スポーツ審議会健康スポーツ部会(第22回) 議事録

1.日時

2023年6月14日(水曜日)14時~16時

2.場所

WEB会議(ZOOMを使用)及び文部科学省16F3会議室

3.議題

  1. 障害者スポーツ振興ワーキンググループ中間まとめについて
  2. 目的を持った運動・スポーツの実施について
  3. 現場視察・ヒアリング及びガイドブックについて
  4. その他

4.議事録

スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第22回)
2023年6月14日
 

【渡邉部会長】それでは、定刻となりました。ただいまより第22回スポーツ審議会 健康スポーツ部会を開催いたします。改めまして、皆様、お忙しいところ御出席賜りまして、心より御礼申し上げます。
 ただいま、12名の委員の方々に御出席いただいております。本日欠席されますのは、勝目委員、塩野委員、豊岡委員、藤田委員となります。スポーツ審議会令第6条第1項及び第3項におきまして、本部会の開催及び議決に当たりましては、委員の過半数の出席が求められております。本日は定足数を満たしており、開催とさせていただきます。
 また、本日はスポーツ庁より室伏長官、角田次長、和田健康スポーツ課長、佐々木障害者スポーツ振興室長に御出席いただいております。
 また、オブザーバーといたしまして、厚生労働省健康局健康課にウェブにて御出席いただいておりますことを厚く御礼申し上げます。
 傍聴に関しまして、一般の方については、YouTubeでのライブ配信での傍聴とさせていただいております。あらかじめ御承知おきください。
 まず、開催に当たりまして、事務局より諸連絡及び配付資料の確認をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  開催に当たりまして、諸連絡になります。
 本部会は、前回と同様に、Zoomによるウェブ開催と対面でのハイブリッド形式の会議とさせていただいております。本日、対面出席は、渡邉部会長、久野部会長代理、泉委員、津下委員の4名になります。その他の委員におかれましては、オンラインにて御出席をいただいております。もしオンライン参加の委員より資料の共有等の御希望がございましたら、Zoomの共有機能にてお願いいたします。御不明な場合は事務局に御連絡願います。
 また、近藤委員より、本日は御都合により途中退席の御連絡をいただいておりますが、他の委員におかれましても、もし途中で御退席される場合には、Zoomのチャットにその旨お知らせいただき、適宜、御退室いただきますようにお願いいたします。
 次に、本日の資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第を御覧ください。本日の配付資料につきましては、事前にメールでお送りさせていただいておりますので、もし何か不備等がございましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。
 議事次第の資料のところを御覧ください。資料1といたしまして、スポーツ審議会健康スポーツ部会障害者振興ワーキンググループ中間まとめ(概要)、資料2といたしまして、スポーツ審議会健康スポーツ部会障害者スポーツ振興ワーキンググループ中間まとめ(本文)、資料3といたしまして、目的を持った運動・スポーツの推進についての取りまとめ案の主な変更点について、資料4といたしまして、ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について(案)(概要)、資料5といたしまして、ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について(案)(本文)、資料6といたしまして、現場視察・ヒアリング及びガイドブックについて、となっております。また、参考資料としましては、参考資料1から2までを御用意させていただいております。資料の不足等がありましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願い申し上げます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。それでは、議事に移りたいと思います。
 議題1、障害者スポーツ振興ワーキンググループ中間まとめにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  それでは、私からワーキンググループの中間まとめについて御報告をさせていただきます。お手元の資料1と2をお願いいたします。
 健康スポーツ部会の下に設置しております障害者スポーツ振興ワーキンググループにおきまして、昨年12月より、障害者スポーツセンターの在り方につきまして議論を行ってまいりました。今般中間まとめを行いましたので、御報告をさせていただきます。
 本ワーキングの主査でございます藤田委員より、中間まとめの内容について御報告を予定しておりましたが、本日御都合がつかないということで、主査の御指名により、代わって私から報告をさせていただきます。
 資料1で御説明を差し上げますので、資料1を御覧ください。今回のワーキンググループの中間まとめのポイントといたしまして、最初の指のマークのところの囲みのところを御覧いただければと思いますけれども、2020大会オリ・パラレガシーを維持発展させる観点から、地域の障害者スポーツ振興の拠点としての障害者スポーツセンターを広域レベル、都道府県政令市レベルで整備をし、より身近な地域における障害者スポーツの、あるいは共にするスポーツの実施環境を整備することが主眼となっております。これまで障害者スポーツセンターという名称は、障害者専用・優先での利用を想定する障害者がスポーツに親しむ施設を指し示すことが多かったわけですけれども、その概念を再構成いたしまして、施設のみならず、幅広い機能と高い専門性を持つ人材も含めて、構成させる包括的な地域拠点として整理をしたことが大きな特徴でございます。以下、まとめの柱に沿って説明をさせていただきます。
 まず、冒頭ですけれども、地域における障害者スポーツ振興ということで、この議論の前提といたしまして、障害の有無にかかわらず、いつでも、どこでも、誰もがスポーツを気軽に楽しめる環境であることを目指すということといたしまして、地域における障害者スポーツの現状、振興に向けた課題を整理いたしました。そこの資料にございますとおり、障害のある方がやりたいスポーツに出会えない、あるいは障害のある人の身近なところに、活動拠点がなく、情報もない、身近な施設などで障害のある人の利用に理解が進んでいない。指導者確保の必要性あるいは身近な地域で障害者スポーツを実施することを支援する体制拠点が整備されていないなどの指摘がございました。これに対して右側の部屋ですけれども、当面の大きな取組の方向性の柱として、まず4点明記をしました。1点目、地域拠点を広域に1つ以上整備をする。2点目として、地域のスポーツ施設等の障害のある人に利用しやすさ向上のための啓発等の推進。3点目として、障害のある人が活動できるクラブやチームなどの情報収集・発信の促進。最後に、ともにするスポーツ機会の創出ということでございます。
 その上で、資料の下のほうの部分ですけれども、広い意味で、障害者スポーツセンターの在り方について、障害者スポーツセンターというのは今、先ほど申し上げた広い定義ですが、役割は何かということを整理いたしました。障害のある方がスポーツに入ってくる、少し時系列を追って考えてみますと、障害のある方が、初めてそこでスポーツに触れて、スポーツを選ばれて、そして身近な施設等でのスポーツをすることに移って続けていく。さらにはその身近な場所でともにするスポーツ環境が実現するといった流れを想定しているわけですけれども、それに沿った形で考えているわけでございます。
 すなわち、例えばその役割を、5点整理したわけですが、1点目として初めて来た方を導いていくガイダンスの役割。2点目として身近な場所で継続できるような地域における環境整備の中心的な役割。3点目には、域内の障害者スポーツ振興を育て、支えるハブとしての役割。4点目には広域における関係機関団体の中核としてのネットワークをつくっていく形成の主たる役割。5点目には、ともにスポーツを楽しむ取組の推進であるとかインクルーシブな環境整備のための先導的な役割といったものを示したところでございます。このほか、その下の米印の部分ですけれども、全国の様々なセンターの中でも、そういったセンター間のノウハウの共有や連携の促進も期待されるわけですが、東京あるいは大阪といった大都市圏のセンターにそういった各センターを束ねる、先導する役割を期待しているところでございます。
 次のページおめくりいただいて、続いてそういった役割を前提といたしまして、具体的にどういうことを実施していくのか、機能というものを分類・例示をいたしました。大きく4つの機能に分かれて整理をしております。4つとしては、1つ目には、まずネットワーク機能。2つ目には情報拠点機能。3つ目には人材育成・関係者支援機能。4つ目には指導・相談機能でございます。全てを網羅的に御説明、御紹介する時間がないのですが、かいつまんで一部御説明をいたします。
 まず1つ目、ネットワーク機能ということで、障害者スポーツにつきましては、既に御説明差し上げております「高橋プラン」においても指摘をされているとおり、スポーツのみならず、医療、福祉、教育などの関係機関との連携を強めることが重要という状況でございます。これは今般のワーキンググループでも前回の第6回の会合で、室伏長官より特に医療関係者と障害者スポーツセンターの役割分担について、その整理をする図示した資料を提示して御議論いただいたところでもあるのですけれども、こういった連携の体制を明確にしていくことが特に重要かと思っております。そのほかセンターと地域のスポーツ団体、地域のスポーツ施設、クラブ等の連携においては、車椅子ユーザーが使いにくいとされているような施設あるいはメニューが少ないとされていることの改善といった参加促進に向けまして、積極的にセンターがそういった地域の施設等を助言などしていくということが想定をされています。
 2点目、情報拠点機能ですけれども、体験をしてもなかなかその後、継続的にできる場が見つかりにくいという障害者スポーツの現状に係る指摘を踏まえまして、情報発信あるいは地域のスポーツクラブや競技力を高めたい方がどこでスポーツができるかなどの情報収集・発信を行うほか、用具がない等の問題につきましては、用具の貸出しの拠点としての機能、視覚聴覚などの障害者の情報保障などについても積極的に取り組むとしております。
 3点目、人材や関係者支援機能につきましては、現在も地域における障害者スポーツ指導のノウハウを有する方が多くおられる現状を踏まえまして、地域の障害者スポーツ振興を支える人材の育成や派遣、スポーツ関係者や教職員、社会福祉施設関係者等に対する障害者スポーツに係る指導、支援、助言、共にするスポーツ機会の創出などノウハウ提供などを示しているところでございます。
