大会の誘致等がうまくいっている例があります。今、全国的にキャンプ地誘致に自治体は積極的に取り組んでいます。例えば北九州市さんは、海外水ビジネス事業というものを展開しておりまして、アジアのいろんな国に対して、水を使ったビジネスをやっています。
 それをきっかけにして、キャンプ地誘致にも取り組んでいて、実はもうタイのチームのある競技がキャンプをやるということが前向きに進んでいます。それから、田川市というところが筑豊にあるんですけれども、ここは日体協さんのスポーツ少年団の交流事業で、ドイツとこれまでも交流があったというつながりから、車椅子フェンシング、これ、パラスポーツですけれども、のキャンプ地誘致についても調印が結ばれる方向に進んでいるといった例もあります。
 それから、飯塚、ここでは国際車椅子テニスがもうずっと長年されているわけですけれども、そのつながりの中から、南アフリカの車椅子テニスチームがキャンプを行う方向で進んでいます。
 実は、飯塚と田川って非常に近い位置関係にありまして、この筑豊地区全体を巻き込んで、パラスポーツのキャンプ、そういったものにも取り組んでいこうといった動きもあります。
 それから、もう一つ面白い例が、オセアニアオリンピック委員会の方からJOCさんの方に、是非どこか、日本の自治体でキャンプを受け入れてくれるところはないかという相談があった際に、たまたま福岡を紹介をしていただき、15か国が連盟でキャンプをやるということで、すでに福岡にいろいろな競技が視察や練習に来ています。
 また、オセアニアオリンピック委員会からは、是非、福岡から指導者を派遣してくれないかと。そこでチームの指導をやって、うまくいけば、オリンピックはそのナショナルチームのコーチとして派遣するよといったような提案をされているような状況で。今、オリパラのキャンプの誘致、今招致合戦みたいな感じにちょっとなっていて、自治体としては懸念するところもあるんですけれども。
 次に、ちょっとページ飛びますけれども、最後の2ページ目の今後の国際展開を自治体が、どんなふうにやっていくのかというところでちょっとお話しさせていただきますと、まず、一つは、やっぱり今回のオリパラのキャンプ地誘致、ラグビーワールドカップもありますが、そのときにできるネットワークをいかに持続させていくか、レガシーという言葉、先ほどから出てきておりますが、それが非常に重要だろうというふうに思っております。
 そのためにも、自治体をその気にさせる。なぜ国際貢献を自治体がやる必要があるのかという仕掛けといいますか、そういったものが非常に大事だなと。
 そのときに、二つ目に上げておりますけど、これは、先日の新聞報道で鈴木長官も触れられておりますけれども、アフターキャンプ。事前キャンプはコンディション作りなど選手たちもナイーブな状態にあるんですけど、終わった後というのは比較的にリラックスした状態にあるので、アフターキャンプを地域につなぐ。そのことによって、地域が国際化ということについて目を向ける非常にいいきっかけになるんじゃないかなと思います。ですから、これは例えば国レベルで、自治体につなぐ、そういったことに取り組んでいくと、非常に進むんじゃないかと思います。
 それから、先ほどからパラスポーツの話がありますけれども、パラスポーツに関しては、これも新聞に載っておりましたが、パラリンピック競技を招致することによって施設のバリアフリー化、心のバリアフリーに自治体が取り組むといった例もあります。これは私の持論なんですけれども、パラスポーツ、障害者スポーツを普及させることはこれから高齢化していく中での高齢化にとっても優しいスポーツなんだという位置付けで、今、福岡県の障害者スポーツに今取り組んでおります。自治体にとって、パラスポーツのキャンプ誘致に取り組むことによって、バリアフリー化が進みそれが高齢者にとっても優しい環境になるんだと、高齢者にとってのスポーツ振興につながるんだと、自治体の職員なりが、そういうことに目を向ける方向に持っていくことが非常に大事じゃないかなと思います。
 先ほどから、いろんな委員の方から、国際貢献の事例等、たくさん出てきたわけでてすけれども、これに対して自治体として何ができるのかなというふうに思いながら、ずっと聞かせていただいておりましたけど、やっぱり自治体が海外に対して貢献するその意義というか、その辺に課題がある。
 もう一つは、やはり情報、そういう情報が自治体にあれば、じゃあ、こんなことならできるかもしれないなということが多分、自治体の中でも生まれてくると思いますので、うまくその辺がつながっていくといいいよなと。今日、和久委員もおられますけど、先ほど説明がありましたコンソーシアムといった場等もありますので、そういう情報がうまく自治体の方に伝わっていくと、自治体としてもできることがどんどんできていくんじゃないかなというふうに思いながら、お話を聞かせていただいております。
 それから、コミッションの話も先ほども出ましたので、やっぱり自治体の職員だけではなかなかそういうアイデアなり、実際の運営といったものができませんので、コミッションがこれからどんどんいろんな自治体でできていくことは非常にいいなというふうに思っているところです。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 斎藤委員、お願いいたします。
【斎藤委員】  こんにちは、皆さん。斎藤です。おなかもすいてきたので、なるべく手短にまとめたいと思っています。
