資料1 これまで出た主な意見

これまで出た主な御意見

スポーツによる国際交流とスポーツ産業
・スポーツ用具の開発について、日本がイニシアティブを取りうる(グローバルスタンダードを作っていく)。国内だけでなく、視野を世界のマーケットにも向ける必要がある。
・複数の企業が共同で用具開発するためのプラットフォーム作りも考えうる。
・特に障がい者スポーツ分野においては、より多くの人が競技用具の供給を受けられるようにする必要がある。そのためには、民間企業との協力・連携が不可欠。
・アジアからの期待、アジア市場への新たな展開に大きなポテンシャルがある。世界には相当な市場があり、各国がスポーツを成長産業として伸ばそうとしのぎを削って競争している。海外の市場の実態、規制等の周辺情報を収取・分析し、必要としているところに届ける仕組みが必要。
・スポーツの成長産業化にあたっては、民間企業がビジネスとしてメリットを感じ、自ら積極的に取り組める環境が必要。
・日本のスポーツビジネスの国際展開を図る機会として、国際会議を活用している。
・国際競技大会の招致を梃子として、雇用等様々な波及効果を生み産業を勃興させていく必要がある。
・各国でのスポーツに係る潮流を見極め、マーケットをいかに取り込むかという視点も重要。
・新興国の市場においては、欧米企業のプレゼンスが圧倒的であり、「スポーツ産業といえば日本」というブランドイメージを確立する必要がある。

スポーツによる国際交流と地域振興
・Jリーグのチーム名には必ず地域名を入れる。これにより、チーム名が広まるほど、併せて地域名も人々に広がっていく仕組みになっている。
・スポーツツーリズムはスリーピングジャイアントとも呼ばれている。誰でもスポーツツーリズムに参入できる仕組みが必要。(スポーツツーリズムは未だ社会運動の範疇を出ていない)
・高齢化と人口減に悩む地方にとって、スポーツによるインバウンドは期待できる。一方、国際大会招致には、様々なネットワークから得られる情報が必要不可欠。また、国際戦略を進めるにあたっての自治体の体制や、自治体中の国際担当部局とスポーツ担当部局の連携も必要。
・自治体においてスポーツ分野の国際関係業務を実施する人材と体制が不十分。実施する際には、その意義やインセンティブが必要。メリットの一つはネームバリューの向上。
・国際競技大会前後のキャンプ地誘致によって、地域の国際化を図ることができるが、国が自治体につなぐ仕組みがあると良い。
・競技施設を観光名所とする等、経済にも波及するような工夫が必要。

スポーツ国際人材の育成とIF役員の増加
・大学生等を対象として養成プログラムを創設できれば、就職先としてNFやスポーツ関係団体を選択し、そこから国際舞台に出ていくことが想定できる。プロパーの国際戦略人材の育成ができる。
・2020年以降に国としてどのような戦略でIOC委員を派遣していくのか戦略的に考える必要がある。
・アジアでは選手や指導者としての実績が重視されるため、そういった者を将来的にIF役員等になってもらうべく育成することが考えられる。
・国際競技大会で活躍したアスリート、ヒーロー・ヒロインをいかに国際的に活躍できる人材に育成するか。アスリートのセカンドキャリアも鑑みる必要性。
・選手が自らの実績やネットワークを活かせる場づくりをし、IF役員となることにつなげることも考えうる。
・JSCにおいて実施しているIFのポスト獲得数と影響力の関係の調査において、ポスト獲得数の多い国は影響力も大きい傾向にある。
・役員だけでなく、実務レベルのスタッフも派遣することが重要。
・AISTSとのネットワークを活用してIFにインターンシップ生を派遣している。また、国際スポーツアカデミーを続けることによって、修了生が世界中に存在し、様々な情報が共有される。海外では、大学と競技団体が連携して修士号を出す形となっている。日本においても、様々な資金が集まるプラットフォームとなる研究機構を作ることを提案。
・教育機関、アカデミーという形だからこそ、様々な利害関係者が色なく集うプラットフォームとなる。
・2020年のレガシーを活かす意味でも、2020年の準備で育った人材に次にどうやって活躍してもらうのか考えることが重要。
・JOCの国際人養成アカデミーにより、IF等に確実に人材を輩出している。アカデミーの存在により、NF間の連携・交流が拡大している。
・国際競技団体(IF)に関わる際には、その競技のマーケット規模の拡大にも貢献することを視野に入れる必要がある。
・「IFに役員を送り込む」と言っても即座にできるものではなく、長期的な人材育成が必要。
・NFにおいて長期的な人材育成が重要であることはもちろん、NF全体で共有できる国際人材を置くことも考えられる。
・アジアでは選手や指導者としての実績が重視されるため、そういった者を将来的にIF役員等になってもらうべく育成することが考えられる。
・小学生~大学生を対象としたスポーツの価値教育、スポーツ国際人材の育成プログラムができれば理想的。