 4点目として、従来、優先施設あるいは専用施設であったセンターの施設におきまして、障害者の方、個々人にいろいろなスポーツ指導を行ってきた大きな積み重ね、実績があるわけでございますけれども、そういったこれまでの障害者へのスポーツ指導、あるいは自分に何のスポーツが合っているかなどを見極めて具体的にスポーツに取り組むということをされてきたわけですが、こういった指導とか支援、あるいはスポーツの無関心層の掘り起こし、あるいはそれに用具に係るサポートといったものを行っていくというところでございます。その際、これまでは障害のある人が障害者スポーツセンターの施設でスポーツをするという形態が数多く想定されてきたわけですけれども、センター1か所にとどまってスポーツをするのではなくて、障害のある方のお住いの身近な基礎自治体の施設でスポーツができるよう、身近な場所でできるということを目指して、各地域でできるものは地域に委ねていく。地域でも企画ができるような、実施ができるようなスポーツ教室であるとか、ボランティアの情報集約といったものが想定されますけれども、そのほか今の各センター等で行っている様々な取組の中には、この4つの機能に含まれない具体的な内容もございますけれども、そういったものについては、地域の実情に応じて付加をしていただくといったことを想定しております。
 末尾にこの機能に関した留意事項といたしましては、拠点となる施設は障害者スポーツの知見を蓄積する観点から、専用あるいは優先施設が望ましいとしております。他方、専用施設の場合は障害のある人もない人もともにするスポーツの知見を蓄積する仕掛けを設けていくこと。共用施設のような場合は、一部、時間帯あるいは施設に優先利用等で障害者の利用を増やす仕掛け、工夫を設けて、知見の蓄積をすることを促しているところでございます。また、障害者スポーツ振興に向けた様々な機能がセンターのみならず、障害者スポーツ指導者協議会あるいは障害者スポーツ協会など、地域の様々な障害者スポーツに関わるプレーヤーが担っているということを踏まえて、全てをセンター施設の指定管理業務の中で取り扱うのではなく、役割分担をしながら一部については、別途行政から委託をする形で指定管理の対象をとする業務と切り離した別途の形で委託することも想定しています。また、これまで整理をしてきたセンターの広域的な支援機能を踏まえて、指定管理の基準としてその施設等の業務のみならず、域内全体への裨益あるいは域内の障害者スポーツ振興の環境整備への貢献を図るべきとしております。
 おめくりをいただいて3枚目になりますが、そういった地域の拠点としてのセンターを整備して運営していくために、必要な人材として関係者と連携するためのコーディネーターであるとか、あるいは安全・安心で障害者一人一人に合わせた多様な指導に当たる指導者の定常的な配置を想定しているところでございます。そういった人員をしっかり採用・育成できる仕組みの整備を求めているところでございます。
 必要な施設・設備につきましては、この報告書の中では1つ以上のスポーツ施設を置きつつ、複数の施設をネットワークしたりすることも想定しております。設備面ではユニバーサルデザイン化したものをイメージし、また情報保障などにも配慮したものを想定しています。
 こういった拠点の整備の進め方としては、地域において障害のある人、ない人の意見を聞きながら、既存施設への機能の付与あるいは充実、人員・体制の充実、施設の新設・改修等を検討することとしています。施設・設備の整備につきましては、新設に限らず、廃校なども含むその既存施設の改修や複数施設のネットワーク化も検討すべきと提言をしています。
 最後にこういった整備に向けまして、国等としての支援としてどういうことが考えられるかということにつきましては、5点。国は地方公共団体の障害者スポーツセンターの整備・機能強化に関する計画策定を支援する。次に、国は地方公共団体障害者スポーツセンターのセンター機能の強化に関する先進的な取組の創出、持続可能な地域の障害者スポーツ振興を支える人材育成の仕組みの整備を支援する。また、国は地方公共団体に対して、障害者スポーツセンターの施設・設備の整備に必要な情報の提供や支援を実施する。また、国は大都市の障害者スポーツセンターにより広域における中核的な拠点としての活動を支援する。そのほか、日本パラスポーツ協会において情報収集あるいはセンター協議会への登録勧奨、そのほか必要な指導助言を実施するということを提示しているところでございます。
 以上、提言をいただいた内容、取りまとめいただいた内容を踏まえまして、今後、当庁として、次年度概算要求と施策の検討を進めてまいります。以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 ただいまの説明に対して、皆さんから意見をいただきたいのですが、事前に同ワーキンググループのメンバーでありました遠藤委員に本日、御出席いただいておりますので、もし補足的なコメントがあれば、いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【遠藤委員】  遠藤です。
 事務局の説明、ありがとうございました。今回、藤田委員が欠席ということで発言をさせていただきます。今回、ワーキンググループでは様々な方々、年齢も幅広く、多様な御意見をいただきまして、活発な意見交換が行われました。その中で、今、障害者スポーツセンターの在り方ということで、今、インクルーシブであるとか、東京パラリンピック以降、多様性を認め合って一緒にという中で、障害者スポーツセンターというある種、カテゴリーに特化したものと思われがちなのですが、やはり障害のある方でしたり、社会の中で孤立しがちな方々が、こうした専用の施設であったり、情報であったり、そうした社会に向けて、自立や社会参加に向けていくには、やはりジャンプだけじゃなくて、ホップ、ステップの部分が必要であろうということで議論が進められて、今回の提言にまとめられました。我々が障害者のスポーツ実施率もそうなのですが、手の届く、目の届くところに関しましては、障害者のスポーツ振興ということで、きめ細やかに回りつつ、でも目の届かないところもあります。そうした手の届かない、目の届かない皆さんが、地域の身近なところにおいて、社会に向けて、身近なところでスポーツそして文化・教養、そして就労にもつながりますので、こういった情報発信や拠点施設を活用していただいて、地域の中で健やかに過ごしていていただけたらなというものが凝縮されております。ですので、今この時代だからこそ、障害者スポーツセンターの在り方を議論していただいたことに本当に感謝申し上げます。障害者スポーツセンターのあるところと、ないところと、様々な比較もされている中で、やはり障害者スポーツセンターのあるところに関しましては、スポーツのみならず、社会に出て、障害のある方たちのリーダーが育成されて地域もとてもよくなっているということが挙げられますので、こうした今回ワーキンググループで中間報告としてまとめさせていただいたものを、ぜひ健康スポーツ部会でも、実現に向けて、御支援をいただければなと思っております。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、皆さんからの御意見、御質問等をお受けしたいと思います。皆さん、挙手ボタンを押して、その後、発言をいただきたいと思います。
 どなたかが発言されると、皆さん、呼び水的に手が挙がりやすいと思います。長官のお話にもありましたけれども、医療関係者、学校関係者、社会福祉施設関係者との連携が大事だといったお話がありましたので、今日は医療関係者ということで、津下委員がいらっしゃっています。まずは口火を切っていただければと思います。
【津下委員】  分かりました。今日は対面で参加させていただきました。
 障害者スポーツ振興ワーキンググループの中間取りまとめ、本当に関心を持って拝読いたしました。パラリンピックが成功して関心が集まったところではありますが、スポーツ実施の機会は全ての障害者にまだまだ届いていない現状があります。また身近な運動施設でも、うちは設備がないから受け入れられないねと最初から受け入れることをあまり十分考えていないようなところも、まだまだ実際には多いんだろうと思います。そこで、国からその都道府県単位でまずは拠点をつくること、そして拠点をつくるだけじゃなくて、本当に身近なところへ、手の届くところへ配備していく、市町村単位でつくってといくべきというメッセージを発信していただくのは重要なことだと思います。医療機関の立場として、患者さんとして、障害のある方に接する機会が多い状況になります。スポーツ医やスポーツドクターもかなり増えてきておりますし、健康スポーツに関心があるドクターも増えているのですけれども、そういう中で、身近な運動施設に、この方を紹介しても大丈夫だろうかとか、勧めても行き場がなかったら申し訳ないみたいな形で、なかなか具体的な支援ができていない状況になっていると思います。地域でこういう受入れ体制があるところをきちんとつくっていくということを医療関係者にも十分周知していただきたいし、施設や人の問題で、どういう状況だったら受入れ可能かというのがやはり違っているのではないかなと思います。。最初から全てというわけにはいかないと思うので、やはり一歩一歩、丁寧な話合いが必要なのかなと思っています。
 もう1つ、2点目、紹介がありました東京都の障害者のスポーツ施設利用促進マニュアル等を拝見しますと、非常にきめが細かく記載があり、具体的にどうしたらいいのということが記載されています。受け入れ方が分からない自治体も多いかと思うのですけれども、実際にやっているところがこれだけあるとか、それからこういうふうにすればやれることがあるじゃないのということを広く知っていただくことがとても重要だと思います。この様々な取組について、横展開、ぜひ積極的にお願いしたいというのが2点目です。
 3点目は、施設関係者だけではなく、住民の意識、住民が一緒にスポーツする、楽しめる社会をどうつくっていくかということです。これはスポーツに限らないことではあるのですが、やはりお互いにきちんと、これからの社会について、施設の利用者も学んでいく必要があります。一緒に経験することで学べることもいろいろあるかと思うのですけれども、住民が十分に理解し、一緒に進んでいくことや自分たちも障害を持つ可能性もあるし、そういう意味で、地域の施設や運動の場の在り方について自分ごと化して考えられる機会になればいいのかなと思います。いずれにしても、これが丁寧な地域での話合いのきっかけとなり、場が広がってくるといいと思います。医療関係者にも十分に伝えていかなければいけないなと感じています。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 オンラインでつながっている皆さん、いかがでしょうか。
 久野委員、お願いします。
【久野部会長代理】  まず、ちょっと教えていただきたいのですが、この障害者スポーツセンターを都道府県単位で1つ以上というのは重要な視点だと思います。現状はどういう状況なのでしょうか。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  施設という観点で申し上げますと、18都府県で25前後の施設があるという状況で、47にはないという状況でございます。