 フランスのスポーツ外交戦略についてなんですけれども、前回お話ししましたとおり、私、2010年からフランスの方に渡りまして、アヌシーの冬季五輪の招致委員会の会長秘書としてフランスに行きました。皆さんも御存じのとおり、オリパラを招致しますと、大概、国とNOCと、あと、招致委員会がすごく仲が悪いんですけれども、フランスも御多分に漏れず、物すごいぐちゃぐちゃした中で、しかも、外国人1人として非常にせつない時期を過ごしながらも、中からいろいろなことが見れましたので、その点を踏まえて、見てきた中で、二つ、すごくいいなと思ったプログラムがありましたので、御紹介します。
 その前になんですけど、フランスのスポーツ外交における目標として、大まかなものが四つありまして、まずは、IFにおけるプレゼンスの向上、二つ目がスポーツのノウハウ、自分たちの持っているノウハウを他国と共有し、ほかからも学ぶこと。三つ目が、フランス国内は様々な大型イベントをやっているんですけれども、2016年だったらユーロ大会ですとか、2018年にもライダーズカップ、ゴルフの大会があったりしまして、そういったものをせっかく誘致した以上は、そこで学んだ経験をきちんと後年に引き継いでいこうということが三つ目。四つ目としましては、IOC委員の数を減らさない、なるべく増やしていこうということです。
 もちろん、今、スポーツが多様化されていて、オリンピックだけが大事ということではないんですけれども、やはり国際舞台、スポーツ界で発言力を増していくためには、どうしてもIOC委員の数を保って、ある程度は増やしていかないといけないということをフランスは認識をして、それに沿っていろいろなプログラムを実施しています。
 一つ目なんですけど、Parcours Ambition InternationaleというこのPAIというプログラムなんですが、日本語にすると国際野望への道みたいな感じになっちゃうんですけど、要は、国際人養成プログラムでして、CNOSF、フランスのNOCが主導でやっています。これは半年に4回ぐらい開催されていまして、週末の2日間を使って4回に分けています。大体はNOC内でセミナーをやるんですけれども、1回は必ず近隣諸国、例えばローザンヌに行ってIOCを訪問したりですとか、ブリュッセルに行ってEOC関連の人と会わせて、国際的な外交を学ばせるようなプログラムを組んでいます。
 これはもともと、UKスポーツのプログラムがモデルになっていまして、今予算は年間3万ユーロぐらいを割いているようです。セミナーのほかにも、語学プログラムをやったりですかと、あとは、そうですね、基本的にはIFで活躍できそうな人材を特定、まず特定するのが第一任務としてあって、その後に、活躍したい人ですとか、役員選挙を控えている人などを集めたりして、このセミナーを開催して、あとは、アスリート、現役アスリートでも将来有望な人とか、そういった願望がある人をどんどん集めて参加してもらうですとか、既にIFにいて重要ポストに就いているフランス人でも、自分の後任となり得る人を連れてきてもらったりですとか、そういうふうにして参加してもらって、このプログラムに参加しています。
 これは現在も続いていまして、NOCの方が主体となって、今もやっています。内容としてはちょっと割愛しますけれども、もし御興味のある方がいらっしゃったら、御連絡いただければ、お伝えできます。
 もう一つ目の方がcomité Franqais du Sport Intenationalという国際スポーツ委員会というものが、これもやっぱりNOCの中にできたんですけれども、これは2012年に、オーランド前フランス大統領がロンドン五輪に訪問した際に、スポーツ外交において、国とスポーツの役割をきちんと分けようということで、スポーツ界はスポーツ界、リーダーとしてどんどんこれを引っ張っていってもらって、国はバックアップとして後ろから応援するよということを明確にさせるために、当時のヴァレリー・フールネロンというスポーツ大臣にお願いをして設立をNOCと一緒にしたものです。ベルナール・ラパセという前IRB会長が会長となり、この委員が2012年の12月に設立されています。
 もう一つの大事な役割としては、2024年のパリ招致が実際にやれるのかどうか、やる意義があるのかどうかというのを調査する委員会となっていました。その結果、これはやる意義があるということで、皆さん御存じのとおり、招致に名乗りを上げて、めでたく2024年を勝ち取ったという経緯がありまして、というわけで、この委員会は現在は解散されて、もうなくなっています、役割を果たしたということで、今のところはこれはなくてって終わっています。
 こういった二つのプログラムを2012年ぐらいからやってきて、現在、招致もたち取り、IOC委員も3名いるという状況になっていますので、フランスは非常に外交が上手だなというのを中から見て思いました。
 ここに3番と4番といろいろ上げているんですけど、ちょっと時間もないと思うので、またの機会にお話しできればと思うんですけれども、フランスのそういった取組からは、確かに地の利があって、ヨーロッパの中にあるフランスではあるんですけれども、日本の方もここから学べることはあるんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、小野寺委員、お願いいたします。