組織間の連携のためのプラットフォームの構築
・SFTCには350以上の団体が加盟しており、他国には無いユニークなもの。国際交流活動を展開するプラットフォームとして有効活用できる。
・教育機関・研究機関がネットワークのプラットフォームになりうる。
・ステークホルダーを抱え込むための枠組みが必要であり、日本が主導してこのような枠組みを構築・展開する必要がある。(例1 ASIA:アジアに特化したプラットフォーム。アジア以外の国から関心を寄せられており、ASIAを基盤として様々なビジネス展開を行うことができる。例2 JSN:国内地域のスポーツ政策イノベーションプラットフォーム。自治体のニーズに合った情報を発信。他機関との連携促進。)
・単体の自治体だけでは情報収集に限界があるため、プラットフォームによって様々なネットワーク形成ができると良い。
・IF役員は最新情報をいち早く入手することができ、NF等に還元することができる。IF役員と国内関係団体等の間で情報共有し最前線の戦略構築のため、ステークホルダーが定期的にコミュニケ―ションを取れる場が必要。

NGO等個別組織の活動、それらとの連携
・NGOの事例でスポーツを通じて世界に平和をアピールできたイベントがあった。スポーツの力・可能性を感じた。
・一つの団体だけで何もかも達成することはできず、必要に応じて専門性を持った組織・人と連携する必要がある。ネットワークがあることが重要。
・放映権料やスポンサー料のみに頼るのではなく、海外の市場もターゲットとして捉え、海外展開した事例。様々なプログラムを無償で提供し、その返礼としてビジネスチャンスを得ることができた。
・海外でスポーツ教室をする際に防災教室とともに実施したり、難民キャンプでサッカー教室を実施。(サッカー教室の際に日本のサポーターがスタジアムを片付けるのと同様に、校庭を綺麗にすることを教える。日本のスポーツの精神性もともに伝授している。)
・サポーターの寄付物資(ユニフォーム)を提供し、大人気を博した事例。
・世界の競技団体が「sustainable」をキーワードに部署編成を行っている。日本が先頭に立ってほしいという期待が寄せられている。
・外国人と一緒に活動する等すれば偏見が無くなる。
・グラスルーツの取組もメディアで取り上げることによって波及効果を高めることができる。
・日本の運動会を広める取組について、途上国ではテストの点数を重視する傾向にあるが、運動会という日本人にとっては当たり前のイベントに企画段階から携わってもらうことによって教科外の学びが得られる。
・国のスポーツの国際化だけでなく、国際的なNGOやNPOを育て、官民で協力する土台づくりをすることも必要。

他国の取組の例及びその把握
・諸外国では、スポーツの国際展開については、国際スポーツ界や国際社会において、自国のプレゼンスを高めること等を目的に進められていることが多い。柱として、国際スポーツイベントの招致・開催、IF役員の育成、選挙・ポストの獲得、国際交流・協力活動の4つが置かれており、かつ連動させながら実施されている。特に分かりやすいのはイギリスであり、政府とUKスポーツが策定した方針に基づき、どの大会を招致・開催していくか長期的スパンで考えられている。また、NFのインテグリティを高水準に設定し、適切な人材をIFに送り込むことで当該IFのインテグリティの標準化が可能。
・イギリスは、レガシーを非常にうまく活用しており、国際競技大会を戦略的に招致している。スポーツ産業の資産を「チーム・グレートブリテン」が売り込んでいる。
・オーストラリアでは「Australian Sports Diplomacy Strategy」という外交戦略があり、重要なターゲットとしてアジアが設定されている。
・フランスのスポーツ外交の目標は、大まかに1 IFにおけるプレゼンスの向上、2 スポーツのノウハウを他国と相互に共有すること、3 競技大会誘致の経験からの学びを後世に引き継ぐこと、4 IOC委員をなるべく増やすの4つ。
・フランスでは、IF役員になりうる人物を特定し、UKスポーツをモデルとした国際人養成プログラムにより育成する。
・海外での市場の実態や規制、あるいは何を必要としているのかニーズを把握することが必要。