【久野部会長代理】  これを増やしていくということに関しては、非常に必要なことだと認識をしているのですが、もう1つ質問の観点は、施設的な整備って結構、費用がかかりますよね。障害者をサポートする政策の考えの中で、いわゆる施設、ハードを県に1つつくるところに、今後予算を使っていくという発想でいいのか。というのは、一方で非常に身近なという視点が出ているのですよね。これは県で1つなので、多分、大体大きな都市にそういうものができて、そうじゃないところの人がそんなに使えるとは思えない。だとすると、今、小学校とか学校、中学校が空いたりとかそういう整備との兼ね合いで、なぜ拠点にまず行くのか。その辺の政策的なメリット、デメリットあるいは今後の方向性を示していただくことが大事じゃないかなと感じたのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  まず、ハード中心かどうかということに関しては今回、全体御覧いただくと分かるのですが、従来、センターということを議論すると、まずセンターという施設そのもので、まさに、箱、ハードというところが中心で、イメージとしてもそうだったと思うんですが、そこを最初に申し上げたとおり、再構成いたしまして、機能に着目して、スポーツ指導、スポーツ活動する施設としての機能もございますけれども、そのほかにも様々な情報の機能であるとか人材育成とか、そういったものを幅広く捉えていこうというのが1つの考え方です。ですので、ハードを整備していくというよりは、機能を整備していくということに着目をしているところでございます。そういう意味で言いますと、これから我々がやっていくことも、もちろんハードの整備という側面もあると思いますけれども、むしろソフト機能とか人材育成とかいったことをどういうふうに回していくか、あるいはネットを張っていくかということにより力点が置かれると思っています。ですので、ハード整備のところにつきましても、本文のほう、ちょっと詳細に御説明できておらなかったわけですけれども、実際に何か大きなハードをつくる場合もあるかもしれませんが、それよりもむしろ既存の施設の十分な活用、あるいはそういうものをネットワーク化してやっていくというようなことも提示をしていて、新しい箱を何か新しくつくるということに、より力点を置いているという形にも当然なっていないという状況でございます。
 あとは何故センターをつくるのかということと、この報告書のまとめの最初のところでより身近なところでスポーツができるということと、このセンターが果たす役割との関係になると思いますけれども、基本的な考え方としては、センターというものが例えば圏域に1個あって、そこに通ってスポーツをするということがメインといいますか、恒常的なものであるとは捉えていなくて、初めてスポーツする方がセンターでスポーツに触れ親しみ、そして選び、そして自分の住んでいるより身近な施設でしやすくなるという一連の流れを想定していて、そういう意味では各地域でスポーツができるように戻っていくということをイメージしているほか、各地域でそういう人たちが活動することがしやすくなるような支援機能ということにセンターが注力するということをこの報告書ではイメージをしているところでございます。
【久野部会長代理】  ありがとうございます。大分、僕が勝手に勘違いしておりました。今のお話を聞いて、いい方向性だと思います。だとすると、この概要の段階で、誤解が生じないように、今みたいな点をもう少し強く出していただけると、余分な議論が巻き起こらないのではないかという気がしたので、ぜひ最終取りまとめの際はご配慮いただけるといいのではないかと感じました。
 以上です。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 続いて、皆さんのほうで、いかがでしょうか。
【北出委員】  北出ですけれども、よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  お願いします。
【北出委員】  今の取組をお聞かせいただきまして、本当に詳細にすばらしく決定いただきまして、誠にありがとうございます。大変お疲れさまでございました。
 私がお聞きしたいのは、先ほどの委員とちょっとかぶるところもあると思うのですけれども、やはり私も、費用ももちろんなのですけれども、人材というのが非常に重要だと思っております。人材のことに関しても、スポーツ指導に当たる指導者の定期的な配置と、定常的な配置と書いてあるので、もちろんお考えだとは思うのですけれども、私たち医療従事者が見ても、例えばアスリート外来でもパラの方が来ると、やはりなかなか全てのスポーツドクターが全ての障害者に対する知識を持っているわけではなくて、どういうものが禁忌であるとか、またはどういう特性があって、何を得意とするか。施設によっても得意分野が異なりますので、やはりある程度の資格者が必要かなと考えております。そして、例えば医師でいえば、障害者スポーツ医がおりますし、障害者スポーツトレーナーという資格もあると思うのですけれども、今、オリンピック等の影響で、スポーツドクターは本当に数が増えてまいりましたが、こういう障害者スポーツ医がなかなか増えなくて、本当に一部の人がなっているだけという実態です。そしてまた、医師だとなかなか時間が取れなくて、例えばトレーナーもそうですけれども、資格を持った看護師とか、いろいろいると思うのですが、そちらの知識、専門性の整備も重要なのかなと考えておりまして、それに関するアイデアがありましたらちょっとお聞かせいただきたいと思います。
【渡邉部会長】  佐々木さん、お答えできる範囲でお願いします。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  今回、こういう形でいろいろな機能とか、支援とか、体制とかを議論したわけですけれども、当然、その根底にある中で、それを支える人が重要ということで、人材も先ほど御紹介したとおり、指導員、指導者の方もおられますし、医師の方等、いろいろおられると思いますけれども、そういった障害者スポーツに関わる様々な指導者とか医師とか、いろいろおられる方のそういった指導者の養成につきましては、委員御存じのとおり、パラスポーツ協会等でもいろいろ計画的に養成されているわけですが、今回の報告書につきまして、当庁もパラスポーツ協会とも連携しながら具体化をしていくことになりますので、その辺の指導者養成の具体化あるいは拡充、充実につきましては、引き続き当庁と協会、連携しまして進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【北出委員】  ありがとうございます。私もちょっといろいろ考えていたのですけれども、クリニカル、けがというのもあると思うので、可能でしたら、指導者ももちろん重要なのですけれども、施設、どこかの病院、医療機関との連携があって、何かあったときにすぐ運べるというか、対応できるような施設があるといいかなと思いました。
 ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そのほかの皆さん、いかがでしょうか。
【泉委員】  よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  泉委員、お願いします。
【泉委員】  ワーキンググループの中間まとめ、本当にありがとうございます。
 中間取りまとめについては大賛成ですので、ぜひ前に進めていただければと思いますが、この2つ目のポツ、より身近な環境でという記載について少々抵抗を感じました。、さきほど久野委員もおっしゃっていたように、県に1つや2つしか施設がないにも関わらず、身近と言えるのかと感じている。既に地方自治体の施設もありますし、私自身、スイミングスクールの運営にも関わっており、、全国にも相当数のスイミングスクールがございます。民間の施設もございます。ある一定規模のプールを作る場合、バリアフリーや、身障者用のトイレを設置する必要があるなどの規制が必ず入ってまいります。そのため、既に地域に障害を持った方々が利用しやすい施設もたくさんあります。しかしながら、意外とそういった既存の施設がうまく活用されていないと感じますので、どこにどのような施設があるのかという情報についても、このワーキングとして、併せて発信をしていただければ大変ありがたいなと思っています。
 御存じのように、今、施設をうまく活用していこうと、小学校、中学校の水泳の授業はもうスイミングスクールで行うことが全国的に展開され始めています。また、私は50人の知的障害者の福祉施設の理事、評議員を30年やっていますが、数十年前に近くのスイミングスクールと業務提携を行い、1か月に1回、知的障害者のための水泳教室を20年近く実施してきたが、ここに来て、採算が合わないという話になっている。子供たちが大きくなってくると、マン・ツー・マンで指導する必要がでてきますので、人的な負担がかかってきてしまう。そういう意味でも、施設を拡充する、修繕することも大事ですけれども、既存の施設を活用するために、経済的な支援あるいはその人的な支援を行っていただき、地域に根差した施設で、障害者がスポーツをできるという環境を整えていく必要があると思っております。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 ちょっと私から補足的にいいですか。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  今の点、よろしいですか。
【渡邉部会長】  どうぞ。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  身近な施設については、ちょっと表記がよくなかったと思います。これは今、繰り返し申し上げたとおり、センターに通っていただくというイメージではなくて、居住地域のすぐ近くにある、まさに今、おっしゃったように、いろいろな公共施設あるいは民間の施設そういったところでスポーツが楽しめるようにする。そういうことを支援するために、センターが助言をしたり、あるいは先ほど御紹介あった東京都のマニュアルのようなものも活用したりさせていただきながら、いろいろな形で、より柔軟な形で、地域で活動ができるようにする。それをお支えしたいという趣旨でございます。
【泉委員】  了解しました。
【渡邉部会長】  ちょっと補足的によろしいでしょうか。ワーキンググループに笹川スポーツ財団の職員も参加させていただいております。ありがとうございます。財団でもいろいろこの手の調査研究を進めているのですけれども、佐々木室長の説明にあったように、ネットワークというところで、今25施設が18府県にしかないということなのですが、いわゆる47都道府県に一応ハブ施設をつくっていこうと。これは新設するというものばかりでなくて、いろいろな機能体を、もし既存の施設に付加できるのだったら、まず付加していこうと。そして、実は全国に障害者が優先的に使える施設というのも150ぐらいあるのです。これを47で割ると、数も少ないし、いろいろな偏在になるのですけれども、そういったハブ施設と、そういったサテライトになるような施設とネットワークで結ぼうと。さらにサテライト施設と地域資源である、いろいろ社会体育施設、教育施設あるいは民間のフィットネスクラブといったところの施設もネットワークで結んでいこうと。だから、地域で捉えたときに、点で、ハブ施設だけ捉えるのではなくて、そこにネットワークを敷いていきますから、面につながっていく。そうすると、障害者というのは都道府県いろんなところにお住まいになっているのだけれども、身近な施設でそれぞれ活用できるような状況になります。ただ、当然、障害者には年齢もあるし、重度から軽度までいろいろな人がいらっしゃいますから、そこはうまくトランジションで、地域でできる人はそこでやってもいいのですが、さらに重度化してくると、より一層、専門的な知識を持った人材がいるようなハブ施設に通ってもらうとか、サテライトに行ってもらうとか、そういう発想が根底にあって、このワーキンググループのアウトプット、中間まとめが今、出ているという認識でよろしいですか。
【佐々木障害者スポーツ振興室長】  はい。小淵委員からもそのように御発表いただきましたけれども、基本的にそういういい意味での役割分担をしながら、より身近なところへ、公共スポーツ施設、民間スポーツ施設を活用しながら、一緒に活動するということを目指しているということでございます。
【渡邉部会長】  恐らくその辺のところをもうちょっと分かりやすく伝えると、久野委員や泉委員の疑念というか、心配事も払拭できるのかなと思って聞いておりました。ありがとうございます。
 そのほか皆さん、いかがでしょうか。小松原委員、お願いします。
【小松原委員】  ありがとうございます。健保連の小松原です。