【小野寺委員】  日本体育協会の小野寺です。 私の方からは、日本体育協会によるスポーツ国際交流の成果と今後の方向性についてお話をさせていただきたいと思います。
 日本体育協会における国際交流は、相互理解と有効親善を推進することを目的に、幅広い世代で、大きく分けて七つの交流事業などを実施しております。本日は、時間の関係から、各事業の詳細については割愛させていただきます。
 資料1、上の段をご覧ください。まず、一つ目、韓国との交流です。日韓スポーツ交流は、2002年ワールドカップサッカー大会の日韓共同開催の決定を機に、青少年交流、成人交流、地域交流を実施しております。1997年からスタートし、今年で21年目を迎えました。
 青少年交流は、夏季と冬季の交流会で、夏季は小中学生を対象に5競技、冬季交流は中学生を対象に4競技で実施しております。成人交流は両国で開催されるスポーツ大会、日本では本会が主催する日本スポーツマスターズ、韓国では全国生活体育大祝典に参加する形式で、30歳から70歳の愛好者を対象に、10競技で実施をしております。地域交流につきましては、本会から都道府県体育協会へ委託し、財政的な支援を行うとともに、積極的に交流ができる環境を整備しております。
 二つ目は中国との交流です。2007年、日中国交正常化35周年を契機とし、同年より実施しております。青少年指導者交流と青少年スポーツ団員交流は、スポーツ少年団を窓口に、隔年で派遣と受入れを実施しております。成人交流は30歳から65歳の愛好者を対象に、4競技で交流をしております。地域交流につきましては韓国との交流と同様に、都道府県体育協会への委託事業として実施しております。
 なお、韓国、中国との交流につきましては、昨年9月に開催されました日韓中スポーツ大臣会合での平昌宣言におきまして、将来的に2国間交流を3か国交流に充実、発展させていくことが約束されております。これを受け、現在、両国と大会の在り方、競技、開催地等について検討、協議を進めているところでございます。
 三つ目は、日韓中ジュニア交流競技会です。日韓中ジュニア交流競技会は1993年から始まった高校生年代の代表クラスを対象とした競技会形式の交流となっております。11競技に、日本、韓国、中国の代表、さらに開催地の代表が参加し、各選手団はそれぞれ245名で構成されている1,000人規模の交流競技会となっております。
 続きまして、下段をごらんください。四つ目はドイツとの交流でございます。日独交流は、1974年から、両国のスポーツ少年団とスポーツ少年団指導者による交流を行っております。スポーツ少年団同時交流は、日本スポーツ少年団とドイツスポーツユーゲントによる相互交流で、毎年、夏休み期間中に16歳から24歳の青少年を対象に、派遣と受入れを同時に実施し、今年で44回目を迎えました。スポーツ少年団指導者交流は今年も10月に派遣と受入れを実施しております。青少年指導者セミナーも少年団、指導者を対象に、相互交流形式で実施をしております。
 五つ目はロシアとの交流でございます。この交流は本年度からスタートした交流で、地域交流推進事業として都道府県体育協会へ委託しております。
六つ目は国際スポーツ・フォー・オール協議会、TAFISAとの連携協力でございます。日本では、本会が国内の生涯スポーツ団に関わる3団体ともに、日本スポーツ・フォー・オール協議会、TAFISA JAPANを構成し、国内のスポーツ・フォー・オール運動の推進や国際会議への参加を行っております。また、2年後の2019年11月には第26回TAFISAワールドコングレスを東京で開催することとなっております。
 最後になりますが、ASEAN諸国におけるスポーツ推進貢献は、本年度からスタートした新規事業でございます。この事業は、ASEAN10か国を対象に、日本が培ってきた生涯スポーツ推進のノウハウを提供していくという未来志向の事業であり、事業の目的は、生涯スポーツの基盤作り、キーワードは「スポーツを通じて子供たちを笑顔に」です。
 次のページになります。本会の今後の方向性についてです。スポーツによる国際交流を通じて、一人でも多くの人に、多様な異文化に対する理解を深める機会を提供すること、また、スポーツによる国際協力を通じて、様々な理由によりスポーツに関わる機会が限定されている人々にあっても、公正かつ公平にスポーツに親しめる基盤を作る。この二つを念頭に置いて、事業を展開することで、微力ですが、平和と友好に満ちた社会の構築の実現に近付けていければと考えております。
 私の方からは以上でございます。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、大塚委員、お願いいたします。
【大塚委員】  それでは、私の方から、IF役員による国内スポーツへの貢献方策、並びに、JOCの立場から、スポーツ団体における国際人の育成、JOCの国際人養成アカデミーの経緯についてお話ししたいと思います。
 まず、IF役員による国内スポーツへの貢献方策ということで、IF役員は、国際スポーツ界の最前線に存在しており、最も新しい情報を素早く入手することができる位置付けであるということ。また、IF役員は、これから、IF役員の立場を活用して、世界における日本のスポーツ界の地位向上を図ることを新たな目的としていくべきであると。今までのIF役員はどちらかというと個人の資質でチョイスされたり、入っているケースが非常に多かったんですけれども、現在の体操協会の渡辺会長、卓球の前原さん含めまして、やはり求められて今入ってきている状況です。