ウィンタースポーツ
・日本はアジアの中でもウィンタースポーツ競技においてアドバンスがあるため、その分野において貢献できる。(今後、2018年平昌、2022北京(+もしかしたら2026札幌)と、東アジアで冬季オリパラが続く一方、冬季パラリンピック競技については、アジアからの参加者が少ない傾向。日本ほどウィンタースポーツのほとんどの競技に選手を送り込んでいる国はアジアでは無い。)
・中国が国を挙げて氷雪産業に力を入れており、この急成長市場を意識しつつ、スノーリゾートを活性化したい、国際スポーツイベントの招致を支援したいと考えている。
・ウィンタースポーツは、雪上車やリフトが必要になるのでインフラとして規模が大きくその分動く額も大きい。どう取り込んでいくか。
・札幌市では、1972年の冬季オリンピック大会を契機に、ウィンタースポーツが市民の生活の一部となっている。これまで多くの国際競技大会を招致してきており、アジアでのウィンタースポーツの拠点としてアピールをしてきた。
・北海道は、寒冷地であるが故に冬季は観光の閑散期。今後、東アジアでの冬季オリパラ連続開催、ウィンタースポーツ人口の増加の機会を捉え、インバウンド拡大に向けた取り組みを推進。

パラスポーツ
・パラスポーツ関係のNFは選手強化を目的とする助成金によって活動しているため、国際協力事業を行うためには限られた自己財源を切り崩すしかない。このため、国際協力事業を実施するにあたっては、不足した人員を補うために、人員や予算が潤沢な他組織と連携することが必要不可欠。(一方でネットワークは潤沢)
・資金が不足する中、国際協力事業を行うにあたっては、当方と先方の双方にとって持続可能でお金を必要最小限に抑えられるように配慮(オーダーメイドが必要等の特別な器具がいらない競技種目を選択)。加えて、相手国の状況やニーズをしっかり把握した上で事業実施できるよう配慮している。
・国際協力事業を行う際には、物資支援等のハード面での支援ではなく、教育等のソフト面での支援を行うよう心掛けるとともに、NFに対して、協力することの意義や、上から目線ではなく他国と共に発展する姿勢を持つようにすることを説明している。(メリットの可視化をすることにより、資金が潤沢でない組織からも理解が得られやすい)
・今後、2020東京大会において過去最大国数の参加を目指す、教材の作成を進めていく。
・パラ競技の大会を招致することによって、施設のバリアフリー化が進む。それにより、高齢者にとっても使いやすい施設になる。障害者スポーツの普及は、高齢化社会に対応できる社会づくりにも寄与する。

日本のスポーツの強み
・日本のスポーツの打ち出し方として、忍耐力や自己抑制、また社会性や敬意、自尊心や自信を身に付けられるという点を強みとして打ち出せる。礼儀作法やフェアプレーの精神など、人間として成長できる。

スポ―ツ団体のガバナンス
・スポーツに関する国際法は、スポーツ団体の自治が尊重されてきたために一部を除きほぼ存在しない。民間団体たるIF等が一元的にルールを作り、執行している。民間団体とは言え、極めて強い影響力があるため、ルールは重要。日本にとって不利なルールが作られる可能性もあるので、しっかりとコミットして監視する必要がある。

データの利活用
・バスケットボールのプロリーグを改革することでプロリーグの売り上げを大幅に伸ばした。具体的には、ガバナンス改革に加え、競技登録者や顧客のデータベース化を行い、共有し、またデジタルマーケティングを推進し、データ分析を行う等データの利活用推進を行った。
・AIを活用してテイラーメイド型のアスリート強化を今後進めていきたい。様々な研究者がそれぞれ様々な研究をしてきたが、それを統合データベース化し解析することで、個々のアスリートに合った解を導くことができる。世界でもこのような研究はされていないため、今後日本の強みになり得る。
・トップアスリートから一般市民まで、年齢や性別に始まり、体力や生活習慣、検診で得られるような身体情報、ゲノム情報を広く集約し、ビッグデータを形成し、解析することで、アスリートの個々の状況に合ったサービスの提供のみならず、産業界と共同研究を行い、技術革新を起こすことができる。

その他
・国として様々な組織が同じ方向を向きつつそれぞれの役割を果たせるよう、統一された成果と効果のKPIが必要。
・2021年に関西で開催するワールドマスターズゲームズは、ワールドマスターズゲームズとして初めて大会前からレガシーについて考えている。ハード面よりも、地域、観光、産業、文化の活性化など、ソフトレガシーに重きが置かれている。また、2020年東京オリパラとつなげて、トップスポーツと生涯スポーツの連携した形をいかにレガシーとできるのか先進事例を世界に発信できる。(東京後の2024パリ大会、2028ロサンゼルス大会では次年にワールドマスターズゲームズの招致が決定している。)
・スポーツを通じて民族融和、平和構築、女性のエンパワーメントを図ることができる。
・国として様々な組織が同じ方向を向きつつそれぞれの役割を果たせるよう、統一された成果と効果のKPIが必要。


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スポーツ庁国際課

(スポーツ庁国際課)