 今の議論につながると思うのですが、私も最初、読んだとき、スポーツセンターというものだと何か施設をイメージしてしまったのですが、既に18都府県で、こういうセンター的機能のものがあるとさきほど御説明があったので、できたら何かすごくいいネーミングがその中にあれば、スポーツセンターという言葉を一般の人にも分かりやすい表現に換えてあげたほうがいいのかなと思っております。方向性としてはすごく私も大賛成で、ハブ的機能だとか、サテライト機能とか、役割はいっぱいあると思いますし、ただ、これをぱっと見ると、報告書の中身を見れば、単なるそのスポーツ施設じゃないというふうには書いてはあるのですけれども、言葉だけで見てしまうと、どうしてもスポーツセンターというのは強烈に一つの施設というものをやっぱりイメージしてしまいますので、少しそこの工夫をされたらどうかなという御提案でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。大事な点かなと思います。
 遠藤委員、お願いします。
【遠藤委員】  委員の皆様の御意見、本当にありがとうございます。渡邉部会長がおっしゃったとおり、本当に重要なのはハブ機能です。例えば身近なところで、障害のある方がスポーツをしたい、もしくは何かにトライしたいといったときに、近くの自治体の施設を訪ねたときに受け入れる側もどうしていいか分からない、御本人もどうしていいか分からないということのすれ違いが、いわゆる当事者は、差別を感じてしまう。そして受け入れる施設側でもどうしていいか分からないから、悪気はないのにといったいろいろな誤解が生じているというのが、今の社会の中にたくさん事例として挙がっていると思います。そうしたことを解決するために、例えば、東京都はもう特別に進んでいるところもありますが、今回の障害者が都内の体育施設を利用促進するためのマニュアルで、その中には本当にきめ細やかなお金のかからないものや、ソフト面、ハード面でもそういうお金のかからない対応の仕方が発信されています。各都道府県にそういった拠点施設というか情報の拠点。そういった指導ができるところがあることで、県の中で困っていることがあった情報が集まり、そこで解決に向けた対応ができるというものが、一つのこの障害者スポーツセンターの在り方ということの中の役割の大きなものだと思います。
 そしてもう1つは、これも渡邉部会長がおっしゃっていただいたように、我々が最も考えなきゃいけないのは、最もスポーツがしにくい方々、より重度の肢体不自由の皆さんがどうやってスポーツまでアクセスできるかということです。そのときに、やはり一般の施設、身近なところでは、工夫をしただけではどうしても利用できない部分がある。そうした方々が、最初のファーストステップを踏む上で、そういった障害者スポーツセンターの情報や機能を持っているところに行くことで解決できればいいなと。知的障害のある方への社会の理解も進んでいますが、まだまだそこまで行けないところ、そして障害児の保護者さんに関しては、お子さんが小さければ小さいほど、保護者さんたちもまだ一般の施設に連れていくにはなかなか障害の受容がされていないといったようなことも踏まえまして、そういったものがこの拠点施設には、情報や施設の見本といったものが発信できるものがあればいいなというような我々の現場サイドからのちょっとした要望というか、願いも込められたものとなっております。ですので、1個の施設ではなくて、いろいろ身近な地域において、多様な障害のある方や、様々な人がスポーツ通して、自立や参加できていくような方策をこういった中で取り組めるということがあるので、今、委員の皆様から御意見いただいたことは、引き続き、ワーキンググループのほうで議論をしながら進めていけたらなと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、最後に斎藤委員、よろしくお願いします。
【斎藤委員】  私たちはスイミングスクールも含めたスポーツ施設を経営しているのですが、今、皆さんがお話ししている障害者スポーツセンターとはちょっと違うかもしれないのですけれども、もっと小規模なものでやっております。スポーツ施設とは違う立地で始めたのですが、元氣ジムJr.といいまして、まだ3か所しかやってないのですが、もともとは高齢者のリハビリ型のデイケアセンターを数十か所やっているのですけれども、やはり子供さんの中で自閉症だとか発達障害とか、そういうニーズが結構ある。今まであるものだとただ預かっているだけというのが多いということなので、我々はまずそういうことから始めて、元氣ジムJr.ということで始めたのですが、先ほど泉委員がおっしゃった、スイミングのニーズもあるということで、今回、スポーツ施設と同じ建物の中に元氣ジムJr.をつくりまして、スポーツクラブのプールを使って、水泳指導もするということをしております。そうすると、プールをそのためにつくるととても採算が合わないのですが、一緒の建物でやることによって、いわゆる両方のニーズを充たすということで、今度19日に蒔田で現場視察・ヒアリングを予定しておりますので、そういう様子ももっと詳しく担当者から聞けるのではないかと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。来週は私も訪問しますので、よろしくお願いします。
【斎藤委員】  よろしくお願いします。
【渡邉部会長】  この議題に関して、まだ尽きないかもしれませんが、一旦、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、議題2、目的を持った運動・スポーツの実施に移ります。
 本議題につきましては、第19回から3回にわたりまして御議論いただいております。取りまとめ(案)につきましては、各委員の御意見等を集約した上で、現在、事務局のほうから取りまとめの案が出ておりますので、こちらを和田課長から御説明いただきたいと思います。
【和田健康スポーツ課長】  前回の部会での御議論を踏まえまして、その後、取りまとめの方向性などにつきまして、渡邉部会長、久野部会長代理にも御相談させていただきまして、事務局において、取りまとめ(案)を修正させていただいております。主に変更した点を中心に、資料3、4に沿って、御説明をさせていただければと考えております。
 資料3を御覧ください。上段のところで、前回、3月28日の健康スポーツ部会で提示させていただき、御説明いたしました取りまとめ(案)について、構成と項目をお示ししております。この取りまとめ(案)に対しまして、この資料の3ページ目にあります第21回健康スポーツ部会における主な御意見、これは前回いただいた御意見を事務局で要約したものでございますけれども、ここに掲げるような意見をいただいたところでございます。
まず、「目的を持った運動・スポーツ」の表記についてですが、本人は目的を意識しなくても、楽しいからスポーツをするというのでもよいので、「目的に合わせた」という方が趣旨に合っているかもしれないという意見。また、スポーツ庁の事業では「コンディショニング」という言葉は使われているが、現状では、生活習慣病予防などをイメージしてしまうこともあるため、本来の趣旨が伝わるよう、文言を考え直してもよいのではないかという意見もいただきました。
 趣旨につきましては、「目的を持った運動・スポーツ」の定義、何を新たに求めているかが分かりづらいという意見。また、スポーツの質も重視して進めていくということを、背景・ねらいとして明記してはどうかという意見。さらに、競技パフォーマンスからライフパフォーマンスへの転換であるといったことを記載した方がよいのではないかという意見。加えて、競技スポーツのノウハウを健康スポーツの観点にも取り入れて対象ごとに施策を取り組むべきという意見。また、運動処方をはじめとするこれまでの現場で取り組まれてきたものと何が異なるのかを明確にした方がよいのではないかという意見。
 ターゲット層につきましては、スポーツを推進する側が持つべき意識という印象といった意見。また、市民、通過点である地方公共団体、スポーツ団体等にどのように届けるか、対象を明確にすべきといった意見をいただきました。
 推進方策につきましては、プレーヤーと目的との関係を明確にすべき、また、長期的視野で取り組んでほしいという意見をいただきました。
 こうした意見を踏まえまして、事務局の方で構成を変更しております。具体的に大きな変更点といたしましては、表題に「ライフパフォーマンスの向上に向けた」を付けて、この取組の目指すところがどういったものかということを明確化させていただいております。また、「はじめに」は前回と変わらないのですけれども、2.の「推進のねらい」で、どういったことをこの取組で狙っているのかを整理させていただております。(1)から(4)までで、「スポーツの捉え方」、「心身に多様な変化を与える運動・スポーツの実施」、御意見でもいただきました「ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへ」の視点、「推進により目指すもの」を明示させていただいております。そういったことを踏まえまして、3.では「推進の方向性」として、大きく2つお示しさせていただいております。1つは「理解促進等のための普及啓発及び環境整備」の必要性、もう1つは「ハイパフォーマンスサポートでの知見の活用」の必要性です。そういった方向性を踏まえまして、国等として求められる対応策について、4.でお示しさせていただいております。
 次のページに行きまして、いただいた意見も踏まえました今回の内容の主な変更点について、概要をお示しさせていただいております。1つ目が「目的を持った運動・スポーツの推進」のねらいとその明確化で、先ほど御説明しましたように、表題に「ライフパフォーマンスの向上に向けた」を付けたことです。また、ライフパフォーマンス向上の状態についてどういったものなのかを記述させていただいたこと。さらに、ライフパフォーマンスの向上に関し、その社会的意義を明確化するような記述を入れさせていただいたこと。加えて、ハイパフォーマンスをライフパフォーマンスの向上に活用することの重要性について記載をさせていただいたこと。また、コンディショニングの定義を追記させていただいたこと。さらに、目的を持った運動・スポーツの事例を加筆させていただいたこと。これにつきましては、前回、御説明した取りまとめ案においては、ウォーキングの例を記載しておりましたけれども、それに加えて、筋骨格系や神経系などに対応する目的を持った運動・スポーツの実施例を新たに記載させていただいたこと。以上が主な変更点になります。
 続きまして、取りまとめ案をどう変更したかについて資料5で御説明したいと思います。
 まず、繰り返しになりますけれども、タイトルに「ライフパフォーマンスの向上に向けた」を付いたということになります。1.の「はじめに」の3段落目で、目的を持った運動・スポーツがどういったものかを記載しております。これは前回の取りまとめ案でもお示しさせていただいたとおりでございますけれども、運動・スポーツの効果を高めるために、心身の維持・向上が必要な機能に焦点を当て、運動・スポーツの効果や影響に着目し、それに適した方法や目的を定めて行う運動・スポーツのことを、この取りまとめでは「目的を持った運動・スポーツ」と呼ばせていただいており、そのことが重要であると記載しております。次に、このように目的を定め、心身に多様な変化を与える運動・スポーツを実施し、ライフパフォーマンスの向上を目指すことによって、健康の保持増進はもとより、QOLを高めることなど、生きがいのある充実した生活を送ることにも寄与できるということで、ここで推進のねらいを明確化しておりますし、先ほど御説明したこの施策の社会的意義についても明確化をさせていただいております。括弧書きで、ライフパフォーマンスの向上についてどういう状態かということを記載させていただいており、具体的には、それぞれのライフステージにおいて最高の能力が発揮できる状態、と記載させていただいております。