 さらに、NFの組織のバックアップがあってIFの役員になっているということが現在と過去の大きい違いですので、当然、人の財産、イコール、NFの財産、組織の財産、日本の財産としてフィードバックすることが現在は求められているということを過去との大きな違いだというふうに思っていただければと思います。
 ここに五つのポイントを上げさせていただきました。IFの情報がいち早く入ることによって、NFの国際戦略がいくとおりも想定可能となってきます。マーケティング面、参加のクオリィファイのポイント、開催地、次の世界選手権等の開催地情報、ルールの変更、テクニカルデディケート、今度のデディケートは誰がなるのかと。またIFへの人材投与の情報、こういったものが入手することができるようになってまいります。
 さらに、IFの役員になることによって、ほかの国のNFの情報が早く入ってきて、NFのハイパフォーマンス戦略に生かしていくことができます。もちろん、的確じゃないハイパフォーマンスも他国にはいっぱいありますし、的確なものもありますので、そういったものをうまくチョイスしていくことができると思います。
 さらに、コーチですね。世界じゅうにいるプロファイルなコーチのランク付けが行われておりますが、そういったこともきっちり情報として取ることができます。
 さらに、IFの立場、役員の立場は、IOCの動向、また、IPCの動向をいち早く日本のスポーツにフィードバックすることができると思います。
 また、新たなIOC委員の確率の情報、それから、各種IOCプログラムの動向確認などもこのIFの役員をもってすれば、可能であるということでございます。
 それから、我が国のこの2020の東京オリンピック・パラリンピック対応、ここも、IOCにとってIFは最も大きいステークホルダーであるということをもう一度思い起こせば、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会はIFの役員をうまく活用することが有効に働くことだと考えております。
 さらに、日本のスポーツ産業をどのように拡大していくかという部分において、このIFの役員からの情報というのは非常に大きいものになってくると思います。特に今求められているのがスポーツへの投資ですね。この投資という産業がもしスポーツ界に入ってくれば、15兆円の到達というものも非常に近付くんではないかというふうに思っております。
 国内のIF役員と、今、何名かいるこのIF役員と、スポーツ庁、または、オリパラ組織委員会、JOCとの間の定期的なスポーツ、国際スポーツ最前線の戦略のディスカッション、これが定期的に行われることが今の日本においては必要ではないかなと思っております。
 既に組織委員会等はいろんな形でつながり始めておりますが、まさにIF役員の活用というところを逆に御理解いただければと思っております。
 もう一つ、人材育成に関連する部分で、スポーツ団体における国際人の育成について、JOCの国際人養成アカデミー、JISLAについて、簡単に御説明申し上げます。このページはJISLAの説明をさせていただいておりますが、こちらに書いてあるような目標、目的で設立いたしました。7年もたっております。現在はIFの役員を中心にしていたものから、IFのカウンシルメンバー、専門委員会、また、事務局、それから、世界でのいろいろな大会の組織委員会、こういったところに入れることを目的に、また、スポーツディレクターの養成なども目的にスタートしております。
 英語力に関しましては、本年度より、基礎的英語力の義務化を完全な条件としましたので、ますます厳しいものになってきております。開催概要におきましては、7月14日から11月1日、これは本年度の事例ですが、全8週間の金曜の仕事が終わってから、土曜、日曜、ナショナルトレーニングセンターの方に泊まり込みで行っております。
 カリキュラムの方は全部で82こま、うち、半分が英語の学習という形になっております。非常に詰めた内容でございますが、充実したこの8週間を過ごしていただいております。
 それでは、この7年間の成果はどうかといいますと、7年目を修了して確実にIF、AF、テレビ、組織委員会に人材を輩出しております。また、オリンピアン・パラリンピアンの受講も増加し始めております。さらに、ここを受講した生徒たちが、NFに戻って、NFの中でのモチベーションアップ、様々な改革につながっております。先ほどのJリーグの山下委員などもこちらの卒業生になっております。
 既に一定の成果となっていることから、JOCコーチングアカデミーとともに、この国際人養成アカデミーの継続事業であることが望ましいと考えております。
 さらに、このアカデミーの有効な成果としては、NF間の連携、交流が大きな広がりを見せているところでございます。これを活用して、NF間の組織、NF同士の組織がもう一つできると、更にここにおいて人材交流、共有、また、IOC、OCA対策、NFの自律、自立などを図っていくことができるんではないかと思っております。
 事例としては、IOCの外郭団体にあるアソヒフ、オリンピック競技団体連合会など、NFだけの組織作り、そこで情報共有及び情報交換をしていくものが今後あることによって、さらに、この国際人の活躍の場が広がってくるんではないかというふうに考えております。これはJOCの中でも十分に議論を今重ねているところでございます。