 5段落目では、先ほども御説明しましたとおり、ハイパフォーマンスサポートで得られたスポーツ医・科学等に係る知見が、アスリートだけではなく、一般の人々の日常生活で抱える課題の解決等に生かされて、ライフパフォーマンスの向上につなげるなど、更にスポーツの価値を高めることが期待されるということで、ハイパフォーマンスの知見を活用することの重要性を記載しており、次の段落では、スポーツの質も重視して進めていくことを明記してはといった意見をいただいておりましたので、そういった視点を書かせていただいております。
 こうした、これまで御説明したことを踏まえて、性別、年齢、障害の有無にかかわらず多様な人々のスポーツを通じたライフパフォーマンスの向上に向けて、目的を持った運動・スポーツを推進するため、そのねらいや方向性について国等に求められる対応策等も含めて取りまとめたのものが、この取りまとめ(案)になっております。
 先ほども御説明した2.の「推進のねらい」でございますけれども、(1)としてスポーツの捉え方があります。また書きのところで、前回の取りまとめ案でも記載させていただいたとおり、スポーツは、体を動かすという人間の本源的な欲求に応えるものであり、スポーツを支える土台としてのコンディショニング、コンディショニングについては具体的にどういうものなのかを括弧書きで記載しており、運動競技において最高の能力を発揮できるように精神面・肉体面・健康面などから心身の機能を調整することであり、その方法としての多様な目的を持った運動とともに、人間の潜在的身体能力を開拓するものと捉えることができると記載させていただいております。その内容を具体的に図にしたものが、次のスライド2枚となっております。
 次に、(2)といたしまして、心身に多様な変化を与える運動・スポーツの実施を、推進のねらいの2つ目として記載させていただいており、運動・スポーツの効果を高めるためには、目的を持った運動・スポーツの実施により、心身に多様な変化を与えることが重要となることを記載した上で、そういった目的を持った運動・スポーツの実施においては、運動・スポーツに関連する要素、具体的には、維持・向上させたい心身の機能といったものは、スポーツ生理学的に筋骨格系、神経系、呼吸循環・内分泌代謝系及びメンタル系の4つに大きく分けられまして、これらの要素に焦点を当てることによって、目的が明確化することができ、目的に合わせた運動・スポーツの実践につながるということを記載させていただいております。
 例として、ウォーキングの例を記載させていただいております。ウォーキングの一般的な効果として、メンタル系の効果が期待されますけれども、要素ごとに焦点を当ててウォーキング方法に変化を加えることによって、次のように効果が高まることが期待されるということで、筋骨格系、神経系、呼吸循環・内分泌代謝系ごとに、具体的に変化を加えた方法を記載させていただいており、具体的に図示したのは次のスライドになっております。
 このページの、「さらに」というところにありますけれども、運動・スポーツを行う際には、長期的かつ持続的に計画に基づいて実施することが重要であり、同じ要素に焦点を当てた運動・スポーツを毎日繰り返すだけではなくて、それぞれのライフスタイル等に応じて、御説明させていただいた4つの要素を様々な組み合わせで実施することも必要である。このように焦点に変化を与えて運動・スポーツの計画を立てることは、運動・スポーツのバリエーションを増やし、更には運動・スポーツの継続につながることを記載させていただいており、そういったことを具体的に示したものが、次のスライド2枚となっております。
 次に、5ページの下の「また」のところでございますけれども、維持・向上させたい心身の機能に焦点を当てた運動・スポーツの実施例として、いくつか挙げておりまして、1点目が筋骨格系、2点目が呼吸循環・内分泌代謝系の関係でございます。3点目が腰痛予防ということで、神経系の機能を高めるためといったことに焦点を当てたものでございます。4点目として、これは新たに今回の案で記載させていただいたものでございますけれども、メンタルの向上といったものに焦点を当てたものを新たに入れさせていただいております。
 次のページに行きまして、なお書きのところで、筋骨格系の機能につきましては、「セルフチェック」動画等を用いて自身の状態を把握することが重要であり、これによって自主的に身体への意識や関心を高めることができ、効果的な運動・スポーツの実施に寄与することが期待できるということを記載させていただいております。
 (3)のところでございますけれども、ここでは、「ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへ」の知見の活用といったものが重要だということを記載させていただいておりまして、ここで記載させていただいている趣旨については、先ほどの「はじめに」のところで御説明したとおりでございます。
 次のページに行きまして、こうしたハイフォーマンスで得られた知見や情報を国民一般の運動・スポーツの実施に活用することは、健康の保持増進はもとより、ライフパフォーマンスにつながるということを記載しており、なお書きで、多様なアスリートへのサポートで得られた知見も含めて、活用することが重要であり、多様性を認める社会形成の促進に寄与することが期待されることを記載させていただいております。
 (4)のところでは、推進により目指すものを記載させていただいています。この推進によって目指すものでございますけれども、多くの人々が、自らの身体機能の状態や運動・スポーツの影響や効果に対する関心を高め、個人の適性、健康状況、ライフスタイルに応じて、ライフパフォーマンスの向上を目指し、目的に合わせて運動・スポーツを実施できるような環境整備が求められること、この際、先ほど御説明したハイパフォーマンスでの知見を活用することも記載させていただいております。こうしたことによって、先ほど、冒頭の「はじめに」のところでも御説明したように、QOLを高められるなど、より自分らしく生きがいのある充実した人生を送れるといったことが期待されますし、人生100年時代の課題の解決にも寄与できる、貢献できるということを記載させていただいております。
 次のページでございますけれども、2.の「推進のねらい」を踏まえた「推進の方向性」でございますが、大きく2つありまします。まずは、理解促進等のための普及啓発と環境整備の必要性について、(1)で記載をさせていただいております。(2)では、繰り返しになりますけれども、ハイパフォーマンスサポートでの知見の活用についての必要性について記載させていただいております。
 4.のそういった推進の方向性を踏まえた「国等に求められる対応策」といたしましては、(1)では、大きく周知啓発や環境整備等の必要性、ニーズ調査や調査研究の実施について記載させていただいており、⑥のところでは、運動・スポーツを指導する者に対して、国民の実践を支援するための指導者ツールの作成の検討を記載させていただいております。また書きでは、地方公共団体等は、国が実施する施策の成果等を活用することが望まれることを記載させていただいております。
 (2)では、国は、ハイパフォーマンススポーツのサポートで得られた知見をライフパフォーマンスの向上に生かすための取組を推進するということで、知見等を収集し、活用のポイントをまとめ、周知すること、そういった知見をラインパフォーマンスの向上のために活用した運動・スポーツの効果を検証し、その知見を周知することを記載させていただいております。
 最後のページでございますけれども、こういった国に求められる対応策を具体的に国の方で実施していくためのロードマップをイメージとしてお示させていただいております。
 雑駁でございますが、説明は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に関します、御意見というよりも、御感想あるいは御質問がございましたら、挙手の上、発言いただきたいと思います。今回でこの案件については、4回目ということですので、大分、和田課長も長官ともいろいろ協議していただいて、取りまとめに御尽力いただきました。ありがとうございました。その上で、皆さんからの御意見等、賜りたいと思います。いかがでしょうか。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  ありがとうございます。
 前回よりもまた、より具体的な記述になってきたし、それからライフパフォーマンスという言葉が出てきたことで、例えば運動が特別好きじゃない方にとっても、ライフパフォーマンス、生きていく上で必要な機能という観点で位置づけられたので、国民全体に広げていく上で、重要なメッセージかなと思いました。
 これを見て具体的にどう進めていくかということを考えたときに、3点ほどちょっと確認をしなきゃいけないかなと思うのですけれども、このライフパフォーマンスが求める体力水準というのが何なのか。例えば2ページのところに、健康でいたいから、部活で競技力を上げたいからとか、労働で腰痛を減らしたいからとか、じゃあどういう体力要素がその生活のパターンに求められているのかというのを検討する必要があります。運動を勧める際に、まず一つしっかりとアセスメントとか、その人がしたいことってどんな体力要素が要るのかなという、ここの整理がまずできていていることが重要ではないでしょうか。もう1つは、じゃあその個人はどういう体力レベルかということで、4つの身体機能が全部満遍なく整っていなくても、もうちょっとここの部分を強化しなきゃいけないとかそういうやりたいこととのギャップで、すべき運動というのか勧めるべき運動が変わってくると思います。1つはその人の体力を知るセルフチェックとかそういうことが、また体力テストとか気軽に受けられるということも必要だと考える。もう1つは、その人がやりたいことって実はゴルフでスコアを上げたいならこういうことが必要なのだよねとか、腰痛を起こさないためにはこういう体力要素が必要なのだという、その整理が分かりやすく示されていくと、迷わないのではないかなとは思いました。
 それから、2番目に短期的な効果と長期的な効果というのがあると思うのですけれども、やはり短期的に効果が出ないと、がっかりしちゃうということがあります。モチベーションを維持するためには短期的な効果が見える化できることは大事だと思います。でも、それだけではなくて、長期的にその人のQOLとか、その人がもつ大きな目標に向かってどう段階的に進めていくのかという段階的な目標設定とかを意識する必要がある。短期的には助言とか、その人の現状に合った第一歩が踏み出せるというような仕掛けが必要なのだろうなと思いました。運動処方の中でも段階的に進めていくことで、事故を減らすことも非常に重要と思いますので、その短期的効果や中長期的な効果とか、そういうことも見据えながらサポートしていくことが必要なのかなということが2点目です。
 3点目は、それを行うためにはやっぱり指導者が適切に助言できることが重要だと思います。指導力とかプログラムとかもうそういうことが非常に重要になってくるので、そこを運動系もそうだし、そして、例えば健康スポーツとか運動療法だったら医師も関係するということが多く、産業医が関係するという労働関係のところがあると思うので、やっぱりそういう共通理解として、この人に必要なのはこうだからこういう運動でということがきちんと整理されてくると、分かりやすいかなと思います。一方で、効果を謳っている運動プログラムはたくさんあるのですけれども、本当にどうしてそういうふうに効果があるのかってよく分からないようなこともあります。これで痩せますとか。ちょっとエビデンスがないとか、適切な表現じゃない、こういう目的を持った運動が普及する中で、やはり節度を持った適切な情報提供をしていかないと、過大な期待をしてしまうということもあるのかなということを思います。これからしっかりと研究とか実践を進めながら、これが当たり前のようになっていくといいのかなと思っています。
 これは5年度のロードマップが書いてあるのですけれども、それについては、いつまでにどういう状況にしていきたいかということも意識しながら、これが継続的にアップデートされていくことが必要かなと感じています。
 今、感想になってしまいましたけれども、意見として申し上げます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 大事な3点ですが、和田課長のほうから、もしロードマップの件も含めて、もし3点に関して何かコメントができるようであればお願いしたいと思いますし、もし宿題として預かるということであれば、それはそれで収めたいと思います。
【和田健康スポーツ課長】  発言、よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  お願いします。
【和田健康スポーツ課長】  只今、御指摘いただいた点は、大変重要な視点と考えております。今年度から調査研究や指導者向けツールの作成等の事業を実施する予定ですので、その中で、御指摘の視点につきましては、十分に反映できるように事業を進めさせていただきたいと考えております。また、本年度の事業も踏まえまして、来年度に向けてどういったことができるかということにつきましては、これから概算要求の検討も始めますので、そういった中で検討させていただければと考えております。
【室伏スポーツ庁長官】  補足、よろしいですか。
 調査研究とか、これは久野先生がエキスパートですけれども、現在スポーツ庁は町単位で、部活動も含めて、地域で調査研究をやっています。町単位で、自治体の首長さんも一緒に巻き込んで、協力的なところも多々あって、そういう地域と一緒に早速取組も行っています。例えばクオリティーオブライフ、ライフパフォーマンスの定義などに関して、SF-36やロコモ、筋骨格系の評価に加えてセルフチェックを整形外科医と調査していますが、セルフチェックが一番いいなと思っています。あとはメンタル面とか、これまでは医療費も取り組んでいたのですが、幸福度や運動の継続などを見て、スポーツの観点では、医療費だけでなく、みんながそれぞれ運動を実施することで、幸福感や将来の希望が持てるようになると前に進んでいくと思いますので、そういったエビデンスベースドで評価やアンケートを聴取しながら効果を検証し、一つ一つ進めていきます。身体とメンタル面で、ライフパフォーマンスへの効果がエビデンスベースで出てくればいいなと思って、今まさに事業を推進させていただいているところです。
 短期的、また長期的な視点で、多分、ぱっと目指したいところを何か図みたいなもので分かりやすくすることも補足で今後もあるかもしれません。重要な視点をありがとうございます。一般の方の健康のみならず、指導者に関しても、4つの項目の考え方を伝えていくことが重要だと考えます。なかなかいい指導者がすぐに出てくるというのは難しいところあるかと思いますけれども、短距離の練習で速くなりたいのに持久系ばかりやっているというケースもあったりとか、どれだけ一生懸命速く動く練習しても、姿勢が悪くて制御系みたいなことをやっていなかったりということが指導現場で見受けられるかと思います。特にスポーツ関係者の方も含めて御理解いただいて、適切に指導が行えるよう、広く周知してさせていただきたいと思っております。ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そのほか、皆さん、いかがでしょうか。
 山口委員、お願いします。
【山口委員】  ありがとうございました。
 全体的には、向かっている方向というか、目指す方向は理解ができているのですが、目的を持った運動・スポーツということで、運動とスポーツを分けているというのは何となく理解できるんですが、この全体の、「はじめに」から始まる文章の中で、常に運動・スポーツではなくてスポーツというだけで話されているところと、運動・スポーツというふうに語られているところとあって、この文章を読んだときに、運動とスポーツといったところの分け方がどういう定義になっているのかが、何となく文章を読んでいると、立ち止まって、もう1回読み直さないと、何かよく分からないというところがちょっとあるなと思って、文章をもう少し分かりやすくしていただけると良いかと思いました例えば、推進のねらいというところで、「スポーツは、体を動かすという人間の本源的な欲求に応えるものであり、スポーツを支える土台としてのコンディショニング(運動競技において最高の能力を発揮できるように」云々ってあるのですが、運動競技というところはどういうものを示すのかとか、一般の人が運動競技って言われて何を想像するのかという運動と競技をくっつけているわけですよね。というふうに、「スポーツ」という文面と、「スポーツ・運動」っていったところ、どういう区分けで、この文章を作られているのかというのをちょっとお聞きして、理解しておきたいと思いました。すみません。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、和田課長、よろしくお願いします。
【和田健康スポーツ課長】  この取りまとめの中では、基本的には、運動・スポーツという言葉を使っておりますが、2.(1)のスポーツの捉え方のところでは、最初のパラグラフは基本的にスポーツ基本法での記載を持ってきており、その対比として、スポーツという言葉をあえて使わせていただいております。コンディショニングの括弧書きにある運動競技という言葉ですけれども、この括弧書きは、厚生労働省のe-ヘルスネットの中にあるコンディショニングの解説をそのまま持ってきたという経緯がありますので、運動競技という言葉もそのまま使わせていただいております。
 ただ、おっしゃるとおり、記載する場所によって、運動・スポーツと言ったり、スポーツと単体で言ったり、運動競技と言ったりすると、読み手の方で混乱を来す可能性もございますので、そこは統一性の取れた書き方ができないか検討させていただければと思います。
【山口委員】  すみません。私だけが分かってないのかもしれないのですが、厚労省では運動競技というのはどういうものをイメージされるんですか。
【和田健康スポーツ課長】  競技スポーツのことであると思います。
【山口委員】  競技スポーツ。
【和田健康スポーツ課長】  ここでは、競技スポーツのことを運動競技というふうに言っています。
【山口委員】  もしそうであるならば、厚労省と話をして、競技スポーツというふうに統一していく方向が必要ではないのでしょうか。運動競技という表現は、はちょっと私はなじまないんですけれども、皆さんはなじんでいらっしゃるのか分からないですが、そういう言葉が厚労省では運動競技と言っています、スポーツ庁ではスポーツ競技って言っていますというと、言葉が違うと、違うことを意味しているように、私なんかはちょっと考えてしまいます。ここでいう運動競技って何だろうって。それで、何かつまらないことみたいですけれども、言葉の統一も含めてしていくと、文章がもう少し分かりやすくなるかなと思いました。書いていただいたものに対して何かけちをつけるというか、指摘するのは簡単なので、大変恐縮なのですが、もうちょっと分かりやすく、すっきりできると、言っている全体は伝わってくると思います。よろしくお願いします。
【和田健康スポーツ課長】  おっしゃるとおりだと思いますので、検討させていただければと思います。ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ここは言葉の整理統一を預かりということで、山口委員、御了解いただきたいと思います。
 続いて、宮脇委員、お願いします。
【宮脇委員】  ありがとうございます。
 ど素人が皆さんの前で申し上げるのも大変気が引けるのですが、私の感じたことです。このたびの提案で、より明確でかつ分かりやすく、そして後半でハイパフォーマンスという言葉が最初に出たせいか、力強くうたったような気がして、聞かせていただきました。
 渡邉部会長、そして久野部会長代理、それから事務局の皆様方の御尽力に、本当に心から敬意と感謝を表したいと思います。生涯にわたる様々の機会とその場所において、自主的かつ自立的に個人の適性及び健康状態に応じたスポーツを行うような環境を整備し、スポーツを行う者の心身の健康の保持増進を図ること、非常に大切なことだと思っており、運動・スポーツの効果を高めるには、1ページの国等に求められる対応策にありますように、その効果や影響に着目し、適切な方法や目的を定めた実施が効果的だと思っております。一方で、運動・スポーツの目的や意欲レベルには様々です。例えば指導の方法についても、大会等に向けてなのか、スポーツに親しむためのものなのかによって異なります。広く国民に周知して、啓発する際には、競技としてのスポーツのみにとらわれず、楽しみとしてのスポーツの効果についても実例を集めることで国民が運動・スポーツに取り組むきっかけづくりになるのではないかと感じたところでございます。
 次に、市町村や地域住民に対するスポーツの価値の説明に活用するためのポスターやリーフレット等の作成の際には、スポーツ支援団体あるいは医師などとも相談、御協力いただき、多角的な視点やエビデンスを掲載していただければ、さらに理解を深めることができ、活用しやすいと思っております。
 最後になりますが、我が町でも、その地域や家庭の状況にかかわらずスポーツが実施できるよう、普及啓発、環境整備を行ってまいりたいと思っております。先ほど室伏長官も仰っていましたが、スポーツの取組に協力的な自治体はたくさんあると思います。ぜひとも国においては、引き続きこの様々な対応策への支援とスポーツ環境の整備にかかる財政措置などをお願いできればと思います。
 ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 続いて松永委員、お願いします。
【松永委員】  松永です。
 これまでの議論も含めて、取りまとめてをいただいてありがとうございました。山口委員がおっしゃったところですが、私も実はほぼ同じところをチェックしておりましたので、そこはまた整理をお願いしたいと思います。
 さて今回、ライフパフォーマンスという単語がタイトルについたことで、このライフパフォーマンスという文言を国民あるいは地域の方々に正しく認識していただく、とても良いチャンスかなと思っております。ハイパフォーマンスの考え方をライフパフォーマンスにということで、理解はできますが、パフォーマンスという用語は、どちらかというと競技志向のような印象がやはり強いように思います。文中には専門的な用語も出てきますので、一般の方々には一見して取っつきにくく、競技をする人たちの話かなという印象が、最初は強いように思ういます。そこはどんどん発信して、皆さんに浸透させていくしかないと思います。そう考えると、「はじめに」のところで、ライフパフォーマンスの説明が文章の中で紛れてしまっているのですが、やはりライフパフォーマンスというところは用語の定義という形で、分かりやすくお示ししたほうが良いのかなと思いました。