 最後のページが、アカデミー受講者の修了後のポジションですね。現在、修了、卒業生が171名、おかげさまでいらっしゃいます。全てNFの出身者で、NFに帰属がある方々です。この方々が現在はIF、AFの理事会に3名送り込まれています。専門委員会の方には、このように、18名の14名ですから、32名、送り込まれております。以下、色分けしてありますけれども、修了生がこのように活躍している場面が既に生じているというのが現状でございます。
 簡単ですが、以上となります。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、次は札幌市梅田スポーツ局招致推進部長様から、御発言をお願いいたします。
【札幌市(梅田)】  札幌市スポーツ局招致推進部長の梅田と申します。まず、本日、前回に引き続きまして、札幌市長の秋元が欠席となりましたことに対しておわび申し上げますとともに、札幌市の取組について御紹介させていただく機会を頂きましたことに対して、感謝を申し上げます。
 それでは、札幌市のスポーツによる地域活性化方策について、簡単に御紹介させていただきます。
 札幌は、1972年のアジア初となる冬季オリンピックの開催を契機に、大きな変貌を遂げた、まさにスポーツにより発展した都市でございまして、当時は国際都市札幌を目指して、地下鉄の整備や高速道路の整備といったまちを「つくる」オリンピックでございました。
 また、このオリンピックによって、スキーやスケートといった多くのウインタースポーツ施設ができましたが、それとともに、市民へのスポーツ文化がもたらされました。当時の施設は45年経過した今も、多くの市民が日々利用しておりまして、ウインタースポーツは市民の生活の一部となってございます。
 また、1972年大会以降、数多くの国際大会を継続的に開催しております。毎年行われますスキージャンプのワールドカップをはじめ、2007年には、ノルディックスキーの世界選手権、そして、2015年には世界女子カーリング選手権などを行ってまいりました。そして、今年は冬季アジア大会と、IPCノルディックスキーのワールドカップというオリパラ種目での大規模大会を開催をいたしまして、アジアにおけるウインタースポーツの拠点としての札幌を世界にアピールしてきたところでございます。
 続きまして、先ほど、原田先生からも御紹介いただきましたさっぽろグローバルスポーツコミッションの取組について、御紹介をさせていただきます。
 札幌・北海道は、ウインタースポーツ環境・豊かな自然があるということで、そういった豊富なスポーツ資源を生かして、スポーツの力によって交流人口の拡大、そして、地域の活性化を行おうということで、このスポーツコミッションを昨年の3月に北海道、あるいは、スポーツ団体、経済界など、8団体によって設立をしたところでございます。
 取組の大きな柱といたしまして、ウインタースポーツツーリズムの推進がございます。北海道は夏場は避暑地として多くの観光客が訪れますが、冬は、雪まつり期間中の特定の期間を除いて、観光の閑散期となっております。この時期に、北海道の強みを生かして、いかに地域を活性化していくかということが課題になってございます。
 今、平昌、北京と冬季オリンピックがアジアで続くということで、アジアで爆発的にウインタースポーツ人口が増えていくことが見込まれます。また、最近では、欧米のスキーヤーが天然のパウダースノーを求めてバックカントリーのスキーブームが起こるなど、まさに北海道にとって大きなチャンスでもございます。
 そこで、このスポーツコミッションでは、北海道運輸局や道内のスキー場関係者など、多くの関係者と協力、連携をして、このインバウンド拡大に向けた取組を推進しているところでございます。
 例えば、先ほどのアジア大会におきましては、大会に訪れたアジア諸国のメディアの関係者に対して、北海道の魅力を発信するセミナーを行ったり、あるいは、札幌の観光スポットの視察ツアーというものを実施したりしました。
 それから、今年の9月に開催されました北京のウインタースポーツ博覧会においても出展をしたり、フォーラムでのPR活動などを行ってございます。
 そのほか、北海道札幌ブランドという意味で、道内にはたくさんのオリンピアン・パラリンピアンがいらっしゃいます。こうした方々にアスリートアンバサダーとして御協力を頂いて、大会誘致などに取り組んでいるところでございます。
 また、アジア大会で4,300人のボランティアが大会を支えていただきましたが、このボランティアはアジア大会だけで終わらせるのではなくて、これをスポーツコミッションのスマイルサポーターとしてボランティア登録をしていただきまして、今後、札幌ドームで開かれます2019年のラグビーワールドカップ、そして、2020年の東京大会、さらに将来の冬季オリパラ招致を見据えて、継続的に活動していただけるように、研修や活動機会の提供を行っているところでございます。
 続いて、資料の右側の方ですけれども、大倉山のジャンプ場の絵が載っておりますが、札幌では、こういった競技施設を観光にも積極的に活用しているという事例を一つ紹介させていただきます。1972年に使用されました大倉山ジャンプ競技場、冬はもちろんのこと、夏のサマージャンプも行われております。選手用のリフトが観光客も利用できて、ジャンプ台の頂上の展望ラウンジは、ジャンプ台の迫力と札幌の市街地を一望できる市内屈指のビューポイントにもなってございます。観光客が年間40万人訪れる人気のスポットになっており、また、麓には札幌オリンピックのレガシーを伝える札幌オリンピックミュージアムが併設されてございます。こうした競技施設の整備については、競技機能だけではなく、観光的な要素など、経済へのプラスアルファも満たすような工夫を今後も続けていきたいと考えてございます。
 最後に、今年、大きな二つの大会、アジア大会とIPCノルディックスキーワールドカップ大会を、スポーツ庁の皆様、JOCの関係者の皆様、そして、JPCの関係者の皆様にお力添えを頂いて、開催をさせていただきました。
 まず、アジア大会の方ですけれども、この大会は1986年に第1回大会を札幌で開催いたしましたが、当時は東アジア中心に7か国、選手の数も290人という規模でございましたが、今回8回目を迎えまして、過去最大の32の国と地域、これはアジアの全域から、そして、オセアニアからのオープン参加も入ってございます。選手、役員2,000人が参加しまして、8万人を超える観客で盛り上がりました。この大会に当たっては、新しい施設を一つも造ることなく、72年のオリンピック施設を使って開催をしたというのが特徴でございます。
 また、札幌で初めての開催となりました障がい者の国際スキー大会、IPCノルディックスキーワールドカップ大会では、世界の15の国から約130人の選手、役員が参加していただきましたけれども、この大会は障がい者スポーツの普及ということに重点を置きまして、例えば学生ボランティアが表彰式を企画、運営したり、開会前に選手が学校を訪問していただいて、交流を深めるといった若い世代に対して、障がい者スポーツの魅力について触れていただく機会というものを提供した大会になりました。
 この二つの大会を通じて、札幌が培ってきた大会の運営能力に加えまして、72年のオリンピックレガシーとしての競技施設、そして、選手を温かく迎え入れてくれたボランティアをはじめとした市民のおもてなし、そして、札幌が持つポテンシャルを世界にアピールすることができたものと考えております。
 このように、札幌は45年前、オリンピックの開催という形で先駆的にウインタースポーツのよるまちづくりに取り組んでまいりました。今、アジアにおいて、ウインタースポーツ文化というものが大きく動き出そうとしておりますけれども、北海道、札幌は、何といっても、年間6メートルの天然雪が降り積もるというとこで、真のウインタースポーツ環境を持ってございます。こうした環境を生かして、継続的に取り組むウインタースポーツのまちづくりの延長線上に、今、我々が進めております冬季オリンピック・パラリンピック招致の取組があるというふうに位置付けをしております。
 札幌市からは以上でございます。ありがとうございました。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、境田先生、お願いいたします。
【境田部会長代理】  境田でございます。6分間はお話しして、13時になりましたが、よろしいでしょうか。
 資料をごらんください。スポーツ団体のマーケティング拡大方策とスポーツ先端科学研究と国際展開の二つのテーマでお話しさせていただきます。
 まず、ちょっと簡単に、国際バスケットボール協会と日本バスケットボール協会に対する制裁事件について、御紹介をさせていただきます。
 2012年、約3年前、FIBA、国際バスケットボール連盟がJBAに対して資格停止の処分を下しました。これによって、JBAはFIBAの加盟国協会としての権利を喪失し、FIBA及びFIBAアジアの行事に参加できなくなると。具体的にはオリンピック予選にも、リオ五輪の予選にも参加できなくなるという状態になりました。
 この制裁の理由が三つありまして、一つは、FIBA定款に準拠した機能を保証するJBAの組織再編が実行されていない。要は、スポーツ団体としてFIBAが求めるガバナンスが実践されていないということです。それから、二つ目が既存の男子の二つのプロリーグがあるんだけれども、これがJBA管轄下で統一、運営される1リーグへ統合されていないと。FIBAは7年間にわたって、ここのリーグ統合を求めてきたんですが、これができりかったということです。三つ目が、代表チームの強化の明確な計画の提示がないということですが、主にはこの1と2です。協会のガバナンスとプロリーグの統一化、これができなかったことが制裁の理由でした。
 この背景としては、2005年にbjリーグという地域に根ざしたプロリーグが創設された。その後、二つのリーグが併存することになった。FIBAは、2009年以降、再三にわたってリーグ統一を求めてきたんだけれども、最終期限とされた2014年10月までにJBAはリーグ統一を実現できませんでした。この結果、タスクフォースというのが結成されて、このチェアマンは川淵三郎さんがチェアマンに就任された。その後、リーグ統合が進められまして、2015年4月1日にBリーグが設立しました。実はこの段階では、半分ぐらいのチームしか参加してなくて、この後、1か月かけて、残りの220チームを説得、交渉して加盟してもらったんですけど、このリーグの設立は、最初、2人で始めました、2人の理事で開始し、その後、4月4日にバスケットボール協会の全理事全評議員が辞任の意思を表明し、評議員は再任可としましたが、理事は全員辞めてもらって、25人かな、6人の理事は7人の理事に減らしたと。それ、全部外国から招聘したということでございます。
 この結果、8月9日に制裁が解除されたということでございます。