 その関連も含めまして、例えば、2ページ目の2の推進のねらいの(1)のスポーツの捉え方で、長官からもお示しいただいた図があると思います。こちらの最初の健康スポーツ、部活動、競技スポーツ、労働、日常生活というように5つ並んでいますが、ここの丸の中の文言も、やはり最初の入りとしてはとても重要だと思っています。例えば、スポーツ基本法、スポーツ基本計画でも使われているレクレーション・スポーツという文言が入ってくることで、ニュースポーツ等に親しんでおられる方もすとんと落ちてきます。それを一生涯の生涯スポーツにするのかレクリエーション・スポーツにするのかというところは検討が必要かもしれませんが、ここの事例のところでみなさんが私たちに関係あるのだと、思っていただけると、どのライフステージにも繋がると思います。今回の資料でいいますと、この丸の中の表現はとても重要になるのかなと思いましたので、どこかにやはりレクリエーション・スポーツという文言を入れていただくことで、多くの方々にも響くのかなと思いました。
 最後に、やはり話題にもなっていましたけれども、進めていただく人材というところで、これから課題になってくる専門性の高い指導者やトレーナーの方はもちろんなのですが、これから担当していただく自治体関係の方々に、この辺りの情報をどのように認識し、発信し、、広めていただくのかという普及活動のところが、今後、非常に重要になってくると思います。初めてこういった具体的なものが出されるので、第一印象として、ちょっと私たちには関係ないかなと思われないような、最初の発信がとても重要だと思いましたので、少し意見を述べさせていただきました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  今、松永委員がおっしゃったことで、ここの2ページの図ですけれども、例えば病気がある方の運動療法というのは、これは健康スポーツというふうに本人が認識しているかどうか分からないですね。糖尿病とか循環器、リハビリテーションもやはり目的を持った運動にも入ると思いますし、それから、冒頭ありました障害者の方のスポーツというのも、その方のライフパフォーマンスを高めるという意味でも重要だと思うので、ここのところで、上に書いてある丸の中の5つだけじゃなくて、もう少し全ての人が自分ごと化できるような例示にされるといいのかなと思いました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 久野委員、お願いします。
【久野部会長代理】  事前に少し関わらせていただいたので、皆さんの御意見を聞いてから発言させていただこうと思っていたんですが、何回か議論をしてきて、改めてこのメンバーで多分、共有しておかないといけない。もう皆さんお分かりのことを、あえて何か偉そうに言うことは御容赦いただきたいんですが、いわゆる健康スポーツという観点で、スポーツ庁の施策の中で、室伏長官になられてからスポーツ実施率、いわゆるやったかどうかだけではなくて、健康に資するような運動をどうちゃんとやっているかというところが、明確にここの計画を含めて示されてきて、その中でこれが位置づいてきているというふうに捉えられると私は思っていて、これはすごく大きなポイントだと思います。
 とにかくやっていればいいというところから、やっぱりアウトカムが健康に資するという、その中で非常に目的を持ったというキーワードが重要なんですが、その目的を持ったという捉え方がいろいろあって、誤解されてしまうという議論の中でライフパフォーマンスという言葉をしっかり位置づけようということになったんだろうと。松永委員がおっしゃっていたように、僕はこれはすごくいい言葉だと思っているんですけれども、これを周知できるかどうかが本当に広がるかどうかの分かれ目じゃないかというくらい大事だと思っていますので、今日の国等に求める対応策の中で、ひとまずここの印象は、いろいろなことを今後やれるように、いろいろ読めるように、現状は書いてあるという印象があるんですけれども、もしかしたらこの辺を今後、具体化してもいいのかなと感じていました。
 特に、来年度、厚労省の運動基準の見直しがされると聞いていますし、その辺とのリンクや、こういうライフパフォーマンスを上げるみたいなメッセージをスポーツフィットネスクラブといったところがどんどんやっていただけるような仕掛けをどうつくっていくか、あるいはさっき宮脇委員がおっしゃいましたが、自治体の首長さんたちが人生100年時代、高齢化、あるいは介護予防とかいろいろな言葉がある中で、もう少し生きがいを持った人生と言いながらも、生きがいを持った人生のためにライフパフォーマンスが大事だという文脈が社会に発信され、その中でスポーツの力がそれを支えるんだというメッセージやエビデンスの集積が鍵だなというふうに、今日お聞きしていて改めて強く感じましたので、その辺をぜひ今後、この健康スポーツ部会でも、しっかりと見ていけると、すごくいいなと思いました。そういう面では、やっぱり厚労省との連携の具体化も今後あるような気がしました。
 あともう1つ、すみません。ハイパフォーマンスの活用をいかに健康というところで具体化していくかは、やっぱりスポーツ庁の政策上、非常に重要だと思っています。アスリートのところのオリンピック強化で、ある面、税金投入されていることが、国民のライフパフォーマンスの向上につながっている。ここにも挙げていただいているそこのエビデンスや、そこからビジネスの世界にやっぱりつながっていく、その道筋をどうつくっていくのかが、これからすごく大きなポイントで、それが結果的にはハイパフォーマンスのほうの強化にも多分、説明がついていくはずなので、その辺がより明確に来年度に向けてやっていけるといいなと感じました。
 以上です。
【渡邉部会長】  大事な御指摘、ありがとうございます。
 北出委員、お願いします。
【北出委員】  ありがとうございます。
 拝見させていただきまして、初回の頃と比べて本当に、分かりやすく、確かにさっき久野委員もおっしゃいましたけれども、しっかり目的を持つこと、なぜスポーツをしなくてはいけないか、あとどういう種類のスポーツがあるかというのが、この図解で非常に分かりやすく描いていたと思います。まさに先ほど久野委員がおっしゃっていましたストレス解消とか、あとは楽しさというのはもちろんあると思うんですけれども、本当に生きがいとか心の支えとか、根本的にある部分をアピールしていけばすばらしいかなと私も思いました。
 あとはちょっと細かいところで、私がもしかして見逃しただけかもしれないんですけど、6ページの図表のちょっと上にあります感覚・知覚・認知等と関係があり、それらを統合した身体図式が姿勢や運動の調整に重要な役割を担っていることから、認知・知覚・感覚に焦点を当てたトレーニングも重要ということが、ちょっと何かぱっと分かりづらいかなともちょっと思ったんですけれども、身体図式というのは、この下の絵のことなのかということと、あと知覚・感覚に焦点を当てるというのが、この中の神経系のところなのかなというのをちょっと思ったんですが、知覚と認知というのがちょっと分かりづらくて、御説明いただけると、非常にありがたく存じます。全体的にはとても分かりやすいかなと思いました。
【渡邉部会長】  長官、お願いします。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。
 ありがとうございます。当初は、心理のところ、メンタル系は情動系しか書いていませんでした。それはリラクゼーションだったりとか、心を落ち着かせたりとか、気晴らしだったりとか、今、皆さんおっしゃったようなところがここに入っていたんですけれども、メンタルの中に実はこういう感覚・知覚・認知があります。認知機能もそうですけれども、例えば自身の体形を把握し、それで女性が拒食症になるなど、ボディーイメージは結構大事です。そこまでは記載はしていませんけれども、運動する以前に、モーターコントロール系で神経系とありますが、自分が把握していることが重要です。自分で身体を動かしていますので、皆さんも後ではだしになって、目つぶって、誰かに小指とか親指とか触ってもらって、本当にそれが小指か親指かとか、確かめてみてください。意外と足を使っていない人は感覚がなくて分からなかったりとか、自分の体を感覚してない人はそもそも運動がうまくいかなかったりということがあります。少し専門的にはあるのですが、こういった知覚や認知機能とかボディーイメージ、ボディースキーマとか、少しやはり運動している人は自分の体の状態が身体図式としても分かるということです。パラの選手は目が見えない中で、自分の体を意識して、独特な図式を持って、泳いだりとか動いたりとか、足がない方も足を意識してという例があります。東大の先生などが研究されていますけれども、身体の一部がなくても意識はしているとか、少し難しくなってしまうのですが、人間というのはそういうところで鍛えることができる可能性があります。ただ、あまり細かく書くと少し難しくなってしまうので、運動する以前に重要な、そもそも感覚していなければ動けないという趣旨のことを入れています。
【北出委員】  ありがとうございます。そうしますと、体性感覚に近いようなそういう内容でしょうか。
【室伏スポーツ庁長官】  体性感覚も関係あると思いますが、自分自身の体、目をつぶっていただいて、自分の体が足の位置がわかる、ボディースキーマとかボディーイメージとかもこういったところだと思います。
【北出委員】  ありがとうございます。本当にすごく丁寧な御説明で、本当によく理解できたんですけれども、もしかすると。
【室伏スポーツ庁長官】  足の小指は、目をつぶって触られると、結構薬指と小指がわからない。先日、親指を触って、小指だと言った人もスポーツ庁にいたので、どうやって運動するのかなと思って、そもそも運動以前にこういうことは深刻な問題だと思います。例えば足の感覚がない子に運動をさせても、けがをしてしまうので、これは実は深刻な問題だと思っています。
【北出委員】  ありがとうございます。すごく本当に重要なことだと思うんですけれども、実はその認知機能って高齢者の認知機能も改善するというデータもありますので。
【室伏スポーツ庁長官】  おっしゃるとおりです。
【北出委員】  ちょっと見たときに、認知というのがそっちかなとちょっと思ってしまうところがあります。もしかすると分かりやすい文言のほうがいいかなと少し思った次第でございます。ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そのほか皆さん、よろしいでしょうか。もしないようでしたら、今、御指摘いただきましたけれども、言葉の整理、統一や、表現の工夫あるいは長官が津下委員のお話に応えて、短期的、長期的な効果の部分については、少しイメージ図的なものを示したほうがいいのかなといった発言がありました。ここについては、また事務局と部会長、部会長代理にお預けいただいて、ただ、これは最終的には国民の皆さんの目に触れるものであります。したがって、やっぱり分かりにくい表現、難しい表現というのは、できるだけ平易に分かりやすくする必要があろうかと思います。そのときに、この部会のメンバーの皆さんは、津下委員、北出委員をはじめ、いろいろ専門的な知識を持った方、常に難しいことを優しく伝えるという工夫をされている方もいらっしゃいますので、ぜひ御助言というかアドバイスを事務局にいただいて、最終的にブラッシュアップしたものを取りまとめ(案)としていきたいと思います。そして、この案については、最終的にスポーツ審議会の総会でも報告するのですかね。まだそこまでは私は承知しておりませんが、いずれにしろ、そういう形もありますので、分かりやすいものを作っていきたいと思います。
 大分、議論が白熱して、3つ目の議題の時間がちょっと短くなってまいりましたが、議題3に移らせていただいてよろしいでしょうか。