 次のページに行っていただきまして、この経験を通じて、国際スポーツ分野における法律問題ということについていろいろ考えさせられました。近年、国際スポーツ分野において様々な法律問題が存在します。例えば、国際スポーツ団体の傘下のスポーツ団体に対する制裁問題、まさにFIBAのJBAに対する制裁問題ですね。それから、ドーピング違反問題とか、ロシアのドーピング違反事件に対して下した処分とか、それから、あとは、環境問題、放送・放映権問題、外国人選手の移籍問題、参加資格問題など、様々なリーガル的な、リーガルに関する問題がございます。
 じゃあ、国際法とスポーツということについてもう一度考察いたしますと、スポーツに関する国際的な取引や法律問題について、直接に規定する国際法は、一部の条約を除き、ほとんどないんですね。これはスポーツの分野においては、国家権力による法規制はなじまない。スポーツ団体による団体自治の考え方が尊重されてきたからです。その結果、国際スポーツ間において、国際オリンピック委員会、世界アンチ・ドーピング機構、国際サッカー連盟、それから、国際バスケットボール連盟などの国際競技団体が定める規範、規則が重要な規範として運用されているんですね。でも、実はこれらの団体って民間団体です。民間の財団法人みたいな、そういったところが、立法、行政、これを全部一元的に行っているというのが実態なんですね。
 でも、じゃあ、民間団体だから、じゃあ、そんなに大して拘束力はないのかというと、まさに今回のバスケットボール協会のように、そのルールを遵守しない場合、国際試合出場停止という処分を下すことができる極めて強い影響力があるわけです。だから、ここのルールというのは物すごく重要だということです。
 でも、恐らく、各団体、FIBAについて見ても、定款とか、様々な内規があって、いろんなルールを定めていますし、いろんな政策が取られていると。こういったところに関して、先ほど、大塚委員がおっしゃったように、きちんとコミットしていかないと、日本に余り不利なルールが作られたり、要は、スポーツ権が侵害されるようなルールが作られることもある。実際に、ボスマン判決というのが1995年にありまして、サッカー選手が移籍の自由を制限するルールがあったんですね。これは欧州、ヨーロッパのEUの裁判所に訴えて、これが無効になったというケースもあります。
 そのように、民間団体がやることだから、やはりそういった問題を起こすようなルールメーキングをすることもあるので、ここをしっかり監視していかなければいけないと、こういうことが教訓として得られました。
 次に、このバスケットボール協会が、この制裁を受けてどのように変わったかというのがその下の図です。JBAですね、これが平成26年当時、売上げは大体約15億円でした。その傘下に47の都道府県協会があったんですけど、これ、ほとんど法人化されてなかったんですね。その右側に行って、JBAの加盟団体、これがNBLというのがあって、ここにリンク栃木とかトヨタ、日立などのチーム、合計24チームがいました、参加していました。そのちょっとそこにいる斜めの線がありますが、ここに右側にbjリーグというのがあって、ここは加盟団体じゃなかったんですね。認定団体というんですけど、認定団体というのは加盟よりはるかに拘束力、拘束が及ばない外様の団体なんですが、ここに24のクラブがあった。
 NBLの当時の売上げが3億円、bjリーグの売上げが5億円ということで、合計8億円の事業規模立ったんですね、男子のプロリーグは。これが2年半ぐらいたってどうなったかというと、JBAの売上げが15億円から32億円に増えました。それから、Bリーグができて、売上げが52億円ですね。だから、8億円から52億円に増えたということです。
 あと、各クラブも、大体、例えば千葉ジェッツも大体3億円から、恐らく、今、10億円、ほかのクラブも、プロクラブも大体二、三倍にみんな売上げ規模が増えていると。このような形で変化が起きました。
 じゃあ、何でこれだけうまくいったのかという改革のポイントですが、まず、左側、JBAがどのような改革をしたかというと、まず、競技登録者が60万人いますが、これをデータベース化し、データの利活用推進を行うということをしました。それから、あと、都道府県協会の法人化、それから、やっぱりこの任意団体で常勤職員もいなかったここのガバナンス改革を徹底しました。それから、あとは、JBAによって、都道府県協会のマネジメント支援、財政的な支援のほか、様々な支援を行ったということです。
 それから、右側に行って、Bリーグに関しては、リーグと各クラブですね。45のクラブ、これは今はB1、B2の36だけですが、ここの顧客データを共同で利活用するようにした。今まで、各クラブしか持っていなかったデータを、リーグと共同、共有することにしたんですね。さらに、デジタルマーケティングを推進して、要は、スマホが大体、お客さん、持っていますから、そこでオンラインチケットを売り、そこにデジタルコンテンツを配信すると。こういったデジタルマーケティングを推進することによって、今まで分からなかったいろんなデータ分析ができるようになったということですね。あとは、クラブのマネジメント支援も行った。
 これ、ちょっと、あと、下に赤線で連携とありますけれども、今までこのあまり各クラブと各県の協会が仲が良くなかったところが多かった。ここが一体となって事業をするということで、いろんな相乗効果が生まれたということですね。
 次に見てください。ちょっとここからはまた話が変わりまして、こういったスポーツ団体を更に事業規模を拡大していく、グローバルな戦いができるような団体にしていくためには、どのようにしたらいいかという一つのアイデアです。まず、今、これは政府でSociety 5.0、デジタル革命と産業社会構造のパラダイムシフトという中で、Society 5.0を社会全体で変えていきましょう。これは労働集約型から資本集約型、さらには、知識集約型というふうに、要はAI、人工知能やIoT、ビッグデータ解析といった技術が普及したことによって、知識集約型社会に大きく変えていこうというふうに、今、なっています。これによって、生産性の向上や高付加価値化、都市や地方間の利便性の逆転、インクルーシブ、総活躍社会、これを目指していこうと。こういった大きなモデル変換が社会全体で起きています。
 こういったことを目指して、東京大学は何ができるのかなということを考えたときに、まず、東京大学がスポーツ先端科学研究拠点、UTSSIというのを昨年の5月に作りました。ここには、今までのスポーツ科学のほか、ITとか、そういった情報理工の専門家、スポーツ科学、工学など、様々な研究者が集まったということで、ここが実はSociety 5.0を実現する基盤になるのではないかというふうに思っています。
 ちょっと次のページにまた飛んでいただいて、次に、人工知能、AIを活用したテーラーメード型アスリート強化、これをスポーツ研究拠点では推進したいと考えています。この図の見方なんですが、この左側にゲノム・プロテオーム・メタボロームというのがあります。これは人間の体の設計図で、今まで、このゲノムとアスリートの関係を研究している研究者はいたと。その上に、「筋・神経細胞(分子生理)」とありますが、これはアスリートの関係を研究している研究者もいた。運動器と感覚器ですね、上に上がって、の研究者もいた。運動解析の研究者もいた。日常の生体情報、心理とか栄養に関する研究者もいたんですが、実はこれ、ばらばらではなくて、人間の体というのはゲノムが細胞を作り、細胞が筋肉を作りという因果関係でできているので、こういったデータを全部統合データベース化して解析をしないと、個々のアスリートに合った解は出ないわけです。
 こういったことは実は世界でもまだ研究はされていないので、これが今後、こういうスポーツ科学の分野で日本が勝てる大きなきっかけになるのではないかなというふうに考えております。
 最後のページに行っていただきまして、これ、1枚飛んで、Society 5.0の実現に向けたプロジェクト構想案と考えています。これは左側からトップアスリート、学生アスリート、一般健常者などがありますが、こういった人たちからデータを提供していただくと。STEP1は氏名とか年齢とか性別とかメールアドレスとか機微性の低い情報で、STEP2は体力測定結果、生活習慣、STEP3は検診で取るような様々な情報、STEP4はゲノム情報。
 こういった情報を集めることによって、先ほどのオーダーメード、テーラーメード型アスリート評価のビッグデータが得られます。これを統合的に解析することによって、各アスリートに還元をすると。サービスサポートの提供を様々していきたいということ。
 さらに、これだけのビッグデータが集まると、これを匿名加工、誰のものか分からないようにして、これを製薬会社とか医療機器メーカーとかヘルス機器メーカーとかスポーツ用品メーカーとか食品メーカー、こういったメーカーにデータを提供し、共同研究することによって、先ほど言ったSociety 5.0で様々な技術革新が起きます。
 こういったことをするというのが大学というのはできると。既にこういった蓄積があるので、これができる。これをスポーツ団体と一緒に連携していくことによって、今まで、登録者には本当に大会がありますとかという告知とか、そういった形での要は利用しかできなかったものを、もっともっと様々な形で登録者へ提供もできる。さらに言うと、これ、自治体と組めば、自治体と大学と競技団体と組めば、地方、地域活性の様々なイノベーションが起こせるわけですね。
 こういったことを起こすということによって、そういったスポーツ団体も活性化する、自治体も活性化する、地域も活性化するということが実現できるんじゃないかなと思っております。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 司会進行の不手際のため、1時を過ぎてしまいましたので、この後はまた次回の会議で行いたいと思いますので、本日はこれで終了させていただきたいと思います。
 それでは、最後、事務局から御説明、お願いいたします。
【今泉国際課長】  次回以降の会議でございますが、まだ次回の日程は決まっておりません。参考資料2のとおりでございますが、来年1月頃を予定しております。また日程については調整させていただきたいと思います。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。それでは、第2回スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会を終了させていただきます。本日は、ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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