 最後の議題に移ります。現場視察・ヒアリング及びガイドブックについてであります。今回は足立区、コナミスポーツ、parkrun Japanの3件について、御報告をいただきます。今回の御推薦いただいた松永委員、山口委員及びヒアリングされた宮脇委員におかれましては、感想なども含めて、御発言を後ほどお願いしたいと思います。他の委員からも御質問、御意見等あれば、ぜひいただきたいと思います。
 それでは、まず、事務局より御説明をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。
 前回に引き続きまして、ガイドブック策定に当たりまして、現場視察、ヒアリングを行うため、委員の御協力を賜り、視察を進めているところでございます。本日も実際に現場視察、ヒアリングをされた委員より、所見を御報告いただきます。
 今回、松永委員の御推薦で東京都足立区、山口委員の御推薦でコナミスポーツ、また、スポーツ庁推薦で勝目委員、宮脇委員より所見いただきましたparkrun Japanの3件について、現場視察、ヒアリングを実施させていただきましたので、御報告をさせていただきます。
 資料6を御覧ください。4ページ目に現場視察・ヒアリング先の基本情報を載せておりますので、御参照いただければと思います。
 1件目の視察先でございますけれども、東京都足立区でございます。これにつきましては、女性、子育て世代を対象主体としている取組でございます。スポーツを通じた健康増進の取組として、「読書×スポーツ」など、それぞれの施設利用者が異なる分野への関心・行動につながる働きかけを通じて、新たな分野に親しみを増やすといった取組を実施しているところでございます。
 時間の関係上、2件目のコナミスポーツに行きまして、これにつきましては、女性を対象主体としている取組でございます。先ず女性向けスポーツプログラムの取組等として、ジャザサイズ中野フィットネスセンターと、もう1つ、コナミスポーツが指定管理者となっております南長崎スポーツセンター、これは東京都豊島区の施設であり、官民連携事業の取組を視察していただきました。
 次に、3つ目でございますけれども、parkrun Japanでございます。これは視察ではなくてヒアリングということで実施をさせていただいていました。対象主体につきましては、全世代ということで、勝目委員、宮脇委員にヒアリングをしていただきました。このparkrun Japanにつきましては、第2回Sport in Lifeアワードの最優秀賞を受賞している団体でございます。
 事務局からは以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、まず足立区のほうから行きたいと思いますが、松永委員、御推薦いただきまして、ありがとうございます。一言、コメントいただければと思います。
【松永委員】  報告書の委員所見に詳細を記しておりますので、またご覧いただければと思いますが、図書館で運動・スポーツを実施するということにチャレンジをしている事例です。また、足立区さんでは、図書館だけではなくて、生涯学習全体のところで、スポーツと文化と読書の3つの分野の審議会を異分野のメンバーで1つの審議会として構成し、この1つの審議会で、共通したメインテーマを掲げ、それぞれ3つの計画を策定しています。このように、足立区の区長さんの強いリーダーシップで、部署横断型で取り組むことにチャレンジされていること、そして、エビデンスを重視し、EBPMの推進あるいは各種理論もしっかり盛り込んで事業を推進している点も参考になります。さらに、子育て世代などには、LINEを活用してかなりの調査サンプル数を収集され、そのデータを外部専門組織と連携し、有意検定まで施した分析データとして事業評価をするPDCAサイクルの実践を実現している組織運営体制は、非常に参考になる先進的な事例と言えます。
 過去にはJSCさんと連携し、図書館で運動・スポーツを実施するプロジェクトも展開されていましたが、その取り組み以前からの区長のリーダーシップや組織運営体制なども含め、非常に学ぶべき点が多い先進的な事例と言えます。また報告書をご一読いただければと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 続いてコナミスポーツでありますが、私も視察に参加させていただきました。細かい話は私も報告書を御覧いただきたいと思いますけれども、本日、御出席の斎藤委員のルネサンスもそうだと思いますし、ほかのフィットネスクラブもそうなんですが、最近はPPPの官民連携で、指定管理で公共施設を受託して運営されていると。ただ、サービス内容については、民間ならではのノウハウ、指導者といったものがサービスの提供の中に行われているということが、これからやはり全国にスポーツをする人、障害者も含めまして、また在留外国人の方も含めまして、展開していく上では、非常に有効な手段になるのではないかなと感じました。第1号議案で泉委員がいみじくもおっしゃいましたけども、学校の水泳の授業等はもう最近はフィットネスクラブあるいはスイミングスクールが受託していると。これも一方の現実であります。いろいろな場面で出てまいりますが、官民の連携あるいは官民学の連携といったところの好事例ではないかなと思います。詳細は報告書を御覧いただきたいと思います。
 同様に、御推薦いただきました山口委員、一言お願いしたいと思います。
【山口委員】  今、部会長のほうからお話しいただいたのでおおむね足りていると思うんですけれども、やっぱり行ってみないと分からないことが大変あるなと改めて感じています。特に今回、女性のスポーツといったところで、やはり流れが随分変わってきたなという印象を持ちました。先ほどの目的を持ってといったところでも、女性の目的、スポーツ・運動に関わる目的が、すごく幅が出てきたというんですかね。以前のようにただ痩せるだけというのではなくて、痩せるのでもどこを痩せたいかとかすごく明確になって、そういったものに民間は非常に丁寧に応えていろいろなパターンをお示ししているという印象を受けました。
 それから、指定管理のところですけれども、報告書にも書きましたけれども、私が非常に感銘を受けたというか、これから必要だなと思いましたのは、スポーツをする場所でありつつ、子供の居場所になっていると。例えば夏休みに宿題をして、そこからスポーツするとか、あるいはそこでゲームをしているんだけれども排除しないとか、少子化もありますけれども、さらに共働き世帯も多くなってきて、子供の居場所といったところでは、スポーツをするもそうですけれども、しなくてもいられるというところが、すごく何かそういう目的というか居場所も必要なんだなというのを感じた次第です。いろいろな意味で勉強になりました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 最後に、parkrun Japan、宮脇委員にヒアリングにお付き合いいただきました。よろしくお願いします。
【宮脇委員】  ありがとうございます。
 parkrunにつきましては、一定の人口や交通機関、走るコース、ボランティアの確保など、地方では困難なところもあると感じております。しかしながら完全無料で、誰でも無理なく、負担感なく継続できるという点においては、すばらしい取組であると思います。スポーツに親しみ、身体を動かして住民が健康を保持することは、私ども基礎自治体がスポーツ推進においても重要な要素であると思っております。また、最近様々な取組の中で、企業版ふるさと納税のようなものもあり、企業とタイアップして運営していくということがいろいろな事柄で見られますが、parkrunがその資金をどのように確保しているのかを教えていただき、参考になりました。 先ほどの話ににはなりますが、ライフパフォーマンスという言葉は私ども自治体の首長にとっては、従来の国民総スポーツや生涯スポーツといった言葉と比べると、目的や意味が分かりやすい。あまり健康、健康と言ってがんがん押しつけると、また負担感が出てきますし、そうした意味からも、非常にすばらしい言葉だなと感じております。ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、3件の報告につきまして、皆さんのほうから御質問あるいは御意見等ございましたら、挙手の上、発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 特にないようでしたら、この案件については、まだ引き続き、現場の視察、ヒアリング等、予定されております。先ほど斎藤委員からありましたが、来週はルネサンスの元氣ジムJr.といったところも視察させていただきたいと思います。また結果につきましては報告を随時させていただきますが、ガイドブック策定に向けまして、議論を今後は進めてまいりたいと思います。委員の皆様の御協力をより一層お願いすると同時に、これからガイドブックの策定に向けては、いろいろな視点からの議論も必要になってくると思いますので、そこのところでも御尽力をいただきたいと思います。
 和田課長、議案的なところはこれでよろしいでしょうか。
【和田健康スポーツ課長】  はい。
【渡邉部会長】  分かりました。
 それでは、本日予定していた議題は以上となります。
 最後に、室伏長官から一言いただきたいと思います。
【室伏スポーツ庁長官】  部会長、ありがとうございます。
 本日はお忙しい中、第22回健康スポーツ部会に御出席いただきまして、また大変活発な御議論をいただきまして、ありがとうございます。閉会に当たりまして、一言、御挨拶させていただきます。
 まず、目的を持った運動・スポーツについては、これまで3回にわたって御議論いただき、誠にありがとうございました。皆様からいただきました貴重な御意見を踏まえまして、さらにブラッシュアップを、文言などの御指摘いただいたところも反映して、よりいいものにしていきたいと思っております。ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進に取り組んでまいりたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、第3期スポーツ基本計画で掲げる施策の着実な実施に向けた現場視察、ヒアリングをしていただいておりますけれども、多大なる御協力を賜りまして、ありがとうございます。現場視察も後半に入り、今後はガイドブック作成においても御協力をお願いすることになるかと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。
 健康スポーツ部会では、スポーツを通じた国民の健康増進やライフパフォーマンスの向上、共生社会の実現などについて御議論いただいております。委員の皆様からは引き続き、部会において貴重な御意見を賜ればと思っております。御協力のほどお願いいたします。
 ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局より補足があれば、御説明願いたいと思います。
【和田健康スポーツ課長】  本日、委員の皆様方におかれましては、貴重な御意見ありがとうございました。追加の御意見、御質問等がございましたら、事務局までメールにてお寄せいただければと存じます。また、現場視察や部会の今後のスケジュールにつきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、本日の議事はこれにて終了といたします。皆様、どうもありがとうございました。
 

―― 了 ――

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スポーツ庁健康スポーツ課

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